JP6327046B2 - 電源システムおよび自動車 - Google Patents

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Description

本発明は電源システムおよび自動車に係り、特に、車両に搭載され、制動時にオルタネータから供給される回生電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えた電源システムおよび該電源システムを備えた自動車に関する。
従来、自動車等の移動体(車両)では、普通ガソリン車に見られるように、制動時を除く走行中にオルタネータから供給された電力を鉛蓄電池等の蓄電デバイスに充電し、蓄電デバイスをほぼ満充電状態に保っていた。近年、二酸化炭素排出抑制の観点から、このようなガソリン車において、アイドリングストップ・システム(ISS)機能を有する車両(ISS車)も徐々に増加している。
ISS車では、車両停止時にエンジンを停止し(従って、オルタネータから蓄電デバイスへの充電も停止し)、その間のランプや電装機器等の補機への電力供給はすべて蓄電デバイスで賄い、さらに、アイドリングストップ後のスタート時には蓄電デバイスに蓄電された電力でスタータ(セルモータ)を駆動させてエンジンを始動する。従って、ISS車では、車両停止時にエンジンを停止するため、普通ガソリン車と比べて燃費も向上する。
近時、ガソリンの小売価格の上昇も手伝って燃費改善のニーズはとりわけ高く、燃費効率の高い車両が大幅に販売台数を伸ばしている。このような実情に即して、自動車(製造)会社では、制動時にオルタネータから供給される回生電力で蓄電デバイスを充電するオルタネータ回生車両の開発が進められている。このようなオルタネータ回生車両の中には、上述したISS機能を有する車両も含まれ、そのような車両はμHEVまたはマイクロハイブリッドと呼ばれることもある。
オルタネータ回生車両では、普通ガソリン車で熱消費されていた、オルタネータから制動時に供給される回生電力で蓄電デバイスを充電し、制動時を除く走行中は原則的にオルタネータの動作を停止して(蓄電デバイスへの充電を停止して)オルタネータを作動させるためのエンジンによるガソリン消費を低減させる。オルタネータ停止中の補機への電力供給はすべて蓄電デバイスで賄われる。なお、蓄電デバイスの充電状態(SOC)が予め定めた設定値以下となったときには、蓄電デバイスの過放電等を防止するために、走行中または走行前にオルタネータを作動させて蓄電デバイスを充電する。
このようなオルタネータ回生車両に搭載される電源システムでは、制動時にオルタネータから供給される回生電力を受け入れるために、蓄電デバイス自体や制御技術を始めとする種々の研究・開発がなされている。例えば、非特許文献1には、鉛蓄電池において、充放電特性の改善や長寿命化を図る技術が開示されている。また、特許文献1には、水系の鉛蓄電池(メイン電池)と充電受入性の高い非水系のリチウムイオン電池(サブ電池)とで構成される蓄電デバイスを備えた電源システムが開示されている。
特開2003−134689号公報(段落「0030」〜「0034」、図1参照)
近藤 隆文ほか、オルタネータ回生車両用バッテリの開発、新神戸テクニカルレポートNo.18(2008−2)
ところで、特許文献1の技術では、一旦リチウムイオン電池(サブ電池)に蓄えられた電力は充放電中(走行中)サブ電池に蓄電されたままであり、充放電休止時(車両駐車時)に鉛蓄電池(メイン電池)に移動させる(サブ電池とメイン電池とを並列接続する)制御を行っている。充放電休止時を待つことなく(サブ電池とメイン電池とを並列接続せず)サブ電池に蓄えられた電力を放電負荷に放電可能な構成とすれば、走行中の蓄電デバイス全体の利用効率(放電効率)を向上させることができる。
このように利用効率を高めた蓄電デバイスでは、サブ電池の容量や充電状態等に応じて、サブ電池から放電負荷へ、またはメイン電池から放電負荷への切り替え制御が行われる。この切り替えには一般にスイッチングデバイスが用いられる。スイッチングデバイスは一瞬ではあるが切り替え時間を必要とする。そして、この切り替え時間に配慮しないと、放電負荷は、メイン電池およびサブ電池で構成される蓄電デバイスから一瞬電力が供給されない瞬断状態に陥るおそれがある。
本発明は上記事案に鑑み、放電負荷への電力供給の瞬断を防止可能な電源システムおよび該電源システムを備えた自動車を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、車両に搭載され、制動時にオルタネータから供給される回生電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えた電源システムにおいて、第1の蓄電デバイスと、第2の蓄電デバイスと、前記第1および第2の蓄電デバイスの充放電電流を切り替えるスイッチ手段と、前記回生電力を前記蓄電デバイスで受け入れる際に、最初に前記第2の蓄電デバイスを予め設定された所定時間定電圧充電し次いで前記所定時間が経過したときに前記第1の蓄電デバイスを定電圧充電し、前記蓄電デバイスから前記放電負荷に放電する際に、最初に前記第2の蓄電デバイスから前記放電負荷に放電し次いで前記第1の蓄電デバイスから前記放電負荷に放電するように前記スイッチ手段を制御する制御手段と、前記放電負荷に並列に接続され、前記スイッチ手段による前記第2の蓄電デバイスか前記第1の蓄電デバイスへの前記放電負荷に対する放電切り替え中に前記放電負荷に電力を供給するキャパシタと、を備える。
第1の態様では、蓄電デバイスが第1および第2の蓄電デバイスを有して構成されており、制御手段の制御に従ってスイッチ手段により第1および第2の蓄電デバイスの充放電電流が切り替えられる。制御手段は、回生電力を蓄電デバイスで受け入れる際に、最初に第2の蓄電デバイスを予め設定された所定時間定電圧充電し次いで所定時間が経過したときに第1の蓄電デバイスを定電圧充電し、蓄電デバイスから放電負荷に放電する際に、最初に第2の蓄電デバイスから放電負荷に放電し次いで第1の蓄電デバイスから放電負荷に放電するようにスイッチ手段を制御する。蓄電デバイスから放電負荷に電力が供給される際に、第2の蓄電デバイスか第1の蓄電デバイスへの放電負荷に対する放電を切り替えるときには、一瞬ではあるがスイッチ手段の切り替え時間が必要となり、この切り替え時間中は蓄電デバイスから放電負荷に電力が供給されないおそれがある。第1の態様では、放電負荷に並列に接続され、スイッチ手段による第2の蓄電デバイスか第1の蓄電デバイスへの放電負荷に対する放電切り替え中に放電負荷に電力を供給するキャパシタを備えている。このため、スイッチ手段により第および第の蓄電デバイス間の放電切り替えがあっても、キャパシタに蓄えられた電力が放電負荷に流れるので、放電負荷への電力供給の瞬断を防止することができる。
第1の態様において、制御手段によるスイッチ手段の切り替え制御処理時間とスイッチ手段による切り替え所要時間との和で定義される切り替え時間をX[μs]、第1または第2の蓄電デバイスから放電負荷に流れる電流をY[A]としたときに、キャパシタは、[(X×Y×10−6)/{(切り替え前に放電負荷に接続されていた第1または第2の蓄電デバイスの電圧)−(放電負荷が作動するための最低電圧)}][F]以上の容量を有することが好ましい。また、キャパシタは、スイッチ手段を介して第1および第2の蓄電デバイスと並列に接続されていることが望ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、第1の態様の電源システムを備えた自動車である。
本発明によれば、制御手段は、回生電力を蓄電デバイスで受け入れる際に、最初に第2の蓄電デバイスを予め設定された所定時間定電圧充電し次いで所定時間が経過したときに第1の蓄電デバイスを定電圧充電し、蓄電デバイスから放電負荷に放電する際に、最初に第2の蓄電デバイスから放電負荷に放電し次いで第1の蓄電デバイスから放電負荷に放電するようにスイッチ手段を制御するが、放電負荷に並列に接続され、スイッチ手段による第2の蓄電デバイスか第1の蓄電デバイスへの放電負荷に対する放電切り替え中に放電負荷に電力を供給するキャパシタを備えているため、スイッチ手段により第および第の蓄電デバイス間の放電切り替えがあっても、キャパシタに蓄えられた電力が放電負荷に流れるので、放電負荷への電力供給の瞬断を防止することができる、という効果を得ることができる。
本発明が適用可能な実施形態の電源システムのブロック回路図である。 オルタネータ回生車両における本実施形態の電源システムの搭載位置を模式的に示す説明図である。 セレクタの接続状態を模式的に示す説明図であり、(A)は状態0、(B)は状態1、(C)は状態2を示す。 回生電力受け入れによるサブ電池のSOCを模式的に示す説明図であり、(A)は本実施形態での定常充電におけるサブ電池のSOC、(B)は本実施形態でのブレーキ開放による充電打ち切りにおけるサブ電池のSOC、(C)本実施形態での使用上限SOCによる充電打ち切りにおけるサブ電池のSOC、(D)は他の実施形態でのサブ電池のSOCを示す。 放電負荷への放電によるサブ電池のSOCを模式的に示す説明図であり、(A)は本実施形態での定常放電におけるサブ電池のSOC、(B)は本実施形態での使用下限SOCによる放電打ち切りにおけるサブ電池のSOC、(C)は他の実施形態でのサブ電池のSOCを示す。
以下、図面を参照して、本発明を、オルタネータ回生車両に搭載可能な電源システムに適用した実施の形態について説明する。
(車両側の構成)
まず、本実施形態の電源システムに言及する前に、電源システムに関連するオルタネータ回生車両(μHEV)の主要構成について簡単に説明する。なお、μHEVとは、ISS機能を有し、制動時にオルタネータから供給される回生電力を受け入れ可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えたガソリン車またはディーゼル車をいう。
<車両制御部16>
図1に示すように、オルタネータ回生車両20は、オルタネータ回生車両20全体の動作を制御する車両制御部(ECU)16を備えている。車両制御部16は、図示しないイグニッションスイッチ(以下、IGNと略称する。)が、OFF位置、ON/ACC位置、START位置のいずれに位置しているかを把握するとともに、アクセル、ブレーキ、エンジン等の作動状態、速度その他の車両状態を把握し、把握した状態に応じた走行制御を行う。また、車両制御部16は、電源システムの制御部と通信線18を介して通信し、電源システムを構成する蓄電デバイスの状態情報の報知を受けるとともに、電源システムの制御部に車両の状態情報(IGNの位置情報、ブレーキの作動情報)を報知する。なお、ブレーキ作動情報には、ブレーキ(ペダル)が踏まれたことを表す制動開始情報と、ブレーキが開放されたことを表す制動終了情報とが含まれる。
<オルタネータ12>
また、オルタネータ回生車両20は、主として制動時に図示を省略したエンジンの回転力を(回生)電力に変換するオルタネータ12を備えている。なお、後述するように、蓄電デバイス(後述するメイン電池1)の状態に応じて、制動時以外にもオルタネータ12による発電がなされる場合がある。
オルタネータ12は、ステータおよびロータで構成される発電部と、発電部で発電された交流電力を直流電力に変換する整流部と、整流部で変換された直流電力の電圧を一定とするためのボルテージレギュレータとを有して構成されている。本実施形態では、オルタネータ12の出力電圧の上限が14Vに設定されている。なお、オルタネータ12の一端はグランド(車両のシャーシと同電位。以下、GNDと略称する。)に接続されており、他端は後述する放電負荷14の一端およびセレクタ5の一側端に接続されている。
<放電負荷14>
さらに、オルタネータ回生車両20は、図示を省略したスタータ(セルモータ)および補機で構成される放電負荷14を有している。補機には、例えば、ランプ(ライト)、エンジンポンプ(スパークプラグ)、エアコン、ファン、ラジオ、テレビ、CDプレーヤー、カーナビゲーション等を挙げることができる。放電負荷14の他端はGNDに接続されている。上記補機は、作動するための最低電圧(例えば8V)をメイン電池またはサブ電池から供給されればよい。
なお、オルタネータ回生車両20のエンジン始動時には、IGNがSTART位置に位置付けられると、蓄電デバイス(後述するメイン電池1)からスタータへ電力が供給されスタータが回転し、エンジンの回転軸には図示しないクラッチ機構を介してスタータの回転駆動力が伝達されエンジンが始動する。
(電源システムの構成)
次に、本実施形態の電源システム10について説明する。電源システム10は、例えば、図2に示すように、オルタネータ回生車両20のエンジンルームに搭載されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の電源システム10は、制動時にオルタネータ12から供給される回生電力を受け入れ可能かつ放電負荷14に放電可能な蓄電デバイスを備えている。蓄電デバイスは、水系若しくは非水系の電池で構成されるメイン電池1(第1の蓄電デバイス)と、水系若しくは非水系の電池またはキャパシタで構成されるサブ電池2(第2の蓄電デバイス)とで構成されている。なお、本実施形態で「メイン電池」とはエンジンを始動させるための電池をいい、「サブ電池」とはそれ以外の電池またはキャパシタをいう。
メイン電池1には、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池およびリチウムイオン電池(LIB)で構成される群から選択される1種を用いることができ、サブ電池2には、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ(LIC)および電気二重層キャパシタで構成される群から選択される1種を用いることができる。以下では、説明を簡単にするために、メイン電池1に鉛蓄電池、サブ電池2にリチウムイオン電池を用いた例について説明する。なお、本実施形態の電源システム10は14V系電源システムを構成している。
<メイン電池1>
メイン電池1の電槽には、内部を仕切る隔壁によって6個のセル室を画定するモノブロック電槽が用いられている。モノブロック電槽の中央部の隔壁には上部側から略中央部までセンサ挿入孔が形成されている。センサ挿入孔にはメイン電池1の中央部の温度を検出するサーミスタ等の温度センサが挿入されており、温度センサは接着剤でセンサ挿入孔内に固定されている。
メイン電池1の各セル室には、複数の正極板と負極板とをセパレータを介して積層した極板群が1組ずつ収容されており、水系電解液である希硫酸が注液されている。メイン電池1の正極活物質には二酸化鉛、負極活物質には海綿状鉛を用いることができる。また、回生電力を受け入れやすい構造とするために、非特許文献1にも開示されているように、負極活物質合剤には、上述した負極活物質の他にリグニンおよびカーボン等を含む負極添加剤が混入されている。各セル室はモノブロック電槽の開口を一体に覆う蓋で密閉化されており、各セル室間は導電性の接続部材により直列に接続されている。メイン電池1の上部対角位置には、外部出力端子となる正極端子および負極端子が立設されている。各セルの公称電圧は例えば2Vであり、メイン電池1の公称電圧は例えば12Vである。なお、メイン電池1の負極端子はGNDに接続されている。
<サブ電池2>
一方、サブ電池2は、例えば4V系リチウムイオン電池を複数本(本例では4本)直列に接続することで最上位電位側に正極端子、最下位電位側に負極端子を有して構成されており、負極端子はGNDに接続されている。また、これに代えて、近時研究・開発されている5V系リチウムイオン電池を複数本直列に接続して構成するようにしてもよい。更に、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いた2〜3V系リチウムイオン電池を複数本直列に接続して構成するようにしてもよい。サブ電池2を構成するリチウムイオン電池の本数は、リチウムイオン電池の仕様とオルタネータ12の出力電圧とで定められる。これらのリチウムイオン電池のうち中央部に配された1本のリチウムイオン電池の電池缶表面には、接着剤によりサーミスタ等の温度センサが固着されている。
各リチウムイオン電池は、アルミニウム箔に正極活物質を塗着した正極と銅箔に負極活物質を塗着した負極とを微多孔性のセパレータを介して捲回または積層した電極群を有しており、電極群は、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩がエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート等の混合溶媒に溶解された非水電解液に浸潤されて円筒型、扁平円筒型または角型の電池缶内に収容されている。リチウムイオン電池の正極活物質にはリチウムマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、負極活物質には炭素材料またはチタン酸リチウムを用いることができる。なお、本実施形態の各リチウムイオン電池の公称電圧は3.8V、サブ電池2の公称電圧は15.2Vである。
<セレクタ5>
図1に示すように、電源システム10は、メイン電池1およびサブ電池2の充放電電流を切り替えるセレクタ5(スイッチ手段)を備えており、セレクタ5の他側一端および他端はそれぞれメイン電池1およびサブ電池2の正極端子に接続されている。セレクタ5は、大電流が通電可能な複数のスイッチング素子(例えば、パワーMOSFET)で構成されている。ここで、セレクタ5の機能について説明すると、制動時にオルタネータ12から供給される回生電力を蓄電デバイスで受け入れる際に、オルタネータ12からメイン電池1およびサブ電池2のいずれか一方に接続するスイッチの役割を果たすとともに、蓄電デバイスから放電負荷14に放電する際に、メイン電池1およびサブ電池2のいずれか一方から放電負荷14に接続するスイッチの役割を果たす。なお、セレクタ5は、オルタネータ12/放電負荷14がメイン電池1およびサブ電池2のいずれにも接続されない状態「0」(図3(A)参照)、オルタネータ12/放電負荷14がメイン電池1に接続される状態「1」(図3(B)参照)、オルタネータ12/放電負荷14がサブ電池2に接続される状態「2」(図3(C)参照)のいずれかの状態を採る(メイン電池1とサブ電池2とが並列接続される状態は採らない。)。
<キャパシタ9>
状態「2」から状態「1」にセレクタ5を切り替える際(または、状態「1」から状態「2」にセレクタ5を切り替える際)には、メイン電池1およびサブ電池2のいずれかから放電負荷14に放電電流が流れない状態「0」と同様の状態が一瞬生じる。この間、放電負荷14は、メイン電池1およびサブ電池2で構成される蓄電デバイスから電力が供給されない状態となる。このような瞬断を防止するために、放電負荷14に並列に接続される瞬断防止用キャパシタ9が配置されている。言い直すと、キャパシタ9は、一側(+側)がオルタネータ12に、他側(−側)がGNDにそれぞれ接続されており、セレクタ5を介してメイン電池1およびサブ電池2と並列に接続されている。
メイン電池1およびサブ電池2の電圧は、補機が作動するための最低電圧以上に設定されている。ここで、キャパシタ9の容量は、例えば以下のようにして算出される値以上のものを用いることが好ましい。すなわち、メイン電池1およびサブ電池2が切り替わる時間(マイクロコントローラによるセレクタ5の制御処理時間+セレクタ5による切り替え所要時間)をX[μs]とし、放電負荷14に流れる電流をY[A]とすると、
I×t=Y×X×10−6[C]
Q=CVより、
Y×X×10−6=C(メイン電池1またはサブ電池2(切り替え前に接続されていた電池)の電圧−補機が作動するため最低電圧)
C=Y×X×10−6/(メイン電池1又はサブ電池2(切り替え前に接続されていた電池)の電圧−補機が作動するため最低電圧)[F]以上のキャパシタを使用することが好ましい。なお、本実施形態では、キャパシタ9に容量が125[μF]の電解キャパシタが用いられている。
<コントローラ3、4>
また、図1に示すように、電源システム10は、メイン電池1、サブ電池2の電池状態をそれぞれ検出するメイン電池コントローラ3、サブ電池コントローラ4(以下、両者を総称する場合はコントローラ3、4という。)を備えている。コントローラ3、4は、充放電中(車両走行中および車両走行前)にそれぞれメイン電池1、サブ電池2の温度、電圧、電流等の電池状態を検出する。
すなわち、本実施形態では、上述したメイン電池1の温度センサはメイン電池コントローラ3に接続されており、メイン電池コントローラ3は所定時間毎に(例えば、10ms間隔で)温度センサの電圧をサンプリングし、サンプリング結果をRAMに格納する。また、メイン電池1の電圧を検知するために、メイン電池1の正極端子および負極端子はメイン電池コントローラ3に接続されている。さらに、メイン電池1に流れる充放電電流を検出するために、メイン電池1およびセレクタ5間にはホール素子またはシャント抵抗等の電流センサ7が配されており、電流センサ7はメイン電池コントローラ3に接続されている。メイン電池コントローラ3は、メイン電池1の電圧およびメイン電池1に流れる電流を所定時間毎に(例えば、2ms間隔で)サンプリングし、サンプリング結果をRAMに格納する。また、メイン電池コントローラ3は、充放電休止時(車両駐車時)に、メイン電池1の開回路電圧(以下、OCVと略称する。)およびそのときの温度を検出する。
一方、サブ電池コントローラ4も上述したメイン電池コントローラ3と同様の構成を有しているが(サブ電池2に流れる充放電電流を電流センサ8で検出)、サブ電池2の総電圧の検出に加え、過放電・過充電を監視するために各リチウムイオン電池の電圧も検出する点で、メイン電池コントローラ3が検出する以外の電圧検出も行う。
コントローラ3、4は、制御部6(状態把握部6A)に接続されており、充放電時に、RAMに格納したメイン電池1およびサブ電池2の温度、電圧、電流、サブ電池2を構成する各リチウムイオン電池の電圧を制御部6に出力し、充放電休止時に、検出したOCVおよびそのときの温度を制御部6に出力する。
<制御部6>
図1に示すように、電源システム10は、メイン電池1およびサブ電池2の電池状態を演算するとともに、セレクタ5による電流切り替え動作を制御する制御部6(制御手段)を備えている。制御部6は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)、通信IC、I/O、入力ポート、出力ポートを有するマイクロプロセッサとして構成されており、図1では、制御部6の役割を明確にするために機能別に細部を表している。
すなわち、マイコンはメイン電池1およびサブ電池2の電池状態を把握(演算)するCPU、基本制御プログラムおよび後述するテーブル等のプログラムデータを記憶したROM、CPUのワークエリアとして働くとともに種々のデータを一時的に記憶するRAMおよびこれらを接続する内部バスで構成されている。内部バスは外部バスに接続されており、外部バスは入力ポートを介して上述したコントローラ3、4に接続されている。また、外部バスには、セレクタ5に信号を出力するための出力ポート、および、I/O、通信線18を介して車両制御部16と通信するための通信ICが接続されている。
従って、制御部6のマイコンおよび入力ポートは図1の状態把握部6Aに、マイコンおよび出力ポートはセレクタ制御部6Bに、通信ICおよびI/Oは通信部6Cにそれぞれ対応する。制御部6はその他の機能(例えば、後述する省エネモードへ移行させるための機能)も有しているが、図1では捨象している。セレクタ5と出力ポートとは制御線で接続されており、制御部6を構成するマイコンの破損を防止するために制御線には抵抗が挿入されている。なお、制御線には出力ポートを介してハイレベル信号(H)またはローレベル信号(L)が出力される。
図1に沿って制御部6の各部の機能を説明すると、状態把握部6Aは、コントローラ3、4から出力された検出データをRAMに一旦格納し、メイン電池1およびサブ電池2の現在の電池状態等を演算(推定)する。通信部6Cは、状態把握部6Aが演算したメイン電池1およびサブ電池2の現在の電池状態を所定時間(例えば、2ms)毎に車両制御部16に報知するとともに、車両制御部16から車両の状態情報(IGNの位置情報、ブレーキの作動情報)の報知を受ける。なお、車両制御部16は、上述した電磁クラッチを作動させるときとほぼ同じタイミングでブレーキの作動情報を通信部6Cに報知する。セレクタ制御部6Bは、車両制御部16から報知されたブレーキの作動情報および状態把握部6Aで演算したメイン電池1およびサブ電池2の電池状態に従ってセレクタ5を制御する。
なお、本実施形態では、コントローラ3、4、セレクタ5、制御部6および車両制御部16はメイン電池1から供給される電力で作動する。
(動作)
次に、本実施形態の電源システム10の動作について、制御部6のマイコンのCPU(以下、CPUと略称する。)を主体として説明する。
<充放電休止時(車両駐車時)>
車両走行後の車両駐車開始時には、ドライバによりIGNがON/ACC位置からOFF位置に位置付けられ、イグニッションキーがIGNから引き抜かれる。車両制御部16はIGNを監視しており、IGNがOFF位置に位置付けられると、制御部6にその旨を報知する。
車両制御部16からIGNがOFF位置に位置付けられた旨の報知を受けたCPUは、コントローラ3、4および制御部6をスリープ状態(省エネモード)とする制御を行う。すなわち、セレクタ5を上述した状態「0」とし、コントローラ3、4にメイン電池1、サブ電池2の温度、電圧、電流等の検出・出力を停止させ、CPU自体もメイン電池1、サブ電池2の電池状態の演算および車両制御部16への報知を停止して、車両制御部16からIGNがOFF位置に位置付けられた旨の報知を受けたときから所定時間が経過したか否かを判断する計時処理のみ行う。この所定時間は、例えば、メイン電池1の負極の分極状態が解消したとみなされる6時間に設定することができる。
CPUは、車両制御部16からIGNがOFF位置に位置付けられた旨の報知を受けたときから所定時間が経過したと判断すると、コントローラ3、4をアウェーク(作動状態に移行)させ、上述したように、メイン電池1およびサブ電池2のOCVおよびそのときの温度を検出・出力させた後、コントローラ3、4を再度スリーブ状態とする。
次いで、CPUは、メイン電池1およびサブ電池2のOCVからメイン電池1およびサブ電池2の充電状態(以下、SOCと略称する。)を演算し、プログラムデータとして予めROMに格納されRAMに展開されたテーブルまたは数式を参照して演算したSOCを基準温度(例えば、25°C)におけるSOCに温度補正してメイン電池1およびサブ電池2の基準SOCを演算(算出)する。この場合に、メイン電池1およびサブ電池2の健康状態(以下、SOHと略称する。)も併せて演算し、SOHに応じてSOCを補正するようにしてもよい。なお、上述した所定時間が経過しない場合には、メイン電池1の分極状態が解消されず基準SOCが不正確となるため、このような状態でのコントローラ3、4によるOCVの検出やCPUによる基準SOCの演算は行わず、直近に取得していた基準SOCを基準SOCとして取り扱う。
次に、CPUは、基準SOCおよび電圧値を車両制御部16に報知し、その後、制御部6を再度スリープ状態とする。言い直すと、制御部6は、コントローラ3、4によるOCVおよび温度の検出・出力時、基準SOCの演算時および車両制御部16への報知時のみ作動状態となる。なお、車両走行後にIGNがOFF位置に位置付けられたときは車両制御部16も所定の処理(データ保存等)を行った後スリープ状態となり、制御部6からのOCVおよび温度の報知時のみ作動状態となる。
<充放電時>
1.充放電時の一般制御
車両駐車後の車両走行前には、ドライバによりIGNにイグニッションキーが挿入され、IGNはOFF位置からON/ACC位置に位置付けられ、さらにON/ACC位置からSTART位置に位置付けられた後、再度ON/ACC位置に位置付けられる。車両制御部16はIGNが最初にON/ACC位置に位置付けられると、制御部6にその旨を報知する。報知を受けたCPUは、コントローラ3、4および制御部6を作動状態に移行させる。
CPUは、充放電中(車両走行中および車両走行前)は、コントローラ3、4で所定時間毎に検出されたメイン電池1およびサブ電池2の電圧値(サブ電池2を構成する各リチウムイオン電池の電圧値を含む。)を取得するとともに、上述した基準SOCおよびメイン電池1、サブ電池2の電池容量(既知)に基づいて、コントローラ3、4で所定時間毎に検出された電流値を積算してメイン電池1およびサブ電池2の現在のSOCを推測(演算)する。なお、電圧値、電流値は上述した基準温度に温度補正される。そして、所定時間毎に、メイン電池1およびサブ電池2の現在のSOCおよび電圧値を車両制御部16に報知する。
一方、この報知を受けた車両制御部16は、メイン電池1およびサブ電池2の現在のSOCおよび電圧値を参照して、上述した電磁クラッチを作動させ図示しないエンジンの回転力をオルタネータ12に伝達させるか(オルタネータ12を発電させ蓄電デバイスを充電するか)否かを判断する。すなわち、例えば、メイン電池1が使用上限電圧値に近い場合には過充電状態に陥るおそれがあるためオルタネータ12を作動させないように電磁クラッチを制御し、逆に、メイン電池1が使用下限SOC、使用下限電圧値に近い場合にはアイドリングストップ後にエンジンを再起動できなくなるおそれがあるため、ドライバのブレーキ操作による回生充電を待たずに、車両走行中または車両走行前にオルタネータ12を作動させてメイン電池1を充電するように電磁クラッチを制御する。
2.回生充放電時の制御
本発明の特徴の1つは、オルタネータ12からの回生電力を蓄電デバイスで受け入れる際に、最初にサブ電池2を充電し、次いでメイン電池1を充電するようにセレクタ5を制御し、蓄電デバイスから放電負荷14に放電する際に、最初にサブ電池2から放電負荷14に放電し、次いでメイン電池1から放電負荷14に放電するようにセレクタ5を制御する点にある。以下では、CPUによる回生充放電時の制御について詳述する。
2−1.回生充電時の制御
CPUは、車両制御部16からブレーキが踏まれたことを表す制動開始情報の報知を受けると、原則として、予め設定された第1の所定時間T1の間、サブ電池2を充電する(図4(A)参照)ように、セレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「2」を選択させる。)。オルタネータ12は上述したようにボルテージレギュレータを有しているため、サブ電池2は定電圧充電される。ただし、(1)CPUが、車両制御部16からブレーキが踏まれたことを表す制動開始情報の報知を受けた後、第1の所定時間T1の経過前に、車両制御部16からブレーキが開放されたことを表す制動終了情報の報知を受けた場合(図4(B)参照)、および、(2)第1の所定時間T1の間、サブ電池2を定電圧充電すると、サブ電池2の予め設定された使用上限SOCを越えて充電され、サブ電池2が過充電状態に陥るおそれがある場合(図4(C)参照)の2つの例外がある。
このため、CPUは、車両制御部16から制動開始情報の報知を受けると、図4(C)に示すように、推定した現在のSOC(推定SOC)から使用上限SOCまでの充電時間T1’’を演算し、第1の所定時間T1が演算した充電時間T1’’より長いか否かを判断する。このような充電時間T1’’の演算には、例えば、予めROMに格納されRAMに展開された、SOCと使用上限SOCまでの時間との関係を表すテーブルや数式が用いられる。なお、本実施形態では、CPUは、車両制御部16から制動開始情報の報知を受けたときに(サブ電池2の回生充電中に)充電時間T1’’を演算するが、現在のSOCを演算する際に併せて充電時間T1’’も予め演算(サブ電池2の回生充電前に演算)しておくようにしてもよい。
第1の所定時間T1が演算した充電時間T1’’がより短い場合(否定判断のとき、図4(A)参照)には、第1の所定時間T1の間、状態「2」を選択させるようにセレクタ5を制御し、第1の所定時間T1が経過したときに、状態「1」を選択させるようにセレクタ5を制御する。一方、第1の所定時間T1が演算した充電時間T1’’より長い場合(肯定判断のとき、図4(C)参照)には、演算した充電時間T1’’の間、状態「2」を選択させるようにセレクタ5を制御し、演算した充電時間T1’’が経過したときに、状態「1」を選択させるようにセレクタ5を制御する。ただし、第1の所定時間T1または演算した充電時間T1’’(T1’’<T1)の間に(回生電力によるサブ電池2の充電中に)、CPUが車両制御部16から制動終了情報の報知を受けると、サブ電池2への回生充電はその時点で打ち切られる。図4(B)では、充電開始からT1’経過した時点で打ち切られることを示している。この場合には、メイン電池1への回生充電は行われない。なお、CPUは、回生電力によるメイン電池1中に、車両制御部16から制動終了情報の報知を受けると、メイン電池1への充電を停止させる制御を行う。
2−2.回生放電時の制御
CPUは、オルタネータ12からの回生電力をサブ電池2ないしメイン電池1で受け入れた後、車両制御部16から制動終了情報の報知を受けると、直ちにサブ電池2から放電負荷14に、予め設定された第2の所定時間T2の間、放電するようにセレクタ5を制御する(図5(A)参照)。ただし、第2の所定時間T2の間、サブ電池2から放電負荷14に放電すると、サブ電池2の予め設定された使用下限SOCを越えて放電され、サブ電池2が過放電に陥るおそれがある場合(図5(B)参照)には例外がある。
このため、CPUは、車両制御部16から制動終了情報の報知を受けると、図5(B)に示すように、推定した現在のSOC(推定SOC)から使用下限SOCまでの放電時間T2’を演算し、第2の所定時間T2が演算した放電時間T2’より長いか否かを判断する。このような放電時間T2’の演算にも、SOCと使用下限SOCまでの時間との関係を表すテーブルや数式が用いられる。なお、本実施形態では、CPUは、車両制御部16から制動終了情報の報知を受けたとき(サブ電池2の放電中に)放電時間T2’を演算するが、現在のSOCを演算する際に併せて放電時間T2’も予め演算(サブ電池2の放電前に演算)しておくようにしてもよい。
CPUは、第2の所定時間T2が演算した放電時間T2’がより短い場合(否定判断のとき、図5(A)参照)には、第2の所定時間T2の間、状態「2」を選択させるようにセレクタ5を制御し、第2の所定時間T2が経過したときに、状態「1」を選択させるようにセレクタ5を制御する。一方、第2の所定時間T2が演算した放電時間T2’より長い場合(肯定判断のとき、図5(B)参照)には、演算した放電時間T2’の間、状態「2」を選択させるようにセレクタ5を制御し、演算した放電時間T2’が経過したときに、状態「1」を選択させるようにセレクタ5を制御する。なお、車両制御部16からの制動終了情報に従って回生電力によるサブ電池2の充電中にサブ電池2への充電を打ち切った場合には(図4(B)参照)、直ちにサブ電池2から放電負荷14に放電されるため、セレクタ5に状態「2」を選択させた状態のままとなる。
上述した使用上限SOC、使用下限SOCは、サブ電池2の種類、容量等により大きく変動するが、一般に、例えば、使用上限SOCについては90%〜98%の範囲の任意の値を選択することができ、使用下限SOCについては5%〜40%の範囲の任意の値を選択することができる。ここで、使用下限SOCは、補機が作動するための最低電圧以上である状態が好ましく、電圧範囲はオーディオ切れとなる目安の電圧8Vよりも高い電圧で使用されるため、それぞれのデバイスでその下限電圧に対応したSOCが下限SOCとなることが好ましい。
また、上記では、回生充放電時の制御を簡潔に説明するために、サブ電池2のSOCを中心に説明したが、本実施形態では、サブ電池2の使用上限SOC、使用下限SOCの他に、サブ電池2の使用上限電圧V、使用下限電圧V、さらに、サブ電池2を構成する各リチウムイオン電池の使用上限電圧、使用下限電圧も予め設定されており、サブ電池2が使用上限電圧Vに達した場合には、図4(C)に示した場合と同様に、回生電力によるサブ電池2への充電を打ち切りメイン電池1を充電し、サブ電池2が使用下限電圧Vに達した場合には、図5(B)に示した場合と同様に、サブ電池2から放電負荷14への放電を打ち切りメイン電池1から放電負荷14に放電する制御も行っている。本実施形態では、メイン電池1もサブ電池2と同様に、使用上限SOC、使用下限SOC、使用上限電圧、使用下限電圧が設定されている。
3.その他の処理
3−1.ISSとの関係
μHEVでは、ISS車と同様、アイドリングストップの際にブレーキが踏まれるため、上記2の場合と同様の制御がなされる。また、アイドリングストップ時の車両停止中は、サブ電池2ないしメイン電池1から放電負荷14に放電がなされる。なお、エンジン再始動時には、上述したエンジン始動の際と同様に、メイン電池1からスタータへ電力が供給されエンジンが始動する。
アイドリングストップ後のエンジン再始動の際に、メイン電池1からスタータへ電力が供給されるため、メイン電池1は、上述した使用下限SOC、使用下限電圧以上の値に保たれている必要がある。この点は、車両走行前においても同じである。車両制御部16は、制御部6から所定時間毎にメイン電池1の現在のSOCの推定値、電圧値の報知を受けているため、メイン電池1が使用下限SOC、使用下限電圧値、または、その近傍値まで放電されると、上述したように、エンジンを始動しメイン電池1を充電する。その際、CPUは、車両制御部16から報知を受け、この報知に従って、状態「1」をセレクタ5に選択させる。
3−2.異常処理
CPUは、サブ電池2を構成する各リチウムイオン電池の電圧値が所定範囲にあるか否やサブ電池2の温度も監視する。各リチウムイオン電池の電圧値やサブ電池2の温度が予め設定された所定範囲から外れた場合にはその旨も車両制御部16に報知する。このような異常は段階別に処理を異ならせることが好ましく、車両制御部16は必要に応じてインストールメントパネルにその旨を表示する。CPUは、異常状態に応じて、メイン電池1およびサブ電池2のいずれか一方を使用せず、いずれか他方のみを使用するようにセレクタ5に状態を選択させるようにしてもよい。
(作用効果等)
次に、本実施形態の電源システム10の作用効果等について説明する。
本実施形態の電源システム10では、放電負荷14に並列に接続され、セレクタ5によるサブ電池2およびメイン電池1のいずれか一方からいずれか他方への放電負荷14に対する放電切り替え中に放電負荷14に電力を供給するキャパシタ9を備えている。このため、セレクタ5によりメイン電池1およびサブ電池2間の放電切り替えがあっても、キャパシタ9に蓄えられた電力が放電負荷14に流れるので、放電負荷14への電力供給の瞬断を防止することができる。
また、本実施形態の電源システム10では、制御部6が、オルタネータ12からの回生電力を蓄電デバイスで受け入れる際に、最初にサブ電池2を充電し、次いでメイン電池1を充電するようにセレクタ5を制御し、蓄電デバイスから放電負荷14に放電する際に、最初にサブ電池2から放電負荷14に放電し、次いでメイン電池1から放電負荷14に放電するようにセレクタ5を制御する。このため、電源システム10によれば、特許文献1の電源システムのように充放電休止時を待つことなく、サブ電池2に蓄えられた回生電力を放電負荷14に放電可能なため、蓄電デバイス全体の利用効率を高めることができる。従って、電源システム10を搭載したオルタネータ回生車両20は燃費改善率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の電源システム10では、制御部6が、オルタネータ12からの回生電力をサブ電池2ないしメイン電池1で受け入れた後、直ちにサブ電池2から放電負荷14に放電するようにセレクタ5を制御する。サブ電池2に蓄えられた回生電力を直ちに放電負荷14に放電できるため、高い利用効率を確保することができる。
また、本実施形態の電源システム10では、充電時間T1(図4(A)参照)、放電時間T2(図5(A)参照)を予め設定された固定時間とし、使用上限SOCまでの充電時間T1’’(図4(C)参照)および使用下限SOCまでの放電時間T2’(図5(B)参照)のみ演算して充電時間T1、放電時間T2と比較するので、制御部6の演算負荷(消費電力)を低減させることができる。なお、サブ電池コントローラ4から出力された電圧値を監視し、サブ電池2の電圧値が使用上限SOCおよび使用下限SOCに対応する電圧値となったときに回生電力によるサブ電池2への充電を打ち切る制御とすれば、充電時間T1’’や放電時間T2’の演算や充電時間T1、放電時間T2との比較も不要となるので、制御部6の演算負荷をより低減させることができる。
なお、本実施形態では、充電時間T1、放電時間T2を予め設定された固定時間とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4(A)に示した充電時間T1に代えて、図4(D)に示すように、推定した現在のSOC(推定SOC)から使用上限SOCまでの充電時間T’を都度演算し、図5(A)に示した放電時間T2に代えて、図5(C)に示すように、推定した現在のSOC(推定SOC)から使用下限SOCまでの放電時間T’’を都度演算するようにしてもよい。このような充電時間T’、放電時間T’’は可変時間と考えられる。
また、本実施形態では、電源システム10の構成を把握しやすいように、メイン電池コントローラ3、サブ電池コントローラ4、制御部6に分けて説明したが、これらを一体に構成するようにしてもよい。さらに、本実施形態では、コントローラ3、4から出力されたメイン電池1、サブ電池2の検出データに応じて制御部6でメイン電池1、サブ電池2の電池状態を演算する例を示したが、このような演算は車両制御部2で行うようにしてもよい。このような態様では、制御部6の主機能はセレクタ制御部6Bと通信部6Cとになる。
さらに、本実施形態では、エンジン始動をメイン電池1で行う例を示したが、本発明はこれに制限されず、エンジン始動をサブ電池2で行うようにしてもよい。また、本実施形態では、コントローラ3、4、制御部6、車両制御部16の作動電力がメイン電池1から供給される例を示したが、サブ電池2から供給されるようにしてもよく、また、コントローラ3、4、制御部6、車両制御部16への作動電力をメイン電池1、サブ電池2が協働ないし分担して供給するようにしてもよい。従って、本発明では、メイン電池1の電池容量がサブ電池2の電池容量より大きくても、小さくても、または同じであってもよい。
また、本実施形態では、メイン電池1を構成する鉛蓄電池に合わせて車両駐車の6時間後にメイン電池1やサブ電池2のOCVの測定を行う例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。サブ電池2にLIBやLICが用いられる場合には、サブ電池2の分極解消は6時間より短い時間となるので、サブ電池2についてはメイン電池1と異なる時間でOCVを測定するようにしてもよい。このような態様では、サブ電池2の基準SOCの把握精度を高めることができため、サブ電池2の電池容量が大きく放電負荷14への電力供給が大きくなるに従い検討すべき課題となる。また、本実施形態では、制御部6のCPUが6時間を計時する例を示したが、車両制御部16が計時し、制御部6、コントローラ3、4をスリープ状態からアウェーク(作動状態と)させるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、制御部6は、車両制御部16を介してブレーキの作動情報を取得する例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、ブレーキを制御するブレーキ制御部から直接ブレーキの作動情報を取得するようにしてもよい。
また、本実施形態では14V系電源システム10を例示したが、本発明はこれに制限されることなく、例えば、42V系電源システム等の14V系電源システム以外の電源システムにも適用可能である。
本発明は放電負荷への電力供給の瞬断を防止可能な電源システムおよび該電源システムを備えた自動車を提供するものであるため、電源システムや自動車の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1 メイン電池(第1の蓄電デバイス)
2 サブ電池(第2の蓄電デバイス)
5 セレクタ(スイッチ手段)
6 制御部(制御手段)
9 キャパシタ
10 電源システム
12 オルタネータ
14 放電負荷
20 オルタネータ回生車両(車両、自動車)

Claims (4)

  1. 車両に搭載され、制動時にオルタネータから供給される回生電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えた電源システムにおいて、
    第1の蓄電デバイスと、
    第2の蓄電デバイスと、
    前記第1および第2の蓄電デバイスの充放電電流を切り替えるスイッチ手段と、
    前記回生電力を前記蓄電デバイスで受け入れる際に、最初に前記第2の蓄電デバイスを予め設定された所定時間定電圧充電し次いで前記所定時間が経過したときに前記第1の蓄電デバイスを定電圧充電し、前記蓄電デバイスから前記放電負荷に放電する際に、最初に前記第2の蓄電デバイスから前記放電負荷に放電し次いで前記第1の蓄電デバイスから前記放電負荷に放電するように前記スイッチ手段を制御する制御手段と、
    前記放電負荷に並列に接続され、前記スイッチ手段による前記第2の蓄電デバイスか前記第1の蓄電デバイスへの前記放電負荷に対する放電切り替え中に前記放電負荷に電力を供給するキャパシタと、
    を備えた電源システム。
  2. 前記制御手段による前記スイッチ手段の切り替え制御処理時間と前記スイッチ手段による切り替え所要時間との和で定義される切り替え時間をX[μs]、前記第1または第2の蓄電デバイスから前記放電負荷に流れる電流をY[A]としたときに、前記キャパシタは、[(X×Y×10−6)/{(切り替え前に前記放電負荷に接続されていた前記第1または第2の蓄電デバイスの電圧)−(前記放電負荷が作動するための最低電圧)}][F]以上の容量を有することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  3. 前記キャパシタは、前記スイッチ手段を介して前記第1および第2の蓄電デバイスと並列に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電源システムを備えた自動車。
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