JP6435824B2 - 電源システムおよび自動車 - Google Patents

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Description

本発明は電源システムおよび自動車に係り、特に、車両に搭載され、オルタネータから供給される回生電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えた電源システムおよび該電源システムを備えた自動車に関する。
従来、自動車等の移動体(車両)では、普通ガソリン車に見られるように、制動時を除く走行中にオルタネータから供給される電力を鉛蓄電池等の蓄電デバイスに充電し、蓄電デバイスをほぼ満充電状態に保っていた。近年、二酸化炭素排出抑制の観点から、このようなガソリン車において、アイドリングストップ・システム(ISS)機能を有する車両(ISS車)も徐々に増加している。
ISS車では、車両停止時にエンジンを停止し(従って、オルタネータから蓄電デバイスへの充電も停止し)、その間のランプや電装機器等の補機への電力供給はすべて蓄電デバイスで賄い、さらに、アイドリングストップ後のスタート時には蓄電デバイスに蓄電された電力でスタータ(セルモータ)を駆動させてエンジンを始動する。従って、ISS車では、車両停止時にエンジンを停止するため、普通ガソリン車と比べて燃費も向上する。
近時、ガソリンの小売価格の上昇も手伝って燃費改善のニーズはとりわけ高く、燃費効率の高い車両が大幅に販売台数を伸ばしている。このような実情に則して、自動車(製造)会社では、オルタネータから供給される回生電力で蓄電デバイスを充電するオルタネータ回生車両の開発が進められている。このようなオルタネータ回生車両の中には、上述したISS機能を有する車両も含まれ、そのような車両はμHEVまたはマイクロハイブリッドと呼ばれることもある。
オルタネータ回生車両では、普通ガソリン車で熱消費されていた、オルタネータから供給される回生電力で蓄電デバイスを充電し、制動時等を除く走行中は原則的にオルタネータの動作を停止して(蓄電デバイスへの充電を停止して)オルタネータを作動させるためのエンジンによるガソリン消費を低減させ燃費を改善する。オルタネータ停止中の放電負荷への電力供給はすべて蓄電デバイスで賄われる。なお、μHEVでは、蓄電デバイスの充電状態(SOC)が予め定めた設定値以下となったときは、蓄電デバイスの過放電等を防止するために、走行中または走行前にオルタネータを作動させて蓄電デバイスを充電する。
このようなオルタネータ回生車両に搭載される電源システムでは、オルタネータから供給される回生電力を受け入れるために、蓄電デバイス自体や制御技術を始めとする種々の研究・開発がなされている。例えば、非特許文献1には、鉛蓄電池において、充放電特性の改善や長寿命化を図る技術が開示されている。また、特許文献1には、水系の鉛蓄電池(Pb電池)と非水系のリチウムイオン電池とで構成される複合蓄電デバイスを備えた電源システムが開示されている。さらに、本願出願時において、ともに水系のPb電池とニッケル水素蓄電池(NiMH電池)とで構成される複合蓄電デバイスを備えた電源システムが車載されている。
特開2003−134689号公報
近藤 隆文ほか、オルタネータ回生車両用バッテリの開発、新神戸テクニカルレポートNo.18(2008−2)
ところで、特許文献1の技術では、Pb電池単独では充電可能な電流(120A程度)が小さく(充電受け入れ性が低く)制動時の回生電力をすべて回収することが困難なことから、Pb電池と充電受け入れ性に優れるリチウムイオン電池を組み合わせた複合蓄電デバイスが用いられている。しかしながら、複合蓄電デバイスを構成するリチウムイオン電池はコスト面や、非水電解液を用いることから安全面での課題がある。これに対し、Pb電池とNiMH電池を組み合わせた複合蓄電デバイスはこの点で優れるが、NiMH電池はエネルギ密度が低く自己放電が大きいという別の課題がある。
一方、従来、充電受け入れ性に優れエネルギ密度が高く自己放電の小さい電池としてニッケル亜鉛蓄電池(NiZn電池)が知られている。また、NiZn電池はNiMH電池と同様にリチウムイオン電池よりコスト面で優位にあり、水系電解液が用いられるため安全面でも優れている。NiZn電池はデンドライトによりサイクル寿命の点で遜色するという理由で蓄電池としての普及が遅れていたが、近時、デンドライトを抑え高サイクル寿命のNiZn電池の研究・開発が急速に進められている。
このため、Pb電池とNiZn電池との複合蓄電デバイスを備えた電源システムを提供できれば、燃費向上の他に上述した種々の課題も解決することができる。ところが、Pb電池とNiZn電池とでは満充電電圧が異なり、Pb電池の満充電電圧に合わせてオルタネータの出力電圧が設定されていることから、例えば、NiZn電池の満充電電圧に合わせてDC/DCコンバータを設けたり、オルタネータの出力電圧をPb電池とNiZn電池とのそれぞれの満充電電圧に合わせるように可変としたりすることが考えられる。しかしながら、これら例示したいずれの方法もコストアップの要因となる。
本発明は上記事案に鑑み、低コストでエネルギ密度や安全性に優れた電源システムおよび該電源システムを備えた自動車を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、車両に搭載され、オルタネータから供給される回生電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えた電源システムにおいて、鉛蓄電池(Pb電池)と、満充電電圧が前記オルタネータの出力電圧より高いニッケル亜鉛蓄電池(NiZn電池)と、前記Pb電池および前記NiZn電池の充放電を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記回生電力を受け入れる際に、最初に前記NiZn電池を定電圧充電し次いで前記Pb電池を定電圧充電し、前記放電負荷に放電する際に、最初に前記NiZn電池から前記放電負荷に放電し次いで前記Pb電池から前記放電負荷に放電するように制御することを特徴とする。
第1の態様において、NiZn電池の満充電電圧がPb電池の満充電電圧より高く、かつ、Pb電池の満充電電圧に対するNiZn電池の満充電電圧とPb電池の満充電電圧との電圧差の割合が5%未満であることが好ましい。このとき、Pb電池の使用下限SOCがNiZn電池の使用下限SOCより大きく、70%以上に設定されていることがより好ましい。NiZn電池は単電池が8直列に接続された組電池とすることができる
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、第1の態様の電源システムを備えた自動車である。
本発明によれば、Pb電池とNiZn電池とで蓄電デバイスを構成したので、低コストでエネルギ密度や安全性に優れるとともに、NiZn電池の満充電電圧がオルタネータの出力電圧より高く回生電力をNiZn電池で受入可能なため、DC/DCコンバータや可変オルタネータを用いることなく低コストの電源システムを実現できるとともに制御手段が、回生電力を受け入れる際に、最初にNiZn電池を定電圧充電し次いでPb電池を定電圧充電し、放電負荷に放電する際に、最初にNiZn電池から前記放電負荷に放電し次いでPb電池から放電負荷に放電するように制御するので、回生電力を効率的に利用でき車両の燃費向上を図ることができる、という効果を得ることができる。
本発明が適用可能な実施形態の電源システムのブロック回路図である。 オルタネータ回生車両における本実施形態の電源システムの搭載位置を模式的に示す説明図である。 セレクタの接続状態を模式的に示す説明図であり、(A)は状態「0」、(B)は状態「1」、(C)は状態「2」、(D)は状態「3」を示す。 制御部のマイクロコントローラのCPUが実行する充放電制御ルーチンのフローチャートである。 図4のステップ216の詳細を示すメイン電池充電処理サブルーチンのフローチャートである。 本実施形態の電源システムを構成する蓄電デバイスの充電状態を模式的に示す説明図であり、(A)はサブ電池の充電状態、(B)はメイン電池の充電状態を示す。
以下、図面を参照して、本発明を、オルタネータ回生車両に搭載可能な電源システムに適用した実施の形態について説明する。
(車両側の構成)
まず、本実施形態の電源システムに言及する前に、電源システムに関連するオルタネータ回生車両(μHEV)の主要構成について簡単に説明する。なお、μHEVとは、ISS機能を有し、オルタネータから供給される回生電力を受け入れ可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えたガソリン車またはディーゼル車をいう。
<車両制御部16>
図1に示すように、オルタネータ回生車両20は、オルタネータ回生車両20全体の動作を制御する車両制御部(ECU)16を備えている。車両制御部16は、図示しないイグニッションスイッチ(以下、IGNと略称する。)が、OFF位置、ON/ACC位置、START位置のいずれに位置しているかを把握するとともに、アクセル、ブレーキ、エンジン等の作動状態、速度、加速度その他の車両状態を把握し、把握した状態に応じた走行制御を行う。また、車両制御部16は、電源システムの制御部と通信線18を介して通信し、電源システムを構成する蓄電デバイスの状態情報の報知を受けるとともに、電源システムの制御部に車両の状態情報(IGNの位置情報、オルタネータの作動情報)を報知する。なお、オルタネータの作動情報には、後述するように、回生開始情報、回生終了情報およびオルタネータ始動情報が含まれる。
<オルタネータ12>
また、オルタネータ回生車両20は、制動時やアクセルオフ時に図示を省略したエンジンの回転力を(回生)電力に変換するオルタネータ12を備えている。本実施形態では、オルタネータ12の出力電圧が14Vに設定されている。なお、後述するように、蓄電デバイス(後述するメイン電池1)の状態に応じて、回生電力受け入れ時以外にもオルタネータ12による発電がなされる場合がある。
オルタネータ12は、ステータおよびロータで構成される発電部と、発電部で発電された交流電力を直流電力に変換する整流部と、整流部で変換された直流電力の電圧を一定とするためのボルテージレギュレータとを有して構成されている。なお、オルタネータ12の一端はグランド(車両のシャーシと同電位。以下、GNDと略称する。)に接続されており、他端は後述する放電負荷14の一端およびセレクタ5の一側端に接続されている。
<放電負荷14>
さらに、オルタネータ回生車両20は、図示を省略したスタータ(セルモータ)および補機で構成される放電負荷14を有している。補機には、例えば、ランプ(ライト)、エンジンポンプ(スパークプラグ)、エアコン、ファン、ラジオ、テレビ、CDプレーヤー、カーナビゲーション等を挙げることができる。放電負荷14の他端はGNDに接続されている。上記補機は、作動するための最低電圧(例えば8V)をメイン電池またはサブ電池から供給されればよい。
なお、オルタネータ回生車両20のエンジン始動時には、IGNがSTART位置に位置付けられると、蓄電デバイス(後述するメイン電池1)からスタータへ電力が供給されスタータが回転し、エンジンの回転軸には図示しないクラッチ機構を介してスタータの回転駆動力が伝達されエンジンが始動する。
(電源システムの構成)
次に、本実施形態の電源システム10について説明する。電源システム10は、例えば、図2に示すように、オルタネータ回生車両20のエンジンルームに搭載されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の電源システム10は、オルタネータ12から供給される回生電力を受け入れ可能かつ放電負荷14に放電可能な蓄電デバイスを備えている。蓄電デバイスは、メイン電池1(Pb電池)と、サブ電池2(NiZn電池)との複合蓄電デバイスとして構成されており、14V系電源システムを構成している。なお、本実施形態で「メイン電池」とはエンジンを始動させるための電池をいい、「サブ電池」とはそれ以外の電池をいう。
<メイン電池1>
メイン電池1の電槽には、内部を仕切る隔壁によって6個のセル室を画定するモノブロック電槽が用いられている。モノブロック電槽の中央部の隔壁には上部側から略中央部までセンサ挿入孔が形成されている。センサ挿入孔にはメイン電池1の中央部の温度を検出するサーミスタ等の温度センサが挿入されており、温度センサは接着剤でセンサ挿入孔内に固定されている。
メイン電池1の各セル室には、複数の正極板と負極板とをセパレータを介して積層した極板群が1組ずつ収容されており、水系電解液である希硫酸が注液されている。メイン電池1の正極活物質には二酸化鉛、負極活物質には海綿状鉛を用いることができる。また、回生電力を受け入れやすい構造とするために、非特許文献1にも開示されているように、負極活物質合剤には、上述した負極活物質の他にリグニンおよびカーボン等を含む負極添加剤が混入されている。各セル室はモノブロック電槽の開口を一体に覆う蓋で密閉化されており、各セル室間は導電性の接続部材により直列に接続されている。メイン電池1の上部対角位置には、外部出力端子となる正極端子および負極端子が立設されている。本実施形態のメイン電池1の公称電圧は12Vであり(各セルの公称電圧:2V)、満充電電圧は14.8Vである。また、メイン電池1の容量は、例えば、30〜70Ahとすることができるが(本例では、32Ah)、本発明はこれに制限されるものではない。なお、メイン電池1の負極端子はGNDに接続されている。
<サブ電池2>
一方、本実施形態のサブ電池2は、ニッケル亜鉛単電池(例えば、公称電圧1.65V、満充電電圧1.9V)を8個直列に接続した組電池で、最上位電位側に正極端子、最下位電位側に負極端子を有して構成されており、負極端子はGNDに接続されている。これらの単電池のうち中央部に配された1本の単電池の電池缶表面には、接着剤によりサーミスタ等の温度センサが固着されている。また、サブ電池2の公称電圧は13.2V((1.65V/単電池)×8個)、満充電電圧は15.2V((1.9V/単電池)×8個)である。従って、サブ電池2の満充電電圧は、メイン電池1の満充電電圧より高く、かつ、オルタネータ12の出力電圧より高く設定されている。サブ電池2の容量は、例えば、2〜8Ahとすることができるが(本例では、8Ah)、本発明はこれに制限されるものではない。
各単電池は、亜鉛を主成分とした負極と水酸化ニッケルを主成分とした正極とを微多孔性セパレータを介して積層または捲回した電極群を有しており、電極群は、水酸化カリウム等の水系電解液に浸潤されて角型または円筒型、扁平円筒型の電池缶内に収容されている。このような単電池の詳細は、例えば、特開平7−6758号公報、特表2008−539559号公報、特表2013−507752号公報等に開示されている。サイクル寿命を延ばすためには、負極の形態変化、凝集、デンドライトの抑制、負極の導電性の向上等が必要であるが、例えば、形態変化、凝集、デンドライトの抑制に対しては負極活物質にカルシウム、水酸化物、フッ化物、リン酸を添加したり電解液にリン酸、フッ化物、炭酸塩を添加したりセパレータにポリオレフィン微多孔膜を使用したりすることで対処でき、負極の導電性の向上に対しては負極活物質にビスマス、鉛、カーボン等を添加することで対処できる。
<セレクタ5>
図1に示すように、電源システム10は、メイン電池1およびサブ電池2の充放電電流を切り替えるセレクタ5を備えており、セレクタ5の他側一端および他端はそれぞれメイン電池1およびサブ電池2の正極端子に接続されている。セレクタ5は、大電流が通電可能な複数のスイッチング素子(例えば、パワーMOSFET)で構成されている。
ここで、セレクタ5の機能について説明すると、オルタネータ12から供給される回生電力を蓄電デバイスで受け入れる際に、オルタネータ12からメイン電池1およびサブ電池2のいずれか一方に接続するスイッチの役割を果たすとともに、蓄電デバイスから放電負荷14に放電する際に、メイン電池1およびサブ電池2のいずれか一方から放電負荷14に接続するスイッチの役割を果たす。なお、セレクタ5は、オルタネータ12/放電負荷14がメイン電池1およびサブ電池2のいずれにも接続されない状態「0」(図3(A)参照)、オルタネータ12/放電負荷14がメイン電池1に接続される状態「1」(図3(B)参照)、オルタネータ12/放電負荷14がサブ電池2に接続される状態「2」(図3(C)参照)のいずれかの状態を採る(本例ではメイン電池1とサブ電池2とが並列接続される状態は採らない。)。
メイン電池1およびサブ電池2のいずれにも接続されない状態「0」の場合は、放電負荷14へ電力供給されない状態が一瞬生じる。メイン電池1およびサブ電池2のいずれにも接続されない状態「0」の場合であっても電力供給できる方法としては、例えば以下の(1)〜(3)が挙げられる。(1)放電負荷14と並列にキャパシタを配置する。(2)メイン電池1およびサブ電池2を一瞬同時接続する状態「3」(図3(D)参照)を設ける。(3)メイン電池1およびサブ電池2以外の一次電池または二次電池を配置する。
上記(1)の方法を採用する場合、メイン電池1およびサブ電池2の電圧は、補機が作動するための最低電圧以上とする。ここで、使用するキャパシタの静電容量は、例えば以下のようにして算出される値よりも大きいものを用いることが好ましい。例えば、メイン電池1およびサブ電池2が切り替わる時間(マイクロコントローラによる制御時間+セレクタ切り替え時間)=X[μs]とし、負荷電流=Y[A]とすると、
I×t=Y×X×10−6[C]
Q=CVより、
Y×X×10−6=C(メイン電池1またはサブ電池2(切り替え前に接続されていた電池)の電圧−補機が作動するため最低電圧)
C=Y×X×10−6/(メイン電池1またはサブ電池2(切り替え前に接続されていた電池)の電圧−補機が作動するため最低電圧)[F]以上のキャパシタを使用することが好ましい。
<コントローラ3、4>
また、図1に示すように、電源システム10は、メイン電池1、サブ電池2の電池状態をそれぞれ検出するメイン電池コントローラ3、サブ電池コントローラ4(以下、両者を総称する場合はコントローラ3、4という。)を備えている。コントローラ3、4は、充放電中(車両走行中および車両走行前)にそれぞれメイン電池1、サブ電池2の温度、電圧、電流等の電池状態を検出する。
すなわち、本実施形態では、上述したメイン電池1の温度センサはメイン電池コントローラ3に接続されており、メイン電池コントローラ3は所定時間毎に(例えば、10ms間隔で)温度センサの電圧をサンプリングし、サンプリング結果をRAMに格納する。また、メイン電池1の総電圧を検知するために、メイン電池1の正極端子および負極端子はメイン電池コントローラ3に接続されている。さらに、メイン電池1に流れる充放電電流を検出するために、セレクタ5およびメイン電池1の正極端子間にはホール素子またはシャント抵抗等の電流センサ7が配されており、電流センサ7はメイン電池コントローラ3に接続されている。メイン電池コントローラ3は、メイン電池1の電圧およびメイン電池1に流れる電流を所定時間毎に(例えば、2ms間隔で)サンプリングし、サンプリング結果をRAMに格納する。また、メイン電池コントローラ3は、充放電休止時(車両駐車時)に、メイン電池1の開回路電圧(以下、OCVと略称する。)およびそのときの温度を検出する。
一方、サブ電池コントローラ4も上述したメイン電池コントローラ3と同様の構成を有しているが(サブ電池2に流れる充放電電流をセレクタ5とサブ電池2の正極端子との間に配された電流センサ8で検出)、サブ電池2の総電圧の検出に加え、過放電・過充電を監視するために各単電池の電圧も検出する点で、メイン電池コントローラ3が検出する以外の電圧検出も行う。また、サブ電池コントローラ4は、サブ電池2を構成する各単電池の容量を調整する容量調整回路を有していてもよい。
コントローラ3、4は、制御部6(状態把握部6A)に接続されており、充放電時に、RAMに格納したメイン電池1およびサブ電池2の温度、電圧、電流、サブ電池2を構成する各単電池の電圧を制御部6に出力し、充放電休止時に、検出したOCVおよびそのときの温度を制御部6に出力する。
<制御部6>
図1に示すように、電源システム10は、メイン電池1およびサブ電池2の電池状態を演算するとともに、セレクタ5による電流切り替え動作を制御する制御部6を備えている。制御部6は、マイクロコントローラ(以下、マイコンという。)、通信IC、I/O、入力ポート、出力ポートを有するマイクロプロセッサとして構成されており、図1では、制御部6の役割を明確にするために機能別に細部を表している。
すなわち、マイコンはメイン電池1およびサブ電池2の電池状態を把握(演算)するCPU、基本制御プログラムおよび後述するテーブル等のプログラムデータを記憶したROM、CPUのワークエリアとして働くとともに種々のデータを一時的に記憶するRAMおよびこれらを接続する内部バスで構成されている。内部バスは外部バスに接続されており、外部バスは入力ポートを介して上述したコントローラ3、4に接続されている。また、外部バスには、セレクタ5に信号を出力するための出力ポート、および、I/O、通信線18を介して車両制御部16と通信するための通信ICが接続されている。
従って、制御部6のマイコンおよび入力ポートは図1の状態把握部6Aに、マイコンおよび出力ポートは切替制御部6Bに、通信ICおよびI/Oは通信部6Cにそれぞれ対応する。制御部6はその他の機能(例えば、後述する省エネモードへ移行させるための機能)も有しているが、図1では捨象している。セレクタ5と出力ポートとは制御線で接続されており、制御部6を構成するマイコンの破損を防止するために制御線には抵抗が挿入されている。なお、制御線には出力ポートを介してハイレベル信号(H)またはローレベル信号(L)が出力される。
図1に沿って制御部6の各部の機能を説明すると、状態把握部6Aは、コントローラ3、4から出力された検出データをマイコンのRAM(以下、RAMと略称する。)に一旦格納し、メイン電池1およびサブ電池2の現在の電池状態等を演算(推定)する。通信部6Cは、状態把握部6Aが演算したメイン電池1およびサブ電池2の現在の電池状態を所定時間(例えば、2ms)毎に車両制御部16に報知するとともに、車両制御部16から車両の状態情報(IGNの位置情報、オルタネータの作動情報)の報知を受ける。車両制御部16は、上述した電磁クラッチを作動させるときとほぼ同じタイミングでオルタネータ12の作動情報を通信部6Cに報知する。切替制御部6Bは、車両制御部16から報知されたオルタネータ12の作動情報および状態把握部6Aで演算したメイン電池1およびサブ電池2の電池状態に従ってセレクタ5を制御する。
なお、本実施形態では、コントローラ3、4、セレクタ5、制御部6および車両制御部16等はメイン電池1から供給される電力で作動する。
(動作)
次に、本実施形態の電源システム10の動作について、制御部6のマイコンのCPU(以下、CPUと略称する。)を主体として説明する。
<充放電休止時(車両駐車時)>
車両走行後の車両駐車開始時には、ドライバによりIGNがON/ACC位置からOFF位置に位置付けられ、イグニッションキーがIGNから引き抜かれる。車両制御部16はIGNを監視しており、IGNがOFF位置に位置付けられると、制御部6にその旨を報知する。
車両制御部16からIGNがOFF位置に位置付けられた旨の報知を受けたCPUは、コントローラ3、4および制御部6をスリープ状態(省エネモード)とする制御を行う。すなわち、セレクタ5を上述した状態「0」とし、コントローラ3、4にメイン電池1、サブ電池2の温度、電圧、電流等の検出・出力を停止させ、CPU自体もメイン電池1、サブ電池2の電池状態の演算および車両制御部16への報知を停止して、車両制御部16からIGNがOFF位置に位置付けられた旨の報知を受けたときから所定時間が経過したか否かを判断する計時処理のみ行う。この所定時間は、例えば、メイン電池1の負極の分極状態が解消したとみなされる6時間に設定することができる。
CPUは、車両制御部16からIGNがOFF位置に位置付けられた旨の報知を受けたときから所定時間が経過したと判断すると、コントローラ3、4をアウェーク(作動状態に移行)させ、上述したように、メイン電池1およびサブ電池2のOCVおよびそのときの温度を検出・出力させた後、コントローラ3、4を再度スリープ状態とする。
次いで、CPUは、メイン電池1およびサブ電池2のOCVからメイン電池1およびサブ電池2の充電状態(以下、SOCと略称する。)を演算し、プログラムデータとして予めROMに格納されRAMに展開されたテーブルまたは数式を参照して演算したSOCを基準温度(例えば、25°C)におけるSOCに温度補正してメイン電池1およびサブ電池2の基準SOCを演算(算出)する。この場合に、メイン電池1およびサブ電池2の健康状態(以下、SOHと略称する。)も併せて演算し、SOHに応じてSOCを補正するようにしてもよい。なお、上述した所定時間が経過しない場合には、メイン電池1の分極状態が解消されず基準SOCが不正確となるため、このような状態でのコントローラ3、4によるOCVの検出やCPUによる基準SOCの演算は行わず、直近に取得していた基準SOCを基準SOCとして取り扱う。
次に、CPUは、基準SOCおよび電圧値を車両制御部16に報知し、その後、制御部6を再度スリープ状態とする。言い直すと、制御部6は、コントローラ3、4によるOCVおよび温度の検出・出力時、基準SOCの演算時および車両制御部16への報知時のみ作動状態となる。なお、車両走行後にIGNがOFF位置に位置付けられたときは車両制御部16も所定の処理(データ保存等)を行った後スリープ状態となり、制御部6からのOCVおよび温度の報知時のみ作動状態となる。
<充放電時(車両走行中および車両走行前)>
1.充放電時の一般制御
車両駐車後の車両走行前には、ドライバによりIGNにイグニッションキーが挿入され、IGNはOFF位置からON/ACC位置に位置付けられ、さらにON/ACC位置からSTART位置に位置付けられた後、再度ON/ACC位置に位置付けられる。車両制御部16はIGNが最初にON/ACC位置に位置付けられると、制御部6にその旨を報知する。報知を受けたCPUは、コントローラ3、4および制御部6を作動状態に移行させる。
CPUは、充放電中(車両走行中および車両走行前)は、コントローラ3、4で所定時間毎に検出されたメイン電池1およびサブ電池2の電圧値(サブ電池2を構成する各単電池の電圧値を含む。)を取得するとともに、上述した基準SOCおよびメイン電池1、サブ電池2の電池容量(既知)に基づいて、コントローラ3、4で所定時間毎に検出された電流値を積算してメイン電池1およびサブ電池2の現在のSOCを推定(演算)する。なお、電圧値、電流値は上述した基準温度に温度補正される。そして、所定時間毎に、メイン電池1およびサブ電池2の現在のSOCおよび電圧値を車両制御部16に報知する。
一方、この報知を受けた車両制御部16は、メイン電池1およびサブ電池2の現在のSOCおよび電圧値を参照して、上述した電磁クラッチを作動させ図示しないエンジンの回転力をオルタネータ12に伝達させるか(オルタネータ12を作動させ蓄電デバイスを充電するか)否かを判断する。すなわち、例えば、メイン電池1が使用上限SOC(および/または使用上限電圧値)に近い場合には過充電状態に陥るおそれがあるためオルタネータ12を作動させないように電磁クラッチを制御し、逆に、メイン電池1の劣化が促進されるようなSOC(および/または使用下限電圧値)の場合には、ドライバのブレーキ操作やアクセル操作による回生充電を待たずに、車両走行中または車両走行前にオルタネータ12を作動させてメイン電池1を充電するように電磁クラッチを制御する。なお、この具体的な制御内容については後述する。
2.回生充放電制御
本実施形態の電源システム10による回生充放電制御の要点は、次のとおりである。
(a)回生充電制御の要点
1)サブ電池2を使用上限SOCまで充電する(メイン電池1に優先してサブ電池2を充電する。)。
2)サブ電池2が使用上限SOCまで充電されると、メイン電池1を使用上限SOCまで充電する。
(b)回生放電制御の要点
1)サブ電池2が使用下限SOCとなるまでサブ電池2から放電負荷14に放電する(メイン電池1に優先してサブ電池2から放電する。)。
2)サブ電池2が使用下限SOCまで放電されると、メイン電池1から放電負荷14に放電する。
2−1.回生充電制御の詳細
1)CPUは、車両制御部16からオルタネータ12による回生電力の供給が開始することを表す回生開始情報の報知を受ける(受信する)と、原則として、サブ電池2を使用上限SOC(図6(A)参照、例えば、90%)まで充電するようにセレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「2」を選択させる。)。これにより、サブ電池2は使用上限SOCまで定電圧充電される。ただし、サブ電池2が使用上限SOCとなる前に、車両制御部16からオルタネータ12による回生電力の供給が終了することを表す回生終了情報の報知を受けた(受信した)場合には、回生電力が供給されないため、その時点でサブ電池2への充電は打ち切られ直ちにサブ電池2から放電負荷14に放電するようにセレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「2」を選択させたままの状態とする。)。
なお、車両制御部16は、ブレーキが踏まれたとき、または、アクセルが開放されたとき(アクセルオフとなったとき)に回生電力を出力するようにオルタネータ12を制御し制御部6(CPU)に通信線18を介して回生開始情報を報知し、ブレーキが開放されたとき、または、アクセルオフの結果車両の加速度が0となったときにオルタネータ12の作動を停止させるように制御し制御部6(CPU)に通信線18を介して回生終了情報を報知する。
2)サブ電池2が使用上限SOCまで充電されると、原則として、メイン電池1を使用上限SOC(図6(B)参照、例えば、90%)まで充電するように、セレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「1」を選択させる。)。これにより、メイン電池1は使用上限SOCまで充電される。ただし、メイン電池1が使用上限SOCとなる前に、車両制御部16から回生終了情報を受信した場合には、回生電力が供給されないため、その時点でメイン電池1への充電は打ち切られ直ちにサブ電池2から放電負荷14に放電するようにセレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「2」を選択させる。)。
さらに、メイン電池1が使用上限SOCまで充電されると、メイン電池1の過充電を避けるために、メイン電池1への充電を打ち切るようにセレクタ5を制御する(セレクタ5を状態「0」を選択させる。)。
2−2.回生放電制御の詳細
1)CPUは、車両制御部16から回生終了情報を受信すると、サブ電池2から放電負荷14に、原則として、サブ電池2が予め定められた第1のSOC(図6(A)参照)となるまで放電するように、セレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「2」を選択させる。)。ただし、サブ電池2が第1のSOCとなる前に、車両制御部16から回生開始情報を受信した場合には、回生電力が供給されるため、その時点でサブ電池2から放電負荷14への放電は打ち切られ直ちに回生電力でサブ電池2を充電するようにセレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「2」を選択させたままの状態とする。)。
この第1のSOCは、回生電力の利用効率を高め、かつ、サブ電池2の劣化を抑えることができる範囲に設定することが好ましい(例えば、10%〜80%)。本実施形態では、第1のSOCは10%に設定されており、サブ電池2を構成する単電池のいずれかが第1のSOCとなるまで放電する。従って、本実施形態では、第1のSOCがサブ電池2の実質的な使用下限SOCとなる。なお、第1のSOCは理論的には0%以上に設定できるが、本実施形態で第1のSOCが10%に設定されている理由は、SOC推定の誤差(例えば、直近の車両駐車時に上述した基準SOCが取得できない場合)があっても過放電によるサブ電池2の劣化や寿命短縮を抑えるためである。一方、サブ電池2の使用上限SOCは、サブ電池2の容量等により大きく変動するが、一般に、90%〜98%の範囲の任意の値を選択することができる。
2)サブ電池2が第1のSOCまで放電されると、原則として、メイン電池1を予め定められた第2のSOC(図6(B)参照)まで放電するように、セレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「1」を選択させる。)。ただし、メイン電池1が第2のSOCとなる前に、車両制御部16から回生開始情報を受信した場合には、回生電力が供給されるため、その時点でメイン電池1から放電負荷14への放電は打ち切られ直ちに回生電力でサブ電池2を充電するようにセレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「2」を選択させる。)。
この第2のSOCは、メイン電池1(Pb電池)の劣化を防止するためのSOCに設定することができる。Pb電池では一般にSOCが70%を下回ると劣化が加速すると考えられるために、第2のSOCは、例えば、SOC70〜90%の範囲の任意の値を選択することができる。以下では、第2のSOCが70%に設定されているものとして説明する。なお、本実施形態では、第2のSOCがメイン電池1の実質的な使用下限SOCとなる。
2−3.ISSとの関係(メイン電池1の充電制御)
回生電力でメイン電池1を充電する際には、メイン電池1に回生電力をできるだけ多く蓄電するため、メイン電池1を使用上限SOCまで充電することが好ましい。一方、メイン電池1を第2のSOC(70%)まで放電した際、劣化を防止するためにメイン電池1を充電するときは、オルタネータ12を作動させる必要がある。このオルタネータ12の作動には図示しないエンジンの動力をオルタネータ12に接続するためガソリン消費を伴う。このため、第2のSOCから使用上限SOCまで充電してもよいが、予め定められた第3のSOC(図6(B)参照、(第2のSOC)<(第3のSOC)<(使用上限SOC))まで充電すれば、その後回生電力によりメイン電池1がさらに充電されることもあるため、燃費向上を図ることができる。
アイドリングストップ後のエンジン再始動の際はメイン電池1からスタータへ大電流が供給されるが、その際にもメイン電池1の劣化を防止するためには、第2のSOCより大きな値に保たれている必要がある。このため、上述した第3のSOCは、例えば、(第3のSOC)=(第2のSOC)+{(アイドリングストップ時の放電負荷14への電力供給分のSOC+アイドリングストップ後のエンジン再始動分のSOC)}に設定される。
CPUは、メイン電池1が第2のSOCまで放電されると、メイン電池1の劣化を防止するために、上述したように車両制御部16との協調制御により、メイン電池1を第3のSOCまで充電するようにセレクタ5を制御する(セレクタ5に状態「1」を選択させる。)。
次に、上述した充放電制御について、CPUを主体に、フローチャートを参照してさらに説明する。なお、既に述べた充放電制御の内容と重複する内容(処理)についてはできるだけ簡潔に説明する。
図4に示すように、充放電制御ルーチンでは、車両制御部16から回生開始情報(ステップ102)または回生終了情報(ステップ202)を受信するまで待機する。
ステップ102で肯定判断のときは(回生開始情報を受信すると)、ステップ104においてセレクタ5に状態「2」を選択させる。これにより、サブ電池2は回生電力で定電圧充電される。次にステップ106では、回生終了情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときはステップ204に進み(サブ電池2への充電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のステップ108においてサブ電池2が使用上限SOCとなったかを判断する。ステップ108での判断が否定のときはサブ電池2による回生電力の受け入れを続行するためにステップ106に戻り、肯定のときは次のステップ110においてセレクタ5に状態「1」を選択させる。これにより、メイン電池1は回生電力で定電圧充電される。
次にステップ112では、回生終了情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときはステップ204に進み(メイン電池1への充電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のステップ114においてメイン電池1が使用上限SOCとなったかを判断する。ステップ114での判断が否定のときはメイン電池1による回生電力の受け入れを続行するためにステップ112に戻り、肯定のときはメイン電池1の過充電を防止するために次のステップ116においてセレクタ5に状態「0」を選択させ、ステップ102に戻る。これにより、メイン電池1は回生電力による充電が打ち切られる。
一方、ステップ202で肯定判断のときは(回生終了情報を受信すると)、ステップ204においてセレクタ5に状態「2」を選択させる。これにより、サブ電池2の電力が放電負荷14に供給される。次にステップ206では、回生開始情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときはステップ104に戻り(サブ電池2から放電負荷14への放電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のステップ208においてサブ電池2が第1のSOCとなったかを判断する。ステップ208での判断が否定のときはステップ206に戻り、肯定のときは次のステップ210においてセレクタ5に状態「1」を選択させる。これにより、メイン電池1の電力が放電負荷14に供給される。
次にステップ212では、回生終了情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときはステップ104に戻り(メイン電池1から放電負荷14への放電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のステップ214においてメイン電池1が第2のSOCとなったかを判断する。ステップ214での判断が否定のときはステップ212に戻り、肯定のときは次のステップ216においてメイン電池1を充電するためのメイン電池充電処理を実行する。なお、充放電制御ルーチンは車両制御部16からIGNがOFF位置に位置付けられた旨の報知を受け制御部6がスリープ状態となったときに終了するが、その際、セレクタ5は状態「0」に戻される。
図5に示すように、メイン電池充電処理サブルーチンでは、ステップ232において、車両制御部16にメイン電池1が第2のSOCに至った旨を報知する。この報知を受けた車両制御部16は、上述した電磁クラッチを作動させ図示しないエンジンの回転力をオルタネータ12に伝達させることでオルタネータ12を始動させオルタネータ12が始動することを表すオルタネータ始動情報を制御部6(CPU)に報知する。一方、CPUは、車両制御部16からオルタネータ始動情報を受信するまで待機する(ステップ234)。この間、メイン電池1はなおも放電負荷14に放電されるため、メイン電池1のSOCは上述した第2のSOCより小さくなる。メイン電池1のSOCが第2のSOCより小さくなることを避けるためには、メイン電池1が第2のSOCに到達する前に車両制御部16にメイン電池1が第2のSOCに至る旨を報知すればよい。
CPUは、ステップ234で肯定判断のときは(車両制御部16からオルタネータ始動情報を受信すると)、次のステップ236においてセレクタ5に状態「1」を選択させる。これにより、メイン電池1は充電されるが、この充電は制動時等の回生電力によるものではなく、従来のガソリン車等と同様の充電方式である。
次にステップ238において、メイン電池1が第3のSOCに充電されるまで待機する。メイン電池1が第3のSOCまで充電されると、次のステップ240において、車両制御部16にメイン電池1が第3のSOCまで充電された旨を報知してメイン電池充電処理サブルーチンを終了し、図4のステップ102へ戻る。これにより、車両制御部16は、上述した電磁クラッチよる図示しないエンジンの回転力のオルタネータ12への伝達を停止させる。
なお、上記では、制御内容を分かりやすく説明するために、ステップ232、240においてメイン電池1が第2、第3のSOCに至った旨を報知する例を示したが(図5参照)、上述したように制御部6は車両制御部16に所定時間毎にメイン電池1およびサブ電池2のSOCを報知しているため、必ずしもこのような報知を行う必要はない。例えば、車両制御部16は所定時間毎に報知されるメイン電池1のSOCを監視し、メイン電池1が第2のSOCに至ったときまたはその直前にオルタネータ12が始動するように制御し制御部6にオルタネータ始動情報を報知するようにしてもよい。
また、メイン電池1の充電については、車両走行前にも図4のステップ214、216と同様の処理が行われる。ただし、車両走行中はステップ214においてメイン電池1が第2のSOCに至ったかを判断するのに対し、車両走行前は、CPUがアウェークした直後のため、メイン電池1が自己放電等により第2のSOC以下となったか否かを判断する点で異なる。
さらに、上記では、充放電制御を簡潔に説明するために、SOCを中心に説明したが、本実施形態では、サブ電池2の使用上限SOC等の他に、サブ電池2の使用上限電圧V、使用下限電圧V、サブ電池2を構成する各単電池の使用上限電圧、使用下限電圧も予め設定されており、サブ電池2が使用上限電圧Vに達した場合には、キャパシタ3に蓄電された電力によるサブ電池2への充電を打ち切りメイン電池1を充電し、サブ電池2が使用下限電圧V、各単電池の使用下限電圧に達した場合には、サブ電池2から放電負荷14への放電を打ち切りメイン電池1から放電負荷14に放電する制御も行っている。また、メイン電池1もサブ電池2と同様に、使用上限電圧、使用下限電圧が設定されており、サブ電池2と同様に、使用上限電圧、使用下限電圧に応じてメイン電池1の充放電制御も行っている。
3.異常処理
CPUは、サブ電池2を構成する各単電池の電圧値が所定範囲にあるか否や、メイン電池1、サブ電池2の温度も監視する。サブ電池2を構成する各単電池の電圧値や、メイン電池1、サブ電池2の温度が予め設定された所定範囲から外れた場合にはその旨も車両制御部16に報知する。このような異常は段階別に処理を異ならせることが好ましく、車両制御部16は必要に応じてインストールメントパネルにその旨を表示する。CPUは、異常状態に応じて、メイン電池1およびサブ電池2のいずれか一方を使用せず、いずれか他方のみを使用するようにセレクタ5に状態を選択させるようにしてもよい。
(作用効果等)
次に、本実施形態の電源システム10の作用効果等について説明する。
本実施形態の電源システム10では、Pb電池のメイン電池1とNiZn電池のサブ電池2とで複合蓄電デバイスを構成したので、従来技術として挙げたPb電池とリチウムイオン電池の複合蓄電デバイスやPb電池とNiMH電池の複合蓄電デバイスを用いる場合と比べ、低コストでエネルギ密度や安全性に優れた電源システムを提供することができる。また、本実施形態の電源システム10では、サブ電池2の満充電電圧がオルタネータ12の出力電圧より高く回生電力をサブ電池2で直接受入可能なため、コストアップの要因となるDC/DCコンバータや可変オルタネータを用いることなく低コストの電源システムを実現できる。
また、本実施形態の電源システム10では、サブ電池2の満充電電圧(15.2V)がメイン電池1の満充電電圧(14.8V)より高く、かつ、メイン電池1の満充電電圧に対するサブ電池2の満充電電圧とメイン電池1の満充電電圧との電圧差(0.4V)の割合が約2.7%に設定されている。サブ電池2の満充電電圧とメイン電池1の満充電電圧との電圧差がサブ電池2の満充電電圧に対して5%未満、好ましくは3%未満であれば、セレクタ5によるサブ電池2・メイン電池1間の切り替えがあっても、例えば、ラジオの音量変化やライトの光量変化による違和感を防止できる。付言すれば、このような違和感はドライバにとって電源システムや車両全体に対する安全性への信頼を低下させる一因ともなり、また、機能上問題がなくても故障ないし不具合と勘違いされる可能性があるため、本実施形態の電源システム10はこのような違和感を生じさせない電源システムとすることができる。
さらに、本実施形態の電源システム10では、メイン電池1の使用下限SOC(第2のSOC:70%)がサブ電池2の使用下限SOC(第1のSOC:10%)より大きく設定されており、放電状態においてメイン電池1とサブ電池2との電圧差を小さくできるため、上述した違和感を効果的に防止することができる。
また、本実施形態の電源システム10では、制御部6が、回生電力を受け入れる際、メイン電池1に優先して受け入れ性の高いサブ電池2で回生電力を受け入れ、放電負荷14に放電する際、メイン電池1に優先してサブ電池2から放電負荷14に放電するように制御するので(図4参照)、回生電力を効率的に利用でき車両の燃費向上を図ることができる。
また、本実施形態の電源システム10では、制御部6が、蓄電デバイスから放電負荷14に放電する際に、サブ電池2を構成する各単電池のいずれかが第1のSOCとなるまで放電した後に、メイン電池1から放電するようにセレクタ5を制御する。第1のSOCでサブ電池2の放電を抑えるため、サブ電池2の劣化を防止できるとともに、サブ電池2に蓄えられた、使用上限SOCから第1のSOCの範囲の電力を放電負荷14に放電できるため、オルタネータ12で発電された回生電力に対し高い利用効率を確保することができる。
さらに、本実施形態の電源システム10では、メイン電池1はエンジン始動用の蓄電デバイスであり、制御部6は、メイン電池1のSOCも推定し、メイン電池1が第2のSOC(70%)まで放電したときに、メイン電池1を充電するようにセレクタ5を制御するので(図4のステップ214、216参照)、メイン電池1の劣化も防止することができる。このとき、CPUは、メイン電池1を使用上限SOC未満の第3のSOCまで充電するようにセレクタ5を制御するので、上述したように燃費向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、回生電力を蓄電デバイスに受け入れる際、サブ電池2を充電した後メイン電池1を充電する例を示したが(図4のステップ104〜108およびステップ110〜114参照)、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、回生電力でサブ電池2を予め定められた第4のSOC(図6(A)参照、例えば、80%)まで充電した後サブ電池2およびメイン電池1をともに充電しサブ電池2を使用上限SOCまで充電した後メイン電池1を単独で充電してもよいし、サブ電池2およびメイン電池1をともに充電しサブ電池2を使用上限SOCまで充電した後メイン電池1を単独で充電するようにしてもよい。この場合には、図3(D)に示すように、オルタネータ12がサブ電池2およびメイン電池1の両者に接続され、サブ電池2およびメイン電池1が並列充電される状態「3」も採ることとなる。
さらに、本実施形態では、OCVから基準SOCを算出しこの基準SOCに対し充放電電流を積算することでメイン電池1およびサブ電池2の現在のSOCを推定する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知のSOC推定手段を用いることができる。
また、本実施形態では、電源システム10の構成を把握しやすいように、メイン電池コントローラ3、サブ電池コントローラ4、制御部6に分けて説明したが、これらを一体に構成するようにしてもよい。さらに、本実施形態では、コントローラ3、4から出力されたメイン電池1、サブ電池2の検出データに応じて制御部6でメイン電池1、サブ電池2の電池状態を演算する例を示したが、このような演算は車両制御部16で行うようにしてもよい。このような態様では、制御部6の主機能は切替制御部6Bと通信部6Cとになる。
さらに、本実施形態では、エンジン始動をメイン電池1で行う例を示したが、本発明はこれに制限されず、エンジン始動をサブ電池2で行うようにしてもよい。また、本実施形態では、コントローラ3、4、制御部6、車両制御部16の作動電力がメイン電池1から供給される例を示したが、サブ電池2から供給されるようにしてもよく、また、コントローラ3、4、制御部6、車両制御部16への作動電力をメイン電池1、サブ電池2が協働ないし分担して供給するようにしてもよい。従って、本発明では、上記例示した範囲に限らず、メイン電池1の電池容量がサブ電池2の電池容量より大きくても、小さくても、または同じであってもよい。
また、本実施形態では、メイン電池1を構成するPb電池に合わせて車両駐車の6時間後にメイン電池1やサブ電池2のOCVの測定を行う例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。また、本実施形態では、制御部6のCPUが6時間を計時する例を示したが、車両制御部16が計時し、制御部6、コントローラ3、4をスリープ状態からアウェークさせるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、制御部6は、車両制御部16を介してオルタネータの作動情報を取得する例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、ブレーキを制御するブレーキ制御部やオルタネータを制御するオルタネータ制御部から直接ブレーキの作動情報やオルタネータの作動情報を取得するようにしてもよい。
そして、本実施形態では14V系電源システム10を例示したが、本発明はこれに制限されることなく、例えば、42V系電源システム等の14V系電源システム以外の電源システムにも適用可能である。
本発明は低コストでエネルギ密度や安全性に優れた電源システムおよび該電源システムを備えた自動車を提供するものであるため、電源システムや自動車の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1 メイン電池(Pb電池)
2 サブ電池(NiZn電池)
8 制御部(制御手段)
10 電源システム
12 オルタネータ
14 放電負荷
20 オルタネータ回生車両(車両、自動車)

Claims (5)

  1. 車両に搭載され、オルタネータから供給される回生電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えた電源システムにおいて、
    鉛蓄電池(Pb電池)と、
    満充電電圧が前記オルタネータの出力電圧より高いニッケル亜鉛蓄電池(NiZn電池)と、
    前記Pb電池および前記NiZn電池の充放電を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記回生電力を受け入れる際に、最初に前記NiZn電池を定電圧充電し次いで前記Pb電池を定電圧充電し、前記放電負荷に放電する際に、最初に前記NiZn電池から前記放電負荷に放電し次いで前記Pb電池から前記放電負荷に放電するように制御することを特徴とする電源システム。
  2. 前記NiZn電池の満充電電圧が前記Pb電池の満充電電圧より高く、かつ、前記Pb電池の満充電電圧に対する前記NiZn電池の満充電電圧と前記Pb電池の満充電電圧との電圧差の割合が5%未満であることを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  3. 前記Pb電池の使用下限SOCが前記NiZn電池の使用下限SOCより大きく、70%以上に設定されたことを特徴とする請求項2に記載の電源システム。
  4. 前記NiZn電池は単電池が8直列に接続された組電池であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電源システム。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の電源システムを備えた自動車。
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