JP6327008B2 - 車両の制御装置、車両、及び車両の駐車決定方法 - Google Patents
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Description
支援運転には種々のタイプがあり、例えば、道路の道なりに走行する制御を行うもの(特許文献1)、指令車速となるようにアクセルやブレーキの操作量を制御するもの(特許文献2)、先行車との車間距離を維持する制御を行うもの(特許文献3)などがある。
そして、動作モードの異なる車両が混在する状況においては、自動運転車両と手動運転車両とが駐車スペースを共用することになるため、以下のような問題が生じ得ると考えられる。
例えば、無人の自律運転の車両と、運転者が搭乗している他車両とが同じ空き駐車スペースに同時に駐車しようとする場合、両車両が互いに譲り合って、再び別の空き駐車スペースを探す状況が起こり得る。このように互いに駐車スペースを譲り合うことになると、駐車するまでに時間がかかるので、他車両の運転者の不満が高まり、駐車場の管理上好ましくない。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る運転制御装置は、他の車両の動作モードに基づいて、自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する車両の制御装置であって、他の前記車両のモード種別を取得する取得部と、前記自車両のモード種別と取得した他の前記車両のモード種別との比較に基づいて、前記自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する制御部と、を備える。
この場合、制御部が上記の制御を実行するので、相手方の車両の駐車優先度が高い場合に、自車両を他の空き駐車スペースへ迅速に移動させることができる。
この場合、制御部が上記の制御を実行するので、相手方の車両の駐車優先度が低い場合に、自車両を空き駐車スペースに迅速に駐車することができる。
手動運転:搭乗者が自車両の運転の全部を行うモード種別
有人自動運転:搭乗者が存在する状態で車両の制御システムが自車両の運転の一部又は全部を自動的に行うモード種別
無人自律運転:搭乗者が存在しない状態で車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行うモード種別
この場合、搭乗者が存在する手動運転及び有人自動運転の車両は、搭乗者が存在しない無人自律運転の車両よりも駐車優先度が高いので、施設の駐車場での駐車を想定すると、搭乗者の施設入店までの時間が短縮される可能性が高まり、顧客満足度の向上に繋がる。
この場合、手動運転の車両は有人自動運転の車両よりも駐車優先度が高いので、施設の駐車場での駐車を想定すると、搭乗者の施設入店までの時間が全体的に短縮する可能性が高まり、さらに顧客満足度の向上に繋がる。
この場合、自車両及び他の車両のモード種別が有人自動運転同士または無人自律運転同士の場合であっても、駐車優先度を判定することができるため、各車両をさらに効率的に駐車することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
<用語の定義>
本実施形態の詳細を説明するに当たり、まず、本実施形態で用いる用語の定義を行う。
本実施形態において、単に「車両」というときは、後述の「自律運転車両」、「支援運転車両」及び「手動運転車両」のすべてを含む。
「車載通信機」:車両に恒久的又は一時的に搭載された無線通信機のことをいう。
「管理装置」:1又は複数の管理対象機器を統合的に管理するコンピュータ装置のことをいう。本実施形態の管理装置は、具体的には、1又は複数の路側通信機などを含む管理対象機器を管理するサーバーコンピュータよりなる。
「自動運転」:車両の各種センサによるセンシング結果に基づいて、車両の制御システムが自車両の運転の一部又は全部を自動的に行うことをいう。本実施形態の自動運転には、後述の「支援運転」と「自律運転」が含まれる。
「自律運転」:車両の各種センサによるセンシング結果に基づいて、車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行うことをいう。従って、自律運転では、加減速及び操舵などの基本操作の主体が、搭乗者(人間)ではなく車両の制御システムである。本実施形態の自律運転には、後述の「有人自律運転」と「無人自律運転」が含まれる。
「有人自律運転」:搭乗者が存在する状態で自律運転を行うこという。
「無人自律運転」:搭乗者が存在しない状態で自律運転を行うこという。
「自動運転車両」:自動運転が可能な制御システムを有する車両のことをいう。本実施形態の自動運転車両には、後述の「支援運転車両」と「自律運転車両」が含まれる。
「自律運転車両」:自律運転が可能な制御システムを有する車両のことをいう。本実施形態では、自律運転車両は自律運転、支援運転又は手動運転のいずれかに切り替え可能であるとする。本実施形態の自律運転車両には、後述の「有人自律運転車両」と「無人自律運転車両」が含まれる。
図1は、本発明の実施形態に係る制御システムを採用した駐車場2の一例を示す斜視図である。
図1の例では、フェンス3で囲まれた敷地内の北側よりに、ショッピングセンターなどの店舗施設である建物1が設置されており、敷地内における建物1南側の大半が駐車場2となっている。
駐車場2内の駐車エリア8は、車両20の運転種別すなわち手動運転か自動運転かに関係なく、すべての車両20が駐車可能となっている。
図1の例では、駐車エリア8には、10台分の駐車スペースを有する駐車区画11が6つ設けられている。駐車区画11同士の間のスペース及び駐車区画11とフェンス3の間のスペースは、車両20や歩行者24が駐車エリア8を通行するための通路12となっている。
路側通信機31は、駐車場2の適所に立設された支柱に設置されている。図1の例では、路側通信機31は、設置位置の違いに応じて次の2種類の路側通信機31A,31Cに分類される。
路側通信機31C:通路12の交差点に設置された路側通信機31
なお、本実施形態では、各路側通信機31A,31Cの共通事項を説明する場合は、それらの共通符号「31」を用いて「路側通信機31」と記載する。
監視カメラ33は、駐車場2の北西の角部に立設された支柱に設置されている。
赤外線投光器34は、駐車場2の入場口4に設置されている。
管理装置38は、通信線(図1及び図3の破線)を介してルータ37に接続されている。駐車場2の各種の管理対象機器31,33,34も、通信線を介してルータ37に接続されている(図3参照)。従って、管理装置38と管理対象機器31,33,34は、ルータ37を介して有線通信が可能となるように接続されている。
図1に示す建物1及び駐車場2の内部の構造及び配置はあくまでも一例であって、その構造及び配置は図1のものに限定されるものではない。
図2は、無線通信システムにおける通信主体の組み合わせの説明図である。
本実施形態の無線通信システムでは、図1に示す駐車場2において、路側通信機31及び車両20の車載通信機54が、それぞれ、所定のフォーマットの通信フレーム(図7参照)を用いた無線通信によりデータ交換を行う。
路車間通信:路側通信機31と車両20の車載通信機54の間の無線通信
車車間通信:車両20の車載通信機54同士の無線通信
路側通信機31による送信の優先度を向上させる場合には、「700MHz帯高度道路交通システム標準規格(ARIB STD-T109)」に倣ったマルチアクセス方式を採用することにしてもよい。本実施形態ではこの方式が採用されているものとする。
図3は、駐車場2の管理システム30の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、管理システム30は、路側通信機31、監視カメラ33、ルータ37及び管理装置38を含む。
路側通信機31は、通信部81、制御部82、記憶部83及びアンテナ84を含む。通信部81は、無線通信及び有線通信の機能を有する通信インターフェースよりなる。
また、通信部81は、管理装置38から受信したアナログ信号をデジタル信号に変換して制御部82に出力し、制御部82から入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して管理装置38に送信する。
記憶部83は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成されており、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。
制御部82が実行する制御には、通信部81に対する中継制御が含まれる。例えば、制御部82は、通信部81が受信した通信フレームを管理装置38に転送する。
管理装置38の制御部88は、通信部91が受信した画像データを記憶部93に一時的に記憶するとともに、出力部94のモニタにライブ映像として表示する。
赤外線投光器34は、駐車場2の入場口4から入場する車両20に対して赤外線信号を送信する。
制御部88は、公知のCPU、RAM及びROMなどを含む。制御部88は、記憶部93に記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行し、管理装置38の全体の動作を制御する。
通信部91は、ネットワークインターフェースよりなる。通信部91は、ルータ37に接続された各路側通信機31と有線LANを構成している。通信部91は、その他の管理対象機器33,34ともデータ通信が可能である。
制御部88が実行するコンピュータプログラムは、上記ディスクに書き込まれたコンピュータプログラムであってもよい。
制御部88が実行する制御には、各管理対象機器31,33,34に対する上述の制御の他に、監視カメラ33から受信した画像データに基づいて、各駐車区画11の空き駐車スペースを把握する処理などがある。
(自律運転車両の場合)
図4は、自律運転車両21の制御システム50の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、自律運転車両21の制御システム50は、内部バス52を介して通信可能に接続された中央制御部51及び入出力インターフェース53と、このインターフェース53に接続された車載通信機54、走行制御ユニット55、操舵制御ユニット56、ナビゲーションユニット57、第1センサ58、第2センサ59及び赤外線受光器60を備えている。
車載通信機54は、通信部(取得部)104、制御部105、記憶部106及びアンテナ107を含む。通信部104は、外部との無線通信機能とシステム内での通信機能とを有する通信インターフェースよりなる。
また、通信部104は、中央制御部51から受信した制御信号を制御部105に出力し、制御部105から入力された制御信号を中央制御部51に送信する。
記憶部106は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどより構成されており、各種のコンピュータプログラムやデータを記憶する。記憶部106は、自車両の識別情報である車両IDを記憶している。車両IDは、例えば、エンジンの始動時に乱数発生器が生成する数値などよりなる。
具体的には、制御部105は、図7に定義する格納領域A1〜A6に格納すべき現時点の識別情報を制御システム50内の各部から収集し、その識別情報を記憶部106に一時的に記憶させる。そして、記憶した識別情報を格納した通信フレームを生成し、生成した通信フレームを通信部104に無線送信させる。
走行制御ユニット55が行う制御には、例えば、アクセルペダルの踏み込み量に応じてエンジンや電気モータなどの回転数を調整する加減速制御、ブレーキペダルの踏み込み量に応じて油圧ブレーキの油圧力を調整する制動制御、トルクコンバータに対する変速制御などが含まれる。
操舵制御ユニット56が行う制御には、例えば、ハンドルの回転量に応じて前輪の操舵角を調整する方向制御、方向指示器などの灯器類の点滅を制御する灯器制御、急な制動によるタイヤのロックを防止して操舵可能状態を維持するABS(Antilock Brake System)制御などが含まれる。
経路探索部は、リンクコストが最小となる最小コスト経路を特定の経路探索ロジックによって算出するのが一般的である。この経路探索ロジックとしては、例えばダイクストラ法やポテンシャル法が利用される。
ナビゲーションユニット57は、道路地図データが格納された記憶装置も備えている。道路地図データは、経路探索部による探索処理に際して自車両の位置情報をマップマッチングするために使用される。
前側に設けられた第1センサ58は、主として自車両の前方に存在する物体の存在を検出するためのセンサであり、後側に設けられた第1センサ58は、主として自車両の後方に存在する物体の存在を検出するためのセンサである。
第2センサ59は、縦軸心回りに比較的高速で回転自在となっており、自車両の周囲に存在する物体の存在を検出するためのセンサである。
赤外線受光器60は、例えば車両20の左側及び右側に配置されており、入場口4に設置された赤外線投光器34から送信された赤外線信号を受信する。
自律運転の制御原理は、第1及び第2センサ58,59によって検出した物体に予期される挙動を過去のデータから予測し、予測した挙動に基づいて自車両が目的位置に指向するよう、各ユニット55〜57に指令を与えるものである。
支援運転の制御例としては、第1センサ58によって検出した物体と自車両の間の距離から衝突可能性を予測し、衝突可能性が高いと判断した場合に減速介入したり、搭乗者に注意喚起したりするよう、各ユニット55〜57に指令を与えるものがある。
このように、自律運転車両21に搭載された制御システム50は、自律運転が可能であることは勿論のこと、ダウングレードした動作モードとして、支援運転又は手動運転のいずれかを実行することができる。動作モードの切り替えは、例えば搭乗者による手動の操作入力によって行われる。
図5は、支援運転車両22の制御システム50の構成例を示すブロック図である。
以下、図4と共通する機能部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略し、図4に示す自律運転車両21との相違点について説明する。
すなわち、支援運転車両22の中央制御部51は、第1センサ58によるセンシング結果に基づいて支援運転を行うことができるが、第2センサ59によるセンシング結果を用いた自律運転を行うことはできない。
このように、支援運転車両22に搭載された制御システム50は、支援運転が可能であることは勿論のこと、ダウングレードした動作モードとして、手動運転を実行することができる。動作モードの切り替えは、例えば搭乗者による手動の操作入力によって行われる。
図6は、手動運転車両23の制御システム50の構成例を示すブロック図である。
以下、図4及び図5と共通する機能部分については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略し、図4に示す自律運転車両21及び図5に示す支援運転車両22との相違点について説明する。
すなわち、手動運転車両23の中央制御部51は、第1及び第2センサ58,59によるセンシング結果を用いた自律運転と、第1センサ58によるセンシング結果を用いた支援運転を行うことができず、手動運転のみを実行することができる。
図7は、通信フレームのフレームフォーマットの一例を示す説明図である。
図7に示すように、本実施形態の無線通信システムにおいて送受信される「通信フレーム」には、「プリアンブル」、「ヘッダ」、「データ」及び「CRC」(Cyclic Redundancy Check)が含まれる。
「格納領域A1」は、端末IDの格納領域である。格納領域A1には、通信フレームの送信時における車載通信機54の端末IDの値が格納される。例えば、車載通信機54の制御部105は、フレーム送信時に記憶部106が記憶する車両IDの値を格納領域A1に格納する。
車載通信機54による通信フレームの送信時刻は、厳密にはアンテナ107からの電波送出時刻である。しかし、RF部の遅延時間は非常に小さいので、制御部105による通信フレームの生成時点における現在時刻値であればよい。
例えば、車載通信機54の制御部105は、フレーム送信時に記憶部106が記憶する緯度と経度(フレーム送信時における現在位置)を格納領域A3に格納する。
本実施形態では、車両20の動作モードのモード種別として、「手動運転」、「有人自動運転」及び「無人自律運転」を想定している。従って、モード種別の識別情報としては、少なくとも2ビットのデータ量を割り当てればよい。
制御部105によるモード種別の決定は、例えば、制御部105が中央制御部51にアクセスして現時点の動作モードを問い合わせるとともに、搭乗者の有無を判定することによって行うことができる。搭乗者の有無の判定は、例えば、車両20に対するキー挿入の有無や、車両20の搭乗者による所定の設定入力があったか否かなどにより行うことができる。
支援運転車両22では、支援運転と手動運転のいずれかの動作モードが実行される。支援運転の場合は、搭乗者が存在するので、モード種別は有人自動運転となる。従って、支援運転車両22の車載通信機54が送信する通信フレームに含まれるモード種別の識別情報は、「有人自動運転」(=01)又は「手動運転」(=00)となる。
従って、自律運転車両21の車載通信機54が送信する通信フレームに含まれるモード種別の識別情報は、有人自動運転及び支援運転の場合は「有人自動運転」(=01)、無人自律運転の場合は「無人自律運転」(=10)、手動運転の場合は「手動運転」(=00)となる。
駐車場2での車両20の駐車情報は、未駐車の状態を示す「移動中」と、駐車完了を示す「駐車中」のいずれかで定義できる。従って、駐車情報の識別情報としては、少なくとも1ビットのデータ量を割り当てればよい。
車両20の駐車情報の判定は、例えば、車両20が駐車場2内で走行中であるときは移動中と判断し、駐車場2内の所定位置で一定時間(例えば、10分)以上停止している場合は駐車中と判断することによって行うことができる。
車両20の駐車状況要否の判定は、例えば、制御部105が中央制御部51にアクセスして空き駐車スペースを探索する制御が可能であるか否かを問い合わせ、その探索制御ができない場合は「要」と判断し、探索制御ができる場合は「否」と判断することによって行うことができる。
例えば、車載通信機54の制御部105は、入場口4に設置された赤外線投光器34からの赤外線信号を車両20側の赤外線受光器60が受信した時点からカウントを開始することで経過時間を計測し、現時点での経過時間を格納領域A6に格納する。
例えば、入場口4に車両20を検出する赤外線センサを設置し、管理装置38の制御部88は、赤外線センサからの検出信号を受信した時点からカウントを開始し、現時点での経過時間を路車間通信により車載通信機54に送信するようにしても良い。
また、図7に示す通信フレームの例では、格納領域が番号A6まで定義されているが、番号A7以上の格納領域を定義することにしてもよいし、A6未満の格納領域が定義された通信フレームを採用してもよい。
図8は、車載通信機54が実行する情報発信制御のフローチャートである。
図8に示すように、車載通信機54の制御部105は、まず、車両20の状態情報を取得する(ステップS10)。
車載通信機54の「状態情報」とは、図7に定義する通信フレームの各格納領域A1〜A6に格納すべき現時点の識別情報のことをいう。
従って、車載通信機54の制御部105は、図7に定義する格納領域A1〜A6に格納すべき現時点の識別情報を、制御システム50内の各部から収集し、その識別情報を記憶部106に一時的に記憶させる。
これにより、駐車場2に存在する車両20は、通信フレームを用いた車車間通信や路車間通信により、自身以外の他の車両20の状態情報を察知できるようになる。
従って、一方の車両20は、他方の車両20から受信した通信フレームから他方の車両20の状態情報を把握できる。また、他方の車両20は、一方の車両20から受信した通信フレームから一方の車両20の状態情報を把握できる。
そして、路側通信機31は、車両20の状態情報を含む通信フレームを受信すると、受信した通信フレームを即時にブロードキャストで転送する「第1の転送処理」と、管理装置38に転送する「第2の転送処理」を実行する。
路側通信機31が、第1の転送処理を実行すれば、車車間通信では通信フレームを送受信できない場合でも、他の車両20の状態情報を事前に察知でき、通信フレームを用いた駐車支援制御(図9参照)をより確実に実行できるという利点がある。
管理装置38が車両20の状態情報を含む通信フレームを収集管理すれば、仮に駐車場2内で事故が発生した場合に、事故が発生した時刻付近の通信フレームの内容を解析することで、事故の責任がいずれにあるかを分析することができる。
なお、図8の情報発信制御は、車載通信機54の制御部105ではなく、制御システム50の中央制御部51が実行することにしてもよい。
従って、通信フレームの受信側において、他の車両の通信フレームに含まれる識別情報の内容に応じて、駐車場2において自車両を空き駐車スペースに駐車するまでの駐車支援制御を実行することできる。以下、この制御の内容について説明する。
図9は、車載通信機54が実行する駐車支援制御のフローチャートである。
図9に示すように、車載通信機54の制御部105は、中央制御部51にアクセスして自車両が空き駐車スペースを探索することが可能か否かを判定する(ステップS20)。
上記の判定結果が肯定的である場合、制御部105は、中央制御部51から空き駐車スペースに関する情報を取得する(ステップS21)。
具体的には、制御部105は、通信フレームの格納領域A5の駐車状況要否の部分に識別情報(「要」=0)を格納し、その通信フレームを通信部104から路側通信機31を介して管理装置38に送信する。管理装置38は、受信した通信フレームに含まれる駐車状況要否の識別情報に基づいて、空き駐車スペースに関する情報を含む制御フレームを生成し、その制御フレームを上記車両の車両ID宛てで送信する。これにより、制御部105は、空き駐車スペースに関する情報を取得することができる。
上記の判定結果が否定的である場合、制御部105は、ステップS20に戻る。
上記の判定結果が肯定的である場合、制御部105は、次のステップS24に進む。
他の車両の通信フレームは、車車間通信により他の車両から直接受信した通信フレームでもよいし、路側通信機31での転送によって受信した通信フレームであってもよい。
上記の判定結果が肯定的である場合、制御部105は、更に、他の車両が自車両から近隣の位置にありかつ接近中か否かを判定する(ステップS25)。
他の車両が近隣の位置にあるか否かの判定は、自車両から他の車両までの距離が所定の閾値(例えば、10m)以内にあるか否かによって行うことができる。
他の車両が接近中か否かの判定は、自車両から他の車両までの距離の減少度合いが所定の閾値以内であるか否かによって行うことができる。
上記の判定結果が肯定的である場合、制御部105は、「駐車優先度の比較処理」を実行する(ステップS26)。
具体的には、制御部105は、自車両のモード種別と他の車両のモード種別との比較に基づいて、自車両の駐車優先度と他の車両の駐車優先度のうち、いずれの駐車優先度が高いかを比較する。
M>AP>A+
ここで、「M」は「手動運転」、「AP」は「有人自動運転」、「A+」は「無人自律運転」を意味する。
例えば、自車両のモード種別が無人自律運転(A+)であり、他の車両のモード種別が手動運転(M)であるとすると、上記の関係式を用いた比較により、制御部105は他の車両の駐車優先度の方が高いと判定できる。
すなわち、制御部105は、自車両及び他の車両の現在位置から空き駐車スペースまでのそれぞれの距離の比較、並びに自車両及び他の車両が空き駐車スペースをそれぞれ探索し始めてからの経過時間の比較に基づいて、いずれの駐車優先度が高いかを判定する。
具体的には、制御部105は、まず、自車両が空き駐車スペースを探索し始めてからの経過時間と、通信フレームの格納領域A6に含まれる経過時間とを比較し、経過時間が長い方を駐車優先度が高いと仮判定する。
制御部105は、駐車優先度が低いと仮判定された車両の空き駐車スペースまでの距離が、駐車優先度が高いと仮判定された車両の空き駐車スペースまでの距離よりも長い場合、以下のように最終判定する。
一方、制御部105は、駐車優先度が低いと仮判定された車両の空き駐車スペースまでの距離が、駐車優先度が高いと仮判定された車両の空き駐車スペースまでの距離よりも短い場合、駐車優先度が高いと仮判定された方を駐車優先度が高いと最終判定する。
また、この駐車優先度の判定は、モード種別が少なくとも有人自動運転同士の場合および無人自律運転同士の場合に行われれば良い。
また、この駐車優先度の判定基準は、車載通信機54の記憶部106に設定されているが、管理装置38の記憶部93に設定されていても良い。この場合、車載通信機54の制御部105は、管理装置38から路側通信機31を介して判定基準を含む制御フレームを受信することで、上記駐車優先度の判定を行うことができる。
また、駐車優先度は、前記距離及び経過時間などから所定式により評価値を算出し、その評価値の大小に応じて判定しても良い。
上記の判定結果が否定的である場合、制御部105は、ステップS28に移行して自車両を空き駐車スペースに駐車させる。
上記の判定結果が肯定的である場合、制御部105は、相手方の駐車を優先させるための「相手方の駐車優先処理」を実行する(ステップS29)。
上記の報知や介入制御に加えて、ヘッドライトを点滅させるパッシング動作を行って、相手方に通行を促してもよいし、空き駐車スペースを譲る旨の情報を含む制御フレームを相手方の車載通信機54に送信することにしてもよい。
制御部105は、相手方の駐車優先処理が終了すると、ステップ20に戻り、自車両について他の空き駐車スペースを探索する処理を行う。
従って、種々のモード種別の車両20が駐車場2の駐車エリア8を共用する状況において、車両同士が駐車スペースを互いに譲り合うのを抑制することができ、各車両20が効率的に駐車することができる。
また、車載通信機54の制御部105は、相手方の車両の駐車優先度の方が低い場合、自車両を空き駐車スペースを駐車させるので、自車両を迅速に駐車させることができる。
このため、有人自動運転車両(有人の自律運転車両21又は支援運転車両22)や手動運転車両23に乗っている顧客の施設入店までの時間が短縮される可能性が高まり、顧客満足度の向上に繋がる。
すなわち、手動運転(M)の車両20の運転者は制御システム50による運転支援等を受けてないため、入庫のための運転操作が自動運転(AP)よりも重労働であると考えられる。従って、手動運転(M)の駐車優先度を高くした方が、搭乗者の施設入店までの時間が全体的に短縮する可能性が高まり、顧客満足度の向上に繋がるからである。
このため、モード種別が同一の車両同士であっても、駐車優先度を判定することができるため、各車両をさらに効率的に駐車することができる。
2:駐車場
3:フェンス
4:入場口
5:退場口
6:出入口
8:駐車エリア
11:駐車区画
12:通路
15:管理室
20:車両
21:自律運転車両
22:支援運転車両
23:手動運転車両
24:歩行者
30:管理システム
31:路側通信機
33:監視カメラ
34:赤外線投光器
37:ルータ
38:管理装置
50:制御システム
51:中央制御部
52:バス
53:入出力インターフェース
54:車載通信機
55:走行制御ユニット
56:操舵制御ユニット
57:ナビゲーション装置
58:第1センサ
59:第2センサ
60:赤外線受光器
81:通信部
82:制御部
83:記憶部
84:アンテナ
88:制御部
89:内部バス
90:入出力インターフェース
91:通信部
92:ドライブ
93:記憶部
94:出力部
95:入力部
104:通信部(取得部)
105:制御部
106:記憶部
107:アンテナ
Claims (7)
- 他の車両の動作モードに基づいて、自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する車両の制御装置であって、
他の前記車両のモード種別を取得する取得部と、
前記自車両のモード種別と取得した他の前記車両のモード種別との比較に基づいて、前記自車両と他の前記車両のうちいずれの駐車優先度が高いかを判定し、その判定結果に基づいて前記自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する制御部と、を備え、
駐車優先度の判定に用いるモード種別には、下記のモード種別が含まれており、
前記制御部は、手動運転及び有人自動運転が無人自律運転よりも駐車優先度が高いと判定し、他の前記車両の駐車優先度の方が高い場合に、他の空き駐車スペースを探索する制御を実行する車両の制御装置。
手動運転:搭乗者が自車両の運転の全部を行うモード種別
有人自動運転:搭乗者が存在する状態で車両の制御システムが自車両の運転の一部又は全部を自動的に行うモード種別
無人自律運転:搭乗者が存在しない状態で車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行うモード種別 - 他の車両の動作モードに基づいて、自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する車両の制御装置であって、
他の前記車両のモード種別を取得する取得部と、
前記自車両のモード種別と取得した他の前記車両のモード種別との比較に基づいて、前記自車両と他の前記車両のうちいずれの駐車優先度が高いかを判定し、その判定結果に基づいて前記自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する制御部と、を備え、
駐車優先度の判定に用いるモード種別には、下記のモード種別が含まれており、
前記制御部は、手動運転及び有人自動運転が無人自律運転よりも駐車優先度が高いと判定し、他の前記車両の駐車優先度の方が低い場合に、自車両を前記空き駐車スペースに駐車する制御を実行する車両の制御装置。
手動運転:搭乗者が自車両の運転の全部を行うモード種別
有人自動運転:搭乗者が存在する状態で車両の制御システムが自車両の運転の一部又は全部を自動的に行うモード種別
無人自律運転:搭乗者が存在しない状態で車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行うモード種別 - 前記制御部は、手動運転が有人自動運転よりも駐車優先度が高いと判定する請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置。
- 前記制御部は、前記自車両及び他の前記車両のモード種別が有人自動運転同士または無人自律運転同士の場合、前記自車両及び他の前記車両のそれぞれの現在位置から空き駐車スペースまでの距離の比較、並びに前記自車両及び他の前記車両が空き駐車スペースをそれぞれ探索し始めてからの経過時間の比較のうち少なくとも1つに基づいて、前記駐車優先度を判定する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の制御装置を搭載した車両。
- 他の車両の動作モードに基づいて、自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する車両の駐車決定方法であって、
他の前記車両のモード種別を取得するステップと、
前記自車両のモード種別と取得した他の前記車両のモード種別との比較に基づいて、前記自車両と他の前記車両のうちいずれの駐車優先度が高いかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて前記自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定するステップと、
前記判定ステップで他の前記車両の駐車優先度の方が高いと判定した場合に、他の空き駐車スペースを探索する制御を実行するステップと、を含み、
前記判定ステップでは、駐車優先度の判定に用いるモード種別に、下記のモード種別が含まれており、手動運転及び有人自動運転が無人自律運転よりも駐車優先度が高いと判定する車両の駐車決定方法。
手動運転:搭乗者が自車両の運転の全部を行うモード種別
有人自動運転:搭乗者が存在する状態で車両の制御システムが自車両の運転の一部又は全部を自動的に行うモード種別
無人自律運転:搭乗者が存在しない状態で車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行うモード種別 - 他の車両の動作モードに基づいて、自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定する車両の駐車決定方法であって、
他の前記車両のモード種別を取得するステップと、
前記自車両のモード種別と取得した他の前記車両のモード種別との比較に基づいて、前記自車両と他の前記車両のうちいずれの駐車優先度が高いかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて前記自車両を空き駐車スペースに駐車するか否かを決定するステップと、
前記判定ステップで他の前記車両の駐車優先度の方が低いと判定した場合に、自車両を前記空き駐車スペースに駐車する制御を実行するステップと、を含み、
前記判定ステップでは、駐車優先度の判定に用いるモード種別に、下記のモード種別が含まれており、手動運転及び有人自動運転が無人自律運転よりも駐車優先度が高いと判定する車両の駐車決定方法。
手動運転:搭乗者が自車両の運転の全部を行うモード種別
有人自動運転:搭乗者が存在する状態で車両の制御システムが自車両の運転の一部又は全部を自動的に行うモード種別
無人自律運転:搭乗者が存在しない状態で車両の制御システムが自車両の運転の全部を自動的に行うモード種別
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