JP6326554B2 - 織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのコンピュータ実装方法、システム及びコンピュータプログラム製品 - Google Patents

織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのコンピュータ実装方法、システム及びコンピュータプログラム製品 Download PDF

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Description

本発明は、織布の挙動の糸レベルでのシミュレーションの技術分野に含まれる。
織布は、織り合わせられた糸によって形成され、典型的には、経糸および緯糸と称される2組の直交する糸によって形成される。織り合わせられた糸は、糸同士の接触部にて摩擦力を受け、この摩擦によって織布が結び付けられる。これは、縫い糸によって結び付けられる編み布とは対照的である。織布は至る所に見られ、多様な織りパターン及び糸材料を示し、剛性及び弾性の両方に優れる。一般的な織物としては、シフォン、コーデュロイ、デニム、フランネル、ギャバジン、シーティング又はベルベットが含まれる。
大スケールでの織布の機構は、微細スケールでの糸の挙動、糸の機械的特性、配置、及び接触相互作用によって決定付けられる。しかし、よく知られた布モデルは、Kaldorら(2008及び2010、非特許文献20及び21)の研究における注目すべき例外を除いて、糸レベルの機構をモデル化しない。そのような布モデルでは、ばね−質量系の場合(非特許文献6及び非特許文献40)のように、個別の要素を使用するか、有限要素モデルの場合(非特許文献13)のように、連続体定式化の離散化を使用する。
多くの場合、このような離散化モデルは、織物の適切な挙動、特に緩やかな力でのドレープを捕捉するには十分である。しかし、糸レベルのモデルは、コンピュータアニメーションについて興味深い可能性を提示する。細かい引き裂き、ほつれ又は緩んだ糸端のような視覚的に興味深い効果には、個々の糸をモデル化する必要がある。さらに、糸ベースのモデルは、大スケールでの布シミュレーションに対する正確な解決法を開発するための基礎を構成することが可能であり、実際の布で測定される非線形性かつ複雑な相互作用を明らかにすることができる(非特許文献51、非特許文献28及び非特許文献29)。
計算コストは、糸レベルの布シミュレーションに対処するための重要な課題である。個々の糸についての機構を捕捉するには、棒モデルを使用する必要があり(非特許文献35、非特許文献43、非特許文献3及び非特許文献8)、織りパターンは、糸の数が2次の多数の接点を生じる。しかしながら、糸密度の低い布地のモデル化においても、自由度(DoF)及び接点の数は、すぐ爆発的に増加してしまう。また、一般的な布には、100本/インチの糸が含まれることもある。
コンピュータグラフィックスにおけるほとんどの布シミュレーションモデルでは、布を薄いシェルとみなし、弾性変形モデルを定式化することによって布の機構を捕捉している(非特許文献47)。ここで、布のモデル化は、数値的に頑強かつ実際の布の挙動に一致する変形エネルギー及び離散化を定義するという課題に直面している。コンピュータグラフィックスにおける布のモデル化についての重要な節目としては、実際の織物の挙動を近似するばね−質量モデル(非特許文献6)、モデルの非伸長性に対するひずみ制限の追加(非特許文献40)、効率的な自己衝突処理(非特許文献49)、効率的な時間積分を用いた拘束からの変形エネルギーの定義(非特許文献1)、座屈を取り扱うための頑強なモデル(非特許文献9)、整合的な曲げモデル(非特許文献7及び非特許文献16)、効率的な非伸張性(非特許文献14)及び効率的な動的再メッシュ化(非特許文献31)が含まれる。
最近のコンピュータアニメーションにおける研究はまた、実際の布における非線形挙動に一致させることも目的としている。関連する研究としては、非線形母数型モデルの設計(非特許文献50)、力及び変形の例からの材料係数の推定(非特許文献51及び非特許文献28)、布のヒステリシスを捕捉するための内部摩擦モデルの設計(非特許文献29)が含まれる。
よく知られた薄肉シェルモデルとは対照的に、Kaldorら(2008、非特許文献20)は、編み布の動態を糸レベルでモデル化し、それにより基本的な糸の機構から衣服全体の大スケールでの挙動を予測することが可能になった。彼らは、非伸張性棒モデルを用いて個々の糸の機構を捕捉し、剛性ペナルティ力と速度−フィルタ摩擦の組み合わせを用いて糸同士の接触を捕捉した。後の2010年(非特許文献21)では、彼らは、ペナルティ力の局所的な回転線形化を使用して糸同士の接触処理を加速させるところまで研究を拡張した。しかしながら、本発明は、織布の場合にて、糸交差点における完全な糸同士の接触処理を避ける、より効率的な解決法を提案する。Metaaphanonら(2009、非特許文献27)は、織布の糸レベルモデルを提案した。彼らは、経糸の終点と緯糸ばねとの間の拘束を設定することによって、糸同士の相互作用をモデル化した。さらに、彼らは、ばね−質量モデルから糸レベルのモデルへの自動遷移を設計した。
糸レベルのモデルは、織物研究の分野で徹底的に研究されている。糸ベースの解析モデル(非特許文献18)は、通常は幾何学的糸モデルに基づき、特定の変形モード下での布の機械的挙動を予測するために用いられる。Peirceの母数型円形断面糸(非特許文献38)や、Kawabataのもっと単純なピン結合トラス(非特許文献22)のようなこれらの解析モデルは、交差点における糸をモデル化しており、恒久的な接触を仮定して捲縮の分離を説明する。しかしながら、ほとんどの解析モデルでは、これらの手法は設計された特定のケースに限定されており、衣服全体はおろか、一般的な荷重ケースについての解析フレームワークを開発することも非常に難解である(非特許文献24)。
メソ構造ベースの連続体モデルは、より大きな布サンプルをシミュレートするために浮上してきた(非特許文献5及び非特許文献36)。これらのモデルは、織布を連続体として近似しており、そこでは、全ての質点が糸の部分を表す。次に、各部分は、例えば、Kawabataのピン結合トラスモデルを使用して、非常に単純化された分析単位セルを使用してシミュレートされる。
別のモデル群は、糸の相互作用を全て考慮して、体積糸の有限要素離散化を用いて布全体を糸レベルでシミュレートすることを試みている(非特許文献32、非特許文献34及び非特許文献12)。しかしながら、必要な計算量が多いため、やや大きいサンプルでは扱いにくくなる。複雑な体積糸をビーム、トラス及び膜のようなより単純な要素で置き換えることによって、より優れた計算効率が達成された(非特許文献41及び非特許文献26)。もう一つの興味深い手法は、連続体と糸レベルの描写とを結合するマルチスケールモデルを用いて、必要な場合にのみコストのかかる糸レベルの機構に頼るものである(非特許文献30)。
いくつかのハイブリッド技術は、メソ構造ベースの連続体手法に依拠しているが、単位セルについての離散モデルを使用している。これらのセルは、軸方向のコンプライアンスを可能にすると共に曲げ及び交差ばねにより増強することができ、それによって交差点における横断面の変形及びせん断をシミュレートする(非特許文献24及び非特許文献52)。糸に垂直なトラス要素を導入して糸間の接触力をシミュレートすることにより、せん断ジャミングが達成される(非特許文献24)。しかしながら、糸は交差点にて共にピン止めされているため、これらの単位セル手法は、糸の滑りを妨げる。Parsons及び共同研究者(2013、非特許文献37)は、単位セルを使用してメソレベルで計算された力を用い、連続体レベルにて滑り速度場を導入することによって、糸の滑りに対処している。滑り摩擦力は、交差点における法線力に比例する。しかしながら、これらの手法は、通常、布内の全ての糸をシミュレートしないため、ほつれ、擦り切れた縁、糸の破断及び糸の抜けのような単一の糸における興味深い影響を妨げる。加えて、織物の研究における典型的な糸レベルのモデルは、織られた糸間の恒久的な接触を仮定しているが、自由な衣服の動きの下での糸の位置を解像しておらず、制御された実験の下での糸の位置のみを解像している。対照的に、本発明の手法は、布内の全ての糸を棒としてシミュレートすることを可能にすると共に、接触の恒久化及び追加の滑り自由度の導入によってコストのかかる接触相互作用を大幅に低減する。
糸レベルのシミュレーションの本質的な態様は、個々の糸の機構を捕捉するために、棒モデルを選択することにある。Pai(2002、非特許文献35)は、Cosserat理論に従ってモデル化された棒をシミュレートする効率的なアルゴリズムを開発した。Spillmann及びTeschner(2007、非特許文献42)は、Cosseratモデルを改良して接触を効率的に処理し、その後の2009年(非特許文献43)には、分岐したループ構造を処理するように拡張した。Bergouら(2008、非特許文献3)は、平行移動に基づくツイストの準静的解から中心線ダイナミクスを分離する棒シミュレーションの手法を提示した。Casati及びBertais-Descoubes(2013、非特許文献8)は、近年において、制御点の非常に少ないリッチで滑らかな棒の動態を効率的に解像するクロソイドベースのモデルを進展させた。
これまで概説したように、糸レベルでの布のモデル化における主な課題は、糸間の効率的な接触処理である。Suedaら(2011、非特許文献44)は、強く拘束された棒を効率的にシミュレートするのに適したモデルを提示する。彼らのモデルの重要な知見は、絶対運動を捕捉するいわゆるラグランジュ座標と、拘束マニホールド上の滑りを捕捉するいわゆるオイラー座標とによって形成される、最適化された一般座標のセットを用いて、拘束棒の運動学を描写することである。この手法は、織布内において拘束された糸を表すのに適しているため、ここでは、Suedaらには取り扱われない場合についての、滑り接触する2つの棒により構成される離散化について設計している。
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織布の大スケールでの機械的挙動は、糸の機械的性質、織りパターン及び糸間の摩擦接触によって決定される。弾性棒モデル及び糸同士の接触処理のための標準的なシミュレーション方法を用いた現実的な糸密度での織物衣類のシミュレーションは、困難であると考えられる。本発明は、糸交差点及び糸滑りに基づく織り合わせられた糸についての新規な離散化を用いて、織布を糸レベルでシミュレートするための効率的な解決手段を提示する。これにより、糸交差点における接触処理を回避しつつ、糸同士の接触を陰的にモデル化することが可能になる。本発明は、内部の糸力及び糸間の摩擦接触のためのモデル並びに超並列解法のためのモデルと組み合わせて、何十万本もの糸交差点を有する衣類を、現実的なフレームレートにてデスクトップマシン上でシミュレートすることができると同時に、糸レベルの機構によって生じる大スケールでの効果と精密スケールでの効果との組み合わせを示すことができる。
本発明の第1態様は、織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのコンピュータ実装方法に関する。該方法は、
・織布の構造情報を取得するステップであって、前記構造情報は、前記織布の経糸、緯糸及び糸交差節点のレイアウトを少なくとも含んでいる、ステップと、
・複数の時間刻み幅にて境界条件を適用するステップと、
・3D位置座標と、経糸及び緯糸の滑りをそれぞれ表す経糸滑り座標(u)及び緯糸滑り座標からなる2つの滑り座標とによって、前記織布の各糸交差節点を描写するステップと、
・力モデルに基づいて各糸交差節点における力を測定するステップであって、前記力は、前記各糸交差節点の前記3D位置座標及び前記滑り座標に基づいて測定される、ステップと、
・ラグランジュ=オイラー方程式を用いて導かれると共に時間で数値積分される運動方程式を用いて、複数の時間刻み幅にて各糸交差節点の動きを計算するステップであって、前記運動方程式は、糸に沿って均一に分散した質量密度並びに測定された前記力及び境界条件を因子とする、ステップと
を含む。
境界条件は、糸交差節点での外力として、又は、織布と相互作用する物体又は人物の動きとして確立される。ここで、物体/人と布との間の力は、接触している糸交差節点にて測定される。
織布の経糸、緯糸及び糸交差節点のレイアウトは、糸の方向及びそれらの密度を含む。糸間距離は、糸のレイアウトから直接取得することができる。
前記織布の前記構造情報は、以下の情報のうちいずれかを含んでいてもよい:
・パネル及び継ぎ目の位置を含む、前記織布の2Dパターン。
・各パネルについての経糸、緯糸及び糸交差節点の前記レイアウト。
・各パネルについての前記織布の織りパターン。
・前記織布において使用される種々の糸タイプの全てについての糸の密度及び幅。
・前記織布において使用される種々の糸タイプの全てについての機械的パラメータ。前記機械的パラメータは、以下のうち少なくともいずれかを含む。
・弾性率
・曲げ弾性率
・せん断接触弾性率
・滑り摩擦係数
・減衰−質量比
・減衰−弾性比
好ましくは、前記織布の取得された前記構造情報は、前記糸の前記滑り摩擦係数を含んでおり、前記力モデルは、前記滑り摩擦係数及び前記滑り座標を用いることによる滑り摩擦力を含んでいる
好ましい実施形態では、前記織布の取得された前記構造情報は、前記糸の剛性を含んでおり、前記力モデルは、前記滑り座標(前記糸の前記剛性及び前記糸の前記レイアウトから取得される糸間距離)を用いることによる、隣り合う平行な糸同士の接触を含んでいる。
さらに好ましい実施形態では、前記織布の取得された前記構造情報は、前記糸の弾性率を含んでおり、ここで、前記力モデルは、引張力を含んでいる。また、前記織布の取得された前記構造情報は、前記糸の曲げ弾性率を含んでいてもよく、ここで、前記力モデルは、曲げ力を含んでいてもよい。また、前記力モデルは、引張力及び曲げ力の垂直成分を用いた、糸交差点における糸間の垂直圧縮を用いてもよい。
好ましくは、前記織布の取得された前記構造情報は、前記糸の前記せん断接触弾性率を含んでおり、前記力モデルは、せん断力を含んでいる。
本発明のさらなる態様は、織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのシステムに関し、前記システムは、
・織布の構造情報を記憶するためのデータ記憶手段であって、前記構造情報は、前記織布の経糸、緯糸及び糸交差節点のレイアウトを少なくとも含んでいる、データ記憶手段と、
・データ処理手段であって、
・前記構造情報を取得し、
・複数の時間刻み幅にて境界条件を適用し、
・3D位置座標と、経糸及び緯糸の滑りをそれぞれ表す経糸滑り座標及び緯糸滑り座標からなる2つの滑り座標とによって、前記織布の各糸交差節点を描写し、
・力モデルに基づいて各糸交差節点における力を測定し、前記力は、前記各糸交差節点の前記3D位置座標及び前記滑り座標に基づいて測定され、
・ラグランジュ=オイラー方程式を用いて導かれると共に時間で数値積分される運動方程式を用いて、複数の時間刻み幅にて各糸交差節点の動きを計算し、前記運動方程式は、糸に沿って均一に分散した質量密度並びに測定された前記力及び境界条件を因子とする
ように構成されている、データ手段と
を含んでいる。
本発明のさらなる態様は、織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのコンピュータプログラム製品に関する。前記コンピュータプログラム製品は、これより前に定義されたコンピュータ実装方法のステップを実行するためのコンピュータ使用可能プログラムコードを含んでいる。好ましくは、前記コンピュータプログラム製品は、CD、DVD、メモリースティック又はハードドライブのようなプログラム支援手段内に記憶されている。
織布の糸レベルでのシミュレーション方法における重要な点は、糸交差点に注目した離散化である。この離散化は、交差点の3D位置と、糸滑りを捕捉するための2つの追加の自由度とにより構成され、Suedaらによるオイラーの棒離散化(2011、非特許文献44)に続いて行われる。糸間の接触は陰的に処理され、交差する糸の間における衝突検出及び衝突応答の計算は完全に回避される。
提示の離散化に基づいて、低レベル糸機構についての力モデルが定式化される。これらの力モデルは、個々の糸の引張力及び曲げ力を含む。しかし、最も重要なことに、この新規な離散化は、糸間の接触力の単純な定式化、特に糸交差点での滑り摩擦及び隣り合う平行な糸同士の接触の単純な定式化を可能にする。糸レベルでの塑性や、大スケールでの挙動に対する織りパターンの影響のような興味深い効果は、糸レベルの機構によって自然に得られる。
布を糸レベルで頑強にシミュレートするため、動力学方程式に対して陰積分法が適用される。新規な離散化に加えて、織りパターンを活用する超並列解法が設計されている。GPU実装では、30万超の節点及び2千超の糸を備えた布を、デスクトップマシン上でわずか2分/フレーム(1フレームは1/24秒)でシミュレートすることができる。
衣類のドレープの予測は、入力として以下のパラメータをとる。
・衣類パターンの2Dレイアウト。該2Dレイアウトは、パターン境界のどの部分が継ぎ目を構成しているかを示す。織布の2Dパターンは、布パネルのレイアウトと、これらのパネルがどのように縫い付けられるか(継ぎ目の位置)とを含む。
・2Dパターン上の経糸及び緯糸の方向。
・経糸及び緯糸の両方向における糸密度。
・織りパターン。すなわち、平織、綾織、朱子織等。該織りパターンは、それぞれの糸交差点にて経糸又は緯糸のどちらが上にあるかを示す。
・衣類において使用される種々の糸タイプの全てについての糸幅。
・衣服において使用される種々の糸タイプの全てについての機械的パラメータ。これらのパラメータは、以下を含む。
・弾性率
・曲げ弾性率
・せん断接触弾性率
・滑り摩擦係数
・減衰−質量比及び減衰−弾性比
これらの機械的パラメータは、引張り、せん断及び曲げについてのKawabata試験(非特許文献23)を行い、その後に測定された力−変形曲線にパラメータ値を適合させることによって取得することができる。
本発明は、あらゆる種類の織布の機械的及び視覚的挙動を予測しつつ、高い分解能かつ短い計算時間で、織布の糸レベルでの効率的なシミュレーションを達成する。本発明は、連続糸モデル、体積糸の有限要素離散化に基づくモデル、並びに、経糸及び緯糸を別々に表してそれらの間の接触を解決する糸レベルのモデルを置き換える。本発明は、頑強、現実的かつ効率的な方法により、個々の糸の挙動から始まる布全体の挙動を予測する。
本発明は、織物分野において以下の利点を提供する。
・織物布の設計と革新におけるコスト削減、生産性向上及び柔軟性向上。新しい布の性能を、シミュレートされるプロトタイプ上にて評価することができる。
・製品設計の誤りを評価するための織物解析の実行。
・マーケティング目的での新しい衣類の高品質なアニメーションの実施。
本発明は、種々の産業部門にて適用され得る。
・織物布の設計。
・ファッション及び布の設計。
・布の商品化。
・自動車分野:織物の室内装飾品。
・医学:ステント製造用の織布。
など。
本発明のよりよい理解を助け、本発明の非限定的な例として提示される本発明の実施形態と明確に関連する一連の図面について、以下で極めて簡潔に記載する。
図1A、図1B及び図1Cは、異なる織りパターンを示しており、この順で浮きが多くなる。図1Aは、平織を示す。 図1A、図1B及び図1Cは、異なる織りパターンを示しており、この順で浮きが多くなる。図1Bは、綾織を示す。 図1A、図1B及び図1Cは、異なる織りパターンを示しており、この順で浮きが多くなる。図1Cは、朱子織を示す。 図2は、図1の3枚の吊り下がったシートの例について、せん断角度に対する力を関連付けたグラフを示す。 図3A〜図3Cは、本発明で使用される織糸のモデルを示している。図3Aは、3D体積糸を示す。 図3A〜図3Cは、本発明で使用される織糸のモデルを示している。図3Bは、捲縮を有する織り合わせられた棒セグメントを示す。 図3A〜図3Cは、本発明で使用される織糸のモデルを示している。図3Cは、5−DoF交差節点にて交差する棒セグメントを示す。 図4Aは、節点q0にて交差する経糸及び緯糸、並びに、隣接する4本の糸交差点を示す。 図4Bは、2つの隣接する経糸セグメント間の曲げ角度θを示す。 図4Cは、交差節点にて垂直圧縮を生成する力を表す。 図4Dは、隣接する2本の経糸と緯糸との間におけるせん断角度φ及びせん断ジャミング角度φjを示す。 図5A及び図5Bは、せん断摩擦効果を示し、図5Aでは、サンプルが引っ張られている。 図5A及び図5Bは、せん断摩擦効果を示し、図5Bでは、サンプルが引っ張られた後に緩められ、持続的なしわが残っている。 図6は、例にて使用されるパラメータ値による表を示す。 図7は、刻み幅毎に分解された、例についての時間刻み幅毎の平均コスト(ミリ秒)による表を示す。 図8は、2023本の糸及び350530個の交差節点を備えた緩いタンクトップの例を示しており、大きな動き並びに小スケールでの折り目及びしわを示している。 図9は、3199本の糸及び559241個の交差節点を備えた長いシャツの例を示す。 図10は、2023本の糸及び350530個の交差節点を備えたシャツ上に、継ぎ目節点を引っ張ることにより生じるほつれの糸レベルでのシミュレーションの一例を示す。 図11A〜図11Cは、図8の緩いタンクトップの腹領域内に生じるほつれの例を示している。図11Aは、布の外向きの動きを阻止しつつ2本の糸を引っ張ることにより形成されたほつれを示す。 図11A〜図11Cは、図8の緩いタンクトップの腹領域内に生じるほつれの例を示している。図11Bは、図11Aと同様の条件下での実際のほつれを示す。 図11A〜図11Cは、図8の緩いタンクトップの腹領域内に生じるほつれの例を示している。図11Cは、図11Aのほつれの近接図を示す。 図12は、いくつかの節点を掴んで引き離すことによって引き裂き開かれた図8の緩いタンクトップを示す。このプロセス中に、糸は切り離され、縁は擦り切れている。 図13A及び図13Bは、1インチあたり100本の糸を備えた平織りシート(交差節点は100万本)を示す。図13Aでは、該シートが静止するまで、動いている間に小さなしわが現れている。 図13A及び図13Bは、1インチあたり100本の糸を備えた平織りシート(交差節点は100万本)を示す。図13Bでは、該シートが静止して、大きなドレープしわを示している。
まず、糸ベースの布モデルの構築方法について説明する。次に、本発明者らの糸ベースの布モデルの重要な特徴、すなわち、糸の交差点及び糸の滑りの位置に基づく糸の運動学の離散化について提示する。最後に、この離散化に基づく運動方程式の定式化について概説する。
糸レベルで衣類を構築するには、テーラリング手法が用いられる。衣類を形成する2Dパターンが入力として受け取られ、糸間距離Lにおいて、経糸及び緯糸が直交する直線として各2Dパネル上に独立して配される。各継ぎ目では、追加の糸が配置され、緯糸及び経糸は、節点を共有することによって継ぎ目糸に接続される。布の境界では、間に継ぎ目糸を追加するか、糸端部を任意に掛止することが選択され得る。3D布モデルは、商業上のパターンから自動的に得ることができるため(非特許文献4)、本モデル化プロセスも容易に自動化することができる。
浮きは、他の糸が織り込まれていない同じタイプの2本の糸の間の隙間を構成する。浮きの分布を変化させることによって、平織(浮きなし)、綾織、朱子織等のような種々の織りパターンが得られ、それにより得られる布の機構が影響を受ける。図1A、1B及び1Cはそれぞれ、異なる織りパターンを示しており、これらの織りパターンは、以下の順で浮きが増加していく:平織パターン(図1A)、綾織パターン(図1B)及び朱子織パターン(図1C)。浮きが多くなるとせん断抵抗が低くなるため、2つの角から吊り下げられた際に布がより下がることになる。
織りパターンをモデル化するために、各パネルについて任意の向きが選択され、どの糸に経糸又は緯糸が上にあるかを示すフラグを各糸交差点にて記憶させる。この簡潔な戦略によって、平織、綾織、朱子織及び他の全ての一般的な織りのモデル化が可能になる。図2は、図1A、1B及び1Cの3つの吊り下がったシートの例についてのせん断角度(ラジアン)に対する力(N)を示すグラフを表している。織りパターンに応じた異なる挙動と共に、せん断力、摩擦及びジャミングもまた明確に視認される。
運動学的な表現では、糸の体積は無視され、全ての糸は同一平面上の平坦なものとして初期設定される。しかし、力の計算及びレンダリングの目的では、糸の体積が考慮される。図3A、図3B及び図3Cは、本発明で使用される織り糸(経糸1及び緯糸2)のモデルを示す。捲縮は、図3Aに示すように、経糸1及び/又は緯糸2の糸に導入されることによって織り合わせを可能にする曲げ加工である。捲縮はまた、織り合わせられた糸の間に圧縮力を生じさせ、この圧縮によって、布を併せて保持する摩擦力が存在できるようになる。本実施形態では、図3Bに示すように、緯糸2と経糸1の両方の糸に捲縮が施され、それらは糸半径Rだけ反対方向にずらされる。本実施形態は、異方性の捲縮を可能にするように拡張され得る。図3Aに示されている布片の3D体積糸は、垂直力計算のために捲縮を有する織り合わせられた棒セグメント(図3B)によって置き換えられ、また他の全てのために自由度(5−DoF)交差節点3にて交差する棒セグメント(図3C)によって置き換えられる。現れた体積は、レンダリング時に復元される。
説明を容易にするために、糸間距離L及び糸半径Rは経糸1及び緯糸2について同じであると仮定するが、この仮定が緩和されることは自明であり、実際に、本実施形態は、異方性の布をサポートしている。
織布では、糸の大部分が糸交差点にて接触しているため、このような接触は通常、シミュレーションの間ずっと維持されると仮定され得る。布の動きは、糸の節点ベースの離散化と、糸交差点における糸間の距離をゼロに維持する多数の接触拘束とを伴う、拘束された動力学的問題として記述することができる。しかしながら、このような接触を検出して解像する代わりに、糸交差点に基づく手頃な離散化を選択すると非常に効率的となることが観察された。
図4Aは、節点q0で交差する経糸1及び緯糸2と、4つの隣接する糸交差点(q1、q2、q3、q4)を示す。経糸1及び緯糸2は、それらの未変形弧長u及びvにそれぞれ基づいてパラメータ化される。したがって、uは、交差点(3)と糸の一端点との間における経糸(1)の未変形長さであり、vは、交差点(3)と糸の一端点との間の緯糸(2)の未変形長さである。次に、糸交差点は、その3D位置xと、糸交差点における経糸1及び緯糸2の質点のパラメトリック座標とによって描写される。u及びv座標の変化はそれぞれ、経糸及び緯糸の滑りをモデル化する。糸交差点は、3つのラグランジアンDoFと2つのEオイラーDoFを備えた5−DoF節点とみなされる。i番目の糸交差接点のIR5座標は、qi≡(xi、ui、vi)とする。
本明細書では、5−DoF糸交差節点と通常の3−DoF節点との組み合わせを用いて、織布を離散化することが提案される。5−DoF節点は各糸交差点に設定され、通常の3−DoF節点は糸の終点に設定される。図4Aは、交差節点3及びその隣接する4つの節点を用いた通常の設定構成を示す。
経糸セグメント[q0,q1]では(緯糸セグメントについても同様に)、位置は弧長uに従って線形補間される。このとき、該セグメント内の点の3D位置は、以下により与えられる。
ここで、
は、該セグメントの残りの長さである。
該セグメント内における点の速度は、糸交差点の速度だけでなく糸の滑りにも依存し、式(1)を微分した以下の式によって得られる。
ここで、
全ての糸交差点の座標を連結することによって、一般化された座標qのベクトルが定義される。このとき、運動方程式は、ラグランジュ=オイラー方程式を用いて得られる(非特許文献15)。運動エネルギーは、一般化された質量行列Mを用いて、
であり、Vはポテンシャルエネルギーを示し、∇は一般化された勾配を示す。このとき、オイラー=ラグランジュ方程式は、次のように記載することができる。
質量は、糸に沿って密度ρで均一に分布していると仮定される。このとき、経糸セグメント内の任意の点に対する速度の式(2)に従って、セグメント[q0,q1]の運動エネルギーは(緯糸セグメントについても同様に)、以下のように表される。
ここで、
ポテンシャルエネルギーVは、重力や保存内力のような複数の項を含む。重力は、例えば、経糸セグメント[q0,q1]について、以下のように定義される。
内力の定式化について、以下詳細に説明する。エネルギーポテンシャルに由来する保存力に加えて、オイラー=ラグランジュ方程式(3)の右辺には、摩擦力や接触力のような他の力の項が直接組み込まれている。また、減衰には、レイリー減衰モデルが組み込まれている。このレイリー減衰モデルは、減衰対質量比及び減衰対弾性比をパラメータとして使用し、パラメータα及びβによってそれぞれ制御される質量−剛性の比例項を備えている。
力モデルについては、織布における2種類の内力と考えられる。個々の糸の変形による力には、引張力及び曲げ力が含まれる。糸のねじれは、布においてはその影響が極めて小さいため、考慮されない。次に、織り合わされた糸間における接触による内力について説明する。該内力は、垂直圧縮、滑り摩擦、せん断及び平行な糸間の接触を含んでいる。
保存力は、エネルギーポテンシャルを用いて簡潔に描写される。一般的な場合、これらのポテンシャルは、糸交差点及び滑り座標の両方に力を生じさせることになる。加えて、数値積分を適用するには、力のヤコビアンの計算が必要となる。該ヤコビアンには、交差点及び滑り座標に関連する混合項が含まれる。
引張をモデル化するために、Spillmannら(2007、非特許文献42)による手法を採用する。該手法は、糸の中心線に沿ったひずみに二次である引張エネルギーを定義する。この場合の離散化では、引張ひずみは、各糸セグメントにおいて一定である。経糸セグメント[q0,q1]については、単純にε=||w||−1である。このとき、剛性ksに対するセグメントの引張エネルギーは、以下のようにして計算され得る。
ここで、ks=YπR2であり、Yは弾性率である。織布の糸は、多くの場合には伸長不可能に近く、高い弾性率を用いる必要がある。代替としては、非伸長性を拘束及びラグランジュ乗数によって実施することである。しかしながら、本実施形態については、陰積分法のための解法が設計されており、これによって剛性糸の効率的なシミュレーションが可能になる。該解法については、後に詳述する。
曲げをモデル化するために、離散微分幾何手法を採用する。該手法は、糸交差点における離散的な曲率に基づいて、曲げエネルギーを経糸及び緯糸について別々に定義する。糸交差点における離散的曲率について取り得る定義はいくつかあるが(非特許文献45)、ここでは単に糸セグメント間の角度として定義する。この曲率は、セグメント中心間の弧長で割ることによって曲率密度に変換される。図4Bの経糸1では、セグメント[q2,q0]と[q0,q1]との間における所与の角度θにて、節点q0における曲率密度は、以下のように定義される。
これは、曲率に二次である剛性kbを備えた曲げエネルギー密度と定義される。これをq0に隣接するセグメントの半分にわたって積分することにより、以下の離散化曲げエネルギーが得られる。
ここで、kb=BπR2であり、Bは曲げ弾性率である。この式は、任意に糸交差点同士が近づくと、数値的に不安定になる可能性がある。しかしながら、後述する平行糸間の接触モデルのために、実際にはそのようなことは起こらない。Bergouら(2008、非特許文献3)は、セグメント間の角度の正接に基づく異なる離散曲率メトリックを選択する。糸が完全に曲がると、結果として生じるエネルギーは無限大となり、実際にも曲げに対して過大な抵抗力が生じる。さらに別の選択肢は、セグメント間の半角の正弦に基づく離散曲率メトリックを使用することであるが、このメトリックは非凸曲げエネルギーを生じさせる。
織布は糸間摩擦によって併せて保持され、許容可能な摩擦力は、糸交差点における糸間の垂直圧縮の関数である。この場合における糸の離散化は、経糸1と緯糸2との間の法線方向に沿った相対運動を無視するので、垂直圧縮を弾性ポテンシャルとしてモデル化することができない。代わりに、ここでは所望の摩擦効果を捕捉する準静的近似が提示される。要するに、圧縮力は、図4Cに示すように、経糸の力及び緯糸の力の垂直成分を平均することによって概算され、この圧縮は、摩擦及びせん断力をモデル化するために使用することができる(非特許文献34)。
詳細な計算は、以下の通りである。各交差点3において、該節点及びその4つの隣接する節点の位置を用いて、最も適合する平面を計算する。法線方向nとしては、経糸1から緯糸2へ向かう、平面の法線を選択する。経糸及び緯糸の位置を糸半径だけ法線方向にずらすことによって捲縮を適用し(図3B)、曲げ力を再計算する。各糸交差点において、引張力Fs及び曲げ力Fbの垂直成分(図4Cにおいて、上付きの+及び−は、正及び負の糸方向を表す)を合計し、得られた力を経糸及び緯糸方向について平均することによって、圧縮力を概算する。すなわち、
圧縮力が負の場合には、糸は分離しているとみなされ、該力はゼロに固定される。このモデルを、接着を処理するように拡張することは可能であろう。
なお、引張力と曲げ力のみが表されていることに留意されたい。布が引っ張られている場合には、圧縮は引張によって支配される。しかし、布が引っ張られていない場合には、圧縮は曲げによって支配される。平坦な布の場合、捲縮によって生じる配置の乱れを考慮する必要がある。そうしない場合には、摩擦力によって糸を所定の位置に保持することができず、経糸及び緯糸の点がずれた後に曲げ力が再計算される原因となる。
各糸交差点では、経糸1と緯糸2との間の滑りを防止しようとする摩擦力も計算される。糸間摩擦は、非特許文献53に類似したクーロンモデルのペナルティベース近似を用いてモデル化される。この場合における糸交差点に基づく離散化は、摩擦の形成を大幅に単純化し、各滑り座標上の単純なばねによって効果的な結果が得られる。
所与の糸交差点q0では、経糸1にはアンカー位置u0(上にバー)が設定され、同様に緯糸2にも設定される。アンカー位置は、交差点にて経糸の滑りがu0になるように初期化される。摩擦は、アンカー位置と実際の経糸座標との間において、停止長さゼロの粘弾性ばねとしてモデル化される。
クーロンモデルは、摩擦力の弾性成分に限界μFnを設定する。ここで、μは滑り摩擦係数であり、Fnは上記式(9)で計算された糸間圧縮である。限界に達していない場合には、接触は固着モードにあり、力はばねによって規定される。限度を超えた場合、接触は滑りモードにあり、力はクーロン限界によって与えられる。要約すると、経糸の摩擦力は、以下のようにして計算される。
加えて、滑りモードでは、アンカー位置は経糸座標から一定の距離に維持されるため、得られるばね力はクーロン限界に等しくなる。
図4Dに示されるように、糸交差点3では、隣接する経糸1及び緯糸2の糸がせん断角φの関数として互いの上で回転する。この回転によって、糸圧縮及び接触摩擦の2つの効果が生じる。加えて、織り合わされた交差点では、衝突の際に糸がジャミングを受ける。
これらの影響を捕捉するために、糸交差点における経糸セグメント及び緯糸セグメントの全ての対について、せん断角φに依存する摩擦力及び弾性ポテンシャルをモデル化する。例えば、図4Dの経糸セグメント[q0,q1]及び緯糸セグメント[q0,q3]について考える。せん断エネルギー密度は、せん断回転φ−π/2と定義され、これをq0に付帯する2つの半セグメントにわたって積分する。この積分において、既定の糸間距離Lを使用すれば十分であることが判明した。この近似は実際にはほとんど効果がなく、そのため、滑り座標のためにせん断力及びそれらのヤコビアンを計算する必要がなくなる。得られるせん断エネルギーは、剛性kxを用いて、以下のように示される。
ここで、kx=SR2であり、Sは接触せん断弾性率である。
垂直圧縮は、せん断抵抗を増加させる。この効果は、せん断剛性を圧縮力の関数すなわちkx(Fn)とすることによってモデル化される。さらに、経糸セグメント又は緯糸セグメントのいずれかが織り合わせられている場合、せん断ジャミングもまた考慮され、以下の経験則に従ってモデル化される。せん断ジャミング角φjは、半径Rの経糸セグメント及び緯糸セグメントの端点が互いに接触する角度、すなわちφj=2arcsin(R/L)として定義される。ジャミングは、せん断剛性における強い非線形性としてモデル化され、このモデルでは、ジャミング角より大きいせん断角についての定数とされ、より小さな角では立体的に大きくなる。
せん断摩擦は、前述の滑り摩擦と同じ手法に従って、ここでのせん断角φとアンカー角φ(上にバー)との間の角度バネを用いてモデル化することができる。図4Dにおける例では、糸交差節点の位置にのみせん断摩擦力が適用され、該せん断摩擦力は、3つの節点qiのそれぞれについて、以下のように計算することができる。
内部摩擦の視覚的効果の1つは、Miguel及び共同研究者(2013、非特許文献29)が示したように、持続的なしわを作り出すことである。図5Aは、引っ張られた後に緩められた(図5B)小さな布サンプルを示しており、せん断摩擦により引張方向に沿って持続的なしわが残っている。
隣接する平行な糸間の接触は、2つの糸交差点が近づきすぎている場合には、ペナルティエネルギーを加えることによって容易にモデル化することができる。距離閾値dについて、これら2つの交差点間に織り合わされた糸がある場合には4倍と定義し、これら2つの糸が浮きを形成する場合には2倍と定義する。例えば、図4Aにおいてq0及びq1を通過する緯糸では、エネルギー密度を交差点間の距離に基づいて定義し、この密度を両方の節点に付帯する緯糸の半セグメントにわたって積分する。糸が実質的に非伸長性であると仮定すると、交差点間の距離は、経糸の滑り座標の差として近似することができる。せん断と同じように、既定の糸間距離Lを用いてエネルギー密度を積分すれば十分であることが判明し、そのため、緯糸の滑り座標との複雑な結合力を計算する必要がなくなった。得られるペナルティエネルギーは、剛性kcを用いて、以下のように示される。
織り合わされた糸間の接触は、この場合における離散化によって陰的に処理され、隣接する平行な糸の間の接触は、上記のように容易に処理される。一方で、他のオブジェクトとの接触や長距離自己衝突では、陽的な衝突処理が必要である。衝突を検出して解像するには、既存の方法を使用することができる。要約すると、布の周りの薄い空間が定義され、それによって、侵入深度を計算し、ペナルティエネルギーを通じた衝突応答を実現することが可能になる。
立体物との接触を検出するために、距離フィールドが使用される。後で説明する例では、剛体オブジェクト又は関節オブジェクトのみが使用されているため、距離フィールドは前処理として一度計算するだけで十分であった。物体Oでは、各時間刻み幅において、Oの距離フィールドに対して各糸節点xを照会し、Oまでの距離がγ未満(この例では、γは糸半径Rの4倍である)である場合には、衝突を定義する。衝突情報は、交差点xと、Oの表面上の最近傍点pと、接触法線nとによって形成される。pにおける法線は接触法線として使用されているが、他の選択肢も可能である。
自己衝突を検出するために、布の表面上に小さな立体要素を定義して、これらの立体要素に対し、Teschnerら(2003、非特許文献48)の手法に従って糸節点を照会する。隣接する経糸及び緯糸の2対毎に定義される4つの節点を備えた2つの三角形を形成し、各交差点の法線の方向及びその反対方向に距離γだけ該三角形を突出させることにより、各立体要素を形成する(法線の概算は、これまでに議論されている)。全ての節点を突出した三角形に対して照会し、構造格子上のこれら突出した三角形のAABBを選別のためにハッシュ処理する(非特許文献48)。点xが突出した三角形の内側にある場合、衝突が定義され、このとき、表面上に投影された点pが発見されて、三角形の節点の法線を補間することにより接触法線nが計算される。
外部物体との又は自己衝突における衝突応答の両方について、ペナルティ距離nT(p−x)+γ及び方向nを用いて、衝突点xに対するペナルティ力を定義する。自己衝突の場合には、三角形内の重心座標pを重みとして使用することにより、三角形を定義する節点に対して反対の力をさらに分配する。ペナルティ応答に加えて、固定されたばねによって近似されたクーロン摩擦が適用される(非特許文献53)。
薄い物体に対するペナルティベースの応答の明らかな制限は、ポップスルーの問題を抱える可能性である。以下に示す例では、ペナルティ応答に減衰項を追加することによって、ポップスルーが防止された。より頑強な解決手段は、バリア法の使用と考えられる(非特許文献17)。
運動方程式(3)は、ニュートン法を用いた後方オイラー陰積分法(非特許文献1)及び収束を確実にするための適応時間刻み幅法を用いて積分される。実際には、ほとんどの解される刻み幅は1回のニュートン反復しか必要とせず、時間刻み幅を半分にする前に最大5回まで使用可能である。シミュレーションコストは、Av=b型の線形システムの解によって支配される。ここで、v=q(上に点)は一般化された速度のベクトルであり、システム行列は以下のように定義される:
この場合の糸交差点に基づく離散化では、Aは5×5サイズのブロックにより構成される。
線形システムは、共役残差(CR)法を用いて解かれる。共役残差(CR)法は、少しだけ高いコスト及びメモリ消費負担で線形問題に対する最小二乗法の解を計算するため、半定理に近い行列の共役勾配(CG)法よりも頑強である。
この場合の糸レベル布モデルの利点は、システム行列Aの強い規則性であり、これによって、正規の三角形メッシュのためのGPU布解法(非特許文献46)と同様に、GPU上での数値積分の非常に効率的な実装が可能になる。内部力、そのヤコビアン及び線形システムの解の計算はGPU上で並列化されるが、衝突検出はCPU上で実行される。総じて、解法のボトルネックは、PCRの各反復において必要とされる疎行列−ベクトル乗算である。
したがって、この積算は、複数の方法で最適化されており、糸レベルの布の規則性と糸交差点の離散化を利用している。織りパターンの規則性によって、節点の内力から、13個の節点(衝突を除く、各節点は12個の近隣節点と相互作用する)に関する非ゼロのヤコビアンが得られる。このとき、システム行列Aは、正則行列Arと残りのテール行列Atとの和として分割され、ここで、Arは節点あたり13個の正則5×5ブロックを含み、Atは衝突から生じる他のブロックを含む。単純なCOOストレージを用いたとしても、積算コストの14%の量に過ぎない。Arの係数は、節点ごとに1つの行と325=13×25の列(倍精度では節点あたり2.53KB)を備えた密行列内に列優先順序にて記憶される。Arのインデックスには、節点ごとに1つの行と13の列のみを備えた小さな行列が必要である。Arを含む積算は、節点ごとに並列化され、該係数の列有線記憶によって、データへのコアレスアクセスが非常に効率的となる。並列化戦略は、Cusp CUDAライブラリ内のELL及びHYB行列形式(非特許文献2)の1つと似ているが、節点レベルの並列化のおかげで、疎行列ベクトル積算でCuspを40%以上高速化する。
総じて、主に節点数(節点数が多いほど高速化)及び衝突回数(衝突回数が多いほど低速化。衝突はCPU上で処理されるため)に応じて、マルチスレッドCPUの実装において16倍から24倍の高速化が達成される。
結果をオフラインでレンダリングするには、糸のジオメトリをマイクロファイバーレベルで体積表示に変換し、ボリューメトリックパストレーサMitsubaを使用する(非特許文献19)。これによって、マイクロフレークモデルを用いたマイクロファイバーの異方性散乱が表される。各糸について、節点位置のずれたポリラインが、捲縮を表すために生成される。ポリライン糸は、Catmull-Romスプラインを用いて平滑化され、次いで、Mitsubaレンダラ−に渡される糸のジオメトリの体積表示を定義するために、ルミスライス(Lumislice)法の修正バージョンが使用される(非特許文献25)。平滑化された各糸は、数千本の捻れたマイクロファイバーで構成され、マイクロファイバー密度分布を表すスライスは、糸状セグメントに沿って一定量ステップかつ増加する回転で斜めに設定される。この密度は、各スライスにおける各テクセルの絶対位置を3Dテクスチャボリュームと交差させることによって計算される。これは、非同期3Dテクセル記憶呼び出しを伴うフラグメントシェーダで行われる。この場合における実装は、OpenGLシェーダとインスタンス化されたジオメトリに基づいており、標準的なデスクトップマシンでは、最大8Mのスライスが100ms未満で処理される。マイクロファイバーの正接は、現在及び前のスライスにおけるテクセル位置の差分を計算する3Dテクスチャにも記憶され、これらは主に糸軸に沿った回転によって異なる。シェーダにおけるテクセル呼び出しの非同期性のため、前のスライスにはアクセスできない。したがって、局所的な差分は事前に計算されて、各スライスにテクスチャとして渡される。総じて、マイクロファイバーレベルにおける糸の密度及び配向は、立体テクスチャ(実施例ではフレーム当たり3GB)内に記憶される。
ここで、いくつかの織布シミュレーションシナリオのための視覚的及び数値的な大スケールでの例を説明する。全ての例は、メモリ6GBのNVIDIA Titan Blackグラフィックカードを搭載した、クアッドコアIntel Core i7−3770 CPU3.4GHz、メモリ32GBにて実行された。衝突検出はCPU上で並列化され、動力学の解決手段は前述のようにGPU上で並列化される。全てのシミュレーションは、1msの時間刻みにて実行された。これらの例で使用したパラメータ値を、図6に列挙する。代表的なタイミングを、図7に要約する。
以下に例を示す。
・緩いタンクトップ:男性のマネキンに、2023本の糸及び350530の交差節点、並びに両側部における継ぎ目1つずつ及び両肩おける継ぎ目1つずつによって作られた緩いタンクトップを着用させた(図8参照)。糸密度は、1ミリメートルあたり糸1本(糸25本/インチ)である。マネキンは、非常にダイナミックな空手運動を行う。シミュレーションでは、大スケールでの動き及び糸レベルで解像された折り目が、微細スケールでの効果と組み合わせて示される。布の動力学及び接触分解能は、このような困難な動きの下であっても頑強である。非常にダイナミックなマネキンの動きにもかかわらず、シミュレーションは頑強である。
・ロングシャツ:袖のあるシャツは、ダンスをしている女性マネキンに着用させるように設計された(図9参照)。このシャツは、3199本の糸及び559241の交差点で構成され、身体の両側、両肩及び袖と胴との両接合部に、並びに袖に沿って継ぎ目を備える。糸密度は、1ミリメートルあたり糸1本(糸25本/インチ)である。緩いタンクトップに比べて、このシミュレーションは、より多い交差節点数と、袖による追加の動力学及び接触機構のために、より高い複雑さを示す。糸レベルのモデルを使用することによって、両袖全体にわたる小スケールのしわによって示されるように、本質的に高解像度な布の動力学が得られる。
・ほつれ:これらの例は、布の極端な変形が非常に複雑な塑性変形を糸レベルでどのように生み出すかを示すと共に、局所的な糸の動力学が布の全体的な形状に及ぼす影響を示している。緩いタンクトップのほつれは、側部継ぎ目上の節点を摘んで外側に非常に速く引っ張ることによって生成された(図10参照)。引っ張りによる変形によって、小さな穴が生成される。すなわち、糸滑り及び糸接触の動力学の明確な例において、引っ張られた経糸は、緯糸を押し離す。加えて、ほつれがシャツの至る所に移り、糸滑り及び摩擦の複雑な効果として細かいしわが見られる。このような塑性効果は、糸同士の相互作用によって糸レベルで布地をシミュレートすることによってのみ達成することができる。糸の滑りと細いしわを示す微細スケールでの変形は、シャツの大スケールでの動きと組み合わされる。
交差節点を引っ張り、引っ張られる糸上にない4つの隣接節点を固定することによって、緩いタンクトップの腹部領域に2つ目のほつれが生成される(図11A、図11B及び図11C参照)。この設定構成では、布の外向きの動きを手で局所的に阻止しつつ、糸の引っ張りを模倣しようと試みている。布のしわは十字形をしており、別のよく知られたほつれパターンを示している。
・引き裂き:糸レベルのモデルを使用して布の引き裂きをシミュレートすることは簡単である。擦り切れた端や緩んだ糸の複雑かつ視覚的に豊かな挙動が糸レベルの動態で自然に起こるためである。引張応力の閾値を超えたときに糸を分割することによって破断が単純に実施された後、正しい応力除去を可能にし、不規則な亀裂伝播を回避するための緩和ステップが実施された。分離テンソル(非特許文献33)や局所緩和サブステップ(非特許文献39)のような、より洗練された手法も使用可能であった。節点の再サンプリングは、糸の引っ張り及び糸の端部を越えた滑りによる破損及び非常に塑性的な挙動の間にしばしば引き起こされる。
緩いタンクトップは、胴部領域における2組の交差節点を摘んで反対方向に引き離すことによって引き裂かれ、図12に示すように、垂直方向の破損路及び菱形の開口部が作られた。個々の糸は、亀裂の端から切り離され、それらの縁を開口部を横切って垂らしたり引っ張ったりする。これらの緩んだ糸及び生じた擦り切れ縁は、多くのタイプの織布の引き裂きにおいて一般的に見られる。亀裂の周りには、主に糸の滑りによってより細かな塑性変形が観察される。
・織りパターン:糸レベルのモデルは、種々の織りパターンについての容易な構成及びシミュレーションを可能にする。前述のように、特定の織りパターンのために布を構成することは、どの糸が上にあるかを特定するフラグを各節点に設定することにすぎない。織りパターンは布の全体的及び局所的な挙動に直接影響を与えるが、これは主に浮きの数が異なることによる。例えば、せん断は、布の交差部及び浮きの数によって大きく影響を受ける。また、布の視覚的側面も、該パターンに従って変化する。
3つの25x25cmの布シート(図1A、1B及び1Cを参照)を、2隅から吊り下げることによりシミュレートした。糸密度は、1ミリメートルあたり糸1本(糸25本/インチ)である。3つのシートは、1つ目が平織(図1A)、2つ目が綾織(図1B)、3つ目が朱子織(図1C)の織りパターンであること以外、全く同じである。図1A、1B及び1Cは、2秒のシミュレーションの後における各シートの写真を示す。これらのシートは明らかに特徴的な挙動を示し、図1Aから図1Cへと向かうにつれて、しわが下に移動し、布の下端が下がり、上端がより高い曲率を示す。これらの影響は、より多くの浮きを伴う織りのせん断剛性が低下することによるものであり、これは現実に予想される結果である。せん断剛性が低いと、より良いドレープ品質が得られる。3つの写真の間では、視覚的外観も異なる。各シートの上部では、引っ張りによる「シースルー」効果が、布の異なる織り構造を明らかにする。綾織されたサンプルがその特徴的な対角パターンをどのように示すかについても、観察することができる。
3枚のシートをせん断フレーム試験にかけて、総せん断経過時間を測定する。結果を図2にプロットし、各織りパターンの力−角度プロットを示す。これらのプロットは、織りパターンの影響と共に、実際の布で観察されるようなジャミングによる摩擦及び非線形性によるヒステリシスを示す(非特許文献28)。ここでも、より多くの浮きを有する織りパターンは、予想通りせん断に対して抵抗性が低い。
平織を用いた第4の布シートをシミュレートしたが、今回は1ミリメートルあたり糸4本(糸100本/インチ)を用いた。シートのサイズを考慮すると、この糸密度は、100万の交差節点に変換される。図13A及び図13Bに示されるこの例は、ベッドリネンのような一般的な織布に見られる非常に高い糸密度について、該モデルがどのように処理できるかを示している。シートが静止して大きなドレープしわを示すまで(図13B)、動いている間に小さなしわが現れる(図13A)。織物の命名法によれば、1インチ当たり糸100本は、糸カウント200に相当する。
したがって、本発明は、織布を糸レベルでシミュレートする効率的な方法である。この重要な新規性は糸交差点の離散化であり、それによって糸同士の接触が陰的に解決されると共に、糸間の滑りが効率的に表現される。糸間摩擦、せん断、接触のような影響もまた、単純な力モデルを用いて捕捉される。この糸レベルのモデルにより、擦り切れ縁による引き裂き、ほつれによる塑性又は微細スケールでの摩擦による非線形挙動のような効果のシミュレーションが可能になる。
糸レベルのモデルの利点の1つとして、実際の布の非線形力学を高精度で再現可能であることが挙げられる。これには、実際の布の力−変形測定からモデルのパラメータを推定することが必要となる。その適合結果は、非線形布モデルの適合結果と比較することができる。
このモデルは、交差する糸間の圧縮を引張力及び曲げ力の関数として近似する。他には、追加の自由度として圧縮を組み込み、このシステムのエネルギーに圧縮ポテンシャルを加えることも可能であろう。ここでは、引張力は引張ポテンシャルを用いてモデル化されているが、他には、糸が伸長不可能であると考えて、捲縮のために引張の間に生じる圧縮を説明することも可能であろう。
これらの例は直交する織りパターンに限定されているが、この離散化は一般的なものであって、織り合わされた糸を用いた任意の設定に対して適用できる。単純な拡張の1つとしては、3軸織りを処理することが挙げられる。
本実施形態では、侵入深度の照会とペナルティベースの衝突応答を使用する。接触処理の頑強性を確実にするためには、強いペナルティエネルギーを使用する必要があると共に、時間刻み当たりの運動量を制限する必要がある。接触の処理がボトルネックになる可能性はあるが、継続的な衝突検出と拘束ベースの応答を使用して、頑強性を向上させることができた。

Claims (11)

  1. 織布の構造情報を取得するステップであって、前記構造情報は、前記織布の経糸(1)、緯糸(2)及び糸交差節点(3)のレイアウトを少なくとも含んでいる、ステップと、
    複数の時間刻み幅にて境界条件を適用するステップと
    を含む、織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのコンピュータ実装方法であって、
    該方法は、さらに、
    3D位置座標(x)と、経糸(1)及び緯糸(2)の滑りをそれぞれ表す経糸滑り座標(u)及び緯糸滑り座標(v)からなる2つの滑り座標とによって、前記織布の各糸交差節点(3)を描写するステップと、
    力モデルに基づいて各糸交差節点(3)における力を測定するステップであって、前記力は、前記各糸交差節点(3)の前記3D位置座標(x)及び前記滑り座標(u,v)に基づいて測定される、ステップと、
    ラグランジュ=オイラー方程式を用いて導かれると共に時間で数値積分される運動方程式を用いて、複数の時間刻み幅にて各糸交差節点(3)の動きを計算するステップであって、前記運動方程式は、糸に沿って均一に分散した質量密度並びに測定された前記力及び境界条件を因子とする、ステップと
    を含むことを特徴とする、コンピュータ実装方法。
  2. 前記織布の前記構造情報が、
    パネル及び縫い目の位置を含む、前記織布の2Dパターンと、
    各パネルについての経糸(1)、緯糸(2)及び糸交差節点(3)の前記レイアウトと、
    各パネルについての前記織布の織りパターンと、
    前記織布において使用される種々の糸タイプの全てについての糸の密度及び幅と、
    前記織布において使用される種々の糸タイプの全てについての機械的パラメータであって、
    弾性率(Y)、
    曲げ弾性率(B)、
    せん断接触弾性率(S)、
    滑り摩擦係数(μ)
    減衰−質量比、及び、
    減衰−弾性比
    のうち少なくともいずれかを含む、機械的パラメータと
    のうち少なくともいずれかを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  3. 前記織布の取得された前記構造情報が、前記糸の前記滑り摩擦係数(μ)を含んでおり、前記力モデルが、前記滑り摩擦係数(μ)及び前記滑り座標(u,v)を用いることによる滑り摩擦力を含んでいる、請求項に記載のコンピュータ実装方法。
  4. 前記織布の取得された前記構造情報が、前記糸の剛性(kc)を含んでおり、前記力モデルが、前記滑り座標(u,v)、前記糸の前記剛性(kc)及び前記糸の前記レイアウトから取得される糸間距離(L)を用いることによる、隣り合う平行な糸同士の接触を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
  5. 前記織布の取得された前記構造情報が、前記糸の弾性率(Y)を含んでおり、前記力モデルが、引張力を含んでいる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
  6. 前記織布の取得された前記構造情報が、前記糸の曲げ弾性率(B)を含んでおり、前記力モデルが、曲げ力を含んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
  7. 前記力モデルが、引張力及び曲げ力の垂直成分を用いた、糸交差点における糸間の垂直圧縮を用いる、請求項5又は6に記載のコンピュータ実装方法。
  8. 前記織布の取得された前記構造情報が、前記糸の前記せん断接触弾性率(S)を含んでおり、前記力モデルが、せん断力を含んでいる、請求項に記載のコンピュータ実装方法。
  9. 織布の構造情報を記憶するためのデータ記憶手段であって、前記構造情報は、前記織布の経糸(1)、緯糸(2)及び糸交差節点(3)のレイアウトを少なくとも含んでいる、データ記憶手段と、
    前記構造情報を取得して複数の時間刻み幅にて境界条件を適用するように構成されたデータ処理手段と
    を含む、織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのシステムであって、
    前記データ処理手段が、さらに、
    3D位置座標(x)と、経糸(1)及び緯糸(2)の滑りをそれぞれ表す経糸滑り座標(u)及び緯糸滑り座標(v)からなる2つの滑り座標とによって、前記織布の各糸交差節点(3)を描写し、
    力モデルに基づいて各糸交差節点(3)における力を測定し、前記力は、前記各糸交差節点(3)の前記3D位置座標(x)及び前記滑り座標(u,v)に基づいて測定され、
    ラグランジュ=オイラー方程式を用いて導かれると共に時間で数値積分される運動方程式を用いて、複数の時間刻み幅にて各糸交差節点(3)の動きを計算し、前記運動方程式は、糸に沿って均一に分散した質量密度(ρ)並びに測定された前記力及び境界条件を因子とする
    ように構成されることを特徴とする、システム。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法のステップを実行するためのコンピュータ使用可能プログラムコードを含んでいることを特徴とする、織布の挙動を糸レベルでシミュレートするためのコンピュータプログラム製品。
  11. プログラム支援手段内に記憶されている、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
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