JP6326520B1 - 閃光放電管点灯回路 - Google Patents

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【課題】閃光放電管の製造時の個体差に拘らずに安定して複数の閃光放電管から閃光を同時に発生させることができる。【解決手段】高電位側において、逆流防止用トランジスタの出力端に並列に接続した複数の閃光放電管と、逆流防止用トランジスタと閃光放電管との間において高電位側と低電位側とを接続した電解コンデンサと、閃光放電管の陽極と陰極とを接続して所定のトリガ波形の入力により閃光放電管を閃光させるトリガ回路と、電解コンデンサと閃光放電管の入力端との間において電解コンデンサから均一に各閃光放電管に電荷を供給すると仮定した場合に流れる電流の電流値よりも小さい電流値の初期電流を流したうえで閃光用電流を流す段階回路と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、閃光放電管点灯回路に関するものであって、特に、複数の閃光放電管を配置した閃光放電管点灯回路に関する。
従来から、写真撮影機や美容用脱毛器には人工光源として閃光放電管を用いたものが知られている。
閃光放電管としては、例えば、ガラス管の両端にビードガラスを介して陰極と陽極とを設けるとともにガラス管の内部にキセノンガス等の希ガスを封止し、ガラス管の外周全面に透明な導電性被膜からなるトリガ電極を設けたものが周知である。
一方、このような閃光放電管は、近年の多様化に伴って高出力化、特に、複数の閃光放電管を配置した面発光化が臨まれつつある。この際、複数の閃光放電管は、電気的に並列に接続することによって点灯確率を均一化している(例えば、特許文献1参照)。
特開平09−017386号公報
ところで、複数の閃光放電管を単純に並列接続した場合、キセノン管の発光特性に固有のバラツキ(個体差)があることから、特性の高いキセノン管が先に発光し、特性の低い他のキセノン管が後から発光してしまうという不具合が生じていた。
このような発光のバラツキは、単に発光タイミングのズレということだけでなく、例えば、電解コンデンサに蓄電した電力が均等に配分されないということでもあり、特性の高いキセノン管の寿命が他のキセノン管の寿命よりも短くなってしまうという不具合にも繋がる。
なお、このようなキセノン管の個体差は、陰極と陽極との間のアーク長のバラツキや希ガスの充填量のバラツキに起因することが知られている。例えば、アーク長は、製造設備で最大交差±1.0mm以内での対応が可能であるものの、1.0mmの差は希ガスの量が同じと仮定した場合、約10V程度の電圧差で発光し難くなることが知られている。また、希ガスの充填量は、希ガスの注入量をアナログ計の目安によって行っているため、予想数値に対する注入量の正確さを確保することが難しい。したがって、製品としての個体差が最大交差±20V程度の許容範囲となってしまう。
しかしながら、上述した先行文献1に開示の構成では、このような大きな固定差を有する閃光放電管を多数並列接続して面発光状とした場合に、全ての閃光放電管の閃光タイミングを均一化するのは困難であるという問題が生じていた。
そこで、本発明は、閃光放電管の製造時の個体差に拘らずに安定して複数の閃光放電管から閃光を同時に発生させることができる閃光放電管用発光回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る閃光放電管点灯回路は、高電位側において、逆流防止用トランジスタの出力端に並列に接続した複数の閃光放電管と、前記逆流防止用トランジスタと前記閃光放電管との間において高電位側と低電位側とを接続した電解コンデンサと、MOSFETをゲートに組み込んだバイポーラトランジスタを用いたパワースイッチ型であり、前記閃光放電管の陽極と陰極とを接続して黒色検出用の光電センサからの検出信号であるトリガ波形の入力により前記閃光放電管を閃光させるトリガ回路と、電解コンデンサと閃光放電管の入力端との間において電解コンデンサから均一に各閃光
放電管に電荷を供給すると仮定した場合に流れる電流の電流値よりも小さい電流値の初期
電流を流したうえで閃光用電流を流す段階回路と、を備えていて、前記段階回路は、前記複数の閃光放電管の各入力端と接続した複数のダイオードと、前記ダイオードの下流側において前記閃光放電管の入出力端間を接続したコンデンサを備え、前記コンデンサは前記電解コンデンサの蓄電容量よりも小さい蓄電容量であり、前記複数の閃光放電管に流れる電流を均一かつ同時として前記複数の閃光放電管からの閃光を同時に発生させることを特徴とする
本発明に係る閃光放電管点灯回路は、閃光放電管の製造時の個体差に拘らずに安定して複数の閃光放電管から閃光を同時に発生させることができる。
閃光放電管点灯回路を示し、(A)は閃光放電管の一例を示す断面図、(B)は閃光放電管点灯回路の説明図である。 閃光放電管点灯回路における段階回路をダイオードとコンデンサとした例の説明図である。
次に、閃光放電管点灯回路について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は閃光放電管点灯回路における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す構成要素は、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組み合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1(A)に示すように、閃光放電管1は、ガラス管等の封体2と、封体2の両端にビードガラス3,4を介して設けられた陰極5及び陽極6と、を備える。
閃光放電管1は、例えば、各種カメラのシャッタに連動して閃光を発生するフラッシュ用、美容用脱毛器において体毛や毛根等を検出する黒色用の光電センサ等の無駄毛検出に連動して閃光を発生するフラッシュ用等の他、殺菌・消毒等の機能を有する医療機器用光源、消臭機能を有するオゾン発生器用光源にも用いることができる。
封体2は、一例として、無色透明なガラス管によって形成されている。封体2の内部にはキセノン等の希ガス7が封入されている。封体2の外周面には透明な導電性被膜からなるトリガ用外面電極としてのネサコート8が設けられている。
ビードガラス3,4は、封体2の両端に嵌め込まれており、陰極5及び陽極6が封体2の内外に貫通した状態で封体2との間の隙間を満たし、封体2を封止するものである。ビードガラス3,4によって、封体2の両端は、封体2の内部にキセノン等の希ガス7を封止する。
陰極5と陽極6とは、同軸上に位置するように封体2の内部密閉状態を維持しつつ、ビードガラス3,4を貫通する軸状部材である。なお、陰極5及び陽極6には、封体2の両端(ビードガラス3,4の外端)に封体2の密閉性を確保するためのシール材9を設けてもよい。陰極5の内端と陽極6の内端とは、離間状態で対応しており、この離間距離Wがアーク長となる。
陰極5は、封体2の内部側である内端近傍に閃光放電管用焼結体10を備える。本実施の形態において、陰極5は、例えば、ビードガラス3の外端面を境界として、その外端側と内端側とで材質を異ならせてもよい。具体的には、陰極5は、内端側は高融点金属であるタングステンを主材料として棒状に形成したタングステン導入線部とし、外端側はニッケルを主材料として棒状に形成したニッケル線部とすることができる。なお、タングステン導入線部とニッケル線部とは、溶接(上記シール材9を兼用してもよい)等によって棒状に結合している。タングステン導入線部は、閃光放電管用焼結体10を貫通している。また、タングステン導入線部とニッケル線部とは、同一の径で構成するのが好ましい。
閃光放電管用焼結体10は、例えば、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、チタン、ニッケル等の高融点金属を焼結して生成した焼結体に、炭酸セシウム、硫酸セシウム、酸化セシウム、ニオブ酸セシウム等のセシウム化合物を主成分とする電子放射性材料(エミッタ)を保持したものである。
なお、閃光放電管用焼結体10は、図1(A)では、単なる矩形(円柱体)で図示しているが、例えば、その先端側を半球状や截頭円錐形状としてもよい。これにより、イオン衝撃により閃光放電管用焼結体10から放出した飛散物の飛散方向を一点に集中せずに分散させることにより、封体2の内壁に加わる衝突エネルギーを分散させてクラックを発生し難くすることができる。
陽極6は、例えば、ビードガラス4の外端面を境界として、その外端側と内端側とで材質を異ならせてもよい。具体的には、陽極6は、内端側は高融点金属であるタングステンを主材料として棒状に形成したタングステン導入線部とし、外端側はニッケルを主材料として棒状に形成したニッケル線部とすることができる。なお、タングステン導入線部とニッケル線部とは、溶接(上記シール材9を兼用してもよい)等によって棒状に結合している。また、陽極6のタングステン導入線部には、陰極5のように閃光放電管用焼結体10は設けていない。また、タングステン導入線部とニッケル線部とは、同一の径で構成するのが好ましい。
次に、閃光放電管要点灯回路を説明する。なお、図1(B)においては、電源として充電方式を用い、4つの閃光放電管を並列に配置した場合で例示する。
図1(B)において、閃光放電管点灯回路11は、充電回路12から供給する電力の高
電位側において、逆流防止用トランジスタ13、コイル14、陽極6を並列に接続した複
数の閃光放電管1(1A,1,1,1)を入力側に備える。また、閃光放電管点灯
回路11は、逆流防止用トランジスタ13とコイル14との間において、高電位側と低電
位側との間に電解コンデンサ15を接続している。さらに、閃光放電管点灯回路11は、
閃光放電管1の陽極6と陰極5との間にトリガ回路20を配置し、コイル14と各閃光放
電管1の入力端である陽極6との間に段階回路30を配置している。
トリガ回路20は、例えば。MOSFETをゲートに組み込んだバイポーラトランジスタを用いたパワースイッチ型のトリガ回路構成となっており、各種センサ(例えば、体毛や毛根等を検出する黒色用の光電センサ)やスイッチ(例えば、カメラシャッター)と接続している。このセンサやスイッチがONするとトリガ波形がバイポーラトランジスタに入力する。
すなわち、閃光放電管1は、単に電圧を印加しただけでは放電(閃光を発生)しないので、外部から放電を開始させるトリガが必要である。そこで、トリガ回路20をパワースイッチ型のトリガ回路構成とすることにより、大電流のON/OFFを単独で高速に行えるようになっている。
段階回路30は、コイル14を流れた電流を複数の閃光放電管1A,1A,1A,1Aに対して均等かつ同時に分散する機能を有する回路である。なお、ここでの均一かつ同時とは、厳密な意味での均一かつ同時を意味するものではない。例えば、複数の閃光放電管1A,1A,1A,1Aの製品としての個体差が最大交差±20V程度の許容範囲となっている場合に、閃光放電管1の数や使用する電気製品の特性若しくは使用目的を問題なく許容することができる範囲の交差(例えば、±0〜5V)に収まる程度に均一かつ同時であればよい。
段階回路30は、電解コンデンサ15と閃光放電管1の入力端との間において電解コンデンサ15から均一に各閃光放電管1A,1A,1A,1Aに電荷を供給すると仮定した場合に流れる電流の電流値よりも小さい電流値の初期電流を流したうえで閃光用電流を流すようになっている。例えば、図2に示すように、段階回路30は、コイル14の出力端と各閃光放電管1A〜1Dの入力端である陽極6とに並列に配置したダイオード31A〜31Dと、ダイオード31A〜31Dの下流側において閃光放電管1A,1A,1A,1Aの入出力端間、すなわち、を接続した複数のコンデンサ32A〜32Dと、を備える。なお、ダイオード31A〜31D及びコンデンサ32A〜32Dには同一の電子部品を用いているため、以下の説明では、特に断りのない場合を除いてダイオード31A〜31Dを「ダイオード31」、コンデンサ32A〜32Dを「コンデンサ32」と称して説明する。また、コンデンサ32A〜32Dは、電解コンデンサ15の蓄電容量よりも小さい蓄電容量のものを用いている。
上記の構成において、図示しないメイン電源スイッチを入れると、図示しないDC−DCコンバータが動作して充電回路12からの電力供給により電解コンデンサ15及びコンデンサ32が充電する。同時に、トリガ回路20も充電するようになっている。
一方、センサ又はスイッチの作動によってトリガ回路20にトリガ波形が入力されると電解コンデンサ15の電荷が放電し、二次側に高電圧パルスが発生する。
この高電圧パルスの電圧はネサコート8に伝わり、その高圧パルスは管壁(=ネサコート8)を通して封体2の管内に伝わり管内の希ガス7をイオン化する。これにより、電子雪崩現象が起きてアーク放電を開始し、封体2の管内は低インピーダンスになり電解コンデンサ15の電荷が瞬時に放電され、閃光を発生する。また、この放電により電解コンデンサ15の電圧が下がると放電は自然に止まり、再び電解コンデンサ15及びコンデンサ32が充電される。
この際、段階回路30によって各閃光1A,1A,1A,1Aに流れる電流を均一かつ同時とすることができるため、閃光放電管1の個体差に起因する不具合を解消し得て、同時閃光を実現することができる。
すなわち、コンデンサ32A〜32Dの蓄電容量は電解コンデンサ15の蓄電容量よりも小さい。これにより、電解コンデンサ15から均一に各閃光放電管1A〜1Dに電荷を供給すると仮定した場合に流れる電流の電流値よりも小さい電流値の電流を呼び水的な初期電流としてコンデンサ32A〜32Dから各閃光放電管1A〜1Dに先に供給することができる。そのうえで電解コンデンサ15から電流を閃光用電流として流すことにより、コンデンサ32A〜32Dから各閃光放電管1A〜1Dに個別に小電流の初期電流を流したうえで、続いて電解コンデンサ15から大電流の閃光用電流を流す2段階とすることができる。これにより、電解コンデンサ15からの電荷が各閃光放電管1A〜1Dの個体差に大きく影響されることなく、均一かつ同時に閃光放電管1A〜1Dを先行させることができる。
なお、電解コンデンサ15と陽極6との間にコイル14を配置しているが、段階回路30にコイル14の機能を具備させることができ、トリガ波形(最大値3.28kW)入力時の管電流波形(ピーク値336A)を安定させることができるため、配置しなくてもよい。
1 閃光放電管
5 陰極
6 陽極
8 ネサコート(トリガ用外面電極)
11 閃光放電管点灯回路
12 充電回路
13 逆流防止用トランジスタ
14 コイル
15 電解コンデンサ
20 トリガ回路
30 段階回路
32 コンデンサ

Claims (1)

  1. 高電位側において、逆流防止用トランジスタの出力端に並列に接続した複数の閃光放電管と、
    前記逆流防止用トランジスタと前記閃光放電管との間において高電位側と低電位側とを接続した電解コンデンサと、
    MOSFETをゲートに組み込んだバイポーラトランジスタを用いたパワースイッチ型であり、前記閃光放電管の陽極と陰極とを接続して黒色検出用の光電センサからの検出信号であるトリガ波形の入力により前記閃光放電管を閃光させるトリガ回路と、
    電解コンデンサと閃光放電管の入力端との間において電解コンデンサから均一に各閃光放電管に電荷を供給すると仮定した場合に流れる電流の電流値よりも小さい電流値の初期電流を流したうえで閃光用電流を流す段階回路と、を備えていて、
    前記段階回路は、前記複数の閃光放電管の各入力端と接続した複数のダイオードと、前記ダイオードの下流側において前記複数の閃光放電管の入出力端間のそれぞれに接続したコンデンサを備え、前記コンデンサは前記電解コンデンサの蓄電容量よりも小さい蓄電容量であり、
    前記複数の閃光放電管に流れる電流を均一かつ同時として前記複数の閃光放電管からの閃光を同時に発生させる
    ことを特徴とする閃光放電管点灯回路。
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