JP6325910B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関する。
従来、タイヤのサイドウォール部に加わる横力によってビード部がリムから外れるビードアンシーティングに対する耐久性能、すなわち、耐リム外れ性を向上させる様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のタイヤは、左右一対のビード部と、これらビード部からそれぞれタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部と、これらサイドウォール部を連結するトレッド部とを備え、トレッド部の内部にベルト層が配置されている。また、かかるタイヤは、トレッド部及びサイドウォール部よりも硬度の大きい補強ゴムが、ベルト層の端部からサイドウォール部側に向けて突出するように配置されている。特許文献1のタイヤによれば、耐リム外れ性能を向上させることができるとされている。
特開2007−083946号公報
従来技術では、上述のタイヤのように、耐リム外れ性を向上させる技術が提案されているものの、更なる改善が望まれているのが実情である。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、耐リム外れ性能を向上させることが可能なタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、発明者等は、ビードアンシーティングについて詳細に検討した。その結果、空気入りタイヤでは、ビードアンシーティングに至るまでの過程において、ビード部にバックリング現象(詳細は後述)が発生していることを見出した。
本発明は、上述の知見に基づいて、次のような特徴を有している。本発明の第1の特徴に係る発明は、ビードコア(ビードコア10)を有するビード部(ビード部2)と、前記ビード部において、前記ビードコアの周りで折り返されるカーカス層(カーカス層3)とを備えるタイヤ(空気入りタイヤ1)であって、前記ビード部は、前記カーカス層のタイヤ幅方向内側であり、かつビードトゥ(ビードトゥ2a)からタイヤ径方向外側の領域であるビード内面部(ビード内面部21)を有しており、前記ビード内面部の少なくとも一部において、補強コード層(補強コード層100)を有することを要旨とする。
本発明によれば、耐リム外れ性能を向上させることが可能なタイヤを提供することができる。
図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った一部断面図である。 図2は、第1実施形態に係る空気入りタイヤのビード部の拡大断面図である。 図3(a)は、従来技術に係る空気入りタイヤにおいて、ビードアンシーティング試験の過程について説明するための断面図である。図3(b)は、従来技術に係る空気入りタイヤにおいて、ビードアンシーティング試験の過程について説明するための断面図である。 図4は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの作用及び効果を説明するための断面図である。 図5(a)は、変形例に係る空気入りタイヤの構成を示す拡大断面図である。図5(b)は、変形例に係る空気入りタイヤの構成を示す拡大断面図である。図5(c)は、変形例に係る空気入りタイヤの構成を示す拡大断面図である。図5(d)は、変形例に係る空気入りタイヤの構成を示す拡大断面図である。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態に係るタイヤについて、図面を参照しながら説明する。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)空気入りタイヤの全体構成
図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向W及びタイヤ径方向Dに沿った一部断面図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のビード部の拡大断面図である。
空気入りタイヤ1は、一対のビード部2と、カーカス層3と、サイドウォール部4と、トレッド部5とを有する。なお、図1の例では、一対のビード部の内、一方のビード部2のみが示されており、他方のビード部は省略されている。
なお、空気入りタイヤ1には、リムホイール8が装着される。リムホイール8は、タイヤに当接する側の表面に、ハンプ部85が形成されている。リムホイール8に空気入りタイヤ1が組み付けられると、リムホイール8のシール部81及びフランジ部82が、空気入りタイヤ1のビード部2に当接する。なお、リムホイール8は、正規リムである。
また、「正規リム」とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2008年度版に定められた適用サイズにおける標準リムを指す。日本以外では、次の規格に記載されている適用サイズにおける標準リムを指す。具体的に、規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、“The Tire and Rim Association(TRA) Inc. のYear Book ”であり、欧州では“The European Tyre and Rim Technical Organization(ETRTO)のStandards Manual”である。
ビード部2は、ビードコア10と、ビードフィラー11とを有する。ビード部2は、タイヤ径方向Dの内側においてリム8に接するように構成されている。
カーカス層3は、一対のビードコア10間にトロイド状に延びる。カーカス層3は、ビード部2において、ビードコア10の周りで折り返される。
また、ビード部2は、カーカス層3のタイヤ幅方向W内側に設けられるビード内面部21と、カーカス層3のタイヤ径方向D内側に設けられるビードベース部22と、カーカス層3のタイヤ幅方向W外側に設けられるビード外面部23とを有する。なお、ビードベース部22とビード外面部23との間には、ビードベース部22とビード外面部23とをつなぐビードヒール部24が設けられている。
ビード内面部21は、カーカス層3のタイヤ幅方向W内側であり、かつビードトゥ2aからタイヤ径方向D外側の領域である。なお、本実施形態では、タイヤ幅方向W断面において、ビードコア10のタイヤ径方向D外側の端部10aを通りタイヤ幅方向Wに沿った上側仮想線L1と、ビードトゥ2aを通りタイヤ幅方向Wに沿った下側仮想線L2との間を領域A1として規定した場合、ビード内面部21は、領域A1である。
ビード内面部21には、ビードトゥ2aからタイヤ径方向D外側に延びるビード内周面21aが設けられている。ビード内面部21のビード内周面21aは、空気入りタイヤ1がリムホイール8に組み付けられた際、リムホイール8のハンプ部85と離間するように配置される。言い換えれば、ビードトゥ2aは、空気入りタイヤ1がリムホイール8に組み付けられた際、リムホイール8のハンプ部85と離間するように配置される。
ビードベース部22は、カーカス層3のタイヤ径方向内側であり、かつビードトゥ2aからタイヤ幅方向W外側の領域である。ビードベース部22には、ビードトゥ2aからタイヤ幅方向W外側に延びるビードベース面22aが設けられている。ビードベース面22aは、ビードトゥ2aからビードヒール部24まで延びる。ビードベース面22aは、空気入りタイヤ1がリムホイール8に組み付けられた際、リムホイール8のシール部81に当接する。なお、空気入りタイヤ1のリムホイール8に対するリム組性能を確保する観点から、ビードベース部22は、デュロメータA硬度55〜65°の範囲内のゴム部材からなることが好ましい。
また、ビードベース部22の形状は、タイヤ幅方向W断面において、直線状に形成される。なお、ビードヒール部24の形状は、タイヤ幅方向W断面において、円弧状に形成されている。ビードベース部22とビードヒール部24との境界は、タイヤ幅方向W断面における形状が直線状から円弧状に変化する部分としてもよい。
ビード外面部23は、ビードヒール部24からタイヤ径方向D外側に延びるビード外周面23aを有する。ビード外周面23aは、空気入りタイヤ1がリムホイール8に組み付けられた際、リムホイール8のフランジ部82に当接する。
トレッド部5は、路面と接する接地面を有する。トレッド部5のタイヤ径方向D内側には、トレッド部5を補強するベルト層6が設けられている。ベルト層6は、高強度の有機繊維コード又はスチールコードからなる複数のベルト層6a〜6bを有する。
サイドウォール部4は、ビード部2のタイヤ径方向D外側に連なる。サイドウォール部4は、ビード部2とトレッド部5の間にのびている。
(2)ビード部の構成
次に、ビード部の構成について詳細を説明する。図2に示すように、本実施形態に係るビード部2には、補強コード層100が設けられている。なお、補強コード層100は、タイヤ周方向(すなわち、タイヤ幅方向W及びタイヤ径方向Dに直交する方向)に対して傾斜する方向に延びるコードを有することが好ましい。
補強コード層100は、ビード部2のビード内面部21の少なくとも一部に設けられている。また、補強コード層100の少なくとも一部は、ビード内面部21に設けられていると言い換えてもよい。なお、補強コード層100は、ビード内面部21の全部に設けられていてもよい。
ここで、本実施形態では、補強コード層100が、ビードコア10のタイヤ幅方向W外側に確実に設けられるように、配置されている。具体的に、本実施形態では、ビード内面部21は、ビードコア内面部211を有しており、補強コード層100が、ビードコア内面部211の全部を含むように設けられている。なお、ビードコア内面部211は、ビードコア10のタイヤ径方向D外側の端部10aを通り、タイヤ幅方向Wに沿った上側仮想線L1と、ビードコア10のタイヤ径方向D内側の端部10bを通り、タイヤ幅方向Wに沿った中間仮想線L3との間の領域A2である。
補強コード層100は、タイヤ周方向(すなわち、タイヤ幅方向W及びタイヤ径方向Dに直交する方向)に連続して設けられていることが好ましい。
本実施形態では、補強コード層100は、第1コード層101と、第2コード層102とを有する。補強コード層100では、第1コード層101と第2コード層102とが積層されている。
第1コード層101は、タイヤ周方向に傾斜するコードとしての第1コード101aを有する。具体的には、第1コード層101は、第1コード101aと、第1コード101aを被覆する被覆用ゴム部材とを有する。
第2コード層102は、タイヤ周方向に傾斜するコードとしての第2コード102aを有する。具体的には、第2コード層102は、第2コード102aと、第2コード102aを被覆する被覆用ゴム部材とを有する。
本実施形態において、第1コード101aの延びる方向と、第2コード102aの延びる方向とは、互いに異なる。例えば、第1コード101aの延びる方向は、タイヤ径方向Dに対して+45°の方向であり、第2コード102aの延びる方向は、タイヤ径方向Dに対して−45°の方向である。このように、第1コード101aの延びる方向と、第2コード102aの延びる方向とは、直交してもよい。
なお、第1コード101aの延びる方向と、第2コード102aの延びる方向とが、互いに異なる構成であれば、上記の構成に限定されない。例えば、第1コード101a又は第2コード102aの一方の延びる方向が、タイヤ径方向Dに対して0°の方向、すなわち、タイヤ周方向に直交する方向に延びてもよい。また、第1コード101a又は第2コード102aの一方の延びる方向が、タイヤ径方向Dに対して90°の方向、すなわち、タイヤ周方向に延びてもよい。
第1コード101aと第2コード102aとは、スチールコード、ナイロンコード、又は、ケブラーコードなどの化学繊維からなるコードを適用できる。
なお、補強コード層100は、ビード内面部21のビード内周面21a側に配置されることが好ましい。例えば、ビードアンシーティングの性能の向上という観点からは、補強コード層100は、ビード内周面21aに露出するように配置されることが好ましい。
補強コード層100のタイヤ径方向D外側の端部100aは、上側仮想線L1よりも、タイヤ径方向D内側であってもよい。なお、上側仮想線L1上に補強コード層100を配置するという観点からは、補強コード層100の端部100aは、上側仮想線L1よりも、タイヤ径方向D外側に設けられていてもよい。
なお、補強コード層100の端部100aが、上側仮想線L1よりも、タイヤ径方向D外側に設けられている場合、補強コード層100の端部100aと上側仮想線L1とのタイヤ径方向Dにおける距離S10は、ビードアンシーティング性能にほぼ無関係のため、ビードアンシーティング性能のみを考えた場合、任意に決めてよい。従って、補強コード層100の製造時において、連続する補強コード層100を個別に裁断しやすいサイズにすることができ、製造性を向上させることができる。
補強コード層100のタイヤ径方向D内側の端部100bは、中間仮想線L3よりも、タイヤ径方向D外側に設けられていてもよい。補強コード層100のタイヤ径方向D内側の端部100bは、ビードトゥ2aからタイヤ径方向D外側に、所定距離S20だけ、離間して設けられていてもよい。所定距離S20は、タイヤ径方向Dにおいて、ビードコア10のタイヤ径方向D内側の端部10bからビードベース部22のビードベース面22aまでの厚み(最大厚み)の1/3以下であってもよい。この場合、空気入りタイヤ1をリムホイール8に組み付ける際に、ビードトゥ2aの先欠けを防止できるため、リム組性能を向上させることができる。
(3)作用及び効果
本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。ここで、初めに、発明者等によって行われた検討内容について説明する。
発明者等は、ビードアンシーティングに対する耐久性能(リム外れ性能)を向上させるため、ビードアンシーティングについて詳細に検討した。その結果、空気入りタイヤでは、ビードアンシーティングに至るまでの過程において、ビード部にバックリング現象(詳細は後述)が発生していることを見出した。
図3(a)〜(b)は、従来技術に係るタイヤにおいて、ビードアンシーティング試験の過程について説明するための断面図である。図3(a)に示すように、空気入りタイヤに対して、タイヤ幅方向W内側に向かう横力Finが付与されると、サイドウォール部4が湾曲し、かつ、ビード部2のビード内面部21が倒れこむ現象(以下、バックリング現象と称する)が発生する。バックリング現象が発生した際、ビード部2のビード内面部21は、リムホイール8のハンプ部85に当接する。この時、ビード部2のビード内面部21のゴム部材が、タイヤ径方向Dに向かって変形する。具体的に、ビード内面部21のゴム部材が、図3(a)に示す流動f1〜f2に起因して、変形する。この結果、ビードコア10及びカーカス層3と、ハンプ部85との間隔が、狭くなる。そして、図3(b)に示すように、ビード部2のビード内面部21のビード内周面21aがハンプ部85の表面を擦れながら、ビードコア10及びカーカス層3が、ハンプ部85を乗り越えると、ビードアンシーティング(リム外れ)に至る。
また、発明者等は、バックリング現象が発生しても、ビードコア10及びカーカス層3が、ハンプ部85を乗り越えさえしなければ、横力Finが無くなった後に、ビードコア10及びカーカス層3が、元の位置に復元されることを見出した。
このように、発明者等は、バックリング現象が発生した際に、ビードコア10及びカーカス層3が、ハンプ部85を乗り越えないように、タイヤ幅方向W外側に向かう抵抗力Foutを発生させれば、リム外れ性能を改善できるという知見を得て、本発明に至った。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ビード部2を有する。ビード部2は、ビード内面部21を有する。ビード内面部21の少なくとも一部には、補強コード層100が設けられている。
かかる構成によれば、ビード内面部21に補強コード層100が設けられているため、バックリング現象が発生しても、補強コード層100が、ビード内面部21のゴムがタイヤ径方向Dに流れる(移動する)ことを防止するため、タイヤ幅方向W外側に向かう抵抗力Foutを発生させることができる。
ここで、図4は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1に横力Finが付与され、バックリング現象が発生した状態を示す断面図である。図4に示すように、空気入りタイヤ1にバックリング現象が発生して、ビード部2のビード内面部21がハンプ部85に当接する。この時、ビード内面部21の補強コード層100が、ゴム部材の変形を抑制する。具体的には、補強コード層100のコードの張力によって、タイヤ径方向Dに向かってゴム部材が変形することを抑制する。そのため、ビードコア10及びカーカス層3と、ハンプ部85との間隔を確保できる。また、ゴムは非圧縮性を備えているため、ゴム流動f1〜f2を抑えることで、補強コード層100を有していない場合と比べて、実質的にビード内面部21の剛性を高めることができる。これにより、横力Finに対する抵抗力Foutが発生するため、耐リム外れ性能を向上させることが可能になる。
このように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、耐リム外れ性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、補強コード層100は、ビード内面部21の少なくとも一部に設けられている。ここで、ビード内面部21は、バックリング現象が発生した際に、ハンプ部85に当接する部分である。すなわち、かかる構成によれば、補強コード層100は、ビード内面部21の一部に設けられていることで、抵抗力Foutを確実に発生させることができる。
なお、補強コード層100は、ビードコア内面部211のみに設けられていてもよい。この場合、補強コード層100のタイヤ径方向D外側の端部100aは、上側仮想線L1上に位置し、補強コード層100のタイヤ径方向D内側の端部100bは、中間仮想線L3上に位置する。かかる構成によれば、補強コード層100の使用量を抑制しつつ、抵抗力Foutを発生させることができる。
また、補強コード層100は、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びるコードを有することが好ましい。かかる構成によれば、補強コード層100のコードの張力によって、タイヤ径方向Dに向かってゴム部材が変形することを一層抑制できる。これにより、耐リム外れ性能を一層向上させることが可能になる。
また、補強コード層100は、第1コード101aを有する第1コード層101と、第2コード102aを有する第2コード層102とを有する。第1コード101aの延びる方向と、第2コード102aの延びる方向とは、互いに異なる。かかる構成によれば、補強コード層100では、第1コード101aの延びる方向と、第2コード102aの延びる方向とは、互いに異なるため、複数の方向にコードの張力を発生させることができる。このため、バックリング現象が発生した際に、ゴム部材の変形が一層抑制され、ビード内面部21が押し潰れ難くなる。つまり、補強コード層100によって、ビードコア10及びカーカス層3とハンプ部85との間隔を確実に確保でき、ビード内面部21とビードコア10との間の実質的な剛性を向上できる。これにより、横力Finに対する抵抗力Foutが発生するため、耐リム外れ性能を高めることが可能になる。
補強コード層100のタイヤ径方向D内側の端部100bは、ビードトゥ2aからタイヤ径方向D外側に、所定距離S20だけ、離間して設けられていてもよい。かかる構成によれば、空気入りタイヤ1をリムホイール8に組み付ける際の作業性が高まる。また、ビード部2をリムホイール8のシール部81に密着しやすくなるため、リム組性能の低下も防止できる。
また、空気入りタイヤ1は、車両装着方向が指定されたタイヤであってもよい。具体的に、空気入りタイヤ1は、車両への装着下で車両の幅方向外側に位置する車両装着外側と、車両への装着下で車両の幅方向内側に位置する車両装着内側とを有していてもよい。この場合、補強コード層100を有するビード部2は、車両装着外側方向のみに設けられてもよい。言い換えれば、タイヤ赤道面CLよりも、車用装着外側方向に位置するビード部2のみに、補強コード層100が設けられていてもよい。かかる構成であっても、ビードアンシーティングによる耐リム外れ性能を向上させることが可能である。また、かかる構成によれば、車用装着内側と外側とに位置する両方のビード部2に補強コード層100を形成する場合に比べて、補強コード層100の使用量を抑制できる。これにより、製造コストを抑制するとともに、製造効率を高めることができる。
また、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1は、特に規格において乗用車用タイヤとして定義されるタイヤにおいて好適に用いられる。なお、規格とは、JATMAのYear Book、TRAのYear Book、又は、ETRTOのStandards Manual等である。
また、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1が乗用車用タイヤに好適である理由としては、次の理由が挙げられる。具体的に、乗用車用タイヤ以外のトラック・バス用タイヤや重荷重用タイヤでは、内圧が高く、リムとタイヤの接触圧が高いため、ビードアンシーティングに対する耐久性能(耐リム外れ性)が問題となることが少ないからである。なお、空気入りタイヤ1は、日本工業規格(規格番号:JIS D4230)又は中国のGB規格(規格番号:全T試182)などの規格に準拠したビードアンシーティング試験に適用可能なタイヤであってもよい。
また、補強コード層100は、タイヤ周方向に連続して設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、タイヤ周方向の何れの位置で横力Finが付与されても、当該横力Finに対する抵抗力Foutを発生させられるため、耐リム外れ性能を確実に発揮させることが可能になる。
[変形例]
次に、上述した第1実施形態の変形例について、第1実施形態との構成上の相違点に着目して説明する。なお、以下に示す複数の変形例のそれぞれは、組み合わせ可能であることに留意すべきである。
(変形例1)
上述した第1実施形態の変形例1について説明する。図5(a)は、変形例1に係る空気入りタイヤの拡大断面図である。本実施形態に係るビード内面部21は、補強コード層100のタイヤ幅方向W内側において、タイヤ幅方向W内側に隆起する隆起部200を有する。なお、隆起部200は、ビードコア内面部211のみに設けられていてもよい。
更に、隆起部200は、デュロメータA硬度60〜100°の範囲内のゴム部材からなるように構成されていてもよい。また、隆起部200は、デュロメータA硬度75〜100°の範囲内のゴム部材からなることが好ましく、デュロメータA硬度90〜100°の範囲内のゴム部材からなることがより好ましい。
かかる構成によれば、空気入りタイヤ1にバックリング現象が発生しても、隆起部200を構成するゴム部材によって、ビードコア10及びカーカス層3とハンプ部85との間隔を確実に確保でき、また、ビード内面部21とビードコアとの間の剛性を向上できる。これにより、横力Finに対する抵抗力Foutが発生するため、耐リム外れ性能を一層向上させることが可能になる。
なお、隆起部200のタイヤ幅方向Wにおける高さ(厚さ)H200は、タイヤ幅方向Wにおいて、ビードコア10の中心位置Cにおけるビード部2の幅の3%から15%の範囲内であることが好ましい。具体的に、かかるビード部2の幅は、タイヤ幅方向Wにおいて、ビード内周面21aからビード外周面23aまでの幅であり、隆起部200の高さH200は、ビード部2の幅の3%から15%の範囲内の比率であることが好ましい。隆起部200の高さH200は、タイヤ幅方向Wにおいて、ビードコア10の中心位置Cにおけるビード部2の幅の5%から10%の範囲内であることがより好ましい。なお、隆起部200の高さH200は、1mm以下であってもよい。
また、隆起部200は、補強コード層100と別体であり、隆起部200は、補強コード層100に接着されていてもよい。具体的に、隆起部200は、接着剤によって、補強コード層100のタイヤ幅方向W内側の表面に接着されていてもよい。
なお、隆起部200が補強コード層100と別体である場合、かかる空気入りタイヤ1は、空気入りタイヤを加硫成型する工程の後、隆起部200を接着する工程を経て、製造されても良い。かかる構成によれば、隆起部200は、補強コード層100と別体であるため、加硫成型用の金型に隆起部200を形成するための加工コストが不要になる。また、所望の位置において、加硫後の安定した状態で、隆起部200を設置できるため、無駄なゴム(マージン)を削減できる。これらのため、空気入りタイヤの製造コストを抑制することができる。
また、補強コード層100と隆起部200との両方が、ビード内面部21に接着されていてもよい。具体的に、補強コード層100は、接着剤によって、ビード内面部21のビード内周面21aに接着され、隆起部200は、接着剤によって、補強コード層100の表面に接着されていてもよい。つまり、補強コード層100と隆起部200とは、積層された状態で、タイヤ幅方向W内側に突出するように、ビード内面部21に設けられてもよい。この場合も、加硫後の安定した状態で、補強コード層100と隆起部200とを設置できるため、加硫成型用の金型に隆起部200を形成するための加工コストが不要になる。
(変形例2)
上述した第1実施形態の変形例2について説明する。図5(b)は、変形例2に係る空気入りタイヤの拡大断面図である。本実施形態に係るビード内面部21には、補強コード層100のタイヤ幅方向W内側において、ビードベース部22のゴム硬度よりも高いゴム硬度を有する高硬度ゴム層300が設けられている。なお、高硬度ゴム層300は、ビードコア内面部211のみに設けられていてもよい。
かかる構成によれば、ビード内面部21には、高硬度ゴム層300が設けられているため、バックリング現象が発生した際に、ビード部2のビード内面部21がハンプ部85に当接しても、ビード内面部21のゴム部材が、タイヤ径方向Dに向かって変形することを一層抑制する。
また、高硬度ゴム層300は、デュロメータA硬度75〜100°の範囲内のゴム部材からなることが好ましい。かかる構成によれば、高硬度ゴム層300に硬度の高いゴム部材を適用しているため、バックリング現象が発生した際に、高硬度ゴム層300が押し潰れ難くなる。つまり、高硬度ゴム層300を構成するゴム部材によって、ビードコア10及びカーカス層3と、ハンプ部85との間隔を確実に確保できる。さらに、高硬度ゴム層300を有していない場合と比べて、ビード内面部21とビードコア10との間の剛性を高くできる。これらにより、横力Finに対する抵抗力Foutを確実に発生させることが可能になる。
なお、ゴム部材のゴム硬度がデュロメータA硬度75°以上であると、耐リム外れ性能を確実に向上できるため、耐リム外れ性能をより確実に向上させる観点から、デュロメータA硬度75°以上であることが好ましい。一方、ゴム部材のゴム硬度がデュロメータA硬度100°よりも大きいと、耐リム外れ性能の向上する効果が頭打ちになるとともに、クラックが発生しやすくなる恐れがある。なお、高硬度ゴム層300は、デュロメータA硬度90〜100°の範囲内のゴム部材からなることがより好ましい。
ここで、ビード内面部21に高硬度ゴム層を配置する簡便な手法としては、従来のタイヤにおいて、ビード内面部21からビードベース部22にわたって配置されるチェーファ用ゴムを高硬度ゴム層のゴムに変更する手法が考えられる。しかし、チェーファ用ゴムの全体を高硬度ゴム層のゴムによって構成すると、ビードベース部22においても高硬度ゴム層が配置されることとなり、リム組性の悪化及びクラックの発生などの耐久性の悪化が懸念される。一方、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ビード内面部21のみに高硬度ゴム層を配置しているため、リム組性の悪化及び耐久性の悪化を防止することが可能になる。
(変形例3)
上述した第1実施形態の変形例3について説明する。図5(c)は、変形例3に係る空気入りタイヤの拡大断面図である。本実施形態のビード内面部21のビード内周面21a(表面)には、所定の対象面に対するビードベース部22の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する高摩擦部400が設けられている。具体的に、高摩擦部400の摩擦係数は、ビードベース部22のビードベース面22aの摩擦係数よりも大きい。また、高摩擦部400は、補強コード層100のタイヤ幅方向W内側の表面に設けられている。
なお、本実施形態において、所定の対象面は、リムホイール8のタイヤ径方向D外側の表面である。詳細には、かかる所定の対象面は、ハンプ部85のタイヤ径方向D外側の表面85aである。
つまり、ハンプ部85の表面85aに対する高摩擦部400の摩擦係数は、ハンプ部85の表面85aに対するビードベース面22aの摩擦係数よりも大きい。言い換えれば、ハンプ部85の表面85aに対する高摩擦部400の摩擦力は、ハンプ部85の表面85aに対するビードベース面22aの摩擦力よりも大きいと言える。
なお、例えば、高摩擦部400を形成する方法としては、高摩擦部400のゴム部材に、シリカなどの添加物を含有させる方法が挙げられる。他には、例えば、損失正接tanδの高いゴムを用いたり、凹凸を付けて表面積を増やしたり、又は、セーフティーフォーク等の高摩擦係数部材を表面に貼り付けたりする方法も適用できる。
かかる構成によれば、ビード内周面21aに高摩擦部400が設けられているため、バックリング現象が発生した際、高摩擦部400がハンプ部85に当接すると、ビード内面部21が、タイヤ幅方向W内側に移動しにくくなる。つまり、横力Finに対する抵抗力Foutが、増大するため、耐リム外れ性能を一層高めることが可能になる。
なお、高摩擦部400の摩擦係数及びビードベース面22aの摩擦係数は、以下の測定方法によって取得することができる。具体的に、高摩擦部400のゴム片とビードベース部22のゴム片とを作成する。そして、それぞれのゴム片を、ハンプ部85の表面85aと同様の部材の表面(所定の対象面)に当てながら摩擦係数値を測定する。このとき得られた最大摩擦係数値(μ)が、高摩擦部400の摩擦係数及びビードベース面22aの摩擦係数である。
なお、ゴム片の摩擦係数を測定する方法は、周知の様々な方法を適用できる。例えば、摩擦係数測定器((株) 安田精機製作所製スリップテスターなど)を用いて、規格番号JIS K7125に準拠した方法によって、ゴム片の摩擦係数を測定してもよい。これ以外にも、ボール(ピン)オンディスク回転式(例えば、規格番号JIS R 1613−1993)、ボール(ピン)オンディスク往復動試験(例えば、規格番号JIS R 1613−1993)、スラストシリンダー式(例えば、規格番号JIS K7218)、ブロックオンリング式(例えば、規格番号ASTM G77−05)、四球式(例えば、規格番号JIS K2519)、又は、ピン・ブロック式(例えば、規格番号ASTM D2625−94(2003))などに基づいて、ゴム片の摩擦係数を測定してもよい。
また、高摩擦部400の摩擦係数は、ビードベース面22aの摩擦係数の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましい。
(変形例4)
上述した第1実施形態の変形例4について説明する。図5(d)は、変形例4に係る空気入りタイヤの拡大断面図である。上述した第1実施形態では、補強コード層100が、ビード内面部21のビード内周面21a側に配置されていたが、これに限定されるものではない。例えば、図5(d)に示すように、補強コード層100は、カーカス層3の近傍に配置されていてもよい。なお、補強コード層100は、カーカス層3に当接するように配置されていてもよい。
かかる構成でも、バックリング現象が発生した際、補強コード層100のコードの張力によって、ビード内面部21のゴム部材が変形することを抑制する。よって、ビードコア10及びカーカス層3と、ハンプ部85との間隔を確保できる。また、ゴムの非圧縮性によりゴムが流れないことで、補強コード層100を有していない場合と比べて、実質的にビード内面部21の剛性を高めることができる。これらにより、横力Finに対する抵抗力Foutが発生するため、耐リム外れ性能を向上させることが可能である。
(変形例5)
上述した第1実施形態の変形例5について説明する。本実施形態に係る補強コード層100では、コードは、タイヤ周方向に対して直交する方向、すなわち、タイヤ周方向に対して90度に傾斜する方向に延びることが好ましい。言い換えれば、コードは、タイヤ径方向Dに延びるように構成されることが好ましい。
ここで、バックリング現象が発生した際、ビード内面部21のゴム部材では、タイヤ径方向Dに向かって変形する量が、最も多いと考えられる。本実施形態に係る補強コード層100では、コードがタイヤ周方向に対して直交する方向、すなわち、タイヤ径方向Dに延びているため、ビード内面部21のゴム部材の変形を効率よく抑制できる。なお、本実施形態の構成は、例えば、補強コード層100が、単層である場合に適用することが好ましい。
なお、補強コード層100が、複数のコード層を有している場合、複数のコード層に含まれる少なくとも一つのコード層が、タイヤ周方向に対して直交する方向、すなわち、タイヤ径方向Dに延びるコードを有していてもよい。
[比較評価]
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(1)評価方法
複数種類のタイヤを用いて、ビードアンシーティング試験を行い、耐リム外れ性能について評価した。なお、ビードアンシーティング試験は、有限要素法(FEM)による数値解析試験と、実物のタイヤを用いた実験とを行った。
まず、比較例に係るタイヤと実施例に係るタイヤを準備した。具体的に、有限要素法(FEM)による数値解析試験を行うため、比較例に係るタイヤ(タイヤモデル)と実施例1〜6に係るタイヤ(タイヤモデル)とを作成した。有限要素法(FEM)によるタイヤモデルの作成方法は、周知の技術を適用したため、詳細な説明は省略する。また、実物のタイヤを用いた実験を行うため、比較例Aに係るタイヤ(実タイヤ)と実施例A1に係るタイヤ(実タイヤ)とを準備した。
比較例及び比較例Aに係るタイヤは、ビード内面部21に補強コード層を有していないタイヤを用いた。実施例1〜6及び実施例A1に係るタイヤは、ビード内面部21に補強コード層を有するタイヤを用いた。
なお、実施例1〜6及び実施例A1に係るタイヤでは、補強コード層のタイヤ径方向D外側の端部がビードコア内面部211よりもタイヤ径方向D外側に位置し、補強コード層のタイヤ径方向D内側の端部がビードコア内面部211よりもタイヤ径方向D内側に位置するように構成されている。また、実施例1〜4に係るタイヤでは、補強コード層のタイヤ径方向Dの長さが、15mmであり、実施例5及び実施例A1に係るタイヤでは、補強コード層のタイヤ径方向Dの長さが、40mmである。
なお、実施例1〜5及び実施例A1に係るタイヤは、補強コード層のタイヤ径方向Dの長さが、ビードコア内面部211のタイヤ径方向Dの長さよりも長くなるように構成されている。実施例6に係るタイヤでは、補強コード層がビードコア内面部211内のみに位置し、補強コード層のタイヤ径方向Dの長さが、ビードコア内面部211のタイヤ径方向Dの長さと等しくなるように構成されている。表1〜2に、それぞれのタイヤの構成について示す。
また、実施例5に係るタイヤ(タイヤモデル)のタイヤサイズと、実施例Aに係るタイヤ(実タイヤ)のタイヤサイズとは、265/35ZR20であり、他の比較例及び実施例に係るタイヤのタイヤサイズは、いずれも275/30ZR20である。なお、それぞれのタイヤサイズの違いは、耐リム外れ性能の評価に影響を与えるものではない。
ビードアンシーティング試験は、中国のGB規格(規格番号:全T試182)に準拠した試験方法を採用した。なお、試験では、有限要素法(FEM)による数値解析によって、ビード部がリムから離脱するまでに、タイヤ幅方向に付与される抵抗力の最大値を取得した。そして、取得された抵抗力の最大値を比較した。
(2)評価結果
表1に、有限要素法(FEM)による数値解析試験結果について示し、表2に実験結果を示す。なお、表1〜2において、補強コード層のコード層の数が「2」の実施例は、補強コード層が、第1コードを有する第1コード層と、第2コードを有する第2コード層とを備える。また、表1において、補強コード層のコード層の数が「1」の実施例は、補強コード層が、単層である。
Figure 0006325910
Figure 0006325910
表1〜2に示すように、ビード部のビード内面部に補強コード層を有するタイヤは、抵抗力の最大値が向上することが証明された。すなわち、耐リム外れ性能が向上することが証明された。また、表2に示す実験結果と、表1に示す有限要素法(FEM)による数値解析試験結果とを比較すると、実施例5の抵抗力の値と実施例A1の抵抗力とが近似値であった。すなわち、有限要素法(FEM)による数値解析試験結果に十分な信頼性があることも証明された。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
第1実施形態では、図2に示すように、補強コード層100のタイヤ径方向Dの配置は、少なくともビードコア内面部211をカバーするように設定していたが、補強コード層100のタイヤ径方向Dの配置は、ビードコア内面部211のタイヤ径方向の一部(例えば、四分の一、又は、半分)をカバーするように、設定されていてもよい。
また、第1実施形態では、補強コード層100は、ビード内面部21の一部に設けられていたが、補強コード層100は、ビード内面部21の全部に設けられていてもよい。
また、第1実施形態では、補強コード層100は、第1コード層101と第2コード層102との2つのコード層を有していたが、更に多くのコード層(例えば、第3コード層)を有していてもよい。更に、補強コード層100は、第1コード層のみの単層であってもよい。
また、第1実施形態では、補強コード層100は、ビード内面部21を構成するゴム部材の内部に設けられていたが、ビード内面部21に接着されていてもよい。具体的に、補強コード層100は、接着剤によって、ビード内面部21のビード内周面21aに接着されていてもよい。つまり、補強コード層100は、タイヤ幅方向W内側に突出するように、ビード内面部21に設けられてもよい。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…空気入りタイヤ、2…ビード部、2a…ビードトゥ、3…カーカス層、4…サイドウォール部、5…トレッド部、6…ベルト層、8…リムホイール、10…ビードコア、11…ビードフィラー、21…ビード内面部、22…ビードベース部、23…ビード外面部、24…ビードヒール部、81…シール部、82…フランジ部、85…ハンプ部、100…補強コード層、200…隆起部、300…高硬度ゴム層、400…高摩擦部

Claims (7)

  1. ビードコアを有するビード部と、前記ビード部において、前記ビードコアの周りで折り返されるカーカス層とを備えるタイヤであって、
    前記ビード部は、
    前記カーカス層のタイヤ幅方向内側であり、かつビードトゥからタイヤ径方向外側の領域であるビード内面部を有しており、
    前記ビード内面部の少なくとも一部において、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びるコードを有する補強コード層を備え、
    前記補強コード層において、前記コードは、タイヤ周方向に対して直交する方向に延びる
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記補強コード層は、第1コードを有する第1コード層と、第2コードを有する第2コード層とを有しており、
    前記第1コードの延びる方向と、前記第2コードの延びる方向とは、互いに異なる
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ビード内面部には、前記補強コード層のタイヤ幅方向内側において、タイヤ幅方向内側に隆起する隆起部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記ビード部は、前記カーカス層のタイヤ径方向内側であり、かつビードトゥからタイヤ幅方向外側の領域であるビードベース部を更に有しており、
    前記ビード内面部には、前記補強コード層のタイヤ幅方向内側において、前記ビードベース部のゴム硬度よりも高いゴム硬度を有する高硬度ゴム層が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記ビード部は、前記カーカス層のタイヤ径方向内側であり、かつビードトゥからタイヤ幅方向外側の領域であるビードベース部を更に有しており、
    前記ビード内面部の表面には、所定の対象面に対する前記ビードベース部の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する高摩擦部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記タイヤは、車両装着方向が指定されたタイヤであり、
    前記ビード部は、車両装着方向外側のみに設けられる
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記補強コード層は、タイヤ周方向に連続して設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のタイヤ。
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