JP6324816B2 - 両面ラミネート装置 - Google Patents

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本発明は、薄い基材フィルムの両面にラミネートを施す両面ラミネート装置に関する。
従来、基材フィルムにラミネートを施すラミネート装置として特許文献1に記載のものが知られている。このラミネート装置は、加圧ローラ(2)に供給されるラミネートフィルム(A)の加圧ローラ(2)入口側に、ラミネートフィルム(A)の軸(5a)と加圧ローラ(2)のローラ軸(2a)間で、軸(5a)に保持されたラミネートフィルム原反(5)からラミネートフィルム(A)が解反される点と、ラミネートフィルム(A)が加圧ローラ(2)に外接する加圧ローラ(2)の外接円周上の点を結ぶ直線より下方に、中央部から左右対称に弓状に湾曲した棒状体またはクラウン形状のローラからなるガイド部材(8)を配置している。このラミネート装置によれば、ラミネートフィルム(A)がガイド部材(8)に接触すると、左右側よりも中央部に大きな摩擦力が発生して中央部が左右側よりも先に進もうとする力を打ち消すため、ラミネートフィルム(A)に生ずるシワの発生を抑制することができる。
特開2008−168598号公報(図1)
しかし、上記従来のラミネート装置では、基材フィルムに発生するシワに対しては対策がとられていない。そのため、薄い基材フィルムにラミネートを施す場合では、基材フィルムに加わる張力が均一化し難いためシワが発生してしまう。近年においては、特に、50μm以下の薄い基材フィルムにラミネートを施すことも求められている。また、基材フィルムの両面にラミネートを施すことも求められている。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、薄い基材フィルム、表面ラミネートフィルム、及び裏面ラミネートフィルムにシワが生じ難い両面ラミネート装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る両面ラミネート装置の特徴は、ガイドローラと圧着ローラとにより、薄い基材フィルムの両面に裏面ラミネートフィルム、及び表面ラミネートフィルムを接着する両面ラミネート装置において、該基材フィルム、該裏面ラミネートフィルム、及び該表面ラミネートフィルムは、圧着位置より上流側に向かって、抱き角を有して該ガイドローラ、又は該圧着ローラに密着され、前記ガイドローラより上流側には、交互に高低差を設けて配設され、前記基材フィルムを搬送する3本の供給ローラを有することである。
請求項2に係る両面ラミネート装置の特徴は、前記圧着ローラは、裏面圧着ローラと表面圧着ローラとからなり、前記基材フィルムと前記裏面ラミネートフィルムとの接着は、前記ガイドローラと該裏面圧着ローラとの間で行われ、該基材フィルムと前記表面ラミネートフィルムとの接着は、該ガイドローラと該表面圧着ローラとの間で行われることである。
請求項に係る両面ラミネート装置の特徴は、前記基材フィルムには、回路パターンが印刷されていることである。
請求項に係る両面ラミネート装置の特徴は、前記基材フィルムの材質は、ポリイミド、又はポリエチレンテレフタレートであることである。
請求項1に係る両面ラミネート装置では、基材フィルム、裏面ラミネートフィルム、及び表面ラミネートフィルムのすべてが圧着位置より上流側に向かって、抱き角を有してガイドローラ、又は圧着ローラに密着される。そのため、裏面ラミネートフィルム、及び表面ラミネートフィルムに加わる張力が均一化し易いだけでなく、基材フィルムに加わる張力も均一化し易い。特に、基材フィルムが薄い場合には、この効果が大きい。したがって、この両面ラミネート装置によれば、薄い基材フィルム、表面ラミネートフィルム、及び裏面ラミネートフィルムのすべてにシワが生じ難い。ただし、抱き角とは、基材フィルム、裏面ラミネートフィルム、及び表面ラミネートフィルムと、ガイドローラ、又は圧着ローラとの間の接触面の両端とガイドローラ、又は圧着ローラの中心とのなす角の角度をいう。そして、ガイドローラより上流側に交互に高低差を設けて配設された3本の供給ローラが基材フィルムを搬送するため、基材フィルムは3本の供給ローラすべてに抱き角を有して密着され、さらにシワが生じ難い。
請求項2に係る両面ラミネート装置では、圧着ローラは裏面圧着ローラと表面圧着ローラとからなり、ガイドローラと裏面圧着ローラとの間で基材フィルムと裏面ラミネートフィルムとの接着が行われ、ガイドローラと表面圧着ローラとの間で基材フィルムと表面ラミネートフィルムとの接着が行われる。そのため、ガイドローラ1個、圧着ローラ2個という簡単な構成で、基材フィルムと裏面ラミネートフィルム及び表面ラミネートフィルムとの接着を時間差をもって行うことができる。
請求項に係る両面ラミネート装置では、基材フィルムには回路パターンが印刷されている。近年、このような基材フィルムの両面にラミネートを施すことが求められており、この両面ラミネート装置は有用性が高い。なお、本明細書において、回路パターンにはアンテナパターン等も含まれる。
請求項に係る両面ラミネート装置では、基材フィルムの材質がポリイミド、又はポリエチレンテレフタレートである。このような材質を使用すれば、基材フィルムを薄くすることができる。
実施形態の両面ラミネート装置の正面図。 実施形態の両面ラミネート装置に係り、ガイドローラ及び圧着ローラの拡大図。 実施形態の両面ラミネート装置に係り、ガイドローラ及び圧着ローラの拡大模式図。 実施形態の両面ラミネート装置に係り、供給ローラの拡大図。
本発明に係る両面ラミネート装置を具体化した実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は、この両面ラミネート装置の正面図である。図1に示すように、この両面ラミネート装置は、ハウジング40に軸支されたガイドローラ1、裏面圧着ローラ5、表面圧着ローラ10、第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、第3供給ローラ17、裏面ラミネート巻出し軸21、表面ラミネート巻出し軸26、離型紙巻取り軸23、27、基材フィルム巻取り軸35、第1排出ローラ32、第2排出ローラ34を有している。この両面ラミネート装置は、ガイドローラ1と裏面圧着ローラ5と表面圧着ローラ10とにより、図示しないクリーニングユニットを介して供給される薄い基材フィルム30の両面に裏面ラミネートフィルム20、及び表面ラミネートフィルム25を接着するものである。なお、裏面圧着ローラ5と表面圧着ローラ10とが「圧着ローラ」である。
基材フィルム30は、材質が厚さ50μm〜15μmのポリイミド(PI)であり、スクリーン印刷機等により回路パターンが印刷されている。ただし、基材フィルム30の材質としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることもできる。また、回路パターンにはアンテナパターン等も含まれる。裏面ラミネートフィルム20、及び表面ラミネートフィルム25は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルムの一面に接着材が塗布されるとともに、離型紙が貼付されたものである。
裏面ラミネート巻出し軸21には、裏面ラミネートフィルム20を巻いた巻芯が挿嵌され、離型紙巻取り軸23には、裏面ラミネートフィルム20から剥離された離型紙を巻き取る巻芯が挿嵌される。そして、離型紙巻取り軸23は、図示しないモータにより駆動される。また、表面ラミネート巻出し軸26には、表面ラミネートフィルム25を巻いた巻芯が挿嵌され、離型紙巻取り軸27には、表面ラミネートフィルム25から剥離された離型紙を巻き取る巻芯が挿嵌される。そして、離型紙巻取り軸27は、図示しないモータにより駆動される。なお、本実施形態においては、裏面ラミネート巻出し軸21、及び表面ラミネート巻出し軸26にはモータが設けられず、クラッチの抵抗を利用して裏面ラミネートフィルム20、及び表面ラミネートフィルム25に張力を発生させている。ただし、裏面ラミネート巻出し軸21、及び表面ラミネート巻出し軸26をモータにより駆動させることもできる。
第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、及び第3供給ローラ17は、両面ラミネート装置の上流に配設されたクリーニングユニットから供給される基材フィルム30に生じるシワを抑制して、ガイドローラ1、裏面圧着ローラ5、及び表面圧着ローラ10に送り出す。ガイドローラ1、裏面圧着ローラ5、及び表面圧着ローラ10は、基材フィルム30の両面に裏面ラミネートフィルム20、及び表面ラミネートフィルム25を接着する。
基材フィルム巻取り軸35には、裏面ラミネートフィルム20と表面ラミネートフィルム25とが接着された基材フィルム30を巻き取る巻芯が挿嵌され、図示しないモータとクラッチとが備えられている。この基材フィルム巻取り軸35がモータにより駆動されて基材フィルム30が巻き取られることにより、基材フィルム30、裏面ラミネートフィルム20、及び表面ラミネートフィルム25に張力が加わる。これにより、裏面ラミネート巻出し軸21、表面ラミネート巻出し軸26、第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、第3供給ローラ17、ガイドローラ1、裏面圧着ローラ5、表面圧着ローラ10、第1排出ローラ32、及び第2排出ローラ34が回転される。また、基材フィルム巻取り軸35近辺には、図示しない蛇行制御装置(EPC)が設けられ、ハウジング40を揺動させて基材フィルム30の両端を揃えている。
また、第1排出ローラ32と第2出ローラ34とは、基材フィルム巻取り軸35に基材フィルム30を巻き取り易くするためのものであり、第1排出ローラ32には、基材フィルム30に加わる張力を測定する図示しない張力測定機構が設けられている。この張力測定機構により測定された張力が図示しないテンションコントローラに入力され、テンションコントローラは、入力された張力に基づいて基材フィルム巻取り軸35のクラッチを制御する。これにより、基材フィルム巻取り軸35に巻き取られる基材フィルム30の外径にかかわらず、基材フィルム30には常に一定の張力が加えられる。
図2に示すように、裏面圧着ローラ5、及び表面圧着ローラ10は、ガイドローラ1に外接して設けられている。裏面圧着ローラ5は軸方向両端に設けられた2個のエアシリンダ6によりガイドローラ1に押圧され、裏面圧着ローラ5も軸方向両端に設けられた2個のエアシリンダ11によりガイドローラ1に押圧されている。そして、一定圧力でガイドローラ1を押圧するように、エアシリンダ6、エアシリンダ11の押圧力をマニュアルで設定可能になっている。
ガイドローラ1に密着されて供給された裏面ラミネートフィルム20と、裏面圧着ローラ5に密着されて供給された基材フィルム30とは、ガイドローラ1と裏面圧着ローラ5との間で圧着される。また、裏面ラミネートフィルム20が圧着された基材フィルム30と、表面圧着ローラ10に密着されて供給された表面ラミネートフィルム25とは、ガイドローラ1と表面圧着ローラ10との間で圧着される。
図3に示すように、基材フィルム30は、第1圧着位置P1より上流側に向かって抱き角θ1を有して裏面圧着ローラ5に密着される。また、裏面ラミネートフィルム20は、第1圧着位置P1より上流側に向かって抱き角θ2を有してガイドローラ1に密着される。さらに、表面ラミネートフィルム25は、第2圧着位置P2より上流側に向かって抱き角θ3を有して表面圧着ローラ10に密着される。また、裏面ラミネートフィルム20が圧着された基材フィルム30は、第1圧着位置P1より第2圧着位置P2までの間、ガイドローラ1に密着されている。これにより、裏面ラミネートフィルム20、表面ラミネートフィルム25、及び基材フィルム30のすべてにシワが発生し難くなる。なお、第1圧着位置P1と第2圧着位置P2とが「圧着位置」である。
図4に示すように、第2供給ローラ16は、第1供給ローラ15と第3供給ローラ17より低い位置に配設されている。すなわち、第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、及び第3供給ローラ17は、交互に高低差を設けて配設されている。これにより、基材フィルム30は、各々抱き角θ4、θ5、θ6を有して第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、及び第3供給ローラ17に密着される。そのため、基材フィルム30が第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、及び第3供給ローラ1の間を搬送される間に、基材フィルム30に生じたシワが抑制される。なお、基材フィルム30の両端を揃えるため、蛇行制御装置(EPC)によりハウジング40を揺動させているが、これにより生じる基材フィルム30のシワも第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、及び第3供給ローラ17により抑制される。
以上の構成をした両面ラミネート装置では、基材フィルム30が両面ラミネート装置の上流に配置されたクリーニングユニットから第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、及び第3供給ローラ17に供給される。そして、基材フィルム30は、第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、及び第3供給ローラ17を搬送される間に、シワが抑制されて裏面圧着ローラ5に送り出される。一方、裏面ラミネート巻出し軸21から送り出された裏面ラミネートフィルム20は、モータにより駆動される離型紙巻取り軸23により離型紙が剥離されて巻き取られ、ガイドローラ1に送り出される。
そして、基材フィルム30が抱き角θ1を有して裏面圧着ローラ5に密着され、裏面ラミネートフィルム20が抱き角θ2を有してガイドローラ1に密着された後、基材フィルム30と裏面ラミネートフィルム20とは、第1圧着位置P1においてガイドローラ1と裏面圧着ローラ5との間で圧着される。
また、表面ラミネート巻出し軸26から送り出された表面ラミネートフィルム25は、モータにより駆動される離型紙巻取り軸27により離型紙が剥離されて巻き取られ、表面圧着ローラ10に送り出される。そして、表面ラミネートフィルム25が抱き角θ3を有して表面圧着ローラ10に密着され、裏面ラミネートフィルム20が圧着された基材フィルム30が第1圧着位置P1よりガイドローラ1に密着された状態で、基材フィルム30と表面ラミネートフィルム25とは、第2圧着位置P2おいてガイドローラ1と表面圧着ローラ10との間で圧着される。
そして、裏面ラミネートフィルム20と表面ラミネートフィルム25とが圧着された基材フィルム30は、第1排出ローラ32と第2出ローラ34とを経て、基材フィルム巻取り軸35に巻き取られる。この際、蛇行制御装置(EPC)により基材フィルム30の両端が揃えられる。
実施形態の両面ラミネート装置においては、基材フィルム30、裏面ラミネートフィルム20、及び表面ラミネートフィルム25のすべてが圧着位置P1、P2より上流側に向かって、抱き角θ1、θ2、θ3を有してガイドローラ1、裏面圧着ローラ5、又は表面圧着ローラ10に密着される。そのため、裏面ラミネートフィルム20、及び表面ラミネートフィルム25に加わる張力が均一化し易いだけでなく、基材フィルム30に加わる張力も均一化し易い。特に、基材フィルム30が薄い場合には、この効果が大きい。したがって、この両面ラミネート装置によれば、薄い基材フィルム30、表面ラミネートフィルム25、及び裏面ラミネートフィルム20のすべてにシワが生じ難い。
また、この両面ラミネート装置では、圧着ローラは裏面圧着ローラ5と表面圧着ローラ10とからなり、ガイドローラ1と裏面圧着ローラ5との間で基材フィルム30と裏面ラミネートフィルム20との接着が行われ、ガイドローラ1と表面圧着ローラ10との間で基材フィルム30と表面ラミネートフィルム25との接着が行われる。そのため、1個のガイドローラ1、2個の圧着ローラ(裏面圧着ローラ5、表面圧着ローラ10)という簡単な構成で、基材フィルム30と裏面ラミネートフィルム20及び表面ラミネートフィルム25との接着を時間差をもって行うことができる。
さらに、この両面ラミネート装置では、ガイドローラ1より上流側に交互に高低差を設けて配設された3本の供給ローラ(第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、第3供給ローラ17)が基材フィルム30を搬送するため、基材フィルム30は3本の供給ローラ(第1供給ローラ15、第2供給ローラ16、第3供給ローラ17)すべてに抱き角を有して密着され、さらにシワが生じ難い。
また、この両面ラミネート装置では、基材フィルム30には回路パターンが印刷されている。近年、このような基材フィルム30の両面にラミネートを施すことが求められており、この両面ラミネート装置は有用性が高い。
さらに、この両面ラミネート装置では、基材フィルム30の材質がポリイミド、又はポリエチレンテレフタレートである。このような材質を使用すれば、基材フィルム30を薄くすることができる。
以上、本発明の両面ラミネート装置を実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
1…ガイドローラ、5、10…圧着ローラ(5…裏面圧着ローラ、10…表面圧着ローラ)、15、16、17…供給ローラ(15…第1供給ローラ、16…第2供給ローラ、17…第3供給ローラ)、20…裏面ラミネートフィルム、25…表面ラミネートフィルム、30…基材フィルム、P1、P2…圧着位置(P1…第1圧着位置、P2…第2圧着位置)、θ1、θ2、θ3…抱き角。

Claims (4)

  1. ガイドローラと圧着ローラとにより、薄い基材フィルムの両面に裏面ラミネートフィルム、及び表面ラミネートフィルムを接着する両面ラミネート装置において、
    該基材フィルム、該裏面ラミネートフィルム、及び該表面ラミネートフィルムは、圧着位置より上流側に向かって、抱き角を有して該ガイドローラ、又は該圧着ローラに密着され
    前記ガイドローラより上流側には、交互に高低差を設けて配設され、前記基材フィルムを搬送する3本の供給ローラを有することを特徴とする両面ラミネート装置。
  2. 前記圧着ローラは、裏面圧着ローラと表面圧着ローラとからなり、
    前記基材フィルムと前記裏面ラミネートフィルムとの接着は、前記ガイドローラと該裏面圧着ローラとの間で行われ、
    該基材フィルムと前記表面ラミネートフィルムとの接着は、該ガイドローラと該表面圧着ローラとの間で行われることを特徴とする請求項1記載の両面ラミネート装置。
  3. 前記基材フィルムには、回路パターンが印刷されていることを特徴とする請求項1又は2記載の両面ラミネート装置。
  4. 前記基材フィルムの材質は、ポリイミド、又はポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項記載の両面ラミネート装置。
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