JP6323824B1 - 収容提案システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の収容用容器の位置を最適化して保管することができる収容提案システムを提供する。【解決手段】 所定の順序に従って収容用容器を格納用容器に収容し、収容用容器が既に収容されている収容済領域と、収容用容器が収容されていない未収容領域と、が存在する状態の格納用容器において、所定の順序に従って所定数の収容予定の収容用容器を収容するために所定数に応じた収容可能領域を未収容領域から検出し、収容可能領域を報知する。【選択図】 図24

Description

複数の収容用容器の位置を最適化して保管するシステムに関する。
バーコードを利用して血液検査を管理するシステムが知られている。具体的には、患者の情報と検査をする情報とに基づき、必要な枚数のバーコードラベルを印刷し、患者から血液を採取した採血管に帖着できるシステムがある。
特開平9−160995号公報
前述したシステムは、バーコードラベルを採血管に帖着するもので、採血については管理することはできるが、他の検査項目などを十分に管理することはできなかった。また、検査結果が出るまでの時間や結果を予測できず、検査のスケジュール管理をすることが困難であった。また、採取した血液などを保管する際に、複数の収容用容器の位置を最適化して保管するものでなく、保管容器を効率よく保管することができなかった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の収容用容器の位置を最適化して保管することができる収容提案システムを提供することにある。
本発明による収容提案システムの特徴は、
収容用容器が既に収容されている収容済領域と、収容用容器が収容されていない未収容領域と、が存在する状態の格納用容器において、所定の順序に従って所定数の収容予定の収容用容器を収容するために所定数に応じた収容可能領域を未収容領域から検出する。
複数の収容用容器の位置を最適化して保管することができる
図1Aは、被加工品の加工を受注し加工されたものを納品するシステムの概要を示すフローチャートである。 図1Bは、被加工品の加工を受注し加工されたものを納品するシステムの概要を示すフローチャートである。 図2は、本実施の形態による加工受発注システムの構成を説明する概略図である。 図3は、加工発注処理を示すフローチャートである。 図4は、加工側(受注側)の加工側制御装置200で実行されるセキュリティチェック処理を示すフローチャートである。 図5は、脂肪保存オーダー入力画面の例を示す図である。 図6は、オーダーシートの例を示す図である。 図7は、加工側(受注側)の加工側制御装置200で実行される脂肪受領処理を示すフローチャートである。 図8は、クライアント側端末装置110のディスプレイに表示される脂肪管理画面の例を示す図である。 図9は、ラベルシールに印刷されるバーコードの例を示す図である。 図10は、品質報告書の例を示す図である。 図11は、納品報告書の例を示す図である。 図12は、加工側(受注側)の加工側制御装置200で実行される保存処理を示すフローチャートである。 図13は、データベースを構成する各種のテーブルを示す図である。 図14は、データベースを構成する各種のテーブルを示す図である。 図15は、データ解析用テーブルの例を示す図である。 図16は、本実施の形態の保存管理システムの構成を示す概略図である。 図17は、保管ラック310に保管ボックス320を配置した状態を示す概略図である。 図18は、本体部322の外観を示す平面図である。 図19は、空き領域検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図20は、空き領域検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図21は、空き領域検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図22は、選択候補セルの表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図23は、選択候補セルの表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図24は、空き領域検出処理の具体例を示す概略図である。 図25は、一の保管ボックス320の全てのセル(81個のセル)の状態を表示する画面の例である。 図26は、クライアント側(発注側)から納品の依頼があったときに、納品すべき保存用容器330を選択するために表示する画面の例である。
<<<<本実施の形態の概要>>>>
本明細書において「ドナー」とは細胞組織の提供者を意味する。また、「被加工品」とは、加工の対象品であり、試料や原材料などの加工前の物品を意味する。「加工品」は、「被加工品」が加工処理によって加工されたものであり、加工後の物品を意味する。「クライアント側(発注側)」は、「被加工品」の加工を発注したり依頼したりする者であるとともに、「加工品」が納品される者である。なお、「被加工品」の加工を発注したり依頼したりする者と、「加工品」が納品される者とは、同一であって、同一でなくてもよい。「加工側(受注側)」は、「クライアント側(発注側)」から受取った「被加工品」を加工することで、「被加工品」から「加工品」を生産したり製造したり組み立てたり、「加工品」に作り変えたり改造したり改変したりする者である。「加工品」は、「加工側(受注側)」から「クライアント側(発注側)」に納品される。なお、「加工」には、「被加工品」を、洗浄したり切断したり分離したりなどの保存に適した形態や態様にするように手を加えることも含まれる。
<<第1の実施の態様>>
第1の実施の態様によれば、
処理対象物(例えば、脂肪組織など)の処理を発注するにあたり発注者(例えば、病院やクリニックなど)によって入力された発注情報(例えば、クライアントデータなど)の少なくとも一部の情報に基づいて発注を識別する発注識別情報(例えば、加工依頼識別情報など)を生成する識別情報生成手段と、
前記発注識別情報を示すバーコード(受注用バーコード)を生成するバーコード生成手段と、
発注情報に基づいて受注したことを示し印刷可能なオーダーシート(受注用オーダーシート)のためのオーダーシート情報を生成するオーダーシート生成手段であって、オーダーシートに前記バーコードを含めてオーダーシート情報を生成するオーダーシート生成手段と、を備える受注システムが提供される。
また、第1の実施の態様において、
前記オーダーシート情報に基づいて印刷されたオーダーシートであって前記処理対象物の処理のために前記処理対象物とともに送付されたオーダーシートに印刷されているバーコードを読み取るバーコード読取手段と、
前記バーコード読取手段によるバーコードの読取処理に基づいて、少なくとも1つのラベル(例えば、ラベルシールなど)にバーコードを印刷する前記バーコード印刷手段と、を更に備える。
さらに、第1の実施の態様において、
前記オーダーシート生成手段によって生成されたオーダーシート情報を発注者の端末装置(例えば、クライアント側端末装置110など)に送信するオーダーシート情報送信手段と、
オーダーシート情報を送信したことに基づいて、管理情報(例えば、進捗ステータスなど)を発注状態(例えば、「注文受付」など)に変更する管理情報制御手段と、をさらに備える。
さらにまた、第1の実施の態様において、
前記オーダーシート情報送信手段から送信されたオーダーシート情報を受信するオーダーシート情報受信手段と、
受信したオーダーシート情報に基づいてオーダーシートを印刷するオーダーシート印刷手段と、をさらに備える。
また、第1の実施の態様において、
前記管理情報制御手段は、送付されたオーダーシートに印刷されているバーコードを前記バーコード読取手段で読み取ることに基づいて、管理情報を受取状態(例えば、「脂肪受取」など)に変更する。
<<第2の実施の態様>>
第2の実施の態様によれば、
細胞組織のドナー情報、採取情報及び輸送情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて、細胞組織の加工に関する結果を予測する予測システムが提供される。
また、第2の実施の態様において、
前記細胞組織が、脂肪組織であり、
前記ドナー情報は、ドナーの性別及び年齢を含み
前記採取情報は、脂肪組織を採取した部位を含み、
前記輸送情報は、輸送に要した時間及び輸送の際に前記脂肪組織の浸漬に用いた溶液を含む。
さらに、第2の実施の態様において、
前記細胞組織の加工が、脂肪組織から脂肪幹細胞を培養する工程を含む。
さらにまた、第2の実施の態様において、
前記細胞組織の加工に関する結果が、脂肪組織から脂肪幹細胞を培養するために要する時間である。
また、第2の実施の態様において、
前記細胞組織の加工に関する結果が、脂肪組織から培養された脂肪幹細胞の数である。
<<第3の実施の態様>>
第3の実施の態様によれば、
所定の順序(例えば、後述する保管ボックス320のセル326に割り当てられたセル番号など)に従って格納用容器(例えば、後述する保管ボックス320など)に収容する収容用容器(例えば、後述する保存用容器330など)の収納提案システムであって、
収容用容器が既に収容されている収容済領域と、収容用容器が収容されていない未収容領域と、が存在する状態の格納用容器において、前記所定の順序に従って所定数の収容予定の収容用容器を収容するために前記所定数に応じた収容可能領域を前記未収容領域から検出する検出処理(例えば、後述する図19〜図21の空き領域検出処理など)と、
前記収容可能領域を報知する報知処理(例えば、後述する図22〜図23の候補セルの表示処理など)と、を備える収容提案システムが提供される。
<<第4の実施の態様>>
また、第4の実施の態様によれば、
所定の順序(例えば、後述する保管ボックス320のセル326に割り当てられたセル番号など)に従って格納用容器(例えば、後述する保管ボックス320など)に連続して収容する複数の収容用容器(例えば、後述する保存用容器330など)の収納提案システムであ、前記収容用容器は、同一のドナーから採取された細胞又は細胞組織を保管するためのもので、前記複数の収容用容器の数は、同一のドナーから採取された細胞又は細胞組織の量に基づく数である、収納提案システムであって、
収容用容器が既に収容されている収容済領域と、収容用容器が収容されていない未収容領域と、が存在する状態の格納用容器において、前記所定の順序に従って収容予定の複数の収容用容器を連続して一まとめに収容する収容領域を前記未収容領域から検出する検出処理(例えば、後述する図19〜図21の空き領域検出処理など)と、
前記収容可能領域を報知する報知処理(例えば、後述する図22〜図23の候補セルの表示処理など)と、を備える収容提案システム。
さらに、第4の実施の態様において、
前記収容予定の複数の収容用容器を識別するための第1の識別情報(例えば、キャップ334の色など)が、前記収容済領域に既に収容されている収容用容器を識別するための第2の識別情報(例えば、キャップ334の色など)と異なる。
また、第4の実施の態様において、
前記検出処理は、
前記収容予定の複数の収容用容器の少なくとも一部が、前記収容済領域に既に収容されている収容用容器の少なくとも一部と隣接するように、前記収容可能領域を検出する。
さらに、第4の実施の態様において、
前記検出処理は、
前記所定の順序に従って収容される前記収容予定の複数の収容用容器のうちの先頭の収容用容器が、前記所定の順序に従って前記収容済領域に既に収容されている収容用容器のうちの後尾の収容用容器と隣接するように、前記収容可能領域を検出する。
また、第4の実施の態様において、
前記格納用容器は、一の収容用容器を収容可能な単位収容領域(本体部322のセル326)を有し、
前記収容済領域は、少なくとも1つの前記単位収容領域を有し、
前記未収容領域は、少なくとも1つの前記単位収容領域を有し、
前記収容予定の複数の収容用容器の各々は、前記所定の順序に従って配置された複数の単位収容領域の各々に収容される。
さらにまた、第4の実施の態様において、
前記第1の識別情報に属する複数の収容用容器は、先頭の収容用容器から後尾の収容用容器まで前記所定の順序に従って列をなして前記格納用容器に並べられ
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
<<<<加工受発注システム>>>
図1A及び図1Bは、クライアント側(発注側)が被加工品や試料や原材料や加工前品など(以下、被加工品と称する。)の加工を発注し、加工側(受注側)が被加工品の加工について受注し、加工した加工品(加工後品)をクライアント側(発注側)に納品するシステムの概要を示すフローチャートである。例えば、被加工品として、脂肪組織や血液細胞などがある。また、加工品として、脂肪組織から抽出されて培養された脂肪幹細胞や、血液細胞から抽出された血小板などがある。図1A及び図1Bに示すシステムは、このような脂肪組織や血液細胞などの細胞の加工に限られず、被加工品としての原材料を加工側(受注側)送り、加工側(受注側)が加工したものをクライアント側(発注側)に納品するものに適用することができる。例えば、木材や金属材料や食材などの各種の原材料や素材を加工側(受注側)に送り、加工されたり組み立てられたりした加工品を、クライアント側(発注側)が受取るようなシステムについても適用することができる。さらに、問題の出題の依頼(発注)、問題の回答、答えの添削などの通信添削などのシステムにも適用することができる。
<<クライアント側(発注側)及び加工側(受注側)>>
以下では、被加工品の一例として、人体から抽出した脂肪組織とし、加工品の一例として、被加工品である脂肪組織から培養などによって得られた脂肪幹細胞とする。具体的には、クライアント側(発注側)が、脂肪組織の加工を発注し、加工側(受注側)が加工を受注し、加工して得られた脂肪幹細胞をクライアント側(発注側)に納品するシステムの概略を説明する。クライアント側(発注側)は、例えば、病院やクリニックなどの医師がいる組織である。病院やクリニックなどの医師がドナーから脂肪組織を採取して、加工側(受注側)に加工を依頼する。加工側(受注側)は、受取った脂肪組織から脂肪幹細胞を培養し、培養した脂肪幹細胞を病院やクリニックなどに納品する。
<<加工受発注システム10の構成>>
図2は、本実施の形態による加工受発注システム10の構成を説明する概略図である。加工受発注システム10は、主に、通信ネットワーク100とクライアント側端末装置110と加工側制御装置200とを有する。
<クライアント側(発注側)>
クライアント側(発注側)は、クライアント側端末装置110を有する。クライアント側端末装置110は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置など、各種の演算処理及びデータ処理や、加工側制御装置200との通信処理などが可能な装置である。クライアント側端末装置110は、クライアント側(発注側)の病院やクリニックなど医師や職員などが操作でき、インターネットなどの通信ネットワーク100を介して加工側制御装置200と通信可能に接続できる端末装置であればよい。
<加工側(受注側)>
加工側(受注側)は、加工側制御装置200(図2参照)を有する。加工側制御装置200は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置、サーバなど、各種の演算処理及びデータ処理や、クライアント側端末装置110との通信処理などが可能な装置である。加工側制御装置200は、インターネットなどの通信ネットワーク100を介して複数のクライアント側端末装置110に接続されている。
加工側制御装置200は、複数のクライアント側端末装置110に対してサーバとして機能できればよい。加工側制御装置200は、加工受発注に用いるクライアントデータや進捗ステータス(後述)などの各種の情報を記憶するデータベースを用いることができる(図13及び図14参照)。
<<加工受発注システムの概略>>
図1A及び図1Bは、加工受発注システムの概略を示すフローチャートである。詳細な処理については後述する。
<クライアント側(発注側)処理1>
まず、クライアント側(発注側)は、クライアント側端末装置110を操作して、加工注文を依頼する(ステップOS101)。すなわち、病院やクリニックなど医者や職員が、自己のクライアント側端末装置110を操作して、クライアント側(発注側)で採取した脂肪組織の加工を依頼する。具体的には、ドナー情報(性別、生年月日等)や、脂肪組織を採取した部位や、脂肪組織を採取した日時や、脂肪組織の加工方法などの加工に必要な各種の情報が、クライアント側端末装置110に入力され、クライアントデータとして加工側(受注側)の加工側制御装置200に送信される。クライアントデータの詳細については、後述する。
<加工側(受注側)処理1−1>
加工側(受注側)では、クライアント側端末装置110から送信されたクライアントデータを、通信ネットワーク100を介して、加工側制御装置200で受信する(ステップRS101)。加工側制御装置200は、クライアントデータに含まれるクライアント側(発注側)や日付などの情報を簡易にチェックし、問題がないと判断した場合には、クライアントデータを加工側制御装置200のHDD(図示せず)内のデータベースに保存する。クライアントデータは、例えば、図13(a)に示す基本テーブルや、図13(b)に示す採取テーブルに記憶される。基本テーブルや採取テーブルについては後述する。
次に、加工側(受注側)では、ステップRS101でクライアントデータを受信したことを契機にして進捗ステータスが「注文受付」に設定される(ステップRS103)。進捗ステータスは、加工受発注システムにおける進捗状態(工程)を示す情報であり、加工側制御装置200のHDD内の外部用ステータステーブルに記憶される。進捗ステータスは、例えば、図13(c)に示す外部用ステータステーブルに記憶される。
次いで、加工側(受注側)では、受信したクライアントデータに基づいて、クライアントデータを受信したことを示す受注用オーダーシートデータが生成され(後述する図6参照)、受注用オーダーシートデータはクライアント側端末装置110に送信される(ステップRS105)。受注用オーダーシートデータは、加工側制御装置200で受信したクライアントデータから自動的に生成され、通信ネットワーク100を介してクライアント側端末装置110に自動的に送信される。
さらに、ステップRS105では、依頼識別情報として加工依頼識別情報を自動的に生成する。依頼識別情報は、クライアント側(発注側)から依頼(要求)された各種の依頼を識別するための情報である。依頼識別情報は、図13(a)に示すように、データベースの基本テーブルの依頼識別情報フィールドに、クライアント側(発注側)からの依頼を識別するための各種の情報が順次に記憶される。
例えば、クライアント側(発注側)から加工の依頼があったことを契機にして、加工の依頼を識別するための加工依頼識別情報が生成され、図13(a)の基本テーブルの依頼識別情報フィールドに加工依頼識別情報が記憶される。また、クライアント側(発注側)から納品の依頼があったことを契機にして、納品の依頼を示す納品依頼識別情報が生成され、図13(a)の基本テーブルの依頼識別情報フィールドに納品依頼識別情報が記憶される。
このように、クライアント側(発注側)からの各種の依頼を識別できる情報を、図13(a)の基本テーブルの依頼識別情報フィールドに順次に記憶して蓄積していくことで、クライアント側(発注側)からの各種の依頼を、1つの基本テーブルの1つの依頼識別情報フィールドによって一元的に管理でき、クライアント側(発注側)からの依頼を漏れなく重複することなく管理することができる。
前述した加工依頼識別情報は、クライアント側(発注側)からの一の発注依頼に対する一の受注(一の受発注)を識別するための情報であり、加工内容、日付、整理番号などの文字情報から構成される。本実施の形態における加工には、例えば、採取された脂肪組織を洗浄して脂肪組織から脂肪幹細胞を培養し脂肪幹細胞を保存するものや、脂肪組織を洗浄して保存するものなどがある。加工依頼識別情報を構成する加工内容には、これらの加工を識別するための情報が割り当てられる。
また、加工依頼識別情報を構成する整理番号は、同じ加工内容で同一の日付の異なる発注の場合には、連番となるように生成される。受注用オーダーシートデータが生成されるときには、加工依頼識別情報も自動的に生成される。同じクライアント側(発注側)から同日に複数の発注があった場合でも、発注の時刻が異なれば、互いに異なる発注として異なる加工依頼識別情報が生成されて、互いに異なる受発注として加工依頼識別情報が割り当てられる。また、脂肪組織のドナーが同一人物であっても、発注の日時が異なれば、互いに異なる発注として異なる加工依頼識別情報が生成されて、互いに異なる受発注として加工依頼識別情報が割り当てられる。さらにまた、加工依頼識別情報は、文字情報から識別パターン(以下、受注用バーコード)に変換され、受注用オーダーシートデータには、加工依頼識別情報を示す文字情報と加工依頼識別情報を示す受注用バーコードとの双方が表示可能及び印刷可能に形成される。受注用オーダーシートデータは、例えば、PDF(Portable Document Format)形式などにすることができる。
なお、前述した例では、加工依頼識別情報を加工内容、日付、整理番号などから生成する場合を示したが、ドナーの情報、例えば、年齢、性別、生年月日などから生成してもよい。このようにすることで、加工依頼識別情報によってドナーに関する情報を直ちに取得でき、受発注の管理をより確実かつ容易にすることができる。
前述した発注及び受注の具体的な処理については、図3で後述する。
さらに、加工側(受注側)では、注文の依頼内容を確認する(ステップRS107)。ステップRS107の確認の処理は、加工側(受注側)の担当者が注文の内容などを目視でチェックするようにしても、より詳細なチェック処理のサブルーチンの実行によって演算処理や比較処理などで行うようにしてもよい。次いで、加工側(受注側)では、進捗ステータスが、「注文確認」に設定される(ステップRS109)。
<クライアント側(発注側)処理1−2>
クライアント側(発注側)では、ステップRS105の処理によって、クライアント側端末装置110から送信された受注用オーダーシートデータを受信する(ステップOS103)。受信した受注用オーダーシートデータは、クライアント側(発注側)が所有するプリンターなどによって受注用オーダーシートとして印刷することができる。前述したように、受注用オーダーシートデータには、加工依頼識別情報を示す受注用バーコードが含まれており、受注用オーダーシートを印刷することで、受注用オーダーシートの一部の領域に受注用バーコードも印刷される(図6参照)。
次に、クライアント側(発注側)では、ドナーの所定の部位から採取した脂肪組織の送付を準備し(ステップOS105)、印刷した受注用オーダーシートを添付して脂肪組織とともに梱包したものを加工側(受注側)に発送する(ステップOS107)。このように、採取された脂肪組織に受注用オーダーシートを添付して梱包することで、採取された脂肪組織と加工依頼識別情報との対応付けをクライアント側(発注側)の時点で形成して、加工側(受注側)に送付することができる。すなわち、採取された脂肪組織が加工側(受注側)に届くよりも前の時点で、採取された脂肪組織と加工依頼識別情報との対応付けが形成されている。脂肪組織及び受注用オーダーシートの送付は、郵送や、運送業や配送業者などによる輸送であり、採取された脂肪組織及び受注用オーダーシートが加工側(受注側)に届けられる。
なお、クライアント側(発注側)は、脂肪組織の輸送に用いるための専用の輸送用容器や、輸送の際に用いるための専用の輸送用溶液などを、事前に加工側(受注側)から受取っており、採取した脂肪組織を輸送用容器に収容することで輸送用溶液に浸漬させることができ、脂肪組織の適切な状態を維持しつつ、脂肪組織を輸送することができる。輸送用容器や輸送用溶液などは、クライアント側(発注側)が、加工側(受注側)に、加工の発注とは別に、発注することで、クライアント側(発注側)に配送されて届けられる。
なお、輸送用容器や輸送用溶液などの発注依頼も、クライアント側(発注側)が依頼したことを契機に、容器及び溶液の発注依頼を識別するための容器・溶液発注依頼識別情報が生成され、図13(a)の基本テーブルの依頼識別情報フィールドに容器・溶液発注依頼識別情報が記憶される。
<加工側(受注側)処理1−2>
加工側(受注側)では、クライアント側(発注側)から輸送された脂肪組織及び受注用オーダーシートを受領する(ステップRS111)。次いで、加工側(受注側)では、受領した脂肪組織及び受注用オーダーシートに対応する加工依頼識別情報を示す受注用バーコードをラベルプリンターなどで印刷する(ステップRS112)。このステップRS112の処理で印刷される受注用バーコードは、受注用オーダーシートで印刷されている受注用バーコードと同一のものである。ステップRS112の処理では、1枚のラベルに1つの受注用バーコードが印刷される(図9参照)。
受注用バーコードを印刷するラベルの枚数は、輸送された脂肪組織の量や、加工の種類によって決定される。前述したように、加工には、採取された脂肪組織を洗浄して脂肪組織から脂肪幹細胞を培養し脂肪幹細胞を保存するものや、脂肪組織を洗浄して保存するものなどがある。脂肪幹細胞を培養する場合には培養用容器が用いられ、脂肪組織を保存する場合には保存用容器が用いられる。
したがって、受注用バーコードを印刷するラベルの枚数は、輸送された脂肪組織の量や、培養用容器の本数や、保存用容器の本数などによって決定される。受注用バーコードを印刷されたラベルは、培養用容器や保存用容器に貼付される。このように加工依頼識別情報を示す受注用バーコードを用いることで、加工側(受注側)でも、受領した脂肪組織と加工依頼識別情報との対応付けを維持しつつ、脂肪組織を加工することができ、他のドナーの脂肪組織や他のクライアント側(発注側)からの脂肪組織と明確に識別することができ、培養工程や保存工程などにおいて、脂肪組織を的確に管理することができる。前述したように、ステップRS112の処理で印刷される受注用バーコードは、加工依頼識別情報を識別パターンに変換されたものであり、受注用オーダーシートに含まれる受注用バーコードと同一である。なお、脂肪組織を受領したときの処理については、図7で詳細に説明する。
次いで、加工側(受注側)では、脂肪組織及び受注用オーダーシートの受領を契機にして、進捗ステータスを「脂肪受取」に設定する(ステップRS113)。
次に、加工側(受注側)では、受領した脂肪組織を加工する(ステップRS115)。脂肪組織の加工には、例えば、受領した脂肪組織を遠心分離機などの装置によって、輸送用の溶液から分離したり、既にオイル化したオイル部分を分離したりする加工(洗浄)がある。さらに、溶液やオイルから分離した脂肪組織に、加工用の溶液を加える加工もある。さらにまた、加工用の溶液を加えた脂肪組織から脂肪幹細胞を培養する加工もある。次いで、加工側(受注側)では、進捗ステータスを「加工中」に設定する(ステップRS117)。この加工の工程では、加工依頼識別情報を示す受注用バーコードが貼付された培養用容器が用いられ、加工の工程においても、加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理することができ、発注、受注、受取り、加工の各工程は、加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理される。
次に、加工側(受注側)では、脂肪幹細胞を培養する場合には、脂肪幹細胞の培養に要する時間の経過後に、脂肪組織の加工が完了し、脂肪幹細胞が仕上がる(ステップRS119)。例えば、脂肪幹細胞の培養が完了することで、所定の数の脂肪幹細胞が培養される。
次に、加工側(受注側)では、仕上がった脂肪幹細胞を保存用容器に移し替える(ステップRS121)。加工側(受注側)では、脂肪組織の加工の完了により最終的に仕上がった脂肪幹細胞の量が定まり、保存用容器の数を決定することができる(ステップRS123)。なお、この処理の後、保存用容器の数に応じた枚数のラベルが印刷される。1枚のラベルに1つの受注用バーコードが印刷される(図9参照)。ここで印刷される受注用バーコードも、受注用オーダーシートで印刷されている受注用バーコードと同一のものである。保存の工程においても、加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理することができ、発注、受注、受取り、加工、保存の各工程は、加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理される。
なお、脂肪幹細胞を培養せずに、脂肪組織を洗浄して直ちに保存する場合には、前述したステップRS119、RS121、RS123の処理は省かれる。
この加工後の保存処理の詳細については、図12で後述する。
次いで、加工側(受注側)では、所定の数の保存用容器を保管するための保管タンクの管理をする(ステップRS125)。保管タンクの管理は、複数の保存用容器を保管する場所を決定する処理である。保管タンクを管理することによって、保管タンクが複数ある場合には、保存用容器を保管する一の保管タンクを特定するとともに、さらに、その一の保管タンク内において保存用容器を保管する場所を特定することができ、複数の保存用容器を一元的に管理することで的確に保管することができる。また、保管タンクを管理することによって、保管タンク内では、複数の保存用容器がなるべく密になるように配置して保管することができ、複数の保存用容器を効率よく保管タンクに保管することができる。
次に、加工側(受注側)では、ステップRS125の処理で決定された保管タンクの場所に保存用容器を保管する(ステップRS127)。例えば、保管タンクの所定の位置に保存用容器を配置して、培養した脂肪幹細胞を冷凍する。次いで、加工側(受注側)では、進捗ステータスを「保存中」に設定する(ステップRS129)。
次に、加工側(受注側)では、保存を開始した脂肪幹細胞についてのレポートデータを生成して、クライアント側(発注側)に送信できる状態にする(ステップRS131)。例えば、保存処理を開始して日時や、最終的に決定された保存用容器の数などの情報を含めてレポートデータを生成する(図10の品質報告書参照)。レポートデータもPDF形式にすることができる。
<クライアント側(発注側)処理1−3>
クライアント側(発注側)では、ステップRS131の処理によって、加工側(受注側)から送信されたレポートデータを受信する(ステップOS109)。
クライアント側(発注側)では、受信したレポートデータを参考にして、納品の希望量を示して、納品依頼を加工側(受注側)に送信する(ステップOS111)。例えば、クライアント側(発注側)は、納品の希望量に応じて保存用容器の本数を指定して、納品依頼を加工側(受注側)に送信する。
前述したように、クライアント側(発注側)から納品の依頼があった場合には、納品の依頼を示す納品依頼識別情報が生成され、図13(a)の基本テーブルの依頼識別情報フィールドに納品依頼識別情報が記憶される。
<加工側(受注側)処理1−3>
加工側(受注側)では、納品依頼を受取り(ステップRS133)、保管タンクの管理をする(ステップRS135)。ステップRS133の保管タンクの管理は、まず、納品の依頼があった脂肪幹細胞の保存用容器が保管されている保管タンクの場所を特定し、その場所から納品の依頼があった本数の保存用容器を取り出し、保管タンクから保存用容器を取り出したことを示す情報を、取り出した日時とともにHDDに記憶させる処理である。
次に、加工側(受注側)では、保管タンクから取り出した保存用容器を解凍し(ステップRS137)、出荷用オーダーシートデータを作成し印刷する(ステップRS139)。出荷用オーダーシートデータにも受注用バーコードデータが含まれており、印刷された出荷用オーダーシートには、受注用バーコードも印刷される(図11の納品報告書参照)。出荷用オーダーシートに印刷されている受注用バーコードを読み取るとともに、保存用容器に貼付されている受注用バーコードを読み取り、受注用バーコードの双方が一致していることを確認することで、出荷の対象物である保存用容器が適切なものであることを保証することができる。出荷の工程においても、加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理することができ、発注、受注、受取り、加工、保存、出荷(納品)の各工程は、加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理される。
次に、加工側(受注側)は、出荷対象の保存用容器とともに出荷用オーダーシートも梱包して出荷する(ステップRS141)。出荷対象の保存用容器は、郵送や、運送業や配送業者などによる輸送によって、クライアント側(発注側)に送られる。
<クライアント側(発注側)処理1−4>
クライアント側(発注側)では、加工側(受注側)から送られた出荷対象の保存用容器及び出荷用オーダーシートを受取る(ステップOS113)。クライアント側(発注側)は、出荷用オーダーシートの記載されている内容を視認することによって、所望した脂肪幹細胞であることを確認することができる。
<<加工発注処理>>
図3は、加工発注処理を示すフローチャートである。
<クライアント側受付処理3−1>
最初に、クライアント側端末装置110のCPUは、クライアントデータの入力処理が実行される(ステップOS303)。ステップOS301の処理では、図5に示すような脂肪保存オーダー入力画面が、クライアント側端末装置110の表示装置(図示せず)に表示される。クライアント側では、医師や職員がクライアント側端末装置110のキーボードなどの操作装置(図示せず)を操作して、必要なクライアントデータを入力する。
脂肪保存オーダー入力画面は、図5に示すように、主に、氏名、性別、生年月日、国籍などのドナーに関する一般的な情報と、脂肪採取日時、脂肪採取部位、脂肪採取方法、輸送脂肪の種類、輸送サイズなどのドナーの脂肪組織に関する情報とを含む。さらに、担当医師名、カルテ番号などの病院やクリニックなどのクライアント側(発注側)に関する情報や、血液検査データ、特記事項などのドナーに関する特定の情報も含む。本実施の形態では、これらの情報をクライアントデータと総称する。これらの情報によって、クライアント側(発注側)やドナーや脂肪組織を的確に識別したり管理したりすることができ、また、これらの情報を蓄積することによって、加工時間や脂肪幹細胞の数の予測のための解析をすることができる。なお、解析のための情報蓄積については、後述する。
次に、クライアント側端末装置110のCPUは、ステップOS303の処理で入力されたクライアントデータを加工側制御装置200に送信する(ステップOS305)。
<加工側受付処理3−1>
加工側制御装置200のCPUは、クライアント側端末装置110から送信されたクライアントデータを受信する(ステップRS303)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、加工依頼識別情報を生成する(ステップRS305)。加工依頼識別情報は、一の発注に対する一の受注(一の受発注)を識別するための情報であり、加工内容、日付、整理番号などの文字情報から構成される。加工依頼識別情報は、ステップOS305の処理でクライアントデータを受信したことを契機にして自動的に生成される。
前述したように、本実施の形態における加工には、例えば、採取された脂肪組織を洗浄して脂肪組織から脂肪幹細胞を培養し脂肪幹細胞を保存するものや、脂肪組織を洗浄して保存するものなどがある。例えば、採取された脂肪組織を洗浄して脂肪組織から脂肪幹細胞を培養し脂肪幹細胞を保存する場合には、加工内容を示す識別情報として「SC」が割り当てられ、脂肪組織を洗浄して保存する場合には、加工内容を示す識別情報として「FB」が割り当てられる。
加工依頼識別情報の整理番号は、同じ加工内容でかつ同一の日付の異なる発注に対して、連番となるように生成される。例えば、FB170610001、FB170610002、FB170610003・・・、FB170611001、FB170611002、・・・のように生成される。前述したように、「FB」は、加工内容を示す識別情報であり、「170610」や「170611」などは、年月日を示す情報であり、「001」や「002」などは、整理番号で、連番となるように生成される。
前述した例では、加工依頼識別情報を、加工内容、日付、整理番号などの文字情報から生成する例を示したが、クライアントデータを用いて加工依頼識別情報を生成してもよい。担当医師名、カルテ番号、氏名、性別、生年月日、国籍、脂肪採取日時、脂肪採取部位、脂肪採取方法、輸送脂肪の種類、輸送サイズ、血液検査データ、特記事項などの情報を用いて加工依頼識別情報を生成することができる。また、これらの全ての情報を用いて加工依頼識別情報を構成しても、一部の情報のみを用いて加工依頼識別情報を構成してもよい。また、これらのクライアントデータを暗号化して加工依頼識別情報を生成してもよい。加工側制御装置200に記憶されているクライアントデータを読み出すことなく、加工依頼識別情報からドナーに関する情報を直ちに取得でき、受発注の管理をより簡便にかつ容易にすることができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS303で受信したクライアントデータを加工側制御装置200のHDDに記憶する(ステップRS307)。例えば、クライアントデータは、図13(a)に示す基本テーブルや、図13(b)に示す採取テーブルに記憶される。具体的には、クライアントデータのうち、主に、クライアント側(発注側)に固有な情報やドナーに固有な情報は、図13(a)に示す基本テーブルに記憶される。また、クライアントデータのうち、主に、脂肪の採取条件などの脂肪の採取に固有な情報は、図13(b)に示す採取テーブルに記憶される。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS305で生成した加工依頼識別情報を加工側制御装置200のHDDに記憶する(ステップRS309)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、関連付け情報(後述する管理番号フィールドの管理番号)を生成し(ステップRS311)、関連付け情報をHDDなどに記憶する(ステップRS313)。この関連付け情報を指定することで、対応するクライアントデータや進捗ステータスなどを検索して呼び出すことができる。
<基本テーブルの構成>
前述した基本テーブルは、図13(a)に示すように、管理番号フィールド、発注日フィールド、依頼識別情報フィールド、担当医フィールド、カルテ番号フィールド、氏名フィールド、性別フィールド、生年月日フィールド、国籍フィールドの9個のフィールドからなるテーブルである。前述したステップRS303の処理で、クライアント側端末装置110から送信されたクライアントデータを受信したときに、これらの9個のフィールドのうちの対応するフィールドの情報が1つのレコードとして記憶される。
管理番号フィールドには、管理番号が記憶される。管理番号は、クライアント側(発注側)からの各種の依頼の各々に対して別個に割り当てられる識別情報であり、クライアント側(発注側)からの一の依頼に対して、一の管理番号が重複することなく生成される。管理番号は、クライアント側端末装置110から送信されたクライアントデータを受信した(前述したステップRS303)ことを契機に生成されて(前述したステップRS311)、管理番号フィールドに記憶される(前述したステップRS313)。基本テーブル(図13(a))や、採取テーブル(図13(b))や、外部ステータステーブル(図13(c))や、内部ステータステーブル(図13(d))や、加工テーブル(図13(e))や、加工テーブル(図14(b))などの各種のテーブルは、管理番号フィールドを共通して有し、一のクライアントデータに対して、基本テーブルの管理番号フィールドと、採取テーブルの管理番号フィールドと、外部ステータステーブルの管理番号フィールドと、内部ステータステーブルの管理番号フィールドと、加工テーブルの管理番号フィールドと、加工テーブルの管理番号フィールドとには、同一の管理番号が記憶され、管理番号によって一のクライアントデータを互いに関連付けることができ、他のテーブルの情報を互いに読み出すことができる。
発注日フィールドには、クライアント側端末装置110から送信されたクライアントデータを受信した(ステップRS303)ときの日時が記憶される。
依頼識別情報フィールドには、依頼識別情報が記憶される。前述したように、クライアント側(発注側)から加工の依頼があったことを契機にして、加工の依頼を識別するための加工依頼識別情報が生成され(前述したステップRS305)、依頼識別情報フィールドに加工依頼識別情報が記憶される(前述したステップRS309)。また、クライアント側(発注側)から納品の依頼があったことを契機にして、納品の依頼を示す納品依頼識別情報が生成され、依頼識別情報フィールドに納品依頼識別情報が記憶される。さらに、クライアント側(発注側)から輸送用容器や輸送用溶液などの発注依頼があったことを契機にして、容器及び溶液の発注依頼を識別するための容器・溶液発注依頼識別情報が生成され、依頼識別情報フィールドに容器・溶液発注依頼識別情報が記憶される。なお、これらの依頼があったことを契機にして、基本テーブルを構成する9個のフィールドのうちの対応するフィールドの情報が1つのレコードとして記憶される。
担当医フィールドには、クライアント側(発注側)(クリニックや病院等)で脂肪組織を採取した担当医の情報が記憶される。
カルテ番号フィールドには、クライアント側(発注側)(クリニックや病院等)で管理されているカルテ番号が記憶される。
氏名フィールドには、ドナーの氏名が記憶され、性別フィールドには、ドナーの性別が記憶され、生年月日フィールドには、ドナーの生年月日が記憶され、国籍フィールドには、ドナーの国籍が記憶される。
<採取テーブル>
前述した採取テーブルは、図13(b)に示すように、管理番号フィールド、採取日時フィールド、採取部位フィールド、採取方法フィールド、採取量フィールドからなるテーブルである。前述したステップRS303の処理で、クライアント側端末装置110から送信されたクライアントデータを受信したときに、これらの5個のフィールドのうちの対応するフィールドの情報が1つのレコードとして記憶される。
管理番号フィールドには、管理番号が記憶される。前述したように、管理番号は、基本テーブルと同じ情報であり、同じクライアントデータに対して、基本テーブルの管理番号フィールドと、採取テーブルの管理番号フィールドとには、同じ管理番号が記憶される。
採取日時フィールドには、クライアント側(発注側)で脂肪組織が採取された日時が記憶される。採取部位フィールドには、脂肪組織を採取したドナーの身体の部位を示す情報が記憶される。例えば、太ももや腹などの情報が記憶される。採取方法フィールドには、脂肪組織を採取する方法が記憶される。採取量フィールドには、採取した脂肪組織の量が記憶される。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS305で生成した加工依頼識別情報から受注用バーコードを生成する(ステップRS315)。受注用バーコードは、光学的に読み取ることができる識別パターンであればよい。受注用バーコードは、縞状に形成された一次元に形成された識別子や、QRコード(登録商標)などの二次元に形成された識別子などにすることができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、オーダーシートデータを生成する(ステップRS317)。オーダーシートデータは、オーダーシートの内容や書式を画定するためのデータである。オーダーシートには、図6に示すように、上述したクライアントデータの各種の情報とともに、ステップRS315の処理で生成した受注用バーコードも含まれる。
なお、上述した例では、受注用バーコードなどの光学的に読み取ることができる識別パターンを生成する場合を示したが、磁気的、電磁的などに読み取ることができる識別情報を生成してもよい。
次に、加工側制御装置200のCPUは、進捗ステータスを「注文受付」に変更して記憶し(ステップRS319)、ステップRS317で生成したオーダーシートデータを送信し(ステップRS321)、本サブルーチンを終了する。
前述したように、進捗ステータスは、加工受発注システムにおける進捗状態(工程)を示す情報であり、図13(c)に示す外部用ステータステーブルに管理番号とともに記憶される。外部用ステータステーブルは、管理番号フィールドと外部用ステータスフィールドを有する。1つの管理番号に対応する1つの外部用ステータスが1つのレコードとして記憶される。進捗ステータスには、注文受付、注文確認、脂肪受取、加工中、保存中などがあり、外部用ステータスフィールドには、これらを識別する情報が記憶される。前述したステップRS319の処理では、図13(c)に示す外部用ステータステーブルの外部用ステータスフィールドのうち、今回の発注依頼に対応する管理番号の外部用ステータスフィールドを「注文受付」に更新する。
<クライアント側受付処理3−2>
クライアント側(発注側)のCPUは、加工側(受注側)から送信されたオーダーシートデータを受信し(ステップOS307)、記憶する(ステップOS309)。
クライアント側(発注側)のCPUは、受信したオーダーシートデータをプリンター(図示せず)に供給することで、クライアントデータの各種の情報と受注用バーコードとを含むオーダーシートを紙などの媒体に印刷する(ステップOS311)。クライアント側(発注側)では、オーダーシートを印刷することで、図6に示すオーダーシートを取得することができる。ここで印刷したオーダーシートは、採取した脂肪組織を加工側(受注側)に送付する際に、脂肪組織とともに送付される。
クライアント側(発注側)のCPUは、医師や職員などの操作者の操作に基づいてログアウトし(ステップOS313)、加工側制御装置200と接続を切断し、本サブルーチンを終了する。
オーダーシートの内容は、図6に示すように、主に、氏名、性別、生年月日、国籍などのドナーに固有な情報と、脂肪採取日時、脂肪採取部位、脂肪採取方法、輸送脂肪の種類、輸送サイズなどのドナーの脂肪組織の採取に関する情報とを含む。さらに、担当医師名、カルテ番号などの病院やクリニックなどのクライアント側(発注側)に関する情報や、血液検査データ、特記事項などのドナーに関する特定の情報も含む。このように、オーダーシートには、前述したクライアントデータの内容が掲載され、病院やクリニックなどでは、印刷したオーダーシートを視認することで、発注の内容の正誤を改めて確認することができる。
さらに、図6に示すように、オーダーシートの上部には受注用バーコードが含まれており、オーダーシートを印刷することで、オーダーシートの一部として、受注用バーコード(図6の上部)も印刷される。このように、クライアントデータがクライアント側端末装置110から加工側制御装置200に送信されて(前述したステップOS305)、加工側制御装置200が加工依頼識別情報を生成した(前述したステップRS305)ことを契機にして、受注用バーコードが含まれたオーダーシートデータが生成され(前述したステップRS317)、オーダーシートを印刷することで(前述したステップOS311)、受注用バーコードも印刷される。
なお、加工側(受注側)では、上述したRS321の処理を実行した後に、加工側(受注側)の担当者は、注文の内容などを目視でチェックして、注文の依頼内容を確認する。なお、より詳細なチェック処理用のサブルーチンを実行することで、注文の依頼内容を確認することもできる。これらの注文依頼の確認により、進捗ステータスが、「注文確認」に更新される。具体的には、図13(c)に示す外部用ステータステーブルの外部用ステータスフィールドのうち、今回の発注依頼に対応する管理番号の外部用ステータスフィールドを「注文確認」に更新する。
<<セキュリティチェック処理>>
図4は、加工側(受注側)の加工側制御装置200で実行されるセキュリティチェック処理を示すフローチャートである。この処理は、通信ネットワーク100を介して外部から加工側制御装置200に接続されたときに実行される処理である。
最初に、加工側制御装置200のCPUは、通信ネットワーク100を介した外部からの接続が、登録済みのIPアドレスからの接続であるか否かを判断する(ステップRS403)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS403の判断処理で、登録済みのIPアドレスからの接続であると判別したときには(YES)、クライアント側端末装置110から送信されたUSBメモリの認証データが適切であるか否かを判断する(ステップRS405)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS405の判断処理で、USBメモリの認証データが適切であると判別したときには(YES)、クライアント側端末装置110から登録済みのIDが送信されたか否かを判断する(ステップRS407)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS407の判断処理で、登録済みのIDが送信されたと判別したときには(YES)、登録済みのIDに対応するパスワードがクライアント側端末装置110から送信されたか否かを判断する(ステップRS409)。
ステップRS409の判断処理で、登録済みのIDに対応するパスワードが送信されたと判別した場合には、外部からの加工側制御装置200への接続は、加工側(受注側)に登録されている1つのクライアント側端末装置110からの真正な接続であるとして、ログインが完了する。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS409の判断処理で、登録済みのIDに対応するパスワードが送信されたと判別したときには(YES)、新規発注要求であるか否かを判断する(ステップRS411)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS411の判断処理で、新規発注要求であると判別したときには(YES)、図3に示した加工側受付処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップRS413)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS411の判断処理で、新規発注要求でないと判別したときには(NO)、進捗ステータスを確認する要求であるか否かを判断する(ステップRS415)、本サブルーチンを終了する。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS415の判断処理で、進捗ステータスを確認する要求であると判別したときには(YES)、進捗ステータスを提供する処理のサブルーチン(図示せず)を呼び出して実行し(ステップRS417)、本サブルーチンを終了する。
前述した進捗ステータスを提供する処理によって、図8に示すような脂肪管理画面をクライアント側(発注側)のクライアント側端末装置110のディスプレイに表示するようにできる。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS415の判断処理で、進捗ステータスを確認する要求でないと判別したときには(NO)、その他の処理を実行し(ステップRS417)、本サブルーチンを終了する。
前述したステップRS403の判断処理で、登録済みのIPアドレスからの接続でないと判別したとき(NO)、ステップRS405の判断処理で、USBメモリの認証データが適切でないと判別したときには(NO)、ステップRS407の判断処理で、登録済みのIDが送信されていないと判別したときには(NO)、ステップRS409の判断処理で、登録済みのIDに対応するパスワードが送信されていないと判別したときには(NO)、切断処理を実行し(ステップRS413)、処理を終了する。
<<脂肪受領処理>>
図7は、加工側(受注側)の加工側制御装置200で実行される脂肪受領処理を示すフローチャートである。この処理は、クライアント側(発注側)から発送された脂肪組織を受領したことを契機にして実行される処理である。なお、クライアント側(発注側)からは、採取された脂肪組織と、図3のステップOS311の処理によって印刷されたオーダーシートとが、同梱されて、郵送や運送業や配送業者などによる輸送によって、加工側(受注側)に届けられる。
最初に、加工側制御装置200のCPUは、同梱されていたオーダーシートに印刷されている受注用バーコードを、バーコードリーダによって読み取る(ステップRS701)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、読み取った受注用バーコードを識別データに変換する(ステップRS703)。次に、加工側制御装置200のCPUは、図13(c)に示す外部用ステータステーブルを参照して、図13(a)に示す基本テーブルから加工依頼識別情報を読み出すことで、進捗ステータスが「注文確認」となっている加工依頼識別情報を読み出す(ステップRS705)。すなわち、脂肪組織を未だに受領していない状態の加工依頼識別情報を読み出す。前述したように、進捗ステータスは、図13(c)に示す外部用ステータステーブルに記憶されており、図13(a)の基本テーブルの依頼識別情報フィールドに加工依頼識別情報が記憶されている。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS703の処理で変換した識別データと、ステップRS705の処理で読み出した加工依頼識別情報とが一致するか否かを判断する(ステップRS707)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS707の判断処理で識別データと加工依頼識別情報とが一致すると判別した場合には(YES)、加工依頼識別情報に対応するクライアントデータを読み出し(ステップRS709)、読み出したクライアントデータを加工側制御装置200のディスレプイ(図示せず)に表示する(ステップRS711)。加工側(受注側)では、ディスレプイに表示されたクライアントデータを、同梱されていたオーダーシートに印刷されているクライアントデータと目視で比較することで、識別データと加工依頼識別情報との一致だけでなく、詳細なクライアントデータについても一致しているか否かを確認することができる。加工側(受注側)に届けられた脂肪組織を適切に管理することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、進捗ステータスを「脂肪受取」に更新する(ステップRS713)。具体的には、図13(c)に示す外部用ステータステーブルの外部用ステータスフィールドのうち、今回の発注依頼に対応する管理番号の外部用ステータスフィールドを「脂肪受取」に更新する。進捗ステータスを「脂肪受取」にすることで、クライアント側(発注側)は、加工側制御装置200にアクセスして進捗ステータスを確認することで、採取した脂肪組織が加工側(受注側)に届けられたことを知得することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、脂肪組織が加工側(受注側)に届けられた受取り日時を入力し(ステップRS715)、クライアントデータに含まれている採取日時を読み出す(ステップRS717)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、受取り日時と採取日時との差から輸送時間を算出しHDDに記憶する(ステップRS719)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、輸送時間が2日未満であるか否かを判断する(ステップRS721)。なお、輸送時間を判断する期間は、2日に限らず、脂肪組織を採取した部位や加工内容などのその他の条件に応じて適宜に定めることができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS721の判断処理で、輸送時間が、所定期間未満、例えば、2日未満であると判別したときには(YES)、加工内容や脂肪組織の量などに応じて受注用バーコードを印刷する枚数を決定する(ステップRS723)。このステップRS723の処理で印刷する受注用バーコードは、加工を要する場合には、加工時に用いる加工用容器に貼付されたり、加工を要しない場合には、保存用容器に貼付されたりする。
このようにすることで、加工用容器や保存用容器も加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理することができる。すなわち、クライアント側(発注側)からの発注の依頼の段階で生成した加工依頼識別情報(受注用バーコード)(図3のステップRS305)を加工の段階や保存の段階まで共通して使用し、互いに異なる工程に亘って加工依頼識別情報(受注用バーコード)を共通して使用することで、複数の工程の各々で、取り扱いなど人為的なミスを未然に防止することができる。受注用バーコードを印刷する枚数は、加工用容器の数や、保存用容器の数に対応し、必要な容器の数に応じて過不足なく受注用バーコードを印刷することができる。
前述したように、本実施の形態では、加工内容は、加工依頼識別情報の先頭の2文字によって特定することができる。前述したように、加工依頼識別情報の先頭の2文字は、「FB」や「SC」などであり、この文字列によって、受注用バーコードを印刷する枚数を決定することができる。具体的には、採取された脂肪組織を洗浄して脂肪組織から脂肪幹細胞を培養し脂肪幹細胞を保存する場合には、加工依頼識別情報の先頭の2文字は、「SC」が割り当てられ、脂肪組織を洗浄して保存する場合には、加工依頼識別情報の先頭の2文字は、「FB」が割り当てられる。また、加工用容器や保存用容器の容量と、脂肪組織の量との関係によっても、受注用バーコードを印刷する枚数を決定することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS723の処理で決定された枚数の受注用バーコードを印刷する(ステップRS725)。受注用バーコードは、ラベルプリンターなどで、ラベルシールに印刷される。1枚のラベルシールに1つ分の受注用バーコードを印刷する(図9参照)。受注用バーコードを印刷する枚数とは、ラベルシールの枚数であり、このようにすることで、加工用容器や保存用容器の各々に1つ分の受注用バーコードが印刷された1枚のラベルシールを貼付することができる。加工用容器や保存用容器の各々に、受注用バーコードを対応付けることができ、加工用容器や保存用容器を的確に管理することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、脂肪組織が加工用容器に移され、加工が開始されると、進捗ステータスを「加工中」に更新し(ステップRS727)、本サブルーチンを終了する。
加工側制御装置200のCPUは、前述したステップRS721の判断処理で、輸送時間が2日以上であると判別したときには(NO)、採取から経過した時間が長く、不適切な状態になっている可能性がある旨をディスプレイ(図示せず)に表示し(ステップRS729)、不適切な状態になっている可能性がある旨をHDDに記憶する(ステップRS731)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、不適切な状態になっている可能性がある旨をメールなどでクライアント側(発注側)に連絡し(ステップRS733)、本サブルーチンを終了する。なお、クライアント側(発注側)に試料が不適切である旨を連絡できるものであれば、メールだけでなく、電話やFAXや郵送など他の通信手段でもよく、電話やFAXの発信処理や郵送物の印刷処理などを実行するようにしてもよい。
加工側制御装置200のCPUは、前述したステップRS707の判断処理で識別データと加工依頼識別情報とが一致しないと判別した場合には(NO)、進捗ステータスが「注文確認」となっている加工依頼識別情報の全てを検索したか否かを判断する(ステップRS735)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS735の判断処理で、全てを検索していないと判別した場合には(NO)、ステップRS705に処理を戻し、検索を続行する。一方、全てを検索したと判別した場合には(YES)、対応する加工依頼識別情報が存在しない旨をディスレプイに表示し(ステップRS737)、本サブルーチンを終了する。対応する加工依頼識別情報が存在しない場合は、例えば、他の脂肪組織の進捗ステータスを変更する際に、誤って、今回受領した脂肪組織の進捗ステータスを変更してしまっていた場合などがあり、人為的なミスがあっても迅速に相互に発見することができ、ミスが広がることを未然に防止することができる。
<<加工後処理>>
加工処理が完了したときには、加工処理によって得られた脂肪幹細胞の量を測定し、その値(加工量)を図13(e)に示す加工テーブルに記憶させる。図13(e)に示す加工テーブルは、管理番号フィールド、加工量フィールドからなるテーブルである。図13(e)に示す加工テーブルの加工量フィールドのうち、今回の発注依頼に対応する管理番号の加工量フィールドに、測定で得られた加工量を記憶させる。この図13(e)に示す加工テーブルによって、加工処理で得られた脂肪幹細胞の量を一義的に管理することができる。
また、加工処理が完了したときには、図14(a)に示す脂肪テーブルに更新する。図14(a)に示す脂肪テーブルは、脂肪識別番号フィールド、ドナー識別情報フィールド、クリニック識別情報フィールド、管理番号フィールドからなるテーブルである。加工処理が完了したときには、加工で得られた脂肪幹細胞を識別するための脂肪識別番号を生成する。脂肪識別番号を生成したときには、図14(a)に示す脂肪テーブルの脂肪識別番号フィールドには、生成した脂肪識別番号が記憶され、ドナー識別情報フィールドには、脂肪幹細胞の元になった脂肪組織のドナーを識別するドナー識別情報が記憶され、クリニック識別情報フィールドには、依頼したクリニックを識別するクリニック識別情報が記憶され、管理番号フィールドには、今回の発注依頼に対応する管理番号が記憶される。この脂肪テーブルによって、脂肪識別番号と、ドナー識別情報と、クリニック識別情報と、管理番号との対応関係を形成することができる。
<<保存処理>>
図12は、加工側(受注側)の加工側制御装置200で実行される保存処理を示すフローチャートである。この処理は、加工側(受注側)で加工が完了したことを契機にして実行される処理である。
最初に、加工側制御装置200のCPUは、加工のときに使われていた加工用容器に貼付されていた受注用バーコードを、バーコードリーダによって読み取る(ステップRS1201)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、読み取った受注用バーコードを識別データに変換する(ステップRS1203)。次に、加工側制御装置200のCPUは、進捗ステータスが「加工中」となっている加工依頼識別情報を読み出す(ステップRS1205)。進捗ステータスが「加工中」となっている加工依頼識別情報は、加工側制御装置200のHDDなどに記憶されている。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1203の処理で変換した識別データと、ステップRS1205の処理で読み出した加工依頼識別情報とが一致するか否かを判断する(ステップRS1207)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1207の判断処理で識別データと加工依頼識別情報とが一致すると判別した場合には(YES)、加工依頼識別情報に対応するクライアントデータを読み出し(ステップRS1209)、読み出したクライアントデータを加工側制御装置200のディスレプイ(図示せず)に表示する(ステップRS1211)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、加工処理が成功したか否かを判断する(ステップRS1213)。例えば、加工によって全く脂肪幹細胞ができなかった場合や、不十分な量の脂肪幹細胞しかできなかった場合などがある。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1213の判断処理で、加工処理が成功したと判別した場合には、加工テーブル(図13(e)参照)から、管理番号に対応する加工量を加工量フィールドから読み出す(ステップRS1215)。前述したように、加工が完了した後の加工後処理で、脂肪幹細胞の量が測定され、加工量として加工テーブル(図13(e)参照)に記憶されている。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1215の処理で読み出した加工量に応じて受注用バーコードを印刷する枚数を決定する(ステップRS1217)。受注用バーコードは、加工処理で得られた脂肪幹細胞を保存するための保存用容器に貼付するために用いられる。
このようにすることで、前述した加工用容器のみならず、保存用容器も加工依頼識別情報(受注用バーコード)によって管理することができる。すなわち、クライアント側(発注側)からの発注の依頼の段階で生成した加工依頼識別情報(受注用バーコード)(図3のステップRS305)を保存の段階まで共通して使用し、互いに異なる工程に亘って加工依頼識別情報(受注用バーコード)を共通して使用することで、複数の工程の各々で、取り扱いなど人為的なミスを未然に防止することができる。受注用バーコードを印刷する枚数は、保存用容器の数に対応し、必要な容器の数に応じて過不足なく受注用バーコードを印刷することができる。保存用容器の容量と加工量との関係によっても、受注用バーコードを印刷する枚数を決定することができる。
前述したように、加工内容は、加工依頼識別情報の先頭の2文字によって特定でき、この先頭の2文字によって、受注用バーコードを印刷する枚数を決定することができる。また、加工用容器の容量と加工量との関係によって、受注用バーコードを印刷する枚数を決定することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1217の処理で決定された枚数の受注用バーコードを印刷する(ステップRS1219)。加工用容器の処理と同様に、受注用バーコードは、ラベルプリンターなどで、ラベルシールに印刷される。1枚のラベルシールに1つ分の受注用バーコードを印刷する(図9参照)。受注用バーコードを印刷する枚数とは、ラベルシールの枚数であり、このようにすることで、保存用容器の各々に1つ分の受注用バーコードが印刷された1枚のラベルシールを貼付することができる。保存用容器の各々に、受注用バーコードを対応付けることができ、保存用容器を的確に管理することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、脂肪幹細胞が保存用容器に移され、保存が開始されると、進捗ステータスを「保存中」に更新し(ステップRS1221)、本サブルーチンを終了する。
加工側制御装置200のCPUは、前述したステップRS1213の判断処理で、加工が成功していないと判別したときには(NO)、十分に加工できなかった旨をディスプレイ(図示せず)に表示し(ステップRS1223)、十分に加工できなかった旨をHDDに記憶する(ステップRS1225)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、十分に加工できなかった旨をメールなどでクライアント側(発注側)に連絡し(ステップRS1227)、本サブルーチンを終了する。なお、クライアント側(発注側)に十分に加工できなかった旨を連絡できるものであれば、メールだけでなく、電話やFAXや郵送など他の通信手段でもよく、電話やFAXの発信処理や郵送物の印刷処理などを実行するようにしてもよい。
加工側制御装置200のCPUは、前述したステップRS1207の判断処理で識別データと加工依頼識別情報とが一致しないと判別した場合には(NO)、進捗ステータスが「加工中」となっている加工依頼識別情報の全てを検索したか否かを判断する(ステップRS1229)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1229の判断処理で、全てを検索していないと判別した場合には(NO)、ステップRS1205に処理を戻し、検索を続行する。一方、全てを検索したと判別した場合には(YES)、対応する加工依頼識別情報が存在しない旨をディスレプイに表示し(ステップRS1231)、本サブルーチンを終了する。対応する加工依頼識別情報が存在しない場合は、例えば、加工用容器の受注用バーコードを的確に読み取っていない場合などがあり、読み取りミスなどがあっても迅速に相互に発見することができ、ミスが広がることを未然に防止することができる。
このように、保存前の脂肪幹細胞の量に応じてラベルシールの印刷枚数を決定するようにすることで、加工によって量が変化する場合にも対応でき、必要な保存用容器の数に応じた枚数を印刷することができる。
<脂肪管理画面>
図8は、クライアント側端末装置110のディスプレイに表示される脂肪管理画面の例を示す図である。脂肪管理画面は、検索条件を入力する領域と、検索結果を表示する領域とからなる。脂肪管理画面は、各々のクライアント側(発注側)のディスプレイに表示することができ、クライアント側(発注側)が発注した件に関して検索し、その検索条件に一致したものに表示される。このようにすることで、クライアント側(発注側)が発注を依頼した脂肪組織の進捗ステータス(進捗状態)をクライアント側(発注側)が知得することができる。
検索項目は、加工依頼識別情報、カルテ番号、氏名、進捗ステータス、保存期間などがあり、これらを入力することで、検索条件を決定することができる。決定された検索条件と一致するものが表示される。検索結果として、加工依頼識別情報、カルテ番号、氏名、進捗ステータス、保存期間などの項目が表示される。さらに、「詳細」、「発注」、「履歴」などの選択ボタンも表示され、「詳細」ボタンの操作によって、各々の詳細情報(クライアントデータなど)を表示したり、「発注」ボタンの操作によって、納品を加工側(受注側)に指示したり、「履歴」ボタンの操作によって、過去の納品履歴を表示させたりすることができる。
進捗ステータス(進捗状態)には、注文受付、注文確認、脂肪受取、加工中、保存中などがある。「注文受付」は、採取した脂肪組織について、最初に、クライアント側(発注側)から加工側(受注側)にアクセスして、発注を依頼しクライアントデータが生成されてクライアント側(発注側)されたときの状態である。「注文確認」は、加工側(受注側)が、発注内容を改めて確認したときの状態である。「脂肪受取」は、クライアント側(発注側)で採取された脂肪組織が加工側(受注側)に届いたときの状態である。「加工中」は、脂肪組織を加工しているときの状態である。「保存中」は、加工が終了して得られて加工品(脂肪幹細胞など)を保存しているときの状態である。
<品質報告書>
前述した脂肪管理画面の「詳細」ボタンは、加工が終了して、進捗ステータスが「保存中」となったときに操作可能となる。クライアント側(発注側)が、脂肪管理画面の「詳細」ボタンを操作することで、図10に示すような品質報告書をクライアント側端末装置110のディスプレイに表示することができる。品質報告書も、例えば、PDF(Portable Document Format)形式などにすることができる。クライアント側(発注側)は、品質報告書を表示したりダウンロードしたりすることができる。クライアント側(発注側)は、品質報告書を視認することで、クライアントデータの内容を確認することができるとともに、「脂肪サイズの欄」によって、脂肪幹細胞が保管されている保存用容器の本数を知得することができる。また、品質報告書には、加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードも表示される。
<納品及び納品報告書>
前述した脂肪管理画面の「発注」ボタンによって、納品を加工側(受注側)に指示することができる。クライアント側端末装置110のキーボードなどで、脂肪管理画面の「発注」ボタンを操作し、納品を希望する保存用容器の本数を指定することで、納品される保存用容器の本数を決定することができる。前述した品質報告書の「脂肪サイズの欄」に、脂肪幹細胞が保管されている保存用容器の本数が表示されている。この「脂肪サイズの欄」に表示されている保存用容器の本数が、納品可能な最大の本数である。
前述したように、クライアント側端末装置110のキーボードなどで、脂肪管理画面の「発注」ボタンが操作されたことを契機にして、納品の依頼を示す納品依頼識別情報が生成され、図13(a)の基本テーブルの依頼識別情報フィールドに納品依頼識別情報が記憶される。
納品は、クライアント側(発注側)が指定した本数の保存用容器と、納品報告書とが同梱されて、クライアント側(発注側)に届けられる。クライアント側(発注側)には、郵送や、運送業や配送業者などによる輸送によって保存用容器及び納品報告書が届けられる。図11は、納品報告書の例を示す図である。納品報告書も、例えば、PDF(Portable Document Format)形式などにすることができる。納品報告書には、クライアントデータの内容のほか、納品された保存用容器の本数や、納品依頼識別情報に対応する納品用バーコードや、加工依頼識別情報に対応する受注用バーコード(例えば、FB170616001)が印刷されている。納品報告書に加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードを印刷することで、納品する保存用容器に貼付されている受注用バーコードと納品報告書の受注用バーコードと読み取り比較することで、クライアント側(発注側)から指定されたものを納品するか否かを判断することができる。また、納品依頼識別情報に対応する納品用バーコードと、加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードとを納品報告書に印刷することで、加工の依頼と納品の依頼との対応を納品報告書に明確に示すことで、ミスが生じた場合でも迅速にかつ容易にミスを発見することができる。
なお、納品依頼識別情報に対応する納品用バーコード(例えば、LD170714005)は、脂肪管理画面の「発注」ボタンが操作されたときに生成され、加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードとは異なるバーコードである。加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードが同じでも、納品が複数回に分かれる場合もあり、複数回の納品毎に納品依頼識別情報に対応する納品用バーコードを生成することで、納品処理を区別することができ、指定されたものを的確に納品することができる。
<受注用バーコードの印刷のタイミング>
本実施の形態では、加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードが生成されるタイミングは、複数である。まず、クライアントデータがクライアント側(発注側)から加工側(受注側)に送付されたときに、オーダーシートデータが生成されるとともに受注用バーコードが生成される。なお、この場合には、オーダーシートデータがクライアント側(発注側)に送付されて、オーダーシートが、クライアント側(発注側)で印刷されるときに、受注用バーコードもオーダーシート内で印刷される。
次に、脂肪組織がクライアント側(発注側)から加工側(受注側)に届けられたときに、加工時に用いる加工用容器に貼付するために、ラベルシールに受注用バーコードが印刷される。このとき、加工を要する場合には、脂肪組織の量と加工用容器の量とに応じた枚数(加工用容器の数)のラベルシールに受注用バーコードが印刷される。さらに、加工を要しない場合には、この時点で、直ちに保存用容器に貼付するために、ラベルシールに受注用バーコードが印刷される。このとき、脂肪組織の量と保存用容器の量とに応じた枚数(保存用容器の数)のラベルシールに受注用バーコードが印刷される。
さらに、脂肪組織から脂肪幹細胞に加工した場合には、加工によって得られた脂肪幹細胞の量と保存用容器の量とに応じた枚数(保存用容器の数)のラベルシールに受注用バーコードが印刷される。
<データ解析用テーブル>
図15は、データ解析用テーブルの例を示す図である。図15は、加工側(受注側)が、クライアント側(発注側)から受領した脂肪組織を特徴づけることができるパラメータの一覧及びこれらの値や情報(結果)を示す表である。パラメータは、以下の31種類である。
1)性別、2)生年月日、3)国籍、4)脂肪採取日時、5)脂肪採取部位(ドナーの身体の部位)、6)脂肪採取方法、7)喫煙の有無、8)飲酒習慣、9)人種幹細胞の性能(培養速度)、10)幹細胞の性能(活性度)、11)身長、12)体重、13)BMI、14)年収、15)配偶者の有無、16)家族構成、17)体脂肪率(%)、18)内臓脂肪レベル、19)筋肉量(%)、20)培養幹細胞の表面マーカー、21)培養幹細胞の分化能(脂肪、軟骨)、22)既往歴、23)運動習慣、24)職種、25)IQ、26)出身地、27)骨密度、28)細胞形態、29)睡眠時間、30)睡眠時間帯、31)食嗜好性
これらのパラメータの値や情報(結果)を蓄積することで、これらのパラメータの関係(相関関係やパラメータを関連付ける関係式の係数など)を決定することができる。関係式は、一次式でも多項式でも、複数の式でもよい。特に、相関関係や関係式の係数は、9)人種幹細胞の性能(培養速度)、10)幹細胞の性能(活性度)、21)培養幹細胞の分化能(脂肪、軟骨)を予測可能に算出できるものが好ましい。これらの9)人種幹細胞の性能(培養速度)、10)幹細胞の性能(活性度)、21)培養幹細胞の分化能(脂肪、軟骨)を予測できるようにすることで、加工(培養)に要する時間や、生成される脂肪幹細胞の数などを予測することができ、生産スケジュールを詳細に立てることで生産管理を容易にすることができる。
また、1)性別、2)生年月日、5)脂肪採取部位などが、9)人種幹細胞の性能(培養速度)、10)幹細胞の性能(活性度)、21)培養幹細胞の分化能(脂肪、軟骨)に影響する関係を導くことで、脂肪組織を採取する条件も詳細に決定することができる。
さらに、前述したパラメータだけでなく、輸送の際に使用した溶液の種類も含めてもよい。また、これらのパラメータの全てを用いずに影響の大きい数種類のパラメータのみで、相関関係や関係式の係数を定めてもよい。性別や年齢などのドナーに固有な情報、部位、採取量、溶液、溶液量などの採取に固有な情報、輸送時間などの輸送に固有な情報、加工前量や加工後量や加工方法や加工装置などの加工に関する情報などについて、様々な情報を用いることができる。さらに、病院やクリニックなどのクライアント側(発注側)に関する情報を加えて、9)人種幹細胞の性能(培養速度)、10)幹細胞の性能(活性度)、21)培養幹細胞の分化能(脂肪、軟骨)を予測する経験式を構成してもよい。
<<進捗ステータス>>
前述したように、進捗ステータスは、本実施の形態の加工受発注システムにおける進捗状態(工程)を示す情報であり、注文受付、注文確認、脂肪受取、加工中、保存中などがある。進捗ステータスは、例えば、図13(c)に示す外部用ステータステーブルに記憶される。
外部用ステータステーブルに記憶されている進捗ステータスは、クライアント側(発注側)からの要求に応じて、外部用ステータステーブルから読み出され通信ネットワーク100を介してクライアント側端末装置110に送信されることができる。クライアント側(発注側)は、クライアント側端末装置110の表示装置(図示せず)などに進捗ステータスを表示することで、現在の進捗状態を確認することができる。
外部用ステータステーブルに記憶されている進捗ステータスは、クライアント側(発注側)が知得できるものであるが、クライアント側(発注側)には提供せず加工側(受注側)のみで管理する内部用の進捗ステータスを設けてもよい。例えば、内部用の進捗ステータスは、例えば、図13(d)に示す内部用ステータステーブルに記憶される。内部用の進捗ステータスは、外部用の進捗ステータスよりも詳細に分類され、加工側(受注側)の工程管理や品質管理などに用いることができる。なお、内部用の進捗ステータスの一部を外部用の進捗ステータスと対応付けたり共用したりすることで、内部用の進捗ステータスの更新に応じて、外部用の進捗ステータスも更新することができ、進捗ステータスの管理を容易にすることができる。
加工側(受注側)で用いる内部用の進捗ステータスを詳細にすることで、脂肪組織や脂肪幹細胞などの工程管理や品質管理などを的確に図ったり効率化の見直しに用いたりすることができる。また、クライアント側(発注側)には、一部のみの進捗ステータスを用いることにより、クライアント側(発注側)への報告が煩雑になることを防止し、クライアント側(発注側)にとって必要な情報のみを提供することができる。
例えば、加工側(受注側)で用いる内部用の進捗ステータスとして、「Web受付」や、「検査中」、「検査結果待ち」や、「受取後トラブル(破損)」、「レポート発行済」、「注文のキャンセル」、「全部保管中」、「一部保管中」、「全部出荷済」、「破棄」、「輸送トラブル」などにすることができる。前述したように、内部用の進捗ステータスは、図13(d)に示す内部用ステータステーブルに記憶される。
<<<<保存管理システム>>>
図16は、本実施の形態の保存管理システムの構成を示す概略図である。本保存管理システムは、保管タンク300と保管ラック310と保管ボックス320と保存用容器330 とを有する。
<<保存用容器330>>
保存用容器330は、前述した保存用容器であり、脂肪組織や培養された脂肪幹細胞を収容するための容器である。保存用容器330は、全体として、長尺な略円筒状の形状を有し、後述する保管ボックス320のセル326に保存用容器330を挿し立てた状態で、保管ボックス320に格納することができる。
保存用容器330は、容器本体332とキャップ334とからなる。容器本体332及びキャップ334は、脂肪組織や培養された脂肪幹細胞の保存に適した樹脂などからなり、特に低温度での耐久性などに優れている。容器本体332は、上端に開口(図示せず)が形成され、開口を介して脂肪組織や培養された脂肪幹細胞を容器本体332に収容することができる。容器本体332は、長尺な略円筒状の形状を有し、半透明な素材で構成され、収容されている脂肪組織や培養された脂肪幹細胞の量や状態を外から視認することができる。
<キャップ334>
キャップ334は、容器本体332に着脱可能に形成されており、キャップ334を容器本体332に螺着することで保存用容器330を封止することができる。キャップ334は、プラスチックなどの非透明な樹脂で構成されている。特に、本実施の形態では、キャップ334は、「白」、「青」、「緑」、「黄」、「赤」の5色のいずれかの色が付され、いずれかの色を選択することができる。なお、キャップ334を構成する樹脂自体に色が付されている場合の他に、色が付されたシールなどをキャップ334に貼付するようにして、キャップ334に色を付してもよい。
例えば、前述したクライアント側(発注側)から依頼された注文受注に対応させてキャップ334の色を決定することができる。例えば、一の注文受注に対応して一の色を決定する。前述したステップRS305の加工依頼識別情報を生成する処理とともに、「白」、「青」、「緑」、「黄」、「赤」のうちのいずれかの色を選択する処理を実行することで、一の注文受注に応じた一の色を決定することができる。
このようにすることで、クライアント側(発注側)からの一の注文受注で受領した脂肪組織について、複数の保存用容器330を用いて保存するような場合でも、これらの複数の保存用容器330を一の色のキャップ334で統一することで、一の注文受注の脂肪組織を1つのグループとして管理することができる。なお、以下では、キャップ334の色を、簡便のために、保存用容器330の色と称したり、セル326の色と称したりする場合もある。
また、前述した例では、一の注文受注に対応して一の色を決定する場合を示したが、複数の保存用容器330に収容される脂肪組織や培養された脂肪幹細胞や、加工処理の内容など、複数の保存用容器330に共通する特徴によってグループ化し、グループに応じて一の色を決定すればよい。一のグループに属する保存用容器330であることを色によって視認可能にできればよい。
<<保管ボックス320>>
保管ボックス320は、保存用容器330を格納するための容器である。保管ボックス320は、略直方体状の形状を有し、本体部322と蓋体部324とを有する。
図18は、本体部322の外観を示す平面図である。本体部322には、9行9列で合計81個のセル326(収容部)が形成されている。セル326は、上側に開口を有し長尺な略四角柱状の収容領域を有する。1個の保存用容器330を1つの収容領域に開口から挿し込むことでセル326に収容することができる。なお、セル326の具体的な構造は、保存用容器330を安定的に保持することができ、かつ、熱伝導や熱伝達が良好なものであればよい。
蓋体部324は、本体部322の上面の全面を覆うための蓋である。蓋体部324によって本体部322の上面を覆うことで、セル326に収容されている保存用容器330が離脱したり抜け出たりしないようにでき、保存用容器330を保管ボックス320に安定的に格納することができる。
また、蓋体部324は、透明な材料によって構成されており、セル326に収容されている保存用容器330のキャップ334の色を容易に視認することができる。キャップ334の色については、後述する。
前述したように、保存用容器330は、容器本体332とキャップ334とからなり、容器本体332にキャップ334を螺着することで、容器本体332を封止することができる。保存用容器330は、容器本体332にキャップ334を螺着した状態で、保管ボックス320の本体部322のセル326に挿し込まれ保管ボックス320に格納される。保存用容器330が保管ボックス320に格納された状態では、キャップ334は、容器本体332よりも上側に位置し、使用者は、透明な蓋体部324を介して、キャップ334の色を容易に視認することができる。
また、前述したように、キャップ334の色は、「白」、「青」、「緑」、「黄」、「赤」の5色のうちのいずれかの色が選択される。共通する特徴を有する複数の保存用容器330をグループ化し、一のグループに属する保存用容器330に対して一の色を割り当てることで、キャップ334の色によって、一のグループに属する保存用容器330であることを視認することができる。81個のセル326の多くに保存用容器330が格納された状態であっても、キャップ334の色の並び(配列の態様)によって、一のグループに属する保存用容器330と、他のグループに属する保存用容器330とを容易に判別することができる。
<保管ボックス番号>
本保存管理システムで使用する保管ボックス320には、保管ボックス番号が連番となるように割り当てている。例えば、ボックス1〜ボックス36の保管ボックス番号が、保管ボックス320に割り当てられている(図17参照)。本保存管理システムでは、保管ボックス番号は、互いに重複しないように(互いに異なるように)割り当てられており、一の保管ボックス番号を定めることで、一の保管ボックス320を指定することができる。
<セル番号>
前述したように、保管ボックス320の各々には、9行9列の合計で81個のセル326が形成されている。これらの81個のセル326に対して、セル番号が連番となるように割り当てている。図18に示した数値は、セル326の各々に割り当てられたセル番号である。保管ボックス320の各々に形成されているセルのセル番号は1〜81であり、互いに重複しないように(互いに異なるように)割り当てられており、一のセル番号を定めることで、一のセル326を指定することができる。
<保管ボックス番号及びセル番号>
前述したように、本保存管理システムでは、保管ボックス番号及びセル番号が規定されている。一の保管ボックス番号と一のセル番号との双方を定めることによって、一の保管ボックス320を指定し、さらに、その一の保管ボックス320における一のセル326を指定することができ、一の保管ボックス番号及び一のセル番号によって、保存用容器330を格納したり取り出したりすべき保管ボックス320及びセル326を特定することができる。
一の保管ボックス320に形成するセル326の数は、81個に限られず、保管ボックス320の大きさや保存用容器330の大きさなどによって、適宜に決定することができる。
<<保管ラック310>>
保管ラック310は、保管ボックス320を格納するためのラックである。保管ラック310は、アルミやステンレスなどの金属によって構成され、伝熱性、耐久性、耐錆性などに優れている。
本保存管理システムでは、図16及び図17に示すように、保管ラック310は、縦方向に沿って11段の格納領域が形成されている。1つの格納領域に1つの保管ボックス320を格納することができ、1つの保管ラック310に9つの保管ボックス320を格納することができる。保管ボックス320は、保管ラック310の前面側から格納領域に挿し込んで格納することができる。格納領域の各々には、ストッパー(図示せず)が設けられており、格納領域に格納された保管ボックス320が離脱したり抜け出たりしないように保持することができる。さらに、保管ラック310の前側には、長尺な抑止体(図示せず)が着脱可能に設けることができる。抑止体は、保管ラック310の最下段から最上段に至るまで配置され、格納領域に格納された保管ボックス320が離脱したり抜け出たりしないように抑止することができる。
なお、本保存管理システムでは、保管ラック310の最下段(第1段)の格納領域と、最下段の1つ上の第2段の格納領域との下側の2つの格納領域は、使用しない。後述するように、保管タンク300には、液体窒素が注入され、保管タンク300の内部を所望する低温状態にする。液体窒素は、保管タンク300の底部に貯留された状態となり、保管ラック310の下側の2つの格納領域は、保管ボックス320を格納せずに、液体窒素を貯留するための領域として確保している。
<保管ラック番号>
本保存管理システムで使用する保管ラック310には、保管ラック番号が連番となるように割り当てている。例えば、ラック1〜ラック4の保管ラック番号が、保管ラック310に割り当てられている(図17参照)。本保存管理システムでは、保管ラック番号は、互いに重複しないように(互いに異なるように)割り当てられており、一の保管ラック番号を定めることで、一の保管ラック310を指定することができる。
図17に示すように、本保存管理システムでは、保管ラック番号がラック1の保管ラック310には、保管ボックス番号がボックス1〜ボックス9の保管ボックス320が格納され、保管ラック番号がラック2の保管ラック310には、保管ボックス番号がボックス10〜ボックス18の保管ボックス320が格納され、保管ラック番号がラック3の保管ラック310には、保管ボックス番号がボックス19〜ボックス27の保管ボックス320が格納され、保管ラック番号がラック4の保管ラック310には、保管ボックス番号がボックス28〜ボックス36の保管ボックス320が格納されるように規定している。このように、全ての保管ラック310に亘って、保管ボックス番号が互いに重複しないように規定されており、保管ボックス番号を定めれば、保管ラック310の保管ラック番号と、その保管ラック310における格納領域(段数)とを決定することができる。例えば、保管ボックス番号が14の保管ボックス320は、保管ラック番号がラック2の保管ラック310の第7段の格納領域を指定することができる(図17参照)。
<<保管タンク300>>
保管タンク300は、保存用容器330に収容された脂肪組織や培養された脂肪幹細胞を所望する温度で保管するためのタンクである。保管タンク300は、本体部302と蓋体部304とを有し、本体部302及び蓋体部304の内部には、断熱材が設けられており、蓋体部304を閉じた状態にすることで、保管タンク300の内部を所望する温度に維持することができる。特に、保管タンク300に液体窒素を注入することで、所定の低温度に維持することができる。なお、冷蔵機能・冷凍機能を有するタンクを用いてもよい。冷蔵機能・冷凍機能によって、保管タンク300の内部の温度を一定に制御することができる。
本保存管理システムでは、本体部302の内部には、最大で4つの保管ラック310を内部に格納することができる。保管タンク300は、本体部302に対して開閉可能な蓋体部304を上部に有し、最大で4つの保管ラック310を内部に格納することができる。蓋体部304を開くことで、保管ラック310を取り出したり格納したりすることができる。また、蓋体部304を閉じることで封止状態が形成されて、低温状態を維持することができる。
なお、保管タンク300が複数ある場合においても、複数の保管タンク300に亘って、保管ボックス320の保管ボックス番号が、互いに重複しないように割り当てることで、保管タンク300の番号を定めることなく、保管タンク300を指定することができる。例えば、第1の保管タンク300に格納する保管ボックス320の保管ボックス番号をボックス1〜ボックス36にし、第2の保管タンク300に格納する保管ボックス320の保管ボックス番号をボックス37〜ボックス72にすることで、保管ボックス番号がボックス1以上かつボックス36以下であれば、第1の保管タンク300に格納すべき保管ボックス320であると判別し、保管ボックス番号がボックス37以上かつボックス72以下であれば、第2の保管タンク300に格納すべき保管ボックス320であると判別することができる。
<<保管タンク300、保管ラック310、保管ボックス320、保存用容器330の管理>>
前述したように、本実施の形態の保存管理システムでは、保管ボックス番号及びセル番号を規定している。本保存管理システムで使用する保管ボックスに対して、複数の保管タンク300や複数の保管ラック310に亘って、保管ボックス番号が互いに重複しないように割り当てられている。また、セル番号は、一の保管ボックスにおいて、互いに重複しないように割り当てられている。このように規定することで、保管ボックス番号及びセル番号のみで、保管タンク300や保管ラック310についても指定することできる。
<<加工側制御装置200>>
保存管理システムは、さらに、前述した加工側制御装置200(図2参照)を有する。加工側制御装置200は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置、サーバなど、各種の演算処理及びデータ処理などが実行可能な装置である。加工側制御装置200は、主に、後述する空き領域検出処理や選択候補セル326の表示処理などの保存管理システム処理を実行する。
<<<保存管理システム処理>>>
保存管理システム処理は、主に、空き領域検出処理や選択候補セル326の表示処理などからなる。
<空き領域検出処理の概要>
空き領域検出処理は、少なくとも1個の保存用容器330を一の保管ボックス320に新たに格納するためのセル326を検出(検索)するための処理である。なお、空き領域検出処理によって、少なくとも1本の保存用容器330を一の保管ボックス320に配置することできるセル326を検出(検索)し、選択候補セル326の表示処理によって、検出(検索)されたセル326を、使用者が選択するための候補のセル326(選択候補セル)として提示(表示)する。
保管ボックス320内で新たに配置する保存用容器330の数は、1個でも複数個でもよい。特に、複数個の場合には、空き領域検出処理は、複数の保存用容器330を一の保管ボックス320内で新たに連続的に配置できるセル326を検出(検索)するための処理である。ここで、連続的とは、セル番号が連続することであり、特に、一の保管ボックス320におけるセル番号が連続することである。
言い換えれば、空き領域検出処理は、一の保管ボックス320内において、少なくとも1つのセル326であって保存用容器330が未だ収容されていない未収容のセル(以下、未収容セル又は空きセルと称する。)を検出するための処理である。複数個の保存用容器330を保管ボックス320に新たに配置する場合には、空き領域検出処理は、一の保管ボックス320内において、セル番号が連続した複数の未収容セル(空きセル)を検出する処理である。セル番号が連続した複数の未収容セルに保存用容器330を新たに配置(収容)することで、1つのグループに属する複数の保存用容器330の全体を一括(一まとめに)して配置し、管理を容易にすることができる。
前述したように、保存用容器330が未だ収容されていない未収容のセル326を、未収容セル又は空きセルと称する。また、保存用容器330が既に収容されている収容済みのセル326を、収容済セル又は占有セル326と称する。
さらに、既に保管ボックス320に保存用容器330が配置されている状態で、新たに保管ボックス320に保存用容器330を配置する場合に、既に配置されている保存用容器330と、新たに配置する保存用容器330とを互いに識別(視認容易)できるように配置するのが好ましい。加えて、このような場合においても、前述したように保存用容器330を連続的に配置することで、保存用容器330をなるべく密になるように配置し、保管ボックス320の各々の未収容セルの数がなるべく少なくなるようにし、保管ボックス320を効率よく使用できるようにするのが好ましい。
前述したように、本保存管理システムでは、キャップ334の色によって、1つのグループに属する保存用容器330として管理する。しかしながら、一のグループに属する保存用容器330の色が、既に保管ボックス320に配置されている他のグループに属する保存用容器330の色と同じ(例えば、赤色)である場合に、他のグループに属する保存用容器330に続けて(連続して)、一のグループに属する保存用容器330を配置すると、同じ色が連続して配置されることになり、一のグループに属する保存用容器330と、他のグループに属する保存用容器330との境界を判別するこが困難になり、一のグループと他のグループとを容易に視認することが困難になる。したがって、一のグループに属する保存用容器330が、他のグループに属する保存用容器330と同じ色で連続しないように、一のグループに属する保存用容器330を保管ボックス320に配置する必要がある。
このような観点から、一のグループに属する複数の保存用容器330は、同じ色で互いに連続して配置させ、他のグループに属する複数の保存用容器330は、一のグループの色とは異なる色で互いに連続して配置させ、さらに、一のグループに属する保存用容器330の先頭を、他のグループに属する保存用容器330の後尾に隣接させて保管ボックス320に配置する。
すなわち、まず、保存用容器330において、一のグループに属する保存用容器330を、一の色を使ってセル番号が連続するように配置する。次に、この一のグループの最大のセル番号(後尾のセル326)に、他のグループの最小のセル番号(先頭のセル326)が隣接するようにして、他のグループに属する保存用容器330を、一の色とは異なる他の色を使ってセル番号が連続するように配置する。複数のグループに属する保存用容器330を一の保管ボックス320に配置する場合においても、保存用容器330をなるべく密となるように配置することができ、保管ボックス320内での無駄を少なくして、保管ボックス320を効率よく使用することができる。
さらに、一のグループに属する保存用容器330の色と、他のグループに属する保存用容器330の色とが、互いに異なるので、一のグループに属する保存用容器330を、他のグループに属する保存用容器330と隣接して配置しても、一のグループと他のグループとの境界を明確にすることができ、一のグループと他のグループとを容易に視認することができる。
なお、保存用容器330の本数が1本である場合には、連続した複数のセル326を確保する必要はなく、使用されていない1つの未収容セルを確保するとともに、隣り合うことになる保存用容器330の色が異なるようにすればよい。
<選択候補セル326の表示処理の概要>
前述したように、空き領域検出処理は、少なくとも1本の保存用容器330を一の保管ボックス320に配置できるセル326を検出(検索)する処理である。使用者や操作者は、空き領域検出処理によって検出されたセル326のうちのいくつかのセル326を、実際に使用するために選択する。すなわち、空き領域検出処理によって検出されたセル326は、実際に使用するセル326を使用者に選択させるためのセル326(以下、選択候補セル326と称する。)である。保存管理システム処理では、空き領域検出処理を実行した後に、選択候補セル326の表示処理を実行する。選択候補セル326の表示処理は、空き領域検出処理によって検出された選択候補セル326を使用者に視認可能に表示し、実際に保存用容器330を配置するセル326を選択候補セル326から使用者に選択させる処理である。
<<空き領域検出処理>>
図19〜図21は、空き領域検出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。空き領域検出処理は、加工側制御装置200のCPUによって、所定のタイミングで呼び出されて実行される。
最初に、加工側制御装置200のCPUは、操作者の操作によって保存用容器330の色及び本数が入力されたことを検出する(ステップRS1901)。例えば、操作者は、キーボードなど(図示せず)を操作して、保存用容器330の色及び本数を入力する。なお、前述したように、保存用容器330の色は、保存用容器330に螺着されるキャップ334の色であり、例えば、保存用容器330に収容される脂肪組織や培養された脂肪幹細胞について注文受注されたときに決定される色である。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「検出セル番号」と「検出ボックス番号」とを初期化する(ステップRS1903)。「検出ボックス番号」及び「検出セル番号」は、セル326の検出処理で用いる変数であり、後述するセル管理データベースからセル情報を読み出すときに、セル管理データベースを読み出すレコード位置を定めるための変数である。本保存管理システムでは、「検出セル番号」及び「検出ボックス番号」から一のレコード位置を決定し、一のレコード位置に対応するセル情報をセル管理データベースから読み出してセル情報を取得する。取得したセル情報から、未収容セルであるか、収容済セルであるか否かを判断することができる。
前述したステップRS1903の初期化処理は、セル情報の読み出しを開始する始点のセル番号と始点のボックス番号とを定める処理である。始点の「検出セル番号」及び始点の「検出ボックス番号」から、始点のレコード位置を決定し、始点レコード位置に対応するセル情報をセル管理データベースから読み出して検出処理を開始する。
「検出ボックス番号」の初期値として、1(ボックス1)にすることができ、「検出セル番号」の初期値として、1(セル番号1)にすることできる。この場合には、ボックス1の保管ボックス320の1番目のセル326から、未収容セルであるか、又は収容済セルであるか否かを判断していく。
なお、本保存管理システムが使用されるに従って、保管ボックス320の各々で、未収容セルが連続的に存在する領域と、収容済セルが連続的に存在する領域とが、徐々に形成され、保管ボックス320において未収容セルが連続的に存在する複数の領域が点在する状態になることも想定される。このような点在化は、保管ボックス320の使用効率を低下させ、好ましい状態ではない。
このような点在化が生じた場合に、保管ボックス320の各々で保存用容器330を格納し直すこともできる。保存用容器330を連続的に配置し直すことで、保存用容器330をなるべく密になるように配置することができ、未収容セルの数を少なくすることで、保管ボックス320を効率よく使用できる。しかしながら、複数個の保存用容器330を格納し直す作業は、人為的ミスなどを誘発する可能性が生じ、あまり好ましい作業ではない。したがって、格納し直す作業をすることなく、保存用容器330をなるべく密になるように配置するのが好ましい。
未収容セルが連続的に存在する複数の領域が点在化した場合に、まず、収容済セルが最も多い保管ボックス320(最大収容密度保管ボックス320)を探し、その最大収容密度保管ボックス320内で、セル番号が連続した複数の未収容セル(空きセル)を検出する。検出できた場合には、その最大収容密度保管ボックス320に保存用容器330を格納することで、さらに、収容済セルの数をさらに増やすことができ、保管ボックス320の使用効率を向上させることができる。
最大収容密度保管ボックス320内で、セル番号が連続した複数の未収容セル(空きセル)を検出できなかった場合には、収容済セルが次に多い保管ボックス320を探し、セル番号が連続した複数の未収容セル(空きセル)を検出する。検出できた場合には、保存用容器330を格納する。このように、収容済セルが多い保管ボックス320を順次に探して、未収容セルを探していくことができる。収容済セルが多い保管ボックス320から順に、セル番号が連続した複数の未収容セル(空きセル)を検出していくことで、保存用容器330をなるべく密な状態で格納することができ、保管ボックス320の使用効率を向上させることができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「空きセル数」の値を0にする(ステップRS1905)。「空きセル数」は、セル番号が連続する未収容セルの数を示す変数である。ステップRS1905の処理によって、「空きセル数」を初期化することができる。「空きセル数」は、未収容セルが検出される度に、後述するステップRS2001の処理で加算されていく。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「先頭空きセル確定」の値を0にする(ステップRS1907)。「先頭空きセル確定」は、少なくとも1つの未収容セルのうちの先頭のセル326(セル番号が最も小さい値のセル326)を確定することができたか否かを示すフラグである。例えば、既に保存用容器330が収容されている複数の収容済セル(セル番号が連続した収容済セル)のうちの最後尾のセル326の1つ後のセル326(セル番号の値が最後尾のセル326よりも1つ大きいセル326)が未収容セルであり、この既に収容済セルに収容されている保存用容器330の色と、新たに格納しようとしている保存用容器330の色とが異なる場合に、先頭の未収容セルを検出できたとして、「先頭空きセル確定」の値を1にする(後述するステップRS1913〜RS1927参照)。セル番号が連続する未収容セルの先頭のセル番号を確定できたときには、「先頭空きセル確定」の値を1にし、連続する未収容セルの先頭のセル番号を確定できていないときには、「先頭空きセル確定」の値を0にする。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「後尾空きセル確定」の値を0にする(ステップRS1909)。「後尾空きセル確定」は、少なくとも1つの未収容セルのうちの後尾のセル326(セル番号が最も大きい値のセル326)を確定することができたか否かを示すフラグである。なお、後述するステップRS2003〜RS2009の処理で、「後尾空きセル確定」の値を1にする。セル番号が連続する未収容セルの後尾のセル番号を確定できたときには、「後尾空きセル確定」の値を1にし、連続する未収容セルの先頭のセル番号を確定できていないときには、「後尾空きセル確定」の値を0にする。
次に、加工側制御装置200のCPUは、セル管理データベースから「検出ボックス番号」及び「検出セル番号」によって決定されるレコード位置に対応するセル情報を読み出す(ステップRS1911)。セル管理データベースは、本保存管理システムで使用する全ての保管ボックス320のセル326(全てのセル326)の各々が空いているか否かを示すセル情報を記憶するデータベースである(図25参照)。加工側制御装置200のHDD(ハードディスクドライブ)に記憶されている。
セル情報は、「未収容セル」であるか、又は「収容済セル」であるかを示す情報であり、「未収容セル」は、その時点で、保存用容器330が収容されていないセル326であり、「収容済セル」は、その時点で、保存用容器330が収容されているセル326である。さらに、「収容済セル」である場合には、そのセル326に収容されている保存用容器330の色の情報もセル情報に記憶される。保存用容器330の色は、前述したキャップ334の色であり、「白」、「青」、「緑」、「黄」、「赤」の5色のいずれかの色である。「収容済セル」である場合には、セル情報には、「収容済セル」であることと、収容されている保存用容器330に使用しているキャップ334の色の情報とが記憶される。
「検出ボックス番号」及び「検出セル番号」を定めてレコード位置を決定し、レコード位置に対応する位置のセル情報を読み出すことで、その「検出ボックス番号」の保管ボックス320における「検出セル番号」のセルが、その時点で空いているか否かの情報を取得することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1911の処理で読み出したセル情報が、「未収容セル」を示す情報であるか否かを判断する(ステップRS1913)。すなわち、「検出ボックス番号」の保管ボックス320における「検出セル番号」のセル326が、「空いている」か否かを判断する。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1913の判断処理で、セル326が「未収容セル」でないと判断した場合には(NO)、フラグ「先頭空きセル確定」の値が1であるか否かを判断する(ステップRS1915)。すなわち、既に、セル番号が連続する複数の未収容セルの先頭のセル番号が確定しているか否かを判断する。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1915の判断処理で、フラグ「先頭空きセル確定」の値が1でないと判断したときには(NO)、「検出セル番号」が最大セル番号であるか否かを判断する(図21のステップRS2101)。最大セル番号は、一の保管ボックス320における最大のセルの番号であり、図18に示した保管ボックス320の例では、最大セル番号は81である。すなわち、ステップRS2101の判断処理は、一の保管ボックス320の全てのセル326を検出したか否かを判断する処理である。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2101の判断処理で、「検出セル番号」が最大セル番号でないと判別したときには(NO)、「検出セル番号」の値を1だけ増やし(ステップRS2103)、ステップRS1911に処理を戻す。このように処理することで、一の保存用容器330において、「検出セル番号」の値を1つずつ増やしながら、未収容セルを順次に検出していくことができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2101の判断処理で、「検出セル番号」が最大セル番号であると判別したときには(YES)、「検出ボックス番号」の値を1だけ増やす(ステップRS2105)。このように処理することで、「検出ボックス番号」の値を1つずつ増やしながら、保存用容器330を順次に切り替えていくことができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「検出ボックス番号」の値が、最大ボックス番号であるか否かを判断する(ステップRS2107)。最大ボックス番号は、本保存管理システムで使用する保管ボックス320に割り当てられた保管ボックス番号のうちの最大の保管ボックス番号の値である。すなわち、ステップRS2107の判断処理は、本保存管理システムで使用する(使用可能な)最大の保管ボックス320まで達してしまったか否かを判断する処理である。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2107の判断処理で、「検出ボックス番号」の値が、最大ボックス番号でないと判別したときには(NO)、ステップRS1911に処理を戻す。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2107の判断処理で、「検出ボックス番号」の値が、最大ボックス番号であると判別したときには(YES)、保存用容器330を収容できるセル326がない旨のメッセージを表示し(ステップRS2109)、本サブルーチンを終了する。
前述したステップRS2101〜RS2109の処理を実行することにより、保存用容器330を1つずつ切り替えながら、その一の保存用容器330のセル326を1つずつ切り替えながら、「未収容セル」が存在するか否かを検出することができる。
図19に示したステップRS1915の判断処理で、加工側制御装置200のCPUは、フラグ「先頭空きセル確定」が1であると判断したときには(YES)、「空きセル数」の値を0にし(ステップRS1917)、「先頭空きセル確定」の値をゼロにする(ステップRS1919)。すなわち、セル番号が連続する未収容セルの先頭のセル326のセル番号を一旦確定したが、その後、セル番号が連続する複数の未収容セルの数が、ステップRS1901で入力された本数に足りずに、改めて、セル番号が連続する複数の未収容セルを検出し始めるために、「空きセル数」及び「先頭空きセル確定」を初期化する。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1913の判断処理で、セル326が「未収容セル」であると判断した場合には(YES)、フラグ「先頭空きセル確定」の値が0であるか否かを判断する(ステップRS1921)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1921の判断処理で、フラグ「先頭空きセル確定」が0であると判断した場合には(YES)、「検出セル番号」よりも1つ前のセル番号のセル326の色が、ステップRS1901で入力された色と異なるか否かを判断する(ステップRS1923)。
すなわち、ステップRS1923の判断処理は、「未収容セル」のセル326を検出しているが、その「未収容セル」が、先頭のセル326の条件を満たすか否か未だ不明な状態であり、その「未収容セル」の1つ前のセル326に収容されている保存用容器330の色が、ステップRS1901で入力された色と異なるか否かを判断する処理である。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS1923の判断処理で、「検出セル番号」よりも1つ前のセル番号のセル326の色が、ステップRS1901で入力された色と異なると判別した場合には(YES)、「未収容セル」の先頭にできるセル326を発見したとして、フラグ「先頭空きセル確定」の値を1にし(ステップRS1925)、「先頭空きセル番号」を、現在の「検出セル番号」にする(ステップRS1927)。
すなわち、「未収容セル」のセル326を検出しており、その「未収容セル」の1つ前のセル326に収容されている保存用容器330の色が、ステップRS1901で入力された色と異なるので、続けて保存用容器330を配置することができ、先頭にできる「未収容セル」を確定することができるため、「先頭空きセル確定」の値を1にする。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「空きセル数」の値を1だけ増やす(図20のステップRS2001)。この処理により、検出された「未収容セル」のセル326を計数することができる。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「空きセル数」が、ステップRS1901で入力された本数以上であるか否かを判断する(ステップRS2003)。すなわち、これまでに検出した「未収容セル」のセル326の数が、ステップRS1901で入力された本数に達したか否かを判断する。
次に、加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2003の判断処理で、「空きセル数」が、ステップRS1901で入力された本数以上でないと判断したときには(NO)、ステップRS2101に処理を移す。すなわち、これまでに検出した「未収容セル」のセル326の数が、ステップRS1901で入力された本数に達しない場合には、引き続き、「未収容セル」が存在するか否かの処理を続ける。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2003の判断処理で、「空きセル数」が、ステップRS1901で入力された本数以上であると判断したときには(YES)、「検出セル番号」の値が9の倍数であるか否かを判断する(ステップRS2005)。すなわち、これまでに検出した「未収容セル」のセル326の数が、ステップRS1901で入力された本数に達した場合には、「検出セル番号」の値が9の倍数であるか否かを判断する。
「検出セル番号」の値が9の倍数である場合とは、保管ボックス320に形成されている81個のセル326のうち最も右側に位置するセル326を意味する。言い換えれば、「検出セル番号」が、セル番号9、18、27、36、45、54、63、72、81のいずれかとなる場合である。セル番号が連続するように複数の保存用容器330を保管ボックス320に配置した場合には、同じ色のキャップ334が連続して並ぶことになり、特に、最も右側に位置するセル326を並びの終端(最後尾)にすることで、複数の保存用容器330の全体の並びを視認しやすくできるため、ステップRS2005の判断処理で、「検出セル番号」の値が9の倍数であるか否かを判断することとした。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2005の判断処理で、「検出セル番号」の値が9の倍数であると判別したときには(YES)、現在の「検出セル番号」よりも1つ後ろのセル番号のセル326が未収容セルであるか否かを判断する(ステップRS2007)。すなわち、ステップRS2007の判断処理は、セル番号が連続するように複数の保存用容器330を保管ボックス320に配置する場合に、現在の「検出セル番号」のセル326を最後尾のセル326にできるか否かを判断する処理である。後尾のセル326の次のセル326が未収容セルであれば、複数の保存用容器330の区切りを明確にできるので、現在の「検出セル番号」のセルを最後尾のセル326にすることができる。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2007の判断処理で、現在の「検出セル番号」よりも1つ後ろのセル番号のセル326が未収容セルであると判別したときには、フラグ「後尾空きセル確定」の値を1にする(ステップRS2009)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、後尾空きセル番号の値を「検出セル番号」の値にし(ステップRS2011)、後述する選択候補セルの表示処理のサブルーチンを呼び出して実行し(ステップRS2013)、本サブルーチンを終了する。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2005の判断処理で、「検出セル番号」の値が9の倍数でないと判別したとき(NO)、又は、ステップRS2007の判断処理で、現在の「検出セル番号」よりも1つ後ろのセル番号のセル326が未収容セルでないと判別したとき(NO)には、現在の「検出セル番号」よりも1つ後ろのセル番号のセル326が収容済セルであり、かつ、そのセル326の色が、ステップRS1901の処理で入力した色と異なるか否かを判断する(ステップRS2015)。このステップRS2015の判断処理も、ステップRS2007の判断処理と同様に、セル番号が連続するように複数の保存用容器330を保管ボックス320に配置する場合に、現在の「検出セル番号」のセル326を最後尾のセル326にできるか否かを判断する処理である。後尾のセル326の次のセル326が収容済セルであるが、使用するキャップ334の色が互いに異なれば、複数の保存用容器330の区切りを明確にできるので、現在の「検出セル番号」のセルを最後尾のセル326にすることができる。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2015の判断処理で、現在の「検出セル番号」よりも1つ後ろのセル番号のセル326が収容済セルであり、かつ、そのセル326の色が、ステップRS1901の処理で入力した色と異なると判別したときには(YES)、前述したステップRS2009に処理を移す。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2015の判断処理で、現在の「検出セル番号」よりも1つ後ろのセル番号のセル326が収容済セルでない、又は、そのセル326の色が、ステップRS1901の処理で入力した色と同じと判別したときには(NO)、前述したステップRS2101に処理を移す。
<<空き領域検出処理の具体例>>
図24は、空き領域検出処理の具体例を示す概略図である。図24は、一の保管ボックス320の全ての81個のセル326を直線状に配置し直して示す図であり、一つの正方形の枠が、一つのセル326を示す。
前述したように、保管ボックス320に収容されている保存用容器330は、キャップ334の色によって視認して判別することができる。キャップ334の色は、「白」、「青」、「緑」、「黄」、「赤」の5色あり、図24では、「白」を「W」で示し、「青」を「B」で示し、「緑」を「G」で示し、「黄」を「Y」で示し、「赤」を「R」で示した。例えば、「B」と表示されている枠は、青色のキャップ334が羅着された保存用容器330が収容されているセル326であることを示す。すなわち、「W」、「B」、「G」、「Y」、「R」が付されている枠は、収容済セルであることを示す。また、空白の枠は、未収容セルであることを示す。
具体的には、セル番号1〜5のセル326には、赤色のキャップ334が羅着された保存用容器330が収容され、セル番号6〜23のセル326には、黄色のキャップ334が羅着された保存用容器330が収容され、セル番号24〜29のセル326は、未収容セルであり、セル番号30〜37のセル326には、青色のキャップ334が羅着された保存用容器330が収容され、セル番号38〜53のセル326は、未収容セルであり、セル番号54〜58のセル326には、緑色のキャップ334が羅着された保存用容器330が収容され、セル番号78〜81のセル326には、白色のキャップ334が羅着された保存用容器330が収容されている。
ここでの具体例では、赤色のキャップ334が取り付けられた14本(入力本数)の保存用容器330を格納できるセル326を検出する場合を想定する。
<セル番号1〜23の処理(図24のタイミングT1及び区間T2)>
前述した空き領域検出処理において、まず、図19のステップRS1903の処理で、「検出セル番号」が初期化されることで、セル番号1のセル326が検出開始のセルと定められる(図24のT1のタイミング参照)。セル番号1〜23のセル326は、収容済セルであるので、図19のステップRS1913の判断処理では、「NO」と判断される。まだ、この時点では、未収容セルは検出されていないので、図19のステップRS1915の判断処理では、「NO」と判断される。
次に、この時点で、セル番号は、1〜23のいずれかであるので、図21のステップ2101の判断処理では、「NO」と判断され、ステップRS2103の処理では、処理の度に、「検出セル番号」が1ずつ増えていき、ステップRS1911、RS1913、RS1915、RS2101、RS2103の処理が実行される(図24のT2の区間参照)。
<セル番号24の処理(図24のタイミングT3)>
前述した処理を繰り返し実行し、ステップRS2103の処理で「検出セル番号」が24になったときには、セル番号24のセル326は、未収容セルであるので、図19のステップRS1913の判断処理では、「YES」と判断される。次に、まだ、この時点では、先頭空きセルは、検出されていないので、ステップRS1921の判断処理では、「YES」と判断される。さらに、この具体例では、赤色のキャップ334が取り付けられた14本の保存用容器330を収容しようとしており、セル番号23のセル326に収容されている保存用容器330のキャップ334の色は、「黄色」であるので、ステップRS1923の判断処理では、先頭空きセルを検出したとして、「YES」と判断される。
なお、収容しようとしている保存用容器330のキャップの色が「黄色」で、セル番号23のセル326に収容されている保存用容器330のキャップ334の色「黄色」と同じ場合には、ステップRS1923の判断処理は、先頭空きセルを検出できなかったとして、「NO」と判断される。
次に、ステップRS1925の処理で、先頭空きセルを検出したことを示すフラグ「先頭空きセル確定」の値を1にし、ステップRS1927の処理で、先頭空きセル番号に「検出セル番号」の値が代入される。この時点では、「検出セル番号」は24であるので、先頭空きセル番号に24が代入される。
次に、図20のステップRS2001の処理で、「空きセル数」に1が加えられ、「空きセル数」の値は1となる。
次に、ステップRS2003の判断処理で、「空きセル数」が入力本数以上になったか否かを判断する。この時点では、「空きセル数」は1であり、入力本数(14)以上になっておらず、「NO」と判断され、前述したステップRS2101を実行する。この時点では、「検出セル番号」は24であり、図21のステップ2101の判断処理では、「NO」と判断され、ステップRS2103の処理で、「検出セル番号」は、1が加えられて25となる。
<セル番号25〜29の処理(図24の区間T4)>
次に、図19のRS1913の判断処理では、セル番号25のセル326は、未収容セルであるので、「YES」と判断される。
次に、この時点では、既に先頭空きセルを検出しているので、ステップRS1921の判断処理では、「NO」と判断する。
次に、図20のステップRS2001の処理で、「空きセル数」に1が加えられ、「空きセル数」の値は2となる。次のステップRS2003の判断処理では、この時点では、「空きセル数」は2であり、入力本数(14)以上になっておらず、「NO」と判断される。
この後、前述したステップRS1911、RS1913、RS1921、RS2001、RS2003、RS2101、RS2103が繰り返し実行され、「検出セル番号」と「空きセル数」の値が1つずつ増えていく。
<セル番号30の処理(図24のタイミングT5)>
前述した処理が繰り返し実行されて、「検出セル番号」及び「空きセル数」の値が1つずつ増え、ステップRS2103の処理で、「検出セル番号」が30となったときには、「検出セル番号」30のセル326には、「青色」のキャップ334の保存用容器330が収容されており、収容済セルであるので、図19のRS1913の判断処理は、「NO」と判断される。
次に、この時点では、「検出セル番号」24の先頭空きセルが検出している状態であるので、ステップRS1915の判断処理では、「YES」と判断され、ステップRS1917で、変数「空きセル数」が0に初期化され、フラグ「先頭空きセル確定」は0に戻される。
すなわち、連続した未収用セルを検出することはできたが、入力本数(14本)に達する前に、収容済セルを検出したために、未収用セルの検出を中断し、改めて、先頭の未収用セル(空きセル)の検出から開始し直す。
<セル番号30〜37の処理(図24の区間T6)>
このセル番号30〜37では、前述したセル番号1〜23の処理(図24の区間T2)と同様の判断がされて、ステップRS1911、RS1913、RS1915、RS2101、RS2103の処理が実行される。これらの処理により、「検出セル番号」が1ずつ増える。
<セル番号38の処理(図24のタイミングT7)>
ステップRS2103の処理で「検出セル番号」が38になったときには、セル番号38のセル326は、未収容セルであるので、図19のステップRS1913の判断処理では、「YES」と判断される。次に、まだ、この時点では、先頭空きセルは、検出されていないので、ステップRS1921の判断処理では、「YES」と判断される。さらに、赤色のキャップ334が羅着された14本の保存用容器330を収容しようとしており、セル番号37のセル326に収容されている保存用容器330のキャップ334の色は、「青色」であるので、ステップRS1923の判断処理では、先頭空きセルを検出したとして、「YES」と判断される。
次に、ステップRS1925の処理で、先頭空きセルを検出したことを示すフラグ「先頭空きセル確定」の値を1にし、ステップRS1927の処理で、先頭空きセル番号に「検出セル番号」の値が代入される。この時点では、「検出セル番号」は38であるので、先頭空きセル番号に38が代入される。
次に、図20のステップRS2001の処理で、「空きセル数」に1が加えられ、「空きセル数」の値は1となる。
次に、ステップRS2003の判断処理で、「空きセル数」が入力本数以上になったか否かを判断する。この時点では、「空きセル数」は1であり、入力本数(14)以上になっておらず、「NO」と判断され、前述したステップRS2101を実行する。この時点では、「検出セル番号」は38であり、図21のステップ2101の判断処理では、「NO」と判断され、ステップRS2103の処理で、「検出セル番号」は、1が加えられて39となる。
<セル番号39〜51の処理(図24の区間T8)>
次に、図19のRS1913の判断処理では、セル番号39のセル326は、未収容セルであるので、「YES」と判断される。
次に、この時点では、既に先頭空きセルを検出しているので、ステップRS1921の判断処理では、「NO」と判断する。
次に、図20のステップRS2001の処理で、「空きセル数」に1が加えられ、「空きセル数」の値は2となる。次のステップRS2003の判断処理では、この時点では、「空きセル数」は2であり、入力本数(14)以上になっておらず、「NO」と判断される。
この後、前述したステップRS1911、RS1913、RS1921、RS2001、RS2003、RS2101、RS2103が繰り返し実行され、「検出セル番号」と「空きセル数」の値が1つずつ増えていく。
<セル番号51の処理(図24のタイミングT9)>
前述した処理が繰り返し実行されて、「検出セル番号」及び「空きセル数」の値が1つずつ増え、ステップRS2103の処理で、「検出セル番号」が51となったときには、図19のステップRS1913の判断処理では、「検出セル番号」51のセル326は、未収用セルであるので、「YES」と判断される。
次に、この時点では、既に先頭空きセルを検出しているので、ステップRS1921の判断処理では、「NO」と判断する。
次に、図20のステップRS2001の処理で、「空きセル数」に1が加えられ、「空きセル数」の値は14となる。次のステップRS2003の判断処理では、この時点では、「空きセル数」は14であり、入力本数(14)以上となって、「YES」と判断される。
次に、この時点では、「検出セル番号」は51であり、図20のステップRS2005の判断処理で、「検出セル番号」が9の倍数ではなく、「NO」と判断される。
次に、「検出セル番号」51の次のセル326である「検出セル番号」52のセル326は、未収用セルであるので、図20のステップRS2015の判断処理では、「NO」と判断される。
<セル番号52〜54の処理(図24のタイミングT10)>
次に、ステップRS2101、RS2103、RS1911、RS1913、RS1921、RS2001、RS2003、RS2005、RS2015の処理を繰り返し実行する。RS2103の処理で、「検出セル番号」が54となったときには、「検出セル番号」54は9の倍数であるので、図20のステップRS2005の判断処理では、「YES」と判断される。
<セル番号54の処理(図24のタイミングT11)>
次に、「検出セル番号」54の次のセル326である「検出セル番号」55のセル326は、未収用セルであるので、図20のステップRS2007の判断処理では、「YES」と判断される。
次に、後尾空きセルを検出できたので、RS2009の処理で、フラグ「後尾空きセル確定」の値を1に設定し、RS2011の処理で、後尾空きセル番号に「検出セル番号」を代入する。具体的には、後尾空きセル番号に54を代入する。
前述した処理によって、先頭空きセル番号が38で、後尾空きセル番号が54で、合計で17個の未収用セルを検出することができる。
この後、選択候補セルの表示処理を実行することで、検出した17個の未収用セルのうちから14個を選択することができる。
<<選択候補セルの表示処理>>
図22及び図23は、前述したステップRS2013の処理で呼び出されて実行される選択候補セルの表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、加工側制御装置200のCPUは、選択候補セルが含まれる保管ボックス320が格納されている保管タンク300のタンク番号を表示する(ステップRS2200)。例えば、図25に示すように、保管タンク300のタンク番号が、画面の上側に表示される。
図25は、一の保管ボックス320の全てのセル326(81個のセル326)の状態の例を示す画面の例を表示する。図25に示す図は、保管ボックス320の本体部322に形成された81個のセル326(図18参照)を模して表示する画面であり、図25の一つの長方形の枠が一つのセル326を示す。図25は、一の保管ボックス320(本体部322)のセル326の各々に保存用容器330が収容されているか否かを示す画面である。
図25において、収容済セルの枠には、セル番号と、そのセル326に収容されている保存用容器330のキャップ334の色と、保存用容器330の容量との情報が表示される。また、収容済セルの枠の各々には、そのセル326に収容されている保存用容器330のキャップ334の色が、枠の背景色として枠の全体に表示される。また、図25の例では、保存用容器330が収容されていない未収容セル(空きセル)の枠には、文字情報は一切表示されず、かつ、白色の背景色で表示される。
さらに、現時点では未収容セルではあるが、前述した空き領域検出処理によって選択候補セルとして選択されたセル326を示す枠には、セル番号と、そのセル326に収容予定の保存用容器330のキャップ334の色と、その保存用容器330の容量との情報が表示されるとともに、チェックボックスも表示される。
図25に示した例では、保管タンク300の保管タンク番号が1であり、保管ラック310の保管ラック番号が2であり、保管ボックス320の保管ボックス番号が13である場合を示す。なお、前述したように、本保存管理システムでは、保管ボックス320の保管ボックス番号が決まれば、保管タンク300及び保管ラック310が一義的に決定する。保管ボックス320の保管ボックス番号が13であるので、保管タンク300の保管タンク番号は1であり、保管ラック310の保管ラック番号は2であり、その保管ラック310の第6段であることを一義的に決定することができる(図17参照)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、選択候補セルが含まれる保管ボックス320のボックス番号を表示する(ステップRS2201)。例えば、図25に示すように、保管ボックス320のボックス番号が、画面の上側に表示される。
次に、加工側制御装置200のCPUは、選択候補セルが含まれる保管ボックス320が格納されている保管ラック310のラック番号を表示する(ステップRS2203)。例えば、図25に示すように、保管ラック310のラック番号が、画面の上側に表示される。
前述したステップRS2200〜RS2203の処理によって、選択候補セルが含まれる保管ボックス320が格納されている保管タンク300のタンク番号と、保管ボックス320のボックス番号と、保管ラック310のラック番号とが視認可能に表示される。
次に、加工側制御装置200のCPUは、セル番号の値を1(初期値)にする(ステップRS2205)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、セル番号が、先頭空きセル番号以上であり、かつ後尾空きセル番号以下であるか否かを判断する(ステップRS2207)。先頭空きセル番号は、前述したステップRS1927の処理で決定され、後尾空きセル番号は、ステップRS2011の処理で決定される。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2207の判断処理で、セル番号が、先頭空きセル番号以上であり、かつ後尾空きセル番号以下であると判別したときには、選択候補セルの表示をする(ステップRS2209)。例えば、前述したように、チェックボックスと、セル番号と、キャップ334の色と、保存用容器330の容量とが、枠毎に表示される。図25に示す例では、セル番号の49〜60の枠が、選択候補セルを示す枠である。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2207の判断処理で、セル番号が、先頭空きセル番号より小さいと判別したとき、又は、後尾空きセル番号より大きいと判別したときには、セル管理データベースから、ボックス番号及びセル番号から一のレコード位置を決定し、一のレコード位置に対応するセル情報を読み出す(ステップRS2211)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、読み出したセル情報から収容済セル又は未収用セルであることを示す表示をする(ステップRS2213)。例えば、図25に示すように、セル番号と、キャップ334の色と、保存用容器330の容量とが、枠毎に表示される。図25に示す例では、セル番号の1〜7、11〜15、22〜29、38〜48、62〜73、76〜80が、収容済セルの表示である。また、セル番号の8〜10、16〜21、30〜37、61、72、73、81が、未収容セルの表示である。
前述したように、選択候補セルを示す枠には、チェックボックスが表示され、収容済セルや未収容セルを示す枠には、チェックボックスは表示されない。表示されているチェックボックスを操作することで、選択候補セルを選択することができる。選択操作については、後述する。
加工側制御装置200のCPUは、前述したステップRS2209又はRS2213の処理を実行した後、セル番号の値を1だけ増やす(ステップRS2215)。
加工側制御装置200のCPUは、現在の「検出セル番号」が最大セル番号であるか否かを判断する(ステップRS2217)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2217の判断処理で、現在の「検出セル番号」が最大セル番号でないと判別したときには(NO)、前述したステップRS2207に処理を戻す。
前述したステップRS2207〜RS2217の処理を実行することによって、指定された一の保管ボックス320の全てのセル326の各々について、選択候補セルの表示、収容済セル又は未収容セルの表示をすることができ、使用者は、選択候補セルの位置や数を容易に視認することができる。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2217の判断処理で、現在の「検出セル番号」が最大セル番号であると判別したときには(NO)、枠毎に表示されているチェックボックスの操作がされたか否かを判断する(図23のステップRS2301)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2301の判断処理で、チェックボックスの操作がされたと判別したときには(YES)、操作された選択候補セルに対してチェックされたことを示すチェック済み情報を加工側制御装置200のRAMに記憶する(ステップRS2303)。
次に、加工側制御装置200のCPUは、チェックボックスの操作がされた選択候補セル(以下、チェック済みの選択候補セルと称する。)から、選択最小セル番号及び選択最大セル番号を決定する(ステップRS2305)。選択最小セル番号は、チェックボックスの操作がされた選択候補セルのうち、セル番号が最も小さいセル326のセル番号である。選択最大セル番号は、チェックボックスの操作がされた選択候補セルのうち、セル番号が最も大きいセル326のセル番号である。
次に、加工側制御装置200のCPUは、「登録/更新ボタン」が操作されたか否かを判断する(ステップRS2307)。例えば、図25に示すように、「登録/更新ボタン」が、画面の下部に操作可能に表示されている。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2307の判断処理で、「登録/更新ボタン」が使用者によって操作されたと判断したときには(YES)、チェック済みの選択候補セルのセル番号が連続しているか否かを判断する(ステップRS2309)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2309の判断処理で、チェック済みの選択候補セルのセル番号が連続していると判断したときには(YES)、チェック済み選択候補セルの数が、ステップRS1901の処理で入力された本数以下であるか否かを判断する(ステップRS2311)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2311の判断処理で、チェック済みの選択候補セルの数が、ステップRS1901の処理で入力された本数以下であると判断したときには(YES)、チェック済みの選択候補セルの数が、ステップRS1901の処理で入力された本数未満であるかを判断する(ステップRS1913)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2313の判断処理で、チェック済みの選択候補セルの数が、ステップRS1901の処理で入力された本数未満であると判断したときには(YES)、選択最大セル番号よりも1つ後のセル番号のセル326が選択候補セルであるか否かを判断する(ステップRS2315)。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2315の判断処理で、選択最大セル番号よりも1つ後のセル番号のセル326が選択候補セルであると判断したときには(YES)、セル番号が1つ後の選択候補セルに対してチェック済み情報を加工側制御装置200のRAMに記憶させることで、チェック済みの選択候補セルの1個を追加し(ステップRS2317)、前述したステップRS2313に処理を戻す。このように処理することで、チェックボックスの操作によって選択された326の数が、ステップRS1901の処理で入力された本数よりも足りない場合であっても、選択最大セル番号の次のセル326が選択候補セルである場合には、選択最大セル番号の次の1つのセル326を自動的に追加するので、選択作業を簡便かつ容易にすることができる。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2313の判断処理で、チェック済みセル326の数が、ステップRS1901の処理で入力された本数であると判断したときには(NO)、加工依頼識別情報、キャップ334の色、格納年月日、格納時刻を、セル情報として記憶し(ステップRS2219)、本サブルーチンを終了する。
ステップRS2219で記憶される加工依頼識別情報は、保存用容器330に収容する脂肪組織や培養された脂肪幹細胞について注文受注されたときに決定される識別情報である(前述したステップRS305等参照)。キャップ334の色は、ステップRS1901の処理で入力された色である。格納年月日及び格納時刻は、保存用容器330が保管ボックス320に格納され、保管ボックス320が保管タンク300に格納される年月日及び時刻である。このような情報がセル情報としてセル管理データベースに記憶される。このような情報が記憶されたセル326が、収容済セルであり、記憶されていないセル326が、未収容セルである。なお、セル情報として記憶される情報は、これらに限られず、脂肪組織の種類や、培養された脂肪幹細胞の種類の他、収容する量などもセル情報として記憶することができる。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2315の判断処理で、選択最大セル番号よりも1つ後のセル番号のセル326が選択候補セルでないと判断したときには(NO)、前述したステップRS2301に処理を戻す。このようにすることで、改めてチェックボックスの操作によって選択候補セルを選択することができ、保存用容器330を保管ボックス320に格納するセル326を一義的に決定することができる。
加工側制御装置200のCPUは、ステップRS2301の判断処理で、チェックボックスの操作がされていないと判別したとき(NO)、ステップRS2307の判断処理で、登録/更新ボタンが操作されていないと判断したとき(NO)には、前述したステップRS2301に処理を戻す。
また、ステップRS2309の判断処理で、連続したセル番号が指定されていないと判断したとき(NO)、ステップRS2311の判断処理で、チェック済みセル326の数が、ステップRS1901の処理で入力された本数より多いと判断したときには(NO)、前述したステップRS2301に処理を戻す。このようにすることで、保存用容器330を保管ボックス320に格納するセル326を一義的に決定することができる。
<<納品処理の画面>>
図26は、クライアント側(発注側)から納品の依頼があったときに、納品すべき保存用容器330を選択するための画面である。クライアント側(発注側)から納品の依頼があったときには、まず、納品の依頼に対応する加工依頼識別情報を、前述したデータベースの基本テーブルの依頼識別情報フィールド(図13(a))から読み出す。セル管理データベースを検索して、加工依頼識別情報に対応するセル情報を検出して、納品の依頼がされた保存用容器330が収容されているセル326のセル情報をセル管理データベースから読み出す。前述したように、セル情報は、加工依頼識別情報、キャップ334の色、格納年月日、格納時刻を含む。
加工依頼識別情報に対応するセル情報のレコード位置から、保管ボックス320の保管ボックス番号と、セル番号とを取得し、取得した保管ボックス320の保管ボックス番号から保管タンク300のタンク番号と、保管ラック310の保管ラック番号とを取得する。このようにすることで、納品の依頼があった保存用容器330が格納されている。保管タンク300のタンク番号と、保管ラック310の保管ラック番号と、保管ボックス320の保管ボックス番号と、セル番号とを取得することができる。
図26に示した例は、納品の依頼がされた保存用容器330が格納されている保管ボックス320のセル326を表示する画面である。図26に示した例では、納品の依頼がされた保存用容器330であって、その時点で保管ボックス320に格納されている全ての保存用容器330のセル326を表示する。
図26に示した例では、納品の依頼がされた保存用容器330のみの情報を枠に表示し、納品とは関係のない保存用容器330の情報は枠に表示しない。このような態様で表示することで、納品の依頼がされた保存用容器330が収容されている枠のみを目立つように表示することができる。特に、納品の依頼がされた保存用容器330のキャップ334の色で枠の全体を表示し、保存用容器330の情報を枠に重ねて表示する。このようにすることで、まず、枠に付された色によって、納品の依頼がされた保存用容器330であるか否かを容易に視認することができる。なお、納品とは関係のない保存用容器330が収容されているセル326については、グレー色で表示(グレーアウト)してもよい。納品の依頼の対象外であることを明確に視認させることができる。
納品の依頼がされた保存用容器330が収容されているセル326には、チェックボックスと、セル番号と、キャップ334の色と、加工依頼識別情報と、保存用容器330の容量と、脂肪組織や培養された脂肪幹細胞などの種類や、保管タンク300の格納された年月日及び時刻とが表示される。保存用容器330の容量や脂肪組織や培養された脂肪幹細胞などの種類は、加工依頼識別情報を用いてデータベース(図示せず)から読み出すことできる。なお、保存用容器330の容量や脂肪組織や培養された脂肪幹細胞などの種類などもセル情報としてセル管理データベースに記憶させてもよい。
このように、セル326に収容されている保存用容器330に関する詳細な情報を表示することで、納品の依頼があった保存用容器330であるか否かを詳細に確認することができ、異なる保存用容器330を納品するようなミスを未然に防止することができる。
納品の依頼がされた保存用容器330の本数だけ保管ボックス320から取り出したときには、取り出したセル326に対応するチェックボックスを操作する。チェックボックスを操作することによって、セル情報の各種の情報が消去される。セル情報の各種の情報が消去されることで、そのセル326は、収容済セルから未収容セルとなる。このように、収容済セルから未収容セルにすることで、保管ボックス320から取り出したことをセル管理データベースに記憶させることができる。保存用容器330が納品されたセルは、未収容セルとなることで、その枠は、文字情報は一切表示されず、かつ、白色の背景色で表示される。
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
被加工品や試料の発注の時点から、受領、加工、保存、納品の全ての工程において、加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードによって管理することができ、加工側(受注側)のみならずクライアント側(発注側)も工程を管理することができる。特に、加工側(受注側)が被加工品や試料を受領するよりも前の発注及び発送の段階で、クライアント側(発注側)においても加工依頼識別情報に対応する受注用バーコードによって管理することができる。
<その他>
前述した例では、クライアント側(発注側)が加工側(受注側)にアクセスすることで、受注用バーコードのための加工依頼識別情報を加工側(受注側)で生成し、クライアント側(発注側)に送信する場合を示したが、事前にシステムの一部をクライアント側(発注側)で実行可能することで、クライアント側(発注側)で受注用バーコードのための加工依頼識別情報を生成し、生成した後で、クライアント側(発注側)から加工側(受注側)に加工依頼識別情報を送信するようにしてもよい。このようにすることで、加工側(受注側)の処理の負担を軽くすることができる。
上述したように、本発明は、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
10 加工受発注システム
100 通信ネットワーク
110 クライアント側端末装置
200 加工側制御装置
300 保管タンク
310 保管ラック
320 保管ボックス
330 保存用容器
332 容器本体
334 キャップ

Claims (6)

  1. 所定の順序に従って格納用容器に連続して収容する複数の収容用容器の収納提案システムであ、前記収容用容器は、同一のドナーから採取された細胞又は細胞組織を保管するためのもので、前記複数の収容用容器の数は、同一のドナーから採取された細胞又は細胞組織の量に基づく数である、収納提案システムであって、
    収容用容器が既に収容されている収容済領域と、収容用容器が収容されていない未収容領域と、が存在する状態の格納用容器において、前記所定の順序に従って収容予定の複数の収容用容器を連続して一まとめに収容する収容領域を前記未収容領域から検出する検出処理と、
    前記収容可能領域を報知する報知処理と、を備える収容提案システム。
  2. 前記収容予定の複数の収容用容器を識別するための第1の識別情報が、前記収容済領域に既に収容されている収容用容器を識別するための第2の識別情報と異なる請求項に記載の収容提案システム。
  3. 前記検出処理は、
    前記収容予定の複数の収容用容器の少なくとも一部が、前記収容済領域に既に収容されている収容用容器の少なくとも一部と隣接するように、前記収容可能領域を検出する請求項に記載の収容提案システム。
  4. 前記検出処理は、
    前記所定の順序に従って収容される前記収容予定の複数の収容用容器のうちのの収容用容器が、前記所定の順序に従って前記収容済領域に既に収容されている収容用容器のうちのの収容用容器と隣接するように、前記収容可能領域を検出する請求項に記載の収容提案システム。
  5. 前記格納用容器は、一の収容用容器を収容可能な単位収容領域を有し、
    前記収容済領域は、少なくとも1つの前記単位収容領域を有し、
    前記未収容領域は、少なくとも1つの前記単位収容領域を有し、
    前記収容予定の複数の収容用容器の各々は、前記所定の順序に従って配置された複数の単位収容領域の各々に収容される請求項に記載の収容提案システム。
  6. 前記第1の識別情報に属する複数の収容用容器は、先頭の収容用容器から後尾の収容用容器まで前記所定の順序に従って列をなして前記格納用容器に並べられ請求項に記載の収容提案システム。
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