以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.各体験の概要
1−1.体験1
1−2.体験2
1−3.体験3
2.モバイル機器の構成
3.オーディオ機器の構成
4.モバイル機器及びオーディオ機器による処理の手順
4−1.体験1に関する基本処理
4−2.体験2に関する基本処理
4−3.体験3に関する基本処理
4−4.体験1におけるイヤホン抜け時の処理
4−5.体験1におけるフェードイン、フェードアウトの処理
4−6.体験2におけるフェードイン、フェードアウトの処理
4−7.体験3におけるフェードイン、フェードアウトの処理
4−8.通信経路確立時(接続時)における音量設定処理
4−9.通信経路切断時における音量設定処理
4−10.オーディオ機器の電源オン処理に関する変形例
<1.各体験の概要>
本実施形態に係るモバイル機器(情報処理装置)100及びオーディオ機器200、300は、以下に説明する体験1〜3をユーザに提供することができる。そこで、まず、これらの概要を説明する。
(1−1.体験1)
図1及び図2は体験1を説明する外観図である。モバイル機器100は、NFC(Near Field Communication)通信用のリーダライタと、無線通信用の無線通信部とを備えており、NFC通信及び無線通信を行うことができる。なお、本実施形態の無線通信は、NFC通信よりも通信可能範囲が広い無線通信を意味するものとする。
一方、オーディオ機器200は、NFCタグが埋め込まれており、かつ、無線通信用の無線通信部を備えている。NFCタグには、オーディオ機器200の無線通信用のアドレス(識別情報)が記録されている。したがって、モバイル機器100とオーディオ機器200とはNFC通信及び無線通信を行うことができる。
体験1では、モバイル機器100が音声情報(コンテンツ情報)を出力している。この例では、モバイル機器100にイヤホン400が接続されており、イヤホン400から音声情報が出力されている。
ユーザは、イヤホン400で音声情報を聴きながら帰宅し、図1に示すように、オーディオ機器200にモバイル機器100を近接(接触)させる。一方、モバイル機器100は、NFCタグ起動用の起動情報を用いて定期的にポーリング(起動情報の送信)を行う。したがって、オーディオ機器200のNFCタグは、ユーザがモバイル機器100をオーディオ機器200に近接させた際に、起動情報により起動する。そして、NFCタグは、無線通信用のアドレス情報を含むNFC情報をモバイル機器100に送信する。一方、オーディオ機器200の電源は、NFCタグの起動に応じてオンされる。モバイル機器100は、NFC情報からアドレス情報を抽出する(読み取る)ことで、オーディオ機器200のアドレスを認識する。
そして、図2に示すように、モバイル機器100は、読み取ったアドレスに基づいて、オーディオ機器200への接続(通信経路の確立)を試みる。モバイル機器100は、通信経路が確立された場合には、音声出力先をモバイル機器100(詳細には、モバイル機器100内の出力制御部)からオーディオ機器200(詳細には、オーディオ機器200内の出力制御部)に変更する。そして、モバイル機器100は、音声情報を無線通信によりオーディオ機器200に送信する。オーディオ機器200は、音声情報を出力する。
これにより、ユーザは、モバイル機器100をオーディオ機器200に近接させるだけで、オーディオ機器200から音声情報を出力させることができる。したがって、例えば、ユーザは、オーディオ機器200を購入後、特段の設定操作を行わずにオーディオ機器200から音声情報を出力させることができる。
(1−2.体験2)
図3及び図4は体験2を説明するための外観図である。体験2では、オーディオ機器200が音声情報を出力している。
ユーザは、音声出力先をオーディオ機器200からオーディオ機器300に変更したい場合、モバイル機器100をオーディオ機器300に近接させる。ここで、オーディオ機器300は、オーディオ機器200と同様の機能を有する。
オーディオ機器300のNFCタグは、ユーザがオーディオ機器300にモバイル機器100を近接させた際に、起動情報により起動する。そして、NFCタグは、無線通信用のアドレス情報を含むNFC情報をモバイル機器100に送信する。一方、オーディオ機器300の電源は、NFCタグの起動に応じてオンされる。モバイル機器100は、NFC情報からアドレス情報を抽出することで、オーディオ機器300のアドレスを認識する。
そして、モバイル機器100は、オーディオ機器200との通信経路を切断し、音声出力先をモバイル機器100に戻す。これにより、オーディオ機器200は音声情報の出力を停止する。そして、モバイル機器100は、読み取ったアドレスに基づいて、オーディオ機器300への接続(通信経路の確立)を試みる。モバイル機器100は、オーディオ機器300との通信経路が確立された場合には、音声出力先をモバイル機器100からオーディオ機器300(詳細には、オーディオ機器300内の出力制御部)に変更する。そして、モバイル機器100は、音声情報を無線通信によりオーディオ機器300に送信する。オーディオ機器300は、音声情報を出力する。
これにより、ユーザは、モバイル機器100をオーディオ機器300に近接させるだけで、音声出力先を実質的にオーディオ機器200からオーディオ機器300に変更することができる。
(1−3.体験3)
図5及び図6は体験3を説明するための外観図である。体験3では、オーディオ機器200が音声情報を出力している。
ユーザは、音声出力先をオーディオ機器200からモバイル機器100に戻したい場合、モバイル機器100をオーディオ機器200に近接させる。
オーディオ機器200のNFCタグは、ユーザがオーディオ機器200にモバイル機器100を近接させた際に、起動情報により起動する。そして、NFCタグは、無線通信用のアドレス情報を含むNFC情報をモバイル機器100に送信する。モバイル機器100は、NFC情報からアドレス情報を抽出することで、オーディオ機器200のアドレスを認識する。
そして、モバイル機器100は、図6に示すように、オーディオ機器200との通信経路を切断し、音声出力先をオーディオ機器200からモバイル機器100に変更する。これにより、オーディオ機器200は音声情報の出力を停止する。さらに、モバイル機器100は、音声情報の出力を開始する。ここで、モバイル機器100にはイヤホン400が接続されているので、音声情報はイヤホン400から出力される。
これにより、ユーザは、例えば音声情報を聴きながら外出したい場合に、モバイル機器100をオーディオ機器200に近接させるだけで、音声出力先をオーディオ機器200からモバイル機器100に戻すことができる。
以上により、本実施形態では、ユーザは、モバイル機器100をいずれかのオーディオ機器200、300に近接させるだけで音声出力先を変更することができるので、音声出力先をより容易に変更することができる。すなわち、本実施形態では、音声出力先の変更に関するユーザビリティを向上することができる。これにより、ユーザは、音声出力先を変更した場合であっても、音声情報を継続して楽しむことができる(音声出力先変更のたびに音声情報の出力を停止する必要がない)。
<2.モバイル機器の構成>
次に、図7に基づいて、モバイル機器100の構成について説明する。モバイル機器100は、NFC通信、無線通信、及び音声情報の出力等が可能であり、かつ、ユーザが携行可能な機器である。モバイル機器100としては、例えばスマートフォン、携帯電話、携帯音楽プレーヤ等が挙げられる。
モバイル機器100は、制御部110aと、イヤホン(情報出力媒体)400と、スピーカ150と、無線通信部(通信部)160と、NFCリーダライタ(近接判定部)170と、バイブレーション装置180と、表示部190とを備える。制御部110aは、音楽アプリ部110と、ハンドオーバアプリ部120と、イヤホン挿抜状態監視部131と、音声出力制御部(出力制御部)132と、無線通信制御部133と、NFC制御部134と、表示制御部135とを備える。
なお、モバイル機器100は、CPU、ROM、RAM、各種メモリ、イヤホン、スピーカ、通信装置等のハードウェア構成を有する。ROMには、モバイル機器100に上記の各構成を実現させるためのプログラムが記録されている。CPUは、ROMに記録されたプログラムを読みだして実行する。したがって、これらのハードウェア構成により、上記の各構成、特に制御部110aが実現される。なお、制御部110aのうち、音楽アプリ部110及びハンドオーバアプリ部120以外の構成は、モバイル機器100の全体を制御するオペレーションシステム(OS)によって実現されてもよい。
音楽アプリ部110は、音楽アプリ制御部111を備える。音楽アプリ制御部111は、音声情報(音楽情報等)を取得し、音声出力制御部132に出力する。なお、音楽アプリ制御部111は、モバイル機器100に予め記憶されている音声情報を取得してもよく、ネットワークから音声情報を取得してもよい。
音楽アプリ制御部111は、所定の場合を除き、音声情報の出力を継続する。例えば、音楽アプリ制御部111は、音声出力先の変更により各機器からの音声出力が一時的に中断した場合であっても、音声情報の出力を継続する。ここで、所定の場合としては、例えばイヤホン400がモバイル機器100から抜けた場合等が挙げられる。したがって、各機器からの出力が再開された場合、各機器は、中断期間の分だけ進んだ音声情報を出力する。これにより、ユーザは、より違和感の少ない音声情報を聴くことができる。もちろん、音楽アプリ制御部111は、音声出力先が変更される毎に音声情報の出力を一時的に停止してもよい。
また、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力(再生)に関する各種の画像を生成し、表示制御部135に出力する。
ハンドオーバアプリ部120は、ハンドオーバ制御部121及び音声出力先表示・変更UI(ユーザインタフェース)部122を備える。ハンドオーバ制御部121は、ハンドオーバ(音声出力先の変更)に関する各種の制御を行う。音声出力先表示・変更UI部122は、ハンドオーバに関する各種の画像を生成し、表示制御部135に出力する。
イヤホン挿抜状態監視部131は、イヤホン400の挿抜状態(抜き差し状態)を監視(検出)し、監視結果に関する監視結果情報を音楽アプリ制御部111、音声出力制御部132、及び音声出力先表示・変更UI部122に出力する。
音声出力制御部132は、音声情報の出力先をイヤホン400、スピーカ150、及び無線通信制御部133のいずれかに決定し、決定した出力先に音声情報を出力する。概略的には、音声出力制御部132は、イヤホン400が音声出力制御部132(すなわち、モバイル機器100)に接続されている場合には音声出力先をイヤホン400とし、イヤホン400が音声出力制御部132に接続されていない場合には、音声出力先をスピーカ150とする。また、音声出力制御部132は、ハンドオーバアプリ部120からの要求により、音声出力先を無線通信制御部133に決定する。なお、音声出力制御部132には音量が設定されており、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報を、当該音声出力制御部132に設定された音量でイヤホン400(またはスピーカ150)等に出力する。音声出力制御部132に設定された音量は、ユーザ操作により調整されてもよい。
無線通信制御部133は、上述した無線通信に関する各種処理を行う。なお、後述するように、無線通信制御部133は、音声情報を無線通信部160に出力する場合がある。この場合、無線通信制御部133は、音声出力制御部132に設定された音量で音声情報を無線通信部160に出力する。NFC制御部134は、上述したNFC通信に関する各種処理を行う。表示制御部135は、音楽アプリ制御部111及び音声出力先表示・変更UI部122から与えられた画像を表示部190に表示する。
イヤホン400及びスピーカ150は、音声情報を出力する。無線通信部160は、無線通信制御部133による制御により、オーディオ機器200、300と無線通信を行う。NFCリーダライタ170は、NFC制御部134による制御により、オーディオ機器200、300とNFC通信を行う。バイブレーション装置180は、ハンドオーバ制御部121による制御によりモバイル機器100を振動させる。表示部190は、表示制御部135による制御により各種画像を表示する。
<3.オーディオ機器の構成>
次に、図8に基づいて、オーディオ機器200の構成を説明する。オーディオ機器200は、NFC通信、無線通信、及び音声情報の出力等が可能なオーディオ機器である。オーディオ機器200としては、例えば、無線通信に対応したスピーカ、イヤホン、システムコンポ、ホームシアター、及び車載オーディオ等が挙げられる。オーディオ機器200は、無線通信部210、NFCタグ部(送信部)220、電源部230、無線通信制御部240、NFC制御部250、電源制御部260、制御部270、音声出力制御部280、及びスピーカ290を備える。
なお、オーディオ機器200は、CPU、ROM、RAM、各種メモリ、スピーカ、通信装置等のハードウェア構成を有する。ROMには、オーディオ機器200に上記の各構成を実現させるためのプログラムが記録されている。CPUは、ROMに記録されたプログラムを読みだして実行する。したがって、これらのハードウェア構成により、上記の各構成が実現される。
無線通信部210は、無線通信制御部240による制御により、モバイル機器100と無線通信を行う。これにより、無線通信部210は、モバイル機器100から音声情報を取得する。この音声情報は、無線通信制御部240、制御部270、及び音声出力制御部280を介してスピーカ290に出力される。
NFCタグ部220は、音声出力制御部280(すなわちオーディオ機器200)を識別するためのアドレス(識別情報)を記憶しており、NFC制御部250による制御により、モバイル機器100とNFC通信を行う。
電源部230は、コンセントに接続可能なプラグ、電源コード、電源スイッチ等で構成される。電源部230は、電源制御部260によりオンオフが制御される。無線通信制御部240は、無線通信に関する各種処理を行う。NFC制御部250は、NFC通信に関する各種処理を行う。
制御部270は、オーディオ機器200全体の制御を行う。音声出力制御部280は、無線通信部210から与えられた音声情報をスピーカ290に出力する。ここで、音声出力制御部280には音量が設定されており、音声出力制御部280は、無線通信部210から与えられた音声情報を、当該設定された音量でスピーカ290に出力する。スピーカ290は、音声情報を出力する。なお、スピーカ290から最終的に出力される音声情報の音量は、モバイル機器100の音声出力制御部132に設定された音量と音声出力制御部280に設定された音量とを乗じた値となる。音声出力制御部280に設定された音量は、ユーザ操作により調整されうる。
図9は、オーディオ機器300の構成を示すブロック図である。オーディオ機器300は、NFC通信、無線通信、及び音声情報等のコンテンツ情報の出力等が可能なオーディオ機器である。オーディオ機器300は、無線通信部310、NFCタグ部320、電源部330、無線通信制御部340、NFC制御部350、電源制御部360、制御部370、音声出力制御部380、及びスピーカ390を備える。オーディオ機器300の構成はオーディオ機器200と同様なので、説明を省略する。
<4.モバイル機器及びオーディオ機器による処理の手順>
次に、モバイル機器100及びオーディオ機器200、300による処理の手順を説明する。
(4−1.体験1に関する基本処理)
まず、図10及び図11に基づいて、体験1の基本処理について説明する。図10は、オーディオ機器200が行う処理を示す。前提として、ユーザは、モバイル機器100を用いて音声情報を聴いている。
すなわち、図1に示すように、モバイル機器100にはイヤホン400が接続されており、音楽アプリ制御部111は、音声情報を音声出力制御部132に出力する。なお、音楽アプリ制御部111は、後述する場合を除き、音声情報を継続して出力する。音声出力制御部132は、イヤホン400に音声情報を出力する。一方、音楽アプリ制御部111は、現在出力中の音声情報を示す音声情報画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、音声情報画像と、各種情報を示す背景画像とを重畳して表示部190に表示する。図22に表示例を示す。この例では、背景画像510に音声情報画像500が重畳されている。
ステップS10において、ユーザは、図1に示すように、モバイル機器100をオーディオ機器200に近接させる。ここで、モバイル機器100のNFCリーダライタ170は、NFCタグ起動用の起動情報を用いて定期的にポーリングを定期的に行う。モバイル機器100がポーリングを行うタイミングは特に制限されない。例えば、モバイル機器100は、表示部190に何らかの画像(例えば図22に示す画像)が表示されている場合(画面オン)にポーリングを行うようにしてもよい。バッテリの消耗を抑えるためである。なお、モバイル機器100は、表示部190に画像が表示されていない(画面オフ)場合にもポーリングを行なってもよい。この場合、ポーリングの間隔を画面オン時のポーリングよりも長くすることが好ましい。また、モバイル機器100は、音楽アプリの実行中にポーリングを行なってもよい。この場合にも、バッテリの消耗を抑えることができる。ポーリングのタイミングは、NFC制御部134によって設定される。
また、バッテリの消耗を抑えるという観点からは、NFCリーダライタをオーディオ機器200に内蔵させ、NFCタグ部をモバイル機器100に内蔵させるようにしてもよい。
NFCタグ部220は、起動情報を受信した場合、起動情報によって起動する。そして、NFCタグ部220は、NFCリーダライタ170が近接したと判定し(NFC検知)、その旨の近接検知情報をNFC制御部250に出力する。さらに、NFCタグ部220は、アドレス情報及びオーディオ機器情報(オーディオ機器200の名称を示す情報)を含むNFC情報をモバイル機器100に送信する。一方、NFCリーダライタ170は、NFC情報を受信する。これにより、NFCリーダライタ170は、NFCタグ部220の近接を検出する。
ステップS20において、NFC制御部250は、電源部230がオンされているか否かを判定する。NFC制御部250は、電源部230がオンされていると判定した場合には、ステップS40に進み、電源部230がオフされていると判定した場合には、ステップS30に進む。
ステップS30において、NFC制御部250は、電源制御部260に電源オン要請を行い、電源制御部260は、電源部230をオンする。これにより、オーディオ機器200が起動する。ステップS40において、制御部270は、無線通信の接続待ち受けモードに移行する。その後、オーディオ機器200は、図10の処理を終了する。
一方、モバイル機器100は、図11に示す処理を行う。ステップS50において、NFCリーダライタ170は、NFC情報を取得することで、NFCタグ部220の近接、すなわちオーディオ機器200の近接を検知する。そして、NFCリーダライタ170は、NFC情報をNFC制御部134に出力し、NFC制御部134は、NFC情報をハンドオーバ制御部121に出力する。
ステップS60において、ハンドオーバ制御部121は、ハンドオーバレコードを取得する。ここで、ハンドオーバレコードは、後述するペアリングが成功したオーディオ機器のアドレス情報とオーディオ機器の名称とが関連づけられたテーブルであり、ハンドオーバアプリ部120によって管理される。具体的には、ハンドオーバレコードは、例えばモバイル機器100の記録媒体に記憶され、ハンドオーバ制御部121によって読み出される。ハンドオーバレコードは、ネットワーク上に記録されていても良い。
ステップS70において、ハンドオーバ制御部121は、NFC情報からアドレス情報を抽出し、アドレス情報及びハンドオーバレコードを無線通信制御部133に出力する。ステップS80において、無線通信制御部133は、無線通信が有効であるか否かを判定する。無線通信制御部133は、無線通信が有効であると判定した場合には、ステップS100に進み、無線通信が無効であると判定した場合には、ステップS90に進む。
ステップS90において、無線通信制御部133は、無線通信を有効化させる処理(例えば、無線通信部160を起動する処理等)を行う一方、その旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。音声出力先表示・変更UI部122は、無線通信を有効化させる処理が行われていることを報知する有効化報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、有効化報知画像を表示部190に表示する。
図23に表示例を示す。この例では、有効化報知画像610が表示部190の全画面に表示されている。この例では、有効化報知画像610は、無線通信を有効にしている旨の文字情報と、モバイル機器100及びオーディオ機器200のアイコンとを含む。また、背景画像510等は接続報知画像600の裏側に半透明で表示される。図23では、背景画像510等が半透明であることをドットハッチ及び破線で示した。これにより、ユーザは、少なくともNFC検知は終了したこと、すなわち、モバイル機器100をオーディオ機器200に適切にかざせた(近接させた)ことを認識し、モバイル機器100をオーディオ機器200から離すことができる。すなわち、ユーザは、モバイル機器100をオーディオ機器200から離すタイミングを容易に認識することができる。また、ユーザは、背景画像510等も視認することができる。例えば、ユーザは、音声情報付きの動画情報を視聴している場合、音声情報の出力先を変更しつつ、動画情報を視認することができる。
特に、この表示例では、表示部190の全画面に有効化報知画像610が表示されるので、ユーザは、モバイル機器100をオーディオ機器200から離すタイミングをより容易に認識することができる。また、ユーザは、現在どのような処理が行われており、ユーザが何をすべきなのか(この時点では待機)を容易に把握することができる。なお、表示部190は、有効化報知画像610の表示を短時間で終了することで、ユーザの利便性の低下(他の操作ができない等)を抑えることができる。このように、本実施形態では、UIを用いてユーザへのフィードバックを行う。
なお、音声出力制御部132は、この表示に合わせて報知用の音声情報をスピーカから出力してもよい。また、ハンドオーバ制御部121は、この表示に合わせてバイブレーション装置180を振動させてもよい。これらの処理が画像表示と併用される場合、ユーザは、モバイル機器100をオーディオ機器200から離すタイミングをより容易に認識することができる。モバイル機器100は、画像表示、音声出力、バイブレーションのいずれか1つを選択的に行ってもよい。ただし、ユーザは、音楽アプリ制御部111からの音声情報を聴いているので、音声出力に気づかない可能性がある。そこで、音声出力は他の処理(画像表示、バイブレーション)と併用されることが好ましい。音声出力制御部132及びハンドオーバ制御部121は、以下に説明する各報知画像が表示される場合にも、音声出力及びバイブレーションを行なってもよい。
また、モバイル機器100は、ステップS90以降の処理中に、ユーザがモバイル機器100を再度オーディオ機器200に近接させても、当該近接に応じた処理を行わないようにする。すなわち、モバイル機器100は、ステップS90以降の処理を継続して行う。これにより、ユーザは、モバイル機器100の現在の通信状態を把握しやすくなるので、近接操作等に戸惑うことが低減される。なお、モバイル機器100は、ステップS90以降の処理中に、ユーザがモバイル機器100を再度オーディオ機器200に近接させた場合、「処理中です」等の文字情報を表示部190に表示してもよい。
ステップS100において、無線通信制御部133は、ハンドオーバレコードに基づいて、アドレス情報が示すオーディオ機器200とペアリング済みであるか否かを判定する。無線通信制御部133は、ハンドオーバレコードにアドレス情報が含まれている場合には、オーディオ機器200とペアリング済みであると判定し、ハンドオーバレコードにアドレス情報が含まれていない場合には、オーディオ機器200とペアリング済みでないと判定する。
無線通信制御部133は、オーディオ機器200とペアリング済みであると判定した場合には、ステップS120に進み、オーディオ機器200とペアリング済みでないと判定した場合には、ステップS110に進む。
ステップS110において、無線通信制御部133は、オーディオ機器200の無線通信部210とのペアリング(例えば、アドレス情報の交換等)を開始する一方、ペアリングを開始する旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。また、無線通信制御部133は、ペアリングの進捗状況もハンドオーバアプリ部120に逐次通知する。
音声出力先表示・変更UI部122は、ペアリング(ペア設定)が行われていることを報知するペアリング報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、ペアリング報知画像を表示部190に表示する。
図24に表示例を示す。この例では、ペアリング報知画像620が表示部190の全画面に表示されている。この例では、ペアリング報知画像620は、オーディオ機器200(この例では「ABCDE」)とのペアリングが行われている旨の文字情報と、モバイル機器100及びオーディオ機器200のアイコンと枠画像630と、ゲージ画像640とを含む。文字情報には、ペアリングが初回のみ行われることを示す情報も含まれる。ゲージ画像640は、ペアリングが進む毎に右側に伸びていき、ペアリングが終了した時点で枠画像630がゲージ画像640でうめつくされる。これにより、ユーザは、ペアリングが開始されたこと、ペアリングは初回のみ行われること、及びペアリングがどの程度で終了するかを認識することができる。したがって、ユーザは、待機のストレスを低減させることができる。また、図11の処理が行われる前に無線通信が有効化されていた場合、ユーザは、ペアリング報知画像620を視認することで、モバイル機器100をオーディオ機器200に適切にかざせたことを認識することができる。
無線通信制御部133は、ペアリングが終了した場合には、アドレス情報をハンドオーバレコードに登録し、ステップS120に進む。
ステップS120において、無線通信制御部133は、アドレス情報が示すオーディオ機器200、すなわち無線通信部210への接続処理(無線通信の通信経路を確立する処理)を開始する。一方、無線通信制御部133は、オーディオ機器200との接続を行う旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。
ハンドオーバ制御部121は、音声出力制御部132に音声情報の出力を停止することを要求する。これに応じて、音声出力制御部132は、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報の出力を停止する。例えば、音声出力制御部132は、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報を破棄する。ただし、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力を継続する。
音声出力先表示・変更UI部122は、オーディオ機器200への接続処理が行われていることを報知する接続報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、接続報知画像を表示部190に表示する。
図25に表示例を示す。この例では、接続報知画像650が表示部190の全画面に表示されている。この例では、接続報知画像650は、接続が行われている旨の文字情報と、モバイル機器100及びオーディオ機器200のアイコンとを含む。これにより、ユーザは、接続が開始されたことを認識することができる。また、図11の処理が行われる前に無線通信が有効化され、かつ、ペアリングが終了していた場合、ユーザは、接続報知画像650を視認することで、モバイル機器100をオーディオ機器200に適切にかざせたことを認識することができる。
無線通信制御部133は、オーディオ機器200への接続が完了した場合には、その旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。音声出力先表示・変更UI部122は、オーディオ機器200への接続が完了したことを報知する接続完了報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、接続完了報知画像を表示部190に表示する。
図26に表示例を示す。この例では、接続完了報知画像660が表示部190の全画面に表示されている。この例では、接続完了報知画像660は、接続が完了した旨の文字情報と、モバイル機器100及びオーディオ機器200のアイコンとを含む。これにより、ユーザは、接続が完了したことを認識することができる。
一方、ハンドオーバ制御部121は、音声出力先を現在の出力先(イヤホン400)から無線通信制御部133に変更することを要求する旨の変更要求情報を音声出力制御部132に出力する。これに応じて、音声出力制御部132は、音声情報の出力先を現在の出力先(イヤホン400)から無線通信制御部133に変更する。無線通信制御部133は、音声情報を音声出力制御部132に設定された音量で無線通信部160に出力する。
無線通信部160は、音声情報を無線通信部210に送信する。無線通信部210は、音声情報を無線通信制御部240、及び制御部270を介して音声出力制御部280に出力する。音声出力制御部280は、音声情報を音声出力制御部280に設定された音量でスピーカ290から出力する。これにより、ハンドオーバ制御部121は、音声出力先をモバイル機器100内の音声出力制御部132からオーディオ機器200内の音声出力制御部280に変更する。
また、音楽アプリ制御部111は、モバイル機器100とオーディオ機器200との接続処理中にも音声情報を継続して音声出力制御部132に出力するが、音声出力制御部132はこの音声情報を破棄する。したがって、モバイル機器100からの音声情報の出力が中断される。そして、モバイル機器100とオーディオ機器200との接続が確立された場合には、音声情報がオーディオ機器200から出力される。したがって、オーディオ機器200は、音声情報の出力が中断された期間、すなわち中断期間の分だけ進んだ音声情報を出力する。以上の処理により、体験1が実現される。
なお、ユーザは、イヤホン400が挿入されたモバイル機器100をオーディオ機器200に近接させる場合がある。本実施形態では、モバイル機器100は、オーディオ機器200との通信経路が確立された場合、音声出力先を現在の出力先(イヤホン400)から無線通信制御部133に変更する。そして、無線通信制御部133は、イヤホン400の挿抜状態にかかわらず、音声情報をオーディオ機器200に送信する。したがって、本実施形態では、ユーザは、イヤホン400が挿入されたモバイル機器100をオーディオ機器200に近接させた場合でも、オーディオ機器200から音声情報を出力させることができる。すなわち、本実施形態では、音声出力先の優先度は、イヤホン400よりもNFCハンドオーバによりモバイル機器100に接続されたオーディオ機器200の方が高い。これにより、ユーザは、より手間なく体験1を実現することができる。
なお、イヤホン400の優先度がオーディオ機器200よりも高い場合、ユーザは、イヤホン400が挿入されたモバイル機器100をオーディオ機器200に近接させても、音声出力先をオーディオ機器200に変更することができない。また、この場合、イヤホン400から引き続き音声情報が出力される。したがって、ユーザは、イヤホン400を耳から外していた場合、オーディオ機器200から音声情報が出力されない理由を把握しにくいことが予想される。このように、イヤホン400の優先度がオーディオ機器200よりも高い場合、ユーザは、体験1を実現させるのに手間がかかってしまう。しかし、本実施形態では、オーディオ機器200の優先度は、イヤホン400よりも高いので、ユーザは、より手間なく体験1を実現することができる。
ここで、接続報知画像の変形例を幾つか説明する。図27は、接続報知画像の変形例である接続報知画像600を示す。この変形例では、接続報知画像600は表示部190の表示画面の一部だけ専有する。また、背景画像510等は、暗転表示される。図27では、暗転表示をハッチングで示す。この変形例によれば、ユーザは、現在どのような処理が行われており、ユーザが何をすべきなのかを把握することができ、かつ、背景画像510等も視認することができる。
図28は、接続報知画像の変形例である接続報知画像700を示す。接続報知画像700は、表示部190の左上端部に表示される。接続報知画像700は、接続が行われている旨の文字情報「connecting・・・」のみを表示する。すなわち、接続報知画像700は、必要最小限の情報のみユーザに提示する。一方、背景画像510等は通常通り(図22と同様に)表示される。これにより、ユーザは、現在どのような処理が行われており、ユーザが何をすべきなのかを把握することができ、かつ、背景画像510等をより容易に視認することができる。
なお、接続報知画像として接続報知画像600、650、700のどれを表示するかは、例えばユーザが任意に決定できるものとすればよい。例えば、ユーザは、ハンドオーバに慣れていない場合には接続報知画像600または650を選択し、ハンドオーバに慣れた場合には、接続報知画像700を選択することもできる。上記の変形例は、他の報知画像にも適用可能である。
図29は、確認ダイアログ画像710を示す。すなわち、音声出力先表示・変更UI部122は、ステップS90の処理が行われる前、すなわち無線通信が有効化される前に、確認ダイアログ画像710を表示部190に表示してもよい。確認ダイアログ画像710は、無線通信を有効するか否かを問い合わせる旨の文字情報と、「はい」ボタン710aと、「いいえ」ボタン710bとを含む。無線通信制御部133は、ユーザが「はい」ボタン710aを選択した場合には、ステップS90の処理を行い、ユーザが「いいえ」ボタン710bを選択した場合には、図11に示す処理を終了する。これにより、ユーザの意図しない接続(例えば、他人のオーディオ機器への接続)が行われる可能性を低減させることができる。
図30は、確認ダイアログ画像720を示す。すなわち、音声出力先表示・変更UI部122は、ステップS120の処理が行われる前、すなわちオーディオ機器200との接続が行われる(無線通信の通信経路が確立される)前に、確認ダイアログ画像720を表示部190に表示してもよい。確認ダイアログ画像720は、オーディオ機器200と接続するか否かを問い合わせる旨の文字情報と、「はい」ボタン720aと、「いいえ」ボタン720bとを含む。無線通信制御部133は、ユーザが「はい」ボタン720aを選択した場合には、ステップS120の処理を行い、ユーザが「いいえ」ボタン720bを選択した場合には、図11に示す処理を終了する。これにより、ユーザの意図しない接続が行われる可能性を低減させることができる。
ユーザは、確認ダイアログ710、720をモバイル機器100に表示させるか否かを任意に選択可能である。確認ダイアログ710、720がモバイル機器100に表示されないほうが、音声出力先がスムーズに変更される。一方、確認ダイアログ710、720がモバイル機器100に表示されることで、ユーザの意図しない接続が行われる可能性を低減させることができる。ユーザは、これらのメリットを考慮して、確認ダイアログ710、720をモバイル機器100に表示させるか否かを決定すればよい。
図31は、モバイル機器100に現在接続されている機器を一覧表示するリスト画像730を示す。表示制御部135は、ユーザからの要求に応じてリスト画像730を表示部190に表示してもよい。リスト画像730には、オーディオ機器200との接続状態(この例では接続中)、及びオーディオ機器200の名称等が記載されている。これにより、ユーザは、オーディオ機器200との接続状態(この例では接続中)、及びオーディオ機器200の名称等を容易に確認することができる。
図32は、ハンドオーバレコードの一例であるハンドオーバレコード800を示す。すなわち、音声出力先表示・変更UI部122は、ユーザからの要求に応じてハンドオーバレコード800を表示部190に表示してもよい。ハンドオーバレコード800は、機器のアイコン及び名称を関連付けて表示する。これらの機器は、モバイル機器100とのペアリングが終了しているものである。なお、「ABC」はモバイル機器100自身を示す。すなわち、ハンドオーバレコード800には、モバイル機器100も含まれる。また、現在の音声出力先に対応する行810には、現在の音声出力先であることを示すアイコン820が表示される。
ユーザは、ハンドオーバレコード800にリストアップされた機器からいずれかの機器を選択しても良く、無線通信制御部133は、選択された機器と無線通信の通信経路を確立してもよい。これにより、ユーザは、表示画面上からも音声出力先を変更することができる。
また、モバイル機器100のアイコンは、イヤホン400の挿抜状態に応じて変化してもよい。すなわち、モバイル機器100のアイコンは、イヤホン400が挿入されている場合にはイヤホン400付きのアイコンとなり、イヤホン400が抜かれている場合には、イヤホン400なしのアイコンとなる(図32の例)。これにより、ユーザは、実質的な音声出力先(スピーカ150またはイヤホン400)を容易に把握することができる。
また、無線通信制御部133は、無線通信部160を用いてモバイル機器100周辺をスキャンし、応答があったもののみをハンドオーバレコード800に表示してもよい。また、ハンドオーバレコード800は、応答があった機器を表示し、応答がなかった機器をグレーアウト表示してもよい。これにより、ユーザは、どの機器を音声出力先として選択できるかを容易に把握することができる。
なお、ハンドオーバレコードは音楽アプリ制御部111によって管理されてもよい。図33は、音楽アプリ制御部111によって管理されるハンドオーバレコード900を示す。すなわち、音楽アプリ制御部111は、音楽アプリの実行中にハンドオーバレコード900を表示部190に表示することができる。これにより、ユーザは、音楽アプリを中断させることなくハンドオーバレコード900を呼び出せるので、ユーザビリティが向上する。
ハンドオーバレコード900の構成はハンドオーバレコード800と同様である。すなわち、ハンドオーバレコード900は、機器のアイコン及び名称を関連付けて表示する。これらの機器は、モバイル機器100とのペアリングが終了しているものである。なお、「ABC」はモバイル機器100自身を示す。すなわち、ハンドオーバレコード900には、モバイル機器100も含まれる。また、現在の音声出力先に対応する行910には、現在の音声出力先であることを示すアイコン920が表示される。また、ハンドオーバレコード900には、キャンセルボタン930が含まれる。音楽アプリ制御部111は、ユーザがキャンセルボタン930を選択した場合、ハンドオーバレコード900の表示を終了する。ハンドオーバレコード900は、ハンドオーバレコード800と同様に、イヤホン400の挿抜状態に応じてアイコンを変更可能であり、また、スキャン結果に応じて各行の表示態様を変更可能である。
(4−2.体験2に関する基本処理)
次に、体験2に関する基本処理を図12に示すフローチャートに沿って説明する。前提として、図3に示すように、オーディオ機器200が音声情報を出力している、すなわち、上述した体験1の処理が行われたものとする。ユーザは、音声出力先をオーディオ機器200からオーディオ機器300に変更するために、モバイル機器100をオーディオ機器300に近接させる。これに応じて、オーディオ機器300は、体験1のオーディオ機器200と同様の処理(図10に示す処理)を行う。一方、モバイル機器100は、図12に示す処理を行う。
ステップS130において、NFCリーダライタ170は、オーディオ機器300からNFC情報を取得することで、NFCタグ部320の近接、すなわちオーディオ機器300の近接を検知する。そして、NFCリーダライタ170は、NFC情報をNFC制御部134に出力し、NFC制御部134は、NFC情報をハンドオーバ制御部121に出力する。
ステップS140において、ハンドオーバ制御部121は、ハンドオーバレコードを取得する。ステップS150において、ハンドオーバ制御部121は、NFC情報からアドレス情報を抽出し、アドレス情報及びハンドオーバレコードを無線通信制御部133に出力する。
ステップS160において、無線通信制御部133は、無線通信が有効であるか否かを判定する。無線通信制御部133は、無線通信が有効であると判定した場合には、ステップS180に進み、無線通信が無効であると判定した場合には、ステップS170に進む。
ステップS170において、無線通信制御部133は、無線通信を有効化させる処理(例えば、無線通信部160を起動する処理等)を行う一方、その旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。音声出力先表示・変更UI部122は、無線通信を有効化させる処理が行われていることを報知する有効化報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、有効化報知画像を表示部190に表示する。有効化報知画像は、図23と同様の構成であればよい。
ステップS180において、無線通信制御部133は、オーディオ機器300(すなわち、抽出したアドレス情報が示すオーディオ機器)以外のオーディオ機器と接続中(無線通信の通信経路が確立中)であるか否かを判定する。無線通信制御部133は、オーディオ機器300以外のオーディオ機器と接続中であると判定した場合には、ステップS190に進み、オーディオ機器300以外のオーディオ機器と接続されていないと判定した場合には、ステップS200に進む。
ステップS190において、無線通信制御部133は、オーディオ機器300以外のオーディオ機器との通信経路を切断する。さらに、ハンドオーバ制御部121は、音声出力制御部132に音声情報の出力を停止することを要求する。これに応じて、音声出力制御部132は、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報の出力を停止する。例えば、音声出力制御部132は、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報を破棄する。ただし、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力を継続する。これにより、音声情報の出力先が一旦モバイル機器100に戻る。
ステップS200において、無線通信制御部133は、ハンドオーバレコードに基づいて、アドレス情報が示すオーディオ機器300とペアリング済みであるか否かを判定する。無線通信制御部133は、オーディオ機器300とペアリング済みであると判定した場合には、ステップS220に進み、オーディオ機器300とペアリング済みでないと判定した場合には、ステップS210に進む。
ステップS210において、無線通信制御部133は、オーディオ機器300の無線通信部310とのペアリング(例えば、アドレス情報の交換等)を開始する一方、ペアリングを開始する旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。また、無線通信制御部133は、ペアリングの進捗状況もハンドオーバアプリ部120に逐次通知する。
音声出力先表示・変更UI部122は、ペアリング(ペア設定)が行われていることを報知するペアリング報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、ペアリング報知画像を表示部190に表示する。ペアリング報知画像は図24と同様の構成であればよい。無線通信制御部133は、ペアリングが終了した場合には、アドレス情報をハンドオーバレコードに登録し、ステップS220に進む。
ステップS220において、無線通信制御部133は、アドレス情報が示すオーディオ機器300、すなわち無線通信部310への接続処理(無線通信の通信経路を確立する処理)を開始する。一方、無線通信制御部133は、オーディオ機器300との接続を行う旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。
音声出力先表示・変更UI部122は、オーディオ機器300への接続処理が行われていることを報知する接続報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、接続報知画像を表示部190に表示する。接続報知画像は図25と同様の構成であればよい。
無線通信制御部133は、オーディオ機器300への接続が完了した場合には、その旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。音声出力先表示・変更UI部122は、オーディオ機器300への接続が完了したことを報知する接続完了報知画像を生成し、表示制御部135に出力する。表示制御部135は、接続完了報知画像を表示部190に表示する。接続完了報知画像は、図26と同様の構成であればよい。
一方、ハンドオーバ制御部121は、音声情報の出力を再開することを要求する旨の再開要求情報を音声出力制御部132に出力する。これに応じて、音声出力制御部132は音声情報を無線通信制御部133に出力し、無線通信制御部133は、音声情報を無線通信部160に出力し、無線通信部160は、音声情報を無線通信部310に送信する。無線通信部310は、音声情報を無線通信制御部340、及び制御部370を介して音声出力制御部380に出力する。音声出力制御部380は、音声情報をスピーカ390から出力する。これにより、ハンドオーバ制御部121は、音声出力先をオーディオ機器200内の音声出力制御部280からオーディオ機器300内の音声出力制御部380に変更する。
また、音楽アプリ制御部111は、モバイル機器100とオーディオ機器300との接続処理中にも音声情報を継続して音声出力制御部132に出力するが、音声出力制御部132はこの音声情報を破棄する。したがって、オーディオ機器200からの音声情報の出力が中断される。そして、モバイル機器100とオーディオ機器300との接続が確立された場合には、音声情報がオーディオ機器300から出力される。したがって、オーディオ機器300は、音声情報の出力が中断された期間、すなわち中断期間の分だけ進んだ音声情報を出力する。以上の処理により、体験2が実現される。
(4−3.体験3に関する基本処理)
次に、体験3に関する基本処理を図13に示すフローチャートに沿って説明する。前提として、図5に示すように、オーディオ機器200が音声情報を出力している、すなわち、上述した体験1の処理が行われたものとする。ユーザは、音声出力先をオーディオ機器200からモバイル機器100に戻すために、モバイル機器100をオーディオ機器200に近接させる。これに応じて、オーディオ機器200は、体験1と同様の処理(図10に示す処理)を行う。一方、モバイル機器100は、図13に示す処理を行う。
ステップS230において、NFCリーダライタ170は、オーディオ機器200からNFC情報を取得することで、NFCタグ部220の近接、すなわちオーディオ機器200の近接を検知する。そして、NFCリーダライタ170は、NFC情報をNFC制御部134に出力し、NFC制御部134は、NFC情報をハンドオーバ制御部121に出力する。
ステップS240において、ハンドオーバ制御部121は、ハンドオーバレコードを取得する。ステップS250において、ハンドオーバ制御部121は、NFC情報からアドレス情報を抽出し、アドレス情報及びハンドオーバレコードを無線通信制御部133に出力する。
ステップS260において、無線通信制御部133は、オーディオ機器200(すなわち、抽出したアドレス情報が示すオーディオ機器)と接続中(無線通信の通信経路が確立中)であるか否かを判定する。無線通信制御部133は、オーディオ機器200と接続中であると判定した場合には、NFCハンドオーバによる切断を行う旨をハンドオーバ制御部121及び音楽アプリ制御部111に通知し、ステップS270に進む。一方、無線通信制御部133は、オーディオ機器200と接続されていないと判定した場合には、本処理を終了する。
ステップS270において、無線通信制御部133は、オーディオ機器200との通信経路を切断する。さらに、ハンドオーバ制御部121は、音声出力制御部132に音声情報の出力を停止することを要求する。これに応じて、音声出力制御部132は、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報の出力を停止する。例えば、音声出力制御部132には、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報を破棄する。ただし、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力を継続する。ハンドオーバ制御部121は、通信経路の切断が終了した後、音声出力先を無線通信制御部133からモバイル機器100内の出力先(イヤホン400またはスピーカ150)に変更することを要求する。これに応じて、音声出力制御部132は、音声情報の出力先をイヤホン400またはスピーカ150に変更する。そして、音声出力制御部132は、音声情報をイヤホン400またはスピーカ150に出力する。
ステップS280において、無線通信制御部133は、通信経路が切断されたことを音楽アプリ部110に通知する。なお、無線通信制御部133は、NFCハンドオーバによる切断のみならず、他の原因によって無線通信が切断された場合にも、その旨を音楽アプリ部110に通知する。他の原因としては、例えば、モバイル機器100とオーディオ機器200との距離が無線通信可能範囲を超えたことが挙げられる。
ステップS290において、音楽アプリ制御部111は、通信経路の切断がNFCハンドオーバによるものであるか否かを判定する。音楽アプリ制御部111は、通信経路の切断がNFCハンドオーバによるものであると判定した場合には、音声情報を継続して音声出力制御部132に変更する。音声出力制御部132は、イヤホン400またはスピーカ150から音声情報を出力する。その後、音楽アプリ制御部111は、本処理を終了する。
すなわち、この場合、モバイル機器100は、音声情報の出力先をオーディオ機器200内の音声出力制御部280からモバイル機器100内の音声出力制御部132に変更する。また、音楽アプリ制御部111は、モバイル機器100とオーディオ機器200との切断処理中にも音声情報を継続して音声出力制御部132に出力するが、音声出力制御部132はこの音声情報を破棄する。したがって、オーディオ機器200からの音声情報の出力が中断される。そして、モバイル機器100とオーディオ機器200との通信経路が切断された場合には、音声情報がモバイル機器100から出力される。したがって、モバイル機器100は、音声情報の出力が中断された期間、すなわち中断期間の分だけ進んだ音声情報を出力する。
一方、音楽アプリ制御部111は、通信経路の切断がNFCハンドオーバによるものでないと判定した場合には、ステップS300に進む。ステップS300において、音楽アプリ制御部111は、音声出力を一時停止する。この場合、NFCハンドオーバ以外の原因によって無線通信が切断されたからである。その後、音楽アプリ制御部111は、本処理を終了する。以上の処理により、体験3が実現される。
このように、体験3では、音声出力先がオーディオ機器200からモバイル機器100に戻るが、モバイル機器100にイヤホン400が挿入されていない場合、ユーザは、スピーカ150からの音声出力を望まない可能性がある。そこで、モバイル機器100は、体験3において図14に示す処理を行なってもよい。図14に示すように、この処理は、ステップS290以降の処理が異なる。
すなわち、ステップS320において、イヤホン挿抜状態監視部131は、監視結果情報を音楽アプリ制御部111に出力する。音楽アプリ制御部111は、監視結果情報に基づいて、イヤホン400がモバイル機器100に接続中であるか否かを判定する。音楽アプリ制御部111は、イヤホン400がモバイル機器100に接続中であると判定した場合には、音声情報の出力を継続して音声出力制御部132に出力する。音声出力制御部132は、イヤホン400から音声情報を出力する。その後、音楽アプリ制御部111は、本処理を終了する。
一方、音楽アプリ制御部111は、イヤホン400がモバイル機器100から抜かれていると判定した場合には、ステップS330に進む。ステップS330において、音楽アプリ制御部111は、音声出力を一時停止する。その後、音楽アプリ制御部111は、本処理を終了する。音楽アプリ制御部111は、イヤホン400がモバイル機器100に接続された場合に、音声出力を再開する。音声情報は、音声出力制御部132に出力される。図14の処理によれば、モバイル機器100は、イヤホン400が抜かれたモバイル機器100が音声出力先のオーディオ機器に近接した場合、音声出力先をモバイル機器100に戻しつつ、モバイル機器100からの音声出力を一時停止することができる。また、何らかの原因でモバイル機器100と音声出力先のオーディオ機器との通信経路が切断された場合、モバイル機器100は、イヤホン400から音声情報を出力することができる。図13の処理と図14の処理とが併用されてもよい。
(4−4.体験1におけるイヤホン抜け時の処理)
体験1では、上述したように、音声出力先がモバイル機器100からオーディオ機器200に変更されるので、ユーザは、音声出力先の変更後に、モバイル機器100からイヤホン400を抜く可能性がある。このような場合であっても、オーディオ機器200から音声情報の出力が継続されることが好ましい。そこで、モバイル機器100は、図15に示す処理を行ってもよい。
ステップS340において、ユーザは、イヤホン400をモバイル機器100から抜く。これに応じて、イヤホン挿抜状態監視部131は、イヤホン400がモバイル機器100から抜かれた旨の監視結果情報を音楽アプリ制御部111に出力する。
ステップS350において、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力中(音楽再生中)であるか否かを判定する。音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力中であると判定した場合には、ステップS360に進み、音声情報の出力中でないと判定した場合には、本処理を終了する。
ステップS360において、音楽アプリ制御部111は、いずれかのオーディオ機器に無線接続中である(通信経路が確立されている)か否かを判定する。音楽アプリ制御部111は、いずれかのオーディオ機器に無線接続中であると判定した場合には、本処理を終了し、いずれのオーディオ機器にも無線接続されていないと判定した場合には、ステップS370に進む。
ステップS370において、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力を一時停止する。この場合、音声出力先がモバイル機器100となっており、かつ、イヤホン400がモバイル機器100から抜かれたからである。その後、音楽アプリ制御部111は、本処理を終了する。音楽アプリ制御部111は、イヤホン400がモバイル機器100に接続された場合に、音声情報の出力を再開する。体験1の実行中では、ステップS360で「Yes」方向に進むので、音声情報の出力が継続される。
(4−5.体験1におけるフェードイン、フェードアウトの処理)
上述したように、体験1〜3では、通信経路が確立(または切断)される前に各機器からの音声情報の出力が停止し、通信経路が確立(または切断)された後に各機器からの音声出力が再開される。ここで、音声情報の停止時には、音声情報をフェードアウトさせた方が好ましく、音声情報の再開時には音声情報をフェードインさせたほうが好ましい。音声情報をフェードイン、フェードアウトさせた場合、ユーザはより違和感の少ない音声情報を聴くことができるからである。そこで、モバイル機器100は、体験1において図16に示す処理を行なってもよい。
ステップS380において、モバイル機器100は、図11に示すステップS50〜S110の処理を行う。ステップS390において、無線通信制御部133は、ステップS70で抽出したアドレス情報が示すオーディオ機器200への接続処理を開始する。
ステップS400において、無線通信制御部133は、オーディオ機器200との接続を行う旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。ハンドオーバ制御部121は、音声出力制御部132に音声情報の出力を停止することを要求する。これに応じて、音声出力制御部132は、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報の出力をフェードアウトさせる。具体的には、音声出力制御部132は、音声出力制御部132に設定された音量で音声情報をイヤホン400(またはスピーカ150)に出力する一方、音声出力制御部132に設定された音量を時間の経過に応じて低下させる。これにより、イヤホン400(またはスピーカ150)から出力される音声情報もフェードアウトされる。ただし、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力を継続する。
ここで、フェードアウトの時間(フェードアウトが開始されてから音声出力制御部132の設定音量が0になるまでの時間)は予め設定される。また、音声出力制御部132は、フェードアウト開始時に音声出力制御部132に設定された音量と、フェードアウトの時間とに基づいて、フェードアウトの傾き(単位時間当りの音量低下量)を設定する。
ステップS410において、無線通信制御部133は、オーディオ機器200への接続が完了するまで待機する。無線通信制御部133は、オーディオ機器200への接続が完了したと判定した場合には、ステップS420に進む。
ステップS420において、オーディオ機器200への接続が完了した旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。ハンドオーバ制御部121は、音声出力先を現在の出力先(イヤホン400)から無線通信制御部133に変更することを要求する旨の変更要求情報を音声出力制御部132に出力する。これに応じて、音声出力制御部132は、音声情報の出力先を現在の出力先から無線通信制御部133に変更する。
無線通信制御部133は、音声情報を音声出力制御部132に設定された音量で無線通信部160に出力する一方、音声出力制御部132は、当該音声出力制御部132に設定された音量を時間の経過に応じて上昇させる。これにより、無線通信制御部133は、音声情報をフェードインさせる。フェードインの時間はフェードアウトの時間と同一であり、フェードインの傾き(単位時間当りの音量上昇量)はフェードアウトの傾きの符号を変えたものとされる。もちろん、フェードイン、アウトの時間及び傾きはこれらの例に限られない。例えば、フェードイン、アウトの時間は互いに異なっていてもよい。これらの傾きの絶対値も異なっていてもよい。また、フェードイン、アウトのタイミングは任意に変更されてもよい。例えば、通信経路の確立(または切断)の処理において、オーディオ機器毎に処理時間にゆらぎのある時間帯ではフェードイン、アウトを行わず、処理時間のゆらぎの小さい時間帯にフェードイン、アウトを開始してもよい。その後、モバイル機器100は、本処理を終了する。
(4−6.体験2におけるフェードイン、フェードアウトの処理)
同様に、モバイル機器100は、体験2において図17に示す処理を行なってもよい。ステップS480において、モバイル機器100は、図12に示すステップS130〜S180の処理を行う。
ステップS490において、無線通信制御部133は、オーディオ機器300以外のオーディオ機器(移行元オーディオ機器)、すなわちオーディオ機器200との通信経路を切断する処理を開始する。
ステップS500において、無線通信制御部133は、音声情報を音声出力制御部132に設定された音量で無線通信部160に出力する一方、音声出力制御部132は、当該音声出力制御部132に設定された音量を時間の経過に応じて低下させる。これにより、無線通信制御部133は、音声情報をフェードアウトさせる。これにより、オーディオ機器200から出力される音声情報もフェードアウトされる。ここで、フェードアウトの時間、傾きは上述した例と同様であればよい。なお、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力を継続する。
ステップS510において、無線通信制御部133は、オーディオ機器200との通信経路が切断されるまで待機する。その後、無線通信制御部133は、ステップS520に進む。
ステップS520において、無線通信制御部133は、フェードアウトが完了している(すなわち、音声出力制御部132に設定された音量が0になっている)か否かを判定する。無線通信制御部133は、フェードアウトが完了していると判定した場合には、ステップS540に進み、フェードアウトが完了していないと判定した場合には、ステップS530に進む。
ステップS530において、音声出力制御部132は、当該音声出力制御部132に設定された音量を0にする。
ステップS540において、無線通信制御部133は、アドレス情報が示すオーディオ機器300、すなわち移行先オーディオ機器への接続処理を開始する。一方、無線通信制御部133は、オーディオ機器300との接続を行う旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。
ステップS550において、無線通信制御部133は、オーディオ機器300への接続が完了するまで待機し、その後、ステップS560に進む。
ステップS560において、無線通信制御部133は、オーディオ機器300への接続が完了した旨をハンドオーバアプリ部120に通知する。一方、ハンドオーバ制御部121は、音声情報の出力を再開することを要求する旨の再開要求情報を無線通信制御部133に出力する。
これに応じて、無線通信制御部133は、音声情報を音声出力制御部132に設定された音量で無線通信部160に出力する一方、音声出力制御部132は、当該音声出力制御部132に設定された音量を時間の経過に応じて上昇させる。これにより、無線通信制御部133は、音声情報をフェードインさせる。フェードインの時間、傾きは上述した例と同様であればよい。その後、モバイル機器100は、本処理を終了する。
(4−7.体験3におけるフェードイン、フェードアウトの処理)
同様に、モバイル機器100は、体験3において図18に示す処理を行なってもよい。ステップS430において、モバイル機器100は、図13に示すステップS230〜S260の処理を行う。
ステップS440において、無線通信制御部133は、ステップS250で抽出したアドレス情報が示すオーディオ機器、すなわちオーディオ機器200との通信経路を切断する処理を開始する。さらに、ハンドオーバ制御部121は、無線通信制御部133に音声情報の出力を停止することを要求する。
ステップS450において、無線通信制御部133は、音声情報を音声出力制御部132に設定された音量で無線通信部160に出力する一方、音声出力制御部132は、当該音声出力制御部132に設定された音量を時間の経過に応じて低下させる。これにより、無線通信制御部133は、音声情報をフェードアウトさせる。これにより、オーディオ機器200から出力される音声情報もフェードアウトされる。ここで、フェードアウトの時間、傾きは上述した例と同様であればよい。また、音楽アプリ制御部111は、音声情報の出力を継続する。
ステップS460において、無線通信制御部133は、通信経路の切断が完了するまで待機し、その後、ステップS470に進む。
ステップS470において、ハンドオーバ制御部121は、音声出力先を無線通信制御部133からモバイル機器100内の出力先(イヤホン400またはスピーカ150)に変更することを要求する。これに応じて、音声出力制御部132は、音声情報の出力先をイヤホン400またはスピーカ150に変更する。一方、無線通信制御部133は、通信経路が切断されたことを音楽アプリ部110に通知する。音楽アプリ制御部111は、通信経路の切断がNFCハンドオーバによるものであるか否かを判定する。音楽アプリ制御部111は、通信経路の切断がNFCハンドオーバによるものであると判定した場合には、音声情報の出力を継続する。
音声出力制御部132は、音楽アプリ制御部111から与えられた音声情報の出力をフェードインさせる。具体的には、音声出力制御部132は、音声出力制御部132に設定された音量で音声情報をイヤホン400(またはスピーカ150)に出力する一方、音声出力制御部132に設定された音量を時間の経過に応じて上昇させる。これにより、イヤホン400(またはスピーカ150)から出力される音声情報もフェードインされる。その後、音楽アプリ制御部111は、本処理を終了する。なお、音楽アプリ制御部111は、通信経路の切断がNFCハンドオーバによるものでないと判定した場合には、図13に示すステップS300と同様の処理を行う。その後、音楽アプリ制御部111は、本処理を終了する。
(4−8.通信経路確立時(接続時)における音量設定処理)
上述したように、体験1、2では、ユーザは、モバイル機器100を用いて音声出力先をオーディオ機器200またはオーディオ機器300に変更することができる。ここで、オーディオ機器200、300毎にモバイル機器100の音量(音声出力制御部132の音量)が予め設定されていれば、ユーザは、変更毎に音量の調整をする手間が省ける。また、音声出力先がオーディオ機器200、300に変更された際に、音声情報がユーザの意図しない音量でこれらのオーディオ機器から出力される可能性が低減される。そこで、モバイル機器100は、体験1、2の処理を行う際に、図19に示す処理を行なってもよい。
ステップS570〜S580において、モバイル機器100は、図11に示すステップS50〜S120の処理を行う。ステップS590において、音声出力制御部132は、音声出力制御部132に設定された音量を一時記憶する。
ステップS600において、音声出力制御部132は、接続先(移行先)オーディオ機器との接続用の音量を記憶(保持)しているか否かを判定する。音声出力制御部132は、移行先オーディオ機器との接続用の音量を記憶していると判定した場合には、ステップS610に進む。音声出力制御部132は、移行先オーディオ機器との接続用の音量を記憶していないと判定した場合には、設定音量を現在の値に維持し、本処理を終了する。この場合、無線通信制御部133は、音声出力制御部132の現在の設定音量で音声情報を出力する。
ステップS610において、音声出力制御部132は、音声出力制御部132に設定された音量を、移行先オーディオ機器との接続用の音量に変更する。その後、音声出力制御部132は、本処理を終了する。この場合、無線通信制御部133は、移行先オーディオ機器との接続用の音量で音声情報を出力する。
(4−9.通信経路切断時における音量設定処理)
上述したように、体験3では、ユーザは、モバイル機器100を用いて音声出力先をオーディオ機器200またはオーディオ機器300からモバイル機器100に戻すことができる。ここで、音声出力先がモバイル機器100に戻った際に、モバイル機器100の音量が自動的に当初の値(音声出力先がオーディオ機器200等に移行する前の値)に戻れば、ユーザは、変更毎に音量の調整をする手間が省ける。そこで、モバイル機器100は、体験3の処理を行う際に、図20に示す処理を行なってもよい。
ステップS620において、モバイル機器100は、図13に示すステップS230〜S260の処理を行う。ステップS630において、音声出力制御部132は、音声出力制御部132に設定された音量を移行先オーディオ機器との接続用の音量として記憶する。
ステップS640において、モバイル機器100は、ステップS270と同様の処理を行う。ステップS650において、音声出力制御部132は、音量設定値を図19に示すステップS590で記憶した値に戻す。その後、音声出力制御部132は、本処理を終了する。
なお、NFCタグ部220にオーディオ機器200の現在の音量設定値を記憶させておき、NFCタグ部220は、この音量設定値もNFC情報としてモバイル機器100に送信してもよい。オーディオ機器300についても同様である。そして、音声出力制御部132は、オーディオ機器200、300の音量設定値に基づいて、音声出力制御部132の音量を設定してもよい。例えば、オーディオ機器200、300毎に音量の目標値を設定しておき、音声出力制御部132は、音声出力制御部132の音量とオーディオ機器200、300の音量とを乗じた値が目標値に一致するように、音声出力制御部132の音量を設定してもよい。
(4−10.オーディオ機器の電源オン処理に関する変形例)
次に、オーディオ機器200、300の電源オン処理に関する変形例について図21に示すフローチャートにそって説明する。なお、以下の説明では、オーディオ機器200が行う処理について説明するが、オーディオ機器300も同様の処理が可能である。
ステップS660〜670において、オーディオ機器200は、図10に示すステップS10〜S30の処理を行う。ステップS680において、無線通信制御部240は、NFC近接(NFCハンドオーバ)による電源オンが行われた(すなわち、ステップS660〜S670の処理が行われた)か否かを判定する。無線通信制御部240は、NFC近接(NFCハンドオーバ)による電源オンが行われたと判定した場合には、ステップS690に進み、それ以外の場合には、本処理を終了する。ステップS690において、無線通信制御部240は、図10に示すステップS40と同様の処理を行う。これにより、無線通信制御部240は、効率良く接続待ち受けモードに入ることができる。
以上により、本実施形態では、モバイル機器100は、NFCタグ部220、320への近接が検出された場合に、音声出力先を現在の出力先から音声出力制御部132、280、380のいずれかに変更する。これにより、ユーザは、音声情報の出力先をより容易に変更することができる。
例えば、体験1では、現在の出力先が音声出力制御部132となり、移行先の音声出力制御部が音声出力制御部280となる。体験2では、現在の出力先が音声出力制御部280となり、移行先の音声出力制御部が音声出力制御部380となる。体験3では、現在の出力先が音声出力制御部280となり、移行先の音声出力制御部が音声出力制御部132となる。
さらに、モバイル機器100は、現在の出力先と移行後の出力先とのうち、いずれかの状態に基づいて、音声情報の出力を制御するので、音声情報をより詳細に制御することができる。
さらに、モバイル機器100は、モバイル機器100に音声出力先が戻る場合に、モバイル機器100にイヤホン400が接続されているか否かを判定し、判定結果に基づいて、音声情報の出力を制御する。したがって、モバイル機器100は、音声情報の出力をより詳細に制御することができる。
具体的には、モバイル機器100は、モバイル機器100にイヤホン400が接続されていない場合に、音声情報の出力を停止する。これにより、ユーザの意図しない出力が防止される。
さらに、モバイル機器100は、現在の出力先及び移行先の音声出力制御部のうち、少なくとも一方の状態に基づいて、音声情報の音量を調整するので、音量をより詳細に調整することができる。
具体的には、モバイル機器100は、現在の出力先及び移行先の音声出力制御部に設定された音量のうち、少なくとも一方の音量に基づいて、音声情報の音量を調整するので、音量をより詳細に調整することができる。
さらに、モバイル機器100は、現在の出力先及び移行先の出力制御部のうち、少なくとも一方の通信状態に基づいて、音声情報の出力を制御するので、音声情報の出力をより詳細に制御することができる。
具体的には、モバイル機器100は、NFCタグ部220、320への近接により現在の出力先との通信経路が切断された場合に、音声情報の出力を継続するので、ユーザは、音声情報を継続して楽しむことができる。
さらに、モバイル機器100は、現在の出力先がモバイル機器100となる場合に、モバイル機器100にイヤホン400が接続されているか否かを判定する。そして、モバイル機器100は、イヤホン400がモバイル機器100に接続されていないと判定し、かつ、移行先の出力制御部との通信経路が確立されている場合には、音声情報の出力を継続する。したがって、ユーザは、音声情報を継続して楽しむことができる。
さらに、モバイル機器100は、現在の出力先との通信経路が切断される前に、音声情報のフェードアウトを開始し、移行先の出力制御部との通信経路が確立された際に、音声情報のフェードインを開始する。したがって、ユーザは、より違和感の少ない音声情報を楽しむことができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、コンテンツ情報を音声情報としたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、コンテンツ情報は画像情報等であってもよい。この場合、各機器は画像表示用の機器を有する。また、挿抜状態監視の対象はイヤホン400以外の媒体、例えばヘッドホンであってもよい。また、各動作の動作主体は上述した例に限られない。例えば、無線通信制御部133が行う処理をハンドオーバ制御部121に実行させてもよい。
また、上述した処理では、ある通信経路が確立される場合には、他の通信経路が切断される。すなわち、確立される通信経路は1つとなる。しかし、複数の通信経路が同時に確立してもよい。すなわち、モバイル機器100は、一の通信経路の確立中に他の通信経路を確立した場合、一の通信経路を維持してもよい。この場合、例えば複数の機器から同時に音声情報が出力されてもよい。
また、複数のユーザが互いにオーディオ機器200またはオーディオ機器300を横取りするようにしてもよい。例えば、あるユーザのモバイル機器100とオーディオ機器200との通信経路が確立されている際に、他のユーザが自分のモバイル機器100をオーディオ機器200に近づける。この場合、他のユーザのモバイル機器100は、オーディオ機器200との通信経路を確立する一方、あるユーザのモバイル機器100との通信経路を切断してもよい。これにより、例えば、あるユーザがモバイル機器100とオーディオ機器200との通信経路を確立したまま外出した場合であっても、他のユーザは、自由に体験1を楽しむことができる。
また、上述した処理では、モバイル機器100が各種報知画像を表示するが、オーディオ機器200、300に表示部を備えさせ、当該表示部に各種報知画像と同様の画像を表示させるようにしてもよい。また、モバイル機器100、オーディオ機器200、300のそれぞれにおいて、例えば近接時にインプレッシブな演出を行なってもよい。例えば、モバイル機器100の表示部190に、オーディオ機器200、300との距離に応じて変化する画像を表示させてもよい。また、オーディオ機器200、300に発光部(ランプ等)を備えさせ、モバイル機器100が近接したら発行部が光る、モバイル機器100
との距離に応じた発光量で発光部を光らせる等の処理が行われても良い。また、オーディオ機器200、300が表示部を有する場合、NFC情報の送信時に、NFC情報がモバイル機器100に飛んでいく様子を示す画像を表示部に表示させてもよい。
また、NFCタグ部220、320は、オーディオ機器200、300に内蔵されていなくてもよい。また、オーディオ機器200、300はNFCタグ部220、320の代わりにオーディオ機器200の無線通信用のアドレスを何らかの形態(例えばQRコード(登録商標)等)で表示する表示部を備えてもよい。この場合、モバイル機器100は、表示部に表示されたアドレスを読み取り可能なもの(例えば撮像部)を有する。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
第1のコンテンツ出力制御部を備えるコンテンツ出力機器を検出する判定部と、
コンテンツを出力する出力部を制御する第2のコンテンツ出力制御部と、
前記第1のコンテンツ出力制御部または第2のコンテンツ出力制御部のいずれかに前記コンテンツの実体データを含むコンテンツ情報を出力する制御部と、
を備え、
前記第2のコンテンツ出力制御部に前記コンテンツ情報を出力しているときに、前記判定部にて前記コンテンツ出力機器が検出された場合、前記制御部は、前記第1のコンテンツ出力制御部に前記コンテンツ情報を出力する、情報処理装置。
(2)
前記コンテンツ出力機器は、前記判定部によって検出された場合、前記コンテンツ出力機器に対応する識別情報を送信し、前記情報処理装置との通信経路の確立後、前記第1のコンテンツ出力制御部から前記コンテンツ情報を出力する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記コンテンツ出力機器との通信経路が確立された場合、前記第1のコンテンツ出力制御部は、前記コンテンツ情報の出力のフェードインを開始する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、前記コンテンツ出力機器に対応する識別情報を受信し、受信した前記識別情報に対応する前記コンテンツ出力機器との通信経路を確立した後、前記第2のコンテンツ出力制御部に前記コンテンツ情報を出力する、前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記判定部は、前記コンテンツ出力機器の近接を検出することで、コンテンツ出力機器を検出する、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記判定部は、前記コンテンツ出力機器との接続を検出する、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(7)
前記判定部にて前記コンテンツ出力機器が検出された場合、前記制御部は、前記コンテンツ情報の出力先を前記第1のコンテンツ出力制御部から前記第2のコンテンツ出力制御部に変更する、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(8)
前記コンテンツ情報は、前記コンテンツの実体データとして、音声情報を含む、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記判定部にて前記コンテンツ出力機器が検出された場合、前記制御部は、前記第2のコンテンツ出力制御部に前記コンテンツ情報の出力停止を要求し、前記コンテンツ出力機器に前記第1のコンテンツ出力制御部との通信経路の確立を要求する、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
前記第2のコンテンツ出力制御部は、出力された前記コンテンツ情報を破棄することで、前記出力部からの前記コンテンツ情報の出力を停止させる、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記コンテンツ情報の出力停止を要求された場合、前記第2のコンテンツ出力制御部は、前記コンテンツ情報の出力のフェードアウトを開始する、前記(9)に記載の情報処理装置。
(12)
演算処理装置によって、コンテンツを出力する出力部を制御する第2のコンテンツ出力制御部に、コンテンツの実体データを含むコンテンツ情報を出力することと、
第1のコンテンツ出力制御部を備えるコンテンツ出力機器を検出することと、
前記コンテンツ出力機器が検出された場合に、前記第1のコンテンツ出力制御部に前記コンテンツ情報を出力することと、
を含む、情報処理方法。
(13)
コンピュータを
第1のコンテンツ出力制御部を備えるコンテンツ出力機器を検出する判定部と、
コンテンツを出力する出力部を制御する第2のコンテンツ出力制御部と、
前記第1のコンテンツ出力制御部または第2のコンテンツ出力制御部のいずれかに前記コンテンツの実体データを含むコンテンツ情報を出力する制御部と、
として機能させ、
前記第2のコンテンツ出力制御部に前記コンテンツ情報を出力しているときに、前記判定部にて前記コンテンツ出力機器が検出された場合、前記制御部に、前記第1のコンテンツ出力制御部へ前記コンテンツ情報を出力させるように機能させる、プログラム。