JP6323291B2 - H形鋼の仕上曲げ加工機 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば矩形断面であるスラブやブルーム等を素材として粗圧延、中間圧延を経由して造形されたH形中間材に対し仕上曲げ加工工程で主としてフランジの曲げ加工を施しH形鋼製品を製造するための仕上曲げ加工機に関する。
H形鋼の製造方法としては、加熱炉から抽出されたスラブやブルーム等の素材を粗圧延機(BD)によって粗形材(所謂ドッグボーン形状の被圧延材)に造形し、中間ユニバーサル圧延機によって上記粗形材のウェブやフランジの板厚を圧下し、併せて前記中間ユニバーサル圧延機に近接したエッジャー圧延機によって被圧延材のフランジに対し幅圧下や端面の鍛錬と整形が施され、仕上ユニバーサル圧延機によってH形鋼製品が造形されるといった技術が一般的に知られている(例えば非特許文献1参照)。
このようなH形鋼の製造方法での、仕上ユニバーサル圧延機による仕上圧延工程においては、水平ロールと被圧延材のウェブ部との接触は、板厚圧下がほとんど無いことから圧延方向についてほぼ一点のみであり、その他箇所においてはウェブ部が非拘束とされる。ウェブ部が非拘束の状態でフランジに対する曲げ加工が実施されると、被圧延材の位置が精度良く定まらずH形鋼製品にウェブ中心偏り不良等が生じるという問題が従来からあった。そこで、このような問題に対処するため、例えば特許文献1には、仕上ユニバーサル圧延機の入側や出側に設置されるウェブガイド装置に関する技術が開示されている。
特許第3362832号
棒線・形・管圧延、日本塑性加工学会編、98頁〜104頁、コロナ社
しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術では、上述したように仕上圧延工程におけるウェブ中心偏り不良が生じるといった問題や、水平ロール側面部とH形形状の被圧延材のフランジ内面との速度差により、特に速度差の大きいフランジ先端部が接触する箇所(水平ロール側面部)が大きく摩耗してしまうといった問題があった。
また、上記特許文献2に記載の技術では、ウェブガイドが被圧延材のウェブに上下から接触して被圧延材の位置を定められるのでウェブ中心偏り不良が発生しにくく、また、ウェブガイドを着脱することなくロール替えやガイドの幅変更を行うことができるといった利点がある。上述した通り、水平ロールとウェブ部との接触が圧延方向についてほぼ一点のみであり、その他箇所においてはウェブ部は水平ロールから拘束されておらず、ウェブガイドからのみ拘束されている。しかし、ウェブガイドは水平ロールと異なり静止しており、被圧延材のウェブ部とウェブガイドの間の摩擦は過酷であり、ウェブ部はウェブガイドから大きな摩擦力を受ける。その結果、被圧延材のウェブ部の表面にはウェブガイドとの摩擦でスリ疵が発生したり、上下ウェブガイドの間の狭い空間内で被圧延材のウェブ部が動けなくなり(所謂ガイド詰まり)、被圧延材が仕上ユニバーサル圧延機に噛み込まないといった場合がしばしば発生するといった問題がある。この問題を解決するためには、上下ウェブガイド間隙を広げるしかなく、そのためにウェブガイドによる被圧延材のウェブ部に対する拘束が緩くなり、ウェブ中心偏り不良が生じることになる。
上記事情に鑑み、本発明の目的は、H形鋼を製造する際の仕上曲げ加工工程において、従来に比べ被圧延材の表面性状が良好でガイド詰まりの懸念がなく、且つ高い寸法・形状精度を実現させることが可能なH形鋼の仕上曲げ加工機を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、H形鋼製品の製造において中間圧延工程において造形された略H形形状の被圧延材に対して仕上曲げ加工工程を行う仕上曲げ加工機であって、前記被圧延材のウェブ部上下面を挟持して加工方向に搬送する上水平機構及び下水平機構を備え、前記上水平機構には、楕円形状に構成された無限軌道上を駆動旋回し、ピッチライン上において前記ウェブ部の上面に当接する複数の金型が配設され、前記下水平機構には、楕円形状に構成された無限軌道上を駆動旋回し、ピッチライン上において前記ウェブ部の下面に当接する複数の金型が配設され、前記ウェブ部がピッチライン上の所定区間において前記複数の金型によって挟持され、当該ウェブ部を加工方向に向けて搬送させることを特徴とする、仕上曲げ加工機が提供される。
上記仕上曲げ加工機においては、前記被圧延材のフランジ部の外側面に当接することで当該フランジ部の曲げ加工を行う左右一対の竪ロールを備え、前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型は、ピッチライン上において前記被圧延材のフランジ部の内側面に当接する構成を有し、前記フランジ部はピッチライン上において前記竪ロールと前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形されても良い。
前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪ロールと前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間に設定されても良い。
前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪ロールと前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間を加工方向下流側に超えて設定されても良い。
また、上記仕上曲げ加工機においては、前記被圧延材のフランジ部の外側面に当接することで当該フランジ部の曲げ加工を行う左右一対の竪金型列機構を備え、前記竪金型列機構には、楕円形状に構成された無限軌道上を駆動旋回し、ピッチライン上において前記フランジ部の外側面に当接する複数の金型が配設され、前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型は、ピッチライン上において前記被圧延材のフランジ部の内側面に当接する構成を有し、前記フランジ部はピッチライン上において前記竪金型列機構の複数の金型と前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形されても良い。
前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪金型列機構の複数の金型と前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間に設定されても良い。
前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪金型列機構の複数の金型と前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間を加工方向下流側に超えて設定されても良い。
前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型は、被圧延材幅方向において所定の間隔を空けて配設される左右の金型部分から構成され、当該左右の金型部分の間の間隔は、任意に調整可能に構成されても良い。
本発明によれば、H形鋼を製造する際の仕上曲げ加工工程において、従来に比べ被圧延材の表面性状が良好でガイド詰まりの懸念がなく、且つ高い寸法・形状精度を実現させることが可能となる。
本実施の形態にかかる圧延設備を含むH形鋼の製造ラインについての説明図である。 仕上曲げ加工機の概略平面図である。 仕上曲げ加工機の概略側面図である。 仕上曲げ加工機において圧延される被圧延材の様子を正面から見た概略断面図(フランジ部の曲げ加工開始前)である。 仕上曲げ加工機において圧延される被圧延材の様子を正面から見た概略断面図(フランジ部の曲げ加工開始時)である。 仕上曲げ加工機において圧延される被圧延材の様子を正面から見た概略断面図(フランジ部の曲げ加工終了時)である。 仕上曲げ加工機において圧延される被圧延材の様子を正面から見た概略断面図(仕上曲げ加工機抜け後)である。 従来の仕上ユニバーサル圧延機において圧延される被圧延材の様子を正面から見た概略断面図であり、(a)が圧延開始前、(b)は圧延開始時、(c)は圧延終了時、(d)は仕上ユニバーサル圧延機抜け後を示している。 従来の仕上ユニバーサル圧延機においてウェブ部が非拘束であることに起因して生じる問題点の概略説明図である。 上下水平機構に備えられる金型を幅方向に2分割された構成とした場合の概略説明図である。 本発明の他の実施の形態にかかる仕上曲げ加工機の概略平面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる仕上曲げ加工機の概略側面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる仕上曲げ加工機においてフランジ部が曲げ加工される様子を正面から見た概略断面図であり、(a)がフランジ部の曲げ加工開始前、(b)はフランジ部の曲げ加工開始時、(c)はフランジ部の曲げ加工終了時、(d)は仕上曲げ加工機抜け後を示している。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含むH形鋼の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、仕上曲げ加工機8が配置されている。また、中間ユニバーサル圧延機5に近接してエッジャー圧延機9が設けられている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材W」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。
図1に示すように、製造ラインTでは、加熱炉2から抽出された例えばスラブ11等の被圧延材Wが粗圧延機4において粗圧延される。次いで、中間ユニバーサル圧延機5において中間圧延される。この中間圧延時には、必要に応じてエッジャー圧延機9によって被圧延材の端部等(フランジ対応部12)に対して圧下が施される。通常の場合、粗圧延機4のロールには、合わせて4〜6個程度の孔型が刻設されており、これらを経由して10数パス程度のリバース圧延でH形粗形材13が造形され、該H形粗形材13を前記中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、通常7〜10数パスの圧下が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上曲げ加工機8において製品形状に曲げ加工され、H形鋼製品16が製造される。
次に、以下では本実施の形態にかかる仕上曲げ加工機8の詳細な構成について図面を参照して説明する。なお、上記図1に示した加熱炉2、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、エッジャー圧延機9等は、従来よりH形鋼の製造に用いられている一般的な装置であり、その装置構成等は既知であるため本明細書では説明を省略する。
図2は、仕上曲げ加工機8の概略平面図であり、図3は仕上曲げ加工機8の概略側面図である。なお、図2の概略平面図は、図3における仕上曲げ加工機8の側面図のE−E断面を図示したものである。
図2及び図3に示すように、仕上曲げ加工機8は、略H形形状の被圧延材W(上記中間材14)の左右のフランジ部20、21の外側面に沿って当接し、当該フランジ部20、21の造形を行う竪ロール30、31と、被圧延材Wのウェブ部25の上下面を挟持する水平金型列機構としての上水平機構40及び下水平機構41を備えている。なお、図2においては下水平機構41は図示しておらず、図3の概略側面図においては、竪ロール30、31は図示していない。
図3に示すように、上水平機構40は楕円形状に構成された無限軌道上を連結された複数の金型40aを備えており、これら金型40aは治具45によって上水平機構40の筐体40bに接続されている。また、複数の金型40aは上記無限軌道上において隣接して配置されており、図示しない駆動機構により、加工方向(図3中矢印方向)に合わせて無限軌道上を旋回駆動する構成となっている。
同様に、下水平機構41は楕円形状に構成された無限軌道上を連結された複数の金型41aを備えており、これら金型41aは治具46によって下水平機構41の筐体41bに接続されている。また、複数の金型41aは上記無限軌道上において隣接して配置されており、図示しない駆動機構により、加工方向(図3中矢印方向)に合わせて無限軌道上を旋回駆動する構成となっている。
ここで、上水平機構40と下水平機構41との間において、金型40aと金型41aの間隔は、仕上曲げ加工機8に搬入されてくる被圧延材Wのウェブ部25の板厚とほぼ等しく構成されており、図3に示すように、所定区間内においてはウェブ部25は金型40aと金型41aに挟持されながら圧下や造形が行われる。
また、図4〜図7は、仕上曲げ加工機8においてフランジ部20、21が曲げ加工される被圧延材Wの様子を正面から見た概略断面図であり、図4はフランジ部の曲げ加工開始前、図5はフランジ部の曲げ加工開始時、図6はフランジ部の曲げ加工終了時、図7は仕上曲げ加工機抜け後をそれぞれ示している。即ち、図4〜図7は、それぞれ図2及び図3におけるA−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面を示している。
図4〜7に示すように、金型40a、41aは、安定してウェブ部25を挟持するために、ウェブ部25の幅とほぼ同じ幅長さを有している。また、金型40a、41aの幅両端部は、フランジ部20、21の内側面に合わせた形状となっており、以下に説明するフランジ部20、21の造形に応じてフランジ部20、21の内側面が金型40a、41aの側面に当接するような構成となっている。
図4に示すように、フランジ部の曲げ加工開始前(図2、3のA−A断面時)においては、竪ロール30、31とフランジ部20、21とは離隔した状態となっており、ウェブ部25は金型40a、41aによって挟持された状態となっている。
そして、図5に示すように、フランジ部の曲げ加工開始時(図2、3のB−B断面時)においては、竪ロール30、31とフランジ部20、21とが当接し始めており、被圧延材Wが金型40a、41aによって挟持されたままの状態で、フランジ部20、21の造形が開始される。
続いて、図6に示すように、フランジ部の曲げ加工が終了(図2、3のC−C断面時)するまでの間、竪ロール30、31と金型40a、41aの側面との間においてフランジ部20、21が曲げ加工され、ウェブ部25に対してフランジ部20、21が直交するような形状(即ち、略H形鋼製品形状)に造形される。
そして、図7に示すように、仕上曲げ加工機抜け後(図2、3のD−D断面時)は、竪ロール30、31とフランジ部20、21とは再び離隔した状態となり、ウェブ部25については金型40a、41aによって挟持された状態である。
以上、図4〜7に示したように、本実施の形態にかかる仕上曲げ加工機8においては、圧延開始前から圧延終了後まで被圧延材Wのウェブ部25が金型40a、41aに挟持されたままの状態でフランジ部20、21の曲げ加工が行われ、略H形鋼製品形状に造形される。
一方、従来のH形鋼の仕上ユニバーサル圧延機においては、既知の構成である水平ロール対と竪ロール対を用いて同様の造形工程が行われる。ここで本発明者らは、高い寸法・形状精度を実現するためには、従来より既知の水平ロール対と竪ロール対で構成される仕上ユニバーサル圧延機では、特にウェブ部の中心位置精度が十分でないことを見出し、上記図2〜図7に示した構成を創案した。そこで、以下では、従来より既知の水平ロール対と竪ロール対を備えた仕上ユニバーサル圧延機での寸法精度に係る問題点について図面を参照して説明する。
図8は、従来の仕上ユニバーサル圧延機において圧延される被圧延材の様子を圧延方向から見た概略断面図であり、(a)が圧延開始前、(b)は圧延開始時、(c)は圧延終了時、(d)は仕上ユニバーサル圧延機抜け後を示している。なお、図8において、上下水平ロール50、51(図4〜図7における金型40a、41aに相当)以外の構成要素については、上記図4〜図7と同様であるため、共通の符号を用いて図示・説明する。
図8(a)〜(d)に示すように、従来の仕上ユニバーサル圧延機においては、上下水平ロール50、51によってウェブ部25を挟持する構成としているが、上下水平ロール50、51がウェブ部25に当接するのは図8(c)に示す圧延終了時のほぼ一点のみであり、図8(a)、(b)、(d)に示す場合においては、上下水平ロール50、51はウェブ部25に当接しておらず、ウェブ部25は非拘束な状態となっている。これは、仕上圧延がH形鋼製品を製造する最終段階であることから、形状や表面性状を整えるためにウェブ部25及びフランジ部20、21の板厚を極軽く圧下しつつ、フランジ部20、21の曲げ加工を行う圧延工程であることに起因している。即ち、仕上圧延におけるウェブ部25の板厚圧下量が小さいため、ウェブ投影接触弧長が極小さく、上下水平ロール50、51がウェブ部25に当接するのは図8(c)に示す圧延終了時のほぼ一点のみとみなして差し支えない。
図9は、従来の仕上ユニバーサル圧延機においてウェブ部25が非拘束であることに起因して生じる問題点の概略説明図である。なお、図9においても、上記図8に合わせて(a)が圧延開始前、(b)は圧延開始時、(c)は圧延終了時、(d)は仕上ユニバーサル圧延機抜け後を示している。
図9(a)、(b)に示すように、従来の仕上ユニバーサル圧延機においては、圧延開始前まではウェブ部25が非拘束であるため、被圧延材Wが傾斜した状態で仕上圧延工程が進んでいく場合がある。特に、竪ロール30、31とフランジ部20、21とが当接し始める図9(b)の時点で被圧延材Wの姿勢が不安定になり易い。これは、ウェブ部25が上下水平ロール50、51から挟持されない状態で左右から竪ロール30、31で圧縮されるからである。これに伴い、図9(b)に示す状態にある被圧延材Wの長さ方向部位の前後に位置する部位についても姿勢が崩れることが懸念される。このような状態で圧延が進んだ場合、図9(c)、(d)に示すように、ウェブ部25の中心位置偏りs(ウェブ部25の板厚中心線に対するフランジ部20又は21の板幅中心線のずれ量)が生じ、これに伴いフランジ部20、21が非対称形状に造形される。
また、上下水平ロール50、51の側面部とフランジ部20、21の内側面との間には速度差が生じることが知られており、特にフランジ部20、21の先端部と上下水平ロール50、51との間では速度差が大きく、上下水平ロール50、51の当該箇所における摩耗が激しくロールコストの増大が懸念される。
本発明者らは、上記図9を参照して説明したような問題点に鑑み、仕上圧延工程において被圧延材Wのウェブ部25を、長さ方向において所定の区間で拘束して造形、即ち、フランジ部20、21の曲げ加工を行う技術について鋭意検討を行い、上記図2〜図7を参照して説明した構成を有する上水平機構40、下水平機構41を配した仕上曲げ加工機8を創案した。
即ち、本実施の形態にかかる構成の仕上曲げ加工機によれば、図4〜図7に示したように、フランジ部20、21の曲げ加工開始前から仕上曲げ加工機抜け後に至るまで、被圧延材Wのウェブ部25を上下水平機構40、41(金型40a、41a)によって拘束して造形を行うため、ウェブ部25や被圧延材W全体が傾斜した状態で圧延・造形が行われてしまうといった従来の仕上ユニバーサル圧延機における問題点を解消することが可能となる。これにより、特にウェブ中心位置偏り等を抑制させ、寸法精度の高い仕上曲げ加工工程を実施することができる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施の形態にかかる仕上曲げ加工機8において、上下水平機構40、41の金型40a、41aの幅長さは、ウェブ部25の幅長さとほぼ同様であるものとして説明したが、このような構成に限られるものではない。具体的には、上下水平機構40、41に備えられる金型は、それぞれが幅方向に2分割された構成であっても良い。以下、図10を参照して本構成について説明する。
図10は、上下水平機構40、41に備えられる金型を幅方向に2分割された構成とした場合の本発明の変形例についての概略説明図である。なお、図10において上記実施の形態と同様の機能構成を有する要素については同じ符号を付してその説明は省略する。
図10に示すように、本変形例に係る上水平機構40には、上記実施の形態における金型40を幅方向に2分割したように構成される左右の金型部分70、71が備えられ、これら金型部分70、71の間は所定間隔が空いた構成となっている。金型部分70、71のその他の構成等は上記実施の形態にかかる構成の金型40と同様である。また、本変形例に係る下水平機構41には、同様の左右の金型部分80、81が備えられ、これら金型部分80、81も同様に所定間隔が空いた構成となっている。これら左右の金型部分70、71及び金型部分80、81の間隔は任意に調整可能な構成になっている。
H形鋼製品の製造ラインTにおいては、上記実施の形態で説明した加熱炉2、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、仕上曲げ加工機8、エッジャー圧延機9に加え、中間ユニバーサル圧延機5と仕上曲げ加工機8との間に拡幅圧延機(いわゆるスキューロール圧延機)を設置する場合があることが一般的に知られている。この拡幅圧延機は、被圧延材Wのウェブ部幅長さを目的とする寸法に合わせて拡幅させるものであり、被圧延材Wのウェブ部幅長さを自在に種々の長さとすることが可能な圧延機である。このような拡幅圧延機を用いる場合、仕上曲げ加工機8には、種々の幅長さのウェブ部25を有した被圧延材Wが流れてくることになる。
上下水平機構40、41を図10に示すような幅可変な金型部分70、71、80、81を備えた構成とすることにより、上記拡幅圧延機(スキューロール圧延機)を備えた工程の製造ラインTであっても、上記実施の形態と同様の作用効果を享受することができる。
(本発明の他の実施の形態)
また、上記実施の形態ならびにその変形例では、仕上曲げ加工機8に備えられる左右一対の竪ロール30、31については従来の構成と変わらないものとして説明したが、これら竪ロールの構成についても更なる改良の余地がある。そこで以下では、図11〜図13を参照して本発明の他の実施の形態として仕上曲げ加工機8の竪ロールについて更なる改良を施した構成について説明する。なお、以下の説明において、上記実施の形態と同様の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付してその説明は省略する。
図11は本発明の他の実施の形態にかかる仕上曲げ加工機100の概略平面図であり、図12は仕上曲げ加工機100の概略側面図である。なお、図11の概略平面図は、図12における仕上曲げ加工機100の側面図のE−E断面を図示したものである。
図11及び図12に示すように、仕上曲げ加工機100は、略H形形状の被圧延材W(中間材14)の左右のフランジ部20、21の外側面に沿って当接し、当該フランジ部20、21の造形を行う左右一対の竪金型列機構110、111と、被圧延材Wのウェブ部25の上下面を挟持する上水平機構40及び下水平機構41を備えている。なお、図12には竪金型列機構110、111は図示しておらず、また、上下水平機構40、41の構成は上記実施の形態と同じである。
竪金型列機構110は、楕円形状に構成された無限軌道上を連結された複数の金型110aを備えており、これら金型110aは治具115によって筐体110bに接続されている。また、複数の金型110aは上記無限軌道上において隣接して配置されており、図示しない駆動機構により、加工方向(図11中矢印方向)に合わせて無限軌道上を旋回駆動する構成となっている。
同様に、竪金型列機構111は、楕円形状に構成された無限軌道上を連結された複数の金型111aを備えており、これら金型111aは治具116によって筐体111bに接続されている。また、複数の金型111aは上記無限軌道上において隣接して配置されており、図示しない駆動機構により、加工方向(図11中矢印方向)に合わせて無限軌道上を旋回駆動する構成となっている。
図11、12に示す構成の仕上曲げ加工機100によれば、上記実施の形態にかかる構成と同様に、被圧延材Wのウェブ部25を上下水平機構40、41(金型40a、41a)によって拘束して造形を行うことに加え、造形時に被圧延材Wのフランジ部20、21の外側面に当接する金型110a及び金型111aにより、フランジ部20、21の曲げ加工が所定区間に亘って面接触にて実施される。
図13は、本発明の他の実施の形態にかかる仕上曲げ加工機100においてフランジ部20、21が曲げ加工される被圧延材Wの様子を正面から見た概略断面図であり、(a)がフランジ部の曲げ加工開始前、(b)はフランジ部の曲げ加工開始時、(c)はフランジ部の曲げ加工終了時、(d)は仕上曲げ加工機抜け後を示している。即ち、図13(a)〜(d)は、図11、図12のA−A断面、B−B断面、C−C断面、D−D断面を示したものである。
図13(特に(c)、(d))に示すように、仕上曲げ加工機100においては、フランジ部の曲げ加工開始前から仕上曲げ加工機抜け後に至るまで、被圧延材Wのウェブ部25が上下水平機構40、41(金型40a、41a)によって常時拘束された状態で造形が行われることに加え、フランジ部20、21が曲げ加工された後にも金型110a及び金型111aに当接したままの状態で造形が進むことになる。このため、フランジ部20、21における局部変形といった寸法・形状不良が抑制され、安定して寸法精度の高い仕上曲げ加工工程を実施することが可能となる。
本発明は、例えば矩形断面であるスラブやブルーム等を素材として粗圧延、中間圧延を経由して造形されたH形中間材に対し仕上曲げ加工工程で主としてフランジの曲げ加工を施しH形鋼製品を製造するための仕上曲げ加工機に適用できる。
1…圧延設備
2…加熱炉
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上曲げ加工機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
12…フランジ対応部
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20、21…フランジ部
25…ウェブ部
30、31…竪ロール
40…上水平機構
40a…金型
41…下水平機構
41a…金型
45、46…治具
50…上水平ロール
51…下水平ロール
70、71…金型部分
80、81…金型部分
100…仕上曲げ加工機
110、111…竪金型列機構
110a、111a…金型
115、116…治具
T…製造ライン
W…被圧延材

Claims (8)

  1. H形鋼製品の製造において中間圧延工程において造形された略H形形状の被圧延材に対して仕上曲げ加工工程を行う仕上曲げ加工機であって、
    前記被圧延材のウェブ部上下面を挟持して加工方向に搬送する上水平機構及び下水平機構を備え、
    前記上水平機構には、楕円形状に構成された無限軌道上を駆動旋回し、ピッチライン上において前記ウェブ部の上面に当接する複数の金型が配設され、
    前記下水平機構には、楕円形状に構成された無限軌道上を駆動旋回し、ピッチライン上において前記ウェブ部の下面に当接する複数の金型が配設され、
    前記ウェブ部がピッチライン上の所定区間において前記複数の金型によって挟持され、当該ウェブ部を加工方向に向けて搬送させることを特徴とする、仕上曲げ加工機。
  2. 前記被圧延材のフランジ部の外側面に当接することで当該フランジ部の曲げ加工を行う左右一対の竪ロールを備え、
    前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型は、ピッチライン上において前記被圧延材のフランジ部の内側面に当接する構成を有し、
    前記フランジ部はピッチライン上において前記竪ロールと前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形されることを特徴とする、請求項1に記載の仕上曲げ加工機。
  3. 前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪ロールと前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間に設定されることを特徴とする、請求項2に記載の仕上曲げ加工機。
  4. 前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪ロールと前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間を加工方向下流側に超えて設定されることを特徴とする、請求項2に記載の仕上曲げ加工機。
  5. 前記被圧延材のフランジ部の外側面に当接することで当該フランジ部の曲げ加工を行う左右一対の竪金型列機構を備え、
    前記竪金型列機構には、楕円形状に構成された無限軌道上を駆動旋回し、ピッチライン上において前記フランジ部の外側面に当接する複数の金型が配設され、
    前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型は、ピッチライン上において前記被圧延材のフランジ部の内側面に当接する構成を有し、
    前記フランジ部はピッチライン上において前記竪金型列機構の複数の金型と前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形されることを特徴とする、請求項1に記載の仕上曲げ加工機。
  6. 前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪金型列機構の複数の金型と前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間に設定されることを特徴とする、請求項5に記載の仕上曲げ加工機。
  7. 前記所定区間は、前記フランジ部がピッチライン上において前記竪金型列機構の複数の金型と前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型に挟まれて造形される区間を加工方向下流側に超えて設定されることを特徴とする、請求項5に記載の仕上曲げ加工機。
  8. 前記上水平機構及び下水平機構の複数の金型は、被圧延材幅方向において所定の間隔を空けて配設される左右の金型部分から構成され、
    当該左右の金型部分の間の間隔は、任意に調整可能に構成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の仕上曲げ加工機。
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