JP6323192B2 - 電力伝送用パッド配置構造および非接触電力伝送システム - Google Patents

電力伝送用パッド配置構造および非接触電力伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、複数の電力伝送用パッドの配置にかかる電力伝送用パッド配置構造と、電力伝送用パッド配置構造を受電パッドや送電パッドとして有する非接触電力伝送システムに関する。
従来では、共鳴法を用いた非接触給電において発生する漏洩電磁場を低減することを目的とするコイルユニットに関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このコイルユニットは、4つの共振コイルは、各コイルの巻回中心が四角形となるように配置される。四角形の一方の対角線に配置されたコイル同士の発生する電磁場が互いに同位相とされ、他方の対角線に配置されたコイルは一方の対角線に配置された共振コイルに対して発生する電磁場が逆位相とされる。
特開2011−234496号公報
しかし、送電側パッドと受電側パッドとの相互間距離が大きくなると、一方側のパッド同士で磁気結合してしまうため、送電側パッドと受電側パッドとの磁気結合が小さくなるという問題がある。送電側パッドと受電側パッドとの磁気結合が小さくなれば、同じ電力を送電しても、受電できる電力が小さくなる。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、一方側のパッド同士で磁気結合するのを抑制して、従来よりも電力の伝送効率を向上できる電力伝送用パッド配置構造および非接触電力伝送システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、コア(21c,21g,21h)と、前記コアに巻かれる巻線(L,L1,L2,L3,L4)を有し、非接触で電力を送電または受電する際に用いる電力伝送用パッドを複数有し、複数の前記電力伝送用パッドは、一の前記電力伝送用パッド(15,21)の主磁束(φM,φM1)と、他の前記電力伝送用パッド(16,22)の主磁束(φM,φM2)と、複数の前記電力伝送用パッドから所定距離以上離れた遠方点(PX,PY)において流れ方向が互いに逆方向となるように配置され、一の前記電力伝送用パッドおよび他の前記電力伝送用パッドは、前記電力伝送用パッドの磁極(MP1,MP2)間方向の辺の長さをWとし、一の前記電力伝送用パッドのコアと他の前記電力伝送用パッドのコアが対向する面の相互間距離をPとするとき、比率P/Wが0.2≦P/W≦10の範囲内となるように配置されることを特徴とする。
この構成によれば、複数の電力伝送用パッドは互いに遠方点において流れ方向が互いに逆方向となるように配置される。この配置構造によって、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのが抑制されるので、遠方での電磁界強度を下げつつ、従来よりも電力の伝送効率を向上できる。また、複数の電力伝送用パッドのそれぞれで独立して電力を伝送できるので、電力伝送用パッド配置構造を構成する電力伝送用パッドの数に応じた電力を伝送できる。また、比率P/Wが0.2〜10の範囲内であるので、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのをより確実に抑制し、従来よりも電力の伝送効率をより確実に向上できる。なお、「所定距離」や「遠方点」は任意に設定してよい。
の発明は、一の前記電力伝送用パッドと他の前記電力伝送用パッドは、前記電力伝送用パッドにかかる前記主磁束の磁極間距離をXとし、一の前記電力伝送用パッドと他の前記電力伝送用パッドとの相互間距離をYとし、一の前記電力伝送用パッドにかかる前記主磁束の中心線(CL1)と、他の前記電力伝送用パッドにかかる前記主磁束の中心線(CL2)との相対的なずれ量をZとするとき、次式[Y≦10XまたはZ≦10X、かつ、(Y2+Z21/2≧X/5]を満たすように配置されることを特徴とする。
Y>10Xの場合は、電力伝送用パッド同士が離れ過ぎるために、複数の電力伝送用パッドから所定距離以上離れた遠方点において漏れ磁束の打ち消し(キャンセル)効果が低くなる。Y>10X,Z>10X,(Y2+Z21/2<X/5のいずれかを満たす場合は、従来技術と同様に一方側のパッド同士で磁気結合し易くなり、電力伝送ができなくなる。この構成によれば、Y≦10XまたはZ≦10X、かつ、(Y2+Z21/2≧X/5を満たすことにより、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのを抑制し、従来よりも電力の伝送効率をより確実に向上できる。
の発明は、車両(10)の通路に設けられる送電パッド(21,22,260,270)と、前記送電パッドに出力して送電する電力を制御する送電制御手段(210)とを有する送電装置(200)と、前記車両に設けられる受電パッド(15,16,320,360)と、前記受電パッドで受電した電力を制御する受電制御手段(310)とを有する受電装置(300)とを備え、前記送電パッドと前記受電パッドとを対面させ、非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システム(100)において、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力伝送用パッド配置構造(ST,ST1,ST2,ST3)を、複数の前記受電パッドと複数の前記送電パッドとのうちで一方または双方に適用することを特徴とする。
この構成によれば、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのをより確実に抑制し、従来よりも電力の伝送効率をより確実に向上できる非接触電力伝送システムを提供することができる。
車両等の構成例を示す模式図である。 非接触電力伝送システムの構成例を示す模式図である。 電力伝送用パッドの第1構成例を模式的に示す平面図である。 図3に示す矢印IV方向からみた側面図である。 図3に示す矢印IV方向からみた側面の外観図である。 電力伝送用パッド配置構造の第1配置構造例を示す平面図である。 電力伝送用パッド配置構造の第1配置構造例を示す斜視図である。 結合係数と比率{Y/X(Z/X)}の一例を示すグラフ図である。 遠方点での電磁界強度とパッド離隔距離正規化値{(Y2+Z21/2/X}の一例を示すグラフ図である。 複数の巻線に出力する周波数と位相の一例を示すグラフ図である。 電力伝送用パッド配置構造の第2配置構造例を示す平面図である。 結合係数と比率{P/W}の一例を示すグラフ図である。 図12に示すXIII部分を拡大して示すグラフ図である。 電力伝送用パッド配置構造の第3配置構造例を示す平面図である。 送電部に電力伝送用パッド配置構造を備える例を示す模式図である。 受電部に電力伝送用パッド配置構造を備える例を示す模式図である。 電力伝送用パッド配置構造の第4配置構造例を示す平面図である。 図17に示す矢印XVIII方向からみた側面図である。 電力伝送用パッドの第3構成例を模式的に示す平面図である。 図19に示す矢印XX方向からみた側面図である。 電力伝送用パッドの第4構成例を模式的に示す平面図である。 図21に示す矢印XXII方向からみた側面図である。 電力伝送用パッドの第5構成例を模式的に示す平面図である。 図23に示す矢印XXIV方向からみた側面図である。 非接触電力伝送システムの第1変形例を部分的に示す模式図である。 非接触電力伝送システムの第2変形例を部分的に示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。以下では、「電力伝送用パッド配置構造」を単に「配置構造」と呼ぶことにする。英数字の連続符号は記号「〜」を用いて略記する。例えば「送電パッド21A〜21F」は「送電パッド21A,21B,21C,21D,21E,21F」を意味する。実施の形態1〜3では、交流電流から発生する磁束を巻線(コイル)に結合させて電力を伝送する電磁誘導方式を適用する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は図1〜図14を参照しながら説明する。図1に示す車両10は、電池11,制御システム12,受電部13などを有する。電池11は、蓄電と放電が行えれば種類を問わず、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池などのような二次電池が該当する。制御システム12は、車両10全体の制御を司るシステムであり、例えばECU(Electronic Control Unit)やコンピュータ等を含む。受電部13は、後述する送電部20との相互誘導作用によって非接触で電力伝送を行う受電側要素であって、受電側電力変換器14や受電パッド15,16などを含む。受電側電力変換器14は、受電パッド15,16で受電した電力について、電池11に蓄電したり、制御システム12に伝送したりするなどの制御を行う。受電パッド15,16はそれぞれ「電力伝送用パッド」に相当し、非接触で電力伝送を行う要素(巻線やコンデンサ等)を含む。
送電部20は、上述した受電部13との相互誘導作用によって非接触で電力伝送を行う送電側要素であって、送電パッド21,22や送電側電力変換器25などを含む。送電パッド21,22はそれぞれ「電力伝送用パッド」に相当し、非接触で電力伝送を行う要素(巻線やコンデンサ等)を含む。送電側電力変換器25は、電力源30から供給される電力を受けて、送電パッド21,22による電力伝送の制御を行う。
上述した送電部20と受電部13は、図2に示す非接触電力伝送システム100を構成する。図2には、非接触電力伝送システム100の第1構成例である非接触電力伝送システム110を示す。非接触電力伝送システム110は、送電部20に相当する送電装置200や、受電部13に相当する受電装置300などを有する。本形態では、受電した電力を電池11に蓄電する例について説明する。なお、電力の供給を受けて作動(充電を含む)する他の機器(車両10に備えるか否かを問わない)に電力を供給してもよい。
送電装置200は、送電側電力変換器25や送電パッド260,270などを有する。送電側電力変換器25は、送電制御手段210,フィルタ部220,整流回路230,コンバータ240,インバータ250などを有する。送電制御手段210は、送電装置200全体の制御を司る。本形態の送電制御手段210は、主にコンバータ240とインバータ250の作動を個別に制御する。フィルタ部220は、電力源30から供給される交流電力に含まれるノイズを低減する。整流回路230は、交流を直流に整流して出力する。当該整流回路230は、力率を改善するため、力率改善(PFC;Power Factor Correction)回路を含めるとよい。コンバータ240は、送電制御手段210から伝達される指令に従って、整流回路230で変換された直流電力の電圧(すなわち直流電圧)を昇降圧して出力するDC−DCコンバータである。インバータ250は、送電制御手段210から伝達される指令に従って、直流電力を交流電力に変換して出力する。コンバータ240から出力されてインバータ250に入力される電圧を電圧値Vsとする。送電パッド21,22にそれぞれ相当する送電パッド260,270は、車両10の通路に設けられ、インバータ250から出力された交流電力を電磁力で送電する。本形態の送電パッド260,270は、巻線L1とコンデンサC1が並列接続される。巻線L1とコンデンサC1は、所定の周波数で共振するように設定される。巻線L1(コイル)は巻線Lに相当し、例えば銅線やリッツ線等を用いる。
受電装置300は、受電側電力変換器14や受電パッド320,360などを有する。受電側電力変換器14は、受電制御手段310,整流回路330,コンバータ340,フィルタ部350などを有する。受電制御手段310は、受電装置300全体の制御を司る。本形態の受電制御手段310は、主にコンバータ340の作動を制御する。受電パッド15,16に相当する受電パッド320,360は、対面する送電パッド260,270から電磁力で送電される電力を受電する。本形態の受電パッド320,360は、巻線L2とコンデンサC2が並列接続される。巻線L2とコンデンサC2は、上述した所定の周波数で共振するように設定される。巻線L2(コイル)は巻線Lに相当し、例えば銅線やリッツ線等を用いる。整流回路330は交流を直流に整流して出力する。コンバータ340は、受電制御手段310から伝達される指令に従って、整流回路230で変換された直流電力の電圧(すなわち直流電圧)を昇降圧して出力するDC−DCコンバータである。整流回路330から出力されてコンバータ340に入力される電圧を電圧値Vrとする。フィルタ部350は、コンバータ340から出力される電力に含まれる交流成分を低減し、電池11に蓄電する。
本発明は、受電パッド15,16に適用してもよく、送電パッド21,22に適用してもよい。以下では、送電パッド21に適用する場合を代表して、図3〜図5を参照しながら構成例を説明する。なお、図3,図4では内部構造を分かり易くするために、カバー部材21bを二点鎖線で示し、モールド材21m(例えば樹脂)の図示を省略している。
図3〜図5に示す送電パッド21Aは、送電パッド21の第1構成例である。当該送電パッド21Aは、シールド部材21a,カバー部材21b,コア21c,巻線Lなどを有する。シールド部材21aは、磁束を遮蔽する材料(例えばアルミニウム,銅等)によって、コア21cよりも大きな所定形状(本形態では四角形状)の平板に成形される。このシールド部材21aは、コア21cの片面側(図4,図5では下面側)に配置される。カバー部材21bは、後述するモールド材21mを覆う部材である。成形する材料や形状等を問わない。本形態では、例えばFRP,PPS,6−6ナイロンなどの材料を用いて、四角錐台状に成形する。
コア21cは、例えばフェライト,アモルファス,ダストコア等のような磁性体で成形される。本形態のコア21cは、板状で複数の分割コア(すなわち上段コア21c1,21c3や下段コア21c2等)で構成する。上段コア21c1,21c3と下段コア21c2は、図示するように互い違いに配置され、部分的に重なるように成形される。図3〜図5に示す構成例では、各コアを図面左右方向にずらして部分的に重ねている。コア21c(上段コア21c1,21c3および下段コア21c2)は、一体成形してもよく、別体に成形した後に固定手段で固定してもよい。一体成形の種類は問わず、例えば鋳造成形でもよく、加工成形でもよい。固定手段も問わず、例えば締結部材(ネジ,ボルト等)を用いる締結や、母材を溶かすことで溶接(アーク溶接等)を行う接合、接着剤を用いる接着などが該当する。
コア21cに対する巻線L1の巻き付けは任意に設定してよい。例えば図3〜図5に示す巻き付け例では、二手(図面左側と図面右側)に分けて段違い状に巻き付けている。図面左側では、上段コア21c1の右側面側かつ下段コア21c2の上面側と、上段コア21c1の下面側かつシールド部材21aの上面側の間で、段違い状に巻き付けている。図面右側では、上段コア21c3の左側面側かつ下段コア21c2の上面側と、上段コア21c3の下面側かつシールド部材21aの上面側の間で、段違い状に巻き付けている。上段コア21c1,21c3とシールド部材21aの間に巻線L1を収容するように巻き付けることで、コア21cの寸法範囲内で巻き付けることができる。コア21cに巻き付けた後の巻線L1は、図1に示すように並列接続されるコンデンサC2を経て、インバータ250に接続される。
図5に破線で示すモールド材21mは、樹脂(例えばエポキシ樹脂等)を用いてモールド成形される。例えば図5に示すように、シールド部材21aとカバー部材21bで囲まれる内部空間SPに樹脂が充填され、コア21cおよび巻線L2を覆う。なお、硬化後における強度を高めるためにフィラーを添加するとよい。
本発明にかかる電力伝送用パッドの配置構造について、図6〜図14を参照しながら説明する。当該配置構造は、受電パッド15,16に適用してもよく、送電パッド21,22に適用してもよい。以下では、送電パッド21,22に適用する場合を代表して説明する。なお、図6,図7,図11,図14では構造を分かり易くするために、巻線L(L1,L2)の図示を省略している。
以下では、送電パッド21が「一の電力伝送用パッド」に対応し、送電パッド22が「他の電力伝送用パッド」に対応する。なお、送電パッド21を「他の電力伝送用パッド」に対応させ、送電パッド22を「一の電力伝送用パッド」に対応させる場合も同様である。また、「一方側のパッド同士」は、送電パッド21,22同士や、受電パッド15,16同士)を意味する。「送電側と受電側のパッド」は、送電パッド21と受電パッド15や、送電パッド22と受電パッド16を意味する。
(第1配置構造例)
図6,図7には、送電パッド21と送電パッド22の配置構造ST1を示す。これらの図において、送電パッド21,22の主磁束φM1,φM2(鎖交磁束)について、磁極MP1と磁極MP2の相互間距離を磁極間距離Xとする。送電パッド21と送電パッド22との相互間距離をパッド間距離Yとする。送電パッド21にかかる主磁束φM1の中心線CL1と、送電パッド22にかかる主磁束φM2の中心線CL2との相対的なずれ量をオフセットZとする。図7に示すように、送電パッド21,22と受電パッド15,16との相互間距離をギャップHとする。
なお、パッド間距離Yの中心線とオフセットZの中心線が交差する点を位置PO(原点)とする。位置POからパッド間距離Yの中心線に沿って距離LY(所定距離に相当する。例えば30メートル)だけ離れた位置を遠方点PYとする。位置POからオフセットZの中心線に沿って距離LX(所定距離に相当する。例えば30メートル)だけ離れた位置を遠方点PXとする。遠方点PX,PYは後述する図11にも示す。
送電パッド21と受電パッド15の間で主磁束φM1が流れると、送電パッド21と受電パッド15が磁気結合する。送電パッド21と受電パッド15の間で主磁束φM1が流れ、送電パッド21と受電パッド15が磁気結合する。このように磁気結合することで、送電側から受電側に独立して電力(例えば合計して7キロワット)を伝送できる。すなわち、送電パッド21から受電パッド15に電力を伝送し、送電パッド22から受電パッド16に電力を伝送する。
通電によって生じる磁束には、図7に示すように、上述した主磁束φM1から漏れて、主磁束φM2と結合する漏れ磁束φL1が存在する。また、主磁束φM2から漏れて、主磁束φM1と結合する漏れ磁束φL2も存在する。
ここで、図6に示すように一方側のパッド同士(例えば送電パッド21,22)の磁極を互いに逆方向に配置すると、主磁束φM1,φM2の磁束の流れ方向もまた互いに逆方向となる。そのため、図7のY方向の遠方点(例えばパッド寸法の10倍程度はなれた位置;例えば図11の遠方点PY)で、主磁束φM1と主磁束φM2の一部が打ち消され(キャンセルされ)、該当地点での電磁界強度E(「漏洩電磁界」とも呼ぶ。)を低減できる。なお、1つのパッド(例えば送電パッド21)のみが存在する場合は、主磁束φM1に相当する電磁界強度Eが計測される。また主磁束φM1と主磁束φM2が同方向の場合は、遠方点で強め合うため、電磁界強度Eは2倍となる。
上述した磁極間距離X,パッド間距離Y,オフセットZについて様々に変えながら計測してみると、図8,図9のようになった。図8に示す特性線Faでは、比率Y/X(あるいは比率Z/X)に対して、0.2以上で結合係数kが高くなる。図9に示す特性線Fbでは、パッド離隔距離正規化値(Y2+Z21/2/Xに対して、10以上で遠方点での電磁界強度Eが高くなる。
図8,図9のような変化となるのは、下記の理由によると考えられる。まず、一定値の磁極間距離Xに対して、パッド間距離YやオフセットZが大きくなると、遠方点での主磁束φM1と主磁束φM2の打ち消し効果が小さくなるためである。また、パッド間距離YやオフセットZが小さくなると、一方側のパッド同士で磁気結合し易くなり、送電側パッドと受電側パッドの結合係数kが小さくなるためである。
図10には、配置構造ST1を構成する送電パッド21,22にそれぞれ備える巻線L1,L2に対して出力する信号の一例を示す。具体的には、図2に示すインバータ250から出力する信号であり、電圧変化の例を示す。図示する正弦波形は、半導体素子をスイッチングすることによって出力される平均電圧の波形を含む。
図10において、時刻t1から時刻t2までの期間を1サイクルとする。実線で示すように、巻線L1には周波数f1の波形線F1を出力し、巻線L2には周波数f2の波形線F2を出力する。上述した主磁束φM1と主磁束φM2の打ち消しを考慮すると、周波数f1と周波数f2は同じとするのがよい(f1=f2)。
また、波形線F1と波形線F2の位相θを一致させるとよい(θ=0)。実線で示す波形線F1と、二点鎖線で示す波形線F2のように位相θ(θ>0)があると、主磁束φM1と主磁束φM2の打ち消しが少なくなるためである。
(第2配置構造例)
図11には、送電パッド21と送電パッド22が縦列する配置構造ST2の例を示す。この図において、送電パッド21の中心位置を位置PAとする。送電パッド22の中心位置を位置PBとする。送電パッド21のコアと送電パッド22のコアが対向する面の相互間距離をパッド端間距離Pとする。送電パッド21,22の磁極間方向の辺の長さをパッド幅Wとする。磁極間方向は、磁極MP1と磁極MP2との間の方向であって、図11では水平方向に相当する。位置PAと位置PBの中間位置を位置PO(原点)とする。位置POから送電パッド21,22の縦列方向に距離LYだけ離れた位置を遠方点PYとする。位置POから上記縦列方向と直交する方向に距離LXだけ離れた位置を遠方点PXとする。距離LXと距離LYは同じでもよく異なってもよい。なお配置構造ST2は、図6に示す配置構造ST1におけるオフセットZを無くした配置である(すなわちZ=0)。
上述したパッド端間距離Pとパッド幅Wの比である比率P/Wを変化させて、結合係数kと電磁界強度Eを遠方点PXで計測してみると、図12,図13のようになった。図12の右上に示すように、送電パッド21,22を逆方向に配置(図11に示す配置構造ST)したか、あるいは同方向に配置したかによってプロットする記号を変えている。図13は、図12に矢印で示すXIIIの範囲を拡大したものである。
電磁界強度Eについては、同方向よりも逆方向に配置するほうが小さくなるものの、比率P/Wが大きい領域(図12の右半分領域)では差が少なくなる。送電パッド21と送電パッド22が接近すると、遠方点PXでのキャンセル効果が大きくなる。一方、送電パッド21と送電パッド22が離れるに伴って、双方のパッドによる主磁束の打ち消し効果が小さくなる。
本明細書でいう結合係数kは、送電パッド21(22)と受電パッド15(16)が磁気結合する度合いである。図13では、比率P/Wが所定値n(例えば0.2)以下では同方向よりも逆方向に配置するほうが小さく、比率P/Wが所定値nを超えると差が無いに等しい。
ここで、第2配置構造例におけるパッド端間距離P,パッド幅W(図11〜図13を参照)と、上述した第1配置構造例における磁極間距離X,パッド間距離Y,オフセットZ(図6〜図9を参照)との関係について簡単に説明する。
図6と図11を比べると、磁極間距離Xはパッド幅Wよりも大きいので、X=W+α(ただしα>0)の関係を満たす。パッド間距離Yはパッド端間距離Pよりも大きいので、Y=P+β(ただしβ>0)の関係を満たす。図11に示すように、距離LXとパッド幅Wの関係はLX>>Wであり、距離LYとパッド端間距離Pの関係はLY>>Pである。遠方点PX,PYからみると、磁極間距離Xとパッド幅Wの関係はX≒Wとみなすことができ、パッド離隔距離(Y2+Z21/2とパッド端間距離Pの関係は(Y2+Z21/2≒Pとみなすことができる。
ゆえに比率P/Wと比率Y/Xの関係は、P/W≒Y/Xとみなすことができる。図9に示す結果を考慮すると、比率P/W(比率Y/X)が10以下の範囲内(すなわちY≦10XまたはZ≦10Xの範囲内)であれば、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのをより確実に抑制することができる。
また、距離LX,LYとパッド離隔距離(Y2+Z21/2の関係は、LX,LY>>(Y2+Z21/2である。図8,図13に示す結果を考慮すると、比率P/Wが0.2(所定値n)以上の範囲内(すなわち(Y2+Z21/2≧X/5の範囲内)であれば、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのをより確実に抑制することができる。
(第3配置構造例)
図14には、受電パッド15と受電パッド16を縦列させて車両10に備える配置構造ST3の例を示す。配置構造ST3は、図6に示す配置構造ST1におけるパッド間距離Yを無くした配置である(Y=0)。さらに、オフセットZを受電パッド15,16の縦方向長さ(図11に示すパッド幅W)よりも大きくした配置でもある(Z>W)。この配置構造ST3でも、図8や図9に示す特性線Fa,Fbが得られる。ただし、図8,図9は、いずれも横軸が比率Z/Xになる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は図15を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図15に示す送電部20は、実施の形態1と同じく送電パッド21,22を備える。これに対して、受電部13は受電パッド15を備える。送電パッド21,22は、主磁束φM1と主磁束φM2による打ち消し効果がある。そのため、送電パッド21と受電パッド15を磁気結合して電力を伝送することができる。図示しないが、送電パッド22と受電パッド15を磁気結合して電力(例えば3.3キロワット)を伝送することもできる。受電パッド15に代えて受電パッド16を備える場合も同様の効果が得られる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は図16を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示す受電部13は、実施の形態1と同じく受電パッド15,16を備える。これに対して、送電部20は送電パッド21を備える。受電パッド15,16は、主磁束φM1と主磁束φM2による打ち消し効果がある。そのため、送電パッド21と受電パッド15を磁気結合して電力を伝送することができる。図示しないが、送電パッド21と受電パッド16を磁気結合して電力(例えば3.3キロワット)を伝送することもできる。送電パッド21に代えて送電パッド22を備える場合も同様の効果が得られる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜3に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。以下に示す「組」は「対」となる場合を含む。
上述した実施の形態1〜3では、送電パッド21,22や受電パッド15,16として、図3〜図5に示す送電パッド21A(電力伝送用パッド)を適用する構成とした。この形態に代えて、他の構成からなる電力伝送用パッドを適用する構成としてもよい。他の構成にかかる変形例について、図17〜図24を参照しながら説明する。なお、送電パッド21,22,23,24や受電パッド15,16,17,18のうちで、送電パッド21に適用する場合を代表して説明する。いずれの電力伝送用パッドにも適用できるので、巻線L1,L2,L3,L4は巻線Lとして図示する。構成を分かり易くするため、図17〜図24ではカバー部材21bやモールド材21m等の図示を省略する。
(第1変形例)
図17,図18に示す送電パッド21Bは、送電パッド21の第2構成例である。当該送電パッド21Bは、図3〜図5に示す送電パッド21Aの構成に加えて、スペーサ部材21dをさらに備える。
スペーサ部材21dは、巻線Lとシールド部材21aの間に介在され、材料,形状,数量等を問わない。本形態では、樹脂を用いて短冊状(あるいは長板状)に成形された12のスペーサ部材21dを用いている。厚みは任意に設定してよく、例えば1ミリメートル以下が該当する。図示する配置に限らず、任意に配置してもよい。図示しないが、スペーサ部材21dはシールド部材21aとコア21c(具体的には下段コア21c2)の間に介在させてもよい。要するに、送電パッド21Bの全体にわたって巻線Lとコア21cを覆うようにモールド材21mを成形できればよい。
(第2変形例)
図19,図20に示す送電パッド21Cは、送電パッド21の第3構成例である。当該送電パッド21Cは、図3〜図5に示す送電パッド21Aの構成に加えて、接続線21e,ケース21f,コンデンサC2,整流回路330などをさらに備える。
接続線21eは、巻線L,コンデンサC2,整流回路330を接続する線である。巻線Lの引き出し線を接続線21eとして利用してもよい。コンデンサC2と整流回路330は、それぞれが回路要素CEに相当する。これらのコンデンサC2と整流回路330は、シールド部材21a上に配置されるとともに、ケース21fで覆われる。ケース21fで覆うことで、接続に用いられるハンダの損傷(クラック等)を防止できる。ケース21fを成形する材料や形状等を問わない。形状は、図示する箱状に限らず、コンデンサC2と整流回路330を覆う形状であれば任意である。シールド部材21aとケース21fで囲まれる空間には、任意の樹脂(例えばシリコン樹脂等)を充填してもよい。充填後に樹脂が硬化するか否かを問わない。通電に伴ってコンデンサC2や整流回路330で生じる熱を逃がすには、熱伝導性が高い樹脂が望ましい。
(第3変形例)
図21,図22に示す送電パッド21Dは、送電パッド21の第4構成例である。図3〜図5に示す送電パッド21Aが磁極MP1と磁極MP2を一つずつ有するに対して、送電パッド21Dは複数(二つ)の磁極MP1と一つの磁極MP2を有する点が相違する。具体的には、シールド部材21a,コア21g,巻線L,カバー部材21b,モールド材21mなどを有する。
コア21gは、図3,図4に示すコア21cと同様の磁性体で成形され、凸状部21g1,21g2,21g4や基部21g3などを有する。列状に配置される凸状部21g1,21g2,21g4は、いずれも基部21g3から凸状に成形される部位であり、巻線Lを巻く部位でもある。凸状部21g1,21g2,21g4と基部21g3は、図示するように一体成形してもよく、別体に成形した後に固定手段で固定してもよい。図21では、巻線Lを巻く向きや電流を流す方向に応じて、凸状部21g1,21g4が磁極MP1となり、凸状部21g2が磁極MP2となるようにする。
他方側のパッド(本形態では受電パッド15)に対向する凸状部21g1,21g2,21g4の対向面(図22では上面)にかかる面積は任意に設定してよい。図21の例では、凸状部21g1,21g4を第1面積S1に設定し、凸状部21g2を第2面積S2に設定している。電磁界強度E(図12,図13を参照)を低く抑えるためには、面積比をS1:S2=1:2に設定するのが望ましい。図示しないが、第1面積S1と第2面積S2に代えて、横幅または縦幅を適用してもよい。要するに、端側の凸状部21g1,21g4を中央側の凸状部21g2よりも小さく設定するとよい。
図示を省略するが、磁極MP1の数と磁極MP2の数は、一以上で任意の数をそれぞれ設定してよい。図21に示す磁極MP1の数と磁極MP2の数を逆にしてもよく、この場合は一の磁極MP1と複数(二つ)の磁極MP2を有する構成となる。いずれの構成にせよ、磁極MP1にかかる磁束と、磁極MP2にかかる磁束が同じになればよい。磁極MP1の数と磁極MP2の数については、後述する第4変形例でも同様である。
(第4変形例)
図23,図24に示す送電パッド21Eは、送電パッド21の第5構成例である。送電パッド21Eは、シールド部材21a,コア21h,巻線L,カバー部材21b,モールド材21mなどを有する。より具体的には、図3,図4に示すコア21cに類似する段違い構造のコア21hを用いて、図21,図22に示す送電パッド21Dと同様の磁極を生じさせる構成例である。
コア21hは、図3,図4に示すコア21cと同様の磁性体で成形され、板状で複数の分割コア(すなわち上段コア21h1,21h2,21h4や下段コア21h3等)で構成する。図3,図4に示すコア21cと同様に、上段コア21h1,21h2,21h4と下段コア21h3は互い違いに配置されて部分的に重なるように成形される。図示するように一体成形してもよく、別体に成形した後に固定手段で固定してもよい。第3変形例と同様にして、上段コア21h1,21h4(第1面積S3)と上段コア21h2(第2面積S4)について、面積比をS3:S4=1:2に設定するのが望ましい。
第4変形例は、第3変形例と比べて巻線Lの巻き方が相違する。第3変形例は凸状部21g1,21g2,21g4の側面に沿ってそれぞれ巻くのに対して、第4変形例は図3,図4に示す送電パッド21A(実施の形態1)と同様に段違い状に巻く。図面左側の巻線Lは、上段コア21h1とシールド部材21aとの隙間と、上段コア21h2に対向する上段コア21h1の一側面(図23の右側端面)とを経て巻かれる。図面中央側の巻線Lは、上段コア21h2とシールド部材21aとの隙間と、上段コア21h1,21h4とそれぞれ対向する上段コア21h2の側面(図23の左右側端面)とを経て巻かれる。図面右側の巻線Lは、上段コア21h4とシールド部材21aとの隙間と、上段コア21h2に対向する上段コア21h4の一側面(図23の左側端面)とを経て巻かれる。
上述した実施の形態1〜3では、送電パッド21(260)は巻線L1とコンデンサC1を並列接続し、送電パッド22(270)は巻線L2とコンデンサC2を並列接続する構成とした(図2を参照)。また、受電パッド15(320)は巻線L3とコンデンサC3を並列接続し、受電パッド16(360)は巻線L4とコンデンサC4を並列接続する構成とした(図2を参照)。この形態に代えて、一以上の電力伝送用パッドについて、巻線とコンデンサを直列接続する構成としてもよい。図25には、全ての電力伝送用パッドについて、巻線とコンデンサを直列接続する構成例を示す。図26には、一部の電力伝送用パッド(送電パッド22と受電パッド16)について、巻線とコンデンサを直列接続する構成例を示す。巻線とコンデンサの接続構成を問わず、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1〜3では、電流を電磁波に変換しアンテナを介して送受信する電波方式を適用する構成とした(図1,図2を参照)。この形態に代えて、2つの隣接する巻線の一方に電流を流すと発生する磁束を媒介して隣接した他方に起電力が発生する電磁誘導を用いた電磁誘導方式を適用してもよく、電磁界の共鳴現象を利用した電磁界共鳴方式を適用してもよい。いずれの方式も相互誘導作用によって非接触で電力伝送を行えるので、実施の形態1〜3と同様の作用効果が得られる。
上述した実施の形態1〜3では、送電パッド21A〜21Fを送電パッド21として適用する構成とした(図3〜図5,図17〜図24を参照)。この形態に代えて、送電パッド21A〜21Gを、送電パッド22,23,24や受電パッド15,16,17,18のうちで一以上に適用してもよい。非接触電力伝送システム100において、送電パッド21A〜21Fの各構成を混在させてもよい。適用対象のパッドが相違するに過ぎないので、実施の形態1〜3と同様の作用効果が得られる。
〔作用効果〕
上述した実施の形態1〜3および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)配置構造ST(ST1,ST2,ST3)は、コア21c,21g,21h,21iと、巻線L(L1,L2,L3,L4)を有し、非接触で電力を送電または受電する際に用いる電力伝送用パッドを複数有し、複数の電力伝送用パッド(送電パッド21,22,23,24や受電パッド15,16,17,18)は、一の電力伝送用パッド(例えば受電パッド15,17や送電パッド21,23)の主磁束φM(φM1)と、他の電力伝送用パッド(例えば受電パッド16,18や送電パッド22,24)の主磁束φM(φM2)とは、複数の前記電力伝送用パッドから所定距離以上離れた遠方点PX,PYにおいて流れ方向が互いに逆方向となるように配置される構成とした(図6,図7,図11,図14を参照)。この構成によれば、遠方点PX,PYにおいて主磁束φM1と主磁束φM2の一部が打ち消されるので、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で結合するのが抑制される。したがって、遠方での電磁界強度Eを下げつつ、従来よりも電力の伝送効率を向上できる。また、複数の電力伝送用パッドのそれぞれで独立して電力を伝送できるので、電力伝送用パッドの数に応じた電力を伝送できる。
さらに、一の電力伝送用パッドと他の電力伝送用パッドは、電力伝送用パッドの磁極間方向の辺の長さをWとし、一の電力伝送用パッドのコアと他の電力伝送用パッドのコアが対向する相互間距離をパッド端間距離Pとするとき、比率P/Wが0.2≦P/W≦10の範囲内となるように配置される構成とした(図12,図13を参照)。この構成によれば、比率P/Wが0.2≦P/W≦10の範囲内となるように配置されると、主磁束φM1と主磁束φM2の一部が確実に打ち消される。よって、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で結合するのが抑制され、従来よりも電力の伝送効率を向上できる。
(3)一の電力伝送用パッドと他の電力伝送用パッドは、電力伝送用パッドにかかる主磁束φM(φM1,φM2)の磁極間距離をXとし、一の電力伝送用パッドと他の電力伝送用パッドとの相互間距離をYとし、一の電力伝送用パッドにかかる主磁束の中心線と、他の電力伝送用パッドにかかる主磁束の中心線との相対的なずれ量をZとするとき、次式[Y≦10XまたはZ≦10X、かつ、(Y2+Z21/2≧X/5]を満たすように配置される構成とした(図6,図7を参照)。この構成によれば、主磁束φM1と主磁束φM2の打ち消し効果をより確実に確保できる。よって、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で結合するのをより確実に抑制し、従来よりも電力の伝送効率をより確実に向上できる。
(4)車両10の通路に設けられる送電パッド21〜24と、送電パッド21〜24に出力して送電する電力を制御する送電制御手段210とを有する送電装置200と、車両10に設けられる受電パッド15〜18と、受電パッド15〜18で受電した電力を制御する受電制御手段310とを有する受電装置300とを備え、送電パッド21〜24と受電パッド15〜18とを対面させ、非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システム100において、配置構造ST(ST1,ST2,ST3)を、複数の受電パッド15〜18と複数の送電パッド21〜24とのうちで一方または双方に適用する構成とした(図1,図2,図7を参照)。この構成によれば、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのをより確実に抑制し、従来よりも電力の伝送効率をより確実に向上できる非接触電力伝送システム100を提供することができる。
(5)複数の受電パッド15〜18は車両10に備えられ、受電制御手段310は、送電パッド21〜24から受電パッド15〜18に非接触で伝送される電力を、車両10に備えられる電池11に充電する構成とした(図1,図15,図16を参照)。この構成によれば、一方側(送電側または受電側)のパッド同士で磁気結合するのを抑制し、従来よりも電力の伝送効率を高めて電池11への充電を行うことができる。
(6)送電制御手段210は、複数の送電パッド21〜24に対して、周波数f(f1,f2)と位相θを同期させて電力を供給する構成とした(図10を参照)。この構成によれば、非同期で電力を供給する場合に比べると、磁束を発生させるタイミングも同期できるので、主磁束φM1と主磁束φM2の打ち消し効果も同期できる。したがって、主磁束φM1と主磁束φM2の打ち消し効果をより確実に確保できる。
ST(ST1,ST2,ST3) 電力伝送用パッド配置構造
15,16,17,18 受電パッド(電力伝送用パッド)
21,22,23,24 送電パッド(電力伝送用パッド)
21c,21g,21h,21i コア(磁性体)
L(L1,L2,L3,L4) 巻線(コイル)
φM(φM1,φM2) 主磁束
100 非接触電力伝送システム
200 送電装置
300 受電装置

Claims (5)

  1. コア(21c,21g,21h)と、前記コアに巻かれる巻線(L,L1,L2,L3,L4)を有し、非接触で電力を送電または受電する際に用いる電力伝送用パッドを複数有し、
    複数の前記電力伝送用パッドは、一の前記電力伝送用パッド(15,21)の主磁束(φM,φM1)と、他の前記電力伝送用パッド(16,22)の主磁束(φM,φM2)と、複数の前記電力伝送用パッドから所定距離以上離れた遠方点(PX,PY)において流れ方向が互いに逆方向となるように配置され
    一の前記電力伝送用パッドおよび他の前記電力伝送用パッドは、前記電力伝送用パッドの磁極(MP1,MP2)間方向の辺の長さをWとし、一の前記電力伝送用パッドのコアと他の前記電力伝送用パッドのコアが対向する面の相互間距離をPとするとき、比率P/Wが0.2≦P/W≦10の範囲内となるように配置されることを特徴とする電力伝送用パッド配置構造(ST,ST1,ST2,ST3)。
  2. 一の前記電力伝送用パッドと他の前記電力伝送用パッドは、
    前記電力伝送用パッドにかかる前記主磁束の磁極間距離をXとし、
    一の前記電力伝送用パッドと他の前記電力伝送用パッドとの相互間距離をYとし、
    一の前記電力伝送用パッドにかかる前記主磁束の中心線(CL1)と、他の前記電力伝送用パッドにかかる前記主磁束の中心線(CL2)との相対的なずれ量をZとするとき、次式
    Y≦10XまたはZ≦10X、かつ、(Y2+Z21/2≧X/5
    を満たすように配置されることを特徴とする請求項に記載の電力伝送用パッド配置構造。
  3. 車両(10)の通路に設けられる送電パッド(21,22,260,270)と、前記送電パッドに出力して送電する電力を制御する送電制御手段(210)とを有する送電装置(200)と、
    前記車両に設けられる受電パッド(15,16,320,360)と、前記受電パッドで受電した電力を制御する受電制御手段(310)とを有する受電装置(300)とを備え、
    前記送電パッドと前記受電パッドとを対面させ、非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システム(100)において、
    請求項1または2に記載の電力伝送用パッド配置構造(ST,ST1,ST2,ST3)を、複数の前記受電パッドと複数の前記送電パッドとのうちで一方または双方に適用することを特徴とする非接触電力伝送システム。
  4. 複数の前記受電パッドは車両に備えられ、
    前記受電制御手段は、前記送電パッドから前記受電パッドに非接触で伝送される電力を、前記車両に備えられる電池(11)に充電することを特徴とする請求項に記載の非接触電力伝送システム。
  5. 前記送電制御手段は、複数の前記送電パッドに対して、周波数(f,f1,f2)と位相(θ)を同期させて電力を供給することを特徴とする請求項またはに記載の非接触電力伝送システム。
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