JP6323033B2 - 粘着フィルム及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着フィルム及びその使用方法に関する。
液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、プロジェクションスクリーン(PJ)等のディスプレイ製品には、様々な種類のフィルム状、シート状又は板状の光学シートが使用されている。これらの光学シートには、切断加工、輸送、保管等の際に傷の発生、汚れ、異物等の付着などを防止するために、保護用粘着フィルム(以下、単に粘着フィルムともいう)が使用されている。保護用粘着フィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエステルなどからなるプラスチックフィルムの片面に粘着層が設けられた粘着フィルムが一般的に用いられている。
近年のディスプレイ表示精度の向上により、光学シートにおける傷の発生、汚れ、異物等の付着に起因する外観欠陥の一層の防止に対する要求が高まっている。外観欠陥の原因のひとつとして、粘着フィルムを貼り付けた光学シートを重ねた際に、光学シートの粘着フィルムが貼り付けられていない側の面と、隣接する光学シートに貼り付けられた粘着フィルムの表面とが接触して摩擦が生じることにより発生する静電気による光学シートへの異物の付着がある。そこで、粘着フィルムに帯電防止性を付与して静電気の発生を抑制し、異物の付着を減少させることが行われている。
光学シートの粘着フィルムが貼り付けられていない側の面と、隣接する光学シートに貼り付けられた粘着フィルムの表面とが接触して摩擦が生じることによる静電気の発生を抑制する方法としては、粘着フィルムの光学シートに貼り合わせられる側の面(以下、粘着層ともいう)とは逆側に設けられた層(以下、背面層ともいう)に帯電防止性を付与する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平7−26223号公報 特開2008−162059号公報 特開2008−174727号公報 特開2008−274100号公報
しかしながら、帯電防止性を付与した背面層を有する粘着フィルムは、粘着フィルムを巻物状にしたり重ねたりして背面層と粘着層とが接触すると、背面層に含まれる帯電防止成分が粘着層に移行して背面層の帯電防止性が低下する場合がある。また、背面層に帯電防止性を付与したことによって、巻物状にした粘着フィルムを巻戻す際の巻戻力が大きくなり、作業性が低下する場合がある。
本発明は上記状況に鑑み、帯電防止性及び作業性に優れる粘着フィルム及びその使用方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
<1> 粘着層と、プラスチックフィルムと、帯電防止剤及び離型剤を含む背面層と、をこの順に有し、前記背面層に含まれる離型剤の量が、帯電防止剤100質量部に対して30質量部以上である、粘着フィルム。
<2> 前記背面層の表面抵抗値が1×1014Ω/□以下である、<1>に記載の粘着フィルム。
<3> 前記離型剤が炭素数8〜30のアルキル基を有する樹脂を含む、<1>又は<2>に記載の粘着フィルム。
<4> 前記帯電防止剤が4級アンモニウム塩を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
<5> 前記粘着層がスチレンに由来する構造単位を含むブロック共重合体を含む、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
<6> 巻物状である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
<7> <1>〜<6>のいずれか1項に記載の粘着フィルムの粘着層を光学シートに貼り付ける工程を含む、粘着フィルムの使用方法。
本発明によれば、帯電防止性及び作業性に優れる粘着フィルム及びその使用方法が提供される。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含する。「室温」とは、21℃〜25℃の範囲内の温度を意味する。
<粘着フィルム>
本発明の粘着フィルムは、粘着層と、プラスチックフィルムと、帯電防止剤及び離型剤を含む背面層と、をこの順に有し、前記背面層に含まれる離型剤の量が、帯電防止剤100質量部に対して30質量部以上である。
粘着フィルムが上記構成を有することにより、粘着フィルムの背面層と粘着層とが接触する状態におかれた場合(例えば、粘着フィルムを巻物状にした場合)でも背面層の帯電防止性が良好に維持される。その理由は明らかではないが、背面層が帯電防止剤と離型剤とを含み、かつ帯電防止剤及び離型剤の質量比が特定の範囲内にあるため、粘着フィルムの背面層と粘着層とが接触した際の背面層から隣接する粘着層への帯電防止剤の移行が抑制されるためと考えられる。また、巻物状にした粘着フィルムを巻き出す際の巻戻力が大きすぎず、作業性が良好である。
さらに、粘着フィルムを巻物状にしたり重ねたりした際に粘着層と背面層との接触を防止するためのセパレータ等を配置しなくても、背面層に含まれる帯電防止成分が隣接する粘着層に移行する現象を有効に抑制することができる。このため、セパレータの配置、剥離等の作業を伴う方法よりも粘着フィルムの製造コスト、作業性等の点で有利である。
(プラスチックフィルム)
粘着フィルムを構成するプラスチックフィルムは、光学シートの保護用粘着フィルムに一般に使用されるプラスチックフィルムであってよく、特に制限されない。プラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)等を挙げることができる。中でも、フィルム製膜性に優れ、比較的安価であるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィンエラストマー等が好ましい。プラスチックフィルムの材料は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プラスチックフィルムの厚みは特に制限されない。例えば、20μm〜200μmが好ましく、より好ましくは30μm〜100μmである。プラスチックフィルムの厚みが20μm以上であると、粘着フィルムとして充分な強度が得られる傾向にある。また、プラスチックフィルムの厚みが200μm以下であると、粘着フィルムとして充分な柔軟性が得られる傾向にあり、価格の上昇が抑えられる傾向にある。
(背面層)
粘着フィルムを構成する背面層は、帯電防止剤と離型剤とを含み、背面層に含まれる離型剤の量が、帯電防止剤100質量部に対して30質量部以上である。
帯電防止剤は特に制限されず、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミノ基等のカチオン性基を有するカチオン性帯電防止剤、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、スルホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン性帯電防止剤、アミノ酸帯電防止剤、アミノ硫酸エステル帯電防止剤等の両性帯電防止剤、アミノアルコール帯電防止剤、グリセリン帯電防止剤、ポリエチレングリコール帯電防止剤等のノニオン性帯電防止剤、これらの帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤などが挙げられる。帯電防止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも比較的安価で、求める帯電防止性能が得やすいこと等からカチオン性帯電防止剤が好ましく、第4級アンモニウム塩がより好ましい。
離型剤は特に制限されず、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、長鎖アルキル基を有する樹脂等の単体、これらの樹脂の変性体、これらの樹脂の混合物などが挙げられる。中でも、入手の容易性の観点からは長鎖アルキル基を有する樹脂が好ましく使用できる。長鎖アルキル基を有する樹脂としては、炭素数8〜30のアルキル基を有する樹脂を挙げることができ、中でも炭素数12〜30のアルキル基を有する樹脂が入手の容易性の観点から好ましい。
背面層に含まれる離型剤の量が、帯電防止剤100質量部に対して30質量部未満であると、粘着フィルムの背面層と粘着層とが接触する状態(例えば、粘着フィルムを巻物状にした場合)に背面層から粘着層への帯電防止剤の移行が充分に抑制できず、充分な帯電防止性が維持できない場合がある。また、巻物状の粘着フィルムを巻き出す際の巻き戻し力が大きく良好な作業性が得られない場合がある。背面層に含まれる離型剤の量は、帯電防止剤100質量部に対して40質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。
背面層に含まれる離型剤の量は、帯電防止剤100質量部に対して500質量部以下であることが好ましい。背面層に含まれる離型剤の量が帯電防止剤100質量部に対して500質量部以下であると、背面層の帯電防止剤の量が少なすぎず、充分な帯電防止性が得られる傾向にある。背面層に含まれる離型剤の量は、帯電防止剤100質量部に対して300質量部以下であることがより好ましく、200質量部以下であることがさらに好ましく、100質量部以下であることが特に好ましい。
背面層は、帯電防止剤及び離型剤以外の成分を必要に応じて含んでもよい。帯電防止剤及び離型剤以外の成分としては、粘度調整剤、レベリング剤、着色剤、バインダー樹脂等を挙げることができる。
背面層の単位面積当たり質量は、特に制限されない。充分な帯電防止効果を得る観点からは、乾燥後の質量が0.005g/m以上であることが好ましく、0.01g/m以上であることがより好ましい。
粘着フィルムの背面層の表面抵抗値は、1×1014Ω/□以下であることが好ましく、1×1013Ω/□以下であることがより好ましく、1×1012Ω/□以下であることがさらに好ましい。背面層の表面抵抗値が1×1014Ω/□以下であると、充分な帯電防止性能が得られ、異物の付着等が充分に抑制される傾向にある。
背面層の表面抵抗値の測定は、粘着フィルムを雰囲気温度23℃、湿度65%の条件下に1時間放置した後、500Vの電圧を1分間印加した後に測定する。
(粘着層)
粘着フィルムを構成する粘着層は、粘着剤を含む。粘着剤は、光学シートの保護用粘着フィルムに一般に使用される粘着剤であってよく、特に制限されない。粘着剤としては、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)等のスチレンに由来する構造単位を含むブロック共重合体などの合成ゴム粘着剤、各種アクリルモノマーを共重合して得られるアクリル粘着剤、天然ゴム粘着剤、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)粘着剤、これらの混合系粘着剤などを挙げることができる。中でも、スチレンに由来する構造単位を含むブロック共重合体が、比較的安価で好ましい粘着力が得られやすい等の理由から好ましく用いられる。粘着剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着層は、粘着剤以外の成分を必要に応じて含んでもよい。粘着剤以外の成分としては、粘着付与剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、充填剤等を挙げることができる。
粘着付与剤としては、テルペン粘着付与剤、ロジン粘着付与剤、脂肪族炭化水素粘着付与剤、芳香族炭化水素粘着付与剤等の粘着付与剤を特に制限なく用いることができる。粘着付与剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤としては、イソシアネート架橋剤、メラミン架橋剤、エポキシ架橋剤等の架橋剤を特に制限なく用いることができる。粘着剤中に緩やかに広がった網目状構造を形成する観点からは、3官能、4官能等の多官能架橋剤が好ましく用いられる。架橋剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤及び充填剤としては、一般に粘着剤と併用される材料を特に制限なく用いることができ、それぞれ1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着層の厚みは特に制限されない。例えば、1μm〜30μmが好ましく、より好ましくは1μm〜10μmである。粘着層の厚みが1μm以上であると、光学シート表面の凹凸に充分に追従することができ、充分な粘着力が得られる傾向にある。また、粘着層の厚みが30μm以下であると、粘着剤の単位面積当たりの使用量が抑えられ、価格の上昇を抑えられる傾向にある。
粘着フィルムの粘着層は、アクリル板に対する粘着力が0.1N/25mm〜5N/25mmであることが好ましい。粘着層のアクリル板に対する粘着力が0.1N/25mm以上であると、光学シートに貼り付けた際に充分な粘着力が得られ、剥れ等の発生が有効に抑制される傾向にある。また、粘着層のアクリル板に対する粘着力が5N/25mm以下であると、光学シートに貼り付けた際の粘着力が大きすぎず、粘着フィルムを剥がし易く、糊残りの発生が抑制される傾向にある。
粘着層のアクリル板に対する粘着力の測定は、90℃剥離試験により行う。具体的には、粘着フィルムをアクリル板(住友化学工業株式会社、商品名:スミペックスE000、厚み1.5mm、フラット板)に、ゴムロールを用いて圧力5880N/m、2m/分の速度で貼り付け、30分間室温で放置する。その後、剥離角度90度、剥離速度0.2m/分、室温の環境にて測定する。
粘着フィルムの巻戻力(粘着フィルムを巻物状に巻き取った状態から粘着フィルムを巻き出す力)は、1N/25mm以下であることが好ましく、0.5N/25mm以下であることがより好ましい。巻戻力が1N/25mm以下であると、巻物の状態から粘着フィルムを巻き出すための力が大きくなりすぎず、作業性が良好に維持される。また、巻物の状態では接触している粘着層と背面層とをスムーズに剥離することができ、巻き出した粘着フィルムにおける折れシワの発生等が抑制される。
粘着フィルムの巻戻力の測定は、T型剥離試験により行う。具体的には、巻物状の粘着フィルムの表層から、2枚の粘着フィルムが重なった状態で試験片を切り出し、得られた試験片の粘着フィルムを剥離速度0.2m/分、室温の環境にて測定する。
(粘着フィルムの製造方法)
粘着フィルムの製造方法は、公知の方法でよく、特に限定されない。例えば、先に製膜したプラスチックフィルムの両面に粘着層を形成する成分を含む粘着層形成用溶液と、背面層を形成する成分を含む背面層形成用溶液をそれぞれ付与し、その後乾燥する方法を挙げることができる。この場合、粘着層形成用溶液の付与及び乾燥と、背面層形成用溶液の付与及び乾燥とは、一括して行っても別々に行ってもよい。その他の方法としては、粘着層、プラスチックフィルム及び背面層を共押出法にて同時に製膜する方法を挙げることができる。使用できる材料の選択肢が広いという観点からは、プラスチックフィルムの両面に粘着層形成用溶液と背面層形成用溶液をそれぞれ付与し、乾燥する方法が好ましい。
粘着層形成用溶液及び背面層形成用溶液は、例えば、粘着層又は背面層を構成する成分を水、有機溶剤等の溶媒に溶解し、粘度を調節して得ることができる。粘着層形成用溶液及び背面層形成用溶液をプラスチックフィルムに付与する方法は特に制限されない。例えば、塗工機を用いてプラスチックフィルムの表面に塗布する方法を挙げることができる。塗工機としてはロールコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ダイコーター等が挙げられ、粘着層形成用溶液及び背面層形成溶液の特性等に応じて選択できる。
製造された粘着フィルムは、通常は巻物状に巻き取られる。粘着フィルムを巻き取る方法は特に制限されない。例えば、塗工機に連続して設置された巻き取り装置を用いて巻き取る方法を挙げることができる。
本発明の粘着フィルムは背面層が帯電防止剤と離型剤を含み、前記背面層に含まれる離型剤の量が、帯電防止剤100質量部に対して30質量部以上である。このため、背面層に含まれる帯電防止剤の粘着層への移行が抑制される。従って、粘着シートを巻き取る際に背面層と粘着層との接触を防止するためのセパレータを用いなくても背面層の帯電防止性が良好に維持される。
(粘着フィルムの使用方法)
本発明の粘着フィルムの使用方法は、本発明の粘着フィルムの粘着層を光学シートに貼り付ける工程を含む。本発明の粘着フィルムが巻物状である場合は、巻き出した粘着フィルムの粘着層を光学シートの表面に貼り付ける。本発明の粘着フィルムは背面層が帯電防止剤と離型剤を含み、前記背面層に含まれる離型剤の量が、帯電防止剤100質量部に対して30質量部以上である。このため、粘着フィルムを貼り付けた光学シートを重ねた際に、光学シートの粘着フィルムが貼り付けられていない側の面と、隣接する光学シートに貼り付けられた粘着フィルムの表面(背面層)との間で摩擦が生じることにより発生する静電気が良好に抑制される。
<実施例>
以下、本発明の粘着フィルムについて、実施例を参照してより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)(クレイトンポリマージャパン株式会社、商品名:クレイトンG−1657)100質量部と、粘着付与剤(荒川化学工業株式会社、商品名:アルコンP−125)30質量部と、溶媒(トルエン)とを混合し、粘着層形成用溶液(濃度:10質量%)を調製した。
帯電防止剤組成物(コルコート株式会社、商品名:コルコートNR−121X−9、有効成分:4級アンモニウム塩、濃度:10質量%、溶媒:酢酸エチル及びイソプロピルアルコール)と、離型剤(一方社油脂工業株式会社、ピーロイルP−1010、長鎖アルキル基含有樹脂の粉末)をトルエンに溶解して作製した離型剤組成物とを、離型剤の量が帯電防止剤100質量部に対して100質量部となるように混合した。得られた混合物をさらにトルエン及びイソプロピルアルコールで希釈し、背面層形成用溶液(濃度:0.13質量%)を調製した。
厚さ40μmのポリプロピレンフィルム(幅:約600mm、長さ:約500mの巻物状物)の片面に、上記の背面層形成用溶液を乾燥後の背面層の質量が0.02g/mになるように塗工し、90℃で1分間乾燥した。また、ポリプロプレンフィルムのもう一方の面に粘着層形成用溶液を乾燥後の粘着層の質量が3g/mになるように塗工し、90℃で1分間乾燥した。乾燥後の粘着層の厚みは約3μmであった。塗工は試作塗工機を用いて、背面層及び粘着層ともに連続塗工により行った。このようにして、背面層及び粘着層を有する粘着フィルムを作製した。
作製した粘着フィルムを巻物状に巻き取り、室温で2日間放置し、充分にエージングを行った。巻き取りは試作塗工機に連続して設置された巻き取り装置を用いて、塗工、乾燥、巻き取りの順に連続して行った。その後、粘着フィルムを巻き出し、下記の方法で背面層の表面抵抗値、巻戻力、及び粘着層のアクリル板に対する粘着力を測定した。
(1)背面層の表面抵抗値
背面層の表面抵抗値を以下のようにして測定した。具体的には、巻き出した粘着フィルムを雰囲気温度23℃、湿度65%にて1時間放置した後、500Vの電圧を1分間印加した。その後、表面抵抗測定装置(タケダ理研工業株式会社(現:株式会社アドバンテスト)、商品名:TR−8611A)を用いて表面抵抗値(初期)を測定した。結果は5.3×10Ω/□であった。さらに、巻物の状態で室温にて7日間放置した後の粘着フィルムの背面層の表面抵抗値(室温7日放置後)を上記と同様の条件で測定した。結果は4.7×10Ω/□であった。
(2)巻戻力
粘着フィルムの巻戻力をT型剥離試験により測定した。具体的には、巻物状の粘着フィルムの表層から、粘着フィルムが2枚重なった状態で幅25mm、長さ150mmの試験片を切り出し、得られた試験片を剥離試験装置(株式会社オリエンテック、商品名:RTA−100)を用いて、剥離速度0.2m/分で室温にて剥離して巻戻力(初期)を測定した。結果は0.10N/25mmであった。さらに、巻物の状態で室温にて7日間放置した後の粘着フィルムの巻戻力(室温7日放置後)を上記と同様の条件で測定した。結果は0.12N/25mmであった。
(3)粘着力
粘着フィルムの粘着力を90℃剥離試験により測定した。具体的には、巻き出した粘着フィルムの粘着層をアクリル板(住友化学工業株式会社、商品名:スミペックE000、厚み1.5mm、フラット板)に、ゴムロールを用いて圧力5880N/m、2m/分の速度で貼り付けて試験片を作製した。得られた試験片を30分間室温で放置した。その後、剥離試験装置(株式会社オリエンテック、商品名:RTA−100)を用いて剥離角度90度、剥離速度0.2m/分、室温にて剥離して粘着力を測定した。結果は2.5N/25mmであった。
(実施例2)
実施例1で使用した帯電防止剤組成物と離型剤組成物の混合物において離型剤の量が帯電防止剤100質量部に対して50質量部となるようにして背面層形成用溶液(濃度:0.13質量%)を調製した以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。作製した粘着フィルムについて、実施例1と同様にして背面層の表面抵抗値、巻戻力、及び粘着層のアクリル板に対する粘着力を測定した。
粘着フィルムの背面層の表面抵抗値(初期)は4.5×10Ω/□であり、巻戻力は0.15N/25mmであり、アクリル板に対する粘着力は2.7N/25mmであった。粘着フィルムの背面側の表面抵抗値(室温7日放置後)は3.3×10Ω/□であり、巻戻力(室温7日放置後)は0.27N/25mmであった。
(比較例1)
実施例1で使用した帯電防止剤組成物と離型剤組成物の混合物において離型剤の量が帯電防止剤100質量部に対して25質量部となるようにして背面層形成用溶液(濃度:0.13質量%)を調製した以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。作製した粘着フィルムについて、実施例1と同様にして背面層の表面抵抗値、巻戻力、及び粘着層のアクリル板に対する粘着力を測定した。
粘着フィルムの背面層の表面抵抗値(初期)は2.5×10Ω/□であり、巻戻力は0.11N/25mmであり、アクリル板に対する粘着力は2.5N/25mmであった。粘着フィルムの背面側の表面抵抗値(室温7日放置後)は1.5×1015Ω/□であり、巻戻力(室温7日放置後)は0.10N/25mmであった。
(比較例2)
実施例1で使用した帯電防止剤組成物のみをトルエン及びイソプロピルアルコールで希釈し、背面層形成用溶液(濃度:0.13質量%)として用いた以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。作製した粘着フィルムについて、実施例1と同様にして背面層の表面抵抗値、巻戻力、及び粘着層のアクリル板に対する粘着力を測定した。
粘着フィルムの背面層の表面抵抗値(初期)は2.4×1010Ω/□であり、巻戻力は0.28N/25mmであり、アクリル板に対する粘着力は2.3N/25mmであった。粘着フィルムの背面側の表面抵抗値(室温7日放置後)は5.4×1014Ω/□であり、巻戻力(室温7日放置後)は0.31N/25mmであった。
(比較例3)
実施例1で使用した離型剤組成物のみをトルエン及びイソプロピルアルコールで希釈し、背面層形成用溶液(濃度:0.13質量%)として用いた以外は実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。作製した粘着フィルムについて、実施例1と同様にして背面層の表面抵抗値、巻戻力、及び粘着層のアクリル板に対する粘着力を測定した。
粘着フィルムの背面層の表面抵抗値(初期)は3.4×1015Ω/□であり、巻戻力は0.08N/25mmであり、アクリル板に対する粘着力は2.9N/25mmであった。粘着フィルムの背面側の表面抵抗値(室温7日放置後)は2.4×1016Ω/□であり、巻戻力(室温7日放置後)は0.09N/25mmであった。
各実施例及び比較例における測定結果等を表1に示す。
表1に示す結果より、本発明の粘着フィルムである実施例1及び実施例2は、粘着フィルムの背面層の表面抵抗値が低く、室温で7日間放置後も低い表面抵抗値が維持された。このことから、背面層の帯電防止効果が良好に維持されていることがわかる。また、巻戻力も小さく、作業性が良好であることがわかる。
背面層に含まれる離型剤の量が帯電防止剤100質量部に対して25質量部と少ない比較例1、及び背面層が離型剤を含まない比較例2は、粘着フィルムの背面層の表面抵抗値(室温で7日間放置後)が高く、帯電防止効果が時間の経過とともに低下することがわかる。背面層が帯電防止剤を含まない比較例3は、粘着フィルムの背面層の表面抵抗値が高く、帯電防止効果が不充分であることがわかる。

Claims (7)

  1. 粘着層と、プラスチックフィルムと、カチオン性帯電防止剤及び離型剤を含む背面層と、をこの順に有し、前記背面層に含まれる離型剤の量が、帯電防止剤100質量部に対して30質量部以上50質量部以下である、粘着フィルム。
  2. 前記背面層の表面抵抗値が1×1014Ω/□以下である、請求項1に記載の粘着フィルム。
  3. 前記離型剤が炭素数8〜30のアルキル基を有する樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載の粘着フィルム。
  4. 前記帯電防止剤が4級アンモニウム塩を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
  5. 前記粘着層がスチレンに由来する構造単位を含むブロック共重合体を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
  6. 巻物状である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の粘着フィルム。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の粘着フィルムの粘着層を光学シートに貼り付ける工程を含む、粘着フィルムの使用方法。
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