JP6322602B2 - 端子圧着アプリケータ、端子圧着機及び端子圧着電線の製造方法 - Google Patents

端子圧着アプリケータ、端子圧着機及び端子圧着電線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、皮むきした電線端部に端子を圧着するために用いるアプリケータに関する。特には、連鎖端子から切り離される個別の端子を的確に保持・固定できるアプリケータに関する。また、そのようなアプリケータを搭載する端子圧着機に関する。さらに、それらのアプリケータや端子圧着機を用いて端子圧着電線を製造する方法に関する。
被覆を剥いた電線の端部に端子を圧着する端子圧着機は、自動車用や電気機器用などのワイヤーハーネス製造の分野で広く用いられている。端子圧着機においては、多数の端子を帯状に配列した端子帯(連鎖端子ともいう)を送りながら、その端子を圧着機の中で位置決めし、別途自動あるいは手動で供給する皮むき電線の端部に圧着する。アプリケータは、端子の種類に応じて異なる端子の送り装置と、端子圧着金型(工具)であるクリンパー(可動の上型)及びアンビル(固定の上型)を備え、比較的容易に取り替えられるような形態で、端子圧着機に搭載される。
本明細書では、皮むき電線Wの端の絶縁被覆が剥かれて芯線が露出している部分を「露出芯線」と呼び(図4(C)の符号WC参照)、その「露出芯線」の根元側に残っている絶縁被覆の端の部分を「インス部」と呼ぶ(図4(C)の符号WI参照)。
端子には、その圧着部の形状の違いにより、オープンバレルタイプとクローズドバレルタイプがある。
オープンバレルタイプは、露出芯線に圧着される端子の部分(本明細書では「芯線バレル部」という)、及び、インス部に圧着される端子の部分(「インスバレル部」という)ともに、U字状の断面形状であり、U字の開いた部分(通常は上)から電線端部を端子のU字の底(下)に入れ込むことができる。
クローズドバレルタイプは、インスバレル部及び芯線バレル部ともに、円形などの閉じた断面形状である。したがって、電線を端子の側面(上)から端子の中(下)へ入れることができず、端子の軸方向(接続される電線の軸方向)に沿って電線を挿入するしかない。そのため、クローズドバレルタイプの端子の方が、タブ切断時における端子保持の技術は複雑である。ただし、本発明はクローズドバレルタイプに限定されるものではない。
ここで、クローズドバレルタイプの端子と、それが連続した連鎖端子(端子帯・端子列)の構造例を、図を参照しつつ説明する。
図4(B)・(A)に分かり易く示すように、連鎖端子CTは、多数の端子TをキャリアTCで繋いだものである。各々の個別の端子Tは、キャリアTC側から、インスバレル部TbI・芯線バレル部TbW・コネクタ部Tkからなる。インスバレル部TbIは代表的には円筒形であり、皮むき電線のインス部WIが挿入される部位である(図8(B)参照)。芯線バレル部TbWは、インスバレル部TbIより小径の円筒形であり、皮むき電線の露出芯線WCが挿入される部分である(図8(B)参照)。コネクタ部Tkは、端子Tの接続される相手方のコネクタと連結される部分である(メス型とオス型がある)。インスバレル部TbIとキャリアTCとは、タブTtで接続されている(図4(B)・図5(C)参照)。クローズドバレルタイプの端子Tは、代表的にはアルミニウムの薄板製である。
クローズドバレルタイプの端子の圧着方法に関する公知技術文献(特許文献1)を以下に提示する。また、本発明の実施形態のアプリケータと全体的には類似するアプリケータ及び圧着機の先行技術文献(特許文献2)を以下に提示する。
特開平7-37670号公報 特許第4212687号
本発明は、連鎖端子から切り離された個別端子を的確に固定・位置決めできるアプリケータを提供することを目的とする。また、高品質の圧着作業を行うことができる端子圧着機や、高品質の端子圧着電線を製造する方法を提供することを目的とする。
この「課題を解決するための手段」の項、及び、「特許請求の範囲」においては、添付図各部の参照符号を括弧書きして示すが、これは単に参考のためであって、権利範囲を添付図のものに限定するものではない。
本発明のアプリケータは、 端子(T)を皮むき電線の端部(WI・WC)に圧着するためのアプリケータであって、 多数の個別の端子(T)がキャリア(TC)で繋がれた連鎖端子(CT)を送る端子送り手段(180)と、 前記端子(T)と前記キャリア(TC)の接続部であるタブ(Tt)を切断するタブ切断手段(21)と、 前記端子(T)のインスバレル部(TbI)を前記皮むき電線のインス部(WI)に圧着するインスクリンパー(57)及びインスアンビル(19)と、 前記端子(T)の芯線バレル部(TbW)を前記皮むき電線の露出芯線(WC)に圧着するワイヤークリンパー(51)及びワイヤーアンビル(17)と、 前記インスクリンパー(57)及び前記ワイヤークリンパー(51)を駆動するクリンパー駆動手段(41・101)と、を備え、 さらに、前記タブ(TT)の切断時に、前記端子Tの反バレル側の端部である奥側端部(Te)を保持する端子奥端保持手段(14)を備えることを特徴とする。
タブ切断時、端子の奥側端部(Te)(電線挿入バレルの反対側、オス・メスの端子コネクタ部(Tk)先端)を保持する端子奥端保持手段(14)を備えるため、タブ切断時及び切断後における端子のズレを防止して、正常な圧着作業、及び、圧着後の良好な端子形状を実現できる。なお、端子圧着における端子バレルのカシメ変形時には、端子の伸びを妨害しないように、端子奥端保持手段は、端子奥側端部から離れるなど、端子保持力を無くすか著しく弱める。
上記のアプリケータにおいては、 前記端子奥端保持手段が、 前記端子(T)の前記奥側端部(Te)に当接する位置と、該奥側端部(Te)から退避した位置との間でスライド可能な押え部材(14)と、 該押え部材(14)を前記端子(T)の前記奥側端部(Te)に向けて付勢する付勢部材(14S)と、 前記押え部材(14)を前記奥側端部から離れる方向に駆動する駆動部材(43)を具備するものとできる。
後述する実施形態では、押え部材(14)は押えコマ14である。付勢部材はコマ付勢バネ14Sであるが、シリンダやモータなどを用いることができる。駆動部材は、コマドライバー43であり、クリンパー駆動手段と連動するカム状のものが、機構をシンプルにできるので好ましいが、シリンダやモータなどであってもよい。
前記アプリケータにおいては、前記端子(T)の前記奥側端部(Te)に当接する、前記押えコマ(14)の手前側の面(14b)の端子送り上流側の端部にテーパ面取り(14h)が施されており、 端子送り時に、前記端子(T)の前記奥側端部(Te)が前記テーパ面取り(14h)を摺動し、前記押えコマ(14)を退避方向に押しながら、前記端子(T)が送られるものとできる。
この実施形態によれば、押えコマ14の進退とスムーズな端子送りとをシンプルな構成で実現できる。
上記第一のアプリケータにおいては、 前記タブ(TT)の切断時に、前記端子奥端保持手段(14)に加えて、クリンパー(51・57)とアンビル(17・19)とが端子(T)のバレル(TbI・TbW)を挟持して端子(T)を保持することが好ましい。
端子のバレル(電線挿入側)と、その反対側の奥側端部(Te)(端子コネクタ部(Tk)の先端部)で、すなわち端子の長手(軸)方向の両側で端子を保持(固定)することとなるので、端子長手方向に対する直角方向軸周りの動き(船に譬えるとヨーイング)を抑制する効果が特に大きい。インス部WIあるいは芯線バレル部TbWのいずれで(あるいは両方で)端子を挟んで保持するかは、選択可能である。なお、切断後の端子は、フリーになると、奥手前方向・左右方向ともに動く可能性があるので、両方向の保持あるいは押さえ(摩擦による固定含む)を行うことが好ましい。
本発明の端子圧着機は、上記のアプリケータを備えることを特徴とする。
本発明の端子圧着電線の製造方法は、被覆の剥ぎ取られた電線端部に、請求項31記載の端子圧着機を用いて端子を圧着することを特徴とする。
本発明によれば、連鎖端子から切り離された個別端子を的確に固定・位置決めできるアプリケータなどを提供することができる。これにより、端子圧着電線の高品質化を図れる。
本発明の実施形態に係るアプリケータのホルダー周りの構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るアプリケータのアンビル周りの構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るアプリケータのシャンク・クリンパー周りの構成を示す分解斜視図である。 (A)は、図2に示すスライドカッター21やアンビル19・17に連鎖端子CTが送られていく様子を模式的に示す斜視図であり、下流側の端の端子T1がアプリケータ・圧着機の左右方向センターラインCLに近づいている状態である。(B)は連鎖端子の概要を示す平面図である。(C)は皮むき電線端部の側面図である。 (A)は、図4から進んで、下流側の端の端子T1がアプリケータ・圧着機の左右方向センターラインに達した状態を示す斜視図である。(B)は端子のインスバレル部TbIとスライドカッター21の関係を見た正面図である。(C)は、端子Tとスライドカッター21やアンビル19・17の関係を見た側面図である。 (A)は、図5から進んで、端子Tがインスクリンパー57とインスアンビル19に上下から挟まれて保持され、キャリアから切断された状態を示す斜視図である。(B)は、端子のインスバレル部TbIとスライドカッター21の関係を見た正面図である。(C)は、端子Tとスライドカッター21やアンビル19・17の関係を見た側面図である。(D)は、インスバレルTbIとインスクリンパー57やインスアンビル19との関係を見た正面図である。 図6と同じく、端子Tがインスクリンパー57とインスアンビル19に上下から挟まれて保持された状態(タブ切断後)を、電線挿入の手前側(端子バレルの側)から見た斜視図である。 (A)は、図6から進んで、端子Tのバレル内に電線Wの端部が挿入された状態を示す斜視図である。(B)は、端子とその中に挿入された皮むき電線端部、及び、その周りの機器構成を模式的に示す拡大側面断面図である。 (A)は、端子保持後にタブ切断が完了した状態における端子・クリンパー・アンビル周りの装置構成を示す側面断面図である。(B)は、シャンク下死点において端子奥側先端の押えコマ14が奥側にスライドして逃げた状態を示す側面断面図である。 本実施形態と全体的には類似するアプリケータ及び圧着機(特許第4212687号)の外観を示す正面図である。
CT;連鎖端子、T;端子、T1; 下流側の端の端子、TC;キャリア、TCh;ツメ係合孔
Tt;タブ、TbI;インスバレル部、TbW;芯線バレル部、
Tk;端子コネクタ部、Te;奥側先端
W;電線、WI;インス部、WC;露出芯線
11;ホルダー、11b;ガイド側壁、11c;手前側の面、11d;ガイド溝、11f;ガイド側壁、11h;奥壁、11j;台、11m;凹部、11n;手前側の面、11p;側脚、13;ベースプレート
14;押えコマ、14b;手前面、14d;斜面、14h;テーパ面取り、14S;コマ付勢バネ
15;アンビルホルダー、15b;手前側の上面、15c;奥側の上面、15d;手前側の面、
16;コマガイド、16b;ガイド凹部
17;ワイヤーアンビル、17b;カシメ型面、17d;カシメ部、17f;本体部、17h;底面
19;インスアンビル、19b;カシメ型面、19d;カシメ部、エッジ19e;エッジ、
19f;本体部
21;スライドカッター、21a;上面、21b;スリット、21c;キャリアガイド口、
21d;アール溝、21e;エッジ(切刃)、21f;上面、21j;ラッパ口、21h;押下げ凸部、
21m;段部、21n;平たい面、21p;門柱、21r;凸部、
23;カッターバネ
25;スライドカッターガイド、25b・25f;ブロック、左右連結板部25d
31・31´;カバー、33;ストッリッパー取付部材、35;ストッリッパー
41;シャンク、41b;上端溝、41d;上ブロック部、41f;左右側面、
41h;下小ブロック部、41j;手前側の面、41k;ネジ穴
43;コマドライバー、43b;本体部、43d;脚部、43f;斜面、43h;溝、
45;リホーマー、45c;上半部、45d;張り出し部、45g;長孔、45f;下半部、
45h;下凹部、47;リホーマーバネ、
49;リホーマーガイド、49b・49d;ツバ部、49f;奥側の面、49g;円孔、
51;ワイヤークリンパー、51d;上半部、51f;孔、51g;下部、51m;カシメ凹部、
55;スペーサ、55b;円孔、55d;下辺、56;空間
57・57´;インスクリンパー、57b;上半部、57c;左右張り出し部、
57d;円孔、57f;カシメ部、57h;カシメ凹部、57hi;保持部
59;ワイヤー押さえ、59c;長孔、59d;上中部、
59h;下部ブロック、59j;ザグリ穴、59m;ラッパ口、59n;下面、59r;アール溝、
61;ワイヤー押さえバネ
63;カットオフパンチ、63b;ツバ部、63d;溝、63h;ツバ部、63g;円孔、
63k;パンチ部、63n;下端面、65;ボルト
AP;アプリケータ、100;圧着機、101;ラム昇降機構、102;ラムボルト、102b;連結部
111;ホルダー、113;ベースプレート、114;アプリケータ搭載部
119;アンビル(固定下型)、131;カバー、141;シャンク、141b;上端溝
157;クリンパー(上下昇降上型)、
180;端子送り機構、181;送りツメ、181b;ツメ先端、183;ガイド、
189;キャリアガイド
191;ワイヤークリンパー用クリンプハイトダイヤル、
192;インスクリンパー用クリンプハイトダイヤル
以下、本発明のアプリケータの実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の各図において、「上下方向」はシャンクやクリンパーの上下移動方向を指す。なお、本明細書中において「上」・「下」という文言は、一般的な機械配置の場合に沿った表現としたものであり、地球重力の方向の上・下に限定されない。「左右方向」あるいは「上流・下流」は、端子送り方向あるいはその逆方向を指す。「奥手前方向」は、電線や端子の軸方向(長手方向)を指し、「奥(先ともいう)」は皮むき電線の先端(芯線)の方向であり、「手前(元ともいう)」はその逆方向である。圧着機の操作者・観察者が立つのは、アプリケータ・圧着機の手前側である。
まず、図10を参照しつつ、本発明の実施形態に係るアプリケータ・端子圧着機と全体的には類似する特許第4212687号のアプリケータ・圧着機の全体的構成を説明する。この圧着機100・アプリケータAPは以下の主要部からなる。なお、図10中において、実線で示す部分がアプリケータAPであり、二点鎖線で示す部分はアプリケータAP以外の圧着機の構成部分である。
端子送り機構180;
図の下側において左(上流)方向から送り込まれる連鎖端子(図示されず、図4や図5の符号CT参照)を、下流に送る機構である(なお図4や図5では、図10や図1〜3と左右が逆になっている)。同機構180は、連鎖端子をガイドする端子送りガイド183や、連鎖端子を送る端子送りツメ181を有する。この送りツメ181は左右に揺動しつつ、その先端181b(図の右下)が連鎖端子キャリアのツメ係合孔(図4の符号TCh参照)に係合して、連鎖端子を図17の右方向(下流)に送る。
送られた端子は、端子送りガイド183を出たところで、クリンパー157(上下昇降上型)とアンビル119(固定下型)との間で、皮むき電線(図示されず、図4(C)の符号WC・WI参照)の外周部にカシメ付けられる(圧着される)。なお、圧着前に、各々の端子(個別端子)は連鎖端子のキャリアから切り離され(図6参照)、切り離し後のキャリアは、図10の右(下流)側のキャリアガイド189を通って排出される。
クリンパー・シャンク昇降機構;
クリンパー157は、その上につながるシャンク141によって上下に駆動される。シャンク141は、その上に連結されたラムボルト102によって上下に駆動される。ラムボルト102の下端の連結部102bとシャンク141の上端溝141bとは、アリ溝状の構造をしており、着脱容易に連結される。ラムボルト141は、圧着機100のラム昇降機構101により昇降される。ラム昇降機構101は、油圧式や機械式、サーボプレス式などの各種がある。
シャンク141は、アプリケータAPの基本構造物であるホルダー111の上下ガイド溝(図1の符号11d参照)や、その手前側に取り付けられたカバー131によって上下案内される。シャンク141の手前側面に現れている円形ダイヤルは、クリンパー157の下限位置を調整するためのものである(符号191がワイヤークリンパー用・符号192がインスクリンパー用)。
アプリケータ搭載台;
アプリケータAPの最下部はベースプレート113となっており、アプリケータAPの一式(全体)がこのベースプレート113上に載っている。このベースプレート113は、圧着機本体のアプリケータ搭載部114上に搭載・固定される。アプリケータは、電線・端子の種類・サイズ毎に違うものが用いられるので、電線・端子の種類・サイズ変え時にアプリケータを交換する。
次に、主に図1〜3を参照しつつ、本発明の実施形態に係るクローズドバレル端子圧着用アプリケータのホルダー・クリンパー・アンビル周りの構成を説明する。各図において、矢印で上下・左右(端子送り上下流)・手前奥(元先)の各方向を表示してある。
まず、図1及び図2を参照しつつ、アプリケータの基本構造体であるホルダー11や、端子カシメ用の固定下金型であるアンビル17・19、個別端子切り離し用のスライドカッター21の回りを説明する。
図1の右上に示すホルダー11は、柱状のものである。その下部左側の手前には、長方形の部厚い台11jが張り出している。この台11jは、端子送り機構(図10の符号180参照)の載る部分である。ホルダー11の下部右側の手前には、角棒状の側脚11pが張り出している。台11jと側脚11pとの間の凹所11mには、図2に示すアンビルホルダー15やアンビル17・19が挟まれて保持される。台11j及び側脚11pは、ベースプレート13上面に載置・固定される。台11j及び側脚11pの手前側の面11nには、図2の左下隅に示されているスライドカッターガイド25が取付けられる。
ホルダー11の台11jと側脚11pの上には、上下・左右に広がる平板状の奥壁11hが立ち上がっている。この奥壁11hの上中部には、対向する二枚のガイド側壁11b・11fが、上下に延びて手前に張り出すように突設されている。ガイド側壁11b・11fの間には、上下に延びるガイド溝11dが形成されている。このガイド溝11d内は、クリンパー57・51などを上下駆動するシャンク41(図3参照)が上下に摺動する。ガイド側壁11b・11fの手前側の面11cには、カバー31やストリッパー35が取付けられる。
図2に示すように、アンビルホルダー15は、ブロック状のものである。アンビルホルダー15は、ベースプレート13上面に載置されて、前述のホルダー11の凹所11mに保持される。アンビルホルダー15の手前側の面15dには、ワイヤーアンビル17とインスアンビル19がネジ固定される。アンビルホルダー15の手前側の上面15bは、リホーマー45(図3参照)の下凹部45hと対向して端子コネクタ部Tkの形状保持を行う。
アンビルホルダー15の奥側の上面15cには、端子奥端保持手段端子奥端保持手段としての、押えコマ14やコマガイド16などが載置されている。押えコマ14は、略直方体の小ブロックであって、アンビルホルダー15上面15c上で奥手前方向にスライド可能に設けられている。詳しくは図9(A)を参照しつつ後述するが、その手前面14bが端子コネクタ部Tkの奥側端部Te(電線挿入バレルの反対側)に当接して、端子Tの姿勢を保持する(振れを止める)。
手前面14bの上端部には、斜面43fが形成されている。また、同手前面14bの上流側の端部には、テーパ面取り14hが形成されている。上端の斜面43fは押えコマ14退避時のカム作用面となり、上流側のテーパ面取り14hは端子送り時のカム作用面となる(詳細は上記図を参照しつつ後述)。押えコマ14は、コマガイド16のガイド凹部16bにガイドされている。コマガイド16は、門状の部材であって、アンビルホルダー上面15cにネジ固定されている。押えコマ14は、コマ付勢バネ14Sによって手前方向に付勢されている。
押えコマ14は、詳しくは図9(B)を参照しつつ後述するが、端子バレルのカシメ時には、端子Tの奥手前方向の伸びを妨害しないように、コマドライバー43(図3参照)に押されて奥側に逃げる。
ワイヤーアンビル17は、略五角形板状の本体部17fと、その上に突出したカシメ部17dからなる。本体部17fの底面17hは、ベースプレート13上に載置される。カシメ部17dの上端面は、端子Tの芯線バレル部TbW(図4(B)参照)をカシメるための下金型面であるカシメ型面17bとなっている。
インスアンビル19は、略五角形板状の本体部19fと、その上に突出したカシメ部19dからなる。本体部19fの底面19hは、ベースプレート13上に載置される。カシメ部19dの上端面は、端子Tのインスバレル部TbI(図4(B)参照)をカシメるための下金型面であるカシメ型面19bとなっている。前述のように、両アンビル17・19は、アンビルホルダー15の手前側の面15dにネジ止めされる。
スライドカッター21は、連鎖端子CTのタブTtを切断(剪断)する役割と、電線Wの端子内への挿入時のガイドをする役割の二つを果たす。スライドカッター21は、全体として門状の正面形状を有する。左右両側の門柱21pの下端部には、手前側に出っ張る凸部21rが形成されている。これらの凸部21rは、スライドカッター21最上昇時(カッターバネ23で持ち上げられて)に、スライドカッターガイド25の左右連結板部25dの下端に当接し、スライドカッター21の外れ止めとなる。
門柱21pの底面(すなわちスライドカッター21の底面)は、ベースプレート13上に置かれたカッターバネ23の上端に載せられている。このカッターバネ23の伸縮に応じて、スライドカッター21は端子圧着時に上下に動く(詳細は図5・図6を参照しつつ後述する)。なお、アプリケータ下部に組み込まれたアンビル周りの部品のうち、上下に可動の部品はスライドカッター21のみである。
スライドカッター21の凸部21rの上は、手前側に向いた平たい面21nとなっており、この面21nと、スライドカッターガイド25の左右連結板部25dの奥側面(裏面)とが対面摺動する。面21nの上端には手前側に出っ張る段部21mがつながっている。
スライドカッター21の上記段部21mの奥側の位置には、スリット21bが奥から手前に切り込むように、そして左右方向に延びるように、形成されている(図5も参照)。このスリット21bは、連鎖端子CTのキャリアTCやタブTtが通る通路であり、またタブTtを切断する切刃を含む部分である。その詳細構成と作用については、図5・図6・図9を参照しつつ後述する。
スライドカッター21の上部には、電線挿入ガイド手段の下部を構成するラッパ口21j・アール溝21dや、スライドカッター21を押下げるカットオフパンチ63(図3参照)の当たる押下げ凸部21hなどが形成されている。押下げ凸部21hは、スライドカッター21の左側上端部に、コブ状に突設されており、その上面21fに、カットオフパンチ63のパンチ部63k(図3参照)の下端が当たる。
ラッパ口21j・アール溝21dは、スライドカッター21の左右方向中央部の上面に形成されている。ラッパ口21jは、手前側ほど大径になるテーパ状の略半円錐面である。アール溝21dは、ラッパ口21jの奥につながってさらに奥に延びる、アール底面を有する溝である。ラッパ口21j・アール溝21dの左右上面21aは、ワイヤー押さえ59(図3参照)のラッパ口59mの左右の面が当たる。
スライドカッターガイド25は、スライドカッター21の手前側に配置された部品であって、スライドカッター21の手前側抜け出しを防止するとともに、上下摺動可能に案内するものである。スライドカッターガイド25は、左右のブロック25b・25fと、両ブロックをつなぐ左右連結板部25dからなる。左右のブロック25b・25fは、おのおの略矩形六面体をしており、上面に角部25c・25gが出ている。左右連結板部25dは、左右に延びる帯状のものである。両ブロック25b・25fは、ベースプレート13上に載置され、ホルダー11の台11j及び側脚11pの手前側の面11nに固定される。左右連結板部25dの上下辺は、前述のとおり、スライドカッター21の上下抜け出しを防止する。
図1に示すように、ホルダー11のガイド側壁11b・11fの手前側の面11cには、左右のカバー31・31´が取付けられている。左側のカバー31は、上下に延びる帯板状のものであって、その右側辺部分がシャンク41(図3参照)の手前側への抜け止めとなっている。
左右のカバー31・31´の下部には、ストッリッパー35が、左右のストッリッパー取付部材33を介して取り付けられている。このストッリッパー35の作用については、図9を参照しつつ後述する。
次に、図3を主に参照しつつ、上下ストロークするシャンク41やクリンパー57・51周りの構成を説明する。
図3の右上部には、シャンク41が示されている。シャンク41は、上ブロック部41dと下小ブロック部41hとからなる。上ブロック部41dは、その上面にラムボルト102(図10参照)との係合部である上端溝41bが形成されている。上ブロック部41dの左右側面41fは、ホルダー11のガイド溝11d(図1参照)の内側面と上下方向に摺動して、シャンク41が案内される。下小ブロック部41hの手前側の面41jには、クリンパーなどを固定するボルト65の螺合するネジ穴41kが掘り込まれている。
シャンク41の小ブロック部41hの手前側には、コマドライバー43が取付けられている。コマドライバー43は、上下に延びる長方形の板部材である本体部43bと、その下部に垂下する脚部43dとからなる。脚部43dの左右方向中央部には、下に開口する溝43hが切り込まれている。このコマドライバー43は、前述の押えコマ14(図2参照)を奥手前方向にスライドさせるものであるが、その詳細については、図9を参照しつつ後述する。
コマドライバー43の手前側にはリホーマー45が設けられている。リホーマー45は、上下に延びる略長方形の板状のものであって、次述するリホーマーガイド49の奥側に上下摺動可能に設けられている。リホーマー45の上面には、バネ47の下面が当接する。リホーマー上半部45cの左右端部は、左右張り出し部45dとなっており、次述のリホーマーガイド49の上下ツバ部49b・49dの間に嵌り込んでいる。
リホーマー上半部45cの中央部には、ボルト65の通る長孔45gが開けられている。長孔45gは上下に長くなっており、リホーマー45とボルト65とは上下に相対移動可能である。したがって、ボルト65はシャンク41と一体に上下運動するが、リホーマー45はシャンク41・リホーマーガイド49の動きと、リホーマーバネ47の伸縮に応じて、一つ自由度の多い動きをする。リホーマー45の下半部45fは、やや幅狭であり、その下端には下凹部45hが形成されている。同下凹部45hは、アンビルホルダー15の上面15b(図1参照)と対向して端子コネクタ部Tkの形状保持を行う。
リホーマー45の手前側には、リホーマーガイド49が取付けられている。リホーマーガイド49は、上下左右に広がる板状のものであり、その奥側の面49fにリホーマー45の手前側の面が当たる。面49fの上下にはツバ部49b・49dが奥側に突出するように形成されている。この上下ツバ部49b・49dの間に、リホーマーバネ47とリホーマー45の左右張り出し部45dが挟まれる。
リホーマーガイド49の中央部に開けられた円孔49gは、ボルト65の通る孔である。(上面の溝49cの話削除)リホーマーガイド49は、シャンク41とともに上下運動する。
ワイヤークリンパー51は、上下に延びる略長方形の板状のものであって、リホーマーガイド49の手前側に設けられている。(クリンプハイトダイヤル91の当接部51bの話削除)ワイヤークリンパー上半部51dの中央部には、ボルト65の通る孔51fが開けられている。この孔51fに通っているボルト65を介して、ワイヤークリンパー51はシャンク41によって持ち上げられる(上ストロークする)。
ワイヤークリンパー51の下部51gは、下に向かって徐々に幅狭となっている。同下部51gの下端の左右方向中央部には、カシメ凹部51mが切り込まれている。同カシメ凹部51mは、ワイヤーアンビル17の上端のカシメ型面17b(図1参照)と対向して強力に押下げられ、端子Tの芯線バレル部TbWのカシメ加工を行う。
スペーサ55は、ワイヤークリンパー51の手前側において、インスクリンパー57との間に挟まれるように、設けられている。スペーサ55は、ほぼ長方形の板である。スペーサ55の中央部に開けられた円孔55bは、ボルト65の通る孔である。スペーサ55は、シャンクとともに上下運動する。このスペーサ55と、その手前のストッパー35の作用については、図9(A)を参照して後述する。
インスクリンパー57は、上下に延びる略長方形の板状のものであって、ワイヤークリンパー51やスペーサ55の手前側に設けられている。インスクリンパー57・57´は、ほぼ同じ形の二枚組のもので、奥手前方向の重ね合わせられて、相対移動不能に設けられている。インスクリンパー57が、このように二枚組となっている理由は、機械加工上の都合だけである。(上面57aとインスクリンプハイトダイヤル92の話削除)
インスクリンパー57の上半部57bの左右端部は、左右張り出し部57cとなっており、後述のカットオフパンチ63の上下ツバ部63b・63hの間に嵌り込んでいる。インスクリンパー57の上半部57bの中央部に開けられた円孔57dは、ボルト65の通る孔である。この孔57dに通っているボルト65を介して、インスクリンパー57はシャンク41によって持ち上げられる(上ストロークする)。
インスクリンパー57の下部はカシメ部57fとなっており、その下端の左右方向中央部には、カシメ凹部57hが切り込まれている。同カシメ凹部57hは、インスアンビル19の上端のカシメ型面19b(図1参照)と対向して強力に押下げられ、端子Tのインスバレル部TbIのカシメ加工を行う。
本実施形態のアプリケータの特徴の一つであるが、インスクリンパー57のカシメ凹部57hの入り口近くの両側面と、インスアンビル19の上端のカシメ型面19bとの間に端子Tのインスバレル部TbIを挟んで、タブ切断時に切り離される個別端子Tの保持を行う(図6・図7参照)。
ワイヤー押さえ59は、インスクリンパー57の手前側であって、カットオフパンチ63の奥側に、両者に挟まれるように設けられている。
ワイヤー押さえ59の上中部59dは、比較的幅狭の上下に延びる板状である。上中部59dの上部には、ボルト65の通る長孔59cが開けられている。長孔59cは上下に長くなっており、ワイヤー押さえ59とボルト65とは上下に相対移動可能である。そのため、ボルト65はシャンク41と一体に上下運動するのに対して、ワイヤー押さえ59は、シャンク41の動きと、後述するカットオフパンチ63との間のワイヤー押さえバネ61の伸縮に応じて、自由度の一つ高い動きをする。
ワイヤー押さえ59の上中部59dの下端には、手前側に張り出す下部ブロック59hが一体に接続している。下部ブロック59hは、部厚く四角い板状であり、その上面にはザグリ穴59jが掘り込まれている。このザグリ穴59jには、ワイヤー押さえバネ61の下端部が収まる。
ワイヤー押さえ59の下部ブロック59hの下面には、電線挿入ガイド手段の上部を構成するラッパ口59mやアール溝59rが形成されている(図9(A)参照)。ラッパ口59mは、手前側ほど大径になるテーパ状の略半円錐面である。アール溝59rは、ラッパ口59mの奥につながってさらに奥に延びる、アール底面を有する溝である。
カットオフパンチ63は、ワイヤー押さえ59の手前側に配置されている。カットオフパンチ63は、全体としては上下にやや長いブロック状のものである。カットオフパンチ63の奥面とワイヤー押さえ59の上中部59dが嵌合して、ワイヤー押さえ59が上下に摺動案内される。
カットオフパンチ63の下面の左側(端子送り上流側)の端近くには、パンチ部63kが下方に向けて突設されている。パンチ部63kは、上下に延びる細長い棒状であり、その下端面63nが、スライドカッター21の押下げ凸部21h(図2参照)の上面21fに当たりスライドカッター21を押下げ、連鎖端子CTのタブTtを切断する。
次に、図4〜図8を参照しつつ、本実施形態のアプリケータの端子送りやキャリアタブTtの切断(個別端子Tの切り離し)、個別端子Tの保持(固定)の作用について説明する。
まず、図4・図5を参照して、端子送りを説明する。
図4(A)は、図1に示すスライドカッター21やアンビル19・17に連鎖端子CTが送られていく様子を模式的に示す斜視図であり、下流側の端の端子T1がアプリケータ・圧着機の左右方向センターラインCLに近づいている状態である。
図5(A)は、図4(A)から進んで、下流側の端の端子T1がアプリケータ・圧着機の左右方向センターラインに達しタブ切断前の状態を示す斜視図である。(B)は、同状態における端子のインスバレル部TbIとスライドカッター21の関係を見た正面図であり、(C)は、端子T切り離し前における、端子Tとスライドカッター21、インスアンビル19の配置状態を示す側面断面図である。
図4(A)や図5(A)は、スライドカッター21やインスアンビル19・ワイヤーアンビル17を、奥側の上方から見た模式的な図であり、図2・図3とは左右及び奥手前が逆になっている。図中のスライドカッター21の上部には、連鎖端子CTのキャリアTCが進むスリット21bが示されている。スリット21bの端子送り上流側には、ラッパ状のキャリアガイド口21cが形成されている。このガイド口21cは、端子送り上流側が上下幅が広く、下流側へ行くほどに狭まってスリット21bにつながっている。
連鎖端子CTのキャリアTCは、上記キャリアガイド口21cから入って、スリット21bへと送られる。そして、端子Tがアプリケータセンターに達した図5の時点から後に、図6(C)・図9(A)に示すように、タブTtが切断(剪断)され、個別端子TがキャリアTCから切り離される。
次に、タブTtの切断前後のスライドカッター21などの動きについて説明する。
図6は、図5から進んで、端子Tがインスクリンパー57とインスアンビル19に上下から挟まれて保持されるとともに、キャリアTCから個別端子Tが切り離された状態を示す図である。(A)は斜視図、(B)は端子のインスバレル部TbIとスライドカッター21の関係を見た正面図である。(C)は、端子T切り離し後における、端子Tとスライドカッター21、インスアンビル19の配置状態を示す側面断面図である。(D)は、端子Tがインスクリンパー57とインスアンビル19に上下から挟まれて保持された状態を示す正面図である。
タブTt切断前には、図5(C)・(B)に示すように、キャリアTCやタブTtは、インスバレル部TbIの下端に接続されており、それらはほぼ同じ高さにある。そして、キャリアTCとタブTtは、スライドカッター21のスリット21b内にある。そこから、スライドカッター21が下がると(カットオフパンチ63に押し下げられて)、タブTtがスリット21bの端上端のエッジ(切刃)21e(図の奥側の上端)と、インスアンビル19のカシメ型面19bの手前側のエッジ19e(切刃)との間でタブTtが剪断され、個別端子TがキャリアTCから切り離される(図6(C)・(B)参照)。
ここで、タブTt切断(個別端子T切り離し)前後における、端子TのインスバレルTbIと、スライドカッター21のアール溝21d(電線挿入ガイド手段である孔の下部)との高さ関係について説明する。タブTt切断前は、図5(B)に示すように、インスバレルTbIの下部は、アール溝21dの下面よりも下に位置する(スリット21bの切刃21eの強度を確保するには切刃21eの部分に一定の肉厚を要するため、またタブTtはできるだけバレルの近くで切断するため)。その結果、スライドカッター21のスリット21bの上の部分が、インスバレルTbIの孔の下半部を塞ぐ形になっており、この図5(B)の状態では、インスバレルTbI内孔に電線を挿入することはできない。
タブTt切断後は、図6(C)・(B)に示すように、スライドカッター21は下がり、(タブTtの支えがなくなりカッターバネ23が縮むため)、アール溝21dも下がる。これに対して、インスバレルTbIは、インスアンビル19(ベース13上に固定されている)のカシメ型面19b上に保持されており、高さは変わらない(下がらない)。そのため、タブTt切断後は、図6(B)に示すように、インスバレルTbIの孔を塞ぐものはなくなり、インスバレルTbI内孔に電線を挿入できるようになる。
ここで、タブTt切断完了前(切断開始前あるいは切断中)に端子Tを保持(固定)する動作について説明する。端子保持は、インスクリンパー57とインスアンビル19とによるインスバレルTbI上下挟みと、押えコマ14(図2・図9も参照)による端子奥側端部保持の二つの手段により行われる。
前者のインスバレルTbI上下挟みは次のとおりである。すなわち、図6(D)に示すように、インスバレルTbIの下面がインスアンビル19のカシメ型面19bにある程度の圧力で接しており、インスバレルTbIの斜め上外周面の二箇所がインスクリンパー57のカシメ凹部57hの下端(入り口)近くの側面である保持部57hiに接している。これにより、インスバレルTbIが上下に挟まれて保持されている。
押えコマ14による端子奥側端部保持としては、図6(A)や図9(A)に示すように、端子コネクタ部Tkの奥側端部Te(電線挿入バレルの反対側)に押えコマ14が当接して、端子Tの姿勢を保持する(振れを止める)。押えコマ14は、本格的な端子バレルカシメの前に、奥側に逃げる(図9(B)を参照しつつ詳細後述)。
次に、電線挿入動作について説明する。
図7は、端子Tがインスクリンパー57とインスアンビル19に上下から挟まれて保持された状態を、電線挿入の手前側上方から見た斜視図である。
図8(A)は、端子Tのバレル内に電線Wの端部が挿入された状態を、奥側上方から見た斜視図である。(B)は、端子とその中に挿入された皮むき電線端部や、その周囲の部品(二点鎖線)を模式的に示す側面図である。
前述のように、スライドカッター21の上部には、電線挿入ガイド手段の下部を構成するラッパ口21j・アール溝21dが形成されている。一方、想像線でしめすワイヤー押さえ59の下面には、電線挿入ガイド手段の上部を構成するラッパ口59mやアール溝59r(図8(B)参照)が形成されている。これらのスライドカッター21のラッパ口21j・アール溝21dと、ワイヤー押さえ59のラッパ口59m・アール溝59rは、上下に重なって、電線挿入ガイド手段を構成する。
図7の状態から、図8(B)・(A)に示すように、電線Wの端部を、ラッパ口21j・ラッパ口59mからアール溝21d・アール溝59rを通して、端子TのバレルTbI・TbW内に挿入する。この電線挿入は、手動で行ってもよいし、自動(電線クランプの自動送りなど)で行ってもよい。
次に、図9を参照しつつ、端子T周りの組立て構造や、タブ切断時(後)の端子を姿勢ズレのないように保持する構成を、まとめて説明する。同図(A)は、端子保持後にタブ切断が完了した状態における端子・クリンパー・アンビル周りの装置構成を示す側面断面図であり、(B)は、シャンク下死点において端子奥側先端の押えコマ14が奥側にスライドして逃げた状態を示す側面断面図である。
図9において、図の上〜中段部には、手前側(図9の左側)から奥側(右側)に向かって、カットオフパンチ63・ワイヤー押さえ59・インスクリンパー57・スペーサ55・ワイヤークリンパー51・リホーマーガイド49・リホーマー45・コマドライバー43・シャンク41が重なって配置されている。これらのうち、カットオフパンチ63・インスクリンパー57・スペーサ55・ワイヤークリンパー51・リホーマーガイド49・コマドライバー43は、シャンク41とほぼ一体となって(高さ調整やわずかな相対的ズレはある)上下に動く。
ワイヤー押さえ59は、カットオフパンチ63に対してバネ61で下方に付勢されている。リホーマー45は、リホーマーガイド49に対してバネ47で下方に付勢されている。なお、スペーサ55の下方には、上下動しないストッリッパー35が配置されている(図1も参照)。このストッリッパー35は、端子圧着後にクリンパー57・51に上昇する際に、端子Tがクリンパーに固着して一緒に上昇するのを防ぐ。
図9において、図の下段部には、手前側(図9の左側)から奥側(右側)に向かって、スライドカッター21・インスアンビル19・ワイヤーアンビル17・アンビルホルダー15・ホルダー11が重なって配置されている。これらのうち、最も手前側のスライドカッター21だけが、図2に示すようにベースプレート13上にカッターバネ23によって上に付勢保持されていて上下動するが、その他はベースプレート13に固定されており上下動しない。
アンビルホルダー15の奥側の上面には、図2を参照しつつ前述したとおり、端子奥端保持手段としての押えコマ14が、奥手前方向にスライド可能に設けられている。押えコマ14は、コマ付勢バネ14Sによって手前方向に付勢されている。
この押えコマ14は、図9(A)に示すタブ切断時には、その手前面14bが端子コネクタ部Tkの奥側端部Te(電線挿入バレルの反対側)に当接して、端子Tの姿勢を保持する(振れを止める)。しかし、端子バレルの本格的なカシメ時には、押えコマ14は、図9(B)に示すように、端子Tの奥手前方向の伸びを妨害しないように、下降するコマドライバー43に押されて奥側に逃げる。すなわち、降下するコマドライバー43の下奥側の斜面43fが、押えコマ14の上前側の斜面14dを押し、押えコマ14を奥側に押す(コマ付勢バネ14Sが縮む)。これにより、コマ手前面14bとコネクタ奥側端部Teとの間に隙間が空く。
ここで、次に圧着される端子(T)を圧着位置(アンビル19・17の上)に送り込む構成について説明する。この時点は、シャンク41やコマドライバー43はほぼ上死点にあり、押えコマ14はコマ付勢バネ14Sに押されて手前側に出ている。この状態で送られてきた端子Tの奥側端部Teは、押えコマ14の手前側の面14bの上流側の端部に形成されているテーパ面取り14h(図2参照)に当たる。そして、下流方向に進む端子奥側端部Teがテーパ面取り14hを摺動し、押えコマ14を退避方向に押しながら(コマ付勢バネ14Sが少し縮みながら)、端子Tが圧着位置に送られる。
図9(A)においては、インスクリンパー57のカシメ凹部57hの下端付近の部分(保持部57hi、図6(D)参照)が、インスアンビル19のカシメ型面19b上に置かれた端子インスバレルTbIの上斜め外面に、ある程度の圧力が掛かった状態(自重で載っている程度の圧力より大)で当接しており、端子Tを保持している。また、端子Tの奥側端部(Te)は、上述の押えコマ14によって保持されている。これにより、タブ切断及び切断後における端子Tのズレを防止して、正常な圧着作業・圧着後の端子形状を確保している。
また、図9(A)においては、ワイヤー押さえ59下端部はスライドカッター21の上に接しており、ワイヤー押さえ59のラッパ口59m・アール溝59rと、スライドカッター21のラッパ口21j・アール溝21dと上下に重なって、電線挿入ガイド手段(ガイド孔)を構成している。このような状態で、手前側から電線端部を端子TのバレルTbI・TbW内に挿入する。

Claims (7)

  1. 端子(T)を皮むき電線の端部(WI・WC)に圧着するためのアプリケータであって、
    多数の個別の端子(T)がキャリア(TC)で繋がれた連鎖端子(CT)を送る端子送り手段(180)と、
    前記端子(T)と前記キャリア(TC)の接続部であるタブ(Tt)を切断するタブ切断手段(21)と、
    前記端子(T)のインスバレル部(TbI)を前記皮むき電線のインス部(WI)に圧着するインスクリンパー(57)及びインスアンビル(19)と、
    前記端子(T)の芯線バレル部(TbW)を前記皮むき電線の露出芯線(WC)に圧着するワイヤークリンパー(51)及びワイヤーアンビル(17)と、
    前記インスクリンパー(57)及び前記ワイヤークリンパー(51)を駆動するクリンパー駆動手段(41・101)と、を備え、
    さらに、前記タブ(TT)の切断時に、前記端子Tの反バレル側の端部である奥側端部(Te)を保持する端子奥端保持手段(14)を備え
    該端子奥端保持手段が、 前記端子(T)の前記奥側端部(Te)に当接する位置と、該奥側端部(Te)から退避した位置との間でスライド可能な押え部材(14)を具備することを特徴とするアプリケータ。
  2. 端子(T)を皮むき電線の端部(WI・WC)に圧着するためのアプリケータであって、
    多数の個別の端子(T)がキャリア(TC)で繋がれた連鎖端子(CT)を送る端子送り手段(180)と、
    前記端子(T)と前記キャリア(TC)の接続部であるタブ(Tt)を切断するタブ切断手段(21)と、
    前記端子(T)のインスバレル部(TbI)を前記皮むき電線のインス部(WI)に圧着するインスクリンパー(57)及びインスアンビル(19)と、
    前記端子(T)の芯線バレル部(TbW)を前記皮むき電線の露出芯線(WC)に圧着するワイヤークリンパー(51)及びワイヤーアンビル(17)と、
    前記インスクリンパー(57)及び前記ワイヤークリンパー(51)を駆動するクリンパー駆動手段(41・101)と、を備え、
    さらに、前記タブ(TT)の切断時に、前記端子Tの反バレル側の端部である奥側端部(Te)を保持する端子奥端保持手段(14)を備え
    該端子奥端保持手段が、
    前記端子(T)の前記奥側端部(Te)に当接する押え部材(14)と、
    該押え部材(14)を前記端子(T)の前記奥側端部(Te)に向けて付勢する付勢部材(14S)と、 を具備することを特徴とするアプリケータ。
  3. 前記端子奥端保持手段が、前記押え部材(14)を前記奥側端部から離れる方向に駆動する駆動部材(43)を具備することを特徴とする請求項1又は2記載のアプリケータ。
  4. 前記端子(T)の前記奥側端部(Te)に当接する、前記押え部材(14)の手前側の面(14b)の端子送り上流側の端部にテーパ面取り(14h)が施されており、
    端子送り時に、前記端子(T)の前記奥側端部(Te)が前記テーパ面取り(14h)を摺動し、前記押え部材(14)を退避方向に押しながら、前記端子(T)が送られることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のアプリケータ。
  5. 前記タブ(TT)の切断時に、前記端子奥端保持手段(14)に加えて、クリンパー(51・57)とアンビル(17・19)とが端子(T)のバレル(TbI・TbW)を挟持して端子(T)を保持することを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載のアプリケータ。
  6. 請求項1〜記載のアプリケータを備えることを特徴とする端子圧着機。
  7. 被覆の剥ぎ取られた電線端部に、請求項記載の端子圧着機を用いて端子を圧着することを特徴とする端子圧着電線の製造方法。
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