JP5603220B2 - 電線接続装置の位置決め機構 - Google Patents

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Description

本発明は、電線の幹線及び枝線の芯線を位置決めして接続する際に、電線の芯線出代寸法(圧着端子からの芯線先端部の飛び出し長さ)を短く規制することができ、圧着端子において電気絶縁性を確保できる電線接続装置の位置決め機構に関する。
電線の幹線と複数本の枝線とを圧着端子を用いて電気的に接続する突き合わせ接続または中間ジョイントを行う際に、被覆の皮剥ぎ部分の寸法精度が悪いと、芯線出代寸法が規制できなくなる。この場合に、幹線や各枝線の芯線出代寸法が長すぎると、各枝線の芯線が圧着端子からはみ出て、圧着端子にテープやチューブを巻いて電気絶縁処理をした場合に、芯線の先端部がテープやチューブを突き破ってしまい電気絶縁不良を生じる恐れがある。また、電線位置決めが精度よく行われないと、被覆樹脂が圧着端子にかみこまれてしまい電気特性を十分に確保できなくなったり、端子が外れてしまったりする恐れがある。
従来は作業者が目で見て位置調整をして出代寸法を調整するか、圧着前に位置決めしていたが、作業に時間がかかる上、正確な位置決めや保持が難しい。そこで、圧着前の位置決め方法として、電線皮剥ぎ端を皮剥ぎ端の位置揃え用のストッパーに揃えて位置決めする方法(特許文献1)や、スライドカッタブロックに枝線の位置を規制する面を設ける方法(特許文献2)や、電線の芯線の先端部を突き当てる電線突き当て面を電線位置決め治具に設ける方法(特許文献3)、さらには電線位置決め治具に電線付当て面を複数設けることにより電線の芯線出代寸法を短く規制することができ、圧着端子において電気絶縁性を確保でき、被覆のかみこみを防止できる電線位置決め治具、圧着機、電線位置決め方法が提案されている(特許文献4)。
実開平6−5175号公報 実開平7−19992号公報 特開平8−236255号公報 特開2008−282596号公報
しかし、特許文献1に記載の発明は、各枝線の被覆の皮剥ぎ部分の寸法精度が悪いと各枝線の露出された芯線の長さが規定の値にはならず、各枝線の芯線出代寸法が規制できなくなる。このため、各枝線の芯線出代寸法が長いと、枝線を圧着端子により圧着すると各枝線の芯線の先端部が圧着端子からはみ出てしまうおそれがある。
また、特許文献2に記載の発明では枝線の位置決めを行えるだけにすぎず、幹線の位置決めを目視で行わなければならないため作業者の負担を減らすことができない。
特許文献3に記載の発明は端子送給時に位置決め治具を退避させなければならず、複雑な機構であり、退避時間などの無駄な時間がかかっている。また、この発明は端子と電線との圧着装置であり、電線同士の繋ぎ合わせに用いることはできない。
特許文献4に記載の発明は電線位置決め治具が、位置決め時には位置決め治具の突き当て面が電線の位置に移動し、圧着時には退避するようにスライド移動するものである。このように圧着時に、電線位置決め治具を退避させるのは、圧着時に芯線が曲がってしまうのを防止するためである。すなわち、芯線の圧着時には、圧着時の押圧力による電線の芯線が軸方向に延びる。芯線が延びる際に芯線の先端が電線位置決め面に突きあたっていると、芯線が軸方向に延びることができないため、芯線の先端が位置決め面の平面方向(上下又は左右方向)に曲がってしまうことになる。このように芯線の先端が曲がると、絶縁テープ等で被覆する際に先端部が絶縁テープを突き破るおそれが出てくる。このような圧着時の芯線の曲がりを防ぐために、特許文献4では、圧着時には位置決め治具を退避させているものである。
しかし、引用文献4では、位置決め部品が退避するため、位置決め後圧着終了までの比較的長い間、位置決めした電線を作業者が正確な位置に保持していなければならず、作業者の負担が大きい。さらには、位置決め治具退避開始から圧着までの時間が長いので、保持している間に手振れなどにより位置ずれが発生し、不良発生の原因となっている。また圧着時に位置決め装置が圧着時に退避する機構が必要となり、位置決め機構が複雑な構造となっていた。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、電線の位置決めが容易にできるとともに圧着直前まで電線を位置決め治具で位置決めすることができ、作業時間が短く作業者の負担を少なくすることができ、電線の芯線の曲がりを防止でき、かつ簡単な構造の芯線位置決め機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る電線接続装置の位置決め機構は、電幹線及び該幹線に接続する少なくとも1つの枝線からなる電線の芯線を位置決めして、該位置決めした幹線及び枝線からなる電線の芯線を圧着端子により接続する電線接続装置の位置決め機構であって、前記圧着端子を保持する圧着端子保持部よりも上部に配置されて、前記枝線の芯線の先端を位置決めする枝線位置決め面を有する枝線位置決め部と、前記枝線位置決め部よりも上部に配置されており、前記幹線の芯線の先端を位置決めする幹線位置決め面を有しており、該幹線位置決め面が、圧着工程において前記圧着端子を支える圧着端子支持部を挟んで前記枝線位置決め面と対向する幹線位置決め部と、を備えたおり、前記幹線位置決め部を前記電線接続装置に固定し、圧着動作に対応して前記幹線及び前記枝線位置決め部を下方に移動させるよう構成したことを特徴とする。
さらに、本発明の第2の態様に係る電線接続装置の位置決め機構は、前記枝線位置決め面がスライドカッタブロックに設けられたことを特徴とする第1の態様に記載の電線接続装置の位置決め機構である。
本発明の第3の態様に係る電線接続装置の位置決め機構は、前記幹線位置決め部は、その下端部が、前記枝線位置決め面の最上端よりも上の位置に配置固定されていることを特徴とする第1の実施形態又は第2の実施形態に記載の電線接続装置の位置決め機構である。
発明によれば、圧着時に位置決め装置が退避する構造のように複雑な構造を必要とせず、簡単な構造で作業性の良い位置決め機構を提供することができる。また、位置決め部品が退避するまでの時間を削減することができ、かつ作業者が位置決め部品退避開始から圧着終了まで行っていた電線保持時間を短くできるので、作業者の負担を軽減することができる。また、不良品の発生を抑えることができる。
本発明の電線位置決め機構の好ましい実施形態を備える電線接続装置(圧着機)の一例を示す斜視図である。 図1の圧着機の正面図である。 キャリアにセットされた圧着端子を溝状のガイド部に保持し、圧着時に切断するスライドカッタブロックを示す斜視図である。 本願発明の一実施形態に係る位置決め機構を示す斜視図であり、 図4に示すスライドカッタブロック、圧着端子支持部、幹線位置決め部、及び枝線ガイド部材の高さ方向及び横方向の配置状態を模式的に示す側面図である。 圧着端子保持部に、圧着端子のキャリアが挿入され、圧着端子が圧着端子支持部の上に配置された状態を示す斜視図である。 幹線70及び枝線80が圧着位置に載置された状態を示す斜視図である。 (a)は中間接続する幹線を例示する正面図であり、(b)は、中間接続のために幹線及び枝線を配置した状態を示す斜視図である。 (a)乃至(d)は、本発明の他の実施形態に係る幹線位置決め部材をし示す側面図及び部分底面斜視図である。 キャリアに設けられた圧着端子を移送する動作を説明するための斜視図である。 (a)は、幹線及び枝線の芯線が位置決めされた状態を示す側面図であり、(b)は、圧着接続時の状態を示す側面図である。
以下図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は本発明の電線位置決め機構の好ましい実施形態を備える電線接続装置(圧着機)の一例を示す斜視図である。図2は図1の圧着機の正面図である。まず、図1と図2を参照して、この圧着機10の構造と機能を簡単に説明する。
図1と図2に示す電線接続装置(圧着機)10は、電線である幹線70の芯線71と枝線80(図6を参照)の芯線81を圧着端子100に対して位置決めして、圧着端子100を加圧することで幹線70の芯線71と枝線80の芯線81を電気的に接続する。圧着機10は、ベース11、送りカム13、送りアーム14、クランパー17、スライドカッタブロック20等を有している。
図1、図2に示す送りアーム14は、圧着端子100を送るための送り部材の一例である。図10はキャリア101に設けられた圧着端子100を移送する動作を説明するための斜視図である。
送りアーム14の一端側が送りカム13の下部にシャフト16により連結されており、送りカム13が揺動することで送りアーム14は図2に示すT方向に移動する。送りアーム14の先端部14は、例えば圧着端子100のキャリア101に設けられている穴102にはまり込んでいる(図10参照)。そのため、送りカム13が揺動することで送りアーム14がT方向に移動して、圧着端子のキャリア101が所定のストローク分移送される。この圧着端子送り動作は、電線が圧着された後に行われる。
圧着端子100の圧着はクランパー17により行われる。幹線及び枝線の芯線が圧着端子の上で位置決めされると、クランパー17が下降して、圧着端子100を圧着端子支持部40の間に挟み込むように押圧する。これにより、圧着端子100は電線を包み込むように変形して電線の芯線が圧着される。圧着端子は圧着時にキャリアから切断され、キャリアは所定ストローク分移送されて、次の圧着端子が圧着端子支持部40の上に配置される。
図3は、キャリア101にセットされた圧着端子100を溝状のガイド部に保持し、圧着時に切断するスライドカッタブロック20を示す斜視図である。スライドカッタブロック20は、圧着端子を保持する圧着端子保持溝(圧着端子保持部)25と、その上部側に設けられた枝線位置決め部21と、幹線ガイド面23を有している。なお、幹線ガイド面23上に幹線と当接し幹線が手前や奥に移動することを規制する幹線の側面ガイド面24を設けても良い。枝線位置決め部21には枝線を突き当てて位置決めする枝線位置決め面22を有している。幹線ガイド面23には幹線が収まるように凹部を設けてガイドしてもよい。また、枝線位置決め面22は枝線の芯線の先端82が収まるように凹部を設けても良い。
圧着端子保持部23には、その溝に圧着端子100が接続されたキャリア101がスライド可能に挿入されており、送りアーム14の移送動作によって圧着端子支持溝23に沿ってキャリア101上の圧着端子100が移送される。枝線位置決め部21は、枝線の芯線を突き当てて芯線の出代を規定する位置決め面である。幹線ガイド面23は、圧着接続時に幹線を載置する台として機能する。
図4は本願発明の一実施形態に係る位置決め機構を示す斜視図であり、枝線位置決め部21を有するスライドカッタブロック20、圧着端子支持部40、幹線位置決め部材30、及び枝線ガイド部材50の配置構成の一例を示している。幹線位置決め部材30は、圧着端子支持部40を挟んでスライドカッタブロック20の枝線位置決め部21と対向する位置の上部側に配置され、電線接続装置(圧着機)10に固定されている。幹線位置決め部材30は、スライドカッタブロック20の幹線ガイド面23の延長線のやや上部側に、該延長線とほぼ直行する幹線位置決め面31を有している。
幹線と枝線の圧着接続時には、幹線がスライドカッタブロック20の上部にある幹線ガイド面23に載置され、芯線の先端が幹線位置決め面31に突き当てられて幹線が位置決めされ、幹線の芯線の出代が規定される。
幹線位置決め部材30の後方には、幹線位置決め部材30よりも低い位置に枝線ガイド部材50を備えている。枝線ガイド部材50は、圧着接続時に枝線を載置する枝線ガイド面51を備えている。なお、枝線ガイド面51上に枝線と当接し電線が手前や奥に移動することを規制する側面ガイド面52を設けておいても良い。また、枝線ガイド面上に枝線が収まるように凹部を設けてガイドを行ってもよい。さらに、幹線位置決め面31には幹線の芯線の先端72が収まるように凹部を設けても良い。圧着接続の際には、枝線ガイド面51の上に枝線が載置されて、枝線位置決め面22に枝線の芯線の先端が突き当てられる。これにより、枝線の芯線の出代が規定される。幹線と枝線の芯線の位置決めについてはさらに後述する。
図5は、図4に示すスライドカッタブロック20、圧着端子支持部40、幹線位置決め部材30、及び枝線ガイド面51の高さ方向及び横方向の配置状態を模式的に示す側面図である。これにより、幹線ガイド面23、幹線位置決め面31、枝線ガイド面51、枝線位置決め面22の高さ方向の配置、及び枝線位置決め面22を有するスライドカッタブロック20、圧着端子支持部材40、幹線位置決め部材30、枝線ガイド面51を有する枝線ガイド部材50の横方向の配置が明確に理解されるであろう。
枝線位置決め部材30の底面部33は、スライドカッタブロック20の幹線ガイド面23よりもわずかに高い位置に配置されるのが好ましい。これは、後述する幹線の中間接続の際に幹線が枝線位置決め部材30の下を通過し易いようにしたものである。この場合、幹線は下側に僅かに傾斜した状態で枝線位置決め部材30の下を通過する(図8参照)。
図6乃至図8を用いて、圧着接続する際の幹線及び枝線の芯線の位置合わせについて説明する。図6は圧着端子保持部25に、圧着端子のキャリア101が挿入され、圧着端子100が圧着端子支持部40の上に配置された状態を示す斜視図である。図6の上部には、幹線ガイド面23に載置される幹線70と、枝線ガイド面51上に縦方向に整列して載置される3本の枝線80が示されている。 幹線70の先端は被覆が剥がれて芯線71が露出されており、芯線71の先端部72が幹線位置決め面31につき当てられる。同様に枝線80の先端部分も芯線81が露出しており、先端82が枝線位置決め面22につき当てられる。
図7は、幹線70及び枝線80が圧着位置に載置された状態を示す斜視図である。幹線70は幹線ガイド面23上に載置されて、芯線71の先端部72が幹線位置決め面31に突き当てられる。これにより、幹線70の芯線71部分の長さが適切に規制される。枝線80は枝線ガイド面51に縦方向に整列して載置され、その芯線81の先端82は、枝線位置決め面22に突き当てられる。これにより枝線の芯線81の長さも適切に規制される。縦方向に整列された枝線80の側面は枝線ガイド部材50の側面ガイド面52によりガイドされて整列されるので、側面ガイド面52の反対側の側方から軽く押圧するだけで圧着位置に容易に維持することができる。
図11を用いて、幹線及び枝線の芯線を位置決めから、圧着までの動きを説明する。図11(a)は、幹線及び枝線の芯線が位置決めされた状態を示す側面図であり、(b)は、圧着接続時の状態を示す側面図である。上述したように、本発明の位置決め機構によると、幹線70及び枝線80は、芯線の突出量(出代)が適切に調整された状態で位置決めされて、圧着位置に正確に配置される。この状態で、クランパー17がスライドカッタブロック20と幹線位置決め部材30の間の圧着端子支持部材40の上に下降して、芯線71、81を包み込むように圧着端子100を変形させることにより幹線70と枝線80を圧着する。
幹線と枝線の圧着時には、クランパー17が下降して、圧着端子を押圧して圧着する際に、スライドカッタブロック20が僅かに下降する。図11を参照して説明する。スライドカッタブロック20は、弾性指示部材27により支持されており、クランパー17が下降して圧着端子100を押圧して圧着するとともに圧着端子100を支持部材101から切断する際に、スライドカッタブロック20も下方に押圧されて、図11(b)に示すようにスライドカッタブロック20は下方に移動する。スライドカッタブロック20が下降すると、同時にその上面の幹線ガイド面23が下降するため、幹線70及びその芯線71もスライドカッタブロック20と共に下降する。
これにより、図11(b)に示すように、幹線70の芯線71の先端部は、幹線位置決め面31から下方に平行移動し、幹線位置決め面31に当接しない位置まで移動する。一方、スライドカッタブロックが下降すると、枝線位置決め面22も下降するため、図11(b)に示すように、枝線の芯線部の先端部も枝線位置決め面22と当接しない状態となる。このように、圧着工程時においては、幹線の芯線の先端部および枝線の芯線の先端部は、共に位置決め面と当接することなく、自由に伸びることが可能な状態となる。従って、圧着時の押圧力により、芯線が軸方向に延びることが可能となるため、圧着時の延びにより芯線が屈曲し、先端部が跳ね上がることがない。従って、圧着後に絶縁テープ等を巻いて絶縁しても、芯線先端部が絶縁テープ等を突き破るおそれが無くなる。
なお、スライドカッタブロックを下降させる機構としては、クランパーの下降位置に応じてスライドカッタブロックを押圧するリンク機構や歯車機構、その他の従来の技術を使用することが可能である。
幹線及び枝線の位置決めから圧着工程を順を追って説明する。まず、幹線の芯線71と枝線の芯線81がそれぞれ、幹線位置決め面31と枝線位置決め面22に当接するように突き当てられる。その後に、クランパー17が圧着端子支持部40方向に下がる。これにより、幹線70が端子100方向に押し下げられるとともに、スライドカッタブロック20も同じ方向に下降して、幹線の芯線71は幹線位置決め面31とは接しない状態になる。スライドカッタブロック20はクランプの下降とともにさらに下がり、枝線の芯線81も枝線位置決め面22とは接しない状態になる。この時芯線は端子100の中に入り込んでおり、クランパー17により圧着が行われる。圧着の際に端子100や芯線71,81に伸びが生じるが、このときには、幹線及び枝線の芯線先端は、位置決め面と当接しておらず干渉する面等がないので、芯線の曲がりを防止することができる。
次に図8を用いて、連続する幹線の中間部分に枝線を接続する中間接続について説明する。図8(a)は中間接続する幹線75を例示する正面図である。連続する幹線75の途中の接続する部分の被覆が除去されて芯線76が露出している。
この芯線76部分に枝線80の芯線81を接続するため、図8(b)は、中間接続のために幹線及び枝線を配置した状態を示す斜視図である。図8(b)に示すように、幹線の芯線76部分が圧着端子100の上になるように幹線75を幹線ガイド面23上に配置する。幹線75は芯線76を介して連続しているので、その先の部分は幹線位置決め部材30の下を通過させる。従って、幹線75を幹線位置決め部材30の下を通過させる場合、図8(b)に示すように、幹線75は少し下方に変形された状態で幹線位置決め部材30の下を通過することになる。ただ、図7のような突合せ接続の場合も考慮して幹線位置決め部材30の幹線位置決め面31は幹線の芯線71の先端部分の少なくとも一部(上部)が突き当たる位置に配置されている。
中間接続の際に幹線位置決め部材30の下を通過する幹線75の変形量を減らすために、図5に示すように、幹線位置決め部材30の底面部33が幹線ガイド面23の延長線よりも“g”だけ高い位置となるように配置することが望ましい。この段差分“g”は、幹線位置決め面31に幹線の芯線71を突き当てるため、幹線の芯線の半径以下の値であることが好ましい。また、中間接続の際には、幹線75の側面も枝線ガイド部材50の側面ガイド面52によりガイドされることになる。
図9(a)乃至(d)に、本発明の他の実施形態に係る幹線位置決め部材35及び38を示す。図9(a)及び(c)は、幹線位置決め部材の35、38の側面図を示し、図9(b)及び(d)は、そのB方向からの一部底面斜視図を示している。図中先に示した幹線位置決め部材30と同一の箇所は同じ符号を付している。幹線位置決め部材35の底面は、後方に向かって角度θだけ傾斜して傾斜底面52となっている。また、底面の前部エッジ部36は僅かに面取りされて曲面となっている。これらの構成により、中間接続の際に、幹線位置決め部30の下方を通過する際に幹線85をより円滑に案内することができる。
同様の目的で、図9(c)、(d)に示す形状の幹線位置決め部材38とすることもできる。図9(c)、(d)に示す幹線位置決め部材38も、図9(a)の幹線位置決め部材35と同様に底面の前部のエッジ部36が面取りされて曲線形状になっている。しかし、底面部は、幹線85が通過する部分に沿い、後方に向かって僅かに傾斜するケーブルの外形状の曲線のガイド39が設けられている。これにより、幹線85を円滑に案内することができる。
10:電線接続装置(圧着機)
11:ベース
13:送りカム
14:送りアーム
15:送りアーム先端
17:クランパー
20:スライドカッタブロック
21:枝線位置決め部
22:枝線位置決め面
23:幹線ガイド面
25:圧着端子保持溝(圧着端子保持部)
27:弾性支持部材
30、35,38:幹線位置決め部材
31:幹線位置決め面
33:枝線位置決め部材の底面部
36:底面の前部エッジ部
37:傾斜底面
39:曲線のガイド
40:圧着端子支持部
50:枝線ガイド部材
51:枝線ガイド面
52:側面ガイド面
70:幹線
71:幹線の芯線
72:幹線の芯線の先端
75:中間接続の幹線
76:中間接続の芯線
80:枝線
81:枝線の芯線
82:枝線の芯線の選択
100:圧着端子
101:キャリア
102:穴
g:段差分

Claims (3)

  1. 幹線及び該幹線に接続する少なくとも1つの枝線からなる電線の芯線を位置決めして、該位置決めした幹線及び枝線からなる電線の芯線を圧着端子により接続する電線接続装置の位置決め機構であって、
    前記圧着端子を保持する圧着端子保持部よりも上部に配置されて、前記枝線の芯線の先端を位置決めする枝線位置決め面を有する枝線位置決め部と、
    前記枝線位置決め部よりも上部に配置されており、前記幹線の芯線の先端を位置決めする幹線位置決め面を有しており、該幹線位置決め面が、圧着工程において前記圧着端子を支える圧着端子支持部を挟んで前記枝線位置決め面と対向する幹線位置決め部と、を備え、
    前記幹線位置決め部を前記電線接続装置に固定し、圧着動作に対応して前記幹線の芯線及び前記枝線位置決め部を下方に移動させるよう構成したことを特徴とする電線接続装置の位置決め機構。
  2. 前記枝線位置決め面がスライドカッタブロックに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の電線接続装置の位置決め機構。
  3. 前記幹線位置決め部は、その下端部が、前記枝線位置決め面の最上端よりも上の位置に配置固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電線接続装置の位置決め機構。
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