JP6195468B2 - 端子圧着電線製造装置及び端子圧着電線の製造方法 - Google Patents

端子圧着電線製造装置及び端子圧着電線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電線に対して多品番の端子を選択的に圧着可能な端子圧着電線製造装置、及び端子圧着電線の製造方法に関する。
従来、電線に端子を圧着する場合には、アプリケータと呼ばれる部品を含む圧着装置が用いられてきた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−35562号公報
図19は、特許文献1に開示されている圧着装置を従来例として示す側面図である。図19に示すように、圧着装置101は、圧着する端子の品番に応じて用意されたアプリケータ102と、アプリケータ102のラム103を昇降移動させる駆動手段104と、同一品番の端子(図示せず。)が帯状のキャリア(図示せず。)に並んで接続されて成る連鎖端子110を巻回して収容する端子リール111と、を備えている。
アプリケータ102は、ラム103を昇降自在に支持するフレーム105と、ラム103に固定されたクリンパ106と、クリンパ106に対向して配置されたアンビル107と、ラム103の上端に設けられたシャンク108と、ラム103の昇降に伴って進退する端子送り爪109と、連鎖端子110を端子リール111からアンビル107まで水平に案内する端子ガイド112と、を備えている。
駆動手段104は、油圧式のシリンダ(図示せず。)等を備えており、これによりラム103を昇降移動させることができる。ラム103の下降動作により、端子送り爪109が前進しつつ連鎖端子110を端子ガイド112に沿って1ピッチずつ移動させる。ラム103の下降に伴って、送り方向前端の端子が、アンビル107の近傍に配置された切断手段(図示せず。)でキャリアから切断分離される。そして、ラム103の下死点で、アンビル107上の端子にクリンパ106で電線(図示せず。)が圧着接続される。電線は、自動又は手動でアンビル107の上に、図19中右側から圧着位置に供給される。ラム103の上昇動作により、端子送り爪109が後退して原位置に復帰する。
従来のアプリケータ102を備える圧着装置101は、以上説明した処理を繰り返し、同一品番の端子を連続的に電線に圧着することにより、電線の先端に端子が圧着された端子圧着電線を製造するものであった。
これに対して、近年では、多品番の端子に対応可能な端子圧着電線製造装置が求められている。しかしながら、上述した従来の圧着装置101では、アプリケータ102が固有の品番の端子のみを扱うことができる専用品であるので、品番の異なる端子を圧着するためには、その品番に対応したアプリケータ102を個別に用意する必要がある。このため、例えば多品番に対応するために複数のアプリケータ102を並べて設置した場合には、設備が大型化し、製造コストが嵩む虞があった。また、設備が大型化することから、設置スペースが過大となってしまう虞もあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は設備の小型化及び製造コストの削減を実現できる端子圧着電線製造装置、及び端子圧着電線の製造方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子圧着電線製造装置は、下記の点を特徴としている。
(1) 複数の端子が帯状のキャリアに並んで接続された連鎖端子と、前記連鎖端子を所定の切断位置まで送る端子送り部と、前記切断位置に位置付けられた前記端子を前記キャリアから切断して分離するための切断刃と、を各々が有する複数の端子供給ユニットであって、該端子供給ユニットごとに前記端子の品番が異なる複数の端子供給ユニット、を有し、前記複数の前記端子供給ユニットの中から前記品番の選択に基づいて選ばれた前記端子供給ユニットを用い、選択された品番の前記端子を前記連鎖端子から分離する端子供給部と、
分離された前記選択された品番の前記端子を所定の圧着位置まで移動する端子移送部と、
複数の圧着型を有し、前記複数の前記圧着型の中から前記選択された品番の前記端子の圧着形状に対応するように選ばれた前記圧着型を用い、前記圧着位置に位置する前記選択された品番の前記端子と電線の端部とを圧着接続する圧着部と
前記端子移送部に接続された第1演算部と、を備え、
前記端子移送部は、
前記第1演算部の指示に従って移動する移動部であって前記選択された品番の前記端子を該移動部に対して固定した状態にて前記切断位置から前記圧着位置まで移動する移動部と、前記選択された品番の前記端子の前記移動部に対する固定状態と予め定められた基準状態との間のズレ量を検出するための情報を取得する検出部と、を備え、
前記第1演算部は、
前記検出部が取得した前記情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の位置及び姿勢を補正して前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に位置付けるように、前記移動部に指示を与える、
こと。
) 上記()の構成の端子圧着電線製造装置であって、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記端子供給ユニットは、
前記選択された品番の前記端子の前記基底部が平面状の台座上に載置され且つ前記移動部に対して前記選択された品番の前記端子を固定した状態にて、前記選択された品番の前記端子を前記キャリアから切断して分離するように構成されており、
前記検出部は、
前記ズレ量として、前記基底部に沿う平面における前記選択された品番の前記端子の実際の位置及び姿勢と基準となる位置及び姿勢との間の相違を検出するための情報を取得するように構成されており、
前記第1演算部は、
前記検出部が取得した前記情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を補正して前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に位置付けるように、前記移動部に指示を与える、
こと。
) 上記()又は()の構成の端子圧着電線製造装置であって、
前記端子移送部は、
前記品番ごとに定まる前記端子の外形状に対応可能であるように用意された複数の前記移動部と、前記複数の前記移動部を円周上に並べるように保持すると共に前記第1演算部の指示に従って回転する回転保持部と、を有し、
前記回転保持部の回転に伴って前記複数の前記移動部が通過する回転軌道上に、前記切断位置と、前記ズレ量を検出するための情報を前記検出部が取得する検出位置と、前記圧着位置と、を配置しており、
前記第1演算部は、
前記選択された品番の前記端子の外形状に対応した前記移動部が前記切断位置、前記検出位置及び前記圧着位置をこの順に通過するように、前記回転保持部に指示を与える、
こと。
) 上記()の構成の端子圧着電線製造装置であって、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記移動部は、
前記接続部を空気圧を用いて吸着することにより、前記選択された品番の前記端子を該移動部に対して固定する、
こと。
) 上記()の構成の端子圧着電線製造装置であって、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記検出部は、
前記ズレ量を検出するための情報を該検出部が取得する検出位置に前記選択された品番の前記端子が位置する状態にて、前記選択された品番の前記端子を前記基底部と交差する方向から撮影する、撮影部を有し、
前記第1演算部は、
前記情報として前記撮影部が取得した画像を用い、前記画像に基づいて前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を把握する、
こと。
) 上記(1)構成の端子圧着電線製造装置であって、
前記圧着部に接続された第2演算部を更に備え、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記圧着部は、
前記品番ごとに定まる前記加締片の形状に対応可能であるように用意された複数の前記圧着型と、前記複数の前記圧着型を移動可能に保持すると共に前記第2演算部の指示に従って移動する型保持部と、を有し、
前記第2演算部は、
前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記圧着型が前記圧着位置に位置付けられるように、前記型保持部に指示を与える、
こと。
) 上記()の構成の端子圧着電線製造装置であって、
前記圧着型は、
圧着時に前記加締片の立設方向側に位置するクリンパ部と、圧着時に前記基底部側に位置するアンビル部と、を含み、
前記圧着部は、
前記第2演算部の指示に従って回転するクリンパ側ベース部と、前記クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるクリンパ側形状を有する複数の前記クリンパ部と、前記第2演算部の指示に従って回転するアンビル側ベース部と、前記アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるアンビル側形状を有する複数の前記アンビル部と、を有し、
前記第2演算部は、
前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記クリンパ部及びアンビル部が前記圧着位置に位置付けられるように、前記クリンパ側ベース部及び前記アンビル側ベース部に指示を与える、
こと。
) 上記()の構成の端子圧着電線製造装置であって、
前記加締片は、
前記電線の被覆部を加締める一対の被覆加締片と、前記基底部の長手方向における前記被覆加締片と異なる位置に立設された前記電線の導体部を加締める一対の導体加締片と、を有し、
前記クリンパ部は、
前記被覆加締片を加締めるための第1クリンパ部と、前記導体加締片を加締めるための第2クリンパ部と、を有し、
前記アンビル部は、
前記被覆加締片を加締めるための第1アンビル部と、前記導体加締片を加締めるための第2アンビル部と、を有し、
前記圧着部は、
前記第2演算部の指示に従って回転する第1クリンパ側ベース部及び第2クリンパ側ベース部と、前記第1クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1クリンパ側形状を有する複数の前記第1クリンパ部と、前記第2クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2クリンパ側形状を有する複数の前記第2クリンパ部と、前記第2演算部の指示に従って回転する第1アンビル側ベース部及び第2アンビル側ベース部と、前記第1アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1アンビル側形状を有する複数の前記第1アンビル部と、前記第2アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2アンビル側形状を有する複数の前記第2アンビル部と、を有し、
前記第2演算部は、
前記選択された品番の前記端子が有する前記被覆加締片及び前記導体加締片の形状に対応した前記第1クリンパ部及び前記第2クリンパ部並びに前記第1アンビル部及び前記第2アンビル部が前記圧着位置に位置付けられるように、前記第1クリンパ側ベース部及び前記第2クリンパ側ベース部並びに前記第1アンビル側ベース部及び前記第2アンビル側ベース部に指示を与える、
こと。
上記(1)の端子圧着電線製造装置によれば、端子供給部では、端子の品番が異なる複数の端子供給ユニットの中から選択された端子供給ユニットにより、選択された品番の端子が切断して供給され、圧着部では、当該端子の圧着形状に対応する圧着型により、端子と電線とが圧着される。このように、異品番への切替に、端子供給ユニットの切替及び圧着型の切替のみで対応できるため、切替時間を短縮できる。また、部品を共用化することで専用部品を削減できるので、設備を小型化して製造コストを削減できる。
また、従来のアプリケータを用いた圧着装置では、端子の圧着形状が一致する端子群であっても、接続部の形状が相違して品番が異なれば、異なるアプリケータを用いる必要があるため、アプリケータの数が多くなってしまっていた。これに対して、上記(1)の端子圧着電線製造装置によれば、圧着部が他の部分とは独立しているので、端子の圧着形状が一致する場合には、圧着型を共有とすることができる。このため、部品の共用化により専用部品を削減し、設備を小型化して製造コストを削減できる。
また、従来の圧着装置では、連鎖端子をアプリケータに常時接続している必要があるので、アプリケータの列に対向して端子リールも配列する必要があり、端子リールの設置位置の自由度が小さいという問題があった。これに対して、上記(1)の端子圧着電線製造装置によれば、端子供給部と圧着部が結合されておらず、端子供給部で端子を切断して供給するので、端子リールのレイアウトの自由度を向上できる。例えば、端子リール部をリール台上に円環状に並べ、選択された品番の端子が切断位置に位置付けられるように当該リール台が回転する構成とすることができ、設備の省スペース化を図ることができる。
上記(2)の端子圧着電線製造装置によれば、切断位置から圧着位置まで端子を移動する際に、検出部が取得した情報に基づいて検出されたズレ量に従って端子の位置及び姿勢が補正されるので、端子が圧着位置に確実に位置付けられる。このため、端子圧着の精度を高めて品質を向上すると共に、不良の発生を低減して作業時間を短縮することができる。また、従来の圧着装置では、圧着後に当該圧着が正しく行われたかを検査するしかなかったのに対して、上記(2)の端子圧着電線製造装置によれば、端子位置を補正して位置決めしてから端子を圧着するので、圧着前における端子位置を保証することができ、品質管理を実施し易い。
上記(3)の端子圧着電線製造装置によれば、端子が移動部に固定された状態で切断された後に、検出部でズレ量を検出するための情報を取得するので、ズレ量を検出した後に端子を固定し直すことがない。このため、端子を確実に圧着位置に位置付けることができる。また、基底部が平面上の台座上に載置され、且つ移動部に固定された状態で端子が切断されるので、台座平面(基底部に沿う平面)に垂直な方向における端子の固定のズレを低減できる。当該台座平面に垂直な方向におけるズレを考慮する必要がないので、検出部では、基底部に沿う平面における基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得すればよい。即ち、この場合には、2次元平面上におけるズレのみを考慮すればよい。これにより、検出部の構成を簡易なものとすることができると共に、位置及び姿勢の補正における移動量及びを削減して移動の高精度化及び処理の高速化を実現できる。
上記(4)の端子圧着電線製造装置によれば、複数の移動部を円周上に並ぶように保持した回転保持部の回転により、選択された品番の端子の外形状に対応した移動部が、切断位置にて端子を固定した後、検出位置、圧着位置に順に位置付けられ、端子を圧着位置まで移動する。このため、選択された端子の外形状に対応した移動部を用いて当該端子を移動することができるので、例えばどの端子に対しても同一の移動部を用いる場合と比較して移動精度を向上できる。また、例えば複数の移動部を一列に直線的に並べた場合と比較して、平易な構造によって移動機構を実現できると共に、設置スペースを小さくすることができる。
上記(5)の端子圧着電線製造装置によれば、移動部が、端子の接続部を空気圧により吸着することによって端子を固定するので、例えばアームにより挟持するものや電磁吸着によるものと比較して、簡易な構造によって移動機構を実現できる。
上記(6)の端子圧着電線製造装置によれば、例えばカメラである撮影部により撮影した画像に基づいて、端子のズレ量を把握できるので、平易な構造によって検出部を実現できる。
上記(7)の端子圧着電線製造装置によれば、型保持部が、選択された品番の端子の加締片の形状に対応した圧着型を圧着位置に位置付けるので、多品番の端子が端子供給部から供給された場合であっても良好に端子を圧着できる。また、上述したように、従来の圧着装置では、加締片の形状が一致していても、接続部の形状が相違して品番が異なれば、異なるアプリケータを使用する必要があったのに対して、上記(7)の端子圧着電線製造装置によれば、加締片の形状が一致する場合には、圧着型を共有とすることができる。このため、部品の共用化により専用部品を削減し、設備を小型化して製造コストを削減できる。
上記(8)の端子圧着電線製造装置によれば、クリンパとアンビルとを、それぞれ回転部材から外側方向に突出するように複数配置し、選択された品番の端子の加締片の形状に対応したクリンパ部及びアンビル部が圧着位置に位置付けられるようにしたので、更に設置スペースを小さくすることができる。この結果、多品番の端子に対応可能な端子圧着電線製造装置を実現できる。
上記(9)の端子圧着電線製造装置によれば、被覆部を加締める被覆加締片と、導体部を加締める導体加締片のそれぞれについて、上記同様に、回転部材から外側方向に突出するように複数形成し、選択された品番の端子の被覆加締片及び導体加締片の形状に合わせて特定の第1、第2クリンパ部、及び第1、第2アンビル部がそれぞれ圧着位置に位置付けられるようにしたので、設置スペースを更に小さくすることができる。
上記(10)の端子圧着電線製造装置によれば、リール部が円環状に並ぶように配置されるので、従来の圧着装置のようにアプリケータの列に対向して端子リールを配列する場合と比較して、設備の省スペース化を図ることができる。
尚、上述した第1演算部、第2演算部、及び第3演算部は、1つの演算装置により構成されていてもよく、2以上の演算装置により構成されていても構わない。
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る端子圧着電線の製造方法は、下記の点を特徴としている。
) 複数の端子が帯状のキャリアに並んで接続された連鎖端子と、前記連鎖端子を所定の切断位置まで送る端子送り部と、前記切断位置に位置付けられた前記端子を前記キャリアから切断して分離するための切断刃と、を各々が有する複数の端子供給ユニットであって、該端子供給ユニットごとに前記端子の品番が異なる複数の端子供給ユニット、の中から前記品番の選択に基づいて選ばれた前記端子供給ユニットを用い、選択された品番の前記端子を前記連鎖端子から分離する端子供給工程と、
分離された前記選択された品番の前記端子を所定の圧着位置まで移動する端子移送工程と、
複数の圧着型の中から前記選択された品番の前記端子の圧着形状に対応するように選ばれた前記圧着型を用い、前記圧着位置に位置する前記選択された品番の前記端子と電線の端部とを圧着接続する圧着工程と、を含
前記端子移送工程は、
前記選択された品番の前記端子を移動部に対して固定した状態にて前記切断位置から前記圧着位置まで移動する移動工程と、前記選択された品番の前記端子の固定状態と予め定められた基準状態との間のズレ量を検出するための情報を取得する検出工程と、を含み、
前記移動工程は、
前記検出工程において取得した情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の位置及び姿勢を補正しながら前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に移動する、
こと。
10) 上記()の構成の端子圧着電線の製造方法であって、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記端子供給工程では、
前記選択された品番の前記端子の前記基底部が平面状の台座上に載置され且つ前記移動部に対して前記選択された品番の前記端子を固定した状態にて、前記端子供給ユニットが前記選択された品番の前記端子を前記キャリアから切断して分離し、
前記検出工程では、
前記ズレ量として、前記基底部に沿う平面における前記選択された品番の前記端子の実際の位置及び姿勢と基準となる位置及び姿勢との間の相違を検出するための情報を取得し、
前記移動工程では、
前記検出工程にて取得した前記情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を補正して前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に移動する、
こと。
11) 上記()又は(10)の構成の端子圧着電線の製造方法であって、
前記移動工程では、
前記品番ごとに定まる前記端子の外形状に対応可能であるように用意された複数の前記移動部を円周上に並べるように配置すると共に、前記複数の前記移動部を前記円周に沿って回転させることにより、前記端子を移動し、
前記複数の前記移動部が通過する回転軌道上に、前記切断位置と、前記ズレ量を検出するための情報を前記検出工程にて取得する検出位置と、前記圧着位置と、が配置されており、
前記移動工程では、
前記選択された品番の前記端子の外形状に対応した前記移動部を前記切断位置、前記検出位置及び前記圧着位置の順に通過させる、
こと。
12) 上記()の端子圧着電線の製造方法であって、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記移動工程では、
前記接続部を空気圧を用いて前記移動部に吸着させることにより、前記選択された品番の前記端子を前記移動部に対して固定する、
こと。
13) 上記()の構成の端子圧着電線の製造方法であって、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記検出工程は、
前記ズレ量を検出するための情報を取得する所定の検出位置に前記選択された品番の前記端子が位置する状態にて、前記選択された品番の前記端子を前記基底部と交差する方向から撮影する、撮影工程を含み、
前記検出工程では、
前記情報として前記撮影工程で取得した画像を用い、前記画像に基づいて前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を把握する、
こと。
14) 上記()の構成の端子圧着電線の製造方法であって、
前記端子は、
相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
前記圧着工程では、
前記品番ごとに定まる前記加締片の形状に対応可能であるように用意された複数の前記圧着型のうちの前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記圧着型を、前記圧着位置に位置付ける、
こと。
15) 上記(14)の構成の端子圧着電線の製造方法であって、
前記圧着型は、
圧着時に前記加締片の立設方向側に位置するクリンパ部、及び、圧着時に前記基底部側に位置するアンビル部であって、回転可能なクリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるクリンパ側形状を有する複数の前記クリンパ部、及び、回転可能なアンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるアンビル側形状を有する複数の前記アンビル部、を有し、
前記圧着工程では、
前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記クリンパ部及びアンビル部を前記圧着位置に位置付けるように、前記クリンパ側ベース部及び前記アンビル側ベース部を回転させる、
こと。
16) 上記(15)の構成の端子圧着電線の製造方法であって、
前記加締片は、
前記電線の被覆部を加締める一対の被覆加締片と、前記基底部の長手方向における前記被覆加締片と異なる位置に立設された前記電線の導体部を加締める一対の導体加締片と、を有し、
前記クリンパ部は、
前記被覆加締片を加締めるための第1クリンパ部と、前記導体加締片を加締めるための第2クリンパ部と、を有し、
前記アンビル部は、
前記被覆加締片を加締めるための第1アンビル部と、前記導体加締片を加締めるための第2アンビル部と、を有し、
前記圧着型は、
圧着時に前記加締片の立設方向側に位置する第1クリンパ部及び第2クリンパ部、並びに、圧着時に前記基底部側に位置する第1アンビル部及び第2アンビル部であって、回転可能な第1クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1クリンパ側形状を有する複数の前記第1クリンパ部、及び、回転中心な第2クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2クリンパ側形状を有する複数の前記第2クリンパ部、並びに、回転可能な第1アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1アンビル側形状を有する複数の前記第1アンビル部、及び、回転可能な第2アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2アンビル側形状を有する複数の前記第2アンビル部と、を有し、
前記圧着工程では、
前記選択された品番の前記端子が有する前記被覆加締片及び前記導体加締片の形状に対応した前記第1クリンパ部及び前記第2クリンパ部並びに前記第1アンビル部及び前記第2アンビル部を前記圧着位置に位置付けるように、前記第1クリンパ側ベース部及び前記第2クリンパ側ベース部並びに前記第1アンビル側ベース部及び前記第2アンビル側ベース部を回転させる、
こと。
上記(11)の端子圧着電線の製造方法によれば、端子供給工程では、端子の品番が異なる複数の端子供給ユニットの中から選択された端子供給ユニットにより、選択された品番の端子が切断して供給され、圧着工程では、当該端子の圧着形状に対応する圧着型により、端子と電線とが圧着される。このように、異品番への切替に、端子供給ユニットの切替及び圧着型の切替のみで対応できるため、切替時間を短縮できる。また、部品を共用化することで専用部品を削減できるので、設備を小型化して製造コストを削減できる。
また、従来のアプリケータを用いた製造方法では、端子の圧着形状が一致する端子群であっても、接続部の形状が相違して品番が異なれば、異なるアプリケータを用いる必要があるため、アプリケータの数が多くなってしまっていた。これに対して、上記(11)の端子圧着電線の製造方法によれば、圧着工程が他の工程とは独立しているので、端子の圧着形状が一致する場合には、圧着型を共有とすることができる。このため、部品の共用化により専用部品を削減し、設備を小型化して製造コストを削減できる。
また、従来の製造方法では、連鎖端子をアプリケータに常時接続している必要があるので、アプリケータの列に対向して端子リールも配列する必要があり、端子リールの設置位置の自由度が小さいという問題があった。これに対して、上記(11)の端子圧着電線の製造方法によれば、端子供給工程と圧着工程とが1工程として結合しておらず、端子供給工程で端子を切断し、後工程に選択された端子を供給するので、端子リールのレイアウトの自由度を向上できる。例えば、端子リール部をリール台上に円環状に並べ、選択された品番の端子が切断位置に位置付けられるように当該リール台が回転する構成とすることができ、設備の省スペース化を図ることができる。
上記(12)の端子圧着電線の製造方法によれば、移動工程にて切断位置から圧着位置まで端子を移動する際に、検出工程で取得した情報に基づいて検出されたズレ量に従って端子の位置及び姿勢が補正されるので、端子が圧着位置に確実に位置付けられる。このため、端子圧着の精度を高めて品質を向上すると共に、不良の発生を低減して作業時間を短縮することができる。また、従来の製造方法では、圧着後に当該圧着が正しく行われたかを検査するしかなかったのに対して、上記(12)の端子圧着電線の製造方法によれば、端子位置を補正して位置決めしてから端子を圧着するので、圧着前における端子位置を保証することができ、品質管理を実施し易い。
上記(13)の端子圧着電線の製造方法によれば、端子供給工程で端子を固定した状態で切断した後に、検出工程でズレ量を検出するための情報を取得するので、ズレ量を検出した後に端子を固定し直すことがない。このため、端子を確実に圧着位置に位置付けることができる。また、基底部が平面上の台座上に載置され、且つ固定された状態で端子が切断されるので、台座平面(基底部に沿う平面)に垂直な方向における端子の固定のズレを低減できる。当該台座平面に垂直な方向におけるズレを考慮する必要がないので、検出工程では、基底部に沿う平面における基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得すればよい。即ち、この場合には、2次元平面上におけるズレのみを考慮すればよい。これにより、ズレ量の検出のための構成を簡易なものとすることができると共に、位置及び姿勢の補正における移動量及びを削減して移動の高精度化及び処理の高速化を実現できる。
上記(14)の端子圧着電線の製造方法によれば、円周上に配置された複数の移動部の回転により、選択された品番の端子の外形状に対応した移動部が、切断位置にて端子を固定した後、検出位置、圧着位置に順に位置付けられ、端子を圧着位置まで移動する。このため、選択された端子の外形状に対応した移動部を用いて当該端子を移動することができるので、例えばどの端子に対しても同一の移動部を用いる場合と比較して移動精度を向上できる。また、例えば複数の移動部を一列に直線的に並べた場合と比較して、平易な構造によって移動機構を実現できると共に、設置スペースを小さくすることができる。
上記(15)の端子圧着電線の製造方法によれば、移動工程では、端子の接続部を空気圧により吸着することによって端子を固定するので、例えばアームにより挟持するものや電磁吸着によるものと比較して、簡易な構造によって移動機構を実現できる。
上記(16)の端子圧着電線の製造方法によれば、例えばカメラである撮影部により撮影した画像に基づいて、端子のズレ量を把握できるので、平易な構造によってズレ量の検出のための構成を実現できる。
上記(17)の端子圧着電線の製造方法によれば、圧着工程では、選択された品番の端子の加締片の形状に対応した圧着型を圧着位置に位置付けるので、多品番の端子が端子供給工程にて供給される場合であっても良好に端子を圧着できる。また、上述したように、従来の製造方法では、加締片の形状が一致していても、接続部の形状が相違して品番が異なれば、異なるアプリケータを使用する必要があったのに対して、上記(17)の端子圧着電線の製造方法によれば、加締片の形状が一致する場合には、圧着型を共有とすることができる。このため、部品の共用化により専用部品を削減し、設備を小型化して製造コストを削減できる。
上記(18)の端子圧着電線の製造方法によれば、クリンパとアンビルとを、それぞれ回転部材から外側方向に突出するように複数配置し、選択された品番の端子の加締片の形状に対応したクリンパ部及びアンビル部が圧着位置に位置付けられるようにしたので、更に設置スペースを小さくすることができる。この結果、多品番の端子に対応可能な端子圧着電線の製造方法を実現できる。
上記(19)の端子圧着電線の製造方法によれば、被覆部を加締める被覆加締片と、導体部を加締める導体加締片のそれぞれについて、上記同様に、回転部材から外側方向に突出するように複数形成し、選択された品番の端子の被覆加締片及び導体加締片の形状に合わせて特定の第1、第2クリンパ部、及び第1、第2アンビル部がそれぞれ圧着位置に位置付けられるようにしたので、設置スペースを更に小さくすることができる。
上記(20)の端子圧着電線製造装置によれば、リール部が円環状に並ぶように配置されるので、従来の製造方法のようにアプリケータの列に対向して端子リールを配列する場合と比較して、設備の省スペース化を図ることができる。
本発明によれば、設備の小型化及び製造コストの削減を実現できる端子圧着電線製造装置、及び端子圧着電線の製造方法を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置で圧着する端子の形状を示す斜視図である。 図2は、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置を前側から視た斜視図である。 図3は、図2の端子圧着電線製造装置を後側から視た斜視図である。 図4は、実施例に係る端子圧着電線製造装置の各部の接続状態を示すブロック図である。 図5は、図3の要部拡大図である。 図6は、図5の要部拡大図であり、端子切断直前の状態を示す図である。 図7は、切断刃を示す図であり、図6を異なる角度から視た図である。 図8は、図6のVIII−VIII線断面図である。 図9は、端子移送部を後側から視た斜視図である。 図10は、端子移送部を前側から視た斜視図である。 図11は、端子の移動経路を説明するための概略図であり、端子移送部の平面図である。 図12は、圧着部を前側からみた拡大斜視図である。 図13は、クリンパ保持部を示す斜視図である。 図14は、アンビル保持部を示す斜視図である。 図15Aは、圧着工程を示す斜視図であり、端子及び電線が圧着位置に位置決めされた状態を示す図である。 図15Bは、圧着工程を示す、図15Aに続く斜視図であり、クリンパ部が押し下げられ、電線と端子が圧着された状態を示す図である。 図15Cは、圧着工程を示す、図15Bに続く斜視図であり、クリンパ部及び移動部が引き上げられた状態を示す図である。 図16は、変形例1に係る端子圧着電線製造装置における圧着部を示す斜視図である。 図17は、変形例1に係る端子圧着電線製造装置における圧着位置を示す説明図であり、圧着部及び電線の側面図である。 図18は、変形例2に係る圧着部による圧着過程を示す図であり、図18(a)は圧着位置を前側から視た図を、図18(b)は圧着位置を側方から視た圧着前における図を、図18(c)は圧着位置を側方から視た圧着時における図を、それぞれ示している。 図19は、従来例に係る圧着装置を示す側面図である。
以下、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置、及び当該端子圧着電線製造装置を用いた端子圧着電線の製造方法を、各図を参照して説明する。
<端子の形状>
はじめに、図1を参照して、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置にて扱う端子93の形状について説明する。図1は、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置で圧着する端子の形状を示す斜視図である。
図1に示すように、端子93は、相手方端子(図示せず。)と接続するための、箱状部とタブ部とから成るのオス型の接続部96と、接続部96に連設された平板状の基底部97と、基底部97の両側に対向して立設された、電線81(図2等参照。)の端部を加締めるための一対の加締片98と、を備えている。加締片98は、電線81の被覆部(図示せず。)を加締める一対の被覆加締片98aと、基底部97の長手方向における被覆加締片98aよりも先端側に(即ち、被覆加締片98aとは異なる位置に。)立設された、電線81の導体部(図示せず。)を加締める一対の導体加締片98bと、を有している。尚、端子93は、箱状のメス型の接続部を備えるものであっても構わない。
<端子圧着電線製造装置の概要>
端子圧着電線製造装置1の概要を説明する。図2は、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置を前側から視た斜視図、図3は、図2の端子圧着電線製造装置を後側から視た斜視図である。以下、本明細書中では、各図に矢印で示すように前側、後側、上側、下側、左側、右側を規定して説明する。
図2、図3に示すように、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1は、概略的には、電線81を所定の電線送り方向(図2中の矢印X方向)に送る電線送り部10と、複数の品番の中から圧着されるべく選択された品番の端子93を所定の切断位置にて連鎖端子91(図5等参照。)から切断して供給する端子供給部20と、切断された端子93を圧着位置まで移動する2つの端子移送部40と、複数の圧着型61(図12参照。)のうちの、上記選択された品番の端子93の圧着形状に対応する圧着型61により、圧着位置に位置する端子93と電線81の端部とを挟み込んで圧着接続する2つの圧着部60と、を備えている。
また、本実施形態に係る端子圧着電線の製造方法は、概略的には、選択された品番の端子93を切断位置にて切断して供給する端子供給工程と、切断された端子93を所定の圧着位置まで移動する端子移送工程と、複数の一対の圧着型61のうちの、選択された品番の端子93の圧着形状に対応する圧着型61により、圧着位置に位置する端子93と電線81の端部とを挟み込んで圧着接続する圧着工程と、を含んでいる。これら端子供給工程、端子移送工程、及び圧着工程は、端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60によりそれぞれ実施される。
電線送り部10は、図2に示すように、端子93の圧着対象である電線81を矢印X方向に向けてA点からB点まで送る。電線81は、導電性の芯線である導体部が絶縁性の被覆部により覆われて成る被覆電線であり、A点よりも前までの工程にて皮剥きされて端部において導体部が露出している。電線81は、電線81を挟持して所定のピッチで矢印X方向に送る複数の移動機構13のうちの、隣接する2つの移動機構13により一端側及び他端側がそれぞれ挟持され、所定のピッチで移動する。そして、これら両端各々における導体部が露出した部分に、電線81の移動経路の近傍に配置された2つの圧着部60により、所定の圧着位置(図2中に符号Tで示す位置。)にて端子93が圧着される。端子93が圧着された電線81は、その後、B点よりも更に先に送られて後工程における処理が為される。例えば、電線81が、図示しない挿入装置によりハウジングの内部に挿入される構成とすることができる。また、上述したように、電線81は、A点に送られる以前の前工程にて先端側の被覆が皮剥きされる。即ち、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1は、製造装置の一部分を構成するものであり、端子圧着電線製造装置1における作業開始位置であるA点から作業終了位置であるB点まで電線81が順次送られる間に、圧着位置Tにて、送られてきた電線81に所定の品番の端子93を順次圧着するための装置である。
図3に示す端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60は、複数の品番の中から選択した品番の端子93、及び当該端子93の圧着形状に対応する圧着型61の双方を、上記圧着位置Tに位置付け、電線送り部10によって順次送られてくる電線81の端部に端子93を圧着接続する。即ち、端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60は、選択された端子93を圧着位置Tまで送り出す、端子送り出し装置として機能する。
図4は、実施例に係る端子圧着電線製造装置の各部の接続状態を示すブロック図である。図4に示すように、電線送り部10、端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60は、それぞれ演算部5に接続されている。演算部5は、例えば基板(図示せず。)に搭載されたCPU(Central Processing Unit)であり、各種の演算処理を実行し、電線送り部10、端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60それぞれの動作を制御する。以下では、これらのうちの、端子送り出し装置である端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60の構成について順に説明する。
尚、図2に示すように、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1は、端子移送部40及び圧着部60を2つ備えているが、これらは同一のものであるので、以下では、説明を簡略化するために片方のみについて説明する。
<端子供給部、端子供給工程>
端子供給部20は、図3に示すように、端子圧着電線製造装置1における後方側に配置されている。端子供給部20は、図3、図5に示すように、複数の端子供給ユニット21と、複数の端子供給ユニット21を回転可能に保持する円形のリール台23と、その駆動力によりリール台23回転駆動するリール台駆動装置24と、を主な構成要素として備えている。端子供給ユニット21は、同一品番の端子93が帯状のキャリア95に並んで接続されて成る連鎖端子91を巻回して収容する複数のリール部22を有している。複数のリール部22は、円環状に並ぶようにリール台23に保持されている。複数のリール部22には、各々に異なる品番の端子93の連鎖端子91が巻回されている。
また、端子供給ユニット21は、図5に示すように、リール部22各々に設けられた、端子送り部25と、端子送り部25の端子送り方向における先端側に設けられた、連鎖端子91から端子93を切断するために用いられる切断刃27(図6〜図8参照。)と、を有している。端子送り部25は、リール部22に巻回されている連鎖端子91を、前側に向けて所定の位置まで送ることができる。
切断刃27は、連鎖端子91から端子93を切断するために用いられる部材であり、切断部26の一部として構成されている。切断部26は、図6〜図8に示すように、切断刃27と押圧部28とにより構成されている。切断刃27は、切断位置S(図5中に符号Sで示す位置。図6〜図8にて先端側の端子93が位置する位置。)に配置されており、端子切断直前においては、端子送り部25により送られてくる連鎖端子91の先端に位置する端子93をキャリア95から切断すべく、当該端子93の上方に位置する。切断位置Sにおいては、端子93は、図8に示すように、基底部97が平面状の台座29上に位置するように当該台座29上に載置されている。押圧部28は、図示しない動力部により上下方向に移動可能に構成され、切断刃27の上方に配置されている。押圧部28は、端子切断時には、図6、図8に示す位置から下方に移動して、切断刃27に当接して切断刃27を押し下げる。これにより、切断刃27が端子93をキャリア95から切断して分離する。
このとき、図6〜図8に示すように、後述する端子移送部40の移動部43が端子93を吸着して固定している。移動部43は、切断された端子93を固定して移動する。
以上の構成を有する端子供給部20は、選択された品番の端子93を所定の切断位置Sにて切断して供給する機能を有する。より具体的には、まず、演算部5は、リール台駆動装置24を制御し、複数の端子供給ユニット21のうちの、圧着を行うべく選択された端子93の連鎖端子91を収容している端子供給ユニット21が、切断位置Sに対応する位置(切断位置Sの前方)に位置付けられるように、リール台23を回転する。そして、演算部5は、端子送り部25を制御し、上記選択された端子供給ユニット21の連鎖端子91を前方に送り、連鎖端子91の先端に位置する端子93を切断位置Sに位置付ける。その後、演算部5は、上記した動力部を制御し、押圧部28を押し下げて切断刃27を端子93に押し付けることにより端子93をキャリア95から切断する。
これらの処理を実行することにより、端子供給部20による端子供給工程では、複数の端子供給ユニット21の中から選択された端子供給ユニット21によって、選択された品番の端子93が切断位置Sに位置付けられる。切断位置Sに位置付けられた端子93は、切断部26によって連鎖端子91から分離されて端子移送部40に供給される。異なる品番の端子93を切断して供給する場合には、当該異なる品番の端子93に対応した、異なる端子供給ユニット21が上記切断位置Sに対応する位置に位置付けられる。これにより、異なる品番の端子93が移動部43により固定して移動されるので、異なる品番の端子93を端子移送部40に供給できる。尚、異なる端子供給ユニット21により異なる品番の端子93が供給される場合であっても、切断位置Sは同一である。また、移動部43が端子93を固定して受け取る位置(供給位置)も、同一である。このように、端子供給部20によれば、異品番への切替に、リール台23の回転による端子供給ユニット21の切替のみで対応できるため、切替時間を短縮できる。また、リール部22が円環状に並ぶように配置されているので、従来の圧着装置のようにアプリケータの列に対向してリール部を配列する場合と比較して、設備の省スペース化を図ることができる。
<端子移送部、端子移送工程>
端子移送部40は、図2に示すように、端子圧着電線製造装置1における端子供給部20と圧着部60との間に配置されている。端子移送部40は、図9〜図11に示すように、回転可能に構成された円形状の回転保持部41と、回転保持部41により当該回転保持部41の外周上に並ぶように保持された複数の移動部43と、撮影部46と照明部47とから成る検出部45と、を主な構成要素として備えている。また、端子移送部40による端子移送工程は、選択された品番の端子93を切断位置Sにて固定して移動する移動工程と、端子93の固定状態の、予め定められた基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得する検出工程と、を含んでいる。
回転保持部41は、図9に示すように、支柱42に固定されており、ベルト48に接続されている。ベルト48は、ベルト駆動装置49の駆動力によって回転する。したがって、回転保持部41は、ベルト駆動装置49により駆動されて支柱42を中心として回転する。
移動部43は、移動可能に構成されており、切断位置Sにて切断された端子93を、当該切断位置S(供給位置)にて吸引固定して移動する(移動工程)。本実施形態では、移動部43は、図6〜図10に示すように、端子93の接続部96を空気圧により吸着することによって、吸引部43aに端子93を固定する。即ち、移動部43は、図8に示すように、空気が通る通気溝43cが吸引部43aと連通して形成されており、負圧吸引により、接続部96の上面を吸着固定する。移動部43は、端子供給部20が供給可能な複数の端子93の外形状に対応して(本実施形態では、吸着する接続部96の外形状に対応して。)、複数用意されている。例えば、端子93の形状と移動部43とが1対1に対応する場合には、端子供給部20が供給可能な端子93と同じ数だけ移動部43が用意される。これにより、選択された端子93の外形状に対応した移動部43を用いて端子93を移動することができるので、例えばどの端子93に対しても同一の移動部43を用いる場合と比較して、移動精度を向上できる。また、端子供給部20が供給可能な端子93の中に外形状が同一又は類似しているものがある場合(例えば、加締片98の形状は異なるが接続部96の形状が同一である場合を含む。)や、吸引固定における要求精度が比較的低い場合等、端子93の形状と移動部43とが1対1に対応しないときには、移動部43の数をそれよりも削減しても構わない。
これら複数の移動部43では、図9、図10に示すように、回転保持部41の円周上に、吸引部43aが回転保持部41の外周方向に突出するように放射状に保持されている。移動部43は、上下方向に延びるアーム43bを有している。アーム43bは、図9に示すように、アーム駆動装置44の駆動力により上下方向に移動可能に構成されている。また、アーム43bは、図示しない動力部の動力によって回転保持部41が支柱42に対して前後左右方向に相対的に移動することにより、前後左右方向にも移動可能に構成されている。さらに、アーム43bは、アーム駆動装置44の駆動力により上下方向に垂直な平面において回転可能に構成されている。したがって、移動部43は、上下方向、左右方向、及び前後方向に移動可能に構成され、且つ上下方向に垂直な平面において回転可能に構成されている。
したがって、移動部43による移動工程では、回転保持部41に保持された複数の移動部43のうちの、端子供給部20が供給する端子93の形状に対応した移動部43を切断位置Sに位置付けることにより、選択された端子93の形状に拘らず、移動部43が端子93を良好に固定して移動できる。端子93の移動経路については、後述する。
検出部45は、端子93の移動部43に対する固定状態の、予め定められた基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得する(検出工程)。検出部45は、図9に示すように、回転保持部41の近傍における上方側に設置された撮影部46と、撮影部46に対応する位置に(本実施形態では、真下に。)設置された照明部47と、を有している。撮影部46は、例えばカメラであり、照明部47によって照明されている被写体を撮影して画像を取得する。照明部47は、例えばバックライトである。即ち、本実施形態では、図9に示すように、照明部47上に符号Rで示す検出位置が配されており、当該検出位置Rに端子93を位置付けた状態で、撮影部46が端子93の画像を取得する。そして、取得した画像に基づいて、演算部5が端子93の固定状態の基準状態からのズレ量を算出して把握する。これにより、端子93の移動部43に対する固定状態の、予め定められた基準状態からのズレ量が検出される。即ち、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1では、移動部43による端子93の吸着固定が所定の基準状態からずれていた場合であっても、検出工程にて当該ズレ量を検出することができる。このズレ量を用いることにより、移動工程にて切断位置Sから圧着位置Tまで端子93を移動する際に、検出部45が取得した情報に基づいて検出されたズレ量に従って端子93の位置及び姿勢が補正できるので、端子93を圧着位置Tに確実に位置付けられる。
演算部5は、本実施形態では、撮影部46から取得した、端子93を基底部97と直交する方向から(上方から)撮影した画像に基づいて、端子93の基底部97に沿う平面における位置及び姿勢の基準状態からのズレ量を把握する。即ち、本実施形態では、検出工程は、端子93を撮影する撮影工程を含んでいる。本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1では、上述したように、端子93が平面上の台座29上に載置された状態で、且つ、移動部43が端子93を固定した状態で、端子93をキャリア95から切断している。これにより、台座平面(即ち、端子93の基底部97に沿う平面。)に垂直な方向(上下方向)における端子93の固定位置のズレが低減されている。このため、上下方向におけるズレを考慮する必要がないので、検出部45(検出工程)では、基底部97に沿う平面における基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得している。
より具体的には、演算部5は、撮影部46から取得した画像に基づいて、移動部43に対する端子93の固定状態の、基底部97に沿う平面における、2つの方向及び回転角度の基準からのズレ量を算出する。本実施形態では、端子93の長手方向に一致する第1の方向と、当該第1の方向と直交する第2の方向と、回転角度について、基準からのズレ量を算出している。例えば、第2の方向については、取得した画像に基づいて、端子93の第2の方向における端部となる接続部96の両側壁の位置を把握して、把握した両側壁の位置と、当該両側壁が位置すべき基準位置とを比較し、第2の方向における位置のズレ量を算出する。第1の方向における位置及び回転角度(姿勢)についても同様である。演算部5は、これら把握したズレ量に基づいて端子93の位置及び姿勢を補正することにより、端子93が圧着位置Tに位置付けられるように移動部43を移動する。即ち、演算部5は、端子93が切断位置Sから圧着位置Tに移動するまでの間に、上記ズレ量に対応した分だけ移動部43を移動させ、端子93を確実に圧着位置Tに位置付ける。
また、撮影部46により撮影した画像中の所定の範囲内に端子93が撮影されていなかった場合には、演算部5は、移動部43による端子93の吸着固定に失敗したと判定して装置の駆動を停止することができる。このため、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1では、位置及び姿勢を補正して精度良く端子93を圧着できると共に、品質管理を容易にすることができる。
続いて、図11を参照して、端子93の移動経路について説明する。図11は、端子の移動経路を説明するための概略図であり、端子移送部の平面図である。図11に示すように、移動工程では、圧着すべく選択された端子93の連鎖端子91が、端子送り部25により後方から前方に向けて切断位置Sまで送られる。切断位置Sにて切断部26により連鎖端子91から分離された端子93は、選択された当該端子93の形状に対応した移動部43により、切断位置Sにて吸引固定される。移動部43に固定された端子93は、図11中に矢印で示すように、照明部47上の検出位置Rに移動される。当該位置にて撮影部46により画像が撮影された後、端子93は、圧着位置Tに移動される。
このように、回転保持部41の回転時における、移動部43に固定された端子93の回転軌道上に、切断位置S、ズレ量を検出するための情報を検出部45が取得する検出位置R、及び圧着位置Tが、この順に配されている。そして、演算部5は、複数の移動部43のうちの、選択された品番の端子93の外形状に対応した移動部43が、切断位置Sに位置付けられて端子93を固定した後、検出位置R、圧着位置Tに順に位置付けられるように、回転保持部41を回転する。
以上の構成を有する端子移送部40(移動工程)によれば、選択された端子93の外形状に対応した移動部43を用いて端子93を圧着位置Tまで移動することができるので、例えばどの端子93に対しても同一の移動部43を用いる場合と比較して移動精度を向上できる。また、円形状の回転保持部41に移動部43を保持して構成されているので、例えば複数の移動部43を一列に直線的に並べた場合と比較して、平易な構造によって移動機構を実現できると共に、設置スペースを小さくすることができる。また、切断位置Sから圧着位置Tまで端子93を移動する際に、検出工程にて検出部45が取得した情報(画像)に基づいて検出されたズレ量に従って端子93の位置及び姿勢が補正されるので、移動工程にて端子93を圧着位置Tに確実に位置付けることができる。また、端子位置を補正して位置決めしてから端子93を圧着するので、圧着前に端子位置を保証することができ、品質管理を実施し易い。
<圧着部、圧着工程>
圧着部60は、図2に示すように、端子圧着電線製造装置1における電線送り部10と端子移送部40との間に配置されている。圧着部60は、図12〜図14に示すように、端子93を圧着するための複数の圧着型61と、複数の圧着型61を移動可能に保持する型保持部62と、を主な構成要素として備えている。圧着部60は(圧着工程では)、概略的には、複数の圧着型61のうちの、圧着されるべく選択された品番の端子93の圧着形状に対応する圧着型61により、圧着位置Tに位置する端子93と電線81の端部とを挟み込んで圧着接続する。
圧着型61は、圧着時において加締片98の立設方向側(上側)に位置するクリンパと、圧着時において端子93の基底部97側(下側)に位置するアンビルと、の組から成る。型保持部62は、左右方向に延びるクリンパ側保持部63及びアンビル側保持部64を有している。クリンパ側保持部63には、クリンパ部65が複数並んで固定されている。クリンパ部65は、端子93の加締片98を加締めるための圧着型61の、上型を構成するクリンパ側形状部65aを有している。クリンパ側保持部63には、端子供給部20が供給可能な複数の端子93の圧着形状に対応して(本実施形態では、加締片98の形状に対応して。)、各々が異なるクリンパ側形状を有するクリンパ部65が複数固定されている。アンビル側保持部64にも、同様に、アンビル部66が複数並んで固定されている。アンビル部66は、端子93の加締片98を加締めるための圧着型61の、下型を構成するアンビル側形状部66aを有している。一対のクリンパ側形状部65aとアンビル側形状部66aとが合わせられることで、圧着型61が構成される。アンビル側保持部64には、端子供給部20が供給可能な複数の端子93の圧着形状に対応して(本実施形態では、加締片98の形状に対応して。)、各々が異なるアンビル側形状を有するアンビル部66が複数固定されている。
複数のクリンパ部65及びアンビル部66は、クリンパ側保持部63及びアンビル側保持部64により、スライド移動可能に保持されている。クリンパ部65は、図13に示す動力部67に接続されたベルト68が回転することにより、左右方向にスライド移動する。演算部5は、動力部67を制御して、複数のクリンパ部65のうちの、選択された品番の端子93の加締片98の形状に対応したクリンパ部65が圧着位置Tに位置付けられるように、クリンパ側保持部63のベルト68を移動する。これにより、クリンパ部65は、図12に矢印で示す移動方向(左右方向)に移動する。アンビル部66も、クリンパ部65と同様に、図14に示す動力部69に接続されたベルト70が回転することにより、左右方向にスライド移動する。演算部5は、動力部69を制御して、複数のアンビル部66のうちの、選択された品番の端子93の加締片98の形状に対応したアンビル部66が圧着位置Tに位置付けられるように、アンビル側保持部64のベルト70を移動する。これにより、選択された端子93の圧着形状に対応したクリンパ部65及びアンビル部66がそれぞれ圧着位置Tの上方及び下方に位置付けられ、所定の圧着型61が端子93を圧着可能にセットされる。
次に、図15A〜図15Cを参照して、端子の圧着工程について説明する。図15A〜図15Cは、圧着工程を示す斜視図であり、図15Aは端子及び電線が圧着位置に位置決めされた状態を、図15Bはクリンパ部が押し下げられ、電線と端子が圧着された状態を、図15Cはクリンパ部及び移動部が引き上げられた状態を示している。尚、図15A〜図15Cでは、理解を容易にするために、一部のクリンパ部65及びアンビル部66を省略して示している。
図15Aに示すように、演算部5は、電線送り部10の移動機構13を制御して、導体部が露出した電線81を圧着位置Tに位置付ける。さらに、演算部5は、当該圧着位置Tに、圧着すべく選択された端子93が位置付けられるように移動部43を移動する。これにより、図15Aに示すように、電線81の所定の圧着箇所に加締前の端子93がセットされる。
続いて、演算部5は、複数のクリンパ部65及びアンビル部66のうちの、選択された品番の端子93の加締片98の形状に対応したクリンパ部65及びアンビル部66が圧着位置Tに位置付けられるように、クリンパ側保持部63及びアンビル側保持部64を移動する。これにより、選択された端子93の圧着形状に対応したクリンパ部65及びアンビル部66がそれぞれ圧着位置Tの上方及び下方に位置付けられ、所定の圧着型61が端子93を圧着可能にセットされる。即ち、アンビル部66上に端子93が載置される。尚、この圧着型61のセットと、上記電線81及び移動部43の移動とは、順序を交換可能である。
その後、演算部5は、図15Bに示すように、図13に示す圧着用駆動装置71を制御し、圧着位置Tに位置付けられたクリンパ部65を押し下げて電線81と端子93とを圧着する。
圧着が完了すると、演算部5は、図15Cに示すように、クリンパ部65と移動部43とを元の位置まで引き上げ、端子93の圧着が完了した電線81を次工程に送るべく、移動機構13を移動する。
これらの処理を実行することにより、圧着工程では、複数の圧着型61のうちの、圧着されるべく選択された品番の端子93の圧着形状に対応する圧着型61により、圧着位置Tに位置する端子93と電線81の端部とが圧着される。この結果、電線81の先端に選択された品番の端子93が圧着された端子圧着電線が製造される。本実施形態に係る圧着部60(圧着工程)によれば、圧着部60が他の部分とは独立しているので、端子93の圧着形状が一致する場合には、圧着型61を共有とすることができる。例えば、本実施形態ではメス型の接続部96を有する端子93を用いる場合について説明したが、メス型の接続部96を有するものとオス型の接続部を有するものが混在している多品番の端子を選択的に電線に圧着したい場合がある。本実施形態の圧着部60によれば、このように接続部の形状が異なっていても、圧着形状さえ同一であれば、これらの端子を同一の圧着型61により圧着できる。このため、部品の共用化により部品点数を削減し、設備を小型化して製造コストを削減できる。
<端子圧着電線製造装置の作用及び効果>
以上説明したように、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1によれば、端子供給部20では、端子93の品番が異なる複数の端子供給ユニット21の中から選択された端子供給ユニット21により、選択された品番の端子93が切断して供給され、圧着部60では、当該端子93に対応する圧着型61により、端子93と電線81とが圧着される。このように、異品番への切替に、端子供給ユニット21の切替及び圧着型61の切替のみで対応できるため、切替時間を短縮できる。また、部品を共用化することで専用部品を削減できるので、設備を小型化して製造コストを削減できる。
また、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1によれば、切断位置Sから圧着位置Tまで端子93を移動する際に、検出部45が取得した情報(画像)に基づいて検出されたズレ量に従って端子93の位置及び姿勢が補正されるので、端子93が圧着位置Tに確実に位置付けられる。このため、端子圧着の精度を高めて品質を向上すると共に、不良の発生を低減して作業時間を短縮することができる。また、端子位置を補正して位置決めしてから端子93を圧着するので、圧着前における端子位置を保証することができ、品質管理を実施し易い。また、端子93が移動部43に固定された状態で切断された後に、検出部45でズレ量を検出するための情報を取得するので、ズレ量を検出した後に端子93を固定し直すことがない。このため、端子93を確実に圧着位置Tに位置付けることができる。
また、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1によれば、圧着部60が他の部分とは独立しているので、端子93の圧着形状が一致する場合には、圧着型61を共有とすることができる。このため、部品の共用化により専用部品を削減し、設備を小型化して製造コストを削減できる。
また、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1によれば、端子供給部20と圧着部60が結合されておらず、端子供給部20で端子93を切断して供給するので、端子供給部20のレイアウトの自由度を向上できる。例えば、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1では、リール部22が円環状に並ぶように配置されるので、設備の省スペース化を図ることができる。
<変形例1>
図16、図17を参照して、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1の変形例1について説明する。図16は、変形例1に係る端子圧着電線製造装置1における圧着部を示す斜視図である。図17は、変形例1に係る圧着部による電線の加締箇所を示す説明図であり、圧着部及び電線の側面図である。尚、変形例1に係る端子圧着電線製造装置1は、圧着部60以外の部分については上述した端子圧着電線製造装置1と同一であるので、同一である部分については説明を省略する。また、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示すように、変形例1に係るクリンパは、被覆加締片98aを加締める第1クリンパと、導体加締片98bを加締める第2クリンパと、の2つに分離されている。また、アンビルも、クリンパ同様に、第1クリンパとの間で被覆加締片98aを加締める第1アンビルと、第1クリンパとの間で導体加締片98bを加締める第2アンビルと、の2つに分離されている。
これに対応して、型保持部62は、第1クリンパ側ベース部72、第2クリンパ側ベース部73、第1アンビル側ベース部74、及び第2アンビル側ベース部75を備えている。第1クリンパ側ベース部72には、外側方向に向かって突出するように複数の第1クリンパ部76が固定されている。これら複数の第1クリンパ部76は、端子供給部20が供給可能な複数の端子93の被覆加締片98aの形状に対応して各々が異なる第1クリンパ側形状を有している。同様に、第2クリンパ側ベース部73には、外側方向に向かって突出するように複数の第2クリンパ部77が固定されている。これら複数の第2クリンパ部77は、端子供給部20が供給可能な複数の端子93の導体加締片98bの形状に対応して各々が異なる第2クリンパ側形状を有している。同様に、第1アンビル側ベース部74には、外側方向に向かって突出するように複数の第1アンビル部78が固定されている。これら複数の第1アンビル部78は、端子供給部20が供給可能な複数の端子93の被覆加締片98aの形状に対応して各々が異なる第1アンビル側形状を有している。同様に、第2アンビル側ベース部75には、外側方向に向かって突出するように複数の第2アンビル部79が固定されている。これら複数の第2アンビル部79は、端子供給部20が供給可能な複数の端子93の導体加締片98bの形状に対応して各々が異なる第2アンビル側形状を有している。
演算部5は、第1クリンパ部76及び第2クリンパ部77、並びに第1アンビル部78及び第2アンビル部79のうちの、端子供給部20から供給される端子93の被覆加締片98a及び導体加締片98bの形状に対応した第1クリンパ部76及び第2クリンパ部77、並びに第1アンビル部78及び第2アンビル部79が、圧着位置Tに位置付けられるように、第1クリンパ側ベース部72及び第2クリンパ側ベース部73、並びに第1アンビル側ベース部74及び第2アンビル側ベース部75それぞれを回転する。これにより、図17に示すように、圧着すべく選択された端子93の被覆加締片98a及び導体加締片98bに対応した所定の圧着型61が端子93を圧着可能にセットされる。その後、圧着が実行されると、電線81の被覆部85、導体部83に、被覆加締片98a、導体加締片98bがそれぞれ加締め付けられる。
変形例1に係る端子圧着電線製造装置1では、被覆部を加締める被覆加締片98aと、導体部を加締める導体加締片98bのそれぞれについて、クリンパとアンビルとを回転部材から外側方向に突出するように複数形成し、選択された品番の端子93の被覆加締片98a及び導体加締片98bの形状に対応した第1クリンパ部76、第2クリンパ部77、第1アンビル部78、及び第2アンビル部79がそれぞれ圧着位置Tに位置付けられるようにしたので、設置スペースを小さくすることができる。即ち、上述したように、クリンパ部及びアンビル部を一列に並べてスライド移動可能に構成する場合と比較して、更に設置スペースを小さくすることができる。
<変形例2>
図18を参照して、本実施形態に係る端子圧着電線製造装置1の変形例2について説明する。図18は、変形例2に係る圧着部による圧着過程を示す図であり、図18(a)は圧着位置を前側から視た図を、図18(b)は圧着位置を側方から視た圧着前における図を、図18(c)は圧着位置を側方から視た圧着時における図を、それぞれ示している。変形例2に係る端子圧着電線製造装置1においては、上記変形例1では第1クリンパ部76、第2クリンパ部77、第1アンビル部78、及び第2アンビル部79を別体に形成したのに対して、図18に示すように、第1クリンパ部76と第2クリンパ部77とがクリンパ部86として一体に形成され、且つ、第2アンビル部78と第2アンビル部79とがアンビル部87として一体に形成されている。尚、上述したクリンパ部65及びアンビル部66を一列に並べて構成した実施形態に係る端子圧着電線製造装置1においても、被覆加締片98aを加締める部分と導体加締片98bを加締める部分とは一体に形成されている。
<纏め>
以下では、実施形態に係る端子圧着電線製造装置1、及び端子圧着電線の製造方法について纏める。
(1) 実施形態に係る端子圧着電線製造装置1は、端子供給部20と、端子移送部40と、圧着部60と、を備えている。端子供給部20は、複数の端子供給ユニット21を備えている。複数の端子供給ユニット21は、同一品番の端子93が帯状のキャリア95に並んで接続されて成る連鎖端子91を所定の切断位置Sまで送る端子送り部25と、切断位置Sに位置付けられた連鎖端子91から端子93を切断するための切断刃27と、を各々が有している。複数の端子供給ユニット21は、各々の連鎖端子91の端子93の品番が異なる。そして、端子供給部20は、複数の端子供給ユニット21の中から選択された端子供給ユニット21により、選択された品番の端子93を切断位置Sにて切断して供給する。端子移送部40は、切断された端子93を所定の圧着位置Tまで移動する。圧着部60は、複数の一対の圧着型61を有し、複数の圧着型61のうちの、選択された品番の端子93の圧着形状に対応する圧着型61により、圧着位置Tに位置する端子93と電線81の端部とを挟み込んで圧着接続する。
(2) 実施形態に係る端子圧着電線製造装置1は、端子移送部40に接続された演算部5を更に備えている。端子移送部40は、選択された品番の端子93を切断位置Sにて固定して演算部5の指示に従って移動する移動部43と、端子93の移動部43に対する固定状態の、予め定められた基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得する検出部45と、を備えている。演算部5は、検出部45が取得した情報に基づいて端子93の位置及び姿勢を補正することにより、端子93が圧着位置Tに位置付けられるように移動部43を移動する。
(3) 実施形態に係る端子圧着電線製造装置1では、端子93は、相手方端子と接続するための接続部96と、接続部96に連設された平板状の基底部97と、基底部97の両側に対向して立設された、電線81の端部を加締めるための一対の加締片98と、を有している。端子供給ユニット21は、端子93の基底部97が平面状の台座29上に載置され、且つ移動部43が端子93を固定した状態で、端子93を切断するように構成されている。検出部45は、端子93の移動部43に対する固定状態の、基底部97に沿う平面における位置及び姿勢の基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得するように構成されている。演算部5は、検出部45が検出した情報に基づいて端子93の基底部97に沿う平面における位置及び姿勢を補正することにより、端子93が圧着位置Tに位置付けられるように移動部43を移動する。
(4) 実施形態に係るの端子圧着電線製造装置1では、端子移送部40は、固定して移動する端子93の外形状に対応して用意された複数の移動部43と、複数の移動部43を円周上に並ぶように保持して演算部5の指示に従って回転する回転保持部41と、を有している。回転保持部41の回転時における、移動部43に固定された端子93の回転軌道上に、切断位置Sと、ズレ量を検出するための情報を検出部45が取得する検出位置Rと、圧着位置Tと、が配されている。演算部5は、複数の移動部43のうちの、選択された品番の端子93の外形状に対応した移動部43が、切断位置Sに位置付けられて端子93を固定した後、検出位置R、圧着位置Tに順に位置付けられるように、回転保持部41を回転する。
(5) 実施形態に係る端子圧着電線製造装置1では、移動部43は、端子93の接続部96を空気圧により吸着することによって、端子93を固定する。
(6) 実施形態に係る端子圧着電線製造装置1では、検出部45は、端子93が所定の検出位置Rに位置する状態で、端子93を基底部97と直交する(交差する)方向から撮影する撮影部46を有している。演算部5は、撮影部46が取得した画像を、ズレ量を検出するための情報とし、当該画像に基づいて端子93の基底部97に沿う平面における位置及び姿勢を把握する。
(7) 実施形態に係る端子圧着電線製造装置1は、圧着部60に接続された演算部5を更に備えている。端子93は、相手方端子と接続するための接続部96と、接続部96に連設された平板状の基底部97と、基底部97の両側に対向して立設された、電線81の端部を加締めるための一対の加締片98と、を有している。圧着部60は、加締片98の形状に対応して用意された複数の圧着型61と、複数の圧着型61を移動可能に保持して演算部5の指示に従って移動する型保持部62と、を有している。演算部5は、複数の圧着型61のうちの、選択された品番の端子の加締片98の形状に対応した圧着型61が、圧着位置Tに位置付けられるように、型保持部62を移動する。
(8) 変形例2に係る端子圧着電線製造装置1では、一対の圧着型61は、圧着時において加締片98の立設方向側に位置するクリンパと、圧着時において端子の基底部97側に位置するアンビルと、から成る。圧着部60は、演算部5の指示に従って回転するクリンパ側ベース部72,73と、クリンパ側ベース部72,73から外側方向に向かって突出するように配置された、加締片98の形状に対応して各々が異なるクリンパ側形状を有する複数のクリンパ部76,77と、演算部5の指示に従って回転するアンビル側ベース部74,75と、アンビル側ベース部74,75から外側方向に向かって突出するように配置された、加締片98の形状に対応して各々が異なるアンビル側形状を有する複数のアンビル部と78,79と、を有している。演算部5は、複数のクリンパ部76,77及び複数のアンビル部78,79のうちの、選択された品番の端子の加締片の形状に対応したクリンパ部76,77及びアンビル部78,7が、圧着位置Tに位置付けられるように、クリンパ側ベース部72,73及びアンビル側ベース部74,75を回転する。
(9) 変形例1に係る端子圧着電線製造装置1では、端子93の加締片98が、電線81の被覆部85を加締める一対の被覆加締片98aと、基底部97の長手方向における被覆加締片98aと異なる位置に立設された、電線81の導体部83を加締める一対の導体加締片98bと、を有している。クリンパは、被覆加締片98aを加締める第1クリンパと、導体加締片98bを加締める第2クリンパと、を有している。また、アンビルは、第1クリンパとの間で被覆加締片98aを加締める第1アンビルと、第1クリンパとの間で導体加締片98bを加締める第2アンビルと、を有している。圧着部60は、演算部5の指示に従って回転する第1クリンパ側ベース部72及び第2クリンパ側ベース部73と、第1クリンパ側ベース部72から外側方向に向かって突出するように配置された、被覆加締片98aの形状に対応して各々が異なる第1クリンパ側形状を有する複数の第1クリンパ部76と、第2クリンパ側ベース部73から外側方向に向かって突出するように配置された、導体加締片98bの形状に対応して各々が異なる第2クリンパ側形状を有する複数の第2クリンパ部77と、演算部5の指示に従って回転する第1アンビル側ベース部74及び第2アンビル側ベース部75と、第1アンビル側ベース部74から外側方向に向かって突出するように配置された、端子の被覆加締片98aの形状に対応して各々が異なる第1アンビル側形状を有する複数の第1アンビル部78と、第2アンビル側ベース部75から外側方向に向かって突出するように配置された、端子の導体加締片98bの形状に対応して各々が異なる第2アンビル側形状を有する複数の第2アンビル部79と、を有している。演算部5は、複数の第1クリンパ部76及び複数の第2クリンパ部77、並びに複数の第1アンビル部78及び複数の第2アンビル部79のうちの、端子供給部20から供給される端子93の被覆加締片98a及び導体加締片98bの形状に対応した第1クリンパ部76及び第2クリンパ部77、並びに第1アンビル部78及び第2アンビル部79が、圧着位置Tに位置付けられるように、第1クリンパ側ベース部72及び第2クリンパ側ベース部73、並びに第1アンビル側ベース部74及び第2アンビル側ベース部75それぞれを回転する。
(10) 実施形態に係る端子圧着電線製造装置1は、端子供給部20に接続された演算部5を更に備えている。端子供給ユニット21各々は、連鎖端子91を巻回して収容するリール部22を更に有している。端子供給部20は、端子供給ユニット21各々のリール部22を円環状に並ぶように保持して演算部5の指示に従って回転するリール台23を有している。演算部5は、選択された品番の端子93が切断位置Sに位置付けられるように、リール台23を回転する。
(11) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法は、端子供給工程と、端子移送工程と、圧着工程と、を含んでいる。端子供給工程では、複数の端子供給ユニット21の中から選択された端子供給ユニット21により、選択された品番の端子を切断位置Sにて切断して供給する。複数の端子供給ユニット21は、同一品番の端子93が帯状のキャリア95に並んで接続されて成る連鎖端子91を所定の切断位置Sまで送る端子送り部25と、切断位置Sに位置付けられた連鎖端子91から端子93を切断するための切断刃27と、を各々が有している。複数の端子供給ユニット21は、各々の連鎖端子91の端子93の品番が異なる。端子移送工程では、切断された端子93を所定の圧着位置Tまで移動する。圧着工程では、複数の一対の圧着型61のうちの、選択された品番の端子93の圧着形状に対応する圧着型61により、圧着位置Tに位置する端子93と電線81の端部とを挟み込んで圧着接続する。
(12) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法では、端子移送工程は、選択された品番の端子93を切断位置Sにて固定して移動する移動工程と、端子93の固定状態の、予め定められた基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得する検出工程と、を含んでいる。そして、移動工程では、検出工程で取得した情報に基づいて端子93の位置及び姿勢を補正することにより、端子93を圧着位置Tに移動する。
(13) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法では、端子93は、相手方端子と接続するための接続部96と、接続部96に連設された平板状の基底部97と、基底部97の両側に対向して立設された、電線81の端部を加締めるための一対の加締片98と、を有している。端子供給工程では、端子93の基底部97が平面状の台座29上に載置され、且つ端子93を固定した状態で、端子93を切断する。検出工程では、端子93の固定状態の、基底部97に沿う平面における位置及び姿勢の基準状態からのズレ量を検出するための情報を取得する。そして、移動工程では、検出工程で検出した情報に基づいて端子93の基底部97に沿う平面における位置及び姿勢を補正することにより、端子93を圧着位置Tに移動する。
(14) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法では、移動工程では、固定して移動する端子93の外形状に対応して用意された複数の移動部43を円周上に並ぶように配置して回転することにより、端子93を移動する。移動部43に固定された端子93の回転軌道上に、切断位置Sと、ズレ量を検出するための情報を検出工程にて取得する検出位置Rと、圧着位置Tと、が配されている。そして、移動工程では、複数の移動部43のうちの、選択された品番の端子93の外形状に対応した移動部43を、切断位置Sに位置付けて端子93を固定した後、検出位置R、圧着位置Tに順に位置付ける。
(15) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法では、移動工程では、端子93の接続部96を空気圧により吸着することによって、端子93を固定する。
(16) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法では、検出工程は、端子93が所定の検出位置Rに位置する状態で、端子93を基底部97と直交する(交差する)方向から撮影する撮影工程を含んでいる。検出工程では、撮影工程で取得した画像を、ズレ量を検出するための情報とし、当該画像に基づいて端子93の基底部97に沿う平面における位置及び姿勢を把握する。
(17) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法では、圧着部60に接続された演算部5を更に備えている。端子93は、相手方端子と接続するための接続部96と、接続部96に連設された平板状の基底部97と、基底部97の両側に対向して立設された、電線81の端部を加締めるための一対の加締片98と、を有している。そして、圧着工程では、加締片98の形状に対応して用意された複数の圧着型61のうちの、選択された品番の端子の加締片98の形状に対応した圧着型61を、圧着位置Tに位置付ける。
(18) 変形例2に係る端子圧着電線製造装置1における端子圧着電線の製造方法では、一対の圧着型61は、圧着時において加締片98の立設方向側に位置するクリンパと、圧着時において端子の基底部97側に位置するアンビルと、から成る。また、一対の圧着型61は、クリンパ側ベース部72,73から外側方向に向かって突出するように配置された、加締片98の形状に対応して各々が異なるクリンパ側形状を有する複数のクリンパ部76,77と、アンビル側ベース部74,75から外側方向に向かって突出するように配置された、加締片98の形状に対応して各々が異なるアンビル側形状を有する複数のアンビル部と78,79と、を有している。そして、圧着工程では、複数のクリンパ部76,77及び複数のアンビル部78,79のうちの、選択された品番の端子の加締片の形状に対応したクリンパ部76,77及びアンビル部78,7を、圧着位置Tに位置付けるように、クリンパ側ベース部72,73及びアンビル側ベース部74,75を回転する。
(19) 変形例1に係る端子圧着電線製造装置1における端子圧着電線の製造方法では、端子93の加締片98が、電線81の被覆部85を加締める一対の被覆加締片98aと、基底部97の長手方向における被覆加締片98aと異なる位置に立設された、電線81の導体部83を加締める一対の導体加締片98bと、を有している。クリンパは、被覆加締片98aを加締める第1クリンパと、導体加締片98bを加締める第2クリンパと、を有している。また、アンビルは、第1クリンパとの間で被覆加締片98aを加締める第1アンビルと、第1クリンパとの間で導体加締片98bを加締める第2アンビルと、を有している。圧着型61は、第1クリンパ側ベース部72から外側方向に向かって突出するように配置された、被覆加締片98aの形状に対応して各々が異なる第1クリンパ側形状を有する複数の第1クリンパ部76と、第2クリンパ側ベース部73から外側方向に向かって突出するように配置された、導体加締片98bの形状に対応して各々が異なる第2クリンパ側形状を有する複数の第2クリンパ部77と、第1アンビル側ベース部74から外側方向に向かって突出するように配置された、端子の被覆加締片98aの形状に対応して各々が異なる第1アンビル側形状を有する複数の第1アンビル部78と、第2アンビル側ベース部75から外側方向に向かって突出するように配置された、端子の導体加締片98bの形状に対応して各々が異なる第2アンビル側形状を有する複数の第2アンビル部79と、を有している。そして、圧着工程では、複数の第1クリンパ部76及び複数の第2クリンパ部77、並びに複数の第1アンビル部78及び複数の第2アンビル部79のうちの、端子供給部20から供給される端子93の被覆加締片98a及び導体加締片98bの形状に対応した第1クリンパ部76及び第2クリンパ部77、並びに第1アンビル部78及び第2アンビル部79を、圧着位置Tに位置付けるように、第1クリンパ側ベース部72及び第2クリンパ側ベース部73、並びに第1アンビル側ベース部74及び第2アンビル側ベース部75それぞれを回転する。
(20) 実施形態に係る端子圧着電線の製造方法では、端子供給ユニット21各々は、連鎖端子91を巻回して収容するリール部22を更に有している。そして、端子供給工程では、端子供給ユニット21各々のリール部22を円環状に並ぶように保持して回転することにより、選択された品番の端子93を切断位置Sに位置付ける。
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
例えば、上記実施形態では、1つの演算部5が、電線送り部10、端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60それぞれの動作を制御するする構成として説明したが、演算部5は複数あってもよく、例えば、第1演算部、第2演算部、及び第3演算部の3つの演算部を備え、各々が、端子供給部20、端子移送部40、及び圧着部60の制御を分担して実行する構成としても構わない。
また、上記実施形態では、リール台23によりリール部22を円環状に並ぶように保持し、当該リール台23を回転することによって選択された品番の端子93を供給する構成したが、選択された端子供給ユニット21により端子93を供給可能な構成であればよく、リール台の配置はこれに限られない。
また、上記実施形態では、切断刃27は、上方側から端子93に接近することにより、端子93をキャリア95から切断する構成としたが、端子93の下方側に配置され、上側に位置する押圧部28との間で挟むことにより、端子93を切断する構成としても構わない。
また、上記実施形態では、撮影部46が端子93を基底部97と直交する方向から撮影する構成としたが、直交する方向に限らず、基底部97と交差する方向から撮影しても構わない。また、上記実施形態では、検出部45が撮影部46と照明部47とから構成され、撮影した画像に基づいてズレ量を把握するとしたが、レーザを用いた検出や、複数の撮影部により取得した画像を用いる検出等であっても構わない。また、上記実施形態では、2次元平面上におけるズレ量を検出して3つの変数(第1の方向、第2の方向、回転角度)を補正する構成としたが、例えば3次元空間におけるズレ量を検出してもよく、補正する変数を適宜増減しても構わない。
また、上記実施形態では、移動部43が吸着により端子93を固定する構成としたが、一対のアームにより把持してもよいし、電磁吸着等の他の方法で固定しても構わない。また、上記実施形態では、移動部43が端子93の接続部96における上面を吸着する構成としたが、接続部96における加締片98とは反対側の端面を吸着する構成としても構わない。
1 端子圧着電線製造装置
5 演算部(第1演算部、第2演算部、第3演算部)
10 電線送り部
20 端子供給部
21 端子供給ユニット
22 リール部
23 リール台
24 リール台駆動装置
25 端子送り部
26 切断部
27 切断刃
28 押圧部
29 台座
40 端子移送部
41 回転保持部
43 移動部
45 検出部
46 撮影部
47 照明部
60 圧着部
61 圧着型
62 型保持部
63 クリンパ側保持部
64 アンビル側保持部
65 クリンパ部
65a クリンパ側形状部
66 アンビル部
66a アンビル側形状部
72 第1クリンパ側ベース部
73 第2クリンパ側ベース部
74 第1アンビル側ベース部
75 第2アンビル側ベース部
76 第1クリンパ部
77 第2クリンパ部
78 第1アンビル部
79 第2アンビル部
81 電線
91 連鎖端子
93 端子
95 キャリア
96 接続部
97 基底部
98 加締片
98a 被覆加締片
98b 導体加締片
A 作業開始位置
B 作業終了位置
S 切断位置
R 検出位置
T 圧着位置

Claims (16)

  1. 複数の端子が帯状のキャリアに並んで接続された連鎖端子と、前記連鎖端子を所定の切断位置まで送る端子送り部と、前記切断位置に位置付けられた前記端子を前記キャリアから切断して分離するための切断刃と、を各々が有する複数の端子供給ユニットであって、該端子供給ユニットごとに前記端子の品番が異なる複数の端子供給ユニット、を有し、前記複数の前記端子供給ユニットの中から前記品番の選択に基づいて選ばれた前記端子供給ユニットを用い、選択された品番の前記端子を前記連鎖端子から分離する端子供給部と、
    分離された前記選択された品番の前記端子を所定の圧着位置まで移動する端子移送部と、
    複数の圧着型を有し、前記複数の前記圧着型の中から前記選択された品番の前記端子の圧着形状に対応するように選ばれた前記圧着型を用い、前記圧着位置に位置する前記選択された品番の前記端子と電線の端部とを圧着接続する圧着部と
    前記端子移送部に接続された第1演算部と、を備え、
    前記端子移送部は、
    前記第1演算部の指示に従って移動する移動部であって前記選択された品番の前記端子を該移動部に対して固定した状態にて前記切断位置から前記圧着位置まで移動する移動部と、前記選択された品番の前記端子の前記移動部に対する固定状態と予め定められた基準状態との間のズレ量を検出するための情報を取得する検出部と、を備え、
    前記第1演算部は、
    前記検出部が取得した前記情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の位置及び姿勢を補正して前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に位置付けるように、前記移動部に指示を与える、
    端子圧着電線製造装置。
  2. 前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記端子供給ユニットは、
    前記選択された品番の前記端子の前記基底部が平面状の台座上に載置され且つ前記移動部に対して前記選択された品番の前記端子を固定した状態にて、前記選択された品番の前記端子を前記キャリアから切断して分離するように構成されており、
    前記検出部は、
    前記ズレ量として、前記基底部に沿う平面における前記選択された品番の前記端子の実際の位置及び姿勢と基準となる位置及び姿勢との間の相違を検出するための情報を取得するように構成されており、
    前記第1演算部は、
    前記検出部が取得した前記情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を補正して前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に位置付けるように、前記移動部に指示を与える、
    請求項に記載の端子圧着電線製造装置。
  3. 前記端子移送部は、
    前記品番ごとに定まる前記端子の外形状に対応可能であるように用意された複数の前記移動部と、前記複数の前記移動部を円周上に並べるように保持すると共に前記第1演算部の指示に従って回転する回転保持部と、を有し、
    前記回転保持部の回転に伴って前記複数の前記移動部が通過する回転軌道上に、前記切断位置と、前記ズレ量を検出するための情報を前記検出部が取得する検出位置と、前記圧着位置と、を配置しており、
    前記第1演算部は、
    前記選択された品番の前記端子の外形状に対応した前記移動部が前記切断位置、前記検出位置及び前記圧着位置をこの順に通過するように、前記回転保持部に指示を与える、
    請求項又は請求項に記載の端子圧着電線製造装置。
  4. 前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記移動部は、
    前記接続部を空気圧を用いて吸着することにより、前記選択された品番の前記端子を該移動部に対して固定する、
    請求項に記載の端子圧着電線製造装置。
  5. 前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記検出部は、
    前記ズレ量を検出するための情報を該検出部が取得する検出位置に前記選択された品番の前記端子が位置する状態にて、前記選択された品番の前記端子を前記基底部と交差する方向から撮影する、撮影部を有し、
    前記第1演算部は、
    前記情報として前記撮影部が取得した画像を用い、前記画像に基づいて前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を把握する、
    請求項に記載の端子圧着電線製造装置。
  6. 前記圧着部に接続された第2演算部を更に備え、
    前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記圧着部は、
    前記品番ごとに定まる前記加締片の形状に対応可能であるように用意された複数の前記圧着型と、前記複数の前記圧着型を移動可能に保持すると共に前記第2演算部の指示に従って移動する型保持部と、を有し、
    前記第2演算部は、
    前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記圧着型が前記圧着位置に位置付けられるように、前記型保持部に指示を与える、
    請求項1記載の端子圧着電線製造装置。
  7. 前記圧着型は、
    圧着時に前記加締片の立設方向側に位置するクリンパ部と、圧着時に前記基底部側に位置するアンビル部と、を含み、
    前記圧着部は、
    前記第2演算部の指示に従って回転するクリンパ側ベース部と、前記クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるクリンパ側形状を有する複数の前記クリンパ部と、前記第2演算部の指示に従って回転するアンビル側ベース部と、前記アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるアンビル側形状を有する複数の前記アンビル部と、を有し、
    前記第2演算部は、
    前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記クリンパ部及びアンビル部が前記圧着位置に位置付けられるように、前記クリンパ側ベース部及び前記アンビル側ベース部に指示を与える、
    請求項に記載の端子圧着電線製造装置。
  8. 前記加締片は、
    前記電線の被覆部を加締める一対の被覆加締片と、前記基底部の長手方向における前記被覆加締片と異なる位置に立設された前記電線の導体部を加締める一対の導体加締片と、を有し、
    前記クリンパ部は、
    前記被覆加締片を加締めるための第1クリンパ部と、前記導体加締片を加締めるための第2クリンパ部と、を有し、
    前記アンビル部は、
    前記被覆加締片を加締めるための第1アンビル部と、前記導体加締片を加締めるための第2アンビル部と、を有し、
    前記圧着部は、
    前記第2演算部の指示に従って回転する第1クリンパ側ベース部及び第2クリンパ側ベース部と、前記第1クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1クリンパ側形状を有する複数の前記第1クリンパ部と、前記第2クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2クリンパ側形状を有する複数の前記第2クリンパ部と、前記第2演算部の指示に従って回転する第1アンビル側ベース部及び第2アンビル側ベース部と、前記第1アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1アンビル側形状を有する複数の前記第1アンビル部と、前記第2アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2アンビル側形状を有する複数の前記第2アンビル部と、を有し、
    前記第2演算部は、
    前記選択された品番の前記端子が有する前記被覆加締片及び前記導体加締片の形状に対応した前記第1クリンパ部及び前記第2クリンパ部並びに前記第1アンビル部及び前記第2アンビル部が前記圧着位置に位置付けられるように、前記第1クリンパ側ベース部及び前記第2クリンパ側ベース部並びに前記第1アンビル側ベース部及び前記第2アンビル側ベース部に指示を与える、
    請求項に記載の端子圧着電線製造装置。
  9. 複数の端子が帯状のキャリアに並んで接続された連鎖端子と、前記連鎖端子を所定の切断位置まで送る端子送り部と、前記切断位置に位置付けられた前記端子を前記キャリアから切断して分離するための切断刃と、を各々が有する複数の端子供給ユニットであって、該端子供給ユニットごとに前記端子の品番が異なる複数の端子供給ユニット、の中から前記品番の選択に基づいて選ばれた前記端子供給ユニットを用い、選択された品番の前記端子を前記連鎖端子から分離する端子供給工程と、
    分離された前記選択された品番の前記端子を所定の圧着位置まで移動する端子移送工程と、
    複数の圧着型の中から前記選択された品番の前記端子の圧着形状に対応するように選ばれた前記圧着型を用い、前記圧着位置に位置する前記選択された品番の前記端子と電線の端部とを圧着接続する圧着工程と、を含
    前記端子移送工程は、
    前記選択された品番の前記端子を移動部に対して固定した状態にて前記切断位置から前記圧着位置まで移動する移動工程と、前記選択された品番の前記端子の固定状態と予め定められた基準状態との間のズレ量を検出するための情報を取得する検出工程と、を含み、
    前記移動工程は、
    前記検出工程において取得した情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の位置及び姿勢を補正しながら前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に移動する、
    端子圧着電線の製造方法。
  10. 前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記端子供給工程では、
    前記選択された品番の前記端子の前記基底部が平面状の台座上に載置され且つ前記移動部に対して前記選択された品番の前記端子を固定した状態にて、前記端子供給ユニットが前記選択された品番の前記端子を前記キャリアから切断して分離し、
    前記検出工程では、
    前記ズレ量として、前記基底部に沿う平面における前記選択された品番の前記端子の実際の位置及び姿勢と基準となる位置及び姿勢との間の相違を検出するための情報を取得し、
    前記移動工程では、
    前記検出工程にて取得した前記情報に基づき、前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を補正して前記選択された品番の前記端子を前記圧着位置に移動する、
    請求項に記載の端子圧着電線の製造方法。
  11. 前記移動工程では、
    前記品番ごとに定まる前記端子の外形状に対応可能であるように用意された複数の前記移動部を円周上に並べるように配置すると共に、前記複数の前記移動部を前記円周に沿って回転させることにより、前記端子を移動し、
    前記複数の前記移動部が通過する回転軌道上に、前記切断位置と、前記ズレ量を検出するための情報を前記検出工程にて取得する検出位置と、前記圧着位置と、が配置されており、
    前記移動工程では、
    前記選択された品番の前記端子の外形状に対応した前記移動部を前記切断位置、前記検出位置及び前記圧着位置の順に通過させる、
    請求項又は請求項10に記載の端子圧着電線の製造方法。
  12. 前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記移動工程では、
    前記接続部を空気圧を用いて前記移動部に吸着させることにより、前記選択された品番の前記端子を前記移動部に対して固定する、
    請求項に記載の端子圧着電線の製造方法。
  13. 前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記検出工程は、
    前記ズレ量を検出するための情報を取得する所定の検出位置に前記選択された品番の前記端子が位置する状態にて、前記選択された品番の前記端子を前記基底部と交差する方向から撮影する、撮影工程を含み、
    前記検出工程では、
    前記情報として前記撮影工程で取得した画像を用い、前記画像に基づいて前記選択された品番の前記端子の前記基底部に沿う平面における位置及び姿勢を把握する、
    請求項に記載の端子圧着電線の製造方法。
  14. 前記端子は、
    相手方端子と接続するための接続部と、前記接続部に連設された平板状の基底部と、前記基底部の両側に対向して立設された前記電線の端部を加締めるための一対の加締片と、を有し、
    前記圧着工程では、
    前記品番ごとに定まる前記加締片の形状に対応可能であるように用意された複数の前記圧着型のうちの前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記圧着型を、前記圧着位置に位置付ける、
    請求項に記載の端子圧着電線の製造方法。
  15. 前記圧着型は、
    圧着時に前記加締片の立設方向側に位置するクリンパ部、及び、圧着時に前記基底部側に位置するアンビル部であって、回転可能なクリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるクリンパ側形状を有する複数の前記クリンパ部、及び、回転可能なアンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記加締片の形状に対応して異なるアンビル側形状を有する複数の前記アンビル部、を有し、
    前記圧着工程では、
    前記選択された品番の前記端子が有する前記加締片の形状に対応した前記クリンパ部及びアンビル部を前記圧着位置に位置付けるように、前記クリンパ側ベース部及び前記アンビル側ベース部を回転させる、
    請求項14に記載の端子圧着電線の製造方法。
  16. 前記加締片は、
    前記電線の被覆部を加締める一対の被覆加締片と、前記基底部の長手方向における前記被覆加締片と異なる位置に立設された前記電線の導体部を加締める一対の導体加締片と、を有し、
    前記クリンパ部は、
    前記被覆加締片を加締めるための第1クリンパ部と、前記導体加締片を加締めるための第2クリンパ部と、を有し、
    前記アンビル部は、
    前記被覆加締片を加締めるための第1アンビル部と、前記導体加締片を加締めるための第2アンビル部と、を有し、
    前記圧着型は、
    圧着時に前記加締片の立設方向側に位置する第1クリンパ部及び第2クリンパ部、並びに、圧着時に前記基底部側に位置する第1アンビル部及び第2アンビル部であって、回転可能な第1クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1クリンパ側形状を有する複数の前記第1クリンパ部、及び、回転中心な第2クリンパ側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2クリンパ側形状を有する複数の前記第2クリンパ部、並びに、回転可能な第1アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記被覆加締片の形状に対応して異なる第1アンビル側形状を有する複数の前記第1アンビル部、及び、回転可能な第2アンビル側ベース部の回転中心から離れる向きに突出するように配置され且つ前記導体加締片の形状に対応して異なる第2アンビル側形状を有する複数の前記第2アンビル部と、を有し、
    前記圧着工程では、
    前記選択された品番の前記端子が有する前記被覆加締片及び前記導体加締片の形状に対応した前記第1クリンパ部及び前記第2クリンパ部並びに前記第1アンビル部及び前記第2アンビル部を前記圧着位置に位置付けるように、前記第1クリンパ側ベース部及び前記第2クリンパ側ベース部並びに前記第1アンビル側ベース部及び前記第2アンビル側ベース部を回転させる、
    請求項15に記載の端子圧着電線の製造方法。
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