JP2007035562A - 端子圧着装置の端子キャリア処理構造及び端子キャリア処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】端子圧着工程で各種材質の端子に対応してキャリアのリサイクル性を高める。
【解決手段】アプリケータ2の端子送り手段49で連鎖端子10,10’を送り、切断手段35で連鎖端子のキャリア15,15’から端子17を分離して、アンビル7とクリンパ6の間で端子に電線18を圧着接続する端子圧着装置1で、端子を分離させた残りのキャリア15,15’を巻き取って回収するキャリア回収装置14,14’を備える。キャリア回収装置としてキャリア回収リールを用いた。キャリア回収リール14,14’のキャリア収容空間25,25’を構成する二枚の支持板22のうちの少なくとも片方を着脱自在とした。キャリア回収装置14,14’はアプリケータ2とセットで交換する。
【選択図】図1

Description

本発明は、端子圧着装置のアプリケータにおいて連鎖端子の端子圧着後の不要なキャリアを材質毎に回収するようにした端子圧着装置の端子キャリア処理構造及び端子キャリア処理方法に関するものである。
図6は、従来の端子圧着装置の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この端子圧着装置51は、端子の種類毎に選択使用するアプリケータ2と、アプリケータ2のラム3を昇降駆動させる駆動手段4とを備えるものである。
アプリケータ2は、ラム3を昇降自在に支持するフレーム5と、ラム3に固定されたクリンパ6と、クリンパ6に対向して配置されたアンビル7と、ラム3の上端に設けられたシャンク8と、ラム3の昇降に伴って進退する端子送り爪9と、横連鎖端子10を端子リール(図示せず)からアンビル7まで水平に案内する端子ガイド12とを備えている。
駆動手段4は、ラム3の上端のシャンク8に側方からスライド係合するフック13と、フック13を固定したシリンダロッドを有する垂直な油圧ないし空圧のシリンダ(図示せず)と、シリンダを固定するフレーム(図示せず)とを備えている。シリンダに代えて、クランク軸と、クランク軸に偏心して設けられたロッドと、ロッドに連結され、シャンクに係合するフックと、クランク軸を駆動するモータとを備えた駆動手段(図示せず)を用いることもある。
図8(a)(b)は横連鎖端子の形態例を示すものである(特許文献1参照)。
図8(a)の横連鎖端子10は、複数の端子17を後端の繋ぎ片16を介して帯状のキャリア(連鎖体)15で並列に等ピッチで連結した片側連鎖端子である。本例の端子17は、基板部52の前半に雌型の電気接触部53を有し、後半に電線圧着片45を立ち上げて構成される。電線圧着片45は前側の導体圧着片45aと後側の絶縁被覆圧着片45bとで構成される。雌型の電気接触部53に代えて雄型の電気接触部を有する端子も使用される。
キャリア15には端子送り用の孔部47が等ピッチで設けられている。孔部47の位置は端子17の後端側に限るものではなく、端子17と端子17の間に配置されることもある。孔部47にアプリケータ2(図6)の端子送り爪9の先端の爪部9aが係合し、ラム3の下降動作で端子送り爪9が前進しつつ横連鎖端子10を端子ガイド12に沿って一ピッチずつ移動させる。
ラム3の下降に伴って送り方向前端の端子17が後述の切断手段でキャリア15から切断分離され、ラム3の下死点でアンビル上の端子17にクリンパ6で電線が圧着接続される。電線は自動又は手動でアンビル7の上に供給される。ラム3の上昇動作で端子送り爪9が後退して原位置に復帰する。この際、端子送り爪9の先端の爪部9aはばね(図示せず)の付勢力に抗して前方に回動してキャリア15の表面に摺接しつつ後退する。
図7(b)の横連鎖端子10’は、複数の端子17を後端と前端の各繋ぎ片16,16’を介して帯状の各キャリア(連鎖体)15,15’で並列に等ピッチで連結した両側連鎖端子である。本例の端子17は、基板部52の前半に雌型の電気接触部53を有し、後半に電線圧着片45を立ち上げて構成される。電線圧着片45は前側の導体圧着片45aと後側の絶縁被覆圧着片45bとで構成される。雌型の電気接触部53に代えて雄型の電気接触部を有する端子も使用される。
キャリア15には端子送り用の孔部47が等ピッチで設けられている。孔部47の位置は端子17の後端側に限るものではなく、端子17と端子17の間に配置されることもある。孔部47にアプリケータ2(図6)の端子送り爪9の先端の爪部9aが係合し、ラム3の下降動作で端子送り爪9が前進しつつ横連鎖端子10’を端子ガイド12に沿って一ピッチずつ移動させる。
ラム3の下降に伴って送り方向前端の端子17が後述の切断手段で両側のキャリア15,15’から切断分離され、ラム3の下死点でアンビル上の端子17にクリンパ6で電線が圧着接続される。電線は自動又は手動でアンビル7の上に供給される。ラム3の上昇動作で端子送り爪9が後退して原位置に復帰する。この際、端子送り爪9の先端の爪部9aはばね(図示せず)の付勢力に抗して前方に回動してキャリア15の表面に摺接しつつ後退する。
図8(a)(b)は、切断手段の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この切断手段35は、アンビル7の端子送り反対側に隣接して配置され、片側連鎖端子10のキャリア15を挿通させる水平な溝部54と、溝部54の前端と側端の各エッジ部(刃部)31,33とを有するシャーブレード30と、シャーブレード30を上向きに付勢するばね55と、シャーブレード30を下向きに押圧するラム3の下端の押圧部56とで構成されている。
アンビル7は端子17の導体圧着片45aと被覆圧着片45bとを受ける部分で構成され、アンビル7に対向して上方に導体圧着用と被覆圧着用の各部分6a,6bでなるクリンパ6が配置されている。端子17の電気接触部53は支持台19の上に載置され、アンビル7は支持台19内に配置され、シャーブレード30はばね55の付勢のもとで支持台19に昇降自在に保持されている。
シャーブレード30の前端のエッジ部31とアンビル7の手前の支持台19の後端のエッジ部32との間でキャリア15の繋ぎ片16が切断(剪断)され、シャーブレード30の側端のエッジ部33と支持台19の上端のエッジ部34との間でキャリア15がチップ状に切断(剪断)される。切断カスを符号48で示す。
図7(b)の両側連鎖端子10’の各キャリア15,15’を切断する場合は、図8の切断手段35を端子17の前後両側に配置して、前側のシャーブレードの後端のエッジ部と支持台のエッジ部とで端子17の前端の繋ぎ片16’を切断し、シャーブレード30の側端のエッジ部33と支持台19の側端のエッジ部34とで前側のキャリア15’を切断(剪断)する。切断カスを符号48,48’で示す。端子後側のキャリア15の切断は上記片側連鎖端子10の場合と同様である。
このようにして切断されたキャリア15,15’の切断カス(チップ)48,48’は回収箱(図示せず)に集められて適宜廃却される。
両側連鎖端子10’の場合は、切断手段35の構造が複雑化するために、前後のシャーブレード30の前後端のエッジ部31で両側連鎖端子10’の前後の繋ぎ片16,16’のみを切断し、両キャリア15,15’の切断は付属の切断機で行わせることもある。
図9は切断機の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
この切断機61は、固定刃62と回転刃63と、回転刃63を駆動するモータ64とを備え、固定刃62と回転刃63の間で両側連鎖端子10’の二本のキャリア15,15’を切断(剪断)するものである。両キャリア15,15’の切断カス(チップ)は回収箱(図示せず)に集められて適宜廃却される。
他の切断機として、卓上のキャリアカッタ(図示せず)をアプリケータ2から離して床上等に配置し、アプリケータ毎にキャリアカッタを共通で使用して、各アプリケータ2における端子圧着後のキャリア15を切断回収することも行われている(特許文献1参照)。
アプリケータ2における切断手段の他の形態として、特許文献2には、アプリケータのラムの昇降に伴ってカムとリンクの駆動で略L字状のシャーブレードを回動させつつ昇降させて横連鎖端子10の繋ぎ片16を切断する手法が開示されている。
なお、上記各例の横連鎖端子10,10’に対して、縦連鎖端子は複数の端子の前端と後端を相互に繋ぎ片で連結して等ピッチで直列に配置したものであり、帯状のキャリアは用いていない。キャリアに直列な各端子の側端を繋ぎ片で連結すれば、キャリアを有する縦連鎖端子が形成され、上記したような切断手段で縦連鎖端子の繋ぎ片とキャリアの切断が可能となる。このような縦連鎖端子や横連鎖端子10,10’を含めて連鎖端子と呼称する。繋ぎ片16,16’はキャリア15,15’と一体に残るから、キャリア15,15’と共に切断手段35や切断機61等で切断されて切断カスとして回収箱に集められる。繋ぎ片16,16’を含めてキャリア15,15’と呼称する。
特開平8−162248号公報(図1〜図8) 特開平8−264257号公報(図1〜図2)
しかしながら、上記従来の端子圧着装置の端子キャリア処理構造及び端子キャリア処理方法にあっては、連鎖端子10,10’のキャリア15,15’がアプリケータ毎の端子17の種類と無関係に一括して回収箱に集められるために、異なる金属材(例えば銅合金やアルミニウム合金等あるいは銅合金のなかでも合金の混合比率の異なるもの)のキャリア15,15’が回収箱内に混在してしまい、そのために資源の有効活用を目的としたリサイクル性が悪化する、あるいはリサイクルできないという問題を生じていた。
また、キャリア15,15’を切断するためのアプリケータ2における切断手段35やアプリケータ2とは別の切断機61を必要とするために、アプリケータ2の構造が複雑化・高コスト化したり、切断機61のコストが嵩んだり、切断手段35や切断機61における刃部のメンテナンスに多くの工数やコストがかかるといった問題があった。
本発明は、上記した点に鑑み、各種材質の端子に対応してキャリアのリサイクル性を高めると共に、キャリアの切断に伴うアプリケータの複雑化を抑え、切断手段や切断機にかかるメンテナンス等のコストを低減することのできる端子圧着装置の端子キャリア処理構造及び端子キャリア処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る端子圧着装置の端子キャリア処理構造は、アプリケータの端子送り手段で連鎖端子を送り、切断手段で該連鎖端子のキャリアから端子を分離して、アンビルとクリンパの間で該端子に電線を圧着接続する端子圧着装置において、前記端子を分離させた残りのキャリアを巻き取って回収するキャリア回収装置を備えたことを特徴とする。
上記構成により、端子を分離した残りのキャリアがキャリア吸収装置で巻き取られて連続した形状で回収される。従来のようにキャリアをチップ状に切断しないから、巻き取り済みのキャリアを材質毎に容易に分別して廃棄することができる。キャリア回収装置としては、キャリア回収リールやキャリア回収ローラ等が好適である。
請求項2に係る端子圧着装置の端子キャリア処理構造は、請求項1記載の端子圧着装置の端子キャリア処理構造において、前記キャリア回収装置がキャリア回収リールであることを特徴とする。
上記構成により、キャリア回収リールが回動しつつ、端子を分離済みのキャリアを巻き取って回収する。キャリア回収リールはアプリケータの端子送り手段によるキャリア送り力で回動させてもよく、モータ等の駆動手段で回動させてもよい。キャリア回収リールは支柱等で回動自在に支持される。連鎖端子を端子リールから繰り出して供給する場合、例えば端子リールと同じ径のキャリア回収リールを用いることで、端子リール毎にキャリアを回収することができ、別材質のキャリアの混入が確実に防止される。また、キャリア回収リールの軸部ないし軸部の近傍でキャリアを巻き取り始めるようにすることで、キャリア回収リールは端子リールよりもかなり小径に設定することができ、端子リールのように大きな場所をとることがなくなる。
請求項3に係る端子圧着装置の端子キャリア処理構造は、請求項2記載の端子圧着装置の端子キャリア処理構造において、前記キャリア回収リールのキャリア収容空間を構成する二枚の支持板のうちの少なくとも片方が着脱自在であることを特徴とする。
上記構成により、キャリア回収リールの片方の支持板を取り外して、巻き取り済みのキャリアをキャリア回収リールから簡単に排出させることができる。キャリア回収リールを支柱等で支持したまま、支持板を取り外すようにしてもよく、あるいは、キャリア回収リールを支柱等から取り外した後、支持板を取り外すようにしてもよい。キャリア回収リールを軸部と二枚の支持板とに分離するようにしてもよい。
請求項4に係る端子圧着装置の端子キャリア処理方法は、アプリケータの端子送り手段で連鎖端子を送り、切断手段で該連鎖端子のキャリアから端子を分離して、アンビルとクリンパの間で該端子に電線を圧着接続し、該端子を分離させた残りのキャリアを回収する端子圧着装置の端子キャリア処理方法において、前記端子を分離させた残りのキャリアをキャリア回収装置で巻き取って回収することを特徴とする。
上記構成により、端子を分離した残りのキャリアがキャリア吸収装置で巻き取られて連続した形状で回収される。従来のようにキャリアをチップ状に切断しないから、巻き取り済みのキャリアを材質毎に容易に分別して廃棄することができる。キャリア回収装置としては、キャリア回収リールやキャリア回収ローラ等が好適である。
請求項5に係る端子圧着装置の端子キャリア処理方法は、請求項4記載の端子圧着装置の端子キャリア処理方法において、前記キャリア回収装置を前記アプリケータとセットで交換することを特徴とする。
上記構成により、第一のアプリケータで第一の連鎖端子の端子の圧着を行いつつ、生じた第一のキャリアを第一のキャリア回収装置で連続的に回収し、第一のアプリケータによる端子の圧着作業が収容したら、第一のアプリケータを第二のアプリケータに交換し、それと同時に第一のキャリア回収装置を第二のキャリア回収装置に交換して、第二のアプリケータで第二の連鎖端子の端子の圧着を行いつつ、生じた第二のキャリアを第二のキャリア回収装置で連続的に回収することで、材質の異なる第一のキャリアと第二のキャリアとをキャリア回収リール毎に確実に分別することができる。
請求項1記載の発明によれば、端子を分離した残りのキャリアを連続的に巻き取って、巻き取ったキャリア毎に材質に応じて簡単に分別して廃棄することができるから、従来のようにキャリアの廃棄材に異種の金属材が混入することがなく、例えば連鎖端子の材料メーカーでキャリアを再利用して同じ連鎖端子や他の部品等を形成することで、キャリア材のリサイクル性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、既存の端子リールと同じないし類似のキャリア回収リールを用いることで、低コストで確実に異種材の混入なくキャリアの回収を行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、少なくとも片方の支持板を外して、巻き取り済みのキャリアを廃棄箱等に簡単且つ迅速に廃棄することができ、キャリアの回収作業性が向上する。
請求項4記載の発明によれば、端子を分離した残りのキャリアを連続的に巻き取って、巻き取ったキャリア毎に材質に応じて簡単に分別して廃棄することができるから、従来のようにキャリアの廃棄材に異種の金属材が混入することがなく、例えば連鎖端子の材料メーカーでキャリアを再利用して同じ連鎖端子や他の部品等を形成することで、キャリア材のリサイクル性が向上する。
請求項5記載の発明によれば、アプリケータの種類毎に専用のキャリア回収装置を用いることで、キャリア回収装置毎にキャリアの材質が規定され、異種材のキャリアの混入が確実に防止され、キャリア材のリサイクル性が一層確実に向上する。
図1〜図3は、本発明に係る端子圧着装置の端子キャリア処理構造及び端子キャリア処理方法の一実施形態を示すものである。
端子圧着装置1は、従来同様に、端子の種類毎に選択使用するアプリケータ2と、アプリケータ2のラム3を昇降駆動させる駆動手段4とを備えるものであり、アプリケータ2は、ラム3を昇降自在に支持するフレーム5と、ラム2に固定されたクリンパ6と、クリンパ6に対向して下側に配置されたアンビル7と、ラム2の上端に設けられた円板状のシャンク8と、ラム3の昇降に伴って進退する端子送り爪9と、横連鎖端子10を端子リール11からアンビル7まで水平に案内する端子ガイド12とを備えている。
端子圧着装置1の駆動手段4は、ラム2の上端のシャンク8に側方からスライド係合するフック13と、フック13に連結したシリンダロッドを有する垂直な油圧又は空圧式のシリンダ(図示せず)と、シリンダを固定するフレーム(図示せず)とを備えている。シリンダに代えて、偏心した水平ロッドを有するクランク軸(図示せず)と、ロッドに連結されて、シャンク8に係合するフック13と、クランク軸を駆動するモータ(図示せず)とを備えた駆動手段を用いることもある。
上記端子圧着装置1は、端子キャリア処理構造として、アプリケータ2の外側に近接してキャリア回収リール(キャリア回収装置)14を備えており、アプリケータ2の切断手段で横連鎖端子10のキャリア15の繋ぎ片15(図4)を切断して、クリンパ6とアンビル7の間で端子17に電線18を圧着しつつ、アンビル7を含む支持台19からキャリア15を端子送り方向に導出させて、キャリア回収リール14に連続的に巻き付けて回収する。この構成及び以下に記載する構成は、端子圧着装置1の端子キャリア処理方法としても有効である。
図1の例で、キャリア回収リール14は支柱20でアプリケータ2に固定されており、キャリア回収リール14をアプリケータ2と一体的に使用し、横連鎖端子15の種類に応じてアプリケータ2を変更した際に、キャリア回収リール14も一体的にセットで交換され、キャリア回収リール14には常に同じ種類の同一の材質のキャリア15が収容される。
キャリア回収リール(リール本体)14は、中心の軸部21と左右の二枚の円板22とで構成され、キャリア回収リール14と支柱20と好ましくは駆動用のモータ23とで回収リール組立体24が構成される。二枚の円板(支持板)22の間にキャリア回収空間25(図3)が形成される。
本例において支柱20は端子送り方向にほぼ水平に配置され、支柱20の基端部がアプリケータ2の水平な基板部26にボルト等の固定手段27で固定され、支柱20の先端部にキャリア回収リール14の軸部21が円板22の外側で回動自在に支持されている。アプリケータ2の基板部26ではなく垂直なフレーム5に支柱20の基端部を固定してもよい。支柱20の先端部は軸受28を兼ねている。
支柱20は二本として、一方の支柱20で軸部21の一端部を、他方の支柱20で軸部21の他端部をそれぞれ凹字状の軸受28で下から受けるように着脱自在に支持することが好ましい。支柱20を一本とした場合は、支柱の先端の軸受で軸部21を全周に渡って保持する。何れの場合も、軸部に少なくとも一方の円板22を着脱自在とすることで、軸部21から円板22を外してキャリア15の取り出しを簡単に行わせることができる。
軸部21はモータ23でキャリア巻取り方向にゆっくりと駆動することが好ましい。モータ23は例えば支柱20にブラケット29(図4)等で固定され、モータ23の減速ギヤ等を介した駆動軸(図示せず)が例えばキャリア回収リール14の軸部21に連結されて、キャリア回収リール14を回動させる。キャリア回収リール14の円板22は軸部21と一体に回動する。
例えば軸部21の外周面に設けた溝ないし孔部(図示せず)、又は軸部21に固定された一方の円板22の内面に設けたフック部等にキャリア15の先端部を引っ掛ける等して仮固定し、アプリケータ2による端子17の圧着毎にキャリア15を切断手段で切断しつつ一ピッチずつ送って、モータ駆動のキャリア回収リール14で巻き取って回収する。モータ23によるキャリア回収リール14の駆動は常時行わずに、キャリア15が弛んだ時点で間欠的に行わせるようにしてもよい。
モータ23を装着しない場合は、端子送り爪9によるキャリア15の送り出し力でキャリア回収リール14を回動させつつキャリア15を巻き取らせることも可能である。この場合、キャリア15の先端部は軸部21ではなく円板22の径方向中間部のフック部等に仮固定することが、キャリア回収リール14の回転力を得る上で好ましい。また、軸部21を支柱20の先端部28に固定し、円板22を軸部21の外周面に回動自在に係合させることも可能である。
モータ23で軸部21ではなくギア等を介して円板22を回動させることも可能であり、この場合も、軸部21を支柱20に固定し、円板22を軸部21に回動自在に係合させる。
モータ23を支柱20に固定し、モータ23の矩形状の駆動軸(図示せず)をキャリア回収リール14の軸部21の矩形状の穴部(図示せず)に挿抜自在に係合させれば、モータ23や支柱20からのキャリア回収リール14の取り外しを容易に行わせることができる。駆動軸(図示せず)にばね付勢のボールプランジャを設け、穴部にボールを係合させる凹部を設けることも可能である。キャリア回収リール14の容易な取り外しは、回収済みのキャリア15を廃棄する作業を容易化する。
二枚の円板22の内側のキャリア回収空間25(図3)において円板22の内側面から板ばね等のばね部材(図示せず)を軸部に向けて突出させ、ばね部材でキャリア15のリール径方向の拡がりを抑えつつ、キャリア15を巻き取らせるようにすることも可能である。
図3(側面図)の如く、キャリア回収リール14は支持台19のアンビル7の側方において縦置きに配されている。図3においては、キャリア回収リール14で片側連鎖端子10の一本のキャリア15を回収する場合を示しているが、両側連鎖端子の二本のキャリア15,15’(図5)を回収することも可能である。
図4は片側連鎖端子用のキャリア回収リール14の一例、図5は両側連鎖端子用のキャリア回収リール14’の一例をそれぞれ示すものである。
図4の片側連鎖端子用のキャリア回収リール14は、例えば従来例の図7(a)の片側連鎖端子10に対応するもので(片側連鎖端子10の各端子17として雌端子でなく雄端子を用いた場合も同様である)、各端子17の後端を繋ぎ片16で連結させた帯状のキャリア15よりも幅広なキャリア収容空間25を有している。キャリア15には繋ぎ片16が残っているから、繋ぎ片16がキャリア回収リール14の円板22に引っ掛からずにスムーズに回収できる程度の幅にキャリア収容空間25を設定する。
片側連鎖端子用のキャリア回収リール14を用いる場合のアプリケータ2の切断手段は、従来の図8の切断手段におけるシャーブレード30の前端のエッジ部(刃部)31とその下側の支持台19の後端のエッジ部(刃部)32のみを必要とし、シャーブレード30の側端のエッジ部(刃部)33やその下側の支持台19の側端のエッジ部(刃部)34は不要であるので、切断手段35の構成が簡素化され、メンテナンスも容易化する。
図5の両側連鎖端子用のキャリア回収リール14’は、例えば従来例の図7(b)の両側連鎖端子10’に対応するもので(両側連鎖端子10’の各端子17として雌端子でなく雄端子を用いた場合も同様である)、各端子17の前端と後端を各繋ぎ片16,16’で連結させた二本のキャリア15,15’の幅よりも広いキャリア収容空間25’を有している。二枚の円板22の間には第三の円板(隔壁)36を配置して、前後の各キャリア15,15’を相互に干渉させないようにスムーズに巻き取らせることも可能である。
また、二枚の円板22の間隔を図5におけるよりも狭く設定し(円板22の間隔を各キャリア15,15’の幅の総計よりも少し広い程度に設定し)、アプリケータ2の支持台19から導出された二本のキャリア15,15’を内向きに相互に近づけながら、キャリア回収リール14’に巻き取らせるようにすることも可能である。この場合、両円板22の外周には斜め外向きに突出したガイド部(図示せず)を設けることが好ましい。
両側連鎖端子用のキャリア回収リール14’を用いる場合、図3のアプリケータ2の支持台19において端子17の前端側にも後端側と同様の切断手段(図8参照)が設けられる。切断手段は、図8の切断手段35におけるシャーブレード30の前端のエッジ部(刃部)31とそれに対応する支持台19の後端のエッジ部(刃部)32のみを必要とし、シャーブレード30の側端のエッジ部(刃部)33等は不要であるので、切断手段の構成が簡素化され、メンテナンスも容易化する。
キャリア回収リール14,14’の直径は、図1の端子リール11に巻かれた全てのキャリア15,15’を全長に渡って巻き取ることができる直径に設定されることが好ましい。端子リール11に巻かれた連鎖端子10,10’のキャリア15,15’をそのままの長さでキャリア回収リール14,14’に巻き取るようにする。一般的に端子リール11には軸部37からではなく円板38の径方向の中間部から連鎖端子10,10’が巻き始められているから、キャリア回収リール14,14’の軸部21,22’又は円板22の軸部近傍の部分からキャリア15,15’を巻き始めるようにすれば、キャリア回収リール14,14’の直径は端子リール11の直径よりもだいぶ小径化される。
各キャリア回収リール14,14’をさらに小径化し、端子圧着途中でキャリア回収リール14,14’がキャリア15,15’で一杯になった場合は、キャリア回収リール14,14’の近くでキャリア15をペンチ等で切断し、キャリア回収リール14,14’から巻き取り済のキャリア15,15’を取り出し、キャリア回収リール14,14’にキャリア15,15’の途中始端をセットし直すことが可能である。
この場合、キャリア回収リール14,14’の片方の円板22を軸部21,21’から離脱させてワンタッチでキャリア15,15’を取り出すことができる。キャリア回収リール14,14’にキャリア15,15’を全長に渡って巻き取った場合も、同様にキャリア回収リール14,14’の片方の円板22を軸部21,21’から離脱させてワンタッチでキャリア15,15’を取り出すことができる。勿論、端子リール11と同じ大きさ形状のものをキャリア回収リール14,14’として共用することも可能である。
また、図7(a)の片側連鎖端子10のキャリア15を巻き取るのに、図5のような幅広なキャリア収容空間25’を有するキャリア回収リール14’を用い、キャリア15を収容空間25’に一列にではなく二列等の複数列に巻き取るようにすることも可能である。この場合、例えばキャリア回収リール14’を一回転毎にソレノイド等の移動手段で幅方向に移動(進退)させることが好ましい。
以下に上記キャリア回収リール14を含む端子圧着装置1の構成と作用を説明する。キャリア回収リール14’についても同様である。
図1において、アプリケータ2のラム3は上死点にあり、アンビル7上には圧着済みの電線18付きの端子17が載置され、電線付きの端子17は無端ベルト上のクランプ(図示せず)又は作業者の手で把持されてアプリケータ2から排出される。ラム3に設けたカム39はローラ状のフォロア40の上側に接し、フォロア40に続く横方向のシャフト41に縦方向の揺動リンク42を介して端子送り爪9が横方向に設けられ、揺動リンク42はばね43で端子送り爪9を端子送り反対方向に移動した状態に付勢されている。揺動リンク42と端子送り爪9とで端子送り手段49が構成されている。
端子リール11はキャリア回収リール14と同様に二枚の対向する円板38の中心を軸部37で支柱(図示せず)に支持して構成され、連鎖端子10を繰り出すモータ(図示せず)を備えていることが好ましい。端子リール11の位置はアプリケータ2の側方に限らず上方ないし後方等であってもよい。
キャリア回収リール14の位置もアンビル7を含む支持台19の側方に限らず、図1よりも上方又は下方又は後方又は前方とすることが可能である。キャリア回収リール14を上方や下方に配置した場合、支持台19からキャリア回収リール14にかけてキャリア15に弛みをもたせて、アンビル上の端子17に持ち上げや引張等の力が作用しないように、例えば支持台19のキャリア回収リール側に、キャリア15の持ち上がり等を防止するキャリアガイド(ガイド板)等を設けることが好ましい。
キャリア回収回収リール14を図1よりも上方や下方に配置する場合は、支柱20を水平でなく垂直や斜め上方ないし斜め下方に向けて配置する。支柱20は折り畳み式としたり、アプリケータ2に着脱可能とすることが、使用後にアプリケータ2を収納棚(図示せず)に省スペースで収納する上で好ましい。
図1の実施形態においては、キャリア回収リール14を支柱20でアプリケータ2に固定したが、キャリア回収リール14をアプリケータ2の外側において鎖線の如く装置フレーム(基台)44や床等に支柱20’で固定することも可能である。その場合、キャリア回収リール14はアプリケータ2とは分離して収納棚に収納されることになるが、一種類のアプリケータ2を使用した後にキャリア回収リール14を支柱20’から取り外して片側の円板22を外し、あるいは支柱20’から取り外すことなく片側の円板22を外して、巻き取り済みのキャリア15をキャリア回収リール14から巻かれたままの状態でワンタッチで取り外して、材質毎の廃棄箱(図示せず)に廃棄することが可能である。キャリア回収リール14はアプリケータ2とセットで交換し、そのキャリア回収リール14には常に同一種類の材質のキャリア15が回収されるようにすることが好ましい。廃棄箱は連鎖端子10,10’の材料メーカーに返還される。
端子圧着装置1に対するアプリケータ2の装着は、駆動手段4のフック13にラム3の上端のシャンク8をスライド式に係合させると共に、下側の基板26を装置フレーム44の基台に固定させることで行われ、アプリケータ2の離脱はその逆の操作で行われる。
図1の状態から端子圧着装置1の駆動手段4でラム3が下降され、図2の如く、ラム3と一体にクリンパ6が下降する。駆動手段4は従来同様の圧力シリンダ又はクランク軸とモータ等である。クリンパ6は下端部に端子17の圧着片45(図3,図7)を内向きに加締める形状の溝部46を有する。圧着片45は前側の導体圧着片45aと後側の絶縁被覆圧着片45bとで構成され、図3の如くクリンパ6(6a,6b)は導体圧着片45aと絶縁被覆圧着片45bとに対応して前後に二枚配置される。
ラム3の下降に伴ってラム3のカム39がフォロア40をシャフト41と共に外向きに押しやり、リンク42がばね43の付勢に抗して端子送り方向に回動し、端子送り爪9がキャリア15の孔部47に係合した状態で横連鎖端子10を端子一ピッチ分移動させ、端子17をアンビル7の上に供給する。
クリンパ6の下降に伴ってキャリア15の繋ぎ片16(図7)が切断され、端子17がキャリア15から切り離され、その状態でクリンパ6が端子17の圧着片45を加締めて電線18の端末の露出した導体(芯線部)に圧着接続する。キャリア15は端子送り爪9の動作によってキャリア回収リール14に向けて一ピッチずつ送り出され、好ましくはモータ23の連続駆動又は断続駆動で連続的又は断続的にキャリア回収リール14に巻き取られる。
一つのアプリケータ2で端子17の圧着作業が終了した時点で、あるいはアプリケータ2に付設された端子リール11が空になった時点で、そのアプリケータ2に付設されたキャリア回収リール14の円板22を外して巻き取り済みのキャリア15を取り出して、材質毎の廃棄箱(図示せず)に廃棄する。
複数種のアプリケータ2を同時に用いて複数種の材質の連鎖端子10を同時に圧着加工する場合は、アプリケータ毎に専用のキャリア回収リール14を用いてキャリア15の回収を行うことが好ましい。キャリア回収リール14には、使用する連鎖端子10の材質が判別できるように、識別マーク等を付しておくことが好ましい。
端子圧着装置1の駆動手段4を共通で用いて、アプリケータ2のみを別の種類の連鎖端子用に変更する場合は、変更する新たなアプリケータ2に専用のキャリア回収リール14を用いてキャリア15の回収を行うこと好ましい。別のアプリケータ2に一つのキャリア回収リール14を共通で用いる場合は、アプリケータ毎に圧着作業を完了した時点で巻き取り済みのキャリア15を廃棄箱(図示せず)に廃棄する。
なお、上記実施形態においては、キャリア回収リール14,14’を用いたが、キャリア回収リール14,14’に代えて例えばキャリア回収ローラ(図示しないキャリア回収装置)を用いることも可能である。キャリア回収ローラは両側の大径な円板22がなく、均一な外径のローラにキャリア15を巻き付けるものであり、キャリア回収リール14と同様にモータ23で回動させることが好ましい。両側の円板22がなくても、キャリア15を綺麗に巻き取る必要はないので、実使用上は何ら問題ない。
また、モータ23に代えて、キャリア回収リール14,14’やキャリア回収ローラをソレノイドやエアシリンダ等の駆動手段(図示せず)で回動させることも可能である。この場合、例えばソレノイドの伸長したプランジャで、キャリア回収リール14,14’の円板22に設けた突起を押圧してキャリア回収リール14,14’を断続的に回動させる。
また、キャリア回収リール14,14’やキャリア回収ローラを用いずに、アプリケータ2から導出(排出)されたキャリア15をアプリケータ2毎の専用の回収箱(図示しないキャリア回収装置)に導入して回収し、アプリケータ2の使用が終了した時点で回収箱内のキャリア15を材質毎の廃棄箱(図示せず)に廃棄することも可能である。回収箱は上記キャリア回収リール14,14’やキャリア回収ローラと同様にアプリケータ2とセットで交換することが好ましい。
また、上記実施形態においては、片側連鎖端子10や両側連載端子10’として横連鎖端子を用いたが、例えば縦連鎖端子(図示せず)のキャリアが各端子17と平行に帯状に設けられている場合は、アプリケータ2の切断手段で、縦連鎖端子の各端子の前後端を繋ぐ繋ぎ片を切断し、キャリアを上記キャリア回収リール14,14’やキャリア回収ローラや回収箱等で回収することが可能である。
また、上記実施形態においては端子リール11を用いてアンビル7上に端子17を供給したが、端子リール11を用いずに連鎖端子を長尺形状のままアンビル上に供給することも可能である。また、キャリア回収リール14,14’を支柱20で支持する代わりに、パネル板等を用いて回動自在に支持することも可能である。
本発明に係る端子圧着装置の端子キャリア処理構造及び端子キャリア処理方法の一実施形態の端子圧着前の状態を示す正面図である。 同じく端子圧着及びキャリア送り出し時の状態を示す正面図である。 同じく図1に対応した端子圧着前の状態を示す正面図である。 片側連鎖端子用のキャリア回収リールを示す平面図である。 両側連鎖端子用のキャリア回収リールを示す平面図である。 従来の端子圧着装置の一形態を示す正面図である。 (a)は片側連鎖端子の一例、(b)は両側連鎖端子の一例をそれぞれ示す平面図である。 (a)はアプリケータのキャリア切断手段の一例を示す要部を断面とした側面図、(b)は同じく切断手段を示す背面図である。 従来のキャリア切断機の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 端子圧着装置
2 アプリケータ
6 クリンパ
7 アンビル
10,10’連鎖端子
14,14’キャリア回収リール(キャリア回収装置)
15,15’キャリア
17 端子
18 電線
22 支持板
25,25’キャリア収容空間
35 切断手段
49 端子送り手段

Claims (5)

  1. アプリケータの端子送り手段で連鎖端子を送り、切断手段で該連鎖端子のキャリアから端子を分離して、アンビルとクリンパの間で該端子に電線を圧着接続する端子圧着装置において、前記端子を分離させた残りのキャリアを巻き取って回収するキャリア回収装置を備えたことを特徴とする端子圧着装置の端子キャリア処理構造。
  2. 前記キャリア回収装置がキャリア回収リールであることを特徴とする請求項1記載の端子圧着装置の端子キャリア処理構造。
  3. 前記キャリア回収リールのキャリア収容空間を構成する二枚の支持板のうちの少なくとも片方が着脱自在であることを特徴とする請求項2記載の端子圧着装置の端子キャリア処理構造。
  4. アプリケータの端子送り手段で連鎖端子を送り、切断手段で該連鎖端子のキャリアから端子を分離して、アンビルとクリンパの間で該端子に電線を圧着接続し、該端子を分離させた残りのキャリアを回収する端子圧着装置の端子キャリア処理方法において、前記端子を分離させた残りのキャリアをキャリア回収装置で巻き取って回収することを特徴とする端子圧着装置の端子キャリア処理方法。
  5. 前記キャリア回収装置を前記アプリケータとセットで交換することを特徴とする請求項4記載の端子圧着装置の端子キャリア処理方法。
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