JP6322327B1 - 流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法及び流動床式ガス化炉 - Google Patents

流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法及び流動床式ガス化炉 Download PDF

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【課題】流動層の温度が550℃以下の場合においても、炉本体から排出される熱分解ガスの温度を上昇させることが可能な流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法を提供すること。【解決手段】流動床式ガス化炉の炉本体(10)へ酸素含有ガスを供給する方法であって、前記炉本体(10)内に、流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動層(18)であって550℃以下のものを形成する流動層形成工程と、前記流動層(18)に廃棄物を供給する廃棄物供給工程と、前記流動層(18)の表面に向けて前記酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給工程と、備えること。【選択図】図1

Description

本発明は、流動床式ガス化炉に関するものである。
従来、流動層で廃棄物を加熱することによって熱分解ガス(COや水蒸気等)を生じさせる流動床式ガス化炉が知られている。例えば、特許文献1には、流動床式ガス化炉とその下流側に設けられた溶融炉とを備えるガス化溶融炉が開示されている。流動床式ガス化炉は、筒状に形成された炉本体と、流動媒体が流動化することによって形成される流動層を形成するための底壁部と、を有している。炉本体の下部には、流動媒体を流動化させるための燃焼空気を導入するための空気導入空間部が形成されており、炉本体の上部には、流動層において廃棄物が加熱されることで生じた熱分解ガスを燃焼させるためのフリーボードが形成されている。
この流動床式ガス化炉では、空気導入空間部に流動媒体を流動化させるための燃焼空気を供給することによって炉本体内に流動層を形成することと、その流動層に廃棄物を供給することと、流動層において廃棄物が加熱されることで生じた熱分解ガスを燃焼させるための燃焼空気をフリーボードに供給することと、が行われる。なお、フリーボードにおいて熱分解ガスを燃焼させるのは、ガス化炉の下流側に設けられた溶融炉に高温の熱分解ガスを導入するため、換言すれば、溶融炉での熱分解ガスの燃焼を促進させる(着火性を向上させる)ためである。
特開2010−236733号公報
特許文献1に記載されるような流動床式ガス化炉では、流動層において廃棄物を安定的に燃焼させるため(安定的に熱分解ガスを発生させるため)に、流動層の温度が低く維持されること(例えば550℃以下とされること)が望ましい。しかし、特許文献1に記載されるようなガス化炉において流動層の温度が550℃以下になると、ガス化炉から排出される熱分解ガスの温度が低下する場合がある。
本発明の目的は、流動層の温度が550℃以下の場合においても、ガス化炉から排出される熱分解ガスの温度を上昇させることが可能な流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法及び流動床式ガス化炉を提供することである。
前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明らは、550℃よりも高温の流動層で生じた熱分解ガスは、フリーボードに供給された空気に含まれる酸素と反応することによって発火するが、550℃以下の温度を有する流動層で生じた熱分解ガスの温度は、フリーボードにおいて発火温度(酸素と反応することによって発火する温度)に達しておらず、むしろ、フリーボードに供給された空気に当該熱分解ガスが冷却されることによって低下することを見出した。
そこで、本発明者らは、流動層の表面付近には火炎が存在することに着目し、その火炎を酸素含有ガスと熱分解ガスとの混合ガスに引火させることにより、ガス化炉から排出される熱分解ガスの温度の上昇が可能となることに想到した。
本発明は、上記の観点に基づいてなされたものである。具体的に、本発明は、流動床式ガス化炉の炉本体へ酸素を含有するガスである酸素含有ガスを供給する方法であって、前記炉本体内に、流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動層であって550℃以下のものを形成する流動層形成工程と、前記流動層に廃棄物を供給する廃棄物供給工程と、前記流動層の表面に向けて前記酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給工程と、備える、流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法を提供する。
本酸素含有ガス供給方法では、火炎が存在する流動層の表面に向けて酸素含有ガスが供給されるので、その酸素含有ガスと熱分解ガスとの混合ガスに火炎が引火する。よって、炉本体から排出される熱分解ガスの温度が有効に上昇する。
この場合において、前記酸素含有ガス供給工程では、前記ガス化炉のうち前記流動層の表面よりも高い部位から前記流動層の表面の中心部に向かって斜め下向きに前記酸素含有ガスを供給することが好ましい。
このようにすれば、流動層の表面に存在する火炎がより確実に混合ガスに引火する。
また、前記酸素含有ガス供給工程では、7m/s以上の流速で前記酸素含有ガスを供給することが好ましい。
このようにすれば、酸素含有ガスが流動層の表面に有効に到達するので、流動層の表面付近に、火炎が前記混合ガスに引火しやすい酸素濃度(例えば6wet%〜10wet%)を有する領域が有効に形成される。よって、流動層の表面付近において熱分解ガスの燃焼が促進されるので、炉本体から排出される熱分解ガスの温度がより確実に上昇する。
この場合において、前記酸素含有ガス供給工程では、20m/s以下の流速で前記酸素含有ガスを供給することが好ましい。
このようにすれば、酸素含有ガスが流動層の表面において散逸されることが抑制されるので、流動層の表面付近に、酸素含有ガスの塊、つまり、前記酸素濃度を有する領域がより確実に形成される。
また、本発明は、流動床式ガス化炉であって、炉本体と、前記炉本体内に、流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動層であって550℃以下のものを形成する流動層形成部と、前記炉本体内に酸素を含有するガスである酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、を備え、前記酸素含有ガス供給部は、前記流動層の表面に向けて前記酸素含有ガスを供給する、流動床式ガス化炉を提供する。
本流動床式ガス化炉では、火炎が存在する流動層の表面に向けて酸素含有ガス供給部が酸素含有ガスを供給するので、その酸素含有ガスと熱分解ガスとの混合ガスに火炎が引火する。よって、炉本体から排出される熱分解ガスの温度が有効に上昇する。
この場合において、前記酸素含有ガス供給部は、前記炉本体のうち前記流動層の表面よりも高い部位に、前記流動層の表面の中心部に向かって斜め下向きに前記酸素含有ガスを供給可能な姿勢で接続されたノズルを有することが好ましい。
このようにすれば、流動層の表面に存在する火炎がより確実に酸素含有ガスに引火する。
また、前記酸素含有ガス供給部は、7m/s以上の流速で前記酸素含有ガスを供給することが好ましい。
このようにすれば、酸素含有ガスが流動層の表面に有効に到達するので、流動層の表面付近に、火炎が前記混合ガスに引火しやすい酸素濃度(例えば6wet%〜10wet%)を有する領域が有効に形成される。よって、流動層の表面付近において熱分解ガスの燃焼が促進されるので、炉本体から排出される熱分解ガスの温度がより確実に上昇する。
この場合において、前記酸素含有ガス供給部は、20m/s以下の流速で前記酸素含有ガスを供給することが好ましい。
このようにすれば、酸素含有ガスが流動層の表面において散逸されることが抑制されるので、流動層の表面付近に、酸素含有ガスの塊、つまり、前記酸素濃度を有する領域がより確実に形成される。
また、前記酸素含有ガス供給部は、前記炉本体の頂部の温度が所定の範囲に収まるように前記酸素含有ガスの供給量を調整する調整部を有することが好ましい。
このようにすれば、炉本体の頂部の温度が所定の範囲に維持される。
以上のように、本発明によれば、流動層の温度が550℃以下の場合においても、炉本体から排出される熱分解ガスの温度を上昇させることが可能な流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法及び流動床式ガス化炉を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態の流動床式ガス化炉の概略を示す図である。 本発明の実施例の炉本体及び条件1の概略を示す図である。 図2の部分拡大図である。 図2の平面視における概略図である。 条件1における時間と流動層の表面への給気量との関係を示すグラフである。 条件1における時間と流動層及び炉頂の温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例の条件2−aの概略を示す図である。 本発明の実施例の条件2−b及び条件3−bの概略を示す平面図である。 本発明の実施例の条件3−aの概略を示す図である。 条件1における流速と6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域との関係を示すグラフである。 条件2−aにおける流速と6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域との関係を示すグラフである。 条件2−bにおける流速と6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域との関係を示すグラフである。 条件3−aにおける流速と6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域との関係を示すグラフである。 条件3−bにおける流速と6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域との関係を示すグラフである。 時間とフリーボードへの給気量との関係を示すグラフである。 時間と流動層及び炉頂の温度との関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態の流動床式ガス化炉について、図1を参照しながら説明する。
図1に示されるように、本実施形態の流動床式ガス化炉は、炉本体10と、流動層形成部20と、酸素含有ガス供給部30と、を備えている。なお、流動床式ガス化炉の下流側には、このガス化炉で生じた熱分解ガスを燃焼させるとともに当該熱分解ガスに含まれる灰分を溶融させる溶融炉が設けられている。
炉本体10は、筒状に形成された側壁12と、側壁12に接続された副室13と、側壁12内において硅砂等の流動媒体を下方から支持する底壁14と、を有する。側壁12には、廃棄物の供給口(図示略)が設けられている。副室13は、円筒状に形成されており、この副室13と側壁12との境界には開口部が設けられている。副室13には、バーナー等が設けられる。底壁14には、流動媒体と廃棄物に含まれる不燃物との混合物を下方に排出するための排出口14aが設けられている。炉本体10内のうち底壁14の下部には、流動媒体を流動化させるための流動化ガス(本実施形態では空気)を導入するための風箱16が形成されている。風箱16に供給された流動化ガスは、底壁14に形成されている複数の孔を通じて炉本体10内に供給される。
流動層形成部20は、炉本体10内に550℃以下の流動層(流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される層)18を形成する。具体的に、流動層形成部20は、流動化ガスの供給源22と、流動化ガス供給流路24と、制御部26と、を有する。流動化ガス供給流路24は、供給源22と風箱16とを接続する。この流動化ガス供給流路24には、開度調整が可能な第1バルブV1が設けられている。制御部26は、流動層18の温度が550℃以下になるように風箱16への流動化ガスの供給量、つまり、第1バルブV1の開度を制御する。なお、流動層18の温度は、炉本体10のうち流動層18の温度を検出可能な部位(流動層18の表面と底壁14との間の部位)に設けられた温度センサ29によって検出される。
流動層形成部20によって炉本体10内に形成された550℃以下の流動層18で炉本体10内に供給された廃棄物が部分燃焼されることにより、熱分解ガス(CO等の可燃性ガスや水蒸気等)が発生する。熱分解ガスは、炉本体10の頂部から当該炉本体10外(溶融炉側)に排出される。
酸素含有ガス供給部30は、炉本体10内に酸素を含有するガスである酸素含有ガス(空気等)を供給する。具体的に、酸素含有ガス供給部30は、流動層18の表面に向けて酸素含有ガスを供給する。本実施形態では、酸素含有ガス供給部30は、酸素含有ガスの供給源32と、炉本体10に接続されたノズル34と、酸素含有ガス供給流路36と、調整部38と、を有する。
ノズル34は、酸素含有ガスを炉本体10内に供給するためのものである。ノズル34は、炉本体10のうち流動層18の表面よりも高い部位に、流動層18の表面の中心部に向かって斜め下向きに酸素含有ガスを供給可能な姿勢で接続されている。流動層18の静止層(流動媒体が流動化していない状態の層)の表面からノズル34の中心軸と側壁12との交点までの距離は、2m以内に設定されることが好ましい。また、ノズル34の中心軸と水平面とのなす角は、40°〜60°に設定されることが好ましく、50°に設定されることがより好ましい。
酸素含有ガス供給流路36は、酸素含有ガスの供給源32とノズル34とを接続する。この酸素含有ガス供給流路36には、開度調整が可能な第2バルブV2が設けられている。
調整部38は、炉本体10の頂部の温度が所定の範囲に収まるようにノズル34からの酸素含有ガスの供給量、つまり、第2バルブV2の開度を調整する。なお、炉本体10の頂部の温度は、炉本体10の頂部に設けられた温度センサ39によって検出される。
酸素含有ガス供給部30からの酸素含有ガスの供給量は、空気比相当で0.05〜0.15に設定されることが好ましい。また、酸素含有ガス供給部30は、7m/s以上20m/s以下の流速で酸素含有ガスを供給する。
次に、本実施形態の流動床式ガス化炉の動作について説明する。
まず、流動層形成部20は、炉本体10内に550℃以下の流動層18が形成されるように炉本体10内に流動化ガスを供給する。これが流動層形成工程に相当する。
続いて、流動層形成工程で形成された流動層18に対し廃棄物の供給口を通じて廃棄物が供給される。これが廃棄物供給工程に相当する。流動層18への廃棄物の供給により、廃棄物が流動層18において燃焼する。このとき、流動層18の表面には火炎が形成される。例えば、火炎は、廃棄物の炭化物の表面に生じる。
次に、酸素含有ガス供給部30は、流動層18の表面に向けて酸素含有ガスを供給する。これが酸素含有ガス供給工程に相当する。流動層18の表面へ酸素含有ガスが供給されると、その酸素含有ガスが流動層18の表面付近(流動層18の表面から高さ2m程度の範囲)に存在する熱分解ガスの一部と混合される。そして、その混合ガス(酸素含有ガスと熱分解ガスとを含むガス)に流動層18の表面に存在する火炎が引火する。換言すれば、流動層18の表面付近において、熱分解ガスは、火炎に加え酸素が存在することによって燃焼する。よって、炉本体10から排出される熱分解ガスの温度が上昇する。
また、本実施形態では、炉本体10のうち流動層18の表面よりも高い部位に接続されたノズル34から、流動層18の表面の中心部に向かって斜め下向きに酸素含有ガスが供給されるので、流動層18の表面に存在する火炎がより確実に混合ガスに引火する。
さらに、酸素含有ガス供給部30は、7m/s以上の流速で酸素含有ガスを供給するので、酸素含有ガスが流動層18の表面に有効に到達する。このため、流動層18の表面付近に、火炎が前記混合ガスに引火しやすい酸素濃度(例えば6wet%〜10wet%)を有する領域が有効に形成される。よって、流動層18の表面付近において熱分解ガスの燃焼が促進されるので、炉本体10から排出される熱分解ガスの温度がより確実に上昇する。
また、酸素含有ガス供給部30は、20m/s以下の流速で酸素含有ガスを供給するので、酸素含有ガスが流動層18の表面において散逸されることが抑制される。このため、流動層18の表面付近に、酸素含有ガスの塊、つまり、前記酸素濃度を有する領域がより確実に形成される。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、酸素含有ガス供給部30のノズル34は、当該ノズル34の中心軸が水平となる姿勢で炉本体10に接続されてもよい。
また、流動層形成部20は、流動層18の温度を550℃以下に維持するために、炉本体10に設けられた給水ノズルから流動層18に対して冷却水を供給してもよい。
上記実施形態の実施例について、説明する。この実施例では、図3に示されるように、ノズル34の中心軸Lと水平面Hとのなす角を50°とし、ノズル34の径を240mmとした。なお、ノズル34の径が240mmであるときの酸素含有ガスの流速は、7m/sである。この実施例では、流動層18の温度が530℃付近で推移している状態において、図5に示されるように、特定の時間T1にノズル34から流速7m/sで酸素含有ガスを流動層18の表面に向けて供給した。この結果、図6に示されるように、炉本体10の炉頂の温度が上昇した。具体的に、炉本体10の炉頂の温度が約600℃〜約800℃で推移することが確認された。
次に、以下の条件1、条件2−a、条件2−b、条件3−a及び条件3−bの5つ条件において、シミュレーションを行った。各条件の詳細は、以下のとおりである。なお、いずれの条件においても、側壁12の直径は1.95mであり、副室13の上流側の端部の直径φ1(図3を参照)は450mmであり、副室の下流側の端部の直径φ2(図3を参照)は580mmである。また、流動層18の温度は530℃であり、熱分解ガスの発生量は6000mN/hであり、水分率は40%である。そして、ノズル34の中心軸Lと側壁12と交点Oの静止層の表面からの高さは、1.1mであり、静止層の表面と流動層の表面との距離は500mmである。
(条件1)
図2〜図4に示されるように、副室13の上端部から、ノズル34の中心軸Lと水平面Hとのなす角が50°で当該ノズル34から酸素含有ガスを供給する。酸素含有ガスの流速は、3.3m/s、7.4m/s、10.7m/s、18.8m/s、41.0m/sの5例で解析する。
(条件2−a)
図7に示されるように、副室13の下端部(側壁12の開口部)から、ノズル34の中心軸Lと水平面Hとのなす角が50°で当該ノズル34から酸素含有ガスを供給する。酸素含有ガスの流速は、1.3m/s、7.4m/s、10.7m/s、18.8m/s、41.0m/sの5例で解析する。
(条件2−b)
図8に示されるように、側壁12のうち当該側壁12の周方向に沿って90度間隔で並ぶ4カ所に設けられた4本のノズルから酸素含有ガスを供給する。各ノズルの中心軸Lと水平面Hとのなす角は、条件2−aと同じ50°である。酸素含有ガスの流速は、1.2m/s、6.7m/s、10.2m/s、17.6m/s、38.6m/sの5例で解析する。
(条件3−a)
図9に示されるように、副室13の下端部(側壁12の開口部)から、ノズル34の中心軸Lが水平面Hと平行となる状態で当該ノズル34から酸素含有ガスを供給する。酸素含有ガスの流速は、1.3m/s、6.9m/s、10.7m/s、18.8m/s、41.0m/sの5例で解析する。ノズル34は、図4に示されるように1本である。
(条件3−b)
図8に示されるように、側壁12のうち当該側壁12の周方向に沿って90°間隔で並ぶ4カ所に設けられた4本のノズルから酸素含有ガスを供給する。各ノズルの中心軸Lと水平面Hとのなす角は、条件3−aと同じ0°である。酸素含有ガスの流速は、1.2m/s、6.7m/s、10.2m/s、17.6m/s、38.6m/sの5例で解析する。
上記5つの条件において、酸素含有ガスの流速と、流動層18の表面付近(静止層の表面から高さ2mまでの範囲)における6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域の存在割合と、の関係についてシミュレーションを行った。ここで、空気比1.0相当の空気を熱分解ガス中の可燃性ガスに対して混合した場合の当該混合ガス中の酸素濃度は6wet%であり、空気比1.0相当の空気を熱分解ガス全体に対して混合した場合の当該混合ガス中の酸素濃度は10wet%である。なお、空気比1.0の混合ガスは、着火しやすいことが知られている。つまり、6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域は、着火しやすい領域といえる。
図10〜図14は、それぞれ、条件1から条件3−bの結果を示している。なお、条件1における流速7.4m/sの場合が、上記の実施例に該当する。各グラフの縦軸は、6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域の存在割合を示している。この縦軸の値が大きい程、流動層18の表面に存在する火炎が熱分解ガスと酸素含有ガスとの混合ガスに引火しやすいと評価することができる。図10〜図14から、少なくとも流速が7m/s以上20m/s以下である場合、いずれの条件においても、前記領域の存在割合が高くなることが分かる。具体的に、図10から、条件1においては、流速が7m/s以上41m/s以下である場合に前記領域の存在割合が高くなり、図11から、条件2−aにおいては、流速が7m/s以上10m/s以下である場合に前記領域の存在割合が高くなり、図12から、条件2−bにおいては、流速が7m/s以上20m/s以下である場合に前記領域の存在割合が高くなり、図13から、条件3−aにおいては、流速が7m/s以上20m/s以下である場合に前記領域の存在割合が高くなり、図14から、条件3−bにおいては、流速が7m/s以上20m/s以下である場合に前記領域の存在割合が高くなることが分かる。但し、条件1は、他の条件に比べて6wet%〜10wet%の酸素濃度を有する領域の割合が多く形成されることから、条件1の酸素含有ガス供給形態が好ましい。
また、図15及び図16に、炉本体10のフリーボードに空気を供給した場合の結果を示す。図15に示されるように、特定の時間T2及びT3において、フリーボードに空気を供給した。図16に示されるように、時間T3では、流動層18の温度は580℃程度であり、このときにフリーボードに空気が供給されると、その後、炉本体の炉頂の温度が700℃程度まで上昇する一方、時間T2では、流動層18の温度は550℃程度であり、このときにフリーボードに空気が供給されると、その後、炉本体10の炉頂の温度が低下することが確認された。なお、この例では、側壁の8カ所に設けられたノズルからフリーボードに対して空気が供給された。具体的には、各ノズルの中心軸と側壁と交点の静止層の表面からの高さは、3.7m、流速は10m/sである。
10 炉本体
12 側壁
13 副室
14 底壁
16 風箱
18 流動層
20 流動層形成部
22 供給源
24 流動化ガス供給流路
26 制御部
30 酸素含有ガス供給部
32 供給源
34 ノズル
36 酸素含有ガス供給流路
38 調整部

Claims (5)

  1. 流動床式ガス化炉の炉本体へ酸素を含有するガスである酸素含有ガスを供給する方法であって、
    前記炉本体内に、流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動層であって550℃以下のものを形成する流動層形成工程と、
    前記流動層に廃棄物を供給する廃棄物供給工程と、
    前記流動層の表面に向けて前記酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給工程と、備え
    前記酸素含有ガス供給工程では、7m/s以上20m/s以下の流速で前記酸素含有ガスを供給する、流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法。
  2. 請求項1に記載の流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法において、
    前記酸素含有ガス供給工程では、前記ガス化炉のうち前記流動層の表面よりも高い部位から前記流動層の表面の中心部に向かって斜め下向きに前記酸素含有ガスを供給する、流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法。
  3. 流動床式ガス化炉であって、
    炉本体と、
    前記炉本体内に、流動媒体を流動化ガスで流動化させることによって形成される流動層であって550℃以下のものを形成する流動層形成部と、
    前記炉本体内に酸素を含有するガスである酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、を備え、
    前記酸素含有ガス供給部は、前記流動層の表面に向けて7m/s以上20m/s以下の流速で前記酸素含有ガスを供給する、流動床式ガス化炉。
  4. 請求項に記載の流動床式ガス化炉において、
    前記酸素含有ガス供給部は、前記炉本体のうち前記流動層の表面よりも高い部位に、前記流動層の表面の中心部に向かって斜め下向きに前記酸素含有ガスを供給可能な姿勢で接続されたノズルを有する、流動床式ガス化炉。
  5. 請求項3又は4に記載の流動床式ガス化炉において、
    前記酸素含有ガス供給部は、前記炉本体の頂部の温度が所定の範囲に収まるように前記酸素含有ガスの供給量を調整する調整部を有する、流動床式ガス化炉。
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