JPH09303736A - 流動層熱回収装置及びその運転方法 - Google Patents

流動層熱回収装置及びその運転方法

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JPH09303736A
JPH09303736A JP11787396A JP11787396A JPH09303736A JP H09303736 A JPH09303736 A JP H09303736A JP 11787396 A JP11787396 A JP 11787396A JP 11787396 A JP11787396 A JP 11787396A JP H09303736 A JPH09303736 A JP H09303736A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ安価な構成で、流動層からの熱回収
効率を高める。 【解決手段】 炉底に流動層12を形成し、この流動層
12内に設けた伝熱管46等によって、上記流動層12
で発生した熱を回収するようにした流動層熱回収装置。
流動層12の上部に対し、好ましくは斜め上方から補助
燃焼空気を供給する補助燃焼空気ノズル62を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂粒子等からなる
流動層の形成によって産業廃棄物、都市ごみ、石炭等を
焼却し、これにより発生する熱を回収する流動層熱回収
装置及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、産業廃棄物等の焼却による熱を回
収する装置として、炉底に砂粒子からなる流動層を形成
した流動層熱回収装置が良く用いられている。この装置
は、流動層内の粒子の混合が極めて良好で、層内温度を
均一に保つことができ、また、粒子層の熱保持能力が大
きいため再起動が容易である等の利点を有している。
【0003】この種の装置として、例えば特開昭63−
187001号公報には、図6に示すようなものが開示
されている。
【0004】同図において、炉90の底部に山形状の空
気分散板92が設けられ、この空気分散板92から上方
に向かってブロア91の吐出空気すなわち流動化ガスが
噴出されることにより、砂粒子からなる流動層が形成さ
れている。詳しくは、分散板92の左右両翼部における
ガス噴射速度が中央部よりも大きく設定され、さらに、
この空気分散板92の上方に、上記流動化ガスの噴射方
向に対向する形状の反射仕切り93が設けられており、
このため砂粒子は、左右両翼で勢い良く吹き上げられた
後に反射仕切り93で反射して中央部で沈降する流動層
を形成している。
【0005】このような流動層に対し、上方の投入口8
9から中央の主燃焼室96内に都市ごみ等の被処理物が
投入されると、この被処理物は上記流動層内で砂粒子と
ともに流動しながら燃焼し、不燃物は不燃物排出口98
を経てスクリューコンベア99により装置外へ搬出され
る。また、砂粒子の一部は反射仕切り93を超えてその
外側の熱回収室94内に入り込み、この熱回収室94内
で沈降する。この熱回収室94内には伝熱管95が配設
されており、この伝熱管95によって、熱回収室94内
に侵入した砂粒子の熱が回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記装置において、被
処理物の燃焼により発生した熱は、炉内を流動する砂粒
子を媒介として伝熱管95に伝えられる。換言すれば、
被処理物の焼却により発生する熱のうち、流動層内で発
生した熱のみが伝熱管95により回収できるのであり、
その他の熱、例えば流動層上方のフリーボードでの燃焼
により発生した熱を回収するには、流動層内伝熱管によ
る熱回収に比べて非常に大きな伝熱面積を要する。
【0007】ここで、従来の熱回収装置では、総熱量の
うち流動層内での発生熱量、すなわち回収可能な熱量の
割合(以下、燃焼率と称する。)は多くても50%強と
いわれており、熱回収ロスが大きく、その改善が大きな
課題となっている。特に、上記被処理物として、プラス
チック類のように容易にガス化燃焼が行われる廃棄物等
が投与される場合には、上記燃焼率が著しく低くなり、
上記不都合はさらに深刻なものとなる。
【0008】なお、本出願人は、上記熱回収効率を高め
る手段として、流動層を流動化させるための流動化ガス
を酸素富化ガスとして流動層内での被処理物の燃焼を促
す方法を特願平7−185972号で提案しているが、
この方法では多量の酸素ガスを用いる必要があり、その
分だけコストが高くなる不都合がある。
【0009】その他、上記流動化ガス自体の流量を増や
す方法も考えられるが、この流動化ガスは流動層の抵抗
に抗して噴射されるものであるため、その流量を増やす
には運転動力を大幅にアップする必要があり、やはりコ
ストの面で不利である。
【0010】本発明は、上記事情に鑑み、簡単かつ安価
な構成で、流動層からの熱回収効率を効果的に向上させ
ることができる流動層熱回収装置及びその運転方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、装置本体の底部に流動粒子か
らなる流動層が形成され、この流動層の上方に同流動層
へ被処理物を投入するための被処理物投入部が設けられ
るとともに、上記流動層内にこの流動層での被処理物の
焼却により発生した熱を回収する熱回収手段が設けられ
た流動層熱回収装置において、上記流動層が静止状態に
ある時の流動層上面以上の高さ位置から上記流動層に対
して水平方向もしくは下向きに燃焼補助空気を供給する
燃焼補助空気供給手段を備えたものである。
【0012】この装置によれば、上記燃焼補助空気供給
手段により、流動層が静止状態にある時の流動層上面以
上の高さ位置から流動層に対して燃焼補助空気が供給さ
れることにより、この補助燃焼空気が供給された流動層
部分での被処理物の燃焼が著しく促進され、その分、流
動層内からの熱回収量が増大する。
【0013】上記燃焼補助空気供給手段は、例えば流動
層に対して真横から燃焼補助空気を供給するものでもよ
いが、上記流動層が静止状態にある時の流動層上面より
も高い位置から上記燃焼補助空気を斜め下方に供給する
ものであれば、この燃焼補助空気によって流動層からの
上昇排ガスを下方へ押え込むことができ、その分流動層
を通じての熱回収量をさらにアップできる。
【0014】具体的に、上記燃焼補助空気供給手段によ
る燃焼補助空気の供給俯角は15°以上であることが好
ましい。ただし、この供給俯角が大きすぎると、燃焼補
助空気が流動層上部に当る面積が小さくなるため、上記
燃焼補助空気を広範囲に至らせるには、上記供給俯角を
45°以下とするのがよい。
【0015】また、上記流動層が静止状態にある時の流
動層上面のすぐ上方の高さ位置に、この高さ位置におけ
る空間の一部を遮る中間天井を設ければ、この中間天井
からの熱輻射や、上昇する流動粒子の押し戻しによっ
て、流動層からの熱回収量はさらに増加することにな
る。
【0016】さらに、この中間天井に上記被処理物投入
部を設けることにより、流動層に対して被処理物を上方
から容易に投入することが可能になる。
【0017】燃焼補助空気供給手段の水平方向に関する
位置は適宜設定すればよいが、上記のように中間天井が
設けられている場合には、この中間天井と反対側の側壁
に上記燃焼補助空気供給手段を設けることにより、その
供給空気を中間天井の下方へ容易に行き渡らせることが
できる。
【0018】また、上記燃焼補助空気をその供給前の段
階で装置排ガスと熱交換させることによりこの燃焼補助
空気を加熱する熱交換手段を備えたり、上記熱回収手段
として、内部に熱回収用流体が流される伝熱管を上記流
動層内に配する場合には、この伝熱管から排出されて仕
事をした熱回収用流体と上記燃焼補助空気とをこの燃焼
補助空気の供給前の段階で熱交換させることにより上記
燃焼補助空気を加熱する熱交換手段を備えたりすること
により、装置の排熱を有効利用して燃焼補助空気を加熱
してから流動層へ供給でき、これにより、少ない消費エ
ネルギーで熱回収量を効率良くアップできる。
【0019】以上のように、上記燃焼補助空気の供給に
よって流動層内での発熱量ひいては流動層温度に著しい
影響を与えることができるので、この燃焼補助空気の供
給量の調節によって、流動層温度を良好な温度に制御す
ることが可能である。具体的には、上記流動層の温度を
検出し、この温度を目標温度に近づけるように上記燃焼
補助空気の供給流量を調節する運転方法を行うことによ
り、流動層温度を的確な温度に維持することが可能にな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
〜図3に基づいて説明する。
【0021】図3に示す流動層熱回収装置は、断熱壁1
1で囲まれた焼却炉10を備えている。この焼却炉10
の底部には、砂等からなる流動層12が形成され、その
上方がフリーボード14となっている。焼却炉10の中
段位置では、上記断熱壁11が一部内側に突出して中間
天井15を形成しており、この中間天井15の高さ位置
は、上記流動層12が静止状態にある時の当該流動層1
2の上面(以下、静止流動層面と称する。)のすぐ上方
の高さ位置とされている。上記中間天井15には、被処
理物を斜め下方に投入できる焼却物投入口16が形成さ
れ、この焼却物投入口16に焼却物供給機18が接続さ
れている。また、この中間天井15よりも少し上方の高
さ位置では、二次空気ブロア20から二次空気が供給さ
れるようになっている。
【0022】上記フリーボード14での断熱壁11は、
ある高さまでは内面が耐火物で覆われたメンブレン構造
であり、壁面を通してガス層から熱を吸収するように構
成されている。
【0023】焼却炉10の上部にはダクト24が接続さ
れ、このダクト24の入口に蒸気溜め25が設けられて
いる。上記メンブレンで蒸発した蒸気は蒸気溜め25に
集合し、その蒸気は上記ダクト24内のスーパーヒータ
ー26で排ガスの熱を回収し、後述の伝熱管46へ熱回
収用流体として送り込まれる。上記排ガスは、上記スー
パーヒーター26で熱を奪われた後、蒸発器28、低温
腐食回避のための給水加熱器29、燃焼空気用の空気加
熱器30でさらに熱を奪われる。そして、ガス冷却器3
2で冷却された後にバグフィルタ34で除塵され、排気
ファン36を通って煙突から排気される。
【0024】次に、上記焼却炉10の底部及びその近傍
部分の構造を図1及び図2に基づいて説明する。
【0025】炉底の左右方向中央位置には、第1分散板
38が配設され、この第1分散板38の左右両側に第2
分散板40が配設されており、両第2分散板40は断熱
壁(装置本体側壁)11に隣接している。第1分散板3
8は、左右の不燃物排出部42に向かうに従って低くな
る山形に傾斜し、第2分散板40も、不燃物排出部42
に向かうに従って低くなる方向に傾斜している。
【0026】第1分散板38と第2分散板40とは、水
平方向に離間しており、この部分が不燃物排出部42と
なっている。この不燃物排出部42の下方には不燃物抜
き出し装置44が設けられ、この不燃物抜き出し装置4
4は、上記不燃物排出部42から導出された不燃物入り
砂を左右両外側に搬送するスクリュコンベアを内蔵して
いる。
【0027】両第2分散板40の上方には、複数本の伝
熱管(熱回収手段)46が図1奥行き方向(図2の上下
方向)に等間隔で並設されている。各伝熱管46は、断
熱壁11下部を側方に貫通して炉内に臨み、上記第2分
散板40上で蛇行し、上記貫通部よりも上方で断熱壁1
1を貫通して炉外へ導出されており、その両端は、図1
の奥行き方向に延びる入口ヘッダ(図示せず)及び出口
ヘッダ48(図2)にそれぞれ接続されている。そし
て、前記スーパーヒーター26から入口ヘッダへ送られ
た蒸気が熱回収用流体として伝熱管46内を流れ、出口
ヘッダ48に回収された後、図略のタービンに送られて
仕事をするように構成されている。
【0028】炉内には、流動層12を主燃焼部と熱回収
部とに区画する散気管50が配設されている。各散気管
50は、上記伝熱管46の上方に位置する上側部51
と、この上側部51から上記伝熱管46の側方を通って
略垂直方向に延び、第2分散板40に至る立直部52と
からなり、上側部51の管壁の側面及びその近傍には多
数のガス噴射孔が穿設されている。
【0029】上記上側部51は、不燃物排出部42に向
かうに従って低くなる方向に傾斜しており、この上側部
51より少し上方に流動層12の上面が位置している。
上記立直部52の途中部分の周囲には、耐火材やジャケ
ット等からなるバッフル54が配設され、各バッフル5
4同士の間に設けられた微小すき間55を通じて砂粒子
が僅かながら流通できるようになっている。
【0030】分散板38,40には多数の流動化ガス噴
射口が穿設されている。第1分散板38の下方には複数
のガス室41bが、第2分散板40の下方には複数のガ
ス室41a,40a,40b,40cが左右方向に並設
されており、これらガス室と分散板とで散気装置が構成
されている。
【0031】上記ガス室41a,40a,40b,40
cには、配管57を介して一次空気ブロア56が接続さ
れ、この一次空気ブロア56から吐出された流動化ガス
(空気)が、分散板38,40の流動化ガス噴射口や散
気管52管壁の流動化ガス噴射口から流動層12内へ噴
射されるようになっている。各配管57の途中には、流
動化ガスの風量を調節する図略のダンパが設けられ、こ
のダンパを用いて流動化ガス噴射量を配管57ごとに調
節可能となっている。
【0032】さらに、この装置の特徴として、上記断熱
壁11のうち上記中間天井15を形成する側壁と反対側
の側壁(図1及び図3では右側側壁)には、燃焼補助空
気ノズル62が設けられている。一方、前記空気加熱器
30の入口端(図3では右端)には燃焼補助空気ブロア
60が接続され、出口端が配管を介して上記燃焼補助空
気ノズル62に接続されており、上記燃焼補助空気ブロ
ア60から吐出されたエアが上記空気加熱器30を通じ
て上記燃焼補助空気ノズル62から炉内に供給されるよ
うになっている。すなわち、上記燃焼補助空気ブロア6
0及び燃焼補助空気ノズル62によって、本発明におけ
る燃焼補助空気供給手段が構成され、かつ、燃焼補助空
気ブロア60から吐出されたエアが上記燃焼補助空気ノ
ズル62に至る前に、上記空気加熱器30において装置
排ガスとの熱交換により加熱されるようになっている。
【0033】上記燃焼補助空気ノズル62は、静止流動
層面よりも少し上方の高さ位置に設けられ、斜め下方に
俯角α(図例では約20°)で燃焼補助空気を供給する
ように構成されている。この俯角α及び燃焼補助空気ノ
ズル62の配設高さ位置は、この燃焼補助空気ノズル6
2から流動層12の上端部分に向けて燃焼補助空気が供
給されるように設定されている。
【0034】次に、この装置の作用を説明する。
【0035】焼却物投入口16から斜め下方に投入され
た都市ごみ等の廃棄物(被処理物)は、まず第1分散板
38上の流動層12内(主燃焼部内)に落下し、燃焼す
る。この流動層12では、バッフル54の近傍を通って
上昇した砂粒子が炉の中央側と左右両端端側(散気管5
0の上方へ向かう側)とへ溢れ、それぞれ沈降する。
【0036】より具体的に、左右両端側へ溢れた粒子
は、散気管50同士の隙間を通り、バッフル54と断熱
壁11とに挟まれた熱回収部内で伝熱管46同士の間を
沈降し、この伝熱管46に焼却熱を与えた後(すなわち
伝熱管46が焼却熱を回収した後)、第2分散板40の
傾斜面に沿って不燃物排出部42側へ滑り落ちる。ま
た、炉中央へ溢れた粒子は、そのまま第1分散板38の
山形中央へ沈降し、この第1分散板38の傾斜面に沿っ
てやはり不燃物排出部42側へ滑り落ちる。ここで、不
燃物排出部42のすぐ手前のガス室40aからは強い流
動化ガスの噴射が行われているため、一部の砂粒子は上
記流動化ガスに押し上げられて主燃焼部へ再還流し、他
の砂粒子は不燃物(固形物)とともに不燃物排出部42
内へ落下し、不燃物抜き出し装置44によって左右両外
側へ搬出される。この搬出物は篩いにかけられ、細かい
砂粒子のみが上記流動層12に再供給される。
【0037】ここで、流動層12の上端部分には、燃焼
補助空気ノズル62から燃焼補助空気が供給されている
ため、この部分において被処理物の燃焼を活性化するこ
とができる。その分、流動層12内での燃焼率が高ま
り、この流動層12から伝熱管46を通じての熱回収量
が増加する。特に、この流動層12の上部における空気
比率の増大は、流動層12内での被処理物の燃焼に著し
い影響を与えるため、上記熱回収量を大幅に増加するこ
とが可能であり、さらに、燃焼補助空気量の調節によっ
て流動層温度を自在に制御することも可能になる。具体
的には、図1に示すように、流動層12の上部の温度を
検出する温度計66を設ける一方、燃焼補助空気ノズル
62に通ずる配管の途中にダンパを設け、上記温度計6
6により検出された温度が目標温度を下回る場合にはダ
ンパの操作で燃焼補助空気供給量を増やし、逆に検出温
度が目標温度を上回る場合には燃焼補助空気供給量を減
らすことにより、実際の流動層温度を好適な温度に維持
することが可能になる。
【0038】しかも、この実施の形態では、装置排ガス
のもつ熱を利用して燃焼補助空気を昇温してからその供
給を行っているので、流動層12内での燃焼を効率良く
促進でき、装置全体の消費エネルギーを少なく抑えるこ
とが可能となっている。
【0039】また、この実施の形態では、静止流動層面
のすぐ上方の高さ位置に中間天井15を形成しているの
で、この中間天井15からの熱輻射や、中間天井15に
よる流動媒体の戻しによって、流動層12内での燃焼の
活性化が流動層温度に寄与する割合がさらに高められて
いる。従って、少ない燃焼補助空気供給量によって熱回
収効率を大幅に高め、また、燃焼補助空気供給量によっ
て制御できる流動層温度の幅を広げることが可能となっ
ている。
【0040】さらに、上記中間天井15に被処理物投入
口16を設けることにより、流動層12に対して上方か
ら容易に被処理物を投入できる利点も得られる。
【0041】第2の実施の形態を図4に示す。
【0042】ここでは、前記燃焼補助空気ブロア60と
燃焼補助空気ノズル62と間に蒸気式空気加熱器(熱交
換手段)64が設けられている。そして、前記伝熱管4
6を出てタービンで仕事をした蒸気(熱回収用流体)が
上記蒸気式空気加熱器64に導入され、ここで上記蒸気
と燃焼補助空気とが熱交換することにより、燃焼補助空
気が加熱されるようになっている。
【0043】この装置においても、排熱を有効利用して
燃焼補助空気を効率良く加熱することができ、少ない消
費エネルギーで流動層12からの熱回収効率を高めるこ
とができるとともに、燃焼補助空気供給量の調節により
制御できる流動層温度の幅を広げることができる。
【0044】なお、本発明は以上の実施形態に限定され
るものではなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0045】(1) 上記燃焼補助空気は、流動層上部に対
して真横から供給するようにしてもよい。ただし、上記
のように燃焼補助空気ノズル62を流動層12よりも上
方に配置して斜め下方に供給するようにすれば、この供
給空気によって流動層12からの上昇排ガスを抑え込む
ことにより、流動層12からの熱回収量をさらに増やす
ことができる利点がある。具体的には、上記供給俯角α
を15°以上に設定することが好ましい。ただし、この
供給俯角αが大きすぎると、燃焼補助空気が流動層12
に対して供給される面積が狭くなるため、流動層12の
上部のほぼ全域に亘って補助燃焼空気を供給するには、
上記供給俯角αを45°以下に設定するのがよい。
【0046】図1に示す装置において上記のように供給
俯角αを15°〜45°の範囲で設定する場合には、燃
焼補助空気ノズル62の位置は同図の高さ領域Hの範囲
内に設定されることになる。
【0047】(2) 上記燃焼補助空気ノズル62の水平方
向の位置は、適宜設定すればよい。ただし、上記のよう
に中間天井15が形成されている場合には、これと反対
側の側壁(すなわち対面する側壁)に燃焼補助空気ノズ
ル62を設ければ、その供給空気を中間天井15の下方
へ行き渡らせやすい利点が得られる。
【0048】(3) 上述のように、本発明では、補助燃焼
空気の供給量の調節によって流動層温度を良好に制御で
きるものであるが、この補助燃焼空気の供給量の調節だ
けでは対応できないほど流動層温度の変動が大きい場合
には、これと並行して流動層ガスの供給量を増減するよ
うにしてもよい。
【0049】(4) 燃焼補助空気の流速は適宜設定すれば
よい。燃焼補助空気の貫通度を考慮する場合は、次式を
目安に流速を決定すればよい。
【0050】
【数1】Vj=a×dj b/Vm ここで、djは供給口の直径、Vjは供給口での流速、V
mは主流流速、a,bは実験定数である。
【0051】(5) 一次空気供給量や二次空気供給量も含
めた全空気供給量に対する燃焼補助空気供給量の割合
は、適宜設定すればよい。ただし、焼却炉全体の運転バ
ランスを考慮すると、上記割合は25%以下を目安に設
定するのがよい。
【0052】
【実施例】前記図1に示した装置において、図5(a)
に示すように燃焼補助空気量をステップ的に変化させた
ところ、流動層温度(砂層部温度)は同図(b)のよう
に変動した。これらのグラフを比較すると、流動層温度
が燃焼補助空気量に敏感に反応していることが理解でき
る。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明は、流動層熱回収装
置において、その装置本体の底部に形成された流動層に
対し、この流動層が静止状態にある時の流動層上面以上
の高さ位置から水平方向もしくは下向きに燃焼補助空気
を供給する燃焼補助空気供給手段を備えたものであるの
で、上記流動層内での被処理物の燃焼を著しく促進して
この流動層内からの熱回収量を効果的に増大させること
ができる。
【0054】特に、上記流動層が静止状態にある時の流
動層上面よりも高い位置から上記燃焼補助空気を斜め下
方に供給するようにすれば、この燃焼補助空気によって
流動層からの上昇排ガスを下方へ押え込むことにより、
流動層からの熱回収量をさらに高めることができる効果
がある。
【0055】具体的に、上記燃焼補助空気供給手段によ
る燃焼補助空気の供給俯角を15°以上45°以下に設
定することにより、上記押え込みの効果を十分確保しな
がら、流動層に対して燃焼補助空気を広範囲に至らせる
ことができる効果が得られる。
【0056】また、上記流動層が静止状態にある時の流
動層上面のすぐ上方の高さ位置に、この高さ位置におけ
る空間の一部を遮る中間天井を設けることにより、流動
層からの熱回収量をさらに増加できる。
【0057】さらに、この中間天井に上記被処理物投入
部を設けることにより、流動層に対して被処理物を上方
から容易に投入できる効果が得られる。
【0058】また、この中間天井が設けられている場合
には、この中間天井と反対側の側壁に上記燃焼補助空気
供給手段を設けることにより、その供給空気を中間天井
の下方へ容易に行き渡らせることができる効果が得られ
る。
【0059】さらに、上記燃焼補助空気をその供給前の
段階で装置排ガスと熱交換させることによりこの燃焼補
助空気を加熱する熱交換手段を備えたり、上記熱回収手
段として、内部に熱回収用流体が流される伝熱管を上記
流動層内に配する場合には、この伝熱管から排出されて
仕事をした熱回収用流体と上記燃焼補助空気とをこの燃
焼補助空気の供給前の段階で熱交換させることにより上
記燃焼補助空気を加熱する熱交換手段を備えたりするこ
とにより、装置の排熱を有効利用して燃焼補助空気を加
熱してから流動層へ供給でき、これにより、少ない消費
エネルギーで熱回収量を効率良くアップできる効果が得
られる。
【0060】そして、上記各装置において、上記流動層
の温度を検出し、この温度を目標温度に近づけるように
上記燃焼補助空気の供給流量を調節する運転方法を行う
ことにより、流動層温度を的確な温度に維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における流動層熱回
収装置の要部を示す断面正面図である。
【図2】上記要部を示す一部断面平面図である。
【図3】上記流動層熱回収装置の全体構成図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における流動層熱回
収装置の全体構成図である。
【図5】(a)は図1に示した装置において調節される
燃焼補助空気量の時間変化を示すグラフ、(b)はそれ
に対応する砂層部温度の時間変化を示すグラフである。
【図6】従来の流動層熱回収装置の一例を示す断面正面
図である。
【符号の説明】
10 焼却炉 11 断熱壁 12 流動層 15 中間天井 16 被処理物投入口 30 空気加熱器(熱交換手段) 46 伝熱管(熱回収手段) 60 燃焼補助空気ブロア(燃焼補助空気供給手段) 62 燃焼補助空気ノズル(燃焼補助空気供給手段) 64 蒸気式空気加熱器(熱交換手段) 66 温度計 α 燃焼補助空気供給俯角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 5/50 ZAB F23G 5/50 ZABE F23L 9/02 F23L 9/02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体の底部に流動粒子からなる流動
    層が形成され、この流動層の上方に同流動層へ被処理物
    を投入するための被処理物投入部が設けられるととも
    に、上記流動層内にこの流動層での被処理物の焼却によ
    り発生した熱を回収する熱回収手段が設けられた流動層
    熱回収装置において、上記流動層が静止状態にある時の
    流動層上面以上の高さ位置から上記流動層に対して水平
    方向もしくは下向きに燃焼補助空気を供給する燃焼補助
    空気供給手段を備えたことを特徴とする流動層熱回収装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の流動層熱回収装置におい
    て、上記燃焼補助空気供給手段は上記流動層が静止状態
    にある時の流動層上面よりも高い位置から上記燃焼補助
    空気を斜め下方に供給するものであることを特徴とする
    流動層熱回収装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の流動層熱回収装置におい
    て、上記燃焼補助空気供給手段による燃焼補助空気の供
    給俯角が15°以上45°以下であることを特徴とする
    流動層熱回収装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の流動層
    熱回収装置において、上記流動層が静止状態にある時の
    流動層上面のすぐ上方の高さ位置に、この高さ位置にお
    ける空間の一部を遮る中間天井を設けたことを特徴とす
    る流動層熱回収装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の流動層熱回収装置におい
    て、上記中間天井に上記被処理物投入部を設けたことを
    特徴とする流動層熱回収装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の流動層熱回収装
    置において、上記中間天井と反対側の側壁に上記燃焼補
    助空気供給手段を設けたことを特徴とする流動層熱回収
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の流動層
    熱回収装置において、上記燃焼補助空気をその供給前の
    段階で装置排ガスと熱交換させることによりこの燃焼補
    助空気を加熱する熱交換手段を備えたことを特徴とする
    流動層熱回収装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の流動層
    熱回収装置において、上記熱回収手段として、内部に熱
    回収用流体が流される伝熱管を上記流動層内に配すると
    ともに、この伝熱管から排出されて仕事をした熱回収用
    流体と上記燃焼補助空気とをこの燃焼補助空気の供給前
    の段階で熱交換させることにより上記燃焼補助空気を加
    熱する熱交換手段を備えたことを特徴とする流動層熱回
    収装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の流動層
    熱回収装置を運転する方法であって、上記流動層の温度
    を検出し、この温度を目標温度に近づけるように上記燃
    焼補助空気の供給流量を調節することを特徴とする流動
    層熱回収装置の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100794559B1 (ko) * 2006-10-31 2008-01-17 한국전력공사 유동층 회재 냉각기의 공기분산 장치에서의 비유동 진단방법
CN105698149A (zh) * 2016-02-22 2016-06-22 大震锅炉工业(昆山)有限公司 自适应智能型余热锅炉
JP6322327B1 (ja) * 2017-10-11 2018-05-09 株式会社神鋼環境ソリューション 流動床式ガス化炉への酸素含有ガス供給方法及び流動床式ガス化炉

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