JPH10205733A - 流動層燃焼炉における2次空気の供給方法 - Google Patents

流動層燃焼炉における2次空気の供給方法

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JPH10205733A
JPH10205733A JP497797A JP497797A JPH10205733A JP H10205733 A JPH10205733 A JP H10205733A JP 497797 A JP497797 A JP 497797A JP 497797 A JP497797 A JP 497797A JP H10205733 A JPH10205733 A JP H10205733A
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JP
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secondary air
fluidized bed
combustion
air
combustion chamber
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JP497797A
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English (en)
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Shizuo Kataoka
静夫 片岡
Haruo Nogami
晴男 野上
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Takuma Co Ltd
Original Assignee
Takuma Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動層燃焼炉に於いて、燃焼ガス内の未燃物
等を安定状態下で完全に2次燃焼させることにより、排
ガス内のCO濃度を引き下げると共に、ダイオキシンの
発生を押える。 【解決手段】 流動層の下方より1次空気を供給すると
共に燃焼室の下方部へ2次空気を供給するようにした流
動層燃焼炉に於いて、燃焼室下方の何れか一側の壁面と
これに対向する側の壁面とから、2次空気を夫々同じか
又は異なる下向き角度でもって燃焼室の下方部内方へ向
けて噴出し、流動層の上部空間に2次空気と燃焼ガスの
旋回流を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ、産業廃
棄物、汚泥、木屑等(以下、廃棄物と総称する)や石炭
を燃料とする流動層燃焼炉に係り、廃棄物や石炭を高能
率でしかも安定して完全燃焼し得るようにした流動層燃
焼炉における2次空気の供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従前から、都市ごみ等の廃棄物は主とし
て焼却処理されており、ストーカ式燃焼炉や流動層燃焼
炉が多く用いられている。図7は、廃棄物の焼却処理に
用いられている傾斜分散型流動層燃焼炉の一例を示すも
のであり、図に於いて1はロータリーフィーダ、2は燃
料シュート、2aは燃料供給口、3は傾斜分散板型流動
層、4は1次空気チャンバ、5は流動ノズル、6は2次
空気チャンバ、7は2次空気噴出口、8は燃焼室であ
る。
【0003】廃棄物Bは適宜の大きさに予かじめ破砕さ
れたあと、ロータリフィダ1から燃料シュート2を通し
て流動層3上へ供給される。また、1次空気Aは1次空
気チャンバ4から流動ノズル5を通して流動層3の下方
からその内部へ、更に2次空気Bは2次空気チャンバ6
から2次空気噴出口7を通して燃焼室8の下部内方へ夫
々供給される。
【0004】前記流動層3上へ供給された廃棄物Bは高
温の流動層3内で激しく攪拌され、順次乾燥、乾留、燃
焼されることになり、例えば廃棄物Bが木屑の場合には
可燃物の60〜70%が、また石炭の場合には可燃物の
80〜95%が流動層3内で燃焼される。
【0005】一方、流動層3から生じた未燃焼ガスや未
燃焼のチャー、微細な軽廃棄物等は、前記2次空気Bの
混合、攪拌により燃焼室8内で所謂2次燃焼をされ、所
定の時間燃焼室8内に滞留することにより燃焼を完結す
る。
【0006】而して、前記燃焼室8内へ供給される2次
空気Bの量は、通常2次燃焼に必要とする理論空気量
に、2次空気の混合・攪拌や燃焼室内に於ける未燃焼物
の滞留時間等を考慮した空気過剰率を乗じたものであ
り、燃焼室8下方の燃料供給口側壁面8aとこれに対向
する側の壁面8bに夫々設けた2次空気噴出口7a、7
bから、燃焼室8の下部内方へ向けてほぼ水平状に噴出
されている。
【0007】前記図7に示す如き流動層燃焼炉は汚泥等
の難燃性廃棄物であっても高能率で焼却することがで
き、優れた実用的効用を有するものである。しかし、こ
の種の流動層燃焼炉にも解決すべき多くの問題が残され
ている。その中でも特に重要な問題は、流動層からの未
燃物と2次空気とを迅速且つ完全に混合させることが困
難で、結果として未燃焼物を完全に燃焼させることによ
り、排ガス内のCO濃度を十分な低値にまで低減させる
ことができないと云う点である。
【0008】より具体的には、例えば2次空気Bを両壁
面8a、8bの2次空気噴出口7a、7bからほぼ水平
方向に衡突状に噴出した場合には、互に衡突した2次空
気が図8に示すように燃焼室の中央部を突き上る状態と
なり、燃焼室8の中央部のガス流速Vが上昇する。その
ため、燃焼室8内に於けるガスの滞留時間が短くなると
共に、燃焼室内の酸素分布Qも不均一になる。また、互
に衡突した2次空気Bが図9に示すように所謂ハンチン
グ状態になることもあり、この場合には燃焼室8内の圧
力が大きく脈動し、燃焼室8内に於けるガスの2次燃焼
が不安定となる。更に、2次空気噴出口7a、7bから
互に段違い状に2次空気Bを噴出した場合には、図10
に示すように燃焼ガスの主流が燃焼室8内の壁際に沿っ
て上昇することになり、均一な流れの上昇流となり難
い。その結果、燃焼室8内の空間を2次燃焼のために十
分に活用することができず、引いては燃焼室8の小形化
が困難となる。
【0009】上述のように、従前の流動層燃焼炉のよう
に2次空気Bを両側の壁面8a、8bからほぼ水平に対
向状に噴出する方法にあっては、燃焼室8内の酸素分布
が不均一になると共に燃焼ガスと2次空気との完全な混
合が達成できないため、燃焼ガスの安定した完全燃焼が
著しく困難となる。
【0010】加えて、流動層燃焼炉は一般的に燃焼速度
が速いため、通常は流動層温度を600〜700℃位い
の低温度にすると共に、流動層の流動速度を遅くして廃
棄物の燃焼時間を長くすることにより、易燃性の廃棄物
Cが供給される場合でも、廃棄物の瞬時燃焼を生じない
ようにしている。しかし、流動層温度が低いと、揮発性
ガスが流動層上部の2次空気噴出部で爆発的に燃焼をす
ることがあり、結果として流動層燃焼炉の内圧が変動し
て燃焼が不安定になると共に、流動層そのものの温度も
不安定になり易いと云う問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の2次
空気Bを両側の壁面8a、8bからほぼ水平方向に対向
状に噴出する構成の流動層燃焼炉に於ける上述の如き問
題、即ち、燃焼室内に於ける燃焼ガスの滞留時間が短
かくなるうえ、均一な酸素分布が得られないこと、燃
焼室内に圧力変動を生じて燃焼が不安定になり易いこ
と、2次空気と燃焼ガスとが完全に混合せず、未燃物
の完全燃焼が難かしいうえ、空気過剰率も大きくなり、
排ガス内のCO濃度を十分に引下げることができないこ
と、燃焼室内の上昇ガス流が不均一になり易く、燃焼
室内の空間を2次燃焼に十分活用できないこと、2次
空気供給部で揮発性ガスが爆発的に燃焼をし、炉内圧が
変動して燃焼が不安定になり易いこと等の問題を解決せ
んとするものであり、燃焼ガスと2次空気との完全な混
合と、燃焼ガスの炉内滞留時間を十分長く確保すること
を可能にすることにより、安定した燃料(廃棄物や石炭
等)の完全燃焼と排ガス内CO濃度の大幅な低減を可能
とした流動層燃焼炉に於ける2次空気の供給方法を提供
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、流動
層の下方より1次空気を供給すると共に燃焼室の下方部
へ2次空気を供給するようにした流動層燃焼炉に於い
て、燃焼室下方の何れか一側の壁面とこれに対向する側
の壁面とから、2次空気を夫々同じか又は異なる下向き
角度でもって燃焼室の下方部内方へ向けて噴出し、流動
層の上部空間に2次空気と燃焼ガスの旋回流を形成する
ようにしたことを発明の基本構成とするものである。
【0013】請求項2の発明は流動層の下方より1次空
気を供給すると共に燃焼室の下方部へ2次空気を供給す
るようにした流動層燃焼炉に於いて、燃焼室下方の何れ
か一側の壁面とこれに対向する側の壁面とから、2次空
気を夫々同じか又は異なる下向き角度でもって燃焼室の
下方部内方へ向けて噴出し、流動層の上部空間に2次空
気と燃焼ガスの旋回流を形成すると共に、前記下向き角
度でもって両壁面から噴出される2次空気の上方空間部
へ、両壁面から2次空気を噴出することを基本構成とす
るものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明に於いて、燃料供給口側の壁面とこれに対向する
側の壁面とから、また、請求項4の発明は、請求項1又
は請求項2の発明に於いて、上・下方向に間隔を有する
複数の2次空気噴出口から下向き角度で、夫々2次空気
を噴出するようにしたものである。
【0015】請求項5の発明は、請求項2の発明に於い
て下向き角度で噴出する2次空気の上方空間部へ供給す
る2次空気を、水平状で噴出する2次空気としたもので
ある。
【0016】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
の発明に於いて、両壁面の2次空気噴出口から噴出され
る2次空気流の軸芯位置を、水平方向及び又は垂直方向
に相互にづらすようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施態様を説明する。図1は本発明の第1実施態様を示す
ものであり、本発明を傾斜分散板型流動層燃焼炉へ適用
した場合を示すものである。図1に於いて、1はロータ
リーフィダ、2は燃料シュート、2aは燃料供給口、3
は流動層、4は1次空気チャンバ、5は流動ノズル、6
は2次空気チャンバ、7は2次空気噴出口、8は燃焼
室、9は灰出し口であり、ロータリーフィダ1から燃料
シュート2を通して流動床3上へ供給された廃棄物Cは
流動層3内で順次燃焼され、更に流動層3に於ける1次
燃焼により生じた燃焼ガス等は、2次空気Bの混合攪拌
により燃焼室8内で2次燃焼される。
【0018】本発明に於いては、燃焼室8下方の燃料供
給口側壁面8aとこれに対向する側の壁面8bに、下向
き角度θ1 で2次空気B1 を噴出する2次空気噴出口7
aと、下向き角度θ2 で2次空気B2 を噴出する2次空
気噴出口7bとが夫々設けられており、2次空気チャン
バー6から2次空気B1 、B2 として、流動層3の上方
の空間内へ噴出される。
【0019】前記2次空気B1 、B2 の噴出時の下向き
角度θ1 、θ2 は、流動層燃焼炉の形状や流動層燃焼炉
の容量(大きさ)によって適宜に選定され、通常θ1
30°〜65°の間の、またθ2 は15°〜40°の間
の角度に夫々選定される。尚、本実施態様ではθ1 を約
50°、θ2 を約25°としている。
【0020】尚、図1に於いては、燃料供給口側の壁面
の噴出口7aから噴出する2次空気B1 の下向き角度θ
1 を、対面の壁面8bの噴出口7bから噴出する2次空
気B 2 の下向き角度θ2 より大きくし、流動層3の上方
空間に反時計方向の空気・燃焼ガスの旋回流Dを形成す
るようにしているが、これとは逆に、θ2 >θ1 となる
ように2次空気B1 、B2 を噴出し、空気・燃焼ガスの
旋回流の方向を時計方向とすることも可能である。
【0021】また、図1に於いては、燃料供給口側の壁
面8aの噴出口7aと対面の壁面8bの噴出口7bを、
図2に示す如く、ほぼ同じ高さ位置に対象状に形成して
いるが、図3に示す如く、両噴出口7a、7bの配列位
置(噴出口数)を変えたり、或いは高さ位置(図示省
略)を変えてもよいことは勿論である。
【0022】更に、図1に於いては、2次空気B1 、B
2 を夫々一段に配列した噴出口7a、7bから噴出する
ようにしているが、流動層燃焼炉の構造や2次空気Bの
供給量によっては噴出口7a及び噴出口7bを2段に配
列し、2段(即ち2列)の噴出口7a及び噴出口7bか
ら2次空気B1 、B2 を噴出することも可能である。
【0023】加えて、図1の実施態様では、両側の噴出
口7a、7bからの2次空気B1 、B2 の噴出量をほぼ
同量としているが、両側からの2次空気B1 、B2 の噴
出量を夫々調整して旋回流Dの状態を調整することも可
能である。
【0024】前記図1に於いては、流動層3上の燃焼ガ
スと2次空気Bとがよりよく混合するように燃焼室8の
下方部を絞った構造の流動層燃焼炉としているが、燃焼
室8の下方部を絞らずに同じ横断面積を有する燃焼室8
を備えた流動層燃焼炉であっても、本発明を適用できる
ことは勿論である。また、図1では所謂発電を目的とし
ない廃棄物焼却用の流動層燃焼炉を例として挙げている
が、廃熱ボイラや発電設備を付設した流動層炉であって
もよいことは勿論である。即ち、燃焼室8の構造が耐火
壁構造であっても或いは水冷壁構造であっても、本発明
は適用可能なものである。
【0025】図4は本発明の第2実施態様を示すもので
あり、図1の傾斜分散型流動層燃焼炉に於いて、2次空
気の噴出口7a、7bを燃料供給口側の壁面8aとその
対面側の壁面8bとに、夫々三段に亘って設けたもので
ある。即ち、図4及び図5に示す如く両壁面8a、8b
には上・中・下の3段に噴出口7a、7bが配列されて
おり、且つ上段の各噴出口7a1 、7b1 からは水平方
向に夫々2次空気B11、B21が、また中段及び下段の各
噴出口7a2 、7a3、7b2 、7b3 からは、下向き
角度θ12、θ13、θ22、θ23をもって2次空気B12、B
13、B22、B23が夫々噴出される。
【0026】前記両壁面8a、8bの各噴出口は、図5
に示す如くほぼ同じ高さ位置に一列状に形成されてい
る。しかし、各噴出口7a1 と各噴出口7b1 とは真正
面に対向するのではなく、相互に横方向位置がづらされ
ている。また、このことは中段及び下段の噴出口7
2 、7a2 の列に於いても同様である。また、各段の
噴出口の列の高さ方向の間隔は、炉の形状や容量等によ
って適宜に決められるが、本実施態様では上段の噴出口
の列と中段の噴出口の列との間隔を、中段と下段の噴出
口の列の間隔とほぼ同じにしている。
【0027】前記中段及び下段の各噴出口の下向き角度
θ12、θ13、θ22、θ23は、炉の形状及び炉の大きさ等
によって適宜に選定されるが、本実施態様では下向き角
度θ 12=θ13=約50°、下向き角度θ22=θ23=約2
0°としている。
【0028】尚、本実施態様では上述の如く、θ12=θ
13及びθ22=θ23としているが、θ 12≠θ13及びθ22
θ23としてもよい。また、本実施態様ではθ12=θ13
θ22=θ23としているが、θ12=θ13<θ 22=θ23とし
て、燃焼ガス・空気の循環方向を図4と逆向にすること
も可能である。更に、本実施態様では2次空気噴出口を
上・中・下の3段に配列しているが、上・下の二段の配
列にして上段を水平状の噴出口に、下段を下向き状の噴
出口としてもよく、或いは上・中段を水平状の噴出口
に、下段を下向き状の噴出口にするようにしてもよい。
【0029】加えて、本実施態様では、水平状に噴出す
る2次空気B11、B21の量を全2次空気量の約40%、
下向き状に噴出する2次空気B12、B13、B22、B23
量を全2次空気量の約60%としているが、流動層燃焼
炉の形状、容量に応じて前者は20〜70%の範囲で、
また後者は80〜30%の範囲で調整される。また、本
実施態様では、両壁面からの2次空気噴出量をほぼ等量
に設定しているが、噴出量の割合を調整することも可能
である。
【0030】図4を参照して、流動層3内で廃棄物Cが
乾燥、乾留及び燃焼されることにより発生した未燃物を
含む燃焼ガスは、下向き角度θ1 で噴出される2次空気
12、B13と下向き角度θ2 で噴出される2次空気
22、B23とによって生じた循環流Dに巻き込まれ、2
次空気流と均一に攪拌混合され乍ら反時計方向に循環す
る。これにより、燃焼ガスの炉内滞留時間が相当に延伸
されると共に、燃焼ガスと2次空気とが均一に混合され
る。前記2次空気と均一に混合された燃焼ガスは、更に
これに水平状に噴出される2次空気B11、B21が混合さ
れることにより、燃焼室8の下方部で所謂完全に燃焼さ
れる。その結果、燃焼排ガス内のCO濃度は大幅に減少
されることになり、また、必要とする過剰空気量も最小
限に押えることが可能となる。更に、発生するダイオキ
シンの量も減少することになる。
【0031】試験の結果によれば、第1実施態様の流動
層燃焼炉(図1)に於いて都市ごみを焼却した場合、燃
焼室8の2次空気投入位置より約2.5m上方の位置に
於けるO2 濃度の最大値は約10.2%、最低値は8.
3%であり、両者の差は約2.0%以下であった。これ
に対して、従前の図7の流動層燃焼炉に於けるO2 濃度
の最大値は12.5%、最低値は5.5%となり、両者
の差7.0%に比較してO2 の濃度分布が大幅に均一化
されることが確認されている。尚、前記各試験時に於け
る炉出口の平均O2 濃度は約9%であった。同様に、第
1実施例態様の流動層燃焼炉に於いて、燃焼室上部の排
出口に於けるCO濃度を測定したところ、CO濃度は約
20〜50ppmであった。これに対して図7の場合の
排出口に於けるCO濃度は約80〜150ppmであ
り、これに比較して排ガス内のCO濃度が大幅に低下し
ていることが確認されている。
【0032】前記第2実施態様の流動層燃焼炉(図4)
に於いても、都市ごみ廃棄物を燃料として同様の試験を
行なった。尚、この場合、水平方向噴出の2次空気量は
全2次空気の40%とし、残りの60%を下向き噴出と
した。試験の結果によれば、O2 濃度分布の最大値が約
10.3%、最低値が約8.2%となり、両者の差が約
2.1%以下であった。前記第1実施態様の場合と同様
に従前の流動層燃焼炉の場合に比較してO2 の濃度分布
が著しく改善されることが判る。また、燃焼室上部の排
ガス出口に於ける排ガス内のCO濃度は約18ppm〜
40ppmとなり、従前の炉に比較して大幅にCO濃度
を引き下げ得ることが確認されている。
【0033】図6は本発明の第3実施態様を示すもので
あり、石炭焚の流動層ボイラへ本発明を適用した場合を
示すものである。図6に於いて、10は水平分散型流動
層、11は流動ノズル、12は流動エアーチャンバ、1
3は層内管、14はボイラ本体水管、15は上部ドラ
ム、16は下部ドラム、17は1次蒸気過熱器、18は
2次蒸気過熱器である。尚、2次空気B1 及びB2 の供
給方法とその作用については、前記図4の場合とほぼ同
一であり、従ってここではその説明を省略する。また、
図6の実施態様に於いては、2次空気B12、B13の下向
き角度θ12、θ 13は約45°に、また2次空気B22、B
23の下向き角度θ22、θ23は約30°に設定されてい
る。
【0034】
【発明の効果】本発明に於いては、2次空気を燃焼室下
方の何れか一側の壁面とこれに対向する側の壁面とか
ら、夫々同じか又は異なる下向き角度でもって燃焼室下
部内方へ向けて噴出し、流動層の上部空間(即ち、燃焼
室の下方部空間)に燃焼ガス・2次空気の循環流を形成
するようにしている。その結果、燃焼ガスと2次空気と
の攪拌混合が促進されて両者がより完全に混合されると
共に、燃焼室下部空間内に於ける燃焼ガスの停滞時間が
増加し、燃焼ガスの完全燃焼が可能となる。これによ
り、排ガス内のCO濃度の低減や燃焼室下部に於けるダ
イオキシンの生成量の低減、過剰空気量の引き下げ等が
達成される。
【0035】また、都市ごみ等の流動層燃焼炉において
は、ごみ質の変動が大きいために流動床温度を600〜
700℃程度の低温に抑えると共に、流動速度を遅くし
て燃焼時間を長くし、瞬時の燃焼を抑えるようにする必
要がある。このため、揮発分の燃焼が2次空気の投入部
で急激に起り、炉圧変動が大きくなると共に流動床温度
が不安定になるという問題があった。これに対して、本
願発明では流動床の上方に旋回流状の火炎が常時形成さ
れているため、流動床温度を500〜600℃程度に下
げても廃棄物からの揮発分は前記旋回状の火炎によって
順次燃焼されて爆発的に燃焼をすることが無くなる。そ
の結果、炉圧の変動が抑えられて安定した燃焼が達成さ
れる。
【0036】更に、粒状の可燃物を持つ廃棄物の場合に
は、これらが浮遊燃焼をして完全に燃え切れないまま残
り、未燃分やCO濃度の増加をもたらすことになる。こ
れに対して、本願発明ではこれらの未燃分は旋回流に巻
き込まれて完全燃焼をし、未燃分やCO濃度の大幅な低
減が可能となる。本発明は上述の通り優れた実用的効用
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様を示す説明図である。
【図2】図1の流動層燃焼炉に於ける2次空気噴出口の
配列状態を示す説明図である。
【図3】2次空気噴出口の他の配列状態を示す説明図で
ある。
【図4】本発明の第2実施態様を示す説明図である。
【図5】図4の流動層燃焼炉に於ける2次空気噴出口の
配列状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第3実施態様を示す説明図である。
【図7】従前の流動層燃焼炉の横断面概要図である。
【図8】従前の流動層燃焼炉に於ける2次空気のガス流
速に与える影響の説明図である。
【図9】2次空気の供給によるハンチングの発生機構の
説明図である。
【図10】2次空気を両側壁面から段違い状に対向せし
めて放出した場合の燃焼室内を流れるガス流の状態を示
す説明図である。
【符号の説明】
Aは1次空気、Bは2次空気、B1 は燃料供給口側の側
壁面から供給する2次空気、B2 は対向する側の壁面か
ら供給する2次空気、Cは廃棄物、Vはガス流速、Dは
燃焼ガス・空気の旋回流、Fは流動層燃焼炉、1はロー
タリーフィダ、2は燃料シュート、2aは燃料供給口、
3は傾斜分散型流動層、4は1次空気チャンバ、5は流
動ノズル、6は2次空気チャンバ、7は2次空気噴出
口、8は燃焼室、8aは燃料供給口側の壁面、8bは燃
料供給口側の壁面と対向する面、9は灰出し口、10は
水平分散型流動層、11は流動ノズル、12は流動エア
ーチャンバ、13は層内管、14はボイラ本体水管、1
5は上部ドラム、16は下部ドラム、17は1次蒸気過
熱器、18は2次蒸気過熱器。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層の下方より1次空気を供給すると
    共に燃焼室の下方部へ2次空気を供給するようにした流
    動層燃焼炉に於いて、燃焼室下方の何れか一側の壁面と
    これに対向する側の壁面とから、2次空気を夫々同じか
    又は異なる下向き角度でもって燃焼室の下方部内方へ向
    けて噴出し、流動層の上部空間に2次空気と燃焼ガスの
    旋回流を形成するようにしたことを特徴とする流動層燃
    焼炉における2次空気の供給方法。
  2. 【請求項2】 流動層の下方より1次空気を供給すると
    共に燃焼室の下方部へ2次空気を供給するようにした流
    動層燃焼炉に於いて、燃焼室下方の何れか一側の壁面と
    これに対向する側の壁面とから、2次空気を夫々同じか
    又は異なる下向き角度でもって燃焼室の下方部内方へ向
    けて噴出し、流動層の上部空間に2次空気と燃焼ガスの
    旋回流を形成すると共に、前記下向き角度でもって両壁
    面から噴出される2次空気の上方空間部へ、両壁面から
    2次空気を噴出することを特徴とする流動層燃焼炉にお
    ける2次空気の供給方法。
  3. 【請求項3】 燃焼室下方の燃料供給口側の壁面とこれ
    に対向する側の壁面とから2次空気を噴出するようにし
    た請求項1又は請求項2に記載の流動層燃焼炉における
    2次空気の供給方法。
  4. 【請求項4】 上・下方向に間隔を有する複数の2次空
    気噴出口から下向き角度で2次空気を噴出するようにし
    た請求項1又は請求項2に記載の流動層燃焼炉における
    2次空気の供給方法。
  5. 【請求項5】 下向き角度で噴出する2次空気の上方空
    間部へ供給する2次空気を、水平状で噴出する2次空気
    とした請求項2に記載の流動層燃焼炉における2次空気
    の供給方法。
  6. 【請求項6】 両壁面の2次空気噴出口から噴出する2
    次空気流の軸芯位置を、水平方向及び又は垂直方向に相
    互にづらすようにした請求項1、請求項2、請求項3、
    請求項4又は請求項5に記載の流動層燃焼炉における2
    次空気の供給方法。
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