JP6321689B2 - 新規の低粘度及び高分子量のエステル化セルロースエーテル - Google Patents

新規の低粘度及び高分子量のエステル化セルロースエーテル Download PDF

Info

Publication number
JP6321689B2
JP6321689B2 JP2015561465A JP2015561465A JP6321689B2 JP 6321689 B2 JP6321689 B2 JP 6321689B2 JP 2015561465 A JP2015561465 A JP 2015561465A JP 2015561465 A JP2015561465 A JP 2015561465A JP 6321689 B2 JP6321689 B2 JP 6321689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose ether
hpmcas
esterified cellulose
viscosity
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015561465A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016510828A (ja
Inventor
オリヴァー・ピーターマン
マインオルフ・ブラックハーゲン
マティアス・スプレヘ
ロバート・ビー・アッペル
Original Assignee
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー, ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー filed Critical ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Publication of JP2016510828A publication Critical patent/JP2016510828A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6321689B2 publication Critical patent/JP6321689B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B13/00Preparation of cellulose ether-esters
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/30Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
    • A61K47/36Polysaccharides; Derivatives thereof, e.g. gums, starch, alginate, dextrin, hyaluronic acid, chitosan, inulin, agar or pectin
    • A61K47/38Cellulose; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/28Dragees; Coated pills or tablets, e.g. with film or compression coating
    • A61K9/2806Coating materials
    • A61K9/2833Organic macromolecular compounds
    • A61K9/286Polysaccharides, e.g. gums; Cyclodextrin
    • A61K9/2866Cellulose; Cellulose derivatives, e.g. hydroxypropyl methylcellulose
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/4816Wall or shell material

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、新規のエステル化セルロースエーテル、そのようなエステル化セルロースエーテル中の活性成分の固体分散体、並びにそのようなエステル化セルロースエーテルを含む、液体組成物、コーティング剤形、及びカプセルに関する。
セルロースエーテルのエステル、それらの使用、及びそれらを調製するためのプロセスは、概して当該技術分野において既知である。セルロースエーテル−エステルを導入する既知の方法は、例えば、米国特許4,226,981及び同4,365,060に記載されるように、セルロースエーテルの脂肪族モノカルボン酸無水物、もしくはジカルボン酸無水物、またはこれらの組み合わせとの反応を含む。
種々の既知のエステル化セルロースエーテルは、メチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースサクシネート、またはヒドロキシプロピルセルロースサクシネートなど、医薬品剤形のための腸溶性ポリマーとして有用である。そのようなポリマーでコーティングされる剤形は、酸性環境における不活化もしくは分解から薬物を保護するか、または薬物による胃の刺激を防止する。米国特許4,365,060は、優れた腸溶性作用を有すると言われている腸溶性カプセルを開示する。
米国特許出願公開2004/0152886は、2重量%水溶液として測定される、3〜20cpの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースからのヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの生成を開示する。
国際特許出願WO2005/115330及び同WO2011/159626は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)の調製を開示する。2.4〜3.6cpの見掛け粘度を有するHPMCが、出発物質として推奨される。あるいは、600〜60,000ダルトン、好ましくは3000〜50,000ダルトン、より好ましくは6,000〜30,000ダルトンのHPMC出発物質が推奨される。Keary[Keary,C.M.;Carbohydrate Polymers 45(2001)293−303、表7及び8]によると、約85〜100kDaの重量平均分子量を有するHPMCは、2重量%水溶液として決定される、約50mPa×sの粘度を有する。
米国特許5,776,501は、2重量%水性溶液として決定される、3〜10cp(mPa・s)の粘度を有する水溶性セルロースエーテルの使用を教示する。粘度が3cp未満である場合、固体腸溶性医薬品のための最終的に得られるコーティングフィルムは、強度が不十分であり、一方で、10cpを超えると、置換反応を実施するために溶媒中に溶解されるときに観察される粘度は、極めて高くなる。
欧州特許出願EP−A−0 219 426は、20℃の2重量%水性溶液として測定される、少なくとも5cpの粘度を有するセルロースエーテルから生成される、セルロースエーテルの腸溶性酸性ジカルボン酸エステルを調製するための方法を開示する。6cpの粘度のHPMCから生成されるHPMCASは、人工胃液で分解される3cpの粘度のHPMCから生成されるHPMCASよりも、高い分子量及び人工胃液に対する良好な耐性を有した。
高分子量のエステル化セルロースエーテルは、胃液に対する良好な耐性に関して非常に望ましいが、既知の高分子量のエステル化セルロースエーテルは、7〜10重量%の濃度など、有機溶液中において高濃度で溶解されるとき、高粘度を示し、それは、それらのコーティングプロセスにおける効率性を低下させる。コーティングプロセスにおいて、有機溶媒中の高濃度のエステル化セルロースエーテルは、後に除去されなければならない溶媒の量を最小限に抑えるために望ましい。一方で、溶液の粘度は、コーティングされるタブレットなどの剤形上の溶液の噴霧を促進するために、低くなるべきである。
さらに、多数の現在既知の薬物が、低い水溶性を有し、そのため剤形を調製するために、複雑な技術が要求される。1つの既知の方法は、任意に水とブレンドされる有機溶媒中で、かつ溶液を噴霧乾燥させるために、エステル化セルロースエーテルなどの薬学的に許容される水溶性ポリマーと一緒にそのような薬物を溶解することを含む。エステル化セルロースエーテルは、薬物の結晶化度を低下させ、それにより薬物の溶解に必要な活性化エネルギーを最小限に抑え、かつ薬物分子の周囲に親水性条件を確立し、それによりそのバイオアベイラビリティ、すなわち摂取後の個人による生体内吸収を高めるために、薬物自体の可溶性を改善することを目的としている。また、噴霧乾燥プロセスにおいて、有機溶媒中の高濃度のエステル化セルロースエーテルは、除去されなければならない溶媒の量を最小限に抑えるために望ましい。しかしながら、エステル化セルロースエーテルを含む有機溶液の粘度が高いとき、溶液は、噴霧乾燥されるのが困難であり、噴霧乾燥デバイスを詰まらせる傾向がある。
したがって、高分子量を有するが、それでもなお噴霧乾燥及びコーティングプロセスで効率的に使用され得る、新しいエステル化セルロースエーテルを発見することが非常に望ましい。
本発明の一態様は、(i)脂肪族一価アシル基、または(ii)式−C(O)−R−COOAの基であって、式中、Rが二価脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基であり、Aが水素もしくはカチオンである、基、あるいは(iii)脂肪族一価アシル基及び式−C(O)−R−COOAの基の組み合わせを含み、20℃のアセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、最大19mPa・sの粘度を含み、並びに少なくとも90,000ダルトンの重量平均分子量Mを含む、エステル化セルロースエーテルである。
本発明の別の態様は、液体希釈剤、及び少なくとも1つの上記のエステル化セルロースエーテルを含む、組成物である。
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの上記のエステル化セルロースエーテル中の少なくとも1つの活性成分の固体分散体である。
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの上記のエステル化セルロースエーテルでコーティングされる、剤形である。
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの上記のエステル化セルロースエーテルを含む、カプセル殻である。
本発明のさらに別の態様は、上記のエステル化セルロースエーテルを生成するためのプロセスであり、20℃の2重量%溶液として測定される、1.20〜2.33mPa・sの粘度を有するセルロースエーテルが、(i)脂肪族モノカルボン酸無水物、もしくは(ii)ジカルボン酸無水物、または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物及びジカルボン酸無水物の組み合わせでエステル化される。
エステル化セルロースエーテルは、本発明の文脈において無水グルコース単位として表される、β−1,4グリコシド結合D−グルコピラノース反復単位を有する、セルロース主鎖を有する。エステル化セルロースエーテルは、好ましくは、エステル化アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、またはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。これは、本発明のエステル化セルロースエーテル中で、無水グルコース単位のヒドロキシル基の少なくとも一部が、アルコキシル基もしくはヒドロキシアルコキシル基、またはアルコキシル及びヒドロキシアルコキシル基の組み合わせによって置換されることを意味する。ヒドロキシアルコキシル基は、典型的にはヒドロキシメトキシル、ヒドロキシエトキシル、及び/またはヒドロキシプロポキシル基である。ヒドロキシエトキシル及び/またはヒドロキシプロポキシル基が好ましい。典型的には、1または2種類のヒドロキシアルコキシル基が、エステル化セルロースエーテル中に存在する。好ましくは、単一の種類のヒドロキシアルコキシル基、より好ましくはヒドロキシプロポキシルが存在する。アルコキシル基は、典型的にはメトキシル、エトキシル、及び/またはプロポキシル基である。メトキシル基が好ましい。上記に定義されたエステル化セルロースエーテルの実例となるものは、エステル化メチルセルロース、エチルセルロース、及びプロピルセルロースなどのエステル化アルキルセルロース;エステル化ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルセルロース;並びにエステル化ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、及びヒドロキシブチルエチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルアルキルセルロース;並びにエステル化ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの、2つ以上のヒドロキシアルキル基を有するものである。最も好ましくは、エステル化セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのエステル化ヒドロキシアルキルメチルセルロースである。
無水グルコース単位のヒドロキシル基のヒドロキシアルコキシル基による置換度は、ヒドロキシアルコキシル基のモル置換、MS(ヒドロキシアルコキシル)によって表現される。MS(ヒドロキシアルコキシル)は、エステル化セルロースエーテル中の無水グルコース単位当たりのヒドロキシアルコキシル基の平均モル数である。ヒドロキシアルキル化反応中、セルロース主鎖に結合したヒドロキシアルコキシル基のヒドロキシル基は、アルキル化剤、例えば、メチル化剤及び/またはヒドロキシアルキル化剤によってさらにエーテル化され得ることを理解されたい。無水グルコース単位の同一の炭素原子位置に対する複数の後続のヒドロキシアルキル化エーテル化反応は、側鎖をもたらし、複数のヒドロキシアルコキシル基は、エーテル結合によって互いと共有結合し、各側鎖は、全体として、セルロース主鎖に対するヒドロキシアルコキシル置換基を形成する。
したがって、用語「ヒドロキシアルコキシル基」は、ヒドロキシアルコキシル基をヒドロキシアルコキシル置換基の構成単位として称するものとして、MS(ヒドロキシアルコキシル)の文脈において解釈されるべきであり、いずれも上記に概説されるように、単一のヒドロキシアルコキシル基または側鎖を含み、2つ以上のヒドロキシアルコキシル単位が、エーテル結合によって互いに共有結合される。この定義内で、ヒドロキシアルコキシル置換基の末端ヒドロキシル基がさらにアルキル化されるかどうかは重要ではなく、両方のアルキル化及び非アルキル化ヒドロキシアルコキシル置換基が、MS(ヒドロキシアルコキシル)の決定に対して含まれる。本発明のエステル化セルロースエーテルは、概して、0.05〜1.00、好ましくは0.08〜0.90、より好ましくは0.12〜0.70、最も好ましくは0.15〜0.60、及び特に0.21〜0.50の範囲のヒドロキシアルコキシル基のモル置換を有する。
無水グルコース単位当たりの、メトキシル基などのアルコキシル基によって置換されるヒドロキシル基の平均数は、アルコキシル基の置換度、DS(アルコキシル)として表される。上記のDSの定義において、用語「アルコキシル基によって置換されるヒドロキシル基」は、セルロース主鎖の炭素原子に直接結合したアルキル化ヒドロキシル基だけではなく、セルロース主鎖に結合したヒドロキシアルコキシル置換基のアルキル化ヒドロキシル基も含むと、本発明内で解釈される。本発明に従ったエステル化セルロースエーテルは、好ましくは、1.0〜2.5、より好ましくは1.1〜2.4、さらにより好ましくは1.2〜2.2、最も好ましくは1.6〜2.05、及び特に1.7〜2.05の範囲のDS(アルコキシル)を有する。
最も好ましくは、エステル化セルロースエーテルは、DS(アルコキシル)に関して上記に示される範囲内のDS(メトキシル)、及びMS(ヒドロキシアルコキシル)に関して上記に示される範囲内のMS(ヒドロキシプロポキシル)を有する、エステル化ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明のエステル化セルロースエーテルは、(i)脂肪族一価アシル基、または(ii)式−C(O)−R−COOAの基であって、式中、Rが二価脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基であり、Aが水素もしくはカチオンである、基、あるいは(iii)脂肪族一価アシル基及び式−C(O)−R−COOAの基の組み合わせを有する。
カチオンは、好ましくは、NH などのアンモニウムカチオン、またはナトリウムもしくはカリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオンである。最も好ましくは、Aは、水素である。
脂肪族一価アシル基は、好ましくは、n−ブチリルまたはi−ブチリルなど、アセチル、プロピオニル、及びブチリルからなる群から選択される。
式−C(O)−R−COOAの好ましい基は、
−C(O)−CH−CH−COOHもしくは−C(O)−CH−CH−COONaなどの、−C(O)−CH−CH−COOA、
−C(O)−CH=CH−COOHもしくは−C(O)−CH=CH−COONaなどの、−C(O)−CH=CH−COOA、または
−C(O)−C−COOHもしくは−C(O)−C−COONaなどの、−C(O)−C−COOAである。
式−C(O)−C−COOAの基において、カルボニル基及びカルボン酸基が、好ましくはオルト位で配列される。
好ましいエステル化セルロースエーテルは、
i)HPMCXYであって、HPMCは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、Xは、A(アセテート)であるか、またはXは、B(ブチラート)であるか、またはXは、Pr(プロピオネート)であり、Yは、S(サクシネート)であるか、またはYは、P(フタレート)であるか、またはYは、M(マレアート)であり、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートマレアート(HPMCAM)、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)である、HPMCXY、または
ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート(HPCAS)、ヒドロキシブチルメチルセルロースプロピオネートサクシネート(HBMCPrS)、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースプロピオネートサクシネート(HEHPCPrS);及びメチルセルロースアセテートサクシネート(MCAS)である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)が、最も好ましいエステル化セルロースエーテルである。
エステル化セルロースエーテルは、概して、0〜1.75、好ましくは0.05〜1.50、より好ましくは0.10〜1.25、及び最も好ましくは0.20〜1.00の、アセチル、プロピオニル、またはブチリル基などの脂肪族一価アシル基の置換度を有する。
エステル化セルロースエーテルは、概して、0.05〜1.6、好ましくは0.05〜1.30、より好ましくは0.05〜1.00、及び最も好ましくは0.10〜0.70、または0.10〜0.60ほどの、サクシノイルなどの式−C(O)−R−COOAの基の置換度を有する。
i)脂肪族一価アシル基の置換度及びii)式−C(O)−R−COOAの基の置換度の合計は、概して、0.05〜2.0、好ましくは0.10〜1.4、より好ましくは0.20〜1.15、最も好ましくは0.30〜1.10、及び特に0.40〜1.00である。
アセテート及びサクシネートエステル基の含有量は、「ヒプロメロースアセテートサクシネート」、米国薬局方及び国民医薬品集、NF 29、1548〜1550ページに従って決定される。報告された値は、揮発物に対して補正される(上記のHPMCAS研究論文中の「乾燥減量」の節に記載されるように決定される)。その方法は、プロピオニル、ブチリル、フタリル、及び他のエステル基の含有量を決定するために、類似した方法で使用されてもよい。
エステル化セルロースエーテル中のエーテル基の含有量は、「ヒプロメロース」、米国薬局方及び国民医薬品集、USP 35、3467〜3469ページに関して記載されるものと同じ方法で決定される。
上記の解析によって得られるエーテル及びエステル基の含有量は、以下の式に従って個々の置換基のDS及びMS値に変換される。式は、他のセルロースエーテルエステルの置換基のDS及びMSを決定するために、類似した方法で使用されてもよい。
慣例により、重量%は、全ての置換基を含む、セルロース反復単位の総重量に基づく平均重量百分率である。メトキシル基の含有量は、メトキシル基(すなわち、−OCH)の質量に基づき報告される。ヒドロキシアルコキシル基の含有量は、ヒドロキシプロポキシル(すなわち、−O−CHCH(CH)−OH)など、ヒドロキシアルコキシル基(すなわち、−O−アルキレン−OH)の質量に基づき報告される。脂肪族一価アシル基の含有量は、−C(O)−Rの質量に基づき報告され、Rは、アセチル(−C(O)−CH)など、一価脂肪族基である。式−C(O)−R−COOHの基の含有量は、サクシノイル基(すなわち、−C(O)−CH−CH−COOH)の質量など、この基の質量に基づき報告される。
本発明のエステル化セルロースエーテルは、20℃のアセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、最大でわずか19mPa・s、概して最大17mPa・s、及び本発明のいくつかの実施形態において、さらに最大でわずか15mPa・s、より好ましくは最大13mPa・s、及びさらにより好ましくは最大11mPa・sの粘度を有する。本発明のいくつかの実施形態において、20℃のアセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、最大でわずか8.0mPa・s、好ましくは最大でわずか6.5mPa・s、より好ましくは最大でわずか5.0mPa・s、最も好ましくは最大でわずか4.0mPa・s、及び特に最大でわずか3.0mPa・sの粘度を有する、エステル化セルロースエーテルが生成され得る。本発明のエステル化セルロースエーテルは、典型的には、20℃のアセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、1.50mPa・s以上、より典型的には1.65mPa・s以上、及び最も典型的には1.80mPa・s以上の粘度を有する。本発明のいくつかの実施形態において、エステル化セルロースエーテルは、5.0mPa・s以上、より典型的には6.5mPa・s以上の粘度を有する。アセトン中の10重量%溶液として測定される、本発明のエステル化セルロースエーテルの粘度は、アセトン中の既知のエステル化セルロースエーテルの粘度よりも相当に低い。本発明のエステル化セルロースエーテルの低粘度は、エステル化セルロースエーテルを含む液体組成物が、例えば、活性成分及びエステル化セルロースエーテルを含む固体分散体を調製するために、噴射乾燥に供されるとき、非常に有利である。アセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液は、以下の実施例においてさらに記載される通りに調製され得る。
本発明のエステル化セルロースエーテルの平均分子量は、以下でさらに詳細に説明されるように、本発明のエステル化セルロースエーテルを調製するために使用される、20℃の水中の2.0重量%溶液として測定されるセルロースエーテルの粘度、ならびにエステル化反応において使用されるセルロースエーテルと希釈剤と触媒との間の重量比など、種々の要因に依存する。
本発明の一実施形態において、エステル化セルロースエーテルは、20℃の0.43重量%水性NaOH中のエステル化セルロースエーテルの2.0重量%溶液として測定される、最大2.33mPa・s、または最大2.25mPa・s、好ましくは最大2.10mPa・s、より好ましくは最大1.95mPa・s、さらに好ましくは最大1.80mPa・s、最も好ましくは最大1.70mPa・s、及び特に最大1.55mPa・sの粘度を有する。概して、エステル化セルロースエーテルの粘度は、20℃の0.43重量%水性NaOH中のエステル化セルロースエーテルの2.0重量%溶液として測定される、1.20mPa・s以上、典型的には1.30mPa・s以上、及びより典型的には1.40mPa・s以上である。エステル化セルロースエーテルの2.0重量%溶液は、「Hypromellose Acetate Succinate,United States Pharmacopeia and National Formulary,NF 29,pp.1548−1550」に記載される通りに調製され、続いて、DIN 51562−1:1999−01(1999年1月)に従って、ウベローデ粘度測定を行う。0.43重量%水性NaOH中のエステル化セルロースエーテルの粘度が、エステル化セルロースエーテルを生成するための出発物質として有用であるセルロースエーテルの粘度に非常に類似していることがわかっている。
本発明のエステル化セルロースエーテルは、少なくとも90,000ダルトン、好ましくは95,000〜500,000ダルトン、より好ましくは100,000〜350,000ダルトン、及び特に105,000〜300,000ダルトンの重量平均分子量Mを有する。
一実施形態において、本発明のエステル化セルロースエーテルは、90,000〜220,000ダルトン、典型的には100,000〜200,000ダルトン、及びより典型的には100,000〜180,000ダルトンの重量平均分子量M、並びに20℃のアセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、最大17mPa・s、典型的には1.50mPa・s〜15mPa・s、より典型的には1.65〜13mPa・s、及び最も典型的には1.80mPa・s〜11mPa・sの粘度を有する。別の実施形態において、本発明のエステル化セルロースエーテルは、220,000〜500,000ダルトン、典型的には230,000〜350,000ダルトン、及びより典型的には250,000〜300,000ダルトンの重量平均分子量、並びに20℃のアセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、最大19mPa・s、典型的には5〜18mPa・s、及びより典型的には8〜17mPa・sの粘度を有する。エステル化セルロースエーテルの重量平均分子量が高まると、これは典型的に、アセトン中のその粘度も高まることを意味する。驚くべきことに、本発明のエステル化セルロースエーテルは、上記のアセトン中の低粘度と組み合わせて、言及される高い重量平均分子量を有する。
、M、及びMは、移動相として40容量部のアセトニトリルと、50mMのNaHPO及び0.1MのNaNOを含有する、60容量部の水性緩衝液との混合物を使用して、Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis 56(2011)743に従って測定される。移動相は、8.0のpHに調節される。M、M、及びMの測定は、実施例においてより詳細に記載される。
以下の実施例は、本発明のエステル化セルロースエーテルの調製方法を記載する。これらのエステル化セルロースエーテルを生成するためのプロセスのいくつかの態様は、以下により一般的な言葉で記載される。
本発明のエステル化セルロースエーテルの好ましい生成方法において、20℃(+/−0.1℃)の水中の2.0重量%溶液として測定される、1.20〜2.33mPa・s、典型的には1.20〜2.25mPa・s、好ましくは1.20〜2.10mPa・s、より好ましくは1.20〜1.95mPa・s、さらにより好ましくは1.20〜1.80mPa・s、最も好ましくは1.20〜1.70mPa・s、及び特に1.20〜1.55mPa・sの粘度を有するセルロースエーテルは、(i)脂肪族モノカルボン酸無水物、もしくは(ii)ジカルボン酸無水物、または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物及びジカルボン酸無水物の組み合わせでエステル化される。プロセスは、以下でさらに詳細に説明される。
水中のセルロースエーテルの2.0重量%溶液は、米国薬局方(USP 35、「ヒプロメロース」、3467〜3469ページ)に従って調製され、その後に、DIN 51562−1:1999−01(1999年1月)に従ったウベローデ粘度測定が続く。出発物質として使用される低粘度のセルロースエーテルは、均一反応混合物が得られるエステル化セルロースエーテルを生成するために使用される、反応混合物の良好な混和性を可能にする。好ましくは、上記にさらに記載されるようなエーテル基の種類及びエーテル基の置換度(複数可)を有する、セルロースエーテルが使用される。上記のセルロースエーテル及びそれらの生成は、国際特許出願WO2009061821及び同WO2009/061815に記載される。
セルロースエーテルは、(i)脂肪族モノカルボン酸無水物、もしくは(ii)ジカルボン酸無水物、または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物及びジカルボン酸無水物の組み合わせと反応させられる。好ましい脂肪族モノカルボン酸無水物は、酢酸無水物、酪酸無水物、及びプロピオン酸無水物からなる群から選択される。好ましいジカルボン酸無水物は、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、及びフタル酸無水物からなる群から選択される。ジカルボン酸無水物及び脂肪族モノカルボン酸無水物が組み合わせて使用される場合、2つの無水物は、同時に、または順に別々に、反応容器中に導入されてもよい。反応容器に導入される各無水物の量は、通常、エステル化による無水グルコース単位の所望のモル置換度の化学量論量の1〜10倍である、最終生成物中で得られる所望のエステル化度によって決定される。
ジカルボン酸の無水物が使用される場合、[ジカルボン酸の無水物/セルロースエーテルの無水グルコース単位]のモル比は、90,000〜220,000ダルトン、典型的には100,000〜200,000ダルトン、及びより典型的には100,000〜180,000ダルトンの重量平均分子量Mを有するエステル化セルロースエーテルを生成するために、概して、0.1/1〜1.5/1、好ましくは0.13/1〜1/1である。ジカルボン酸の無水物が使用される場合、[ジカルボン酸の無水物/セルロースエーテルの無水グルコース単位]のモル比は、220,000〜500,000ダルトン、典型的には230,000〜350,000ダルトン、及びより典型的には250,000〜300,000ダルトンのMを有するエステル化セルロースエーテルを生成するために、概して、0.3/1〜0.4/1、好ましくは0.33/1〜0.35/1である。
モノカルボン酸の無水物が使用される場合、モル比[脂肪族モノカルボン酸の無水物/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は、90,000〜220,000ダルトン、典型的には100,000〜200,000ダルトン、及びより典型的には100,000〜180,000ダルトンの重量平均分子量Mを有するエステル化セルロースエーテルを生成するために、概して、少なくとも0.9/1、好ましくは少なくとも1.0/1、及び概して最大8/1、好ましくは最大6/1、及びより好ましくは最大4/1である。モノカルボン酸の無水物が使用される場合、モル比[脂肪族モノカルボン酸の無水物/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は、220,000〜500,000ダルトン、典型的には230,000〜350,000ダルトン、及びより典型的には250,000〜300,000ダルトンのMを有するエステル化セルロースエーテルを生成するために、概して、1.2/1〜1.4/1、好ましくは1.25/1〜1.32/1である。
本発明のプロセスで利用されるセルロースエーテルの無水グルコース単位のモル数は、DS(アルコキシル)及びMS(ヒドロキシアルコキシル)から置換された無水グルコース単位の平均分子量を計算することによって、出発物質として使用されるセルロースエーテルの重量から決定され得る。
セルロースエーテルのエステル化は、好ましくは、酢酸、プロピオン酸、または酪酸など、反応希釈剤として脂肪族カルボン酸で実施される。反応希釈剤は、室温で液体であり、ベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサン、もしくはテトラヒドロフランなどの芳香族もしくは脂肪族溶媒;またはジクロロメタンもしくはジクロロメチルエーテルなどのハロゲン化C−C誘導体など、セルロースエーテルと反応しない、少量の他の溶媒または希釈剤を含むことができるが、脂肪族カルボン酸の量は、反応希釈剤の総重量に基づき、好ましくは50%超、より好ましくは少なくとも75%、及びさらにより好ましくは少なくとも90%である。
最も好ましくは、反応希釈剤は、脂肪族カルボン酸からなる。したがって、エステル化プロセスは、反応希釈剤としての脂肪族カルボン酸の使用に関連して以下に記載されるが、プロセスはそれに限定されない。
20℃のアセトン中の10重量%溶液として測定される、エステル化セルロースエーテルの粘度は、3つの主要なエステル化反応のパラメータ、すなわち1.出発物質として使用されるセルロースエーテルの粘度、2.モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]、及び3.モル比[エステル化触媒/セルロースエーテルの無水グルコース単位]、によって影響を受け得ることがわかっている。本明細書の概括的な教示及び実施例のより明確な教示に基づいて、当業者は、本発明のエステル化セルロースエーテルに辿り着くために、これら3つの主要なエステル化反応のパラメータの選択法を認知する。
驚くべきことに、先行技術において開示されるように3mPa・s以上の粘度のセルロースエーテルが使用されるときよりも、セルロースエーテルが、20℃の水中の2.0重量%溶液として測定される、1.20〜2.33mPa・sの粘度を有する出発物質として使用されるとき、他の反応パラメータを一定に保ちながらも、アセトン中の10重量%溶液として測定される、相当により低い粘度のエステル化セルロースエーテルが取得されることがわかっている。
適切なモル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は、出発物質として使用されるセルロースエーテルの粘度に依存する。20℃の水中の2.0重量%溶液として測定される、出発物質として使用されるセルロースエーテルの粘度が、1.9〜2.33mPa・sであるとき、モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は、概して2.8/1.0以上、好ましくは3.0/1.0以上、及びより好ましくは3.5/1.0以上である。20℃の水中の2.0重量%溶液として測定される、出発物質として使用されるセルロースエーテルの粘度が、わずか1.2〜1.8mPa・sのとき、モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は、0.5/1以上、典型的には1.0/1以上、より典型的には1.5/1以上、及び最も典型的には1.7/1以上など、さらに低くなり得るが、それでもなお20℃のアセトン中のエステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、上記の低粘度を有するエステル化セルロースエーテルを調製する。
アセトン中の10重量%溶液として測定される、高すぎる粘度を有するエステル化セルロースエーテルが取得される場合、本発明の教示に一致して、モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は高まるはずであり、かつ/または20℃の水中の2.0重量%溶液として測定される、出発物質として使用されるセルロースエーテルの粘度は低下するはずである。
少なくとも90,000ダルトン、好ましくは少なくとも95,000ダルトン、より好ましくは少なくとも100,000ダルトン、及び最も好ましくは少なくとも105,000ダルトンの重量平均分子量Mを達成するために、モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は、出発物質として使用されるセルロースエーテルの粘度に応じて、典型的には、最大8.0/1.0、より典型的には最大6.0/1.0、さらにより典型的には最大5.0/1.0、及び最も典型的には最大4.4/1.0である。他の反応パラメータが一定に保たれている場合、モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]が高くなればなるほど、概して、エステル化セルロースエーテルの重量平均分子量が低くなる。低すぎる分子量を有するエステル化セルロースエーテルが取得される場合、本発明の教示に一致して、モル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は低下するはずであり、かつ/または20℃の水中の2.0重量%溶液として測定される、出発物質として使用されるセルロースエーテルはわずかに増加するはずである。しかし、出発物質として実質的により高い粘度のセルロースエーテルの選択は、予想不可能にエステル化セルロースエーテルのアセトン粘度を高める場合がある。
エステル化セルロースエーテルの重量平均分子量が高まるとき、これは典型的に、アセトン中のその粘度も高まることを意味する。しかし、セルロースエーテルが、20℃の水中の2.0重量%溶液として測定される、わずか1.20〜2.0mPa・s、より好ましくは1.20〜1.80mPa・s、及び最も好ましくは1.20〜1.60mPa・sの粘度を有する出発物質として使用されるとき、高い重量平均分子量だが、20℃の10重量%溶液として測定される、アセトン中で極めて低粘度を有するエステル化セルロースエーテルが、生成され得ることが非常に驚くべきことにわかっている。
エステル化反応は、概して、エステル化触媒の存在下で、好ましくは、ナトリウムアセテートまたはカリウムアセテートなど、カルボン酸アルカリ金属の存在下で実施される。モル比[カルボン酸アルカリ金属/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は概して、[0.4/1.0]〜[3.8/1.0]、好ましくは[0.6/1.0]〜[2.7/1.0]、及びより好ましくは[0.8/1.0]〜[1.6/1.0]である。他の反応パラメータが定義された範囲内で一定に保たれる場合、モル比[カルボン酸アルカリ金属/セルロースエーテルの無水グルコース単位]が高くなればなるほど、概して、エステル化セルロースエーテルの重量平均分子量が高くなる。アセトン中の10重量%溶液として測定される、高すぎる粘度を有するエステル化セルロースエーテルが取得される場合、本発明の教示に一致して、モル比[カルボン酸アルカリ金属/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は低下するはずであり、かつ/またはモル比[脂肪族カルボン酸/セルロースエーテルの無水グルコース単位]は高まるはずであり、かつ/または20℃の水中の2.0重量%溶液として測定される、出発物質として使用されるセルロースエーテルの粘度は低下するはずである。
反応混合物は、反応を完了するのに十分な期間、すなわち、典型的には2〜25時間、より典型的には2〜8時間にわたって、概して、60℃〜110℃、好ましくは70〜100℃で加熱される。反応混合物は、均一反応混合物を提供するために十分に混合されるべきである。エステル化反応の完了後、反応生成物は、米国特許4,226,981、国際特許出願WO2005/115330、または欧州特許出願EP 0 219 426に記載されるように、例えば、反応混合物を大量の水と接触させることによって、既知の方法で反応混合物から沈殿し得る。本発明の好ましい実施形態では、反応生成物は、2012年3月27日出願の米国仮出願61/616207、または国際公開WO2013/148154として公開された、その対応する国際特許出願PCT/US13/030394に記載されるように、反応混合物から沈殿する。
本発明の別の態様は、液体希釈剤、及び上記のエステル化セルロースエーテルのうちの1つ以上を含む、組成物である。本明細書で使用される場合、用語「液体希釈剤」は、25℃及び大気圧で液体である希釈剤を意味する。希釈剤は、水、もしくは有機液体希釈剤、または水及び有機液体希釈剤の混合物であってもよい。好ましくは、液体希釈剤の量は、噴霧乾燥などの所望の使用のために、またはコーティング目的で、組成物に十分な流動性及びプロセス可能性を提供するのに十分である。
本明細書で使用される場合、用語「有機液体希釈剤」は、1つの有機溶媒、または2つ以上の有機溶媒の混合物を意味する。好ましい有機液体希釈剤は、酸素、窒素、または塩素などのハロゲンなど、1つ以上のヘテロ原子を有する、極性有機溶媒である。より好ましい有機液体希釈剤は、アルコール、例えば、グリセロールなどの多官能アルコール、または好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくはn−プロパノールなどの単官能アルコール;テトラヒドロフランなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、もしくはメチルイソブチルケトンなどのケトン;エチルアセテートなどのアセテート;塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;またはアセトニトリルなどのニトリルである。
一実施形態では、本発明の組成物は、液体希釈剤として、有機希釈剤を単独で、または少量の水と混合して含む。本実施形態では、本発明の組成物は、有機液体希釈剤及び水の総重量に基づき、好ましくは50を超える、より好ましくは少なくとも65、及び最も好ましくは少なくとも75重量%の有機液体希釈剤、及び好ましくは50未満、より好ましくは最大で35、及び最も好ましくは最大で25重量%の水を含む。本発明の本実施形態は、本発明が不十分な水溶性の活性成分を含む場合、特に有用である。
別の実施形態では、本発明の組成物は、液体希釈剤として、水を単独で、または上記のような少量の有機液体希釈剤と混合して含む。本実施形態では、本発明の組成物は、有機液体希釈剤及び水の総重量に基づき、好ましくは少なくとも50、より好ましくは少なくとも65、及び最も好ましくは少なくとも75重量%の水、及び好ましくは最大で50、より好ましくは最大で35、及び最も好ましくは最大で25重量%の有機液体希釈剤を含む。本発明の本実施形態は、本発明のエステル化セルロースエーテルを含む水性組成物から、コーティングまたはカプセルを提供するのに特に有用である。水溶液を調製するとき、式−C(O)−R−COOAの基の少なくとも一部分がそれらの塩形態であることが好ましい。
液体希釈剤、及び上記のエステル化セルロースエーテルのうちの1つ以上を含む、本発明の組成物は、活性成分に対する賦形剤系として有用であり、肥料、除草剤、または殺虫剤などの活性成分、またはビタミン、ハーブ及びミネラルサプリメント及び薬などの生物活性成分に対する賦形剤系を調製するための中間体として特に有用である。したがって、本発明の組成物は、好ましくは、1つ以上の活性成分、最も好ましくは1つ以上の薬物を含む。用語「薬物」は従来のものであり、動物、特にヒトに投与されたとき、有益な予防的及び/または治療的特性を有する、化合物を示す。好ましくは、薬物は、「低可溶性薬物」であり、薬物が約0.5mg/mL以下の生理学的に関連したpH(例えば、pH1〜8)の水溶性を有することを意味する。本発明は、薬物の水溶性が減少するにつれて、より大きな有用性を見出す。したがって、本発明の組成物は、0.1mg/mL未満または0.05mg/mL未満、または0.02mg/mL未満、または0.01mg/mL未満でさえある水溶性を有する低可溶性薬物に対して好ましく、水溶性(mg/mL)は、USP疑似胃腸緩衝液を含む、任意の生理学的に関連した水溶液(例えば、1〜8の間のpH値を有するもの)中で観察される最小値である。活性成分は、本発明から利益を得るために、低可溶性活性成分である必要はないが、低可溶性活性成分は、本発明で使用するための好ましい種類を示す。所望の使用環境においてかなりの水溶性を示す活性成分は、最大で1〜2mg/mLの、または20〜40mg/mLほど高い水溶性さえ有し得る。有用な低可溶性薬物は、国際特許出願WO2005/115330、17〜22ページに列挙される。
本発明の液体組成物は、組成物の総重量に基づき、好ましくは1〜40%、より好ましくは5〜35%、さらにより好ましくは7〜30%、及び最も好ましくは10〜25%の上記の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテル、40〜99%、より好ましくは50〜94.9%、さらにより好ましくは65〜92.5%、及び最も好ましくは70〜89%の上記に更に記載される液体希釈剤、並びに0〜40%、より好ましくは0.1〜40%、さらにより好ましくは0.5〜25%、及び最も好ましくは1〜15%の活性成分を含む。20℃のアセトン中の10重量%溶液として測定される、本発明のエステル化セルロースエーテルの低い粘度は、高い濃度のエステル化セルロースエーテルの取り込み、すなわち、エステル化セルロースエーテル対液体希釈剤の高い比を可能にするが、それでもなおかなり低い粘度の液体組成物を提供する。これは、エステル化セルロースエーテル中の活性成分の固体分散体を生成するために、2つの方法で利用され得る:1.エステル化セルロースエーテル/活性成分の比は、既知のより希薄な組成物と同じに保たれる。この場合、エステル化セルロースエーテルのより高い濃度は、液体組成物中の活性成分のより高い濃度ももたらし、したがって、固体分散体の生成において活性成分の増加した処理量ももたらす一方で、活性成分の同じ安定性を維持する。2.あるいは、液体組成物中のエステル化セルロースエーテルの濃度のみが高まるが、活性成分の濃度は増加しない。これは、エステル化セルロースエーテル/活性成分のより高い比をもたらし、それは、活性成分の処理量の増加なしで、液体希釈剤の除去後にエステル化セルロースエーテルのマトリクス中の活性成分の改善された安定化をもたらす。これは、固体剤形中の活性成分の非晶質状態の強化された安定化を実現するために、活性成分の含有量を減少させる必要なく、液体剤形中のエステル化セルロースエーテルのより高い含有量で、製剤者が操作することができることを意味する。本発明のエステル化セルロースエーテルは、液体組成物中の活性成分の高い充填量を可能にするが、それでもなお、固体分散体の調製においてかなり高い処理量を実現する。国際公開WO2004/014342、13ページ、最終段落で提案されるような、より高い活性成分処理量を実現するための、非晶質の代わりに半規則性の分散体の生成は、必要ではない。
本発明の一態様では、上記の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテル、1つ以上の活性成分、及び任意に1つ以上のアジュバントを含む組成物は、液体形態、例えば、懸濁液、スラリー、噴霧可能な組成物、またはシロップの形態で使用され得る。液体組成物は、例えば、経口、眼、局所、直腸、または鼻腔適用に有用である。液体希釈剤は、概して、任意に上記の水と混合した、エタノールまたはグリセロールなど、薬学的に許容されるべきである。アセトンまたは別の有機溶媒中のエステル化セルロースエーテルの低粘度は、注入されるか、または送り込まれるその能力など、液体組成物の取り扱いを有意に改善する。
本発明の別の態様では、本発明の液体組成物は、上記にさらに記載される薬物など、少なくとも1つの活性成分、上記の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテル、及び任意に1つ以上のアジュバントを含む、固体分散体を生成するために使用される。固体分散体は、組成物から液体希釈剤を除去することによって生成される。アセトンまたは別の有機溶媒中のエステル化セルロースエーテルの低粘度は、高濃度のエステル化セルロースエーテル、したがって、高濃度の薬物の組成物への取り込みを可能にするが、それでもなお、液体組成物のかなり低い粘度を維持する。これは、液体組成物がコーティング目的で使用されるとき、またはエステル化セルロースエーテルを含む組成物が、例えば、活性成分及びエステル化セルロースエーテルを含む固体分散体を調製するために、噴霧乾燥に供されるとき、高い処理量を実現するために非常に有利である。さらに、上記のようなエステル化セルロースエーテル対活性成分の高い比を使用した液体剤形は、噴霧乾燥で製剤化され得る。エステル化セルロースエーテル対活性成分の高い比は、可溶性が不十分な活性成分の過飽和を維持するのに、かつそのバイオアベイラビリティを増加させるために、望ましい。
液体組成物から液体希釈剤を除去する一方法は、液体組成物をフィルムもしくはカプセルに流し込むことによるか、または次いで活性成分を含んでもよい固体担体上に液体組成物を適用することによる。コーティング目的での本発明の液体組成物の使用は、本発明の好ましい態様である。
固体分散体を生成する好ましい方法は、噴霧乾燥による。用語「噴霧乾燥」は、液体混合物を小さい液滴に分離し(噴霧化)、液滴からの溶媒の蒸発のための強い駆動力がある噴霧乾燥装置中で、混合物から溶媒を迅速に除去することを伴うプロセスを指す。噴霧乾燥プロセス及び噴霧乾燥装置は、概して、Perry’s Chemical Engineers’ Handbook、20−54〜20−57ページ(1984年第6版)に記載される。噴霧乾燥プロセス及び装置に関するさらなる詳細は、Marshall、「Atomization and Spray−Drying」、50 Chem.Eng.Prog.Monogr.Series 2(1954年)、及びMasters、Spray Drying Handbook(1985年第4版)によって検討される。有用な噴霧乾燥プロセスは、国際特許出願WO2005/115330、34ページ、7行目〜35ページ、25行目に記載される。あるいは、本発明の固体分散体は、i)a)上記に定義された少なくとも1つのエステル化セルロースエーテル、b)1つ以上の活性成分、及びc)1つ以上の任意の添加剤をブレンドすること、及びii)ブレンドを押出に供することによって調製されてもよい。本明細書で使用される場合、用語「押出」は、射出成形、溶融鋳造、及び圧縮成形として既知のプロセスを含む。薬物などの活性成分を含む組成物を押出する、好ましくは溶融押出するための技術は、既知であり、Joerg Breitenbach,Melt extrusion:from process to drug delivery technology,European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 54(2002)107〜117、または欧州特許出願EP 0 872 233に記載される。本発明の固体分散体は、エステル化セルロースエーテルa)及び活性成分b)の総重量に基づき、好ましくは20〜99.9%、より好ましくは30〜98%、及び最も好ましくは60〜95%の上記のエステル化セルロースエーテルa)、及び好ましくは0.1〜80%、より好ましくは2〜70%、及び最も好ましくは5〜40%の活性成分b)を含む。エステル化セルロースエーテルa)及び活性成分b)の組み合わされた量は、固体分散体の総重量に基づき、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、及び最も好ましくは少なくとも90%である。残りの量は、ある場合は、以下に記載されるアジュバントc)のうちの1つ以上からなる。固体分散体は、エステル化セルロースエーテルa)のうちの1つ以上、活性成分b)のうちの1つ以上、及び任意にアジュバントc)のうちの1つ以上を含むことができる。しかしながら、それらの総量は、概して上記の範囲内である。
いったん少なくとも1つのエステル化セルロースエーテル中に少なくとも1つの活性成分を含む固体分散体が形成されると、剤形への分散体の取り込みを促進するために、いくつかの処理動作が使用され得る。これらの処理動作は、乾燥、造粒、及び製粉を含む。固体分散体中の任意のアジュバントの包含は、剤形に組成物を製剤化するために有用であり得る。本発明の固体分散体は、ストランド、ペレット、顆粒、ピル、タブレット、カプレット、微粒子、カプセル充填物、もしくは射出成形カプセルの形態、または粉末、フィルム、ペースト、クリーム、懸濁液、またはスラリーの形態など、種々の形態であってもよい。
剤形中の活性成分の量は、剤形の総重量に基づき、概して少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも1%、より好ましくは少なくとも3%、最も好ましくは少なくとも5%、及び概して最大で70%、好ましくは最大で50%、より好ましくは最大で30%、最も好ましくは最大で25%である。
本発明の別の態様では、液体希釈剤、及び上記のエステル化セルロースエーテルのうちの1つ以上を含む、本発明の組成物は、コーティング組成物を形成するために、タブレット、顆粒、ペレット、カプレット、トローチ剤、坐薬、ペッサリー、または埋め込み型剤形など、剤形をコーティングするために使用されてもよい。本発明の組成物が薬物などの活性成分を含む場合、薬物層化が達成され得る。すなわち、剤形及びコーティングは、異なる最終用途のための、及び/または異なる放出動態を有する、異なる活性成分を含んでもよい。
本発明のさらに別の態様では、液体希釈剤、及び上記のエステル化セルロースエーテルのうちの1つ以上を含む、本発明の組成物は、液体組成物を浸漬ピンと接触させるステップを含むプロセスにおいて、カプセルの製造のために使用されてもよい。
本発明の液体組成物及び固体分散体は、着色剤、色素、乳白剤、香味料及び呈味改良剤、酸化防止剤、並びにこれらの任意の組み合わせなど、任意の添加剤をさらに含んでもよい。任意の添加剤は、好ましくは薬学的に許容される。1つ以上の任意のアジュバントの有用な量及び種類は、概して、当該技術分野において既知であり、本発明の液体組成物及び固体分散体の目的とする最終用途によって決まる。
本発明のいくつかの実施形態がここで、以下の実施例に記載される。
特に断りがない限り、全ての部及び百分率は、重量による。実施例において、以下の試験手順が使用される。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)試料の粘度
HPMC試料の粘度を、20℃±0.1℃の水中の2.0重量%溶液として測定した。水中の2.0重量%HPMC溶液を、米国薬局方(USP 35、「ヒプロメロース」、3467〜3469ページ)に従って調製し、続いて、DIN 51562−1:1999−01(1999年1月)に従って、ウベローデ粘度測定を行った。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)の粘度
0.43重量%水性NaOH中のHPMCASの2.0重量%溶液を、「ヒプロメロースアセテートサクシネート、米国薬局方及び国民医薬品集、NF 29、1548〜1550ページ」に記載される通りに調製し、続いて、DIN 51562−1:1999−01(1999年1月)に従って、20℃でウベローデ粘度測定を行った。
アセトン中のエステル化セルロースエーテル10重量%溶液を、「ヒプロメロースアセテートサクシネート、米国薬局方及び国民医薬品集、NF 29、1548〜1550ページ」に従って、HPMCASの乾燥減量を最初に決定することによって調製した。続いて、その乾燥重量に基づき、10.00gのHPMCASを、室温で激しい撹拌下で100gのアセトンと混合した。混合物を約24時間にわたってローラーミキサー上で回転させた。溶液を、Heraeus Holding GmbH(Germany)から市販されているMegafuge 1.0遠心分離機を使用して、3分間2000rpmで遠心分離し、続いて、DIN 51562−1:1999−01(1999年1月)に従って、20℃でウベローデ粘度測定を行った。
HPMCASのエーテル及びエステル基の含有量
エステル化セルロースエーテル中のエーテル基の含有量を、「ヒプロメロース」に関して、米国薬局方及び国民医薬品集、USP 35、3467〜3469ページに記載されるもの同じ方法で決定した。
アセチル基(−CO−CH)によるエステル置換及びサクシノイル基(−CO−CH−CH−COOH)によるエステル置換を、「ヒプロメロースアセテートサクシネート、米国薬局方及び国民医薬品集、NF 29、1548−1550ページ」に従って決定した。エステル置換に関する報告された値を、揮発物に対して補正した(上記のHPMCAS研究論文中の「乾燥減量」の節に記載されるように決定される)。
HPMCASのM、M、及びMの決定
特に指定のない限り、Mw、Mn、及びMzを、Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis 56(2011)743に従って測定した。移動相は、40容量部のアセトニトリルと、50mMのNaH2PO4及び0.1MのNaNO3を含有する、60容量部の水性緩衝液との混合物であった。移動相を8.0のpHに調節した。セルロースエーテルエステルの溶液を細孔径0.45μmのシリンジフィルターを通して、HPLCバイアル中に濾過した。
より具体的には、利用される化学物質及び溶媒は、以下の通りである。
ポリエチレンオキシド標準物質(PEOX 20 K及びPEOX 30 Kと省略される)を、Agilent Technologies,Inc.(Palo Alto,CA)、カタログ番号PL2083−1005及びPL2083−2005から購入した。
アセトニトリル(HPLCグレード≧99.9%、CHROMASOL plus)、カタログ番号34998、水酸化ナトリウム(半導体グレード、99.99%、微量金属塩基)、カタログ番号306576、水(HPLCグレード、CHROMASOLV Plus)カタログ番号34877、及び硝酸ナトリウム(99,995%、微量金属塩基)カタログ番号229938を、Sigma−Aldrich(Switzerland)から購入した。
リン酸二水素ナトリウム(≧99.999% TraceSelect)カタログ番号71492を、FLUKA(Switzerland)から購入した。
5mg/mLのPEOX20 Kの標準化溶液、2mg/mLのPEOX30 Kの基準溶液、及び2mg/mLHPMCASの試料溶液を、計量された量のポリマーをバイアル中に添加し、測定された体積の移動相でそれを溶解することによって、調製した。全ての溶液を、PTFEコーティング磁気撹拌子を使用して撹拌しながら、24時間、蓋の付いたバイアル中で室温で溶解させた。
標準化溶液(PEOX 20k、単回調製、N)及び基準溶液(PEOX30 K、二重調製、S1及びS2)を、細孔径0.02μm及び直径25mmのシリンジフィルター(Whatman Anatop 25、カタログ番号6809−2002)(Whatman)を通して、HPLCバイアル中に濾過した。
試験試料溶液(HPMCAS、二重で調製、T1、T2)及び実験室基準(HPMCAS、単回調製、LS)を、細孔径0.45μmのシリンジフィルター(Nylon、例えば、Acrodisc 13mm VWR カタログ番号514−4010)を通して、HPLCバイアル中に濾過した。
クロマトグラフ条件及び実行シーケンスを、Chen,R.et al.;Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis 56(2011)743−748)によって記載されるように実施した。SEC−MALLS器具一式は、Agilent Technologies,Inc.(Palo Alto,CA)からのHP1100 HPLCシステム、DAWN Heleos II 18角度レーザ光散乱検出器及びOPTILAB rex屈折率検出器(両方ともWyatt Technologies,Inc.(Santa Barbara,CA)から)を含んだ。分析サイズ排除カラム(TSK−GEL(登録商標)GMPWXL、300×7.8mm)をTosoh Bioscienceから購入した。OPTILAB及びDAWNの両方を35℃で作動させた。分析SECカラムを、室温(24±5℃)で作動させた。移動相は、以下の通り調製された、40容量部のアセトニトリルと、50mMのNaH2PO4及び0.1MのNaNO3を含有する、60容量部の水性緩衝液との混合物であった。
水性緩衝液:7.20gのリン酸二水素ナトリウム及び10.2gの硝酸ナトリウムを、溶解するまで撹拌下で、きれいな2Lのガラスボトル中の1.2Lの精製水に添加した。
移動相:800mLのアセトニトリルを、上記で調製した1.2Lの水性緩衝液に添加し、良好な混合物が得られ、温度が周囲温度と平衡になるまで撹拌した。
移動相を10MのNaOHで8.0に調節し、0.2mナイロン膜フィルタを通して濾過した。流速は、インライン脱ガスを用いて0.5mL/分であった。注入容量は、100μLであり、分析時間は、35分であった。
HPMCASに対して、0.120mL/gのdn/dc値(屈折率増分)を使用して、Wyatt ASTRAソフトウェア(バージョン5.3.4.20)によって、MALLSデータを収集及び処理した。検出器の光散乱信号(番号1〜4、17、及び18)は、分子量計算で使用しなかった。代表的なクロマトグラフ実行シーケンスは、以下に示される:B、N、LS、S1(5x)、S2、T1(2x)、T2(2x)、T3(2x)、T4(2x)、S2、T5(2x)など、S2、LS、W。ここで、Bは、移動相のブランク注入を表し、N1は、標準化溶液を表し、LSは、実験室基準HPMCASを表し、S1及びS2は、基準溶液1及び2のそれぞれを表し、T1、T2、T3、T4、及びT5は、試験試料溶液を表し、Wは、水注入を表す。(2x)及び(5x)は、同一溶液の注入数を示す。
OPTILAB及びDAWNの両方を、製造業者の推奨手順及び頻度で、定期的に較正した。5mg/mLのポリエチレンオキシド基準(PEOX20 K)の100μL注入を、各実行シーケンスに対して、90°検出器に対する全ての角度光散乱検出器を標準化するために採用した。
この単分散ポリマー基準の使用はまた、OPTILABとDAWNとの間の容量遅延が決定されるのを可能にし、屈折率信号に対する光散乱信号の適切な整合を可能にした。これは、各データスライスに対する重量平均分子量(Mw)の計算のために必要である。
実施例1〜4のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)の生成
均一反応混合物を生成するために、氷酢酸、酢酸無水物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、コハク酸無水物、及び酢酸ナトリウム(無水)を、徹底的な撹拌下で、反応容器中の以下の表1に列挙される量で導入した。HPMCは、以下の表2に列挙されるように、メトキシル及びヒドロキシプロポキシル置換、並びに20℃の水中の2%溶液として測定される、粘度を有した。
エステル化をもたらすために、以下の表1に列挙されるように、混合物を、3〜3.5時間にわたって、撹拌しながら85℃で加熱した。HPMCASを沈殿させるために、撹拌下でxLの水を反応器に添加した。5200rpmで動作するUltra−Turrax撹拌器S50−G45を使用して、高せん断混合を適用することによって、沈殿生成物を反応器から除去し、yLの水で洗浄した。非常に高い純度のHPMCASを得るために、洗浄は、中間濾過ステップを用いていくつかの部分で実施した。HPMCAS生成物は、それらの粘度が実質的に一定(アセトン中10重量%)になるまで、洗浄及び濾過されるべきである。水のL数x及びyは、以下の表1に列挙される。最後の濾過ステップ後、生成物を一晩50℃で乾燥させた。
実施例4を繰り返した。実質的に同一の結果を導く2つの実験の平均を以下の表2に列挙する。
比較例A及びBのHPMCASの生成
HPMCの種類、並びに氷酢酸、酢酸無水物、HPMC、コハク酸無水物、及び酢酸ナトリウム(無水)の重量比を、欧州特許出願EP 0219 426 A2の実施例2に開示されるように使用したことを除いて、比較例A及びBに従ったHPMCASの生成を、実施例1〜4と同様に実施した。使用された量は以下の表1に列挙される。
比較例Aで使用されたHPMCは、20℃の水中の2%溶液として測定される、6.0mPa・sの粘度、28.2重量%のヒドロキシプロポキシル基、及び9.0重量%のメトキシル基を有した。このHPMCは、Methocel E6 LVプレミアムセルロースエーテルとして、The Dow Chemical Companyから市販されている。比較例Bで使用されたHPMCは、20℃の水中の2%溶液として測定される、3.1mPa・sの粘度、9.3重量%のヒドロキシプロポキシル基、及び28.2重量%のメトキシル基を有した。このHPMCは、Methocel E3 LVプレミアムセルロースエーテルとして、The Dow Chemical Companyから市販されている。
エステル化をもたらすために、混合物を3.5時間にわたって、撹拌しながら85℃で加熱した。HPMCASを沈殿させるために、撹拌下でxLの水を反応器に添加した。5200rpmで動作するUltra−Turrax撹拌器S50−G45を使用して、高せん断混合を適用することによって、沈殿生成物を反応器から除去し、yLの水で洗浄した。水のL数x及びyは、以下の表1に列挙される。生成物を濾過によって単離し、12時間にわたって55℃で乾燥させた。
比較例A及びBの得られたエステル置換、%アセチル及び%サクシノイルは、欧州特許出願EP 0219 426 A2の実施例2に開示されるものとは有意に異なった。したがって、比較例A及びBを繰り返した。繰り返した実施例A及びBの得られたエステル置換、%アセチル及び%サクシノイルは、比較例A及びBの最初のセットと実質的に同じであった。表2の結果は、比較例A及びBの2つの実行の平均を示す。
比較例C及びDのHPMCASの生成
氷酢酸、酢酸無水物、HPMC、コハク酸無水物、及び酢酸ナトリウム(無水)の重量比を、開示された国際特許出願WO2005/115330、51及び52ページ、ポリマー1及び3のように使用したことを除いて、比較例C及びDに従ったHPMCASの生成を、実施例1〜4と同様に実施した。国際特許出願WO2005/115330に記載されるように、生成物を取得、分離、及び洗浄した。反応混合物を2.4Lの水でクエンチし、ポリマーを沈殿させた。実施例Cに対してのみ、沈殿を完了させるために、さらに1Lの水を使用した。次いで、ポリマーを単離し、3×300mLの水で洗浄した。次いで、ポリマーを600mLのアセトン中に溶解し、再び2.4Lの水中に沈殿させた。沈殿を完了するために、さらに1Lの水を添加した。
比較例E〜G
国際特許出願WO2011/159626、1及び2ページに開示されるように、HPMCASは、現在、商標名「AQOAT」によって既知であり、Shin−Etsu Chemical Co.,Ltd.(Tokyo,Japan)から市販されている。Shin−Etsuは、種々のpHレベルの腸溶性保護を提供するために、置換基レベルの異なる組み合わせを有する、3つのグレードのAQOATポリマー、典型的には、AS−LFまたはAS−LGなど、良好(fine)に対して記号表示「F」または「G」が後に続く、AS−L、AS−M、及びAS−Hを製造している。それらの販売明細書は、以下に列挙される。
国際特許出願WO2011/159626に列挙されるAQOATポリマーの特性
[表]
市販の材料の試料を、上記にさらに記載されるように分析した。
比較例H、I−1、I−2、J−1、及びJ−2
国際公開WO2011/159626の34及び35ページに記載されるように、HPMCAS試料を生成した。比較例Hにおいて、HPMCAS−K(1)の配合を正確に繰り返した。比較例I−1及びI−2において、HPMCAS−K(2)の配合を、並びに比較例J−1及びJ−2において、HPMCAS−K(3)の配合を正確に繰り返した。比較例I及びJをそれぞれ2回実施し、DOSAc及びDOSに対する比較例I−1及びJ−1の結果が、HPMCAS−K(2)及びHPMCAS−K(3)に関してWO2011/159626に報告された結果から得られたため、それぞれI−1、I−2、J−1、及びJ−2として報告した。
実施例1〜4及び比較例A〜D、H、I−1、I−2、J−1、及びJ−2に従って生成される、HPMCASの特性、並びに市販の比較例E〜Gの特性が、以下の表2に列挙される。
以下の表2中、略語は以下の意味を有する。
DS=DS(メトキシル):メトキシル基による置換度
MSHP=MS(ヒドロキシプロポキシル):ヒドロキシプロポキシル基によるモル置換
DOSAc:アセチル基の置換度
DOS:サクシノイル基の置換度
欧州特許出願EP 0 219 426は、比較例AのHPMCASが、人工胃液に対する耐性を有する、タブレット上の腸溶性フィルムコーティング材料として有用である一方で、比較例BのHPMCASでコーティングされたタブレットが、人工胃液中で分解することを開示する。比較例AのHPMCASは、比較例Bよりも高い重量平均分子量を有する。高い重量平均分子量のHPMCASは、確かに非常に望ましいが、比較例AのHPMCASは、アセトン中の10重量%溶液として測定される、はるかに高い粘度を有し、噴霧乾燥またはコーティングプロセスにおいて、あまり効率的に処理することができない。
一方で実施例1〜4と、他方で比較例E〜Gとの間の比較は、実施例1〜4のHPMCASが、比較例E〜GのHPMCASと同じ範囲、またはさらにより高い重量平均分子量を有するが、アセトン中の10重量%溶液として測定される、はるかに低い粘度を有することを示している。
一方で実施例1〜3と、他方で比較例B〜Dとの間の比較は、実施例1〜4のHPMCASが、比較例B〜DのHPMCASよりも高い重量平均分子量を有し、かつ実施例1〜4のHPMCASが、比較例B〜Dのアセトン中の10%粘度と同等である、またはそれよりも有意に低くさえある、アセトン中の10%粘度を示すことを示している。
比較例H、I−1、I−2、J−1、及びJ−2のHPMCASは、10重量%の濃度で、アセトンに可溶性ではないか、または部分的にのみ可溶性であった。比較例I−1及びI−2において、利用されるHPLC方法における回収率は、十分信頼できるMw、Mn、及びMzの決定を行うには低すぎた。回収率=[HPLCカラムから回収されたHPMCASの重量/HPLCカラムに導入されたHPMCASの重量]×100。
本開示は以下も包含する。
[1] エステル化セルロースエーテルであって、
(i)脂肪族一価アシル基、または(ii)式−C(O)−R−COOAの基であり、式中、Rが二価脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基であり、Aが水素もしくはカチオンである、基、または(iii)脂肪族一価アシル基及び式−C(O)−R−COOAの基の組み合わせを含み、
20℃のアセトン中の前記エステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、最大19mPa・sの粘度を有し、
少なくとも90,000ダルトンの重量平均分子量M w を有する、エステル化セルロースエーテル。
[2] 20℃の0.43重量%水性NaOH中の前記エステル化セルロースエーテルの2.0重量%溶液として測定される、最大2.33mPa・sの粘度をさらに有する、上記態様1に記載のエステル化セルロースエーテル。
[3] 20℃のアセトン中の前記エステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、90,000〜220,000ダルトンの重量平均分子量M w 及び1.50mPa . s〜15mPa . sの粘度を有する、上記態様1または2に記載のエステル化セルロースエーテル。
[4] 20℃のアセトン中の前記エステル化セルロースエーテルの10重量%溶液として測定される、220,000〜350,000ダルトンの重量平均分子量M w 及び5〜18mPa . sの粘度を有する、上記態様1または2に記載のエステル化セルロースエーテル。
[5] 前記脂肪族一価アシル基が、アセチル、プロピオニル、またはブチリル基であり、前記式−C(O)−R−COOAの前記基が、−C(O)−CH 2 −CH 2 −COOA、−C(O)−CH=CH−COOA、または−C(O)−C 6 4 −COOA基である、上記態様1〜4のいずれかに記載のエステル化セルロースエーテル。
[6] エステル化ヒドロキシアルキルメチルセルロースである、上記態様1〜5のいずれかに記載のエステル化セルロースエーテル。
[7] ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである、上記態様1〜6のいずれかに記載のエステル化セルロースエーテル。
[8] 液体希釈剤、及び上記態様1〜7のいずれかに記載の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルを含む、組成物。
[9] 少なくとも1つの活性成分及び任意に1つ以上のアジュバントをさらに含む、上記態様8に記載の組成物。
[10] 前記組成物の総重量に基づき、10〜25%の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテル、70〜89%の液体希釈剤、及び1〜15%の活性成分を含む、上記態様8または9に記載の組成物。
[11] 少なくとも1つの活性成分、及び上記態様1〜7のいずれかに記載の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルを含む、固体分散体。
[12] 前記固体分散体が、タブレット、ピル、顆粒、ペレット、カプレット、微粒子、カプセル充填物、またはペースト、クリーム、混濁液、もしくはスラリーに製剤化されている上記態様11に記載の固体分散体。
[13] 上記態様1〜7のいずれかに記載の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルでコーティングされている、製剤。
[14] 上記態様1〜7のいずれかに記載の少なくとも1つのエステル化セルロースエーテルを含む、カプセル殻。
[15] 20℃の水中の2重量%溶液として測定される、1.20〜2.33mPa・sの粘度を有するセルロースエーテルが、(i)脂肪族モノカルボン酸無水物、または(ii)ジカルボン酸無水物、または(iii)脂肪族モノカルボン酸無水物及びジカルボン酸無水物の組み合わせでエステル化される、上記態様1〜7のいずれかに記載のエステル化セルロースエーテルを生成する方法。

Claims (10)

  1. ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)であって、
    20℃の0.43重量%水性NaOH中のHPMCASの2.0重量%溶液として測定される、最大2.33mPa・sの粘度を有し、
    20℃のアセトン中のHPMCASの10重量%溶液として測定される、最大19mPa・sの粘度を有し、
    95,000〜500,000ダルトンの重量平均分子量Mwを有する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)。
  2. 20℃の0.43重量%水性NaOH中のHPMCASの2.0重量%溶液として測定される、最大2.25mPa・sの粘度を有する、請求項1に記載のHPMCAS。
  3. 95,000〜220,000ダルトンの重量平均分子量Mw、及び20℃のアセトン中のHPMCASの10重量%溶液として測定される、1.50mPa.s〜15mPa.sの粘度を有する、請求項1または請求項2に記載のHPMCAS。
  4. 220,000〜350,000ダルトンの重量平均分子量Mw、及び20℃のアセトン中のHPMCASの10重量%溶液として測定される、5〜18mPa.sの粘度を有する、請求項1または請求項2に記載のHPMCAS。
  5. 液体希釈剤、及び請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つのHPMCASを含む、組成物。
  6. 前記組成物の総重量に基づき、10〜25%の少なくとも1つのHPMCAS、70〜89%の液体希釈剤、及び1〜15%の活性成分を含む、請求項5に記載の組成物。
  7. 少なくとも1つの活性成分、及び請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つのHPMCASを含む、固体分散体。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つのHPMCASでコーティングされている、製剤。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つのHPMCASを含む、カプセル殻。
  10. 20℃の水中の2重量%溶液として測定される、1.20〜2.33mPa・sの粘度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が、無水酢酸及び無水コハク酸の組み合わせでエステル化される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のHPMCASを生成する方法。
JP2015561465A 2013-03-07 2014-02-28 新規の低粘度及び高分子量のエステル化セルロースエーテル Expired - Fee Related JP6321689B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361774152P 2013-03-07 2013-03-07
US61/774,152 2013-03-07
PCT/US2014/019328 WO2014137789A1 (en) 2013-03-07 2014-02-28 Novel esterified cellulose ethers of low viscosity and high molecular weight

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016510828A JP2016510828A (ja) 2016-04-11
JP6321689B2 true JP6321689B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=50390195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015561465A Expired - Fee Related JP6321689B2 (ja) 2013-03-07 2014-02-28 新規の低粘度及び高分子量のエステル化セルロースエーテル

Country Status (7)

Country Link
US (2) US20150368365A1 (ja)
EP (1) EP2964679B1 (ja)
JP (1) JP6321689B2 (ja)
KR (1) KR102110119B1 (ja)
CN (1) CN105026435B (ja)
BR (1) BR112015019354A2 (ja)
WO (1) WO2014137789A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6321688B2 (ja) * 2013-03-07 2018-05-09 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 低粘度の新規エステル化セルロースエーテル
JP2017505847A (ja) * 2014-02-20 2017-02-23 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 新規の高分子量及び高均一性のエステル化セルロースエーテル
MX2017011091A (es) * 2015-03-16 2017-11-10 Dow Global Technologies Llc Proceso para preparar un eter de celulosa esterificado en presencia de un acido carboxilico alifatico.
CN107636019B (zh) * 2015-03-16 2019-02-26 陶氏环球技术有限责任公司 水溶性酯化纤维素醚
BR112017018367A2 (pt) * 2015-03-16 2018-04-10 Dow Global Technologies Llc gelificação de éteres de celulose esterificados
JP6356922B2 (ja) * 2015-03-16 2018-07-11 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 低い中和度を有する水溶性エステル化セルロースエーテル
MX2017011092A (es) * 2015-03-16 2017-11-10 Dow Global Technologies Llc Proceso para fraccionar un eter esterificado de celulosa.
EP3270973B1 (en) * 2015-03-16 2019-01-09 Dow Global Technologies LLC Aqueous solution of an esterified cellulose ether
KR20180008524A (ko) * 2015-05-15 2018-01-24 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 초고분자량 및 저점도의 에스테르화된 셀룰로오스 에테르의 제조 방법
US9884922B2 (en) * 2016-03-11 2018-02-06 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Hypromellose acetate succinate, method for producing the same and composition containing the same
KR20190069446A (ko) 2016-10-18 2019-06-19 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 에스터화된 셀룰로스 에터를 제조하는 효율적인 공정
US10888525B2 (en) * 2016-11-02 2021-01-12 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Hypromellose acetate succinate and method for producing the same
JP2020511572A (ja) 2017-03-17 2020-04-16 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 反応生成物混合物からのエステル化セルロースエーテルの回収方法
MX2019010207A (es) 2017-03-17 2019-10-09 Dow Global Technologies Llc Proceso para recuperar un eter de celulosa esterificado a partir de una mezcla de producto de reaccion.
WO2018170083A1 (en) 2017-03-17 2018-09-20 Dow Global Technologies Llc Process for recovering an esterified cellulose ether from a reaction product mixture
EA202090402A1 (ru) * 2017-07-28 2020-05-19 Синтон Б.В. Фармацевтическая композиция, содержащая пальбоциклиб
EP3567058B1 (en) * 2018-05-11 2023-09-20 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Hypromellose phthalate and method for producing the same

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4226981A (en) * 1977-09-28 1980-10-07 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Ether-ester derivatives of cellulose and their applications
JPS6281402A (ja) * 1985-10-07 1987-04-14 Shin Etsu Chem Co Ltd セルロ−スエ−テル酸性ジカルボン酸エステルの製造方法
DE10247037A1 (de) * 2002-10-09 2004-04-22 Abbott Gmbh & Co. Kg Herstellung von festen Dosierungsformen unter Verwendung eines vernetzten nichtthermoplastischen Trägers
CA2568007A1 (en) * 2004-05-28 2005-12-08 Pfizer Products Inc. Pharmaceutical compositions with enhanced performance
US7777631B2 (en) * 2007-04-29 2010-08-17 James Neil Rodgers Body chip
EP2209811B1 (en) * 2007-11-09 2019-03-06 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology LLC Method for preparing very low viscosity cellulose ether and product
JP2011504524A (ja) * 2007-11-09 2011-02-10 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド セルロースエーテルコーティング組成物および方法
WO2011159626A1 (en) 2010-06-14 2011-12-22 Bend Research, Inc. Hydroxypropyl methyl cellulose acetate succinate with enhanced acetate and succinate substitution
JP6321688B2 (ja) * 2013-03-07 2018-05-09 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 低粘度の新規エステル化セルロースエーテル

Also Published As

Publication number Publication date
CN105026435B (zh) 2018-01-23
EP2964679A1 (en) 2016-01-13
EP2964679B1 (en) 2018-04-04
KR20150126030A (ko) 2015-11-10
WO2014137789A1 (en) 2014-09-12
JP2016510828A (ja) 2016-04-11
CN105026435A (zh) 2015-11-04
KR102110119B1 (ko) 2020-05-14
US20180319898A1 (en) 2018-11-08
BR112015019354A2 (pt) 2017-07-18
US20150368365A1 (en) 2015-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6321689B2 (ja) 新規の低粘度及び高分子量のエステル化セルロースエーテル
JP6321688B2 (ja) 低粘度の新規エステル化セルロースエーテル
JP6334574B2 (ja) 新規の超高分子量のエステル化セルロースエーテル
JP6267239B2 (ja) 極めて低粘度の新規エステル化セルロースエーテル
JP6420520B2 (ja) 新規の高分子量及び高均一性のエステル化セルロースエーテル
JP6356923B2 (ja) 水溶性エステル化セルロースエーテル

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160405

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6321689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees