以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、実施の形態によるシート綴じ装置およびこれを備える後処理装置(いわゆるフィニッシャ)について説明する。
<装置構成>
図1は、実施の形態による後処理装置1の概略縦断面図である。
本実施形態による後処理装置1は、例えば、後処理装置1と通信可能に接続される画像形成装置7から出力されるシートを受け取り、当該シートに対して綴じ処理、折り処理、孔あけ処理などの各種処理を施す。
後処理装置1は、大まかに、処理機能として例えば綴じ処理部T、折り処理部B、ステイプラW,孔あけ部109などを備えている。ここでは、一例として、後処理装置1が、綴じ処理部T、折り処理部B、ステイプラWおよび孔あけ部109等を備えている構成を例示するが、これに限られるものではなく、少なくとも綴じ処理部Tを備えていればよい。
画像形成装置7にて画像を形成されたシートは、まず孔あけ部109を通過する。シートに対する孔あけを行なう場合には、この時点で孔あけ部109によるシートへの孔あけを行なう。
孔あけ部109を通過したシートは、フラッパ117により、その搬送先を搬送路110および搬送路108のいずれかに切り替えられる。
シートに対して孔あけ処理のみを行ないたい場合や、孔あけ部109を通過したシートをそのまま装置外に排出したい場合には、シートはフラッパ117によって搬送路108へと導かれ、さらにフラッパ107によって搬送路119へと導かれて第1排出トレイ106上に排出される。
一方、シートに対して綴じ処理部Tによる綴じ処理を施したい場合、搬送路108まで導いたシートをさらにフラッパ107によって搬送路120へと導き、一時トレイ104(いわゆるバッファトレイ)上へと排出する。
一時トレイ104上に排出されたシートはその後、図1の紙面上で反時計回りに回転する回転パドル103によって叩き落とされて処理トレイ102上に積載される。
図2は、処理トレイ102側から綴じ処理部T周辺を見た場合の詳細を示す分解斜視図である。また、図3は、綴じ処理部T、処理トレイ102および回転パドル103等の位置関係を、回転パドル103の回転軸1030の延びる方向に見た分解側面図である。
綴じ処理部Tは、処理トレイ102上に積載されるシートの上面に糊付けを行なう糊付け部101を備えている。綴じ処理部Tは、処理トレイ102上にシートが積載されるたびに、当該シートの上面に糊付け部101による糊付けを行なう。ただし、例えば10枚のシート束を綴じたい場合には、10枚目のシート(10番目に積載された最上位のシート)の上面には糊付けは行なわない。
綴じ処理の対象である処理トレイ102上に積載されている複数枚のシートの内の最上位のシート以外のシート全てに対する糊付けが完了したら、綴じ対象であるシート束を構成するこれら複数枚のシート全てが重なって積載された状態で綴じ処理部Tによって処理トレイ102に向けて押圧する。ここでの糊付け部101は、シート上に接着剤を付着させるものであり、押圧機構による押し付けによってこれら複数枚のシートにおける隣接するシート間は接着剤により強固に接着(圧着)され、シート綴じ処理が完了する。
一方、孔あけ部109を通過したシートに対して折り処理やステイプル処理を行ないたい場合には、フラッパ117によってシートを搬送路110へと導き、スタッカ111上へと排出したシートに対してステイプラWによるステイプル処理や、折り処理部Bによる折り処理を施す。具体的に、折り処理部Bは、例えばステイプラWによるステイプル処理を施されたシート束を折りブレード112と折りローラ113とによって折り曲げ、折り増しローラ114により折り目をさらに挟み込んだ後、排出ローラ115によって第3排出トレイ116上に折り曲げられたシート束を排出する。
綴じ処理によって綴じられた複数枚のシートからなるシート束は、その後、例えば処理トレイ102に設けられている不図示の排出部材によって第2排出トレイ105上に排出される。
図4は、綴じ処理部Tにおける糊付け部101(シート綴じ装置)の構成について説明するための部分分解斜視図である。図5は、図4に示す糊付け部101の構成を別の角度から見た部分分解斜視図である。図6は、後述の第1の支持機構および第2の支持機構の構成の詳細を示す分解斜視図である。図7は、第1の支持機構および第2の支持機構が備える回転軸およびカムの概略構成を示す分解斜視図である。
図4に示すように、糊付け部101は、例えば、接着剤付与部U、第1の支持機構、シャッタ部材101vw、第2の支持機構、等を備える。
接着剤付与部Uは、シート同士を接着する接着剤としての糊をシートに付着させる糊付ユニットである。具体的に、糊付ユニットとしては、例えば液状の糊を含浸させたメッシュを当接させることにより糊を塗布する方式等を採用することができる(後述の図24を参照)。接着剤付与部Uは、処理トレイ102の突き当て整合位置に突き当てられたシートの上面の所定領域に接着剤を付与する。ここでは、例えば、液状の糊を含浸させたメッシュ部分が「所定の供給部位」に相当する。
第1の支持機構は、例えば、フレームF、ガイド軸X1、保持部101a、引っ張りバネS11およびS12、第1の回転軸101J1、第1のカム101ca、受け部101g、モータM等を備えている。
具体的に、第1の支持機構において、ガイド軸X1はフレームFによって両端を支持されている。接着剤付与部Uは、ガイド軸X1によって昇降可能にスライド支持された容器形状の保持部101a内に収容されている。ガイド軸X1は、接着剤付与を担う接着剤付与部Uのシートに対する進退方向に延びている。
接着剤付与部Uを収容した保持部101aの外壁に設けられたスライダ101apは、ガイド軸X1に沿ってスライドするように、ガイド軸X1を挿通されている(図6参照)。
保持部101aの外壁に設けられたアーム101am1およびアーム101am2には、一端がフレームFに固定されている引っ張りバネS11およびS12の他端が繋がれており、これら引っ張りバネS11およびS12の引張力によって保持部101aをガイド軸X1に沿って下方に付勢している。
保持部101aには底面101gbが平坦な受け部101gが設けられ、保持部101aの昇降動作に伴って受け部101gも一体的に昇降する。
回転パドル103の回転軸1030(図3を参照)と平行に延びる第1の回転軸101J1の一端には、ギア101fが固定されており、モータMからの回転駆動力がギア101dを介してギア101fへと伝達される。このような構成により、CPU701によってモータMを駆動制御することにより、第1の回転軸101J1を任意の回転方向(時計回りもしくは反時計回り)に回転駆動する。
第1の回転軸101J1には第1のカム101caが固定されており、受け部101gの底面101gbは、第1の回転軸101J1と一体的に回転する第1のカム101caのカム面101cafに当接してガイド軸X1方向に従動する。
このように、第1の支持機構は、第1の回転軸101J1をモータMによって回転駆動することにより、処理トレイ102上に載置されるシートを押圧しつつシート表面に接着剤を付着させる「接着剤付与位置」と、処理トレイ102上へのシート積載動作を妨げない位置に退避した「第1退避位置」との間で、接着剤付与部Uをガイド軸X1に沿ってスライド移動可能に支持する。すなわち、第1の支持機構は、接着剤付与部Uを、「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間でスライド可能に支持する支持機構としての役割を有する。
シャッタ部材101vwは、接着剤付与部Uと処理トレイ102上に載置されるシートとの間に介在することにより、接着剤付与部Uからのシートへの接着剤の付与を妨げる(例えば後述の図21等を参照)。
図5および図6に基づいて第2の支持機構を説明する。第2の支持機構は、例えば、フレームF、ガイド軸X1、保持アーム101v、引っ張りバネS2、第1の回転軸101J1、第2の回転軸101J2、第2のカム101cb、被ガイド軸X2、モータM等を備えている。
保持アーム101vは、一端にシャッタ部材101vwを保持しており、他端には貫通孔が形成されたスライダ101vpが設けられている。スライダ101vpの貫通孔には、フレームFに両端を支持されたガイド軸X1が挿通されており、保持アーム101vはガイド軸X1を支持軸として回転可能となっている。保持アーム101vの他端付近には後処理装置本体に一端が固定された引っ張りバネS2の他端が接続されている。このようにして、シャッタ部材101vwは、引っ張りバネS2の引張力によって保持部101aから遠ざかる方向に付勢されている。
保持アーム101vの他端付近には、被ガイド軸X2を保持するための貫通孔が形成された保持部101vhが設けられており、被ガイド軸X2は保持部101vhの貫通孔に挿通された状態で保持される。ここでは、一例として、保持部101vhによって保持された被ガイド軸X2はガイド軸X1と平行となっている。
第1の回転軸101J1は、内周側に不図示の筒状のワンウェイクラッチを備える第2の回転軸101J2の当該ワンウェイクラッチ内を挿通されている。これにより、第2の回転軸101J2は、不図示のワンウェイクラッチを介して、第1の回転軸101J1が第1の回転方向(図6に示す矢印CCW(反時計回り)方向)に回転する場合に第1の回転軸101J1から回転駆動力を伝達されて回転し、第1の回転軸101J1が第1の回転方向CCWとは逆の第2の回転方向(図6に示す矢印CW(時計回り)方向)に回転する場合に第1の回転軸101J1から回転駆動力を伝達されない。
第2の回転軸101J2には、第2のカム101cbが固定されており、第2の回転軸101J2の回転動作に伴って第2のカム101cbも一体的に回転する。第2のカム101cbには、第2のカム面101cbfが形成されており、第2のカム面101cbfは、第2のカム101cbが図6に示す矢印CCW方向に回転する場合にのみ被ガイド軸X2をガイドする。第2のカム101cbが図6に示す矢印CCW方向に回転するとき、被ガイド軸X2は第2のカム面101cbfに沿って従動し、引っ張りバネS2の引張力に抗して保持アーム101vを保持部101aに近づく方向に回転させる。第2のカム101cbの作用により、シャッタ部材101vwは接着剤付与部Uの下方(遮蔽位置)へ向けて移動する。
このように、第2の支持機構は、シャッタ部材101vwを、接着剤付与部Uと処理トレイ102上に載置されるシートとの間に介在し且つ接着剤付与位置へ向けて移動する接着剤付与部Uによる押圧動作に追従してシート表面へ向けてガイド軸に沿って移動可能に支持する「遮蔽位置(後述の図20に示す位置)」と、接着剤付与部Uの移動軌跡から退避した「第2退避位置(図6に示す位置)」との間で、ガイド軸を支点として回転移動可能に支持する。すなわち、第2の支持機構は、接着剤付与部Uを、「遮蔽位置」と「第2退避位置」との間で移動可能に支持する支持機構としての役割を有する。ここで、「移動軌跡」とは、接着剤付与部Uがガイド軸X1に沿って「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間を移動する際に通過する空間を意味している。すなわち、「第2退避位置」に位置するシャッタ部材101vwは、接着剤付与部Uが通過する空間から退避しており、接着剤付与部Uの移動を妨げることはない。
また、第2の支持機構における保持アーム101vは、シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」に移動させる際に、処理トレイ102上に最大積載枚数のシートが積載されている場合でもシャッタ部材101vwが処理トレイ102上に積載されているシートの内の最上位のシートに接触しない高さ位置でシャッタ部材101vwを支持する。
このように、シャッタ部材101vwを遮蔽位置に移動させる際に、処理トレイ上に積載されるシート枚数に拘わらず、シャッタ部材101vwが処理トレイ上のシートに接触しないような高さ位置で支持しておくことにより、遮蔽位置に移動したシャッタ部材101vwを降下する接着剤付与部Uによって押下するときに最上位のシート上面をシャッタ部材101vwによって常に安定的に押下することができる。
接着剤付与部Uによって、処理トレイ102上に積載されたシートを押下する際には、当該押下されるシートの下面は印台101e(図4参照)によって支持されている。
また、接着剤付与部Uを、退避位置から接着剤付与位置へ向けて弾性的に付勢する構成とすることにより、処理トレイ上の綴じ対象となるシート束を構成するシート枚数が多くなるほど、接着剤付与部Uが接着剤付与位置に位置するときの接着剤付与部Uによるシートを押圧する力は大きくなる。一般に、シートを接着剤で綴じる場合には、綴じ対象であるシート束を構成するシート枚数が多くなるほど強い力で圧着させることが望ましく、本構成によれば、より強固な綴じ処理を実現することができる。
<制御ブロック>
図8は、実施形態によるシート綴じ装置を備える後処理装置1の制御ブロックの一例を示す図である。
図8に示すように、後処理装置1は、一部を説明すると、例えば、CPU701、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)702、MEMORY703、HDD(Hard Disk Drive)704、通信インターフェース705、孔あけ部109、折り処理部B、シート搬送部707、モータM、モータM’、センサ101ta(第1の位相センサ)、センサ101tb(第2の位相センサ)、などを備えている。
ASIC702、MEMORY703、HDD704、通信インターフェース705、孔あけ部109、折り処理部B、シート搬送部707、モータM、モータM’、センサ101ta、センサ101tb等の後処理装置1に備わる各種アクチュエータやセンサ類等は、パラレスバスやシリアルバス等の通信線を介してCPU701と通信可能に接続されている。
CPU701は、例えばHDD704や装置外からダウンロードされるプログラムをMEMORY703にロードさせて実行することにより、例えば孔あけ部109、折り処理部B、シート搬送部707、モータM、モータM’、通信インターフェース705などを制御する。ここで、モータM’は、回転パドル103を回転駆動するためのアクチュエータである。
本実施の形態によるシート綴じ装置およびこれを備える後処理装置1において、CPU701は、シート綴じ装置およびこれを備える後処理装置1における各種処理を行う役割を有しており、またMEMORY703、HDD704等に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する役割も有している。なお、CPU701は、同等の演算処理を実行可能なMPU(Micro Processing Unit)により代替することも可能であることは言うまでもない。また、HDD704についても同様に、例えばフラッシュメモリ等の記憶装置により代替可能である。
MEMORY703は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、VRAM(Video RAM)、フラッシュメモリ等から構成されることができ、シート綴じ装置およびこれを備える後処理装置1において利用される種々の情報やプログラムを格納する役割を有している。
<動作説明>
図9は、実施形態によるシート綴じ装置における処理の流れについて説明するためのフローチャートである。本フローチャートでは、実施形態によるシート綴じ装置の基本的動作について説明するため、主に後述する「糊付モード」および「押圧モード」について示している。
まず、CPU701(枚数情報取得部)は、これから綴じ処理の対象となるシートが、綴じ処理の対象であるシート束を構成するシート群の中で最終頁に相当するシートであるか否かを判定するための情報(枚数情報)を画像形成装置7等から取得する(Act101)。
CPU701は、処理トレイ102上に積載された最上位のシートが、綴じ対象であるシート束における最終頁に相当するシートではない場合(ACT102,No)、接着剤の付与が必要であるとしてモータMを時計回り方向(図6に示すCW方向)に回転させる(ACT104)(糊付モード)。
一方、CPU701は、処理トレイ102上に積載された最上位のシートが、綴じ対象であるシート束における最終頁に相当するシートである場合(ACT102,Yes)、接着剤を付与することなく、処理トレイ102上に積載されているシート束を圧着するため、モータMを反時計回り方向(図6に示すCCW方向)に回転させる(ACT103)(押圧モード)。
まず、綴じ対象であるシート束における最終頁のシート(シート束がn枚である場合のn枚目のシート)以外のシート(1枚目〜n−1枚目のシート)についての糊付け動作(ACT104)について説明する。
図10および図11は、保持部101aが「第1退避位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。図12および図13は、保持部101aが「接着剤付与位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。図14は、一枚目のシートSt1への糊付け動作時における各構成部品の動作の推移を示す遷移図である。
CPU701(制御部)は、前回のジョブ完了後に実行された「第1待機モード」(後述)にて待機している際に、シート綴じ処理を指示するジョブが受信されると、第1の回転軸101J1を反時計回り方向に回転させ、シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」に移動させ、さらに第1の回転軸101J1を反時計回り方向に回転させることにより、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置したままの状態で、接着剤付与部Uを「第1の待機位置」から「遮蔽位置」にあるシャッタ部材101vwに当接する「第2の待機位置」に移動させ、ジョブの実行に備えて待機する(第2待機モード)。
上記「第2待機モード」において、接着剤付与部Uは、以下の条件(1)および(2)を満たす待機位置(第2の待機位置)に位置するように移動される。
(1)第1の支持機構による接着剤付与部の移動方向における「接着剤付与位置」よりも処理トレイ102から遠い
換言すれば、第2の待機位置は、「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間に位置する。
(2)シャッタ部材101vwを押圧する
これによれば、ジョブ実行直前において、供給部位Unp(図14、後述の図19および図24を参照)の乾燥を抑制することができ、処理トレイやシャッタ部材周辺の機械部品に加わる負荷を最小限に抑えることができる。また、例えば、紙面に対して押し付けることでテープ糊が送り出される両面テープ型の糊ユニットを採用する場合において、強い力で接着剤付与部をシャッタ部材に押し付けることがないため、テープ糊が無駄に送り出されることがない。
続いて、CPU701(制御部)は、第1の回転軸101J1を反時計回り方向に回転させてシャッタ部材101vwを「第2退避位置」まで移動させた後、第1の回転軸101J1を時計回り方向に回転させ、接着剤付与部Uによる綴じ処理の対象であるシート束の一枚目シートの上面への糊付け動作を開始する。(図14の(3)参照)
図10〜図15に示すように、第1のカム101caの第1のカム面101cafによって押し上げられた状態の保持部101aは、第1のカム101caの時計回り方向への回転に伴って降下するカム面101cafに追従して図12および図13に示す「接着剤付与位置」まで下がる。図12および図13に示す「接着剤付与位置」において、接着剤付与部Uは、処理トレイ102上に積載されているシートの内の最上位に位置するシートの上面に接着剤を付着させる(図14における(4)を参照)。なお、第1の回転軸101J1(第1のカム101ca)を時計回り方向に回転させる際には、摩擦等の影響による第2の回転軸101J2および第2のカムcbの連れ回りを防止するため、第2のカムcbに形成された切欠きを装置本体に固定されたストッパKによって係止している。ストッパKは、第2のカムcbの時計回り方向の回転動作のみを規制し、反時計回り方向の回転は許容するバネ構造となっている。
図15は、2枚目〜n−1枚目のシートへの糊付け動作時における各構成部品の動作の推移を示す遷移図である。ここでは、一例として二枚目のシートSt2に対する糊付け動作を示すが、3枚目〜n−1枚目についても同様の動作を繰り返す。すなわち、本実施の形態の綴じ部材は、シート1枚毎に糊付け処理を実行する。
続いて、綴じ対象であるシート束における最終頁のシートStn(シート束がn枚である場合のn枚目のシート)についての押圧(圧着)動作(ACT103)について説明する。
図16は、保持部101aが「第1退避位置」に位置し、シャッタ部材101vwが「第2退避位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。なお、図16では、シャッタ部材101vwは保持アーム101v等の陰になり視認できないため(図13等を参照)、その位置を破線引き出し線により示している。図17〜図19は、第2のカム101cbの作用による保持アーム101vの回転動作の詳細を示す分解斜視図である。図20および図21は、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置している状態を示す分解斜視図である。図22は、シャッタ部材101vwが「第2退避位置」に位置している状態で、保持部101aが「接着剤付与位置」まで降下している様子を示す分解斜視図である。
図23は、最終頁のシートStnに対して押圧のみを行うときの各構成部品の動作の推移を示す遷移図である。図23では、説明の簡単のため、シャッタ部材101vwを簡略表示している。
図16〜図19に示すように、モータMによって第1の回転軸101J1が反時計回り方向(CCW)に回転駆動されると、第1の回転軸101J1に加わる回転力はワンウェイクラッチを介して第2の回転軸101J2へと伝達される。このようにして反時計回り方向(CCW)に回転駆動される第2の回転軸101J2と一体的に回転する第2のカム101cbの第2のカム面101cbfは、その傾斜したカム面によって被ガイド軸X2を図17および図18に示す矢印方向に移動するようにガイドする。このようにして、第2のカム101cbが矢印CCW方向に回転するとき、被ガイド軸X2は第2のカム面101cbfに沿って従動し、引っ張りバネS2の引張力に抗して保持アーム101vを回転させ、シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」へ向けて移動させる(図19を参照)。
また、第1のカム101caは第1の回転軸101J1に固定されているため、モータMによる第1の回転軸101J1の反時計回り方向(CCW)への回転駆動に伴い、第1のカム101caも反時計回り方向に回転する。したがって、第1の回転軸101J1の反時計回り方向への回転により、上述のようにシャッタ部材101vwが「第2退避位置」から「遮蔽位置」へと向かうとともに、第1のカム面101cafの作用によって保持部101aが「第1退避位置」から「接着剤付与位置」へ向けて降下してゆく。
第1の回転軸101J1の反時計回り方向の回転により第1のカム101caおよび第2のカム101cbが図20に示す角度位置となったとき、シャッタ部材101vwは接着剤付与部Uの下方である「遮蔽位置」に到達する(図20、図21および図23(2)を参照)。
シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に到達し、さらに第1の回転軸101J1が反時計回り方向に回転すると、図22に示すように、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置したままの状態で、保持部101aは、第1のカム面101cafの作用により「接着剤付与位置」へ向けてさらに降下し、「遮蔽位置」にあるシャッタ部材101vwを押し下げながら「接着剤付与位置」に到達し、処理トレイ102上に積載されているシート束の最上位に位置するシート(例えば図23(3)に示すシートStn)の上面を押下する。
第1の回転軸101J1がさらに反時計回り方向に回転すると、第2のカム101cbの反時計回りの回転によって第2のカム面101cbfによる被ガイド軸X2への規制が解除され、保持アーム101vは引っ張りバネS2の引張力によって図16に示す状態に復帰する。また、第2のカム101cbと共に反時計回り方向に回転する第1のカム101caの第1のカム面101cafの作用によって、保持部101aは引っ張りバネS11およびS12の引張力に抗して「第1退避位置」へ向けて押し上げられる(図23(4)を参照)。
シート束の最上位に位置するシートの上面への押圧が完了し、保持部101aおよびシャッタ部材101vwが上方へ退避すると、綴じられたシート束は、処理トレイ102に設けられている不図示の排出部材によって第2排出トレイ105上に排出される。
その後、CPU701(制御部)は、第1の回転軸101J1をさらに反時計回り方向に回転させ、シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」に移動させ、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置したままの状態で、保持部101aを、第1のカム面101cafの作用により「接着剤付与位置」へ向けて降下させ、「遮蔽位置」にあるシャッタ部材101vwを押し下げながら「接着剤付与位置」(第1の待機位置)に到達させる。
このとき、保持部101aに保持されている接着剤付与部Uは、シャッタ部材101vwを、シートが積載されていない処理トレイ102の印台101e(被押圧面)上に押し付けた状態となる(第1待機モード)。これにより、シャッタ部材101vwにより接着剤付与部Uの供給部位Unpがキャッピングされる。このようにして、シート綴じ処理の一連のジョブが完了する(図23(w2))。
このように、シート綴じ処理のジョブが完了した後、すなわち、最上位のシートの上面の押下が完了した後に、接着剤付与部Uによってシャッタ部材101vwを印台101e(被押圧面)上に押し付けた状態で次のジョブを受信するまで待機することにより、シャッタ部材101vwによって接着剤付与部Uにおける所定の供給部位Unpをカバー(キャッピング)した状態で待機することができる。これにより、接着剤付与部Uにおける所定の供給部位Unpが外気にさらされる時間を短くすることができ、所定の供給部位Unpから供給される接着剤の乾燥による固着等を抑制することができる(図24を参照)。
また、このような構成によれば、シート綴じ処理を実行しておらず、接着剤付与部が静止している際に、接着剤付与部と処理トレイの間にユーザが指等を差し込んでしまうおそれがない。特に、大型のシート綴じ装置を設計する場合、接着剤付与部と処理トレイの間の空間は広くなるため、ユーザが指を差し込んでしまって接着剤付与部に触れてしまう等のリスクの回避は重要となる。
このように、本実施の形態では、CPU701(制御部)は、例えば以下のような4通りの動作モード、
(1)「第1待機モード」にて待機している際に、シート綴じ処理を指示する次のジョブが受信されると実行される「第2待機モード」
「第2待機モード」では、シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」に移動させ、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置したままの状態で、接着剤付与部Uを「第1の待機位置」から「遮蔽位置」にあるシャッタ部材101vwに当接するまで移動させる。
(2)第1の支持機構により接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間で移動させる「糊付モード」
(3)第2の支持機構によりシャッタ部材101vwを「遮蔽位置」へと移動させた状態で、第1の支持機構により接着剤付与部Uを「第1退避位置」から「接着剤付与位置」へ移動させ、接着剤付与部Uの移動に伴って押し下げられるシャッタ部材101vwにより処理トレイ102上のシート(例えば図23に示すシートStn)を押圧させる「押圧モード」
(4)シャッタ部材101vwを「遮蔽位置」に移動させ、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置したままの状態で、保持部101aを、第1のカム面101cafの作用により「接着剤付与位置」へ向けて降下させ、接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」(第1の待機位置)に到達させ、接着剤付与部Uによってシャッタ部材101vwを印台101e(被押圧面)上に押し付ける「第1待機モード」
を実行することができる。
このように、シートに接着剤を付与する接着剤付与部Uの押圧力を利用して、接着剤付与済のシート束をシャッタ部材101vwを介して押圧する構成とすることにより、単一の押圧機構により、接着剤付与および単純な押圧動作の双方を実現することができる。
さらに、CPU701(制御部)は、「糊付けモード」において、モータMにより第1の回転軸101J1を第2の回転方向(例えば時計回り方向CW)に回転駆動させ、第1の回転軸101J1からの回転駆動力により第1の支持機構を駆動させ、且つ、「押圧モード」において、モータMにより第1の回転軸101J1を第1の回転方向(例えば反時計回り方向CCW)に回転駆動させ、第1の回転軸101J1からの回転駆動力により第1の支持機構を駆動させるとともに、第2の回転軸101J2からの回転駆動力により第2の支持機構を駆動させている。
このように、接着剤付与部Uの「接着剤付与位置」と「退避位置」との間での移動を、モータMの回転方向に拘らず常にモータMから回転駆動力を伝達される第1の回転軸101J1からの回転駆動力によって駆動する構成とすることにより、「糊付け駆動モード」および「押圧駆動モード」のいずれにおいても、接着剤付与部Uの動作を兼用することができる。
また、本実施の形態では、CPU701(制御部)は、第1の支持機構により接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間で移動させる「糊付モード」と、第2の支持機構によりシャッタ部材101vwを「遮蔽位置」へと移動させた状態で、第1の支持機構により接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」へ向けて移動させ、接着剤付与部Uの移動に伴って押し下げられるシャッタ部材101vwにより処理トレイ102上のシートを押圧させる「押圧モード」と、を実行させている。
このように、第1の支持機構において接着剤付与部Uを「接着剤付与位置」と「第1退避位置」との間でスライド移動可能にガイドするためのガイド軸X1を、第2の支持機構においてシャッタ部材101vwを「遮蔽位置」と「第2退避位置」との間で回転可能に支持するための回転支持軸としても兼用することにより、簡単な構成によって接着剤付与部Uおよびシャッタ部材101vwの動作を規定することができる。また、接着剤付与部Uの「接着剤付与位置」への移動に伴ったシャッタ部材101vwの移動においても、同一軸をガイドとして採用しているため、接着剤付与部Uおよびシャッタ部材101vwの双方を確実に同じ軌跡で一体的にスライドさせることができる。
続いて、シャッタ部材101vwにより処理トレイ102上のシート上面を押下する際の接着剤付与部U、保持部101aおよびシャッタ部材101vwの関係について説明する。
図17に示すように、シャッタ部材101vwは、シャッタ部材101vwが「遮蔽位置」に位置している状態で接着剤付与部Uが「接着剤付与位置」へと移動する際に、接着剤付与部Uおよび第1の支持機構の内のいずれかに当接して接着剤付与部Uの「接着剤付与位置」へ向かう押圧力(引っ張りバネS11およびS12の引張力)を受ける受け部101vwaおよび101vwbを備えている。
シャッタ部材101vwは、受け部101vwaおよび101vwbが接着剤付与部Uおよび第1の支持機構の内のいずれかに当接している際に、接着剤付与部Uから供給される接着剤はシャッタ部材101vwには接触しない形状に形成されている。具体的には、受け部101vwaおよび101vwbが接着剤付与部Uおよび第1の支持機構の内のいずれかに当接しているとき、接着剤付与部Uの接着剤供給部Unp(所定の供給部位)とシャッタ部材101vwの間には所定の隙間が確保されており、接着剤供給部Unpから供給される接着剤がシャッタ部材101vwに付着することはない。
このように、シャッタ部材101vwが接着剤付与部Uの押圧力を受けてシート束を押圧する際に、シャッタ部材101vwと接着剤付与部Uから供給される接着剤とが接触しない構成とすることにより、シャッタ部材101vwが接着剤によって汚れることを防止することができ、且つ本来シートに付与すべき接着剤がシャッタ部材101vwに付着してしまい無駄となることもない。
また、接着剤付与部Uおよびシャッタ部材101vwの少なくともいずれか一方には、「待機モード」時において接着剤付与部Uにおける接着剤供給部Unpを包囲するように弾性部101vwkが設けられている。
ここでは、一例として、弾性部101vwkが、ゴム等の樹脂材やゲルのような粘弾性体などから構成されているシール材である場合を例に挙げるが、必ずしもこれに限られるものではない。図24に示すようにベースであるシャッタ部材101vwとは別体のシール材としての環状の弾性部101vwkをシャッタ部材101vwの上部に固定するだけでなく、例えば、弾性部101vwkをシャッタ部材101vwの一部として、シャッタ部材101vwと一体的に成形するようにしてもよい。
また、弾性部101vwkは、シャッタ部材101vw側だけでなく、接着剤付与部U側だけに設けることもできるし、双方に設けることもできる。
また、接着剤付与部Uにおける接着剤供給部Unpの乾燥を防ぐことができる程度に遮蔽できるようであれば、弾性部101vwkと同様な形状の樹脂等からなる環状の部材等を配置してもよい。このような構成でも、密閉性は低いものの、接着剤供給部Unpをそのまま外気に露出する場合に比べて乾燥をある程度は遅らせることができる。
また、図17および図24に示すように、本実施の形態では、シャッタ部材101vwの処理トレイ102上に積載されるシート上面に押圧される側の面は、処理トレイ102側へ向けて凸となる形状に形成されている。
このように、シャッタ部材101vwのシートを押圧する側の面を凸形状とすることにより、シャッタ部材101vwからシートの糊付け位置付近に加わる圧力を平坦な面で押される場合よりも高めることができ、綴じ対象であるシートをより強力かつ安定的に接着することが可能となる。
また、シャッタ部材101vwの処理トレイ102上に積載されるシート上面に押圧される際にシートに当接する領域Area1は、接着剤付与部Uの移動方向と直交する平面方向において、少なくともシート上に接着剤を付与する領域Area2を含んでいることが望ましい。
図25は、本実施の形態によるCPU701(制御部)による駆動モードの切り替えについて説明するためのフローチャートである。
CPU701(制御部)は、シート綴じ処理の実行を指示するジョブを受信すると(ACT901,Yes)、接着剤付与部Uを「第1の待機位置」から「第2の待機位置」へと移動させる(第2待機モード)(図14(w1)を参照)(ACT902)。
その後、CPU701(制御部)は、糊付モードを実行することにより、処理トレイ102上に順次積載されてゆく各シートの上面への糊付けを行う(ACT903)。
続いて、CPU701(制御部)は、押圧モードを実行し、糊付モードによる糊付け処理が施されたシート束の最上位に位置するシートの上面の押下処理を実行する(ACT904)。
その後、CPU701(制御部)は、綴じ処理が施されたシート束が所定の排出トレイへと排出されると、接着剤付与位置(第1の待機位置)まで移動させる接着剤付与部Uによって、遮蔽位置に位置するシャッタ部材101vwを印台101eの被押圧面上に押し当てる(第1待機モード)(ACT905)。
CPU701(制御部)は、「第1待機モード」で待機している状態(ACT905)で、シート綴じ処理のジョブが受信されると(ACT901,Yes)、ACT902の処理へと進む。
このように、CPU701(制御部)は、「糊付モード」および「押圧モード」が実行されない期間内に、第1待機モードや第2待機モードといった「待機モード」を実行する。
「待機モード」は、第2の支持機構によりシャッタ部材101vwを「遮蔽位置」へと移動させるとともに第1の支持機構により接着剤付与部Uがシャッタ部材101vwを押圧する所定の待機位置に移動させ、接着剤付与部Uにより押圧されるシャッタ部材101vwにより接着剤付与部Uの供給部位Unpをカバー(遮蔽)して接着剤の乾燥を防止する。
このように、接着剤付与部Uをシャッタ部材101vwに押し当てる待機位置で待機する待機モードを設けることにより、接着剤付与部Uにより押圧されるシャッタ部材101vwにより接着剤付与部Uの供給部位Unpをカバー(遮蔽)して接着剤の乾燥を防止する。
また、シャッタ部材101vwを印台101e(被押圧面)に押し付ける接着剤付与位置(第1の待機位置)だけでなく、処理トレイ102(印台101e(被押圧面))から離れた第2の待機位置にて待機する第2待機モードも有することにより、マシン停止時等のように長時間シート綴じ処理が行われない期間には第1待機モードにて待機し、シート綴じ処理のジョブを受信した直後には、すぐにジョブを実行可能な位置で接着剤の乾燥を防止しつつ接着剤付与部Uを待機させることができ、スループットの向上に寄与することができる。
なお、ここでの「遮蔽」とは、完全な密閉に限らず、ある程度の空気の流出入が発生する程度の密閉度でキャッピングされている状態も含むものとする。すなわち、シャッタ部材101vwによってカバーされることで、接着剤付与部Uにおける供給部Unpの乾燥を遅らせることができる程度の密閉性を少なくとも備えていればよい。
また、ここでの「糊付モードおよび押圧モードが実行されない期間内」とは、換言すれば、接着剤付与部を動作させていない期間を意味している。すなわち、「糊付及び押圧動作が終了した直後の接着剤付与部が動作しなくなった期間」も含む概念である。また、ここでの「期間内」とは、その期間内すべてにおいて継続的に待機モードを実行することを示すものではなく、「糊付モードおよび押圧モードが実行されない期間」の内のいずれかの任意の期間において待機モードが実行されればよいことを意味する。
上述のシート綴じ装置での処理における各動作は、MEMORY703に格納されているシート綴じプログラムをCPU701に実行させることにより実現されるものである。
なお、上述の実施の形態において、シートへの糊付けを行なう接着剤付与部Uとしては、必ずしも液状の糊を塗布するものに限られるものではなく、例えば以下のようないくつかの他の態様が挙げられる。
(1)両面に糊が付された両面テープの貼り付け
(2)ペースト状の糊の塗布
(3)液状の糊の噴射
(4)スティック状の糊の塗布
なお、接着剤付与部として液状の糊を噴射する構成を採用する場合、圧電素子やサーマル素子の駆動により感圧接着剤を吐出するインクジェット方式のプリンタヘッドを塗布部として用いることができる。
また、上述の実施の形態では、接着剤付与部によってシート上に感圧式の接着剤を付与する構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態に適用する接着剤は、高熱あるいは低熱を受けることにより粘着力が低減あるいはほぼ消滅するリユースに適したものであってもよい。また、接着部が用いる接着剤は、光を受けることにより粘着力が低減あるいはほぼ消滅するものであってもよい。
上述の実施の形態では、保持アーム101vに一体的に備わる被ガイド軸X2を第2のカム面101cbfによって動かす構成を例示したが、これに限られるものではなく、例えば保持アーム101v自体から突出する樹脂等から形成される突起部を第2のカム面101cbfによって動かすようにしてもよい。
また、上述の実施の形態では、接着剤としての糊を「付与」すると表現している場合でも、単にシート上に接着剤を「塗る」場合だけでなく、スプレーのように吹き付ける場合はもちろんのこと、例えばテープ式の接着剤を貼り付ける場合や、スタンプ式の接着剤付与を行なうような場合も含む意味であるものとする。すなわち、その処理の結果としてシート表面に接着剤がつけばよい。
また、上述の実施の形態における「シート」とは、必ずしも紙に限らず、例えば、OHP用のフィルムシートなど、糊によって綴じることが可能なシート状の媒体であれば、採用可能である。
また、上述の実施の形態では、一例として綴じ処理部Tが、後処理装置1内の図1に示す位置に配置されている構成を例示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば孔あけ部109や折り処理部B等の装置内の他の箇所に設けることもできる。
更に、シート綴じ装置およびこれを備える後処理装置を構成するコンピュータにおいて上述した各動作を実行させるプログラムを、シート綴じプログラムとして提供することができる。本実施の形態では、発明を実施する機能を実現するための当該プログラムが、装置内部に設けられた記憶領域に予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
なお、プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
また、上述の実施の形態にてプログラムをCPUやMPUに実行させることにより実現される各種処理は、その少なくとも一部を、ASIC701にて回路的に実行させることも可能であることは言うまでもない。
このように、上述した実施の形態は、互いに任意の実施の形態同士を、技術的矛盾が生じない範囲において自由に組み合わせることができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。