JP6320208B2 - 立軸ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、河川水や排水などの液体を汲み上げる立軸ポンプに関し、特に回転軸を支える軸受の耐久性、維持管理性を向上させ、軸受を容易に交換することができる立軸ポンプに関するものである。
図1は、従来の立軸ポンプを示す模式図である。図1に示すように、一般に、立軸ポンプは、ポンプベース514を有し、ポンプベース514は水槽上部のポンプ据付床500に設置される。羽根車504を収容するガイドケーシング506が吊下管502を介してポンプ据付床500から吊り下げられる。羽根車504は回転軸509に固定されており、回転軸509は外軸受510および水中軸受508により回転自在に支持される。
このような立軸ポンプは、羽根車504および水中軸受508が水中に浸漬された状態で運転されるので、使用時間の経過とともにこれらの部材に徐々に摩耗や腐食が起こる。このため、立軸ポンプの点検作業を定期的に行って軸受部(外軸受510および水中軸受508)および羽根車504の摩耗状況、並びにガイドケーシング506の腐食状況を確認し、必要に応じてこれらの部材の補修または交換を行うことが必要となる。これらの部材の中で水中軸受508の損傷や摩耗は、ポンプの異常振動の原因となり、最終的にポンプ故障(運転不能)の原因となる。このため、水中軸受508の点検は重要な点検項目の1つである。
立軸ポンプの点検・整備方法としては、1)ポンプを据え付けたまま行う方法と、2)ポンプを引き上げて行う方法とが知られている。1)の点検方法は、ポンプを引き上げずに点検を行うことができるため、費用が安く、かつ点検・整備にかかる期間も短くできる。しかしながら、例えば、立軸ポンプの水中軸受508が水中に没しているときは、上記1)の方法では、水中軸受508の摩耗状態を適切に測定または検知することは難しく、水中軸受508を交換することもできない。また、水槽内の水を排水してドライにした状態でも、水中軸受508は羽根車504の上方(吐出側)に位置しているため、やはり水中軸受508の点検や整備および交換はできない。すなわち、水槽内の水を抜き、軸受部を大気中に露出させても軸受の設置位置の問題により、満足な点検整備ができない。
そこで、地上部で測定できる外軸受510やポンプベース514などの振動を測定し、間接的に水中軸受508の状態を推測する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。しかしながら、この方法では、振動源となる水中軸受508付近で測定を行うわけではないため、振動源から測定点までの種々の減衰効果により、水中軸受の摩耗等による異常振動を計測することが難しく、適切に損傷や摩耗状況を判断することができない。
これに対して、上記2)の方法によれば、水中軸受508の摩耗状態を適切に測定または検知することが可能であり、また水中軸受508の交換も可能である。このため、従来、立軸ポンプの水中軸受508の摩耗を確認するために、上記2)の方法を行っていた。
しかしながら、上記2)の方法は、費用がかかり、点検・整備にかかる時間も長くなってしまう。例えば、天井クレーンを用いて立軸ポンプを引き上げる場合には、点検員となる機械技術者、作業員、およびクレーンオペレータなどが必要となり、引き上げのために相当の作業費用を要する。また、重量物であるポンプの引き上げ、再組立作業は危険作業といえる。
また、引き上げおよび点検作業は、引き上げ後に点検整備を行い、その後、再設置、芯出し、試運転という工程を経なければならず、かなりの日数を要する。さらに、機場によっては、点検・整備時でも、常に必要量の排水をできる状態にしておく必要がある一方で、点検期間中は、点検を行っているポンプを運転することができないため、仮設ポンプを設置するなどして、排水能力を確保する必要がある。
そこで、特許文献3に示すように、羽根車の下方に配置された水中軸受と、ポンプ据付床の上方の外軸受の2つで回転軸を支持する構造を有する立軸ポンプが提案されている。この構造によれば、水中軸受は羽根車の下方(吸い込み側)に位置しているので、吸込口から水中軸受の摩耗状態を目視により検査することができ、しかも水中軸受を容易に交換することができる。
しかしながら、ポンプに大水量化かつ高揚程化されることが求められている(大容量化)近年において、大容量化に対応すると、下部のみに設けられた水中軸受に加わる負荷(荷重)が大きくなり、軸受自体が大型化し重量も重くなる。この場合、羽根車下方からの作業性が悪化するという問題がある。また、ポンプの大容量化に伴い、回転軸の軸径が太くなり、軸受接触面の周速が速くなるので、軸受摩耗が促進されるという課題も生じる。
また、特許文献4では、上記課題に対する技術として、ポンプの外軸受と羽根車下方に設置した水中軸受の間に、さらに水中軸受(中間軸受)を設け、この中間軸受を分割構造とすることで、ポンプの内部に作業員が入り軸受の交換ができるようにしている。しかしながら、ポンプ内部は狭所であり、且つ高所での作業となってしまうことから、作業性・安全性の課題が残る。
特許第3567140号公報 特開2004−218578号公報 特許第4456579号公報 特開2012−137074号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、大容量のポンプにおいても、ポンプを引き上げることなくポンプを据え付けた状態で水中軸受を容易に交換することができ、また、水中軸受の信頼性を向上させた立軸ポンプを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の第1形態に係る立軸ポンプは、羽根車と、前記羽根車を貫通して延び、前記羽根車が固定される回転軸と、前記回転軸を支持する外軸受と、前記羽根車の下方に設けられ、前記羽根車を貫通する前記回転軸を支持する軸受ユニットと、を備え、前記回転軸は、前記外軸受以外の軸受を介さずに前記外軸受から前記羽根車を貫通して延び、前記軸受ユニットは、前記回転軸の摺動部を軸受内周面で支持する第1の軸受と、前記回転軸の摺動部を軸受外周面で支持する第2の軸受を有する。
上記目的を達成するため、本発明の第2形態に係る立軸ポンプは、第1形態の立軸ポンプにおいて、前記軸受ユニットは、前記羽根車の下方に嵌脱可能に取り付けられる。
上記目的を達成するため、本発明の第3形態に係る立軸ポンプは、第1形態又は第2形
態の立軸ポンプにおいて、前記第1の軸受及び前記第2の軸受は、前記羽根車の下方に嵌脱可能に構成される。
上記目的を達成するため、本発明の第4形態に係る立軸ポンプは、第1形態ないし第3形態のいずれかの立軸ポンプにおいて、前記軸受ユニットの下方に設けられる保護カバーを有し、前記保護カバーは、前記軸受ユニットへ水流を導くための、側方に向く小孔を有する。
上記目的を達成するため、本発明の第5形態に係る立軸ポンプは、第1形態ないし第4形態のいずれかの立軸ポンプにおいて、前記第1の軸受と前記第2の軸受は、同一の材料で構成され、前記材料は、樹脂または樹脂複合材で構成される。
本発明によれば、立軸ポンプにおいて、外軸受以外の軸受を介さずに外軸受から羽根車を貫通して延び、羽根車が固定される回転軸と、回転軸を羽根車の下方で受ける軸受ユニットを備え、軸受ユニットは、回転軸の摺動部を軸受内周面で支持する第1の軸受と、回転軸の摺動部を軸受外周面で支持する第2の軸受を有するので、大型のポンプにおいても水中軸受の安定性が向上してポンプの安定的な運転が可能となり、また水中軸受の小型化が可能となり、そして点検作業や交換作業などのメインテナンスについてもポンプ引き上げることなく、据え付けたままの状態で作業性・信頼性の高い作業を容易に行うことができる。
従来の立軸ポンプを示す模式図である。 本発明の一実施形態における立軸ポンプを示す模式図である。 軸受ユニットの原理を説明する縦断面模式図である。 図3に示すXX´断面における断面図である。 ドライ運転時における軸受ユニットの動作を示す図である。 排水運転時における軸受ユニットの動作を示す図である。 軸受ユニットを備えた立軸ポンプをドライ運転したときの振動速度を、従来の軸受装置の場合と比較した図である。 軸受ユニットを備えた立軸ポンプをドライ運転したときの軸受温度を、従来の軸受装置の場合と比較した図である。 軸受ユニットを備えた立軸ポンプを排水運転したときの振動速度を、従来の軸受装置の場合と比較した図である。 従来の軸受装置を示す縦断面模式図である。 本発明の一実施形態における水中軸受ユニットの構造断面図である。 他の実施形態における水中軸受ユニットの構造断面図である。 他の実施形態における水中軸受ユニットの構造断面図である。 中間軸受ユニットカバーの断面図である。 他の実施形態における水中軸受ユニットの構造断面図である。 他の実施形態における水中軸受ユニットの構造断面図である。
以下、本発明に係る立軸ポンプの実施形態について図2から図16を参照して詳細に説明する。なお、図2から図16において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。なお、以下の説明において、「上方」とは立軸ポンプが設置された状態における上方(吐出側)をいい、「下方」とは縦軸ポンプが設置された状態における下方(吸込側)をいう。
図2は、本発明の一実施形態における立軸ポンプを示す模式図である。図2に示すように、立軸ポンプは、吸込ベルマウス1aおよび吐出ボウル1bを有するガイドケーシング1と、ガイドケーシング1を水槽5内に吊り下げる吊下管3と、吊下管3の上端に接続された吐出曲管4と、ガイドケーシング1内に収容された羽根車10と、羽根車10が固定された回転軸6とを備えている。
吊下管3は、水槽5上部のポンプ据付床22に形成された挿通孔24を通って下方に延び、吊下管3の上端に設けられたポンプベース23を介してポンプ据付床22に固定されている。回転軸(立軸)6は、吐出曲管4および吊下管3を通って鉛直方向に延びており、その下端はガイドケーシング1内に位置している。ガイドケーシング1および吊下管3によりポンプケーシング2が構成されている。ポンプ据付床22より上の領域である床上部Fは常時点検が可能な領域であり、ポンプ据付床22より下の領域である水槽部Uは没水される領域である。
図2に示すように、吸込ベルマウス1aは下方(吸い込み側)に開口を有し、吸込ベルマウス1aの上端は吐出ボウル1bの下端に固定されている。羽根車10は回転軸6の下部に固定されており、羽根車10と回転軸6とは一体的に回転するようになっている。この羽根車10は複数の翼を有し、羽根車10の上方(吐出側)には複数のガイドベーン14が配置されている。これらのガイドベーン14はガイドケーシング1の内周面およびボウルブッシュ13の外周面に固定されている。
また、回転軸6は、水中軸受ユニット12および外軸受11により回転自在に支持されている。水中軸受ユニット12は、羽根車10の下方(吸い込み側)に位置しており、回転軸6の下端を支持している。この水中軸受ユニット12は、吸込ベルマウス1aの内周面に固定された支持部材15によって支持されている。なお、ボウルブッシュ13の内部を含め、外軸受11と水中軸受ユニット12の間には水中軸受は配置されていない。外軸受11は吐出曲管4の上部(外部)に設けられ、回転軸6の上部(一端)を支持している。回転軸6は、外軸受11以外の軸受を介さずに外軸受11から羽根車10を貫通して延びる。また、水中軸受ユニット12は、回転軸6の径方向外側(回転軸6の周囲)に配置され、回転軸6の摺動部を軸受内周面で支持する内接軸受(第1の軸受)と、回転軸6の径方向内側に配置され、回転軸6の摺動部を軸受外周面で支持する外接軸受(第2の軸受)を有している。
水中軸受ユニット12に設けられている第1の軸受と第2の軸受は、ポンプの定常運転時に回転軸6に滑り接触しながら回転軸を支える、いわゆるすべり軸受である。外軸受11は、ラジアル荷重を受けるだけでなく、スラスト荷重を受けることができるように構成されている。外軸受11は、ラジアル荷重およびスラスト荷重の両方を受けることができる1つの軸受であってもよく、またはラジアル荷重を受けることができるラジアル軸受とスラスト荷重を受けることができるスラスト軸受との組み合わせであってもよい。
図2に示すように、回転軸6は吐出曲管4から上方に突出している。回転軸6の上端は、自在軸継手45を介して減速機41の駆動軸42に連結されている。さらに減速機41は駆動源43に連結されている。駆動源43としては、ディーゼルエンジン、ガスタービン、モータなどを使用することができる。なお、減速機41が用いられない場合もある。
駆動源43により回転軸6を介して羽根車10を回転させると、水槽5内の水(取扱液)が吸込ベルマウス1aから吸い込まれ、吐出ボウル1b、吊下管3、吐出曲管4を通って吐出配管20に移送される。なお、立軸ポンプの排水運転時は、羽根車10および水中軸受ユニット12は、水面よりも下に位置している。
図1に示す従来の立軸ポンプでは、水中軸受508はボウルブッシュ内に収容されているため、立軸ポンプを据え付けた状態で水中軸受508を交換することは難しい。本実施形態においては、羽根車10の下方に水中軸受ユニット12を配置しているため、水槽5の内部の水を取り除き、立軸ポンプの下部に作業員が入れば、隙間ゲージなどを用いて水中軸受ユニット12の摩耗量や損傷具合を容易に判断することができ、さらには水中軸受ユニット12を簡単に交換することができる。
このように、立軸ポンプを引き上げることなく水中軸受ユニット12の点検および交換を行うことができるので、立軸ポンプの引き上げに必要な費用を削減することができ、点検および交換時の運転不能時間を大幅に短縮することができる。したがって、ポンプ機場の経済性および信頼性を向上することができる。また、水中軸受ユニット12の位置が従来の位置よりも低く、羽根車10の下方に位置するため、ポンプの運転時においては、水中軸受ユニット12を確実に没水させることができる。したがって、水中軸受ユニット12と回転軸6の間に形成される水膜により、水中軸受ユニット12の摩耗を抑制し、水中軸受ユニット12の耐久性を向上させることができる。
次に、第1のすべり軸受と第2のすべり軸受について説明する。図3は、軸受ユニットの原理を説明する縦断面模式図である。本軸受ユニットは、回転軸30の外周にスリーブ31を有している。スリーブ31の材料は実用的には超硬合金やステンレス鋼等からなる。スリーブ31の外周側には、中空円筒の第1のすべり軸受44が設けられている。すなわち、第1のすべり軸受44の内側にスリーブ31が接触し摺動する。第1のすべり軸受44の材料は実用的には樹脂材料、セラミックス、焼結金属又は表面改質された金属からなる。スリーブ31の外周面(第1の摺動部46)は、第1のすべり軸受44の内周面(すべり面)と非常に狭い第1のクリアランス47を介して対面し、第1のすべり軸受44のすべり面に対して摺動するように構成されている。第1のすべり軸受44の外周部は、略円筒状の軸受ケース32の内周面に固定されている。軸受ケース32の材料は実用的には金属又は樹脂からなる。
また、軸受ケース32の外周面には、中空円筒の第2のすべり軸受39が設けられている。第2のすべり軸受39の材料は、実用的には樹脂材料、セラミックス、焼結金属又は表面改質された金属からなる。
回転軸30には、固定ピン又はボルト等の固定手段33aによって略円筒状のスリーブケース38が固定されており、スリーブケース38は、回転軸30が回転することで回転軸30とともに回転するように構成されている。スリーブケース38の内周面にはスリーブ37が設けられ、スリーブ37の内周面(第2の摺動部36)は第2のすべり軸受39の外周面(すべり面)と非常に狭い第2のクリアランス48を介して対面し、第2のすべり軸受39のすべり面に対して摺動するように構成されている。すなわち、第2のすべり軸受39の外側でスリーブ37が外接し摺動する。尚、スリーブ31,37は、一般的に軸材等の外周に設置されるものであるが、本願においては、軸受ユニットの構成を分かりやすくするため、便宜上、主となる軸受材を担うものを第1、第2のすべり軸受とし、相対する被摺動部材をスリーブと称するものとする。
以上が軸受ユニットの構成であるが、軸受ユニットは、軸受ケース32のつば部32aを介してポンプなどのケーシングとつながる支持部材35等に、ボルト等の固定手段33bにより固定されている。尚、以上の例では、回転体(回転軸30)の外周にスリーブ31が保持され、スリーブ31の外周側に対応する非回転のすべり軸受を第1のすべり軸受44としている。一方、回転体(スリーブケース38)の内周にスリーブ37を有し、スリーブ37の内周側に対応する非回転のすべり軸受を第2のすべり軸受39としている。しかし、回転体(回転軸30)の外周にすべり軸受を保持し、対応する非回転体にスリー
ブを備える場合もあり得る。また、第1のすべり軸受が回転体の外周にスリーブを保持し、それに対応するすべり軸受が非回転側にある状態で、第2のすべり軸受が回転体の外周にすべり軸受を保持し、それに対応するスリーブが非回転側にある状態、およびその逆もあり得る。
当該軸受ユニットが、例えば立軸ポンプなどの排水ポンプで用いられ、水中の環境で使用される場合を考慮して、スリーブケース38には、スラリー等を含む水を第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48に通水する給水口40が設けられている。給水口40に流入した水は、流路としての第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48を通過する。このように、第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48へ水を通過させる流路が形成され、第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48も流路として機能するので、排水運転時に空気が滞留することなく速やかに第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48に水が流れ、第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39の機能を速やかに発揮することができる。
また、第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39は、始動時はドライ条件下でスリーブ31及びスリーブ37を支持し、排水条件においては極めて薄い液膜を介してスリーブ31及びスリーブ37を支持する。ここで、ドライ条件とは、運転中の第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39の雰囲気が、液体の潤滑がない大気中である条件をいい、ドライ運転とはその条件で運転することをいう。
回転軸30の定常的な振れ回りを抑制し、また振れ回りによって第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39に加わる荷重を抑制するために、第1のクリアランス47の直径隙間寸法(第1のすべり軸受44の内径−スリーブ31の外径)及び第2のクリアランス48の直径隙間寸法(スリーブ37の内径−第2のすべり軸受39の外径)は、それぞれ第1のすべり軸受44の内径の1/1000以上1/100以下、第2のすべり軸受39の外径の1/1000以上1/100以下であることが好ましい。第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48の寸法がこれらの範囲より大きい場合は、回転軸30の定常的な振れ回りが大きくなり、この振れ回りによって第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39に加わる荷重も大きくなり、安定的な運転が困難になる場合がある。また、第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48の寸法がこれらの範囲より小さい場合は、第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48が異物により閉塞したり、第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39が異物との摩擦により焼きついたりする場合がある。
第1のクリアランス47の直径隙間寸法と第2のクリアランス48の直径隙間寸法は同一であることが好ましいが、第1のすべり軸受44、第2のすべり軸受39、スリーブ37、又はスリーブ31が樹脂で形成されている等、これらの部材が弾性を有していれば、その寸法に差があっても本発明の機能を発揮する。この場合は、第1のクリアランス47の直径隙間寸法に対する第2のクリアランス48の直径隙間寸法の比率は、好ましくは0.5以上2.0以下であり、より好ましくは0.7以上1.3以下である。ただし、後述するように、第1のすべり軸受44、第2のすべり軸受39、スリーブ37、又はスリーブ31を、さらにゴムなどの緩衝材を介して固定する場合は(図11等参照)、緩衝材の変形によって上記寸法の範囲でなくとも第1のすべり軸受44と第2のすべり軸受39が同時に夫々スリーブ31及びスリーブ37と接触可能であり、本発明の機能を発揮する。
図4は、図3に示すXX´断面における断面図である。図示のように、スリーブ31の外周面、第1のすべり軸受44の内周面、第2のすべり軸受39の外周面、及びスリーブ37の内周面のそれぞれの中心が中心軸Oと略一致するように構成されている。なお、図4においては、第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48の寸法は、便宜上拡
大されて示されている。
図5は、ドライ運転時における軸受ユニットの動作を示す図である。回転軸30が回転すると、回転軸30に固定されたスリーブ31、及びスリーブケース38に固定されたスリーブ37も回転する。ドライ条件においては、スリーブ31の外周面が第1のすべり軸受44に点Aにて接触したときに、回転軸30には軸受反力FANが発生する。この軸受反力FANによって、回転軸30の回転方向とは逆方向に摩擦力FAFが発生し、この摩擦力FAFが回転軸30に回転方向とは逆方向の振れ回り振動を引き起こす不安定化力となる。
一方で、スリーブ37が第2のすべり軸受39に点Bにて接触することで、軸受反力FBNが発生し、この軸受反力FBNによって、摩擦力FAFと逆方向の力である摩擦力FBFが発生する。回転軸30の系において、摩擦力FAFと摩擦力FBFは相殺されるので、回転軸30は安定して回転することができる。また、回転軸30に係る荷重(軸受反力)が点Aと点Bに分散されることで、すべり軸受に加わる摩擦力も分散される。その結果摩擦による発熱が低減され、ドライ運転時における軸受の温度上昇が抑制される。
図6は、排水運転時における軸受ユニットの動作を示す図である。第1のクリアランス47及び第2のクリアランス48は水で満たされており、この水は夫々液膜49、液膜50を構成し、これにより本軸受ユニットは流体潤滑軸受ユニットとして機能する。このとき液膜49には、回転軸30の回転による周方向の圧力不均一が生じ、その結果、回転軸30に半径方向流体力FARと周方向流体力FATが発生する。この周方向流体力FATは排水運転時に振動を発生させる不安定化力となる。なお、この周方向流体力FATは上記ドライ運転で発生する摩擦力FAFとは逆方向の力である。
従来は、立型の回転軸においてこの液膜による不安定振動を防止するために、軸受の内面形状を真円形状ではなく多円弧形状に形成することが行われていた。しかしながら、スラリーを多く含有する水中において、樹脂からなる軸受を用いた場合、摩耗によって軸受の内面形状が真円形状に近づき、振動抑制効果を失うことがあった。
ここで、本軸受ユニットによれば、第2のクリアランス48における液膜50において、スリーブ37の回転による周方向の圧力不均一が生じ、その結果、回転軸30に半径方向流体力FBRと周方向流体力FBTが発生する。このとき、周方向流体力FATと周方向流体力FBTとは互いに逆方向であるので、液膜49、液膜50による不安定化力は相殺され、回転軸30は不安定化力による振動を発生することなく安定して回転することができる。
以上、軸受ユニットは、ドライ運転時、及び排水運転時のいずれの常用運転においても、摺動面で常時摺動して回転軸を支えるすべり軸受でありながら、第1のすべり軸受の接点と、第2のすべり軸受の接点に働く摩擦力が相殺するので、不安定化力による回転軸の振動を抑制し、回転軸の安定した回転を維持することができる。
図7は、図3に示した軸受ユニットを立軸ポンプに設け、大気中の雰囲気で水による潤滑や冷却のないドライ運転したときの振動速度を示す図である。比較のため、図10に示す従来構造の軸受装置を備えた立軸ポンプ(従来構造)がドライ運転したときの振動速度が示されている。
図10に示す従来の軸受装置は、回転軸25の外周に、スリーブ29を有している。スリーブ29の外周側には、中空円筒のすべり軸受28が設けられている。スリーブ29の外周面は、すべり軸受28の内周面(すべり面)と非常に狭いクリアランスを介して対面
し、すべり軸受28に対して摺動するように構成されている。図10に示す回転軸25の径や回転数、およびスリーブ29やすべり軸受28の材料は、図3に示した軸受ユニットと同じ条件である。
図7に示すように、図3に示した軸受ユニットを備えた立軸ポンプ(本実施形態)の方が、従来構造の軸受装置を備えた立軸ポンプと比べて、始動開始から停止まで一定して従来構造と比較して低い振動速度で運転されていることがわかる。
図8は、図3に示した軸受ユニットを立軸ポンプに設け、ドライ運転したときの軸受温度を示す図である。比較のため、図10に示した従来構造の軸受装置を備えた立軸ポンプ(従来構造)がドライ運転したときの軸受温度が示されている。
図8に示すように、図3に示した軸受ユニットを備えた立軸ポンプ(本実施形態)の方が、従来構造の軸受装置を備えた立軸ポンプと比べて、始動開始から停止まで一定して従来構造と比較して低い軸受温度が保たれていることがわかる。
図7及び図8に示したように、従来構造の軸受装置を備えた立軸ポンプでは、回転軸に加わる摩擦力が大きいため、大きな振動が発生し、その結果軸受の温度上昇が大きくなっている。一方、本軸受ユニットを備えた立軸ポンプでは、図5において説明したように、振動を低減すると共に摩擦力を低減することができ、軸受温度の上昇を抑制することができる。
図9は、図3に示した軸受ユニットを立軸ポンプに設け、排水運転したときの振動速度を示す図である。排水運転時は、軸受ユニットは水中に没する。比較のため、図10に示した従来構造の軸受装置を備えた立軸ポンプ(従来構造)が排水運転したときの振動速度が示されている。なお、図9に示す結果は、立軸ポンプの運転条件を振動が発生しやすい条件で運転して、そのときの振動を計測したものである。
図9に示すように、図3に示した軸受ユニットを備えた立軸ポンプ(本実施形態)の方が、従来構造の軸受装置を備えた立軸ポンプと比べて、始動開始から停止まで一定して従来構造と比較して低い振動速度で運転されていることがわかる。
以上で説明したように、図3に示した軸受ユニットによれば、ドライ運転時において回転軸30の軸の振れ回りにより、第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39に回転体(スリーブ31及びスリーブ37)が衝突しても、その衝突時に摩擦力の向きが互いに逆向きに作用して相殺するので、回転軸30の振れ回りの発散を抑制し、不安定化による振動を防止することができる。加えて、この振動に起因する摩擦を低減して、軸受温度の上昇を抑制することができる。
図3に示した軸受ユニットは、第1のすべり軸受44と第2のすべり軸受39を有するので、ドライ運転時における軸受すべり面の摩擦力を分散して、軸受すべり面の摩擦による発熱を抑制することができる。これにより、従来構造よりも摩擦係数の高い軸受材料、即ち耐摩耗性の高い軸受材料を使用することができ、長期間にわたって安定した運転をすることができる。
また、図3に示した軸受ユニットは、軸受ケース32の内周面に第1のすべり軸受44を保持し、その外周面に第2のすべり軸受39を保持するので、立軸ポンプの軸方向にコンパクトな構造とすることができる。
ところで、本実施形態に係る軸受ユニットを備えた立軸ポンプは、回転軸30の水中に
位置する部分(スリーブ31及びスリーブ37)の支持は第1のすべり軸受44及び第2のすべり軸受39等のすべり軸受のみで行われる。即ち、排水運転を行う回転機械の水中軸受には、玉軸受やコロ軸受のような転がり軸受は適しておらず、すべり軸受によって本実施形態の効果を奏することができる。
(嵌脱構成:ユニット化)
次に本発明に係る立軸ポンプに設けられる軸受ユニット構造について説明する。この軸受ユニットの原理は、図3ないし図6において説明した軸受ユニットの原理と同一である。図11は、図2における立軸ポンプの吸込ベルマウス1aの内周面に固定された支持部材15に取り付けられた軸受ユニットを示している。回転軸6は、端部が中空な円筒構造になっている。軸受ユニットは、第1のすべり軸受52と第2のすべり軸受57とを有する。回転軸6の径方向外側(回転軸6の周囲)に配置された第1のすべり軸受52に対応するスリーブ51が、羽根車下方の回転軸6の端部の外周に設けられる。第2のすべり軸受57に対応するスリーブ55が、緩衝材56を介して回転軸6の端部の中空円筒構造の内側に設けられる。第2のすべり軸受57に対応するスリーブ55と緩衝材56は、押さえ板58により回転軸6に固定される。
第1のすべり軸受52は、緩衝材53を介して略円筒状の第1の軸受ケース54に保持される。第1の軸受ケース54は、支持部材15に固定されている。第1の軸受ケース54は、略円盤状のつば部54aを有する。第1の軸受ケース54をポンプの鉛直下方(吸い込み側)に取り外すことができるよう、つば部54aが支持部材15の下面にボルト61aにより嵌脱可能に取り付けられている。また、第2のすべり軸受57は、第1のすべり軸受52の直近下方に配置され、略円柱又は円筒状の第2の軸受ケース60によって、第1の軸受ケース54に固定される。第2の軸受ケース60は、略円盤状のつば部60aを有し、つば部60a第1軸受ケース54の下面にボルト61bによって着脱可能に取り付けられる。
このように、第1の軸受ケース54と第2の軸受ケース60を分割して構成することにより、軸受点検作業と軸受交換作業において、最小の大きさと荷重を有する機器を取り外すだけで作業ができる。
例えば、軸受の摩耗状況を観察する点検作業においては、立軸ポンプが大容量であり、軸受ユニットのサイズが大きい場合でも、第2の軸受ケース60を第1の軸受ケース54から分割して、第2の軸受ケース60のみを外すだけで、軸受の点検・維持管理性を向上させることができる。それとは反対に、点検後は、第2の軸受ケース60を第1の軸受ケース54に組み立てるだけであるので、作業性を向上させることができる。
この場合、取り外し及び組み立ての作業性の向上に加えて、第1の軸受ケース54を基台として第1のすべり軸受52と第2のすべり軸受57の芯を確実に合わせることが可能となるので、点検作業後の運転状態を作業前の運転状態と変わらない状態に維持することができ、安定性の高い軸受ユニットを構成することができる。
また、軸受を交換する場合には、第1の軸受ケース54を外すことにより、第1のすべり軸受52及び第2のすべり軸受57を一体として同時に取り外すことが可能となり、軸受交換時における作業性を向上させることができる。尚、回転軸6の径が比較的小さい場合には、機器の大きさも相対的に小さいので、第1の軸受ケース54と第2の軸受ケース60が分割された部品ではなく、図12に示すように、第1のすべり軸受52と第2のすべり軸受57とを保持する一体型の軸受ケース62であっても良い。一体型の軸受ケース62は、略円盤状のつば部62aを有し、ポンプの鉛直下方(吸い込み側)に取り外すことができるよう、つば部62aが支持部材15の下面にボルト61cにより嵌脱可能に取
り付けられる。
また、図11に示す第2の軸受ケース60及び図12に示す一体型の軸受ケース62には、複数の給排水口(穴)59が複数設けられていることが好ましい。給排水口59を設けることにより、ポンプの水流を確実に第1のすべり軸受52及び第2のすべり軸受57の表面に導き、軸受表面の内水による軸受表面の摩擦低減をはかることができ、軸受寿命の向上と振動の抑制が可能となる。
図13は、本発明に係る立軸ポンプに設けられる軸受ユニットの他の実施形態を示した図である。この軸受ユニットの構造は、回転軸6の外径Dが図11に示した回転軸6の外径Dより大きい大型の立軸ポンプに適用される。第2のすべり軸受57は、第1のすべり軸受52の設置位置の略水平XX面上の回転軸6の中空円筒構造の内面に設置されている。この様に第1のすべり軸受52と第2のすべり軸受57が、鉛直方向(軸方向)に離れずに同一水平面上に配置されることで、同一水平面上に相対する位置での軸受接触が多くなるので、長尺の回転軸6の回転による軸の曲がり等の影響を受けることなく、軸受摺動の安定性を向上させることが可能となる。
また、第1のすべり軸受52と第2のすべり軸受57を同一水平面上に配置することにより、軸受ユニットの鉛直方向(軸方向)長さを短縮することが可能となり、軸受ユニットをコンパクトに構成することができる。軸受ユニットがコンパクトになるので、取り扱い液の流れの邪魔になる部分が少なくなり、ポンプ効率の低下や、締め切り軸動力の増大等のポンプ性能への悪影響を低減することが可能となる。
(ユニットカバー)
図14は、本発明の立軸ポンプに設ける保護カバーを示す図である。保護カバー63は先端が略球面上の形状を有しており、第2の軸受ケース60に着脱可能に固定部材64で取り付けられている。また、保護カバー63には、ポンプの取り扱い液を給排水する給排水口(小孔)63aが水平方向に(側方を向くように)設けられている。このように軸受ユニットを構成することにより、ポンプ回転体の下方に設置され、水流を直接受ける軸受ユニットで生じる水頭損失を低減することができ、ポンプ性能(効率)の悪化を防止することが可能となる。
また、給排水口63aを保護カバー63に水平方向(回転軸6の軸方向に対して直角方向)に設けたことにより、取り扱い液の中にスラリーが含まれる河川や下水道の排水ポンプの使用においても、軸受部へのスラリーの入り込みを防止し、軸受摩耗を抑制することが可能である。なお、本給排水口63aは、ポンプ停止時に軸受部内水を吸水槽側に排水するため、ポンプ軸受内部のスラリー溜まりを防止することにも効果を奏する。
また、保護カバー63においては、第2の軸受ケース60に固定部材64により着脱可能に取り付けられているため、軸受の点検や、取り外し・取り付け作業時に保護カバー63を取り外すことで、保護カバー63がこれらの作業に及ぼす影響をなくすことができる。なお、図14においては、保護カバー63は、第2の軸受ケース60に着脱可能に取り付けられているが、第1の軸受ケース54又は支持部材15に着脱可能に取り付けられていてもよい。
次に本発明に係る別の形態の軸受ユニット構造について説明する。図13に示した実施形態のように、回転軸6の外表面にスリーブ51を備え、スリーブ51の外側においてスリーブ51に対応する第1のすべり軸受52を第1の軸受ケース54で保持する方式では、回転軸6の外径Dが大きくなれば周速度が大きくなり、摺動部分の負荷が大きくなる。また、図13に示した実施形態における第2のすべり軸受57の摺動部分の外径D
、回転軸6の外径Dに比べて極端に小さい場合、中心からスリーブ51の外周までの距離と中心から第2のすべり軸受57の外周までの距離とが大きく違うので第2のすべり軸受57がスリーブ55からの面圧を受けることができない。このため、第2のすべり軸受57の軸受反力が不足し、第1のすべり軸受52と第2のすべり軸受57にかかる互いに逆方向の摩擦力に差が生じる。
そこで、図15及び図16に示す軸受ユニットは、これまでの説明で示した交換・点検容易性などのメインテナンス性を確保しつつ、回転軸6の径の大きさに直接依存しない摺動部の最適な周速、最適な面圧、及び最適な軸受反力を確保することができる軸受ユニット構造を提供するものである。
図15は、図2における立軸ポンプの吸込ベルマウス1aの内周面に固定された支持部材15に取り付けられた本発明の他の実施形態に係る軸受ユニットを示している。回転軸6の端部には、第1の軸受ケース71が固定部材(ボルト等)70により固定されている。第1の軸受ケース71は、中空の円筒状部分71aを有し、その内周面に緩衝材56を介してスリーブ55が設けられている。これらスリーブ55と緩衝材56は、押さえ板58により第1の軸受ケース71に固定される。また、第1の軸受ケース71の円筒状部分71aの外周面に第1のすべり軸受52が備えられている。第1の軸受ケース71は、回転軸6に固定されているので、回転軸6とともに回転する。
一方、支持部材15には、第2の軸受ケース65が固定部材(ボルト等)69により固定されている。第2の軸受ケース65は、第1の軸受ケース71の中空の円筒状部分71aの中空の部分(円筒の内部)に差し込まれる円柱状部分65aと、第1の軸受ケース71の中空の円筒状部分71aの外周を囲繞する円筒状部分65bとを有する。円柱状部分65aの外周面には、第1の軸受ケース71の中空の円筒状部分71aの内周面に緩衝材56を介して備えられたスリーブ55に対応して、第2のすべり軸受57が備えられている。また、第2の軸受ケース65の円筒状部分65bの内周面には、第1の軸受ケース71に備えられた第1のすべり軸受52に対応して、緩衝材53を介してスリーブ51が備えられている。これらスリーブ51と緩衝材53は、押さえ板66により第2の軸受ケース65に固定される。
第1のすべり軸受52の摺動部の外径D´は、回転軸6の外径Dよりも小さく、回転軸6が回転したときに、摺動部の周速が摺動部材の適性使用が継続可能な範囲となるように設定されている。また、第2のすべり軸受57の摺動部の外径Dは、第1のすべり軸受52の摺動部の外径D´よりも小さいが、第2のすべり軸受57がスリーブ55からの面圧を適性に受けられる範囲の大きさである。
このような構成により、回転軸6の径にあまり依存せずに第1の軸受ケース71、第2の軸受ケース65のサイズをコンパクトにすることができる。また、メインテナンスにおいては、第2の軸受ケース65だけを取り外すことにより、第1のすべり軸受52および第2のすべり軸受57の点検・交換作業を行うことができるので、作業性が向上する。
さらに、本実施形態においては、内周面と外周面に摺動部を有する第1の軸受ケース71を回転軸6の端部に固定し、第1の軸受ケース71の内周面および外周面の摺動部に対応する摺動部を有する第2の軸受ケース65を支持部材15のような非回転の固定体に固定している。これにより、回転軸6の径が大きくなっても、各摺動部の回転周速を適正な範囲に抑制し、各摺動部にかかる面圧も適正な範囲に抑制し、互いに逆方向の摩擦力を適正な範囲にし、安定的な軸受性能を発揮することができる。
図16は、図2における立軸ポンプの吸込ベルマウス1aの内周面に固定された支持部
材15に取り付けられた本発明の他の実施形態に係る軸受ユニット構造を示している。回転軸6の端部には、第1の軸受ケース72が固定部材(ボルト等)77により固定されている。第1の軸受ケース72は、円柱状部分72aとそれを取り囲む中空の円筒状部分72bを有する。円柱状部分72aの外周には第2のすべり軸受57が設けられ、円筒状部分72bの内面には、緩衝材53を介してスリーブ51が設けられている。これらスリーブ51と緩衝材53は、押さえ板79により第1の軸受ケース72に固定される。第1の軸受ケース72は、回転軸6に固定されているので、回転軸6とともに回転する。
一方、支持部材15には、第2の軸受ケース73が固定部材(ボルト等)74により固定されている。第2の軸受ケース73は、第1の軸受ケース72の円柱状部分72aと円筒状部分72bの間に差し込まれる円筒部分73aを有する。第2の軸受ケース73の円筒部分73aの内周面には、第2のすべり軸受57に対応するスリーブ55が緩衝材56を介して備えられる。スリーブ55及び緩衝材56は、押さえ板80により第2の軸受ケース73に固定されている。第2の軸受ケース73の円筒部分73aの外周面には、スリーブ51に対応する第1のすべり軸受52が備えられている。
第1のすべり軸受52の摺動部の外径D´は、回転軸6の外径Dよりも小さく、回転軸6が回転したときに、摺動部の周速が摺動部材の適性使用が継続可能な範囲となるように設定されている。また、第2のすべり軸受の57の摺動部の外径Dは、第1のすべり軸受52の摺動部の外径D´よりも小さいが、第2のすべり軸受57がスリーブ55からの面圧を適性に受けられる範囲の大きさである。
図16に示した実施形態の軸受ユニットの作用効果は、図15に示した軸受ユニットの作用効果と同じであるので説明を省略する。
(先行待機、樹脂軸受)
本軸受ユニットの第1のすべり軸受52及び第2のすべり軸受57の材料には、セラミックス、樹脂、ゴム等を用いることが可能である。なお、気中運転と排水運転を行う先行待機ポンプにおいては、運転状態の急変(軸受温度の急変を含む)による軸受の損傷を防止するため、セラミックスなどの脆性材料ではなく、無水状態でも使用可能な樹脂又は樹脂複合材を用いる。このような樹脂軸受を使用する場合、樹脂軸受は、セラミックス軸受に比べて耐摩耗性が劣ることと、摩擦係数が大きいことから、気中運転時における軸受発熱量が大きくなるという課題が生じる。しかしながら、本発明の第1のすべり軸受52及び第2のすべり軸受57の組み合わせユニットを用いることで、摩耗量及び発熱を抑制することが可能となる。
以上で説明した本願発明に係る軸受装置及び軸受ユニット構造において、スリーブ、及び各すべり軸受の摺動面の反対側には、必ずしも緩衝材を設けなくてもよい。以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことはいうまでもない。
1…ガイドケーシング
3…吊下管
4…吐出曲管
6…回転軸
10…羽根車
11…外軸受
44,52…第1のすべり軸受
39,57…第2のすべり軸受
63…保護カバー
63a…給排水口

Claims (5)

  1. 羽根車と、
    前記羽根車を貫通して延び、前記羽根車が固定される回転軸と、
    前記回転軸を支持する外軸受と、
    前記羽根車の下方に設けられ、前記羽根車を貫通する前記回転軸を支持する軸受ユニットと、を備え、
    前記回転軸は、前記外軸受以外の軸受を介さずに前記外軸受から前記羽根車を貫通して延び、
    前記軸受ユニットは、前記回転軸の摺動部を軸受内周面で支持する第1の軸受と、前記回転軸の摺動部を軸受外周面で支持する第2の軸受を有する、立軸ポンプ。
  2. 前記軸受ユニットは、前記羽根車の下方に嵌脱可能に取り付けられる、請求項1に記載の立軸ポンプ。
  3. 前記第1の軸受及び前記第2の軸受は、前記羽根車の下方に嵌脱可能に構成される、請求項1又は2に記載された立軸ポンプ。
  4. 前記軸受ユニットの下方に設けられる保護カバーを有し、
    前記保護カバーは、前記軸受ユニットへ水流を導くための、側方に向く小孔を有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載された立軸ポンプ。
  5. 前記第1の軸受と前記第2の軸受は、同一の材料で構成され、
    前記材料は、樹脂または樹脂複合材で構成される、請求項1ないし4のいずれか一項に記載された立軸ポンプ。
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