JP6319894B2 - 缶蓋包装体の開梱装置及び缶蓋包装体の開梱方法 - Google Patents
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Description
缶蓋と缶本体は、予め別々に製造されており、製造した缶蓋は複数枚が積層状態とされて、紙材からなる筒状の包装体内に封入されている。
特許文献1の缶蓋包装体の開梱装置(缶蓋解袋機)は、缶蓋包装体を、その軸線が水平方向に沿うように横置きに配置した状態で軸線方向に移動させつつ、缶蓋包装体の上方に設けられた回転刃で包装体の略全長に切り込んで開梱する。
すなわち、缶蓋包装体を開梱したときに、包装体に収容されていた複数の缶蓋のうち軸線方向に沿う両端部に位置する缶蓋が倒れてばらけやすく、缶蓋をスムーズに後工程へ移送することができなかった。また、開梱後の包装体を、剥ぎ取りローラで取り除く際に、該包装体の除去にともなって缶蓋が飛散しやすかった。
すなわち本発明は、紙材からなる筒状の包装体と、該包装体の内部に積層状態で収容された複数の缶蓋と、を有する缶蓋包装体を開梱する缶蓋包装体の開梱装置であって、前記缶蓋包装体を、その軸線が鉛直方向に沿うように縦置きに配置した状態で、前記缶蓋包装体の前記包装体に、前記軸線に直交する径方向から当接可能とされ、該包装体を支持するクランプ部と、前記包装体の前記軸線方向に沿う端面に当接するとともに、前記端面を前記軸線方向に押し込み可能な押し込み部と、を備え、前記押し込み部は、前記端面とともに該端面付近の包装体の外周部分、及び包装体内の複数の缶蓋を、前記クランプ部にクランプされた包装体の被クランプ部に対して、前記軸線方向における前記押し込み部とは反対側に向けて移動させることを特徴とする。
また本発明は、紙材からなる筒状の包装体と、該包装体の内部に積層状態で収容された複数の缶蓋と、を有する缶蓋包装体を開梱する缶蓋包装体の開梱方法であって、前記缶蓋包装体を、その軸線が鉛直方向に沿うように縦置きに配置する工程と、前記缶蓋包装体の前記包装体に、前記軸線に直交する径方向からクランプ部を当接させて支持する工程と、前記包装体の前記軸線方向に沿う端面に押し込み部を当接させて、前記端面を前記軸線方向に押し込む工程と、を備え、前記押し込む工程において、前記押し込み部は、前記端面とともに該端面付近の包装体の外周部分、及び包装体内の複数の缶蓋を、前記クランプ部にクランプされた包装体の被クランプ部に対して、前記軸線方向における前記押し込み部とは反対側に向けて移動させることを特徴とする。
また、押し込み部が軸線方向に沿って包装体の端面を押し込む向きは、鉛直方向に沿う上側へ向けてであっても、下側へ向けてであってもよい。
また従来のように回転刃を用いることなく開梱できるので、設備費用を低減でき、回転刃の劣化(刃こぼれ等による切れ味の低下)に対応する作業(メンテナンスや部品交換等)の手間も生じない。
尚、例えば蓋押さえ部を、押し込み部の押し込み移動に同期させるように、該押し込み部との距離を所定範囲に保ちつつ、軸線方向に移動させる構成としてもよい。この場合、上述の作用効果をより確実に得ることができる。
従って、クランプ部による包装体のクランプ時に、縦置き状態とされた缶蓋包装体が傾いたり不安定な姿勢になるようなことが防止されて、上述した作用効果が安定して得られる。
すなわち、クランプ部のゴム材が硬すぎず、包装体に密着するように当接するので、該包装体に対するゴム材の接触面積を安定して確保でき、このゴム材が包装体上を滑ってしまうようなことが抑制される。従って、クランプ部が包装体を安定してクランプできるとともに、缶蓋包装体を安定して開梱することができる。
その一方、ゴム材が軟らかすぎることもなく、早期の劣化や破損が防止されて、部品寿命が十分に確保される。
また、クランプ部のゴム材の硬さが、上記アスカー硬度でアスカーC20未満の場合には、ゴム材が軟らかすぎて、早期に劣化したり破損して短寿命化するおそれがある。
従って、クランプ部のゴム材の硬さは、上述した数値範囲内であることが好ましい。
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係る缶蓋包装体の開梱装置1の要部を簡略化して表す図であり、図5〜図18は、缶蓋包装体の開梱装置1を詳細に表す図である。
この缶蓋包装体の開梱装置1(以下、開梱装置1と省略することがある)は、紙材からなる筒状の包装体Xと、該包装体Xの内部に積層状態で収容(封入)され、円板状をなす複数の缶蓋Yと、を有する缶蓋包装体Zを開梱する装置である。つまり開梱装置1は、包装体X内から複数の缶蓋Yを取り出して、これら缶蓋Yと包装体Xとを分離する。
特に図示していないが、缶蓋Yは、飲料缶等の缶の製造時において、有底円筒状の缶本体(缶胴)に内容物を充填した後に、巻締め装置(シーマ)により缶本体の開口周縁部に巻き締められる。
また、缶蓋包装体Zの包装体Xにおいては、缶蓋Yを収容した後に接着剤等により閉じられる端面Eが薬折りされて、該端面Eとは軸線O方向の反対側に位置する別の端面Fよりも高強度となりがちであるので、後述する開梱時(開口工程)において強度が弱い前記別の端面Fを開口させる目的で、薬折りされた端面Eを押し込み部3側へ向けて縦置きすることが好ましい。
また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、径方向のうち軸線Oに接近する方向を径方向の内側、軸線Oから離間する方向を径方向の外側という。
また、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
図2に示されるように、開梱時に包装体Xの上端面Fが開いたときに、蓋押さえ部5は、包装体X内から押し出される複数の缶蓋Yのうち最も上端に位置する缶蓋Yに対して、当接可能である。
尚、本実施形態の例では、蓋押さえ部5が、周方向に隣り合う保持パイプ18同士の間を通して、缶蓋受け入れ部17の内部及び外部に亘って径方向に移動可能である。
本実施形態の缶蓋包装体の開梱方法は、ワークである缶蓋包装体Z(複数の缶蓋Yが積層状態で封入された包装体X)を縦置き姿勢に配置する縦置き配置工程と、缶蓋包装体Zの包装体Xをクランプするクランプ工程と、包装体Xの端面E及び該包装体X内の缶蓋Yを軸線O方向に押し込む押し込み工程と、包装体Xの別の端面Fを開く開口工程と、包装体X内から押し出された缶蓋Yを缶蓋受け入れ部17に収容する収容工程と、包装体Xから取り出した缶蓋Yを移送する移送工程と、開梱後の包装体Xを除去する除去工程と、を有する。
尚、本実施形態では、押し込み工程と同時に開口工程及び収容工程が行われている。つまり押し込み工程には、開口工程及び収容工程が含まれる。ただしこれら工程の順序は本実施形態に限定されるものではなく、例えばカッタ等を用いた開口工程後に、押し込み工程及び収容工程を行うようにしてもよい。
図1に示されるように、縦置き配置工程では、缶蓋包装体Zを、その軸線Oが鉛直方向に沿うように縦置きに配置する。具体的には、缶蓋包装体Zを、保持部4の台座8上における貫通孔9の直上に、縦置き姿勢で載置する。
図1及び図2に示されるように、クランプ工程では、缶蓋包装体Zの包装体Xに、径方向からクランプ部2を当接させて、該缶蓋包装体Z(の包装体X)を支持する。具体的には、缶蓋包装体Zの包装体Xのうち少なくとも上端部(被クランプ部)に対して、クランプ部2の複数のチャック7を径方向の外側から同時に当接させて、クランプする。
図2及び図3に示されるように、押し込み工程では、包装体Xの軸線O方向に沿う端面Eに押し込み部3を当接させて、端面Eを軸線O方向に押し込む。具体的には、押し込み部3を包装体Xの下端面Eに当接させ、軸線O方向に沿う包装体X内に向けて上側へ押し込んでいき、この下端面Eとともに該下端面E付近の包装体Xの外周部分、及び包装体X内の複数の缶蓋Yを、クランプ部2にクランプされた包装体Xの被クランプ部に対して、軸線O方向の上側へ向けて移動させる。
図2に示されるように、開口工程では、複数の缶蓋Yを介して押し込み部3から伝達される押圧力によって、包装体Xの別の端面F(押し込み部3に押し込まれる端面Eとは反対側に位置する端面)を包装体Xの内部から押し開ける。この開口工程は、上記押し込み工程にともなって(押し込み工程と同時に)行われる。
また、上記開口手段として、例えば包装体Xの前記別の端面F付近に、ミシン目や弱接着部等を予め設けることで弱化部を形成しておき、該弱化部を押し込み部3の押圧力によって開かせる(分断させる、破断させる)ことで、前記別の端面Fを開くようにしてもよい。この場合、開口工程は、やはり押し込み工程と同時に行われる。
図2及び図3に示されるように、収容工程では、押し込み部3が包装体X内から押し出した缶蓋Yを、一時的に缶蓋受け入れ部17内に収容する。また、すべての缶蓋Yが缶蓋受け入れ部17内に入ったら、シャッター19を移動させて該缶蓋受け入れ部17の開口部を閉塞する。
図4に矢印で示されるように、移送工程では、缶蓋受け入れ部17内に収容した缶蓋Yを、該缶蓋受け入れ部17及びシャッター19とともに、開梱装置1の後工程に缶蓋Yを送るための図示しない排出シュート等の排出部20へ向けて移送する。本実施形態では、缶蓋Yの移送方向が、軸線Oに直交する径方向に設定されている。
図4に矢印で示されるように、除去工程では、開梱後の変形した包装体Xを、保持部4の台座8上からエアブロー等により取り除く。
図5及び図11に示されるように、各チャック7は、複数のゴムスポンジ(ゴム材)が軸線O方向に配列し形成されている。
図12〜図15に示されるように、クランプ部2は、シャフト11に沿って上下方向に移動して位置調整可能である。
図12及び図13に示されるように、押し込み部3において包装体Xの端面(下端面)Eに当接する上端部は、缶蓋包装体Zが載置される保持部4の台座8に形成された切り欠き状の貫通孔9を通して、該台座8の上側及び下側に亘って移動可能である。また、押し込み部3の上端には、ゴムシート13が配設されている。
そして、保持部4が横置きの配置状態とされたときに、開梱処理する缶蓋包装体Zがこの保持部4に導入され、該保持部4は水平軸HA回りに回動させられて縦置きの配置状態となり、この保持部4が保持する缶蓋包装体Zも縦置き姿勢となる。このように缶蓋包装体Zが縦置き状態とされて、開梱処理が施される。
尚、ワークである缶蓋包装体Zにおいては、包装体Xに収容する缶蓋Yの数量により軸線O方向に沿う全長が種々に設定されている。従って、缶蓋受け入れ部17の軸線O方向の全長は、これらワークのうち最も全長が大きいものに対応可能に設定されることが好ましい。
上記排出位置の缶蓋受け入れ部17の下端開口部が開かれることで、該缶蓋受け入れ部17内に収容された複数の缶蓋Yが、排出部20内へ向けて移動可能とされる。
また従来のように回転刃を用いることなく開梱できるので、設備費用を低減でき、回転刃の劣化(刃こぼれ等による切れ味の低下)に対応する作業(メンテナンスや部品交換等)の手間も生じない。
すなわちこの構成によれば、包装体X内から押し出される缶蓋Yを、押し込み部3とは反対側から蓋押さえ部5が押さえるので、開梱された積層状態の缶蓋Yが崩れたり飛散するようなことが抑制される。
尚、本実施形態で説明したように、蓋押さえ部5を、押し込み部3の押し込み移動に同期させるように、該押し込み部3との距離を所定範囲に保ちつつ、軸線O方向に移動させる構成を採用した場合には、上述の作用効果をより確実に得ることができる。
すなわちこの構成によれば、クランプ部2が、周方向に間隔をあけて配置された複数のチャック7を有するので、これらチャック7により、缶蓋包装体Zの包装体Xを周囲から安定して支持できる。またこれらチャック7同士が、ラック・ピニオン機構等を有する同期構造10により、互いに同期し径方向に移動可能であるので、複数のチャック7が包装体Xに当接するタイミングを同時に合わせることができる。
従って、クランプ部2による包装体Xのクランプ時に、縦置き状態とされた缶蓋包装体Zが傾いたり不安定な姿勢になるようなことが防止されて、上述した作用効果が安定して得られる。
すなわちこの構成によれば、クランプ部2のゴム材が硬すぎず、包装体Xに密着するように当接するので、該包装体Xに対するゴム材の接触面積を安定して確保でき、このゴム材が包装体X上を滑ってしまうようなことが抑制される。従って、クランプ部2が包装体Xを安定してクランプできるとともに、缶蓋包装体Zを安定して開梱することができる。
その一方、ゴム材が軟らかすぎることもなく、早期の劣化や破損が防止されて、部品寿命が十分に確保される。
また、クランプ部2のゴム材の硬さが、上記アスカー硬度でアスカーC20未満の場合には、ゴム材が軟らかすぎて、早期に劣化したり破損して短寿命化するおそれがある。
従って、クランプ部2のゴム材の硬さは、上述した数値範囲内であることが好ましい。
すなわちこの構成によれば、開口手段として例えばカッタ等を用い、押し込み部3が押し込む包装体Xの端面Eとは軸線O方向の反対側に位置する別の端面Fを、この開口手段により予め又は押し込みと同時に開くことができる。つまり、包装体Xの前記別の端面Fを開いた状態として、缶蓋Yを押し出すことができるので、缶蓋Yの押し出しにともなって缶蓋包装体Z内に作用する押圧力を抑えることができる。従って、開梱時に過大な押圧力が加わることに起因して缶蓋Yがはじけ飛んだり変形することを抑制できる。
また、チャック7同士が、互いに同期して径方向に移動可能とされていなくてもよい。ただし前述の実施形態のように、チャック7同士が同期して径方向に移動可能であることにより、包装体Xをより精度よく、安定してクランプできることから好ましい。
2 クランプ部
3 押し込み部
4 保持部
5 蓋押さえ部
7 チャック
E 端面(下端面)
F 別の端面(上端面)
O 軸線
X 包装体
Y 缶蓋
Z 缶蓋包装体
Claims (7)
- 紙材からなる筒状の包装体と、該包装体の内部に積層状態で収容された複数の缶蓋と、を有する缶蓋包装体を開梱する缶蓋包装体の開梱装置であって、
前記缶蓋包装体を、その軸線が鉛直方向に沿うように縦置きに配置した状態で、前記缶蓋包装体の前記包装体に、前記軸線に直交する径方向から当接可能とされ、該包装体を支持するクランプ部と、
前記包装体の前記軸線方向に沿う端面に当接するとともに、前記端面を前記軸線方向に押し込み可能な押し込み部と、
を備え、
前記押し込み部は、前記端面とともに該端面付近の包装体の外周部分、及び包装体内の複数の缶蓋を、前記クランプ部にクランプされた包装体の被クランプ部に対して、前記軸線方向における前記押し込み部とは反対側に向けて移動させることを特徴とする缶蓋包装体の開梱装置。 - 請求項1に記載の缶蓋包装体の開梱装置であって、
前記缶蓋包装体を、前記軸線が鉛直方向に沿うように縦置きに配置する保持部を備えることを特徴とする缶蓋包装体の開梱装置。 - 請求項1又は2に記載の缶蓋包装体の開梱装置であって、
前記押し込み部に押し込まれ前記包装体内から押し出された前記缶蓋に対して、前記軸線方向に沿う前記押し込み部とは反対側から当接する蓋押さえ部を備えることを特徴とする缶蓋包装体の開梱装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の缶蓋包装体の開梱装置であって、
前記クランプ部は、前記軸線回りに沿う周方向に間隔をあけて配置された複数のチャックを備え、
これらチャック同士は、互いに同期し径方向に移動可能であることを特徴とする缶蓋包装体の開梱装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の缶蓋包装体の開梱装置であって、
前記クランプ部は、前記包装体に当接するゴム材を備え、
前記ゴム材の硬さが、アスカー硬度で、アスカーC20〜C30の範囲に設定されることを特徴とする缶蓋包装体の開梱装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の缶蓋包装体の開梱装置であって、
前記押し込み部が押し込む前記包装体の前記端面とは前記軸線方向に沿う反対側に位置する別の端面を開く開口手段を備えることを特徴とする缶蓋包装体の開梱装置。 - 紙材からなる筒状の包装体と、該包装体の内部に積層状態で収容された複数の缶蓋と、を有する缶蓋包装体を開梱する缶蓋包装体の開梱方法であって、
前記缶蓋包装体を、その軸線が鉛直方向に沿うように縦置きに配置する工程と、
前記缶蓋包装体の前記包装体に、前記軸線に直交する径方向からクランプ部を当接させて支持する工程と、
前記包装体の前記軸線方向に沿う端面に押し込み部を当接させて、前記端面を前記軸線方向に押し込む工程と、を備え、
前記押し込む工程において、
前記押し込み部は、前記端面とともに該端面付近の包装体の外周部分、及び包装体内の複数の缶蓋を、前記クランプ部にクランプされた包装体の被クランプ部に対して、前記軸線方向における前記押し込み部とは反対側に向けて移動させることを特徴とする缶蓋包装体の開梱方法。
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