JP6319744B2 - 除染液噴霧装置 - Google Patents
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Description
図1を参照して、本実施形態における除染液噴霧装置を含むアイソレータの構成を説明する。
グローブボックス300は、細胞の作業等を行う空間であり、グローブボックス300の内部には、噴霧器211が設けられている。グローブボックス300は、パスボックス400と連通するための開口部(図示せず)を有している。細胞等の作業対象物は、パスボックス400からこの開口部を経てグローブボックス300内に搬入される。
パスボックス400は、外部からグローブボックス300の内部に細胞等を搬入するために、グローブボックス300の側面に設置される。パスボックス400の内部には、細胞等を一時的に保管する空間が形成されている。
除染液噴霧装置200は、グローブボックス300及びパスボックス400の内部に除染液を噴霧する装置であって、噴霧器211,212、パイプ221−225、ポンプ230、制御装置240、タンク(容器)251、ボトル252、エアコンプレッサ260、及びフィルタ291−296を含む。除染液噴霧装置200の上記構成要素は、噴霧器と、噴霧器にエアを供給するエア供給経路と、噴霧器に除染液を供給する除染液供給経路と、エア及び除染液の供給を制御する制御装置と、の構成部材に大別されるので、以下、この分類に即して上記構成要素を説明する。
噴霧器211,212は、上述したように、グローブボックス300及びパスボックス400の内部にそれぞれ設けられている。噴霧器211,212は同種のものであるから、ここでは噴霧器211について説明する。
噴霧器211は、第1ポート211Aと、第2ポート211Bと、を備えている。第1ポート211A及び第2ポート211Bは、それぞれ、噴霧器211の内部に形成されている流路を通じて、ノズル口に連通している。ノズル口の径は、第1ポート211Aの径と比べて小さく形成されているため、第1ポート211Aから噴霧器211に流入したエアは、噴霧器211の内部の流路で加速してノズル口から噴射する。噴霧器211の第1ポート211A及び第2ポート211Bには、それぞれパイプ221,222が接続されている。
エア(空気)は、エアコンプレッサ260からパイプ221を介して噴霧器211,212に供給される。本明細書では、パイプ221から噴霧器211,212の第1ポート211A,212Aに至る経路をエア供給経路と言うことがある。
除染液は、タンク251からポンプ230及びパイプ222を介して、噴霧器211,212に供給される。本明細書では、タンク251から噴霧器211,212の第2ポート211B,212Bに至る経路を除染液供給経路と言うことがある。
制御装置240は、除染液噴霧装置200におけるエア及び除染液の供給を調節する装置であり、図2に示されるように、エアコンプレッサ制御部241、ポンプ制御部242、バルブ制御部243を有する。制御装置240は、プログラムデータや、各種データを記憶しており、エアコンプレッサ制御部241、ポンプ制御部242、バルブ制御部243の機能毎に所定のプログラムを実行して、エアコンプレッサ260やポンプ230、バルブ281−285の動作を制御する。
エアコンプレッサ制御部241は、除染を開始する旨の指示が操作部(図示せず)から出力されると、エアコンプレッサ260を始動させる。また、エアコンプレッサ制御部241は、例えば、ポンプ230が動作を停止してから所定時間経過後に、エアコンプレッサ260の動作を停止させる。これにより、エアコンプレッサ260が動作していない時にポンプ230が除染液を汲み上げないようにすることができ、噴霧器211,212からグローブボックス300及びパスボックス400内への除染液の液垂れを防止することができる。なお、エアコンプレッサ制御部241は、除染処理を停止させる旨の操作部からの指示に基づいて、エアコンプレッサ260の動作を停止するようにしてもよい。
ポンプ制御部242は、エアコンプレッサ制御部241がエアコンプレッサ260を始動させると、ポンプ230の正転運転を開始させる。例えばポンプ制御部242は、エアコンプレッサ260の始動から所定時間が経過した後に、ポンプ230の正転運転を開始させる。これにより、エアコンプレッサ260が停止している間にポンプ230が除染液を汲み上げないようにすることができ、噴霧器211,212からグローブボックス300及びパスボックス400内への除染液の液垂れを防止することができる。
バルブ制御部243は、図示しない操作部から、例えばグローブボックス300内を除染する旨を指示が出力されると、バルブ281,283を開放し、バルブ282,284を閉鎖する。また、バルブ制御部243は、パスボックス400内を除染する旨を指示が操作部から出力されると、バルブ282,284を開放し、バルブ281,283を閉鎖する。いずれの場合でも、バルブ制御部243は、バルブ285を閉鎖する。したがって、除染液噴霧装置200は、本実施形態において、グローブボックス300,パスボックス400の少なくともいずれか一方を除染する。もっとも、バルブ制御部243は、グローブボックス300,パスボックス400の両方を同時に除染するようにバルブ281−284を開閉してもよい。
<噴霧器による除染液の噴霧>
図1を参照して、噴霧器211,212が除染液を噴霧する仕組みを説明する。なお、ここでは噴霧器211の動作を説明するが、噴霧器212の動作も同様である。
図3A−図3Dを参照して、アイソレータ100の動作を説明する。図3Aは、除染液噴霧装置200がポンプ230の正転運転によりグローブボックス300内を除染する工程を、図3Bは、除染液供給経路の内部に残留する除染液を噴霧器に送出するべく、除染液供給経路に空気が供給される工程を、図3Cは、ポンプ230の停止後に除染液がその供給経路に残留する様子を、図3Dは、ポンプ230を逆転運転させて除染液を回収する工程を、それぞれ概略的に示す。なお、ここではグローブボックス300の内部が除染されるものとして除染工程を説明するが、パスボックス400の内部の除染も同様に行われる。
作業者が、図示しない操作部を介して制御装置240にグローブボックス300の除染指示を行うと、除染工程が開始する。具体的には、図3Aに示されるように、制御装置240による制御の下、バルブ281,283が開放され、バルブ282,284,285が閉鎖される。そして、エアコンプレッサ260が始動し、エアがパイプ221から噴霧器211に圧送される。また、除染液が、ポンプ230の正転運転によってタンク251から汲み上げられ、パイプ222を介して噴霧器211に送出される。このようなエア及び除染液の流れは、図3Aにおいて矢印で示されている。このようにして噴霧器211に流入したエアと除染液とは、噴霧器211の内部で合流し、上述したように噴霧器211のノズルからグローブボックス300の内部に噴射される。
ポンプ230の正転運転が停止した段階では、除染液供給経路、特に図3Cにおいて一点鎖線で囲まれた部分のパイプの内壁には、除染液が残留している。この残留する除染液を放置すると、除染液がパイプ225から滴下したり、噴霧器211,212から噴射されたりするおそれがあるため、タンク251に回収する。
このようにして、一連の除染工程が終了する。
200 除染液噴霧装置
211、212 噴霧器
221−225 パイプ
230 ポンプ
240 制御装置
251 タンク
260 コンプレッサ
300 グローブボックス
400 パスボックス
Claims (5)
- 第1ポート、第2ポート、及びノズル口を有する噴霧器と、
一端がエアコンプレッサに接続され、他端が前記第1ポートに接続される第1配管と、
除染液を貯留する容器から除染液を汲み上げるポンプと、
一端が前記第2ポートに接続されるとともに他端が前記ポンプに接続され、前記ポンプの正転運転により汲み上げられた除染液が流れる第2配管と、
前記第2配管の経路上の分岐点で前記第2配管から分岐し、前記分岐点とは反対側の端部において開放された第3配管と、
前記第3配管から流下する除染液を受けるボトルと、
前記ポンプの動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記噴霧器は、前記第1ポートから取り入れたエアを前記ノズル口から噴射する際に前記第2ポートに生じる負圧により、前記第2配管を流れる除染液を吸引し、前記除染液をエアと混合して霧状にして前記ノズル口から噴射し、
前記制御装置は、前記ポンプの停止後に、前記ボトルに貯留する除染液を回収するべく前記ポンプを逆転運転させる
ことを特徴とする除染液噴霧装置。 - 前記第3配管を流下する除染液を検出して、検出信号を出力するセンサを更に備え、
前記制御装置は、前記ポンプの正転運転時に前記センサから前記検出信号を受信した後に前記ポンプを停止させ、前記除染液の噴霧を停止する
ことを特徴とする請求項1に記載の除染液噴霧装置。 - 前記ポンプの正転運転によって前記容器から汲み上げられた除染液の量を計測する計測器を更に備え、
前記制御装置は、前記ポンプの正転運転時に、所定量の除染液が前記容器から汲み上げられた旨の前記計測信号を前記計測器から受信した後に前記ポンプを停止させ、前記除染液の噴霧を停止する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の除染液噴霧装置。 - 前記ポンプは、除染液を前記容器から汲み上げる管部を有し、
一端が前記管部の経路上の合流点で接続され、他端が開放された前記空気吸入管を更に備え、
前記空気吸入管は、前記空気吸入管の経路を開閉するバルブを有し、
前記制御装置は、第2配管内に残留する除染液を前記噴霧器に供給するべく前記バルブを開弁させた後に、前記ポンプの前記正転運転を停止させる
ことを特徴とする請求項3に記載の除染液噴霧装置。 - 前記噴霧器は、細胞を対象とする作業を行うための作業室、及び、前記作業室に細胞を搬入するためのパスボックスのうち、少なくとも一方の内部に設置される
ことを特徴とする請求項1−4のいずれかに記載の除染液噴霧装置。
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