JP6319551B2 - クロック生成装置、電子機器、移動体及びクロック生成方法 - Google Patents

クロック生成装置、電子機器、移動体及びクロック生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、クロック生成装置、電子機器、移動体及びクロック生成方法に関する。
特許文献1では、水晶発振回路が出力するサブクロックの1周期に含まれるメインクロックのパルス数をカウントし、カウントしたパルス数と予め定められた基準パルス数とを用いて、サブクロックの1周期に含まれるメインクロックのパルス数が基準パルス数と一致するように、メインクロックの一部をマスクして出力するクロック補正回路が提案されている。
特開2006−309479号公報
特許文献1で提案されているクロック補正回路では、サブクロックの周波数が変動すると出力クロックの周波数安定度が劣化するため、サブクロックを温度補償することが好ましい。しかしながら、温度変化が激しい環境では、温度補償値の更新周期が長すぎて、温度変動によるサブクロックの周波数変動を十分に補正することができずに出力クロックの周波数安定度が劣化する場合があり、逆に、温度変化が緩やかな環境では、温度補償値の更新周期が短すぎて、温度補償値の更新に伴う電流が無駄に消費される場合があるという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、無駄な消費電力を低減しながら周波数安定度が比較的高いクロック信号を生成可能なクロック生成装置、電子機器、移動体及びクロック生成方法を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係るクロック生成装置は、第3クロック信号を基準として第1クロック信号と基準周波数値との周波数比を測定し、前記周波数比の測定結果に基づき前記第1クロック信号の一部のクロックがマスクされた第2クロック信号を生成し、前記周波数比の測定結果と前記周波数比の測定結果のN個(Nは自然数)の平均値との差分に基づき前記周波数比の測定間隔を制御する。
本適用例に係るクロック生成装置は、N=1の場合、すなわち、今回の周波数比の測定結果と前回の周波数比の測定結果との差分に基づき周波数比の測定間隔を制御する場合も含む。
本適用例に係るクロック生成装置によれば、第1クロック信号の周波数変動は、第1クロック信号と基準周波数値との周波数比の測定結果と周波数比の測定結果のN個の平均値との差分が大きいほど激しく、当該差分が小さいほど緩やかなので、当該差分に基づき周
波数比の測定間隔を適切に制御することにより、不要な周波数比の測定により消費される電力を低減しながら、第3クロック信号の周波数安定度に応じた比較的高い周波数安定度の第2クロック信号を生成することができる。
また、本適用例に係るクロック生成装置によれば、第1のクロック信号の一部のクロックをマスクすることで、第1クロック信号の周波数可変機構(温度補償回路など)を不要にあるいは簡略化しながら、所望の周波数(所望の平均周波数)の第2クロック信号を生成することができる。
[適用例2]
上記適用例に係るクロック生成装置は、前記第2クロック信号を生成するクロックゲート部と、前記周波数比を測定する周波数測定部と、前記第3クロック信号を出力する発振用回路と、前記平均値を出力する平均値出力部と、前記周波数比の測定結果と前記平均値とを比較し、前記差分に応じた値を出力する比較部と、前記第2クロック信号のクロック数と前記比較部の出力値とを比較し、比較結果に基づき前記周波数比の測定間隔を制御する検出部と、を含むようにしてもよい。
本適用例によれば、比較的簡単な構成で無駄な消費電力を低減しながら周波数安定度が比較的高い第2クロック信号を生成可能なクロック生成装置を実現することができる。
[適用例3]
上記適用例に係るクロック生成装置において、前記比較部は、前記差分が基準値以内のとき、前記差分が前記基準値よりも大きいときよりも大きい値を出力するようにしてもよい。
本適用例に係るクロック生成装置によれば、周波数比の測定結果と周波数比の測定結果のN個の平均値との差分が基準値以内の時(第1クロック信号の周波数変動が相対的に緩やかな時)の方が、当該差分が基準値よりも大きい時(第1クロック信号の周波数変動が相対的に激しい時)よりも周波数比の測定間隔を長くすることができる。これにより、不要な周波数比の測定により消費される電力を低減しながら比較的高い周波数安定度の第2クロック信号を生成することができる。
[適用例4]
上記適用例に係るクロック生成装置において、前記平均値は、前記周波数比の測定結果のN個の移動平均値であってもよい。
本適用例に係るクロック生成装置によれば、周波数比の測定結果と周波数比の測定結果のN個の移動平均値との差分に基づき、第1クロック信号の周波数変動をより確実に検出し、周波数比の測定間隔をより適切に制御することができる。
[適用例5]
本適用例に係る電子機器は、上記のいずれかのクロック生成装置を含む。
[適用例6]
上記適用例に係る電子機器は、前記クロック生成装置が出力する前記第2クロック信号に同期して時刻情報を生成するリアルタイムクロック装置をさらに含むようにしてもよい。
[適用例7]
本適用例に係る移動体は、上記のいずれかのクロック生成装置を含む。
[適用例8]
本適用例に係るクロック生成方法は、第3クロック信号を基準として第1クロック信号と基準周波数値との周波数比を測定するステップと、前記周波数比の測定結果に基づき前記第1クロック信号の一部のクロックがマスクされた第2クロック信号を生成するステップと、前記周波数比の測定結果と前記周波数比の測定結果のN個(Nは自然数)の平均値との差分に基づき前記周波数比の測定間隔を制御するステップと、を含む。
本実施形態のクロック生成装置の構成例を示す図。 本実施形態における周波数測定部10の構成例を示す図。 周波数測定部10の出力信号値とマスク数との関係の説明図。 測定時間、基準値、25MHzのカウント値、マスク数、補正時間及び補正精度の関係の一例を示す図。 マスク信号生成部11の構成例を示す図。 マスク信号生成部11の動作のタイミングチャートの一例を示す図。 周波数測定制御部13の構成例を示す図。 周波数測定制御部13の動作のタイミングチャートの一例を示す図。 本実施形態におけるマスク信号の生成処理を示すフローチャート図。 一次電源から電源電圧が供給されていない時のタイミングチャートの一例を示す図。 周波数変換部15の構成例を示す図。 マスク信号生成部152の構成例を示す図。 一次電源からの電源電圧の供給が停止する前後のタイミングチャートの一例を示す図。 本実施形態の電子機器の機能ブロック図。 本実施形態の電子機器の外観の一例を示す図。 本実施形態の移動体の一例を示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.クロック生成装置
図1は、本実施形態のクロック生成装置の構成例を示す図である。本実施形態のクロック生成装置1は、周波数測定部10、マスク信号生成部11、クロックゲート部12、周波数測定制御部13、AND回路14、周波数変換部15、クロック選択部16、AND回路17、発振回路20、発振用回路30、スイッチ回路40、ダイオード42及びダイオード44を含んで構成されており、1チップの集積回路(IC)として実現されている。ただし、本実施形態のクロック生成装置1は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
本実施形態のクロック生成装置1は、さらに、一次電源(Primary Power Supply)と接続され、一次電源からの電源電圧VDD1(第1の電源電圧)が供給される電源端子P1(第1の電源端子)、二次電源(Secondary Power Supply)と接続され、二次電源からの電源電圧VDD2(第2の電源電圧)が供給される電源端子P2(第2の電源端子)、2つのクロック信号CK6,CK7をそれぞれ出力するための出力端子P3,P4、及び、水晶振動子2を接続するための2つの端子P5,P6及び接地端子P7を有している。
P1端子に接続される一次電源は、AC電源や大容量のリチウムイオンバッテリー等であり、電源電圧VDD1は、クロック生成装置1を含む機器(例えば、ノートPCやタブレットPC)の電源が切られ、あるいはパワーセーブモード時などには、P1端子に供給されなくなる。一方、P2端子に接続される二次電源は、小容量のコインバッテリー等であり、電源電圧VDD2は常に供給される。
発振回路20は、P2端子からダイオード44を介して供給される電源電圧VDD2で動作し、所定の周波数(本実施形態では32.768kHz)よりも高い周波数(32.768kHz+α)で発振する回路である。発振回路20は、例えば、CR発振回路、LC発振回路、発振源を備えているPLL(Phase Locked Loop)回路、シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等で実現される。本実施形態では、発振回路20は、製造ばらつき、動作温度範囲、動作電圧範囲等のあらゆる条件のもとで、常に32.768kHzよりも高い周波数で発振する。例えば、設計段階において、発振回路20が最も低い周波数になる条件でも32.768kHzよりも高くなるようにTypical条件での周波数に大きなマージンを確保しておく方法や、発振回路20の周波数を調整可能に設計し、設計段階である程度のマージンを確保した上で出荷検査時に最も低い周波数になる条件でも必ず32.768kHzよりも高くなるように発振回路20の周波数を個別に調整する方法等が考えられる。
発振用回路30は、P5端子とP6端子の間に接続されており、P1端子からダイオード42を介して供給される電源電圧VDD1で動作し、水晶振動子2を所定の周波数(本実施形態では25MHz)で発振させる。電源電圧VDD1がP1端子に供給されなくなると、スイッチ回路40がオフの期間は発振用回路30の動作が停止し、スイッチ回路40がオンの期間は、発振用回路30はP2端子からダイオード44を介して供給される電源電圧VDD2で動作する。
発振用回路30が出力する25MHzのクロック信号CK3は、発振回路20が出力する32.768kHz+αのクロック信号CK1よりも周波数精度が高く(周波数偏差が小さく)、周波数安定度も高い。そこで、本実施形態では、周波数測定部10、マスク信号生成部11及びクロックゲート部12において、クロック信号CK3を用いてクロック信号CK1の周波数32.768kHz+αを測定し、測定結果に応じて補正された32.768kHzのクロック信号CK2を生成する。
周波数測定部10は、クロック信号CK3(第3クロック信号)を基準として、クロック信号CK1(第1クロック信号)の周波数と基準周波数値(32.768kHz)との比を測定する。この測定値は1回の補正に要する時間(以下、単に「補正時間」という)Tcompにおけるクロック信号CK1のクロックのマスク数と等しい。本実施形態では、周波数測定部10は、後述する周波数測定制御部13が出力する測定開始信号ST(パルス信号)が入力されると、クロック信号CK1の周波数と基準周波数値(32.768kHz)との比の測定(以下、「周波数比測定」という)を開始する。
特に、本実施形態では、周波数測定部10は、クロック信号CK1の所与のクロック数に相当する時間(測定時間Tmeas)に含まれるクロック信号CK3のクロック数をダウンカウントすることにより、ダウンカウントしたカウント値と、補正時間Tcompにおけるクロック信号CK1のクロックのマスク数が等しくなる。
図2は、本実施形態における周波数測定部10の構成例を示す図である。図2の例では、周波数測定部10は、ダウンカウンター101、ダウンカウンター102、測定終了判定回路103を含んで構成されている。
ダウンカウンター101は、測定開始信号STが供給されるまではローレベルの信号を出力し、測定開始信号STが供給されるとハイレベルの信号を出力し、このクロック信号CK1のNクロックをダウンカウントする。ダウンカウンター101の出力は、クロック信号CK1のNクロックに相当する時間、ハイレベルを保持する。このダウンカウンター101の出力信号は周波数比の測定中であることを示すイネーブル信号ENであり、ハイレベルを保持する時間が測定時間Tmeasになる。例えば、N=1024の場合、測定時間Tmeasはクロック信号CK1の1024クロック分に相当する時間である。
ダウンカウンター102は、ダウンカウンター101の出力信号がハイレベルを保持する間に入力されたクロック信号CK3のクロック数をダウンカウントする。ダウンカウンター102の初期値は、32.768kHzのN周期に相当する期間を25MHzでカウントしたときのカウント値(=25MHz/32.768kHz×N)である。
測定終了判定回路103は、ダウンカウンター101の出力信号のハイレベルからローレベルへの変化を検出すると、測定終了信号END(パルス信号)を発生させ、後述する周波数測定制御部13に出力する。
このように構成された周波数測定部10の出力信号値(ダウンカウンター102の出力信号値)Kを測定することで、補正時間Tcompあたりのクロック信号CK1のクロックのマスク数と等しい値を得ることができる。
次に、図3(A)及び図3(B)を用いて、信号値Kとマスク数との関係について説明する。32.768kHzの512クロック分に相当する時間は15.625msであり(図3(A)の一点鎖線)、この15.625msは、25MHzの390625クロック分に相当する時間と一致する(図3(B)の実線)。前述の通り、この390625は基準値Fに相当する。
また、32.768kHz+αの周期が32.768kHzの周期の10%減(α=32.768kHz×1/9)に相当する場合は、32.768kHz+αの512クロック分に相当する時間(測定時間Tmeasに相当する)は14.0625msであり(図3(A)の実線)、この14.0625msは、25MHzの351562クロック分に相当する時間とほぼ一致する(図3(B)の実線)。この351562は、390625(基準値F)を初期値としたダウンカウンター102のカウント値の減少値に相当し、測定時間Tmeasの経過後のダウンカウンター102の値は、ダウンカウンター102の初期値390625(基準値F)と351562(ダウンカウンター102のカウント値の減少値)との差である39063となる。この値は、信号値Kに等しい。
一方、32.768kHz+αの周期は32.768kHzの周期の10%減であるから、32.768kHz+αを32.768kHzに補正するためには10%分のクロックをマスクすればよい。従って、32.768kHz+αの390625クロック(基準値F)に対してそのほぼ10%分の39063クロック(信号値K)をマスクすることで、32.768kHzに補正することができる。すなわち、補正時間Tcompあたりに、クロック信号CK1のクロックをK回だけマスクすればよく、信号値Kがそのままマスク数になる。
図4に、測定時間Tmeas、基準値F、25MHzのカウント値、マスク数K、補正時間Tcomp及び補正精度の関係の一例を示す。図4は、32.768kHz+αの周期が32.768kHzの周期の10%減(α=32.768kHz×1/9)に相当する場合の例である。例えば、クロック信号CK1(32.768kHz+α)の64クロック分に相当する時間を測定時間Tmeasとする場合(ダウンカウンター101のN=
64の場合)、測定時間Tmeasは1.7578125ms、基準値Fは48828、クロック信号CK3(25MHz)のカウント数は43945、マスク数Kは4883、補正時間Tcompは1.34s(クロック信号CK1の48828クロック分に相当する時間)、補正精度は20.48ppmである。また、例えば、クロック信号CK1(32.768kHz+α)の512クロック分に相当する時間を測定時間Tmeasとする場合(ダウンカウンター101のN=512の場合)、測定時間Tmeasは14.6025ms、基準値Fは390625、クロック信号CK3(25MHz)のカウント数は351562、マスク数Kは39063、補正時間Tcompは10.73s(クロック信号CK1の390625クロック分に相当する時間)、補正精度は2.56ppmである。図4からわかるように、測定時間Tmeasを長くするほど補正精度が高くなる。
図1に戻り、マスク信号生成部11は、周波数測定部10が計算したマスク数(出力信号値)Kに応じて、クロックゲート部12のマスクタイミングを制御するマスク信号を生成する。
クロックゲート部12は、マスク信号生成部11が生成したマスク信号に応じて、クロック信号CK1が有する一部のクロックを伝搬させないようにマスクし、所定時間あたりに所定数のクロックを有する、平均周波数が32.768kHzのクロック信号CK2(第2クロック信号)を生成する。
例えば、マスク信号生成部11が、補正時間Tcompにおいてクロック信号CK1のKクロック分だけ連続してあるいは分散してハイレベルとなるマスク信号を生成し、クロックゲート部12を、クロック信号CK1とマスク信号が入力される2入力AND回路で実現すれば、当該2入力AND回路の出力信号は平均周波数が32.768kHzのクロック信号CK2になる。
電源電圧VDD1がP1端子に供給されていない時は、クロックゲート部12が出力するクロック信号CK2がクロック選択部16により選択され、クロック信号CK6としてP3端子を介して外部に出力される。従って、本実施形態のクロック生成装置1は、クロックの粗密があるクロック信号CK6を出力するが、例えば、RTC(Real Time Clock)等の数十m秒、または数百m秒の時間を計時するような計時装置であれば、多少の粗密があるクロック信号CK6で動作しても大きな問題は生じない。ただし、例えば、2.56ppmの精度での補正が要求される場合には、図4に示したように補正時間Tcompが11秒程度になり、この間にクロック信号CK1のクロックをK回連続してマスクすると、クロック信号CK6のクロックが1秒程度停止する状況も起こり得る。このような場合、例えば、クロック信号CK6を用いて針を駆動させるアナログ時計では針が1秒程度停止し、また、クロック信号CK6を用いて電子メロディーを流す音楽再生機器では一瞬おかしなリズムの音が再生される等の不具合が生じ得る。
そこで、本実施形態では、マスク信号生成部11は、補正時間Tcompにおいて、クロック信号CK1のクロックをマスクするタイミングをできるだけ均等に分散させるようなマスク信号を生成する。
図5に、本実施形態におけるマスク信号生成部11の構成例を示す。図5の例では、マスク信号生成部11は、キャリーアウト出力付きの加算回路111とアキュムレーター(累算器)112を含んで構成されている。
加算回路111は、マスク数(周波数測定部10の出力信号値)Kとアキュムレーター112の出力値y(i−1)とを加算して出力する。ただし、加算回路111の出力信号値y(i)の上限は基準値F−1であり、y(i)=(y(i−1)+K) mod F(
y(i)は(y(i−1)+K)をFで割った時の余り)である。また、加算回路111は、y(i−1)+K<Fの時にローレベル、y(i−1)+K≧Fの時にハイレベルとなるマスク信号を生成して出力する。ここで、クロック信号CK1のFクロック分に相当する時間が補正時間Tcompであり、基準値Fは測定時間Tmeasの設定に対応づけて設定される。なお、基準値Fの値や測定時間Tmeasを決定するNの値は、設計段階で固定してもよいし、内部レジスターの設定で変更可能にしておいてもよい。
アキュムレーター112は、クロック信号CK1のクロックが入力されると、加算回路111の出力信号値y(i)を保存するレジスターである。従って、クロック信号CK1のクロックが入力される毎に、アキュムレーター112の出力信号値y(i−1)は加算回路111の出力信号値y(i)に更新される。
図6に、マスク信号生成部11の動作のタイミングチャートの一例を示す。図6は、32.768kHz+αの周期が32.768kHzの周期の10%減(α=32.768kHz×1/9)に相当する場合の例であり、測定時間Tmeasはクロック信号CK1の512クロック分に相当する時間に設定されており、これに対応づけて基準値Fは390625に設定されている。すなわち、補正時間Tcompは、クロック信号CK1の390625クロック分の時間に相当する。マスク数(周波数測定部10の出力信号値)Kは39063であるので、補正時間Tcompにおいて、クロック信号CK1の390625クロックのうち39063クロック(10%)がマスクされる。図6に示すように、クロック信号CK1は10クロック毎に1クロックがマスクされており、図5のような簡単な構成で、クロックマスクのタイミングをほぼ等間隔に分散化できることがわかる。
本実施形態のクロック生成装置1は、1回目の補正(補正時間Tcomp)が終了すると、1回目と同じ値のKにより1回目の補正と同じ補正時間Tcompで2回目の補正を行い、以降は同様に、次に周波数比測定を行うまで、同様の補正を繰り返す。そして、クロック生成装置1は、前回の周波数比測定の開始後、所定のインターバル時間Tintが経過すると新たに周波数比測定を行い、信号値Kを更新する。
図1に戻り、周波数測定制御部13は、クロックゲート部12が出力するクロック信号CK2のクロック数をカウントすることでこのインターバル時間Tintを計測するとともに、インターバル時間Tintを計測する毎に、周波数測定部10に測定開始信号STを供給する。
図7に、本実施形態における周波数測定制御部13の構成例を示す。図7の例では、周波数測定制御部13は、FIFO(First-In First-Out)メモリー131、平均値出力部132、比較部133、カウンター134及び検出部135を含んで構成されている。
FIFOメモリー131は、N個(Nは自然数)のマスク数(周波数測定部10の出力信号値)K(K(1)〜K(N))を順番に記憶するものである。FIFOメモリー131は、周波数測定部10から測定終了信号ENDが入力される毎に、各K(i)をK(i+1)(i=1〜N−1)に移動し、最新のマスク数KをK(1)として記憶する。この時、K(N)はFIFOメモリー131から追い出される(消去される)。
平均値出力部132は、FIFOメモリー131に記憶されているN個のマスク数K(K(1)〜K(N))の平均値(移動平均値)を計算して出力する。Nとして2(nは0又は自然数)を選択すれば、K(1)〜K(N)の加算結果の下位nビットを切り捨てる(あるいは、丸める)ことで平均値が得られるので、除算器が不要である。
比較部133は、最新のマスク数KとN個のマスク数Kの平均値(移動平均値)との差
分(差分の絶対値)を計算し、測定終了信号ENDが入力される時に当該差分と基準値R1とを比較し、比較結果に応じた値T1を出力する。基準値R1は、T1の値を切り替える閾値であり、設計段階で固定してもよいし、内部レジスターの設定等によって変更可能にしておいてもよい。本実施形態では、比較部133は、最新のマスク数KとN個のマスク数Kの平均値(移動平均値)との差分がR1以内であればT1=A(>B)、当該差分がR1よりも大きい時はT1=B(<A)を出力する。
なお、N=1の場合、平均値出力部132は、FIFOメモリー131に記憶されているマスク数K(1)をそのまま出力し、比較部133は、最新のマスク数Kと前回のマスク数K(1)との差分を計算し、測定終了信号ENDが入力される時に当該差分と基準値R1とを比較する。
カウンター134は、クロック信号CK2のクロック数をカウントするアップカウンターであり、カウント値T2を出力する。
検出部135は、比較部133の出力値T1とカウンター134の出力値T2を比較し、比較結果に基づき測定開始信号STを出力する。本実施形態では、検出部135は、T2=T1の時(T2≧T1の時でもよい)にハイレベルとなる測定開始信号STを出力する。この測定開始信号STがハイレベルの時、カウンター134は0にリセットされる。
図8(A)及び図8(B)に、カウンター134のカウント値T2と測定開始信号STのタイミングチャートの一例を示す。図8(A)は、T1=A(>B)の時、すなわち、最新のマスク数KとN個のマスク数Kの平均値(移動平均値)との差分がR1以内の時の例である。一方、図8(B)は、T1=B(<A)の時、すなわち、最新のマスク数KとN個のマスク数Kの平均値(移動平均値)との差分がR1よりも大きい時の例である。
カウンター134のカウント値T2がT1に達する毎に測定開始信号STのパルスが発生し、その発生間隔は、図8(A)の方が長く、図8(B)の方が短い。前述したように、測定開始信号STは周波数測定部10が周波数比測定を開始する信号であるので、測定開始信号STのパルスの発生間隔はインターバル時間(周波数比の測定間隔)Tintと一致する。すなわち、検出部135は、T1の値に応じて周波数比の測定間隔を制御し、周波数測定部10は、インターバル時間Tint毎に周波数比測定を間欠的に行う。
温度や電源電圧等の環境の変動が大きい場合、マスク数Kが急激に変化するので、周波数比測定を頻繁に行ってマスク数Kを更新する周期を短くしなければ、周波数の補正精度が低下する。一方、温度や電源電圧等の環境の変動が小さい場合は、マスク数Kはほとんど変化しないか、あるいは、緩やかに変化するので、周波数比測定の間隔を長くすることで、周波数の補正精度を維持したまま無駄な消費電力を削減することができる。そこで、本実施形態では、最新のマスク数Kとその直前のN個のマスク数Kの移動平均値との差分が基準値R1以内の時は通常のインターバル時間Tint(測定間隔)毎に周波数比測定を行い、当該差分が基準値R1よりも大きくなればインターバル時間Tint(測定間隔)を短くして周波数比測定を行う。
なお、インターバル時間Tintの値(実際はTintを決めるT1の値)は、環境条件や周波数補正誤差の許容範囲等を考慮して適宜選択され、設計段階で固定してもよいし、内部レジスターの設定または不揮発性メモリーの設定等によって変更可能にしておいてもよい。
図9(A)及び図9(B)は、これまでに説明したマスク信号の生成処理を示すフローチャート図である。図9(A)は周波数比測定のフローチャート図であり、図9(B)は
周波数補正のフローチャート図である。この周波数比測定と周波数補正は、並行して行われる。
図9(A)に示す周波数比測定のフローチャートでは、クロック生成装置1は、まず、クロック信号CK1のNクロック分の測定時間Tmeasに含まれるクロック信号CK3のクロック数をカウントする(S10)。ここで得られたカウント値は、マスク数Kと等しい。
次に、クロック生成装置1は、カウント値T2をリセットし、クロック信号CK2のクロック数のカウントを開始する(S20)。
次に、クロック生成装置1は、ステップS10で得られたマスク数Kと直前のN個のマスク数Kの平均値(移動平均値)との差分(差分の絶対値)が基準値R1以内である場合(S30のY)にはT1=A(>B)に設定し(S40)、当該差分が基準値R1よりも大きい場合(S30のN)にはT1=B(<A)に設定する(S50)。
そして、クロック生成装置1は、クロック信号CK2のクロック数のカウント値T2がT1と一致(すなわち、インターバル時間Tintが経過)する毎に(S60のY)、ステップS10以降の処理を繰り返し行う。
図9(B)に示す周波数補正のフローチャートでは、クロック生成装置1は、まず、アキュムレーター112の出力値y(i−1)、マスク数K(図9(A)のステップS10で得られた最新のマスク数K)、基準値Fより、y(i)=(y(i−1)+K) mod Fを計算する(S110)。
次に、クロック生成装置1は、y(i−1)+K≧Fであれば(S120のY)、マスク信号をハイレベルにし(S130)、クロック信号CK1の次の立ち上がりエッジのタイミングで(S140のY)、マスク信号をローレベルにするとともに(S150)、アキュムレーター112の出力値y(i−1)をy(i)に更新する(S160)。
一方、y(i−1)+K<Fであれば(S120のN)、クロック生成装置1は、クロック信号CK1の次の立ち上がりエッジのタイミングで(S140のY)、マスク信号をローレベルに維持するとともに(S150)、アキュムレーター112の出力値y(i−1)をy(i)に更新する(S160)。
そして、クロック生成装置1は、図9(A)のステップS10で得られた最新のマスク数Kを用いてステップS110〜S160の処理を繰り返し行う。
図1に戻り、イネーブル信号ENはAND回路14の非反転入力に供給され、AND回路14の反転入力にはダイオード42を介してP1端子の電圧が供給される。従って、AND回路14は、P1端子に電源電圧VDD1が供給されている時は常にローレベルの信号を出力し、P1端子に電源電圧VDD1が供給されていない時は、イネーブル信号ENがハイレベルの期間はハイレベルの信号を出力し、イネーブル信号ENがローレベルの期間はローレベルの信号を出力する。
AND回路14の出力信号は、スイッチ回路40の制御入力に供給され、スイッチ回路40は、AND回路14の出力信号がハイレベルの時はオン(2端子間を電気的に接続)し、ローレベルの時はオフ(2端子間を電気的に遮断)する。
従って、P1端子に電源電圧VDD1が供給されている時は、スイッチ回路40が常に
オフなので、発振用回路30には電源電圧VDD2は供給されず、電源電圧VDD1のみが供給されてクロック信号CK3が出力される。一方、P1端子に電源電圧VDD1が供給されていない時は、発振用回路30には周波数測定部10が測定を行う期間(イネーブル信号ENがハイレベルの期間)のみ電源電圧VDD2が供給されてクロック信号CK3が出力される。
P1端子に電源電圧VDD1が供給されている時は、クロック信号CK3は、AND回路17を通過し、クロック信号CK7としてP4端子を介して外部に出力される。一方、P1端子に電源電圧VDD1が供給されていない時は、周波数測定部10の測定期間に発生するクロック信号CK3はAND回路17でマスクされ、外部には出力されない。図10に、P1端子に電源電圧VDD1が供給されていない時のタイミングチャートの一例を示す。
周波数変換部15は、P1端子に電源電圧VDD1が供給されている時にクロック信号CK3を周波数変換し、平均周波数が所定の周波数(本実施形態では32.768kHz)となるクロック信号CK5を生成する。
周波数変換部15は、分周比が可変な分周回路を用いて複数の分周比を切り替えながらクロック信号CK3を分周することで、平均周波数が32.768kHzのクロック信号を生成するようにしてもよい。例えば、クロック信号CK3に対して、481回の763分周と31回の762分周を順番に繰り返すことで、平均周波数が32.768kHzのクロック信号CK5が得られる。
あるいは、周波数変換部15は、図11に示すような構成としてもよい。図11の例では、周波数変換部15は、分周回路151、マスク信号生成部152及びクロックゲート部153を含んで構成されている。分周回路151は、クロック信号CK3(第3クロック信号)が入力され、クロック信号CK3を所定の分周比で分周して32.768kHzよりも高い周波数のクロック信号CK4を生成する。本実施形態では、分周回路151は、クロック信号CK3を762分周して32.808kHz(=25MHz/762)のクロック信号CK4を生成する。
マスク信号生成部152は、クロック信号CK4の所定のクロック数あたりの所定のマスク数の情報に基づいて、クロックゲート部153のマスクタイミングを制御するマスク信号を生成する。
クロックゲート部153は、マスク信号生成部152が生成したマスク信号に応じて、分周回路151の出力クロック信号CK4が有する一部のクロックを伝搬させないようにマスクし、平均周波数が32.768kHzのクロック信号CK5を生成する。
例えば、32.808kHzの390625クロック分に相当する時間に含まれる32.768kHzのクロック数は390144であり、その差は481である。従って、例えば、マスク信号生成部152が、クロック信号CK4の390625クロックあたりに481クロックをマスクするマスク信号を生成し、クロックゲート部153を、クロック信号CK4とマスク信号が入力される2入力AND回路で実現してもよい。
本実施形態では、マスク信号生成部152は、マスク信号生成部11と同様に、クロック信号CK4のクロックをマスクするタイミングをできるだけ均等に分散させるようなマスク信号を生成する。図12に、本実施形態におけるマスク信号生成部152の構成例を示す。図12の例では、マスク信号生成部152は、キャリーアウト出力付きの加算回路154とアキュムレーター(累算器)155を含んで構成されている。
加算回路154は、所定値Lとアキュムレーター155の出力値y(i−1)とを加算して出力する。ただし、加算回路154の出力信号値z(i)の上限はG−1であり、z(i)=(z(i−1)+L) mod G(z(i)は(z(i−1)+L)をGで割った時の余り)である。また、加算回路154は、z(i−1)+L<Gの時にローレベル、z(i−1)+L≧Gの時にハイレベルとなるマスク信号を生成して出力する。ここで、例えば、所定値Lはクロック信号CK4のGクロックあたりのマスク数であり、Gを390625とすると、Lは481である。なお、Lの値やGの値は、設計段階で固定してもよいし、内部レジスターの設定で変更可能にしておいてもよい。
アキュムレーター155は、分周クロック信号CK4のクロックが入力されると、加算回路154の出力信号値z(i)を保存するレジスターである。従って、分周クロック信号CK4のクロックが入力される毎に、アキュムレーター155の出力信号値z(i−1)は加算回路154の出力信号値z(i)に更新される。
本実施形態のクロック生成装置1では、電源電圧VDD1がP1端子に供給されている時は、クロックゲート部153が出力するクロック信号CK5がクロック選択部16により選択され、クロック信号CK6としてP3端子を介して外部に出力される。また、先に説明したように、電源電圧VDD1がP1端子に供給されていない時は、クロックゲート部12が出力するクロック信号CK2がクロック選択部16により選択され、クロック信号CK6としてP3端子を介して外部に出力される。図13に、P1端子への電源電圧VDD1の供給が停止する前後のクロック生成装置1の動作のタイミングチャートの一例を示す。なお、本実施形態では、一次電源からの電源電圧VDD1の供給がいつ停止するか分からないので、発振回路20の発振動作を常に継続しておき、電源電圧VDD1が供給されている時も周波数測定部10によるクロック信号CK1の周波数比測定が間欠的に行われる。
以上に説明したように、本実施形態のクロック生成装置によれば、32.768kHzよりも高いクロック信号CK1の一部のクロックをマスクすることで、発振回路20の周波数調整を不要にしながら、平均周波数が32.768kHzのクロック信号CK2を生成することができる。
また、本実施形態のクロック生成装置によれば、クロック信号CK3を基準としてクロック信号CK1のマスク数Kを直接計測するので、クロック信号CK3の周波数精度に応じた高い周波数精度のクロック信号CK2を生成することができる。
また、本実施形態のクロック生成装置によれば、クロック信号CK1の所定クロック分の時間に含まれるクロック信号CK3のクロック数をカウントすることで、簡単な構成でクロック信号CK1のマスク数Kを直接的に計算することができるとともに、クロック信号CK1に対して十分高い周波数のクロック信号CK3を用いることで、測定時間を短縮しながら所望の補正精度を達成することができる。
また、本実施形態のクロック生成装置によれば、加算回路111とアキュムレーター112を用いてマスク信号生成部11を構成することで、簡単な構成でありながら、クロック信号CK1のクロックをマスクするタイミングをできるだけ均等に分散させたクロック信号CK2を生成することができる。
また、本実施形態のクロック生成装置によれば、P1端子に電源電圧VDD1が供給されている時は、クロック信号CK3から直接生成したクロック信号CK5を選択して出力するので、クロック信号CK2よりも周波数精度の高い32.768kHzのクロック信
号を出力することができる。一方、P1端子に電源電圧VDD1が供給されていない時でも、P2端子に常時供給されている電源電圧VDD2を電源電圧としてクロック信号CK1から生成したクロック信号CK2を選択し、32.768kHzのクロック信号を出力することができる。
また、本実施形態のクロック生成装置によれば、加算回路154とアキュムレーター155を用いてマスク信号生成部152を構成することで、簡単な構成でありながら、クロック信号CK4のクロックをマスクするタイミングをできるだけ均等に分散させたクロック信号CK5を生成することができる。
また、本実施形態のクロック生成装置によれば、電源電圧VDD2が供給されていれば、間欠的にクロック信号CK1の周波数を測定するので、電源電圧VDD1の供給がいつ停止しても、直近の測定結果を用いて、クロック信号CK1に対して適切に周波数補正がされたクロック信号CK2を速やかに生成することができる。さらに、電源電圧VDD1の供給が停止した後も、間欠的にクロック信号CK1の周波数を測定するので、消費電力を削減しながら、環境変化に起因するクロック信号CK1の周波数変動の影響を低減してほぼ一定周波数のクロック信号CK2を生成し続けることができる。
2.電子機器
図14は、本実施形態の電子機器の機能ブロック図である。また、図15は、本実施形態の電子機器の一例である移動体通信機器の外観の一例を示す図である。
本実施形態の電子機器300は、クロック生成装置310、リアルタイムクロック(RTC)装置320、CPU(Central Processing Unit)330、操作部340、ROM(Read Only Memory)350、RAM(Random Access Memory)360、通信部370、表示部380、一次電源390、二次電源392を含んで構成されている。なお、本実施形態の電子機器は、図14の構成要素(各部)の一部を省略又は変更し、あるいは他の構成要素を付加した構成としてもよい。
一次電源390は、例えば、電子機器300に内蔵のリチウムイオンバッテリー等の電源、あるいは、電子機器300の外部のAC電源等である。二次電源392は、例えば、電子機器300に内蔵のコインバッテリー等の電源である。
クロック生成装置310は、例えば、前述した本実施形態のクロック生成装置1であり、先に説明したように、一次電源390の電源電圧が供給されている時は、クロック信号CK6(32.768kHz)とクロック信号CK7(25MHz)をともに出力し、一次電源390の電源電圧が供給されていない時は、クロック信号CK6(32.768kHz)を出力し、クロック信号CK7(25MHz)を出力しない。
リアルタイムクロック装置320は、電源切替回路321と、電源切替回路321の出力電圧が電源電圧として供給される計時回路322とを含む、例えば、1チップのICである。電源切替回路321は、一次電源390の電源電圧が供給されている時は、計時回路322に一次電源390の電源電圧を供給し、一次電源390の電源電圧が供給されなくなると、計時回路322に供給する電源電圧を二次電源392の電源電圧に切り替える。計時回路322は、クロック生成装置310が出力するクロック信号CK6に同期して計時処理を行う。
CPU330は、一次電源390で動作し、ROM350等に記憶されているプログラムに従い、各種の計算処理や制御処理を行う。具体的には、CPU330は、クロック生成装置310が出力するクロック信号CK7に同期して、操作部340からの操作信号に
応じた各種の処理、外部とデータ通信を行うために通信部370を制御する処理、表示部380に各種の情報を表示させるための表示信号を送信する処理等を行う。
操作部340は、操作キーやボタンスイッチ等により構成される入力装置であり、ユーザーによる操作に応じた操作信号をCPU330に出力する。
ROM350は、CPU330が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM360は、CPU330の作業領域として用いられ、ROM350から読み出されたプログラムやデータ、操作部340から入力されたデータ、CPU330が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。
通信部370は、CPU330と外部装置との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
表示部380は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示装置であり、CPU330から入力される表示信号に基づいて各種の情報を表示する。表示部380には操作部340として機能するタッチパネルが設けられていてもよい。
クロック生成装置310として本実施形態のクロック生成装置1を組み込むことにより、より低コストで信頼性の高い電子機器を実現することができる。
このような電子機器300としては種々の電子機器が考えられ、例えば、パーソナルコンピューター(例えば、モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター、ノート型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター)、携帯電話機などの移動体端末、ディジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えば、インクジェットプリンター)、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ゲーム用コントローラー、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば、電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等が挙げられる。
3.移動体
図16は、本実施形態の移動体の一例を示す図(上面図)である。図16に示す移動体400は、クロック生成装置410、クロック生成装置410が出力する各種のクロック信号に同期して、エンジンシステム、ブレーキシステム、キーレスエントリーシステム等の各種の制御を行うコントローラー420,430,440、バッテリー450、バックアップ用バッテリー460を含んで構成されている。なお、本実施形態の移動体は、図16の構成要素(各部)の一部を省略又は変更してもよいし、他の構成要素を付加した構成としてもよい。
クロック生成装置410として、上述の各実施形態のクロック生成装置1を適用することができ、これにより高い信頼性を確保することができる。
このような移動体400としては種々の移動体が考えられ、例えば、自動車(電気自動車も含む)、ジェット機やヘリコプター等の航空機、船舶、ロケット、人工衛星等が挙げられる。
4.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、本実施形態では、1つのICで実現されたクロック生成装置1を例に挙げて説明したが、クロック生成装置1は、複数のICで実現されてもよいし、クロック生成装置1の複数の構成要素にそれぞれ対応する複数のディスクリート部品をボード上で配線接続することで実現されてもよい。
また、例えば、本実施形態のクロック生成装置1では、一次電源の電源電圧VDD1が供給されている時はクロック信号CK6としてクロック信号CK5を選択し、一次電源の電源電圧VDD1が供給されていない時はクロック信号CK6としてクロック信号CK2を選択して外部に出力しているが、クロック生成装置1は、クロック信号CK1(第1クロック信号に相当する)のクロックの一部をマスクして生成したクロック信号CK2(第2クロック信号に相当する)を常に外部出力するようにしてもよい。この場合、周波数変換部15とクロック選択部16は無くてもよい。
また、例えば、本実施形態のクロック生成装置1は、周波数測定制御部13の比較部133が、平均値出力部132の出力値をn個(n≧2)の基準値R1,R2,R3,・・・,Rn(R1>R2>R3>・・・>Rn)と比較し、平均値出力部182の出力値が、R2よりも大きくR1以下の範囲,R3よりも大きくR2以下の範囲,・・・,Rn以下の範囲のn+1個の範囲のいずれに含まれるかによって、T1の値をn+1個の値から選択してもよい。このようにすれば、周波数比の測定間隔をマスク数Kの移動平均値に応じてより細かく設定することができるので、周波数精度を維持しながら、より省電力化が可能となる。
また、例えば、本実施形態のクロック生成装置1では、周波数比測定の基準となるクロック信号として、水晶振動子2と発振用回路30で構成される水晶発振器が出力するクロック信号CK3を用いているが、温度補償水晶発振器(OCXO(Oven Controlled Xtal(Crystal) Oscillator))、原子発振器、温度補償型のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)発振器等の各種の発振器の出力クロック信号を用いてもよい。
また、例えば、本実施形態のクロック生成装置1では、平均値出力部132は、FIFOメモリー131に新たに1つのマスク数Kが記憶される毎にN個のマスク数Kの移動平均値を計算しているが、FIFOメモリー131に新たにm個(2≦m≦N)のマスク数Kが記憶される毎にN個のマスク数Kの移動平均値を計算するようにしてもよい。
上述した各実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 クロック生成装置、2 水晶振動子、10 周波数測定部、11 マスク信号生成部、12 クロックゲート部、13 周波数測定制御部、14 AND回路、15 周波数変換部、16 クロック選択部、17 AND回路、20 発振回路、30 発振用回路、40 スイッチ回路、42 ダイオード、44 ダイオード、101 ダウンカウンター、102 ダウンカウンター、103 測定終了判定回路、111 加算回路、112
アキュムレーター(累算器)、131 FIFOメモリー、132 平均値出力部、133 比較部、134 カウンター、135 検出部、151 分周回路、152 マスク信号生成部、153 クロックゲート部、154 加算回路、155 アキュムレーター(累算器)、300 電子機器、310 クロック生成装置、320 リアルタイムクロック(RTC)装置、321 電源切替回路、322 計時回路、330 CPU、340 操作部、350 ROM、360 RAM、370 通信部、380 表示部、390 一次電源、392 二次電源、400 移動体、410 クロック生成装置、420,430,440 コントローラー、450 バッテリー、460 バックアップ用バッテリー

Claims (8)

  1. 第3クロック信号を基準として第1クロック信号と基準周波数値との周波数比を測定し、
    前記周波数比の測定結果に基づき前記第1クロック信号の一部のクロックがマスクされた第2クロック信号を生成し、
    前記周波数比の測定結果と前記周波数比の測定結果のN個(Nは自然数)の平均値との差分に基づき前記周波数比の測定間隔を制御し、
    第1の電源電圧が供給されているとき、前記第3クロック信号が周波数変換された信号を出力し、
    前記第1の電源電圧が供給されていないときは、前記第2クロック信号を出力する、クロック生成装置。
  2. 前記第2クロック信号を生成するクロックゲート部と、
    前記周波数比を測定する周波数測定部と、
    前記第3クロック信号を出力する発振用回路と、
    前記平均値を出力する平均値出力部と、
    前記周波数比の測定結果と前記平均値とを比較し、前記差分に応じた値を出力する比較部と、
    前記第2クロック信号のクロック数と前記比較部の出力値とを比較し、比較結果に基づき前記周波数比の測定間隔を制御する検出部と、を含む、請求項1に記載のクロック生成装置。
  3. 前記比較部は、
    前記差分が基準値以内のとき、前記差分が前記基準値よりも大きいときよりも大きい値を出力する、請求項2に記載のクロック生成装置。
  4. 前記平均値は、前記周波数比の測定結果のN個の移動平均値である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクロック生成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクロック生成装置を含む、電子機器。
  6. 請求項5において、
    前記クロック生成装置が出力する前記第2クロック信号に同期して時刻情報を生成するリアルタイムクロック装置をさらに含む、電子機器。
  7. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクロック生成装置を含む、移動体。
  8. 第3クロック信号を基準として第1クロック信号と基準周波数値との周波数比を測定するステップと、
    前記周波数比の測定結果に基づき前記第1クロック信号の一部のクロックがマスクされた第2クロック信号を生成するステップと、
    前記周波数比の測定結果と前記周波数比の測定結果のN個(Nは自然数)の平均値との差分に基づき前記周波数比の測定間隔を制御するステップと、
    第1の電源電圧が供給されているとき、前記第3クロック信号が周波数変換された信号を出力するステップと、
    前記第1の電源電圧が供給されていないとき、前記第2クロック信号を出力するステップと、を含む、クロック生成方法。
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