JP6319023B2 - 静電チャック装置 - Google Patents
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Description
このプラズマエッチング技術は、加工対象となるシリコンウエハ等の半導体基板の上にレジストでマスクパターンを形成し、この半導体基板を真空中に支持した状態で、この真空中に反応性ガスを導入し、この反応性ガスに高周波の電界を印加することにより、加速された電子が反応性ガスのガス分子と衝突してプラズマ状態となり、このプラズマから発生するラジカル(フリーラジカル)とイオンを半導体基板と反応させて反応生成物として取り除くことにより、半導体基板に微細パターンを形成する技術である。
この方法は、薄膜の原料となる原料分子を含むガスに高周波の電界を印加することによりプラズマ放電させ、このプラズマ放電にて加速された電子により原料分子を分解させ、生成した化合物を基板の上に堆積させる成膜方法である。
このプラズマCVD法では、原料分子を含むガスがプラズマ中にて相互に衝突し活性化されラジカルとなるので、低温では熱的励起だけでは起こらなかった化学反応も可能となる。
ところで、近年におけるシリコンウエハ等の半導体基板の大径化により、成膜時における面内均一性、微細加工における面内均一性、プラズマエッチング等のエッチング処理における面内均一性に対する要求が更に高まってきており、半導体基板の表面温度を適正な温度に正確に制御し、この半導体基板の表面の温度分布を均一にすることが要求されている。
この静電チャック装置では、静電チャックのベースプレート側の表面付近及びベースプレートの静電チャック側の表面付近それぞれにヒーターエレメントを内蔵させることにより、固定される半導体基板の表面温度の均一性を高めることができるとされている。
この問題点は、静電チャック装置を構成する静電チャック及びベースプレートをヒーターエレメントにより加熱した場合により顕著に表れる。
前記給電部材の前記ベース部側の面に凹部が形成され、前記導線の一端部を、導電性接着剤を介して前記凹部に接着してなることが好ましい。
前記導電性接着剤は、樹脂材料と導電性フィラーとの混合物であることが好ましい。
前記給電部材は、導電性セラミックスからなることが好ましい。
前記熱伝達部材と前記ベース部との間に、絶縁碍子を設けてなることが好ましい。
前記静電チャック部と前記ベース部との間に、加熱用部材を設けたこととしてもよい。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態の静電チャック装置を示す断面図であり、この静電チャック装置1は、静電チャック部2と、ベース部3とにより構成され、これら静電チャック部2とベース部3とは、絶縁性接着剤4により接合一体化されている。
この給電用端子21は、直径2mm以下の金属線または金属撚り線からなる導線22と、この導線22を囲むように設けられた円筒状の弾性を有する熱伝達部材23と、この熱伝達部材23を囲むように設けられた円筒状の絶縁碍子24とにより構成されている。
そして、この導線22の上端部(一端部)22aは、給電部材14の凹部15に接着・固定され、その下端部22bには、外部と電気的に接続する接続部品25が電気的に接続され、この接続部品25は絶縁碍子24内に嵌め込まれて固定されている。
「載置板及び支持板」
載置板11及び支持板12は、その重ね合わせ面の形状を同じくし、ともに、アルミナ基焼結体からなるものである。
このアルミナ基焼結体としては、特に限定されるものではないが、熱膨張係数が可能な限り静電吸着用内部電極13の熱膨張係数に近似したもので、しかも焼結し易いものが好ましい。また、載置板11の上面11a側は静電吸着面となるから、特に誘電率が高い材質であって、静電吸着する板状試料Wに対して不純物とならないものを選択することが好ましい。
以上のことを考慮すれば、載置板11及び支持板12は、実質的に1質量%以上かつ15質量%以下の炭化ケイ素(SiC)を含み、残部を酸化アルミニウム(Al2O3)とする炭化ケイ素−酸化アルミニウム(SiC−Al2O3)複合焼結体が好ましい。
さらに、耐磨耗性に優れ、ウエハの汚染やパーティクルの発生の原因とならず、しかも、耐プラズマ性が向上したものとなっている。
炭化ケイ素粒子の平均粒子径が0.2μmを超えると、プラズマ照射時の電場が炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体中の炭化ケイ素粒子の部分に集中し、炭化ケイ素粒子の周辺が損傷を受け易くなるからである。
酸化アルミニウム粒子の平均粒子径が2μmを超えると、炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体がプラズマエッチングされ、スパッタ痕が形成され易くなり、表面粗さが粗くなるからである。
この炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体は、焼結性、耐プラズマ性等を向上させるために、イットリア(Y2O3)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)、チタニア(TiO2)から選択された1種または2種以上を合計で0.1〜10.0質量%含有するようにしてもよい。
その理由は、これら載置板11及び支持板12の厚みが0.1mmを下回ると、載置板11及び支持板12の機械的強度を確保することができず、一方、載置板11及び支持板12の厚みが4mmを上回ると、電極面と吸着面との間の距離が増加し、吸着力が低下するとともに、載置板11及び支持板12の熱容量が大きくなり、載置されるウエハWとの熱交換効率が低下し、ウエハWの面内温度を所望の温度パターンに維持することが困難になるからである。
静電吸着用内部電極13は、電荷を発生させて静電吸着力で板状試料Wを固定するためのもので、板状試料Wの種類や大きさ等により、その形状、大きさ等が適宜調整される。
この静電吸着用内部電極13は、アルミナ−タンタルカーバイド複合導電性焼結体、アルミナ−タングステン複合導電性焼結体、及びアルミナ−炭化ケイ素複合導電性焼結体のうちいずれかの複合導電性焼結体により構成されている。
このような厚みの静電吸着用内部電極13は、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいはスクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
給電部材14は、支持板12との熱膨張差が大きいとクラック等が生じる虞があるので、支持板12との熱膨張差が小さい酸化アルミニウム系導電性複合焼結体、例えば、酸化アルミニウム−炭化タンタル(Al2O3−Ta4C5)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−タングステン(Al2O3−W)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al2O3−SiC)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タングステン(AlN−W)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タンタル(AlN−Ta)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−炭化モリブデン(Al2O3−Mo2C)導電性複合焼結体等が好適に用いられる。
(導線)
この給電用端子21の主要部である導線22は、可塑性のある金属線を使用することが好ましく、直径2mm以下の金属線または金属撚り線を用いることがより好ましい。この金属線または金属撚り線には、必要に応じてポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等の絶縁性有機樹脂により被覆がなされていることが好ましい。
この導線22に、直径2mm以下の金属線または金属撚り線を用いることで、ベース部3と支持板12との熱膨張差による応力を導線22の変形により吸収し、導線22と給電部材14の接続部の破損を防止することができる。
この導線22に直径2mm以下の金属線または金属撚り線を用いた場合、凹部15の直径は、金属線または金属撚り線の直径以上かつ4mm以下、深さは1mm以上とすることが好ましい。
これらの材料は、1種のみ用いることとしてもよく、2種以上を併用してもよい。
この導線22と給電部材14との接続部の接合強度をさらに高めたい場合には、導線22と給電部材14の間にネジ部や端子板を設けることができる。
熱伝達部材23は、導線22を囲むように設けられた円筒状の弾性を有する部材であり、シリコーン樹脂に熱伝導性を有するフィラーを添加したフィラー添加シリコーン樹脂が好ましい。
この熱伝導性を有するフィラーとしては、直径が1μm以上かつ50μm以下の、窒化アルミニウム等からなる熱伝導性微粒子が好ましい。
また、熱伝達部材23自体の熱膨張係数をベース部3の熱膨張係数に近づけることができるので、熱伝達部材23由来の熱応力を低減することができる。
絶縁碍子24は、給電用端子21の耐電圧に対する信頼性を高くするために用いられるもので、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)等の絶縁性セラミックスからなる。
この絶縁碍子24の外径は、5mm以上かつ10mm以下であることが好ましい。
絶縁碍子24の外径を5mm以上とすることで、給電用端子21の耐電圧を確保することができる。一方、外径を10mm以下とすることで、ベース部3と静電吸着用内部電極13の周囲との熱交換を十分に行うことができ、よって、静電吸着用内部電極13上かつ載置板11の上面11aに載置された板状試料Wの温度を均一にすることができる。
ベース部3は、静電チャック部2を冷却して所望の温度パターンに調整することにより、載置される板状試料Wを冷却して温度を調整するためのもので、厚みのある円板状のものであり、その躯体は外部の高周波電源(図示略)に接続されている。このベース部3の内部には、必要に応じて、冷却用あるいは温度調節用の水、絶縁性の冷媒を循環させる流路が形成されている。
絶縁性接着剤4は、静電チャック部2とベース部3とを接着・固定するもので、アクリル、エポキシ、ポリエチレン等からなるシート状またはフィルム状の有機系接着剤が好ましく、例えば、熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムであることが好ましい。
ここで、熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムが好ましい理由は、この熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムを静電チャック部2とベース部3との間に挟み込んで熱圧着することにより、静電チャック部2とベース部3との間に気泡等が生じることなく、良好に接着・固定することができるからである。
なお、この絶縁性接着剤4の厚みが40μmを下回ると、静電チャック部2とベース部3との間の熱伝導性は良好となるものの、絶縁性接着剤4が薄くなりすぎて所望の接着強度を得ることができなくなる虞があるので好ましくなく、一方、厚みが100μmを超えると、静電チャック部2とベース部3との間の熱伝導性を十分確保することができなくなり、冷却効率が低下するので、好ましくない。
まず、公知の方法により、静電チャック部2と、ベース部3とを作製する。
静電チャック部2の載置板11及び支持板12を、アルミナ基焼結体、例えば、実質的に1質量%以上かつ15質量%以下の炭化ケイ素(SiC)を含み、残部を酸化アルミニウム(Al2O3)とする炭化ケイ素−酸化アルミニウム(SiC−Al2O3)複合焼結体に機械加工を施すことにより形成する。
次いで、載置板11及び静電吸着用内部電極13と支持板12とを重ね合わせ、これらを熱圧着する。
次いで、支持板12の所定位置に機械加工を施し、給電部材14を嵌め込むための貫通孔12aを形成し、この貫通孔12aに絶縁性接着剤を介して給電部材14を嵌め込み、この絶縁性接着剤を硬化させて、給電部材14を貫通孔12aに接着・固定する。
次いで、この給電部材14に機械加工を施し、導線22を接着・固定するための凹部15を形成することにより、静電チャック部2とする。
次いで、ベース部3の所定位置に機械加工を施し、このベース部3内に、冷却用の絶縁性冷媒を循環させる流路を形成すると共に、その厚み方向に延在する貫通孔3aを形成する。
次いで、給電部材14の凹部15に導電性接着剤を注入し、この導電性接着剤に導線22の上端部22aを挿入し、この導電性接着剤を硬化させる。
次いで、ベース部3の貫通孔3aの内壁に接着剤を塗布し、この貫通孔3aに絶縁碍子24を挿入し、接着剤を硬化させる。
最後に、絶縁碍子24に接続部品25を嵌め込み、この接続部品25を導線22の下端部22bと電気的に接続する。
以上により、この静電チャック装置1を製造することができる。
図2は、本発明の第2の実施形態のヒーターエレメント(加熱用部材)付き静電チャック装置31を示す断面図であり、本実施形態のヒーターエレメント付き静電チャック装置31が第1の実施形態の静電チャック装置1と異なる点は、第1の実施形態の静電チャック装置1では、静電チャック部2とベース部3とを絶縁性接着剤4により接合一体化したのに対し、本実施形態のヒーターエレメント付き静電チャック装置31では、静電チャック部2とベース部3との間にヒーターエレメント32を設け、このヒーターエレメント32を絶縁性接着剤33により静電チャック部2に接着・固定するとともに、絶縁性接着剤34によりベース部3に接着・固定した点であり、その他の点については第1の実施形態の静電チャック装置1と全く同様であるから、説明を省略する。
また、絶縁性接着剤33、34としては、第1の実施形態にて既に説明したアクリル、エポキシ、ポリエチレン等からなる有機系接着剤が好適に用いられる。
しかも、ヒーターエレメント32を絶縁性接着剤33により静電チャック部2に接着・固定するとともに、絶縁性接着剤34によりベース部3に接着・固定したので、このヒーターエレメント32によりベース部3が加熱された場合においても、熱応力に対する耐久性を保持することができる。
「静電チャック装置の作製」
まず、載置板及び支持板を、SiCを8質量%含有するAl2O3−SiC複合焼結体により作製した。載置板は、直径320mm、厚み4mmの円板状であり、支持板も、直径320mm、厚み4mmの円板状であった。
次いで、載置板の下面の静電吸着用内部電極を形成する領域に、スクリーン印刷法を用いて金属炭化物を含む導電ペーストを塗布し、大気圧下、200℃にて10時間焼成し、厚みが30μmの静電吸着用内部電極を形成した。
次いで、支持板の所定位置に機械加工を施し、給電部材を嵌め込むための直径4mm、深さ4mmの貫通孔を形成し、この貫通孔に、シリコーン樹脂系の絶縁性接着剤を介して給電部材を嵌め込み、この絶縁性接着剤を硬化させて、給電部材を貫通孔に接着・固定した。
次いで、この給電部材に機械加工を施し、導線を接着・固定するための直径1.8mm、深さ2.5mmの凹部を形成し、静電チャック部を作製した。
次いで、このベース部の所定位置に機械加工を施し、このベース部内に冷却用の絶縁性冷媒を循環させる流路を形成すると共に、このベース部を厚み方向に貫通する直径12mmの貫通孔を形成した。
次いで、導線として直径1.5mmのチタン線を用い、給電部材の凹部に、銀粒子を含有するエポキシ樹脂系の導電性接着剤を注入し、この導電性接着剤にチタン線の上端部を挿入し、この導電性接着剤を硬化させた。
次いで、絶縁碍子とチタン線との間に、窒化アルミニウム添加シリコーン樹脂を注入し、この窒化アルミニウム添加シリコーン樹脂を硬化させた。
最後に、絶縁碍子に接続部品を嵌め込み、この接続部品をチタン線の下端部と電気的に接続した。
このようにして、実施例1の静電チャック装置を作製した。
上記の静電チャック装置の熱サイクル試験を行った。
まず、静電チャック装置を真空チャンバ内に設置し、フロン系冷媒によりベース部を20℃に一定に保った。この状態で、静電チャック装置の載置面にシリコンウエハを載置した。次いで、給電用端子に2500Vの直流電圧を印加し、シリコンウエハを吸着させた状態で、シリコンウエハの加熱と冷却とを繰り返した。シリコンウエハの冷却は、20℃に保ったベース部によりシリコンウエハが20℃に達するまで行った。シリコンウエハの加熱は、外部に設けられたヒーターエレメントによりシリコンウエハが100℃に達するまで行った。
その結果、この静電チャック装置に破損は認められなかった。
また、上記熱サイクルを計1000回繰り返したところ、給電部材と給電用端子との間に破損が生じていた。
その結果、載置板の表面の面内温度分布は±1.5℃の範囲で均一であり、周囲の平均温度より低い平均温度のコールドスポットは生じなかった。
「ヒーターエレメント付き静電チャック装置の作製」
実施例1に準じて、実施例2の静電チャック部及びベース部を作製した。
次いで、静電チャック部の下面に、エポキシ樹脂系の絶縁性接着剤を用いてチタン(Ti)金属からなるヒーターエレメントを接着・固定し、このヒーターエレメント及び静電チャック部を、アクリル樹脂系の絶縁性接着剤を用いてベース部の上面に接着・固定した。
上記のヒーターエレメント付き静電チャック装置の熱サイクル試験を行った。
まず、ヒーターエレメント付き静電チャック装置を真空チャンバ内に設置し、フロン系冷媒によりベース部3を20℃に一定に保った。この状態で、ヒーターエレメント付き静電チャック装置の載置面にシリコンウエハを載置した。次いで、給電用端子に2500Vの直流電圧を印加し、シリコンウエハを載置面に吸着させた状態で、ヒーターエレメントによりシリコンウエハを断続的に加熱することによりシリコンウエハの加熱と冷却とを繰り返した。
その結果、このヒーターエレメント付き静電チャック装置に破損は認められなかった。
その結果、載置板の表面の面内温度分布は±1.7℃の範囲で均一であり、周囲の平均温度より低い平均温度のコールドスポットは生じなかった。
「静電チャック装置の作製」
市販のシリコーン樹脂と市販のカーボンファイバーとを混合し、樹脂製の導電性接着剤を調整した。混合比率は、シリコーン樹脂とカーボンファイバーとの合計体積に対してカーボンファイバーを5体積%とした。
給電部材の凹部に注入する導電性接着剤として、上述の樹脂製の導電性接着剤を用い、導線と給電部材とを接合させたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の静電チャック装置を作製した。
上記実施例3の静電チャック装置について、実施例1と同様に熱サイクル試験を行った。
その結果、100回の熱サイクル後、および1000回の熱サイクル後のいずれにおいても、実施例3の静電チャック装置に破損は認められなかった。
その結果、載置板の表面の面内温度分布は±1.7℃の範囲で均一であり、周囲の平均温度より低い平均温度のコールドスポットは生じなかった。
「静電チャック装置の作製」
絶縁碍子と導線との間に、窒化アルミニウム添加シリコーン樹脂を注入し、この窒化アルミニウム添加シリコーン樹脂を硬化させる、という作業を行わなかった以外は、実施例1の静電チャック装置の製造方法に準じて、比較例1の静電チャック装置を作製した。
上記の静電チャック装置に対して、実施例1に準じて100回の熱サイクルを繰り返す熱サイクル試験を行ったところ、静電チャック装置に破損は認められなかった。
しかし、ベース部の流路に130℃の液状の冷媒を循環させ、載置板の表面をサーモグラフィを用いて測定したところ、載置板の表面の面内温度分布は±3.0℃の範囲であり、実施例1の静電チャック装置と比べて不均一であった。また、周囲の平均温度より2〜3℃低いコールドスポットが生じていた。
「静電チャック装置の作製」
導線として直径1.5mmのチタン線の替わりに、直径3mmのチタン線を用いた以外は、実施例1の静電チャック装置の製造方法に準じて、比較例2の静電チャック装置を作製した。
上記の静電チャック装置に対して、実施例1に準じて100回の熱サイクルを繰り返す熱サイクル試験を行ったところ、給電部材と給電用端子との間に破損が生じていた。
また、ベース部の流路に130℃の液状の冷媒を循環させ、載置板の表面をサーモグラフィを用いて測定したところ、載置板の表面の面内温度分布は±1.5℃の範囲で均一であり、周囲の平均温度より低い平均温度のコールドスポットは生じなかった。
「静電チャック装置の作製」
導線として直径1.5mmのチタン線の替わりに、直径3mmのチタン線を用いた以外は、実施例2のヒーターエレメント付き静電チャック装置の製造方法に準じて、比較例3のヒーターエレメント付き静電チャック装置を作製した。
上記のヒーターエレメント付き静電チャック装置に対して、実施例2に準じて熱サイクル試験を行ったところ、給電部材と給電用端子との間に破損が生じていた。
また、ベース部の流路に130℃の液状の冷媒を循環させ、載置板の表面をサーモグラフィを用いて測定したところ、載置板の表面の面内温度分布は±4.0℃の範囲であり、実施例2のヒーターエレメント付き静電チャック装置と比べて不均一であった。また、周囲の平均温度より2〜3℃低いコールドスポットが生じていた。
2 静電チャック部
3 ベース部
4 絶縁性接着剤
11 載置板
11a 上面
12 支持板
13 静電吸着用内部電極
14 給電部材
15 凹部
21 給電用端子
22 導線
22a 上端部(一端部)
23 熱伝達部材
24 絶縁碍子
31 ヒーターエレメント付き静電チャック装置
32 ヒーターエレメント
W 板状試料
Claims (5)
- 一主面を板状試料を載置する載置面とした載置板と、この載置板と一体化された支持板と、これら載置板と支持板との間に設けられた静電吸着用内部電極と、この静電吸着用内部電極に電気的に接続されるとともに前記支持板に貫通して設けられた給電部材とを備えた静電チャック部と、該静電チャック部に接合一体化されたベース部とを備えてなる静電チャック装置において、
直径2mm以下の金属線または金属撚り線からなる導線を備えた給電用端子が前記ベース部に埋設され、前記導線は前記給電部材に電気的に接続されており、
前記静電チャック部と前記ベース部との間には、前記静電チャック部と前記ベース部とを接着固定する絶縁性接着剤を有し、
前記ベース部と前記絶縁性接着剤とには、厚み方向に延在する貫通孔が形成され、
前記貫通孔内には、円筒状の絶縁碍子が挿入されて固定され、
前記導線は、前記絶縁碍子の内部に設けられ、
前記絶縁碍子の内部において、前記導線の少なくとも一部を囲むように、弾性を有する熱伝達部材を設けてなり、
前記熱伝達部材の形成材料は、前記絶縁性接着剤とは異なる静電チャック装置。 - 前記給電部材の前記ベース部側の面に凹部が形成され、前記導線の一端部を、導電性接着剤を介して前記凹部に接着してなることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック装置。
- 前記導電性接着剤は、樹脂材料と導電性フィラーとの混合物である請求項2に記載の静電チャック装置。
- 前記給電部材は、導電性セラミックスからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の静電チャック装置。
- 前記静電チャック部と前記ベース部との間に、加熱用部材を設けてなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の静電チャック装置。
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