JP6828395B2 - 静電チャック部材、静電チャック装置 - Google Patents
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Description
以下、図1を参照しながら、本実施形態に係る静電チャック装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
以下、順に説明する。
静電チャック部2は、上面を半導体ウエハ等の板状試料Wを載置する載置面11aとした載置板11と、この載置板11と一体化され該載置板11の底部側を支持する支持板12と、これら載置板11と支持板12との間に設けられた静電吸着用電極13および静電吸着用電極13の周囲を絶縁する絶縁材層14と、を有している。
温度調節用ベース部3は、静電チャック部2を所望の温度に調整するためのもので、厚みのある円板状のものである。この温度調節用ベース部3としては、例えば、その内部に冷媒を循環させる流路3Aが形成された液冷ベース等が好適である。
フォーカスリング10は、温度調節用ベース部3の周縁部に載置される平面視円環状の部材である。フォーカスリング10は、例えば、載置面に載置されるウエハと同等の電気伝導性を有する材料を形成材料としている。このようなフォーカスリング10を配置することにより、ウエハの周縁部においては、プラズマに対する電気的な環境をウエハと略一致させることができ、ウエハの中央部と周縁部とでプラズマ処理の差や偏りを生じにくくすることができる。
静電吸着用電極13には、静電吸着用電極13に直流電圧を印加するための給電用端子15が接続されている。給電用端子15は、温度調節用ベース部3、接着剤層8、支持板12を厚み方向に貫通する貫通孔16の内部に挿入されている。給電用端子15の外周側には、絶縁性を有する碍子15aが設けられ、この碍子15aにより金属製の温度調節用ベース部3に対し給電用端子15が絶縁されている。
静電チャック装置1は、以上のような構成となっている。
次に、本実施形態の静電チャック部材について、詳述する。
上述したように、本実施形態の静電チャック部材は、酸化アルミニウムと炭化ケイ素とを主成分とする焼結体からなり、物体に電子を照射した際に表面から放出される二次電子について、二次電子のエネルギーと、このエネルギーを有する二次電子の数との対応関係における、2eVから10eVの範囲での二次電子数の最大値をピーク値としたとき、焼結体に電子を照射した際の二次電子のピーク値が、単結晶コランダムに電子を照射した際の二次電子のピーク値に対して50%以下である。
ただし、1eV=1.602×10−19Jである。
上記焼結体全体に対する炭化ケイ素の含有量について、上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
酸化アルミニウム中の金属不純物含有量を低減することで、結果として静電チャック部材中の金属不純物含有量も低減させることができる。静電チャック部材を構成する焼結体中のアルミニウムおよびシリコン以外の金属不純物含有量は200ppm以下が好ましく、100ppm以下がより好ましく、50ppm以下がさらに好ましい。
上述のような静電チャック部材は、酸化アルミニウム粒子と炭化ケイ素粒子とを、それぞれ高速で噴射してお互いに衝突させながら混合する工程と、混合する工程で得られたスラリーから分散媒を除去した後、成形する工程と、得られる成形体を、非酸化性雰囲気下、25MPa以上の圧力で押し固めながら1600℃以上に加熱して加圧焼結する工程と、得られるセラミックス焼結体を研削して静電チャック部材(例えば、載置板11および支持板12)を形成する工程と、を有する製造方法により製造することができる。
本実施形態の静電チャック部材は、以上のようにして製造することができる。
本実施例においては、ICP−MS法にて測定した値を金属不純物量として採用した。
焼結体の結晶粒径は、粉末X線回折法により求めた。X線回折装置として、PANalytial社製、機種名「X’ Pert PRO MPD」を用い、結晶粒径を得た。
本実施例においては、オージェ電子分光装置(JAMP−7800(日本電子社製))を用い、後述の実施例および比較例で得られた焼結体からなる試験片に、一次電子を加速電圧100Vにて照射した際に放出される二次電子を測定した。
本実施例においては、直流三端子法により円盤状の試験片の体積固有抵抗率(単位:Ω・cm)を測定した。
スクリーン印刷機:MODEL MEC−2400、ミタニマイクロニクス株式会社製
抵抗測定装置:西山製作所製
絶縁計:デジタル絶縁計(型式DSM−8103、日置電気株式会社製)
温度:室温(24℃)、130℃
雰囲気:窒素(純度99.99995%、流量200ml/分)
印加電圧:0.5kV、1kV、10kV
スクリーン印刷機を用いて、銀ペースト(NP−4635、株式会社ノリタケカンパニーリミテッド製)を試験片の上面及び下面に印刷し、大気中100℃で12時間乾燥させた後、大気中450℃で1時間焼き付け、主電極、ガード電極、対極を形成した。体積固有抵抗率については、電流値による変化と、温度による変化の2つの項目を調べた。
ρv=S/t×Rv=S/t×V/I …(1)
(S:電極の有効面積(cm2)、t:試験片の厚み(cm)、Rv:体積抵抗値(Ω)、V:直流電圧(V)、I:電流(A))
本実施例においては、以下のようにして耐電圧を測定した。
混合ガス:CF4とH2との1:1混合ガス
混合ガス供給量:流量30sccm、ガス圧5Pa
PF投入電力:5kW
出発原料として、平均粒子径が0.1μmである酸化アルミニウム(Al2O3)粒子と、平均粒子径が0.03μmであり熱プラズマCVDで合成されたβ−SiC型の炭化ケイ素(β−SiC)粒子と、を用いた。
出発原料であるAl2O3粒子として、金属不純物含有量が200ppm、平均粒子径が0.1μmのものを用い、β−SiC粒子とAl2O3粒子との全体量に対し、β−SiC粒子が10質量%となるように秤量したこと、および、夾雑物を除去した成形体を、室温から焼結温度に至るまで真空雰囲気に曝すことなく、アルゴン雰囲気下で熱処理(焼結)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の焼結体からなる試験片を得た。
実施例2の焼結体の金属不純物含有量は、180ppmであった。
出発原料であるAl2O3粒子として、金属不純物含有量が200ppm、平均粒子径が0.1μmのものを用い、β−SiC粒子とAl2O3粒子との全体量に対し、β−SiC粒子が10質量%となるように秤量したこと、以外は実施例1と同様にして、実施例3の焼結体からなる試験片を得た。
実施例3の焼結体の金属不純物含有量は、80ppmであった。
β−SiC粒子とAl2O3粒子との全体量に対し、β−SiC粒子が15質量%となるように秤量したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の焼結体からなる試験片を得た。
実施例3の焼結体の金属不純物含有量は、50ppmであった。
出発原料として、平均粒子径が1.0μmであり金属不純物含有量が150ppmのAl2O3粒子のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の焼結体からなる試験片を得た。
比較例1の焼結体の金属不純物含有量は、50ppmであった。
出発原料であるAl2O3粒子として、金属不純物含有量が800ppm、平均粒子径が0.5μmのものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の焼結体からなる試験片を得た。
比較例2の焼結体の金属不純物含有量は、500ppmであった。
出発原料であるAl2O3粒子として、金属不純物含有量が800ppm、平均粒子径が0.5μmのものを用い、出発原料であるβ−SiC粒子として、金属不純物含有量が1000ppm、平均粒子径が1.0μmのものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例3の焼結体からなる試験片を得た。
比較例3の焼結体の金属不純物含有量は、900ppmであった。
β−SiC粒子とAl2O3粒子との全体量に対し、β−SiC粒子が20質量%となるように秤量したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の焼結体からなる試験片を得た。
比較例4の焼結体の金属不純物含有量は、50ppmであった。
Claims (4)
- 酸化アルミニウムと炭化ケイ素とを主成分とする焼結体からなり、
前記焼結体は、物体に電子を照射した際に表面から放出される二次電子について、二次電子のエネルギーと、前記エネルギーを有する二次電子の数との対応関係における、2eVから10eVの範囲での二次電子数の最大値をピーク値としたとき、前記焼結体に電子を照射した際の二次電子のピーク値が、単結晶コランダムに電子を照射した際の二次電子のピーク値に対して50%以下であり、
室温から130℃までの全範囲における体積固有抵抗率が、1×10 14 Ω・cm以上であり、
アルミニウムおよびケイ素以外の金属不純物含有量が、100ppm以下である静電チャック部材。 - 前記焼結体は、直流電圧10kV/mmの体積固有抵抗率が、直流電圧1kV/mmの体積固有抵抗率の1/2以下である請求項1に記載の静電チャック部材。
- 前記焼結体全体に対する炭化ケイ素の含有量が、4質量%以上18質量%以下である請求項1又は2に記載の静電チャック部材。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の静電チャック部材を備える静電チャック装置。
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