JP6318571B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルム Download PDF

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本発明は、断熱性、伸びおよび強度に優れたポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルムに関する。
発泡樹脂フィルムは、軽量化、断熱性、遮音性の要求が必要となる様々な場所で使用されている。たとえば、建築材料においては床材、壁材、ドア、窓枠などに使用され、遮音、断熱、防振などを目的として使用されている。
従来の発泡樹脂フィルムの製造方法としては、ベースとなるポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂若しくはポリウレタン樹脂に化学発泡剤を添加し、成形加工すると同時に発泡剤を化学発泡させることにより得る方法が開示されている。しかし、化学的に発泡させる方法では、発泡の度合いを制御することが難しく、均一な発泡形状に成形することが困難であるという問題がある。特に、フィルムの厚みが薄くなるとさらに厚みの精度が不安定となるため更に生産が困難となるなど、安定した発泡フィルムを作ることが難しいのが現状である。
上記問題を解決する手段として、特開平9−226073号公報(特許文献1)には、結晶性ポリプロピレン系樹脂を表層とした積層シートを延伸することにより空洞を設け、そのフィルムを二枚以上重ねて加熱接着加工することにより空洞を有するシートを作製する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、延伸した複数枚のシートを加熱溶着する加工が必要となるため、生産工程が多く生産性に劣り、また十分な断熱性能を提供することは困難である。
また、WO2013/100015A号(特許文献2)には、ポリオレフィン系樹脂組成物を、発泡剤として超臨界状態の炭酸ガスと共に、押し出し機内で溶融混練してポリオレフィン系樹脂発泡シートを作製する方法が提案されている。しかしながら、この方法は、臨界状態の炭酸ガスを使用するため、高圧ガスを扱う設備や、設備の回りに防爆壁が必要となるなど、それに伴う費用が発生し、コストがかかる等の問題がある。また得られるシートの強度が十分満足できるものではないというのが現状である。
特開平9−226073号公報 WO2013/100015A号
本発明は、大きな設備投資を必要とすることなく、断熱性と伸びと強度に優れたポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルムを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
[1]ポリオレフィン系樹脂(A)及び熱膨張マイクロカプセル(B)を含有し、前記ポリオレフィン系樹脂(A)は、エラストマーを含有し、かつ前記熱膨張マイクロカプセル(B)は、膨張を開始する温度が100〜155℃であり、かつ最大に膨張する温度が160〜230℃であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
[2]ポリオレフィン系樹脂(A)と熱膨張マイクロカプセル(B)の質量比は、(A):(B)=97〜80:3〜20であることを特徴とする[1]に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
[3]前記ポリオレフィン系樹脂(A)は、ポリオレフィン系樹脂の全質量に対して、エラストマーを10質量%以上含有していることを特徴とする[1]または[2]に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
[4]引張破断伸びが150%以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
[5]酸化チタンを更に含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
[6][1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを有する積層フィルム。
[7]前記ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを中間層として有する[6]に記載の積層フィルム。
[8]積層フィルムの表面にある層は、熱膨張マイクロカプセルを含有しないことを特徴とする[6]又は[7]に記載の積層フィルム。
を、提供するものである。
本発明により、断熱性と伸びと強度に優れた性能を有するポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルムをもたらすことができる。
以下に、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルムを詳細に説明する。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、ポリオレフィン系樹脂(A)及び熱膨張マイクロカプセル(B)を含有し、前記ポリオレフィン系樹脂(A)は、エラストマーを含有し、かつ前記熱膨張マイクロカプセル(B)は、膨張を開始する温度が100〜155℃であり、かつ最大に膨張する温度が160〜230℃であることが重要である。
<熱膨張マイクロカプセル>
本発明で使用する熱膨張マイクロカプセルは、膨張を開始する温度が100〜155℃であり、110〜155℃であることが好ましく、130〜155℃がさらに好ましい。
膨張を開始する温度を100℃以上とすることで、ポリオレフィン系樹脂を使用して成形する際、樹脂を押出し成形機に投入した直後などにおいて、熱膨張マイクロカプセルは膨張しにくいため安定した成形を可能とすることができる。また、膨張を開始する温度を155℃以下とすることで、使用するポリオレフィン系樹脂の成形温度において該熱膨張マイクロカプセルが口金内で膨張し始める温度が適度となる。
本発明で使用する熱膨張マイクロカプセルは、最大に膨張する温度が160〜230℃であり、160〜220℃が好ましく、160〜210℃であることがさらに好ましい。
最大に膨張する温度を160℃以上とすることで、成形機から吐出される前後のタイミングで適度な膨張が得られる。また、最大に膨張する温度を230℃以下とすることで、使用するポリオレフィン系樹脂の成形温度において該熱膨張マイクロカプセルが最大に膨張する温度が適度となり効率の良い発泡状態を得ることができる。
本発明で使用する熱膨張マイクロカプセルは、ポリオレフィン系樹脂(A)と熱膨張マイクロカプセル(B)の質量比は、(A):(B)=97〜80:3〜20であることが好ましく、95〜85:5〜15であることがより好ましく、93〜87:7〜13であることが更に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(A)と熱膨張マイクロカプセル(B)の質量比を上記の範囲とすることで、フィルムの発泡を適正なものとすることができ、断熱性能を向上することができるとともに、適切な強度を保持することができる。
ポリオレフィン系樹脂(A)に熱膨張マイクロカプセル(B)を含有させ成形する場合、熱膨張マイクロカプセル(B)の飛散の防止や分散性の向上を図るため、あらかじめ熱膨張マイクロカプセル(B)を他の樹脂と混合してマスターバッチ化したものを用いてもよい。これに用いられるマスターバッチ用の樹脂としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がポリオレフィン樹脂との相溶性の点から好ましい。
本発明に使用する熱膨張マイクロカプセル(B)としては、大日精化工業社製:ダイフォーム、松本油脂社製:マツモトマイクロスフェアー、アクゾノーベル社製:EXPANCELなどがある。
<ポリオレフィン系樹脂>
本発明に使用するポリオレフィン系樹脂(A)は、エラストマーを含有することが重要であり、該ポリオレフィン系樹脂はポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂およびこれらの混合物等があげられる。
本発明に使用するエラストマーとしては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム等のジエン系ゴムや、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、及びスチレン−ブタジエン系やスチレン−イソプレン系等のスチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。
より好ましくはエラストマー中にα−オレフィンを含有していることが好ましい。α―オレフィンは炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物が用いられる。
本発明に使用するエラストマーは、ポリオレフィン系樹脂の全質量に対して、10質量%以上であることが好ましく、13質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましい。エラストマーの含有量を10質量%以上とすることで、ポリオレフィン系樹脂の伸び性能が優れるものとなる。また、エラストマーの含有量の上限は特に制限しないが、コストアップ等を考慮すると80質量%以下であることが好ましい。
α−オレフィンは、エラストマー系樹脂の全質量に対して、3から30質量%であることが好ましく、4から25質量%であることがより好ましく、5から20質量%であることが更に好ましい。α―オレフィンの含有量を3質量%以上とすることで、ポリオレフィン系樹脂の伸び性能が優れるものとなる。また、α―オレフィンの含有量を30質量%以下とすることでブロッキングの発生が抑制され生産性に優れる。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体および/またはエチレンを主成分とする、エチレンとこれと共重合可能な他の単量体との共重合体(低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン系触媒を用い重合して得られたポリエチレン等)、あるいは前記単独重合体および/または共重合体と他の共重合体との混合物(ポリマーブレンド)等が例示できる。この単独重合体および/または共重合体と混合してポリマーブレンドを与えることのできる重合体としては、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−イソプレンゴム等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、およびスチレン−ブタジエン系やスチレン−イソプレン系等のスチレン系熱可塑性エラストマーがあげられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、共重合体、あるいは前記単独重合体および/または共重合体と他の重合体との混合物(ポリマーブレンド)等が例示できる。該共重合体としてはプロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィンとの、ランダム共重合体またはブロック共重合体、あるいはポリオレフィン系の共重合体を幹ポリマーとしたプロピレンのグラフト共重合体等が例示できる。中でも、ランダム共重合体がフィルムの透明性及び柔軟性が良好となるので好ましい。このプロピレンと共重合可能なα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その一種または二種以上の混合物が用いられる。α−オレフィンの混合割合はプロピレンに対して1〜10質量%、特に1〜6質量%とするのが好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムに用いられるポリエチレン系単独重合体の溶融張力は0.003〜0.03N(230℃、引取速度5〜50m/min)であることが好ましい。溶融張力が0.003N以上であれば成形しやすく平滑なフィルムが得られやすい。また溶融張力が0.03N以下であれば溶融張力が低くなりすぎることがなく、フィルムの成形が困難になることがない。特にエチレン系単独重合体を用いて成形すると、その成形温度が本発明で使用する熱膨張マイクロカプセルの膨張開始温度および/または最大膨張温度の範囲と好適に適合することから好適な発泡状態を得ることができ、さらには熱膨張マイクロカプセルの焼け等の発生を抑制することが可能となる。
本発明のオレフィン系樹脂発泡フィルムは、引張破断伸びが150%以上であることが好ましく、200%以上であることがより好ましく、250%以上であることがさらに好ましい。引張破断伸びを150%以上とすることで、建築材料である床材や壁材などに使用する場合、例えば合板などに、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを張り付ける際、フィルムが破けたりすることを防止することができる。また、合板の表面が曲面であったりする場合には、表面に応じた追随性能を向上させることができる。
本発明において、引張破断伸びは、JIS K7127に準拠して行い、破断点で算出される伸びのことを言う。尚、破断しない場合は、試験機で測定可能な最大ストロークにおける点を伸びとする。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、引張強度(MD)が2.0MPa以上であることが好ましく、2.5MPa以上がより好ましく、3.0MPa以上がさらに好ましい。引張強度を2.0MPa以上とすることで、建築材料である床材や壁材などに使用する場合、例えば合板などに、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを張り付ける際、フィルムが破けたりすることを防止することができる。また、引張強度の上限は特に限定することはないが、合板などに張り付ける場合は、強度が高すぎるとハンドリング性が悪くなる恐れもあるため、25MPa以下であることが好ましい。
本発明において、引張強度は、JIS K7127に準拠して行った最大強度の点で算出される引張強度のことを言い、最大点が降伏点の場合は、その降伏点における引張強度のことであり、最大点が破断点の場合は、その破断点における引張強度のことを言う。尚、MDとはフィルムを生産するときの機械の巻き取り方向のことを言う。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムの密度は、0.30〜0.70g/cmであることが好ましい。ポリオレフィン系発泡樹脂の密度を0.30g/cm以上とすることで、フィルムの強度低下を抑制することができる。また、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムの密度を0.70g/cm以下とすることで、フィルムの断熱性能を良好とすることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、熱伝導率が0.1W/m・K以下であることが好ましい。ここで、熱伝導率は、発泡フィルムの熱拡散率、比熱容量、見かけ密度をそれぞれ測定し、(1)式により算出することができる。
Figure 0006318571


λ:熱伝導率(W/m・K)
α:熱拡散率(JIS R1611(2010)に準拠して測定した。)
Cp:比熱容量(JIS K7123(2012)に準拠して測定した。)
ρ:見かけ密度(JIS K7222(2005)に準拠して測定した。)
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、酸化チタンを含有していることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムに酸化チタンを含有させることにより、近赤外線を遮蔽する効果を得ることができる。これにより、遮熱性能が向上し、たとえば対象空間内の温度上昇をより抑制することができ、断熱性能との相乗効果をもたらすことができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲において必要に応じて、安定剤、滑剤、帯電防止剤、耐候助剤等公知の添加剤を含有してもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを製造する方法としては、特に限定されることはなく、公知の成形方法、たとえばTダイ押し出し成形法、インフレーション成形法等の成形方法を用いることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムの厚みは、特に限定されることはないが、使用する用途により適宜設定できる。一般的には5mm以下であることが好ましく、特に本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムが好適に使用できるのは、厚みが1mm以下の場合である。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、単層であってもよく、多層であってもよい。
本発明のもう一つの態様は、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを有する積層フィルムであり、より好ましくは、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを中間層として有する積層フィルムである。
ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを中間層とし、ポリオレフィン系樹脂やその他の樹脂を使用して積層フィルムとすることができる。たとえば、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムの表面層および/または裏面層にポリオレフィン系樹脂層を設けることができる。また、表面層および/または裏面層に使用するポリオレフィン系樹脂にもエラストマーを含有してもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、たとえばフィルム表面の外観性能に優れる性能が必要である用途に使用する場合などは、表面層にポリオレフィン系樹脂層を設けることで、発泡による外観の不具合を抑制することができる。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムの表面層および/または裏面層にポリオレフィン系樹脂層を設けることで、フィルム生産時に発生する口金のリップ部に付着するメヤニなどを抑制することができ、生産性を良好とすることができる。
この場合、特に積層フィルムの表面層および/または裏面層には、熱膨張マイクロカプセルを含有しないことがより好ましい。 なお、「熱膨張マイクロカプセルを含有しない」ことには、熱膨張マイクロカプセルの発泡作用により外観が損なわれない程度のごくわずかな量を含有することも含まれる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムは、必要に応じて片面および/または両面にコロナ放電処理を施したり、プライマー層を形成してもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムには、耐候性やその他必要な目的に応じて別の樹脂層を設けることもできる。この樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等を積層またはコーティングすることにより形成できる。また、この樹脂層にエンボス加工を施すこともできる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムと積層フィルムの製造方法としては、(1)ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムとその他のフィルム層を予め調製し、その後、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムとその他のフィルム層を積層する方法、(2)ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムとその他のフィルム層を直接形成させる方法が挙げられる。
(1)の方法の場合は、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムとその他のフィルム層を押出して加圧ロールによりラミネートする押し出しラミネート法を用いることができる。
(2)の方法の場合は、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムとその他のフィルム層を、Tダイ押出し成形法等の押出し成形法、インフレーション成形法及びカレンダー成形法等の成形方法により調製することができるが、本発明においては押出し成形法が好適に用いられる。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂発泡フィルム、その他のフィルム層を製造するにあたり、樹脂を混練する方法としては、一般的な方法が使用できる。具体的には、ペレットや粉体、固体の細片等をヘンシェルミキサーやリボンミキサーで乾式混合し、単軸や2軸の押出し機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの公知の溶融混練機に供給して溶融混練することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜7、比較例1〜3>
<ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムの作製>
表1、表2に示す配合を用いて、50mmφの押出機1台と35mmφの押出機2台のTダイ押出機(Tダイ:650mm幅)を用い、ダイス温度180℃の条件で、厚さ200〜900μmの単層または三層のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを作製した。
尚、三層の場合の各層の比率は、表層:中間層:裏層=5:90:5で作製した。
<評価方法>
<熱伝導率の測定>
得られたフィルムを使用し、熱拡散率、比熱容量、見かけ密度をそれぞれ測定し、(1)式により熱伝導率を算出した。
各測定結果を表1、表2に示す。
Figure 0006318571

λ:熱伝導率(W/m・K)
α:熱拡散率(JIS R1611(2010)に準拠して測定した。)
Cp:比熱容量(JIS K7123(2012)に準拠して測定した。)
ρ:見かけ密度(JIS K7222(2005)に準拠して測定した。)
<引張破断伸びの測定>
得られたフィルムを使用し、JIS K7127に準拠し、測定部分が10mm幅のダンベルを使用し、23℃でチャック間を40mm、引っ張り速度300mm/minの条件で測定を行った。
各測定結果を表1、表2に示す。
<引張強度の測定>
得られたフィルムを使用し、JIS K7127に準拠し、測定部分が10mm幅のダンベルを使用し、23℃でチャック間を40mm、引っ張り速度300mm/minの条件で測定を行った。
各測定結果を表1、表2に示す。
<使用した材料>
[オレフィン系樹脂]
(A)−1:低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製:LC500)
(A)−2:ポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製:FX3B)
(a)−1:エラストマー(三井化学(株)製:タフマーA―4085S)
α―オレフィン含有量 17.6質量%
(a)−2:エラストマー(三井化学(株)製:タフマーPN―2060)
α―オレフィン含有量 6.1質量%
[熱膨張マイクロカプセル]
(B)−2:950DU80(アクゾノーベル社製:熱膨張開始温度138〜148℃、最大膨張温度188〜200℃)
(B)−3:980DU120(アクゾノーベル社製:熱膨張開始温度158〜173℃、最大膨張温度215〜235℃)
[酸化チタン]
(C)−1:酸化チタン(石原産業社製)
Figure 0006318571
なお、実施例5及び7において、酸化チタン(C)−1は中間層に添加し、その質量部は、オレフィン系樹脂(A)、(a)および熱膨張マイクロカプセル(B)の合計を100とした時の質量部である。
Figure 0006318571
<評価結果>
表1より、実施例1および2の単層フィルムおよび実施例3〜7の三層フィルムは、いずれも熱伝導率が低く断熱性があり、また伸びおよび強度共にも優れることが確認された。
一方、表2のより、比較例1〜3は、エラストマー(a)を含まない結果、熱伝導率は低く断熱性能はよいが伸びが劣ることが確認された。
この結果より、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムおよび積層フィルムは、フィルム厚みが1mmよりも薄いにもかかわらず、熱伝導率は0.1W/m・K以下という優れた断熱性能を有し、かつ強度および伸びにも優れるものである。

Claims (8)

  1. ポリオレフィン系樹脂(A)及び熱膨張マイクロカプセル(B)を含有するポリオレフィン系樹脂発泡フィルムであって、前記ポリオレフィン系樹脂(A)は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はこれらの混合物と、オレフィン系熱可塑性エラストマーとからなり、前記熱膨張マイクロカプセル(B)は、膨張を開始する温度が130〜155℃であり、最大に膨張する温度が160〜230℃であり、かつ、前記フィルムの熱伝導率が0.1W/m・K以下であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
  2. ポリオレフィン系樹脂(A)と熱膨張マイクロカプセル(B)の質量比は、(A):(B)=97〜80:3〜20であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂(A)は、ポリオレフィン系樹脂の全質量に対して、エラストマーを10質量%以上含有していることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
  4. 引張破断伸びが150%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
  5. 酸化チタンを更に含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを有する積層フィルム。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡フィルムを中間層として有する請求項6に記載の積層フィルム。
  8. 積層フィルムの表面にある層は、熱膨張マイクロカプセルを含有しないことを特徴とする請求項6又は7に記載の積層フィルム。
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