以下に添付図面を参照して、この発明にかかる現金出納システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(現金出納システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100のシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100のシステム構成を示す説明図である。
図1において、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、サーバ装置110と、現金取引装置を実現するATM(Automatic Teller Machine)120と、を備えて構成されている。ATM120は、銀行などの金融機関が発行した口座からの現金の引き出しの現金出金サービスを提供する。なお、銀行などの金融機関が発行したカードの挿入を受け付けるカード挿入口121を備えていてもよく、カードが挿入された状態において所定の入力操作を受け付けた場合に、預貯金口座からの現金の引き出し、振り込み、振替などの金融機関の現金出金サービスを提供してもよい。なお、ATM120は、預貯金口座への現金の預け入れ、預貯金残高や取引明細の照会なども含めた現金出納サービスを提供してもよい。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100において、現金取引装置は、預貯金口座からの現金の引き出し、振り込み、振替などの金融機関の現金出金サービスを提供する、いわゆる、現金自動預け払い機と称されるATM120に加えて、現金の引き出しのみをおこなう現金自動支払い機あるいはCD(Cash Dispenser)を含んでいてもよい。すなわち、この発明にかかる現金取引装置は、金融機関が提供する各種サービスのうち、少なくとも現金の出金サービスを提供する装置であればよい。
ATM120は、金融機関の店舗(敷地)内などに確保された、ATM120を利用する利用者が乗車する車両を停車させるスペース(停車スペース)の近傍に設置されている。ATM120は、停車スペースに対して、当該停車スペースにおける車両に乗車する利用者が操作可能な位置に設置されている。
停車スペースは、壁やシャッターなどによって四方を囲まれた空間であって、外部とは隔離され、閉鎖されたスペース(閉鎖スペース)であっていてもよい。停車スペースを、外部とは隔離した閉鎖スペースとした場合、ATM120は当該閉鎖スペース内に配置される。閉鎖スペースは、壁やシャッターに加えて、屋根を備えていてもよい。シャッターは、開放した状態においては閉鎖スペースと外部との間における車両の行き来を可能とし、閉じた状態においては閉鎖スペースと外部との間における車両の行き来を遮断する。シャッターは、閉鎖スペースの内側を外側に対して密閉するものに限らず、車両あるいは人の通り抜けを規制する程度の間隔の柵によって実現されるものであってもよい。
閉鎖スペースは、たとえば、閉鎖スペース内に侵入した入り口とは異なる出口から閉鎖スペースの外へ至るように、複数のシャッターを用いて構成するようにしてもよい。これにより、入り口を経由して閉鎖スペース内に侵入した車両を、当該入り口とは異なる出口から閉鎖スペースの外へ誘導することができる。閉鎖スペースに対する車両の出入りは、たとえば、当該車両に自走させることによっておこなう。あるいは、閉鎖スペースの内側と外側との間を往復移動する停車パレットを設け、当該停車パレットを車両を積載した状態で往復移動させることにより、閉鎖スペースに対する車両の出入りをおこなってもよい。
閉鎖スペースへの入り口の近傍など、閉鎖スペース内に進入する車両が通行する所定の位置には、カメラ(図2における符号208を参照)が設けられている。カメラは、閉鎖スペース内に進入するために所定の位置を通過(または停止)する車両のナンバープレートを撮像する。閉鎖スペース内には、センサ(図2における符号209を参照)が設けられている。センサは、閉鎖スペース内に進入した車両の有無に応じて出力が変化する。
現金出納システム100においては、車両を運転する利用者を閉鎖スペース内に案内し、当該利用者に対して閉鎖スペース内おいてATM120を操作させる。ATM120は、利用者の操作を受け付ける操作部を備えている。ATM120において、操作部は、一つであってもよく、複数設けられていてもよい。操作部を複数設ける場合、各操作部は、進行方向に向かってハンドルが右側に設けられている車両(右ハンドル車)であるか、進行方向に向かってハンドルが左側に設けられている車両(左ハンドル車)であるかにかかわらず、運転席に座っている利用者が操作することができるように、上記の停車スペースに対して右側および左側に配置されていることが好ましい。これにより、運転席に座っている利用者は、車両におけるハンドルの位置にかかわらず、ドライブスルー形式により、車両から降りることなく操作部に対する操作をおこなうことができる。
ATM120は、当該ATM120を利用する利用者が現金を受け取る出金口を備えている。出金口は、当該出金口を出金時のみ開放する扉(シャッター)を備えていてもよい。ATM120において、出金口は複数設けられていてもよい。この場合、複数設けられる出金口は、右ハンドル車であるか左ハンドル車であるかにかかわらず、運転席に座っている利用者が容易に現金を取り出すことができるように、上記の停車スペースに対して右側および左側に配置されていることが好ましい。これにより、運転席に座っている利用者は、車両におけるハンドルの位置にかかわらず、ドライブスルー形式により、車両から降りることなく容易に現金を受け取ることができる。
また、出金口を複数設ける場合、複数設けられる出金口は、車両の前方側の席に座っている利用者および後部座席に座っている利用者のそれぞれが現金を取り出すことができるように、車両の進行方向に沿って複数設けられていてもよい。これにより、ATM120から現金を受け取る利用者が座っている位置にかかわらず、車両における助手席や後部座席に座っている利用者は、ドライブスルー形式により、車両から降りることなく容易に現金を受け取ることができる。
閉鎖スペースにおいては、操作部や出金口を複数備えたATM120に代えて、自走式のATM120を設けてもよい。具体的には、たとえば、閉鎖スペース内の床面や壁面に、操作部や出金口を備えたATM120の位置を誘導するレールを設け、ATM120に駆動力を付与するモータ(図2における符号210を参照)を設け、モータの駆動力によって閉鎖スペース内においてATM120をレールに沿って移動させることにより、閉鎖スペースにおいてATM120を自走させることができる。
この場合、たとえば、レールの断面形状を略C字型とし、レールからATM120が容易に外れてしまうことがないように、ATM120の一部と当該レールとを噛み合わせた構成とすることが好ましい。これにより、ATM120を可動式とした場合にも当該ATM120が盗難されることを抑制するとともに、右ハンドル車であるか左ハンドル車であるかにかかわらず、運転席に座っている利用者が操作部や出金口に触れることができる位置に、ATM120を移動させることができる。
ATM120が閉鎖スペース内に設置されている場合には、ATM120は、閉鎖スペース内を移動可能なものであってもよく、運転席から容易に操作可能な位置まで移動可能なことが好ましい。この場合、ATM120はモータによって移動可能な台座の上に搭載されていてもよい。出金口は、閉鎖スペース内に、運転席や助手席だけでなく、左右の後部座席に座っている利用者からも容易に現金が取り出せるように配置されてもよい。
サーバ装置110とATM120とは、それぞれ、都市銀行などの金融機関どうしの提携ネットワークなどのネットワーク101に接続されている。金融機関どうしの提携ネットワークは、各金融機関のATM(CDやATM)120どうしを相互に接続することによって構成されるネットワーク101であって、たとえば、BANCS(BANks Cash Service)、MICS(Multi Integrated Cash Service)、ACS(All Japan Card Service)、LONGSなどが存在する。現金出納システム100において、各ATM120は、それぞれ、サーバ装置110との間で通信可能とされている。
現金出納システム100は、利用者の端末装置130を含んで構成されるものであってもよい。利用者の端末装置130は、インターネットなどのネットワーク101を介してサーバ装置110に接続されており、金融機関がインターネット上に開設した所定のWEBサイトにアクセスすることができる。サーバ装置110や利用者の端末装置130は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。利用者の端末装置130は、たとえば、後述する出金予約情報の登録をおこなう場合に用いることができる。
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するサーバ装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するサーバ装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
図2において、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するサーバ装置110を実現するコンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、ネットワークI/F(インターフェイス)206と、入出力I/F207と、を備えている。また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するサーバ装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部は、バス200によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
ネットワークI/F206は、ネットワーク101を介してATM120に接続されている。また、ネットワークI/F206は、ネットワーク101を介して利用者の端末装置130に接続されている。ネットワークI/F206は、ネットワーク101と内部とのインターフェイスをつかさどり、コンピュータ装置におけるデータの入出力を制御する。
入出力I/F207は、カメラ208、センサ209およびモータ210に接続されている。また、入出力I/F207は、カメラ208、センサ209およびモータ210と内部とのインターフェイスをつかさどり、コンピュータ装置におけるデータの入出力を制御する。
カメラ208は、CPU201によって駆動制御され、たとえば、車両のナンバープレートを撮像する。これにより、車両に関する情報を取得することができる。上記のように、センサ209は、閉鎖スペース内における車両の有無に応じて出力が変化するため、センサ209の出力変化に基づいて閉鎖スペース内における車両の有無を検出することができる。サーバ装置110は、カメラ208により車両のナンバープレートを撮像したタイミングと、センサ209の出力変化とに基づいて、閉鎖スペース内に、ナンバープレートを撮像した車両以外の車両の有無を判断することができる。
モータ210は、CPU201によって駆動制御され、閉鎖スペースのシャッターを開閉させる。閉鎖スペースに上記の停車パレットが設けられている場合、モータ210は、当該停車パレットを往復移動させてもよい。ATM120を自走式とした場合、モータ210の駆動力によってATM120を自走させるようにしてもよい。
入出力I/F207には、ICリーダ(図示せず)が接続されてもよい。ICリーダは、ICチップに記憶された情報(たとえば、後述する車両に関する情報)を読み取る。ICリーダは、たとえば、銀行などの金融機関が預貯金口座の開設者(利用者)に発行するキャッシュカードなどのカードに搭載されたICチップを読み取り対象とする。キャッシュカードなどのカードに搭載されたICチップは、預貯金口座の口座番号や、当該預金口座にかかる金融取引に用いる認証情報(暗証番号や生体情報)などを記憶している。キャッシュカードなどのカードに搭載されたICチップは、たとえば、キャッシュカードなどのカードの発行時に、銀行員などによって口座番号や認証情報の入力を受け付けることができる。
現金出納システム100において、ICリーダは、キャッシュカードなどのカードに搭載されたICチップに代えて、車両に取り付けたICチップを読み取り対象としてもよい。この場合、車両に取り付けたICチップは、口座番号や認証情報(暗証番号や生体情報)に加えて、車台番号などのような車両に関する情報を記憶していてもよい。車両に取り付けたICチップは、たとえば、車両の購入時にディーラーなどによって車両に関する情報の入力を受け付けることができる。
ICリーダは、アンテナコイルを備えており、当該アンテナコイルに電流を流すことにより発生する交流磁界の中をICチップが通過した場合に、ICチップ側のアンテナコイルに誘起される交流電圧を直流電圧に変換することによりICチップにおいて電力を発生させ、当該電力を用いてICチップと通信をおこなう。非接触型のICチップの通信方法については、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
カメラ208、センサ209、モータ210およびICリーダは、有線により入出力I/F207に直接接続されているものに限らない。カメラ208、センサ209、モータ210およびICリーダは、たとえば、無線により入出力I/F207に接続されていてもよい。また、カメラ208、センサ209、モータ210およびICリーダは、入出力I/F207を介して接続されているものに限らない。カメラ208、センサ209、モータ210およびICリーダは、たとえば、ネットワークI/F206を介してコンピュータ装置に接続されていてもよい。
(ATM120のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するATM120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するATM120を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
図3において、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するATM120を実現するコンピュータ装置は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ディスプレイ304と、タッチパネル305と、ネットワークI/F306と、プリンタ307と、カードリーダライタ308と、指紋リーダ309と、カメラ310と、マイク311と、センサ312と、を備えている。この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成するATM120を実現するコンピュータ装置が備える各部は、バス300によってそれぞれ接続されている。また、ATM120は、各種のデータを記憶するHDや当該HDに対するデータのリード/ライトを制御するHDDなどを備えていてもよい。
CPU301は、ATM120全体の制御をつかさどり、RAM303をワークエリアとしながらROM302に記憶された各種プログラムを実行する。ディスプレイ304は、たとえば、表示画面(図6−1〜図6−2を参照)を表示する。ディスプレイ304は、具体的には、たとえばTFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなど、公知の各種のディスプレイによって実現することができる。
タッチパネル305は、ディスプレイ304に積層されており、操作された位置に応じた座標信号を出力する。CPU301は、たとえば、ディスプレイ304における表示内容とタッチパネル305において操作された座標位置とに基づいて、表示内容を切り替える。ATM120は、タッチパネル305に加えて、数値を入力するテンキーを備えていてもよい。また、タッチパネル305に代えてあるいは加えて、キーボードを備えていてもよい。
ネットワークI/F306は、ネットワーク101を介して、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置との間での通信をおこなう。ネットワークI/F306は、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこなうことによって、たとえば、現金の受け取りに関する情報などの各種の情報をサーバ装置110に送信する。
プリンタ307は、タッチパネル305に対する入力操作に応じてATM120がおこなった各種の現金出金サービスの結果を記録媒体に印刷出力する。具体的には、プリンタ307は、たとえば、タッチパネル305に対して預貯金口座から現金を引き出す入力操作がおこなわれた場合に、預貯金残高や取引明細などを印刷し、印刷された記録媒体を所定の排出口から排出する。
カードリーダライタ308は、カードが備える記憶媒体に記憶されたカード情報を読み取り、読み取った情報を含む信号をCPU301に出力する。カード情報は、たとえば、カードの識別情報、当該カードの所有者(利用者)の口座番号、暗証番号、預貯金口座を開設した支店名などの情報を含んでいる。
たとえば、この発明にかかる実施の形態のカードを、プラスチック製の板形状をなす基体にICチップを搭載したICチップ内蔵カードによって実現する場合、カードリーダライタ308は、カードが記憶媒体として備えるICチップに接続される接続端子を備え、当該接続端子を介してICチップに記憶されたカード情報を読み取る。カードリーダライタ308が非接触式ICカードタイプのカードを読み取り対象とする場合は、さらに、カードと通信をおこなう通信部を備えていてもよい。
あるいは、たとえば、この発明にかかる実施の形態のカードを、基体に磁気製の帯を設けた磁気ストライプカードによって実現する場合、カードリーダライタ308は、たとえば、カードが記憶媒体として備える磁気帯に記憶されたカード情報を読み取る磁気ヘッドを備え、当該磁気ヘッドの読取位置を磁気タイプのカードが通過する際に、カードの磁気帯に記憶されたカード情報を読み取る。ATM120は、カードリーダライタ308に代えて、カード情報の読み取りのみをおこなうカードリーダを備えていてもよい。
指紋リーダ309は、利用者の生体に関する情報の一つである指紋情報を取得する。カメラ310は、利用者の生体に関する情報の一つである網膜、虹彩、耳の形を撮影する。マイク311は、利用者の生体に関する情報の一つである声を取得する。センサ312は、出金口の近傍に、現金の有無に応じて出力が変化する。センサ312の出力変化に基づいて現金の存在を検出し、その後のセンサ312の出力変化に基づいて現金が持ち出されたことを検出する。
(利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図4は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
図4において、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、HDD404と、HD405と、ディスプレイ406と、操作部407と、ネットワークI/F408と、を備えている。また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置が備える各部は、バス400によってそれぞれ接続されている。
CPU401は、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM402は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。HDD404は、CPU401の制御にしたがってHD405に対するデータのリード/ライトを制御する。HD405は、HDD404の制御で書き込まれたデータを記憶する。
ディスプレイ406は、たとえば、液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ406を実現する液晶パネルは、任意の文字列、数字、記号などを表示することができる。ディスプレイ406は、たとえば、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置に対して、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を運用する金融機関がインターネット上に開設した所定のWEBサイトにアクセスする入力操作がおこなわれた場合に、該当するWEBページなどを表示する。
操作部407は、たとえば、タッチパネル、キーボード、テンキーなどによって実現することができ、利用者による各種の入力操作を受け付ける。具体的には、たとえばディスプレイ406に、所定のWEBサイトの「初期画面」を表示している状態で、「出金予約を登録する」キーを選択する入力操作があった場合に、出金予約情報を入力するための「入力画面」(図7−2を参照)を表示する。また、操作部407は、たとえば、マウスによって実現してもよい。タッチパネル、キーボード、テンキー、マウスなどによって実現される操作部407は、当該操作部407に対する入力操作に応じた信号を出力する。
ネットワークI/F408は、インターネットなどのネットワーク101に接続され、当該ネットワーク101を介して、サーバ装置110などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F408は、ネットワーク101と利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置の内部とのインターフェイスをつかさどり、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置と外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。
(車両データベースの一例)
つぎに、車両データベースの一例について説明する。図5は、車両データベースの一例を示す説明図である。図5において、車両データベース500は、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置が備えるHD205などの記憶媒体に設けられている。車両データベース500は、利用者が所持する口座の口座番号(カード情報)ごとに、利用者情報を関連付けて記憶する。車両データベース500は、口座番号に代えて、あるいは口座番号に加えて、利用者の識別情報として口座番号を特定できる情報を記憶していてもよい。利用者情報は、当該口座番号によって識別される利用者の氏名や連絡先を含む。連絡先は、たとえば、口座番号によって識別される預貯金口座を開設した利用者の住所、電話番号、電子メールアドレス、利用者の端末装置130に固有の電話番号や製造番号などを示す情報を含んでいてもよい。
車両データベース500は、たとえば、口座番号ごとに、利用者の認証に関する情報を関連付けて記憶する。また、車両データベース500は、口座番号ごとに、車両に関する情報を関連付けて記憶する。また、車両データベース500は、口座番号および車両に関する情報に出金予約情報を関連付けて記憶する。また、車両データベース500は、出金予約情報ごとに、出金予約の有効期間に関する情報などを関連付けて記憶する。また、車両データベース500は、口座番号ごとに、利用者の認証に関する情報、車両に関する情報、出金予約情報および出金予約の有効期間に関する情報を関連付けてもよい。
利用者の認証に関する情報は、たとえば、本人認証をおこなう際に使用する利用者の生体(指紋、声紋、網膜、虹彩、耳の形、掌の皺、顔など)に関する情報や利用者のカード(口座)の暗証番号情報である。また、利用者の認証に関する情報は、複数の生体に関する情報やカードの暗証番号を組み合わせて本人認証をおこなうことを含んでいてもよく、この場合、本人認証をおこなう際に使用する認証方法(生体に関する情報の種類およびカードの暗証番号)やその照合順序などを含んでいてもよい。
車両に関する情報は、たとえば、利用者が運転する車両のナンバープレートや車台番号(車体番号)などの利用者が運転する車両を特定する情報である。また、車両に関する情報は、車両のメーカー名、車種、ボディカラー、ボディタイプ、車両のハンドルの位置に関する情報(右ハンドル、左ハンドル、運転席の高低など)を含んでいてもよい。
出金予約情報は、利用者の端末装置130から入力を受け付けた、利用者による出金の予定(予約)内容を示す情報である。出金予約情報は、たとえば、利用者の口座から出金する出金金額に関する情報を含んでいる。また、出金予約情報は、利用者の口座番号を含んでいてもよい。サーバ装置110は、出金予約情報に含まれる利用者の口座番号に基づいて、利用者が出金をおこなう口座を特定することができる。
出金予約情報は、出金金額に関する情報ごとに、出金が実行されたか否かを示す情報を含んでいる。出金予約情報は、出金をおこなう際に使用する認証方法を指定する情報を含んでいてもよい。認証方法は、たとえば、利用者の端末装置130において入力操作を受け付けることによって、当該利用者の端末装置130において、出金予約情報ごとに指定することができる。具体的には、認証方法として「指紋」による認証方法が指定されている場合、サーバ装置110は、ATM120から送信される指紋情報が車両データベースの利用者の認証に関する情報に記憶されている指紋情報と一致するか否かを判断することにより認証をおこなうことができる。
出金予約の有効期間に関する情報は、出金予約情報の有効期間を示す。出金予約の有効期間は、たとえば、「いつからいつまで」のように有効期間の始点と終点とを指定することによって定めることができる。また、出金予約の有効期間は、たとえば、「(現在から)いつまで」のように、有効期間の始点を現在とし、終点のみを定めることによって定めてもよい。また、有効期間は、たとえば、「本日中」や「今日の午前中まで」などのように定めてもよい。
図5において、たとえば、出金予約の有効期間が2013年12月1日で、出金をおこなうための本人認証は認証なし(認証不要)であって、出金金額が1万円である出金が出金済みであることを示している。また、図5において、たとえば、出金予約の有効期間が2014年2月1日で、出金をおこなうための本人認証には、暗証番号による認証が必要であって、出金金額が2万円である出金が未出金であることを示している。
図5における口座番号、利用者情報、利用者の認証に関する情報、車両に関する情報、出金予約情報および出金予約の有効期間に関する情報など、車両データベース500が記憶する各種の情報は、利用者が端末装置130において所定の入力操作をおこなうことにより入力したり変更したりすることができる。車両データベース500が記憶する各種の情報は、現金出納システム100の管理者などが提供する現金出金サービスへの加入時に利用者が所定のサービス加入用紙に記載した情報に基づいて、現金出納システム100の管理者がこれらの情報を入力してもよい。また、車両データベース500が記憶する各種の情報は、車両の購入時にディーラーにおいて入力されてもよい。
(ATM120の表示画面例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100におけるATM120が表示する表示画面例について説明する。図6−1および図6−2は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100におけるATM120が表示する表示画面例を示す説明図である。
図6−1において、表示画面601は、ATM120が備えるディスプレイ304に表示される認証方法の選択画面を示している。表示画面601は、「指紋」キー、「声紋」キー、「暗証番号」キー、「網膜」キー、「虹彩」キーなどの利用者の認証に関する情報を指定する各キーを表示する。表示画面601において、耳の形、掌の皺などのその他の生体に関する情報を指定する各キーを表示してもよい。すなわち、表示画面601において操作することで、利用者の認証に関する情報を選択することができる。
図6−2において、表示画面602は、表示画面601において「指紋」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ304に表示される。表示画面602は、「指紋リーダに指をかざしてください」などのメッセージを表示することによって、利用者に指紋リーダ309へ利用者の指の接触を促す。利用者は、表示画面602にしたがって、指紋リーダ309に指をかざす。たとえば、表示画面601において「指紋」キー以外の「声紋」キーや「暗証番号」キーが操作された場合には、「マイクに向かって話してください」や「暗証番号を入力してください」などといったメッセージを表示することによって、各キーのそれぞれに応じた利用者の認証に関する情報の入力を促す。
(利用者の端末装置130の表示画面例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100における利用者の端末装置130が表示する表示画面例について説明する。図7−1、図7−2および図7−3は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100における利用者の端末装置130が表示する表示画面例を示す説明図である。
図7−1において、表示画面701は、たとえば、利用者が、利用者の端末装置130に対して、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100を運用する金融機関がインターネット上に開設した所定のWEBサイトにアクセスする入力操作をおこなった場合に、当該利用者の端末装置130が備えるディスプレイ406に表示される。表示画面701は、「振り込み・振替」、「口座情報照会」、「セキュリティ設定」、「外貨預金」などインターネットを介して提供される金融機関のサービスに加えて、「出金予約を登録する」および「出金予約を確認する」を表示する。
図7−2において、表示画面702は、表示画面701において「出金予約を登録する」キーが操作された場合に、利用者の端末装置130が備えるディスプレイ406に表示される。表示画面702は、現金の引き出し金額に関する情報を入力する金額入力欄7021、出金予約の有効期間に関する情報を入力する有効期間入力欄7022、出金をおこなう際に使用する認証方法を指定する情報を入力する認証方法入力欄7023を表示する。認証方法入力欄7023は、たとえば、プルダウンキーなどによって、「認証なし」、「指紋」、「声紋」、「暗証番号」などによる認証方法を指定することができる。また、複数の認証方法やその照合順序なども指定してもよい。
表示画面702において、入力欄7021〜7023に入力された状態で「登録」キー7024を選択すると、入力欄7021〜7023に入力された情報がサーバ装置110に送信される。出金予約の有効期間に関する情報を入力する有効期間入力欄7022に入力がない場合には、たとえば、有効期間なしとしてもよく、システム所定の有効期間に関する情報が設定されてもよい。本人認証方法に関する情報を入力する認証方法入力欄7023に入力がない場合には、たとえば、特定の認証方法を指定せず、出金するときに利用者がATM120から選択または入力された認証方法としてもよい。「戻る」キー7025を選択すると、端末装置130の表示が表示画面701に戻る。
図7−3において、表示画面703は、表示画面701において「出金予約を確認する」キーが操作された場合に、利用者の端末装置130が備えるディスプレイ406に表示される。表示画面703において、出金予約情報の出金金額に関する情報は、「2万円」、出金予約の有効期間に関する情報は、「2014年2月1日」、出金をおこなう際に使用する認証方法を指定する情報は、「暗証番号」であることを示している。
表示画面703において、「変更する」キー7031を選択すると、表示画面702に戻って、登録済みの出金予約情報のうちの現金の引き出し金額に関する情報、出金予約の有効期間に関する情報および出金をおこなう際に使用する認証方法を指定する情報の少なくともいずれか一つを変更することができる。「戻る」キー7032を選択すると、端末装置130の表示が表示画面701に戻る。
(現金出納システム100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100の機能的構成について説明する。図8は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100の機能的構成を示すブロック図である。
図8において、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100におけるATM120の各機能は、認証情報受付部801と、認証情報送信部802と、出金指示受信部803と、出金指示実行部804と、受取検出部805と、受取情報送信部806と、によって実現することができる。ATM120の各機能を実現する認証情報受付部801、認証情報送信部802、出金指示受信部803、出金指示実行部804、受取検出部805、受取情報送信部806は、ATM120が備える各部によって実現することができる。
認証情報受付部801は、利用者の認証に関する情報の少なくともいずれか一つの入力を受け付ける。具体的には、認証情報受付部801は、たとえば、利用者の生体(指紋、声紋、網膜、虹彩、耳の形、掌の皺など)に関する情報や利用者のカードの暗証番号に関する情報などのうちの少なくともいずれか一つの入力を受け付ける。認証情報受付部801は、たとえば、指紋リーダ309によって生体に関する情報の一つである指紋情報を受け付ける。認証情報受付部801は、車両データベース500に記憶されている出金予約情報に含まれる出金をおこなう際に使用する認証方法を指定する情報が「認証なし」と設定されているときには、利用者の認証に関する情報を受け付けなくてもよい。
認証情報送信部802は、認証情報受付部801が利用者の認証に関する情報を受け付けた場合、サーバ装置110に対して認証を要求する。認証情報送信部802は、たとえば、認証情報受付部801が受け付けた利用者の認証に関する情報と、当該認証に関する情報の送信を指示した利用者(認証情報受付部801が認証を受け付けた利用者)に関する情報と、を含む情報をサーバ装置110に送信することにより、サーバ装置110に対して認証を要求する。
出金指示受信部803は、出金指示情報を受信する。出金指示情報は、サーバ装置110から指示された現金の引き出しについての情報であり、出金金額に関する情報を含む。出金金額に関する情報は、当該出金金額に関する情報を受信したATM120において出金する現金を特定する情報であって、サーバ装置110から送信される。出金する現金の額は、たとえば、車両データベース500における出金予約情報に含まれている情報に基づいて特定される。出金指示情報は、減額後(出金後)の利用者の預貯金口座の残高に関する情報や、出金口に関する情報を含んでいてもよい。
出金指示実行部804は、出金指示受信部803が出金指示情報を受信した場合、出金指示情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた現金を出金口から出金する。また、出金指示実行部804は、受信した出金指示情報に残高に関する情報が含まれている場合、減額後の利用者の預貯金口座の残高に関する情報を出力する。具体的には、出金指示実行部804は、たとえば、サーバ装置110から「現金1万円の引き出し」に対応する出金指示情報を受信した場合、ATM120内の現金の保管庫から現金1万円を出金口に移動(出金)するとともに、引き出し結果や減額後の利用者の預貯金口座の残高の情報などをディスプレイ304やプリンタ307に出力する。
また、出金指示実行部804は、出金指示受信部803が受信した出金指示情報に出金口に関する情報が含まれている場合、出金口に関する情報に応じた出金口から、出金指示情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた現金を出金する。車両情報判断部817は、該当する車両のハンドルの位置に関する情報に基づいて、当該ハンドルの位置にもっとも近い出金口を特定する。
受取検出部805は、出金指示実行部804が出金口から出金した現金を、利用者が受け取ったことを検出する。具体的には、受取検出部805は、たとえば、センサ312の出力変化に基づいて、出金口から出金した現金の存在を検出した後に、当該現金の存在を検出しなくなった場合に、出金した現金を利用者が受け取ったと検出する。受取情報送信部806は、受取検出部805が出金口から現金の受け取りを検出した場合、該当する利用者が現金を受け取ったことを示す受け取りに関する情報をサーバ装置110に送信する。
認証情報受付部801は、利用者が所持する口座に対する現金出金サービスに関する情報の入力を受け付けてもよい。現金出金サービスに関する情報は、提供を受けるサービス(たとえば、預貯金口座からの現金の引き出し、振り込み、振替など)を指定(特定)する情報であり、指定(特定)サービスによって該当する預貯金口座から出金される出金金額に関する情報を含んでいる。出金金額に関する情報は、具体的には、たとえば、預貯金口座から引き出す現金の額や、振り込みや振替などによって該当する預貯金口座から出金される金額を特定する情報によって実現することができる。
認証情報受付部801が現金出金サービスに関する情報の入力を受け付けた場合、認証情報送信部802は、認証情報受付部801が受け付けた現金出金サービスに関する情報と、認証情報受付部801が認証を受け付けた利用者に関する情報と、を含む情報をサーバ装置110に送信する。カードリーダライタ308が車両に組み込まれたICチップから車両に関する情報を読み取った場合、認証情報送信部802は、当該読み取った車両に関する情報をサーバ装置110に送信してもよい。
車両が閉鎖スペース外に移動するための複数の出入り口がある場合、認証情報受付部801は、複数の出入り口のうちの車両が閉鎖スペース外に移動するためのシャッターを特定する出口に関する情報を選択する入力を受け付けてもよい。具体的には、認証情報受付部801は、受取検出部805が現金の受け取りを検出した場合に、複数のシャッターの中からいずれか一つを特定させる情報(出口に関する情報)を表示画面に表示し、表示した情報に基づいていずれか一つのシャッターを選択する入力を受け付けてもよい。受取情報送信部806は、受取検出部805が現金の受け取りを検出し、かつ認証情報受付部801がいずれか一つのシャッターを選択する入力を受け付けた場合、当該受け付けた出口に関する情報を含む現金の受け取りに関する情報をサーバ装置110に送信する。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100におけるサーバ装置110の各機能は、データベース格納部810と、予約情報受付部811と、利用者特定部812と、予約情報登録部813と、記憶部814と、車両情報取得部815と、車両情報判断部817、予約情報判断部818、認証情報判断部819および有効期間判断部820を含む判断部816と、認証情報受信部821と、口座減額部822と、出金指示送信部824、開放指示送信部825および閉鎖指示送信部826を含む指示送信部823と、受取情報受信部827と、移動情報送信部828と、によって実現することができる。
サーバ装置110の各機能を実現するデータベース格納部810、予約情報受付部811、利用者特定部812、予約情報登録部813、記憶部814、車両情報取得部815、判断部816、認証情報受信部821、口座減額部822、指示送信部823、受取情報受信部827、移動情報送信部828は、サーバ装置110が備える各部によって実現することができる。
データベース格納部810は、上記の車両データベース500および口座情報データベースを含む各種のデータベースを格納している。口座情報データベースは、口座番号ごとに、利用者の認証に関する情報、預貯金口座の預貯金の残高、現金の引き出しなどの取引明細の履歴などに関する情報を関連付けて記憶する。
予約情報受付部811は、利用者の端末装置130から、利用者の識別情報として利用者の口座番号および利用者の口座からの出金をおこなう出金金額に関する情報を含む出金予約情報の入力を受け付ける。また、予約情報受付部811は、端末装置130から出金予約の有効期間に関する情報の入力を受け付ける。出金予約情報や有効期間に関する情報の入力は、たとえば、現金出納システム100を運用する金融機関がインターネット上に開設した所定のWEBサイトを介しておこなうことができる。予約情報受付部811は、所定のWEBサイトにおいて出金予約情報および出金予約の有効期間に関する情報を受け付けるだけでなく、端末装置130から送信される出金予約情報および出金予約の有効期間に関する情報を受け付けてもよい。
利用者の識別情報は、口座番号に限るものでなく、預貯金口座を開設した利用者を特定する情報であればよい。利用者の識別情報は、たとえば、所定のWEBサイトにログインするために金融機関によって一意に割り当てられた利用者IDや利用者の電話番号、電子メールアドレス、端末装置130に固有の電話番号や製造番号などを示す情報であってもよい。
利用者特定部812は、予約情報受付部811が受け付けた利用者の識別情報に基づいて、利用者の口座番号を特定する。また、利用者特定部812は、車両情報取得部815が取得した車両に関する情報に基づいて、利用者の口座番号を特定する。具体的には、利用者特定部812は、車両データベース500に記憶された情報に基づいて、車両情報取得部815が取得した車両に関する情報および予約情報受付部811が受け付けた出金予約情報によって指定される利用者の口座番号を特定する。また、利用者特定部812は、認証情報受信部821が利用者の認証に関する情報を受信した場合は、認証を要求する利用者の口座番号を特定する。また、利用者特定部812は、受取情報受信部827が現金の受け取りに関する情報を受信した場合は、現金を受け取った利用者の口座番号を特定する。
予約情報登録部813は、予約情報受付部811が受け付けた出金予約情報を、利用者の口座番号および車両に関する情報に関連付けて車両データベース500に記憶する。また、予約情報登録部813は、予約情報受付部811が受け付けた出金予約の有効期間に関する情報を出金予約情報に関連付けて車両データベース500に記憶する。
記憶部814は、利用者の口座番号に、車両に関する情報を関連付けて記憶して、車両データベース500を更新する。また、記憶部814は、予約情報登録部813が受け付けた出金予約情報を利用者の口座番号および車両に関する情報を関連付けて記憶して、車両データベース500を更新する。また、記憶部814は、予約情報登録部813が受け付けた出金予約の有効期間に関する情報を出金予約情報に関連付けて記憶して、車両データベース500を更新する。また、記憶部814は、利用者の口座番号に、利用者の認証に関する情報を関連付けて記憶して、車両データベース500を更新する。
また、記憶部814は、サーバ装置110が構成する各部811〜813、815〜828から送信される各種の情報に応じて、口座情報データベースおよび車両データベース500に記憶されている各種の情報の読み出しをおこなうとともに、口座情報データベースおよび車両データベース500に記憶されている各種の情報の更新をおこなう。
車両情報取得部815は、所定の位置を通過または所定の位置に停車する車両から、車両に関する情報を取得する。車両情報取得部815は、具体的には、たとえば、カメラ208が撮像した車両のナンバープレートの画像を取得し、公知の画像認識技術により車両のナンバープレートに記載された数字列を特定することによって車両に関する情報を取得する。あるいは、車両情報取得部815は、具体的には、たとえば、ICリーダにより車両に組み込まれたICチップに記憶されている情報を読み取ることによって車両に関する情報を取得してもよい。
判断部816は、車両情報判断部817、予約情報判断部818、認証情報判断部819、有効期間判断部820を含んでいる。車両情報判断部817は、車両情報取得部815が取得した車両に関する情報が、車両データベース500に記憶されているか否かを判断する。具体的には、車両情報判断部817は、車両情報取得部815が取得した車両に関する情報に基づいて、該当するナンバーが、車両データベース500に記憶されているか否かを判断する。また、車両情報判断部817は、該当するナンバーが、車両データベース500に記憶されている場合、車両のハンドルの位置に関する情報が含まれているか否かを判断してもよい。車両のハンドルの位置に関する情報が含まれている場合は、当該車両のハンドルの位置に関する情報に基づいて、出金口のいずれか一つを特定することができる。
より具体的には、車両情報判断部817は、車両のハンドル位置に関する情報が右または左を示す場合、ハンドルの位置が右または左である車両の運転席から容易に現金を取り出せる位置に配置されている出金口を一つ特定する。また、車両情報判断部817は、車両に関する情報に車両のハンドルの位置に関する情報が含まれていない場合、ハンドルの位置が右である車両の運転席から容易に現金を取り出せる位置に配置されている出金口を一つ特定してもよい。
予約情報判断部818は、車両情報判断部817が、車両情報取得部815が取得した車両に関する情報が車両データベース500に記憶されていると判断した場合、車両に関する情報に、出金予約情報が関連付けて記憶されているか否かを判断する。具体的には、予約情報判断部818は、車両情報判断部817が、車両情報取得部815が取得した車両に関する情報に基づいて特定される車両のナンバーが、車両データベース500に記憶されていると判断した場合、当該車両に関する情報に、出金予約情報が関連付けて記憶されているか否かを判断する。
認証情報判断部819は、認証情報受信部821が受信した利用者の認証に関する情報が、車両データベース500または口座情報データベースに記憶された利用者の認証に関する情報と一致するか否かを判断する。具体的には、認証情報判断部819は、認証情報受信部821が受信した利用者の認証に関する情報が利用者のカードの暗証番号である場合には、暗証番号が一致するか否かを判断する。また、具体的には、認証情報判断部819は、認証情報受信部821が受信した利用者の認証に関する情報が利用者の生体(指紋、声紋、網膜、虹彩、耳の形、掌の皺、顔など)に関する情報である場合には、当該受信した利用者の生体に関する情報が車両データベース500または口座情報データベースに記憶された利用者の生体に関する情報と100%一致しなくても、たとえば、80%〜90%などの所定の確率が一致していれば、利用者の生体に関する情報が一致したものと判断してもよい。
また、認証情報判断部819は、車両データベース500に記憶されている出金予約情報に認証方法を指定する情報が含まれている場合、認証方法を指定する情報によって指定される利用者の認証に関する情報のみが一致するか否かを判断してもよい。具体的には、認証方法を指定する情報によって指紋による認証が指定されている状態で、認証情報受信部821が暗証番号による利用者の認証に関する情報を受信した場合、指紋による利用者の認証に関する情報のみが一致するか否かを判断して、暗証番号による利用者の認証に関する情報が一致するか否かを判断しない。また、認証情報判断部819は、認証方法を指定する情報が「認証なし」と設定されているときには、利用者の認証に関する情報が一致するか否かを判断しなくてもよい。この場合、認証情報受信部821において、利用者の認証に関する情報を受信しなくてもよい。
有効期間判断部820は、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断した場合、車両データベース500に記憶されている出金予約の有効期間に関する情報を参照して、出金予約の有効期間内に、車両情報取得部815が車両に関する情報を取得したか否かを判断する。
認証情報受信部821は、ATM120から送信される利用者の認証に関する情報を受信する。また、認証情報受信部821は、出金をおこなう際に使用する認証方法を指定する情報が「認証なし」と設定されているときには、利用者の認証に関する情報を受信しなくてもよい。
口座減額部822は、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断した場合、出金予約情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた金額を利用者の口座から減額する。また、口座減額部822は、減額後の利用者の預貯金残高に関する情報を抽出する。具体的には、口座情報データベースに記憶されている利用者の預貯金口座の残高が50万円であったときに、利用者が現金1万円の引き出しをおこなった場合、利用者の預貯金口座の残高から1万円を減額して、口座情報データベースの利用者の預貯金口座の残高を49万円に更新するとともに、49万円という減額後の利用者の預貯金口座の残高に関する情報を抽出する。
また、口座減額部822は、車両データベース500に記憶されている認証方法を指定する情報が「認証なし」と設定されており、かつ、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断した場合は、認証情報判断部819による認証をおこなわずに、出金予約情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた金額を利用者の口座から減額する。
また、口座減額部822は、認証方法を指定する情報によって認証方法が設定されているときに、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ認証情報判断部819が利用者の認証に関する情報が一致すると判断した場合、出金予約情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた金額を利用者の口座から減額する。
また、口座減額部822は、車両データベース500に出金予約の有効期間に関する情報が記憶されているときに、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ有効期間判断部820が出金予約の有効期間内に車両に関する情報を取得したと判断した場合、出金予約情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた金額を利用者の口座から減額する。
出金指示送信部824は、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断した場合、出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する。また、出金指示送信部824は、口座減額部822が抽出した減額後の利用者の預貯金残高に関する情報をATM120に送信する。
出金指示送信部824は、車両データベース500に記憶されている認証方法を指定する情報が「認証なし」と設定されているとき、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断した場合、認証情報判断部819による認証をおこなわずに、出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する。
また、出金指示送信部824は、車両データベース500に記憶されている認証方法を指定する情報によって、本人認証をおこなうことが設定されているときに、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ認証情報判断部819が利用者の認証に関する情報が一致すると判断した場合、出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する。
また、出金指示送信部824は、車両データベース500に出金予約の有効期間に関する情報が記憶されているときに、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ有効期間判断部820が出金予約の有効期間内に車両に関する情報を取得したと判断した場合、出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する。
また、出金指示送信部824は、予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ車両情報判断部817が車両データベース500に記憶されている車両に関する情報に車両のハンドルの位置に関する情報が含まれていると判断した場合、車両情報判断部817が特定した出金口に関する情報および出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する。これによって、ハンドルの位置に関係なく、利用者が運転席から出金口から出された現金を容易に手にすることができる。
開放指示送信部825は、所定の位置に車両が停車したことが検出され、かつ予約情報判断部818が車両データベース500に出金予約情報が記憶されていると判断した場合、シャッターを開放させるシャッター開放指示を送信する。また、開放指示送信部825は、受取情報受信部827が現金の受け取りに関する情報を受信した場合、シャッター開放指示を送信する。具体的には、開放指示送信部825は、シャッターを開閉させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置にシャッター開放指示を送信する。
閉鎖指示送信部826は、開放指示送信部825がシャッター開放指示を送信した後に、閉鎖スペース内に車両が検出された場合、シャッターを閉鎖させるシャッター閉鎖指示を送信する。また、閉鎖指示送信部826は、受取情報受信部827が現金の受け取りに関する情報を受信した後に、開放指示送信部825がシャッター開放指示を送信して、閉鎖スペース内に車両が検出されなくなった場合、シャッター閉鎖指示を送信する。具体的には、閉鎖指示送信部826は、シャッターを開閉させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置にシャッター閉鎖指示を送信する。受取情報受信部827は、ATM120から送信される現金の受け取りに関する情報を受信する。
移動情報送信部828は、停車パレットを移動させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に、所定の位置と閉鎖スペースとの間で停車パレットを移動させる指示を送信する。具体的には、移動情報送信部828は、閉鎖スペース内に車両が検出されず、かつ開放指示送信部825がシャッター開放指示を送信した場合、所定の位置から閉鎖スペースまで停車パレットを移動させる指示を送信する。これにより、停車パレット上に停車した車両を閉鎖スペース内に移動させることができる。
また、具体的には、移動情報送信部828は、閉鎖スペース内に車両が検出され、かつ受取情報受信部827が現金の受け取りに関する情報を受信した後に開放指示送信部825がシャッター開放指示を送信した場合、閉鎖スペースから所定の位置まで停車パレットを移動させる指示を送信する。これにより、利用者が閉鎖スペース内で現金を受け取り、シャッターが開放された後に、停車パレット上に停車した車両を閉鎖スペース外に移動させることができる。
車両データベース500において、車両のハンドルの位置に関する情報を含む車両に関する情報が記憶されている場合、車両情報判断部817は、車両のハンドルの位置に関する情報に基づいて、ATM120(あるいはATM120における出金口)の移動場所を特定してもよい。この場合、指示送信部823は、ATM120を載せた台座を移動させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に対して、車両情報判断部817が特定したATM120の移動場所に移動させる台座移動指示を送信する。これによって、車両のハンドルの位置に関する情報に応じて、利用者が乗車する車両の運転席の近くにATM120を移動させることができる。これによって、たとえば、左ハンドルの車両であっても、利用者は、容易に運転席からATM120を操作したり、運転席から現金を受け取ったりすることができる。
出金指示送信部824は、車両データベース500に記憶されている車両に関する情報に車両のハンドルの位置に関する情報が含まれており、かつ車両情報判断部817が車両に関する情報が車両データベース500に記憶されていると判断した場合、車両情報判断部817が特定した出金口に関する情報および出金指示情報をATM120に送信する。この場合、開放指示送信部825は、所定の位置に車両が停車したことが検出され、かつ車両に関する情報が車両データベース500に記憶されていると判断した場合、シャッターを開放させるシャッター開放指示を送信する。
受取情報受信部827は、ATM120から送信される現金の受け取りに関する情報を受信してもよい。現金の受け取りに関する情報は、複数の出入り口のうちの車両が閉鎖スペース外に移動するためのシャッターを特定する出口に関する情報を含んでいてもよい。この場合、開放指示送信部825は、受取情報受信部827が現金の受け取りに関する情報を受信した場合、当該シャッターを特定する出口に関する情報に対応するシャッターを開放させる指示を送信する。これによって、利用者が現金を受け取った後に、複数の出入り口のうちの車両が入った出入り口とは異なる出入り口に対応するシャッターを開放させることができる。
(サーバ装置110の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100が備えるサーバ装置110の処理手順について説明する。図9は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100が備えるサーバ装置110の処理手順を示すフローチャートである。
図9のフローチャートにおいて、まず、サーバ装置110は、所定の位置を通過または所定の位置に停車する車両から、車両に関する情報を取得したか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901において、サーバ装置110は、車両に関する情報を取得するのを待って(ステップS901:No)、車両に関する情報を取得した場合(ステップS901:Yes)、取得した車両に関する情報が、車両データベース500に記憶されているか否かを判断する(ステップS902)。ステップS902において、取得した車両に関する情報が、車両データベース500に記憶されていないと判断した場合(ステップS902:No)、以降の処理を終了する。
ステップS902において、サーバ装置110は、取得した車両に関する情報が、車両データベース500に記憶されていると判断した場合に(ステップS902:Yes)、車両に関する情報に、出金予約情報が関連付けて車両データベース500に記憶されているか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903において、サーバ装置110は、車両に関する情報に、出金予約情報が関連付けて車両データベース500に記憶されていないと判断した場合(ステップS903:No)、以降の処理を終了する。
ステップS903において、サーバ装置110は、車両に関する情報に、出金予約情報が関連付けて車両データベース500に記憶されていると判断した場合に(ステップS903:Yes)、車両データベース500に記憶されている出金予約の有効期間に関する情報を参照して、出金予約の有効期間内に車両に関する情報を取得したか否かを判断する(ステップS904)。ステップS904において、出金予約の有効期間内に車両に関する情報を取得しなかったと判断した場合に(ステップS904:No)、以降の処理を終了する。
ステップS904において、サーバ装置110は、出金予約の有効期間内に車両に関する情報を取得したと判断した場合に(ステップS904:Yes)、車両が停車パレットの上などの所定の位置に停車したことが検出されたか否かを判断する(ステップS905)。ステップS905において、車両が所定の位置に停車されたことが検出されるまで待って(ステップS905:No)、所定の位置に停車されたことが検出された場合(ステップS905:Yes)、シャッター開放指示をシャッターを開閉させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に送信する(ステップS906)。
つぎに、サーバ装置110は、閉鎖スペース内に車両が検出されていないことを確認し、停車パレットを移動させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に、所定の位置から閉鎖スペースへ停車パレットを移動させる指示を送信する(ステップS907)。サーバ装置110は、シャッター付近に車以外に何も検出されていないかを判断して(ステップS908)、車以外に何か検出した場合には何も検出されなくなるまで待って(ステップS908:No)、車以外に何も検出されていない場合(ステップS908:Yes)、シャッター閉鎖指示をシャッターを開閉させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に送信する(ステップS909)。
サーバ装置110は、ATM120を車両の運転席側に移動させる指示を、ATM120を載せている台座を移動させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に送信する(ステップS910)。これにより、ATM120が車両の運転席の近くに移動して、運転席にいる利用者から操作可能な位置に配置される。また、停車パレットが閉鎖スペース内に移動したときに、運転席から操作可能な位置にATM120が配置されていてもよい。
つぎに、サーバ装置110は、ATM120に、本人認証をおこなうための利用者の認証に関する情報を選択させる選択画面(表示画面601)を表示する指示を送信する(ステップS911)。サーバ装置110は、ATM120から送信される利用者の認証に関する情報を受信したか否かを判断する(ステップS912)。
ステップS912において、利用者の認証に関する情報を受信するまで待って(ステップS912:No)、利用者の認証に関する情報を受信した場合(ステップS912:Yes)、車両データベース500または口座データベースに記憶されている利用者の認証に関する情報と一致するか否かを判断する(ステップS913)。利用者の認証に関する情報が一致しない場合(ステップS913:No)、認証失敗情報をATM120に送信して、ステップS912へ戻る。
ステップS913において、サーバ装置110は、利用者の認証に関する情報が一致する場合(ステップS913:Yes)、ATM120に認証成功情報を送信して、口座情報データベースに記憶されている利用者の預貯金口座の残高から出金予約情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた金額を減額するとともに(ステップS914)、出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する(ステップS915)。
つぎに、サーバ装置110は、ATM120から送信される現金の受け取りに関する情報を受信したか否かを判断する(ステップS916)。現金の受け取りに関する情報を受信するまで待って(ステップS916:No)、現金の受け取りに関する情報を受信した場合(ステップS916:Yes)、シャッター開放指示をシャッターを開閉させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に送信する(ステップS917)。サーバ装置110は、所定の位置に何も検出されていないかを確認して、停車パレットを移動させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に、閉鎖スペースから所定の位置へ停車パレットを移動させる指示を送信する(ステップS918)。
つぎに、サーバ装置110は、閉鎖スペース内に車両が検出されていないことを確認する(ステップS919)。閉鎖スペース内に車両が検出されなくなるまで待って(ステップS919:No)、閉鎖スペース内に車両が検出されなくなった場合(ステップS919:Yes)、シャッター閉鎖指示をシャッターを開閉させるモータ210または当該モータ210を制御するコンピュータ装置に送信して(ステップS920)、一連の処理を終了する。
図9のステップS903において、サーバ装置110は、車両に関する情報に、出金予約情報が関連付けて車両データベース500に記憶されていないと判断した場合、ステップS905に移行して、以降の処理を継続してもよい。この場合、サーバ装置110は、ステップS912において、ATM120から送信される利用者の認証に関する情報と、出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報とを受信して(ステップS912:Yesに相当)、ステップS913において、利用者の認証に関する情報が一致すると判断した場合、ATM120に認証成功情報を送信して、口座情報データベースに記憶されている利用者の預貯金口座の残高から現金出金サービス情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた金額を減額する(ステップS914に相当)とともに、出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する(ステップS915に相当)。
(ATM120の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100が備えるATM120の処理手順について説明する。図10は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100が備えるATM120の処理手順を示すフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、まず、ATM120は、サーバ装置110から送信される認証方法の選択画面を表示する指示を受信したか否かを判断する(ステップS1001)。ATM120は、認証方法の選択画面を表示する指示を受信するのを待って(ステップS1001:No)、認証方法の選択画面を表示する指示を受信した場合に(ステップS1001:Yes)、認証方法の選択画面(表示画面601)をディスプレイ304に表示する(ステップS1002)。認証方法の選択画面において、認証情報を選択すると、表示画面602のように利用者の認証に関する情報の入力が促され、ATM120は、利用者の認証に関する情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1003)。
ステップS1003において、ATM120は、利用者の認証に関する情報の入力を待って(ステップS1003:No)、利用者の認証に関する情報の入力を受け付けた場合(ステップS1003:Yes)、受け付けた利用者の認証に関する情報をサーバ装置110に送信して、正常に認証されたか否かを判断する(ステップS1004)。具体的には、ATM120は、サーバ装置110から送信される認証成功情報を受信した場合に、正常に認証されたと判断し、認証失敗情報を受信した場合に、正常に認証されなかったと判断する。正常に認証されなかった場合に(ステップS1004:No)、ステップS1003へ戻る。
ステップS1004において、ATM120は、サーバ装置110から認証成功情報を受信した場合に(ステップS1004:Yes)、出金指示情報を受信したか否かを判断する(ステップS1005)。ATM120は、出金指示情報を受信するのを待って(ステップS1005:No)、出金指示情報を受信した場合に(ステップS1005:Yes)、出金指示情報に含まれる出金金額に関する情報に応じた現金をATM120の金庫から出金口に移動させ(ステップS1006)、出金口の扉を開く(ステップS1007)。
つぎに、ATM120は、出金口から出金した現金の受け取りを検出したか否かを判断する(ステップS1008)。現金の受け取りを検出するのを待って(ステップS1008:No)、現金の受け取りを検出した場合に(ステップS1008:Yes)、現金の受取に関する情報をサーバ装置110に送信して(ステップS1009)、出金口の扉を閉じて、一連の処理を終了する。
ステップS1001において、認証方法の選択画面を表示する指示を受信し、ステップS1002において、認証方法の選択画面を表示した後に、ステップS1003において、利用者の認証に関する情報の入力を受け付けているが、これには限定されず、たとえば、認証方法の選択画面を表示する指示を受信しなくても、利用者の認証に関する情報の入力を受け付けてもよい。
車両データベース500に記憶されている出金予約情報に含まれている出金をおこなう際に使用する認証方法を指定する情報が「認証なし」に設定されているときには、ステップS1001〜ステップS1004のATM120の処理は不要となり、ATM120は、ステップS1005から処理を開始する。これによって、利用者は、本人認証をおこなわずに、現金を受け取ることができる。ステップS1003において、ATM120は、利用者の認証に関する情報の入力を受け付けた後に、ステップS1004において、認証成功情報を受信せずに、ステップS1005において、出金指示情報を受信してもよい。
なお、ステップS1003において、ATM120は、利用者の認証に関する情報の入力だけでなく、利用者が所持する口座に対する出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報の入力を受け付けてもよい。具体的には、ATM120は、表示画面に現金の引き出し、振り込み、振替などを特定できる情報を表示して、出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報の入力を受け付ける。この場合、ATM120は、受け付けた利用者の認証に関する情報と、出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報とをサーバ装置110に送信する。
(端末装置130の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100が備える端末装置130の処理手順について説明する。図11は、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100が備える利用者の端末装置130の処理手順を示すフローチャートである。
図11のフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置130から、利用者を特定するログインIDやカード情報などの利用者の識別情報の入力を受け付けたか否かを判断する。(ステップS1101)。利用者の端末装置130から、利用者の識別情報の入力を受け付けるのを待って(ステップS1101:No)、利用者の識別情報の入力を受け付けた場合(ステップS1101:Yes)、利用者の識別情報を送信して、現金出納システム100を運用する金融機関がインターネット上に開設した所定のWEBサイトにアクセスする。サーバ装置110において、端末装置130が送信した利用者の識別情報に基づいて、利用者が特定されると、端末装置130は、所定のWEBサイトのサービスが利用可能となる(表示画面701)。
端末装置130は、「出金予約を登録する」キーを選択する入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS1102)。端末装置130から「出金予約を登録する」キーが選択されるのを待って(ステップS1102:No)、端末装置130から「出金予約を登録する」キーが選択された場合(ステップS1102:Yes)、端末装置130は、出金予約情報を入力するための入力画面(表示画面702)をディスプレイ406に表示する(ステップS1103)。
つぎに、端末装置130は、出金金額に関する情報、出金予約の有効期間に関する情報、本人認証をおこなう認証方法に関する情報などの入力を受け付ける(ステップS1104)。端末装置130は、「登録」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1105)。「登録」キーが操作されるのを待って(ステップS1105:No)、端末装置130から「登録」キーが操作された場合(ステップS1105:Yes)、出金金額に関する情報を含む出金予約情報、出金予約の有効期間に関する情報、本人認証をおこなう認証方法に関する情報などをサーバ装置110に送信して(ステップS1106)、一連の処理を終了する。
ステップS1104において、出金予約の有効期間に関する情報の入力がされなかった場合に、出金予約の有効期間なしとしてもよく、システム所定の有効期間としてもよい。また、ステップS1104において、本人認証をおこなう認証方法に関する情報を指定しなかった場合に、利用者が出金時にATM120から認証方法に関する情報を選択できるようにしてもよい。
金融機関において、所定のWEBサイトを利用するための利用者IDおよび当該利用者IDに対応するパスワードが設定されている場合には、ステップS1101において、端末装置130は、利用者IDおよびパスワードの入力を受け付けてもよい。この場合、ステップS1102において、端末装置130が送信した利用者IDおよびパスワードがサーバ装置110において正しく認証されたときに、利用者が特定されて、端末装置130は、サーバ装置110から送信された認証成功情報を受信して、所定のWEBサイトのサービスが利用可能となる。
以上において、車両は、自動車であることを前提に説明したが、車両は、自動車だけでなく、オートバイ、原動機付き自転車などでもよい。この場合、オートバイ、原動機付き自転車の後部に設置されたナンバープレートが撮像される。また、車両は、車両に関する情報が記憶されたICチップが組み込まれたオートバイ、原動機付き自転車、自転車などの軽車両、歩行補助車、車椅子、乳母車などの小児用の車であってもよい。さらに、車両の代わりに、車両に関する情報が記憶されたICチップが組み込まれた腕時計、リストバンドやネックレスなどの装飾品や装身具、携帯電話やスマートフォンなどの端末装置、衣服などを着用または所持した人間でもよく、当該ICチップが組み込まれた人体でもよい。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、金融機関の現金出納サービスを提供する現金取引装置(ATM120)と、当該ATM120と通信可能なサーバ装置110と、を備えた現金出納システムであって、サーバ装置110が、利用者が所持する口座の口座番号ごとに、車両に関する情報を関連付けて記憶する車両データベース500と、利用者の端末装置から、利用者の口座番号および口座からの出金をおこなう出金金額に関する情報を含む出金予約情報の入力を受け付ける予約情報受付部811と、予約情報受付部811が受け付けた出金予約情報を、利用者の口座番号および車両に関する情報に関連付けて車両データベース500に記憶する予約情報登録部813と、所定の位置を通過または所定の位置に停車する車両から、当該車両に関する情報を取得する車両情報取得部815と、車両情報取得部815が取得した車両に関する情報が、車両データベース500に記憶されているか否かを判断する車両情報判断部817と、車両情報判断部817が車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、車両に関する情報に、出金予約情報が関連付けて車両データベース500に記憶されているか否かを判断する予約情報判断部818と、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断した場合、出金金額に関する情報に応じた金額を利用者の口座から減額する口座減額部822と、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断した場合、出金金額に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信する出金指示送信部824と、を備えている。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、ATM120が、サーバ装置110から送信される出金指示情報を受信する出金指示受信部803と、出金指示受信部803が出金指示情報を受信した場合、出金金額に関する情報に応じた現金を出金口から出金する出金指示実行部804と、を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、現金の引き出しに車で行く際に、車から降りずにドライブスルー感覚で自身の口座から現金の引き出しをおこなうことができる。これにより、車での移動をともなっておこなう現金取引装置からの現金の引き出しをおこなう利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、車両に関する情報が事前に登録されているので、現金取引装置にカードを挿入することなく現金の引き出しをおこなうことができる。すなわち、利用者は、あらかじめ出金予約をしておくことで、カードを持って行くことなく、現金の引き出しをおこなうことができる。これにより、カードが紛失するリスクを軽減することができる。また、あらかじめ出金予約をしておくことで、ATM120の前では、本人認証の必要がないのみならず、ATM120の操作をせずに、予約した出金金額に応じた現金を受け取ることができる。これにより、車での移動をともなっておこなう現金取引装置からの現金の引き出しをおこなう利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、現金を引き出す利用者は、第三者と接触することなく車両に乗ったまま現金を引き出すことができる。これにより、現金取引装置からの現金の引き出しをおこなう際に、引き出した現金を奪われる機会を減らし、防犯性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、車を運転することができない(もしくは運転免許を持っていない)利用者であっても、当該利用者以外の第三者であって車を運転することができる第三者が利用する車を登録しておくことで、当該第三者に現金の受け取りをおこなわせることができる。これにより、車を運転できる、第三者に暗証番号などを教えることなく、現金の引き出しを依頼することもできる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、車両データベース500が、口座番号に利用者の生体に関する情報および口座の暗証番号に関する情報の少なくともいずれか一つを含む利用者の認証に関する情報を関連付けて記憶し、ATM120が、利用者の認証に関する情報の少なくともいずれか一つの入力を受け付ける認証情報受付部801と、認証情報受付部801が受け付けた利用者の認証に関する情報をサーバ装置110に送信する認証情報送信部802と、を備え、サーバ装置110が、ATM120から送信される利用者の認証に関する情報を受信する認証情報受信部821と、認証情報受信部821が受信した利用者の認証に関する情報が、車両データベース500に記憶された利用者の認証に関する情報と一致するか否かを判断する認証情報判断部819と、を備え、口座減額部822が、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ認証情報判断部819が利用者の認証に関する情報が一致すると判断した場合、出金金額に関する情報に応じた金額を利用者の口座から減額し、出金指示送信部824が、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ認証情報判断部819が利用者の認証に関する情報が一致すると判断した場合、出金指示情報をATM120に送信することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、利用者の車両のナンバープレートの番号など車両に関する情報を用いて利用者を特定することに加えて、当該車両に乗車する利用者の指紋や声紋などの生体情報や暗証番号を用いた認証をおこなうことにより、利用者の車両やナンバープレートが盗難もしくは偽装されたとしても、利用者本人のなりすましを防止し、セキュリティ性を上げることができる。
利用者の指紋を用いた認証は、指紋リーダ309に利用者の手指をかざすだけでおこなうことができ、利用者の声紋を用いた認証は、マイク311に向かって発声するだけでおこなうことができる。このように、生体情報を用いた認証は、認証にかかる情報を複数のキーを操作して入力する場合と比較して、認証に用いる情報(生体情報)の入力にかかる利用者の負担を抑えることができる。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、車両に乗車する利用者の指紋や声紋などの生体情報を用いた認証をおこなうことにより、車での移動をともなっておこなう現金取引装置からの現金の引き出しに際しての高いセキュリティ性を確保するとともに、認証にかかる利用者の負担を抑えることができるので、現金の引き出しをおこなう利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、予約情報受付部811が、端末装置から出金予約の有効期間に関する情報の入力を受け付け、予約情報登録部813が、予約情報受付部811が受け付けた出金予約の有効期間に関する情報を出金予約情報に関連付けて車両データベース500に記憶し、サーバ装置110が、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断した場合、車両データベース500に記憶されている出金予約の有効期間に関する情報を参照して、出金予約の有効期間内に、車両情報取得部815が車両に関する情報を取得したか否かを判断する有効期間判断部820を備え、口座減額部822が、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ有効期間判断部820が出金予約の有効期間内に車両に関する情報を取得したと判断した場合、出金金額に関する情報に応じた金額を利用者の口座から減額し、出金指示送信部824が、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断し、かつ有効期間判断部820が出金予約の有効期間内に車両に関する情報を取得したと判断した場合、出金指示情報をATM120に送信することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、出金予約の有効期間を定めることで、有効期間を過ぎた出金予約に対する出金を防止し、車を利用者以外が運転するときなどに利用者以外の他人による出金を防止することができるので、セキュリティ性を高めることができる。たとえば、利用者が本日中の有効期間の出金をおこなう出金予約をした場合に、本日のつぎの日以降の出金を受け付けないので、つぎの日に利用者以外の他人が車を運転する場合であっても、他人による出金を防止することができるので、セキュリティ性を上げることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、車両に関する情報が、車両のハンドルの位置に関する情報を含み、出金口が、車両が通過または停車する所定の位置の両側に少なくとも一つずつ設けられ、車両情報判断部817が、車両のハンドルの位置に関する情報に基づいて、出金口のいずれか一つを特定し、出金指示送信部824が、予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断した場合、車両情報判断部817が特定した出金口に関する情報を含む出金指示情報をATM120に送信し、出金指示実行部804が、現金を出金口に関する情報に応じた出金口から出金することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、利用者の運転する車両のハンドルの位置に応じた出金口から現金を出金させることができる。これによって、たとえば、左ハンドルの車両の利用者がシートベルトを外さずに運転席に座ったままで容易に現金を受け取ることができる。これにより、車での移動をともなっておこなう現金取引装置からの現金の引き出しをおこなう利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、ATM120が、開閉可能なシャッターで閉鎖される閉鎖スペース内に配置されており、サーバ装置110が、所定の位置に停車したことが検出され、かつ予約情報判断部818が出金予約情報が記憶されていると判断した場合、シャッターを開放させるシャッター開放指示を送信する開放指示送信部825と、開放指示送信部825がシャッター開放指示を送信した後に、閉鎖スペース内に車両が検出された場合、シャッターを閉鎖させるシャッター閉鎖指示を送信する閉鎖指示送信部826と、を備え、ATM120が、出金指示実行部804が出金口から出金した現金の受け取りを検出する受取検出部805と、受取検出部805が現金の受け取りを検出した場合、現金の受け取りに関する情報をサーバ装置110に送信する受取情報送信部806と、を備え、サーバ装置110が、さらに、ATM120から送信される現金の受け取りに関する情報を受信する受取情報受信部827を備え、開放指示送信部825が、受取情報受信部827が現金の受け取りに関する情報を受信した場合、シャッター開放指示を送信することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、開閉可能なシャッターで閉鎖される閉鎖スペース内に現金取引装置を配置することにより、シャッターで閉鎖された領域内で利用者が現金を受け取ることができる。これにより、引き出した現金を奪われる機会を減らし、セキュリティ性の向上を図ることができる。また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、出金予約をおこなうことによって閉鎖スペースに入る車両に対して時間的な制限を設けることにより、セキュリティ性を上げることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100は、サーバ装置110が、所定の位置と閉鎖スペースとの間で停車パレットを移動させる指示を送信する移動情報送信部828を備え、移動情報送信部828が、閉鎖スペース内に車両が検出されず、かつ開放指示送信部825がシャッター開放指示を送信した場合、所定の位置から閉鎖スペースまで停車パレットを移動させる指示を送信し、閉鎖スペース内に車両が検出され、かつ受取情報受信部827が現金の受け取りに関する情報を受信した後に開放指示送信部825がシャッター開放指示を送信した場合、閉鎖スペースから所定の位置まで停車パレットを移動させる指示を送信することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の現金出納システム100によれば、所定の位置に車を停車させるだけで、以降は車を自走させることなく、所定の位置に停車させた車を停車パレットを用いて閉鎖スペースまで移動させ、利用者の車を、当該車に乗車する利用者が現金の受け取りが可能な位置まで移動させることができる。これにより、限られた閉鎖スペースにおいて現金の受け取りをおこなわせる場合にも、利用者に対して、閉鎖スペースに車を入れるための車両の切り返しなどの煩雑な作業をおこなわせることをなくし、車での移動をともなっておこなう現金取引装置からの現金の引き出しをおこなう利用者の利便性の向上を図ることができる。また、この発明に実施の形態の現金出納システム100によれば、利用者は、所定の位置に車を停車させるだけで、以降は車を自走させずに、利用者の車両を閉鎖スペースまで停車パレットを用いて移動するので、閉鎖スペース内にある現金取引装置の出金口から現金を受け取ることができる。
なお、以上において、この発明にかかる現金出納システム100は、サーバ装置110が利用者の端末装置130から出金予約情報の入力を受け付けることを前提に説明したが、たとえば、上述した実施の形態の現金出納システム100に代えて、サーバ装置110が利用者の端末装置130から出金予約情報の入力を受け付けない場合、すなわち、車両データベース500に出金予約情報が記憶されていない場合であっても、利用者が現金の引き出しなどの現金出金サービスを利用出来るようにしてもよい。
具体的には、上述した実施の形態の現金出納システム100に代えて、金融機関の現金出納サービスを提供する現金取引装置と、当該現金取引装置と通信可能なサーバ装置と、を備えた現金出納システムであって、前記サーバ装置は、利用者が所持する口座の口座番号ごとに、車両に関する情報を関連付けて記憶するデータベースと、所定の位置を通過または前記所定の位置に停車する車両から、当該車両に関する情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段が取得した前記車両に関する情報が、前記データベースに記憶されているか否かを判断する車両情報判断手段と、前記現金取引装置から送信される前記利用者が所持する口座に対する出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報を受信する認証情報受信手段と、前記車両情報判断手段が前記車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、前記認証情報受信手段が受信した前記現金出金サービスに関する情報に含まれる前記出金金額に関する情報に応じた金額を前記利用者の口座から減額する口座減額手段と、前記車両情報判断手段が前記車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、前記出金金額に関する情報を含む出金指示情報を前記現金取引装置に送信する出金指示送信手段と、を備え、前記現金取引装置は、前記出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、前記認証情報受付手段が受け付けた前記現金出金サービスに関する情報を前記サーバ装置に送信する認証情報送信手段と、前記サーバ装置から送信される前記出金指示情報を受信する出金指示受信手段と、前記出金指示受信手段が前記出金指示情報を受信した場合、前記出金金額に関する情報に応じた現金を出金口から出金する出金指示実行手段と、を備えたことを特徴とする現金出納システムを構成してもよい。
この現金出納システム100によれば、現金の引き出しに車で行く際に、車から降りずにドライブスルー感覚でATM120を操作することによって自身の口座から現金の引き出しをおこなうことができる。これにより、車での移動をともなっておこなう現金取引装置からの現金の引き出しをおこなう利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、この現金出納システム100によれば、車両に関する情報が事前に登録されているので、現金取引装置にカードを挿入することなく現金の引き出しをおこなうことができる。すなわち、利用者は、カードを持って行くことなく、現金の引き出しをおこなうことができる。これにより、カードが紛失するリスクを軽減することができる。
また、具体的には、上述した実施の形態の現金出納システム100に代えて、金融機関の現金出納サービスを提供する現金取引装置と、当該現金取引装置と通信可能なサーバ装置と、を備えた現金出納システムであって、前記サーバ装置は、利用者が所持する口座の口座番号ごとに、車両のハンドルの位置に関する情報を含む車両に関する情報を関連付けて記憶するデータベースと、所定の位置を通過または前記所定の位置に停車する車両から、当該車両に関する情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段が取得した前記車両に関する情報が、前記データベースに記憶されているか否かを判断するとともに、前記車両のハンドルの位置に関する情報に基づいて、複数の出金口のうちのいずれか一つを特定する車両情報判断手段と、前記現金取引装置から送信される前記利用者が所持する口座に対する出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報を受信する認証情報受信手段と、前記車両情報判断手段が前記車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、前記認証情報受信手段が受信した前記現金出金サービスに関する情報に含まれる前記出金金額に関する情報に応じた金額を前記利用者の口座から減額する口座減額手段と、前記車両情報判断手段が前記車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、前記出金金額に関する情報および前記車両情報判断手段が特定した前記出金口に関する情報を含む出金指示情報を前記現金取引装置に送信する出金指示送信手段と、を備え、前記現金取引装置は、前記車両が通過または停車する前記所定の位置の両側に少なくとも一つずつ設けられた出金口と、前記出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、前記認証情報受付手段が受け付けた前記現金出金サービスに関する情報を前記サーバ装置に送信する認証情報送信手段と、前記サーバ装置から送信される前記出金指示情報を受信する出金指示受信手段と、前記出金指示受信手段が前記出金指示情報を受信した場合、前記出金金額に関する情報に応じた現金を前記出金口に関する情報に応じた出金口から出金する出金指示実行手段と、を備えたことを特徴とする現金出納システムを構成してもよい。
この現金出納システム100によれば、車両が通過または停車する所定の位置の両側に、出金口が少なくとも一つずつ設けられ、車両に関する情報に含まれる車両のハンドルの位置に関する情報に基づいて、複数の出金口のうちのいずれか一つの出金口が特定される。これによって、利用者の運転する車両のハンドルの位置に応じた出金口から現金を出金させることができる。たとえば、左ハンドルの車両の利用者がシートベルトを外さずに運転席に座ったままで容易に現金を受け取ることができる。これにより、車での移動をともなっておこなう現金取引装置からの現金の引き出しをおこなう利用者の利便性の向上を図ることができる。
また、具体的には、上述した実施の形態の現金出納システム100に代えて、金融機関の現金出納サービスを提供する現金取引装置と、当該現金取引装置と通信可能なサーバ装置と、を備えた現金出納システムであって、前記サーバ装置は、利用者が所持する口座の口座番号ごとに、車両に関する情報を関連付けて記憶するデータベースと、所定の位置を通過または前記所定の位置に停車する車両から、当該車両に関する情報を取得する車両情報取得手段と、前記車両情報取得手段が取得した前記車両に関する情報が、前記データベースに記憶されているか否かを判断する車両情報判断手段と、前記所定の位置に停車したことが検出され、かつ前記車両情報判断手段が前記車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、閉鎖スペースの内側と外側を区切る、開閉可能なシャッターを開放させるシャッター開放指示を送信する開放指示送信手段と、前記開放指示送信手段が前記シャッター開放指示を送信した後に、前記閉鎖スペース内に前記車両が検出された場合、前記シャッターを閉鎖させるシャッター閉鎖指示を送信する閉鎖指示送信手段と、前記現金取引装置から送信される前記利用者が所持する口座に対する出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報を受信する認証情報受信手段と、前記車両情報判断手段が前記車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、前記認証情報受信手段が受信した前記現金出金サービスに関する情報に含まれる前記出金金額に関する情報に応じた金額を前記利用者の口座から減額する口座減額手段と、前記車両情報判断手段が前記車両に関する情報が記憶されていると判断した場合、前記出金金額に関する情報を含む出金指示情報を前記現金取引装置に送信する出金指示送信手段と、前記現金取引装置から送信される現金の受け取りに関する情報を受信する受取情報受信手段と、を備え、前記現金取引装置は、前記シャッターで閉鎖される閉鎖スペース内に配置されており、前記出金金額に関する情報を含む現金出金サービスに関する情報の入力を受け付ける認証情報受付手段と、前記認証情報受付手段が受け付けた前記現金出金サービスに関する情報を前記サーバ装置に送信する認証情報送信手段と、前記サーバ装置から送信される前記出金指示情報を受信する出金指示受信手段と、前記出金指示受信手段が前記出金指示情報を受信した場合、前記出金金額に関する情報に応じた現金を出金口から出金する出金指示実行手段と、前記出金指示実行手段が前記出金口から出金した前記現金の受け取りを検出する受取検出手段と、前記受取検出手段が前記現金の受け取りを検出した場合、前記現金の受け取りに関する情報を前記サーバ装置に送信する受取情報送信手段と、を備え、前記開放指示送信手段は、前記受取情報受信手段が前記現金の受け取りに関する情報を受信した場合、前記シャッター開放指示を送信することを特徴とする現金出納システムを構成してもよい。
この現金出納システム100によれば、開閉可能なシャッターで閉鎖される閉鎖スペース内に現金取引装置を配置することにより、シャッターで閉鎖された領域内で利用者が現金を受け取ることができる。これにより、引き出した現金を奪われる機会を減らし、セキュリティ性の向上を図ることができる。