JP6317102B2 - 熱拡散性フィルムおよび電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器の筺体に貼付して用いられる熱拡散性フィルムに関する。また、筺体に熱拡散性フィルムが貼付された電子機器に関する。
コンピューター、タブレット、スマートフォンなどの電子機器では、使用中に、電子機器内部の部品(半導体チップなど)が発熱して、発熱した該部品近辺の温度が局所的に上がることある。電子機器の温度上昇を抑えるため、放熱部材や熱を拡散させるシートが用いられることがある。
また、発熱する電子部品に直接取り付けて熱を放熱部材や筺体などに伝える熱拡散シートが知られている(特許文献1)。しかし、この熱拡散シートは、発熱部の熱を熱拡散シートの厚さ方向に熱伝導させるシートであり、反射によって熱を電子機器全体に拡散させるものではない。
また、例えば、太陽光などの外部からの光線や熱を遮蔽して機器内部の熱を制御する熱遮蔽用フィルムが知られている(特許文献2)。しかし、このフィルムは、外部からの光線や熱に起因する機器内部の温度上昇を抑えるものであり、機器内部の発熱した電子部品に起因する熱を拡散させるものではない。
特開2010−10599号公報 特開2012−219168号公報
外部から熱の透過の抑制や、シート内部の熱伝導だけでは、熱が十分に拡散せず電子機器等の温度上昇を抑えることができない場合があった。特に近年、電子機器の小型化、薄型化が進み、発熱した電子部品の熱が電子機器内部で拡散しにくくなり、発熱した電子部品周辺で局所的に温度が高くなって電子機器の性能が低下したり、発熱した電子部品周辺の筺体の表面温度が局所的に高くなって電子機器を使用する際に低温やけどをおこしたりするなどの問題が発生する場合があった。即ち、発熱した電子部品の熱を、電子機器の内部全体に効率よく拡散させる性質(熱拡散性)を有するシートは知られていないのが現状である。
従って、本発明の目的は、熱拡散性に優れた熱拡散性フィルムを提供することにある。
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、特定の放射率を有する層を含むことで、優れた熱拡散性が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、放射率が0.5未満である層Aを有し、電子機器の筺体に貼付して用いられることを特徴とする熱拡散性フィルムを提供する。
上記層Aが、金属層及び熱透過性層を有する積層体であることが好ましい。
上記熱透過性層の熱透過率が60%以上であることが好ましい。
上記層Aが、表面に凹凸構造を有する層であることが好ましい。
上記熱拡散性フィルムは、さらに、伝熱層及び/又は断熱層を有することが好ましい。
上記熱拡散性フィルムは、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であることが好ましい。
上記伝熱層が熱伝導性粒子を含有する層であることが好ましい。
上記伝熱層の熱伝導率が20W/m・K以上であることが好ましい。
上記断熱層が発泡体であることが好ましい。
また、本発明は、筺体に上記熱拡散性フィルムが貼付された電子機器を提供する。
本発明の熱拡散性フィルムは、上記構成を有するので、熱拡散性に優れる。
図1は、金属層上の全面に熱透過性層が設けられている層Aを有する熱拡散性フィルムの一例を示す概略図(断面図)である。 図2は、金属層上に熱透過性層の部分と電気絶縁性層の部分とを有する層Aを有する熱拡散性フィルムの一例を示す概略図(断面図)である。 図3は、熱拡散性フィルムを電子機器の筐体の内側表面に貼り付けて温度上昇率を評価する方法の説明図の概略図(斜視図)である。 図4は、熱拡散性フィルムを電子機器の筐体の内側表面に貼り付けて温度上昇率を評価する方法の説明図の概略図(図3のX−X断面図)である。 図5は、熱拡散性フィルムを電子機器の筐体の内側表面に貼り付けて熱拡散性を評価する方法の説明図の概略図(底面図)である。 図6は、実施例の熱拡散性の評価結果を示すグラフである。
[熱拡散性フィルム]
本発明の熱拡散性フィルムは、放射率が0.5未満である層(「層A」と称する場合がある)を少なくとも1層有する。本発明の熱拡散性フィルムは、さらに伝熱層及び/又は断熱層を有していてもよい。すなわち、本発明の熱拡散性フィルムは、層Aのみから構成される単層フィルムであってもよいし、層Aと、伝熱層及び/又は断熱層とを有する積層フィルムであってもよい。
上記積層フィルムの構成としては、特に限定されないが、層Aが表層(発熱する電子部品を有する電子機器の筐体内部表面に本発明の熱拡散性フィルムを貼り合わせる際に、筺体内部表面側でなく、発熱する電子部品側になる層)を形成することが好ましく、例えば、層A/伝熱層、層A/断熱層、層A/伝熱層/断熱層、層A/断熱層/伝熱層などの構成が挙げられる。なお、上記積層フィルムには、本願発明の効果を損なわない範囲で、他の層を有していてもよい。
本発明の熱拡散性フィルムにおける「フィルム」とは、「テープ」「シート」「フィルム」の形状を含む概念である。また、本発明の熱拡散性フィルムは、その使用目的に応じた形状に加工(例えば、打ち抜き加工、切断加工など)されていてもよい。
(層A)
層Aは、放射率が0.5未満である層であれば特に制限されないが、少なくとも金属層を有する層であることが好ましく、少なくとも金属層と熱透過性層を有する積層体であることがより好ましい。層Aは、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに粘着剤層などの層を有していてもよい。中でも、一層熱拡散性に優れるという観点から、層Aは、金属層と熱透過性層との積層体であることが好ましい。
上記金属層を形成するための金属材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、鉄、チタン、白金、ニッケル、インジウムなどの金属単体;金合金(例えば、金−銅合金など)、銅合金(例えば、銅−亜鉛合金(黄銅、真鍮)、銅−アルミニウム合金など)、アルミニウム合金(例えば、アルミニウム−モリブデン合金、アルミニウム−タンタル合金、アルミニウム−コバルト合金、アルミニウム−クロム合金、アルミニウム−チタン合金、アルミニウム−白金合金など)、ニッケル合金(例えば、ニッケル−クロム合金、銅−ニッケル合金、亜鉛−ニッケル合金など)、ステンレス、マグネシウム合金等の合金;ITO(酸化インジウムスズ)などが挙げられる。中でも、コストや放射率の観点から、アルミニウム、銅、黄銅が好ましい。金属層を形成するための金属材料は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記金属層を形成するための上記金属材料には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに上記金属単体及び上記合金以外の材料(例えば、ケイ素、金属類(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アルミニウム、インジウム、スズなど)の酸化物、金属類の水酸化物、金属類のハロゲン化物(塩化物など)、金属類のオキソ酸塩(硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩など)など)が含まれていてもよい。
上記金属層には、コストの観点から、炭素単体からなる材料(例えば、黒鉛や石墨等のグラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、など)が含まれないことが好ましい。特に、グラファイトシート(例えば、黒鉛粉末をバインダー樹脂と混合してシート状にしたもの、膨張黒鉛等を圧延してシート状にしたものなど)は、コストが高い点や、材質が脆く剥がれ落ちたグラファイトにより電子部品中の電気回線が短絡する場合がある点から、上記金属層はグラファイトシートでないことが好ましい。なお、炭素を構成成分に含む合金は、炭素単体からなる材料に含まれない。
上記金属層は、特に限定されないが、例えば、金属箔層、金属蒸着層などのいずれの形態を有していてもよい。上記金属層が金属箔層である場合、例えば、熱透過性層に金属箔(例えば、アルミニウム箔、銅箔など)を、粘着剤層を介して積層するなどにより形成することができる。また、金属蒸着層である場合、例えば、熱透過性層の表面に上記金属材料(例えば、アルミニウム、銅、黄銅など)を蒸着させることなどにより形成することができる。
上記金属層の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜500μmが好ましく、より好ましくは50〜300μm、さらに好ましくは80〜200μmである。厚さが1μm以上であることにより、金属層に割けが生じるなどの不都合が起きにくい。厚さが500μm以下であることにより、低重量が期待できる。
上記金属層の放射率は、特に限定されないが、例えば、0.5未満(例えば、0以上0.5未満)であることが好ましい。上限値としては、例えば、0.45が好ましく、より好ましくは0.4である。下限値としては、例えば、0.01が好ましく、より好ましくは0.03、さらに好ましくは0.05である。金属層の放射率が0.5未満であることにより、熱を一層効率よく反射させることができる。なお本明細書において、放射率とは、JIS A1423に準拠して測定したものをいう。
上記金属層の熱伝導率は、特に限定されないが、熱拡散の観点から、例えば、100〜420W/m・Kが好ましく、より好ましくは350〜420W/m・Kである。なお本明細書において、熱伝導率とは、JIS A1412−1に準拠して測定したものをいう。
上記熱透過性層は、入射した電磁波(例えば、赤外線、可視光線など)を透過する性質(熱透過性)を有する層である。即ち、入射した熱エネルギーを透過する性質を有する層である。上記熱透過性層は、特に限定されないが、例えば、熱透過性に優れるという観点から、ポリオレフィン系ポリマーを含む組成物より形成されることが好ましい。
上記ポリオレフィン系ポリマーは、ポリマーを構成するモノマー成分として、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなど)を含むポリマーである。
上記ポリオレフィン系ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体など)、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のエチレン系ポリマー;ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのプロピレン系ポリマー;ポリブテン−1などのポリブテン系ポリマー;ポリ−4−メチルペンテン−1などが挙げられる。中でも、コスト、熱透過性、電気絶縁性、柔軟性の観点から、ポリプロピレンが好ましい。上記ポリオレフィン系ポリマーは、単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。なお、ポリオレフィン系ポリマーが共重合体である場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれの形態の共重合体であってもよい。
なお、ポリエステル系ポリマーは、熱吸収率が高く、効率よく熱を透過しないため、熱透過性層を構成するポリマーとして好ましくない。また、熱拡散性層に電気絶縁性を付与する観点から、上記熱透過性層は、導電性物質(例えば、金属成分、電気伝導性を有する高分子など)を含まないことが好ましい。すなわち、上記熱透過性層は、電気絶縁性を有することが好ましい。
上記熱透過性層の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系ポリマーを含む組成物を溶融成膜法(Tダイ法、インフレーション法など)によってフィルム状にする方法などが挙げられる。
上記熱透過性層の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜100μmが好ましい。その下限は、より好ましくは3μm、さらに好ましくは5μmである。また、上限は、より好ましくは50μm、さらに好ましくは30μmである。厚さが100μm以下であることにより、熱透過性に優れるだけでなく低重量が期待できる。また、厚さが20μm以上であることにより、金属層の腐食防止効果に優れ、熱拡散性フィルムの電気絶縁性を付与できる。
上記金属層の厚さと上記熱透過性層の厚さの比率は、特に限定されないが、一層熱拡散性に優れる観点から、上記熱透過性層の厚さが、上記金属層の厚さ(100%)に対し、5〜50%であることが好ましく、より好ましくは5〜10%である。
上記熱透過性層の熱透過率は、特に限定されないが、例えば、60%以上(例えば、60〜95%)が好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。熱透過率が60%以上であることにより、発熱源から放射される電磁波(赤外線など)が熱透過性層を一層透過しやすくなり、且つ金属層で反射した電磁波が熱透過性層を透過しやすくなる。なお本明細書において、熱透過率は以下の計算式により求められる値をいう。
(熱透過率)=1−(放射率)
なお、放射率は、JIS A1423に準拠して測定したものをいう。
上記金属層の放射率に対する上記熱透過性層の熱透過率(上記熱透過性層の熱透過率/上記金属層の放射率)は、特に限定されないが、一層熱の反射効率が向上する観点から、2〜180であることが好ましく、より好ましくは80〜180である。
上記熱透過性層の熱吸収率は、特に限定されないが、例えば、30%以下(例えば0〜30%)が好ましく、より好ましくは5%以下(例えば、0〜5%)である。熱吸収率が30%以下であることにより、入射した電磁波が熱透過性層内に吸収されにくく、熱透過性に優れる。なお本明細書において、熱吸収率とは、JIS A1423に準拠して測定したものをいう。
上記熱透過性層の熱伝導率は、特に限定されないが、例えば、20W/m・K以上が好ましく、より好ましくは200W/m・K以上である。
層Aにおける上記粘着剤層としては、例えば、上記金属層と上記熱透過性層とを貼り合わせる際に用いられる粘着剤層が挙げられる。層Aにおける上記粘着剤層を構成する粘着剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜選択でき、例えば、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(アクリルウレタン系粘着剤)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤を用いることができる。上記粘着剤は、単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。
層Aにおいて、上記熱透過性層は、上記金属層上の全面(例えば、金属層の平面、裏面などのうち、一の表面の全面)に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。例えば、上記金属層上の全面に上記熱透過性層が設けられている場合(特に、金属層の表面のうち、発熱する電子部品を有する電子機器の筐体内部表面に本発明の熱拡散性フィルムを貼り合わせる際に、発熱する電子部品側となる表面の全面に上記熱透過性層が設けられている場合)は、熱拡散性に優れる。上記熱透過性層が、上記金属層上の一部に設けられている場合は、電気絶縁性の観点から、上記金属層上の上記熱透過性層が設けられていない部分には、電気絶縁性を有する層(「電気絶縁性層」と称する場合がある)が設けられていることが好ましい。この場合、上記金属層は、上記熱透過性層の部分と上記電気絶縁性層の部分とで、全面が覆われていることが好ましい。即ち、層Aは、図1に示すように、金属層1上の全面に熱透過性層2が設けられていてもよいし、図2に示すように、金属層1上に熱透過性層の部分21と電気絶縁性層の部分3とが設けられていてもよい。なお、図1及び図2は、層Aのみからなる単層の熱拡散性フィルムの例でもある。
なお、上記金属層は、金属層の平面、裏面、側面の全ての表面の全面上に、上記熱透過性層及び上記電気絶縁性層が設けられていてもよい。
上記電気絶縁性層は、上記熱透過性層とは異なる電気絶縁性を有する層である。上記電気絶縁性層としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1のポリマーを含む組成物から形成された層が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系ポリマーなどの安価で電気絶縁性を有するものからなる層が好ましい。
上記電気絶縁性層(上記電気絶縁層の部分)の熱吸収率は、特に限定されないが、例えば、0〜30%が好ましい。その上限は、より好ましくは10%であり、より好ましくは5%である。即ち、上記電気絶縁性層は、前記絶縁性を有し、且つ熱吸収性を有する熱吸収性層であることが好ましい。上記電気絶縁性層の熱吸収率が30%以下であることにより、例えば、温度が上がりやすい環境にある部分(例えば、発熱源に近い部分など)では熱を透過させて金属層で熱を反射させることができる熱透過性層を設け、温度が下がりやすい環境にある部分(例えば、冷却装置に近い部分など)では発熱源から直接的に又は間接的に入射する熱を吸収できる電気絶縁性層(特に、熱吸収性層)を設けることで、全体として効率よく熱を拡散できる。
上記電気絶縁性層(上記電気絶縁層の部分)の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜100μmが好ましい。その下限は、より好ましくは5μm、さらに好ましくは10μmである。また上限は、より好ましくは30μm、さらに好ましくは20μmである。
なお、上記熱透過性層が設けられた部分と、上記電気絶縁性層が設けられた部分とは厚さが同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記金属層上の熱透過性層の部分の割合は、特に限定されないが、例えば、金属層上に設けられた熱透過性層の部分と電気絶縁性層の部分との合計表面積(熱透過性層の部分と電気絶縁性層の部分の表層上面の合計面積)に対し、50〜100%が好ましい。その下限は、より好ましくは80%である。熱透過性層の部分の割合が上記範囲であることにより、熱が電気絶縁性層の部分に吸収されすぎることなく、効率よく熱を反射して拡散できる。なお、発熱源の周辺で局所的に温度が上昇することを抑える観点から、少なくとも発熱源近く(例えば、発熱源から層Aに下ろした垂線の足を含む部分、図4の測定地点8など)に熱透過性層の部分が設けられていることが好ましい。
上記金属層上の、上記熱透過性層の部分の形状及び上記電気絶縁性層の部分の形状は、特に限定されず、例えば、縞状や渦巻き状などに規則的に交互に設けられていてもよいし、不規則に設けられていてもよい。上記熱透過性層の部分や、上記電気絶縁性層の部分が複数設けられている場合は、それぞれの組成や厚さなどは同一であってもよいし異なっていてもよい。
上記電気絶縁性層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、ポリマー成分を含む組成物を溶融成膜法(Tダイ法、インフレーション法など)によってフィルム状にし、粘着剤層を介して金属層上に貼付する方法、ポリマー成分を含む組成物を金属層上に塗布する方法などが挙げられる。
層Aは、特に限定されないが、より熱拡散性に優れるという観点から、表面に凹凸構造を有する層であることが好ましい。層Aに設けられる凹凸構造は、層Aの全面に設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。中でも、発熱源に直接はね返る電磁波の割合が減り、より効率よく熱が拡散されるという観点から、少なくとも発熱源から層Aに下ろした垂線の足を含む部分に凹凸構造が設けられていることが好ましい。
層Aに設けられる凹凸構造の各凹凸部の形状は、すべて同一の形状であってもよく、部分的に同一の形状であってもよく、また、すべて異なる形状であってもよい。各凹凸部の形状は、規則的に異なっていてもよいし、不規則的に異なっていてもよい。なお、上記凹凸構造とは、層A表面が発熱源に対して垂直ではない面を有していればよく、例えば、層Aが発熱源に対して斜めに構成されている場合も含まれる。
層Aの製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記粘着剤層を介して、上記金属層と上記熱透過性層(上記熱透過性及び上記電気絶縁性層)とを積層する方法、上記熱透過性層に金属材料を蒸着させて金属層を形成する方法などが挙げられる。層Aに凹凸構造を設ける方法としては、特に限定されないが、例えば、エンボスロールによるエンボス加工などが挙げられる。
層Aの放射率は0.5未満(例えば、0以上0.5未満)であり、好ましくは0.3未満、より好ましくは0.2未満、さらに好ましくは0.1未満である。また、詳細は明らかでないが、熱拡散性フィルムが反射した熱を一定量吸収して、電子機器の筐体内部にバランスよく熱を拡散できるという観点から、層Aの放射率は、例えば、0.01以上であることが好ましく、より好ましくは0.03以上、さらに好ましくは0.05以上、特に好ましくは0.07以上である。放射率が0.5未満であることにより、熱を放射しにくく反射しやすいため、熱拡散性に優れる。特に、層Aの放射率が0.07以上0.5未満であると、熱拡散性フィルムが反射した熱を一定量吸収して、電子機器の筐体内部にバランスよく熱を拡散できるためか、熱拡散性が一層優れる場合がある。
層Aの放射率は、例えば、金属層を構成する金属の選択、金属層の放射率、熱透過性層を構成する材料の選択、熱透過性層の熱透過率、熱透過性層を構成する材料の厚さ、熱透過性層の表面処理などにより、調整することができる。
層Aの厚さは、特に限定されないが、例えば、20〜200μmが好ましい。その下限は、より好ましくは30μm、さらに好ましくは50μmである。また、上限は、より好ましくは150μm、さらに好ましくは120μmである。厚さが、上記範囲であることにより、薄型の電子機器の内部にも使用できるだけでなく低重量が期待できる。
(伝熱層)
上記伝熱層は、熱を伝導する性質を有する層である。上記伝熱層は、特に限定されないが、例えば、熱伝導性粒子を含む層であることが好ましい。また、上記伝熱層は、熱伝導性粒子を含有するアクリル系粘着剤層(アクリル系感圧接着剤層)であってもよい。上記熱伝導性粒子は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記熱伝導性粒子としては、特に限定されないが、例えば、水和金属化合物が挙げられる。上記水和金属化合物は、分解開始温度が150〜500℃の範囲にあって、一般式MmOn・XH2O(ここにMは金属、m、nは金属の原子価によって定まる1以上の整数、Xは含有結晶水を示す数)で表される化合物または該化合物を含む複塩である。上記水和金属化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記熱伝導性粒子における上記水和金属化合物としては、特に限定されないが、例えば、水酸化アルミニウム[Al23・3H2O;またはAl(OH)3]、ベーマイト[Al23・H2O;またはAlOOH]、水酸化マグネシウム[MgO・H2O;またはMg(OH)2]、水酸化カルシウム[CaO・H2O;またはCa(OH)2]、水酸化亜鉛[Zn(OH)2]、珪酸[H4SiO4;またはH2SiO3;またはH2Si25]、水酸化鉄[Fe23・H2Oまたは2FeO(OH)]、水酸化銅[Cu(OH)2]、水酸化バリウム[BaO・H2O;またはBaO・9H2O]、酸化ジルコニウム水和物[ZrO・nH2O]、酸化スズ水和物[SnO・H2O]、塩基性炭酸マグネシウム[3MgCO3・Mg(OH)2・3H2O]、ハイドロタルサイト[6MgO・Al23・H2O]、ドウソナイト[Na2CO3・Al23・nH2O]、硼砂[Na2O・B25・5H2O]、ホウ酸亜鉛[2ZnO・3B25・3.5H2O]などが挙げられる。
上記水和金属化合物は、一般の市販品を用いることができ、例えば、水酸化アルミニウムの市販品としては、商品名「ハイジライトH−100−ME」(平均粒径75μm)(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−10」(平均粒径55μm)(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−32」(平均粒径8μm)(昭和電工社製)、商品名「ハイジライトH−42」(平均粒径1μm)(昭和電工社製)、商品名「B103ST」(平均粒径8μm)(日本軽金属社製)などが挙げられる。また、水酸化マグネシウムの市販品としては、商品名「KISUMA 5A」(平均粒径1μm)(協和化学工業社製)などが挙げられる。
さらに、上記熱伝導性粒子としては、例えば、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ガリウムなどの金属窒化物;酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化銅、酸化ニッケル、アンチモン酸ドープ酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。加えて、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、銅、銀、金、ニッケル、アルミニウム、白金、カーボンブラック、カーボンチューブ(カーボンナノチューブ)、カーボンファイバー、ダイヤモンドなどが挙げられる。
このような熱伝導性粒子は、一般の市販品を用いることができる。窒化ホウ素の市販品としては、例えば、商品名「HP−40」(水島合金鉄社製)、商品名「PT620」(モメンティブ社製)などが挙げられる。酸化アルミニウムの市販品としては、例えば、商品名「AS−50」(昭和電工社製)、商品名「AL−13KT」(平均粒径96μm)(昭和電工社製)などが挙げられる。アンチモン酸ドープスズの市販品としては、例えば、商品名「SN−100S」(石原産業社製)、商品名「SN−100P」(石原産業社製)、商品名「SN−100D(水分散品)」(石原産業社製)などが挙げられる。酸化チタンの市販品としては、例えば、商品名「TTOシリーズ」(石原産業社製)などが挙げられる。酸化亜鉛の市販品としては、商品名「SnO−310」(住友大阪セメント社製)、商品名「SnO−350」(住友大阪セメント社製)、商品名「SnO−410」(住友大阪セメント社製)などが挙げられる。
中でも、上記熱伝導性粒子としては、熱伝導性、難燃性、コストの観点から、水和金属化合物、金属酸化物が好ましく、より好ましくは水酸化アルミニウム、アルミナである。
上記熱導電性粒子の形状は、特に限定されず、バルク状、針形状、板形状、層状であってもよい。バルク形状には、例えば球形状、直方体形状、破砕状またはそれらの異形形状が含まれる。
上記熱伝導性粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、0.1〜1000μmが好ましい。その下限は、より好ましくは0.2μmであり、さらに好ましくは0.5μmである。また、その上限は、より好ましくは200μmであり、さらに好ましくは150μmである。上記平均粒径が1000μm以下であると、熱伝導性粒子の大きさが伝熱層の厚さより小さくなり、伝熱層の厚さがばらつく不具合を抑制できる。また、表面に熱伝導粒子が突出しないため、外観が良好となる。
上記伝熱層には、平均粒径の異なる2種以上の熱伝導性粒子含んでいることが好ましい。つまり、上記熱伝導性粒子は、平均粒径の小さい熱伝導性粒子と、平均粒径の大きい熱伝導性粒子とを組み合わせて用いることが好ましい。例えば、平均粒径が5μm以上の大きな熱伝導性粒子と平均粒径が5μm未満の小さな熱伝導性粒子とを組み合わせて用いることが好ましい。このように平均粒径の大きさの異なる熱伝導性粒子を併用することで、熱伝導性粒子の分散性を高めることができ、伝熱層に多くの熱伝導性粒子を充填することができる。また、熱伝導性粒子が伝熱層内により最密に充填されると、熱伝導性粒子による熱伝導パスが構築されやすくなり、熱伝導性がより向上するという効果がある。
平均粒径の小さい熱伝導性粒子と平均粒径の大きい熱伝導性粒子とを組み合わせについては、より優れた熱伝導性が得られる観点から、平均粒径の大きい熱伝導性粒子の平均粒径と平均粒径の小さい熱伝導性粒子の平均粒径との差が20μm以上(好ましくは40μm以上)となる組み合わせが好ましい。なお、上記の差は、3種以上を含む場合、最も大きい平均粒径を有するものと、最も小さい平均粒径を有するものとの差である。
また、平均粒径の小さい熱伝導性粒子と平均粒径の大きい熱伝導性粒子とを組み合わせる場合、平均粒径の小さい熱伝導性粒子と平均粒径の大きい熱伝導性粒子との割合は、特に限定されないが、より大きな熱伝導性が得られる観点から、前者:後者(重量比)で、1:10〜10:1が好ましく、より好ましくは1:5〜5:1、さらに好ましくは1:2〜2:1である。
上記伝熱層中の上記熱伝導性粒子の含有割合は、特に限定されないが、上記伝熱層の全体積(100体積%)に対して、40〜75体積%が好ましい。その下限は、より好ましく50体積%であり、さらに好ましくは55体積%である。また、その上限は、より好ましくは70体積%であり、さらに好ましくは65体積%である。上記熱伝導性粒子の含有割合が40体積%以上であることにより、熱伝導性や難燃性に優れる。上記熱伝導性粒子の含有割合が75体積%以下であることにより、電気絶縁性を発揮できる。なお、上記含有割合で用いている単位「体積%」は、熱伝導性粒子の密度を用いて、単位「重量%」に換算できる。
上記伝熱層は、電気絶縁性に優れる点や、他の層と貼り合わせる際に別途粘着剤層を設ける必要がなくなり熱拡散性フィルムを薄くできるという点から、例えば、ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマー、熱伝導性粒子を少なくとも含有するアクリル系粘着剤組成物により形成されるアクリル系粘着剤層であることが好ましい。
上記伝熱層中のアクリル系ポリマーの含有割合は、特に限定されないが、伝熱層全量(全体積、100体積%)に対して、15〜59.9体積%が好ましい。その下限は、より好ましくは20体積%である。その上限は、より好ましくは55体積%である。
上記アクリル系ポリマーは、構成モノマー成分として、アクリル系モノマー(分子中に(メタ)アクリロイル基を有するモノマー)を含むポリマーである。上記アクリル系ポリマーは、構成モノマー成分として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含むポリマーであることが好ましい。上記アクリル系ポリマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ) アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの、アルキル基の炭素数が1−20である(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルが挙げられる。中でも、接着特性のバランスを取りやすいという点から、アルキル基の炭素数が2−12である(メタ)アクリル酸C2-12アルキルエステルが好ましく、より好ましくはアルキル基の炭素数が4−9である(メタ)アクリル酸C4-9アルキルエステルである。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)に対する上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、特に限定されないが、60重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、適度な粘着力が得られるという観点から、さらに極性基含有モノマーを含んでいてもよい。上記極性基含有モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基含有モノマー、窒素含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマーなどが挙げられる。上記極性基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、本明細書において、極性基含有モノマーとは、カルボキシル基を含有するモノマーを除く極性基含有モノマー(分子内にカルボキシ基、酸無水物基を除く極性基を有するモノマー)を指すものとする。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルメタクリレートなどが挙げられる。中でも、熱伝導性粒子の分散性が良好となり、被着体への濡れ性が良好となるという観点から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルが好ましい。上記水酸基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記窒素含有モノマーとしては、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(1−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピロリジンなどの環状(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミドなどの非環状(メタ)アクリルアミドが挙げられる。上記N−置換(メタ)アクリルアミドとしては、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。さらに、上記窒素含有モノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオンなどのN−ビニル環状アミド;アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有するモノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド骨格を有するモノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマーなどが挙げられる。上記窒素含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
中でも、上記窒素含有モノマーとしては、適度な極性を付与して、貼り付け初期の接着性、接着信頼性などの良好な接着特性が得やすくなるという観点から、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル環状アミド、環状(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミドが好ましく、より好ましくはN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドである。
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などが挙げられる。上記スルホン酸基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどが挙げられる。上記リン酸基含有モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記極性基含有モノマーの割合は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)に対して、1〜30重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは2重量%である。また、その上限は、より好ましくは25重量%である。極性基含有モノマーの割合が1重量%以上であると、高い凝集力を得て、高い保持力が得やすくなる。一方、極性基含有モノマーの割合が30重量%以下であると、凝集力が高くなりすぎて、接着性が低下する不具合の発生を抑制できる。
上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、特に限定されないが、金属層に腐食を生じさせにくいという観点から、カルボキシル基含有モノマーを実質的に含まないことが好ましい。ここで「カルボキシル基含有モノマー」とは、1分子中にカルボキシル基(無水物の形態であり得る。)を1つ以上有するモノマーであって、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
なお、「実質的に含まない」とは、不可避的に混入する場合を除いて能動的に配合はしないことをいい、具体的には、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分中のカルボキシル基含有モノマーの含有量が、モノマー成分全量(100重量%)に対して、0.1重量%以下が好ましく、より好ましくは0.05重量%未満、さらに好ましくは0.01重量%未満であることをいう。
上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、特に限定されないが、伝熱層の濡れ性が向上し、熱を効率よく伝導できるという観点から、アルコキシ基を有するモノマーを含んでいてもよい。上記アルコキシ基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどが挙げられる。上記アルコキシ基を有するモノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記アルコキシ基を有するモノマーの割合は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)に対して、3〜20重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは5重量%である。また、その上限は、より好ましくは15重量%である。
上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、特に限定されないが、アクリル系ポリマーに架橋構造を導入することができ、伝熱層の凝集力を調整することができるという観点から、多官能モノマーを含んでいてもよい。上記多官能モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジブチル(メタ)アクリレート、ヘキシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。上記多官能モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記多官能モノマーの割合は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーを構成する全モノマー成分(100重量%)に対して、0.01〜2重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは0.02重量%である。また、その上限は、より好ましくは1重量%である。多官能モノマーの割合が0.01重量%以上であると、高い凝集力を得て、高い保持力が得やすくなり、好ましい。一方、多官能モノマーの割合が2重量%以下であると、凝集力が高くなりすぎて、接着性が低下する不具合の発生を抑制でき、好ましい。
上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、他にも、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有するモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基を有するモノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのα−オレフィン;2−イソシアナートエチルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレートなどのイソシアネート基を有するモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;フッ素(メタ)アクリレートなどのハロゲン原子を有するモノマー;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するモノマー;シリコーン(メタ)アクリレートなどのシロキサン結合を有するモノマー;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコールなどの芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなどを含んでいてもよい。
上記アクリル系ポリマーは、上記モノマー成分を重合することにより得ることができる。重合方法としては、特に限定されないが、例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、光重合(活性エネルギー線重合)などが挙げられる。中でも、熱や活性エネルギー線(例えば、α線、β線、γ線、中性性子線、電子線などの電離性放射線や紫外線など)を利用する重合方法が好ましく、より好ましくは熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤を用いた、熱や活性エネルギー線による重合方法が好ましい。特に、上記重合方法としては、重合時間を短くすることができる利点などから、光重合開始剤を用いた活性エネルギー線(特に紫外線)による重合方法が好ましい。上記重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。上記光重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。上記アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。上記α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。上記芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。上記光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。上記ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。上記ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。上記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。上記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルメチルケタールなどが挙げられる。上記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、デシルチオキサントンなどが挙げられる。
上記光重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。その下限は、より好ましくは0.05重量部である。また、その上限は、より好ましくは3重量部である。
光重合に際して、活性エネルギー線(特に紫外線)の照射エネルギーや照射時間などは特に限定されない。光重合開始剤を活性させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
上記熱重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ヒドロクロライド、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレートなどのアゾ系重合開始剤;ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせなどのレドックス系重合開始剤などが挙げられる。上記熱重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
熱重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、従来、重合開始剤として利用可能な範囲で選択できる。熱を利用して重合する場合、例えば、モノマー成分および熱重合開始剤を適宜な溶剤(例えばトルエンや酢酸エチルなどの有機溶剤)に溶解し、高温(例えば、20〜100℃(好ましくは40〜80℃)で反応させることにより、アクリル系ポリマーを得ることができる。
上記伝熱層は、凝集力向上の点より、架橋剤を含んでいてもよい。上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。中でも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。上記架橋剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、および、これらとトリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体などが挙げられる。さらに、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートなどの「1分子中に少なくとも1つ以上のイソシアネート基と、1つ以上の不飽和結合を有する化合物」も挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N´,N´−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N´−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
上記伝熱層中の上記架橋剤の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。その下限は、より好ましくは0.02重量部である。また、その上限は、より好ましくは3重量部であり、さらに好ましくは2重量部である。上記架橋剤の含有量が0.01重量部以上であると、凝集性が得やすくなる。また、上記架橋剤の含有量が5重量部以下であると、可とう性が得やすくなる。
さらに、上記伝熱層は、接着性向上の点より、粘着付与樹脂を含んでいてもよい。上記粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、例えば、石油系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、スチレン系樹脂、ロジン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。上記粘着付与樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
特に、上記アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分にカルボキシル基含有モノマーが含まれない場合は、高い粘着力が得られにくいため、粘着付与樹脂が含まれることが好ましい。上記粘着付与樹脂としては、特に限定されないが、紫外線を照射して、モノマー成分を共重合してアクリル系ポリマーを得る場合、併用しても重合阻害が起こりにくいという理由から、水素添加型の粘着付与樹脂を用いることが好ましい。水素添加型の粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系樹脂、石油系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂などの粘着付与樹脂に水素添加した誘導体(水素添加型ロジン系樹脂、水素添加型石油系樹脂、水素添加型テルペン系樹脂など)が挙げられる。中でも、水素添加型ロジン系樹脂が好ましい。上記水素添加型ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)を水添化により変性した変性ロジンなどが挙げられる。
上記粘着付与樹脂は、凝集力が一層高くなる観点から、軟化点が80〜200℃(好ましくは100〜200℃)の粘着付与樹脂が好ましい。
上記伝熱層中の上記粘着付与樹脂の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマー100重量部に対して、1〜50重量部が好ましい。その下限は、より好ましくは2重量部であり、さらに好ましくは3重量部である。また、その上限は、40重量部であり、さらに好ましくは30重量部である。上記粘着付与樹脂の含有量が1重量部以上であると、接着性が向上する。また、上記粘着付与樹脂の含有量が50重量部以下であると、凝集力の低下を抑制できる。
上記伝熱層は、吸湿による誘電率の上昇を防ぎ、経時での電気絶縁性低下が起こりにくいという観点から、リン酸トリエステル体を含有するリン酸エステル系分散剤を含んでいてもよい。
さらに、上記伝熱層は、本発明の効果を損なわない範囲で、アクリル系オリゴマーを含有していてもよい。アクリル系オリゴマーは粘着付与成分として機能するので、接着性向上を図ることができる。
さらに、上記伝熱層は、接着力や耐久力の向上の点、熱伝導性粒子とアクリル系ポリマーとの親和性向上の点より、シランカップリング剤を含有していてもよい。上記シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ基含有シランカップリング剤;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのインシアネート基含有シランカップリング剤などが挙げられる。上記シランカップリング剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記伝熱層中の上記シランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、上記アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましい。その下限は、より好ましくは0.02重量部、さらに好ましくは0.05重量部である。また、その上限は、より好ましくは5重量部、さらに好ましくは2重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.01重量部以上であると、親和性向上の効果が得やすくなり、好ましい。また、上記シランカップリング剤の含有量が10重量部以下であると、シランカップリング剤による熱伝導性の低下という問題が生じにくくなり、好ましい。
さらに、上記伝熱層中には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、老化防止剤、着色剤(顔料や染料など)、帯電防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。さらには、クッション性の向上や凹凸追従性の向上の点より、気泡を含んでいてもよい。
上記アクリル系粘着剤組成物は、いずれの形態を有していてもよく、例えば、エマルション型、溶剤型(溶液型)、活性エネルギー線硬化型、熱溶融型(ホットメルト型)などが挙げられる。中でも、溶剤型のアクリル系粘着剤組成物や、活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物が好ましい。
上記溶剤型のアクリル系粘着剤組成物は、アクリル系ポリマー、熱伝導性粒子を少なくとも含有するアクリル系粘着剤組成物であることが好ましい。また、上記活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーを形成する組成物であるモノマー混合物又はその部分重合物、熱伝導性粒子を少なくとも含有するアクリル系粘着剤組成物であることが好ましい。中でも、上記アクリル系粘着剤組成物は、生産性、環境面、厚みのある粘着剤層の得やすさの点より、活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物であることが好ましい。なお、上記アクリル系粘着剤組成物が活性エネルギー線硬化型のアクリル系粘着剤組成物である場合、モノマー混合物の部分重合物とともに、モノマー成分を含んでいてもよい。
本明細書において、「モノマー混合物」は、モノマー成分のみの混合物を意味し、1つのモノマー成分のみから構成される場合を含むものとする。
上記伝熱層は、例えば、上記アクリル系粘着剤組成物より、公知乃至慣用の方法を用いて形成される。例えば、上記伝熱層は、上記アクリル系粘着剤組成物を剥離ライナーや基材等の適当な支持体上に塗布して、アクリル系粘着剤組成物層を形成し、次に、このアクリル系粘着剤組成物層を硬化(例えば、熱や活性エネルギー線による硬化)させることにより形成されてもよい。さらに、必要に応じて、硬化に加えて、さらに加熱乾燥させてもよい。なお、光重合反応は空気中の酸素により阻害されやすいので、活性エネルギー線による硬化(光硬化)は、剥離ライナーで覆うことや窒素雰囲気下で反応させることなどにより、酸素を遮断した環境下で行うことが好ましい。
上記伝熱層の厚さは、特に限定されないが、例えば、段差吸収性の点、接着特性の点、熱伝導性や電気絶縁性の点より、50〜5000μmが好ましい。その下限は、より好ましくは100μm、さらに好ましくは500μmである。また、その上限は、均一な厚さを有する粘着剤層の得やすさや作業性の点より、より好ましくは3000μm、さらに好ましくは2000μm、特に好ましくは1000μmである。上記伝熱層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
上記伝熱層の熱伝導率は、特に限定されないが、例えば、20W/m・K以上(例えば、20〜1700W/m・K)が好ましく、より好ましくは100〜1700W/m・K、さらに好ましくは200〜1700W/m・Kである。熱伝導率が20W/m・K以上であることにより、層Aでは反射せずに伝熱層に伝わった熱が、伝熱層内で効率よく伝導することで、発熱源からの熱を一層効率よく拡散させることができる。
上記伝熱層を設けることにより、本発明の熱拡散性フィルムの熱伝導性が向上する。すなわち、上記伝熱層を設けることにより、例えば、発熱源近く(例えば、発熱源から層Aに下ろした垂線の足を含む部分、図4の測定地点8など)の温度上昇を一層抑えることができ、熱拡散性フィルム全体に熱を分散させることができる。
(断熱層)
上記断熱層としては、例えば、発泡体からなる層、中空微小球を含む層、これらの積層体などが挙げられる。中でも、断熱性に優れるという観点から、発泡体からなる層が好ましい。上記発泡体としては、例えば、特開2012−51984号公報、特開2012−41490号公報、特開2012−51985号公報、特開2012−41491号公報に記載される発泡体が挙げられる。
また、上記断熱層は、層Aや伝熱層と積層する際に粘着剤層を設ける必要がなくなるという観点から、粘着性を有する断熱層であってもよい。
上記発泡体は、例えば、球状気泡を有する発泡体が好ましい。なお「球状気泡」とは、厳密な真球状の気泡以外にも、部分的にひずみのある略球状の気泡や、大きなひずみを有する空間からなる気泡を含むものとする。
上記発泡体における球状気泡の平均孔径は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上20μm未満が好ましい。その下限は、より好ましくは0.1μm、さらに好ましくは1μmである。また、その上限は、より好ましくは15μm、さらに好ましくは10μmである。平均孔径が上記範囲内であることにより、該球状気泡の平均孔径を精密に小さく制御でき、じん性および耐熱性に優れる。
上記発泡体の密度は、特に限定されないが、例えば、0.15〜0.9g/cm3が好ましく、より好ましくは0.15〜0.7g/cm3、さらに好ましくは0.15〜0.5g/cm3である。密度が上記範囲内であることにより、発泡体の密度の範囲を広く制御した上で、じん性および耐熱性に優れた発泡体とすることができる。
上記発泡体は、隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造を有していても良い。上記連続気泡構造は、ほとんどまたは全ての隣接する球状気泡間に貫通孔を有する連続気泡構造であっても良いし、貫通孔の数が比較的少ない半独立半連続気泡構造であっても良い。
隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径は、特に限定されないが、例えば、0.001〜5μm以下が好ましい。その下限は、より好ましくは0.01μmである。また、その上限は、より好ましくは4μm、さらに好ましくは3μmである。隣接する球状気泡間に有する貫通孔の平均孔径が上記範囲内であることにより、じん性および耐熱性に優れる。
上記発泡体は、表面開口部を有することが好ましい。上記表面開口部の平均孔径は、特に限定されないが、例えば、0.001〜5μmが好ましい。その下限は、より好ましくは0.01μmである。また、その上限は、より好ましくは4μm、さらに好ましくは3μmである。表面開口部の平均孔径が上記範囲内であることにより、じん性および耐熱性に優れる。
上記発泡体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、連続的に連続油相成分と水相成分を乳化機に供給してW/O型エマルションを調製し、続いて、得られたW/O型エマルションを重合して含水重合体を製造し、続いて、得られた含水重合体を脱水する、「連続法」が挙げられる。また、例えば、連続油相成分に対して適当な量の水相成分を乳化機に仕込み、攪拌しながら連続的に水相成分を供給することでW/O型エマルションを調製し、得られたW/O型エマルションを重合して含水重合体を製造し、続いて、得られた含水重合体を脱水する、「バッチ法」が挙げられる。中でも、生産効率の観点から連続法が好ましい。
上記発泡体の製造方法は、より具体的には、例えば、W/O型エマルションを調製する工程(I)と、得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と、賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)と、得られた含水重合体を脱水する工程(IV)と、を含むことが好ましい。ここで、得られたW/O型エマルションを賦形する工程(II)と賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)とは少なくとも一部を同時に行っても良い。
上記発泡体を調製する際に用いられるW/O型エマルションは、特に限定されないが、例えば、連続油相成分と該連続油相成分と不混和性の水相成分を含むW/O型エマルションであることが好ましい。なお、W/O型エマルションとは、連続油相成分中に水相成分が分散したエマルションである。
上記水相成分としては、実質的に連続油相成分と不混和性のあらゆる水性流体を採用し得る。取り扱いやすさや低コストの観点から、イオン交換水などの水が好ましい。
上記水相成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤が含まれていてもよい。上記添加剤としては、例えば、重合開始剤、水溶性の塩などが挙げられる。中でも、W/O型エマルションの安定性の観点から、水溶性の塩が好ましい。上記水溶性の塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。上記添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記W/O型エマルション中の水相成分の比率(割合)は、特に限定されないが、例えば、W/O型エマルション(100重量%)に対して、30〜95重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは40重量%、さらに好ましくは50重量%、特に好ましくは55重量%である。また、その上限は、より好ましくは90重量%、さらに好ましくは85重量%、特に好ましくは80重量%である。
上記連続油相成分としては、特に限定されないが、例えば、親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーを含むことが好ましい。
上記親水性ポリウレタン系重合体としては、特に限定されないが、乳化剤を添加しなくても優れた乳化性及び静置保存安定性が得られる観点から、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール由来のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位を含むことが好ましい。上記親水性ポリウレタン系重合体は、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。
上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、例えば、ADEKA(株)製のポリエーテルポリオール(アデカ(登録商標)プルロニックL−31、L−61、L−71、L−101、L−121、L−42、L−62、L−72、L−122、25R−1、25R−2、17R−2)や、日本油脂(株)製のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プロノン(登録商標)052、102、202)などが挙げられる。上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネート、これらのジイソシアネートの二量体や三量体、ポリフェニルメタンポリイソシアネートなどが挙げられる。芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。ジイソシアネートの三量体としては、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネート型等が挙げられる。中でも、ポリオールとの速やかなウレタン反応性や水との反応の抑制などの観点からは、脂環族のジイソシアネートが好ましい。上記ジイソシアネート化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記親水性ポリウレタン系重合体は、末端にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有していても良い。
上記親水性ポリウレタン系重合体を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物とをウレタン反応触媒の存在下で反応させる方法が挙げられる。
上記親水性ポリウレタン系重合体を製造する際の、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとジイソシアネート化合物との比率は、特に限定されないが、例えば、NCO/OH(当量比)で、1〜3が好ましい。その下限は、より好ましくは1.2、さらに好ましくは1.4、特に好ましくは1.6である。また、その上限は、より好ましくは2.5、さらに好ましくは2である。NCO/OH(当量比)が1未満の場合は、親水性ポリウレタン系重合体を製造する際にゲル化物が生成しやすくなるおそれがある。NCO/OH(当量比)が3を超える場合は、残存ジイソシアネート化合物が多くなり、W/O型エマルションが不安定になるおそれがある。
上記親水性ポリウレタン系重合体は、特に限定されないが、連続油相成分中に水相成分が安定に分散する観点から、例えば、上記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位中のポリオキシエチレンの含有割合は、5〜25重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは10重量%、さらに好ましくは15重量%である。また、その上限は、より好ましくは25重量%、さらに好ましくは20重量%である。上記含有割合が5重量%未満の場合、連続油相成分中に水相成分を安定に分散させることが困難になるおそれがある。上記含有割合が25重量%を超える場合、O/W型(水中油型)エマルションに転相するおそれがある。
上記親水性ポリウレタン系重合体は、特に限定されないが、例えば、エチレン性不飽和モノマー70〜90重量部に対して親水性ポリウレタン系重合体が10〜30重量部の範囲が好ましく、より好ましくは、エチレン性不飽和モノマー75〜90重量部に対して親水性ポリウレタン系重合体が10〜25重量部の範囲である。
また、上記親水性ポリウレタン系重合体における上記親水性ポリウレタン系重合体の含有量は、例えば、水相成分100重量部に対して、1〜30重量部が好ましく、より好ましくは1〜25重量部である。
上記親水性ポリウレタン系重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、5000〜50000が好ましい。その下限は、より好ましくは7000、さらに好ましくは8000、特に好ましくは10000である。また、その上限は、より好ましくは40000、さらに好ましくは30000、特に好ましくは20000である。
上記エチレン性不飽和モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、アルキル基の炭素数が1〜20(好ましくは4〜18)である(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステル、炭素数が1〜20(好ましくは4〜18)のシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。上記エチレン性不飽和モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルとしては、上述のものが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。上記(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記エチレン性不飽和モノマー中の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合は、特に限定されないが、例えば、エチレン性不飽和モノマー成分全量(100重量%)に対して、80〜100重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは85重量%である。また、その上限は、より好ましくは98重量%である。
上記エチレン性不飽和モノマーは、さらに極性基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物モノマーを含んでいてもよい。上記極性基含有モノマーとしては、上述のものが挙げられる。上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などが挙げられる。上記酸無水物モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
上記エチレン性不飽和モノマー中の極性基含有モノマーの含有割合は、特に限定されないが、例えば、エチレン性不飽和モノマー成分全量(100重量%)に対して、0重量%より多く20重量%以下が好ましい。その下限は、より好ましくは2重量%である。また、その上限は、より好ましくは15重量%である。
上記連続油相成分には、さらに重合開始剤が含まれていてもよい。上記重合開始剤としては、例えば、上述のものの他に、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;ダロキュア−2959)、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;ダロキュア−1173)、メトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−184)などのアセトフェノン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系光重合開始剤;その他のハロゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキサイド(例として、チバ・ジャパン社製、商品名;イルガキュア−819)などを挙げることができる。上記重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記連続油相成分における上記重合開始剤の含有割合は、特に限定されないが、例えば、連続油相成分全体(100重量%)に対して、0.05〜5.0重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは0.1重量%である。また、その上限は、より好ましくは1.0重量%である。上記含有割合が0.05重量%未満の場合には、未反応のモノマー成分が多くなり、得られる多孔質材料中の残存モノマー量が増加するおそれがある。上記含有割合が5.0重量%を超える場合には、得られる発泡体の機械的物性が低下するおそれがある。
光重合に際して、活性エネルギー線(特に紫外線)の照射エネルギーや照射時間などは特に限定されない。なお、活性エネルギー線による硬化は、空気中の酸素に阻害される場合があるため、例えば、光照射の前に反応系中に窒素等の不活性ガスを吹き込み、酸素を不活性ガスで置換して、または、減圧処理によって脱気しておくことが好ましい。
上記連続油相成分には、さらに「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とが含まれていてもよい。ここで、多官能(メタ)アクリレートとは、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリレートであり、多官能(メタ)アクリルアミドとは、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリルアミドである。
上記多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,10−デカンジオール、1,8−オクタンジオール、1,6ヘキサン−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタン−2−エンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性物などのポリオール類やビスフェノールA類などから誘導されたものが挙げられる。
多官能(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、対応するジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類などから誘導されたジアクリルアミド類、トリアクリルアミド類、テトラアクリルアミド類、ジメタクリルアミド類、トリメタクリルアミド類、テトラメタクリルアミド類などが挙げられる。
上記重合反応性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、コポリエステル(メタ)アクリレート、オリゴマージ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、疎水性ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
上記重合反応性オリゴマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、1500〜10000が好ましい。その下限は、より好ましくは2000以上である。
「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する場合、「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」の使用量は、特に限定されないが、例えば、連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量(100重量%)に対して、30〜100重量%が好ましい。その上限は、より好ましくは80重量%である。使用量が30重量%未満の場合、得られる発泡体の凝集力が低下する場合があり、じん性と柔軟性の両立が困難になる場合がある。使用量が100重量%を超える場合、W/O型エマルションは乳化安定性が低下してしまい、所望の発泡体が得られない場合がある。
「重量平均分子量が800以上である多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリルアミド、および重合反応性オリゴマーから選ばれる1種以上」と「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」とを併用する場合、「重量平均分子量が500以下である多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上」の使用量は、特に限定されないが、例えば、連続油相成分中の親水性ポリウレタン系重合体およびエチレン性不飽和モノマーの合計量(100重量%)に対して、1〜30重量%が好ましい。その下限は、より好ましくは5重量%である。また、その上限は、より好ましくは20重量%である。使用量が1重量%未満の場合、耐熱性が低下するおそれや、含水重合体を脱水する際に収縮によって気泡構造が潰れてしまうおそれがある。使用量が30重量%を超える場合、発泡体のじん性が低下してしまい、脆性を示すおそれがある。
上記連続油相成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分が含まれていてもよい。上記その他の成分としては、例えば、触媒、酸化防止剤、有機溶媒などが挙げられる。上記その他の成分は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウリレートなどのウレタン反応触媒が挙げられる。上記触媒の含有割合は、目的とする触媒反応に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。上記触媒は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。上記酸化防止剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。上記酸化防止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記有機溶媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機溶媒を採用し得る。上記有機溶媒の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。上記有機溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
連続油相成分を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、親水性ポリウレタン系重合体とエチレン性不飽和モノマーを含む混合シロップを調製し、混合シロップに、重合開始剤、架橋剤、その他の成分などを配合し、連続油相成分を調製する方法が挙げられる。
上記W/O型エマルションは、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに粘着付与樹脂;タルク;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸やその塩類、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、亜鉛華、ベントナイン、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉などの充填剤;顔料;染料などが含まれていてもよい。
上記W/O型エマルションを製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、連続油相成分と水相成分を連続的に乳化機に供給することでW/O型エマルションを形成する「連続法」や、連続油相成分に対して適当な量の水相成分を乳化機に仕込み、攪拌しながら連続的に水相成分を供給することでW/O型エマルションを形成する「バッチ法」などが挙げられる。
上記W/O型エマルションを賦形する工程(II)としては、特に限定されないが、例えば、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形する方法が挙げられる。また、熱可塑性樹脂フィルムの一面に塗工して賦形してもよい。
上記賦形されたW/O型エマルションを重合する工程(III)としては、特に限定されないが、例えば、加熱装置によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造の、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形しつつ加熱によって重合する方法や、活性エネルギー線の照射によってベルトコンベアーのベルト表面が加温される構造の、走行するベルト上にW/O型エマルションを連続的に供給し、ベルトの上で平滑なシート状に賦形しつつ活性エネルギー線の照射によって重合する方法が挙げられる。
加熱によって重合する場合、重合温度(加熱温度)は、特に限定されないが、例えば、23〜150℃が好ましい。その下限は、より好ましくは50℃、さらに好ましくは70℃、特に好ましくは80℃、最も好ましくは90℃である。また、その上限は、より好ましくは130℃であり、さらに好ましくは110℃である。重合温度が23℃未満の場合は、重合に長時間を要し、工業的な生産性が低下するおそれがある。重合温度が150℃を越える場合は、得られる発泡体の孔径が不均一となるおそれや、発泡体の強度が低下するおそれがある。なお、重合温度は一定でなくてもよく、例えば、重合中に2段階や多段階で変動させてもよい。
活性エネルギー線の照射によって重合する場合、活性エネルギー線としては、例えば、
紫外線、可視光線、電子線などが挙げられる。中でも、W/O型エマルションに光を貫通させることができ、適当な光重合開始剤や高弦が入手しやすいという観点から、波長が200〜800nmの可視〜紫外の光が好ましい。
なお、活性エネルギー線照射は空気中の酸素により阻害されやすいので、例えば、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面にW/O型エマルションを塗工して賦形した後に不活性ガス雰囲気下で行うことや、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面にW/O型エマルションを塗工して賦形した後にシリコーン等の剥離剤をコートしたポリエチレンテレフタレート等の紫外線は通過するが酸素を遮断するフィルムを被覆させて行うことが好ましい。
不活性ガス雰囲気とは、例えば、できるだけ酸素が存在しないことが必要であり、酸素濃度で5000ppm以下の雰囲気などが挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、一面にW/O型エマルションを塗工して賦形できるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリエステル、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムやシートが挙げられる。
工程(IV)における脱水方法としては、特に限定されないが、例えば、真空乾燥、凍結乾燥、圧搾乾燥、電子レンジ乾燥、熱オーブン内での乾燥、赤外線による乾燥、またはこれらの技術の組み合わせ、などが挙げられる。
上記断熱層の厚さは、特に限定されないが、断熱性の観点から、例えば、20〜500μmが好ましい。その下限は、より好ましくは30μm、さらに好ましくは50μmである。また、その上限は、より好ましくは400μm、さらに好ましくは300μmである。上記断熱層は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
上記断熱層の熱伝導率は、特に限定されないが、例えば、0.01〜0.3W/m・Kが好ましく、より好ましくは0.01〜0.2W/m・K、さらに好ましくは0.01〜0.1W/m・Kである。熱伝導率が0.3W/m・K以下であることにより、断熱効果が期待できる。
(剥離ライナー)
本発明の熱拡散性フィルムは、フィルム表面が剥離ライナーにより保護されていてもよい。上記剥離ライナーは、特に限定されないが、慣用の剥離紙、低接着性基材、剥離ライナー用基材の少なくとも一方の面に剥離処理層が形成されている剥離ライナーなどが挙げられる。
上記低接着性基材としては、特に限定されないが、例えば、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体など) からなる低接着性基材や、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などが挙げられる。
上記剥離ライナー用基材の少なくとも一方の面に剥離処理層が形成されている剥離ライナーにおける剥離ライナー用基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどオレフィン系樹脂フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;ポリイミドフィルム;ナイロンフィルムなどのポリアミドフィルム;レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム(合成樹脂フィルム)が挙げられる。また、上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など紙系基材も挙げられる。さらには、これらを、ラミネートや共押し出しなどにより、複層化したもの(2〜3層の複合体)なども挙げられる。
剥離処理層を形成する上記剥離処理剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤などが挙げられる。なお、剥離処理剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記剥離ライナーの厚さや形成方法などは、特に限定されない。なお、上記剥離ライナーの厚さは、本発明の熱拡散性フィルムの厚さには含まれない。
本発明の熱拡散性フィルムは、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により作製される。上記伝熱層及び/又は上記断熱層は、特に限定されないが、例えば、粘着剤層を介して積層されていてもよい。上記伝熱層が熱伝導性粒子を含有するアクリル系粘着剤層である場合、上記伝熱層は、上記層Aや被着体などと直接貼り合わせることができる。上記断熱層が発泡体である場合、発泡体が吸着性を有するため、上記断熱層は、上記層Aや被着体などと直接貼り合わせることができる。
本発明の熱拡散性フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、20〜500μmが好ましい。その下限は、より好ましくは30μm、さらに好ましくは50μmである。また、その上限は、より好ましくは400μm、さらに好ましくは300μmである。
本発明の熱拡散性フィルムは電気絶縁性を有することが好ましい。本発明の熱拡散性フィルムにおける体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以上(例えば1×1010〜1×1013Ω・cm)であることが好ましく、より好ましくは1×1011Ω・cm以上である。上記体積抵抗率は、JIS C2318に準拠して測定したものをいう。
上記体積抵抗率は、例えば層Aの表面に、熱透過性層、電気絶縁層を設けることなどにより、調整することができる。
本発明の熱拡散性フィルムは、放射率が0.5未満である層Aを含むため、熱拡散性に優れる。層Aが金属層を有する場合には、発熱源から放射された熱(赤外線、可視光線などの電磁波など)が金属層で反射するため、層内で熱を伝導するよりも熱を効率よく拡散させることができ、また、発熱源周辺の局所的な温度上昇を抑えることができる。さらに層Aが熱透過性層と金属層を有する場合には、熱透過性層が熱を透過し、透過した熱が金属層で反射するため、一層効率よく熱を拡散できる。その上、金属層表面が熱透過性層で覆われているため、電気絶縁性にも優れる。
本発明の熱拡散性フィルムは、層Aに加えて伝熱層を有すると、層Aで反射せずに透過した一部の熱が、伝熱層内で伝導拡散するため、より効率よく熱を拡散できる。また、層Aに加えて断熱層を有すると、層Aで反射せずに透過した一部の熱が断熱層内で伝導しにくいため、薄型の電子機器であっても、発熱源(例えば、電子機器内部の発熱する電子部品)近くの筺体表面の温度が高くなりにくく、電子機器を使用する際などに低温やけどなどの問題が一層起こりにくい。
本発明の熱拡散性フィルムは、電子機器(電子部品を含む)の筺体(筺体内側表面)に貼付する用途に用いられる。特に、発熱源となる部品(例えば、CPU、半導体チップ、メモリ、SSD、ハードディスク、電源ユニット、DVDドライブ、ディスプレイの光源など)を有する電子機器の筐体に貼付する用途に、好適に用いられる。
[電子機器]
本発明の電子機器は、筺体に本発明の熱拡散性フィルムが貼付された電子機器である。本発明の電子機器としては、例えば、コンピューター、タブレット、スマートフォン、カーナビゲーション、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子手帳、電子辞書、通信モジュール、テレビ(液晶テレビなどの各種ディスプレイ)などの電子機器に加え、これらの電子機器内部の電子部品(例えば、ハードディスクドライブ、電源ユニット、DVDドライブ、液晶モニタなど)が挙げられる。
本発明の電子機器は、筐体の内部に発熱源となる部品(例えば、CPU、半導体チップ、メモリ、SSD、ハードディスク、電源ユニット、DVDドライブ、ディスプレイの光源など)を含んでいてもよい。本発明の電子機器は、筐体(筐体の内側表面)に本発明の熱拡散性フィルムが貼付されていることが好ましい。特に、上記層Aが、発熱源となる上記部品側になるように本発明の熱拡散性フィルムが貼付されていることが好ましい。本発明の熱拡散性フィルムの層Aが、金属層と熱透過性層との積層体である場合は、一層熱拡散性に優れるという観点から、熱透過性層が発熱源となる上記部品側となるように本発明の熱拡散性フィルムが貼付されていることが好ましい。
本発明の電子機器は、電子機器の筺体(筺体内側表面)に本発明の熱拡散性フィルムが貼付されているため、使用時に発熱する部品を有する電子機器(例えば、使用時に発熱する半導体チップを有するコンピューター)において、電子機器内部に効率よく熱を拡散させることができる。なお、電子機器内部のハードディスクドライブなどの電子部品の筺体に本発明の熱拡散性フィルムが貼付された場合でも、同様の効果が得られる。
本発明の電子機器において、本発明の熱拡散性フィルムは、例えば、粘着剤層を介して筺体に貼り合わされていてもよい。また、本発明の熱拡散性フィルムが、熱伝導性粒子を含有するアクリル系粘着剤層などの上記伝熱層を有する場合は、伝熱層を介して、筺体に貼り合わされていてもよい。また、本発明の熱拡散性フィルムが、発泡体からなる層などの上記断熱層を有する場合は、断熱層を介して筺体に貼り合わされていてもよい。
本発明の電子機器は、電子機器の筺体の内側表面全体に本発明の熱拡散性フィルムが貼付されていてもよいし、一部に貼付されていてもよい。本発明の熱拡散性フィルムは、熱を反射させて電子機器全体(筺体全体)に拡散する性質に優れるため、熱伝導により熱を拡散するフィルムと比べて、貼り付け面積が小さい場合でも優れた熱拡散性を発揮できる。本発明の熱拡散性フィルムの貼り付け面積としては、特に限定されないが、例えば、電子機器の筺体内側表面の全面積に対し、30〜100%が好ましい。
本発明の電子機器の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜10mmであってもよい。本発明の熱拡散性フィルムは、電子機器内に冷却装置を設けることが困難な薄い電子機器や、電子機器内部で空気を循環させにくい薄い電子機器でも優れた熱拡散性を発揮できる。
本発明の熱拡散性フィルムは、熱を反射させて熱を拡散させる性質に優れるため、電子機器内部の発熱源となる部品に直接貼り付けるのではなく、発熱源と熱拡散性フィルムとの間に、熱(電磁波(例えば、赤外線、可視光線など))が反射して拡散できる空間が設けられていることが好ましい。そのため、本発明の電子機器は、発熱源となる部品と本発明の熱拡散性フィルムとが、例えば、0.1〜5mm離れていることが好ましい。
以下、本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例1は参考例として記載するものである。
(実施例1)
金属層としての商品名「アルミニウム箔」(住軽アルミ箔(株)社製、厚さ100μm)上に、下記の断熱層をローラーで貼り合せ、厚さ190μmの断熱層を設けた。この断熱層は粘着性を有する。そして、断熱層/金属層の構成を有する熱拡散性フィルムを得た。なお、実施例1の熱拡散性フィルムにおいて、金属層が層Aに相当する。また、上記断熱層は、金属層(層A)の一方の表面の全面に設けた。
上記断熱層は、以下の方法により調製した。
冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた反応容器に、エチレン性不飽和モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル(東亜合成(株)製、以下「2EHA」と略す)からなるモノマー溶液171.9重量部と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしてアデカ(登録商標)プルロニックL−62(分子量2500、ADEKA(株)製、ポリエーテルポリオール)100重量部と、ウレタン反応触媒としてアセチルアセトン第二鉄(日本化学産業(株)製、商品名「ナーセム第二鉄」)0.014重量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF製、商品名「イルガノックス1010」)0.2重量部とを投入し、攪拌しながら、水素化キシリレンジイソシアネート(武田薬品(株)製、タケネート600)10.9重量部を滴下し、65℃で4時間反応させた。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.4であった。その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート(キシダ化学(株)製、以下「HEA」と略す)3.7重量部を滴下し、65℃で2時間反応させ、親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップを得た。
得られた親水性ポリウレタン系重合体/エチレン性不飽和モノマー混合シロップの100重量部に、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)(分子量226)20重量部、反応性オリゴマーとして、ポリテトラメチレングリコールとイソホロンジイソシアネートから合成されるポリウレタンの両末端がHEAで処理された、両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンアクリレート(分子量3720)62.5重量部、光開始剤として、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド(BASF製、商品名「イルガキュアTPO」)0.51重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF製、商品名「イルガノックス1010」)1重量部を均一混合し、連続油相成分(以下、「油相」と称する)とした。一方、上記油相100重量部に対して、水相成分(以下、「水相」と称する)としてイオン交換水300重量部を常温下、上記油相を仕込んだ乳化機である攪拌混合機内に連続的に滴下供給し、安定なW/O型エマルションを調製した。なお、水相と油相の重量比は75/25であった。
得られたW/O型エマルションを常温で撹拌しながら、光照射後の厚さが190μmとなるように離型処理された基材上に塗布し連続的に成形した。さらにその上に厚さ38μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを被せた。このシートにメタルハライドランプ(80W/cm)を用いて光照度125mW/cm2(ピーク感度最大波350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を照射し、厚さ190μmの高含水架橋重合体を得た。次に上面フィルムを剥離し、上記高含水架橋重合体を150℃にて2分間に亘って加熱することによって、厚さが190μm、気泡率が約75%、平均球状気泡径が3.0μm、平均貫通孔径が1μm、平均表面開口径が2μmの断熱層を得た。得られた断熱層の熱伝導率は0.04W/m・Kであった。
(実施例2)
金属層としての商品名「アルミニウム箔」(住軽アルミ箔(株)社製、厚さ100μm)上に、熱透過性層(商品名「5005VP」、LANXESS社製)を乾燥後の厚さが7μmとなるようにアプリケーターで塗工して、金属層の一方の表面全面に熱透過性層を設けた。その後、熱透過性層を塗布した面とは反対側の面に、実施例1と同様の断熱層(熱伝導抑制層)をローラーで貼り合せ、厚さ190μmの断熱層を設けた。この断熱層は粘着性を有する。そして、断熱層/金属層/熱透過性層の構成を有する熱拡散性フィルムを得た。なお、実施例2の熱拡散性フィルムにおいて、金属層/熱透過性層が層Aに相当する。また、断熱層は、層Aの金属層の一方の表面の全面に設けた。
(評価)
(温度上昇率)
図3、4は、熱拡散性フィルム(100mm×250mm:ノートパソコンの底面に対する面積比50%)を、ノートパソコンの筐体4の底面の内側表面に貼り付けて温度上昇率を評価する方法の説明図の概略図である。
図3、4に示すように、発熱源であるCPU6が設けられた基板5を有する電子機器の筐体4の内側表面に、層Aが発熱源であるCPU側となるように、熱拡散性フィルム7を貼り付けた。熱拡散性フィルムは、発熱源であるCPUに接触させることなく離れた位置に貼り付け、図4の測定地点8の温度を測定した。なお、筐体内側表面のうち、発熱源であるCPU6に最も近い地点を、測定地点8とした。
熱拡散性フィルムを貼り付けずに、測定地点8の温度(発熱前温度、(単位:℃))を、赤外線サーモグラフィ(商品名「H2640」、日本アビオニクス(株)製)を用いて測定した。その後、CPU100%動作で20分間稼働させ、測定地点8の温度(発熱後温度、(単位:℃))を測定した。なお、測定は、温度20〜25℃の環境で行った。
上記発熱前温度と上記発熱後温度との差を、「フィルムがない場合の上昇温度(単位:℃)」とした。実施例で得られた熱拡散性フィルムを貼り合せた後に、上記と同様の評価を行い、各実施例の「フィルムを貼り合せた場合の上昇温度(単位:℃)」を測定した。
その後、以下の式により温度上昇率(%)を算出した。
温度上昇率(%)=(フィルムを貼り合せた場合の上昇温度)/(フィルムがない場合の上昇温度)×100
(熱拡散性)
温度上昇率の評価と同様にして、実施例で得られた熱拡散性フィルム(100mm×250mm:ノートパソコンの底面に対する面積比50%)を、ノートパソコン4の筐体の底面の内側表面に貼り付けた(図3、4)。また、ノートパソコン4の筐体内側表面にフィルムを貼り付けていないノートパソコン(フィルムを貼付していないノートパソコン)も用意した。
各ノートパソコンのノートパソコン底面の温度(発熱前温度、(単位:℃))を、赤外線サーモグラフィ(商品名「H2640」、日本アビオニクス(株)製)を用いて測定した。その後、各ノートパソコンをCPU100%動作で20分間稼働させ、ノートパソコンの底面温度を赤外線サーモグラフィ(商品名「H2640」、日本アビオニクス(株)製)を用いて測定した。温度は、図5に示す点線に沿って、測定開始点91から、測定終点92(中央付近)まで、連続的に各測定地点の温度を測定した(発熱後温度、(単位:℃))。なお、測定は、温度20〜25℃の環境で行った。なお、図5は、実施例で得られた熱拡散性フィルム7を、ノートパソコン4の筐体の底面の内側表面に貼り付けたノートパソコンの底面図である。図5では、発熱源であるCPU6、及び熱拡散性フィルム7の位置がわかるように表している。
各測定地点の位置(測定開始点91と測定終点92との距離に対する、測定開始点91と各測定地点との距離の割合)は、以下の式から求めた。なお、測定開始点91の位置は0であり、測定終点92の位置は1とした。
(各測定地点の位置)=(測定開始点91と各測定地点との距離(単位:mm))/(測定開始点91と測定終点92との距離(単位:mm))
また、各測定地点の上昇温度比を以下のようにして求めた。フィルムを貼付していないノートパソコンの底面の温度のうち、最も温度が上昇していた測定地点の発熱後温度と発熱前温度との差(上昇温度)を、1とした。即ち、フィルムを貼付していないノートパソコンにおいて、最も温度が上昇していた測定地点の上昇温度比を1とした。そして、フィルムを貼付していないノートパソコン、及び各実施例で得られた熱拡散性フィルムを貼り付けたノートパソコンの各測定地点の上昇温度比を、以下の式により算出した。
各測定地点の上昇温度比=((測定地点の発熱後温度)−(各ノートパソコンの発熱前温度))/((フィルムを貼付していないノートパソコンの底面の温度のうち、最も温度が上昇していた測定地点の発熱後温度)−(フィルムを貼付していないノートパソコンの発熱前温度))
各測定地点の位置を横軸に、各測定地点の上昇温度比を縦軸にとり、上昇温度比の変化を、図6に示した。
(熱伝導率)
実施例で得られた熱拡散性フィルムの各層の熱伝導率を、JIS A1412−1に準拠して測定した。
(放射率)
実施例で得られた熱拡散性フィルムの各層の放射率を、放射率計(商品名「D&S AERD放射率計」京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
Figure 0006317102
表1からわかるとおり、本発明の熱拡散性フィルムは、温度上昇を抑えることができた。
また、図6に示すように、本発明の熱拡散性フィルムを用いると、測定地点の位置が0.7〜1付近で、ノートパソコンの底面の温度が上昇していた。また、発熱源であるCPUの近く(測定地点の位置が0.3付近)では、上昇温度比が小さかった。これは、発熱源近くの熱が周囲に拡散し、発熱源から離れた位置の温度が上昇していることを示している。特に、実施例2の熱拡散性フィルムは、上昇温度比が小さく、ノートパソコンの内部全体に熱を効率よく拡散していた。この結果から、熱拡散性フィルムで反射した熱の中には、筐体内部でランダムに反射されて再度熱拡散性フィルムに入射する熱が存在するため、層Aの放射率を適度な範囲とすることで、全体としてバランスよく熱を拡散できるとも推測される。
小型化や薄型化した電子機器においては、非常に熱がこもりやすいため、わずかな温度上昇でも影響が大きい。本発明の熱拡散性フィルムを用いることにより、発熱した電子部品の熱を、電子機器の内部全体に効率よく拡散することができる。
熱拡散性の評価に用いたノートパソコンには、測定地点の位置が0〜0.2付近(発熱源であるCPUの近辺)にファンがあり、熱を外部に放出している。測定地点の位置が0〜0.2付近では、熱が外部へ放出されるため、上昇温度比が低いと考えられる。詳細は不明であるが、実施例2の熱拡散性フィルムは、層Aが適度な放射率を有し、拡散した熱が外部へ一層放出されやすいためか、測定地点の位置が0〜0.2付近において上昇温度比が低かった。
1 金属層
2 熱透過性層
21 熱透過性層の部分
3 電気絶縁性層の部分
4 電子機器の筐体
5 基板
6 発熱源であるCPU
7 熱拡散性フィルム
8 測定地点
91 測定開始点
92 測定終点

Claims (9)

  1. 放射率が0.5未満である層Aを有し、前記層Aが金属層及び熱透過性層を有する積層体であり、前記熱透過性層の熱透過率が60%以上である、電子機器の筺体に貼付して用いられる熱拡散性フィルム。
  2. 前記熱透過性層がポリオレフィン系ポリマーを含む組成物により形成される層である請求項1に記載の熱拡散性フィルム。
  3. 前記層Aが、表面に凹凸構造を有する層である請求項1又は2に記載の熱拡散性フィルム。
  4. さらに、伝熱層及び/又は断熱層を有する請求項1〜の何れか1項に記載の熱拡散性フィルム。
  5. 前記伝熱層が熱伝導性粒子を含有する層である請求項に記載の熱拡散性フィルム。
  6. 前記伝熱層の熱伝導率が20W/m・K以上である請求項4又は5に記載の熱拡散性フィルム。
  7. 前記断熱層が発泡体である請求項に記載の熱拡散性フィルム。
  8. 体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上である請求項1〜の何れか1項に記載の熱拡散性フィルム。
  9. 筺体に請求項1〜の何れか1項に記載の熱拡散性フィルムが貼付された電子機器。
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