以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
≪第1実施形態≫
図1は本発明の一実施の形態に係るタッチセンサを示す斜視図、図2は本発明の一実施の形態に係る配線基板を示す平面図、図3は図2のIII部の部分拡大図、図4は図3のIV-IV線に沿った断面図、図5は本発明の第1実施形態に係る第1の導体線を説明するための断面図、図6は図3のVI-VI線に沿った断面図、図7は開口率を説明するための説明図、図8は図3のVIII-VIII線に沿った断面図、図9は本発明の第1実施形態に係る配線基板の第1変形例を示す平面図である。
本実施形態の配線体4を備えるタッチセンサ1は、たとえば、静電容量方式等のタッチパネルやタッチパッドに用いられるタッチ入力装置である。タッチ入力装置には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示装置が組み込まれている。図1及び図2に示すように、タッチセンサ1は、基材3及び配線体4を備える配線基板2と、当該配線基板2(配線体4)上に樹脂層9を介して積層された網目状電極層101及び引き出し配線層102と、を備えている。
配線体4が備える網目状電極層6は、Y方向にそれぞれ延在する複数(本実施形態では、3つ)の検出電極であり、網目状電極層101は、網目状電極層6に対向して配置され、X方向にそれぞれ延在する複数(本実施形態では、4つ)の検出電極である。タッチセンサ1では、網目状電極層6が引き出し配線層7を介して外部回路と接続されると共に、網目状電極層101が引き出し配線層102を介して外部回路と接続される。そして、網目状電極層6,101間に所定電圧を周期的に印加し、2つの網目状電極層6,101の交点毎の静電容量の変化に基づいて、タッチセンサ1における操作者の操作位置(接触位置)を判別する。
なお、本実施形態では、樹脂層9は、接着層5と同様の構成を有しており、網目状電極層101は、網目状電極層6と同様の構成を有しており、引き出し配線層102は、引き出し配線層7と同様の構成を有している。したがって、本明細書において、以下の説明では、樹脂層9、網目状電極層101、及び、引き出し配線層102の詳細の説明を省略する。本実施形態における「配線基板2」が本発明における「配線基板」及び「タッチセンサ」の一例に相当する。
基材3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シリコーン樹脂(SI)、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、グリーンシート、ガラス等の材料を例示できる。基材は、易接着層や光学調整層が形成されていてもよい。なお、配線基板2をタッチパネルの電極基板に用いる場合は、基材3を構成する材料としては、透明なものが選択される。本実施形態における「基材3」が本発明における「支持体」の一例に相当する。
配線体4は、基材3の主面31上に形成されており、当該基材3により支持されている。この配線体4は、接着層5と、網目状電極層6と、引き出し配線層7と、境界線8と、を備えている。本実施形態における「配線体4」が本発明における「配線体」の一例に相当する。
本実施形態における樹脂層としての接着層5は、基材3と網目状電極層6とを相互に接着して固定する部材である。同様に、接着層5は、基材3と引き出し配線層7、及び、基材3と境界線8も相互に接着して固定する。このような接着層5を構成する材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。本実施形態における接着層5は、図4,図6及び図8に示すように、基材3の主面31上に略一定の厚さで設けられた平坦部51と、当該平坦部51上に形成された支持部52と、から構成されている。
平坦部51は、基材3の主面31を覆うように一様に設けられており、当該平坦部51の主面511は、基材3の主面31と略平行な面となっている。平坦部51の厚さは、5μm〜100μmとなっていることが好ましい。支持部52は、平坦部51と網目状電極層6との間、平坦部51と引き出し配線層7との間、及び、平坦部51と境界線8との間に形成されており、基材3から離れる方向(図3中の+Z方向)に向かって突出するように形成されている。このため、支持部52が設けられている部分における接着層5の厚さ(高さ)は、平坦部51における接着層5の厚さ(高さ)よりも大きくなっている。
この接着層5は、支持部52の上面である接触面522において、網目状電極層6(具体的には、接触面61(後述))、引き出し配線層7(具体的には、接触面71(後述))、及び、境界線8(具体的には、接触面81(後述))と接している。
この接触面522は、図3に示すように、凹凸形状を有する接触面61,71,81に対して相補的となる凹凸形状を有している。図4,図6,及び図8に示すように、各導体線(第1の導体線64(後述)、第2の導体線74(後述)、及び境界線8)の延在方向の断面においても、接触面61,71,81と接触面61とは、相互に相補的となる凹凸形状を有している。図4,図6,及び図8においては、本実施形態の配線体4を分かり易く説明するために、接触面61,71,81及び接触面61の凹凸形状を誇張して示している。
この支持部52は、短手方向断面視において、基材3から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜する直線状とされた2つの側面521,521を有している。
網目状電極層6は、図2に示すように、Y方向に延在するタッチセンサ1の検出電極であり、接着層5の支持部52上に積層され、+Z方向に向かって突出するように形成されている(例えば、図4参照)。この網目状電極層6は、平面視において、矩形状の外形を有している。本実施形態における「網目状電極層6」が本発明における「電極層」の一例に相当する。
この網目状電極層6は、導電性粉末とバインダ樹脂とから構成されている。網目状電極層6では、バインダ樹脂中に導電性粉末が略均一に分散して存在しており、この導電性粉末同士が相互に接触することで、当該網目状電極層6に導電性が付与されている。このような網目状電極層6を構成する導電性粉末としては、銀、銅、ニッケル、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、パラジウムなどの金属材料や、グラファイト、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等のカーボン系材料を挙げることができる。なお、導電性粉末の他に、上述の金属材料の塩である金属塩を用いてもよい。
網目状電極層6に含まれる導電性粉末としては、網目状電極層6を構成する導体線の幅に応じて、たとえば、0.5μm以上2μm以下の粒径φ(0.5μm≦φ≦2μm)を有する導電性粉末を用いることができる。なお、網目状電極層6における電気抵抗値を安定させる観点から、網目状電極層6を構成する第1の導体線64の幅の半分以下の平均粒径φを有する導電性粉末を用いることが好ましい。また、導電性粉末としては、BET法により測定した比表面積が20m2/g以上の粒子を用いることが好ましい。
網目状電極層6として、一定以下の比較的小さい電気抵抗値が求められる場合、導電性粉末としては金属材料を用いることが好ましいが、網目状電極層6として、一定以上の比較的大きい電気的抵抗値が許容される場合には、導電性粉末としてカーボン系材料を用いることができる。なお、導電性粉末としてカーボン系材料を用いると、メッシュフィルムのヘイズや全光線反射率を改善させる観点から好ましい。
本実施形態では、電極層を網目状とすることで網目状電極層6に光透過性を付与している。この場合、網目状電極層6を構成する導電性材料として、銀、銅、ニッケルの金属材料や、上述のカーボン系材料といった導電性は優れるが不透明な導電性材料(不透明な金属材料及び不透明なカーボン系材料)を用いることができる。
網目状電極層6を構成するバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を例示することができる。なお、網目状電極層6を構成する材料からバインダ樹脂を省略してもよい。
このような網目状電極層6は、導電性ペーストを塗布して硬化させることで形成されている。導電性ペーストの具体例としては、導電性粉末、バインダ樹脂、水もしくは溶剤、及び各種添加剤を混合して構成する導電性ペーストを例示することができる。導電性ペーストに含まれる溶剤としては、α-テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、1−デカノール、ブチルセルソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラデカン等を例示することができる。
本実施形態の網目状電極層6は、図3に示すように、導電性を有する複数の第1の導体線64a,64bを交差させて構成されており、その全体として、四角形状とされた複数の第1の単位網目65が繰り返し配列された形状を有している。本実施形態における「第1の導体線64a,64b」が本発明における「第1の導体線」の一例に相当し、本実施形態における「第1の単位網目65」が本発明における「単位網目」の一例に相当する。なお、以下の説明では、必要に応じて「第1の導体線64a」及び「第1の導体線64b」を「第1の導体線64」と総称する。
本実施形態の第1の導体線64の外形は、図4に示すように、接触面61と、頂面62と、2つの側面63,63と、から構成されている。接触面61は、接着層5(具体的には、接触面522)と接触している面である。本実施形態の網目状電極層6は、接着層5を介して基材3に支持されるものであるが、この場合、接触面61は、頂面62に対して基材3側に位置する面となる。また、接触面61は、短手方向断面において、微細な凹凸からなる凹凸状の面となっている。この接触面61の凹凸形状は、接触面61の面粗さに基づいて形成されている。接触面61の面粗さについては、後に詳細に説明する。
一方、頂面62は、接触面61の反対側の面であり、基材3の主面31(或いは、主面31と対向する接着層5の面)と実質的に平行な面とされている。頂面62は、直線状の頂面平坦部621を含んでいる。網目状電極層6の幅方向の断面において、頂面平坦部621の幅は、頂面62の幅の半分以上となっている。本実施形態では、頂面62の略全体が頂面平坦部621となっている。この頂面平坦部621の平面度は、0.5μm以下となっている。なお、平面度は、JIS法(JIS B0621(1984))により定義することができる。
頂面平坦部621の平面度は、レーザ光を用いた非接触式の測定方法を用いて求める。具体的には、帯状のレーザ光を測定対象に照射し、その反射光を撮像素子(たとえば、2次元CMOS)上に結像させて平面度を測定する。平面度の算出方法は、対象の平面において、できるだけ離れた3点を通過する平面をそれぞれ設定し、それらの偏差の最大値を平面度として算出する方法(最大ふれ式平面度)を用いる。なお、平面度の測定方法や算出方法は、特に上述に限定されない。たとえば、平面度の測定方法は、ダイヤルゲージ等を用いた接触式の測定方法であってもよい。また、平面度の算出方法は、対象となる平面を、平行な平面で挟んだときにできる隙間の値を平面度として算出する方法(最大傾斜式平面度)を用いてもよい。
側面63は、図4に示すように、接触面61と頂面62との間に介在している。側面63は、一方の端部631で頂面62と繋がり、他方の端部632で接触面61と繋がっている。
側面63,63は、短手方向断面視において、接着層5から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜する直線状とされた面である。また、本実施形態では、側面63,63は、短手方向断面視において、接触面522,61の界面とつながる部分で側面521,521に連続的となっている。側面63,63は、短手方向断面視において、直線状とされ、接着層5から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜して形成されている。第1の導体線64は、当該第1の導体線64の短手方向断面視において、接着層5から離れるに従い幅狭となるテーパ形状となっている。
側面63は、第1の導体線64の幅方向の断面において、側面平坦部633を含んでいる。側面平坦部633は、第1の導体線64の短手断面視において、側面63に存在する直線状の部分である。この側面平坦部633の平面度は、0.5μm以下となっている。本実施形態の側面63は、その両端631,632を通る仮想直線(不図示)上を延在しており、側面63の略全体が側面平坦部633となっている。
側面63の形状としては、特に上述に限定されない。たとえば、側面63は、第1の導体線64の短手方向断面視において、外側に向かって突出する円弧形状であってもよい。この場合、側面63は、両端631,632を通る第2の仮想直線よりも外側に存在している。このように、側面63は、第1の導体線64の短手方向断面視において、その両端を通る仮想直線よりも内側に存在しない形状であることが好ましい。たとえば、側面の形状としては、網目状電極層を構成する導体線の短手方向断面視において、第1の樹脂層に接近するに従い漸次的に導体線の幅が大きくなる場合において、当該側面が内側に向かって凹む円弧形状(すなわち、導体線の裾が広がっている形状)でないことが好ましい。
本実施形態における網目状電極層6の接触面61の面粗さは、当該網目状電極層6と接着層5とを強固に固定する観点から、頂面62の面粗さに対して相対的に粗いことが好ましい。本実施形態では、頂面62が頂面平坦部621を含んでいることから、上記面粗さの相対的関係(接触面61の面粗さに対して頂面62の面粗さが相対的に大きい関係)が成立している。具体的には、接触面61の面粗さRaが0.1μm〜3.0μm程度であるのに対し、頂面62の面粗さRaは0.001μm〜1.0μm程度となっていることが好ましい。なお、接触面61の面粗さRaは0.1μm〜0.5μmであることがより好ましく、頂面62の面粗さRaが0.001μm〜0.3μmであることがさらにより好ましい。また、接触面61の面粗さに対する頂面62の面粗さの関係が、0.01〜1未満であることが好ましく、0.1〜1未満であることがより好ましい。また、頂面62の面粗さは、第1の導体線64の幅(最大幅)の1/5以下であることが好ましい。なお、このような面粗さは、JIS法(JIS B0601(2013年3月21日改正))により測定することができる。接触面61の面粗さや頂面62の面粗さの測定は、第1の導体線64の幅方向に沿って行ってもよいし、第1の導体線64の延在方向に沿って行ってもよい。
因みに、JIS法(JIS B0601(2013年3月21日改正))に記載されるように、ここでの「面粗さRa」とは「算術平均粗さRa」のことをいう。この「算術平均粗さRa」とは、断面曲線から長波長成分(うねり成分)を遮断して求められる粗さパラメータのことをいう。断面曲線からのうねり成分の分離は、形体を求めるのに必要な測定条件(たとえば、当該対象物の寸法等)に基づいて行われる。
本実施形態では、側面63も側面平坦部633を含んでいる。このため、頂面62と同様、接触面61の面粗さが側面63の面粗さに対して相対的に大きくなっている。側面63の面粗さRaとしては、接触面61の面粗さRaが0.1μm〜3.0μmであるのに対して、0.001μm〜1.0μmであることが好ましく、0.001μm〜0.3μmであることがより好ましい。側面63の面粗さの測定は、第1の導体線64の幅方向に沿って行ってもよいし、第1の導体線64の延在方向に沿って行ってもよい。
接触面61と、当該接触面61以外の他の面(頂面62及び側面63)との面粗さの相対的関係が、上述の関係を満たす場合、接触面61側の乱反射率に対して当該接触面61以外の他の面側の乱反射率が小さくなっている。この場合、接触面61側の乱反射率と当該接触面61以外の他の面側の乱反射率との比は、0.1〜1未満であることが好ましく、0.3〜1未満であることがより好ましい。
上述した接触面と当該接触面以外の他の面との面粗さの相対的関係を有する導体線の形状の一例を、図5を参照しながら説明する。導電性粒子Mとバインダ樹脂Bとにより構成される網目状電極層6Bの接触面61Bでは、第1の導体線64Bの短手方向断面視において、導電性粒子Mの一部がバインダ樹脂Bから突出している。これにより、接触面61Bは、凹凸形状を有している。一方、頂面62B及び側面63Bでは、第1の導体線64Bの短手方向断面視において、導電性粒子M同士の間にバインダ樹脂Bが入り込んでいる。頂面62B及び側面63B上では、導電性粒子Mの僅かな露出部分が点在しているが、バインダ樹脂Bが導電性粒子Mを覆っている。これにより、頂面62Bに直線状の頂面平坦部621Bが含まれ、側面63Bに直線状の側面平坦部633Bが含まれる。この場合、接触面61Bの面粗さは、頂面62Bの面粗さに対して相対的に大きく、また、側面63Bの面粗さに対して相対的に大きい。なお、側面63Bにおいて、バインダ樹脂Bが導電性粒子Mを覆っていることで、隣り合う第1の導体線64B同士の間における電気絶縁性が向上し、マイグレーションの発生が抑制される。
図3に戻り、本実施形態の網目状電極層6では、以下のように第1の導体線64を配設する。すなわち、第1の導体線64aは、X方向に対して+45°に傾斜した方向(以下、単に「第1の方向」との称する。)に沿って直線状に延在しており、当該複数の第1の導体線64aは、この第1の方向に対して実質的に直交する方向(以下、単に「第2の方向」とも称する。)に等ピッチP11で並べられている。これに対し、第1の導体線64bは、第2の方向に沿って直線状に延在しており、当該複数の第1の導体線64bは、第1の方向に等ピッチP12で並べられている。そして、これら第1の導体線64a,64bが相互に直交することで、四角形状(菱型状)の第1の単位網目65が繰り返し配列された網目状電極層6が形成されている。本明細書において、ピッチとは中心間距離のことを示す。
なお、網目状電極層6の構成は、特に上述に限定されない。たとえば、本実施形態では、第1の導体線64aのピッチP11と第1の導体線64bのピッチP12とを実質的に同一としているが(P11=P12)、特にこれに限定されず、第1の導体線64aのピッチP11と第1の導体線64bのピッチP12とを異ならせてもよい(P11≠P12)。この場合、第1の単位網目は、長方形状の外形を有する。
また、本実施形態では、第1の導体線64aの延在方向である第1の方向は、X方向に対して+45°に傾斜した方向とされ、第1の導体線64bの延在方向である第2の方向は、第1の方向に対して実質的に直交する方向とされているが、第1及び第2の方向の延在方向(すなわち、X軸に対する第1の方向の角度やX軸に対する第2の方向の角度)は、任意とすることができる。
また、網目状電極層6の第1の単位網目65の形状は、幾何学模様であってもよい。すなわち、第1の単位網目65の形状が、正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形でもよいし、長方形、正方形、ひし形、平行四辺形、台形等の四角形でもよい。また、第1の単位網目65の形状が、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形や、円、楕円、星型等でもよい。
このように、網目状電極層6として、種々の図形単位を繰り返してえられる幾何学模様を、当該網目状電極層6の第1の単位網目65の形状として用いることができる。また、本実施形態では、第1の導体線64は、直線状とされているが、特にこれに限定されず、たとえば、曲線状、馬蹄状、ジグザグ線状等にしてもよい。
引き出し配線層7は、図2に示すように、網目状電極層6に対応して設けられており、本実施形態では、3つの網目状電極層6に対して3つの引き出し配線層7が形成されている。この引き出し配線層7は、境界線8を介して網目状電極層6における図中の−Y方向側から引き出されている。この引き出し配線層7は、上述した網目状電極層6と同様の材料によって一体的に形成されている。
この「一体的に」とは、部材同士が分離しておらず、且つ、同一材料(同一粒径の導電性粒子、バインダ樹脂等)により一体の構造体として形成されていることを意味する。なお、網目状電極層6の外縁において、引き出し配線層7が設けられる位置は特に限定されない。
引き出し配線層7は、一方の端部76で境界線8と接触している。この引き出し配線層7は、端部76から引き出し配線層7が最初に屈曲する部分(屈曲部77)までの間において、実質的に同一の幅を有している。この屈曲部77では、平面視において、引き出し配線層7の延在方向が変化している。図2に示すように、引き出し配線層7は、端部76から最初の屈曲部77まで、網目状電極層6の延在方向と実質的に一致する方向に引き出されている。なお、特に上述に限定されず、引き出し配線層は、端部76から最初の屈曲部77まで、網目状電極層6の延在方向と交差する方向に引き出されていてもよい。このように、本実施形態では、引き出し配線層7及び境界線8が接続される近傍において、引き出し配線層7の幅が大きくならない。これにより、引き出し配線層7を視認し難くすることができるので、タッチセンサ1の視認性の低下を抑制することができる。また、端部76から屈曲部77までの間において、引き出し配線層7の幅を変化させないことで、引き出し配線層7を形成する領域の省スペース化を図ることができる。
本実施形態の引き出し配線層7は、図3に示すように、導電性を有する複数の第2の導体線74a,74bを交差させて構成されており、その全体として、四角形状とされた複数の第2の単位網目75が繰り返し配列された形状を有している。本実施形態における「第2の導体線74a,74b」が本発明における「第2の導体線」の一例に相当し、なお、以下の説明では、必要に応じて「第2の導体線74a」及び「第2の導体線74b」を「第2の導体線74」と総称する。
本実施形態の第2の導体線74は、図6に示すように、網目状電極層6と同様、接触面71と、頂面72と、2つの側面73,73と、から構成されている。接触面71は、接着層5と接触している面である。本実施形態の引き出し配線層7は、接着層5を介して基材3に支持されるものであるが、この場合、接触面71は、頂面72に対して基材3側に位置する面となる。また、接触面71は、短手方向断面において、微細な凹凸からなる凹凸状の面となっている。この接触面71の凹凸形状は、接触面71の面粗さに基づいて形成されている。接触面71の面粗さについては、後に詳細に説明する。
一方、頂面72は、接触面71の反対側の面であり、基材3の主面31(或いは、主面31と対向する接着層5の面)と実質的に平行な面とされている。頂面72は、直線状の頂面平坦部721を含んでいる。網目状電極層6の幅方向の断面において、頂面平坦部721の幅は、頂面72の幅の半分以上となっている。本実施形態では、頂面72の略全体が頂面平坦部721となっている。この頂面平坦部721の平面度は、0.5μm以下となっている。頂面平坦部721の平面度の測定方法としては、上述した頂面平坦部621の平面度の測定方法と同様の方法を用いる。
側面73は、図6に示すように、接触面71と頂面72との間に介在している。側面73は、一方の端部731で頂面72と繋がり、他方の端部732で接触面71と繋がっている。
側面73,73は、短手方向断面視において、接着層5から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜する直線状とされた面である。また、本実施形態では、側面73,73は、短手方向断面視において、接触面522,71の界面とつながる部分で側面521,521に連続的となっている。側面73,73は、短手方向断面視において、直線状とされ、接着層5から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜して形成されている。第2の導体線74は、当該第2の導体線74の短手方向断面視において、接着層5から離れるに従い幅狭となるテーパ形状となっている。
側面73は、第2の導体線74の幅方向の断面において、側面平坦部733を含んでいる。側面平坦部733は、第2の導体線74の短手断面視において、側面73に存在する直線状の部分である。この側面平坦部733の平面度は、0.5μm以下となっている。本実施形態の側面73は、その両端731,732を通る仮想直線(不図示)上を延在しており、側面73の略全体が側面平坦部733となっている。
側面73の形状としては、特に上述に限定されない。たとえば、側面73は、第2の導体線74の短手方向断面視において、外側に向かって突出する円弧形状であってもよい。この場合、側面73は、両端731,732を通る仮想直線よりも外側に存在している。このように、側面73は、第2の導体線74の短手方向断面視において、その両端を通る仮想直線よりも内側に存在しない形状であることが好ましい。たとえば、側面の形状としては、引き出し配線層を構成する導体線の短手方向断面視において、第1の樹脂層に接近するに従い漸次的に導体線の幅が大きくなる場合において、当該側面が内側に向かって凹む円弧形状(すなわち、導体線の裾が広がっている形状)でないことが好ましい。
本実施形態の引き出し配線層7は、上述の網目状電極層6と同様、当該引き出し配線層7と接着層5とを強固に固定する観点から、接触面71の面粗さが頂面72の面粗さに対して相対的に粗いことが好ましい。本実施形態では、頂面72が頂面平坦部721を含んでいることから、上記面粗さの相対的関係(接触面71の面粗さに対して頂面72の面粗さが相対的に大きい関係)が成立している。具体的には、接触面71の面粗さRaが0.1μm〜3.0μm程度であるのに対し、頂面72の面粗さRaは0.001μm〜1.0μm程度となっていることが好ましい。なお、接触面71の面粗さRaは0.1μm〜0.5μmであることがより好ましく、当該頂面72の面粗さRaが0.001μm〜0.3μmであることがさらにより好ましい。また、接触面71の面粗さに対する頂面72の面粗さの関係が、0.01〜1未満であることが好ましく、0.1〜1未満であることがより好ましい。また、頂面72の面粗さは、第2の導体線74の幅(最大幅)の1/5以下であることが好ましい。接触面71の面粗さや頂面72の面粗さの測定は、第2の導体線74の幅方向に沿って行ってもよいし、第2の導体線74の延在方向に沿って行ってもよい。
また、本実施形態では、側面73も側面平坦部733を含んでいる。このため、頂面72と同様、接触面71の面粗さが側面73の面粗さに対して相対的に大きくなっている。側面73の面粗さRaとしては、接触面71の面粗さRaが0.1μm〜3.0μmであるのに対して、0.001μm〜1.0μmであることが好ましく、0.001μm〜0.3μmであることがより好ましい。側面73の面粗さの測定は、第2の導体線74の幅方向に沿って行ってもよいし、第2の導体線74の延在方向に沿って行ってもよい。
また、接触面71と、当該接触面71以外の他の面(頂面72及び側面73)との面粗さの相対的関係が、上述の関係を満たす場合、接触面71側の乱反射率に対して当該接触面71以外の他の面側の乱反射率が小さくなっている。この場合、接触面71側の乱反射率と当該接触面71以外の他の面側の乱反射率との比は、0.1〜1未満であることが好ましく、0.3〜1未満であることがより好ましい。
上述した接触面と当該接触面以外の他の面との面粗さの相対的関係を有する第2の導体線の形状の一例としては、図5に示した第1の導体線と同様の形状を挙げることができる。つまり、特に図示しないが、第2の導体線の接触面では、当該第2の導体線の短手方向断面視において、導電性粒子の一部がバインダ樹脂から突出している。これにより、第2の導体線の接触面は、凹凸形状を有している。一方、第2の導体線の頂面及び側面では、第2の導体線の短手方向断面視において、導電性粒子同士の間にバインダ樹脂が入り込んでいる。第2の導体線の頂面及び側面上では、導電性粒子の僅かな露出部分が点在しているが、バインダ樹脂が導電性粒子を覆っている。これにより、第2の導体線の頂面に直線状の部分(すなわち、頂面平坦部)が含まれ、第2の導体線の側面に直線状の部分(すなわち、側面平坦部)が含まれる。この場合、第2の導体線の接触面の面粗さは、第2の導体線の頂面の面粗さに対して相対的に大きく、第2の導体線の側面の面粗さに対しても相対的に大きい。なお、第2の導体線の側面において、バインダ樹脂が導電性粒子を覆っていることで、隣り合う第2の導体線B同士の間における電気絶縁性が向上し、マイグレーションの発生が抑制される。なお、第2の導体線の形状は、特に上述に限定されない。
図3に戻り、本実施形態の引き出し配線層7では、以下のように、第2の導体線74を配設する。すなわち、第2の導体線74aは、第1の方向に沿って直線状に延在しており、当該複数の第2の導体線74aは、第2の方向に等ピッチP21で並べられている。これに対し、第2の導体線74bは、第2の方向に沿って直線状に延在しており、当該複数の第2の導体線74bは、第1の方向に等ピッチP22で並べられている。そして、これら第2の導体線74a,74bが相互に直交することで、四角形状(菱型状)の第2の単位網目75が繰り返し配列された網目状の引き出し配線層7が形成されている。
なお、網目状の引き出し配線層7の構成は、特に上述に限定されない。たとえば、本実施形態では、第2の導体線74aのピッチP21と第2の導体線74bのピッチP22とを実質的に同一としているが(P21=P22)、特にこれに限定されず、第2の導体線74aのピッチP21と第2の導体線74bのピッチP22とを異ならせてもよい(P21≠P22)。この場合、第2の単位網目は、長方形状の外形を有する。
引き出し配線層7の第2の単位網目75としては、網目状電極層6と同様、種々の図形単位を繰り返してえられる幾何学模様を、当該第2の単位網目75の形状として用いることができる。また、本実施形態では、第2の導体線74は、直線状とされているが、特にこれに限定されず、たとえば、曲線状、馬蹄状、ジグザグ線状等にしてもよい。
本実施形態の配線体4では、上述で説明したように、網目状電極層6及び引き出し配線層7のいずれも、複数の四角形状の単位網目が配列された網目状(メッシュ状)に形成されている。この場合、本実施形態では、網目状電極層6における視認性向上及び引き出し配線層7における電気的抵抗値の増大抑制の観点から、下記(7)式が成立している(図3、図4、及び図6参照)。
W11<W21・・・(7)
但し、上記(7)式において、W11は第1の導体線64の延在方向に対して直交する方向における第1の導体線64の幅であり、W21は第2の導体線74の延在方向に対して直交する方向における第2の導体線74の幅である。なお、ここでいう「幅」とは、導体線の延在方向に対して直交する方向における平均最大幅を示す。
このような第1の導体線64の幅W11の具体的な値としては、50nm〜1000μmであることが好ましく、500nm〜150μmであることがより好ましく、1μm〜10μmであることがさらに好ましく、1μm〜5μmであることがさらにより好ましい。また、第2の導体線74の幅W21の具体的な値としては、1μm〜500μmが好ましく、3μm〜100μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。また、第1の導体線及び第2の導体線74の深さとしては、100nm〜300μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。
また、本実施形態の配線体4では、下記(8)式が成立していることが好ましい。
A1>A2・・・(8)
但し、上記(8)式において、A1は前記電極層の開口率であり、A2は前記引き出し配線層の開口率である。
具体的には、網目状電極層6の開口率は、配線体4の下方に設置する光源からの光を透過させる光透過性を向上させる観点から、85%以上、100%未満となっていることが好ましく、90%以上、100%未満であることがより好ましい。一方、引き出し配線層7の開口率は、網目状電極層6と引き出し配線層7との剛性の差を縮小する観点や、当該引き出し配線層7の耐久性を向上させる観点から、50%以下となっていることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。
なお、この「開口率」とは、下記(9)式で表される比率を言う(図7参照)。
(開口率)=b×b/(a×a)・・・(9)
但し、上記(9)式において、aは任意の導体線400と、当該導体線400と隣り合う他の導体線400との間のピッチ(中心線CL間の距離)であり、bは任意の導体線400と、当該導体線400と隣り合う他の導体線400との間の距離を表す。
また、本実施形態における配線体4では、下記(10)式が成立していることが好ましい(図3参照)。
P11,P12>P21,P22・・・(10)
ただし、上記(10)式において、P11は隣り合う第1の導体線64a同士のピッチ、P12は隣り合う第1の導体線64b同士のピッチ、P21は隣り合う第2の導体線74a同士のピッチ、P22は隣り合う第2の導体線74b同士の間のピッチである。上記(10)式を満たすことで、引き出し配線層7の電気的抵抗値の増大が抑制される。
また、配線体4については、下記(11)式が成立していることが好ましい。
D1>W31・・・(11)
但し、上記(11)式において、D1は網目状電極層6の延在方向に対して直交する方向における第1の単位網目65の幅の最大値であり、W31は引き出し配線層7の延在方向に対して直交する方向における引き出し配線層7の端部76の幅である。上記(11)式を満たすことで、網目状電極層6における視認性向上がさらに図られる。
なお、図3においては、引き出し配線層7の網目形状を分かり易く説明するため、引き出し配線層7の端部76の幅を、第1の単位網目65の幅の最大値よりも大きく図示しているが、実際には、図2に示すように、引き出し配線層7の端部76の幅が、第1の単位網目65の幅の最大値よりも小さくなっている(すなわち、上記(11)式が成立している。)。
なお、本明細書において、引き出し配線層7の端部76の幅は、1mm以下とされている(W31≦1mm)。
また、本実施形態の第2の導体線74における接触面71の凹凸形状を均した面は、第1の導体線64における接触面61の凹凸形状を均した面に比べ、基板3から離れる方向に向かって緩やかに湾曲している(図4及び図6参照)。
このため、本実施形態では、下記(12)式及び(13)式が成立している。
S1<S2・・・(12)
R1<R2・・・(13)
ただし、上記(12)式において、S1は第1の導体線64の接触面61との接着部分(接着面)における接着層5の厚さ(面内全体の断面視における平均最大厚さ)であり、S2は第2の導体線74の接触面71との接着部分(接着面)における接着層5の厚さ(面内全体の断面視における平均最大厚さ)である。また、上記(13)式において、R1は第1の導体線64において接触面61を均した面(第1の接着面)における湾曲率であり、R2は第2の導体線74において接触面71を均した面(第2の接着面)における湾曲率である。
上記(12)式及び(13)式が成立することにより、第2の導体線74と接着層5の支持部52との接触面積を相対的に増大させ、当該第2の導体線74と支持部52との密着性を向上することができる。
なお、「面内全体の断面視における平均最大厚さ」とは、それぞれの導体線の幅方向に沿った断面を、当該導体線の延在方向全体に亘って複数採取し、それぞれの断面ごとに求められる最大厚さを平均したものである。因みに、上記導体線には、第1の導体線64及び第2の導体線74が含まれる。求めるパラメータに応じて、上記導体線は、適宜選択される。
境界線8は、図3に示すように、X方向に沿って延在する線状の部分であり、網目状電極層6と引き出し配線層7との間に介在している。この境界線8は、矩形状の外形を有する網目状電極層6の短辺(網目状電極層6の延在方向に直交する側の端部)に対応して配置されている。この境界線8は、網目状電極層6と同様の材料によって一体的に形成されている。結果として、本実施形態では、網目状電極層6、引き出し配線層7、及び境界線8は、同一の組成を有する材料により構成され、これらを一体的に基材3上に形成している。
本実施形態の境界線8は、矩形状の網目状電極層6の短辺に対応して直線状とされているが、特にこれに限定されず、たとえば、ジグザグ線状(図9参照)、曲線状、馬蹄状等にしてもよい。このように境界線8Bを非直線状にすることで、境界線8Bの形状として応力の集中を抑制することができる。この場合、配線体4Bを曲面に用いる場合に、境界線8Bが屈曲しても、境界線8Bが破断するのを抑えることができる。
本実施形態における「境界線8」が本発明における「境界線」の一例に相当する。
本実施形態の境界線8は、図8に示すように、網目状電極層6や引き出し配線層7と同様、接触面81と、頂面82と、2つの側面83,83と、から構成されている。接触面81は、接着層5と接触している面である。本実施形態の網目状電極層6は、接着層5を介して基材3に支持されるものであるが、この場合、接触面81は、頂面82に対して基材3側に位置する面となる。また、接触面81は、短手方向断面において、微細な凹凸からなる凹凸状の面となっている。この接触面81の凹凸形状は、接触面81の面粗さに基づいて形成されている。接触面81の面粗さについては、後に詳細に説明する。
一方、頂面82は、接触面81の反対側の面であり、基材3の主面31(或いは、主面31と対向する接着層5の面)と実質的に平行な面とされている。頂面82は、直線状の頂面平坦部821を含んでいる。網目状電極層6の幅方向の断面において、頂面平坦部821の幅は、頂面82の幅の半分以上となっている。本実施形態では、頂面82の略全体が頂面平坦部821となっている。この頂面平坦部821の平面度は、0.5μm以下となっている。頂面平坦部821の平面度の測定方法としては、上述した頂面平坦部621の平面度の測定方法と同様の方法を用いる。
側面83は、図8に示すように、接触面81と頂面82との間に介在している。側面83は、一方の端部831で頂面82と繋がり、他方の端部832で接触面81と繋がっている。
側面83,83は、短手方向断面視において、接着層5から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜する直線状とされた面である。また、本実施形態では、側面83,83は、短手方向断面視において、接触面522,81の界面とつながる部分で側面521,521に連続的となっている。側面83,83は、短手方向断面視において、直線状とされ、接着層5から離れるにしたがって、相互に接近するように傾斜して形成されている。境界線8は、当該境界線8の短手方向断面視において、接着層5から離れるに従い幅狭となるテーパ形状となっている。
側面83は、境界線8の幅方向の断面において、側面平坦部833を含んでいる。側面平坦部833は、境界線8の短手断面視において、側面83に存在する直線状の部分である。この側面平坦部833の平面度は、0.5μm以下となっている。本実施形態の側面83は、その両端831,832を通る仮想直線上を延在しており、側面83の略全体が側面平坦部833となっている。
側面83の形状としては、特に上述に限定されない。たとえば、側面83は、境界線8の短手方向断面視において、外側に向かって突出する円弧形状であってもよい。この場合、側面83は、両端831,832を通る仮想直線よりも外側に存在している。このように、側面83は、境界線8の短手方向断面視において、その両端を通る仮想直線よりも内側に存在しない形状であることが好ましい。たとえば、側面の形状としては、引き出し配線層を構成する導体線の短手方向断面視において、第1の樹脂層に接近するに従い漸次的に境界線の幅が大きくなる場合において、当該側面が内側に向かって凹む円弧形状(すなわち、境界線の裾が広がっている形状)でないことが好ましい。
本実施形態の境界線8は、上述の網目状電極層6や引き出し配線層7と同様、当該境界線8と接着層5とを強固に固定する観点から、接触面81の面粗さが頂面82の面粗さに対して相対的に粗いことが好ましい。本実施形態では、頂面82が頂面平坦部821を含んでいることから、上記面粗さの相対的関係(接触面81の面粗さに対して頂面82の面粗さが相対的に大きい関係)が成立している。具体的には、接触面81の面粗さRaが0.1μm〜3.0μm程度であるのに対し、頂面82の面粗さRaは0.001μm〜1.0μm程度となっていることが好ましい。なお、接触面81の面粗さRaは0.1μm〜0.5μmであることがより好ましく、当該頂面82の面粗さRaが0.001μm〜0.3μmであることがさらにより好ましい。また、接触面81の面粗さに対する頂面82の面粗さの関係が、0.01〜1未満であることが好ましく、0.1〜1未満であることがより好ましい。また、頂面82の面粗さは、境界線8の幅(最大幅)の1/5以下であることが好ましい。接触面81の面粗さや頂面82の面粗さの測定は、境界線8の幅方向に沿って行ってもよいし、境界線8の延在方向に沿って行ってもよい。
また、本実施形態では、側面83も側面平坦部833を含んでいる。このため、頂面82と同様、接触面81の面粗さが側面83の面粗さに対して相対的に大きくなっている。側面83の面粗さRaとしては、接触面81の面粗さRaが0.1μm〜3.0μmであるのに対して、0.001μm〜1.0μmであることが好ましく、0.001μm〜0.3μmであることがより好ましい。側面83の面粗さの測定は、境界線8の幅方向に沿って行ってもよいし、境界線8の延在方向に沿って行ってもよい。
また、接触面81と、当該接触面81以外の他の面(頂面82及び側面83)との面粗さの相対的関係が、上述の関係を満たす場合、接触面81側の乱反射率に対して当該接触面81以外の他の面側の乱反射率が小さくなっている。この場合、接触面81側の乱反射率と当該接触面81以外の他の面側の乱反射率との比は、0.1〜1未満であることが好ましく、0.3〜1未満であることがより好ましい。
上述した接触面と当該接触面以外の他の面との面粗さの相対的関係を有する境界線の形状の一例としては、図5に示した第1の導体線と同様の形状を挙げることができる。つまり、特に図示しないが、境界線の接触面では、当該境界線の短手方向断面視において、導電性粒子の一部がバインダ樹脂から突出している。これにより、境界線の接触面は、凹凸形状を有している。一方、境界線の頂面及び側面では、境界線の短手方向断面視において、導電性粒子同士の間にバインダ樹脂が入り込んでいる。境界線の頂面及び側面上では、導電性粒子の僅かな露出部分が点在しているが、バインダ樹脂が導電性粒子を覆っている。これにより、境界線の頂面に直線状の部分(すなわち、頂面平坦部)が含まれ、境界線の側面に直線状の部分(すなわち、側面平坦部)が含まれる。この場合、境界線の接触面の面粗さは、境界線の頂面の面粗さに対して相対的に大きく、境界線の側面の面粗さに対しても相対的に大きい。なお、境界線の側面において、バインダ樹脂が導電性粒子を覆っていることで、隣り合う境界線B同士の間における電気絶縁性が向上し、マイグレーションの発生が抑制される。なお、境界線の形状は、特に上述に限定されない。
また、本実施形態における境界線8における接触面81の凹凸形状を均した面は、引き出し配線層7と同様、基板3から離れる方向に向かって緩やかに湾曲している。このような境界線8の幅W41としては、たとえば、1μm〜500μmが好ましく、3μm〜100μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。また、境界線8の深さとしては、100nm〜300μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。
本実施形態の境界線8は、図2に示すように、その延在方向(すなわち、X方向)における長さL11が、網目状電極層6の延在方向に対して直交する方向(すなわち、X方向)における幅W51と実質的に一致するように形成されている(L11=W51)。
なお、境界線8の長さL11は、下記(14)式が成立していれば、特に上述に限定されない。
L11>W31・・・(14)
但し、上記(14)式において、L11は境界線8の延在方向における長さである。
このように、本実施形態では、上記(14)式が成立し、引き出し配線層7の幅方向において、引き出し配線層7の端部76の幅W31は、境界線8の延在方向の長さL11に対して相対的に小さい。このため、引き出し配線層7の端部76の幅全域で、引き出し配線層7と境界線8とが相互に接触している。一方、網目状電極層6を構成する少なくとも二本の第1の導体線64が境界線8と接触している。これにより、網目状電極層6及び引き出し配線層7間に電極端子を設ける必要がなく、配線体4の小型化を図ることができると共に、網目状電極層6と引き出し配線層7との電気的な接続の安定を図ることができる。
また、本実施形態のように、境界線8の延在方向における長さL11が、引き出し配線層7の端部76の幅W31に対して長い場合(L11>W31)、当該境界線8を介して電気的に接続される網目状電極層6と引き出し配線層7との間において、電気的抵抗値を低減することができる。但し、境界線8の長さL11が網目状電極層6の幅W51よりも大きいと、隣り合う網目状電極層6間を接続してしまうおそれがある。このため、境界線8の長さL11は網目状電極層6の幅W51以下(L11≦W51)とすることが好ましい。
さらに、網目状電極層6と境界線8との関係において、下記(15)式が成立していることが好ましい(図2及び図3参照)。
L11≧D1・・・(15)
上記(15)式が成立していることで、網目状電極層6と境界線8との導通をより確実に図ることができ、延いては、当該境界線8を介して網目状電極6と引き出し配線層7との導通をより確実に図ることができる。また、上記(15)式が成立していることで、網目状電極層6の第1の導体線64と境界線8と少なくとも2箇所以上で接触させることが可能なので、導通経路が拡大し当該網目状電極層6と境界線8との間で電気的抵抗値の低減を図ることができる。
また、本実施形態では、網目状電極層6と引き出し配線層7との電気的な接続の安定をさらに図る観点から、下記(16)式が成立していることが好ましい(図3,図6及び図8参照)。
W21≦W41・・・(16)
但し、上記(16)式において、W41は境界線8の幅である。
また、本実施形態の配線体4では、図3に示すように、境界線8の近傍において、網目状電極層6側に位置する電極側領域T1と、引き出し配線層7側に位置する配線側領域T2と、を備えている。電極側領域T1は、網目状電極層6を構成する第1の導体線64と境界線8とにより画定された領域のうち最小の領域である。この電極側領域T1は、第1の単位網目65とは異なる形状を有している。一方、配線側領域T2は、引き出し配線層7を構成する第2の導体線74と境界線8とにより画定された領域のうち最小の領域である。この第2の領域T2は、第2の単位網目75とは異なる形状を有している。
本実施形態の配線体4では、電極側領域T1及び配線側領域T2に導電性を有する材料を満たさないことで、境界線8の近傍において当該配線体4の可撓性が向上し、網目状電極層6及び境界線8間、及び、引き出し配線層7及び境界線8間における断線の発生を抑制している。本実施形態における「電極側領域T1」が本発明における「第1の領域」の一例に相当し、本実施形態における「配線側領域T2」が本発明における「第2の領域」の一例に相当する。
次に、本実施形態における配線基板の製造方法について説明する。図10(a)〜図10(e)は、本発明の第1実施形態における配線基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図10(a)に示すように、網目状電極層6の形状に対応する形状の第1の凹部111と、引き出し配線層7の形状に対応する形状の第2の凹部112と、境界線8の形状に対応する形状の第3の凹部113と、が形成された凹版11を準備する。
凹版11を構成する材料としては、ニッケル、シリコン、二酸化珪素などガラス類、セラミック類、有機シリカ類、グラッシーカーボン、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等を例示することができる。第1の凹部111の幅は、50nm〜1000μmであることが好ましく、500nm〜150μmであることがより好ましく、1μm〜10μmであることがさらに好ましく、1μm〜5μmであることがさらにより好ましい。一方、第2の凹部112及び第3の凹部113の幅は、1μm〜500μmであることが好ましく、3μm〜100μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。また、第1の凹部111、第2の凹部112及び第3の凹部113の深さは、100nm〜300μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。本実施形態において第1〜第3の凹部111,112,113の断面形状は、底部に向かうにつれて幅狭となるテーパー形状が形成されている。
なお、第1〜第3の凹部111,112,113の表面には、離型性を向上するために、黒鉛系材料、シリコーン系材料、フッ素系材料、セラミック系材料、アルミニウム系材料等からなる離型層(不図示)を予め形成することが好ましい。
上記の凹版11の第1〜第3の凹部111,112,113に対し、導電性材料12を充填する。このような導電性材料12としては、上述した導電性ペーストを用いる。
導電性材料12を凹版11の第1〜第3の凹部111,112,113に充填する方法としては、例えばディスペンス法、インクジェット法、スクリーン印刷法を挙げることができる。もしくはスリットコート法、バーコート法、ブレードコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法での塗工の後に第1、第2及び第3の凹部111、112、113以外に塗工された導電性材料をふき取るもしくは掻き取る、吸い取る、貼り取る、洗い流す、吹き飛ばす方法を挙げることができる。導電性材料の組成等、凹版の形状等に応じて適宜使い分けることができる。
次に、図10(b)に示すように、凹版11の第1〜第3の凹部111,112,113に充填された導電性材料12を加熱することにより網目状電極層6、引き出し配線層7及び境界線8を形成する。導電性材料12の加熱条件は、導電性材料の組成等に応じて適宜設定することができる。この加熱処理により、導電性材料12が体積収縮し、当該導電性材料12のうち引き出し配線層7の表面121、及び、境界線8の表面122には湾曲形状が形成される。また、当該導電性材料12の表面121,122には、僅かに凹凸形状が形成されている。この際、導電性材料12の上面を除く外面は、第1〜第3の凹部111,112,113に沿った形状に形成される。
なお、導電性材料12の処理方法は加熱に限定されない。赤外線、紫外線、レーザー光等のエネルギー線を照射しても良いし、乾燥のみでもよい。また、これらの2種以上の処理方法を組合せても良い。表面121の凹凸形状や湾曲形状の存在により、引き出し配線層7と接着層5との接触面積が増大し、これらをより強固に接合することができる。同様に、表面122の凹凸形状や湾曲形状の存在により、境界線8と接着層5との接触面積が増大し、これらをより強固に接合することができる。
続いて、図10(c)に示すように、接着層5を形成するための接着材料13が基材3上に略均一に塗布されたものを用意する。このような接着材料13としては、上述した接着層5を構成する材料を用いる。接着材料13を基材3上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法等を例示することができる。
次いで、図10(d)に示すように、当該接着材料13が凹版11の第1〜第3の凹部111,112,113に入り込むよう基材3及び接着材料13を凹版11上に配置して基材3を凹版11に押し付け、接着材料13を硬化させる。接着材料13を硬化させる方法としては、紫外線、赤外線レーザー光等のエネルギー線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を例示することができる。これにより、接着層5が形成されると共に、当該接着層5を介して基材3と、網目状電極層6,引き出し配線層7,及び境界線8とが相互に接着され固定される。
なお、接着層5の形成方法は特に上記に限定されない。例えば、網目状電極層6,引き出し配線層7,及び境界線8が形成された凹版11(図10(b)に示す状態の凹版11)上に接着材料13を塗布し、当該接着材料13上に基材3を配置した後に、当該基材3を凹版11に配置して押し付けた状態で接着材料13を硬化させることにより接着層5を形成してもよい。なお、接着材料13として、熱可塑性材料を用いた場合には、熱等を加え溶融した後、冷却することにより、接着層5を形成することができる。
続いて、図10(e)に示すように、基材3、接着層5、網目状電極層6、引き出し配線層7、及び境界線8を凹版11から離型させ、配線体4を備えた配線基板2を得ることができる。
なお、特に図示しないが、上記工程が実行された後、得られた配線基板2上に、網目状電極層6,引き出し配線層7を,及び境界線8を覆うように樹脂材料を塗布して硬化させることで、樹脂層9が形成される。そして、形成された樹脂層9を介して網目状電極層6と対向するように網目状電極層101を形成する。また、網目状電極層101に接続される引き出し配線層102を形成する。以上により、配線体4を備えたタッチセンサ1を得ることができる。
樹脂層9を形成する方法としては、接着層5の形成方法と同様の方法を例示することができる。網目状電極層101及び引き出し配線層102を形成する方法としては、網目状電極層6及び引き出し配線層7の形成方法と同様の方法により形成することができる。
なお、網目状電極層101及び引き出し配線層102を形成する方法は、特に上述に限定されず、たとえば、樹脂層9を硬化させた後、当該樹脂層9上にスクリーン印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷等を用いて導電性材料を印刷することで形成してもよい。或いは、樹脂層9上に積層された金属層を網目状にパターニングすることで形成してもよい。或いは、スパッタリング法、真空蒸着法、化学蒸着法(CVD法)、無電解めっき法、電解めっき法、或いはそれらを組み合わせた方法を用いて、樹脂層9上に形成してもよい。
本実施形態における配線体4及び配線基板2は、以下の効果を奏する。
本実施形態では、線状の境界線8を介して電極層と引き出し配線層とを接続する。このため、電極層と引き出し配線層と接続する場合において、電極端子を必要としなくなり、配線体の小型化が図られる。
つまり、本実施形態の配線体4では、上記(7)及び(14)式が成立している。この(14)式が成立している場合、引き出し配線層7の幅方向において、引き出し配線層7の端部76の幅W31は、境界線8の延在方向の長さL11に対して相対的に小さい。このため、引き出し配線層7の端部76の幅全域で境界線8と相互に接触する。一方、網目状電極層6を構成する少なくとも二本の第1の導体線64が境界線8と接触している。これにより、電極層及び引き出し配線層間に電極端子を設ける必要がなく、網目状電極層6と引き出し配線層7との電気的な接続の安定が図られており、電極端子を省略した分、配線体4の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、上記(8)、(10)及び(11)式が成立していることで、網目状電極層6における視認性向上、引き出し配線層7の耐久性向上、及び、引き出し配線層7における電気的抵抗値の増大抑制が図られる。
また、本実施形態では、上記(12)及び(13)式が成立していることで、引き出し配線層7の第2の導体線74と接着層5の支持部52との密着性を向上することができる。これにより、引き出し配線層7及び接着層5間における剥離の発生が抑制される。なお、境界線8についても、上記(12)及び(13)式が成立していることで、当該境界線8及び接着層5間における剥離の発生も抑制される。
また、本実施形態では、上記(15)式が成立していることで、網目状電極層6と境界線8との導通をより確実に図ることができ、延いては、当該境界線8を介して網目状電極6と引き出し配線層7との導通をより確実に図ることができる。また、上記(15)式が成立していることで、網目状電極層6の第1の導体線64と境界線8とが少なくとも二本箇所以上で接触させることが可能なので、導通経路が増大し当該網目状電極層6と境界線8との間で電気的抵抗値の低減を図ることができる。
また、本実施形態の配線体4では、第1の導体線64の短手方向断面視において、第1の導体線64の接触面61と当該接触面61以外の他の面(頂面62及び側面63を含む面)との面粗さ(すなわち、うねり成分を遮断した粗さパラメータ)の相対的関係にも着目しており、当該接触面61の面粗さRaを他の面の面粗さRaに対して相対的に粗くしている。このため、接着層5と網目状電極層6とを強固に接着しつつ、外部から入射する光の乱反射を抑制することができる。特に、第1の導体線64の幅が1μm〜5μmの場合に、接触面61と他の面との面粗さの相対的関係が上述の関係を満たすことで、接着層5と網目状電極層6とを強固に接着しつつ、外部から入射する光の乱反射を抑制することができるという効果を顕著に奏することができる。
また、本実施形態では、側面63は、端部631,632を通る仮想直線と実質的に一致するように延在している。この場合、第1の導体線64の幅方向の断面において、側面の一部が、側面の両端を通る仮想直線よりも内側に存在しない形状となっていないため、配線体4の外部から入射する光の乱反射が抑えられる。これにより、配線体4の視認性をさらに向上することができる。
また、本実施形態では、接触面61の面粗さRaを接触面61以外の他の面(頂面62及び側面63を含む面)の面粗さRaに対して相対的に粗くしていることで、当該他の面側における乱反射率が、接触面61側における乱反射率に対して相対的に小さくなっている。ここで、配線体4の乱反射率が小さいと、第1の導体線64が白く映るのを抑え、当該第1の導体線64を視認できる領域においてコントラストの低下を抑制することできる。このように、本実施形態の配線体4の視認性のさらなる向上を図ることができる。
以下に、第1実施形態で説明した配線基板2(配線体4)の変形例について説明する。図11は本発明の第1実施形態に係る配線基板の第2変形例を示す平面図、図12は本発明の第1実施形態に係る配線基板の第3変形例を示す平面図、図13は本発明の第1実施形態に係る配線基板の第4変形例を示す平面図、図14は本発明の第1実施形態に係る配線基板の第5変形例を示す平面図である。
たとえば、図11に示すように、電極側領域T1に導電性を有する材料が満たされていてもよい。この場合、網目状電極層6と境界線8との間で機械的強度が向上し、配線体4Cにおいて、電気的な接続の安定がさらに図られる。また、図12に示すように、配線側領域T2に導電性を有する材料が満たされていてもよい。この場合、引き出し配線層7と境界線8との間で機械的強度が向上し、配線体4Dにおいて、電気的な接続の安定がさらに図られる。なお、特に図示しないが、電極側領域T1及び配線側領域T2の両方を、導電性を有する材料により満たしてもよい。
因みに、図11に示す例では、引き出し配線層7の幅に相当する幅を有し、網目状電極層6の延在方向に延在し、当該網目状電極層6と同一の中心軸を有する領域Z1内に存在する電極側領域T1に対して導電性を有する材料を充填している。なお、特にこれに限定されず、全ての電極側領域に導電性材料が満たされていてもよい。
この電極側領域T1及び配線側領域T2を満たす材料としては、上述の網目状電極層6、引き出し配線層7、及び境界線8を構成する材料と同様の材料を用いることができる。この場合、網目状電極層6、引き出し配線層7、境界線8、電極側領域T1を満たす材料、及び配線側領域T2を満たす材料のすべてが、同一の組成を有していることが好ましい。また、網目状電極層6、引き出し配線層7、及び境界線8を形成する方法と同様の方法により、これらと一体的に電極側領域T1及び配線側領域T2に対して導電性の材料を充填する。
また、第1の導体線64の構成は特に上述に限定されず、図13に示すような構成であってもよい。すなわち、本例では、第1の導体線64a,64b同士が交差する交点のうち境界線8に最も接近する第1の交点66と、境界線8との間において、当該第1の導体線64a,64bは、境界線8に接近するに従って当該第1の導体線64a,64bの幅が漸次的に拡大する幅広部641a,641bを有していてもよい。
この幅広部641a,641bは、一方の端部において境界線8と接触する位置に設けられている。このような幅広部641a,641bの傾斜角度θ1、θ2は、それぞれ15°以上であることが好ましい(θ1≧15°、θ2≧15°)。
幅広部641a,641bを形成することで、配線体4Eにおいて、網目状電極層6及び境界線8間において、機械的強度が向上し、電気的な接続の安定がさらに図られる。
なお、本例では、第1の導体線64a,64bのそれぞれに、幅広部641a,641bが形成されているが、特にこれに限定されない。たとえば、第1の導体線64aにのみ幅広部641aが形成されていてもよい。或いは、第1の導体線64bにのみ幅広部641bが形成されていてもよい。本実施形態における「第1の交点66」が本発明における「第1の接点」の一例に相当する。
また、本実施形態では、網目状電極層6を構成する第1の導体線64aの延在方向と、引き出し配線層を構成する第2の導体線74aの延在方向とは、いずれも第1の方向と実質的に一致し、網目状電極層6を構成する第1の導体線64bの延在方向と、引き出し配線層を構成する第2の導体線74bの延在方向とは、いずれも第2の方向と実質的に一致しているが、特に上述に限定されない。
たとえば、図14に示すように、第1の導体線64aBの延在方向が、引き出し配線層7を構成する第2の導体線74a,74bの延在方向のいずれとも一致しない方向であってもよい。また、第1の導体線64bBの延在方向が、引き出し配線層7を構成する第2の導体線74a,74bの延在方向のいずれとも一致しない方向であってもよい。
このように、本例では、第1の導体線64aBが第2の導体線74a,74bとは非平行となっていると共に、第1の導体線64bBが第2の導体線74a,74bとは非平行となっている。これにより、本例における配線体4Fでは、当該配線体4に加わる外力を受けて網目状電極層6が湾曲(屈曲)し易い方向と、引き出し配線層7が湾曲(屈曲)し易い方向と、が相互に異なる。したがって、網目状電極層6と引き出し配線層7との間の境界に応力が集中することを抑制し、当該網目状電極層6と引き出し配線層7との間の断線抑制効果をより向上させることができる。
≪第2実施形態≫
図15は本発明の第2実施形態に係るタッチセンサを示す平面図、図16は図15のXVI-XVI線に沿った断面図、図17は本発明の第2実施形態に係る配線体を示す平面図であり、第1の導体層を説明するための図、図18は図17のXVIII部の部分拡大図、図19は図18のXIX-XIX線に沿った断面図である。
本実施形態のタッチセンサ14は、図15及び図16に示すように、配線基板15により構成されている。配線基板15は、基材16と、配線体17と、を備えている。本実施形態における「配線基板15」が本発明における「配線基板」の一例に相当する。なお、図15においては、配線体17の構造を理解し易くするため、第3の樹脂層30(後述)を省略し、第2の導体層25(後述)を実線で表示する。
基材16としては、第1実施形態で説明した基材16を用いることができる。本実施形態における「基材16」が本発明における「支持体」の一例に相当する。
配線体17は、基材16の主面161上に形成されるものであり、当該基材16により支持されている。この配線体17は、図16に示すように、第1の樹脂層18と、第1の導体層19と、第2の樹脂層24と、第2の導体層25と、第3の樹脂層30と、を備えている。本実施形態における「配線体17」が本発明における「配線体」の一例に相当する。
本実施形態の第1の樹脂層18は、第1実施形態で説明した接着層5と基本的な構成は同じである。したがって、第1の接着層18を接着層5に、平坦部181を平坦部51に、支持部182を支持部52に、それぞれ読み替えて、繰り返しの説明を省略し、第1実施形態でした説明を援用する。
第1の導体層19は、導電性粉末とバインダ樹脂とから構成されている。このような導電性粉末としては、第1実施形態で説明した導電性粉末を用いる。また、バインダ樹脂としては、第1実施形態で説明したバインダ樹脂を用いる。このような第1の導体層19は、導電性ペーストを塗布して硬化させることで形成されている。このような導電性ペーストとしては、第1実施形態で説明した導電性ペーストを用いる。
この第1の導体層19は、図17に示すように、第1の網目状電極層20と、第1の引き出し配線層21と、第2の引き出し配線層22と、第1の境界線23と、を有している。第1の網目状電極層20は、タッチセンサ14の検出電極である。第1及び第2の引き出し配線8は、第1の網目状電極層20からの検出信号をタッチセンサ14の外部に取り出すために設けられるものである。第1の境界線23は、第1の網目状電極層20と第1の引き出し配線8との電気的に接続するために設けられるものである。本実施形態では、第1の網目状電極層20、第1の引き出し配線層21、第2の引き出し配線層22及び第1の境界線23は、一体的に形成されている。この「一体的に」とは、部材同士が分離しておらず、且つ、同一材料(同一粒径の導電性粒子、バインダ樹脂等)により一体の構造体として形成されていることを意味する。本実施形態における「第1の網目状電極層20」が本発明における「電極層」の一例に相当し、本実施形態における「第1の引き出し配線層21」が本発明における「第1の引き出し配線層」の一例に相当し、本実施形態における「第2の引き出し配線層22」が本発明における「第2の引き出し配線層」の一例に相当し、本実施形態における「第1の境界線23」が本発明における「境界線」の一例に相当する。
本実施形態の第1の網目状電極層20は、第1実施形態で説明した網目状電極層6と基本的な構成は同じである。したがって、第1実施形態でした網目状電極層6の説明を援用し、第1の網目状電極層20の説明を省略する。
第1の引き出し配線層21は、表示装置に表示される映像情報とは重ならないようにして設けられるものであるから、透光性を有する必要はないが、第1の網目状電極層20及び第1の引き出し配線層21を一体的に形成し易くする観点から、本実施形態では網目状に形成している。この第1の引き出し配線層21は、第1実施形態で説明した引き出し配線層7と基本的な構成は同じである。したがって、第1実施形態でした引き出し配線層7の説明を援用し、第1の引き出し配線層21の説明を省略する。なお、第1の引き出し配線層21の複数の第2の単位網目216は、相互に同一形状を有しているが、特にこれに限定されず、導体線の形状や配置によって異なる形状の単位網目が混在していてもよい。以下の説明では、第1の引き出し配線層21のうち、第1実施形態で説明した引き出し配線層7と相違する点についてのみ詳細に説明する。
第2の引き出し配線層22は、図18に示すように、一端2201が第1の境界線23と接続されると共に他端2202が第1の引き出し配線層21に接続されている。この第2の引き出し配線層22は、第3の導体線221により網目状に形成されている。本実施形態の第1の引き出し配線層21は、対応する第1の網目状電極層20のX方向における中心と実質的に一致する位置から引き出されている(図17参照)のに対し、第2の引き出し配線層22は、第1の引き出し配線層21とは離間した位置から引き出されている。このため、第1及び第2の引き出し配線層21,22とは相互に離間しており、第1及び第2の引き出し配線層21,22の間に、第2及び第3の導体線211,221が未形成の領域が設けられている。
本実施形態では、一つの第1の網目状電極層20及び第1の引き出し配線層21に対して2つの第2の引き出し配線層22が設けられている。図18に示すように、第1の引き出し配線層21は、直線状に配設される一方、第2の引き出し配線層22は、屈曲しながら配設され、端部2202が第1の引き出し配線層21に電気的に接続されている。隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間の距離L2は、特に限定されるものではなく、相互に等しい距離であってもよいし、異なる距離が混在していてもよい。
なお、この隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間の距離L2は、第1の網目状電極層20の第1の単位網目205の幅の最大値D2との関係において、下記(16)式を満たすように設定されていることが好ましく、下記(17)式を満たすように設定されていることがより好ましい。
D2≦L2・・・(16)
D2<L2・・・(17)
但し、上記(16)式及び(17)式において、D2は第1の境界線23の延在方向における第1の単位網目205の幅の最大値であり、L2は第1の境界線23の延在方向における隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間の距離である。
なお、図18においては、第1の網目状電極層20並びに第1及び第2の引き出し配線層21,22を分かり易く説明するため、隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間の距離が、第1の単位網目205の幅の最大値よりも小さく図示されているが、実際には、図17に示すように、隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間の距離は、第1の単位網目205の幅の最大値よりも大きくなっている(すなわち、上記(17)式が成立している。)。
なお、特に図示しないが、第2の引き出し配線層22は、端部2202から第1の境界線23に向かうに従い、複数に分岐されていてもよい。この場合、第2の引き出し配線層22の端部2202は、複数存在することになる。隣り合う分岐された第2の引き出し配線層22,22同士の間の距離は、特に限定されるものではなく、相互に等しい距離であってもよいし、異なる距離が混在していてもよい。また、隣り合う分岐された第2の引き出し配線層22,22同士の間の距離は、隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間の距離L2と、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態では、それぞれの第2の引き出し配線層22の幅W8は、特に限定されるものではなく、実質的に同一の幅としてもよいし、異なる幅としてもよい。たとえば、第2の引き出し配線層22同士間における電気的抵抗値の差を抑える観点から、それぞれの第2の引き出し配線層22の全長に応じて、当該第2の引き出し配線層22の幅W8を設定してもよい。たとえば、全長の大きい側の第2の引き出し配線層22の幅を、全長の小さい側の第2の引き出し配線層22の幅に対して大きくしてもよい。
ここで、第1の引き出し配線層21は、すべての第2の引き出し配線層22と電気的に接続されている。この第1の引き出し配線層21は、第1の境界線23から引き出されて、一方の端部が配線体17の外縁近傍に位置するまで延在している(図17参照)。なお、第1及び第2の引き出し配線層21、22が接続される部分(すなわち、第2の引き出し配線層22の端部2202)は、第1の網目状電極層20が外部回路と接続するまでの間に位置していれば、その配置は特に限定されない。
本実施形態において、第2の引き出し配線層22の幅W8と第1の引き出し配線層21の端部215の幅W32との関係については、特に限定されるものではない。たとえば、それぞれの第2の引き出し配線層22の幅W8と、第1の引き出し配線層21の端部215の幅W32とが、実質的に同一でもよいし、これらの幅が異なるものでもよい。つまり、いずれの第2の引き出し配線層22の幅W8よりも第1の引き出し配線層21の端部215の幅W32が大きくてもよいし、いずれの第2の引き出し配線層22の幅W8よりも第1の引き出し配線層21の端部215の幅W32が小さくてもよい。いずれの第2の引き出し配線層22の幅W8よりも第1の引き出し配線層21の端部215の幅W32を大きくする場合、第1及び第2の引き出し配線層21,22間における電気的抵抗値の差を抑える観点から、第1の引き出し配線層21の端部215の幅W32が、複数の第2の引き出し配線層22の幅W8を合計したものと同程度の大きさとなるように設定してもよい。
第2の引き出し配線層22は、図18に示すように、導電性を有する複数の第3の導体線221a,221bを交差させてなる網目状に形成されている。なお、以下の説明では、必要に応じて「第3の導体線221a」及び「第3の導体線221b」を「第3の導体線221」と総称する。本実施形態における「第3の導体線221」が本発明における「第3の導体線」の一例に相当する。
タッチセンサ14において、第2の引き出し配線層22は、表示装置に表示される映像情報とは重ならないようにして設けられるものであるから、透光性を有する必要はないが、第1の網目状電極層20及び第2の引き出し配線層22を一体的に形成し易くする観点から、本実施形態では網目状に形成している。
本実施形態の第3の導体線221は、図19に示すように、第1実施形態で説明した第2の導体線74と基本的な構成は同じである。したがって、第3の導体線221を第2の導体線74に、接触面222を接触面71に、頂面223を頂面72に、頂面平坦部2231を頂面平坦部721に、側面224を側面73に、端部2241,2242を端部731,732に、側面平坦部2243を側面平坦部733に、第3の単位網目225を第2の単位網目75に、それぞれ読み替えて、繰り返しの説明を省略し、第1実施形態でした説明を援用する。以下の説明では、第3の導体線221のうち、第1実施形態で説明した第2の導体線74と相違する点についてのみ詳細に説明する。
本実施形態では、第2の引き出し配線層22での電気的抵抗値の低減を図る観点から、第3の導体線221の幅W6が、第1の導体線201の幅W12との関係において、下記(18)式を満たすように設定されている(図18参照)。
W12<W6・・・(18)
但し、上記(18)式において、W12は第1の導体線201の延在方向に対して直交する方向における第1の導体線201の幅であり、W6は第3の導体線221の延在方向に対して直交する方向における第3の導体線221の幅である。なお、ここでいう「幅」とは、導体線の延在方向に対して直交する方向における平均最大幅のことをいう。
また、本実施形態の第3の導体線221における接触面222の凹凸形状を均した面は、第1の導体線201における接触面の凹凸形状を均した面に比べ、基材16から離れる方向に向かって緩やかに湾曲しており、第1及び第3の導体線201,221の関係について、下記(19)式及び(20)式を満たすように設定されていることが好ましい。
S1<S3・・・(19)
R1<R3・・・(20)
ただし、上記(19)式において、S1は第1の導体線201の接触面との接着部分(接着面)における第1の樹脂層18の厚さ(面内全体の断面視における平均最大厚さ)であり、S3は第3の導体線221の接触面222との接着部分(接着面)における第1の樹脂層18の厚さ(面内全体の断面視における平均最大厚さ)である。また、上記(20)式において、R1は第1の導体線201において接触面を均した面における湾曲率であり、R3は第3の導体線221において接触面222を均した面における湾曲率である。
なお、「面内全体の断面視における平均最大厚さ」とは、それぞれの導体線の幅方向に沿った断面を、当該導体線の延在方向全体に亘って複数採取し、それぞれの断面ごとに求められる最大厚さを平均したものである。
本実施形態の第2の引き出し配線層22では、以下に説明するように、上述の第3の導体線221が配設されている。第3の導体線221aは、図18に示すように、第1の方向に沿って直線状に延在しており、当該複数の第3の導体線221aは、第2の方向に等ピッチP61で並べられている。
これに対し、第3の導体線221bは、第2の方向に沿って直線状に延在しており、当該複数の第3の導体線221bは、第1の方向に等ピッチP62で並べられている。そして、これら第3の導体線221a,221bが相互に直交することで、当該第3の導体線221a,81bの間に画定される四角形状(菱型状)の第3の単位網目225が繰り返し配列されている。
このように、本実施形態では、第3の導体線221は、第2の引き出し配線層22の延在方向に対して傾斜して配置されており、この複数の第3の導体線221により、第2の引き出し配線層22の側端部が閉じられている。このため、第2の引き出し配線層22の側端部は、第2の引き出し配線層22の延在方向に対して、複数の第3の導体線221によりジグザグ状に延在している。
また、図18に示すように、第1の引き出し配線層21を構成する第2の導体線211も、第1の引き出し配線層21の延在方向に対して傾斜して配置されており、この複数の第2の導体線211により、第1の引き出し配線層21の側端部が閉じられている。このため、第1の引き出し配線層21の側端部は、第1の引き出し配線層21の延在方向に対して、複数の第2の導体線211によりジグザグ状に延在している。
なお、第2の引き出し配線層22の構成は、特に上述に限定されない。たとえば、本実施形態では、第3の導体線221aのピッチP61と第3の導体線221bのピッチP62とを実質的に同一としているが(P61=P62)、特にこれに限定されず、第3の導体線221aのピッチP61と第3の導体線221bのピッチP62とを異ならせてもよい(P61≠P62)。
この場合、第1の網目状電極層20における隣り合う第1の導体線201同士のピッチ(ピッチP41,P42)と、当該ピッチに対応する第2の引き出し配線層22における隣り合う第3の導体線221同士のピッチ(ピッチP21,P22を総称する。)との関係が、下記(21)及び(22)式を満たすように設定されていることが好ましい。
P41>P61・・・(21)
P42>P62・・・(22)
但し、ピッチ同士の対応関係としては、第1及び第2の導体線201,221の延在方向を基準とするものであり、具体的には、隣り合う第1の導体線201a同士のピッチP41と、隣り合う第3の導体線221a同士のピッチP61が対応し、隣り合う第1の導体線201b同士のピッチP42と、隣り合う第3の導体線221b同士のピッチP62とが対応する。
結果として、本実施形態では、上記(18),(21)及び(22)式を鑑みれば、第1の網目状電極層20の開口率A3と、第2の引き出し配線層22の開口率A4との関係が、下記(23)式を満たすように設定されていることが好ましい。
A3>A4・・・(23)
具体的には、第1の網目状電極層20の開口率A1は、当該第1の網目状電極層20における透光性を向上させる観点から、85%以上、100%未満となっていることが好ましく、90%以上、100%未満であることがより好ましい。一方、第2の引き出し配線層22の開口率A2は、第1の網目状電極層20と当該第2の引き出し配線層22との剛性の差を縮小する観点や、当該第2の引き出し配線層22の耐久性を向上させる観点から、50%以下となっていることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。
本実施形態の第3の導体線221の延在方向は、第1の導体線201と同様、特に上述に限定されず、任意とすることができる。また、本実施形態では、第3の導体線221は、直線状とされているが、特にこれに限定されず、たとえば、曲線状、馬蹄状、ジグザグ線状等にしてもよい。
第2の引き出し配線層22において、第3の単位網目225の形状は、第1の網目状電極層20の場合と同様、種々の図形単位を第3の単位網目225の形状として用いることができる。また、本実施形態では、複数の第3の単位網目225は、相互に同一形状を有しているが、特にこれに限定されず、導体線の形状や配置によって異なる形状の単位網目が混在していてもよい。
本実施形態の第1の境界線23は、第1実施形態で説明した境界線8と基本的な構成は同じである。したがって、第1実施形態でした境界線8の説明を援用し、第1の境界線23の説明を省略する。以下の説明では、第1の境界線23のうち、第1実施形態で説明した境界線8と相違する点についてのみ詳細に説明する。
この第1の境界線23は、図18に示すように、第1の網目状電極層20を構成する第1の導体線20の幅W12と、第1の境界線23の幅W42との関係が、下記(24)式を満たすように設定されている。
W12<W42・・・(24)
但し、上記(24)式において、W42は第1の境界線23の延在方向に対して直交する方向における第1の境界線23の幅である。
この第1の境界線23は、図17及び図18に示すように、X方向に沿って延在するものであるが、本実施形態では、第1の網目状電極層20の幅W42と実質的に一致する長さL12を有するものであり、結果として、当該第1の網目状電極層20を構成する、少なくとも2本以上の第1の導体線201と電気的に接続されている。なお、第1の境界線23の長さL12は、特に上述に限定されるものではないが、第1の網目状電極層20の幅W52よりも第1の境界線23の長さL12が長くなると、隣り合う第1の境界線23同士が接触して、タッチセンサ14の品質低下を招いてしまうおそれがある。そのため、第1の境界線23の長さL12は、第1の網目状電極層20の幅W52以下であることが好ましい(W52≧L12)。
一方、第1の境界線23は、第1及び第2の引き出し配線層21、22のそれぞれとも電気的に接続されている。この場合、第1の及び第2の引き出し配線層21,22のうち互いに最も離れた位置に配置された引き出し配線層の外側端部同士の間の距離W7((本実施形態では、互いに最も離れた位置に配置された第2の引き出し配線層22,22の外側端部同士の間の距離)よりも、第1の境界線23の長さL12が長いことが好ましい(W7≦L12)。
第2の樹脂層24は、図16に示すように、第1の導体層19を覆うように第1の樹脂層18上に形成されている。また、第2の樹脂層24上には、第2の導体層25が形成されている。結果として、第2の樹脂層24は、第1の導体層19と第2の導体層25との間に介在し、これらの絶縁を確保する機能を有している。タッチセンサ14においては、検出電極及び駆動電極(すなわち、第1及び第2の網目状電極層20,26)の間に介在する第2の樹脂層24が、誘電体として作用し、この第2の樹脂層24の厚さに応じてタッチセンサ14の感度が調整される。
第2の樹脂層24は、第1の導体層19を覆う主部241と、当該主部241上に形成された支持部242と、から構成されている。支持部242は、主部241と第2の導体層25との間に形成されており、第1の樹脂層18から離れる方向(図17中上側方向)に向かって突出するように形成されている。この第2の樹脂層24を構成する材料は、第1の樹脂層18を構成する材料と同様の材料を例示することができる。
第2の導体層25は、図15及び図16に示すように、第2の網目状電極層26と、第3の引き出し配線層27と、第4の引き出し配線層28と、第2の境界線29と、を有している。第2の網目状電極層26は、タッチセンサ14の駆動電極である。第3及び第4の引き出し配線層27,28は、第2の網目状電極層26にタッチ位置を検出するための駆動信号を伝達(所定電圧を印加)するために設けられるものである。第2の境界線29は、第2の網目状電極層26と、当該第2の網目状電極層26に対応する第3及び第4の引き出し配線層27,28とを電気的に接続するために設けられている。
なお、本実施形態の第2の導体層25の基本的な構成は上述した第1の導体層19と同じである。したがって、以下の説明では、第2の導体層25の構成のうち、第1の導体層19と相違する点について詳細に説明し、それ以外の基本的な構成は第1の導体層19と同様であるから、詳細の説明を省略する。
本実施形態の第2の導体層25は、図15に示すように、それぞれX方向に沿って略平行に延在した4つの矩形状の第2の網目状電極層26を有している。複数の第2の網目状電極層26は、平面視において、第2の樹脂層24を介して第1の網目状電極層20と対向するように配置されている。
第3の引き出し配線層27は、図15に示すように、第2の網目状電極層26に対応して設けられており、本実施形態では、4つの第2の網目状電極層26に対して4つの第3の引き出し配線層27が形成されている。
本実施形態では、+Y方向側に位置する2つの第2の網目状電極層26に対応する第3の引き出し配線層27は、第2の境界線29を介して、当該第2の網目状電極層26における−X方向側の短辺の略中央から引き出されている。一方、残余の第2の網目状電極層26(すなわち、−Y方向側に位置する2つ)に対応する第3の引き出し配線層27は、第2の境界線29を介して、当該第2の網目状電極層26における+X方向側の短辺の略中央から引き出されている。これらの第3の引き出し配線層27は、平面視において、第1及び第2の網目状電極層20,26が形成されている領域と重なることを避けながら、第1の引き出し配線層21近傍まで延設されている。
本実施形態では、一つの第2の網目状電極層26(第3の引き出し配線層)に対して2つの第4の引き出し配線層が設けられている。Y方向に沿って並ぶ第1及び第2の引き出し配線層27,28は、隣り合う第1及び第2の引き出し配線層27,28の間の距離が相互に同一となるように配置され、それぞれの第4の引き出し配線層28の一端は、対応する第2の境界線29に接続されている。また、第4の引き出し配線層28の他端は、第1の引き出し配線層27に接続されている。なお、第4の引き出し配線層28の形状は、上述した第2の引き出し配線層22の形状と、実質的に同じものであり、第3及び第4の引き出し配線層27,28の位置関係については、上述した第1及び第2の引き出し配線層21,22の位置関係と実質的に同じものである。したがって、本明細書において、第3及び第4の引き出し配線層27,28の詳細の説明を省略する。
第2の境界線29は、図15に示すように、第2の網目状電極層26に対応して設けられており、本実施形態では、4つの第2の網目状電極層26に対して4つの第2の境界線29が形成されている。それぞれの第2の境界線29は、第2の網目状電極層26の外縁に沿ってY方向に沿って延在している。本実施形態では、+Y方向側の2つの第2の網目状電極層26については、−X方向側から第3及び第4の引き出し配線層27,28が引き出されているから、当該第2の網目状電極層26に対応する第2の境界線29は、当該第2の網目状電極層26の−X方向側の外縁に位置する。これに対して、−Y方向側の2つの第2の網目状電極層26については、+X方向側から第3及び第4の引き出し配線層27,28が引き出されているから、当該第2の網目状電極層26に対応する第2の境界線29は、当該第2の網目状電極層26の+X方向側の外縁に位置する。
第1の導体層19と同様、第2の導体層25を構成する第2の網目状電極層26、第3及び第4の引き出し配線層27,28、及び第2の境界線29は、一体的に形成されるものである。また、第1の導体層19と同様、第2の網目状電極層26及び第3及び第4の引き出し配線層27,28は、導電性を有する複数の導体線を交差させてなる網目状に形成されている。本実施形態では、第1の導体層19(具体的には、第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22)を構成する網目構造と、当該第1の導体層19に対応する第2の導体層25(具体的には、第2の網目状電極層26と第3及び第4の引き出し配線27,28)を構成する網目構造とは、実質的に同一の態様(すなわち、これらを構成する導体線の形状及び配置が実質的に同一)となっている。
なお、第1の導体層19を構成する網目構造と第2の導体層25を構成する網目構造との関係は、特に上述に限定されない。つまり、第1の導体層19の網目構造と、第2の導体層25の網目構造とが異なるものでもよい。たとえば、第1の導体層19の第1の網目状電極層20における網目に対して第2の導体層25の第2の網目状電極層26における網目が粗くてもよいし、細かくてもよい。また、第1の導体層19の第1及び第2の引き出し配線層21,22における網目に対して第2の導体層25の第3及び第4の引き出し配線層27,28における網目が粗くてもよいし、細かくてもよい。第1及び第2の導体層19,25における網目の疎密の調整は、これらを構成する導体線の形状(たとえば、導体線の幅)や、複数の導体線の配置(たとえば、相互に隣り合う導体線同士のピッチ)を変えることで行うことができる。
第3の樹脂層30は、第2の導体層25を外部から保護する保護層としての機能を有する。この第3の樹脂層30は、図16に示すように、第2の樹脂層24上に設けられるものであるが、当該第2及び第3の樹脂層24,30の間に第2の導体層25を介在させている。この第3の樹脂層30によって第2の導体層25を覆うと、配線体17の表面での光の散乱等の発生を抑えることができる。このような第3の樹脂層30は、第1の樹脂層18と同様の材料により構成することができる。
本実施形態の配線基板15は、第1実施形態で説明した配線基板の製造方法と同様の方法を用いることで製造することができる。したがって、本実施形態では、配線基板の製造方法については、繰り返しの説明を省略し、第1実施形態でした説明を援用する。
なお、特に図示しないが、第1実施形態で説明した配線基板の製造方法が実行された後、得られた配線基板上に、第2の導体層25(第2の網目状電極層26、第3及び第4の引き出し配線層27,28、並びに、第2の境界線29)を覆うように樹脂材料を塗布して硬化させることで、第3の樹脂層30が形成される。
第3の樹脂層30を構成する樹脂材料を塗布する方法としては、第1実施形態で説明した接着材料13を塗布する方法と同様の方法を例示することができる。そして、塗布した樹脂材料を硬化させて第3の樹脂層30を形成する。この樹脂材料を硬化させる方法としては、第1実施形態で説明した接着材料13を硬化させる方法と同様の方法を用いることができる。以上により、配線体17を備えた配線基板15を得ることができる。
本実施形態に係る配線体17、配線基板15、及びタッチセンサ14は、以下の効果を奏する。
本実施形態では、第1の網目状電極層20と第1及び2の引き出し配線層21,22とは、第1の境界線23を介して電気的に接続されるので、これらの電気的な接続に際し、電極端子を必要としない。これにより、配線体17の小型化を図ることができる。
また、本実施形態の配線体17は、一端2201が第1の境界線23に接続されると共に他端2202が第1の引き出し配線層21に接続され、第3の導体線221により形成された少なくとも1つの網目状の第2の引き出し配線層22(本実施形態では、2つ)をさらに備えている。このため、第1及び第2の引き出し配線層21,22と第1の境界線23との接続部分(すなわち、端部215,2201近傍)に加わる応力が分散されるので、これらが破断するのを抑えることができる。これにより、第1の境界線23を介した第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22との接続信頼性の向上を図ることができる。
また、複数の第2の引き出し配線層22が存在することで、第1の網目状電極層20と外部回路等との間において導通経路が多くなるので、当該第1及び第2の引き出し配線層21,22における電気的抵抗値の低減が図られる。
また、本実施形態では、網目状の引き出し配線層(第1及び第2の引き出し配線層21,22)を用いる場合に、網目のパターンを変更することなく第1の境界線23と第1及び第2の引き出し配線層21,22との接続部分全体の剛性を低下させ、第1の境界線23と第1及び第2の引き出し配線層21,22との接続部分に応力が集中するのを抑制する点にも着目している。
すなわち、仮に、単に一本の網目状の引き出し配線層を用いると、境界線と引き出し配線層との接続部分全体の剛性が高まり、当該接続部分に応力が集中してしまうため、網目のピッチを大きくする(つまり、網目を疎にする)等して、応力の集中を抑える必要がある。これに対し、本実施形態では、あえて少なくとも1つの第2の引き出し配線層22を設け、隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22を相互に離間させることで、隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間に第2及び第3の導体線211,221が未形成の領域を形成している。
このように、第1の境界線23と第1及び第2の引き出し配線層21、22との接続部分に第2及び第3の導体線211,221が未形成の領域を含めることで、第1の境界線23と第1及び第2の引き出し配線層21,22との接続部分全体の剛性を低下させ、当該接続部分に応力が集中するのを抑制する一方、第1の境界線23と第1及び第2の引き出し配線層21,22との接続部分では、緻密な網目を配することができるので、強固な接続状態を維持することができる。これにより、第1の境界線23と第1及び第2の引き出し配線層21,22とが破断するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1の網目状電極層20は、複数の第1の導体線20により網目状に形成されており、当該第1の網目状電極層20を構成する第1の導体線20の幅W12と、第1の境界線23の幅W42との関係が、上記(24)式を満たすように設定されていることで、当該第1の境界線23を介した第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22との電気的抵抗値の低減を図ることができる。
また、本実施形態の第1の網目状電極層20では、複数の第1の導体線20を相互に交差させることで、同一形状された複数の第1の単位網目205が画定されており、当該第1の単位網目205の幅の最大値D2と、隣り合う第1及び第2の引き出し配線層21,22の間の距離L2との関係が、上記(16)式を満たすように設定されている。これにより、第1及び第2の引き出し配線層21,22と第1の境界線23との接続部分に加わる応力がより分散され易くなると共に、第1及び第2の引き出し配線層21,22の剛性が局所的に高くなるのを防止し、第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22との剛性の差を抑えることができる。この結果、第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22との破断を抑え、延いては、第1の境界線23を介した第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22との接続信頼性の向上をさらに図ることができる。
また、本実施形態では、第1の引き出し配線層21は、複数の第2の導体線211により網目状に形成され、第2の引き出し配線層22は、複数の第3の導体線221により網目状に形成されていることで、第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22との剛性の差をさらに抑えることができる。これにより、第1の境界線23を介した第1の網目状電極層20と第1及び第2の引き出し配線層21,22との接続信頼性の向上をさらに図ることができる。また、第1の導体線20の幅W12と、第3の導体線221の幅とW6の関係が、上記(18)式を満たすように設定されていることで、上記作用・効果がより顕著となる。
なお、上述した作用・効果は、第1の導体層19について説明したものであるが、本実施形態では、第1の導体層19と第2の導体層25とは、同様の構成を有するものであるから、第2の導体層25についても、上述した作用・効果と同様の作用・効果を得ることができる。この場合、本実施形態における「第2の網目状電極層26」が本発明における「電極層」の一例に相当し、本実施形態における「第3の引き出し配線層27」が本発明における「引き出し配線」の一例に相当し、本実施形態における「第4の引き出し配線層28」が本発明における「第2の引き出し配線層」の一例に相当し、本実施形態における「第2の境界線29」が本発明における「境界線」の一例に相当する。
以下に、本実施形態の変形例について説明する。図20は本発明の第2実施形態に係る第1の導体層の第1変形例を示す平面図、図21は本発明の第2実施形態に係る第1の導体層の第2変形例を示す平面図である。
たとえば、本実施形態の配線体17では、第1の引き出し配線層21の両側に配置された、屈曲する第2の引き出し配線層22,22が設けられているが、特に上述に限定されず、図20に示すように、第2の引き出し配線22B,22Bは、それぞれ直線状とされていてもよい。本例では、それぞれの第2の引き出し配線層22B,22Bは、一方の端部2201Bで境界線23Bと接続され、他方の端部2202Bで第1の引き出し配線層21に接続され、端部2201B,2202B間を直線状に結ぶように形成されている。
また、図21に示す例では、第2の引き出し配線層22Ca,22Cbが互いに近い位置で第1の引き出し配線層21Cに電気的に接続されている。一方で、第2の引き出し配線層22Cc,22Cdが互いに近い位置で第1の引き出し配線層21Cに電気的に接続されている。
なお、図20及び図21では、第1及び第2の引き出し配線層21B,21C,22B,22Cの特徴を分かり易くするため、その外形のみを表示しているが、実際は、複数の導体線により網目状に形成されるものである。
また、本実施形態では、電極パターン20,26は、複数の導体線により網目状に形成されているが、特にこれに限定されず、ベタパターンで形成されていてもよい。この場合、電極パターンを構成する材料として、透光性を有するITO(酸化インジウム錫)や導電性高分子を用いてもよい。なお、上述した変形例においても同様に、電極パターンをベタパターンで形成することができる。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、本実施形態のタッチセンサ1は、2層の導体層からなる投影型の静電容量方式のタッチパネルセンサであるが、特にこれに限定されず、1層の導体層からなる表面型(容量結合型)静電容量方式のタッチパネルセンサにも、本発明を適用することができる。
また、例えば、上述の実施形態では、網目状電極層、引き出し配線層、境界線を構成する導電性材料として、金属材料又はカーボン系材料を用いているが、特にこれに限定されず、金属材料及びカーボン系材料を混合したものを用いてもよい。この場合、例えば、第1実施形態の第1の導体線64を例に説明すると、当該第1の導体線64の頂面62側にカーボン系材料を配置し、接触面61側に金属材料を配置してもよい。また、その逆で、第1の導体線64の頂面62側に金属材料を配置し、接触面61側にカーボン系材料を配置してもよい。
また、たとえば、配線基板2から基材3を省略してもよい。この場合において、たとえば、接着層5の下面に剥離シートを設け、実装時に当該剥離シートを剥がして実装対象(フィルム、表面ガラス、偏光板、ディスプレイ等)に接着して実装する形態として配線体又は配線基板を構成してもよい。なお、この形態では、「接着層5」が本発明の「第1の樹脂層」の一例に相当し、「実装対象」が本発明の「支持体」の一例に相当する。また、網目状導体層6を覆う樹脂層9や樹脂層9上に設けられた接着層を介して、上述の実装対象に接着して実装する形態として配線体又は配線基板を構成してもよい。この場合でも、配線基板2から基材3を省略してもよい。この形態では、「実装対象」が本発明の「支持体」の一例に該当する。
また、接着層5を省略し、網目状電極層6、引き出し配線層7及び境界線8を直接基材3上に設けることとしてもよい。なお、この場合基材3は樹脂から構成される。この形態では、「基材3」が本発明の「第1の樹脂層」の一例に相当する。
また、上述の実施形態では、配線体は、タッチセンサに用いられるとして説明したが、配線体の用途は特にこれに限定されない。たとえば、配線体に通電して抵抗加熱等で発熱させることにより当該配線体をヒーターとして用いてもよい。この場合、導体パターンの導電性粉末としては、比較的電気抵抗値の高いカーボン系材料を用いることが好ましい。また、配線体の導体部の一部を接地することにより当該配線体を電磁遮蔽シールドとして用いてもよい。また、配線体をアンテナとして用いてもよい。この場合、配線体を実装する実装対象が本発明の支持体の一例に相当する。