JP6316738B2 - 車両用ガラスアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、AM周波数帯とFM周波数帯の電波を受信する、車両用ガラスアンテナに関する。
車両用のAM/FM共用ラジオアンテナとして、例えば、後方窓ガラス(リアガラス)、あるいはクォータガラス面上にプリントされたガラスアンテナが知られている。
上記ガラスアンテナにおいて、良好な受信性能を得るために、例えば、図9に示すように、給電点から直線状に延びた第1アンテナ素子部31と、第1のアンテナ素子部31とは逆方向に延びてガラスの縁に設けられた接地点に接続される第2のアンテナ素子部32とからなる車両用ガラスアンテナ30に、少なくとも、第1のアンテナ素子部31の先端または第2のアンテナ素子部32の基部に交叉し、車体の開口部に沿って延びる第3のアンテナ素子部33を設けた構成が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、図10に示すように、AMアンナテナ40と、接地点がコンデンサ90を介して車体にアースされたFMアンテン50とを備えた車両用ガラスアンテ30の構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、更に、図11に示すように、AM周波数帯域の電波を受信するAMアンテナ機能と、FM周波数帯域の電波を受信するFMアンテナ機能とを単一のアンテナ60で実現する構成も開示されている。単一のアンテナ60は、2つのアンテナパターンで形成され、一方(60a〜60h)は給電点70を、他方(50b)は接地点80を有するが、これら2つのアンテナパターンは間隔dを空けて重畳(ラップ)しているため、給電点を有するアンテナパターンが接地点を有するアンテナパターンにより間接的に接地された構成を有する。
特開2008−120253号公報 国際公開2013/038875号パンフレット
特許文献1に開示された技術によれば、アンテナパターンに設けた接地点を介して直接車体にアースしているため、FM性能の確保は容易であるが、AM周波数帯ではアンテナパターンが車両と同電位になるため、AM周波数帯の信号受信レベルが大きく低下し、かつ、有指向性になり、良好なAM受信性能を確保できないという課題がある。
一方、特許文献2に開示された技術によれば、AMアンテナとFMアンテナとを別々に設定しているため、AM/FM共用アンテナとした場合に比べて端子数が多く、製造コストが増加する。また、近年、ミニバンやSUV(Sport Utility vechicle)等では、アンテナが取り付けられるクォータウィンドウの狭面積化が要求されており、車体開口部が狭くなれば、端子設定用エリアによりアンテナパターンの実装エリアがより狭くなる。また、特許文献2に例示されているコンデンサの容量範囲(46〜100pF)では、AM/FM共用パターンの場合、AMとFMの受信性能を共に向上させることはできず、AM受信性能が大きく低下する。
更に、特許文献2に開示された技術によれば、FM性能を確保するために、例えば、性能低下量を3[dB]未満に抑制するために、疑似容量構成部として200[mm]以上のアンテナパターンの重畳領域(ラップ領域)を必要とする。上記したように車体の開口エリアが狭い場合、上ラップ領域を確保することは容易ではなく、非常に複雑なパターンになることがあり、この場合、特に、FM性能の調整方法が複雑になる。
上記したように、従来技術によれば、良好なFM特性を確保するために設けた接地線によりAM性能が大きく劣化する。つまり、接地線を利用するタイプのアンテナでは、FM性能とAM性能を両立させることが困難であり、特に、開口エリアが制限される場合に顕著である。
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、車体開口エリアが制限されても単純なパターン形状でアンテナを形成でき、第1の周波数帯および第1の周波数帯より高い第2の周波数帯ともに良好な受信性能を確保する車両用ガラスアンテナを提供することを課題とする。
上記した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車体開口部に取り付けられるガラスと、第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯の電波を受信する、前記ガラスに配置されるアンテナ素子部と、前記アンテナ素子部に設けられた接地点、または、前記接地点と前記車体のアースとを接続する接地線との間に接続され、前記第2周波数帯で共振特性を持つ、少なくともLとCとを含むLC直列共振回路と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記アンテナ素子部は、前記ガラスの縁部に設けられた給電点に接続され、前記給電点から対向するガラスの縁部に向かって直線状に延びた第1のアンテナ素子部と、前記第1のアンテナ素子部とは略平行に延びて前記ガラスの縁部に設けられた接地点に接続された第2のアンテナ素子部と、前記第1のアンテナ素子部と、前記第2のアンテナ素子部に交叉し、前記車体の開口部に沿ってそれぞれ逆方向に延びた第3のアンテナ素子部と、からなることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記アンテナ素子部は、前記第3のアンテナ素子部の前記第1の周波数帯の第1の特性改善用補助素子を有することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記アンテナ素子部は、請求項2または3に記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記第1のアンテナ素子部、または第2のアンテナ素子部と接続する前記第1の周波数帯の第2の特性改善用補助素子を有することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4に記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記LC直列共振回路は、コンデンサが10[pF]以下の容量を有することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5に記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記LC直列共振回路は、コイルが0.1[μH]以上のインダクタンスを有することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記LC直列共振回路は、コンデンサが8[pF]以下、コイルが0.2[μH]以上のインダクタンスを有することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記LC直列共振回路は、コンデンサが4[pF]以下、コイルが0.4[μH]以上のインダクタンスを有することを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8に記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記車体開口部の開口面積は、0.1[m]以下であることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、アンテナ素子部に設けられた接地点、または、接地点と車体のアースとを接続する接地線との間に、共振周波数を第2の周波数帯に調整した、LとCとを少なくとも含むLC直列共振回路を挿入しているため、第1の周波数帯は直列共振回路による共振周波数より非常に小さな周波数帯に位置することになり、このため、第1の周波数帯ではコンデンサの容量が支配的になる。したがって、第1の周波数帯で問題になるアンテナパターンの先端が接地され、受信レベルが大きく低下する状況を回避することができる。また、第2の周波数帯では、CとLによる直列共振回路が直列共振するため、従来通り接地線による性能確保が期待できる。
したがって、例えば、特許文献1に開示されたアンテナパターンをそのまま第1の周波数帯用のアンテナパターンとして使用することができ、第1の周波数帯と第2の周波数帯の共通パターン化を実現できる。また、特許文献2に開示されているように、個別にアンテナパターンを形成することによる端子数増加の問題を解決でき、また、アンテナパターン上で疑似容量構成部を形成する必要がなくなるため、開口エリアが制限されても単純なパターン形状でアンテナを構成でき、第2の周波数帯は勿論のこと、第1の周波数帯についても良好な性能を確保できる車両用ガラスアンテナを提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、アンテナ素子部を、給電点から対向するガラスの縁部に向かって直線状に延びた第1のアンテナ素子部と、第1のアンテナ素子部とは略平行に延びてガラスの縁部に設けられた接地点に接続された第2のアンテナ素子部と、第1のアンテナ素子部と、第2のアンテナ素子部に交叉し、車体の開口部に沿ってそれぞれ逆方向に延びた第3のアンテナ素子部と、により形成することで、単純なパターン形状でアンテナ素子部を構成することができる。
請求項3に係る発明によれば、アンテナ素子部が、第3のアンテナ素子部の第1の周波数帯の第1の特性改善用補助素子を有することで、見掛け上のパターン面積が増大しその結果、第1の周波数帯の受信感度を改善することができる。なお、第1の特性改善用補助素子は、第2の周波数帯の受信性能に影響を与えるものでなければその形状は問わない。
請求項4に係る発明によれば、アンテナ素子部が、第1のアンテナ素子部、または第2のアンテナ素子部と接続する第1の周波数帯の第2の特性改善用補助素子を有することで、見掛け上のパターン面積が増大し、第1の周波数帯の受信感度を改善することができる。なお、第2の特性改善用補助素子は、第1の周波数帯の受信性能に影響を与えるものでなければその形状は問わない。
請求項5に係る発明によれば、LC直列共振回路を構成するCの容量を10[pF]以下とした。発明者らの評価によれば、LC直列共振回路を構成するコンデンサの容量を10[pF]以下にすることで、接地線を使用しない状態からの第1の周波数帯の性能低下を3[dB]未満に抑制し、かつ、直列共振周波数を第2の周波数帯に設定でき、したがって、第2の周波数帯の受信性能も確保することができた。
請求項6に係る発明によれば、LC直列共振回路を構成するLのインダクタンスを10[μH]以上とした。発明者らの評価によれば、LC直列共振回路を構成するLのインダクタンスを10[μH]以上とすることで、接地線を使用しない状態からの第1の周波数帯の性能低下を3[dB]未満に抑制し、かつ、LC直列共振周波数を第2の周波数帯に設定でき、したがって、第2の周波数帯の受信性能も確保することができた。
請求項7に係る発明によれば、LC直列共振回路を、Cが8[pF]以下の容量、Lが0.2[μH]以上のインダクタンスとした。発明者らの評価によれば、LC直列共振回路を、Cが8[pF]以下の容量、Lが0.2[μH]以上のインダクタンスとすることで、第1の周波数帯の性能低下を2[dB]未満に抑制しつつ、第2の周波数帯の受信性能も確保することができた。
請求項8に係る発明によれば、LC直列共振回路を、Cが4[pF]以下の容量、Lのインダクタンスが0.4[μH]以上の容量とした。発明者らの評価によれば、LC直列共振回路を、Cが4[pF]以下の容量、Lが0.4[μH]以上のインダクタンスとすることで、接地線を使用しない状態からの第1の周波数帯の性能低下を1[dB]未満に抑制しつつ、第2の周波数帯の受信性能も確保することができた。
請求項9に係る発明によれば、車体開口部の開口面積を0.1[m]以下とした。接地線を使用しない状態からの第1の周波数帯の利得低下量を3[dB]未満とすることは当業者の目標であり、通常、1.5倍以上、開口面積を拡大する必要があるが、発明者らの評価によれば、アンテナ素子部に設けられた接地点、または、接地点と車体とを接続する接地線との間に、共振周波数を第2の周波数帯に調整したLC直列共振回路を挿入することで開口面積を拡大することなく目標を実現することができた。このため、比較的開口面積が小さいクォータウィンドウへの適用が可能になる。
本発明の実施の形態に係る車両用ガラスアンテを示す図である。 評価に使用した車体開口部の形状を示す図である。 図1の車両用ガラスアンテナの実施例と比較例を示す図である。 図3の車両用ガラスアンテナのAM周波数帯域の周波数特性図である。 図3の車両用ガラスアンテナのFM周波数帯域の周波数特性図である。 図3のLC直列共振回路の複素インピーダンスの絶対値特性図である。 図1の車両用ガラスアンテナの変形例1を示す図である。 図1の車両用ガラスアンテナの変形例3を示す図である。 特許文献1に記載されたアンテナパターンの一例を示す図である。 特許文献2に記載されたアンテナパターンの一例を示す図である。 特許文献2に記載されたアンテナパターンの他の例を示す図である。
本発明の実施の形態(以下、単に本実施形態という)を添付図(図1〜図6)に基づいて以下に詳細に説明する。
(実施形態の構成)
本実施形態に係る車両用ガラスアンテナは、例えば、車両のクォータウィンドウに取り付けることができる。図1に示すように、本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1は、車体開口部10に取り付けられるガラス11と、ガラス11に配置されるアンテナパターン(第1のアンテナ素子部13,第2のアンテナ素子部16,ラップ部17,第3のアンテナ素子部18a,18b)とからなる。本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1は、第1の周波数帯(例えば、AMラジオ周波数帯)と、第1の周波数帯より高い第2の周波数帯(例えば、FMラジオ周波数帯)の電波を受信する共用アンテナである。
本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1において、第1のアンテナ素子部13は、ガラス11の縁部に設けられた(例えば、縁から30mmの位置に設けられた)給電点12に接続され、給電点12から対向するガラスの縁部に向かって直線状に延びている。また、第2のアンテナ素子部16は、第1のアンテナ素子部13の先端で折り返され、第1のアンテナ素子部13とは略平行に逆方向に延びてガラス11の縁部に設けられた接地点15に接続されている。ここで、縁部とは、ガラス11の縁から100mm幅の範囲をいう。この縁部には黒色のセラミック(図示省略)がプリントされており、給電点12を設けた場合であっても、このセラミックにより、ガラス11の室内方向から給電点11を視認できない。また、第1のアンテナ素子部13は必ずしも直線である必要はなく、例えば、50mm幅の範囲であれば蛇行していてもよい。
第3のアンテナ素子部18a,18bの一部であるラップ部17は、第1のアンテナ素子部13と、第2のアンテナ素子部16とをつないでいる。第3のアンテナ素子部18a,18bは、第1のアンテナ素子部13と、第2のアンテナ素子部16に交差し、車体の開口部10に沿ってそれぞれ逆方向に延びている。第3のアンテナ素子部18a,18bのアンテナ長により第2の周波数帯(FMラジオ周波数帯)の調整が可能であり、この場合、長くなれば低い周波数帯向けになる。
上記構成により、車両用ガラスアンテナ1の第2の周波数帯(FMラジオ周波数帯)でのインピーダンスが、通常のモノポールタイプのガラスアンテナよりも高くなり、給電線の特性インピーダンスに近くなる。また、第3アンテナ素子部18a,18bをガラス11の縁に沿って延ばすことにより、見掛け上のアンテナパターンを長く見せることができるため、開口面積の小さなクォータガラス等に置いても所望の共振周波数を持つ車両用ガラスアンテを設計できる。
すなわち、第1アンテナ素子部13と第2アンテナ素子部16に、第3アンテナ素子部18a,18bを付加することで、共振周波数を比較的低く設定でき、このとき、第3アンテナ素子部18a,18bをガラス11の縁に沿って延ばすことで一層その効果を大きくするものである。その根拠は、特許文献1に詳細に開示されている。
本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1は、更に、接地点15と車体に接続される接地線19との間に接続され、第2周波数帯(FMラジオ周波数帯)で共振特性を持つ、コイル(L)とコンデンサ(C)によるLC直列共振回路20も含む。本実施形態では、LC直列共振回路20は、接地線19の中央部に設けられているが、これに限定される必要はなく、接地点15側、もしくは車体アース側に寄った位置に設けてもよい。
上記の構成によれば、接地線19に、共振周波数を第2の周波数帯(FMラジオ周波数帯)に調整したLC直列回路20を挿入しているため、AMラジオ周波数帯(第1の周波数帯)は、LC直列共振回路20による共振周波数より非常に小さな周波数帯に位置することになり、このためAM周波数帯ではコンデンサの影響が支配的になる。つまり、接地線19自体のインピーダンスが大きくなり、アンテナパターンが車体アースから分離された状態になるため、AM受信性能の劣化を回避することができる。すなわち、AMラジオ周波数帯(第1の周波数帯)で問題になるアンテナパターンの先端が接地され、受信レベルが大きく低下する状況を回避することができる。
また、FMラジオ周波数帯(第2の周波数帯)では、LC直列共振回路20が直列共振状態になるため、接地線19自体のインピーダンスは非常に小さくなり、LC直列共振回路20を挿入しない状態に近くなる。このため、FM受信性能確保に必要な本来の接地線19の機能を維持できる。
なお、LC直列共振回路20を構成するCの容量は、10[pF]以下、Lのインダクタンスは0.1[μH]以上とする。これにより、接地線19を使用しない状態からのAMアンテナの性能低下を3[dB]未満に抑制しながらLC直列共振周波数をFMラジオ周波数帯(第2の周波数帯)に設定でき、したがって、FMラジオ周波数帯(第2の周波数帯)の受信性能も確保することができる。
また、Cの容量を8[pF]以下、Lのインダクタンスを0.2[μH]以上とすることで、接地線19を使用しない状態からのAM受信性能の低下を2[dB]未満に抑制しながらFM性能も確保できる。また、Cの容量を4[pF]以下、Lのインダクタンスを0.4[μH]以上とすることで、接地線19を使用しない状態からのAM性能低下を1[dB]未満に抑制しながらFM性能も確保できる。
なお、本来、アンテナアンプの筐体は車体アースが取られるようにボルトで固定されるが、接地線19を、付随するアンテナアンプを介して車体に接続する(接地する)構成とすることで、接地線用に追加のアースボルトを不要にすることができる。
このように、開口部10の開口面積が狭くても、FM受信性能だけでなくAM受信性能も確保できる車両用ガラスアンテナを提供することができる。これにより、必要な端子の数も最小に抑えることができ、簡単な形状で車両用ガラスアンテナを構築でき、FM受信性能の調整が容易になる。また、LC直列共振回路20のコンデンサの容量を10[pF]以下とすることで、不要にAM受信性能の劣化を抑制することができる。
また、上記したアンテナ設計において、グランド接地させることによりFMの受信性能を向上させることが常套手段になっており、この場合、AM受信性能を確保するために、車体開口面積を1.5倍以上拡大する必要があるが、アンテナ素子部に設けられた接地点、または、接地点と車体とを接続する接地線19との間に、共振周波数をFMラジオ周波数帯に調整したLC直列共振回路20を挿入することで、開口面積を拡大することなく、0.1[m]以下の開口面積で目標(接地線を使用しない状態からのAMラジオ周波数帯の利得低下量を3[dB]未満に抑制する)を実現することができる。このため、比較的開口面積が小さいクォータウィンドウへの適用が可能になる。以下、根拠について説明する。
(性能評価)
発明者らは上記した根拠を説明できるように本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1について性能評価を試みた。ここでは、接地線19に求められる機能を、AM受信性能、FM受信性能のそれぞれの観点から評価を実行した。まず、単純にコンデンサを挿入した場合のAM周波数帯、FM周波数帯での影響を評価し、コンデンサ容量での限界値から接地線19に必要なインピーダンス特性の見極めを実施した。
なお、AMラジオ周波数帯のアンテナ性能は、標準信号発生器(Panssonic社製VP8193A)から、電波暗室内に設置した送信アンテナを介して放射された試験波を、車両用ガラスアンテナで受信させ、このときの受信信号電圧をFETプローブを介して電界強度測定器(Anlitsu社製ML428B)を使用して測定することにより評価した。また、FMラジオ周波数帯は、標準信号発生器(Panssonic社製VP8193A)から、電波暗室内に接地した送信アンテナを介して放射された試験波を、車両用ガラスアンテナで受信させ、このときの受信信号電圧を電界強度測定器(Anlitsu社製ML428B)を使用して測定することにより評価した。
車体開口部は、図2(a)(b)にそれぞれ示す形状とし、アンテナパターンを実装するガラス11は、それぞれ、0.04[m](図2(a))、0.15[m](図2(b))の開口面積を有するクォータウィンドウとした。また、アンテナパターンは、図1、図2に示すように、いずれも折り返し先端接地タイプとし、第3アンテナ素子部18a,18bの対向容量結合素子長を、それぞれ、250[mm](図2(a))、50[mm](図2(b))とした。なお、車体開口面積は、ガラス11を車体開口部10に取り付け方向に接地し、水平方向から平行光を照射してガラスを投影し、その投影面積を開口面積として測定した。
ところで、良好なFM受信性能を確保するために設けた接地線19により、AM性能が劣化することは上記した通りである。そこで、接地線19に挿入するコンデンサの容量(以下、C値という)として300[pF]迄の領域における接地線無しの状態からのAM周波数帯の利得低下量[dB]を測定した。その結果、開口面積が0.04[m]のときの利得低下量を<表1>に、開口面積が0.15[m]のときの利得低下量を<表2>に示す。
Figure 0006316738
Figure 0006316738
接地線を使用しない状態からの利得を3[dB]未満に抑制することは当業者の目標である。そこで、<表1>、<表2>に示すように、容量10[pF]と30[pH]の利得低下量から直線近似して1[pF]あたりの利得低下量約0.25[dB](以下の<表3>参照)を得た。この約0.25[dB]/[pF]と10[pF]の利得低下量から、利得低下量を3[dB]未満にするために、C値は、10[pF]以下を必要とする。同様に、利得低下量を2[dB]未満にするためにC値は8[pF]以下、利得低下量を1[dB]未満にするためにC値は4[pF]以下を必要とする。
Figure 0006316738
発明者らの評価によれば、AM周波数帯において、接地線19の影響による利得低下を1[dB]以内に抑制するためには、4[pF]以下の容量でインピーダンス|Z|>25[kΩ](但し、[1500kHz])、2[dB]以内に抑制するために、8[pF]以下の容量でインピーダンス|Z|>12[kΩ](但し、1500[kHz])、3[dB]以内にするために、10[pF]以下の容量でインピーダンス|Z|>10[kΩ](但し、1500[kHz])それぞれ必要なことがわかった。
なお、FM周波数帯において、接地線19に挿入するC値が100[pF]以上の場合、|Z|<20[Ω](但し、90[MHz])で、単純接地の場合に比べてほとんど特性に影響がなく、50[pF]以上の場合、|Z|<40[Ω](但し、90[MHz])で、パターン形状を調整することで単純接地相当の特性が確保できる限界レベルであることがわかった。なお、30[pF]以下では、接地線による効果が減少し、アンテナ性能が大きく変化し、対応できないレベルである。
以上により、<表4>に太破線で強調して示すように、AM受信性能確保の観点から、接地線19には少なくとも10[kΩ](1500[kHz])以上の高いインピーダンスを要し、FM受信性能確保の観点から、接地線19には大きくても40[Ω](90[MHz])以下の低いインピーダンスを必要とする。
Figure 0006316738
上記したC値とインピーダンスとの関係により、LC直列共振回路20を構成するLは、Cが10[pF]以下の場合0.1[μH]以上、Cが8[pF]以下の場合0.2[μH]以上のインダクタンス、Cが4[pF]以下の場合、0.4[μH]以上のインダクタンスになる。
図3(a)に実施例、図3(b)に比較例1、図3(c)に比較例2のアンテンパターンのそれぞれが示されている。開口部の形状は、いずれも、図2(a)に示した0.04[m]の開口面積を有するクォータウィンドウとした。なお、両方向矢印で示す数字は、第1のアンテナ素子部13、第2のアンテナ素子部16、第3のアンテナ素子部18a,18bそれぞれの部位における寸法である。すなわち、340[mm]×240[mm]の寸法を有する比較的狭い開口を有するガラス11(クォータウィンドウ)に、線長110[mm]の第1素子部13と、線長140[mm]の第2素子部16を実装し、かつ、第1アンテナ素子部13と第2アンテナ素子部16の間隔を30[mm]として設計した。なお、第3アンテナ素子部18a,18bの対向容量結合素子長は、いずれも250[mm]とした。
図3(a)の実施例は、Cが8[pF]の容量、Lが0.39[μH]のインダクタンスを持つLC直列共振回路20を、接地点15と接地線19との間に接続した例、図3(b)の比較例1は接地線を使用しない例、図3(c)の比較例2は、LC直列共振回路20を使用せず単純に接地線19(AV線)を使用した例を示す。
上記の条件にしたがい、AMラジオ周波数帯、FMラジオ周波数帯のそれぞれにおいて特性評価を行った。最初に、AMラジオ周波数帯の特性評価結果から説明する。ここでは、周波数毎に接地無しの状態からの利得変動量について比較例2と実施例とを対比して<表5>として纏めた。
Figure 0006316738
<表5>に示すように、例えば、周波数594[kHz]において、接地無しの状態から比較例2の場合の利得変動量が−36.6[dB]、接地無しの状態から実施例の場合の利得変動量が−2.6[dB]、周波数954[kHz]において、接地無しの状態から比較例2の場合の利得変動量が−37[dB]、接地無しの状態から実施例の場合の利得変動量が−2.6[dB]、周波数1458[kHz]において、接地無しの状態から比較例2の場合の利得変動量が−34.5[dB]、接地無しの状態から実施例の場合の利得変動量が−2.3[dB]であった。
したがって、実施例では、AM周波数帯における性能低下量を比較例1の接地線無しの状態から約2[dB]に抑制でき、課題であった比較例2の単純接地の場合に比較して30[dB]以上の大幅な性能改善ができた。上記の結果は図4に、横軸に周波数、縦軸に利得変動量を目盛ったグラフで示してある。図4において、点■をプロットした線は、比較例1からの実施例(LC直列共振回路20付き)の周波数特性を、点◆をプロットした線は比較例1からの比較例2(単純接地)の周波数特性を示す。
次に、FM帯の特性評価結果について説明する。ここでは、70[MHz]〜150[MHz]までの間のアンテナ受信性能を評価し、比較例2と、実施例と、比較例1とを対比して<表6>として纏めた。なお、<表6>に記載の数値は、比較例2の周波数特性の最大値が0[dB]となるように正規化してある。
Figure 0006316738
<表6>によれば、例えば、周波数が76[MHz]の場合の受信感度[dB]は、比較例2が−8.2[dB]、実施例が−14.9[dB]、比較例1が−10.2[dB]であり、周波数が92[MHz]の場合、比較例2が−2.1[dB]、実施例が−5.9[dB]、比較例1が−12.3[dB]であり、周波数が108[MHz]の場合、比較例2が−8.4[dB]、実施例が−10.4[dB]、比較例1が−12.3[dB]である。図5(a)に、上記を纏めた周波数特性図が示されている。
ちなみに、FM放送波の国内周波数帯域は、76〜90[MHz]であり、中心周波数を83[MHz]とすれば、比帯域幅は17%である。図5(a)の周波数範囲から、この国内FM周波数帯と同じ比帯域幅が17%区間で抜粋した周波数特性図が図5(b)に示されている。この周波数範囲での帯域平均値は、比較例2が−2.3[dB]、実施例が−5.7[dB]、比較例1が−11.5[dB]である。
図5(b)に示すように、FM周波数帯では、国内周波数帯と同じ比帯域幅17%で帯域内平均値を代表特性として評価すると、LC直列共振回路20が接続されない比較例2からの性能低下量を約3[dB]迄抑制でき、接地線15によるFM特性改善効果を維持できる。また、接地線を使用しない状態(比較例1)に比べて約6[dB]の特性改善効果が得られることになる。
図6(a)(b)に、本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1に使用している接地線19に挿入したLC直列共振回路20の複素のインピーダンスの絶対値特性図を示す。本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1によれば、接地線19に、共振周波数をFMラジオ周波数帯に調整したLC直列共振回路20を挿入している。したがって、AMラジオ周波数帯は、LC直列共振回路20による共振周波数より非常に小さな周波数帯に位置することになり、AMラジオ周波数帯ではCの影響が支配的になる。つまり、接地線19自体のインピーダンスが図6(a)のように大きくなり、アンテナパターンが車体アースから分離された状態になる。このため、AMアンテナ性能の劣化を回避することができる。すなわち、AM周波数帯で問題になるアンテナパターンの先端が接地され、受信レベルが大きく低下する状況を回避することができる。
また、FMラジオ周波数帯では、LC直列共振回路20が直列共振状態になるため、接地線19自体のインピーダンスは非常に小さくなる。例えば、図6(b)に示すように、90[MHz]付近をピークにFM周波数帯での接地線19自体のインピーダンスは小さくなり、LC直列共振回路20を挿入しない状態に近くなる。このため、FM性能確保に必要な本来の接地線19の機能を維持できる。
(変形例1)
図7に本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1の変形例を示す。図7によれば、第3のアンテナ素子部18aは、第3のアンテナ素子部18の一部を一端に、ガラス11の縁部に向かって第1のアンテナ素子部13と略平行に延びる1以上のAM特性改善用補助素子21(第1の特性改善用補助素子)を有している。また、第2のアンテナ素子16は、第2のアンテナ素子部16の一部から略垂直方向にガラス11の縁部に向かって延びる第1の導線22aと、第1の導線22aの先端、または途中から第3のアンテナ素子部18bに向かって第2のアンテナ素子部16と略平行に延びる1以上の第2の導線22bとからなるAM特性改善用補助素子22(第2の特性改善用補助素子)を有する。
なお、変形例1において、AM特性改善用補助素子21は、第3のアンテナ素子部18の一部を一端に延びているが、これに限定されず、第3のアンテナ素子部18と接続されていればよい(交叉していてもよい)。また、AM特性改善用補助素子22は、第2のアンテナ部16から延びているが、これに限定されず、第2のアンテナ素子部16と接続されていればよい(交叉していてもよい)。更に、AM特性改善用補助素子22が、第1のアンテナ素子部13と接続されてもよい。
上記した変形例1によれば、AM特性改善用補助素子21、または22,あるいはその両方により、AM周波数帯受信用アンテナの見掛け上の長さが増大するため、AM受信感度を改善することができる。なお、AM特性改善用補助素子21、22は、FM特性に影響を与えなければ形状は問わない。
(変形例2)
以上は図1の車両用ガラスアンテナ1を用いて本実施形態を説明したが、これに限定されることはなく、第1の周波数帯(例えば、AMラジオ周波数帯)と、第1の周波数帯より高い第2の周波数帯(例えば、FMラジオ周波数帯)の電波を受信する共用アンテナであれば、同様の効果が得られる。例えば、特開2001−211021号公報の第1図、第2図に記載されているように、ループ形状の第1のアンテナ素子部と、その第1のアンテナ素子部がなすループ形状の下辺部に直流的に接続されるとともに、車幅方向の略中央において開口部の縁に向かって略垂直に延設された下端部を有する1本のアンテナ素子部で形成されるアンテナパターンを持つ車両用アンテナ構造についても同様である。
(変形例3)
また、図1の車両用ガラスアンテナ1は、例えば、図8に示すように、第2のアンテナ素子部16を複数(第2のアンテナ素子16a,16b)有してもよい。なお、FMラジオ周波数帯で共振特性を持つLC直列共振回路20は、1個でもよいが、図示したように、第2のアンテナ素子部16a,16bのそれぞれに対して接続(20a,20b)することで、FM受信性能に対して効果的である。
(変形例4)
なお、図1の車両用ガラスアンテナ1は、LC直列共振回路20を端子(接地点)に入れてもよい。端子にLC直列共振回路20を設けてもアンテナ素子長は同じであるため、受信特性が低下することはない。また、LC直列共振回路20は、LとC以外の他の部品を入れても良く、更に、LとCのように、接続順を変更しても同様の効果が得られる。
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1によれば、接地点15と車体のアースとを接続する接地線19との間に、共振周波数を第2の周波数帯(FMラジオ周波数帯)に調整したCとLからなるLC直列共振回路20を挿入しているため、AMラジオ周波数帯はLC直列共振回路20による共振周波数より非常に小さな周波数帯に位置することになりCの容量が支配的になる。したがって、AMラジオ周波数帯で問題になるアンテナパターンの先端が接地され、受信レベルが大きく低下する状況を回避することができる。また、FMラジオ周波数帯では、LC直列共振回路20が直列共振するため、従来通り接地線19による性能確保を期待できる。
したがって、例えば、特許文献1に開示されたアンテナパターンをそのままAMラジオ周波数帯用のアンテナパターンとして使用することができ、AMラジオ周波数帯とFMラジオ周波数帯の共通パターン化を実現できる。また、特許文献2に開示されているように、個別にアンテナパターンを形成することによる端子数増加の問題を解決でき、また、アンテナパターン上で疑似容量構成部を形成する必要がなくなるため、開口エリアが制限されても単純なパターン形状でアンテナを構成でき、FMラジオ周波数帯は勿論のこと、AMラジオ周波数帯についても良好な性能を確保できる車両用ガラスアンテナ1を提供することができる。
また、本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1によれば、第3のアンテナ素子部18aが、AM受信性能の第1の特性改善用補助素子21を有することで、AMラジオ周波数帯の受信感度を改善することができる。また、第1のアンテナ素子部13、または第2のアンテナ素子部16と接続するAM周波数帯の第2の特性改善用補助素子22を有することで、AMラジオ周波数帯の受信感度を改善することができる。なお、第1の特性改善用素子21,および第2の特性改善用補助素子22は、FMラジオ周波数帯の受信性能に影響を与えるものでなければその形状は問わない。
また、本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1によれば、LC直列共振回路20を構成するCの容量を10[pF]以下とすることで、接地線19を使用しない状態からのAMラジオ周波数帯の性能低下を3[dB]未満に抑制し、かつ、直列共振周波数をFMラジオ周波数帯に設定でき、したがって、FM受信性能も確保することができた。また、LC直列共振回路20を構成するLのインダクタンスを10[μH]以上とすることで、接地線19を使用しない状態からのAMラジオ周波数帯の性能低下を3[dB]未満に抑制し、かつ、直列共振周波数をFMラジオ周波数帯に設定でき、したがって、FMラジオ周波数帯の受信性能も確保することができた。
また、本実施形態に係る車両用ガラスアンテナ1によれば、LC直列共振回路20を、Cが8[pF]以下の容量、Lが0.2[μH]以上のインダクタンスとすることで、AMラジオ周波数帯の性能低下を2[dB]以下に抑制しつつ、FMラジオ周波数帯の受信性能も確保することができた。また、LC直列共振回路20を、Cが4[pF]以下の容量、Lが0.4[μH]以上のインダクタンスとすることで、接地線19を使用しない状態からのAMラジオ周波数帯の性能低下を1[dB]以下に抑制しつつ、FMラジオ周波数帯の受信性能も確保することができた。
なお、先般、車体ガラスのうち比較的面積が小さいクォータフィンドウへのAM/FM共用アンテナ設計が市場ニーズとして求められている。開口面積が小さくなればFMの受信性能の確保が困難になり、このため、グランド接地させてFMの受信性能を向上させることが頻繁に行われる。但し、グランド接地するとAMの受信性能が劣化することは上記したとおりである。接地線を使用しない状態からのAMラジオ周波数帯の利得低下量を3[dB]未満とすることは当業者の目標であり、通常、1.5倍以上、開口面積を拡大する必要があるものを、アンテナ素子部に設けられた接地点、または、接地点と車体とを接続する接地線19との間に、共振周波数をFMラジオ周波数帯に調整したLC直列共振回路20を挿入することで、開口面積を拡大することなく目標を実現することができた。このため、比較的開口面積が小さいクォータウィンドウへの適用が可能になる。本発明の実施の形態に係る車両用ガラスアンテナ1によれば、車体開口部10の開口面積は、0.1[m]以下である。
1・・・車両用ガラスアンテナ、10・・・車体開口部、11・・・ガラス、12・・・給電点、13・・・第1のアンテナ素子部、15・・・接地点、16・・・第2のアンテナ素子部、17・・・ラップ部、18a,18b・・・第3のアンテナ素子部、19・・・接地線、21・・・第1の特性改善用補助素子部、22・・・第2の特性改善用補助素子部

Claims (9)

  1. 車体開口部に取り付けられるガラスと、
    第1の周波数帯と、前記第1の周波数帯より高い第2の周波数帯の電波との両方を受信する、前記ガラスに配置されるアンテナ素子部と、
    前記第2周波数帯で共振特性を持つ、少なくともLとCとを含むLC直列共振回路と、
    を備え、
    前記アンテナ素子部には、単一の給電点が設けられ、
    前記アンテナ素子部に設けられた接地点、または、前記接地点と前記車体のアースに設けられた接地線との間に前記LC直列共振回路を接続したことを特徴とする車両用ガラスアンテナ。
  2. 前記アンテナ素子部は、
    前記ガラスの縁部に設けられた前記給電点に接続され、前記給電点から対向するガラスの縁部に向かって直線状に延びた第1のアンテナ素子部と、
    前記第1のアンテナ素子部とは略平行に延びて前記ガラスの縁部に設けられた接地点に接続された第2のアンテナ素子部と、
    前記第1のアンテナ素子部と、前記第2のアンテナ素子部に交叉し、前記車体の開口部に沿ってそれぞれ逆方向に延びた第3のアンテナ素子部と、
    からなる請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
  3. 前記アンテナ素子部は、
    前記第3のアンテナ素子部前記第1の周波数帯の第1の特性改善用補助素子を有することを特徴とする請求項2に記載の車両用ガラスアンテナ。
  4. 前記アンテナ素子部は、
    前記第1のアンテナ素子部、または第2のアンテナ素子部と接続する前記第1の周波数帯の第2の特性改善用補助素子を有することを特徴とする請求項2または3に記載の車両用ガラスアンテナ。
  5. 前記LC直列共振回路は、
    コンデンサが10[pF]以下の容量を有することを特徴とする請求項1ないし4に記載の車両用ガラスアンテナ。
  6. 前記LC直列共振回路は、
    コイルが0.1[μH]以上のインダクタンスを有することを特徴とする請求項1ないし5に記載の車両用ガラスアンテナ。
  7. 前記LC直列共振回路は、
    コンデンサが8[pF]以下、コイルが0.2[μH]以上のインダクタンスを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用ガラスアンテナ。
  8. 前記LC直列共振回路は、
    コンデンサが4[pF]以下、コイルが0.4[μH]以上のインダクタンスを有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の車両用ガラスアンテナ。
  9. 前記車体開口部の開口面積は、
    0.1[m]以下であることを特徴とする請求項1ないし8に記載の車両用ガラスアンテナ。
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