JP6316520B1 - ポリエステル変性フェノール樹脂及び印刷インキ - Google Patents

ポリエステル変性フェノール樹脂及び印刷インキ Download PDF

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Abstract

流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキ、これに用いる印刷インキ用ワニス及びポリエステル変性フェノール樹脂を提供する。ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、フェノール性水酸基含有化合物(B)、及びアルデヒド化合物(C)を必須の反応原料とするポリエステル変性フェノール樹脂、前記ポリエステル変性フェノール樹脂を含有する印刷インキ用ワニス及び印刷インキ、前記印刷インキを用いた印刷物。

Description

本発明は、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキ、これに用いる印刷インキ用ワニス及びポリエステル変性フェノール樹脂に関する。
オフセット枚葉印刷、オフセット輪転印刷、オフセット新聞印刷等のオフセット印刷において、美しい印刷面及び高い印刷効率を実現するためには、樹脂の性能が非常に重要である。にじみやインキの飛散による紙面の汚れがなく、光沢に優れ、高速印刷にも耐えうる乾燥性を有する印刷インキを実現するためには、例えば、樹脂の親水性や溶剤溶解性、粘弾性等を最適化する樹脂設計が必要となる。樹脂設計においては、原料成分の選択や反応比率はもちろんのこと、各成分の反応順等の製造方法によっても樹脂の性能は大きく変化し得る。
オフセット印刷インキ用の樹脂としては、例えば、ロジン、植物油、レゾール樹脂、及びポリオールを反応させて得られるロジン変性フェノール樹脂が知られている(特許文献1参照)。このようなロジン変性フェノール樹脂は、従前からオフセット印刷インキ用の樹脂として広く用いられているが、これを用いた印刷インキは流動性と耐ミスチング性との相反する性能の兼備において昨今の市場要求を十分に満たすものではなく、これらの性能のバランスに一層優れる印刷インキ用樹脂が求められている。
特開2003−128972号公報
従って本発明の課題は、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキ、これに用いる印刷インキ用ワニス及びポリエステル変性フェノール樹脂を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレンテレフタレート樹脂にて変性したポリエステル変性フェノール樹脂を用いた印刷インキが、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、フェノール性水酸基含有化合物(B)、及びアルデヒド化合物(C)を必須の反応原料とするポリエステル変性フェノール樹脂に関する。
本発明はさらに、前記ポリエステル変性フェノール樹脂を含有する印刷インキ用ワニスに関する。
本発明はさらに、前記印刷インキ用ワニスと顔料とを含有する印刷インキに関する。
本発明はさらに、前記印刷インキを用いた印刷物に関する。
本発明によれば、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキ、これに用いる印刷インキ用ワニス及びポリエステル変性フェノール樹脂を提供することができる。
本発明のポリエステル変性フェノール樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、フェノール性水酸基含有化合物(B)、及びアルデヒド化合物(C)を必須の反応原料とすることを特徴とする。
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、一般にPET樹脂と呼ばれる樹脂であり、エチレングリコールとテレフタル酸又はその誘導体とを主原料とするポリエステル樹脂のことである。本発明で用いるポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、その反応原料として、エチレングリコール及びテレフタル酸又はその誘導体以外のその他の成分を併用したものであっても良い。前記その他の成分としては、例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチルプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール等のポリオール化合物や、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の多価カルボン酸及びその誘導体等が挙げられる。
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、本発明のポリエステル変性フェノール樹脂を製造するに際し新規に製造されたものであっても良いし、リサイクル樹脂であっても良い。ポリエチレンテレフタレート樹脂は、飲料や化粧品等のボトルやフィルム材料、衣料用繊維として広く利用されており、これらのリサイクル樹脂を再利用できる本発明は環境に配慮した工業技術として利用価値が高いと言える。
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の形状は特に限定されず、粉末、ペレット、フィルム、繊維、何れの状態であっても良い。前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の色調は、印刷インキ化した際の発色の観点から無色透明に近いほど好ましいが、顔料の種類や濃度等を適宜調整することにより、着色のあるポリエチレンテレフタレート樹脂(A)も十分に好ましく利用することができる。したがって、例えば、リサイクル樹脂を用いる場合には着色があっても良い。
前記フェノール性水酸基含有化合物(B)は、分子構造中にフェノール水酸基を有する化合物であれば何れの化合物も用いることができ、その具体構造は特に限定されない。また、前記フェノール性水酸基含有化合物(B)は1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。その具体例としては、例えば、フェノールの他、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ペンチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール等、炭素原子数1〜10のアルキル基を有するアルキルフェノール;メトキシフェノール、エトキシフェノール、エトキシフェノール等、炭素原子数1〜10のアルコキシ基を有するアルコキシフェノール;カルダノール等天然物由来の化合物等が挙げられる。
これらの中でも、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れる印刷インキが得られることからアルキルフェノールが好ましく、炭素原子数が1〜6のアルキル基を有するアルキルフェノールがより好ましい。更に、フェノール性水酸基含有化合物(B)の80質量%以上をアルキルフェノールとすることが特に好ましい。
前記アルデヒド化合物(C)は、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキサール、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。中でも、反応性に優れることからホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドが好ましい。
本発明のポリエステル変性フェノール樹脂は、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、フェノール性水酸基含有化合物(B)、アルデヒド化合物(C)の他、更にその他の成分を反応原料として用いても良い。その他の成分としては、例えば、ロジン(D)、ポリオール化合物(E)、油脂或いは脂肪酸(F)、石油樹脂(G)、カルボン酸化合物(H)、テルペン樹脂(I)等が挙げられる。これらの中でも、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキが得られることから、前記ロジン(D)、ポリオール化合物(E)、油脂或いは脂肪酸(F)を併用することが好ましい。
前記ロジン(D)は、例えば、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン等の天然ロジンの他、水添ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、強化ロジン、ロジンエステル等のロジン誘導体が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記天然ロジンは中国産のものが一般的であるが、その他ベトナム、インドネシア、アメリカ、ブラジル、インド等、いずれの産地のものでも良い。
前記ロジン誘導体について、前記水添ロジンは、ロジンを水添することにより、不飽和結合の一部又は全部を飽和させることにより得られるものである。前記重合ロジンは、ロジンを硫酸等の触媒の存在下に重合することにより得られるものであり、二量体のほか単量体、三量体以上の多量体も含む混合物である。前記不均化ロジンは、ロジンを加熱等することにより、分子間で水素を移動させ、一方の分子の不飽和結合を飽和させると同時にもう一方の飽和結合を不飽和化して得られるものである。前記強化ロジンは、ロジンを無水マレイン酸、フマル酸、アクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸にて変性した変性ロジンである。前記ロジンエステルは、ロジンをグリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールにて変性したロジンである。
これらの中でも、他の成分との反応性に優れ、かつ、工業的に安価であることから、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン等の天然ロジンが好ましい。また、ロジンの酸価は150〜200mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
前記ポリオール化合物(E)は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価以上のアルコール等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。これらの中でも、ポリエステル変性フェノール樹脂の分子量や粘弾性を好ましい値に調整することが容易となることから、前記3価以上のアルコールが好ましく、グリセリン又はペンタエリスリトールが好ましい。
前記油脂或いは脂肪酸(F)は、例えば、亜麻仁油、桐油、米油、米糠油、サフラワー油、大豆油、トール油、菜種油、パーム油、ひまし油、やし油脂等の油脂;これら油脂由来の脂肪酸;これらの再生油脂;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸等、炭素原子数12〜30の高級脂肪酸等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも環境に対する負荷が少なく、工業的に安価であることから米糠油、大豆油及びこれら由来の脂肪酸が好ましい。
前記石油樹脂(G)は、具多的にはナフサを分解により生じる炭素数の多い不飽和化合物を重合した重量平均分子量500〜100,000程度の樹脂であり、C5留分を原料とする脂肪族系、C9留分を原料とする芳香族系、C5留分とC9留分を原料とした共重合系、シクロペンタジエン及びジシクロペンタジエンを原料とする脂環族系、更にアリルアルコールや酢酸ビニルエステル等を共重合したもの、これら石油樹脂に無水マレイン酸やアクリル酸等を付加したもの等が挙げられる。前記C5留分は、例えば、イソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン、ペンテン等が挙げられる。前記C9留分は、例えば、ビニルトルエン、インデン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。石油樹脂は1種類を単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
石油樹脂(G)の市販品は、例えば、日本ゼオン社製「クイントンA100」、「クイントンB170」、「クイントンK100」、「クイントンM100」、「クイントンR100」、「クイントンC200S」、丸善石油化学社製「マルカレッツT−100AS」、「マルカレッツR−100AS」等の脂肪族系;JX日鉱日石エネルギー社製「ネオポリマーL−90」、「ネオポリマー120」、「ネオポリマー130」、「ネオポリマー140」、「ネオポリマー150」、「ネオポリマー170S」、「ネオポリマー160」、「ネオポリマーE−100」、「ネオポリマーE−130」、「ネオポリマー130S」、「ネオポリマーS」、東ソー社製「ペトコールLX」、「ペトコールLX−HS」、「ペトコール100T」、「ペトコール120」、「ペトコール120HS」、「ペトコール130」、「ペトコール140」、「ペトコール140HM」、「ペトコール140HM5」、「ペトコール150」、「ペトコール150AS」等の芳香族系;日本ゼオン社製「クイントンD100」、「クイントンN180」、「クイントンP195N」、「クイントンS100」、「クイントンS195」、「クイントンU185」、「クイントンG100B」、「クイントンG115」、「クイントンD200」、「クイントンE200SN」、「クイントンN295」、東ソー社製「ペトロタック60」、「ペトロタック70」、「ペトロタック90」、「ペトロタック100」、「ペトロタック100V」、「ペトロタック90HM」等の共重合系;丸善石油化学社製「マルカレッツM−890A」、「マルカレッツM−845A」、日本ゼオン社製「クイントン1325」、「クイントン1345」、「クイントン1500」、「クイントン1525L」、「クイントン1700」等の脂環族系等が挙げられる。
前記カルボン酸化合物(H)は、例えば、安息香酸やパラターシャリーブチル安息香酸等の一塩基酸又はその無水物;シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の脂肪族二塩基酸又はその無水物;(無水)テトラヒドロフタル酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸等の脂環式二塩基酸又はその無水物;(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族二塩基酸又はその無水物;オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、エイコセン酸、ドコセン酸、セラコレイン酸、リノール酸等の不飽和一塩基酸を二量化又は三量化させて得られるダイマー酸やトリマー酸;(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸等3官能以上の芳香族他塩基酸等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、樹脂の粘度がインキ用に適した値となることから脂肪族二塩基酸又はその無水物、脂環式二塩基酸又はその無水物、芳香族二塩基酸又はその無水物が好ましく、芳香族二塩基酸又はその無水物が特に好ましい。
前記テルペン樹脂(I)は、例えば、ヤスハラケミカル(株)製「YSレジンPX1250」、「YSレジンPX1150」、「YSレジンPX1000」、「YSレジンPX800」が挙げられる。
本発明のポリエステル変性フェノール樹脂において、各反応原料の反応割合は最終物である印刷インキの用途や所望の性能等により適宜調整されるものであり、特に限定されるものではない。また、本発明のポリエステル変性フェノール樹脂の製造方法は特に限定されず、最終物である印刷インキの用途や所望の性能等に応じて、各反応原料の反応順、反応温度、反応時間等は任意に設定することができる。以下、本発明のポリエステル変性フェノール樹脂における各反応原料の反応割合及び製造方法の具体例として、特に新聞インキ等の浸透乾燥型印刷インキに適した例と、枚葉インキ等の酸化重合型印刷インキに適した例の2例を挙げて説明する。これらはあくまでも発明のポリエステル変性フェノール樹脂の一例であり、その他の実施形態を除外するものではない。
本発明のポリエステル変性フェノール樹脂を新聞インキ等の浸透乾燥型印刷インキに用いる場合、これをポリエステル変性フェノール樹脂(1)とする。ポリエステル変性フェノール樹脂(1)は、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、前記フェノール性水酸基含有化合物(B)、及び前記アルデヒド化合物(C)の他、更に、前記ロジン(D)、前記ポリオール化合物(E)、前記油脂或いは脂肪酸(F)を必須の反応原料とすることが好ましい。
ポリエステル変性フェノール樹脂(1)の好ましい製造方法としては、まず、前記フェノール性水酸基含有化合物(B)と前記アルデヒド化合物(C)とを反応させてレゾール樹脂中間体を製造し、これと、その他の反応原料を反応させることが好ましい。より具体的には、まず前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、前記ロジン(D)、前記ポリオール化合物(E)及び前記油脂或いは脂肪酸(F)を反応させ(工程1)、次いで、前記レゾール樹脂中間体を加えて反応させる(工程2)ことが好ましい。前記(A)〜(F)成分以外の反応原料を用いる場合には、工程1や工程2で加えて反応させても良いし、工程2の後に加えて反応させても良い。
前記フェノール性水酸基含有化合物(B)と前記アルデヒド化合物(C)とからレゾール樹脂中間体を製造する反応は、例えば、前記フェノール性水酸基含有化合物(B)1モルに対し前記アルデヒド化合物(C)を1〜4モルの範囲で用い、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属の水酸化物等、アルカリ触媒の存在下、80〜150℃程度の温度条件下で行うことができる。レゾール樹脂中間体は、必要に応じて予めインキ用溶剤等で希釈しても良い。
前記工程1の反応は、例えば、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、前記ロジン(D)、前記ポリオール化合物(E)及び前記油脂或いは脂肪酸(F)を金属触媒の存在下、100〜280℃程度の温度条件下で撹拌するなどして行うことができる。前記金属触媒は、例えば、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等が挙げられる。また、反応は必要に応じて加圧条件下で行っても良い。工程1の終点は、例えば、反応混合物の酸価により決定することができ、酸価が25mgKOH/g以下となるまで反応させることが好ましい。
前記工程2反応は、例えば、前記工程1後の反応混合物に前記レゾール樹脂中間体を加え、100〜250℃程度の温度条件下で撹拌するなどして行うことができる。前記レゾール樹脂中間体は、一括で加えても良いし、分割して加えても良い。工程2の終点は、例えば、反応混合物の粘度により決定することができ、50質量%トルエン溶液のガードナー粘度がB〜Cの範囲となるまで反応させることが好ましい。
ポリエステル変性フェノール樹脂(1)の反応原料の反応割合について、一般的な樹脂設計としては、例えば、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、ポリエステル変性フェノール樹脂(1)の反応原料の総質量に対し0.5〜50質量%の範囲で用いることが好ましく、1〜20質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記レゾール樹脂中間体は、ポリエステル変性フェノール樹脂(1)の反応原料の総質量に対し3〜50質量%の範囲で用いることが好ましく、5〜30質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記ロジン(D)はポリエステル変性フェノール樹脂(1)の反応原料の総質量に対し10〜70質量%の範囲で用いることが好ましく、30〜60質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記ポリオール化合物(E)はポリエステル変性フェノール樹脂(1)の反応原料の総質量に対し0.5〜30質量%の範囲で用いることが好ましく、1〜20質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記油脂或いは脂肪酸(F)はポリエステル変性フェノール樹脂(1)の反応原料の総質量に対し5〜50質量%の範囲で用いることが好ましく、10〜40質量%の範囲で用いることがより好ましい。
ポリエステル変性フェノール樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキとなることから、10,000〜400,000の範囲であることが好ましい。
尚、本発明において、ポリエステル変性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8320 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HZ−H」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL SuperHZM−H」×4本
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8320 EcoSECアプリケーション」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.6ml/分
標準 : 前記「GPC−8320 EcoSECアプリケーション」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−380」
東ソー株式会社製「F−450」
東ソー株式会社製「F−850」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィ
ルターでろ過したもの(50μl)。
また、ポリエステル変性フェノール樹脂(1)の白濁温度は、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキとなることから、50〜180℃の範囲であることが好ましい。
本発明のポリエステル変性フェノール樹脂を枚葉インキ等の酸化重合型印刷インキに用いる場合、これをポリエステル変性フェノール樹脂(2)とする。ポリエステル変性フェノール樹脂(2)は、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、前記フェノール性水酸基含有化合物(B)、及び前記アルデヒド化合物(C)の他、更に、前記ロジン(D)、前記ポリオール化合物(E)、前記油脂或いは脂肪酸(F)、及び前記石油樹脂(G)を必須の反応原料とすることが好ましい。
ポリエステル変性フェノール樹脂(2)の好ましい製造方法としては、まず、前記フェノール性水酸基含有化合物(B)、前記アルデヒド化合物(C)、及び前記ロジン(D)を反応させ(工程1)、次いで、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、前記ポリオール化合物(E)、前記油脂或いは脂肪酸(F)、及び前記石油樹脂(G)を加えて反応させる(工程2)方法が好ましい。前記(A)〜(G)成分以外の反応原料を用いる場合には、工程1や工程2で加えて反応させても良いし、工程2の後に加えて反応させても良い。
前記工程1の反応は、例えば、前記フェノール性水酸基含有化合物(B)、前記アルデヒド化合物(C)、及び前記ロジン(D)を金属触媒の存在下、100〜150℃程度の温度条件下で撹拌するなどして行うことができる。前記金属触媒は、例えば、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等が挙げられる。反応は必要に応じて加圧条件下で行っても良い。
前記工程2反応は、例えば、前記工程1後の反応混合物に前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、前記ポリオール化合物(E)、前記油脂或いは脂肪酸(F)、及び前記石油樹脂(G)を加え、250〜300℃程度の温度条件下で撹拌するなどして行うことができる。工程2では、必要に応じて前記金属触媒を追加しても良い。工程2の終点は、例えば、反応混合物の酸価により決定することができ、酸価が30mgKOH/g以下となるまで反応させることが好ましい。
ポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の反応割合について、一般的な樹脂設計としては、例えば、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は、ポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の総質量に対し0.1〜40質量%の範囲で用いることが好ましく、0.5〜20質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記フェノール性水酸基含有化合物(B)は、ポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の総質量に対し5〜50質量%の範囲で用いることが好ましく、10〜40質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記アルデヒド化合物(C)は、ポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の総質量に対し1〜40質量%の範囲で用いることが好ましく、5〜25質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記ロジン(D)はポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の総質量に対し10〜60質量%の範囲で用いることが好ましく、20〜50質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記ポリオール化合物(E)はポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の総質量に対し0.1〜30質量%の範囲で用いることが好ましく、0.5〜20質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記油脂或いは脂肪酸(F)はポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の総質量に対し0.5〜30質量%の範囲で用いることが好ましく、1〜20質量%の範囲で用いることがより好ましい。前記石油樹脂(G)はポリエステル変性フェノール樹脂(2)の反応原料の総質量に対し0.5〜30質量%の範囲で用いることが好ましく、5〜20質量%の範囲で用いることがより好ましい。
ポリエステル変性フェノール樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキとなることから、10,000〜400,000の範囲であることが好ましい。
また、ポリエステル変性フェノール樹脂(2)の白濁温度は、流動性と耐ミスチング性とのバランスに優れ、セット性にも優れる印刷インキとなることから、100〜230℃の範囲であることが好ましい。
本発明の印刷インキ用ワニスは、前記ポリエステル変性フェノール樹脂の他、ゲル化剤や植物油、インキ用溶剤等を含有する。前記ゲル化剤は印刷インキ用ワニスの粘弾性を調整する目的で用いるものであり、例えば、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、有機亜鉛化合物、有機力ルシウム化合物等が挙げられる。ゲル化剤は一種類を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。なかでも有機アルミニウム化合物が好ましく、有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート化合物が挙げられ、なかでもアルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプレピレート、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート、エチルアセチルアセテートアルミニウム−n−ブチレート、アルミニウムトリスエチルアセチルアセテートが好ましい。
前記ゲル化剤の添加量は目標の粘弾性により調整が可能であるが、通常は印刷インキ用ワニス100質量部に対し、0.1〜2.0質量部の範囲で用いる。
前記植物油は、例えば、亜麻仁油、桐油、米油、サフラワー油、大豆油、トール油、菜種油、パーム油、ひまし油、やし油脂等の植物油、および、これら植物油を食品加工用等に使用した後に再生処理した再生植物油の他、アマニ油脂肪酸メチル、大豆油脂肪酸メチル、アマニ油脂肪酸エチル、大豆油脂肪酸エチル、アマニ油脂肪酸プロピル、大豆油脂肪酸プロピル、アマニ油脂肪酸ブチル、大豆油脂肪酸ブチルなどといった前記植物油脂肪酸のモノエステルなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。中でも、乾燥性に優れる印刷インキ用ワニスとなることから亜麻仁油、桐油、大豆油等の分子中に不飽和結合を有する植物油が好ましく、環境に対する負荷が小さいことから大豆油及びその再生油がより好ましい。
前記インキ用溶剤は、例えば、JX社製「1号スピンドル油」、「3号ソルベント」、「4号ソルベント」、「5号ソルベント」、「6号ソルベント」、「ナフテゾールH」、「アルケン56NT」、三菱化学(株)製「ダイヤドール13」、「ダイヤレン168」;日産化学(株)製「Fオキソコール」、「Fオキソコール180」;JX社製「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」「AFソルベント6号」「AFソルベント7号」、ISU社製DSOL溶剤、「ソルベントH」;ISU(株)製「N−パラフィンC14−C18」;出光興産(株)「スーパーゾルLA35」、「スーパーゾルLA38」;エクソン化学(株)の「エクソールD80」、「エクソールD110」、「エクソールD120」、「エクソールD130」、「エクソールD160」、「エクソールD100K」、「エクソールD120K」、「エクソールD130K」、「エクソールD280」、「エクソールD300」、「エクソールD320」;マギーブラザーズ社製の「マギーソル−40」、「マギーソル−44」、「マギーソル−47」、「マギーソル−52」、「マギーソル−60」;三共油化工業(株)「SNH8」、「SNH46」、「SNH220」、「SNH540」等が挙げられる。
これらの中でも、前記ポリエステル変性フェノール樹脂の溶解性に優れ、芳香族成分が少ないことからAFソルベントが好ましく、特に、芳香族成分が1.0%以下である所謂アロマフリー溶剤であることが好ましい。更に具体的には、例えば、熱乾燥型オフセット輪転インキ用ワニスの調製には、JX社製「AFソルベント4号」、JX社製「AFソルベント5号」、JX社製「AFソルベント7号」が好ましく、浸透乾燥型新聞インキ用ワニスの製造にはJX社製「AFソルベント6号」、ISU社製「DSOL300」が好ましく、酸化重合型枚葉インキ用ワニスの製造にはJX社製「AFソルベント6号」が好ましい。
本発明の印刷インキ用ワニスは各種の印刷インキ用途に用いることができるが、オフセットインキ用途に用いる場合、印刷インキ用ワニスの不揮発分が30〜75質量%となるよう調整することが好ましい。また、VOCを低減して環境負荷の小さいインキとするには、植物油を用いて希釈することが好ましい。一方、オフセット輪転印刷向けなど熱風により溶剤成分を蒸発させてセットを促すインキ用途に用いる場合には、植物油よりも石油系溶剤を多く使用するケースが多い。本発明においては、その目的に応じて植物油と石油系溶剤とを、適切な比率で使用してよい。
本発明の印刷インキ用ワニスは、前記ゲル化剤、植物油及びインキ用溶剤の他、酸化防止剤等他の添加剤を含有しても良い。前記酸化防止剤は、印刷インキ用ワニスの皮張りを防止する目的で用いるものであり、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなど公知のものを特に限定無く使用できる。前記酸化防止剤の使用量は、保存期間等を考慮して配合量を決定するが、通常は印刷インキ用ワニス100質量部中0.1〜1.0質量部の範囲で用いる。
本発明の印刷インキ用ワニスは、上記各成分を混合、攪拌して製造することができるが、混合攪拌の際には、これらを、通常、100℃以上240℃以下の範囲内の温度に加熱することにより、各成分を溶解させて混合して得られる。
本発明の印刷インキは、前記印刷インキ用ワニスに更に顔料等を配合してなる。顔料以外には、例えば、ワックス、乾燥促進剤(ドライヤー)、乾燥抑制剤等の各種添加剤が挙げられる。
前記顔料は、例えば「有機顔料ハンドブック(著者:橋本勲、発行所:カラーオフィス、2006年初版)」に掲載される印刷インキ用有機顔料等が挙げられ、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、カーボンブラック顔料、その他多環式顔料等が使用可能である。本発明においては無機顔料を用いることもでき、例えば、酸化チタン、クラファイト、亜鉛華等の無機着色顔料の他、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(ChinaClay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料や、シリコーン、ガラスビーズなどがあげられる。これら顔料の配合量は、目的とする印刷インキの種類によっても異なるが、通常、印刷インキ100質量部中5〜55質量部の範囲であることが好ましい。
前記ワックスは、インキ塗膜の耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性等を向上させる目的で添加されるものであり、例えば、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス;フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、シリコーン化合物等の合成ワックス等が挙げられる。ワックスの配合量は目的とする印刷インキの種類によっても異なるが、通常、印刷インキ100質量部中0.1〜7.0質量部の範囲であることが好ましい。
前記乾燥促進剤(ドライヤー)は、インキ塗膜の乾燥性を向上させる目的で添加されるものであり、例えば、コバルト、マンガン、鉛、鉄、亜鉛等の金属とオクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸等のカルボン酸との塩である金属石鹸類等が挙げられる。乾燥促進剤の配合量は目的とする印刷インキの種類によっても異なるが、通常、印刷インキ100質量部中0.01〜5質量部の範囲であることが好ましい。
前記乾燥抑制剤は、保存安定性を向上させ、皮張りを抑制する目的で添加されるものであり、例えば、ハイドロキノン、メトキノン、tert−ブチルハイドロキノン等が挙げられる。乾燥抑制剤は、乾燥抑制剤の配合量は目的とする印刷インキの種類によっても異なるが、通常、印刷インキ100質量部中0.01〜5質量部の範囲であることが好ましい。
これら印刷インキに添加される各種添加剤は、印刷インキ中に均一に混合できれば印刷インキ製造のいずれの段階で添加しても構わない。具体的には、印刷インキ製造の最終段階で添加しても良いし、印刷インキ用ワニスの製造段階で予め添加しても構わない。
本発明の印刷インキは、例えば、アルキド変性レゾール樹脂、ゲル化剤、有機溶剤、顔料及びその他添加剤を、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミルといった公知のインキ製造装置を用いて、練肉・調製することにより得ることができる。
このようにして製造された本発明の印刷インキは、オフセットインキ、樹脂凸版インキ、その中でも特に熱乾燥型オフセット輪転インキ、浸透乾燥型新聞インキ、酸化重合型枚葉インキとして好適に用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。尚、実施例中、部、%は、それぞれ質量部、質量%である。また、本発明の実施例において、各値の測定はそれぞれ以下の条件で行った。
GPC測定条件
重量平均分子量(Mw)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定した値である。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8320 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HZ−H」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL SuperHZM−H」×4本
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8320 EcoSECアプリケーション」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.6ml/分
標準 : 前記「GPC−8320 EcoSECアプリケーション」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−380」
東ソー株式会社製「F−450」
東ソー株式会社製「F−850」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
タック値の測定
室温25℃に調整された室内において、JISK5701−1(平版インキ試験方法)の4.2粘着性の項に記載のロータリータックメーターにより、温度が32℃、ローラーの回転数が400rpmの条件で測定した場合の1分値である。測定サンプル量は1.31mlである。
ワニス粘度の測定
E型粘度計を用い、被試験試料0.2ml、スピンドルR9.7、回転数2.5rpm、25℃の条件で測定した値である(単位はPa・s)。
n−ヘプタントレランスの測定
ワニス1gをトルエン2gに溶解して25℃を保ちながら、その溶液にn−ヘプタントレランスを滴下し、完全に白濁した時のn−ヘプタンの添加量(ml)をn−ヘプタントレランスの値とした(単位はml/g)。
実施例1 ポリエステル変性フェノール樹脂(1−1)の製造
攪拌機および温度計を備えた加圧反応釜に、パラターシャルブチルフェノール1000質量部を仕込み、120℃まで加熱して溶解させた。次いで、92%パラホルムアルデヒド520質量部、水酸化カルシウム8質量部を加え、加圧しながら130℃まで昇温し、同温度で2時間反応させた(加圧度0.3MPa)。常圧に戻した後、130℃で更に20分攪拌し、レゾール樹脂中間体を得た。レゾール樹脂中間体800質量部にインキ用溶剤(JX日鉱日石エネルギー製「AFソルベント6号」)200質量部を加え、110℃で1時間攪拌し、樹脂固形分80質量%のレゾール樹脂中間体溶液を調製した。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、酸価165mgKOH/gのガムロジン1000質量部、米糠脂肪酸160質量部、リサイクルポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部、ペンタエリスリトール100質量部、グリセリン12質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、250℃に昇温して酸価が20mgKOH/g以下になるまで反応させた。180℃まで降温させ、大豆油380質量部を加えた後、同温度を維持しながら先で得たレゾール樹脂中間体溶液を段階的に投入した。50質量%トルエン溶液のガードナー粘度がB〜Cになった時点でレゾール樹脂中間体溶液の投入を停止し、更に30分間撹拌してポリエステル変性フェノール樹脂(1−1)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(1−1)の白濁温度は140℃、重量平均分子量(Mw)は220,000であった。尚、投入したレゾール樹脂中間体溶液の総量は330質量部であった。
実施例2 印刷インキ用樹脂ワニス(1−1)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、ポリエステル変性フェノール樹脂(1−1)570質量部、大豆油110質量部を仕込み、200℃で1時間加熱攪拌した。更に、大豆油317質量部を加えて160℃まで降温し、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート3質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(1−1)を得た。印刷インキ用樹脂ワニス(1−1)のタック値は18、ワニス粘度は280Pa・s、n−ヘプタントレランスは13ml/gであった。
実施例3 ポリエステル変性フェノール樹脂(1−2)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、酸価168mgKOH/gのトールロジン1000質量部、米糠脂肪酸160質量部、リサイクルポリエチレンテレフタレート樹脂150質量部、ペンタエリスリトール100質量部、グリセリン12質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、250℃に昇温して酸価が20mgKOH/g以下になるまで反応させた。180℃まで降温させ、大豆油390質量部を加えた後、同温度を維持しながら先で得たレゾール樹脂中間体溶液を段階的に投入した。50質量%トルエン溶液のガードナー粘度がB〜Cになった時点でレゾール樹脂中間体溶液の投入を停止し、更に30分間撹拌してポリエステル変性フェノール樹脂(1−2)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(1−2)の白濁温度は143℃、重量平均分子量(Mw)は130,000であった。尚、投入したレゾール樹脂中間体溶液の総量は380質量部であった。
実施例4 印刷インキ用樹脂ワニス(1−2)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、ポリエステル変性フェノール樹脂(1−1)590質量部、大豆油130質量部を仕込み、200℃で1時間加熱攪拌した。更に、大豆油317質量部を加えて160℃まで降温し、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート3質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(1−2)を得た。印刷インキ用樹脂ワニス(1−2)のタック値は18、ワニス粘度は280Pa・s、n−ヘプタントレランスは15ml/gであった。
比較例1 ポリエステル変性フェノール樹脂(1−1’)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、酸価165mgKOH/gのガムロジン1000質量部、無水マレイン酸6質量部、ペンタエリスリトール80質量部、グリセリン10質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、250℃まで昇温して酸価が20mgKOH/g以下になるまで反応させた。次いで、180℃まで降温し、大豆油310質量部を加えた。同温度を維持しながら実施例1で用いたレゾール樹脂中間体溶液を段階的に投入し、50質量%トルエン溶液のガードナー粘度がB〜Cになった時点で投入を停止し、更に30分間撹拌してポリエステル変性フェノール樹脂(1−1’)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(1−1’)の白濁温度は100℃、重量平均分子量(Mw)は50,000であった。尚、投入したレゾール樹脂中間体溶液の総量は380質量部であった。
比較例2 印刷インキ用樹脂ワニス(1−1’)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、ポリエステル変性フェノール樹脂(1−1’)489質量部、大豆油94質量部を仕込み、200℃で1時間加熱攪拌した。次いで、大豆油412質量部を加えて160℃まで降温し、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート5質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(1−1’)を得た。印刷インキ用樹脂ワニス(1−1’)のタック値は16、ワニス粘度は290Pa・s、n−ヘプタントレランスは18ml/gであった。
比較例3 ポリエステル変性フェノール樹脂(1−2’)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、酸価165mgKOH/gのガムロジン1000質量部、米糠脂肪酸160質量部、無水マレイン酸8質量部、ペンタエリスリトール110質量部、グリセリン13質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、250℃まで昇温して酸価が20mgKOH/g以下になるまで反応させた。次いで、180℃まで降温し、大豆油365質量部を加えた。同温度を維持しながら実施例1で用いたレゾール樹脂中間体溶液を段階的に投入し、50質量%トルエン溶液のガードナー粘度がB〜Cになった時点で投入を停止し、更に30分間撹拌してポリエステル変性フェノール樹脂(1−2’)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(1−2’)の白濁温度は90℃、重量平均分子量(Mw)は60,000であった。尚、投入したレゾール樹脂中間体溶液の総量は430質量部であった。
比較例4 印刷インキ用樹脂ワニス(1−2’)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、リエステル変性フェノール樹脂(1−2’)515質量部、大豆油98質量部を仕込み、200℃で1時間加熱攪拌した。次いで、大豆油382質量部を加え、160℃まで降温し、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート5質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(1−2’)を得た。本ワニスのタック値は19、ワニス粘度は290Pa・s、n−ヘプタントレランスは24ml/gであった。
実施例5、6及び比較例5、6
下記要領で浸透乾燥型印刷インキを製造し、各種評価試験を行った。結果を表1に示す。
浸透乾燥型印刷インキの製造
実施例2、4及び比較例2、4で得た印刷インキ用樹脂ワニス46質量部、カーボンブラック(三菱化学株式会社製「カラー用カーボンブラック#95」)23質量部、植物油10〜16質量部、を配合し、3本ロールミルを用いて練肉して、グラインドメーター値が7.5μm以下になるように調整した。更に、25℃におけるインキのラレー粘度値が8.5〜9.0(Pa.s)になるようにインキ用溶剤(JX日鉱日石エネルギー製「AFソルベント6号」)を適量添加して、浸透乾燥型印刷インキを得た。
ラレー粘度の測定
室温25℃に調整された室内において、JISK5701−1に記載のL型粘度計による方法にて浸透乾燥型印刷インキのラレー粘度[Pa・s]を測定した。
流度の測定
室温25℃に調整された室内において、浸透乾燥型印刷インキ0.5mlをガラス板流度測定器(傾斜度:90°)の上端に置き、10分後、ガラス板上端からインキが流動した距離[mm]を測定した。
耐ミスチング性の評価
室温25℃に調整された室内において、JISK5701−1の4.2粘着性の項に記載のロータリータックメーターの直下に用紙を静置し、温度が32℃、ローラーの回転数が2000rpm、浸透乾燥型印刷インキ量2.62mlの条件で2分間回転させたときの、用紙に堆積したインキの質量[mg]で評価した。
A:用紙に堆積したインキの質量が200mg未満
B:用紙に堆積したインキの質量が200mg以上
セット試験
浸透乾燥型印刷インキ0.0625mlを用い、RIテスター(石川島産業社製)を使用して4分割ロールで新聞用更紙に展色後、展色紙と上質紙を重ねて自動セット試験機(東洋精機製作所製)によりセット時間、即ち、インキが上質紙に付着しなくなる時間[分]を測定した。一般に浸透乾燥型オフセットインキではセット時間が遅いほどオフセット印刷適正の安定性(機上安定性)に優れる。
A:セット時間が40分以上
B:セット時間が40分未満
Figure 0006316520
実施例7 ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1)の製造
撹拌器、温度計、縮合水分離器および窒素導入管を備えた加圧反応釜に、酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000質量部、パラターシャルブチルフェノール736質量部を仕込み、120℃に加熱して溶解させた。次いで、92%パラホルムアルデヒド384質量部、酸化マグネシウム2質量部を加えて130℃まで加熱し、0.20Paまで加圧して2時間反応させた。常圧に戻した後、石油樹脂202質量部、米糠脂肪酸166質量部、リサイクルポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部、ペンタエリスリトール86質量部、グリセリン21質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、270℃に昇温し、酸価が25mgKOH/g以下になるまで反応させて、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1)の白濁温度は190℃、重量平均分子量(Mw)は230,000であった。
実施例8 印刷インキ用樹脂ワニス(2−1)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1)421質量部、大豆油140質量部を仕込み、230℃で1時間加熱攪拌した。次いで、大豆油220質量部、インキ用溶剤(JX日鉱日石エネルギー製「AFソルベント6号」)216質量部を加え、160℃まで降温させ、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート3質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(2−1)を得た。印刷インキ用樹脂ワニス(2−1)のタック値は13、ワニス粘度は450Pa・s、n−ヘプタントレランスは8ml/gであった。
実施例9 ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2)の製造
撹拌器、温度計、縮合水分離器および窒素導入管を備えた加圧反応釜に、酸価168mgKOH/gのトールロジン1,000質量部、パラターシャルブチルフェノール736質量部を仕込み、120℃に加熱して溶解させた。次いで、92%パラホルムアルデヒド384質量部、酸化マグネシウム2質量部を加えて130℃まで加熱し、0.20Paまで加圧して2時間反応させた。常圧に戻した後、石油樹脂202質量部、米糠脂肪酸166質量部、リサイクルポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部、ペンタエリスリトール86質量部、グリセリン21質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、270℃に昇温し、酸価が25mgKOH/g以下になるまで反応させて、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2)の白濁温度は195℃、重量平均分子量(Mw)は140,000であった。
実施例10 印刷インキ用樹脂ワニス(2−2)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2)441質量部、大豆油160質量部を仕込み、230℃で1時間加熱攪拌した。次いで、大豆油220質量部、インキ用溶剤(JX日鉱日石エネルギー製「AFソルベント6号」)216質量部を加え、160℃まで降温させ、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート3質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(2−2)を得た。印刷インキ用樹脂ワニス(2−2)のタック値は13、ワニス粘度は450Pa・s、n−ヘプタントレランスは10ml/gであった。
比較例7 ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1’)の製造
撹拌器、温度計、縮合水分離器および窒素導入管を備えた加圧反応釜に、酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000質量部、パラターシャルブチルフェノール736質量部を仕込み、120℃に加熱して溶解させた。次いで、92%パラホルムアルデヒド384質量部、酸化マグネシウム2質量部を加えて130℃まで加熱し、0.20Paまで加圧して2時間反応させた。常圧に戻した後、石油樹脂202質量部、無水マレイン酸14質量部、ペンタエリスリトール80質量部、グリセリン20質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、270℃に昇温し、酸価が25mgKOH/g以下になるまで反応させて、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1’)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1’)の白濁温度は195℃、重量平均分子量(Mw)は50,000であった。
比較例8 印刷インキ用樹脂ワニス(2−1’)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−1’)375質量部、大豆油125質量部を仕込み、230℃で1時間加熱攪拌した。次いで、大豆油165質量部、インキ用溶剤(JX日鉱日石エネルギー製「AFソルベント6号」)327質量部を加え、160度に降温し、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート4質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(2−1’)を得た。印刷インキ用樹脂ワニス(2−1’)のタック値は10、ワニス粘度は550Pa・s、n−ヘプタントレランスは8ml/gであった。
比較例9 ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2’)の製造
撹拌器、温度計、縮合水分離器および窒素導入管を備えた加圧反応釜に、酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000質量部、パラターシャルブチルフェノール736質量部を仕込み、120℃に加熱して溶解させた。次いで、92%パラホルムアルデヒド384質量部、酸化マグネシウム2質量部を加えて130℃まで加熱し、0.20Paまで加圧して2時間反応させた。常圧に戻した後、石油樹脂202質量部、米糠脂肪酸166質量部、無水マレイン酸14質量部、ペンタエリスリトール93質量部、グリセリン23質量部、水酸化リチウム0.1質量部を加え、270℃に昇温し、酸価が25mgKOH/g以下になるまで反応させて、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2’)を得た。ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2’)の白濁温度は180℃、重量平均分子量(Mw)は50,000であった。
比較例10 印刷インキ用樹脂ワニス(2−2’)の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入装置の付いた4つ口フラスコに、ポリエステル変性フェノール樹脂(2−2’)398質量部、大豆油131質量部を仕込み、230℃で1時間加熱攪拌した。次いで、大豆油180質量部、インキ用溶剤(JX日鉱日石エネルギー製「AFソルベント6号」)287質量部を加え、160度に降温し、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート4質量部を加え、160℃で1時間保持して印刷インキ用樹脂ワニス(2−2’)を得た。印刷インキ用樹脂ワニス(2−2’)のタック値は13、ワニス粘度は550Pa・s、n−ヘプタントレランスは10ml/gであった。
実施例11、12及び比較例11、12
下記要領で枚葉インキを製造し、各種評価試験を行った。結果を表2に示す。
酸化重合型印刷インキの製造
実施例8、10及び比較製造例8、10で得た印刷インキ用樹脂ワニス30質量部、藍フラッシュベース(*1)55質量部、植物油10質量部、ドライヤー1質量部を配合し、3本ロールミルを用いて均一に分散した。更に、インキタックバリューが9.0〜9.5なるようにインキ用溶剤(JX日鉱日石エネルギー製「AFソルベント6号」)を適量添加して、酸化重合型印刷インキを得た。
(*1)藍フラッシュベースは色材工学ハンドブック(朝倉書店発行、2000年4月1日第4刷)第1007頁に記載のフラッシング工程により製造したもの。
ラレー粘度の測定
室温25℃に調整された室内において、JISK5701−1に記載のL型粘度計による方法にて酸化重合型印刷インキのラレー粘度[Pa・s]を測定した。
流度の測定
測定方法と数字の単位
室温25℃に調整された室内において、酸化重合型印刷インキ1.0mlをガラス板流度測定器(傾斜度:70°)の上端に置き、10分後、ガラス板上端からインキが流動した距離[mm]を測定した。
耐ミスチング性の評価
室温25℃に調整された室内において、JISK5701−1の4.2粘着性の項に記載のロータリータックメーターの直下に用紙を静置し、温度が32℃、ローラーの回転数が2000rpm、酸化重合型印刷インキ量2.62mlの条件で2分間回転させたときの、用紙に堆積したインキの重量[mg]で評価した。
A:用紙に堆積したインキの質量が100mg未満
B:用紙に堆積したインキの質量が100mg以上
セット試験
酸化重合型印刷インキ0.0625mlを用い、RIテスター(石川島産業社製)を使用して4分割ロールでアート紙に展色後、展色紙と上質紙を重ねて自動セット試験機(東洋精機製作所製)によりセット時間、即ち、インキが上質紙に付着しなくなる時間[分]を測定した。
A:セット時間が20分以下
B:セット時間が20分を超える
Figure 0006316520

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)、フェノール性水酸基含有化合物(B)、及びアルデヒド化合物(C)を必須の反応原料とするポリエステル変性フェノール樹脂を含有する印刷インキ用ワニス
  2. 前記ポリエステル変性フェノール樹脂が、更に、ロジン(D)、ポリオール化合物(E)、油脂或いは脂肪酸(F)を必須の反応原料とする請求項1記載の印刷インキ用ワニス
  3. 請求項1又は2記載の印刷インキ用ワニスと顔料とを含有する印刷インキ。
  4. 請求項記載の印刷インキを用いた印刷物。
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