JP6316458B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器を備える空気調和装置に関する。
近年、地球環境保護の観点から、空気調和装置を省エネルギ化するために、様々な取り組みが行われている。また、空気調和装置から生じる騒音に関する問題は、多岐にわたっており、空気調和装置の低騒音化が推進されている。
特許文献1には、筐体の横方向に配置され平板形状の熱交換部を有する熱交換器と、熱交換部と向かい合って配置された送風機とを備える空気調和機の室外機が開示されている。特許文献1は、送風機のプロペラファンの回転軸方向から熱交換器をみた場合に、熱交換部が略正方形の形状をなしている。これにより、特許文献1は、熱交換部における風速分布のばらつきを抑え、単位面積当たりの熱交換量を増大させ、省エネルギ化を図ろうとするものである。また、特許文献1は、熱交換部の体積を増加させずに熱交換量を増大させて、省資源化を図ろうとするものである。
特開2013−148231号公報
しかしながら、特許文献1に開示された空気調和機の室外機は、横方向に間隔を空けて配置された複数のフィンの幅方向が、平面視において送風機の回転軸方向に平行である。このため、熱交換器における熱交換部の空気の流れ方向が、熱交換部の全体で同一である。一方、送風機のプロペラファンがもたらす空気の流れ方向は、プロペラファンの全体で相違する。このため、特許文献1は、熱交換器を通過する空気の流れ方向が、送風機のプロペラファンがもたらす空気の流れ方向と一致しない。従って、圧力損失が生じる。これにより、特許文献1は、熱交換器の熱交換効率が劣り、また、騒音も生じる。
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたもので、熱交換器の熱交換効率が向上し、低騒音化に優れた空気調和装置を提供するものである。
本発明に係る空気調和装置は、筐体と、筐体の内部に設けられ、横方向に互いに間隔を空けて配置された複数のフィン、及び複数のフィンを貫き、内部に熱媒体が流通するチューブを有する平板状の熱交換器と、ボス部及びボス部を中心として回転する羽根車を有し、筐体の内部において熱交換器に対向して配置され、羽根車の回転によって熱交換器に空気を送風する送風機と、を少なくとも備え、熱交換器における複数のフィンのうちの少なくとも一部は、ボス部に向かって傾斜しており、複数のフィンは、ボス部に対向するフィンから外側のフィンに向かうに従って、傾斜角度が大きくなるものであって、ボス部に対向し、チューブの管軸方向に垂直に配置された第1のフィン群と、第1のフィン群よりもボス部から離れ、ボス部に向かって傾斜して配置された第2のフィン群と、を有し、第1のフィン群とボス部の回転軸方向とのなす配置角度は0°であり、熱交換器における第2のフィン群は、複数のフィン群を有しており、第2のフィン群は、第1のフィン群に隣接し、第1のフィン群よりも傾斜角度が大きい内側フィン群と、内側フィン群に隣接し、内側フィン群よりも傾斜角度が大きい中側フィン群と、中側フィン群に隣接し、羽根車の外側に位置し、中側フィン群よりも傾斜角度が大きい外側フィン群と、を有し、内側フィン群の幅と、中側フィン群の幅との合計が、熱交換器の幅の半値以下である
本発明によれば、複数のフィンは、ボス部に向かって傾斜している。このため、熱交換器の熱交換効率が向上し、低騒音化を実現することができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置1を示す回路図である。 本発明の実施の形態1における室外機3を示す上面断面図である。 本発明の実施の形態1における熱交換器13を示す正面図である。 本発明の実施の形態1における熱交換器13及び送風機13aを示す上面図である。 本発明の実施の形態1における熱交換器13及び送風機13aを示す上面図である。 比較例における熱交換器113及び送風機13aを示す上面図である。 本発明の実施の形態2における熱交換器213及び送風機13aを示す上面図である。
以下、本発明に係る空気調和装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置1を示す回路図である。この図1に基づいて、空気調和装置1について説明する。図1に示すように、空気調和装置1は、熱媒体回路2を備えている。熱媒体回路2は、圧縮機11、熱交換器13、膨張部14及び室内熱交換器15が配管により接続され、熱媒体が流通するものである。更に、熱媒体回路2は、例えば四路切替弁12も有している。また、空気調和装置1は、熱交換器13に対向して配置された送風機13aと、室内熱交換器15に対向して配置された室内送風機15aとを備えている。そして、空気調和装置1は、例えば室外機3と室内機4とを有している。この室外機3の内部には、圧縮機11、四路切替弁12、熱交換器13、送風機13a及び膨張部14が設置されており、室内機4の内部には、室内熱交換器15及び室内送風機15aが設置されている。
圧縮機11は、冷媒蒸気を圧縮するものであり、例えばスクロール型とすることができる。四路切替弁12は、第1のポート12a、第2のポート12b、第3のポート12c及び第4のポート12dを有している。このうち、第1のポート12aは、圧縮機11の吐出側の配管である吐出管11aに接続されている。第2のポート12bは、室内熱交換器15に接続されている。第3のポート12cは、圧縮機11の吸入側である吸入管11bに接続されている。第4のポート12dは、熱交換器13に接続されている。そして、四路切替弁12は、第1のポート12aと第2のポート12bとが接続されているとき、第3のポート12cと第4のポート12dとが接続される(図1の実線)。一方、四路切替弁12は、第1のポート12aと第4のポート12dとが接続されているとき、第2のポート12bと第3のポート12cとが接続される(図1の破線)。
熱交換器13は、例えばその内部に流通する熱媒体と室外の空気とを熱交換するものである。熱交換器13は、フィン41とチューブ42とを有し(図3参照)、フィン41とチューブ42とは、例えばアルミニウム製である。熱交換器13は、暖房運転においては蒸発器として作用し、冷房運転においては凝縮器として作用する。送風機13aは、例えば熱交換器13に室外の空気を送風し、熱交換器13の内部に流通する熱媒体と熱交換された室外の空気を、室外機3の外部に排出するものである。膨張部14は、熱媒体を減圧するものであり、例えば電子膨張弁である。
室内熱交換器15は、例えばその内部に流通する熱媒体と室内の空気とを熱交換するものである。室内熱交換器15は、フィン(図示せず)とチューブ(図示せず)とを有し、フィンとチューブとは、例えばアルミニウム製である。室内熱交換器15は、暖房運転においては凝縮器として作用し、冷房運転においては蒸発器として作用する。室内送風機15aは、室内熱交換器15に室内の空気を送風し、室内熱交換器15の内部に流通する熱媒体と熱交換された室外の空気を、室内機4から室内に送風するものである。
熱媒体は、例えばアンモニア冷媒又はフロン冷媒等が使用されるが、これに限定されず、そのほかの冷媒を用いてもよい。熱媒体回路2は、熱媒体が配管を循環することによって、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成されたものである。
次に、空気調和装置1の動作について説明する。先ず、暖房運転について説明する。暖房運転のとき、四路切替弁12は、第1のポート12aと第2のポート12bとが接続され、第3のポート12cと第4のポート12dとが接続される(図1の実線)。圧縮機11は、熱媒体を吸入し、この熱媒体を圧縮して高温高圧のガスの状態で吐出する。この吐出された熱媒体は、四路切替弁12の第1のポート12a及び第2のポート12bを通過して、室内熱交換器15に流入し、室内熱交換器15は、室内送風機15aから供給される室内の空気との熱交換により、熱媒体を凝縮する。このとき、室内送風機15aは、熱交換されて加熱された室内の空気を室内に送風する。これにより、室内が暖房される。
凝縮された熱媒体は、膨張部14に流入し、膨張部14は、凝縮された熱媒体を減圧する。そして、減圧された熱媒体は、熱交換器13に流入し、熱交換器13は、送風機13aから供給される室外の空気との熱交換により、熱媒体を蒸発する。そして、蒸発された熱媒体は、四路切替弁12の第4のポート12d及び第3のポート12cを通過して、圧縮機11に吸入される。
次に、冷房運転について説明する。冷房運転のとき、四路切替弁12は、第1のポート12aと第4のポート12dとが接続され、第2のポート12bと第3のポート12cとが接続される(図1の破線)。圧縮機11は、熱媒体を吸入し、この熱媒体を圧縮して高温高圧のガスの状態で吐出する。この吐出された熱媒体は、四路切替弁12の第1のポート12a及び第4のポート12dを通過して、熱交換器13に流入し、熱交換器13は、送風機13aから供給される室外の空気との熱交換により、熱媒体を凝縮する。この凝縮された熱媒体は、膨張部14に流入し、膨張部14は、凝縮された熱媒体を減圧する。
そして、減圧された熱媒体は、室内熱交換器15に流入し、室内熱交換器15は、室内送風機15aから供給される室内の空気との熱交換により、熱媒体を蒸発する。このとき、室内送風機15aは、熱交換されて冷却された室内の空気を室内に送風する。これにより、室内が冷房される。そして、蒸発された熱媒体は、四路切替弁12の第2のポート12b及び第3のポート12cを通過して、圧縮機11に吸入される。
図2は、本発明の実施の形態1における室外機3を示す上面断面図である。図2に示すように、平面視(上面視)において、室外機3は、直方体状の筐体31を有している。筐体31は、平板状の仕切り板32によって幅方向に2分割されている。筐体31の一側部は、機械室31aとなっており、筐体31の他側部は、送風室31bとなっている。そして、機械室31aには、圧縮機11、四路切替弁12及び膨張部14が収容されており、送風室31bには、熱交換器13及び送風機13aが収容されている。送風室31bは、平板状の底板33と平板状の側面パネル34と仕切り板32と平板状の上面板(図示せず)によって四方が囲まれている。そして、送風室31bの背面には、空気を吸い込む吸込部35が形成されている。また、送風室31bの正面には、空気が吹き出される吹出部36が形成されている。なお、吹出部36の周縁部には、円筒状のベルマウス36aが取り付けられている。
送風室31bにおいて、吸込部35側、即ち空気の流れの上流側に、熱交換器13が設置されている。また、送風室31bにおいて、吹出部36側、即ち空気の流れの下流側に、送風機13aが設置されており、熱交換器13と送風機13aとは、送風機13aのボス部21の回転軸方向にみて対向して配置されている。なお、送風機13aが吸込部35側に配置され、熱交換器13が吹出部36側に配置されてもよい。
次に、送風機13aについて詳細に説明する。図2に示すように、送風機13aは、ボス部21と羽根車22とを有している。ボス部21は、例えば送風機13aの中心に設けられた円柱状の部材であり、モータ(図示せず)の出力軸に接続されている。そして、ボス部21は、モータの出力軸が回転することによって、回転する。羽根車22は、複数の翼から構成されており、ボス部21の外周に設けられている。複数の翼は、ボス部21を中心として周方向に間隔を空けて夫々配置されている。そして、羽根車22は、ボス部21を中心として回転する。
送風機13aは、送風室31bの内部の空気を、吹出部36から吹き出す。これにより、送風室31bの内部が負圧となり、室外機3の周辺の室外の空気は、吸込部35から吸い込まれる。そして、吸込部35から吸い込まれた室外の空気は、熱交換器13において熱媒体と熱交換される。このように、空気は、送風機13aによって、吸込部35、熱交換器13、送風機13a、吹出部36の順に流れる。
図3は、本発明の実施の形態1における熱交換器13を示す正面図である。熱交換器13について詳細に説明する。図3に示すように、熱交換器13は、平板状をなしており、複数のフィン41と複数のチューブ42とを有している。更に、熱交換器13は、ヘッダ43とベンド管44とを有している。なお、熱交換器13は、ボス部21の回転軸方向にみて、横方向の幅が広い長方形状をなしている。複数のフィン41は、熱交換器13の横方向に互いに間隔を空けて配置されており、平板状をなしている。そして、フィン41は、その一端部から切り欠かれチューブ42が挿入される切欠き部(図示せず)が形成されている。なお、切欠き部は、チューブ42の長軸方向の幅以上の長さだけ、一端部から切り欠かれている。
複数のチューブ42は、複数のフィン41を、横方向に貫き、内部に熱媒体が流通するものである。熱媒体は、フィン41の内部に設けられた少なくとも一つの流路(図示せず)を流通する。チューブ42は、例えば扁平管であり、その断面は、アスペクト比が高い長方形を角取りした形状をなしている。また、チューブ42は、アルミニウム等の熱伝導性が高い中空状の金属である。そして、チューブ42は、重力方向(フィン41の長手方向)に平行の段方向に複数配置されている。図3では、チューブ42が10段配置されている例を示している。なお、チューブ42は、フィン41の一端部に形成された切欠き部に挿入される。
ヘッダ43は、複数のチューブ42の一端部に接続されており、四路切替弁12又は膨張部14から流入管43aを通って流入する冷媒を、複数のチューブ42に分岐させるものである。また、ベンド管44は、段方向に隣り合ったチューブ42の他端部同士を接続するものであり、例えばU字状をなしている。
図3では、ベンド管44が5個設けられており、各ベンド管44は、1段目のチューブ42aの他端部と2段目のチューブ42bの他端部とを接続し、3段目のチューブ42cの他端部と4段目のチューブ42dの他端部とを接続し、5段目のチューブ42eの他端部と6段目のチューブ42fの他端部とを接続し、7段目のチューブ42gの他端部と8段目のチューブ42hの他端部とを接続し、9段目のチューブ42iの他端部と10段目のチューブ42jの他端部とを接続している。なお、チューブ42の他端部同士は、ベンド管44によって接続されている構成を例示しているが、これに限定されない。
図4は、本発明の実施の形態1における熱交換器13及び送風機13aを示す上面図である。次に、熱交換器13のフィン41の配置について説明する。図4に示すように、熱交換器13において、複数のフィン41のうちの少なくとも一部は、送風機13aのボス部21に向かって傾斜している。送風機13aにおける空気の流れは、ボス部21においては、ボス部21の回転軸方向に平行である。一方、送風機13aにおける空気の流れは、ボス部21から外側に向かうに従って、ボス部21の回転軸方向に対してボス部21に向かって傾斜する。熱交換器13は、複数のフィン41のうち、ボス部21に対向するフィン41から外側のフィン41に向かうに従って、傾斜角度が大きくなる。即ち、フィン41の幅方向における送風機13a側の一端部の方が、他端部よりも、ボス部21の回転軸方向の延長線に近い位置にある。
図5は、本発明の実施の形態1における熱交換器13及び送風機13aを示す上面図である。次に、熱交換器13のフィン41の配置角度について説明する。図5に示すように、複数のフィン41は、第1のフィン群41aと第2のフィン群41bとを有している。第1のフィン群41aは、ボス部21に対向し、平面視においてチューブ42の管軸方向に垂直に配置されている。即ち、第1のフィン群41aとボス部21の回転軸方向の延長線とのなす配置角度は0°である。なお、本実施の形態1では、第1のフィン群41aは、ボス部21のみに対向している。第2のフィン群41bは、第1のフィン群41aよりもボス部21から離れ、送風機13aに向かって傾斜している。
更に、第2のフィン群41bは、複数のフィン群を有しており、第1のフィン群41aの側よりも、ボス部21から離れる側の方が、傾斜角度が大きい。具体的には、第2のフィン群41bは、内側フィン群41cと中側フィン群41dと外側フィン群41eとを有している。内側フィン群41cは、第1のフィン群41aに隣接しており、ボス部21の側縁部から熱交換器13の幅方向においてN(mm)までの範囲である。そして、内側フィン群41cとボス部21の回転軸方向の延長線とのなす配置角度はα°である。
また、中側フィン群41dは、内側フィン群41cに隣接しており、内側フィン群41cの側縁部から熱交換器13の幅方向においてM(mm)までの範囲である。そして、中側フィン群41dとボス部21の回転軸方向の延長線とのなす配置角度はβ°である。更に、外側フィン群41eは、中側フィン群41dに隣接しており、中側フィン群41dの側縁部からヘッダ43までのL(mm)の範囲である。そして、外側フィン群41eとボス部21の回転軸方向の延長線とのなす配置角度はθ°である。なお、熱交換器13における複数のフィン41は、フィン41の長手方向にみて、ボス部21の回転軸方向の延長線に対し線対称に配置されている。
配置角度は、α<β<θの関係が成り立つ。即ち、熱交換器13は、複数のフィン41のうち、ボス部21に対向するフィン41から外側のフィン41に向かうに従って、傾斜角度が大きくなっている。なお、0°<α<10°、5°<β<15°、8°<θ<20°の関係が成り立つ。また、熱交換器13の複数のフィン41の一側部から他側部までの幅である積み幅の半値をTとすると、N+M≦Tの関係が成り立つ。
次に、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置1の作用について説明する。空気調和装置1は、前述の如く、複数のフィン41のうちの少なくとも一部が、送風機13aのボス部21に向かって傾斜している。このように、本実施の形態1に係る空気調和装置1は、熱交換器13を通過する空気の流れ方向が、送風機13aにおける空気の送風方向と合致している。このため、圧力損失が低減する。これにより、熱交換器13の熱交換効率が向上し、低騒音化を実現することができる。
また、熱交換器13は、複数のフィン41のうち、ボス部21に対向するフィン41から外側のフィン41に向かうに従って、傾斜角度が大きくなる。送風機13aにおける空気の流れは、ボス部21においては、ボス部21の回転軸方向に平行である。一方、送風機13aにおける空気の流れは、ボス部21から外側に向かうに従って、ボス部21の回転軸方向に対してボス部21に向かって徐々に傾斜する。本実施の形態1は、複数のフィン41のうち、ボス部21に対向するフィン41から外側のフィン41に向かうに従って、傾斜角度が大きくなるため、熱交換器13を通過する空気の流れ方向が、送風機13aにおける空気の送風方向と、より合致している。このため、更に圧力損失が低減し、更に熱交換器13の熱交換効率が向上し、低騒音化を実現することができる。
更に、熱交換器13における複数のフィン41は、フィン41の長手方向にみて、ボス部21の回転軸方向の延長線に対し線対称に配置されている。これにより、送風機13aによって流れる空気の分布が熱交換器13の幅方向において均一になる。このため、更に圧力損失が低減し、更に熱交換器13の熱交換効率が向上し、低騒音化を実現することができる。
更にまた、熱交換器13は、ボス部21の回転軸方向にみて、横方向の幅が広い長方形状をなしている。熱交換器13は、送風機13aよりも幅が広い場合、熱交換器13の側端部に近づくに従って、送風機13aから離間し、圧力損失が増加する。しかしながら、本実施の形態1は、複数のフィン41が、送風機13aのボス部21に向かって傾斜している。このため、熱交換器13の側端部においても、熱交換器13を通過する空気の流れ方向が、送風機13aにおける空気の送風方向と合致する。このため、本実施の形態1は、熱交換器13を幅が広い長方形状となしても、圧力損失を低減することで、熱交換効率を向上させることができる。
そして、熱交換器13は、チューブ42がフィン41の切欠き部に挿入されて製造されている。このため、複数のフィン41同士の配置角度が相違している熱交換器13においても、容易に製造することができる。
図6は、比較例における熱交換器113及び送風機13aを示す上面図である。ここで、本実施の形態1に係る空気調和装置1と比較するため、比較例における空気調和装置100について説明する。図6に示すように、比較例における熱交換器113は、複数のフィン141のいずれもが、送風機13aのボス部21の回転軸方向に平行である。このため、熱交換器113における空気の流れ方向は、熱交換器113の全体で同一である。一方、送風機13aがもたらす空気の流れ方向は、送風機13aの全体で相違する。このため、比較例における空気調和装置100は、熱交換器113を通過する空気の流れ方向が、送風機13aがもたらす空気の流れ方向と一致しない。従って、圧力損失が生じる。これにより、熱交換器113の熱交換効率が劣り、また、騒音も生じる。
そのほかに、従来より、扁平管を斜めに傾斜させた熱交換器が知られている。この熱交換器は、凝縮器として作用する場合に、凝縮水及び除霜水を、扁平管を傾斜させることによって、良好に落下させようとするものである。そして、これにより、熱交換器が霜によって目詰まり等を起こすことを抑制しようとするものである。しかし、このような従来の熱交換器は、フィンが傾斜していないため、熱交換器を通過する空気の流れ方向が、送風機がもたらす空気の流れ方向と一致しない。従って、圧力損失が生じる。これにより、従来の熱交換器の熱交換効率が劣り、また、騒音も生じる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置200について説明する。図7は、本発明の実施の形態2における熱交換器213及び送風機13aを示す上面図である。本実施の形態2は、チューブ42が、送風機13aにおける空気の送風方向に平行に複数配置されている点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図7に示すように、チューブ42は、平面視においてボス部21の回転軸方向である列方向に複数配置されている。図7では、チューブ42が列方向に2列配置されている例を示している。そして、熱交換器213における複数のフィン241の夫々は、複数のチューブ42のいずれもに貫かれた一体形状をなしている。なお、フィン241には、2個のチューブ42の長軸方向の幅を加算した長さ以上の長さだけ、一端部から切り欠かれた切欠き部(図示せず)を有している。そして、2個のチューブ42は、長軸方向に隣接した状態で、切欠き部に挿入される。
このように、チューブ42が複数列配置されていることによって、熱交換器213の熱交換効率が向上する。また、複数のフィン241が一体形状をなしているため、チューブ42の列毎に個別のフィンが設けられているよりも、フィン同士の継ぎ目がなくなるため、圧力損失が更に低減する。これにより、熱交換器213の熱交換効率が向上し、低騒音化を実現することができる。なお、複数のフィン241は、一体形状ではなく、チューブ42の列毎に個別に設けられてもよい。また、切欠き部は、1個のチューブ42の長軸方向の幅以上の長さだけ、両端部から切り欠かれていてもよい。この場合、1個のチューブ42は、フィン241の一端部の切欠き部に挿入され、もう1個のチューブ42は、フィン241の他端部の切欠き部に挿入される。
なお、上記実施の形態において、熱交換器13は、室外に設けられたものを例示しているが、室内に設けられた室内熱交換器としてもよい。また、上記実施の形態において、熱交換器13のフィン41は、ボス部21に対向する第1のフィン群41aが、平面視においてチューブ42の管軸方向に垂直であるが、第1のフィン群41aが傾斜していてもよい。
1 空気調和装置、2 熱媒体回路、3 室外機、4 室内機、11 圧縮機、11a 吐出管、11b 吸入管、12 四路切替弁、12a 第1のポート、12b 第2のポート、12c 第3のポート、12d 第4のポート、13 熱交換器、13a 送風機、14 膨張部、15 室内熱交換器、15a 室内送風機、21 ボス部、22 羽根車、31 筐体、31a 機械室、31b 送風室、32 仕切り板、33 底板、34 側面パネル、35 吸込部、36 吹出部、36a ベルマウス、41 フィン、41a 第1のフィン群、41b 第2のフィン群、41c 内側フィン群、41d 中側フィン群、41e 外側フィン群、42 チューブ、42a 1段目のチューブ、42b 2段目のチューブ、42c 3段目のチューブ、42d 4段目のチューブ、42e 5段目のチューブ、42f 6段目のチューブ、42g 7段目のチューブ、42h 8段目のチューブ、42i 9段目のチューブ、42j 10段目のチューブ、43 ヘッダ、43a 流入管、44 ベンド管、100 空気調和装置、113 熱交換器、141 フィン、 200 空気調和装置、213 熱交換器、241 フィン。

Claims (6)

  1. 筐体と、
    前記筐体の内部に設けられ、横方向に互いに間隔を空けて配置された複数のフィン、及び複数の前記フィンを貫き、内部に熱媒体が流通するチューブを有する平板状の熱交換器と、
    ボス部及び前記ボス部を中心として回転する羽根車を有し、前記筐体の内部において前記熱交換器に対向して配置され、前記羽根車の回転によって前記熱交換器に空気を送風する送風機と、を少なくとも備え、
    前記熱交換器における複数の前記フィンのうちの少なくとも一部は、前記ボス部に向かって傾斜しており、
    複数の前記フィンは、
    前記ボス部に対向するフィンから外側のフィンに向かうに従って、傾斜角度が大きくなるものであって、
    前記ボス部に対向し、前記チューブの管軸方向に垂直に配置された第1のフィン群と、
    前記第1のフィン群よりも前記ボス部から離れ、前記ボス部に向かって傾斜して配置された第2のフィン群と、を有し、
    前記第1のフィン群と前記ボス部の回転軸方向とのなす配置角度は0°であり、
    前記熱交換器における前記第2のフィン群は、複数のフィン群を有しており、
    前記第2のフィン群は、
    前記第1のフィン群に隣接し、前記第1のフィン群よりも傾斜角度が大きい内側フィン群と、
    前記内側フィン群に隣接し、前記内側フィン群よりも傾斜角度が大きい中側フィン群と、
    前記中側フィン群に隣接し、前記羽根車の外側に位置し、前記中側フィン群よりも傾斜角度が大きい外側フィン群と、を有し、
    前記内側フィン群の幅と、前記中側フィン群の幅との合計が、前記熱交換器の幅の半値以下である
    空気調和装置。
  2. 前記内側フィン群と前記ボス部の回転軸方向とのなす配置角度α、前記中側フィン群と前記ボス部の回転軸方向とのなす配置角度β及び前記外側フィン群と前記ボス部の回転軸方向とのなす配置角度θは、
    それぞれ0°<α<10°、5°<β<15°及び8°<θ<20°の関係が成り立つ請求項1記載の空気調和装置。
  3. 前記熱交換器における複数の前記フィンは、
    前記フィンの長手方向にみて、前記ボス部の回転軸方向に対し線対称に配置されている請求項1又は2記載の空気調和装置。
  4. 前記熱交換器は、
    前記ボス部の回転軸方向にみて、横方向の幅が広い長方形状をなしている請求項1〜のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  5. 前記熱交換器における前記チューブは、扁平管であり、
    前記熱交換器における複数の前記フィンは、その端部から切り欠かれ前記チューブが挿入された切欠き部が形成されている請求項1〜のいずれか1項に記載の空気調和装置。
  6. 前記熱交換器における前記チューブは、
    前記ボス部の回転軸方向に複数配置されており、
    前記熱交換器における複数の前記フィンの夫々は、複数の前記チューブのいずれもに貫かれた一体形状をなしている請求項1〜のいずれか1項に記載の空気調和装置。
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