JP6316282B2 - イソシアナートシランの作製 - Google Patents

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Description

本発明は、イソシアナートシランの製造に関する。特に、本発明は、アルコキシシリル基含有アミンを塩化カルボニルと、少なくとも一つの高沸点を有する第三級アミノ含有化合物の少なくとも一つの存在下で、そして任意で、不活性有機溶媒の存在下で反応させるステップを含むプロセスによる、アルコキシシリル基含有イソシアネートの製造に関する。
発明の背景
有機イソシアネートは、広範囲に渡る産業用途を有する。殆どの商用イソシアネートの製造の一つの方法は、アミン前駆対と塩化カルボニルとの反応を含む。該プロセスの間に、分解し、目的のイソシアネートを提供する、塩化カルバモイルがまず形成される。概して、作られるイソシアネート基の1モルに対して2モル当量の塩化水素が生成する。生成するとすぐ、塩化水素は、アミン前駆体、中間体およびイソシアネート化合物中の官能基と反応し、種々の副生成物を生成しかねない。アルコキシシリル基含有イソシアネートの作製の場合、塩化水素は、生成すると、イソシアネート化合物のアルコキシシリル基と反応し、クロロシランおよび対応するアルコールを生成し、これが更なる副生物の形成につながり、結果、目的のイソシアネートの全体の収率を低下する。
前記課題を解決するために、米国特許第4,654,428号は、反応混合物中の、トリエチルまたはトリプロピルアミン等の第三級アミンの用途を開示している。該プロセスにおいて、塩化水素は、析出し、そして続いて濾去されるアミン塩酸塩を形成する第三級アミンによって中和される。イソシアネート生成物化合物は、濾液の蒸留によって得られる。
しかしながら、このプロセスには多くの付随する欠点がある。第一に、前記米国特許第4,654,428号から形成される第三級アミンおよび塩酸は、概して、扱いが困難であり、そして高価である、高容量、低密度、そしてふわふわした固体である。第二に、前記米国特許第4,654,428号に開示されるプロセスで作製される蒸留化合物は、濾液および/またはアミン塩の解離によって形成される塩化水素中に溶解するアミン塩酸塩によって汚染され得る。前記の欠点を取り除くために、前記米国特許第4,654,428号は、濾液または蒸留物を、カルボン酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属で処理することを開示している。この追加の処理ステップは、プロセスのコストを増加させる。第三に、実際問題、塩化水素の効果的なクエンチング(quenching)を確実にするために、過剰なアミンが使用され、それが最終生成物から前記過剰なアミンを取り除く更なるステップにつながり、そしてプロセスのコストを更に増加させる。
従って、イソシアナートシラン製造業界において、追加のステップおよび従来技術プロセスの不足なしに、目的の化合物を製造するための改善されたプロセスへの継続した需要がある。
一つの態様において、一般式(I):
(RO)3−a Si−R−NCO (I)
(式中、
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、1〜12の炭素原子の、分岐または直鎖アルキレンまたはシクロアルキレン基、6〜10の炭素原子のアリーレン基、または7〜10の炭素原子のアラルキレン基であり;そして
aは、0、1または2である)
を有するアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物の作製プロセスを提供する。
該プロセスは、
(i)ClC(=O)Clを、一般式(II):
(RO)3−a Si−R−NH (II)
(式中、
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、1〜12の炭素原子の、分岐または直鎖アルキレンまたはシクロアルキレン基、6〜10の炭素原子のアリーレン基、または7〜10の炭素原子のアラルキレン基であり;そして
aは、0、1または2である)
を有する、対応するアルコキシシリル基含有アミンと、一般式(III):
NRO−[CHCHO−][CHCH(CH)O−][CO−]−X (III)
(式中、
は、各々独立して、最大18の炭素原子の、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基、2〜18の炭素原子および少なくとも一つの酸素または(−) NR 基(式中、R は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基)を含むヘテロカーボン(heterocarbon)基、またはRがRと化学結合を有し、窒素原子を含む環状構造を形成する基であり;
は、各々独立して、最大18の炭素原子を含む、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基、2〜18の炭素原子および少なくとも一つの酸素または(−) NR 基(式中、R は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基)を含むヘテロカーボン(heterocarbon)基、またはRがRと化学結合を有し、窒素原子を含む環状構造を形成する基であり;
は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基、または−RC(=O)−基(式中、Rは、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレン基、または1〜10の炭素原子のアリーレン基である)であり;
は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基、または−(O=C−)R−基(式中、Rは、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレン基、または1〜10の炭素原子のアリーレン基である)であり;
Xは、水素、または−NR基(式中、RおよびRは上記定義と同様の意味を有する)であり;
xは、0〜50;
yは、0〜50;そして
zは、0〜50であり、但し、x+y+zの合計が、2〜100である)
を有する第三級アミノ含有化合物の存在下で反応させて、一般式(I):
(RO)3−a Si−R−NCO (I)
(式中、
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、1〜12の炭素原子の、分岐または直鎖アルキレンまたはシクロアルキレン基、6〜10の炭素原子のアリーレン基、または7〜10の炭素原子のアラルキレン基である)
を有するアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物を提供するステップ;
(ii)該塩酸塩第三級アミノ含有化合物を、ステップ(i)のアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物から分離するステップ;および任意で、
(iii)ステップ(ii)のアルコキシシリル基含有イソシアネートを精製するステップ
を含む。
発明の詳細な説明
本発明は、一般式(I):
(RO)3−a Si−R−NCO (I)
(式中、
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、1〜12の炭素原子の、分岐または直鎖アルキレンまたはシクロアルキレン基、6〜10の炭素原子のアリーレン基、または7〜10の炭素原子のアラルキレン基であり;そして
aは、0、1または2である)
を有するアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物の作製プロセスを提供する。
式(I)のアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物は、塩化カルボニルClC(=O)Clを、一般式(II):
(RO)3−a Si−R−NH (II)
(式中、
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、1〜12の炭素原子の、分岐または直鎖アルキレンまたはシクロアルキレン基、6〜10の炭素原子のアリーレン基、または7〜10の炭素原子のアラルキレン基であり;そして
aは、0、1または2である)
のアルコキシシリル基含有アミンと反応させることによって作製される。
アルコキシシリル基含有アミンの例は、3−トリメトキシシリルプロピルアミン、3−トリエトキシシリルプロピルアミン、3−トリプロポキシシリルプロピルアミン、3−トリブトキシシリルプロピルアミン、1−トリメトキシシリルメチルアミン、1−ジメトキシメチルシリルメチルアミン、1−ジエトキシメチルシリルメチルアミン、3−ジメトキシメチルシリルプロピルアミンおよび3-ジエトキシメチルシリルプロピルアミンを含むが、それらに限定されない。
一つの実施態様において、Rは、メチルまたはエチル基であり、Rは、メチルであり、Rは、メチレン、エチレンまたはプロピレンであり、そして「a」は、0または1である。他の実施態様において、Rは、メチルまたはエチル基であり、Rは、プロピレンであり、そして「a」は、0である。
他の実施態様において、アルコキシシリル基含有アミンのアミノ基の、塩化カルボニルの塩素基に対するモル比、HN/Cは、0.4〜0.6であり、より具体的には0.48〜0.52であり、そして更により具体的には0.5である。モル比HN/Cにおいて、該塩化カルボニルは、二つの塩素原子を提供する。
他の実施態様において、一般式(III):
NRO−[CHCHO−][CHCH(CH)O−][CO−]−X (III)
(式中、
は、各々独立して、最大18の炭素原子の、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基、2〜18の炭素原子および少なくとも一つの酸素または(−) NR 基(式中、R は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基)を含むヘテロカーボン(heterocarbon)基、またはRがRと化学結合を有し、窒素原子を含む環状構造を形成する基であり;
は、各々独立して、最大18の炭素原子を含む、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基、2〜18の炭素原子および少なくとも一つの酸素または(−) NR 基(式中、R は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、アラルキルまたはアレニル基)を含むヘテロカーボン(heterocarbon)基、またはRがRと化学結合を有し、窒素原子を含む環状構造を形成する基であり;
は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基、または−RC(=O)−基(式中、Rは、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレン基、または1〜10の炭素原子のアリーレン基である)であり;
は、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基、または−(O=C−)R−基(式中、Rは、1〜10の炭素原子の、直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレン基、または1〜10の炭素原子のアリーレン基である)であり;
Xは、水素、または−NR基(式中、RおよびRは上記定義と同様の意味を有する)であり;
xは、0〜50;
yは、0〜50;そして
zは、0〜50であり、但し、x+y+zの合計が、2〜100、より具体的には3〜50、そして更により具体的には5から15である)
を有する第三級アミノ含有化合物。
一つの実施態様において、式(III)の第三級アミノ含有化合物は、760mmHg圧(101325Pa)で、少なくとも250℃の沸点、そしてより具体的には300℃〜500℃の沸点を有する。第三級アミノ含有化合物は、塩化カルボニルとアルコキシシリル含有アミン化合物との反応から生成した塩酸と反応し、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩を形成する。第三級アミノ含有化合物の塩酸塩は、150℃未満、より具体的には75℃未満の温度で融解する固体、25℃で粘性のペースト、または25℃で液体のいずれかである。有利には、該第三級アミノ含有化合物は、生成する塩化水素の1モル当たり、0.95モル〜約5モルの量で用いられる。好ましくは、生成する塩酸のモル量に対して、第三級アミノ含有化合物の過剰なモルが用いられる。第三級アミノ含有化合物の塩酸塩が150℃未満の温度で融解する固体である場合、ステップ(i)の反応混合物は、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩の融点を超える温度まで加熱されてよく、それにより第三級アミノ含有化合物の塩酸塩を融解し、液体を形成する。第三級アミノ含有化合物の塩酸塩の融解は、アルコキシシリル基含有イソシアネート化合物の塩への吸収を防ぎ、そしてそれにより、ステップ(ii)における、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩のアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物からの、より有効な分離を提供する。
他の実施態様において、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩は、25℃でアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物、またはアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物および有機溶媒を含む混合物に不溶、または2重量%未満の第三級アミノ含有化合物の塩酸塩である低溶解性を有する。第三級アミノ含有化合物の塩酸塩の不溶性または難溶解性は、ステップ(ii)における該塩のアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物からの分離に役立つ。
N−の代表的かつ非限定的な例は、(CHN−、(CHCHN−、(CHCHCHN−、[(CHCH]N−、(CHN−、
Figure 0006316282

である。
式(III)の第三級アミノ含有化合物と共に組成物を形成する、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドモノマーより選択される少なくとも一つのモノマーに由来するポリエーテル部分を組み込むことは、本発明の範囲内である。
本発明の更に他の態様は、式(III)の第三級アミノ含有化合物が、好ましくは:
Figure 0006316282

Figure 0006316282

Figure 0006316282

(ここで、各式(IV)〜(XV)において:
が、1〜6の炭素原子の直鎖または分岐アルキレン基、6の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基、具体的には、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)−等のC1〜C3アルキレンであり;
が、1〜6の炭素原子の直鎖または分岐アルキレン基、6〜の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基、具体的には、−CH CH −、−CH CH CH −、−CH CH(CH )−等のC1〜C3アルキレンであり
xおよびyが、各々独立して、0〜50、具体的には0〜10、より具体的には0〜5、最も具体的には0〜3、特に0〜2であり、但し、xおよびyの合計が、2〜100、具体的には3〜25、より具体的には3〜15、最も具体的には3〜10、特に3〜5である)
からなる群より選択される、一般式(I)のアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物の作製プロセスを提供する。式(IV)〜(XV)の第三級アミノ含有化合物の、二つまたはそれを超える混合物が用いられてよい。
芳香族部分(イミダゾール)または更に複雑なエーテル架橋を含む第三級アミノ含有化合物の合成は、既知である。例えば、米国特許第5,739,327号は、モルホリン変性ポリエーテルの合成を記載している。米国特許出願公開第2007/173640号およびドイツ特許第2903653号は、イミダゾール変性エーテルおよびポリエーテルの合成を記載している。
いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシド部分が、上記構造で表される第三級アミノ含有化合物の構造に組み込まれているのは、これらの塩基の低融点および高沸点特性によるものと考えられる。ある実施態様において、低融点高沸点の塩基は、(大気圧)760mmHg圧(101325Pa)で測定された、100℃未満、好ましくは30℃未満の融点を有し、そして少なくとも250℃の沸点を有する。
エステル構造を含む第三級アミノ塩基の合成は、既知である。実例として、米国特許第3,528,977号および米国特許第6,352,993号は、ブロモ酢酸エステルを出発物質とするモルホリン変性エステル誘導体の合成を記載する。ドイツ特許第4140448は、対応するクロロ酢酸エステル前駆体を出発物質とするモルホリン変性エステル誘導体の合成を記載する。
tert−ブチルエステル構造を含むモルホリン誘導体の合成もまた公知であり、M.R. Angelastroらによって、Journal of Med. Chem., 1994, vol. 37, 4538−4553に記載された。
イミダゾール変性エステル誘導体の合成は、クロロ酢酸エステル(R.S.Lodhi et. al., Indian J. of Chem., Section B, Organic Chemistry incl. Medical Chem., 1998, vol. 37, 899−903)またはブロモ酢酸エステル(米国特許出願公開第2010/305085号、実施例40a)を出発物質とする。
エステル官能基をも含む、式(III)の第三級アミノ含有化合物を作製する一つの方法は、少なくとも一つの第三級アミノ官能基および一つの第一級または第二級アルコール官能基を含む化合物を、例えば、
c(CHNCHCHCHOH+[CC(=O)]G →
[(CHNCHCHCHOC(=O)]G+HC
(式中、Gは、−R10[CHCHO−][CHCH(CH)O−][CO−]10−であり、ここで、R10は、1〜10の炭素原子の直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基であり、R10は、酸素原子を含んでよく、cは、1または2であり、xは、0〜50であり、yは、0〜50であり、そしてzは、0〜50であり、但し、x+y+z=2〜100である)
のようなカルボン酸エステルと反応させた後、アミン塩酸塩の除去、そして任意で更に、残渣アミン塩酸塩の、水酸化物またはアルコキシドのアルカリ、アルカリ塩等の強塩基での中和による。
エステル官能基をまた含む第三級アミノ含有化合物の合成は、クロロカルボン酸エステルと反応させる第二級アミンを出発物質として作成される。具体的な実施態様において、クロロ酢酸クロリドまたはクロロプロピオン酸クロリドは、一つまたは二つのヒドロキシル基を含むポリエーテルと反応させ、クロロ酢酸エステルまたはクロロプロピオン酸エステルを作製する。これらのエステルは、その後、過剰な第二級アミン(すなわち、モルホリン)の中で反応させ、CH部分のアミノ化によって目的の化合物を得た後、該アミン塩酸塩を中和する(J. Pielichowski et. al., Tetrahedron, 1984, vol. 40, 2671−2676)。
式(III)の第三級アミノ含有化合物を作製するための、更に他の方法は、例えば、
c(CHNH+[Cl−R10[CHCHO−][CHCH(CH)O−][CO−]
[(CHN−R10[CHCHO−][CHCH(CH)O−][CO−]+cHC
(式中、R10は、1〜10の炭素原子の直鎖または分岐アルキレン基、5〜10の炭素原子の環状アルキレンまたはアリーレン基を示し、そしてR10は、任意で、酸素原子を含んでよく、cは、1または2であり、xは、0〜50、yは、0〜50であり、そしてzは、0〜50であり、但し、x+y+z=2〜100である)のように、少なくとも一つの第二級アミノ官能基を含む化合物を、クロロ基を含むポリエーテルと反応させた後、アミン塩酸塩の除去、そして更に任意で、残渣アミン塩酸塩を、水酸化物またはアルコキシドのアルカリまたはアルカリ塩等の強塩基で中和することによる。
反応体および生成物に対して不活性なあらゆる有機溶媒が、本発明のプロセスにおいて不活性溶媒として用いられ得る。好適な溶媒は、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;エチルエーテル、1,2−ジエトキシエタン、ジオキサン等のエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;およびこれらの二つまたはそれを超える組み合わせを含むが、それらに限定されない。
一般式(I)を有するアルコキシシリル基含有イソシアネートを作製するための、本発明のプロセスは、−50℃〜150℃、そしてより具体的には−15℃〜50℃の温度で行われる。反応の完了後、高沸点の塩基性塩酸塩は、好適には、液体、ペースト、または低融点の固体として反応器の底に沈殿する。
目的のイソシアネート化合物を含む反応混合物は、遠心分離、デカンテーション、または濾過によって、式(III)の第三級アミノ含有化合物の塩酸塩から分離される。最終生成物である、式(I)のイソシアネートは、デカントまたは濾過から蒸留によって得られる。反応基に残留する第三級アミノ含有化合物の塩酸塩は、式(III)の第三級アミン含有化合物を再利用するために、塩基で処理してもよい。
他の実施態様において、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩は、無機塩化物塩を形成するよう中和されてよく、その後、蒸留の前に分離される。
第三級アミノ含有化合物の塩酸塩を相分離によって除去することは、粗アルコキシシリル含有イソシアネート化合物が低減した量の塩化物塩を含むことを確実にする。一つの実施態様において、分離ステップ(ii)の後、粗アルコキシシリル含有イソシアネート化合物組成物は、低濃度の第三級アミノ含有化合物の塩酸塩、具体的には、アルコキシシリル含有イソシアネート化合物の重量に基づいて、塩化物濃度が、2000百万分率未満の塩化物、より具体的には500百万分率未満の塩化物、そして更により具体的には100百万分率未満の塩化物を含む。この低濃度の塩化物を含む粗アルコキシシリル含有イソシアネート化合物が、蒸留等によって更に精製される場合、得られるアルコキシシリル含有イソシアネート化合物は、有利に少ない数のシリルクロリド基で特徴付けられ、故に、低い塩化物含量、すなわち、アルコキシシリル含有イソシアネート化合物の重量に基づいて、1000百万分率未満の塩化物、有利には100百万分率未満の塩化物、そしてより有利には百万分率未満の塩化物を与える。
一つの実施態様において、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩は、中和されてよく、そしてその後、他のバッチのステップ(i)において、アルコキシシリル基含有イソシアネート化合物を作製するために再生利用(再利用)されてよく、またはアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物を作製するための連続プロセスのステップ(i)に連続して再利用されてよい。中和された後の第三級アミノ含有化合物の再利用は、第三級アミノ含有化合物を新たに購入する必要を省くことによって、プロセスの全体のコストを改善し、そしてもし、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩が再利用されず、そして単に廃棄物として扱われた場合に、プロセスからもたらされるであろう廃棄物の量を低減する。更に他の実施態様において、前記プロセスは、バッチプロセスまたは連続式で行われてよい。
更に他の実施態様において、前記プロセスは、バッチプロセスまたは連続式で実効されてよい。
他の実施態様において、本発明は、本発明の上記の全てのプロセスによって作製される生成物に関する。該生成物は、上記の式(I)で表されるアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物を含む。該アルコキシシリル基含有イソシアネート化合物の非限定的な例は、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、および1−イソシアナートメチルトリメトキシシランを含むが、それらに限定されない。一つの実施態様において、該生成物は、上記の高沸点の第三級アミン、または高沸点低温融解の塩基、及び/またはそれらの塩を含む。
以下の実施例は、説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。特段明示されない限り、全ての部およびパーセントは、重量により、そして全ての温度は、摂氏である。
比較例A
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した1000mLの三口フラスコに、モルホリン(453グラム、5モルのアミン)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル(200グラム)を室温で混合し、加熱還流した(130℃)。
次に、ClCHCHOCHCHOCHCHCl(187グラム、Cl基として2モル)を30分間掛けてフラスコに添加した。溶液が不透明になり、一時間還流(140℃)を維持した。その後、混合物を室温まで冷却し、モルホリン塩酸塩を濾去した。濾過ケーキを100mlのプロピレングリコールモノメチルエーテルで二度洗浄した。揮発性物質を、集めた液相から90℃/5mbarで除去した。残留する液相から、いくらかの更なる塩が目に見えて析出した。30mlのプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加し、そして混合物をもう一度濾過した。揮発性物質を90℃/5mbar(5hPa)で除去し、構造が
Figure 0006316282

の、258グラムの黄褐色の油状モルホリン誘導体を得た。
H−NMRで構造を確認した。
比較例B
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した2000mLの三口フラスコで、エタノール(800グラム)を加熱還流した。ナトリウム金属(67.2グラム、2.94モル)を添加し、そして前記エタノールと6時間以内で反応させた。イミダゾール(202グラム、2.97モル)を添加し、そして混合物は一時間還流を維持した。その後、ClCHCHOCHCHCl(210グラム、Clとして2.94モル)を20分間掛けて添加し、そして混合物は7時間還流を維持した。
その後、混合物を室温まで冷却し、そして塩化ナトリウムを濾去した。濾過ケーキを100mlのエタノールで二度洗浄した。揮発性物質を、集めた液相から70℃/5mbarで除去し、317グラムの褐色油を得た。H−NMRにより、該油の85%が、構造
Figure 0006316282

のイミダゾール誘導体およびジエチレングリコールの高沸点エトキシエーテルからなることが示された。
比較例C
還流冷却器、排気システムへのガス出口、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した2000mLの三口フラスコで、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(209グラム、1.41モル)、トリエチルアミン(213グラム、2.1モル)およびn−ヘキサン(500ml)混合した。混合物を15℃まで冷却し、そしてSOCl(250グラム、2.1モル)を一時間掛けて添加した。温度を32℃まで上げた。暗色のケーキ状の混合物を100mlのn−ヘキサンで更に希釈し、そして70〜80℃まで2.5時間加熱した。ケーキ状の材料を室温まで冷却し、そしてトリエチルアミン塩酸塩を濾去した。濾過ケーキを150mlのn−ヘキサンで二度洗浄した。集めたn−ヘキサン抽出物を二度蒸留し、構造
Figure 0006316282

の、126.3グラムの無色液体を得た(b.p.72−74℃/18mmHg)。
H−NMRで構造を確認した。
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した1000mLの三口フラスコで、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(200グラム)を120℃に加熱した。ナトリウム(11.5グラム、0.5モル)を添加し、そして前記ジプロピレングリコールモノメチルエーテルと1時間以内で反応させた。混合物を80℃まで冷却し、そしてイミダゾール(34グラム、0.5モル)を添加した。混合物を120℃まで2.5時間加熱した。その後、ハロゲン化エーテル
Figure 0006316282

(83.3グラム、0.5モルCl)を45分間掛けて添加し、そして混合物を120℃で8時間維持した。その後、混合物を室温まで冷却し、そしてNaClを濾去した。揮発性物質を液相から70℃/10mbarで除去し、構造
Figure 0006316282

の、53グラムの褐色油状イミダゾール誘導体を得た。
H−NMRにより、生成物は、目的の構造(80%)および高沸点のジプロピレングリコールモノメチルエーテル縮合物からなることが示された。
比較例D
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した500mLの三口フラスコで、モルホリン(52.3グラム、0.6モルアミン)およびハロゲン化エーテル
Figure 0006316282

(10グラム、Clとして0.06モル)を室温で混合し、そして120℃まで10時間加熱した。生成物を室温まで冷却し、そして200グラムの50%活性NaOH水溶液を添加した。相を分離した。水相を50mlのトルエンで抽出した。油相およびトルエン抽出物を合わせた。揮発性物質を90℃/10mbarで除去し、構造
Figure 0006316282

の、12グラムの褐色油状モルホリン誘導体を得た。
H−NMRで構造を確認した。
実施例1
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(331グラム、2.24モル)を反応容器に、室温で窒素雰囲気下におくことにより、構造
Figure 0006316282

のクロロ酢酸エステルを作製した。一時間に渡って、強く攪拌しながら、クロロ酢酸クロリド(279グラム、2.46モル)を滴下する。滴下の間、温度が上がり、塩酸が形成した。滴下が完了すると、バッチを130℃で30分加熱する。130℃/20hPaまでで沸騰する全ての成分を蒸留によって除く。淡黄色の油が得られた。
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した500mLの三口フラスコに、モルホリン(111グラム、アミンとして1.33モル)、および構造
Figure 0006316282

のクロロ酢酸エステル(30グラム、0.133モル)を入れた。
温度を85℃まで上げた。混合物を室温まで冷却した後、室温で12時間攪拌した。冷却すると、モルホリン塩酸塩が析出した。該塩を濾去し、そして濾過ケーキを50mlの酢酸ブチルで洗浄した。揮発性物質を集めた液相から60℃/10mbarで除去した。残留する液相から、いくらかの更なる塩が目に見えて析出した。追加の酢酸ブチル(30グラム)を添加し、そして混合物をもう一度濾過した。揮発性物質を60℃/10mbar(10hPa)で除去した。
該反応により、構造
Figure 0006316282

の、31グラムの澄明な黄色油状モルホリン誘導体を得た。
H−NMRにより、−CHCl部分の完全な転換および目的の構造の形成が確認された。
上記で作製したモルホリンエステル誘導体(0.5グラム)を、2.5グラムの30%活性NaOH水溶液と激しく混合した。両材料を6時間互いに接触させて放置した。モルホリンエステル誘導体は、およそ5分以内にNaOH溶液から完全に分離され、澄明な黄色の上相が形成した。6時間後に採取した有機上相からのサンプルのH−NMRにより、モルホリン誘導体の構造が変化しなかったことが確認された。
実施例2
トリプロピレングリコール(431グラム、2.24モル)を室温で窒素雰囲気下におく。一時間に渡って、強く攪拌しながら、クロロ酢酸クロリド(558グラム、4.93モル)を滴下する。滴下の間、温度が82℃まで上がり、HClの激しい形成が始まる。滴下が完了すると、バッチを130℃で30分加熱する。130℃/20hPaまでで沸騰する全ての成分を蒸留によって除く。淡黄色の油が得られた。
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した250mLの三口フラスコに、モルホリン(34.8グラム、0.4モルアミン)、2−プロパノール(50ml)、上記で作製される構造
Figure 0006316282

を有する、クロロ酢酸エステル(5.28グラム、Clとして0.04モル)を入れた。混合物を室温で12時間攪拌した。およそ1時間後に、モルホリン塩酸塩が析出し始めた。該塩を濾去し、そして揮発性物質を70℃/10mbar(10hPa)で除去した。油相と塩相からなるスラリーが得られた。このスラリーを、まず50mlのn−ヘキサンで、そしてその後、50mlの酢酸ブチルで洗浄した。揮発性物質をn−ヘキサンおよび酢酸エチル抽出物から60℃/10mbarで除去した。
該反応により、構造
Figure 0006316282

の、6.5グラムの澄明な黄色油状モルホリン誘導体を得た。
H−NMRにより、−CHCl部分の完全な転換および目的の構造の形成が確認された。
上記のモルホリンエステル誘導体を、2.5グラムの30%活性NaOH水溶液と激しく混合した。両材料を6時間互いに接触させて放置した。モルホリンエステル誘導体は、およそ10分以内にNaOH溶液から完全に分離され、澄明な黄色の上相が形成した。6時間後に採取した有機上相からのサンプルのH−NMRにより、モルホリン誘導体の構造が変化しなかったことが確認された。上相とNaOHの下相との間の中間相で、非常に少量部分の白色ワックス状の物質が観察された。
実施例3
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した500mLの三口フラスコに、モルホリン(264グラム、3.2モルアミン)を室温で入れた。実施例2の手順に従って作製された、構造
Figure 0006316282

の、クロロ酢酸エステル(138グラム、Clとして0.8モル)を40分間掛けて添加した。温度が95℃まで上昇し、そして2時間それを維持した。およそ0.5時間後、モルホリン塩酸塩が析出し始めた。該塩を濾去し、炭化水素フラクションで洗浄した(沸点60〜100℃の範囲)。目的の生成物および炭化水素フラクションを一つにし、そして揮発性物質を70℃/20mbar(20hPa)で除去した。いくらかの目に見える微量の塩を含んだ油相を得た。該油相を50mlの炭化水素フラクションと混合し、濾過し、そして揮発性物質を減圧除去した。このプロセスを合計5回繰り返した。
得られた粗生成物を100グラムの50重量%有効NaOH水溶液と混合した。第三級アミンを10分以内でNaOH溶液から分離した。相を分離し、そして第三級アミンを100グラムの30重量%活性NaCl水溶液と混合した。相を10分以内に分離した。このNaCl溶液を用いた洗浄プロセスは、合計五回繰り返された。68.1グラムの黄色〜褐色の油を得た。H−NMRにより、−CHCl部分の完全な転換および目的の構造の形成が確認された。
Figure 0006316282
実施例4
還流冷却器、温度計、滴下漏斗およびメカニカルスターラーを装着した250mLの三口フラスコに、第三級アミン誘導体
Figure 0006316282

(68.1グラム、Nとして0.3モル)およびCHOCHCH(CH)OH(27.5グラム、OHとして0.3モル)室温で入れた。ラウリン酸クロリド(60.1グラム、0.274モル)を30分掛けて添加した。温度が80℃まで上昇した。アミン塩溶液および構造
Figure 0006316282

のエステルを含む粘性のスラリーを得た。過剰のCHOCHCH(CH)OHを65℃/10mmで除去した。非揮発性部分を30℃まで冷却した。
データは、ラウリン酸エステルの作製中に形成した、第三級アミノ含有化合物の塩酸塩が、粘性のスラリー(ペースト状物質)であり、そしてふわふわした、高温融解のアミン塩酸塩ではないことを示す。
上記で作製した混合物に、イソシアナートプロピルトリメトキシシラン(62グラム、0.3モル)を添加した。この混合物を15cmビグリューカラムで減圧蒸留した。蒸留容器(bottle)の最大温度を160℃に設定した。二つの無色のフラクションが得られ、続いてH−NMRおよび元素分析の手法で分析した。
Figure 0006316282
データは、ステップ(ii)で必要とされるように、更なる精製の前に、アミン塩酸塩が除去されるべきであることを示す。イソシアナートプロピルトリメトキシシランと高濃度の残渣アミン塩酸塩との混合物は、塩化物イオンがメトキシシリル基と反応して、大量のシリルクロリド基を含むイソシアネートを形成するという結果になる。デカンテーション、遠心分離または濾過による塩酸塩の効果的な除去は、精製物中のクロロシリル基の量を最小限にするために必要である。しかしながら、蒸留は、イソシアナートプロピルトリメトキシシランと共蒸留する高沸点のアミンなしで生成物を作成することが出来ることを示す。
比較例F
1リットルの反応容器にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン(150グラム、0.84モル)、酢酸エチル溶媒、およびJeffcat DMDEEとしてHuntsmanから入手可能な市販のジモルホリノジエチルエーテル(245.3グラム、1.12モル)を入れた。反応混合物を0〜10℃の間に冷却し、ホスゲン(110.5グラム、1.13モル)を添加した。反応混合物を、バッチのホスゲンがなくなるまで攪拌した。大量の固体のアミン塩が形成し、それは粗反応生成物から濾過され、そして洗浄された。濾液を濃縮し、生じた残渣の塩を再度濾過した。粗イソシアネートは、75重量%の純度(GC−ISTD)を有した。他の混在物は、20%のジモルホリノジエチルエーテルと5%の不純物であった。粗イソシアネートは、薄膜蒸発器において、135℃/2mbarで蒸留された。蒸留物は、凝縮領域での白色結晶により白濁を示した。該白色結晶は、昇華されたアミン−HCl塩であった。蒸留収率は、90%であり、そして生成物は、約5000ppmのClを含んだ。
比較例GおよびH
比較例GおよびHは、第三級アミンが比較例AまたはBのアミンの一つと置き換えられること以外は、比較例Fに沿って実施された。結果は、比較例G、H各々について、比較例Fで見られたものと同様であった。
実施例5
実施例5は、第三級アミンが実施例3で作製された第三級アミノ含有化合物と置き換えられること以外は、比較例Fに沿って実施された。第三級アミノ含有化合物およびその塩形態の粘性混合物(ペースト状)は、粗反応生成物から容易に濾過された。
該塩は、ふわふわした高温融解の有機アミン塩酸塩ではなく、そして大量の塩酸塩で反応容器を満たすことなく、そして粗イソシアナートプロピルトリメトキシシランを物理吸収(physi−absorb)せず、それにより、ステップ(ii)のプロセスにおける塩の粗生成物からの塩の分離を改善する。実施例5の第三級アミノ含有化合物は、イソシアナートプロピルトリメトキシシランと共蒸留せず、そして蒸留カラムにアミン塩酸塩の白色結晶を形成しない。
上記の記載は、多くの詳述を含む一方、これらの詳述は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、その好ましい実施態様の例示として解釈されるべきである。当業者は、添付される特許請求の範囲に定義される本発明の範囲と精神を逸脱しない範囲で、多くの他の可能な変更を想到するであろう。

Claims (16)

  1. (i)ClC(=O)Clを、一般式(II):
    (RO)3−a Si−R−NH (II)
    (式中、
    は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
    は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
    は、1〜12の炭素原子の、分岐または直鎖アルキレンまたはシクロアルキレン基、6〜10の炭素原子のアリーレン基、または7〜10の炭素原子のアラルキレン基であり;そして
    aは、0、1または2である)
    を有する、対応するアルコキシシリル基含有アミンと、下記式(IV)〜(XV)から選択される第三級アミノ含有化合物の存在下で反応させて、アルコキシシリル基含有イソシアネート化合物を得るステップ;
    (ii)該塩酸塩第三級アミノ含有化合物を、ステップ(i)のアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物から分離するステップ;および任意で、
    (iii)ステップ(ii)のアルコキシシリル基含有イソシアネートを精製するステップ
    を含む、一般式(I):
    (RO)3−a Si−R−NCO (I)
    (式中、
    は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
    は、各々独立して、1〜6の炭素原子の、分岐または直鎖アルキルまたはシクロアルキルであり;
    は、1〜12の炭素原子の、分岐または直鎖アルキレンまたはシクロアルキレン基、6〜10の炭素原子のアリーレン基、または7〜10の炭素原子のアラルキレン基であり;そして
    aは、0、1または2である)
    を有するアルコキシシリル基含有イソシアネート化合物の作製方法。
    Figure 0006316282

    Figure 0006316282

    Figure 0006316282

    (ここで、各式(IV)〜(XV)において:
    が、1〜6の炭素原子の直鎖または分岐アルキレン基、6の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基であり;
    が、1〜6の炭素原子の直鎖または分岐アルキレン基、6〜の炭素原子のシクロアルキレンまたはアリーレン基であり
    xおよびyが、各々独立して、0〜50であり、但し、xおよびyの合計が、3〜100である)
  2. 一般式(II)で表される前記アルコキシシリル基含有アミンが、3−トリメトキシシリルプロピルアミン、3−トリエトキシシリルプロピルアミン、3−トリブトキシシリルプロピルアミン、3−トリプロポキシシリルプロピルアミン、1−トリメトキシシリルメチルアミン、1−ジメトキシメチルシリルメチルアミン、1−ジエトキシメチルシリルメチルアミン、1−ジメトキシメチルシリルプロピルアミンおよび1-ジエトキシメチルシリルプロピルアミンからなる群より選択される、請求項1に記載の作製方法。
  3. 一般式(II)で表される前記アルコキシシリル基含有アミンが、3−トリメトキシシリルプロピルアミンである、請求項2に記載の作製方法。
  4. 前記xおよびyが、各々独立して、0〜10である、請求項1〜3の何れか1項に記載の作製方法。
  5. 前記xおよびyが、各々独立して、3〜15である、請求項1〜4の何れか1項に記載の作製方法。
  6. 前記RおよびRが、各々独立して、−CHCH−、−CHCHCH−および−CHCH(CH)−からなる群より選択される、請求項1〜5の何れか1項に記載の作製方法。
  7. ステップ(i)の前記第三級アミ含有化合物が、HN/Clモル比0.4〜0.6で用いられる、請求項1〜6の何れか1項に記載の作製方法。
  8. 前記作製方法が、ステップ(i)、ステップ(ii)、またはステップ(i)および(ii)において、不活性有機溶媒を用いるステップを更に含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の作製方法。
  9. 前記不活性溶媒が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、エステル、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の作製方法。
  10. 前記反応が、−50℃〜+150℃の温度で行われる、請求項1〜9の何れか1項に記載の作製方法。
  11. ステップ(ii)の前記組成物が、前記アルコキシシリル含有イソシアネート化合物の重量に基づいて、1000ppm未満の塩化物濃度を有する、請求項1〜10の何れか1項に記載の作製方法。
  12. 前記塩化物濃度が、前記アルコキシシリル含有イソシアネート化合物の重量に基づいて、100ppm未満である、請求項11に記載の作製方法。
  13. 一般式(I)の前記アルコキシシリル基含有イソシアネート化合物が、ステップ(ii)で得られる塩基性塩酸塩から、デカンテーション、遠心分離、または濾過によって分離される、請求項1〜12の何れか1項に記載の作製方法。
  14. 前記ステップ(iii)が、精製されたアルコキシシリル基含有イソシアネートを提供するために行われる、請求項1〜13の何れか1項に記載の作製方法。
  15. 式(I)の前記アルコキシシリル基含有イソシアネート化合物が、蒸留によって精製される、請求項14に記載の作製方法。
  16. 式(I)の前記アルコキシシリル基含有イソシアネート化合物が、前記アルコキシシリル含有イソシアネート化合物の重量に基づいて、100ppm未満の塩化物濃度を有する、請求項15に記載の作製方法。
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