JP6315424B2 - 笠木カバー部材 - Google Patents

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Description

本発明は、笠木の端部を覆う笠木カバー部材に関する。
従来より、階段の壁部や吹き抜けの腰壁部等の上端部等に配される笠木が知られている。このような笠木は、壁部の端部に沿って水平状や傾斜状、垂直状に配されるが、壁部のコーナー部に向けてそれぞれに配された笠木の端面同士を突き合わせるようにして施工される構成とされていた。このような施工態様では、加工誤差や施工誤差、施工後の変形等によって笠木の端面間に隙間や段差が生じ易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、笠木の接続端部の上端縁部を覆う上カバー片及び側端縁部を覆う一対の側カバー片を有した笠木カバーと、笠木の接続端部の裏面端縁部を覆うちり隠し部材と、が開示されている。
また、下記特許文献2では、2つの笠木を接続するために用いられる笠木接続部分カバー材が提案されている。このカバー材は、笠木の各木口面の目視可能な部分を覆う傘状の被覆部を有した固定本体と、この固定本体の両側端部のそれぞれに接続長さを可変して接続され、笠木の各木口面の目視可能な部分の残りの範囲を覆う一対の側方蓋部と、を備えた構成とされている。
特開2009−235709号公報 特開2007−224541号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された笠木カバーは、異なる見込寸法の笠木には適用し難く、更なる改善が望まれる。また、ちり隠し部材を笠木の裏面側から固定する必要があり、施工性の観点からも更なる改善が望まれる。
また、上記特許文献2に記載されたカバー材は、笠木の幅(見込寸法)に応じてサイズを変えて使用できるものではあるが、固定本体や笠木に対する一対の側方蓋部の取付性の観点からは更なる改善が望まれる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木の対向側端部を見栄え良く納めることが可能でありながらも、種々の見込寸法の笠木に適用し得、かつ取付性を向上し得る笠木カバー部材を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る笠木カバー部材は、コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木の対向側端部を覆うように配される笠木カバー部材であって、前記笠木の各対向側端部の見込方向中央側部位の表面を覆うように配される表面カバー部を有した中央側カバーと、この中央側カバーの表面カバー部を覆うように配される表面カバー部、前記笠木の各対向側端部の見付面を覆うように配される見付面カバー部及び前記笠木の各対向側端部の裏面を覆うように配される裏面カバー部をそれぞれに有した一対の端部カバーと、を備えており、前記中央側カバー及び前記一対の端部カバーのそれぞれには、前記笠木の対向側端面間に挿入される挿入部が設けられ、かつ、これら中央側カバーの挿入部と一対の端部カバーの挿入部とは、互いに見込方向に係合する構造とされていることを特徴とする。
本発明に係る笠木カバー部材は、上述のような構成としたことで、コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木の対向側端部を見栄え良く納めることが可能でありながらも、種々の見込寸法の笠木に適用することができ、また、取付性を向上させることができる。
(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る笠木カバー部材の一例を模式的に示し、(a)は、図2(b)におけるX1−X1線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)は、図2(b)におけるY1−Y1線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(c)は、(b)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)は、同笠木カバー部材の概略分解斜視図、(b)は、同笠木カバー部材の概略斜視図である。 (a)は、同笠木カバー部材を施工した状態の一例を模式的に示す一部破断概略斜視図、(b)、(c)は、同笠木カバー部材の変形例をそれぞれ施工した状態の一例を模式的に示す一部破断概略斜視図である。 (a)〜(c)は、本発明の他の実施形態に係る笠木カバー部材の一例を模式的に示し、(a)は、図5(b)におけるX2−X2線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図、(b)は、図5(b)におけるY2−Y2線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(c)は、(b)に対応させた一部破断概略横断面図である。 (a)は、同笠木カバー部材の概略分解斜視図、(b)は、同笠木カバー部材の概略斜視図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、各実施形態に係る笠木カバー部材を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1〜図3は、第1実施形態に係る笠木カバー部材の一例及び同笠木カバー部材の変形例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る笠木カバー部材1は、図1及び図3(a)に示すように、コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木3,3の対向側端部4,4を覆うように配される。
笠木3は、壁体2の端部に沿って配される。図3(a)では、壁体2の上端面と垂直面状の前端面とのコーナー部に向けてそれぞれに笠木3,3を配した例を示している。つまり、図3(a)では、2つの笠木3,3を、互いの見込方向を一致させて壁体2の上端面及び前端面にそれぞれ沿わせて互いに略直交状となるように配した例を示している。
この笠木3は、平板状とされており、厚さ方向一方面としての裏面7を、壁体2の固定対象面としての上端面や前端面に沿わせて配される。また、笠木3は、見込寸法(壁厚方向に沿う寸法)が壁体2の壁厚寸法よりも大きい寸法とされ、見込方向(壁厚方向)両側にいわゆるちり部が形成されるように、壁体2の壁厚方向両側の壁面から見込方向両端部を突出させて壁体2に固定される。
また、コーナー部に向けてそれぞれに配された笠木3,3の互いに対向する対向側端部4,4の対向側端面8,8は、図1(a)に示すように、それぞれの表面(厚さ方向他方面)とのなす角が45度となるように傾斜し、互いに平行状とされた傾斜面とされている。また、これら対向側端面8,8間に、後記する笠木カバー部材1の挿入部12,18が挿入される隙間を設けて各笠木3,3を配した構成としている。
なお、壁体2は、階段の壁部や吹き抜けの腰壁部等を構成するものとし、笠木3が手摺を構成するものとしてもよい。
笠木カバー部材1は、上記のようにコーナー部に向けてそれぞれに配される笠木3,3の対向側端部4,4を接続するように設けられ、これらの対向側端面8,8間の隙間長手方向(端面長手方向)に細長状とされている。
この笠木カバー部材1は、笠木3,3の各対向側端部4,4の見込方向(端面長手方向)中央側部位の表面5,5を覆うように配される表面カバー部11を有した中央側カバー10を備えている。また、笠木カバー部材1は、この中央側カバー10の表面カバー部11を覆うように配される表面カバー部15,15をそれぞれに有した一対の端部カバー14,14を備えている。また、これら一対の端部カバー14,14は、笠木3,3の各対向側端部4,4の見付面6,6を覆うように配される見付面カバー部16,16及び笠木3,3の各対向側端部4,4の裏面7,7を覆うように配される裏面カバー部17,17をそれぞれに備えている。
また、中央側カバー10及び一対の端部カバー14,14のそれぞれには、笠木3,3の対向側端面8,8間に挿入される挿入部12,18が設けられている。また、これら中央側カバー10の挿入部12と一対の端部カバー14,14の挿入部18,18とは、互いに見込方向(端面長手方向)に係合する構造とされている。
また、本実施形態では、中央側カバー10の挿入部12及び一対の端部カバー14,14の挿入部18,18のうちの一方の挿入部18,18を、板状とされた他方の挿入部12を受け入れ可能なように見込方向に開口する係合凹所19,19を設けた構造としている。
また、本実施形態では、中央側カバー10の挿入部12及び一対の端部カバー14,14の挿入部18,18に、互いに係合した状態で、互いに係止し見込方向への位置ずれを抑制する係止部13a,19a,19aを設けている。
中央側カバー10は、図1及び図2に示すように、見込方向に細長状とされている。
この中央側カバー10の表面カバー部11は、図1(a)及び図2に示すように、見込方向に細長状とされ、笠木3,3の対向側端面8,8間の表面側の隙間を覆い、かつ対向側端部4,4の表面5,5を覆うように形成されている。また、この表面カバー部11は、幅方向(笠木3,3の対向側端面8,8の対向方向に沿う方向)両側端部が両笠木3,3の対向側端部4,4の表面5,5に当接または近接配置される構成とされている。
また、本実施形態では、表面カバー部11を、水平面状とされた一方の笠木3の表面5と垂直面状とされた他方の笠木3の表面5とを接続するように、表面側に凸の突湾曲状の薄板状としている。
この表面カバー部11の幅寸法(笠木3,3の対向側端面8,8の対向方向に沿う方向の寸法)は、両笠木3,3の対向側端部4,4の表面5,5を覆い得るように適宜、設定するようにしてもよい。
この中央側カバー10の挿入部12は、図1(a)に示すように、表面カバー部11の裏面(笠木3の表面5に対面する側の面)から両笠木3,3の対向側端面8,8間の隙間の深さ方向に沿う方向に向けて突出するように設けられている。この挿入部12は、表面カバー部11の幅方向中央部位に設けられている。つまり、表面カバー部11は、挿入部12の基端部から幅方向両側に突出するように設けられている。
また、この挿入部12の上記隙間深さ方向に沿う突出寸法は、両笠木3,3の対向側端面8,8間の隙間の深さ寸法よりも小さい寸法とされている。また、本実施形態では、挿入部12を、表面カバー部11の略全長に亘ってその裏面側に設けている。
また、本実施形態では、この中央側カバー10の挿入部12を、他方の挿入部としての板状挿入部12としている。また、本実施形態では、板状挿入部12を、突出方向に延びる複数の棒状歯部13を見込方向(隙間長手方向)に沿って並列状に設けた櫛歯状としている。
また、これら複数の棒状歯部13を、丸棒状(円柱状)とし、隣り合う棒状歯部13,13によってこれらの長手方向に延びる凹溝状の係止部としての係止凹部13aを形成している。つまり、本実施形態では、両笠木3,3の対向側端面8,8にそれぞれ対向するように配される板状挿入部12の両面側のそれぞれに、隙間長手方向に間隔を空けて複数の係止凹部13aを設けた構成としている。
なお、板状挿入部12を構成する複数の棒状歯部13は、複数のそれぞれが隙間長手方向に分断されたものでもよく、または、隙間長手方向に分断されることなく一連状に設けられたものとしてもよい。
また、中央側カバー10(表面カバー部11)の見込方向(隙間長手方向)に沿う長さ寸法は、一般的に施工される笠木3のうちの比較的に見込寸法(端面長さ寸法)が小さい寸法とされたものの見込寸法に応じた寸法としてもよい。または、当該中央側カバー10(表面カバー部11)の長さ寸法を、比較的に大きい寸法とし、適宜の長さに切断等によって調整可能とされたものとしてもよい。
一対の端部カバー14,14は、図1(b)、(c)及び図2に示すように、本実施形態では、隙間長手方向に沿う寸法が中央側カバー10の隙間長手方向に沿う寸法よりも小さい寸法とされている。なお、これら端部カバー14,14は、互いに同様の構成とされているので、以下では、一方の端部カバー14を例にとって説明する。
この端部カバー14の表面カバー部15は、中央側カバー10の表面カバー部11の長手方向に長尺状とされ、中央側カバー10の表面カバー部11の長手方向いずれか一方端側部位を覆う構成とされている。
この表面カバー部15は、図1(a)に示すように、中央側カバー10の表面カバー部11の表面に対面するように配される裏面が、中央側カバー10の表面カバー部11の表面に沿うように凹湾曲面状とされている。
また、本実施形態では、表面カバー部15を、中央側カバー10の表面カバー部11と概ね同様、水平面状とされた一方の笠木3の表面5と垂直面状とされた他方の笠木3の表面5とを接続するように、表面側に凸の突湾曲状の薄板状としている。また、この表面カバー部15の幅寸法は、中央側カバー10の表面カバー部11を覆い得るように、この表面カバー部11の幅寸法よりも大きい寸法とされている。また、この表面カバー部15は、中央側カバー10の表面カバー部11と概ね同様、幅方向両側端部が両笠木3,3の対向側端部4,4の表面5,5に当接または近接配置される構成とされている。
また、この表面カバー部15の長さ寸法は、中央側カバー10の表面カバー部11と少なくとも一部が重ね合わせられた状態で、笠木3,3の対向側端部4,4の表面5,5を覆い得るように適宜の寸法としてもよい。
端部カバー14の見付面カバー部16は、表面カバー部15の隙間長手方向外方側端部から隙間深さ方向に延びるように長尺状とされている。この見付面カバー部16は、両笠木3,3の対向側端面8,8間の見付面側の隙間を覆い、かつ対向側端部4,4の見付面6,6を覆うように形成されている。また、この見付面カバー部16は、幅方向(笠木3,3の対向側端面8,8の対向方向に沿う方向)両側端部が両笠木3,3の対向側端部4,4の見付面6,6に当接または近接配置される構成とされている。
また、この見付面カバー部16は、見付面6,6に対面される側となる裏面が平坦面とされた薄平板状とされている。また、図例では、この見付面カバー部16の表面の幅方向両端部に幅方向外方側に向かうに従い見付面6,6に向けて下るように傾斜する傾斜面を設けた例を示している。
この見付面カバー部16の長さ寸法は、上記隙間深さ寸法に応じた寸法とされている。
また、この見付面カバー部16の反表面カバー部側の端部は、両笠木3,3の対向側端部4,4の裏面7,7に沿う形状となるように、隙間長手方向に見て、略V字形状とされている。
なお、図例では、この見付面カバー部16と表面カバー部15との出隅部を、面取り形状とした例を示している。
端部カバー14の裏面カバー部17は、見付面カバー部16の反表面カバー部側の端部から壁体2の壁面に向けて突出するように設けられている。この裏面カバー部17は、両笠木3,3の対向側端面8,8間の裏面側の隙間を覆い、かつ対向側端部4,4のいわゆるちり部の裏面7,7を覆うように形成されている。また、この裏面カバー部17は、幅方向(笠木3,3の対向側端面8,8の対向方向に沿う方向)両側端部が両笠木3,3の対向側端部4,4のちり部の裏面7,7に当接または近接配置される構成とされている。
また、本実施形態では、図1(a)に示すように、この裏面カバー部17を、両笠木3,3の対向側端部4,4の裏面7,7に沿う形状となるように、隙間長手方向に見て、略V字形状としている。なお、この裏面カバー部17の各片部の表面の端部に外方側に向かうに従い裏面7,7に向けて下るように傾斜する傾斜面を設けるようにしてもよい。
この裏面カバー部17の見付面カバー部16からの突出寸法は、両笠木3,3のちり部の隙間長手方向に沿う寸法に応じた寸法とされている。
端部カバー14の挿入部18は、見付面カバー部16の裏面から隙間長手方向に突出するように設けられている。
本実施形態では、この挿入部18を、隙間長手方向に開口した係合凹所19を設けた一方の挿入部18としている。また、本実施形態では、この挿入部18を、係合凹所19を隙間長手方向及び隙間深さ方向両側に開口させるように二股状に形成された二股状挿入部18としている。この二股状挿入部18は、隙間幅方向に間隔を空けて設けられ隙間幅方向に厚さ方向を沿わせた二枚の薄板状部によって構成されており、これらの間に中央側カバー10の隙間幅方向に厚さ方向を沿わせた板状挿入部12が挟み込まれるように差し入れられる。
この二股状挿入部18は、中央側カバー10と組み付けられる際に表面カバー部11に干渉しないように、見付面カバー部16の長手方向途中部位の裏面に設けられている。
また、この二股状挿入部18の隙間長手方向に沿う寸法は、中央側カバー10の板状挿入部12との係合性等の観点から適宜、設定するようにしてもよく、図例では、表面カバー部15の長さ寸法と略同寸法とした例を示している。
また、本実施形態では、この二股状挿入部18に、図1(b)、(c)に示すように、上記した中央側カバー10の板状挿入部12の係止凹部13aに係止する係止部としての係止凸部19aを設けている。本実施形態では、二股状挿入部18の両側の薄板状部の互いに対向する内側面側のそれぞれに、互いに対向する方向に向けて突出し、隙間深さ方向に延びるように係止凸部19a,19aを設けた構成としている(図1(a)参照)。また、これら係止凸部19a,19aを、係合凹所19の両側開口縁となる二股状挿入部18の両側の薄板状部の先端部に設けた構成としている。
上記構成とされた笠木カバー部材1は、図1(b)、(c)に示すように、両笠木3,3の見込寸法(隙間長手方向に沿う寸法)W1,W2が異なるような場合にも、適用が可能となる。図1(c)では、図1(b)に示す両笠木3,3の見込寸法W1よりも見込寸法W2を大とした例を示している。このような場合にも、中央側カバー10の板状挿入部12と一対の端部カバー14,14の二股状挿入部18,18との隙間長手方向に沿う係合度合を調整することで、見込寸法W1,W2の違いに容易に対応することができる。または、中央側カバー10の長さ寸法を切断等によって調整することで、見込寸法W1,W2の違いに容易に対応することもできる。
なお、中央側カバー10及び一対の端部カバー14,14は、合成樹脂系材料や、木質系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。また、中央側カバー10及び一対の端部カバー14,14は、例えば、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉(木質)・プラスチック複合材(WPC)から形成されたものとしてもよい。
また、これら中央側カバー10及び一対の端部カバー14,14は、互いの係合及び係止によって固定されるものとしてもよく、また、粘着テープ等の粘着材や接着剤等によって互いに固定されたり、両笠木3,3に固定されるものとしてもよい。
また、これら中央側カバー10及び一対の端部カバー14,14における少なくとも両笠木3,3に取り付けられた状態で露出する表面を、突板や合成樹脂シート等の貼着や、塗装等によって表面化粧処理が施された化粧面としてもよい。
本実施形態に係る笠木カバー部材1は、上述のような構成としたことで、コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木3,3の対向側端部4,4を見栄え良く納めることが可能でありながらも、種々の見込寸法W1,W2の笠木3,3に適用することができる。また、取付性を向上させることができる。
つまり、コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木3,3の対向側端部4,4を覆うように配される構成としている。従って、例えば、笠木の対向側の端面同士を突き合わせて納める態様と比べて、コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木3,3の対向側端部4,4を見栄え良く納めることができる。
また、表面カバー部11を有した中央側カバー10と、この中央側カバー10の表面カバー部11を覆うように配される表面カバー部15,15をそれぞれに有した一対の端部カバー14,14を備えた構成としている。また、一対の端部カバー14,14のそれぞれに、見付面カバー部16,16及び裏面カバー部17,17を設けた構成としている。従って、中央側カバー10の表面カバー部11に対する一対の端部カバー14,14の表面カバー部15,15の重ね合わせ度合を、見込方向に沿って調整することで、上述のように、種々の見込寸法W1,W2の笠木3,3に容易に適用することができる。または、中央側カバー10を切断等することで、見込寸法を調整することもできる。また、一対の端部カバー14,14のそれぞれに、裏面カバー部17,17を設けているので、笠木3,3の裏面7,7側から別部材を固定する必要があるようなものと比べて、施工性を向上させることができる。
また、中央側カバー10及び一対の端部カバー14,14のそれぞれに、笠木3,3の対向側端面8,8間に挿入される挿入部12,18を設け、かつ、これら挿入部12,18を、互いに見込方向に係合する構造としている。従って、互いの挿入部12,18を係合させることで、中央側カバー10と一対の端部カバー14,14とを組み付けることができ、取付性を向上させることができる。また、これら挿入部12,18同士を互いに係合させ、互いに接着等することで、笠木3,3に対して強固に取り付けることができる。つまり、笠木3,3の表裏を挟むような構成とされた一対の端部カバー14,14によって中央側カバー10の表面カバー部11を押さえることができ、また、互いの挿入部12,18同士を係合させて接着することで、当該笠木カバー部材1を笠木3,3に対して強固に取り付けることができる。
また、本実施形態では、中央側カバー10及び一対の端部カバー14,14の挿入部12,18,18のうちの一方の挿入部18,18を、板状とされた他方の挿入部12を受け入れ可能なように見込方向に開口する係合凹所19,19を設けた構造としている。従って、一方の挿入部18,18の係合凹所19,19に他方の挿入部12を差し入れることで、中央側カバー10と一対の端部カバー14,14とを組み付けることができる。また、例えば、互いに板状とされた挿入部の向き合う側面同士が当接係合されるようなものと比べて、互いの挿入部の接着面積を効果的に大きくすることができ、取付強度をより向上させることもできる。
また、本実施形態では、中央側カバー10の挿入部12及び一対の端部カバー14,14の挿入部18,18に、互いに係合した状態で、互いに係止し見込方向への位置ずれを抑制する係止部13a,19a,19aを設けている。従って、中央側カバー10の挿入部12と一対の端部カバー14,14の挿入部18,18とを互いに係合させた状態における見込方向への位置ずれを抑制することができ、組付強度を向上させることができる。なお、係止部13a,19a,19aとしては、上記した例に限られず、種々の変形が可能である。さらには、このような係止部13a,19a,19aを、中央側カバー10の挿入部12及び一対の端部カバー14,14の挿入部18,18に設けないようにしてもよい。
なお、上記した例では、笠木カバー部材1を、互いの見込方向を一致させて壁体2の上端面及び前端面にそれぞれ沿わせて互いに略直交状となるように配された両笠木3,3の対向側端部4,4を覆う構成とした例を示しているが、このような態様に限られない。
例えば、図3(b)に示すように、互いの見込方向を一致させて壁体2Aの傾斜面及び前端面にそれぞれ沿わせて互いに鈍角状の交差状となるように配された両笠木3A,3Aの対向側端部を覆う笠木カバー部材1Aとしてもよい。この場合は、中央側カバー10Aの表面カバー部や、一対の端部カバー14A,14Aの各カバー部を、適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。
また、例えば、図3(c)に示すように、平面視して交差状(図例では直交状)に形成された壁体2Bの上端面にそれぞれ沿わせて互いに交差状(図例では直交状)となるように配された両笠木3B,3Bの対向側端部を覆う笠木カバー部材1Bとしてもよい。この場合は、上記同様、中央側カバー10Bの表面カバー部や、一対の端部カバー14B,14Cの各カバー部を、適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。また、この場合は、両笠木3B,3Bの出隅側の見付面を覆う端部カバー14Bを、出隅に応じた形状とし、入隅側の見付面を覆う端部カバー14Cを、入隅に応じた形状としてもよい。つまり、一対の端部カバー14B,14Cを、互いに異なる構成とされたものとしてもよい。また、この場合は、両笠木3B,3Bの対向側端面の長手方向(隙間長手方向)が笠木3B,3B自体の見込方向に対して傾斜状となるが、この隙間長手方向を見込方向として把握するようにしてもよい。
その他、本実施形態に係る笠木カバー部材1を、適宜、必要に応じて変形し、コーナー部に向けてそれぞれに配される種々の配設態様とされた笠木の対向側端部を覆う笠木カバー部材としてもよい。
次に、本発明に係る他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図4及び図5は、第2実施形態に係る笠木カバー部材の一例を模式的に示す図である。
なお、第1実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。
本実施形態に係る笠木カバー部材1Cは、図4及び図5に示すように、中央側カバー10C及び一対の端部カバー14D,14Dの挿入部12A,18A,18Aの構成が、上記第1実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、中央側カバー10Cの挿入部12Aを、見込方向に開口する係合凹所13Aを設けた一方の挿入部とし、一対の端部カバー14D,14Dの挿入部18A,18Aを、他方の挿入部としての板状挿入部18A,18Aとしている。これら板状挿入部18A,18Aは、隙間幅方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされ、見付面カバー部16,16の長手方向途中部位の裏面から互いに向き合う方向(隙間長手方向)に向けて突出するように設けられている。
中央側カバー10Cの挿入部12Aは、係合凹所13Aを隙間長手方向両側及び隙間深さ方向奥側に開口させるように二股状に形成された二股状挿入部12Aとされている。この二股状挿入部12Aは、隙間幅方向に間隔を空けて設けられ隙間幅方向に厚さ方向を沿わせた二枚の薄板状部によって構成されており、これらの間に板状挿入部18A,18Aが挟み込まれるように差し入れられる構成とされている。
なお、本実施形態では、これら中央側カバー10C及び一対の端部カバー14D,14Dの挿入部12A,18A,18Aに、互いに係合した状態で、互いに係止し見込方向への位置ずれを抑制する係止部を設けていないが、係止部を設けるようにしてもよい。この場合は、例えば、一対の端部カバー14D,14Dの板状挿入部18A,18Aの両面側に、上記同様の係止凹部を設け、中央側カバー10Cの二股状挿入部12Aの内側面側に、上記同様の係止凸部を設けるようにしてもよい。
上記構成とされた本実施形態に係る笠木カバー部材1Cにおいても、上記第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。
なお、本実施形態においても、図3(b)、(c)を参照して説明したように、コーナー部に向けてそれぞれに配される種々の配設態様とされた笠木の対向側端部を覆う笠木カバー部材として、種々の変形が可能である。
また、上記各実施形態では、挿入部12,12A,18,18,18A,18Aのうちの係合凹所19,13Aを設けた一方の挿入部を、二股状挿入部18,18,12Aとした例を示しているが、このような態様に限られない。係合凹所19,13Aを設けた一方の挿入部としては、見込方向に少なくとも開口するものであればよく、二股状とされたものに限られない。この場合は、板状挿入部12,18A,18Aを、適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。さらには、見込方向に互いに係合する挿入部としては、このように、挿入部12,12A,18,18,18A,18Aのうちの一方の挿入部を、板状とされた他方の挿入部を受け入れ可能なように見込方向に開口する係合凹所を設けた構造とした態様に限られない。例えば、互いに板状とされた挿入部の向き合う側面同士が当接係合されるようなもの等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
1,1A,1B,1C 笠木カバー部材
10,10A,10B,10C 中央側カバー
11 表面カバー部
12 板状挿入部(他方の挿入部)
13a 係止凹部(係止部)
12A 二股状挿入部(一方の挿入部)
13A 係合凹所
14,14A,14B,14C,14D 端部カバー
15 表面カバー部
16 見付面カバー部
17 裏面カバー部
18 二股状挿入部(一方の挿入部)
19 係合凹所
19a 係止凸部(係止部)
18A 板状挿入部(他方の挿入部)
3,3A,3B 笠木
4 対向側端部
5 表面
6 見付面
7 裏面
8 対向側端面

Claims (3)

  1. コーナー部に向けてそれぞれに配される笠木の対向側端部を覆うように配される笠木カバー部材であって、
    前記笠木の各対向側端部の見込方向中央側部位の表面を覆うように配される表面カバー部を有した中央側カバーと、この中央側カバーの表面カバー部を覆うように配される表面カバー部、前記笠木の各対向側端部の見付面を覆うように配される見付面カバー部及び前記笠木の各対向側端部の裏面を覆うように配される裏面カバー部をそれぞれに有した一対の端部カバーと、を備えており、
    前記中央側カバー及び前記一対の端部カバーのそれぞれには、前記笠木の対向側端面間に挿入される挿入部が設けられ、かつ、これら中央側カバーの挿入部と一対の端部カバーの挿入部とは、互いに見込方向に係合する構造とされていることを特徴とする笠木カバー部材。
  2. 請求項1において、
    前記中央側カバーの挿入部及び前記一対の端部カバーの挿入部のうちの一方の挿入部は、板状とされた他方の挿入部を受け入れ可能なように見込方向に開口する係合凹所を設けた構造とされていることを特徴とする笠木カバー部材。
  3. 請求項1または2において、
    前記中央側カバーの挿入部及び前記一対の端部カバーの挿入部には、互いに係合した状態で、互いに係止し見込方向への位置ずれを抑制する係止部が設けられていることを特徴とする笠木カバー部材。
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