JP6315259B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池その他の非水電解質二次電池(例えば特許文献1)は、車両搭載用電源、或いはパソコン及び携帯端末の電源として利用されている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源等として重要性が高まっている。リチウムイオン二次電池では、正極活物質からなる正極と負極活物質からなる負極との間で、リチウムイオンを授受することで充放電が行われる。すなわち、充電時にはリチウム(電荷担体)が正極活物質から引き抜かれ、リチウムイオンとして電解液(電解質)中に放出される。充電時には該リチウムイオンは負極側に設けられた負極活物質(例えば層状の黒鉛)の構造内に入り、ここで正極活物質から外部回路を通ってきた電子を得て、吸蔵される。
特開2012−084322号公報
ところで、組立直後の電池は未充電状態にあるので、該電池に対して、最初の充電処理(すなわち、正極、負極、電解質等の電池構成要素を組み立てた後に初めて行う充電処理。以下「初期充電」という。)が行われる。生産効率の観点からは初期充電を短時間で完了することが望ましいが、初期充電時の電流密度(充電電流値)を大きくすると、負極において局所的に電荷担体(例えばリチウム)が析出するという問題があった。電荷担体の析出を抑制しつつ、初期充電を時短化することが求められている。本発明は上記課題を解決するものである。
ここで提案される非水電解質二次電池の製造方法は、負極活物質としての黒鉛と、充電時に該黒鉛の層間に保持され得る電荷担体(例えばリチウムイオン二次電池の場合、リチウム)を含む正極活物質とを有する非水電解質二次電池を製造する方法である。この製造方法は、正極と負極を備える電池を構築する工程と、前記電池に対して初回の充電を行う初期充電工程とを包含する。ここで前記初期充電工程では、前記黒鉛に第1ステージの構造変化が生じるまでの間、負極電位が0V以下とならないように設定された第1充電電流密度で充電する第1充電処理と、前記黒鉛に第1ステージの構造変化が生じた後、前記第1充電電流密度よりも小さい第2充電電流密度で充電する第2充電処理とを含む。かかる構成によると、電荷担体の析出を抑制しつつ初期充電を時短化することができる。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す図である。 一実施形態に用いられる捲回電極体を模式的に示す図である。 リチウム/黒鉛半電池の電圧特性を示すグラフである。 サンプル1のLi析出の有無を示す図である。 サンプル2のLi析出の有無を示す図である。 サンプル3のLi析出の有無を示す図である。 高温保存日数と容量維持率との関係を示すグラフである。 サイクル数と容量維持率との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極及び負極を備えた電極体の構成及び製法、セパレータや電解質の構成及び製法、リチウムイオン二次電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成および初期充電工程の順に説明する。以下では、リチウムイオン二次電池を初期充電する場合を説明するが、本発明の適用対象を限定する意図ではない。
<リチウムイオン二次電池>
本実施形態のリチウムイオン二次電池100(以下、適宜「電池」という。)は、例えば、図1に示すように、長尺状の正極シート10と長尺状の負極シート20が長尺状のセパレータ40を介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)80が、図示しない非水電解液とともに、該捲回電極体80を収容し得る形状(扁平な箱型)のケース50に収容された構成を有する。
ケース50は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。ケース50を構成する材質としては、アルミニウム、スチール等の金属材料が好ましく用いられる(本実施形態ではアルミニウム)。あるいは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド樹脂等の樹脂材料を成形してなるケース50であってもよい。ケース50の上面(すなわち蓋体54)には、捲回電極体80の正極と電気的に接続する正極端子70及び該電極体80の負極20と電気的に接続する負極端子72が設けられている。蓋体54の両端子72、74の間には、電池ケース50の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように構成された薄肉の安全弁56が形成されている。ケース50の内部には、扁平形状の捲回電極体80が図示しない非水電解液とともに収容される。
本実施形態に係る捲回電極体80は、通常のリチウムイオン二次電池の捲回電極体と同様であり、図2に示すように、捲回電極体80を組み立てる前段階において長尺状(帯状)のシート構造を有している。
<正極シート>
正極シート10は、正長尺シート状の箔状の正極集電体12の両面に正極活物質を含む正極活物質層14が保持された構造を有している。ただし、正極活物質層14は正極シート10の幅方向の端辺に沿う一方の側縁(図では左側の側縁部分)には付着されず、正極集電体12を一定の幅にて露出させた正極活物質層非形成部16が形成されている。正極集電体12にはアルミニウム箔その他の正極に適する金属箔が好適に使用される。
本実施形態で用いられる正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることができる物質であって、充電時に負極活物質(後述する黒鉛)の層間に保持され得る電荷担体(ここではリチウム)を有する物質の一種または二種以上を使用することができる。例えば、リチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物(リチウム遷移金属酸化物)が挙げられる。該酸化物は、層状岩塩型構造、スピネル構造、およびオリビン構造の何れであってもよい。かかる酸化物の具体例としては、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等が挙げられる。
正極活物質層14は、正極活物質のほか、一般的なリチウムイオン二次電池において正極活物質層の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、導電材が挙げられる。該導電材としては、カーボン粉末(例えば、アセチレンブラック(AB))やカーボンファイバー等のカーボン材料が好ましく用いられる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いてもよい。その他、正極活物質層の成分として使用され得る材料としては、正極活物質の結着材(バインダ)として機能し得る各種のポリマー材料(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))が挙げられる。
<負極シート>
負極シート20も正極シート10と同様に、長尺シート状の箔状の負極集電体22の両面に負極活物質を含む負極活物質層24が保持された構造を有している。ただし、負極活物質層24は負極シート20の幅方向の端辺に沿う一方の側縁(図では右側の側縁部分)には付着されず、負極集電体22を一定の幅にて露出させた負極活物質層非形成部26が形成されている。負極集電体22には銅箔その他の負極に適する金属箔が好適に使用される。
本実施形態で用いられる負極活物質は、黒鉛を含んでいる。ここで開示される負極活物質層に含有される黒鉛としては、天然黒鉛または人造黒鉛を主成分とするものが好ましく、なかでも天然黒鉛がより好ましい。また、天然黒鉛、人工黒鉛等の各種黒鉛を粒子状(球状)に加工(粉砕、球状成形等)したものを使用することができる。例えば鱗片状(Flake Graphite)の黒鉛を球形化したものであり得る。上記球形化黒鉛の平均粒径は、例えば、レーザー散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布から導き出せるメジアン径(平均粒径D50:50%体積平均粒径)が凡そ1μm〜30μm(典型的には5μm〜20μm)であることが好ましい。各種黒鉛を粒子状に加工する方法としては、従来公知の方法(例えばメカノフュージョンやハイブリダイゼーション)を特に制限なく採用することができる。
負極活物質層24は、負極活物質のほか、一般的なリチウムイオン二次電池において負極活物質層の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、負極活物質の結着材(バインダ)として機能し得るポリマー材料(例えばPVDF、スチレンブタジエンゴム(SBR))、負極活物質層形成用ペーストの増粘剤として機能し得るポリマー材料(例えばカルボキシメチルセルロース(CMC))等が挙げられる。
<セパレータ>
正負極シート10、20間に配置されるセパレータ40としては、捲回電極体を備える一般的なリチウムイオン二次電池のセパレータと同様の各種多孔質シートを用いることができる。好適例として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂から成る多孔質樹脂シート(フィルム、不織布等)が挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造(例えば、PP層の両面にPE層が積層された三層構造)であってもよい。
<捲回電極体>
捲回電極体80を作製するに際しては、正極シート10と負極シート20とがセパレータ40を介して積層される。このとき、正極シート10の正極活物質層非形成部分と負極シート20の負極活物質層非形成部分とがセパレータ40の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極シート10と負極シート20とを幅方向にややずらして重ね合わせる。このように重ね合わせた積層体を捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平状の捲回電極体80が作製され得る。
捲回電極体80の捲回軸方向における中央部分には、捲回コア部分82(即ち正極シート10の正極活物質層14と負極シート20の負極活物質層24とセパレータ40とが密に積層された部分)が形成される。また、捲回電極体80の捲回軸方向の両端部には、正極シート10及び負極シート20の電極活物質層非形成部分16,26がそれぞれ捲回コア部分82から外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出し部分(すなわち正極活物質層14の非形成部分)16及び負極側はみ出し部分(すなわち負極活物質層24の非形成部分)26には、正極リード端子74及び負極リード端子76がそれぞれ付設されており、上述の正極端子70及び負極端子72とそれぞれ電気的に接続される。
<非水電解質>
そして、ケース本体52の上端開口部から該本体52内に捲回電極体80を収容するとともに、適当な非水電解質をケース本体52内に配置(注液)する。かる非水電解質は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)等を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO等のリチウム塩を好ましく用いることができる。
その後、上記開口部を蓋体54との溶接等により封止し、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の組み立てが完成する。ケース50の封止プロセスや電解質の配置(注液)プロセスは、従来のリチウムイオン二次電池の製造で行われている手法と同様でよく、本発明を特徴付けるものではない。このようにして本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の構築(組み立て)が完成する。なお、ケース本体52の封止プロセスや電解液の配置(注液)プロセスは、従来のリチウムイオン二次電池の製造で行われている手法と同様にして行うことができる。
その後、上記組み立てたリチウムイオン二次電池100に対して初期充電工程を行う。ここで初期充電工程とは、上記電池の組立(正極、負極、電解質等の電池構成要素の組立)を終えた後、初めて行う充電処理のことをいう。かかる初期充電工程は、典型的には、該電池の正極(正極端子)と負極(負極端子)の間に外部電源を接続し、所定の電圧まで常温域で充電(典型的には定電流定電圧充電)を行うとよい。初期充電を行うと、リチウム(電荷担体)が正極活物質から引き抜かれ、リチウムイオンとして電解液(電解質)中に放出される。また、該リチウムイオンが負極側に設けられた黒鉛(負極活物質)の層間に入り、吸蔵される。その際、黒鉛の層間に保持されるリチウムの量が増加する(ひいては負極電位が低下する)に従って、第4ステージ、第3ステージ、第2ステージ、第1ステージの構造変化が黒鉛に生じ得る。ここで第3ステージは、黒鉛の層間に3層おきにリチウムが挿入されるステージ(典型的には黒鉛の層間に保持されるリチウムの量が炭素18原子に対してリチウム1原子となるステージ)であり、第2ステージは、黒鉛の層間に2層おきにリチウムが挿入されるステージ(典型的には黒鉛の層間に保持されるリチウムの量が炭素12原子に対してリチウム1原子となるステージ)であり、第1ステージは、黒鉛の全層間にリチウムが挿入されるステージ(典型的には黒鉛の層間に保持されるリチウムの量が炭素6原子に対してリチウム1原子となるステージ)である。この現象は、リチウム/黒鉛半電池の電圧特性において、段階的な電圧変化を示す平坦域として観測され得る(図3の参考負極電位参照)。第2ステージから第1ステージへの移行は、例えば、負極の全容量の70%まで充電したときに生じ得る。
ここで生産効率の観点からは、充電電流密度を大きくして初期充電を時短化することが望ましい。その一方で、充電電流密度を大きくしすぎると、負極電位がリチウム析出電位まで下がるため、負極において局所的にリチウム(電荷担体)が析出する場合があり得る。本発明者は、種々実験を行った結果、初期充電を行うと、黒鉛のステージ構造によって負極電位の傾き(負極電位の低下量)が充電電流密度の大小に依存する場合と依存しない場合があることを見出した。具体的には、組立直後の未充電のリチウム/黒鉛半電池を複数用意し、種々異なった充電電流密度にて初期充電を行い、負極電位の推移を測定した。このうち、18mA/mおよび90mA/mの各充電電流密度にて初期充電を行った結果を、図3に示す。図3は初期充電時における負極電位の変化(推移)を示している。サンプル1は18mA/mで得られる負極電位の推移を、サンプル2は90mA/mで得られる負極電位の推移をそれぞれ示している。
図3に示すように、充電電流密度を18mA/m、90mA/mとした各電池は、第2ステージ〜第4ステージにおいては負極電位の傾きが電流密度(充電電流値)の大小に関係なく略同じ傾きを示した。これは、第2ステージ〜第4ステージにおいては、充電電流密度の大小にかかわらず、負極電位の傾き(ひいては負極電位の低下量)が略同じであることを意味している。すなわち、第2ステージ〜第4ステージにおいては負極電位の低下量が充電電流密度の大小に依存しないため、負極電位がリチウム析出電位(0V)以下とならないように設定された相対的に大きな第1充電電流密度で充電することで、初期充電の時短化を図ることが可能になる。
一方、第1ステージにおいては、充電電流密度の大小により負極電位の傾きに顕著な差が生じた。具体的には、充電電流密度を90mA/mとした電池は、18mA/mとした電池に比べて負極電位の傾きが増大した。これは、第1ステージにおいては、充電電流密度が大きいほど負極電位の傾き(ひいては負極電位の低下量)が大きいことを意味している。すなわち、第1ステージにおいては、負極電位の低下量が充電電流密度の大小に依存するため、負極電位がリチウム析出電位(0V)以下とならないように設定された相対的に小さな第2充電電流密度で充電することで、リチウムの析出を抑制することが可能になる。
<初期充電工程>
以上のような知見から、本実施形態における初期充電工程は、第1充電処理と第2充電処理とを含んでいる。
第1充電処理は、黒鉛に第1ステージの構造変化が生じるまでの間(換言すれば、第1ステージに移行する前、すなわち第4ステージ〜第2ステージの間)、負極電位が0V以下とならないように設定された第1充電電流密度で充電する処理である。上記第1充電処理における相対的に大きい第1充電電流密度は、初期充電を高速で行えるとともに、負極電位がリチウム析出電位(0V)以下とならないような充電電流密度に設定することが好ましい。例えば、上記相対的に大きい第1充電電流密度は、概ね90mA/m以上200mA/m以下の範囲内に設定することが望ましい。例えば、上記相対的に高い第1充電電流密度は、後述する第2充電電流密度よりも70mA/m以上(好ましくは72mA/m以上)高い電流密度に設定されていることが好ましい。このようなハイレートで初期充電を行うことで、初期充電工程の時短化を実現できる。
第2充電処理は、黒鉛に第1ステージの構造変化が生じた後(すなわち第1ステージに移行した後)、第1充電電流密度よりも小さい第2充電電流密度で充電する処理である。上記第2充電処理における相対的に小さい第2充電電流密度は、第1充電電流密度よりも小さく、かつ、負極電位がリチウム析出電位(0V)以下とならないような充電電流密度に設定することが好ましい。例えば、上記相対的に小さい第2充電電流密度は、概ね10mA/m以上18mA/m以下の範囲内に設定することが望ましい。このようなローレートで初期充電を行うことで、リチウムの析出を抑制することができる。
黒鉛に第1ステージの構造変化が生じたか否かの判断は、例えば、負極の容量監視に基づいて行うとよい。例えば、第2ステージから第1ステージへの移行は、負極の全容量の7割まで充電したときに生じ得る。この場合、電池に充電される電流を積算して負極の容量を監視するとともに、負極の容量が所定の基準値以下の場合に黒鉛に第1ステージの構造変化が生じていないと判断し、負極の容量が所定の基準値を上回った場合に黒鉛に第1ステージの構造変化が生じたと判断すればよい。例えば、図3のグラフに基づくと、上記負極容量に対する基準値は、概ね20Ah〜25Ahの負極容量の範囲内に設定することができる。
なお、ここでは便宜上、図3のグラフに基づいて、初期充電工程における各充電電流密度および負極容量に対する基準値を説明したが、かかる図3のグラフによって得られる各充電電流密度および負極容量に対する基準値は本発明を限定するものではない。例えば、充電電流密度および負極容量に対する基準値は、電池の材料(特に負極活物質の材料)、構成等によって変化し得る。このため、充電電流密度および負極容量に対する基準値は、予備試験を実施してその結果に基づいて定めるとよい。
本実施形態によると、黒鉛に第1ステージの構造変化が生じるまでの間、相対的に大きい第1充電電流密度で充電するので(第1充電処理)、従来に比して充電時間を短縮することができる。また、黒鉛に第1ステージの構造変化が生じた後は、負極電位がリチウム析出電位(0V)以下とならないように設定された相対的に小さい第2充電電流密度で充電するので(第2充電処理)、リチウムの析出を抑制することができる。従って、上記実施形態によれば、リチウムの析出を防ぎつつ、素早く初期充電を完了することができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明を以下の試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末と導電材としてのアセチレンブラック(AB)とバインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が89:3:8となるようにN−メチルピロリドン(NMP)中で混合して、正極活物質層用ペーストを調製した。この正極活物質層用ペーストを長尺シート状の正極集電体(厚さ15μm程度のアルミニウム箔)の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が設けられた正極シートを作製した。
負極活物質としての黒鉛粉末とバインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR))と増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となるように水中で混合して、負極活物質層用ペーストを調製した。この負極活物質層用ペーストを長尺シート状の負極集電体(厚さ10μm程度の銅箔)の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が設けられた負極シートを作製した。
正極シートおよび負極シートを2枚のセパレータシートを介して捲回することによって捲回電極体を作製した。そして、捲回電極体を電池ケースに収容し、電池ケースの開口部を気密に封口した。セル乾燥にて水分を除去した後、非水電解液を注液口から注液し、24時間の含浸処理を行った。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させたものを用いた。このようにしてリチウムイオン二次電池を組み立てた。かかるリチウムイオン二次電池の負極容量は28Ahであった。
<初期充電処理>
以上のようにして構築したリチウムイオン二次電池に対し、初期充電処理を行った。ここでサンプル1〜3では、初期充電処理の充電電流密度が異なる。サンプル1では、リチウムイオン二次電池に対し、10Aの電流値(18mA/mの電流密度)にて電圧が4.1Vとなるまで黒鉛にLiを吸蔵させる操作(充電)を行った。また、サンプル2では、50Aの電流値(90mA/mの電流密度)にて電圧が4.1V(終止電圧)となるまで黒鉛にLiを吸蔵させる操作(充電)を行った。また、サンプル3では、黒鉛に第1ステージの構造変化が生じるタイミングで充電電流値(充電電流密度)の切り替えを実施した。具体的には、50Aの電流値(90mA/mの電流密度)にて充電容量が20Ahとなるまで黒鉛にLiを吸蔵させる操作(第1充電処理)を行い、次いで、10Aの電流値(18mA/mの電流密度)にて電圧が4.1Vとなるまで黒鉛にLiを吸蔵させる操作(第2充電処理)を行った。各サンプル1〜3の充電時間を表1に示す。
また、初期充電処理後の電池を解体し、捲回電極体の下方側R部におけるLi析出の有無を目視にて確認した。ここでは、負極シートの最外周R部においてLi析出の有無を確認した。結果を図4(サンプル1)、図5(サンプル2)、図6(サンプル3)に示す。
また、初期充電条件を変えた場合の電池特性への影響を調べるために、高温保存試験および充放電サイクル試験を実施した。
高温保存試験は、以下のようにして行った。各サンプルのリチウムイオン二次電池に対し、SOC85%に調整した後、60℃の恒温槽に収容し、100日間の高温エージングを行った。また、試験開始から所定日数が経過した時点で電池容量を測定し、[(高温保存後電池容量)/(初期容量)]×100(%)から、高温保存後容量維持率を求めた。高温保存後容量維持率の推移を図7に示す。図7の横軸は保存日数の平方根を、縦軸は容量維持率を示している。また、100日高温保存後の容量維持率を表1に示す。
充放電サイクル試験は、以下のようにして行った。各サンプルのリチウムイオン二次電池に対し、25℃の温度条件下において、電流値2CでSOC90%まで充電した後、電流値2CでSOC20%まで放電を行う充放電サイクルを600回連続して繰り返した。その際、所定サイクルを繰り返した時点で電池容量を測定し、[(サイクル後電池容量)/(初期容量)]×100(%)から、サイクル後容量維持率を求めた。サイクル後容量維持率の推移を図8に示す。また、600回サイクル後容量維持率を表1に示す。
なお、電池容量および初期容量は、25℃の温度条件にて、電流値1Cで電圧4.1Vまで充電した後、定電圧方式で2時間充電し、かかる充電後の電池を、25℃において、電流値1Cで電圧3.0Vまで放電し、このときの放電容量を電池容量および初期容量とした。
図5および図6に示すように、充電電流密度を90mA/mとしたサンプル2では、破線で囲む領域にLiの析出が認められたが、充電電流密度を90mA/mから18mA/mへ切り替えたサンプル3はLiの析出は認められなかった。また、充電電流密度を90mA/mから18mA/mへ切り替えたサンプル3は、充電電流密度を18mA/mとしたサンプル1に比べて1.6時間の時短を達成することができた。この結果から、サンプル3の初期充電処理によれば、Liの析出を防ぎつつ、短時間で初期充電を完了し得ることが確認された。なお、何れのサンプル1〜3も高温保存後容量維持率およびサイクル後容量維持率には優位差は認められなかった。つまり、サンプル3の充電処理のように充電電流密度を途中で変更しても電池特性に影響がないことが確認された。この点からも本発明は有意義な技術であると云える。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 正極シート
12 正極集電体
14 正極活物質層
20 負極シート
22 負極集電体
24 負極活物質層
40 セパレータ
80 捲回電極体
100 リチウムイオン二次電池


Claims (1)

  1. 負極活物質としての黒鉛と、充電時に該黒鉛の層間に保持され得る電荷担体を含む正極活物質とを有する非水電解質二次電池を製造する方法であって、
    以下の工程:
    正極と負極を備える電池を構築する工程;および、
    前記電池に対して初回の充電を行う初期充電工程;
    を包含し、
    前記初期充電工程は、前記黒鉛に第1ステージの構造変化が生じるまでの間、負極電位が0V以下とならないように設定された第1充電電流密度で充電する第1充電処理と、
    前記黒鉛に第1ステージの構造変化が生じた後、前記第1充電電流密度よりも小さい第2充電電流密度で充電する第2充電処理と
    を含む、非水電解質二次電池の製造方法。











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