JP6314548B2 - 4輪駆動車 - Google Patents

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Description

本発明は、主駆動輪から副駆動輪への駆動力伝達系に、摩擦クラッチを備えた4輪駆動車に関するものである。
従来、前輪から後輪への駆動力伝達系に、噛み合いクラッチと摩擦クラッチを備えた前輪駆動ベースの4輪駆動車において、リアデファレンシャルから左後輪又は右後輪へのドライブシャフトに摩擦クラッチを配置した4輪駆動車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-370557号公報
ところで、一般的に、エンジンから排出される排気ガスは、エンジンから車両後方に延びる排気管を通って大気へと排出される。ここで、排気ガスは排気熱を有しており、この排気熱によって排気管は高温に加熱される。
一方、左後輪又は右後輪へのドライブシャフトに設けられる摩擦クラッチが、高温に加熱された排気管の近傍に配置されてしまうと、排気管の熱の影響をうけてしまうことが考えられる。
そして、摩擦クラッチが排気管からの熱影響を受けると、例えば、摩擦クラッチ内の潤滑オイルが高温になり、オイル劣化が促進されるという問題が発生する。
本発明は、上記問題に着目してなされたものであり、左右後輪いずれかへのドライブシャフトに設けた摩擦クラッチが、排気管からの熱影響を受けにくくすることができる4輪駆動車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の4輪駆動車は、左右前輪をエンジンに接続される主駆動輪とし、左右後輪を前記エンジンにクラッチを介して接続される副駆動輪とし、リアデファレンシャルと、摩擦クラッチと、排気管と、を備えている。
前記リアデファレンシャルは、前記左右後輪の間に設けられ、前記左右後輪の差動を許容する。
前記摩擦クラッチは、前記リアデファレンシャルを経由した前記左後輪又は前記右後輪へのドライブシャフトと同軸上に設けられ、クラッチ締結容量に応じて前記エンジンからの駆動力の一部を前記左右後輪へ配分する。
前記排気管は、前記エンジンから車両後方に延在されると共に、前記左右後輪の間であって、前記リアデファレンシャルの車幅方向一方側に配置される。
そして、前記摩擦クラッチを、前記リアデファレンシャルを挟んで前記排気管が配置された位置とは反対側の位置に、前記リアデファレンシャルと隣接配置する。
よって、本発明の4輪駆動車では、左右後輪の間に設けられたリアデファレンシャルの車幅方向一方側に排気管が配置され、このリアデファレンシャルを挟んで反対側の位置に摩擦クラッチが配置されている。
そのため、排気ガスによって高温に加熱される排気管と、摩擦クラッチの間にはリアデファレンシャルが存在することになり、排気管と摩擦クラッチが隣接して配置されることがなくなる。
これにより、排気管と摩擦クラッチとの間の距離を確保し、排気管から摩擦クラッチをできるだけ離すことができて、加熱されて高温になる排気管からの熱影響を摩擦クラッチが受けにくくすることができる。
実施例1の前輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動系構成を示す駆動系構成図である。 実施例1の前輪駆動ベースの4輪駆動車の制御系構成を示す制御系構成図である。 実施例1の「オートモード」選択時の車速とアクセル開度に応じた駆動モード切り替えマップを示す基本マップ図である。 実施例1の「オートモード」選択時の駆動モード(ディスコネクト2輪駆動モード・スタンバイ2輪駆動モード・コネクト4輪駆動モード)の切り替え遷移を示す駆動モード遷移図である。 実施例1の前輪駆動ベースの4輪駆動車の他の例の駆動系構成を示す駆動系構成図である。 実施例2の4輪駆動車の駆動系構成を示す駆動系構成図である。 実施例2の4輪駆動車の他の例の駆動系構成を示す駆動系構成図である。
以下、本発明の4輪駆動車を実施するための形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1における前輪駆動ベースの4輪駆動車の構成を、「4輪駆動車の駆動系構成」、「4輪駆動車の制御系構成」、「駆動モード切り替え構成」に分けて説明する。
[4輪駆動車の駆動系構成]
図1は、実施例1の前輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動系構成を示す。以下、図1に基づき、実施例1の4輪駆動車の駆動系構成を説明する。
前記4輪駆動車の前輪駆動系は、図1に示すように、横置きのエンジン1と、変速機2と、フロントデファレンシャル3と、左前輪ドライブシャフト4と、右前輪ドライブシャフト5と、左前輪6(主駆動輪)と、右前輪7(主駆動輪)と、を備えている。
すなわち、エンジン1及び変速機2を経過した駆動力は、フロントデファレンシャル3を介して左右前輪ドライブシャフト4,5に伝達され、差動を許容しながら主駆動輪である左右前輪6,7を常時駆動する。
前記エンジン1は、車幅方向に延びるクランクシャフトを有する横置き型のレシプロエンジンである。このエンジン1は、車両後方に面した後面1aに車両後方に延在される排気管1bが接続されている。
前記排気管1bは、エンジン1の後面1aから車両中心軸に沿って延び、途中位置がクランク状に屈曲して後部が右後輪20に近接するようオフセットしている。また、この排気管1bは、下流端に排気口1cが形成され、この排気口1cが形成された下流端の近傍位置に消音装置であるマフラー1dを設けている。
前記マフラー1dは、左右後輪19,20の間であって、後述するリアデファレンシャル15の車幅方向一方側、ここでは右後輪20側に配置されている。すなわち、マフラー1dは、リアデファレンシャル15と右後輪20の間に配置されている。
前記4輪駆動車の後輪駆動系は、図1に示すように、ドグクラッチ8(噛み合いクラッチ)と、ベベルギア9と、出力ピニオン10と、後輪出力軸11と、プロペラシャフト12と、ドライブピニオン13と、リングギア14と、リアデファレンシャル15と、電制カップリング16(摩擦クラッチ)と、左後輪ドライブシャフト17と、右後輪ドライブシャフト18と、左後輪19(副駆動輪)と、右後輪20(副駆動輪)と、を備えている。なお、図1中、21は自在継手である。
すなわち、前記4輪駆動車の後輪駆動系は、ドグクラッチ8と電制カップリング16を共に解放することで、副駆動輪である左右後輪19,20をエンジン1から切り離した2輪駆動走行(=ディスコネクト2輪駆動モード)と、ドグクラッチ8と電制カップリング16を共に締結することで、副駆動輪である左右後輪19,20をエンジン1に接続した4輪駆動走行(=コネクト4輪駆動モード)と、を選択することが可能な駆動系構成としている。なお、ドグクラッチ8を解放することにより、ドグクラッチ8より下流側の駆動系回転(プロペラシャフト12等の回転)を停止することができ、フリクション損失やオイル攪拌損失などが抑えられ、燃費向上が達成される。
前記ドグクラッチ8は、左右前輪6,7から左右後輪19,20への駆動分岐位置に設けられ、クラッチ解放により左右後輪19,20への駆動力伝達系を、左右前輪6,7への駆動力伝達系から切り離す噛み合いクラッチである。ドグクラッチ8の入力側噛み合い部材(不図示)は、フロントデファレンシャル3のデフケースに連結され、ドグクラッチ8の出力側噛み合い部材(不図示)は、ベベルギア9に連結されている。このドグクラッチ8とベベルギア9と出力ピニオン10と後輪出力軸11の一部は、フロントデフハウジング22の隣接位置に固定されたトランスファケース23に内蔵されている。
このドグクラッチ8としては、例えば、一対の噛み合い部材のうち一方を固定部材とし他方を可動部材とし、固定部材と可動部材との間に締結方向に付勢するバネ(不図示)を設け、可動部材の外周にソレノイドピン(不図示)と嵌合可能なネジ溝(不図示)が形成されたものを用いる。このドグクラッチ8は、ネジ溝に対しソレノイドピンを突出させて嵌合すると、可動部材が回転しながら解放方向にストロークし、ストローク量が所定量を超えることで、噛み合い締結を解放する。一方、ネジ溝に対するソレノイドピンの嵌合を解除すると、バネ付勢力により固定部材に向かって可動部材が締結方向にストロークし、両者の歯部が噛み合って締結する。
前記電制カップリング16は、ドグクラッチ8よりも下流位置(ドグクラッチ8から副駆動輪、ここでは左右後輪19,20の間の位置)に設けられ、クラッチ締結容量に応じてエンジン1からの駆動力の一部を左右後輪19,20へ配分する摩擦クラッチである。電制カップリング16の入力側クラッチプレート(不図示)は、クラッチ入力軸(不図示)を介してリアデファレンシャル15の左サイドギアに連結されている。また電制カップリング16の出力側クラッチプレート(不図示)は、クラッチ出力軸(不図示)を介して左後輪ドライブシャフト17に連結されている。すなわち、この電制カップリング16は、左右後輪19,20の差動を許容するリアデファレンシャル15を経由した左後輪19への左後輪ドライブシャフト17に設けられている。さらに、この電制カップリング16は、リアデファレンシャル15を収納したリアデフハウジング24の隣接位置に固定されたカップリングケース25(クラッチケース)に収納されている。
この電制カップリング16としては、例えば、入力側クラッチプレートと出力側クラッチプレートを交互に複数配置した多板摩擦クラッチと、対向するカム面を有する固定カムピストン(不図示)及び可動カムピストン(不図示)と、対向するカム面間に介装されたカム部材(不図示)と、を有するものを用いる。電制カップリング16の締結は、電動モータ(不図示)が可動カムピストンを回転させることで生じるピストン間隔を拡大するカム作用により、可動カムピストンが回転角に応じてクラッチ締結方向にストロークし、多板摩擦クラッチの摩擦締結力を増すことで行う。電制カップリング16の解放は、電動モータが可動カムピストンを締結方向とは逆方向に回転させることで生じるピストン間隔を縮小するカム作用により、可動カムピストンが回転角に応じてクラッチ解放方向にストロークし、多板摩擦クラッチの摩擦締結力を減じることで行う。
前記リアデフハウジング24は、リアデファレンシャル15に加え、ドライブピニオン13、リングギア14を収納する筐体である。このリアデフハウジング24は、左後輪19に対向する第1側面24aと、右後輪20に対向する第2側面24bと、を有している。第1側面24a及び第2側面24bには、それぞれカップリングケース25を固定可能な取付面部24cと、取付面部24cに形成されたボス部24dと、からなる固定構造が形成されている。
前記取付面部24cは、カップリングケース25の後述するフランジ部25aが接触する平坦面であり、第1側面24a及び第2側面24bの周縁部に形成されている。
前記ボス部24dは、内周面にメネジ溝が形成された中空円筒状の突起(ナット)であり、取付面部24cを軸方向に貫通している。
前記カップリングケース25は、電制カップリング16を収納する筐体である。このカップリングケース25は、取付面部24cに当接するフランジ部25aが周縁部に形成され、さらに、このフランジ部25aには、ボス部24dに対向する複数の取付穴25bが形成されている。
そして、取付穴25bに挿入されたネジNがボス部24dに螺合し、カップリングケース25がリアデフハウジング24の第1側面24aに固定されている。
[4輪駆動車の制御系構成]
図2は、実施例1の前輪駆動ベースの4輪駆動車の制御系構成を示す。以下、図2に基づき、4輪駆動車の制御系構成を説明する。
前記4輪駆動車の制御系は、図2に示すように、エンジンコントロールモジュール31(図2では「ECM」と示す)と、変速機コントロールモジュール32(図2では「TCM」と示す)と、ABSアクチュエータコントロールユニット33(図2では「ABSアクチュエータC/U」と示す)と、4WDコントロールユニット34(図2では「4WDC/U」と示す)と、を備えている。
前記エンジンコントロールモジュール31は、エンジン1の制御ディバイスであり、エンジン回転数センサ35やアクセル開度センサ36等からの検出信号を入力する。このエンジンコントロールモジュール31からは、CAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し、エンジン回転数情報やアクセル開度情報(ACC情報)が入力される。
前記変速機コントロールモジュール32は、変速機2の制御ディバイスであり、変速機入力回転数センサ38や変速機出力回転数センサ39等からの検出信号を入力する。この変速機コントロールモジュール32からは、CAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し、ギアレシオ情報(ギア比情報)が入力される。
前記ABSアクチュエータコントロールユニット33は、各輪のブレーキ液圧を制御するABSアクチュエータ(不図示)の制御ディバイスであり、ヨーレートセンサ40や横Gセンサ41や前後Gセンサ42や車輪速センサ43,44,45,46等からの検出信号を入力する。このABSアクチュエータコントロールユニット33からは、CAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し、ヨーレート情報や横G情報や前後G情報や各輪の車輪速情報が入力される。なお、上記情報以外に、ステアリング舵角センサ47から舵角情報が、CAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し入力される。
前記4WDコントロールユニット34は、ドグクラッチ8と電制カップリング16の締結/解放を制御する制御ディバイスであり、各種入力情報に基づいて演算処理を行う。
そして、この4WDコントロールユニット34は、ドグクラッチアクチュエータ48(ソレノイドピン)と電制カップリングアクチュエータ49(電動モータ)に駆動制御指令を出力する。ここで、CAN通信線37以外からの入力情報源として、駆動モード選択スイッチ50、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキスイッチ51、リングギア回転数センサ52、ドグクラッチストロークセンサ53、モータ回転角度センサ54等を有する。
前記駆動モード選択スイッチ50は、「2WDモード」と「ロックモード」と「オートモード」をドライバーが切り替え選択するスイッチである。「2WDモード」が選択されると、ドグクラッチ8と電制カップリング16を解放した前輪駆動の2WD状態(2輪駆動走行)が維持される。「ロックモード」が選択されると、ドグクラッチ8と電制カップリング16を締結した完全4WD状態(4輪駆動走行)が維持される。さらに、「オートモード」が選択されると、車両状態(車速、アクセル開度)に応じてドグクラッチ8と電制カップリング16の締結/解放が自動制御され、駆動モードが自動的に切り替えられる。
ここで、「オートモード」には、燃費向上を重視する際に選択する「エコオートモード」と、4輪駆動性能を重視する際に選択する「スポーツオートモード」の選択肢があり、ドグクラッチ8を締結し、電制カップリング16を解放するスタンバイ2輪駆動モードにおける電制カップリング16の状態が選択モードにより異なる。
つまり、「エコオートモード」の選択時には、スタンバイ2輪駆動モード中、電制カップリング16を完全解放状態にして待機する。これに対し、「スポーツオートモード」の選択時には、スタンバイ2輪駆動モード中、電制カップリング16を締結直前の解放状態にして待機する。なお、この「エコオートモード」と「スポーツオートモード」は、ドライバーによって任意に選択される。
そして、「完全解放状態」とは、電制カップリング16の入力側クラッチプレートと出力側クラッチプレートを離間させ、可動カムピストンをクラッチ締結側にストロークさせた直後では両プレートが全く接触せず、クラッチ締結容量が発生しない状態である。また、「締結直前の解放状態」とは、クラッチ締結容量はゼロであるものの、入力側クラッチプレートと出力側クラッチプレートはごく僅かに接触しており、可動カムピストンを少しでもクラッチ締結側にストロークさせると直ちにクラッチ締結容量が発生する状態である。
前記リングギア回転数センサ52は、ドグクラッチ8の出力回転数情報を取得するためのセンサであり、リングギア回転数検出値に、リア側ギア比とフロント側ギア比を演算に考慮することで、ドグクラッチ8の出力回転数を演算する。なお、ドグクラッチ8の入力回転数情報は、エンジン回転数とギアレシオとファイナルギア比を用いた演算により取得する。
[駆動モード切り替え構成]
図3は、実施例1の「オートモード」選択時の車速とアクセル開度に応じた駆動モード切り替えマップを示し、図4は、駆動モード(ディスコネクト2輪駆動モード・スタンバイ2輪駆動モード・コネクト4輪駆動モード)の切り替え遷移を示す。以下、図3及び図4に基づき、駆動モード切り替え構成を説明する。
実施例1において、「オートモード」が選択されたときの駆動モードは、ディスコネクト2輪駆動モード(Disconnect)と、スタンバイ2輪駆動モード(Stand-by)と、コネクト4輪駆動モード(Connect)と、を有している。そして、この3つの駆動モードは、車速(VSP)と、ドライバーの要求駆動力を表すアクセル開度(ACC)と、図3に示す駆動モード切替マップに基づき、4WDコントロールユニット34によって相互に切り替えられる。
前記駆動モード切り替えマップは、図3に示すように、車速とアクセル開度に応じて、ディスコネクト2輪駆動モード(図3において「差回転制御領域(Disconnect)」と示す)と、スタンバイ2輪駆動モード(図3において「差回転制御領域(Stand-by)」と示す)と、コネクト4輪駆動モード(図3において「駆動力配分領域(Connect)」と示す)と、を分けた設定としている。
この3つの駆動モードは、アクセル開度ゼロで設定車速VSP0の基点aから車速の上昇に比例してアクセル開度が上昇する領域区分線Aと、領域区分線Aとの交点bから高車速側に引いた一定アクセル開度ACC0の領域区分線Bと、により分けている。
前記ディスコネクト2輪駆動モード(差回転制御領域(Disconnect))は、アクセル開度が設定開度ACC0以下であって、アクセル開度がゼロの車速軸線と領域区分線Aと領域区分線Bにより囲まれる領域に設定している。すなわち、高車速域であってもアクセル開度が設定開度ACC0以下(ドライバーの要求駆動力が低い)であるため、駆動スリップによる左右前輪6,7と左右後輪19,20の差回転発生頻度が極めて小さいと共に、駆動スリップが発生してもスリップが緩増する4輪駆動性能の要求が低い領域に設定している。
前記スタンバイ2輪駆動モード(差回転制御領域(Stand-by))は、アクセル開度が設定開度ACC0を超えていて、領域区分線Aと領域区分線Bにより囲まれる領域に設定している。つまり、高車速域であって、アクセル開度が設定開度ACC0を超えている(ドライバーの要求駆動力が高い)ため、4輪駆動性能の要求が低いものの、駆動スリップにより左右前輪6,7と左右後輪19,20の差回転が発生すると、スリップが急増する可能性が高い領域に設定している。
前記コネクト4輪駆動モード(駆動力配分領域(Connect))は、車速がゼロのアクセル開度軸線と、アクセル開度がゼロの車速軸線と、領域区分線Aと、により囲まれる領域に設定している。つまり、発進時や車速が低い(低車速域)もののアクセル開度が高い高負荷走行等のように、4輪駆動性能の要求が高い領域に設定している。
前記ディスコネクト2輪駆動モードが選択されると、図4の枠線C内に示すように、ドグクラッチ8と電制カップリング16が共に解放された「2WD走行(Disconnect)」になる。このディスコネクト2輪駆動モードでは、基本的に左右前輪6,7にのみ駆動力を伝達しての前輪駆動の2輪駆動走行(以下「2WD走行」という)が維持される。しかし、前輪駆動の2WD走行中に左右前輪6,7に駆動スリップが発生し、駆動スリップ量(又は駆動スリップ率)が閾値を超えると、電制カップリング16を摩擦締結する。その後、回転同期状態が判定されるとドグクラッチ8を噛み合い締結して、4輪駆動走行(以下、「4WD走行」という)にする。これにより、左右後輪19,20にも駆動力を配分して駆動スリップを抑える差回転制御が行われる。
前記スタンバイ2輪駆動モードが選択されると、図4の枠線D内に示すように、ドグクラッチ8を締結し、電制カップリング16を解放する「2WD走行(Stand-by)」になる。このスタンバイ2輪駆動モードでは、ドグクラッチ8を噛み合い締結しているものの基本的に左右前輪6,7にのみ駆動力を伝達しての前輪駆動の2WD走行が維持される。しかし、前輪駆動の2WD走行中に左右前輪6,7に駆動スリップが発生し、駆動スリップ量(又は駆動スリップ率)が閾値を超えると、予めドグクラッチ8が噛み合い締結されているため、電制カップリング16の摩擦締結のみを行う。この電制カップリング16の摩擦締結により、応答良く左右後輪19,20に駆動力を配分することで、駆動スリップを抑える差回転制御が行われる。
前記コネクト4輪駆動モードが選択されると、図4の枠線E内に示すように、ドグクラッチ8と電制カップリング16が共に締結された「4WD走行(Connect)」になる。このコネクト4輪駆動モードでは、基本的に左右前輪6,7と左右後輪19,20に対して路面状況に合わせた最適の駆動力配分(例えば、発進時の前後輪等配分制御)とする駆動力配分制御が行われる。但し、駆動力配分制御中に、ステアリング舵角センサ47やヨーレートセンサ40や横Gセンサ41や前後Gセンサ42からの情報により、車両の旋回状態が判断されると、電制カップリング16の締結容量を低下させてタイトコーナーブレーキング現象を抑える制御が行われる。
前記ディスコネクト2輪駆動モード(2WD走行(Disconnect))と、スタンバイ2輪駆動モード(2WD走行(Stand-by))と、コネクト4輪駆動モード(4WD走行(Connect))の切り替え遷移は、車速とアクセル開度により決まる動作点が、図3に示す領域区分線Aや領域区分線Bを横切るときに出力される切り替え要求により行われる。各駆動モードの切り替え遷移速度については、4WD要求に応える駆動モードへの遷移速度を、燃費要求に応えるディスコネクト2輪駆動モードへの遷移速度に対して優先するように決めている。
すなわち、2WD走行(Disconnect)→2WD走行(Stand-by)の切り替え遷移速度(図4の矢印F)に対し、2WD走行(Stand-by)→2WD走行(Disconnect)の切り替え遷移速度(図4の矢印G)を遅くしている。同様に、2WD走行(Disconnect)→4WD走行(Connect)の切り替え遷移速度(図4の矢印H)に対し、4WD走行(Connect)→2WD走行(Disconnect)の切り替え遷移速度(図4の矢印I)を遅くしている。一方、2WD走行(Stand-by)→4WD走行(Connect)の切り替え遷移速度(図4の矢印J)と、4WD走行(Connect)→2WD走行(Stand-by)の切り替え遷移速度(図4の矢印K)は、同じ速い速度にしている。
また、「遷移速度」とは、切り替え要求が発生してから遷移完了までの時間である。ここでは、この遷移速度が遅い場合(矢印G、矢印I)には、切り替え要求出力後所定時間が経過してからモード遷移制御を開始する。また、遷移速度が速い場合(矢印F、矢印H、矢印J、矢印K)には、切り替え要求出力後直ちにモード遷移制御を開始する。
次に、実施例1の4輪駆動車における作用を、「カップリング受熱影響低減作用」、「カップリングレイアウト自由度向上作用」、「カップリング設置スペース縮小作用」に分けて説明する。
[カップリング受熱影響低減作用]
実施例1の4輪駆動車では、エンジン1の運転により排出される排気ガスは、排気管1bを通って大気へと排出されるが、この排気管1bの途中に設けられた触媒(図示せず)を通ることで炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分が浄化された後、マフラー1dに入って消音される。このとき、排気管1b及びマフラー1dは、排気ガスの排気熱や触媒の反応熱により高温に加熱される。
これに対し、実施例1では、図1に示すように、左右後輪19,20の間にリアデファレンシャル15を配置し、このリアデファレンシャル15と右後輪20の間にマフラー1dを配置したときには、リアデファレンシャル15と左後輪19の間に電制カップリング16を配置している。また、図5に示すように、リアデファレンシャル15と左後輪19の間にマフラー1dを配置したときには、リアデファレンシャル15と右後輪20の間に電制カップリング16を配置している。
すなわち、マフラー1dと電制カップリング16は、それぞれ左右後輪19,20の間であって、リアデファレンシャル15を挟んで互いに反対側の位置に配置されている。
これにより、マフラー1dと電制カップリング16の間にリアデファレンシャル15が存在することになり、このマフラー1dと電制カップリング16が隣接することはない。そのため、マフラー1dと電制カップリング16間の距離を確保し、電制カップリング16が加熱されて高温になったマフラー1dからの熱影響を受けにくくすることができる。
この結果、例えば、電制カップリング16内の潤滑オイルが高温になることを防止でき、オイル劣化の促進を抑えることができる。また、電制カップリング16内のクラッチプレートの劣化も抑制することができる。
さらに、実施例1では、排気管1bの下流端近傍位置に設けたマフラー1dを、リアデファレンシャル15の車幅方向一方側に配置しており、このマフラー1dと電制カップリング16を、リアデファレンシャル15を挟んで互いに反対側に配置するようにしている。
そのため、マフラー1dを排気管1bの下流端近傍位置に設けると共に、電制カップリング16がこのマフラー1dからの熱影響を受けることを防止できる。
つまり、電制カップリング16が熱影響を受けることを防止しつつ、一般的なマフラー1dの配置位置を確保することができ、排気管1bの設計変更を不要とすることができる。
[カップリングレイアウト自由度向上作用]
実施例1の4輪駆動車では、電制カップリング16をカップリングケース25に収納している。これに対し、リアデファレンシャル15をリアデフハウジング24に収納すると共に、このリアデフハウジング24は、左後輪19に対向する第1側面24aと、右後輪20に対向する第2側面24bのいずれにも、カップリングケース25を固定可能な固定構造(取付面部24c、ボス部24d)が形成されている。
そのため、マフラー1dの位置に対応して電制カップリング16の位置を変える場合であっても、リアデフハウジング24の形状変形を必要とせず、電制カップリング16のレイアウト自由度を向上することができる。また、電制カップリング16の位置に拘らず部品の共用化を図ることができ、コスト低減を図ることもできる。
すなわち、図1に示すように、マフラー1dをリアデファレンシャル15と右後輪20の間に配置した場合には、電制カップリング16をリアデファレンシャル15と左後輪19の間に配置する。このとき、カップリングケース25はリアデフハウジング24の第1側面24aに固定される。つまり、取付穴25bにネジNを挿入し、このネジNを第1側面24aに形成されたボス部24dに螺合することで、カップリングケース25のフランジ部25aが第1側面24aに形成された取付面部24cに締め付け固定され、カップリングケース25がリアデフハウジング24の第1側面24aに固定される。
そして、車種やレイアウトの変更によって、図5に示すように、マフラー1dをリアデファレンシャル15と左後輪19の間に配置した場合には、マフラー1dからの熱影響を避けるために、電制カップリング16をリアデファレンシャル15を挟んでマフラー1dと反対側の位置に配置する。つまり、この電制カップリング16は、リアデファレンシャル15と右後輪20の間に配置される。
この場合では、取付穴25bにネジNを挿入し、このネジNを第2側面24bに形成されたボス部24dに螺合することで、カップリングケース25のフランジ部25aが、第2側面24bの取付面部24cに締め付け固定され、カップリングケース25がリアデフハウジング24の第2側面24bに固定される。
このように、リアデフハウジング24の第1側面24aと第2側面24bのいずれにも固定構造(取付面部24c、ボス部24d)が形成されているため、リアデフハウジング24の形状変形を行うことなく、カップリングケース25を第1側面24a或いは第2側面24bにそれぞれ固定することができる。これにより、電制カップリング16のレイアウトを容易に変更することができ、電制カップリング16のレイアウト自由度を向上することができる。
[カップリング設置スペース縮小作用]
実施例1のカップリングケース25は、リアデファレンシャル15を収納したリアデフハウジング24に固定されており、リアデファレンシャル15と電制カップリング16は隣接配置されている。
これにより、リアデファレンシャル15と電制カップリング16の間に無駄な空間がなくなり、電制カップリング16の設置スペースを小さくすることができる。
そして、この実施例1では、後輪駆動系に左右前輪6,7から左右後輪19,20への駆動分岐位置に設けられ、クラッチ解放により左右後輪19,20への駆動力伝達系を、左右前輪6,7への駆動力伝達系から切り離すドグクラッチ8を備えている。
そのため、ドグクラッチ8と電制カップリング16を共に解放することで、副駆動輪である左右後輪19,20をエンジン1から切り離した2輪駆動走行(=ディスコネクト2輪駆動モード)を選択することができる。そしてこのディスコネクト2輪駆動モードでは、ドグクラッチ8より下流側の駆動系回転(プロペラシャフト12等の回転)が停止することになり、フリクション損失やオイル攪拌損失などが抑えられ、燃費向上を達成することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の4輪駆動車にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 左右前輪6,7をエンジン1に接続される主駆動輪とし、左右後輪19,20を前記エンジン1にクラッチを介して接続される副駆動輪とし、
前記左右後輪19,20の間に設けられ、前記左右後輪19,20の差動を許容するリアデファレンシャル15と、
前記リアデファレンシャル15を経由した前記左後輪19へのドライブシャフト(左後輪ドライブシャフト17)に設けられ、クラッチ締結容量に応じて前記エンジン1からの駆動力の一部を前記左右後輪19,20へ配分する摩擦クラッチ(電制カップリング16)と、
前記エンジン1から車両後方に延在されると共に、前記左右後輪19,20の間であって、前記リアデファレンシャル15の車幅方向一方側に配置される排気管1bと、を備え、
前記摩擦クラッチ(電制カップリング16)を、前記リアデファレンシャル15を挟んで前記排気管1bが配置された位置とは反対側の位置に配置する構成とした。
これにより、左後輪ドライブシャフト17に設けた摩擦クラッチ(電制カップリング16)が、排気管1bからの熱影響を受けにくくすることができる。
(2) 前記摩擦クラッチ(電制カップリング16)を、クラッチケース(カップリングケース25)に収納し、
前記リアデファレンシャル15を、前記左後輪19に対向する第1側面24aと、前記右後輪20に対向する第2側面24bのいずれにも前記クラッチケース(カップリングケース25)を固定可能な固定構造(取付面部24c、ボス部24d)が形成されたリアデフハウジング24に収納する構成とした。
これにより、上記(1)の効果に加え、ドライブシャフトに設けた摩擦クラッチ(電制カップリング16)の設置スペースを小さくしつつ、摩擦クラッチ(電制カップリング16)のレイアウト自由度の向上を図ることができる。
(3) 前記排気管1bは、下流端近傍位置にマフラー1dを有すると共に、前記マフラー1dを前記リアデファレンシャル15の車幅方向一方側に配置する構成とした。
これにより、上記(1)又は(2)の効果に加え、電制カップリング16が熱影響を受けることを防止しつつ、一般的なマフラー1dの配置位置を確保することができ、排気管1bの設計変更を不要とすることができる。
(4) 前記左右前輪6,7から前記左右後輪19,20への駆動分岐位置に設けられ、クラッチ解放により前記左右後輪19,20への駆動力伝達系を、前記左右前輪6,7への駆動力伝達系から切り離す噛み合いクラッチ(ドグクラッチ8)を備える構成とした。
これにより、上記(1)〜(3)の何れかの効果に加え、ドグクラッチ8と電制カップリング16を共に解放するディスコネクト2輪駆動モードを選択することができ、ドグクラッチ8より下流側の駆動系回転(プロペラシャフト12等の回転)を停止して、フリクション損失やオイル攪拌損失などを抑え、燃費向上を達成することができる。
(実施例2)
実施例2の4輪駆動車は、摩擦クラッチが設けられるドライブシャフトの長さによって、摩擦クラッチの配置位置を異ならせた例である。
図6は、実施例2の前輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動系構成を示す駆動系構成図であり、図7は、実施例2の前輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動系構成の他の例を示す駆動系構成図である。以下、図6及び図7に基づき、実施例2の4輪駆動車の駆動系構成を説明する。なお、実施例1と同等の構成については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
実施例2の4輪駆動車では、図6に示すように、プロペラシャフト12が車両中心軸線に対して傾斜しており、リアデファレンシャル15は、車幅方向中央位置よりも左後輪19側にオフセットして配置されている。
すなわち、リアデファレンシャル15から左後輪19までの左後輪ドライブシャフト17の長さL1は、リアデファレンシャル15から右後輪20までの右後輪ドライブシャフト18の長さL2よりも短くなっている。
これに対し、電制カップリング16は、比較的長くなっている右後輪ドライブシャフト18に設けられており、この電制カップリング16を収納したカップリングケース25は、リアデフハウジング24の第2側面24bに固定されている。つまり、取付穴25bにネジNを挿入し、このネジNを第2側面24bに形成されたボス部24dに螺合することで、フランジ部25aが取付面部24cに締め付け固定され、カップリングケース25がリアデフハウジング24の第2側面24bに固定される。
そしてこれにより、駆動系のねじり剛性が作用する右後輪ドライブシャフト18は、電制カップリング16から右後輪20までの部分になる。
そのため、駆動系のねじり剛性が作用する右後輪ドライブシャフト18の長さを、電制カップリング16を設けない場合よりも短くすることができ、左後輪ドライブシャフト17に作用する駆動系のねじり剛性とのバランスを向上することができる。
これにより、トルクがかかったときに左右後輪19,20に働く駆動力のずれを抑制し、ハンドルがとられるトルクステア現象を抑えることができる。
また、図7に示すように、リアデファレンシャル15が、車幅方向中央位置よりも右後輪20側にオフセットして配置されている場合には、リアデファレンシャル15から右後輪20までの右後輪ドライブシャフト18の長さL2は、リアデファレンシャル15から左後輪19までの左後輪ドライブシャフト17の長さL1よりも短くなっている。
この場合では、電制カップリング16を、比較的長くなっている左後輪ドライブシャフト17に設け、この電制カップリング16を収納したカップリングケース25を、リアデフハウジング24の第1側面24aに固定する。つまり、取付穴25bにネジNを挿入し、このネジNを第1側面24aに形成されたボス部24dに螺合することで、フランジ部25aが取付面部24cに締め付け固定され、カップリングケース25がリアデフハウジング24の第1側面24aに固定される。
そしてこれにより、駆動系のねじり剛性が作用する左後輪ドライブシャフト17は、電制カップリング16から左後輪19までの部分になる。
そのため、駆動系のねじり剛性が作用する左後輪ドライブシャフト17の長さを、電制カップリング16を設けない場合よりも短くすることができ、右後輪ドライブシャフト18に作用する駆動系のねじり剛性とのバランスを向上することができる。
これにより、トルクがかかったときに左右後輪19,20に働く駆動力のずれを抑制し、ハンドルがとられるトルクステア現象を抑えることができる。
そして、この実施例2においても、マフラー1dと電制カップリング16を、それぞれ左右後輪19,20の間であって、リアデファレンシャル15を挟んで互いに反対側の位置に配置したことで、電制カップリング16がマフラー1dからの熱影響を受けにくくすることができる。
また、実施例2においても、カップリングケース25を固定するリアデフハウジング24が第1,第2側面24a,24bのいずれにも固定構造(取付面部24c、ボス部24d)を有している。このため、左右後輪ドライブシャフト17,18の長さに応じて電制カップリング16の配置位置を容易に変更することができ、この電制カップリングのレイアウト自由度を向上することができる。
すなわち、実施例2の4輪駆動車にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(5) 前記リアデファレンシャル15から前記左後輪19までのドライブシャフト(左後輪ドライブシャフト17)の長さL1と、前記リアデファレンシャル15から前記右後輪20までのドライブシャフト(右後輪ドライブシャフト18)の長さL2のうち、いずれか一方の長さを長く設定し、
前記摩擦クラッチ(電制カップリング16)を、前記左後輪19へのドライブシャフト(左後輪ドライブシャフト17)と前記右後輪20へのドライブシャフト(右後輪ドライブシャフト18)のうち、長い方のドライブシャフトに設ける構成とした。
これにより、左右のドライブシャフト17,18に作用する駆動系ねじり剛性のバランスを向上し、左右後輪19,20に働く駆動力のずれを抑制して、ハンドルがとられるトルクステア現象を抑えることができる。
以上、本発明の4輪駆動車を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ドグクラッチ8を副駆動輪である左右後輪19,20への駆動分岐位置に設けたベベルギア9より上流位置(ベベルギア9と駆動源であるエンジン1との間の位置)に配置する例を示したが、これに限らない。
例えば、ドグクラッチ8をベベルギア9とプロペラシャフト12の間に配置してもよい。
さらに、ドグクラッチ8は、油圧により駆動するシフトフォークを用いて解放/締結がなされる噛み合いクラッチによって構成してもよい。また、電制カップリング16は、油圧により多板クラッチを解放/締結する油圧式摩擦クラッチによって構成してもよい。
実施例1では、駆動源としてエンジン1のみを有する4輪駆動車に適用する例を示したが、駆動源としてエンジンを有していればよいので、エンジンとモータを有するハイブリッド車両に対しても適用することができる。
1 エンジン
1a 後面
1b 排気管
1c 排気口
1d マフラー
2 変速機
3 フロントデファレンシャル
6 左前輪(主駆動輪)
7 右前輪(主駆動輪)
8 ドグクラッチ(噛み合いクラッチ)
12 プロペラシャフト
15 リアデファレンシャル
16 電制カップリング(摩擦クラッチ)
19 左後輪(副駆動輪)
20 右後輪(副駆動輪)
24 リアデフハウジング
24a 第1側面
24b 第2側面
24c 取付面部(取付構造)
24d ボス部(取付構造)
25 カップリングケース(クラッチケース)
25a フランジ部
25b 取付穴
31 エンジンコントロールモジュール
32 変速機コントロールモジュール
33 ABSアクチュエータコントロールユニット
34 4WDコントロールユニット
N ネジ

Claims (5)

  1. 左右前輪をエンジンに接続される主駆動輪とし、左右後輪を前記エンジンにクラッチを介して接続される副駆動輪とし、
    前記左右後輪の間に設けられ、前記左右後輪の差動を許容するリアデファレンシャルと、
    前記リアデファレンシャルを経由した前記左後輪又は前記右後輪へのドライブシャフトと同軸上に設けられ、クラッチ締結容量に応じて前記エンジンからの駆動力の一部を前記左右後輪へ配分する摩擦クラッチと、
    前記エンジンから車両後方に延在されると共に、前記左右後輪の間であって、前記リアデファレンシャルの車幅方向一方側に配置される排気管と、を備え、
    前記摩擦クラッチを、前記リアデファレンシャルを挟んで前記排気管が配置された位置とは反対側の位置に、前記リアデファレンシャルと隣接配置する
    ことを特徴とする4輪駆動車。
  2. 請求項1に記載された4輪駆動車において、
    前記摩擦クラッチを、クラッチケースに収納し、
    前記リアデファレンシャルを、前記左後輪に対向する第1側面と、前記右後輪に対向する第2側面のいずれにも前記クラッチケースを固定可能な固定構造が形成されたリアデフハウジングに収納する
    ことを特徴とする4輪駆動車。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された4輪駆動車において、
    前記リアデファレンシャルから前記左後輪までのドライブシャフトの長さと、前記リアデファレンシャルから前記右後輪までのドライブシャフトの長さのうち、いずれか一方の長さを長く設定し、
    前記摩擦クラッチを、前記左後輪へのドライブシャフトと前記右後輪へのドライブシャフトのうち、長い方のドライブシャフトに設ける
    ことを特徴とする4輪駆動車。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された4輪駆動車において、
    前記排気管は、下流端近傍位置にマフラーを有すると共に、前記マフラーを前記リアデファレンシャルの車幅方向一方側に配置する
    ことを特徴とする4輪駆動車。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された4輪駆動車において、
    前記左右前輪から前記左右後輪への駆動分岐位置に設けられ、クラッチ解放により前記左右後輪への駆動力伝達系を、前記左右前輪への駆動力伝達系から切り離す噛み合いクラッチを備える
    ことを特徴とする4輪駆動車。
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