JP2007137124A - 車両の制御装置 - Google Patents

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昭広 藤井
Mitsuru Oba
充 大葉
Michiaki Nakao
道彰 中尾
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伸一 竹内
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Abstract

【課題】手動変速機の変速時において駆動系(ドライブライン)で発生する異音を抑制する。
【解決手段】ECUは、トランスミッションの変速段が1速もしくは2速であるか否かを判別するステップ(S200)と、トランスミッションの変速段が1速もしくは2速であると(S200にてYES)、トランスミッションと後輪との間に設けられ、前輪と後輪との回転数差を制限する電子制御カップリングを、駆動力(トルク)を伝達するように制御するステップ(S700)とを含むプログラムを実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は車両の制御装置に関し、特に、変速機から前輪および後輪にトルクが伝達されることにより走行可能な車両を制御する技術に関する。
従来より、前輪および後輪にトルクを伝達して走行する4輪駆動車がある。この4輪駆動車には、油圧等を用いてトルクの伝達量を変更可能な電子制御カップリングにより前輪と後輪との差動制限を行なうものがある。前輪もしくは後輪に対して電子制御カップリングからトルクが伝達されて前輪と後輪との差動が制限されることにより、2輪駆動状態から4輪駆動状態に変更されたり、前後のトルク配分が変更されたりする。このような4輪駆動車においては、前輪および後輪にトルクを伝達可能に構成する分だけ、2輪駆動車に比べて、トランスファ、センターデファレンシャル、電子制御カップリング等、駆動系(ドライブライン)を構成する部品が多くなる。そのため、4輪駆動車においては、車輪へのトルクの伝達状態や車両の走行状態が変化する際、駆動系のギヤや、連結部のスプライン等における遊び(ガタ)が詰まるときの異音(ガタ打ち音)が、2輪駆動車に比べて大きくなる傾向にある。そこで、ガタ打ち音を抑制する技術が提案されている。
特開平5−178108号公報(特許文献1)は、4輪駆動車において、駆動、被駆動の切換わりによる駆動系のガタ打ち音を低減することができる4輪駆動車のトルク分配制御装置を開示する。特許文献1に記載のトルク分配制御装置は、エンジンからのトルクを前後輪にそれぞれ伝達するトルク伝達経路内に、摩擦係合部がもうけられ、この摩擦係合部の締結力を変更制御して前後輪へのトルク分配率を制御する。このトルク分配制御装置は、エンジンの低負荷時に摩擦係合部の締結力を増大する制御部を含む。
この公報に記載のトルク分配制御装置によれば、摩擦係合部の締結力を増大することによって、エンジンから4輪全てに至る駆動系が連結状態になる。そのため、駆動、被駆動の切換わり時においてトルク伝達の反転が生じた場合でも、ガタ打ち音を小さくすることができる。
特開平5−178108号公報
ところで、入力軸と出力軸とをシンクロナイザにより同期させてから変速を行なう手動変速機を搭載した車両においては、変速時に入力軸と出力軸とを同期させる際に、入力軸の慣性により出力軸に作用するトルク(慣性トルク)によりドライブラインの遊び(ガタ)が詰まり、異音(ガタ打ち音)が発生し得る。しかしながら、特開平5−178108号公報に記載のトルク分配制御装置においては、変速時における異音を考慮していない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、変速時における異音を抑制することができる車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、変速機から前輪および後輪にトルクが伝達されることにより走行可能な車両を制御する。この制御装置は、変速機と前輪との間および変速機と後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するための伝達手段と、変速機の変速段が予め定められた変速段である場合、変速機の入力軸の慣性トルクよりも大きいトルクが変速機の出力軸に伝達されるように、伝達手段を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、制御手段が変速機と前輪との間および変速機と後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間において、伝達手段によりトルクが伝達される。変速機の変速段が予め定められた変速段である場合、変速機の入力軸の慣性トルクよりも大きいトルクが変速機の出力軸に伝達されるように、伝達手段が制御される。たとえば、変速比が大きいため、変速時における入力軸の慣性トルクにより比較的大きな異音(ガタ打ち音)が発生し得る1速もしくは2速において、変速機の入力軸の慣性トルクよりも大きいトルクが変速機の出力軸に伝達されるように、伝達手段が制御される。これにより、変速時においてクラッチを解放し、変速機の入力軸と駆動源の出力軸とを切り離した場合であっても、前輪と後輪との回転数差により発生するトルクを変速機から車輪までの駆動系に作用せしめることができる。そのため、駆動系のギヤやスプライン等の連結部において、部品同士が接触した状態を維持することができる。このとき、変速機の入力軸の慣性トルクよりも大きいトルクが変速機の出力軸に伝達される。これにより、変速時においてクラッチを解放し、変速機の入力軸と駆動源の出力軸とを切り離した場合であっても出力軸が入力軸から伝達された慣性トルクにより回転されることを抑制することができる。そのため、駆動系のギヤやスプライン等の連結部において、部品同士が接触した状態をより一層維持することができる。その結果、変速時における入力軸の慣性トルクによりドライブラインの遊びが詰まって部品同士が衝突することを抑制して、変速時における異音を抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置は、変速機から前輪および後輪に伝達されたトルクにより走行可能な車両を制御する。この制御装置は、変速機と前輪との間および変速機と後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するための伝達手段と、変速機の変速段が予め定められた変速段である場合、変速機と前輪との間および変速機と後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するように、伝達手段を制御するための制御手段とを含む。
第2の発明によると、制御手段が変速機と前輪との間および変速機と後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間において、伝達手段によりトルクが伝達される。変速機の変速段が予め定められた変速段である場合、変速機と前輪との間および変速機と後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するように、伝達手段が制御される。たとえば、変速比が大きいため、変速時における入力軸の慣性トルクにより比較的大きな異音(ガタ打ち音)が発生し得る1速もしくは2速において、変速機と前輪との間および変速機と後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するように、伝達手段が制御される。これにより、変速時においてクラッチを解放し、変速機の入力軸と駆動源の出力軸とを切り離した場合であっても、前輪と後輪との回転数差により発生するトルクを変速機から車輪までの駆動系に作用せしめることができる。そのため、駆動系のギヤやスプライン等の連結部において、部品同士が接触した状態を維持することができる。その結果、変速時における入力軸の慣性トルクによりドライブラインの遊びが詰まって部品同士が衝突することを抑制して、変速時における異音を抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置は、第1または2の発明の構成に加え、前輪および後輪のうちの少なくともいずれか一方の車輪の舵角が予め定められた値である場合、伝達手段によるトルクの伝達を禁止するための禁止手段とをさらに含む。
第3の発明によると、前輪および後輪のうちの少なくともいずれか一方の車輪の舵角が予め定められた値である場合、トルクの伝達が禁止される。たとえば、車両が旋回するといえる舵角である場合、トルクの伝達が禁止される。これにより、車両の旋回中において伝達手段により前輪もしくは後輪にトルクが伝達されて、前輪と後輪との回転数差が制限されることを抑制することができる。そのため、旋回中において前輪と後輪との回転数差が制限されることによるブレーキ力が発生することを抑制することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、変速機に連結される動力源の出力軸回転数が予め定められた値である場合、伝達手段によるトルクの伝達を禁止するための禁止手段とをさらに含む。
第4の発明によると、たとえば駆動源から発生する音が比較的大きく、駆動系(ドライブライン)における異音(ガタ打ち音)が打ち消されるような高回転時において、トルクの伝達が禁止される。これにより、異音を抑制する必要が少ない場合において、前輪および後輪の両方の車輪により走行する状態になることを抑制することができる。そのため、究極的には燃費を向上することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示すように、本実施の形態における車両100は、エンジン200と、クラッチ300と、トランスミッション400と、トランスファ500と、フロントデファレンシャル600と、前輪700と、プロペラシャフト800と、電子制御カップリング900と、リアデファレンシャル1000と、後輪1100と、ECU(Electronic Control Unit)2000から構成される。本実施の形態に係る車両の制御装置は、たとえばECU2000により実行されるプログラムにより実現される。
エンジン200の駆動力(トルク)は、トランスミッション400、フロントデファレンシャル600、ドライブシャフト602、トランスファ500、プロペラシャフト800、電子制御カップリング900、リアデファレンシャル1000、ドライブシャフト1002からなる駆動系(ドライブライン)を介して車輪に伝達される。
本実施の形態において、前輪700を主駆動輪とし、後輪1100を副駆動輪とするFFベースの4輪駆動車について説明するが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、後輪を主駆動輪とし、前輪を副駆動輪とするFRベースの4輪駆動車であってもよい。
エンジン200の出力軸は、乾式単板式のクラッチ300を介してトランスミッション400の入力軸に接続される。エンジン200は、動力源であればよく、たとえば、駆動用モータ等の動力源を用いてもよいものとする。
トランスミッション400は、常時噛合式歯車を有する手動変速機である。図2に示すように、トランスミッション400は、インプットシャフト402と、アウトプットシャフト404と、ハウジング406とを含む。トランスミッション400の常時噛合式歯車は、フロントデファレンシャル600と共に、ハウジング406内に収容されている。
インプットシャフト402とアウトプットシャフト404とは、平行に設けられている。インプットシャフト402とアウトプットシャフト404との間には、ギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対411〜415と、後進ギヤ対416とが配設されている。
各変速ギヤ対を構成する2つのギヤのうち、一方はインプットシャフト402に設けられており、他方はアウトプットシャフト404に設けられている。また、各変速ギヤ対を構成する2つのギヤのうち、一方は、設けられているシャフトに対して空転可能であり、他方は、設けられているシャフトと一体的に回転する。各変速ギヤ対を構成する2つのギヤは、常に噛合っている。
各変速ギヤ対411〜415には、それぞれと対応したクラッチギヤ421〜425が設けられている。シャフトとクラッチギヤ421〜425との間には、シャフトの回転数と、クラッチギヤ421〜425の回転数とを同期させて、連結するシンクロメッシュ機構431〜433が設けられている。すなわち、変速時においては、シンクロメッシュ機構431〜433によりインプットシャフト402とアウトプットシャフト404とが同期される。
いずれかのクラッチギヤ421〜425が、シンクロメッシュ機構431〜433のいずれかによりシャフトに連結されて、1速から5速のいずれかのギヤ段が成立する。全てのクラッチギヤがシャフトに連結されていなければ、トランスミッション400はニュートラル状態となる。
後進ギヤ対416は、カウンタシャフト(図示せず)に配設された後進用アイドル歯車と噛合わされる。後進ギヤ対416が後進用アイドル歯車と噛合わされることにより、後進ギヤ段が成立される。
シンクロメッシュ機構431〜433は、フォークシャフト440を介して乗員により作動される。シンクロメッシュ機構431〜433は、キー式シンクロメッシュ機構である。なお、キー式シンクロメッシュ機構の代わりに、キーレス式シンクロメッシュ機構や、ダブルコーンシンクロメッシュ機構などを用いてもかまわない。
本実施の形態において、フォークシャフト440は、シフトレバー3000に連結される。運転者は、シフトレバー3000を操作することにより、トランスミッション400の変速を行なう。なお、電動モータや油圧等により作動するアクチュエータによりフォークシャフト440を作動させ、変速を行なうようにしてもよい。
図3(A)および(B)を参照して、シンクロメッシュ機構431について説明する。なお、シンクロメッシュ機構432、433については、シンクロメッシュ機構431と同じであるため、ここではその説明は繰返さない。
図3(A)に示すように、シンクロメッシュ機構431は、スリーブ470と、シンクロナイザキー472、キースプリング474と、シンクロナイザリング480と、変速ギヤ対411を構成するギヤのうち、インプットシャフト402に対して空転可能に設けられた入力ギヤ482に設けられた、テーパ状のコーン部484とを含む。
スリーブ470は、クラッチギヤ421の方向に移動させられる。シンクロナイザキー472は、キースプリング474により、スリーブ470に対して付勢され、スリーブ470に係合している。スリーブ470とシンクロナイザキー472とは、シンクロナイザハブ(図示せず)と共に、インプットシャフト402と一体的に回転する。
シンクロナイザリング480は、入力ギヤ482とシンクロナイザキー472との間に設けられている。シンクロナイザリング480に設けられた溝には、シンクロナイザキー472が係合しており、シンクロナイザリング480とシンクロナイザキー472とは共に回転する。
スリーブ470が図3(A)において右方向へ移動させられると、シンクロナイザキー472がスリーブ470と共に移動させられる。シンクロナイザキー472が移動すると、シンクロナイザリング480がコーン部484に押圧されてテーパ嵌合させられる。
シンクロナイザリング480とコーン部484とがテーパ嵌合させられると、シンクロナイザリング480とコーン部484との間の摩擦により、徐々にインプットシャフト4
02から入力ギヤ482にトルクが伝達され、シンクロナイザリング480と入力ギヤ482とがある程度スリップしながら、インプットシャフト402の回転数と入力ギヤ482の回転数とが次第に等しくなる(同期する)。
入力ギヤ482は、変速ギヤ対411を構成するギヤのうち、アウトプットシャフト404に一体的に設けられたギヤと常に噛合っているため、インプットシャフト402の回転数と入力ギヤ482の回転数とが同期することにより、インプットシャフト402の回転数とアウトプットシャフト404の回転数とが同期する。
スリーブ470が更に右方向へ移動させられると、図3(B)に示すように、スリーブ470に設けられたスプライン490が、シンクロナイザリング480に設けられたスプライン492および入力ギヤ482に設けられたクラッチギヤ(ピース)421と噛合わされる。スリーブ470のスプライン490が、クラッチギヤ421と噛合うと、インプットシャフト402とアウトプットシャフト404とが連結されて、変速ギヤ対411を介して、インプットシャフト402からアウトプットシャフト404に、トルクが伝達される。
アウトプットシャフト404に伝達されたトルクは、フロントデファレンシャル600およびトランスファ500に伝達される。
図1に戻って、フロントデファレンシャル600は、ドライブシャフト602を介して前輪700に接続される。トランスミッション400には、フロントデファレンシャル600のケースを介してトランスファ500が接続される。トランスファ500には、エンジン200のトルクを後輪側に伝達するプロペラシャフト800が設けられる。プロペラシャフト800の後輪側の端部は、電子制御カップリング900の入力側に接続される。電子制御カップリング900の出力側には、リアデファレンシャル1000が接続される。リアデファレンシャル1000は、ドライブシャフト1002を介して後輪1100に接続される。
エンジン200で発生する駆動力(トルク)は、トランスミッション400、フロントデファレンシャル600およびドライブシャフト602を介して前輪700に伝達される。また、エンジン200で発生するトルクは、トランスミッション400、フロントデファレンシャル600、トランスファ500、プロペラシャフト800および電子制御カップリング900を介してリアデファレンシャル1000に伝達される。リアデファレンシャル1000に伝達されたトルクは、ドライブシャフト1002を介して後輪1100に伝達される。
電子制御カップリング900は、プロペラシャフト800から伝達されるトルクを入力として、ECU2000から出力される指令電流に基づいて、リアデファレンシャル1000に出力するトルクの伝達量を調整する。電子制御カップリング900は、たとえば、多板クラッチ等から構成され、指令電流に基づいて、クラッチの圧着力が制御される。すなわち、電子制御カップリング900は、クラッチの解放状態から直結状態までの間で制御されることにより、トランスミッション400と後輪1100との間におけるトルクの伝達量を制御する。なお、電子制御カップリング900により、トランスミッション400と前輪700との間におけるトルクの伝達量を制御するようにしてもよい。
電子制御カップリング900は、走行状態に応じてトルクの伝達量を調整する。具体的には、前輪700と後輪1100との回転数差に基づいて、後輪1100へのトルクの伝達量を調整する。
たとえば、前輪700と後輪1100との回転数差が比較的小さい乾燥路面上を車両100が走行する場合には、電子制御カップリング900が解放状態になるように制御され、後輪1100へのトルク伝達が遮断される。
この場合、車両100は、主駆動輪である前輪700の2輪のみにエンジン200からトルクが伝達されて走行する。乾燥路面においては、路面の摩擦係数が高く、前後輪の回転状態に偏差は生じにくいため、2輪駆動でもトラクション性能を確保することができる。2輪駆動で走行することにより、駆動抵抗は4輪駆動のときよりも減少するため、燃費を向上させることができる。
一方、車両100が路面の摩擦係数が低く、前輪700と後輪1100との回転数差が大きくなり易い低μ路面上を車両100が走行する場合には、電子制御カップリング900は、後輪1100にトルクを伝達するように制御される。この場合、車両100は4輪駆動で走行する。4輪駆動で走行することにより、トラクション性能を向上させることができる。
電子制御カップリング900は、ECU2000により制御される。ECU2000には、入力回転数センサ2100、出力回転数センサ2102、ステアリングセンサ2200およびエンジン回転数センサ2300が電気的に接続される。入力回転数センサ2100はインプットシャフト402の回転数を検知し、検知結果を表す信号をECU2000に送信する。出力回転数センサ2102はアウトプットシャフト404の回転数を検知し、検知結果を表す信号をECU2000に送信する。
ステアリングセンサ2200は、ステアリングホイール(図示せず)の舵角および操舵方向を検知し、検知結果を表す信号をECU2000に送信する。ECU2000は、ステアリングホイールの舵角から、前輪700の舵角を検知する。なお、後輪1100を操舵可能であるようにして、後輪1100の舵角を検知するようにしてもよい。エンジン回転数センサ2300は、エンジン200の出力軸(クランクシャフト)の回転数を検知し、検知結果を表す信号をECU200に送信する。
図4を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU2000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU2000は、入力回転数センサ2100により検知されたインプットシャフト402の回転数および出力回転数センサ2102により検知されたアウトプットシャフト404の回転数に基づいて、トランスミッション400の変速段を検知する。
たとえば、インプットシャフト402の回転数をアウトプットシャフト404の回転数で除算することにより得られる変速比が、どの変速段における変速比と等しいかを判別することにより、トランスミッション400の変速段が検知される。
S200にて、ECU2000は、トランスミッション400の変速段が1速もしくは2速であるか否かを判別する。トランスミッション400の変速段が1速もしくは2速であると(S200にてYES)、処理はS300に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、この処理は終了する。
S300にて、ECU2000は、ステアリングセンサ2200から送信された信号に基づいて、ステアリングホイールの舵角を検知する。S400にて、ECU2000は、検知された舵角(舵角の絶対値)が予め定められた範囲内の値であるか否かを判別する。検知された舵角が予め定められた範囲内の値であると(S400にてYES)、処理はS500に移される。もしそうでないと(S400にてNO)、処理はS800に移される。
S500にて、ECU2000は、エンジン回転数センサ2300から送信された信号に基づいて、エンジン200の回転数を検知する。S600にて、ECU2000は、エンジン200の回転数が予め定められた回転数よりも低い回転数であるか否かを判別する。エンジン200の回転数が予め定められた回転数よりも低い回転数であると(S600にてYES)、処理はS700に移される。もしそうでないと(S600にてNO)、処理はS800に移される。
S700にて、ECU2000は、駆動力(トルク)を伝達するように電子制御カップリング900を制御する。すなわち、ECU2000は、電子制御カップリング900を係合状態もしくはスリップ状態にする。S800にて、ECU2000は、電子制御カップリング900によるトルクの伝達を禁止する。すなわち、ECU2000は、電子制御カップリング900の係合を禁止する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU2000の動作について説明する。
車両の走行中において、変速のためにクラッチ300を解放すると、トランスミッション400、フロントデファレンシャル600、ドライブシャフト602、トランスファ500、プロペラシャフト800、電子制御カップリング900、リアデファレンシャル1000、ドライブシャフト1002からなる駆動系(ドライブライン)に伝達されていたトルクが急減する。
この場合、ドライブラインのギヤやスプライン等、各部品が連結される部位等において、各部品が有する遊び(ガタ)により、接触していた部品同士が離間する。この状態でシフトレバー3000が操作され、変速が行なわれると、シンクロメッシュ機構431〜433によりインプットシャフト402とアウトプットシャフト404とが同期される際に、インプットシャフト402の慣性トルクがアウトプットシャフト404に作用する。
この慣性トルクにより、離間していた部品同士の隙間が急に詰められると、各部品が衝突することによる異音(ガタ打ち音)が発生する。また、トランスミッション400内においても、ギヤ同士が衝突する音(ギヤ打ち音)等の異音が発生する。
このような異音は、1速もしくは2速の変速段から変速を行なう場合等、変速比が大きいために、比較的小さな慣性トルクでもアウトプットシャフト404が勢い良く回転せしめられる場合に、より顕著になる。
そこで、インプットシャフト402の回転数およびアウトプットシャフト404の回転数に基づいて検知された変速段が1速もしくは2速であると(S200にてYES)、その他の条件が満たされることを前提として、トルクを伝達するように電子制御カップリング900が制御される(S700)。
このとき、前輪700および後輪1100に係る荷重が異なること等から、前輪700および後輪1100におけるタイヤの潰れ度合が異なっている。そのため、前輪700および後輪1100の回転時における半径(直径)が異なっており、前輪700および後輪1100の回転数は異なっている。
このような前輪700および後輪1100の回転数差に起因して発生するトルクを伝達するように、電子制御カップリング900が制御される(S700)。これにより、クラッチ300が解放され、エンジン200からのトルクがドライブラインに伝達されていない場合であっても、前輪700もしくは後輪1100からドライブラインにトルクを伝達することができる。
これにより、変速時にクラッチ300を解放した場合であっても、ドライブラインの各部品同士が接触した状態を維持することができる。そのため、変速時において、インプットシャフト402の慣性トルクにより異音が発生することを抑制することができる。
なお、トルクを伝達するように電子制御カップリング900を制御する際、インプットシャフト402の慣性トルクよりも大きなトルクがアウトプットシャフト404に伝達されるように、電子制御カップリング900を制御することが望ましい。すなわち、インプットシャフト402の慣性トルクよりも大きなトルクがアウトプットシャフト404に伝達されるように、電子制御カップリング900のスリップ量を制限することが望ましい。
インプットシャフト402の慣性トルクの方がアウトプットシャフト404に伝達されるトルクよりも大きいために、インプットシャフト402の慣性トルクによりアウトプットシャフト404が回転されると、接触していたドライブラインの各部品同士が離間し易からである。
ここで、ステアリングホイールの舵角が予め定められた範囲外の値であると(S400にてNO)、前輪700の舵角が大きい状態であって、車両が旋回中であるといえる。この場合、電子制御カップリングによるトルクの伝達が禁止される(S800)。これにより、車両の旋回中において、前輪700と後輪1100との回転数差が制限されることを抑制することができる。そのため、車両の旋回中に前輪700と後輪1100との回転数差を制限することによるブレーキ力の発生を抑制し、車両をスムーズに旋回させることができる。
また、エンジン200の回転数が予め定められた回転数よりも大きい回転数であると(S600にてNO)、エンジン200で発生する音が大きい状態であるといえる。この場合、電子制御カップリング900によるトルクの伝達が禁止される(S800)。
これにより、エンジン200で発生する音により変速時にドライブラインで発生し得る異音(ガタ打ち音)が打ち消されるために、ドライブラインで発生し得る異音を抑制する必要がない場合において、電子制御カップリング900により後輪1100にトルクが伝達されることを抑制することができる。そのため、前輪700のみで車両を走行させ、究極的には燃費を向上することができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置であるECUによれば、トランスミッションの変速段が1速もしくは2速である場合、トルクを伝達するように電子制御カップリングが制御される。これにより、変速時にクラッチを解放した場合であっても、ドライブラインの各部品の係合が緩むことを抑制することができる。そのため、インプットシャフトとアウトプットシャフトとを同期させる際において、インプットシャフトの慣性トルクにより異音が発生することを抑制することができる。
なお、トルクを伝達するように電子制御カップリングが制御される変速段は、1速や2速に限られず、その他、変速時におけるドライブラインの異音を抑制すべき変速段においてトルクを伝達するように電子制御カップリングを制御するようにしてもよい。
また、電子制御カップリング900に加えてセンターデファレンシャルを設け、電子制御カップリング900やセンターデファレンシャルを介してフロントデファレンシャル600およびリアデファレンシャル1000にトルクを伝達するようにしてもよい。
さらに、インプットシャフト402の回転数とアウトプットシャフト404の回転数とから変速段を検知する代わりに、ポジションセンサによりシフトレバー3000の位置を検知することにより変速段を検知するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る制御装置であるECUが搭載される車両の構成を示す図である。 トランスミッションを示す図である。 シンクロメッシュ機構を示す図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUにより実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
100 車両、200 エンジン、300 クラッチ、400 トランスミッション、402 インプットシャフト、404 アウトプットシャフト、431,432,433 シンクロメッシュ機構、500 トランスファ、600 フロントデファレンシャル、602 ドライブシャフト、700 前輪、800 プロペラシャフト、900 電子制御カップリング、1000 リアデファレンシャル、1002 ドライブシャフト、1100 後輪、2000 ECU、2100 入力回転数センサ、2102 出力回転数センサ、2200 ステアリングセンサ、2300 エンジン回転数センサ、3000 シフトレバー。

Claims (4)

  1. 変速機から前輪および後輪にトルクが伝達されることにより走行可能な車両の制御装置であって、
    前記変速機と前記前輪との間および前記変速機と前記後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するための伝達手段と、
    前記変速機の変速段が予め定められた変速段である場合、前記変速機の入力軸の慣性トルクよりも大きいトルクが前記変速機の出力軸に伝達されるように、前記伝達手段を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。
  2. 変速機から前輪および後輪に伝達されたトルクにより走行可能な車両の制御装置であって、
    前記変速機と前記前輪との間および前記変速機と前記後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するための伝達手段と、
    前記変速機の変速段が予め定められた変速段である場合、前記変速機と前記前輪との間および前記変速機と前記後輪との間のうちの少なくともいずれか一方の間においてトルクを伝達するように、前記伝達手段を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記前輪および前記後輪のうちの少なくともいずれか一方の車輪の舵角が予め定められた値である場合、前記伝達手段によるトルクの伝達を禁止するための禁止手段とをさらに含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記変速機に連結される動力源の出力軸回転数が予め定められた値である場合、前記伝達手段によるトルクの伝達を禁止するための禁止手段とをさらに含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
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