以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は、外枠(支持体)11及び前面枠(本体枠)12を備え、該前面枠12は外枠11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備え遊技盤30の周辺部を囲繞する枠体としてのガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した枠用役物としての枠演出装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ17が設けられている。枠用役物はムービングライトに限定されないとともに、ガラス枠15でなく前面枠12に設けられていてもよい。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ(例えばLED(発光ダイオード))を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置(装飾装置)18や、音声(例えば、効果音)を出力可能なスピーカ(上スピーカ:音出力装置、装飾装置)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ:音出力装置、装飾装置)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるためのスイッチ25a(図4参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。
さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、本実施形態の遊技盤30の構成例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成され、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部及び右側部には、動作することによって遊技の演出を行う盤用役物としてのロゴ役物44aと枝役物44bとからなる盤演出装置44が設けられている。この盤演出装置44の役物は図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて、すなわちロゴ役物44aは下方、枝役物44bは左方へそれぞれ動作可能となっている。
遊技領域32のセンターケース40の左側方には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。始動入賞口36、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口、下大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下カウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、下カウントスイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ38aに検出されるようになっている。このように下カウントスイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。また、第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、センターケース40の左上部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口、上大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備え、この一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、センターケース40の内側への遊技球の流入を規制する鎧部40aが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となって特別遊技状態となった場合には、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられて遊技球の流入が可能となり、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。特別遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定される。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54、55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1から3を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ2のみを点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ3のみを点灯状態とする。そして、保留数が「4」のときはランプ1から3の全てを点灯状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。ここでは、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55において普図保留表示器56と同様の点灯態様で始動記憶数を表示するようにしている。
第1遊技状態表示部57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示部58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。
また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121aからの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
なお、初期化スイッチは遊技機の裏面に設けられた電源装置400に設けられている。従って、本実施形態の遊技機は、遊技制御手段としての遊技用マイコン111での遊技制御の際にデータを記憶可能な記憶領域(RAM111C)を備えるとともに、該記憶領域を初期化するために操作する初期化スイッチを遊技機の裏面に備えることとなる。初期化スイッチは、遊技制御装置100に設けるようにしてもよい。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理(図12)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。従って、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する不正電波の発射を検出する電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38の下カウントスイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。
近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a及び上カウントスイッチ39aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路125が設けられており、シュミットトリガ回路125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を生成する第1出力ポート131を備える。この実施形態では、遊技制御装置100から払出制御装置200へは、パラレル通信でデータが送信されるが、シリアル通信でデータを送信するように構成しても良い。また、出力部130には、バッファ132が設けられている。このバッファ132は遊技用マイコン111から演出制御装置300へのデータの通信経路に配されており、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するためのものである。遊技制御装置100から演出制御装置300へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライトを動作させるモータ)等の枠演出装置16を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出役物スイッチ44aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられたスピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
また、演出制御装置300には、他の遊技機10との間で無線通信をするための無線通信回路350、自遊技機の台番号を設定するための台番号設定スイッチ352などが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、図5を用いて、遊技制御装置100の遊技用マイコン111が有する乱数生成機能について説明する。従来の遊技用マイクロコンピュータには、乱数生成回路が外付けの回路として構成されているものもあるが、この実施例の遊技用マイクロコンピュータは乱数生成回路を内蔵している。
遊技用マイコン111は、CPUコア111A、割込制御回路としての割込みコントローラ118、前記制御信号生成部430(図3参照)により生成されたリセット信号RSTが割込み信号として入力されるリセット割込み制御回路119および遊技の制御に使用される乱数を生成する乱数生成回路210、乱数生成回路210で生成された乱数をラッチする複数のレジスタからなる乱数ラッチレジスタ群220、乱数生成回路210や乱数ラッチレジスタ群220を制御する乱数制御回路240、外部から供給されるシステムクロックMCLKや乱数更新用の外部クロックEXCLKに基づいて、遊技用マイクロコンピュータ111内の各ブロックに供給する動作クロックやタイマ割込み用のクロック、カウンタ更新用のクロックなどを生成するクロックジェネレータ230を備える。
割込み制御コントローラ118は、外部からの割込み要求信号に応答してCPUコア111Aに対して割込み要求を行ったり、チップ内部の回路(例えば乱数生成制御回路)に対して制御信号を送ったりする。また、リセット割込み制御回路119は、外部から入力されるリセット信号に応答してCPUコア111Aをシステムリセットするとともに、遊技用マイクロコンピュータ110の内部の各種リソースを初期状態に設定する信号を生成する。
この実施例の遊技機においては、反転回路112を介して始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの検出信号DET0,DET1が、割込み要求信号として割込みコントローラ118に入力されている。DET2は始動口が3個設けられる遊技機に対応して用意された予備の割込み要求信号入力である。割込みコントローラ118に検出信号DET0,DET1(DET2)が入力されると、乱数生成回路210で生成されたいずれかの乱数が、乱数ラッチレジスタ群220内の対応するラッチレジスタにラッチされる。
乱数生成回路210は、変動パターンを選択するための変動パターン乱数、大当りの停止図柄を選択する大当り図柄乱数等を生成する16ビット可変長乱数回路211、大当りとするか否かの判定に使用する大当り乱数を生成する16ビット固定長乱数回路212、8ビット可変長乱数回路213、8ビット固定長乱数回路214を備える。
乱数ラッチレジスタ群220は、上記各乱数生成回路211〜214に対応してそれぞれ3個のラッチレジスタ0〜2からなるレジスタセット221〜224を備える。
16ビット可変長乱数回路211は、乱数の最大値すなわち更新範囲を設定する最大値設定レジスタ211Aと、乱数の更新に使用する演算ワークエリア211Bと、演算ワークエリア211Bで更新されている乱数のラッチ(取り込み)を許可または禁止するラッチ許可/禁止レジスタ211Cと、16ビット可変長乱数回路211の状態を示すステータスレジスタ211Dとを有する。ラッチレジスタにラッチされたデータがCPUによって読み込まれるまで保持するようにしたが、保持せずに上書きするようにしてもよい。また、ユーザプログラムによって保持するか又は保持せずに上書きするかを所定のレジスタを介して設定できるようにしてもよい。
また、乱数のラッチ(取り込み)を許可または禁止する設定は、CPUの起動に設定されるハードウェアパラメータにより設定するようにしてもよい。
乱数制御回路240が演算ワークエリア211Bから乱数値を読出し、所定の演算(例えば+1、M系列演算)を行なって、結果を演算ワークエリア211Bへ戻すことで乱数値の更新が行なわれる。演算ワークエリア211Bの代わりにカウンタ回路を設けても良い。
ステータスレジスタ211Dは、CPUコア111Aによって乱数ラッチレジスタ群220内のいずれかのラッチレジスタの乱数がバス140上へ読み出されると対応するステータスレジスタのラッチデータフラグがクリアされる。具体的には、乱数ラッチレジスタ群220へ入力される乱数リード信号RRDが乱数制御回路240に入力され、乱数制御回路240が対応する乱数回路のステータスレジスタ211Dのラッチデータフラグをクリアする。
これにより、乱数制御回路240は、次に割込みコントローラ118に検出信号が入力されたことに応じて、対応する乱数回路で生成された乱数をラッチレジスタにラッチさせる。そして、ラッチレジスタへ乱数をラッチさせると、対応するステータスレジスタ211Dのラッチデータフラグをラッチ済み状態にセットする。一方、CPUコア111Aは、ステータスレジスタ211Dの値を読み込んで、ラッチデータフラグが有効状態(“1”)になっている場合に、乱数ラッチレジスタ群220内の対応するラッチレジスタの乱数の読み込みが可能であると判断して、当該レジスタに保持されている乱数を読み込む動作を行なうことができる。
以上のことから、乱数ラッチレジスタ群220が遊技媒体検出手段としての始動口スイッチ36a,37aによる遊技媒体の検出に基づいて所定の乱数取得条件となったことに対応して乱数生成手段が生成した乱数値を取り込んで保持する乱数値保持手段として機能し、ステータスレジスタ211Dが乱数値保持手段としての乱数ラッチレジスタに乱数値が保持されているか否かを示す乱数値保持情報を記憶する乱数値保持情報記憶手段として機能し、乱数制御回路240が乱数値保持手段としての乱数ラッチレジスタに取り込まれた乱数値が遊技制御手段としてのCPUコア111Aによって取得されるまで、乱数値保持手段が保持している乱数値の変更を禁止する乱数値変更禁止手段として機能することとなる。
なお、ステータスレジスタ211Dには、演算ワークエリアにおいて乱数を更新することができたか否かを示す更新エラーフラグや乱数生成回路(演算ワークエリア)から乱数ラッチレジスタへ乱数をラッチすることができたか否かを示すラッチエラーフラグ等を設けるようにしてもよい。
また、乱数制御回路240は、リセット割込み制御回路119からリセット信号が入力された場合等にもステータスレジスタ211Dのラッチデータフラグをクリアする。これとともに、乱数生成回路は、ステータスレジスタ211Dのラッチデータフラグがクリアされると、乱数ラッチレジスタ群220対応するラッチレジスタがクリアされるように構成されている。つまり、本実施形態の乱数制御回路240内のステータスレジスタはコントロールレジスタの機能も兼ね備えている。
さらに、本実施形態では、16ビット固定長ラッチレジスタ222は、該レジスタの上位ビットを読み出すと該レジスタおよびこれに対応する16ビット固定長乱数回路212内のステータスレジスタがクリアされるようになっている。
16ビット固定長乱数回路212、8ビット可変長乱数回路213、8ビット固定長乱数回路214も16ビット可変長乱数回路211と同様な構成である。特に限定されるものでないが、固定長乱数回路212、214は、リセット後に自動的に起動して乱数の生成を開始する一方、可変長乱数回路211(213)は、最大値設定レジスタ211A(213A)に最大値を設定すると起動するようになっている。なお、最大値の設定の際に、予め規定されている所定の値よりも小さな値が最大値として設定しようとした場合には、デフォルトの値が最大値として設定される。
また、各乱数生成回路のうち、16ビット固定長乱数回路212のみは外部クロックEXCLKまたはシステムクロックMCLKのいずれによっても動作可能に構成され、残りの乱数回路211、213,214はシステムクロックMCLKによってのみ動作可能に構成されている。16ビット固定長乱数回路212が外部クロックEXCLKまたはシステムクロックMCLKのいずれによって動作するかは、ユーザプログラム中のハードウェアパラメータによって指定されるように構成されている。
クロックジェネレータ230は、外部クロックEXCLKを分周する分周回路231と、システムクロックMCLKを分周する分周回路232と、CTC(Counter/Timer Circuit)回路233とを備えており、分周回路231と232は外部(発振回路)から入力された外部クロックEXCLKを分周する分周回路231と、システムクロック信号MCLKを分周し、外部クロックEXCLKを分周する分周回路231と、システムクロック信号の周期の逓倍の周期のクロック信号φ1またはφ1とは周期または立ち上がりタイミングが異なるクロック信号φ2を生成し乱数制御回路240とCTC回路233に供給する。
乱数制御回路240は、クロック信号φ1またはφ2のいずれかを選択するための選択回路241を備えており、クロック信号φ1またはφ2を動作クロックとして動作する。乱数制御回路240が、選択回路241を設定してクロック信号φ1またはφ2のいずれのクロックで動作するかは、ユーザプログラム中のハードウェアパラメータによって指定されるように構成することができる。
CTC回路233は、分周回路232からのクロック信号φ2に基づいて、CPUコア111Aに対して所定周期(例えば、2ミリ秒)のタイマ割込み信号(CTC)を発生する。なお、CTC回路233は、発生する信号CTCの周期を自由に設定できるように構成されている。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6及び図7に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図8に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)を行う。
次に、打球発射装置に対する発射禁止の信号を出力する処理(ステップS4)、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む処理(ステップS5)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS6)を行う。
その後、電源ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Yes)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;No)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;No)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;No)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Yes)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、演出制御装置300との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から電源装置400内の初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;No)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Yes)は、図7のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Yes)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NoもしくはステップS18;No)、チェックサムが正常でない(ステップS20;No)と判定された場合は、図7のステップS26へ移行してRAMのアクセス禁止領域をアクセス許可に設定した後、全てのRAM領域の初期化の処理(0にクリア)を行う(ステップS27)。それから、RAMのアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定(ステップS28)した後、RAMの初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする処理(ステップS29)を行う。その後、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。
なお、電源投入時(停電復旧時を含む)はもちろん初期化スイッチがオンされた時にも、乱数生成回路210(図5)のラッチレジスタに読み込み可能な乱数があるか否か示すRAM111C内のラッチ回路エラーフラグがクリアされる。これにより、電源投入時や初期化スイッチオン時に、乱数生成回路210において更新された乱数がラッチレジスタにラッチされる前に、ラッチレジスタの値がCPUによって読み込まれてしまうのを回避することができる。ラッチ回路エラーフラグは、後述の特図始動口スイッチ共通処理(図14)の中で、ステータスレジスタの正常に乱数がラッチレジスタにラッチされ乱数の読み込みが可能であるか否か示すラッチデータフラグを参照して、乱数がないと判定された場合に“1”(エラー有り)にセットされるもので、複数のラッチレジスタに対応して複数設けられている。
一方、図7のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする。ここでの初期化すべき領域とは、停電復旧検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。
その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、高確率でない場合(ステップS22;No)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、高確率である場合(ステップS22;Yes)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。
なお、ステップS25で送信される停電復旧時のコマンド及びステップS30で送信される電源投入時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
ステップS31では、遊技用マイコン111のクロックジェネレータ230内のタイマ割込み信号を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路233を起動する処理を行う。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(最大値設定レジスタ211A)への最大値の設定がCPU111Aによって行われ、ユーザプログラムにより最大値の最上位バイトが設定されたことに応じて乱数の生成が開始されるようになっている。
その後、電源投入時のソフト乱数レジスタの値を抽出し、初期値乱数(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。また、ステップS34で割込みを許可する際に、打球発射装置の発射を許可する。
なお、打球発射装置の発射を許可する設定は、出力処理で設定するようにしてもよい。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、変動パターン乱数、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数(普図)は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Yes)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;No)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS101)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS102)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS103)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS104)、乱数更新処理1(ステップS105)、乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、下カウントスイッチ38a、上カウントスイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、前面枠やガラス枠が開放されていないかなどの監視、乱数生成回路におけるラッチエラーの有無の監視、磁石や電波による不正の有無の監視を行うエラー/不正監視処理(ステップS107)を行う。
そして、ラッチ回路エラーの発生中であるか否かの判定(ステップS108)、遊技停止の不正が発生中であるか否かの判定(ステップS109)を行ない、エラー発生中(ステップS108;Yes)または不正発生中(ステップS109;Yes)の場合は、ステップS110〜S113をスキップしてステップS114へ移行する。
なお、ステップS108におけるラッチ回路エラーの発生中であるか否かの判定では、RAM111C内の複数のラッチ回路エラーフラグがひとつでも立っているかどうかで判定する。また、ステップS109の遊技停止の不正とは、例えば磁石不正や電波不正であるが、2種タイプの遊技機の場合には、さらに残存球エラーを含ませても良い。
また、エラー発生中でなく(ステップS108;No)かつ不正発生中でもない(ステップS109;No)の場合は、次のステップへ進んで特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS110)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS111)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS112)、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS113)、電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する電波不正監視処理(ステップS114)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS115)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS116)を行い、ステップS101で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS117)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS118)を行なって、タイマ割込み処理を終了する。
〔エラー/不正監視処理〕
図9は、タイマ割込み処理(図8参照)におけるエラー/不正監視処理(ステップS107)を示す。
このエラー/不正監視処理では、まず、下大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の一方の下カウントスイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS301)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
その後、下大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の他方の下カウントスイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正入賞監視処理(ステップS304)を実行する。続いて、上大入賞口(第2特別変動入賞装置38)内の上カウントスイッチ39aに対応する入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正入賞監視処理(ステップS306)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正入賞監視処理(ステップS308)を実行する。
次に、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新する(ステップS309)。その後、エラースキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1、払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号及び払出異常ステータス信号の何れかに基づくエラーの監視を対象として設定するための遊技機エラー監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかを判定するエラーチェック処理(ステップS311)を行う。
次に、エラースキャンカウンタの値が「3」であるかを判定し(ステップS312)、エラースキャンカウンタの値が「3」である(ステップS312;Yes)と判定した場合は、エラー/不正監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機エラー監視テーブル2にエラーの監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が3でない場合(ステップS312;No)は、エラースキャンカウンタの値に応じて、ガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠開放検出スイッチ64、スイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2の何れかに基づくエラーの監視を対象として設定するための遊技機エラー監視テーブル2を準備する(ステップS313)。そして、エラーが発生しているかを判定するエラーチェック処理(ステップS314)を行い、エラー/不正監視処理を終了する。
〔不正入賞監視処理〕
図10は、上述のエラー/不正監視処理における不正入賞監視処理(ステップS302,S304,S306,S308)の手順を示す。この不正入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置38の二つの下カウントスイッチ38aの各々、第2特別変動入賞装置39の上カウントスイッチ39a及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38、39)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックして不正監視期間中であるかを判定する(ステップS321)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが下カウントスイッチ38aである場合は第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ39aである場合は第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。また、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である(ステップS321;Yes)と判定した場合は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS322)。対象の入賞口スイッチに入力がある(ステップS322;Yes)と判定した場合は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS323)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかを判定する(ステップS324)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が判定個数を超えた(ステップS324;Yes)と判定した場合は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS325)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(ステップS326)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS327)、さらに不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備し(ステップS328)、ステップS335へ移行する。。
一方、上記ステップS321で不正監視期間ない(No)と判定した場合や、ステップS322で対象の入賞口スイッチに入力がない(No)と判定した場合、ステップS324で不正入賞数が判定個数を超えていない(No)と判定した場合は、ステップS329へ移行して、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の下カウントスイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の下カウントスイッチ38aである場合は許可されない。これにより、第1特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ39aである場合や始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS330)、値が0でない場合(ステップS330;No)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS330;Yes)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS331)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS332)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS333)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS333;Yes)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS334)、ステップS335へ移行する。
ステップS335では、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する。そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS335;Yes)は、不正入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS335;No)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS336)、演出コマンド設定処理(ステップS337)を行い、不正入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが、またエラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが、演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞口スイッチ監視処理〕
図11は、図8のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ監視処理(ステップS110)の手順を示す。
この入賞口スイッチ監視処理においては、まず、監視する入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを設定し(ステップS351)、該入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS352)。そして、対象の入賞口スイッチは有効中であるか否か判定し(ステップS353)、有効の場合には対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS354)。
対象の入賞口スイッチは有効中でない(ステップS353:No)または対象の入賞口スイッチに入力がない(ステップS354:No)と判定した場合は、対象の入賞口スイッチに対応する入賞数カウンタ領域の値を+1更新する(ステップS355)。次に、テーブルアドレスを次のスイッチのデータアドレスに更新して(ステップS356)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS357)。
ここで、全スイッチの監視が終了していない(ステップS357;No)と判定した場合は、対象の入賞口スイッチは有効中である否かを判定する処理(ステップS353)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した(ステップS357;Yes)と判定した場合は、入賞口スイッチ監視処理を終了する。以上の処理により、入賞に応じた賞球払出しのための設定がなされることとなる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、図8のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS111)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図12に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下カウントスイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた上カウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップA4;Yes)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA7)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップA4;No)、すなわちタイムアップしていない場合は、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図13に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA116における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA115に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA114)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA114にて、普電不正発生中でない(ステップA114;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA115)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA116)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA114にて、普電不正発生中である(ステップA114;Yes)と判定された場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A116)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図14に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA201)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA201;No)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA201;Yes)は、乱数生成回路210(図5)内のステータスレジスタ211D等を参照して、対象の始動口スイッチに対応された乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否かを判定する(ステップA202)。
ここで、監視対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある(ステップA202;Yes)と判定した場合は、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象の乱数ラッチレジスタにラッチされている大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
従って、遊技制御手段としての遊技用マイコン111は、遊技媒体検出手段としての始動口スイッチ36aまたは37aによる遊技媒体の検出に基づいて所定の始動条件が成立し、かつ、乱数値保持情報記憶手段としてのステータスレジスタ211D等(図5)に記憶されている乱数値保持情報が、乱数値保持手段としてのラッチレジスタ231〜234に乱数値が保持されていること示す場合に、乱数値保持手段から乱数値の取得を行う乱数値取得手段を備えることとなる。
この実施例では、ラッチレジスタに記憶されている乱数値を始動記憶として記憶しない場合にも、ラッチレジスタから乱数値の取得を行うことでラッチレジスタに記憶されている乱数値をクリアするようにしているが、ラッチレジスタに記憶されている乱数値を始動記憶として記憶しない場合には、ラッチレジスタから乱数値の取得は行わずにステータスレジスタのラッチデータフラグをクリアすることでラッチレジスタに記憶されている乱数値をクリアするようにしてもよい。
一方、上記ステップA202で、監視対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA202;No)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ステップA221へ移行して、監視対象の始動口スイッチに対応するラッチ回路エラーフラグを“1”にセットする。そして、既にラッチ回路エラーが発生中であるか否か判定し(ステップA222)、エラー発生中(ステップA222;Yes)であれば、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。ラッチ回路エラーフラグは、遊技用マイコン111のRAM111C内に設けられている。また、エラー発生中でない(ステップA222;No)であれば、エラーの発生を知らせるコマンドを準備し(ステップA223)、該コマンドを演出制御装置300へ送信するコマンド設定処理(ステップA224)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、ステップA221でセット状態にされたラッチ回路エラーフラグは、初期化スイッチがオンされてRAM111Cがクリアされることでクリアされる。
従って、遊技制御手段としての遊技用マイコン111は、当該遊技機における異常を検出した場合に、所定の解除条件を満たすまで乱数値取得手段による乱数値の取得を不能にする乱数取得不能化制御を行い、乱数取得不能化制御中に所定の解除条件を満たし、乱数値の取得の不能化状態が解除された場合には、乱数値保持手段に記憶されている乱数値の取得を行うこととなる。ここで、「所定の解除条件」とは、例えば初期化スイッチがオンされることに応じてラッチ回路エラーフラグがクリアされることである。
また、本実施形態の遊技機は、遊技制御手段としての遊技用マイコン111による遊技制御の際にデータを記憶可能な記憶領域(RAM111C)を備えるとともに、前記記憶領域を初期化するために操作する初期化スイッチを遊技機の裏面に備え、初期化スイッチが操作されたことに対応して乱数取得不能化制御を解除することとなる。
さらに、遊技制御手段としての遊技用マイコン111は、遊技媒体検出手段としての始動口スイッチによる遊技媒体の検出に基づいて所定の始動条件が成立し、かつ、乱数値保持情報記憶手段としてステータスレジスタ211D等に記憶されている乱数値保持情報としてのラッチデータフラグが、乱数値保持手段としてのラッチレジスタ231〜234に乱数値が保持されていること示していない場合には、当該遊技機の電源が再投入されるまで遊技制御手段による遊技制御を不能にすることとなる。
上記ステップA204に続いて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA205)、ロードした値を+1更新して(ステップA206)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA207)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA207;No)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA207;Yes)は、処理をステップA209に移行する。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA209)。特図保留数が上限値未満である場合(ステップA209;Yes)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新し(ステップA212)、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
続いて、監視対象の始動口スイッチに対応する特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出し(ステップA215)、大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA216)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA217)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA218)。さらに、変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップA219)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA220)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA210)、コマンド設定処理(ステップA211)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS113)の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサスイッチ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図15に示すように、磁石不正監視処理では、まず、磁気センサスイッチ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップS601)。磁石センサがオンである場合(ステップS601;Yes)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップS603)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップS603;Yes)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS604)、磁石不正報知タイマ初期値を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップS606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップS607)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップS613)。すなわち、磁気センサスイッチ61が一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁石センサ(磁気センサスイッチ61)がオンでない場合(ステップS601;No)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS607)、既に磁石不正の発生中であるか否かを判定する(ステップS608)。そして、磁石不正の発生中でなければ当該磁石不正監視処理から抜ける。また、磁石不正の発生中である場合(ステップS608;Yes)はステップS609の処理へ移行して、初期化スイッチがオンされたか否か判定する。なお、電源投入時における初期化スイッチがオンか否かの判定は、初期化スイッチ信号のレベルがハイレベルかロウレベルかで行なうが、この磁石不正監視処理では初期化スイッチ信号の立上がりまたは立下がりを検出したか否かで行うようにすることができる。
そして、初期化スイッチがオンでない場合(ステップS609;No)は、磁石不正監視処理から抜ける。また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS609;Yes)は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップS610)。さらに、磁石不正フラグとして不正が解除されたことを示す磁石不正解除フラグを準備し(ステップS611)、乱数ラッチレジスタ231〜234をダミーリード(ステップS612)してから、ステップS613へ移行して磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する。
なお、ステップS612で乱数ラッチレジスタ231〜234をダミーリードしているのは、ラッチレジスタをリードすることで、乱数生成回路210内のステータスレジスタ211D等のラッチデータフラグが一旦クリアされるためである。そして、乱数回路211〜214で生成された乱数がラッチレジスタ231〜234にラッチされると、対応するステータスレジスタ211Dのラッチデータフラグがラッチ状態にセットされ、CPU111Aによるラッチレジスタからの乱数のリードが可能となる。従って、ダミーリードを行なうことで、磁石不正中にラッチレジスタ231〜234にラッチされた不正な乱数がCPUによって取得されるのを防止することができる。
上記ステップS613で、磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する(Yes)と判定した場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップS613;No)は、ステップS606またはS611で準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップS614)、磁石不正の発生を知らせる磁石不正コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理を行い(ステップS615)、磁石不正監視処理を終了する。
〔電波不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における電波不正監視処理(ステップS114)の詳細について説明する。電波不正監視処理では、電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図16に示すように、電波不正監視処理では、まず、電波センサ62から出力されて近接I/F121aを経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップS701)。電波センサがオンである場合(ステップS701;Yes)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知のコマンドを準備する(ステップS702)。
さらに、電波不正の発生の有無を示す電波不正発生フラグを準備して(ステップS703)、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、電波センサがオンでない場合(ステップS701;No)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、既に電波不正の発生中であるか否かを判定する(ステップS704)。そして、電波不正の発生中でなければ当該電波不正監視処理から抜ける。また、電波不正の発生中である場合(ステップS704;Yes)はステップS705の処理へ移行して、初期化スイッチがオンされたか否か判定する。なお、初期化スイッチがオンか否かの判定は、初期化スイッチ信号の立上がりまたは立下がりを検出したか否かで行う。
そして、初期化スイッチがオンでない場合(ステップS705;No)は、電波不正監視処理から抜ける。また、初期化スイッチがオンである場合(ステップ705;Yes)は、電波不正報知終了のコマンドを準備する(ステップS706)。さらに、電波不正フラグとして不正が解除されたことを示す電波不正解除フラグを準備し(ステップS707)、乱数ラッチレジスタ231〜234をダミーリード(ステップS708)してから、ステップS709へ移行して電波不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する。
磁石不正監視処理の場合と同様、ダミーリードを行なうことで、電波不正中にラッチレジスタ231〜234にラッチされた乱数がCPUによって取得されるのを防止することができる。
上記ステップS709で、ステップS703またはS707で準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS709;Yes)は、電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップS709;No)は、ステップS703またはS707で準備した電波不正フラグを電波不正フラグ領域にセーブし(ステップS710)、コマンド設定処理を行い(ステップS711)、電波不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS115)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS104)、エラー/不正監視処理(ステップS107)、磁石不正監視処理(ステップS113)及び電波不正監視処理(ステップS114)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図17に示すように、外部情報編集処理では、まず、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS801)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS802)を行う。次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップS803)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップS804)。
図柄確定回数制御タイマの値が0である場合(ステップS804;Yes)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS805)。また、図柄確定回数制御タイマの値が0でない場合(ステップS804;No)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS806)。その後、エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理を行う。
エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理では、まず、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が0でない場合(ステップS808;No)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS819)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS820)、外部情報編集処理を終了する。すなわち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
また、セキュリティ信号制御タイマの値が0である場合(ステップS808;Yes)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ガラス枠開放エラーの発生中(ステップS809;Yes)、前面枠開放エラーの発生中(ステップS810;Yes)、下大入賞口不正発生中(ステップS811;Yes)、上大入賞口不正発生中(ステップS812;Yes)、普電不正発生中(ステップS813;Yes)、磁石不正発生中(ステップS814;Yes)、電波不正発生中(ステップS815;Yes)またはラッチ回路エラー発生中(ステップS816;Yes)である場合には、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS819)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS820)、外部情報編集処理を終了する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
なお、上記ステップS816におけるラッチ回路エラー発生中か否かの判定は、図14の特図始動口スイッチ共通処理のステップA221でセットされ、初期化スイッチのオンによるRAMクリアによってクリアされるラッチ回路エラーフラグを参照することで行なわれる。
一方、上記ステップS808で、セキュリティ信号制御タイマの値が0である(Yes)と判定した場合であって、上記何れのエラーも発生していない場合(ステップS809からS816;No)は、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS817)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、外部情報編集処理を終了する。
(変形例)
図18には、上記実施形態の変形例におけるタイマ割込み処理の手順が示されている。上記実施形態においては、ラッチ回路エラーフラグは初期化スイッチがオンされた際に自動的にクリアされるRAM領域に設けられているのに対し、この変形例は、初期化スイッチがオンされた際に自動的にクリアされない領域にラッチ回路エラーフラグが設けられている場合に適用して好適なものである。図8に示されているタイマ割込み処理のフローチャートとの差異は、図18のフローチャートではステップS115の電波不正監視処理の次に、ラッチ回路エラー解除監視処理(ステップS119)が追加されている点にある。それ以外は、上記実施形態と同様であるので、重複した説明は省略する。
〔ラッチ回路エラー解除監視処理〕
図19は、ラッチ回路エラー解除監視処理の具体的な手順の一例を示す。
図19に示すように、ラッチ回路エラー解除監視処理においては、先ず図14の特図始動口スイッチ共通処理のステップA221でセットされるラッチ回路エラーフラグを参照して、ラッチ回路エラー発生中か否か判定する(ステップS821)。そして、ラッチ回路エラー発生中でない(ステップS821;No)と判定した場合はラッチ回路エラー解除監視処理から抜ける。
ステップS821で、ラッチ回路エラー発生中である(Yes)と判定すると、初期化スイッチがオンされたか否か判定する(ステップS822)。そして、初期化スイッチがオンされていない(ステップS822;No)と判定した場合はラッチ回路エラー解除監視処理から抜ける。また、ステップS822で、初期化スイッチがオンされた(Yes)と判定すると、ステップS823へ進み、ラッチ回路エラー解除コマンドを準備し、該コマンドを演出制御装置300へ送信するためのコマンド設定処理(ステップS824)を行なう。
その後、エラーフラグに対応する乱数生成回路210の乱数ラッチレジスタのダミーリード(ステップS825)を行なってから、ラッチ回路エラーフラグを全てクリアしてラッチ回路エラー解除監視処理を終了する。
以上の説明から、上記実施形態には、
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(始動口スイッチ36a,37a)と、前記遊技媒体検出手段による遊技媒体の検出に伴い、所定の始動条件が成立したことに対応して遊技を実行し、前記遊技が特別な結果になった場合に遊技者に特典を付与する遊技制御を行う遊技制御手段(遊技用マイコン111)とを備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、
所定の周期のクロック信号に基づいて乱数値を生成する乱数生成手段(乱数生成回路210)と、
前記遊技媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて所定の乱数取得条件となったことに対応して前記乱数生成手段が生成した乱数値を取り込んで保持する乱数値保持手段(乱数ラッチレジスタ群220)と、
前記乱数値保持手段に乱数値が保持されているか否かを示す乱数値保持情報を記憶する乱数値保持情報記憶手段(ステータスレジスタ211D)と、
前記乱数値保持手段に取り込まれた乱数値が遊技制御手段によって取得されるまで、前記乱数値保持手段が保持している乱数値の変更を禁止する乱数値変更禁止手段(乱数制御回路240)と、
前記遊技媒体検出手段による遊技媒体の検出に基づいて所定の始動条件が成立し、かつ、前記乱数値保持情報記憶手段に記憶されている乱数値保持情報が、前記乱数値保持手段に乱数値が保持されていること示す場合に、前記乱数値保持手段から乱数値の取得を行う前記乱数値取得手段(CPU111A)と、を備え、
当該遊技機における異常を検出した場合に、所定の解除条件を満たすまで前記乱数値取得手段による乱数値の取得を不能にする乱数取得不能化制御を行い、
前記乱数取得不能化制御中に前記所定の解除条件を満たし、前記乱数値の取得の不能化状態が解除された場合には、前記乱数値保持手段に記憶されている乱数値の取得を行うようにした発明が含まれることが分かる。
ここで、「所定の始動条件」には、始動入賞口への遊技球の入賞の他、普図始動ゲートへの遊技球の通過が含まれる。また、「乱数生成手段」は、ハードウェアとしての乱数生成回路の他、ソフトウェア(プログラム)によって実現される乱数生成手段であってもよい。「所定の解除条件」は、例えば初期化スイッチがオンされることでラッチ回路エラーフラグがクリアされることなどが考えられる。
上記のような発明によれば、遊技機における異常を検出した場合に、所定の解除条件を満たすまで乱数値取得手段による乱数値の取得を不能にする乱数取得不能化制御を行うため、誤ったタイミングでラッチした乱数値を遊技での抽選に使用してしまうことを防止することができる。
また、上記実施形態には、前記遊技機は、前記遊技制御手段(遊技用マイコン111)による遊技制御の際にデータを記憶可能な記憶領域(RAM111C)を備えるとともに、前記記憶領域を初期化するために操作する初期化スイッチを前記遊技機の裏面に備え、前記初期化スイッチが操作されたことに対応して乱数取得不能化制御を解除するようにした発明が含まれる。
かかる発明によれば、初期化スイッチが操作されたことに対応して乱数取得不能化制御を解除するため、遊技店の係員は異常が発生した遊技機の初期化スイッチを操作することで、乱数が記憶されている記憶領域を初期化させることができ、これによって不正にラッチさせた乱数値を遊技での抽選に使用してしまうのを防止することができる。
さらに、上記実施形態には、前記遊技制御手段(遊技用マイコン111)は、前記遊技媒体検出手段(始動口スイッチ36a,37a)による遊技媒体の検出に伴い、前記所定の始動条件が成立し、かつ、前記乱数値保持情報記憶手段(ステータスレジスタ211D)に記憶されている乱数値保持情報が、前記乱数値保持手段に乱数値が保持されていること示していない場合には、当該遊技機の電源が再投入されるまで前記遊技制御手段による遊技制御を不能にするようにした発明が含まれる。
ここで、「乱数値保持情報記憶手段」とは例えばステータスレジスタを、また「乱数値保持情報」とはステータスレジスタに設けられている乱数ラッチ状態を示すフラグを意味する。
上記のような発明によれば、乱数値保持情報が、乱数値保持手段に乱数値が保持されていること示していない場合には、当該遊技機の電源が再投入されるまで遊技制御手段による遊技制御を不能にするため、乱数生成手段が異常を起こしたり不正に動作されたりしたような場合に、ラッチされた乱数値を遊技での抽選に使用してしまうのを防止することができる。
次に、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図20に示すメイン処理と、図22に示すようなタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図20に示すように、まず、割込みを禁止し(ステップB1)、CPUの初期設定を行い(ステップB2)、VDP312の初期設定を行って(ステップB3)、割込みを許可する(ステップB4)。
次いで、他の遊技機の演出制御装置300と間の通信(サブ間通信)を行うための無線通信回路350を初期化する無線モジュール初期化処理(ステップB5)を行い、表示用データの生成を許可して(ステップB6)、乱数シードを設定する(ステップB7)。
次いで、台(遊技機)を特定し、サブ間通信の相手を指定できるようにするために、自遊技機の台番号を設定するための台番号設定スイッチ352から設定値を読み込んでサブ間通信で同一シリーズ機種間における台毎の端末IDを設定し(ステップB8)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップB9)。また、演出装置16,44の各可動体の切替フラグと初期化動作のための制御番号の初期値を設定する(ステップB10)。この設定と後の可動体制御処理(ステップB22)とによって、遊技制御装置100から演出コマンドを受信しなくても演出装置16,44の初期化動作を行なえるようになる。
このメイン処理においては、ステップB10の次にメインループ処理としてループ処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップB11)。
次いで、演出ボタン(演出操作部700)の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB12)を行う。演出操作部700からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出操作部700からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB13)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップB14、図24参照)、サブ間での通信のやり取りや、サブ間通信でコマンドを受信した場合の内容設定などを行うサブ間演出設定処理(ステップB15)を行う。
次いで、演出表示編集処理(ステップB16)を行い、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップB16)。演出表示編集処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
次いで、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップB18)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。
上記ステップB18で、フレーム切替タイミングでない(No)と判定した場合には、ステップB18の処理を繰り返して行う。一方、ステップB18で、フレーム切替タイミングである(ステップB18;Yes)と判定した場合には、画面描画を指示する(ステップB19)。
次いで、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB20)、盤装飾装置46と枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB21)、盤演出装置44と枠演出装置4のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップB22)を行い、WDTをクリアする処理(ステップB10)に戻る。
〔可動体制御処理〕
次に、前述のメイン処理における可動体制御処理(ステップB22)の詳細について説明する。
図21に示すように、可動体制御処理では、まず、枠演出装置としての左右一対のムービングライト16の切替フラグの設定があるか否か判定する(ステップB111)。ステップB111で、切替フラグの設定がある(Yes)と判定した場合には、枠左モータ制御番号に対応する設定値を制御領域に設定し(ステップB112)、続いて枠右モータ制御番号に対応する設定値を制御領域に設定する(ステップB113)。
ここで、「対応する」としているのは、動作の種類によって時間値や作用方向が異なる場合があるためである。なお、切替フラグと制御番号は、前記ステップB10で設定される他、遊技中に遊技制御装置100から送られて来るコマンドのうち可動体の作動を伴うコマンドに基づいて、切替フラグと制御番号が前記ステップB14の受信コマンドチェック処理中(コマンド解析処理の中の変動系コマンド処理)で設定される。
ステップB113の実行後、ムービングライト16の切替フラグをクリア(ステップB114)して、ステップB115へ移行する。また、ステップB111で切替フラグの設定がない(No)と判定した場合には、ステップB112〜B114をスキップしてステップB115へ移行する。
ステップB115では、盤演出装置としてのロゴ役物44aの切替フラグの設定があるか否か判定する。ここで、ロゴ役物の切替フラグの設定がある(ステップB115;Yes)と判定した場合には、ロゴ役物モータ制御番号に対応する設定値を制御領域に設定し(ステップB116)、その後、ロゴ役物の切替フラグをクリア(ステップB117)して、ステップB118へ移行する。また、ステップB115でロゴ役物の切替フラグの設定がない(No)と判定した場合には、ステップB116〜B117をスキップしてステップB118へ移行する。
ステップB118では、盤演出装置としての枝役物44bの切替フラグの設定があるか否か判定する。ここで、枝役物の切替フラグの設定がある(ステップB118;Yes)と判定した場合には、枝役物モータ制御番号に対応する設定値を制御領域に設定し(ステップB119)、その後、枝役物の切替フラグをクリア(ステップB20)して、可動体制御処理を終了する。また、ステップB118で枝役物の切替フラグの設定がない(No)と判定した場合には、ステップB119〜B120をスキップして可動体制御処理を終了する。
〔可動体制御タイマ割込み処理〕
図22には、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって、例えば2msごとのように周期的に実行する可動体制御タイマ割込み処理の手順の一例が示されている。
図22に示すように、可動体制御タイマ割込み処理では、まず、割込みを禁止状態に設定し(ステップB121)、枠演出装置としての左右一対のムービングライト16のうち左ムービングライトのモータを制御するための出力データを生成する枠左モータ制御処理(ステップB122)を実行する。続いて、右ムービングライトのモータを制御するための出力データを生成する枠右モータ制御処理(ステップB123)を実行する。
次に、ロゴ役物44aのモータを制御するための出力データを生成するロゴ役物モータ制御処理(ステップB124)、枝役物44bのモータを制御するための出力データを生成する枝役物モータ制御処理(ステップB125)を実行する。
次に、枠左モータの出力データと枠右モータの出力データとを合成し(ステップB126)、合成したデータを対応するポートへ出力する(ステップB127)。ここで、「合成」とは、例えば8ビットのデータのうち上位4ビットに枠左モータの出力データを入れ、下位4ビットに枠右モータの出力データを入れるような処理を意味する。
ステップB127に続いて、ロゴ役物モータの出力データと枝役物モータの出力データとを合成し(ステップB128)、合成したデータを対応するポートへ出力する(ステップB129)。その後、割込みを許可する状態に設定して可動体制御タイマ割込み処理を終了する(ステップB130)。
上記のような処理を行なうことで、各可動体が所定のタイミングで所定の位置から所定の方向へ所定の距離だけ移動されることとなる。
〔枠左モータ制御処理〕
図23には、図22の可動体制御タイマ割込み処理における枠左モータ制御処理(ステップB122)の手順の一例が示されている。この処理で移動されるのは、遊技機前面の左上のムービングライト16である。
図23に示すように、枠左モータ制御処理では、まず、枠左モータ制御タイマが「0」でなければ、−1更新する(ステップB221)。そして、該制御タイマが「0」になったか否か判定する(ステップB222)。「制御タイマ」は、各制御区間の時間値を示すものである。
ステップB222で、制御タイマが「0」になった(Yes)と判定した場合は、制御タイプがタイマ監視タイプであるか否か判定する(ステップB223)。ここで、「制御タイプ」は、当該区間ではどのような制御を行うかを示す情報であり、これには「タイマ監視タイプ」とスイッチ監視タイプ(ON監視、OFF監視)がある。タイマ監視タイプでは、規定時間指定の動作を行うと次の区間へ移行し、スイッチ監視タイプでは、目的のスイッチ状態を検知できたら次の区間へ移行する。スイッチ監視タイプの場合、制御タイマはスイッチ監視を始めるまでのウェイト時間を表す。
ステップB223で、制御タイプがタイマ監視タイプでない(No)と判定した場合には、ステップB224へ進み、枠左モータのスイッチの入力状態をチェックする。そして、入力状態が目的の状態にあるか否か判定し(ステップB225)、入力状態が目的の状態にある(ステップB225;Yes)と判定した場合は、枠左モータ制御番号に対応する制御テーブルを設定する(ステップB226)。ここで、「制御テーブル」は、役物の動作の種類を示すテーブルであり、その動作を実現するための各区間の繋がり(流れ)を定義している。例えば、「初期位置復帰動作」、「ファンファーレ動作」、「大当り中動作」などのテーブルがある。
次に、枠左モータ制御ポインタに対応するテーブルアドレスを算出する(ステップB227)。ここで、「制御ポインタ」は、次に制御するテーブルアドレスを示すポインタである。そして、算出したテーブルアドレスを用いて制御ポインタを取得し、枠左モータ制御ポインタ領域にセーブする(ステップB228)。続いて、制御タイマの値を取得し、枠左モータ制御タイマ領域にセーブし(ステップB229)、制御タイプを取得し、枠左モータ制御制御タイプ領域にセーブする(ステップB230)。さらに、制御コードを取得し、枠左モータ制御制御コード領域にセーブ(ステップB231)し、ステップB232へ進む。
ここで、「制御コード」はモータをどのように制御するかを示す情報であり、「停止」、「励磁停止」、「速度1CW」、「速度1CCW」、「速度2CW」、「速度2CCW」などがある。「速度1CW」以降は、遊技機の機種仕様で異なる。なお、「CW」は時計回り方向を意味し、「CCW」は反時計回り方向を意味する。
また、上記ステップB222で制御タイマが「0」でない(No)と判定した場合や、ステップB225で入力状態が目的の状態にない(No)と判定した場合は、ステップB232へ移行する。
ステップB232では、ステップB230でセーブした枠左モータ制御コードをロードし、該制御コードが停止コードであるか否か判定する(ステップB233)。そして、制御コードが停止コードである(ステップB233;Yes)と判定した場合は、ステップB234へ進んでオフ出力データを設定してから、ステップB242へジャンプして、設定された出力データを枠左モータ出力データ領域にセーブして枠左モータ制御処理を終了する。
一方、上記ステップB233で制御タイマが「0」でない(No)と判定した場合や、ステップB225で制御コードが停止コードでない(No)と判定した場合は、ステップB235へ移行して、制御コードが励磁停止コードであるか否か判定する。「励磁停止」は、前回の割込み時と同じオンデータを維持することで、力強い停止を行なわせる制御コードである。そして、制御コードが励磁停止コードである(ステップB235;Yes)と判定した場合は、ステップB236へ進んで、出力データポインタ更新タイマが「0」でなければ−1更新して、該更新タイマが「0」になったか否か判定する(ステップB237)。
ステップB237で、更新タイマが「0」になった(Yes)と判定した場合は、出力データポインタ更新タイマに初期値を設定し(ステップB238)、出力データポインタを更新する(ステップB239)。ステップB239で出力データポインタを更新した後、あるいはステップB235で制御コードが励磁停止コードでない(No)と判定した場合、ステップB237で更新タイマが「0」でない(No)と判定した場合は、ステップB240へ進み、枠左モータ出力データテーブルを設定し、出力データポインタに対応する出力データを取得(ステップB241)してから、ステップB242へ進んで、設定された出力データを枠左モータ出力データ領域にセーブして枠左モータ制御処理を終了する。
図22の可動体制御タイマ割込み処理におけるステップB123の枠右モータ制御処理、ステップB124のロゴ役物モータ制御処理、ステップB125の枝役物モータ制御処理の手順は、図23に示す枠左モータ制御処理の手順とほぼ同様であるので、詳しい説明は省略する。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、前述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップB14)の詳細について説明する。
図24に示すように、受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(ステップB141)。
次いで、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップB142)。このステップB142で、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップB142;No)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、ステップB142で、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップB142;Yes)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップB143)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップB144)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップB145)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップB146)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。
これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
そして、ステップB146で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップB146;No)には、ステップB144の処理に戻る。一方、ステップB146で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了した(Yes)と判定した場合には、コマンド領域の内容をロードして(ステップB147)、受信コマンド解析処理(ステップB148、図25参照)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップB149)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップB150)。このステップB150で、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していない(No)と判定した場合には、ステップB147の処理に戻る。一方、ステップB150で、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了した(Yes)と判定した場合には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。
このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、前述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップB148)の詳細について説明する。
図25に示すように、受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離する(ステップB151)。
次いで、コマンド上位バイトMODEは正常範囲であるか否かを判定する(ステップB152)。ステップB152で、MODEは正常範囲である(Yes)と判定した場合には、下位バイトACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップB153)。ステップB153で、ACTは正常範囲である(Yes)と判定した場合には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップB154)。
また、ステップB152で、MODEは正常範囲でない(No)と判定した場合、ステップB153で、ACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップB153;No)、あるいは、ステップB154で、MOEDに対するACTは正しい組合せでない(No)と判定した場合には、当該受信コマンド解析処理を終了する。
ステップB154で、MODEに対するACTは正しい組合せである(Yes)と判定した場合には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップB155)。ステップB155で、MODEは変動系コマンドの範囲である(Yes)と判定した場合には、変動系コマンド処理(ステップB156)を行って、当該受信コマンド解析処理を終了する。
一方、ステップB155で、MODEは変動系コマンドの範囲でない(No)と判定した場合には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップB157)。ステップB157で、MODEは大当り系コマンドの範囲である(Yes)と判定した場合には、大当り系コマンド処理(ステップB158)を行って、当該受信コマンド解析処理を終了する。
ステップB157で、MODEは大当り系コマンドの範囲でない(No)と判定した場合には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップB159)。ステップB159で、MODEは図柄系コマンドの範囲である(Yes)と判定した場合には、図柄系コマンド処理(ステップB160)を行って、当該受信コマンド解析処理を終了する。
ステップB159で、MODEは図柄系コマンドの範囲でない(No)と判定した場合には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップB161)。ステップB161で、MODEは単発系コマンドの範囲である(Yes)と判定した場合には、単発系コマンド処理(ステップB162)を行って、当該受信コマンド解析処理を終了する。
ステップB161で、MODEは単発系コマンドの範囲でない(No)と判定した場合には、MODEは先読み系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップB163)。ステップB163で、MODEは先読み系コマンドの範囲である(Yes)と判定した場合は、先読み系コマンド処理(ステップB164)を行って、当該受信コマンド解析処理を終了する。
ステップB163で、MODEは先読み系コマンドの範囲でない(No)と判定した場合には、ステップB164をスキップして当該受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、前述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(ステップB162)の詳細について説明する。
図26に示すように、単発系コマンド処理では、まず、コマンド上位バイトMODEは「客待ちデモ」コマンドであるか否かを判定する(ステップB171)。ステップB171で、MODEは「客待ちデモ」コマンドである(Yes)と判定した場合には、客待ちデモ設定処理(ステップB172)を行って、当該単発系コマンド処理を終了する。
一方、ステップB171で、MODEは「客待ちデモ」コマンドでない(No)と判定した場合には、MODEは「特図1保留」コマンドであるか否かを判定する(ステップB173)。そして、ステップB173で、MODEは「特図1保留」コマンドである(Yes)と判定した場合には、特図1保留情報設定処理(ステップB174)を行って、当該単発系コマンド処理を終了する。
ステップB173で、MODEは「特図1保留」コマンドでない(No)と判定した場合には、MODEは「特図2保留」コマンドであるか否かを判定する(ステップB175)。そして、ステップB175で、MODEは「特図2保留」コマンドである(Yes)と判定した場合には、特図2保留情報設定処理(ステップB176)を行って、当該単発系コマンド処理を終了する。
ステップB175で、MODEは「特図2保留」コマンドでない(No)と判定した場合には、MODEは「演出モード切替準備」コマンドであるか否かを判定する(ステップB177)。そして、ステップB177で、MODEは「演出モード切替準備」コマンドである(Yes)と判定した場合には、演出モード切替設定処理(ステップB178)を行って、当該単発系コマンド処理を終了する。
ステップB177で、MODEは「演出モード切替準備」コマンドでない(No)と判定した場合には、MODEは「停電復旧」コマンドであるか否かを判定する(ステップB179)。そして、ステップB179で、MODEは「停電復旧」コマンドである(Yes)と判定した場合には、停電復旧設定処理(ステップB180)を行って、当該単発系コマンド処理を終了する。
ステップB179で、MODEは「停電復旧」コマンドでない(No)と判定した場合には、MODEは「電源投入」コマンドであるか否かを判定する(ステップB181)。そして、ステップB181で、MODEは「電源投入」コマンドである(Yes)と判定した場合には、RAMクリアを行なったときの初期化動作を設定する電源投入設定処理(ステップB182)を行って、当該単発系コマンド処理を終了する。
ステップB181で、MODEは「電源投入」コマンドでない(No)と判定した場合には、MODEは「確率情報」コマンドであるか否かを判定する(ステップB183)。そして、ステップB183で、MODEは「確率情報」コマンドである(Yes)と判定した場合には、確率情報設定処理(ステップB184)を行って、当該単発系コマンド処理を終了する。
〔電源投入設定処理〕
次に、上記単発系コマンド処理における電源投入設定処理(ステップB182)の詳細について説明する。電源投入時にメイン処理(図20)によって初期化動作が行なわれるが、この電源投入設定処理は、コマンドに基づいて演出装置や表示装置、装飾装置に関する初期化動作を設定できるようにするものである。
図27に示すように、電源投入設定処理は、先ず、演出装置(16,44)に関して初期値に戻す必要のある領域に初期値を設定する(ステップB191)。具体的には、図20のメイン処理のステップB10の処理と同様に、可動体の切替フラグと初期化動作のための制御番号の初期値を設定する処理を行なう。続いて、RAMクリア時の表示装置41の画面の表示設定(ステップB192)、RAMクリア時のスピーカ19からの音声の出力設定(ステップB193)、RAMクリア時の装飾装置18,46による装飾の出力設定(ステップB194)を行なう。
次に、枠演出装置としてのムービングライト16が既にRAMクリア時動作中であるか否か判定する(ステップB195)。可動体(演出装置)は、電源投入コマンドを受ける前から演出制御装置の1stCPUのメイン処理によって電源投入から所定時間経過後に独自で動かし始めるので、既に動作中なら再設定を行わないようにするためである。
そして、ムービングライトはRAMクリア時動作中でない(ステップB195;No)と判定した場合には、ムービングライトのRAMクリア時動作の出力設定(ステップB196)を行ない、ステップB197へ進む。ステップB195でムービングライトはRAMクリア時動作中である(Yes)と判定した場合には、ステップB196をスキップしてステップB197へ移行する。RAMクリア時動作は初期化動作と実質的に同じでよい。
ステップB197では、盤演出装置としてのロゴ役物44aは既にRAMクリア時動作中であるか否か判定する。そして、ロゴ役物はRAMクリア時動作中でない(ステップB197;No)と判定した場合には、ロゴ役物のRAMクリア時動作の出力設定(ステップB198)を行ない、ステップB199へ進む。一方、ステップB197で、ロゴ役物はRAMクリア時動作中である(Yes)と判定した場合には、ステップB198をスキップしてステップB199へ移行する。
ステップB199では、盤演出装置としての枝役物44bは既にRAMクリア時動作中であるか否か判定する。そして、枝役物はRAMクリア時動作中でない(ステップB199;No)と判定した場合には、枝役物のRAMクリア時動作の出力設定(ステップB200)を行ない、電源投入設定処理を終了する。一方、ステップB199で、枝役物はRAMクリア時動作中である(Yes)と判定した場合には、ステップB198をスキップして電源投入設定処理を終了する。
次に、上記実施形態の遊技機における演出装置の動作タイミングについて説明する。
図28は、電源が投入されたものの遊技制御装置300からの電源投入コマンドを演出制御装置300が受信していない場合における演出装置の動作タイミングを示している。
本実施形態では、電源投入コマンドを受信していなくても図20のメイン処理による初期設定によって、電源投入タイミングt0から所定時間(例えば3秒)経過すると、盤演出装置としてのロゴ役物44aや枝役物44bおよび枠演出装置としてのムービングライト16が動作を開始される(タイミングt2)。そして、一定時間後に盤演出装置としてのロゴ役物44aと枝役物44bの動作が停止される(タイミングt3)。一方、枠演出装置としてのムービングライト16は、ロゴ役物44aと枝役物44bの動作が停止しても動作を続け、タイミングt4で動作を停止するようになっている。
そのため、遊技機の出荷時の検査では、遊技制御装置300と演出制御装置300とが接続されていなくても演出装置の動作確認を行なうことができる。しかも、盤演出装置の動作が停止した後も枠演出装置が動作を続けるため、枠演出装置の動作確認を行なうことができ、効率良く検査を行なうことができる。
なお、ロゴ役物44aと枝役物44bは、それぞれ駆動の仕方が異なるが、往復回数等を調整することで動作終了タイミングを一致させている。また、図28において、t5は通常の演出制御が開始されるタイミングである。演出制御装置300が電源投入コマンドを受信すると、初期化スイッチ信号によるRAMクリア動作中(例えば30秒間)は演出制御装置300によってスピーカが駆動されエラー報知音を出力する制御が行われるが、図28では電源投入コマンドを受信していないため、スピーカ19はもちろん装飾装置18,46のLEDや表示装置41も駆動されないようになっている。
図28に示すタイミングとは逆に、ロゴ役物44aと枝役物44bの動作終了タイミングを、ムービングライト16の動作終了タイミングよりも遅くするようにしてもよい。また、図28の動作タイミングの例では、盤演出装置としてのロゴ役物44aや枝役物44bおよび枠演出装置としてのムービングライト16が、タイミングt2で同時に動作を開始するようにされているが、破線Cで示すように、盤演出装置の動作が終了するタイミングt3で、枠演出装置としてのムービングライトが動作を開始するように設定しても良い。なお、停電復旧時で停電復旧コマンドを受信していない場合も、図28と同じ動作タイミングとなる。
図29には、電源が投入され初期化スイッチがオンされてRAMクリア期間中であって、遊技制御装置300からの電源投入コマンドを演出制御装置300が受信した場合における演出装置の動作タイミングが示されている。
図29では、タイミングt1で電源投入コマンドを受信しているため、受信タイミングt1から、RAMクリア報知期間(例えば30秒間)の間、スピーカ19や装飾装置18,46のLEDや表示装置41の駆動が行なわれる。ただし、演出制御装置は、電源投入コマンドを受信するとメイン処理(図20)のステップB10の初期値設定と同じ処理を行なう(図27のステップB291参照)。そのため、盤演出装置としてのロゴ役物44aと枝役物44bと枠演出装置としてのムービングライト16は、図28と同じタイミングで動作されることとなる。
また、表示装置41においては、電源投入されたことを示す表示が所定期間(例えば30秒間)行われる。そして、所定期間中にコマンドを受信した場合にはコマンドに対応する表示が行われる。一方、電源投入表示の開始から所定期間(30秒間)コマンドを受信しない場合には客待ち表示が開始される(タイミングt5)。なお、電源投入されたことを示す表示は行わずに、デフォルト図柄を表示するようにしてもよい。
図30には、停電復旧時で電源遮断時の制御状態が客待ちデモ中の場合であって、遊技制御装置300からの停電復旧コマンドを演出制御装置300が受信した場合における演出装置の動作タイミングが示されている。
図30の停電復旧時の動作タイミングは、図29とほぼ同じ動作タイミングである。図29との差異は、図30の停電復旧時にはRAMクリアが行なわれないため、スピーカが駆動されない点である。
もちろん、始動入賞があったら、音・ランプは変動の動作を開始する。役物に関しては、動作中に変動開始した場合はキャンセルされる。ただし、役物が動作するのは、スペシャルリーチ中など、時間がある程度経過してからの可能性が高いので、役物が動くタイミングで上記初期化動作が終了しているなら演出動作を行ってもよいし、役物毎に判断するようにしてもよい。なお、動作が被る場合は確実に演出動作の方がキャンセルされる。また、序盤の3秒ウェイトも初期化動作中に含まれる。
また、表示装置41においては、停電復旧されたことを示す表示が所定期間(例えば30秒間)行われ、所定期間中にコマンドを受信した場合にはコマンドに対応する表示が行われる。一方、電源投入表示の開始から所定期間(30秒間)コマンドを受信しない場合には客待ち表示が開始される(タイミングt5)。
図31には、停電復旧時で電源遮断時の制御状態が客待ちデモ中以外の場合であって、停電復旧コマンドを演出制御装置300が受信していない場合における演出装置の動作タイミングが示されている。
図31の停電復旧時の動作タイミングは、図28とほぼ同じ動作タイミングである。図28との差異は、停電復旧と同時に装飾装置のLEDが高速で点滅される点である。
演出残り時間の方が役物の初期化動作時間よりも短い場合は、復帰後の状態に役物初期化動作が食い込む。そこが役物を動かす時であった場合は、初期化動作継続が優先される。
図32には、電源投入時であって既に電源投入コマンドを受信し、初期化動作中に遊技制御装置300からの変動パターンコマンドを演出制御装置300が受信した場合における演出装置の動作タイミングが示されている。
図32の電源投入時の動作タイミングでは、RAMクリア報知の30秒の間に変動パターンコマンドを受信した場合、変動パターンコマンドを受信したタイミングt6で、表示装置41が変動表示を開始する。一方、その変動パターンが役物を動作させるものであっても、RAMクリア報知の期間である30秒経過するまでは初期化動作の方を優先させ、変動に係る役物動作は行わない(動き始める前の3秒間、又は初期化動作終了後にコマンドを受信した場合も含む)。30秒経過した後は、変動に対応する役物動作を行ってもよいし、当該変動中は全ての役物動作をキャンセルするようにしてもよい。音、装飾は30秒経過時点から、その変動に対応する動作を行う。
また、表示装置41においては、電源投入時から電源投入されたことを示す表示が所定期間(30秒間)行われ、所定期間(30秒間)を経過する前のタイミングt6で変動パターンコマンドを受信した場合にはコマンドに対応する表示が行われる。なお、電源投入されたことを示す表示は行わずに、デフォルト図柄を表示するようにしてもよい。
以上の説明より、上記実施形態には、
遊技に供する遊技盤(30)を収納可能な前面枠と遊技盤の前面側を覆う透明板保持枠(15)からなる枠体と、遊技の進行を管理する遊技制御手段(100)と、遊技の進行に合わせて可動体の態様を変化させることが可能な演出装置(16,44)と、該演出装置を制御する演出制御手段(300)とを備えた遊技機において、
前記演出装置として、前記遊技盤側に設けられた盤用役物(44)と、前記枠体側に設けられた枠用役物(16)とを有し、
前記演出制御手段(300)は、所定の条件が成立した場合に、前記盤用役物および前記枠用役物を初期化動作させ、前記盤用役物または前記枠用役物の一方の動作終了タイミングが、他方の役物の動作終了タイミングよりも遅くなるように制御するようにした発明が含まれることが分かる。
ここで、「所定の条件が成立した場合」とは、電源投入時、電源復旧時または初期化スイッチが操作された場合などを意味する。「初期化動作」は、最終的に予め決められた初期位置で停止するものであれば、途中の動作はどのようなものであってもよい。
上記のような発明によれば、盤用役物または枠用役物の動作を目視検査した後に、他方役物動作の目視検査を続けて行うことができるため、出荷時の役物動作検査を効率よく行うことができる。また、動き出す役物を順に目視していけばよいため、検査せずに見落としてしまうことを防止することができる。
また、上記実施形態には、前記演出制御手段(300)は、電源が投入された際には、前記遊技制御手段(100)から送信される電源投入コマンドを受信したか否かに関係なく前記盤用役物(44)および前記枠用役物(16)の初期化動作を行うようにした発明が含まれる。
ここで、「電源投入コマンド」には、電源が投入されたことを知らせるコマンドの他、停電が発生し復旧した際に停電復旧したことを知らせるコマンドが含まれる。
上記のような発明によれば、電源投入コマンドを受信していなくても役物の初期化動作の確認を行うことができるため、遊技制御手段から役物を動作させるコマンドを送信する必要がなく、検査を効率よく行うことができる。
また、前述の説明より、上記実施形態には、
遊技に供する遊技盤(30)を収納可能な前面枠と遊技盤の前面側を覆う透明板保持枠(15)からなる枠体と、遊技の進行を管理する遊技制御手段(100)と、遊技の進行に合わせて可動体の態様を変化させることが可能な演出装置(16,44)と、前記遊技盤および/または前記枠体に設けられ発光することで装飾を行なう装飾装置(18,46)と、前記遊技制御手段からの指令を受けて前記演出装置および装飾装置を制御可能な演出制御手段(300)とを備えた遊技機において、
前記遊技制御手段(100)は、電源が投入されると前記演出制御手段(300)に対する所定の指令を送信可能に構成され、
前記演出制御手段(300)は、電源が投入された際には、
前記遊技制御手段(100)から送信される前記所定の指令を受信したことに応じて該所定の指令に対応して前記装飾装置(18,46)を発光制御する一方で、
前記遊技制御手段から送信される前記所定の指令を受信したか否かに関係なく、前記所定の指令を受信し得る期間を含む所定期間を経過したことを条件に、前記演出装置(16,44)の初期化動作を行うようにした発明が含まれることが分かる。
ここで、「演出装置」とは可動体の作動が主体となっているものを意味し、可動体が発光することで装飾を行なう部分を備えているものを排除するものではない。また、「装飾装置」とは発光することで装飾を行なう機能が主体となっているものを意味し、可動する部分を備えているものを排除するものではない。
また、「電源が投入された」には、システムの電源投入の他、停電復旧時の電源投入が含まれる。また、「所定の指令」には、電源投入または停電復旧したことを知らせるコマンドの他、初期化スイッチがオンされたことを知らせるコマンドが含まれる。「初期化動作」は、最終的に予め決められた初期位置で停止するものであれば、途中の動作はどのようなものであってもよい。
上記のような発明によれば、電源投入後の所定期間中は、演出装置(役物)の初期化動作をせずに装飾装置の発光が行なわれるため、装飾装置の動作を目視検査することができ、その後、演出装置(役物)の動作の目視検査を続けて行うことができるため、出荷時の装飾装置および演出装置の動作確認を効率よく行うことができる。
さらに、前述の説明より、上記実施形態には、
遊技に供する遊技盤(30)を収納可能な前面枠と遊技盤の前面側を覆う透明板保持枠(15)からなる枠体と、遊技の進行を管理する遊技制御手段(100)と、遊技の進行に合わせて可動体の態様を変化させることが可能な演出装置(16,44)と、変動表示ゲームを表示可能な表示装置(41)と、前記遊技制御手段からの指令を受けて前記演出装置および表示装置を制御可能な演出制御手段(300)とを備えた遊技機において、
前記演出制御手段(300)は、所定の条件が成立した場合に、前記演出装置(16,44)を初期化動作させ、該初期化動作中に前記遊技制御手段(100)から送信された前記演出装置の動作を伴う変動態様に関する情報を受信した場合には、前記表示装置(41)において前記受信した情報に対応する表示制御を開始する一方、前記初期化動作が終了するまで、前記受信した情報に対応する前記演出装置の制御を開始させずに前記初期化動作を継続して行うようにした発明が含まれることが分かる。
ここで、「所定の条件が成立した場合」とは、電源投入時、電源復旧時または初期化スイッチが操作された場合などを意味する。「初期化動作」は、最終的に予め決められた初期位置で停止するものであれば、途中の動作はどのようなものであってもよい。「変動態様に関する情報」は、変動パターンコマンドのようなコマンドコードあるいは単なるデータであってもよい。
上記のような発明によれば、演出装置の初期化動作中に変動態様に関する情報を受信した場合には、表示装置において表示制御を開始する一方、演出装置の初期化動作を継続して行うので、演出装置の初期化動作と表示装置における変動表示の目視検査を並行して行うことができるため、出荷時の役物動作検査を効率よく行うことができる。
また、上記実施形態には、前記演出装置として、前記遊技盤側に設けられた盤用役物(44)と、前記枠体側に設けられた枠用役物(16)とを有し、
前記演出制御手段(300)は、所定の条件が成立した場合に、前記盤用役物および前記枠用役物を初期化動作させ、前記盤用役物または前記枠用役物の一方の動作終了タイミングが、他方の役物の動作終了タイミングよりも遅くなるように制御するようにした発明が含まれる。
ここで、「所定の条件が成立した場合」とは、電源投入時、停源復旧時または初期化スイッチが操作された場合などを意味する。
上記のような発明によれば、盤用役物または枠用役物の動作を目視検査した後に、他方役物動作の目視検査を続けて行うことができるため、出荷時の役物動作検査を効率よく行うことができる。また、動き出す役物を順に目視していけばよいため、検査せずに見落としてしまうことを防止することができる。
以上本発明をパチンコ遊技機に適用したものを説明したが、本発明は、上記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えばアレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用する遊技機やスロットマシンなどに適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。