JP6314228B2 - 一軸配向ポリエステルフィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用センサーフィルム、飛散防止フィルム、反射防止フィルム、タッチパネルおよび一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

一軸配向ポリエステルフィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用センサーフィルム、飛散防止フィルム、反射防止フィルム、タッチパネルおよび一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一軸配向ポリエステルフィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用センサーフィルム、飛散防止フィルム、反射防止フィルム、タッチパネルおよび一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関する。より詳しくは、虹ムラの発生が抑制でき、タッチパネルに用いられる各種フィルムの加工工程でのシワや破断等の問題を解消でき、特にタッチパネル用の各種フィルムの基材としての使用に特に適した厚さの一軸配向ポリエステルフィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用センサーフィルム、飛散防止フィルム、反射防止フィルム、タッチパネルおよび一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
近年、タッチパネルにおいて、偏光サングラスをかけたときの虹ムラの抑制や、タッチパネルに使用される各種フィルム基材の薄手化が求められている。それにより、厚みの薄い一軸配向ポリエステルフィルムが、タッチパネルに使用される各種フィルム(飛散防止フィルム、反射防止フィルムや透明導電性フィルムなど)の基材に使われはじめている。
特許文献1には、Reを3000nm以上にした高分子フィルムを用い、高分子フィルムの遅相軸が偏光板の吸収軸と斜め45°となるように液晶パネルに貼ることで、虹ムラを抑制することが開示されている。
特開2012−230390号公報 特開2012−094699号公報
タッチパネルに使用される各種フィルムは、塗布・乾燥・スパッタリング等の工程で高温や高テンションの環境にさらされることが多い。本発明者らが検討したところ、厚みの薄い一軸配向ポリエステルフィルムをタッチパネルの基材として使用すると、塗布・乾燥・スパッタリング等の工程で高温や高テンションの環境にさらされる結果、フィルムにシワが生じたり、破断が起こったりすることが多いことを見出すに至った。
特許文献1には、薄手の一軸配向ポリエステルフィルムのシワや破断に関する記載がなかった。そこで、本発明者らが検討したところ、特許文献1の一軸配向ポリエステルフィルムは虹ムラの抑制には効果があるが、偏光板加工工程や塗布工程などの後工程でのフィルム破断の抑制が不十分であり、タッチパネル用のフィルムとしての使用は難しいことがわかった。
一方、特許文献2には、ポリエステルフィルムの熱固定温度をTm−35〜65℃で熱固定し、140〜175℃で熱弛緩処理することで、フィルムの熱収縮を低下させ、均一化し、後工程でのシワ等の故障を改良することが開示されている。特許文献2には、フィルムの低熱収縮化及びその均一化がシワ等の改良に効果的であることが示されている。しかしながら、特許文献2では二軸延伸された二軸配向ポリエステルフィルムについてしか検討されておらず、一軸配向ポリエステルフィルムは二軸配向ポリエステルフィルムと物性も全く異なるため、一軸配向ポリエステルフィルムの偏光板加工工程や塗布工程などの後工程でのフィルム破断の抑制を達成する方法についての知見は得られなかった。
本発明の解決しようとする課題は、虹ムラの発生が抑制でき、タッチパネルに用いられる各種フィルムの加工工程でのシワや破断等の問題を解消でき、特にタッチパネル用の各種フィルムの基材としての使用に特に適した厚さの一軸配向ポリエステルフィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用センサーフィルム、飛散防止フィルム、反射防止フィルム、タッチパネルおよび一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、フィルムの厚み、フィルム面内方向の複屈折、フィルム面内方向とフィルム厚み方向の複屈折の割合、MD方向の弾性率、MD方向とTD方向の弾性率の割合、フィルム幅方向の引裂強度、フィルム長手方向の破断強度を制御することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記課題を達成するための具体的手段である本発明は以下のとおりである。
[1] 下記式1〜7を満たす、一軸配向ポリエステルフィルム;
20μm≦t≦60μm ・・・式1
2000nm≦Re≦6500nm ・・・式2
0.7≦Re/Rth≦1.4 ・・・式3
2000MPa≦EMD ・・・式4
2≦ETD/EMD≦3 ・・・式5
5g・cm/cm≦TRTD ・・・式6
50MPa≦TBMD ・・・式7
式1〜7中、tはフィルム厚みを表し、単位はμmであり、
Reはフィルム面内のレターデーションを表し、単位はnmであり、
Rthはフィルム厚み方向のレターデーションを表し、単位はnmであり、
EMDはフィルム長手方向の弾性率を表し、単位はMPaであり、
ETDはフィルム幅方向の弾性率を表し、単位はMPaであり、
TRTDはフィルム幅方向の引裂強度を表し、単位はg・cm/cmであり、
TBMDはフィルム長手方向の破断強度を表し、単位はMPaである。
[2] [1]に記載の一軸配向ポリエステルフィルムは、前述の一軸配向ポリエステルフィルムの150℃30分静置した後におけるMD方向の熱収縮率が0.8%以下であり、
前述の一軸配向ポリエステルフィルムの150℃30分静置した後におけるTD方向の熱収縮率が0.8%以下であり、
前述のMD方向の熱収縮率と前述のTD方向の熱収縮率の差の絶対値が0.6%以下であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の一軸配向ポリエステルフィルムは、前述の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層が積層されたことが好ましい。
[4] [3]に記載の一軸配向ポリエステルフィルムは、前述の易接着層が、粒子を含有し、
前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さが、前述の易接着層の膜厚以上であることが好ましい;
前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さは、1mm四方の易接着層中の5点における平均値である。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層された、ハードコートフィルム。
[6] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に粘着層が積層された、飛散防止フィルム。
[7] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に防眩層が積層された、反射防止フィルム。
[8] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の一軸配向ポリエステルフィルムを含む、タッチパネル用センサーフィルム。
[9] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の一軸配向ポリエステルフィルム、[5]に記載のハードコートフィルム、[6]に記載の飛散防止フィルム、[7]に記載の反射防止フィルムおよび[8]に記載のタッチパネル用センサーフィルムの少なくとも一つを備える、タッチパネル。
[10] [9]に記載のタッチパネルは、液晶パネルと、
前述の液晶パネルの出射面に配置される偏光板とを有し、
前述の一軸配向ポリエステルフィルム、前述のハードコートフィルム、前述の飛散防止フィルム、前述の反射防止フィルムおよび前述のタッチパネル用センサーフィルムの少なくとも一つの遅相軸が、前述の偏光板の吸収軸に対して、45±25°の範囲で配置されたことが好ましい。
[11] フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置を用いる[1]〜[4]のいずれか一つに記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法であって、
実質的に未延伸のポリエステルフィルムを前述のクリップで把持しながら横延伸する工程と、
前述の横延伸後のポリエステルフィルムを前述のテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程とを含み、
前述の横延伸工程における横延伸倍率を3.3倍以上4.8倍以下の範囲に制御し、
前述の横延伸工程における、延伸開始時の膜面温度を80℃以上95℃以下の範囲に保ち、かつ延伸終了時の膜面温度を90℃以上105℃以下に保ち、
前述の延伸開始時から前述の延伸終了時にかけて膜面温度を徐々に上昇させ、
前述の一軸配向ポリエステルフィルムの厚みが20μm以上60μm以下である、一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
[12] [11]に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸工程において、
延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度を80℃以上92℃以下、
延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度を85℃以上97℃以下、
延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度を90℃以上102℃以下に保つことが好ましい;
ただし、延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度は延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度以下となることはなく、延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度は延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度以下になることはない。
[13] [11]または[12]に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の熱固定されたポリエステルフィルムを加熱し、かつ、前述のポリエステルフィルムの少なくともMD方向の長さを縮める熱緩和工程を含み、
前述の熱緩和工程において、前述の熱固定されたポリエステルフィルムのMD方向の長さを縮める割合であるMD方向の緩和率を1〜7%とし、前述の熱固定されたポリエステルフィルムのTD方向の長さを縮める割合であるTD方向の緩和率を0〜6%とすることが好ましい。
[14] [13]に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の熱固定および前述の熱緩和工程の最高到達膜面温度を130℃以上190℃以下の範囲に保つことが好ましい。
本発明の構成によれば、虹ムラの発生が抑制でき、タッチパネルに用いられる各種フィルムの加工工程でのシワや破断等の問題を解消でき、特にタッチパネル用の各種フィルムの基材としての使用に特に適した厚さの一軸配向ポリエステルフィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル用センサーフィルム、飛散防止フィルム、反射防止フィルム、タッチパネルおよび一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法を提供することができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、ポリエステルフィルムの製造方法は、後に詳述するが、ポリエステルフィルムは、通常、ロール等を用いて搬送し、延伸することにより得られる。このとき、フィルムの搬送方向をMD(Machine Direction)方向とも称する。また、フィルムのMD方向は、フィルムの長手方向とも称される。また、フィルム幅方向とは、長手方向に直交する方向である。フィルム幅方向は、フィルムを搬送しながら製造されたフィルムにおいては、TD(Transverse Direction)方向とも呼ばれる。
[一軸配向ポリエステルフィルム]
本発明の一軸配向ポリエステルフィルム(以下、単に「フィルム」ともいう)は、下記式1〜7を満たす。
20μm≦t≦60μm ・・・式1
2000nm≦Re≦6500nm ・・・式2
0.7≦Re/Rth≦1.4 ・・・式3
2000MPa≦EMD ・・・式4
2≦ETD/EMD≦3 ・・・式5
5g・cm/cm≦TRTD ・・・式6
50MPa≦TBMD ・・・式7
式1〜7中、tはフィルム厚みを表し、単位はμmであり、
Reはフィルム面内のレターデーションを表し、単位はnmであり、
Rthはフィルム厚み方向のレターデーションを表し、単位はnmであり、
EMDはフィルム長手方向の弾性率を表し、単位はMPaであり、
ETDはフィルム幅方向の弾性率を表し、単位はMPaであり、
TRTDはフィルム幅方向の引裂強度を表し、単位はg・cm/cmであり、
TBMDはフィルム長手方向の破断強度を表し、単位はMPaである。
このような構成により、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、虹ムラの発生が抑制でき、タッチパネルに用いられる各種フィルムの加工工程でのシワや破断等の問題を解消でき、特にタッチパネル用の各種フィルムの基材としての使用に特に適した厚さである。
一軸配向ポリエステルフィルムについて、虹ムラの発生が抑制でき、タッチパネルに用いられる各種フィルムの加工工程でのシワや破断等の問題を解消でき、特にタッチパネル用の各種フィルムの基材としての使用に特に適した厚さとすることは、従来の製造方法では達成できていなかった。これに対し、本発明では、横延伸工程の延伸開始〜終了時の膜面温度を特定の範囲としながら延伸倍率が高まるにつれて延伸温度を高くすることで、本発明で規定する物性の一軸配向ポリエステルフィルムを製造できることを見出すに至った。このような本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、従来公知の製造方法とは全く異なるものである。そもそも、横延伸工程において、延伸倍率が高まるにつれて延伸温度を高くする方法はほとんど知られていなかった。また、本発明で規定する物性の一軸配向ポリエステルフィルムは、延伸していない状態で加熱すると微小なポリエステルの結晶(球晶と呼ばれることもある)が発生するとの推定に基づき、微小なポリエステルの結晶の発生抑制に着目した結果、横延伸工程において、横延伸工程の延伸開始〜終了時の膜面温度を特定の範囲としながら、かつ、延伸倍率が高まるにつれて延伸温度を高くすることが微小なポリエステルの結晶の発生抑制に効果的であることに本発明者らが気付き、新規な製造方法を見出したことにより、製造可能となった。そのため、本発明で規定する物性の一軸配向ポリエステルフィルムは、特開2012−230390号公報や特開2012−094699号公報などに記載の製造方法を参照したり、組み合わせたり、さらに通常の設計変更を検討したりしても、製造することは困難である。
以下、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの好ましい態様について説明する。
<一軸配向ポリエステルフィルムの特性>
(厚み)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、下記式1を満たす。
20μm≦t≦60μm ・・・式1
式1〜7中、tはフィルム厚みを表し、単位はμmである。
フィルム厚みtは、25μm以上55μm以下がより好ましく、30μm以上50μm以下が更に好ましい。20μmを下回ると虹ムラが生じ、60μmを上回ると厚みが厚すぎてタッチパネル用のフィルム基材としては適さなくなる。
一軸配向ポリエステルフィルムの厚みtは、例えば、接触式膜厚測定計を用い、縦延伸した方向(長手方向)に0.5mにわたり等間隔に50点をサンプリングし、さらにフィルム幅方向(長手方向に直交する方向)にフィルム全幅にわたり等間隔(幅方向に50等分)に50点をサンプリングした後、これらの100点の厚みを測定した。これら100点の平均の厚みを求め、一軸配向ポリエステルフィルムの厚みとした。
(位相差)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、面内方向のレターデーションReは、下記式2を満たす。
2000nm≦Re≦6500nm ・・・式2
Reはフィルム面内のレターデーションを表し、単位はnmである。
面内方向のレターデーションReは、2500nm以上5500nm以下がより好ましく、3000nm以上5000nm以下が更に好ましい。2000nmを下回ると虹ムラが生じ、6500nmを上回るようにするには厚みが厚くなり過ぎてタッチパネル用のフィルム基材としては適さなくなる。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、厚み方向レターデーションRthは3000〜30000nm以下が好ましく、3500〜25000nmがより好ましく、4000〜20000nm以下が更に好ましい。Rthが3000nmを下回るフィルムを作るのは原理的に難しい。30000nmを以下であると、パネルにしたときに画面に色むらが生じ難くなり、好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、面内方向のレターデーションReと厚み方向レターデーションRthとの比(Re/Rth)は、下記式3を満たす。
0.7≦Re/Rth≦1.4 ・・・式3
Reはフィルム面内のレターデーションを表し、単位はnmであり、
Rthはフィルム厚み方向のレターデーションを表し、単位はnmである。
Re/Rthは0.8以上1.2以下がより好ましく、0.85以上1.1以下が更に好ましい。0.7を下回ると虹ムラが生じ、1.4を上回るようにするには高Re化とトレードオフになり、逆に虹ムラが生じやすくなる。
虹むらは、Re、Rthの関係を表すNz値を適切な値とすることでも低減することができ、虹ムラの低減効果および製造適性より、Nz値は絶対値が2.0以下であることが好ましく、0.5〜2.0であることがより好ましく、0.5〜1.5であることがさらに好ましい。
虹ムラは入射光により発生する為、通常は白表示時で観察される。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの面内位相差値Reは、下記式(14)で表される。
Re=(nx−ny)×y・・・(14)
ここで、nxはポリエステルフィルムの面内遅相軸方向の屈折率であり、nyはポリエステルフィルムの面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率であり、yはポリエステルフィルムの厚みである。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの厚み方向のレターデーションRthは下記式(15)で表される。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×y・・・(15)
ここでnzはポリエステルフィルムの厚み方向の屈折率である。
なお、ポリエステルフィルムのNz値は、下記式(16)で表される。
Nz=(nx−nz)/(nx−ny)・・・(16)
本明細書中において、波長λnmでのRe、Rth及びNzは次のようにして測定できる。
二枚の偏光板を用いて、ポリエステルフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求め、前述の二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。ポリエステルフィルムの厚みy(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。測定したNx、Ny、Nz、yの値からRe、Rth、Nzをそれぞれ算出した。
上記のRe、Rthは、フィルムに用いられるポリエステル樹脂の種類、前述のポリエステル樹脂と添加剤の量、レターデーション発現剤の添加、フィルムの膜厚、フィルムの延伸方向と延伸率等により調整することができる。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムを上記のRe、Rthの範囲に制御する方法は特に制限はないが、例えば延伸法によって達成できる。
(弾性率)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム長手方向の弾性率EMDは、下記式4を満たす。
2000MPa≦EMD ・・・式4
EMDはフィルム長手方向の弾性率を表し、単位はMPaである。
フィルム長手方向の弾性率EMDは、2200MPa以上がより好ましく、2400MPa以上が更に好ましい。フィルム長手方向の弾性率EMDが2000MPaを下回るとシワや破断が生じやすくなる。フィルム長手方向の弾性率EMDに特に上限はないが、ReやRe/Rthと両立するような一軸配向ポリエステルフィルムを作るには、実質的に3500MPa程度が上限と考えられる。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、TD方向の弾性率のMD方向の弾性率に対する比ETD/EMDは、下記式5を満たす。
2≦ETD/EMD≦3 ・・・式5
EMDはフィルム長手方向の弾性率を表し、単位はMPaであり、
ETDはフィルム幅方向の弾性率を表し、単位はMPaである。
TD方向の弾性率のMD方向の弾性率に対する比ETD/EMDは、2.1以上2.9以下がより好ましく、2.2以上2.8以下が更に好ましい。TD方向の弾性率のMD方向の弾性率に対する比ETD/EMDが3を上回ると縦方向のシワが生じやすくなる。TD方向の弾性率のMD方向の弾性率に対する比ETD/EMDが2を下回るとReやRe/Rthとの両立が困難となる。
(引裂強度)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム幅方向の引裂強度TRTDは、下記式6を満たす。
5g・cm/cm≦TRTD ・・・式6
TRTDはフィルム幅方向の引裂強度を表し、単位はg・cm/cmである。
フィルム幅方向の引裂強度TRTDは、6g・cm/cm以上がより好ましく、7g・cm/cm以上が更に好ましい。フィルム幅方向の引裂強度TRTDが5g・cm/cmを下回ると搬送中に破断が生じやすくなる。フィルム幅方向の引裂強度TRTDに特に上限はないが、25g・cm/cmを上回るには厚み、ReやRe/Rthとの両立が困難となる。
(破断強度)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム長手方向の破断強度TBMDは、下記式7を満たす。
50MPa≦TBMD ・・・式7
TBMDはフィルム長手方向の破断強度を表し、単位はMPaである。
フィルム長手方向の破断強度TBMDは、60MPa以上がより好ましく、65MPa以上が更に好ましい。フィルム長手方向の破断強度TBMDが50MPaを下回ると搬送中に破断が生じやすくなる。フィルム長手方向の破断強度TBMDに特に上限はないが、100MPaを上回るにはReやRe/Rthとの両立が困難となる。
(熱収縮率)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、150℃30分静置した後におけるMD方向の熱収縮率が0.8%以下であることが好ましく、0.6%以下がより好ましく、0.4%以下が更に好ましい。0.8%以下であるとフィルムにシワが生じにくくなる。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、150℃30分静置した後におけるTD方向の熱収縮率が0.8%以下であることが好ましく、0.6%以下がより好ましく、0.4%以下が更に好ましい。0.8%以下であるとフィルムにシワが生じにくくなる。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、前述のMD方向の熱収縮率と前述のTD方向の熱収縮率の差の絶対値が0.6%以下であることが好ましい。MD方向の熱収縮率とTD方向の熱収縮率の差の絶対値は、0.4%以下がより好ましく、0.3%以下が更に好ましい。MD方向の熱収縮率とTD方向の熱収縮率の差の絶対値が0.6%以下であるとフィルムにシワが生じにくくなる。
本発明において、150℃30分静置した後におけるMD方向の熱収縮率(150℃で30分加熱した後のフィルム長手方向の熱収縮率(150℃、30分))とは、次のように定義する。
TD方向30mm、MD方向120mmに裁断したポリエステルフィルムの試料片Mに、予めMD方向で100mmの間隔となるように2本の基準線を入れる。試料片Mを、無張力下で150℃の加熱オーブン中に30分間放置した後、試料片Mを室温まで冷却する処理を行い、2本の基準線の間隔を測定する。このときに測定される処理後の間隔をA〔mm〕とする。処理前の間隔100mmと、処理後の間隔Ammとから、「100×(100−A)/100」の式を用いて算出される数値〔%〕を、試料片MのMD熱収縮率(S)とする。
MD方向の熱収縮を、MD熱収縮ともいい、その割合をMD熱収縮率という。従って、フィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率は、MD熱収縮率とも表現する。
本発明において、150℃30分静置した後におけるTD方向の熱収縮率(150℃で30分加熱した後のフィルム幅方向の熱収縮率(150℃、30分))とは、次のように定義する。
MD方向30mm、TD方向120mmに裁断したポリエステル樹脂フィルムの試料片Mに、予めTD方向で100mmの間隔となるように2本の基準線を入れる。試料片Mを、無張力下で150℃の加熱オーブン中に30分間静置した後、試料片Mを室温まで冷却する処理を行い、2本の基準線の間隔を測定する。このときに測定される処理後の間隔をA〔mm〕とする。処理前の間隔100mmと、処理後の間隔Ammとから、「100×(100−A)/100」の式を用いて算出される数値〔%〕を、試料片MのTD熱収縮率(S)とする。
TD方向の熱収縮を、TD熱収縮ともいい、その割合をTD熱収縮率という。従って、フィルム幅方向と直交する方向の熱収縮率は、TD熱収縮率とも表現する。
(フィルム長さ)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム長さが100m以上であり、ロール形態で巻かれたことが好ましい。
フィルム長さは、100m以上が好ましく、300m以上がより好ましく、500m以上が更に好ましい。本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、このような長さで、ロール形態で巻かれた場合であっても、ロール形態での巻きベコおよびシワも抑制できる。
(屈折率、結晶化度)
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、一軸配向であることが好ましい。具体的には、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、長手方向の屈折率が1.590以下であり、かつ、結晶化度が5%を超えることが好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの長手方向の屈折率の好ましい範囲は、未延伸のポリエステルフィルムの長手方向の屈折率の好ましい範囲と同様である。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの結晶化度は、5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。
<一軸配向ポリエステルフィルムの材料、層構成、表面処理>
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を含む。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を主成分とする層の単層フィルムであってもよいし、ポリエステル樹脂を主成分とする層を少なくとも1層有する多層フィルムであってもよい。また、これら単層フィルム又は多層フィルムの両面又は片面に表面処理が施されたものであってもよく、この表面処理は、コロナ処理、ケン化処理、熱処理、紫外線照射、電子線照射等による表面改質であってもよいし、高分子や金属等の塗布や蒸着等による薄膜形成であってもよい。フィルム全体に占めるポリエステル樹脂の質量割合は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、前述の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層が積層されたことが好ましい。前述の易接着層が、粒子を含有し、前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さが、前述の易接着層の膜厚以上であることがより好ましい;
前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さは、1mm四方の易接着層中の5点における平均値である。
易接着層に含有される粒子の、前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さが易接着層(好ましくは塗布層)の膜厚を下回ると、滑り性が低下し、シワが生じやすくなる。
粒子の種類は、本発明の目的を満たす粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の粒子が挙げられ、好ましくはシリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムである。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
粒子径については、前述の易接着層が、前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さが、前述の易接着層の膜厚以上となる粒子径であることが好ましい。一次平均粒子径が調整された粒子を用いることが好ましいが、結果として前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さが、前述の易接着層の膜厚以上となるよう凝集した粒子であってもよい。凝集した粒子の場合は、二次平均粒子径を測定することで前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さを確認可能である。
(1−1)ポリエステル樹脂
前述のポリエステル樹脂としては、WO2012/157662号公報の[0042]の組成のものが好ましく用いられる。
ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレヒタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)等を使用できるが、コスト、耐熱性からPET、PENがより好ましく、さらに好ましくはPETである(PENはややRe/Rthが小さくなりやすい)。
ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートが最も好ましいが、ポリエチレンナフタレートも好ましく用いることができ、例えば特開2008−39803号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
ポリエチレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する構成単位と、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する構成単位とを有するポリエステルであり、全繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるのがよく、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、イソフタル酸、パラ−β−オキシエトキシ安息香酸、4,4’−ジカルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等のジカルボン酸成分や、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、上記カルボン酸成分やジオール成分と共に、パラ−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸を併用することも可能である。他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分及び/又はジオール成分が用いられていてもよい。ポリエチレンテレフタレートの製造法としては、テレフタル酸とエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸及び/又は他のジオールを直接反応させるいわゆる直接重合法や、テレフタル酸のジメチルエステルとエチレングリコール、並びに必要に応じて他のジカルボン酸のジメチルエステル及び/又は他のジオールをエステル交換反応させる、いわゆるエステル交換反応法等の任意の製造法を適用することができる。
(1−2)ポリエステル樹脂の物性
(1−2−1)固有粘度
ポリエステル樹脂の固有粘度IV(Intrinsic Viscosity)は0.5以上0.9以下が好ましく、より好ましくは0.52以上0.8以下、さらに好ましくは0.54以上0.7以下である。このようなIVにするには、ポリエステル樹脂を合成するときに、後述の溶融重合に加えて、固相重合を併用しても構わない。
(1−2−2)アセトアルデヒド含率
ポリエステル樹脂のアセトアルデヒド含有量は50ppm以下であることが好ましい。さらに好ましくは40ppm以下、特に好ましくは30ppm以下である。アセトアルデヒドはアセトアルデヒド同士で縮合反応を容易に起こし、副反応物として水が生成し、この水により、ポリエステルの加水分解が進む場合がある。アセトアルデヒド含有量の下限は現実的には1ppm程度である。アセトアルデヒド含有量を上記範囲にするためには、樹脂の製造時の溶融重合、固相重合など各工程での酸素濃度を低く保つ、樹脂保管時、乾燥時の酸素濃度を低く保つ、フィルム製造時に押出機、メルト配管、ダイ等で樹脂にかかる熱履歴を低くする、溶融させる際の押出機のスクリュー構成等で局所的に強い剪断がかからないようにするなどの方法を採用することが出来る。
(1−3)触媒
ポリエステル樹脂の重合には、Sb、Ge、Ti、Al系触媒が用いられ、好ましくはSb、Ti、Al系触媒、さらに好ましくはAl系触媒である。
すなわち、原料樹脂として用いられるポリエステル樹脂がアルミニウム触媒を用い重合したものであることが好ましい。
Al系触媒を用いることで、他の触媒(例えばSb、Ti)を用いた場合より、Reが発現し易くなり、PETの薄手化が可能になる。即ちAl系触媒のほうが配向し易いことを意味している。これは以下の理由によると推察される。
Al系触媒はSb,Tiにくらべ反応性(重合活性)が低い分、反応がマイルドであり、副生成物(ジエチレングリコールユニット:DEG)が生成し難い。
この結果、PETの規則性が高まり、配向し易くReを発現し易い。
(1−3−1)Al系触媒
前述のAl系触媒としては、WO2011/040161号公報の[0013]〜[0148](US2012/0183761号公報の[0021]〜[0123])に記載のものを援用して使用でき、これらの公報に記載された内容は本願明細書に組み込まれる。
前述のAl系触媒を用いてポリエステル樹脂を重合する方法としては特に制限はないが、具体的には、WO2012/008488号公報の[0091]〜[0094](US2013/0112271号公報の[0144]〜[0153])を援用して、これらの公報に従い重合でき、これらの公報に記載された内容は本願明細書に組み込まれる。
このようなAl系触媒は、例えば特開2012−122051号公報の[0052]〜[0054]、[0099]〜[0104](WO2012/029725号公報の[0045]〜[0047]、[0091]〜[0096])を援用して、これらの公報に従い調製でき、これらの公報に記載された内容は本願明細書に組み込まれる。Al系触媒量は、ポリエステル樹脂の質量に対するAl元素の量として3〜80ppmが好ましく、より好ましくは5〜60ppm、さらに好ましくは5〜40ppmである。
(1−3−2)Sb系触媒:
前述のSb系触媒としては、特開2012−41519号公報の[0050]、[0052]〜[0054]の記載のものを使用できる。
前述のSb系触媒を用いてポリエステル樹脂を重合する方法としては特に制限はないが、具体的には、WO2012/157662号公報の[0086]〜[0087]に従い重合できる。
(1−4)添加剤:
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムには公知の添加剤を加えることも好ましい。その例としては、紫外線吸収剤、粒子、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、染料、顔料等が挙げられる。ただし、ポリエステルフィルムは、一般に透明性が必要とされるため、添加剤の添加量は最小限にとどめておくことが好ましい。
(1−4−1)紫外線(UV)吸収剤:
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムには、液晶ディスプレイの液晶等が紫外線により劣化することを防止するために、紫外線吸収剤を含有させることも可能である。紫外線吸収剤は、紫外線吸収能を有する化合物で、ポリエステルフィルムの製造工程で付加される熱に耐えうるものであれば特に限定されない。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤があるが、透明性の観点からは有機系紫外線吸収剤が好ましい。WO2012/157662号公報の[0057]に記載のものや、後述の環状イミノエステル系の紫外線吸収剤を使用できる。
環状イミノエステル系の紫外線吸収剤としては、下記に限定されるものではないが、例えば、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(1−または2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−パラ−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−メタ−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−パラ−ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−パラ−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−オルト−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−パラ−(またはメタ−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、2−(パラ−(N−メチルカルボニル)フェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2、2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)〔なお、2,2’−パラ−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)とも言う〕、2,2’−メタ−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−または1,5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−パラ−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−パラ−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−パラ−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)などが挙げられる。
上記化合物のうち、色調を考慮した場合、黄色味が付きにくいベンゾオキサジノン系の化合物が好適に用いられ、その例としては、下記の一般式(1)で表されるものがより好適に用いられる。
Figure 0006314228
上記一般式(1)中、Rは2価の芳香族炭化水素基を表しXおよびXはそれぞれ独立して水素または以下の官能基群から選ばれるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
官能基群:アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アルコキシル基、アリールオキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、ニトロ基。
上記一般式(1)で表される化合物の中でも、本発明においては、2、2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が特に好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルム中に含有させる紫外線吸収剤の量は、通常10.0質量%以下、好ましくは0.3〜3.0質量%の範囲で含有するものである。10.0質量%を超える量の紫外線吸収剤を含有させた場合は、表面に紫外線吸収剤がブリードアウトし、接着性低下等、表面機能性の悪化を招くおそれがある。
また、多層構造の本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの場合、少なくとも3層構造のものが好ましく、紫外線吸収剤は、その中間層に配合することが好ましい。中間層に紫外線吸収剤を配合することにより、この化合物がフィルム表面へブリードアウトしてくるのを防ぐことができ、その結果、フィルムの接着性等の特性を維持することができる。
これらの配合には、WO2011/162198号公報の[0050]〜[0051]に記載のマスターバッチ法を利用できる。
(1−4−2)その他添加剤
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムには、その他添加剤を用いてもよく、例えばWO2012/157662号公報の[0058]に記載のものを援用して使用でき、これらの公報に記載された内容は本願明細書に組み込まれる。
[一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法]
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置を用いる本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法であって、実質的に未延伸のポリエステルフィルムを前述のクリップで把持しながら横延伸する工程と、前述の横延伸後のポリエステルフィルムを前述のテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程とを含み、前述の横延伸工程における横延伸倍率を3.3倍以上4.8倍以下の範囲に制御し、前述の横延伸工程における、延伸開始時の膜面温度を80℃以上95℃以下の範囲に保ち、かつ延伸終了時の膜面温度を90℃以上105℃以下に保ち、前述の延伸開始時から前述の延伸終了時にかけて膜面温度を徐々に上昇させ、前述の一軸配向ポリエステルフィルムの厚みが20μm以上60μm以下である。
ここで、「実質的に未延伸のポリエステルフィルム」とは、MD方向およびTD方向の屈折率がいずれも1.590以下であるポリエステルフィルムのことを意味し、例えばMD方向に微量延伸するなどしても、MD方向およびTD方向の屈折率がいずれも1.590以下であるポリエステルフィルムなども実質的に未延伸のポリエステルフィルムに含まれる。
以下、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法の好ましい態様について、説明する。
<溶融混練>
前述の実質的に未延伸のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂を溶融押出ししてフィルム状に成形されてなることが好ましい。
ポリエステル樹脂、または上述のマスターバッチ法で製造したポリエステル樹脂と添加剤のマスターバッチを含水率200ppm以下に乾燥した後、単軸あるいは2軸の押出し機に導入し溶融させることが好ましい。この時、ポリエステルの分解を抑制するために、窒素中あるいは真空中で溶融することも好ましい。詳細な条件は、特許4962661号の[0051]〜[0052](US2013/0100378号公報の[0085]〜[0086])を援用して、これらの公報に従い実施でき、これらの公報に記載された内容は本願明細書に組み込まれる。さらに、溶融樹脂(メルト)の送り出し精度を上げるためギアポンプを使用することも好ましい。また、異物除去のための3μm〜20μmの濾過機を用いることも好ましい。
<押出し、共押出し>
溶融混練したポリエステル樹脂を含むメルトをダイから押出すことが好ましいが、単層で押出しても、多層で押出しても良い。多層で押出す場合は、例えば、紫外線級取剤(UV剤)を含む層と含まない層を積層しても良く、より好ましくはUV剤を内層にした3層構成が、紫外線による偏光子の劣化を抑える上、UV剤のブリードアウトを抑制し好ましい。
ブリードアウトしたUV剤は工製膜工程のパスロールに転写、フィルムとロールの摩擦係数を増加しスリキズが発生し易く好ましくない。
ポリエステルフィルムが多層で押出されて製造されてなる場合、得られるポリエステルフィルムの好ましい内層の厚み(全層に対する比率)は50%以上95%以下が好ましく、より好ましくは60%以上90%以下、さらに好ましくは70%以上85%以下である。このような積層は、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイを用いることで実施できる。
<キャスト>
特開2009−269301号公報の[0059]に従い、ダイから押出したメルトをキャスティングドラム上に押出し、冷却固化し、前述の実質的に未延伸のポリエステルフィルム(原反)を得ることが好ましい。
本発明の製造方法では、前述の実質的に未延伸のポリエステルフィルムの長手方向の屈折率が1.590以下であることが好ましく、1.585以下がより好ましく、1.580以下が更に好ましい。
本発明の製造方法では、前述の実質的に未延伸のポリエステルフィルムの結晶化度が5%以下であることが好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。なお、ここでいう前述の実質的に未延伸のポリエステルフィルムの結晶化度とは、フィルム幅方向の中央部の結晶化度を意味する。
結晶化度を調整する時、キャスティングドラムの端部の温度を低めにしたり、キャストドラム上に送風したりしてもよい。
結晶化度については、フィルムの密度から算出することができる。すなわち、フィルムの密度X(g/cm)、結晶化度0%での密度Y=1.335g/cm、結晶化度100%での密度Z=1.501g/cmを用いて下記計算式より結晶化度(%)を導出することができる。
結晶化度={Z × (X−Y)}/{X × (Z−Y)}×100
なお、密度の測定は、JIS K7112に準じて測定を行った。
<ポリマー層(易接着層)の形成>
溶融押出しされた前述の実質的に未延伸のポリエステルフィルムには、後述する延伸の前あるいは後にポリマー層(好ましくは易接着層)を塗布により形成してもよい。
前述のポリマー層としては、一般に偏光板が有していてもよい機能層を挙げることができ、その中でも前述のポリマー層として易接着層を形成することが好ましい。易接着層はWO2012/157662号公報の[0062]〜[0070]に記載の方法で塗設することができる。
本発明では、前述の易接着層の形成用組成物(好ましくは塗布液)が、粒子を含有し、前述の易接着層の表面から前述の粒子が突出する高さが、前述の易接着層の膜厚以上となるように易接着層の厚みと粒子の平均粒径を制御し、易接着層を形成することが好ましい。
<横延伸>
本発明の製造方法は、フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置を用いて、実質的に未延伸のポリエステルフィルムを前述のクリップで把持しながら横延伸する工程を含む。
フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置としては特に制限はない。一対のレールは、通常は一対の無端のレールが用いられる。
なお、クリップは、把持部材と同義である。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、実質的に未延伸のポリエステルフィルムを横延伸する。横延伸は、実質的に未延伸のポリエステルフィルムをフィルム搬送路に沿って搬送しながら、フィルム搬送方向に直交する方向に行われる。
横延伸することにより、面内方向のレターデーションReを大きく発現させることができる。特に前述のRe、Re/Rthの範囲を満たすポリエステルフィルムを達成するには、少なくとも横延伸を行う。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸工程における横延伸倍率は、3.3倍以上4.8倍以下の範囲に制御する。横延伸倍率は、3.5倍以上4.5倍以下がより好ましく、3.7倍以上4.3倍以下が更に好ましい。横延伸倍率が3.3倍を下回ると、Reが不足したりしてしまう。横延伸倍率が4.8倍を上回ると、EMDが2000MPaを下回ったり、ETD/EMDが3を上回ったりしてしまう。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸工程における延伸開始時の膜面温度を、80℃以上95℃以下の範囲に保つ。延伸開始時の膜面温度は、82℃以上93℃以下がより好ましく、84℃以上92℃以下が更に好ましい。延伸開始時の膜面温度が80℃を下回ると延伸段階で配向や配向結晶化が進みすぎて、Rthが上昇してしまい、Re/Rth比が0.7を下回ったり、EMDが2000MPaを下回ったり、ETD/EMDが3を上回ったりしてしまう。延伸開始時の膜面温度が95℃を上回ると、配向不足になり球晶が成長していまい、Reが十分上昇しなかったり、TRTDが5を下回ったり、TBMDが50を下回ったりしてしまう。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸工程における延伸終了時の膜面温度を、90℃以上105℃以下に保つ。延伸終了時の膜面温度は、92℃以上102℃以下がより好ましく、93℃以上100℃以下が更に好ましい。延伸終了時の膜面温度が90℃を下回ると延伸段階で配向や配向結晶化が進みすぎて、Rthが上昇してしまい、Re/Rth比が0.7を下回ったり、EMDが2000MPaを下回ったり、ETD/EMDが3を上回ったりしてしまう。延伸終了時の膜面温度が105℃を上回ると、配向不足になり球晶が成長していまい、Reが十分上昇しなかったり、TRTDが5を下回ったり、TBMDが50を下回ったりしてしまう。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、延伸開始時から延伸終了時にかけて膜面温度を徐々に上昇させる。延伸終了時と延伸開始時の膜面温度の差は、1℃以上がより好ましく、3℃以上が更に好ましく、5℃以上が最も好ましい。延伸開始時から延伸終了時にかけて膜面温度を上昇しないと、球晶がよりできやすく、かつ配向も進みすぎてしまうため、Re、Re/Rthと、各種機械特性の両立ができなくなる。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸工程において、延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度は80℃以上92℃以下が好ましく、82℃以上91℃以下がより好ましく、84℃以上91℃以下が更に好ましい。延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度が80℃以上であると延伸段階で配向や配向結晶化が進みすぎず、Rthが上昇しにくくなり、Re/Rth比が0.7以上となったり、EMDが2000MPa以上となったり、ETD/EMDが3以下となったりして好ましい。延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度が92℃以下であると、配向不足になりにくく、微小なポリエステルの結晶が成長しにくくなり、Reが十分上昇したり、TRTDが5以上となったり、TBMDが50以上となったりして好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸工程において、延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度は85℃以上97℃以下が好ましく、86℃以上97℃以下がより好ましく、87℃以上96℃以下が更に好ましい。延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度が85℃以上であると延伸段階で配向や配向結晶化が進みすぎず、Rthが上昇しにくくなり、Re/Rth比が0.7以上となったり、EMDが2000MPa以上となったり、ETD/EMDが3以下となったりして好ましい。延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度が97℃以下であると、配向不足になりにくく、微小なポリエステルの結晶が成長しにくくなり、Reが十分上昇したり、TRTDが5以上となったり、TBMDが50以上となったりして好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸工程において、延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度は90℃以上102℃以下が好ましく、92℃以上101℃以下がより好ましく、93℃以上100℃以下が更に好ましい。延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度が90℃以上であると延伸段階で配向や配向結晶化が進みすぎず、Rthが上昇しにくくなり、Re/Rth比が0.7以上となったり、EMDが2000MPa以上となったり、ETD/EMDが3以下となったりして好ましい。延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度が102℃以下であると、配向不足になりにくく、微小なポリエステルの結晶が成長しにくくなり、Reが十分上昇したり、TRTDが5以上となったり、TBMDが50以上となったりして好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、延伸開始時から延伸終了時にかけて膜面温度を徐々に上昇させるため、前述の横延伸工程において、延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度、延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度、延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度は、それぞれ延伸倍率が小さい延伸時の範囲の膜面温度以下になることはない。すなわち、延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度は延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度以下となることはなく、延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度は延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度以下になることはない。
横延伸工程における予熱、延伸、熱固定、熱緩和、及び冷却において、ポリエステルフィルムを加熱し、又は冷却する温度制御手段としては、ポリエステルフィルムに温風や冷風を吹きかけたり、ポリエステルフィルムを、温度制御可能な金属板の表面に接触させたり、又は金属板の近傍を通過させたりすることが挙げられる。
即ちクリップでフィルムの両端を把持し、加熱しながらクリップ間を拡幅することで達成できる。
<熱固定、熱緩和>
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の横延伸後のポリエステルフィルムを前述のテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程を含む。
延伸したあとに結晶化を促すために「熱固定」とよばれる熱処理を行う。延伸温度を超える温度で行うことで結晶化を促進し、フィルムの強度を上げることができる。
熱固定では結晶化のために体積収縮する。
熱固定の方法としては、延伸部に熱風を送り出すスリットを、幅方向に平行に数本設ける。このスリットから吹き出す気体の温度を、延伸部より高くすることで達成できる。
また、延伸(部)出口付近に熱源(IRヒーター、ハロゲンヒーター等)を設置し、昇温しても良い。
前述の熱固定および前述の熱緩和工程の最高到達膜面温度は130℃以上190℃以下が好ましく、140℃以上180℃以下がより好ましく、150℃以上175℃以下が更に好ましい。前述の熱固定および前述の熱緩和工程の最高到達膜面温度が130℃以上であると、熱収縮率を小さくできるため好ましい。前述の熱固定および前述の熱緩和工程の最高到達膜面温度が190℃以下であるとRthが上昇しにくくなり、Re/Rth比率が小さくなりすぎないため好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法は、前述の熱固定されたポリエステルフィルムを加熱し、かつ、前述のポリエステルフィルムの少なくともMD方向の長さを縮める熱緩和工程を含むことが好ましい。換言すると、前述の横延伸後のポリエステルフィルムを前述のクリップから開放する前に、前述の横延伸後のポリエステルフィルムをテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程と、前述の熱固定工程後のポリエステルフィルムを加熱しながら前述の一対のレール間距離を狭くする熱緩和工程とを含むことが好ましい。なお、熱緩和工程は厳密に熱固定工程の後に行う態様に限定されることはなく、熱固定工程と熱緩和工程を同時に行ってもよい。熱固定工程と熱緩和工程を同時に行う場合は、テンター内の最高温度まで加熱した時点までを熱固定工程とし、そのテンター内の最高温度を超えない温度で引き続き熱緩和をすることが好ましい。
前述の熱固定工程後、熱処理と同時に緩和(フィルムを縮ませる)ことが好ましく、TD(横方向)、MD(縦方向)の少なくとも一方に行うことが好ましい。
横緩和は拡幅したクリックの幅を縮めることで達成できる。
このような緩和は、例えばテンターにパンタグラフ状のチャックを使用し、パンタグラフの間隔を縮めても良く、クリックを電磁石上で駆動させ、この速度を低下させることでも達成できる。
前述の熱緩和工程において、前述の熱固定されたポリエステルフィルムのMD方向の長さを縮める割合であるMD方向の緩和率を1〜7%とすることが一軸配向ポリエステルフィルムにスリキズの発生を抑制する観点から好ましく、2〜6%がより好ましく、3〜5%が更に好ましい。MD方向の緩和率が1%以上であると、MD方向の熱収縮率を小さく出来、シワが生じにくくなる。MD方向の緩和率が7%以下であると、緩和処理中にMD方向に弛みが生じにくくなり、面状故障になりにくくなり、好ましい。
前述の熱固定されたポリエステルフィルムのTD方向の長さを縮める割合であるTD方向の緩和率を0〜6%とすることが一軸配向ポリエステルフィルムにスリキズの発生を抑制する観点から好ましく、1〜4%がより好ましく、1〜3%が更に好ましい。TD方向の緩和率が6%以下であると、緩和処理中にTD方向に弛みが生じにくくなり、面状故障になりにくくなり、好ましい。
TD方向(横方向)の緩和温度は上述の熱固定温度の範囲が好ましく、前述の横延伸後のポリエステルフィルムを前述のテンター内の最高温度まで加熱する熱固定を行うことができる限り、熱固定と同じ温度でも(すなわちテンター内の最高温度に到達しても)低くても構わない。
上記延伸、熱固定により、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムのRe、Rth、Re/Rthを達成できやすくなる。すなわち、これらの方法で延伸、熱固定を行うことにより虹むら低減の効果を発現する本発明の一軸配向ポリエステルフィルムを形成しやすい。
<冷却>
本発明の製造方法は、前述の熱固定後のポリエステルフィルムを前述のクリップから開放する前に、前述の熱固定後のポリエステルフィルムを冷却する工程を含むことが好ましい。延伸後、好ましくは熱固定後のポリエステルフィルムは、クリップから開放される前に冷却されることが、前述のクリップから前述の横延伸後のポリエステルフィルムを開放するときのクリップの温度を低下しやすくする観点から、好ましい。
前述の熱固定後のポリエステルフィルムの冷却温度としては、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、60℃以下が特に好ましい。
前述の熱固定後のポリエステルフィルムを冷却する方法としては、具体的には冷風をポリエステルフィルムに当てる方法が挙げることができる。
<クリップからのフィルムの開放>
本発明の製造方法は、前述のクリップから前述の横延伸後のポリエステルフィルムを開放する。
ポリエステルフィルムが把持部材から離脱するときのポリエステルフィルムの表面の温度を40〜140℃の範囲で制御することが好ましい。ポリエステルフィルムが把持部材から離脱するときのポリエステルフィルムの表面の温度は、50℃以上120℃以下であることがより好ましく、60℃以上100℃以下であることが更に好ましい。
本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法では、製膜完了後(上記横延伸およびクリップからの開放工程後)の一軸配向ポリエステルフィルムの厚みは20μm以上60μm以下であり、25μm以上55μm以下がより好ましく、30μm以上50μm以下が更に好ましい。この範囲とすることが好ましい理由は、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの膜厚をこの範囲とすることが好ましい理由と同じである。
<フィルムの回収、スリット、巻取り>
上記横延伸およびクリップからの開放工程が終わった後、フィルムを必要に応じてトリミング、スリット、厚み出し加工して、回収のために巻き取る。
本発明の製造方法では、クリップから開放後のフィルム幅が0.8〜6mであることがフィルム製品幅を効率よく確保し、かつ装置サイズが過大にならない観点から好ましく、1〜5mであることがより好ましく、1〜4mであることが特に好ましい。精度の必要な光学用フィルムは通常3m未満で製膜するが、本発明では上記のような幅で製膜することが好ましい。
また、幅広製膜したフィルムを好ましくは2本以上6本以下、より好ましくは2本以上5本以下、さらに好ましくは3本以上4本以下にスリットしてから、巻き取ってもよい。
またスリット後、両端に厚み出し加工(ナーリング付与)することが好ましい。
巻取りは直径70mm以上600mm以下の巻き芯に1000m以上10000m以下巻きつけることが好ましい。フィルムの断面積あたりの巻取り張力は、3〜30kgf/cmが好ましく、より好ましくは5〜25kgf/cm、さらに好ましくは7〜20kgf/cmである。また、巻き取ったフィルムの厚みは特許4962661号の[0049]と同様である。また、巻き取る前にマスキングフィルムを貼り合せることも好ましい。
[ハードコートフィルム]
本発明のハードコートフィルムは、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層されたハードコートフィルムである。本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、ハードコートフィルムに用いることができる。
ハードコート層は、ウェット塗布法、ドライ塗布法(真空成膜)のいずれで形成されてもよいが、生産性に優れるウェット塗布法により形成されることが好ましい。
ハードコート層としては、例えば、特開2013−45045号公報、特開2013−43352号公報、特開2012−232459号公報、特開2012−128157号公報、特開2011−131409号公報、特開2011−131404号公報、特開2011−126162号公報、特開2011−75705号公報、特開2009−286981号公報、特開2009−263567号公報、特開2009−75248号公報、特開2007−164206号公報、特開2006−96811号公報、特開2004−75970号公報、特開2002−156505号公報、特開2001−272503号公報、WO12/018087、WO12/098967、WO12/086659、WO11/105594に記載のものを使用できる。
[飛散防止フィルム]
本発明の飛散防止フィルムは、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に粘着層が積層された、飛散防止フィルムである。本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、飛散防止フィルムに用いることができる。飛散防止フィルムは、一軸配向ポリエステルフィルムに、ハードコート層、粘着層が積層されることが好ましい。
粘着層は、ウェット塗布法、ドライ塗布法のいずれで形成されてもよい。粘着層を形成するには、溶剤系アクリルポリマーや溶剤系アクリルシロップ、無溶剤系アクリルシロップ、無溶剤ウレタンアクリレートなどのアクリル系粘着剤組成物が使用可能である。
[反射防止フィルム]
本発明の反射防止フィルムは、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に防眩層が積層された、反射防止フィルムである。本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、反射防止フィルムに用いることができる。
防眩層は、ウェット塗布法、ドライ塗布法のいずれで形成されてもよい。防眩層には、特開2014−059334、特開2014−026122、特開2014−016602、特開2014−016476、特開2013−246371、特開2014−041206、特開2014−032317、特開2014−026123、特開2014−010316に記載の防眩層が使用可能である。
[タッチパネル用センサーフィルム]
本発明のタッチパネル用センサーフィルムは、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムを含む、タッチパネル用センサーフィルム本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、タッチパネル用センサーフィルムに用いることができる。タッチパネル用センサーフィルムは、一軸配向ポリエステルフィルムに、ハードコート層、透明導電層が積層されることが好ましい。
透明導電層を形成する一般的な方式としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法、あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition)法、塗工法、印刷法等がある。なお透明導電層の形成材としては特に制限されるものではなく、例えば、インジュウム・スズ複合酸化物(ITO)、スズ酸化物、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロムなどがあげられ、異なる形成材が重ねて形成されてもよい。また透明導電層は、透明導電層を形成する前に、透明性や光学特性等を向上させるためのアンダーコート層を設ける場合もある。さらに密着性を向上させるために、上記アンダーコート層と一軸配向ポリエステルフィルムとの間に単一の金属元素又は2種以上の金属元素の合金からなる金属層を設ける場合もある。金属層にはシリコン、チタン、錫及び亜鉛からなる群から選ばれた金属を用いることが望ましい。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、本発明の一軸配向ポリエステルフィルム、本発明のハードコートフィルム、本発明の飛散防止フィルム、本発明の反射防止フィルムおよび本発明のタッチパネル用センサーフィルムの少なくとも一つを備える。本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、タッチパネルにおいて用いることができる。
本発明のタッチパネルは、液晶パネルと、前述の液晶パネルの出射面に配置される偏光板とを有し、前述の一軸配向ポリエステルフィルム、前述のハードコートフィルム、前述の飛散防止フィルム、前述の反射防止フィルムおよび前述のタッチパネル用センサーフィルムの少なくとも一つの遅相軸が、前述の偏光板の吸収軸に対して、45±25°の範囲で配置されたことが好ましく、45±15°以下がより好ましく、45±10°以下が更に好ましい。45±25°の範囲内であると、偏光サングラスをかけた際にブラックアウト現象(サングラス越しに見ている液晶パネルなどの対象物が暗く見えてしまう現象)が生じにくくなる。
液晶パネルや、前述の液晶パネルの出射面に配置される偏光板については特に制限は無く、公知の液晶パネルや偏光板を用いることができる。
本発明のタッチパネルは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投影型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基板の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパーあるいはスルーホール方式あるいは片面積層方式のいずれでもよい。また投影型静電容量式タッチパネルは、DC駆動よりAC駆動が好ましく、電極への電圧印加時間が少ない駆動方式がより好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[実施例1]
<原料ポリエステルの合成>
(原料ポリエステル1)
以下に示すように、テレフタル酸及びエチレングリコールを直接反応させて水を留去し、エステル化した後、減圧下で重縮合を行なう直接エステル化法を用いて、連続重合装置により原料ポリエステル1(Sb触媒系PET)を得た。
(1)エステル化反応
第一エステル化反応槽に、高純度テレフタル酸4.7トンとエチレングリコール1.8トンを90分かけて混合してスラリー形成させ、3800kg/hの流量で連続的に第一エステル化反応槽に供給した。更に三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を連続的に供給し、反応槽内温度250℃、攪拌下、平均滞留時間約4.3時間で反応を行なった。このとき、三酸化アンチモンはSb添加量が元素換算値で150ppmとなるように連続的に添加した。
この反応物を第二エステル化反応槽に移送し、攪拌下、反応槽内温度250℃で、平均滞留時間で1.2時間反応させた。第二エステル化反応槽には、酢酸マグネシウムのエチレングリコール溶液と、リン酸トリメチルのエチレングリコール溶液を、Mg添加量およびP添加量が元素換算値でそれぞれ65ppm、35ppmになるように連続的に供給した。
(2)重縮合反応
上記で得られたエステル化反応生成物を連続的に第一重縮合反応槽に供給し、攪拌下、反応温度270℃、反応槽内圧力20torr(2.67×10−3MPa)で、平均滞留時間約1.8時間で重縮合させた。
更に、第二重縮合反応槽に移送し、この反応槽において攪拌下、反応槽内温度276℃、反応槽内圧力5torr(6.67×10−4MPa)で滞留時間約1.2時間の条件で反応(重縮合)させた。
次いで、更に第三重縮合反応槽に移送し、この反応槽では、反応槽内温度278℃、反応槽内圧力1.5torr(2.0×10−4MPa)で、滞留時間1.5時間の条件で反応(重縮合)させ、反応物(ポリエチレンテレフタレート(PET))を得た。
次に、得られた反応物を、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリエステルのペレット<断面:長径約4mm、短径約2mm、長さ:約3mm>を作製した。
得られたポリマーは、IV=0.63であった(以降、PET1と略す)。このポリマーを原料ポリエステル1とした。
<ポリエステルフィルムの製造>
−フィルム成形工程−
原料ポリエステル1(PET1)を、含水率20ppm以下に乾燥させた後、直径50mmの1軸混練押出機1のホッパー1に投入した。原料ポリエステル1は、300℃に溶融し、下記押出条件により、ギアポンプ、濾過器(孔径20μm)を介し、ダイから押出した。
溶融樹脂の押出条件は、圧力変動を1%、溶融樹脂の温度分布を2%として、溶融樹脂をダイから押出した。具体的には、背圧を、押出機のバレル内平均圧力に対して1%加圧し、押出機の配管温度を、押出機のバレル内平均温度に対して2%高い温度で加熱した。
ダイから押出した溶融樹脂は、温度25℃に設定された冷却キャストドラム上に押出し、静電印加法を用い冷却キャストドラムに密着させた。冷却キャストドラムに対向配置された剥ぎ取りロールを用いて剥離し、未延伸ポリエステルフィルム1を得た。
得られた未延伸ポリエステルフィルム1は、固有粘度IV=0.62、長手方向の屈折率が1.573、結晶化度が0.2%であった。
IVは、未延伸ポリエステルフィルム1を、1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール(=2/3[質量比])混合溶媒に溶解し、この混合溶媒中の25℃での溶液粘度から求めた。
未延伸ポリエステルフィルムの屈折率は以下の方法で測定した。
二枚の偏光板を用いて、未延伸ポリエステルフィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求めた。
未延伸ポリエステルフィルムの結晶化度は以下の方法で測定した。
結晶化度については、フィルムの密度から算出することができる。すなわち、フィルムの密度X(g/cm)、結晶化度0%での密度1.335g/cm、結晶化度100%での密度1.501g/cmを用いて下記計算式より結晶化度(%)を導出することができる。
結晶化度={Z × (X−Y)}/{X × (Z−Y)}×100
なお、密度の測定は、JIS K7112に準じて測定を行った。
−易接着層の形成−
下記化合物を下記の比率で混合し、易接着層用の塗布液H1を作製した。
易接着層用の塗布液H1
ポリエステル樹脂:(IC) 60質量部
アクリル樹脂:(II) 25質量部
メラミン化合物:(VIB) 10質量部
粒子:(VII) 5質量部
以下に使用化合物の詳細を示す。
ポリエステル樹脂:(IC)
下記組成のモノマーで共重合したポリエステル樹脂のスルホン酸系水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
アクリル樹脂:(II)
下記組成のモノマーで重合したアクリル樹脂の水分散体
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(質量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
ウレタン樹脂:(IIIB)
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを400質量部、ネオペンチルグリコールを10.4質量部、イソホロンジイソシアネート58.4質量部、ジメチロールブタン酸が74.3質量部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られるウレタン樹脂の水分散体。
メラミン化合物:(VIB)ヘキサメトキシメチルメラミン
粒子:(VII)平均粒径150nmのシリカゾル(平均粒径は、一次平均粒子径、すなわち一次粒子径の平均値を意味する。下記表には、粒子大きさとして記載した)。
−ポリエステルフィルムの両面への易接着層の塗布−
ワイヤーバーを用いるバーコート法にて、未延伸ポリエステルフィルム1の片側に易接着層用の塗布液H1を、延伸後の塗布膜厚が50nmになるように調整しながら、ワイヤーバーを用いて塗布した。
易接着層の表面から粒子が突出する高さを、1mm四方の易接着層中の5点において、株式会社キーエンス社製VHX−5000を用いて求め、その平均値を計算した。その結果を下記表に記載した。
−横延伸工程−
未延伸ポリエステルフィルム1をテンター(横延伸機)に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、下記の方法、条件にて横延伸した。
(予熱部)
延伸開始点での膜面温度が89℃になるよう、熱風で加熱した。
なお延伸開始点での膜面温度は、延伸を開始する点において、フィルム幅方向の中央部の位置を、放射温度計(林電工製、型番:RT61−2、放射率0.95で使用)により測定した。
(延伸部)
予熱された未延伸ポリエステルフィルム1を熱風で加熱しながら、幅方向に下記の条件にてテンターを用いて横延伸した。
なお、各延伸倍率時点での膜面温度は、各延伸倍率時点において、フィルム幅方向の中央部の位置を、放射温度計(林電工製、型番:RT61−2、放射率0.95で使用)により測定した。
<条件>
・横延伸倍率:4.1倍
・2倍延伸時点での膜面温度:90℃
・3倍延伸時点での膜面温度:94℃
・延伸終了時点での膜面温度:95℃
(熱固定部及び熱緩和部)
次いで、フィルムに対して上下方向からの熱風を熱風吹き出しノズルからフィルムに当て、ポリエステルフィルムの膜面温度を下記範囲に制御しながら、熱固定及び熱緩和処理を行った。
<条件>
・最高到達膜面温度(熱固定温度):168℃
・熱緩和率:MD方向4%、TD方向1.5%
(冷却部)
次に、フィルムに対して上下方向からの冷風を冷風吹き出しノズルからフィルムに当てることで冷却した。フィルムをテンターのクリップから開放する際の膜面温度が40℃になるように冷却した。
なお膜面温度は、フィルム幅方向の中央部の位置を、放射温度計(林電工製、型番:RT61−2、放射率0.95で使用)により測定した。
(フィルムの回収)
冷却およびクリップからのフィルムの開放の後、ポリエステルフィルムの両端を20cmずつトリミングした。トリミング後のフィルム幅は2mであった。その後、両端に幅10mmで押出し加工(ナーリング)を行なった後、張力18kg/mで、10000mの長さのフィルムをロール形態に巻き取った。
以上のようにして、ロール形態で巻かれた、厚さ39μmの実施例1の一軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
[実施例2〜8、10、比較例1〜5]
実施例1において、下記表に記載のように横延伸倍率、横延伸膜温(膜面温度)、熱固定/緩和時の最高到達膜面温度、MD緩和率、TD緩和率、フィルム厚み、粒子大きさ(日産化学工業株式会社製オルガノシリカゾル、一次平均粒子径60nm)を変更した以外は実施例1と同様にして、各実施例および比較例の一軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
[実施例9、比較例6]
易接着層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、実施例9の一軸配向ポリエステルフィルムを製造した。
また、下記表に記載のように横延伸倍率、横延伸膜温(膜面温度)、熱固定/緩和時の最高到達膜面温度、MD緩和率、TD緩和率、フィルム厚みを変更し、さらに易接着層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、比較例6の一軸配向ポリエステルフィルムを製造した。なお、比較例6は、特開2012−230390号公報の実施例2の記載を元に類似の方法で一軸配向ポリエステルフィルムを製造したものである。
[フィルム測定結果]
<フィルム厚みの測定>
得られた各実施例および比較例のポリエステルフィルムの厚みは、以下のようにして求めた。
各実施例および比較例のポリエステルフィルムに対して、接触式膜厚測定計(アンリツ社製)を用い、縦延伸した方向(長手方向)に0.5mにわたり等間隔に50点をサンプリングし、さらにフィルム幅方向(長手方向に直交する方向)にフィルム全幅にわたり等間隔(幅方向に50等分)に50点をサンプリングした後、これらの100点の厚みを測定した。これら100点の平均の厚みを求め、ポリエステルフィルムの厚みとした。結果を、下記表2に示す。
<Re、Rth、Re/Rth比率>
面内方向のレターデーションReとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|Nx−Ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求め、二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、レターデーション(Re)を求めた。
厚さ方向レターデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|Nx−Nz|)、△Nyz(=|Ny−Nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるレターデーションの平均を示すパラメーターである。レターデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚さ方向レターデーション(Rth)を求めた。
得られたReおよびRthから、Re/Rth比率を計算した。
結果を、下記表2に示す。
<MD弾性率EMDの測定>
フィルムのMD弾性率EMDは、JIS K 7127の測定方法に沿って測定を行った。
フィルム幅方向の中央位置で、MD方向150mm、TD方向10mmの大きさで試験片E1を切り出した。
試料片E1を、(株)東洋精機製作所製のストログラフR2を用い引張試験を行った。チャック間距離は100mmとし、引張速度は10mm/minの速度で行った。この試験を5回繰り返し、得られた引張弾性率の平均値をMD弾性率EMDとした。
結果を、下記表2に示す。
<TD弾性率TMDの測定>
フィルムのTD弾性率ETDは、JIS K 7127の測定方法に沿って測定を行った。
フィルム幅方向の中央位置で、TD方向150mm、MD方向10mmの大きさで試験片E2を切り出した。
試料片E2を、(株)東洋精機製作所製のストログラフR2を用い引張試験を行った。チャック間距離は100mmとし、引張速度は10mm/minの速度で行った。この試験を5回繰り返し、得られた引張弾性率の平均値をTD弾性率ETDとした。
結果を、下記表2に示す。
<ETD/EMD>
得られたMD弾性率EMDおよびTD弾性率ETDから、ETD/EMDを計算した。
結果を、下記表2に示す。
<TD引裂強度TRTDの測定>
フィルムのTD引裂強度TRTDは、JIS P 8116の測定方法に沿って測定を行った。
フィルム幅方向の中央位置で、MD方向51mm、TD方向64mmの大きさで試験片TR1を切り出した。
試料片TR1を、(株)東洋精機製作所製の軽荷重引裂試験機を用いエルメンドルフ形引裂試験機法にて、TD方向に平行に引裂試験を行った。この試験を10回繰り返し、得られた引張強度の平均値をTD引裂強度TRTDとした。
結果を、下記表2に示す。
<MD破断強度TBMDの測定>
フィルムのMD破断強度TBMDは、JIS K 7127の測定方法に沿って測定を行った。
フィルム幅方向の中央位置で、MD方向150mm、TD方向10mmの大きさで試験片TB1を切り出した。
試料片TB1を、(株)東洋精機製作所製のストログラフR2を用い引張試験を行った。チャック間距離は100mmとし、引張速度は10mm/minの速度で行った。この試験を5回繰り返し、得られた引張破断強度の平均値をMD破断強度TBMDとした。
結果を、下記表2に示す。
<MD熱収縮率の測定>
フィルム幅方向の中央位置で、TD方向30mm、MD方向120mmの大きさで試験片M1を切り出した。
試料片M1に対し、MD方向で100mmの間隔となるように、2本の基準線を入れた。これを無張力下で150℃の加熱オーブン中に30分間放置した。この放置の後、試料片M1を室温まで冷却して、2本の基準線の間隔を測定した。この値をA1(単位;mm)、とし、測定されたA1および「100×(100−A1)/100」の式から算出された数値をMD熱収縮率とした。
結果を、下記表2に示す。
<TD熱収縮率の測定>
フィルム幅方向の中央位置で、MD方向30mm、TD方向120mmの大きさで試験片M2を切り出した。
試料片M2に対し、TD方向で100mmの間隔となるように、2本の基準線を入れた。これを無張力下で150℃の加熱オーブン中に30分間放置した。この放置の後、試料片M2を室温まで冷却して、2本の基準線の間隔を測定した。この値をA2(単位;mm)、とし、測定されたA2および「100×(100−A2)/100」の式から算出された数値をTD熱収縮率とした。
結果を、下記表2に示す。
<MD熱収縮率とTD熱収縮率の差の絶対値(MD−TD差の絶対値)>
得られたMD熱収縮率およびTD熱収縮率から、MD熱収縮率とTD熱収縮率の差の絶対値(MD−TD差の絶対値)を計算した。
結果を、下記表2に示す。
[評価]
<評価時のフィルムの偏光板に対する貼合角度および虹ムラ>
連続光源(白色LED)の上に偏光板を配置し、その上に各実施例及び比較例の一軸延伸ポリエステルフィルムを貼り合わせ、偏光サングラスを通して目視で発生した虹ムラを以下の基準で評価した。
なお、偏光板の吸収軸に対する、フィルムの遅相軸の角度は、実施例記載の角度になるよう貼り合わせた。
A:虹ムラが全く見えない
B:虹ムラが見えない
C:虹ムラがほぼ見えない
D:虹ムラが見える
評価した結果を、下記表2に示す。
<ブラックアウト>
連続光源(白色LED)の上に偏光板を配置し、その上に各実施例及び比較例の一軸延伸ポリエステルフィルムを貼り合わせ、偏光サングラスを回転させながら観察した際に発生したブラックアウトを以下の基準で評価した。
なお、偏光板の吸収軸に対する、フィルムの遅相軸の角度は、実施例記載の角度になるよう貼り合わせた。
A:ブラックアウトが全く起こらない
B:わずかに暗くなるところがある
C:少し暗くなるところがある
D:ブラックアウトが起こる
評価した結果を、下記表2に示す。
<加工時のシワ>
10000m製膜し、ロール形態に巻き取った各実施例及び比較例の一軸延伸ポリエステルフィルムを巻き出し、後工程として、ハードコート層の塗布を以下の方法で行った。ハードコート層をフィルム両面に塗布した後、150℃の乾燥ゾーンにフィルム断面積あたりの搬送張力を1500kN/mに設定して乾燥・搬送した。
このような加工を行ったときのフィルムのシワの発生度合いを以下の基準で評価した。
A:シワの発生がない
B:わずかにシワが発生する
C:多少シワが発生する
D:シワが多く発生する
評価した結果を、下記表2に示す。
<加工時の破断>
10000m製膜し、ロール形態に巻き取った各実施例及び比較例の一軸延伸ポリエステルフィルムを巻き出し、後工程として、ハードコート層の塗布を以下の方法で行った。ハードコート層をフィルム両面に塗布した後、150℃の乾燥ゾーンにフィルム断面積あたりの搬送張力を1500kN/mに設定して乾燥・搬送した。
このような加工を行ったときのフィルムの破断の回数を測定した。
破断とは、50mm以上の長さであり、フィルム厚み方向に貫通する傷とした。また、傷の方向は限定せず、TD方向の傷もMD方向の傷も、フィルム厚み方向に貫通する場合は破断に含めた。
以下の基準で評価した結果を下記表2に記載した。
A:10000m以上ベース破断なし
B:10000mに1〜5回破断あり
C:10000mに6〜10回破断あり
D:10000mに11回以上破断あり
<タッチパネル厚さ適性>
タッチパネル厚さ適性は、以下の基準で評価した。
A:フィルム厚みが40μm以下
B:フィルム厚みが40μmを超え、50μm以下
C:フィルム厚みが50μmを超え、60μm以下
D:フィルム厚みが60μmを超える
評価した結果を、下記表2に示す。
<総合評価>
総合評価は以下の基準で評価した。
A:全ての評価がAランク
B:全ての評価がBランク以上
C:全ての評価がCランク以上
D:Dランクの評価が1つ以上ある
評価した結果を、下記表2に示す。
Figure 0006314228
Figure 0006314228
上記表1および2から、本発明で規定する製造条件を満たして製造された各実施例の一軸配向ポリエステルフィルムは、上記式1〜7をすべて満たし、虹ムラの発生が抑制でき、タッチパネルに用いられる各種フィルムの加工工程でのシワや破断等の問題を解消でき、特にタッチパネル用の各種フィルムの基材としての使用に特に適した厚さであることがわかった。
一方、厚みtの範囲が本発明で規定する上限値を超え、Reが本発明で規定する上限値を上回る比較例1の一軸配向ポリエステルは、タッチパネル厚さ適性に劣ることがわかった。
厚みtの範囲が本発明で規定する下限値を下回り、TD引裂強度が本発明で規定する下限値を下回る比較例2の一軸配向ポリエステルは、虹ムラが見え、加工時の破断が頻繁であることがわかった。
横延伸倍率が本発明で規定する上限値を上回り、横延伸開始時の膜面温度が本発明で規定する下限値を下回り、横延伸終了時の膜面温度が本発明で規定する下限値を下回る製造条件で製造された比較例3の一軸配向ポリエステルフィルムは、Re/Rth比率が本発明で規定する下限値を下回り、MD方向の弾性率が本発明で規定する下限値を下回り、TD弾性率のMD弾性率に対する割合ETD/EMDが本発明で規定する上限値を上回る一軸配向ポリエステルフィルムであり、虹ムラが見え、加工時のシワが多く発生することがわかった。
横延伸倍率が本発明で規定する下限値を下回り、横延伸開始時の膜面温度が本発明で規定する上限値を上回り、横延伸終了時の膜面温度が本発明で規定する上限値を上回る製造条件で製造された比較例4の一軸配向ポリエステルフィルムは、Re/Rth比率が本発明で規定する上限値を上回り、TD弾性率のMD弾性率に対する割合ETD/EMDが本発明で規定する下限値を下回り、TD引裂強度が本発明で規定する下限値を下回り、MD破断強度が本発明で規定する下限値を下回る一軸配向ポリエステルフィルムであり、虹ムラが見え、加工時のシワが多く発生し、加工時の破断が頻繁であることがわかった。
横延伸開始時の膜面温度が本発明で規定する上限値を上回り、横延伸終了時の膜面温度が本発明で規定する下限値を下回り、延伸開始時から延伸終了時にかけて膜面温度を徐々に上昇させずに製造された比較例5の一軸配向ポリエステルフィルムは、MD方向の弾性率が本発明で規定する下限値を下回り、TD弾性率のMD弾性率に対する割合ETD/EMDが本発明で規定する上限値を上回り、TD引裂強度が本発明で規定する下限値を下回り、MD破断強度が本発明で規定する下限値を下回る一軸配向ポリエステルフィルムであり、加工時のシワが多く発生し、加工時の破断が頻繁であることがわかった。
横延伸開始時の膜面温度が本発明で規定する上限値を上回り、延伸開始時から延伸終了時にかけて膜面温度を徐々に上昇させずに製造された比較例6の一軸配向ポリエステルフィルムは、TD引裂強度が本発明で規定する下限値を下回り、MD破断強度が本発明で規定する下限値を下回る一軸配向ポリエステルフィルムであり、加工時の破断が頻繁であることがわかった。したがって比較例6より、本発明の一軸配向ポリエステルフィルムは、特開2012−230390号公報の実施例に記載の一軸配向ポリエステルフィルムよりも、タッチパネルに用いられる各種フィルムの加工工程での破断の問題を解消できる点で優れることがわかった。

Claims (14)

  1. 下記式1〜7を満たす、一軸配向ポリエステルフィルム;
    20μm≦t≦60μm ・・・式1
    2000nm≦Re≦6500nm ・・・式2
    0.7≦Re/Rth≦1.4 ・・・式3
    2000MPa≦EMD ・・・式4
    2≦ETD/EMD≦3 ・・・式5
    5g・cm/cm≦TRTD≦15g・cm/cm ・・・式6
    50MPa≦TBMD≦77MPa ・・・式7
    式1〜7中、tはフィルム厚みを表し、単位はμmであり、
    Reはフィルム面内のレターデーションを表し、単位はnmであり、
    Rthはフィルム厚み方向のレターデーションを表し、単位はnmであり、
    EMDはフィルム長手方向の弾性率を表し、単位はMPaであり、
    ETDはフィルム幅方向の弾性率を表し、単位はMPaであり、
    TRTDはフィルム幅方向の引裂強度を表し、単位はg・cm/cmであり、
    TBMDはフィルム長手方向の破断強度を表し、単位はMPaである。
  2. 前記一軸配向ポリエステルフィルムの150℃30分静置した後におけるMD方向の熱収縮率が0.8%以下であり、
    前記一軸配向ポリエステルフィルムの150℃30分静置した後におけるTD方向の熱収縮率が0.8%以下であり、
    前記MD方向の熱収縮率と前記TD方向の熱収縮率の差の絶対値が0.6%以下である、請求項1に記載の一軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 前記一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に易接着層が積層された、請求項1または2に記載の一軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 前記易接着層が、粒子を含有し、
    前記易接着層の表面から前記粒子が突出する高さが、前記易接着層の膜厚以上である、請求項3に記載の一軸配向ポリエステルフィルム;
    前記易接着層の表面から前記粒子が突出する高さは、1mm四方の易接着層中の5点における平均値である。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面にハードコート層が積層された、ハードコートフィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に粘着層が積層された、飛散防止フィルム。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に防眩層が積層された、反射防止フィルム。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一軸配向ポリエステルフィルムを含む、タッチパネル用センサーフィルム。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の一軸配向ポリエステルフィルム、請求項5に記載のハードコートフィルム、請求項6に記載の飛散防止フィルム、請求項7に記載の反射防止フィルムおよび請求項8に記載のタッチパネル用センサーフィルムの少なくとも一つを備える、タッチパネル。
  10. 液晶パネルと、
    前記液晶パネルの出射面に配置される偏光板とを有し、
    前記一軸配向ポリエステルフィルム、前記ハードコートフィルム、前記飛散防止フィルム、前記反射防止フィルムおよび前記タッチパネル用センサーフィルムの少なくとも一つの遅相軸が、前記偏光板の吸収軸に対して、45±25°の範囲で配置された、請求項9に記載のタッチパネル。
  11. フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置を用いる請求項1〜4のいずれか一項に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法であって、
    実質的に未延伸のポリエステルフィルムを前記クリップで把持しながら横延伸する工程と、
    前記横延伸後のポリエステルフィルムを、膜面温度が前記テンター内の最高到達膜面温度に到達するまで加熱する熱固定工程とを含み、
    前記横延伸工程における横延伸倍率を3.3倍以上4.8倍以下の範囲に制御し、
    前記横延伸工程における、延伸開始時の膜面温度を80℃以上95℃以下の範囲に保ち、かつ延伸終了時の膜面温度を90℃以上105℃以下に保ち、
    前記延伸開始時から前記延伸終了時にかけて膜面温度を徐々に上昇させ、
    前記一軸配向ポリエステルフィルムの厚みが20μm以上60μm以下である、一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  12. 前記横延伸工程において、
    延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度を80℃以上92℃以下、
    延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度を85℃以上97℃以下、
    延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度を90℃以上102℃以下に保つ、請求項11に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法;
    ただし、延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度は延伸倍率が1〜2倍の範囲の膜面温度以下となることはなく、延伸倍率が3倍以上の範囲の膜面温度は延伸倍率が2〜3倍の範囲の膜面温度以下になることはない。
  13. 前記熱固定されたポリエステルフィルムを加熱し、かつ、前記ポリエステルフィルムの少なくともMD方向の長さを縮める熱緩和工程を含み、
    前記熱緩和工程において、前記熱固定されたポリエステルフィルムのMD方向の長さを縮める割合であるMD方向の緩和率を1〜7%とし、前記熱固定されたポリエステルフィルムのTD方向の長さを縮める割合であるTD方向の緩和率を0〜6%とする、請求項11または12に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  14. 前記熱固定および前記熱緩和工程の最高到達膜面温度を130℃以上190℃以下の範囲に保つ、請求項13に記載の一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。

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