JP6313171B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ - Google Patents

カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ Download PDF

Info

Publication number
JP6313171B2
JP6313171B2 JP2014187651A JP2014187651A JP6313171B2 JP 6313171 B2 JP6313171 B2 JP 6313171B2 JP 2014187651 A JP2014187651 A JP 2014187651A JP 2014187651 A JP2014187651 A JP 2014187651A JP 6313171 B2 JP6313171 B2 JP 6313171B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
focal plane
shaft
base plate
plane shutter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014187651A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016061830A (ja
Inventor
健太 河上
健太 河上
高橋 繁実
繁実 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Copal Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Copal Corp filed Critical Nidec Copal Corp
Priority to JP2014187651A priority Critical patent/JP6313171B2/ja
Publication of JP2016061830A publication Critical patent/JP2016061830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6313171B2 publication Critical patent/JP6313171B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shutters For Cameras (AREA)

Description

本発明は、羽根の開閉を行う駆動機構に軸を中心として回転する部材を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラに関する。
一般に、フォーカルプレンシャッタは、例えば、次の特許文献1に示すように、露光用の開口を有する地板と、地板の一方の側に配置されていて開口部の開閉作動を行う少なくとも一つの羽根と、地板の他方の側に配置されていて羽根に開口の開閉作動を行わせる駆動機構を有した構成となっている。
駆動機構は、例えば、アームを介して羽根に連結されていて羽根を開閉させる羽根駆動部材、羽根駆動部材の露光作動開始を制御する電磁石、羽根駆動部材を露光作動開始位置(セット位置)にセットするセット部材、羽根駆動部材を作動させるための駆動ばね等を有している。また、係止タイプのシャッタにおける駆動機構では、さらに、羽根駆動部材をセット位置に係止する係止部材を有する。また、駆動機構は、この他にも、例えば、羽根駆動部材を介した羽根の開閉時の衝撃による羽根のバウンドを低減させるための制動部材やバウンド抑止部材を有して構成されうる。
そして、駆動機構を構成するこれらの羽根駆動部材、係止部材、セット部材、制動部材やバウンド抑止部材は、一般に、夫々回転軸に回転可能に支持された構成となっている。
図8は、従来のフォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する部材を回転可能に支持する一般的な回転軸の構成を示す断面図である。
従来、フォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する部材に用いられている回転軸は、一般に、軸体51と、管状部材52とで構成される。
軸体51は、地板53から、地板53における羽根とは反対側の面に立設されていて、軸部51aと軸部51aよりも径方向に突出する鍔部51bを有する。また、軸体51は、後述する潤滑剤を溜めるための断面がV形状の溝51cを有する。
管状部材52は、軸部51aにおける外周面51a1に回転可能に嵌合し、且つ、その一端縁52aが鍔部51bに当接するように形成されている。また、管状部材52は、フォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する所定の構成部材54を取り付けて支持することができるように構成されている。
そして、回転軸は、軸部51aを中心として構成部材54を回転させることができる。
また、一般に、フォーカルプレンシャッタにおいて羽根を開閉させる駆動機構に備わる回転軸における、軸体と管状部材との嵌合部には、これらの相対的な回転による磨耗を低減させるために、例えば、オイルやグリスといった潤滑剤が充填されている。
このようなフォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する部材に用いられる回転軸は、羽根の開閉作動に際し、軸体と管状部材とが相対的に摺動しながら高速に回転し、瞬時に停止する。さらに、連写時にはこれら高速回転と停止の動作を高速で繰り返す。このため、回転軸の回転時に軸体と管状部材との間に介在する潤滑剤に遠心力が大きく働き、回転軸が停止した瞬間に、図8に示したような鍔部51bと一端部52aとの当接部から潤滑剤が周囲に飛散して羽根その他の構成部材を汚染するリスクが生じうる。
例えば、フォーカルプレンシャッタの地板には羽根駆動部材が走行するための長孔等、地板に設けられた開口が設けられている。このため、潤滑剤が飛散して上記長孔等、地板に設けられた開口に入った場合、潤滑剤が長孔等、地板に設けられた開口を通じて羽根側に浸入して羽根を汚染するリスクが生じうる。また、フォーカルプレンシャッタの地板には、羽とは反対側に駆動機構を制御する制御部が設けられている。このため、潤滑剤が飛散して制御部内側を汚染するリスクも生じうる。そして、羽根や制御部内側が汚染すると、羽根の走行精度や、羽根の駆動制御に悪影響を及ぼすリスクが高くなる。
従来、フォーカルプレンシャッタにおいて汚染を防止する技術としては、例えば、次の特許文献2に、フォーカルプレンシャッタの駆動機構に飛来する塵埃を遮断するために、地板に起立状態に折り曲げ可能な壁部を設けることが提案されている。
特開2011−191342号公報 特開2003−195390号公報
しかるに、本件出願人は、フォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する部材に用いられる回転軸からの潤滑剤の飛散を防止する手段として、特許文献2に記載の壁部を応用することについて検討した結果、次のような課題があることが判明した。
特許文献2に記載の壁部を、フォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する部材に用いられる回転軸からの潤滑剤の飛散を防止する手段として用いた場合、特許文献2に記載の壁部は、特定方向へは潤滑剤の飛散を遮断できても回転軸を中心とした全方向へまでは潤滑剤の飛散を遮断できず、駆動機構を制御する基板等の制御部内側への潤滑剤による汚染のリスクが生じうる。
また、フォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する羽根駆動部材、係止部材、セット部材、制動部材やバウンド抑止部材等の構成部材は、回転軸を中心として回転する先端が回転軸位置から所定長の長さを有し、しかもそれらの一部が回転軌跡上で交差し且つ、互いの回転を妨げないように地板からの高さ位置をずらした非常に複雑な配置となっている。このため、特許文献2に記載のフォーカルプレンシャッタのような、壁部を用いることは、そもそも、駆動機構における夫々の回転軸を用いた構成部材の作動を邪魔し、また、配置スペースの観点からみても非常に難しい。
また、本件出願人は、図8に示した回転軸51における鍔部51bと一端部52aとの当接部から潤滑剤が周囲に飛散するのを防止する手段として、軸体51における鍔部51bの周縁部に地板53から離れる方向に向かって円筒状の壁を設けることについて検討したが、軸体51において鍔部51bの周縁部にそのような円筒状の壁を設けようとすると形状が非常に複雑化するため、軸体として一体形成することが極めて難しい。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、回転軸を用いた駆動機構を構成する部材の作動に伴う潤滑剤の飛散を防止し、羽根及び駆動機構内の潤滑剤による制御部内側や羽根への汚染のリスクを回避可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明によるカメラ用フォーカルプレンシャッタは、露光用の開口部を有する地板と、前記地板の一方の側に配置されていて、前記開口部の開閉作動を行う少なくとも一つの羽根と、前記地板の他方の側に配置されていて、前記羽根に前記開口部の開閉作動を行わせる駆動機構と、前記地板から該地板の他方の側に立設されていて、軸部と該軸部よりも径方向に突出する鍔部を有する軸体及び前記軸部における少なくとも一部の外周面に回転可能に嵌合し、且つ、その一端縁が前記鍔部に当接する管状部材からなり、前記駆動機構を構成する少なくとも一つの部材を、前記軸部を中心として回転可能に支持する少なくとも一つの回転軸と、を有するカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、少なくとも一つの前記回転軸における前記軸体の鍔部と前記管状部材の一端縁との当接箇所の周囲を覆い、且つ、その一端縁で前記地板の面と接合するスリーブを設けたことを特徴としている。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記スリーブは、第1の筒部と、前記第1の筒部に続く前記地板側に設けられていて該第1の筒部よりも大きな径の内壁面を有し、当該軸体の鍔部と当該管状部材の一端縁との当接箇所から飛散する潤滑剤を溜める第2の筒部を備えているのが好ましい。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、前記地板と前記スリーブとの接合箇所にオイル吸着シートを備えるのが好ましい。
更に、本発明のデジタルカメラは、上記のような各カメラ用フォーカルプレンシャッタを備えている。
本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、回転軸における軸体の鍔部と管状部材の一端縁との当接箇所の周囲を覆い、且つ、その一端縁で地板の面と接合するスリーブを設けたので、軸体の鍔部と管状部材の一端部との当接箇所から潤滑剤が飛び出ても、飛び出た直後の潤滑剤をスリーブの内壁が遮断するため、回転軸を中心とした全方向への潤滑剤の飛散を防止できる。その結果、駆動機構を制御する基板等の制御部内側への潤滑剤による汚染のリスクや、潤滑剤が長孔等、地板に設けられた開口を通じて羽根側に浸入して羽根を汚染するリスクを回避できる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタによれば、スリーブを、回転軸と同軸に回転軸における軸体の鍔部と管状部材の一端縁との当接箇所の周囲を覆うように設けたので、スリーブが駆動機構における夫々の回転軸を用いた構成部材の作動を邪魔しない。また、スリーブであれば、回転軸の軸まわりの僅かなスペースで地板への配置が可能となる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、スリーブを、第1の筒部と、第1の筒部に続く地板側に設けられていて該第1の筒部よりも大きな径の内壁面を有し、当該軸体の鍔部と当該管状部材の一端縁との当接箇所から飛散する潤滑剤を溜める第2の筒部を備えて構成すれば、長期間にわたる使用により、当該軸体の鍔部と当該管状部材の一端縁との当接箇所から飛び出す潤滑剤の量が増えても、第2の筒部で潤滑剤を溜めておくことにより、スリーブと地板との接合箇所からの潤滑剤の浸み出しを確実に防止することができ、潤滑剤が長孔等、地板に設けられた開口を通じて羽根側に浸入して羽根を汚染するリスクをより確実に回避できる。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、地板とスリーブとの接合箇所にオイル吸着シートを備えれば、スリーブと地板との接合箇所からの潤滑剤の浸み出しを一層確実に防止することができ、潤滑剤が長孔等、地板に設けられた開口を通じて羽根側に浸入して羽根を汚染するリスクをより一層確実に回避できる。
本発明における特徴的な構成である回転軸の構成を適用可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタの一構成例を示す平面図である。 図1のフォーカルプレンシャッタにおける駆動機構を構成する各部材を示す平面図である。 図1のカメラ用フォーカルプレンシャッタに本発明における特徴的な構成である回転軸の構成を適用した、本発明の一実施例にかかるカメラ用フォーカルプレンシャッタにおける駆動機構を構成する一つの部材を示す斜視図である。 図3に示した駆動機構を構成する一つの部材に適用した回転軸の構成の断面図である。 図3に示した駆動機構を構成する一つの部材に適用した回転軸を構成するスリーブの構造を示す図で、(a)は斜め下方からみた斜視図、(b)は斜め上方からみた斜視図である。 本実施例のフォーカルプレンシャッタにおける、図3に示した駆動機構を構成する一つの部材の露光走行前の一つの状態を示す平面図である。 本実施例のフォーカルプレンシャッタにおける、図3に示した駆動機構を構成する一つの部材の露光走行後の一つの状態を示す平面図である。 従来のフォーカルプレンシャッタの駆動機構を構成する部材を回転可能に支持する一般的な回転軸の構成を示す断面図である。
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。なお、以下の実施例では、係止タイプのフォーカルプレンシャッタの構成に本発明における特徴的な構成である回転軸の構成を適用して説明することとするが、本発明における特徴的な構成である回転軸の構成は、ダイレクトタイプとして構成したものにも適用することが可能である。
先ず、主に、図1、図2を用いて、本発明における特徴的な構成である回転軸の構成を適用可能なフォーカルプレンシャッタの構成を説明する。図1は、本発明における特徴的な構成である回転軸の構成を適用可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタの一構成例を示す平面図である。図2は、図1のフォーカルプレンシャッタにおける駆動機構を構成する各部材を示す平面図である。尚、本説明においては、フォーカルプレンシャッタをカメラに組み込んだとき、図1、図2の表面側(手前側)が被写体側(撮影レンズ側)であり、図1の背面側が撮像素子側であることを前提にして説明する。しかしながら、周知のように、デジタルカメラの場合には、図1、図2の表面側を撮像素子側にし、図1、図2の背面側を被写体側にすることもある。
図1、図2において、シャッタ地板1は合成樹脂製であり、略中央部には横長の長方形をした露光用の開口部1aが形成されている。シャッタ地板1の背面側には、例えば、上記の特開2011−191342号公報に記載されているように、中間板2と補助地板(符号省略)が、所定の間隔を空けて順に取り付けられていて、シャッタ地板1と中間板2の間に先羽根用の羽根室、中間板2と補助地板(符号省略)の間に後羽根用の羽根室を構成している。また、中間板2や補助地板(符号省略)にも開口部1aの形状や大きさが略同様の開口部2a等が形成されている。そして、被写体光を通過させるためのシャッタユニットとしての露光開口の形状は、それらの開口部の少なくともいずれかによって形成され、本実施例においては、開口部1aの形状だけで露光開口の形状が決められている。
また、シャッタ地板1には、開口部1aの左側の領域に、円弧状の二つの長穴1b,1cが形成され、それらの下端部には、ゴム製の緩衝部材4,5が取り付けられている。
図1、図2の表面側において、シャッタ地板1には、開口部1aの左側の領域に、シャッタ駆動機構3が取り付けられている。シャッタ駆動機構3の具体的な構成としては、例えば、上記の特開2011号公報に記載されているように、先羽根と後羽根に各々連結された二つの駆動部材(先羽根用駆動部材10,後羽根用第1駆動部材11及び後羽根用第2駆動部材)、それらの二つの駆動部材の作動開始を各々制御するための図示していない二つの電磁石(先羽根用電磁石,後羽根用電磁石)、それらの二つの駆動部材をセットするセット部材(セット部材13)、それらの二つの駆動部材を係止する係止部材(先羽根用係止部材16,後羽根用係止部材17)、それらの二つの駆動部材を各々作動させるための図示していない二つの駆動ばね(先羽根用駆動ばね,後羽根用駆動ばね)、などが含まれる。また、シャッタ駆動機構3の被写体側(図1の表面側)には、通常、シャッタ駆動機構3を構成するそれらの部材を取り付けるのに必要な支持板(図示省略)やプリント配線板(図示省略)などが配置されている。
先羽根用駆動部材10は、シャッタ地板1に立設された軸1gに回転可能に取り付けられており、図示していない先羽根用駆動ばねによって、時計方向(図2の矢印A方向)へ回転するように付勢されている。
そして、先羽根用駆動部材10は、被係止部10aを有しており、被写体側(図1の表面側)の面にはローラー10bを回転可能に取り付け、シャッタ地板1側には駆動ピン10cを有している。駆動ピン10cは、シャッタ地板1の長孔1bを貫通しており、根元部が緩衝部材4に当接し得るようになっていて、先端部は、羽根室内で先羽根に連結されている。
なお、軸1gは、シャッタ地板1を貫通して背面側にも立設されている。
後羽根用第1駆動部材11、後羽根用第2駆動部材12は、シャッタ地板1に立設された軸1hに、後羽根用第1駆動部材11をシャッタ地板1側にして、個々に回転可能に取り付けられている。
また、後羽根用第1駆動部材11は、被写体側(図1の表面側)に円柱形をした係合部11aを設けており、シャッタ地板1側には駆動ピン11bを有している。駆動ピン11bは、シャッタ地板1の長孔1cを貫通しており、根元部が緩衝部材5に当接し得るようになっていて、先端部は、羽根室内で後羽根に連結されている。
なお、軸1hは、シャッタ地板1を貫通して背面側にも立設されている。
後羽根用第2駆動部材12は、図示していない後羽根用駆動ばねによって時計方向(図2の矢印B方向)へ回転するように付勢されている。
また、後羽根用第2駆動部材12は、被係止部12aと、係合部11aを挿入させた窓部12bとを有していて、被写体側(図1の表面側)にはローラー12cを回転可能に取り付けている。また、後羽根用第2駆動部材12と上記の後羽根用第1駆動部材11との間に、図示していないセットばねが掛けられていて、後羽根用第2駆動部材12を時計方向へ回転させ、後羽根用第1駆動部材11を反時計方向へ回転させるように付勢している。
セット部材13は、シャッタ地板1に立設された軸1iに回転可能に取り付けられており、図示していないばねによって、反時計方向(図2の矢印C方向)へ回転するように付勢されている。
また、セット部材13は、シャッタ地板1側の面に、先羽根用駆動部材10のローラー10bに接触し得るローラー13aと、後羽根用第2駆動部材12のローラー12cに接触し得るローラー13bとを回転可能に取り付けている。
また、セット部材13には、リンク部材15を介して、セット操作部材14と連結されるための孔が形成されている。
セット操作部材14は、シャッタ地板1に立設された軸1jに回転可能に取り付けられている。
また、セット操作部材14は、カメラ本体側の部材によって操作されるローラー14aを回転可能に取り付けていると共に、シャッタ地板1側の面に軸14bを立設している。
リンク部材15には一端に孔が形成されていて、そこに、セット操作部材14の軸14bが回転可能に嵌合している。また、リンク部材15の他端には、被写体側(図1の表面側)にピン15aが設けられ、そのピン15aと同心となるようにしてシャッタ地板1側には軸が立設されている。そして、その軸が、セット部材13に形成されている孔に回転可能に嵌合している。図1においては、セット操作部材14は、セット部材13が図示していないばねの付勢力によって反時計方向へ回転したのに伴って、リンク部材15を介して反時計方向へ回転させられ、緩衝部材9をストッパとして停止させられた状態になっている。
先羽根用係止部材16は、シャッタ地板1に立設された軸1kに回転可能に取り付けられていて、図示していないばねによって反時計方向(図2の矢印D方向)へ回転するように付勢されている。
また、先羽根用係止部材16は、シャッタ地板1側に折り曲げた係止部16aを有している。係止部16aは、先羽根用駆動部材10の被係止部10aを係止し、先羽根用駆動部材10の時計方向への回転を阻止するためのものである。また、先羽根用係止部材16は、被写体側(図1の表面側)に折り曲げた折曲部の上端に、さらに被写体側(図1の表面側)に突出させた被押動部16bを有している。
後羽根用係止部材17は、シャッタ地板1に立設された軸1mに回転可能に取り付けられていて、図示していないばねによって時計方向(図2の矢印E方向)へ回転するように付勢されている。
また、後羽根用係止部材17は、シャッタ地板1側に折り曲げた係止部17aと、被写体側(図1の表面側)に折り曲げた被押動部17bを有している。係止部17aは、後羽根用第2駆動部材12の被係止部12aを係止し、後羽根用駆動部材12の時計方向への回転を阻止するためのものである。
その他、シャッタ地板1には、開口部1aの左側の領域に、三つの柱1d,1e,1fが立設されている。それらのうち、柱1fは、その先端に形成されているねじ孔に図示していないねじを螺合させることによって、図示していない支持板を取り付けている。また、柱1d,1eは、長さ方向の途中で図示していない支持板を取り付けているほか、図示していない支持板に立設されている柱及び軸と共に、それらの先端に形成されているねじ孔に図示していないねじを螺合させることにより、図示していないカバー板を取り付けている。また、柱1dには、リング状の緩衝部材9が取り付けられている。
図示していない支持板には、例えば、上記の特開2011号公報に記載されているように、シャッタ地板1側へ向けて設けられた所定の軸に、図示していない補助セット部材が回転可能に取り付けられている。
補助セット部材は、セット部材13が時計方向へ回転すると反時計方向へ回転し、その後、セット部材が反時計方向へ回転すると時計方向へ回転するようになっている。また、補助セット部材は、押動部を有している。
また、図示していない支持板には、例えば、上記の特開2011号公報に記載されているように、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石、先羽根用係止解除部材と後羽根用係止解除部材、ホールド部材及びホールド補助部材、レリーズ部材、抑止部材が取り付けられている。
先羽根用係止解除部材は、図示していない支持板に設けられたさらに他の軸に回転可能に取り付けられ、図示していない先羽根用解除ばねによって時計方向へ回転するように付勢されており、先羽根用係止部材16の被押動部16bを押す押動部を有し、先端部には鉄片部材を取り付けている。
後羽根用係止解除部材は、図示していない支持板に設けられたさらに他の軸に回転可能に取り付けられ、図示していない後羽根用解除ばねによって反時計方向へ回転するように付勢されており、後羽根用係止部材17の被押動部17bを押す押動部を有し、先端部には鉄片部材を取り付けている。
ホールド部材及びホールド補助部材は、図示していない支持板に設けられたさらに他の軸に回転可能に取り付けられ、ホールド部材は、図示していない第1のばねによって時計方向に付勢されており、先端には押圧部材が取り付けられている。ホールド部材とホールド補助部材との間には、ホールド部材を反時計方向へ回転させるように付勢し、ホールド補助部材を時計方向へ回転させるように付勢する図示していない第2のばねが掛けられている。
そして、ホールド部材は、セット状態においては、押圧部材を介して上記の二つの係止解除部材を上記の二つの解除ばねの付勢力に抗して押圧し上記の二つの鉄芯部材に接触させ、撮影に際して二つの電磁石のコイルに通電されると押圧力を解き二つの係止解除部材の作動軌跡外に作動させられるようになっている。また、ホールド補助部材は、被押動部を有し、補助セット部材の押動部によって押され得るようになっている。
レリーズ部材は、図示していない支持板に設けられたさらに他の軸に回転可能に取り付けられ、図示していないばねによって、反時計方向へ回転するように付勢されており、一方の腕部の先端に係止部、他方の腕部の先端に被押動部と当接部を有している、レリーズ部材の係止部は、ホールド補助部材を係止し、ホールド補助部材の時計方向の回転を阻止し得るようになっている。レリーズ部材の被押動部は、図示していないカメラ本体側の部材によって押され得るようになっている。
抑止部材は、図示していない支持板に設けられたさらに他の軸に回転可能に取り付けられ、図示していない連結ばねによって、ホールド部材の往復作動に連動して往復回転させられ、セット状態においては、後羽根用係止解除部材の作動軌跡内に作動させられていてその後ホールド部材が二つの係止解除部材の軌跡外に作動させられるとき後羽根用電磁石のコイルに対して通電されていないときには後羽根用電磁石の鉄芯部材から離反作動する後羽根用係止解除部材を後羽根用係止部材17による後羽根用第2駆動部材12の係止を解く前に抑止するようになっている。
次に、中間板2と補助地板(符号省略)以外に、シャッタ地板1の背面側に配置されている構成部材を、図1を用いて説明する。なお、それらの構成部材は、例えば、上記の特開2011号公報に記載されている構成部材と略同じである。
シャッタ地板1と中間板2の間に配置されている先羽根は、シャッタ地板1に立設された二つの軸1g,1nに一端を枢着されている二つのアーム33,34と、それらの自由端に向けて順に枢支された4枚の羽根35,36,37,38とで構成されていて、それらの最先端に枢支された羽根38をスリット形成羽根としている。そして、アーム33は、周知の孔に、先羽根用駆動部材10の駆動ピン10cを嵌合させていると共に、軸1gに対する枢着部の近傍に、二つの遮光部33a,33bを形成している。
また、中間板2と補助地板(符号省略)の間に配置されている後羽根は、シャッタ地板1に立設された二つの軸1h,1pに一端を枢着されている二つのアーム39,40と、それらの自由端に向けて順に枢支された4枚の羽根41,42,43,44とで構成されていて、それらの最先端に枢支された羽根44をスリット形成羽根としている。そして、アーム39は、周知の孔に、後羽根用第1駆動部材11の駆動ピン11bを嵌合させていると共に、軸1hに対する枢着部の近傍に、二つの遮光部39a,39bを形成している。
また、シャッタ地板1の背面側には、軸1g,1hの近傍部に、同じ構成をした二つの光電センサー45,46が取り付けられている。光電センサー45,46は、発光部と受光部とが対向して配置されていて、発光部から出射した光を受光部で受光するように構成されており、受光部が受光しているときはH(High)信号を出力し、受光していないときにはL(Low)信号を出力するようになっている。そして、アーム33の遮光部33a,33bが、光電センサー45の光路を遮断し、アーム39の遮光部39a,39bが、光電センサー46の光路を遮断し得るようになっている。
そして、このように構成されたフォーカルプレンシャッタでは、セット作動時には、羽根の露光作動終了状態からセット部材13が時計方向へ回転を開始する。すると、最初に、ローラー13aが先羽根用駆動部材10のローラー10bを押し、先羽根用駆動部材10を、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して、反時計方向へ回転させ、開口部1aの下方位置に格納されていた先羽根の4枚の羽根35〜38が、隣接する羽根同士の重なり量を小さくしつつ、スリット形成羽根38を先頭にして上方へ作動させられていく。そして、先羽根のスリット形成羽根38と後羽根のスリット形成羽根44の重なりが所定量に達すると、セット部材13の他方のローラー13bが、後羽根用第2駆動部材12のローラー12cを押し始め、後羽根用第2駆動部材12は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力に抗して、反時計方向へ回転させられようになる。
後羽根用第2駆動部材12が、セット部材13によって反時計方向へ回転させられると、先羽根用第1駆動部材11も、係合部11aが後羽根用第2駆動部材12の窓部12bの縁に追従して、反時計方向へ回転させられ、後羽根の4枚の羽根41〜44は、その時点から隣接する羽根同士の重なり量を小さくしつつ上方へ作動させられていく。そして、それ以後は、先羽根と後羽根は、スリット形成羽根同士の重なり量を好適に保ちながら作動を続けていく。
セット作動が行われてゆき、先羽根の4枚の羽根35〜38が展開状態となって開口部1aを覆い、後羽根の4枚の羽根41〜44が重畳状態となって開口部1aの上方位置に格納された段階になると、後羽根用第1駆動部材11は、駆動ピン11bが、シャッタ地板1に形成されている円弧状の長孔1cの上端に当接して停止させられる。
そして、先羽根用駆動部材10と後羽根用第2駆動部材12は、その後も、僅かに反時計方向への回転を続けるので、先羽根の4枚の羽根35〜38も上方への作動を続けるが、後羽根の4枚の羽根41〜44は停止したままになるため、後羽根用第1駆動部材11と後羽根用第2駆動部材12の間に掛けられた図示していないセットばねが緊張されていく。
後羽根用第1駆動部材11の回転が停止した後も、先羽根用駆動部材10と後羽根用第2駆動部材12が、なおも反時計方向へ回転させられていくと、先羽根用駆動部材10は、被係止部10aが、その段階では既に被係止部10aの作動軌跡内に存在している係止部16aを押し、先羽根用係止部材16を、図示していないばねの付勢力に抗して僅かに時計方向へ回転させ始める。そして、先羽根用駆動部材10がなおも回転してそれらの接触が解かれると、先羽根用係止部材16は、図示していないばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられて、係止部16aによる被係止部10aの係止可能状態になる。
他方、上記のように、先羽根用駆動部材10の被係止部10aが、先羽根用係止部材16の係止部16aを押している段階では、後羽根用第2駆動部材12も、被係止部12aが、既に被係止部12aの作動軌跡内に存在している係止部17aを押し、後羽根用係止部材17を、図示していないばねの付勢力に抗して、反時計方向へ回転させ始める。そして、後羽根用第2駆動部材12がなおも回転することによってそれらの接触が解かれると、後羽根用係止部材17は、図示していないばねの付勢力によって時計方向へ回転させられ、係止部17aによる被係止部12aの係止可能状態になる。そして、その段階になると、カメラ本体側の部材によるセット操作部材14の時計方向の回転が停止する。そのときの状態は、後述のオーバーセット状態である。
このような状態になると、図示していないカメラ本体側の部材が、セット操作部材14のローラー14から離れていき、セット部材13は、図示していないばねの付勢力によって反時計方向へ回転し得るようになり、リンク部材15を介して、セット操作部材14を反時計方向へ回転させながら、初期位置へ復帰していく。
他方、この回転によって、セット部材13のローラー13a,13bが、二つの駆動部材10,12のローラー10b,12cに対する押圧力を解いていき、駆動部材10,12は、図示していない駆動ばねの付勢力によって時計方向へ回転させられるが、いずれも僅かに回転したところで、それらの被係止部10a,12aが上記の各係止部材16,17の係止部16a,17aによって係止され、停止させられる。また、この僅かな回転で、先羽根の4枚の羽根35〜38は僅かに下方へ作動させられるが、開口部1aの一部を開いてしまうようなことはない。その後、セット部材13が初期位置で停止すると、セット作動が完了する。そのセット完了状態は、光学ファインダを用いる撮影モードで撮影するときの撮影待機状態である。
また、上記構成のフォーカルプレンシャッタでは、モニタを用いる撮影モードで撮影する場合のセット作動時には、撮影者による所定のスイッチ操作により、上記光学ファインダを用いる撮影モードで撮影するときの撮影待機状態から、さらに、図示していない先羽根用係止解除部材の押動部が被押動部16bを押して、先羽根用係止部材16を時計方向へ回転させ、先羽根用駆動部材10の係止を解かせる。すると、先羽根用駆動部材10は、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって時計方向へ急速に回転し、先羽根の4枚の羽根35〜38が開口部1aを全開にした後、駆動ピン10cが緩衝部材4に当接することによって停止する。図1及び図2は、そのときの状態を示したものであって、この状態は、電子ファインダを用いる撮影モードのときの待機状態であり、被写体像をモニタで観察し得る状態である。
なお、セット作動時に、セット部材13が時計方向へ回転すると、図示していない補助セット部材が反時計方向へ回転させられ、押動部によってホールド補助部材の被押動部を押す。これにより、図示しないホールド部材及びホールド補助部材が反時計方向に回転させられ、ホールド部材の先端に取り付けられている押圧部材によって、先羽根用係止解除部材が反時計方向へ回転させられるとともに、後羽根用係止解除部材が時計方向へ回転させられ、これら二つの係止解除部材の押動部が先羽根用係止部材16と後羽根用係止部材17の被押動部16b、17bに対する押圧力を解いていき、図示していないばねによって反時計方向、時計方向へと夫々回転し、二つの駆動部材10,12に形成されている被係止部10a,12aの作動軌跡内に存在するようになる。
また、ホールド部材が反時計方向へ回転させられていくと、連結ばねを介して抑止部材が時計方向へ回転させていく。そして、先羽根用係止解除部材と後羽根用係止解除部材との回転によって、各々の鉄芯部材が先羽根用電磁石と後羽根用電磁石の各々の鉄芯部材に接触する直前になると、抑止部材が後羽根用係止解除部材に接触する。その後は、連結ばねが緊張されていくようになる。
図示していない二つの鉄片部材は、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石の各々の鉄芯部材に接触し、先羽根用係止解除部材と後羽根用係止解除部材の回転は停止する。ホールド部材もそれ以上は時計方向へ回転できなくなる。ホールド補助部材は、被押動部が補助セット部材の押動部に押され、第2のばねを緊張させながら僅かに回転させられたところで停止する。
他方、上記のように二つの鉄片部材が二つの鉄芯部材に接触した後、レリーズ部材は、それまで、ホールド補助部材の被押動部によって阻止されていた回転を許されるようになり、図示していないばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられ、その当接部が支持板の被当接部に当接して停止させられる。それによって、レリーズ部材の係止部が、ホールド補助部材の被押動部の作動軌跡内に入り込んで、ホールド補助部材の時計方向の回転を阻止し得る状態になる。補助セット部材の回転が停止して、係止解除機構がこのような状態になったときが、オーバーセット状態である。
オーバーセット状態から、上記したように、レリーズ部材が初期位置へ復帰させられると、補助セット部材も時計方向へ回転させられるので、ホールド補助部材も、ホールド部材との間に掛けられた図示していない上記の第2のばねの付勢力によって時計方向へ回転させられるが、その回転は、僅かに回転したところで、ホールド補助部材の被押動部が、レリーズ部材の係止部に係止されて停止させられる。
そして、このときのホールド補助部材の回転は、ホールド部材との間に掛けられている図示していない第2のばねの付勢力が作用する範囲内であるから、ホールド部材は回転せず、押圧部材の二つの押圧部は、依然として二つの鉄片部材を二つの鉄芯部材に接触させており、また、抑止部材も、後羽根用係止解除部材の被抑止部に接触している。このような状態が、係止解除機構のセット完了状態、即ち光学ファインダを用いて撮影を行うときの撮影待機状態である。
また、上記構成のフォーカルプレンシャッタでは、上記の光学ファインダを用いる撮影モードで撮影するときの撮影待機状態から露光作動を行う場合は、撮影者が、レリーズボタンを押すと、先羽根用電磁石のコイルと後羽根用電磁石のコイルに通電する。それにより、二つの鉄片部材が二つの鉄芯部材に電磁力で吸着される。次に、図示していないカメラ本体側の部材が、レリーズ部材を押し、その後、ホールド部材は第1のばねの付勢力によって時計方向へ回転し、押圧部材の押圧部が二つの鉄芯部材から離れる。
また、ホールド部材の時計方向の回転によって、抑止部材が反時計方向へ回転させられ、後羽根用係止解除部材の作動軌跡外へ逃がされていく。
その後、先羽根用電磁石のコイルに対する通電が経たれ、鉄片部材に対する吸着力が失われ、図示していない先羽根用係止解除部材の押動部が被押動部16bを押して、先羽根用係止部材16を時計方向へ回転させ、先羽根用駆動部材10の係止を解かせ、先羽根用駆動部材10は、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力によって急速に時計方向へ回転させられ、先羽根の4枚の羽根35〜38は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしつつ開口部1aの下方へ作動し、スリット形成羽根38の上端縁によって、開口部1aを開いていく。
所定時間後に、後羽根用電磁石のコイルに対する通電が経たれ、鉄片部材に対する吸着力が失われ、後羽根用係止解除部材は、図示していないばねの付勢力によって反時計方向へ回転させられ、その過程で、押動部が、後羽根用係止部材17の被押動部17bを押していく。それによって、後羽根用係止部材17は、図示していないばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させられ、それまで係止部17aで係止していた後羽根用第2駆動部材12の係止を解く。
このようにして、後羽根用係止部材17による係止が解かれると、後羽根用第2駆動部材12は、図示していない後羽根用駆動ばねの付勢力によって、上記の撮影待機状態から急速に時計方向へ回転させられ、その初期段階において、窓部12bの縁が後羽根用第1駆動部材11の係合部11aを押すので、後羽根用第1駆動部材11も時計方向へ回転を開始する。従って、それ以後は、二つの駆動部材11,12は、時計方向へ一体的に回転する。そして、後羽根用第1駆動部材11が時計方向へ回転を開始すると、後羽根の4枚の羽根41〜44は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしつつ開口部1a内へ作動してゆき、スリット形成羽根44の下端縁によって、開口部1aを上方から閉じていく。そのため、それ以後は、先羽根のスリット形成羽根38と後羽根のスリット形成羽根44の間に形成されたスリットにより、撮像素子の撮像面を上方から下方に向けて露光していく。
また、モニタを用いる撮影モードで撮影する場合には、図1及び図2の状態から、カメラ本体側の部材が、図1に示されているローラー14aを押して、レリーズ操作部材14を時計方向へ回転させる。そのため、既に説明したセット作動と同様に、セット部材13が時計方向へ回転させられ、補助セット部材が反時計方向へ回転させられるが、後羽根用第2駆動部材12が、既に後羽根用係止部材17によって係止された状態になっているので、セット部材13は、ローラー13aによって、先羽根用駆動部材10だけを、図示していない先羽根用駆動ばねの付勢力に抗して反時計方向へ回転させる。そして、先羽根の4枚の羽根35〜38が開口部1aを閉鎖したところで、セット部材13は、そのローラー13bで後羽根用第2駆動部材12のローラー12cを押すようになり、それ以後は、先羽根用駆動部材10と後羽根用第2駆動部材12を回転させていく。
他方、補助セット部材は、その反時計方向の回転によって、ホールド部材とホールド補助部材を反時計方向へ回転させるので、押圧部材は、ホールド部材に対する姿勢を変えながら、先羽根用係止解除部材と後羽根用係止解除部材とを、各々のばねの付勢力に抗して回転させ、それらに取り付けられている鉄片部材を、鉄芯部材に接触させる。そして、セット操作部材14のローラー14aからカメラ本体側の部材が離れてゆき、セット部材13は初期位置へ復帰する。それによって、開閉駆動機構は光学ファインダを用いる撮影モードで撮影するときの撮影待機状態と同じ状態になる。
そのようにして光学ファインダを用いる撮影モードで撮影するときの撮影待機状態と同じ状態になると、既に説明した光学ファインダを用いる撮影モードの場合と同様に、直ちに、先羽根と後羽根による露光作動が行われ、撮影が終了する。
本発明は、図1、図2に一例として示したようなフォーカルプレンシャッタにおけるシャッタ駆動機構3を構成する部材を回転可能に支持する回転軸に特徴がある。
そこで、次に、本発明の実施例における、シャッタ駆動機構3を構成する部材を回転可能に支持する回転軸の構成について、図3、図4を用いて説明する。ここでは、便宜上、本発明における特徴的な構成である回転軸の構成を、先羽根用係止部材16を回転可能に支持する軸1kに用いた場合について説明することとする。
本実施例のフォーカルプレンシャッタでは、軸1kは、軸体1k1と、管状部材1k2と、スリーブ1k3とで構成される。
軸体1k1は、シャッタ地板1からシャッタ地板1の表面側(即ち、羽根が配置される側とは反対側)に立設されていて、軸部1k1aと軸部1k1aよりも径方向に突出する鍔部1k1bを有する。さらに、軸体1k1には、オイルやグリス等の潤滑剤を溜めるための断面がV形状の溝1k1cを有する。
管状部材1k2は、軸部1k1aにおける外周面1k1a1に回転可能に嵌合し、且つ、その一端縁1k2aが鍔部1k1bに当接するように形成されている。
スリーブ1k3は、軸1kにおける軸体1k1の鍔部1k1bと管状部材1k2の一端縁1k2aとの当接箇所の周りを覆い、且つ、その一端縁(後述する第2の筒部1k3bの端縁1k3b1)がシャッタ地板1の面と接合するように形成されている。
また、スリーブ1k3は、第1の筒部1k3aと、第2の筒部1k3bを備えている。
第2の筒部1k3bは、第1の筒部1k3aに続くシャッタ地板1側に設けられていて第1の筒部1k3aよりも大きな径の内壁面を有し、軸体1k1の鍔部1k1bと管状部材1k2の一端縁1k2aとの当接箇所から飛散する潤滑剤を溜めることのできる形状に形成されている。
また、スリープ1k3は、第2の筒部1k3bの端縁1k3b1が両面テープを用いてシャッタ地板1に接合、固定されている。
そして、シャッタ地板1とスリーブ1k3との接合箇所に使用する両面テープは、オイル吸着シートを用いて構成されている。
このように構成された本実施例のフォーカルプレンシャッタにおける先羽根用係止部材16の作動による軸1kからの潤滑剤の飛散を阻止する作用を説明する。
図1の状態において、レリーズボタンを押すと、先羽根用係止部材16は、図6から図7の状態へ作動し、連写作動時には、図6から図7の動作を繰り返す。
その際、先羽根用係止部材16は、高速回転を行う。これにより、回転軸の回転時に軸体と管状部材との間に介在する潤滑剤に遠心力が大きく働き、回転軸の停止時に嵌合端部である、軸体1k1の鍔部1k1bと管状部材1k2の一端縁1k2aとの当接箇所から飛び出す。
このとき、本実施例のフォーカルプレンシャッタによれば、スリーブ1k3が、飛び出た直後の潤滑剤をスリーブ1k3の内壁で遮断するため、回転軸1kを中心とした全方向への潤滑剤の飛散を防止できる。その結果、駆動機構を制御する基板等の制御部内側への潤滑剤による汚染のリスクや、潤滑剤が長孔1b等、シャッタ地板1に設けられた開口を通じて羽根側に浸入して羽根を汚染するリスクを回避できる。
また、スリーブ1k3は、回転軸1kと同軸に回転軸1kにおける軸体1k1の鍔部1k1bと管状部材1k2の一端縁1k2aとの当接箇所の周囲を覆うように設けたので、スリーブ1k3が駆動機構における夫々の回転軸を用いた構成部材の作動を邪魔しない。また、スリーブ1k3であれば、回転軸1kの軸まわりの僅かなスペースで地板1へ配置できる。
また、本実施例のフォーカルプレンシャッタによれば、スリーブ1k3を、第1の筒部1k3aと、第1の筒部1k3aに続くシャッタ地板1側に設けられていて第1の筒部1k3aよりも大きな径の内壁面を有し、軸体1k1の鍔部1k1bと管状部材1k2の一端縁1k2aとの当接箇所から飛散する潤滑剤を溜める第2の筒部1k3bを備えたので、長期間にわたる使用により、軸体1k1の鍔部1k1bと管状部材1k2の一端縁1k2aとの当接箇所から飛び出す潤滑剤の量が増えても、第2の筒部1k3bで潤滑剤を溜めておくことにより、スリーブ1k3とシャッタ地板1との接合箇所からの潤滑剤の浸み出しを確実に防止することができ、潤滑剤が長孔1b等、シャッタ地板1に設けられた開口を通じて羽根側に浸入して羽根を汚染するリスクをより確実に回避できる。
また、本実施例のフォーカルプレンシャッタによれば、シャッタ地板1とスリーブ1k3との接合箇所にオイル吸着シートを備えたので、スリーブ1k3とシャッタ地板1との接合箇所からの潤滑剤の浸み出しを一層確実に防止することができ、潤滑剤が長孔1b、シャッタ地板1に設けられた開口を通じて羽根側に浸入して羽根を汚染するリスクをより一層確実に回避できる。
なお、本実施例では、便宜上、上述のように、本発明における特徴的な構成である回転軸の構成を、先羽根用係止部材16を回転可能に支持する軸1kに用いた場合について説明したが、本発明のフォーカルプレンシャッタにおける回転軸の構成は、シャッタ駆動機構におけるその他の構成部材を回転可能に支持する回転軸(例えば、図1に示した先羽根用駆動部材10、後羽根用第1駆動部材11及び後羽根用第2駆動部材12、セット部材13、後羽根用係止部材17を夫々回転可能に支持する軸1g,1h,1i,1m等についても勿論適用可能である。
また、本実施例では、本発明のフォーカルプレンシャッタにおける回転軸を、係止タイプのフォーカルプレンシャッタに適用した例について説明したが、本発明のフォーカルプレンシャッタにおける回転軸は、羽根の開閉を行う駆動機構に軸を中心として回転する部材を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタであれば、どのようなタイプのシャッタにも適用可能であり、ダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタについても勿論適用可能である。
1 シャッタ地板
1a,2a 開口部
1b,1c 長孔
1g,1h,1i,1k,1m 軸
1k1 軸体
1k1a 軸部
1k1a1 外周面
1k1b 鍔部
1k1c 溝
1k2 管状部材
1k2a 一端縁
1k3 スリーブ
1k3a 第1の筒部
1k3b 第2の筒部
1k3b1 端縁
2 補助地板
3 シャッタ駆動機構
10 先羽根用駆動部材
10a,12a 被係止部
10b,12c,13a,13b,14a ローラー
10c,11b 駆動ピン
11 後羽根用第1駆動部材
11a 係合部
12 後羽根用第2駆動部材
13 セット部材
14 セット操作部材
15 リンク部材
15a ピン
16 先羽根用係止部材
16a,17a 係止部
16b,17b 被押動部
17 後羽根用係止部材
33,34,39,40 アーム
33a,33b,39a,39b 遮光部
35〜38,41〜44 羽根
45,46 光電センサー
51 軸体
51a 軸部
51a1 外周面
51b 鍔部
51c 溝
52 管状部材
52a 一端縁
53 地板
54 シャッタ駆動機構を構成する所定の構成部材

Claims (4)

  1. 露光用の開口部を有する地板と、前記地板の一方の側に配置されていて、前記開口部の開閉作動を行う少なくとも一つの羽根と、前記地板の他方の側に配置されていて、前記羽根に前記開口部の開閉作動を行わせる駆動機構と、前記地板から該地板の他方の側に立設されていて、軸部と該軸部よりも径方向に突出する鍔部を有する軸体及び前記軸部における少なくとも一部の外周面に回転可能に嵌合し、且つ、その一端縁が前記鍔部に当接する管状部材からなり、前記駆動機構を構成する少なくとも一つの部材を、前記軸部を中心として回転可能に支持する少なくとも一つの回転軸と、を有するカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいて、
    少なくとも一つの前記回転軸における前記軸体の鍔部と前記管状部材の一端縁との当接箇所の周囲を覆い、且つ、その一端縁で前記地板の面と接合するスリーブを設けたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記スリーブは、第1の筒部と、前記第1の筒部に続く前記地板側に設けられていて該第1の筒部よりも大きな径の内壁面を有し、当該軸体の鍔部と当該管状部材の一端縁との当接箇所から飛散する潤滑剤を溜める第2の筒部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記地板と前記スリーブとの接合箇所にオイル吸着シートを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタを備えていることを特徴とするデジタルカメラ。
JP2014187651A 2014-09-16 2014-09-16 カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ Active JP6313171B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014187651A JP6313171B2 (ja) 2014-09-16 2014-09-16 カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014187651A JP6313171B2 (ja) 2014-09-16 2014-09-16 カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016061830A JP2016061830A (ja) 2016-04-25
JP6313171B2 true JP6313171B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=55797704

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014187651A Active JP6313171B2 (ja) 2014-09-16 2014-09-16 カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6313171B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000018262A (ja) * 1998-06-26 2000-01-18 Sony Corp ベアリング軸受における漏れオイルの飛散・拡散防止機構
JP4191755B2 (ja) * 2006-08-21 2008-12-03 日本電産コパル株式会社 カメラ用フォーカルプレンシャッタ
KR101679292B1 (ko) * 2009-12-31 2016-11-24 삼성전자 주식회사 포컬 플레인 셔터 및 이를 구비하는 촬상 장치
JP6053411B2 (ja) * 2012-09-14 2016-12-27 キヤノン株式会社 フォーカルプレンシャッタ、撮像装置及び撮像システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016061830A (ja) 2016-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4939074B2 (ja) 撮像装置
JP5743509B2 (ja) シャッター装置
CN101676791A (zh) 摄像设备
JP6147652B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ
JP4942147B2 (ja) カメラ
JP5704889B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP6313171B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ
JP6433857B2 (ja) フォーカルプレンシャッタ並びにこれを備える撮像装置及び電子機器
JP5253903B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP5502534B2 (ja) デジタルカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
US20120128346A1 (en) Shutter device
JP2007155774A (ja) デジタルカメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP6080629B2 (ja) 撮像装置
JP2015148734A (ja) フォーカルプレンシャッタ及びカメラ
JP3965330B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP5641852B2 (ja) デジタルカメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP5793057B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP7038108B2 (ja) フォーカルプレンシャッタ及びこれを備える撮像装置
JP2016139100A (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ、及びそれを備えたデジタルカメラ
JP4060671B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP2007034048A (ja) カメラにおける可動ミラー駆動機構
JP4891757B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ
JP2007034042A (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ
WO2018168834A1 (ja) フォーカルプレンシャッタ並びにこれを備える撮像装置及び電子機器
JP6147692B2 (ja) カメラ用フォーカルプレンシャッタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170517

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180116

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6313171

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250