JP6312561B2 - 中間転写体 - Google Patents

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Description

本開示は、一般的に、ポリイミド、任意要素の導電性フィラーおよびペルフルオロポリエーテルホスフェートで構成される中間転写体に関する。
種々の中間転写体(例えば、ゼログラフィーシステムで現像した画像を転写するために選択される中間転写ベルト)が知られている。例えば、受け入れられないほど弾性率または破断強さが低く、金属基材からの剥離特徴が悪い材料を含む多くの中間転写体が知られているが、主に、費用、原材料の希少性、長い乾燥時間のため、中間転写体を調製するのに費用がかかる。中間転写体を脆くし、現像した画像の受け入れが不十分となり、その後、紙のような基材への現像したゼログラフィー画像の転写が部分的になってしまうという特徴を有する中間転写体も知られている。
中間転写体の調製に関連する欠点は、通常、金属基材の上に別個の剥離層を堆積させ、その後に、剥離層に中間転写体要素を塗布することであり、剥離層があることにより、剥離によって、または機械的なデバイスを用いることによって金属基材から得られた中間転写体を分離することができる。剥離層を使用すると、費用および調製時間が追加され、このような層は、多くの中間転写体の特徴を変えてしまうことがある。
毎分約30ページ以下を処理する低価格仕様のゼログラフィー機およびプリンターには、通常は、熱可塑性中間転写体が低コストであるため用いられる。しかし、熱可塑性材料(例えば、特定のポリカーボネート、ポリエステルおよびポリアミド)の弾性率の値は、比較的低いことがある(例えば、約1,000〜1,500メガパスカル(MPa))。
さらに、多くの既知の中間転写体を用いると、通常は、剥離添加剤、レベリング添加剤、分散剤といった3つの別個の要素が必要であり、これらの要素によって、プロセスの問題が生じることがあり、また、中間転写体の費用が追加されることがある。
さらに、1つの要素が、剥離添加剤、レベリング剤および分散剤として機能可能な中間転写体が必要である。
さらに、弾性率の測定によって決定されるような優れた破断強さを有し、基材から簡単に剥離可能であり、高いガラス転移温度および改良された安定性を有し、長時間にわたって変形がないか、または最低限である中間転写体が必要である。
さらに、このような中間転写体が調製されるときに選択される多くの基材から迅速に剥離するという特徴を有する中間転写体材料が必要である。
フローコーティングプロセスによって作成することができ、ミルによる粉砕を含まないプロセスによって調製可能な中間転写体を提供するさらに別の必要性がある。
さらに、経済的かつ効果的に製造することができる要素を含み、1つの要素が、剥離添加剤、レベリング剤および分散剤として同時に機能する能力を有する、つなぎ目のない中間転写体が必要である。
ポリイミド、ペルフルオロポリエーテルホスフェートおよび任意要素の導電性要素の層を含む、中間転写体を開示する。
さらに、以下の式/構造
Figure 0006312561
によってあらわされ、式中、p/qの比率は、約0.5〜約3であり、sは、1または2である、ポリイミド、カーボンブラックおよびペルフルオロポリエーテルホスフェートの単一層の膜を含む中間転写体も開示する。
さらに、支持基材と、その上に、以下の式/構造
Figure 0006312561
によってあらわされるような、ポリイミド、カーボンブラックおよびペルフルオロポリエーテルホスフェートの混合物で構成される層とをこの順序で含み、前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートは、前記ポリイミドのための内部剥離添加剤およびレベリング剤として機能し、前記カーボンブラックのための分散剤として機能し、前記中間転写体は、場合により、ヤング弾性率が約7,500〜約8,000MPaである、中間転写体を開示する。
図1は、本開示の1層中間転写体の例示的な実施形態を示す。 図2は、本開示の2層中間転写体の例示的な実施形態を示す。 図3は、本開示の3層中間転写体の例示的な実施形態を示す。
開示される中間転写体は、ポリイミドおよびペルフルオロポリエーテルホスフェートの混合物で構成されていてもよく、組成物自体が、金属基材(例えば、ステンレス鋼)から剥離し、金属基材上の外側剥離層を省くことができる。したがって、開示されるコーティング混合物は、例えば、ポリイミドを含有する中間転写体混合物のためにたった1つの要素のみが必要であるため、費用対効果が高い。
図1に、ペルフルオロポリエーテルホスフェート3、ポリイミド4、任意要素のシロキサンポリマー5および任意要素の導電性要素6で構成される層2を含む中間転写体を示す。
図2に、ペルフルオロポリエーテルホスフェート8、ポリイミド9、任意要素のシロキサンポリマー10および任意要素の導電性要素11を含む底部層7と、剥離要素14を含む任意要素の上部または外側トナー剥離層13とを含む、2層中間転写体を示す。
図3に、支持基材15と、ペルフルオロポリエーテルホスフェート17、ポリイミド18、任意要素のシロキサンポリマー19および任意要素の導電性要素21を含むその上の層16と、剥離要素24を含む任意要素の剥離層23とを含む、3層中間転写体を示す。
(ポリイミド)
本明細書に示す中間転写体混合物のために選択されるポリイミドの例は、ポリアミド酸のポリイミド前駆体から作成することができ、ポリアミド酸のポリイミド前駆体としては、ピロメリット酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸、ピロメリット酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリン/フェニレンジアミンのポリアミド酸など、およびこれらの混合物のいずれかが挙げられる。加熱によって硬化させた後、得られるポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリイミド、ピロメリット酸二無水物/フェニレンジアミンのポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリイミド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリイミド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリン/フェニレンジアミンのポリイミド、およびこれらの混合物が挙げられる。
選択されるピロメリット酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸の市販例としては、PYRE−ML(登録商標)RC−5019(N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中、約15〜16重量%)、RC−5057(NMP/芳香族炭化水素=80/20中、約14.5〜15.5重量%)およびRC−5083(NMP/DMAc=15/85中、約18〜19重量%)(これらはすべて、Industrial Summit technology Corp.、パーリン、NJ製);FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.,Inc.から市販されるDURIMIDE(登録商標)100が挙げられる。
ビフェニルテトラカルボン酸無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸の例としては、U−VARNISH(登録商標)AおよびS(NMP中、約20重量%)(両方ともUBE America Inc.、ニューヨーク、NYから入手可能)、BPDA樹脂(NMP中、約16.8重量%)(Kaneka Corporation(TX)から入手可能)、PI−2610(NMP中、約10.5重量%)およびPI−2611(NMP中、約13.5重量%)(両方ともHD MicroSystems、パーリン、NJから入手可能)が挙げられる。
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸の例としては、RP46およびRP50(NMP中、約18重量%)(両方ともUnitech Corp.、ハンプトン、VAから入手可能)が挙げられる。
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリン/フェニレンジアミンのポリアミド酸の例は、PI−2525(NMP中、約25重量%)、PI−2574(NMP中、約25重量%)、PI−2555(NMP/芳香族炭化水素=80/20中、約19重量%)およびPI−2556(NMP/芳香族炭化水素/プロピレングリコールメチルエーテル=70/15/15中、約15重量%)(すべてHD MicroSystems、パーリン、NJから入手可能)が挙げられる。
さらに具体的には、ポリイミドを作成するために選択可能なポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの例は、酸二無水物とジアミンの反応によって調製される。選択される適切な酸二無水物としては、芳香族酸二無水物および芳香族テトラカルボン酸二無水物、例えば、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2−ビス((3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ−2,5,6−トリフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシベンゾフェノン酸二無水物、ジ−(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)エーテル酸二無水物、ジ−(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)スルフィド酸二無水物、ジ−(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、ジ−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル酸二無水物、1,2,4,5−テトラカルボキシベンゼン酸二無水物、1,2,4−トリカルボキシベンゼン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4−4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン 2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−ジフェニルスルフィドジオキシビス(4−フタル酸)二無水物、4,4’−ジフェニルスルホンジオキシビス(4−フタル酸)二無水物、メチレンビス(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物、エチリデンビス(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物、イソプロピリデンビス(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物などが挙げられる。
ポリアミド酸の調製に用いるのに適した例示的なジアミンとしては、4,4’−ビス−(m−アミノフェノキシ)−ビフェニル、4,4’−ビス−(m−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス−(m−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ビス−(p−アミノフェノキシ)−ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(p−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス−(p−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−アゾベンゼン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−p−ターフェニル、1,3−ビス−(γ−アミノプロピル)−テトラメチル−ジシロキサン、1,6−ジアミノヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ジ(p−アミノフェニル)エタン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)プロパンおよび2,2−ジ(p−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどおよびこれらの混合物が挙げられる。
酸二無水物およびジアミンは、例えば、約20:80〜約80:20の重量比、約60/40〜約40/60の重量比、約50:50の重量比で選択される。
開示される中間転写体層の混合物のために選択されるポリイミドの例は、以下の式/構造
Figure 0006312561
およびこれらの混合物のうち、少なくとも1つによってあらわされ、式中、nは、繰り返しセグメントの数をあらわし、例えば、約5〜約3,000、約50〜約2,000、約50〜約1,500、約200〜約1,200、約1,000〜約2,000、約1,200〜約1,800、または約20〜約200である。
(ペルフルオロポリエーテルホスフェート)
開示される中間転写体のために選択されるペルフルオロポリエーテルホスフェートの例は、ポリペルフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルポリ(エチレングリコール)ホスフェート、ペルフルオロポリエーテル酸ホスフェート、ペルフルオロポリエーテルポリ(エチレングリコール)ホスフェート、ジリン酸、還元型の重合した酸化テトラフルオロエチレンのエトキシル化還元エチルエステルを含むポリマー、およびこれらの混合物である。
カーボンブラックのような導電性要素が存在するとき、そのための分散剤として機能することが可能であり、開示する混合物のためのレベリング剤および剥離添加剤として機能することが可能なペルフルオロポリエーテルホスフェートは、以下の式/構造
Figure 0006312561
によってあらわすことができ、式中、sは、基の数をあらわし、例えば、1または2であり、p/qは、それぞれのセグメントの比率をあらわし、比率は、例えば、選択するペルフルオロポリエーテルホスフェートの量によって変動してもよく、p/q比率の例は、約0.5〜約3、約0.7〜約1、約0.8〜約2.5、または約0.5〜約0.8である。いくつかの実施形態では、pの値は、例えば、約6〜約12であってもよく、qの値は、例えば、約3〜約11であってもよい。
開示する中間転写体混合物のために選択されるペルフルオロポリエーテルホスフェートの具体例は、以下の構造/式

Figure 0006312561
およびこれらの混合物によってあらわされるものからなる群から選択されてもよい。
開示する中間転写体混合物のために選択され、本明細書に示される式/構造によって包含されるペルフルオロポリエーテルホスフェートのなおさらなる具体例としては、FLUOROLINK(登録商標)F10(平均分子量=2,400〜3,100)およびFOMBLIN(登録商標)HC/P2−1000(平均分子量=2,500)が挙げられ、両方ともSolvay Solexisから入手可能である。
種々の量、例えば、約0.01重量%〜約5重量%(固体全体の)、約0.1〜約1重量%、約0.1〜約0.9重量%、約0.1〜約1.5重量%、約0.03〜約0.4重量%、約0.03〜約0.1重量%、約0.01〜約0.5重量%、約0.01〜約0.05重量%、約0.01〜約5重量%、または約0.6重量%以下のペルフルオロポリエーテルホスフェートを中間転写体組成物のために選択することができる。いくつかの実施形態では、ポリイミドポリマーおよびペルフルオロポリエーテルホスフェートの中間転写体組成物は、重量比で、約99.99/0.01〜約95/5で存在し、ポリイミド/導電性要素/ペルフルオロポリエーテルホスフェートの比率は、約50/49.99/0.01〜約94.9/5/0.1または約94.9/0.11/5である。
ある具体的な開示される中間転写体コーティングは、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリイミド、導電性要素および本明細書に示される溶媒中で調製された、開示するペルフルオロポリエーテルホスフェートの混合物を固形分約10〜約20重量%で含む。
開示するポリイミド/ペルフルオロポリエーテルホスフェートを含有する混合物は、例えば、ヤング弾性率が、約4,000〜約10,000MPa、約5,000〜約10,000MPa、約6,500〜約7,500MPa、約6,000〜約10,000MPa、約7,800〜約7,900MPaおよび約7,500〜約8,000MPaであり、分解開始温度が、約150℃より高く、約400℃〜約650℃、約500℃〜約640℃、約600℃〜約630℃、約160℃〜約400℃および約170℃〜約350℃を含む。
開示するガラス転移温度は、多くの既知の方法によって、さらに具体的には、示差走査熱量測定(DSC)によって決定することができ、開示する分子量、例えば、M(重量平均)およびM(数平均)について、多くの既知の方法によって、さらに具体的には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
ペルフルオロポリエーテルホスフェートは、3種類の異なる物質を利用するのとは対照的に、同時に、剥離剤または添加剤、レベリング剤および分散剤として機能する能力があり、ポリイミドおよび任意要素の要素を含有するコーティング溶液と相溶性である。さらに、得られたポリイミド/ペルフルオロポリエーテルホスフェートを含有する混合物または組成物は、最終的な硬化の後、ステンレス鋼のような金属基材から自己剥離し、厚い平滑なポリイミド/導電性要素が存在する場合、これらから自己剥離し、ペルフルオロポリエーテルホスフェート組成物中間転写体を得ることができる。
(任意要素の導電性要素またはフィラー)
開示する中間転写体は、場合により、例えば、中間転写体の導電性を変え、調節するために、1種類以上の導電性要素またはフィラーを含んでいてもよい。中間転写体が1層構造である場合、導電性フィラーが、本明細書に開示するペルフルオロポリエーテルホスフェートを含有する混合物中に含まれてもよい。しかし、中間転写体が多層構造である場合、導電性フィラーが、中間転写体の1つ以上の層(例えば、支持基材、ポリマー層、またはこれらにコーティングされたこれらの混合物に、または、支持基材と、存在する場合には剥離層を含むポリマー層との両方)に含まれていてもよい。例えば、適切なフィラーとしては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン、グラファイト、アセチレンブラック、フッ素化カーボンブラック、他の既知の適切なフィラーおよびこれらの混合物が挙げられる。
本明細書に示す中間転写体のために選択可能なカーボンブラックフィラーの例としては、Evonik−Degussaから入手可能なスペシャルブラック4(B.E.T.表面積=180m/g、DBP吸収量=1.8ml/g、一次粒子径=25ナノメートル)、スペシャルブラック5(B.E.T.表面積=240m/g、DBP吸収量=1.41ml/g、一次粒子径=20ナノメートル)、カラーブラックFW1(B.E.T.表面積=320m/g、DBP吸収量=2.89ml/g、一次粒子径=13ナノメートル)、カラーブラックFW2(B.E.T.表面積=460m/g、DBP吸収量=4.82ml/g、一次粒子径=13ナノメートル)、カラーブラックFW200(B.E.T.表面積=460m/g、DBP吸収量=4.6ml/g、一次粒子径=13ナノメートル)(すべてEvonik−Degussaから入手可能);VULCAN(登録商標)カーボンブラック、REGAL(登録商標)カーボンブラック、MONARCH(登録商標)カーボンブラックおよびBLACK PEARLS(登録商標)カーボンブラック(Cabot Corporationから入手可能)が挙げられる。導電性カーボンブラックの具体例は、BLACK PEARLS(登録商標)1000(B.E.T.表面積=343m/g、DBP吸収量=1.05ml/g)、880(B.E.T.表面積=240m/g、DBP吸収量=1.06ml/g)、800(B.E.T.表面積=230m/g、DBP吸収量=0.68ml/g)、L(B.E.T.表面積=138m/g、DBP吸収量=0.61ml/g)、570(B.E.T.表面積=110m/g、DBP吸収量=1.14ml/g)、170(B.E.T.表面積=35m/g、DBP吸収量=1.22ml/g)、VULCAN(登録商標)XC72(B.E.T.表面積=254m/g、DBP吸収量=1.76ml/g)、XC72R(VULCAN(登録商標)XC72の綿状形態)、XC605、XC305、REGAL(登録商標)660(B.E.T.表面積=112m/g、DBP吸収量=0.59ml/g)、400(B.E.T.表面積=96m/g、DBP吸収量=0.69ml/g)、330(B.E.T.表面積=94m/g、DBP吸収量=0.71ml/g)、MONARCH(登録商標)880(B.E.T.表面積=220m/g、DBP吸収量=1.05ml/g、一次粒子径=16ナノメートル)および1000(B.E.T.表面積=343m/g、DBP吸収量=1.05ml/g、一次粒子径=16ナノメートル);Orionから入手可能なチャンネルスペシャルカーボンブラック4およびチャンネルスペシャルカーボンブラック5、Evonik−Degussaから入手可能なチャンネルカーボンブラックである。本明細書に具体的に開示されていない他の既知の適切なカーボンブラックは、本明細書に開示する中間転写体のためのフィラーまたは導電性要素として選択されてもよい。
中間転写体に組み込むために選択可能なポリアニリンフィラーの例は、PANIPOL(商標)F(Panipol Oy、フィンランドから市販される);および既知のリグノスルホン酸が架橋したポリアニリンである。これらのポリアニリンは、通常は、例えば、約0.5〜約5ミクロン;約1.1〜約2.3ミクロン、または約1.5〜約1.9ミクロンの比較的小さな粒径直径を有する。
開示する中間転写体のために選択可能な金属酸化物フィラーとしては、例えば、酸化スズ、アンチモンがドープされた酸化スズ、二酸化アンチモン、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化亜鉛、インジウムがドープされた三酸化スズ、インジウムスズ酸化物および酸化チタンが挙げられる。
適切なアンチモンがドープされた酸化スズフィラーとしては、不活性コア粒子にコーティングされた、アンチモンがドープされた酸化スズ、例えば、ZELEC(登録商標)ECP−S、MおよびT(DuPont Chemicals、Jackson Laboratories、ディープウォーター、N.J.から入手可能)およびこれらのアンチモンがドープされたコアを含まない酸化スズ、例えば、ZELEC(登録商標)ECP−3005−XCおよびZELEC(登録商標)ECP−3010−XC(DuPont Chemicals、Jackson Laboratories、ディープウォーター、N.J.から入手可能)が挙げられる。コア粒子は、マイカ、TiO、または中空コアまたは中身が詰まったコアを有する針状粒子であってもよい。
アンチモンがドープされた酸化スズフィラーのE.I.DuPontまたはDuPont Chemicalsから市販される例は、ZELEC(登録商標)ECP 1610−S、2610−S、3610−S、1703−S、2703−S、1410−M、3005−XC、3010−XC、1410−T、3410−T、S−X1、針状の中空シェルを含むZELEC(登録商標)ECP粉末、等軸型二酸化チタンコア製品(ZELEC(登録商標)ECP−T)および平板形状のマイカコア製品(ZELEC(登録商標)ECP−M)である。
シリカシェルまたはシリカ系粒子の表面に、アンチモンがドープされた酸化スズの薄層を密に積層することによって、アンチモンがドープされた酸化スズ粒子を調製することができ、このとき、シェルは、コア粒子に堆積したものである。さらに、アンチモンがドープされた酸化スズ粒子は、十分な透明性を与えるのに十分に微細な大きさである。シリカは、中空シェルであってもよく、または、不活性コア表面に積層して中身が詰まった構造を形成してもよい。
存在する場合、フィラーは、例えば、フィラーが含まれる固体成分の合計を基準として、約0.1〜約50重量%、約1〜約60重量%、約1〜約40重量%、約3〜約40重量%、約4〜約30重量%、約10〜約30%、約10〜約25重量%、約5〜約30重量%、約15〜約20重量%、または約5〜約20重量%の量になるように選択することができる。
(任意要素のポリシロキサンポリマー)
開示される中間転写体混合物は、一般的に、ポリシロキサンポリマーを含んでいてもよい。本明細書に開示する中間転写体混合物のために選択されるポリシロキサンポリマーの例としては、既知の適切なポリシロキサン、例えば、BYK Chemicalから、BYK(登録商標)333、330(メトキシプロピルアセテート中、約51重量%)および344(比率80/20のキシレン/イソブタノール中、約52.3重量%)として市販される、ポリエーテルとポリジメチルシロキサンのコポリマー;BYK(登録商標)−SILCLEAN 3710および3720(メトキシプロパノール中、約25重量%);BYK Chemicalから、BYK(登録商標)310(キシレン中、約25重量%)および370(比率75/11/7/7のキシレン/アルキルベンゼン/シクロヘキサノン/モノフェニルグリコール中、約25重量%)として市販される、ポリエステルとポリジメチルシロキサンのコポリマー;BYK Chemicalから、BYK(登録商標)−SILCLEAN 3700(メトキシプロピルアセテート中、約25重量%)として市販される、ポリアクリレートとポリジメチルシロキサンのコポリマー;BYK Chemicalから、BYK(登録商標)375(ジ−プロピレングリコールモノメチルエーテル中、約25重量%)として市販される、ポリエステルポリエーテルとポリジメチルシロキサンのコポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリシロキサンポリマー、またはそのコポリマーが、開示するコーティング組成物およびその中間転写体中に、存在する固体要素または成分の合計重量を基準として、例えば、約0.1〜約10重量%、約0.01〜約1重量%、約0.05〜約1重量%、約0.05〜約0.5重量%、約0.1〜約0.5重量%、約0.2〜約0.5重量%、または約0.1〜約0.3重量%の量になるように含まれていてもよい。
(任意要素の支持基材)
所望な場合、中間転写体中に、例えば、開示するペルフルオロポリエーテルホスフェートを含む混合物層の下に、支持基材が含まれていてもよい。中間転写体に向上した剛性または強度を付与するために、支持基材が含まれてもよい。
開示するペルフルオロポリエーテルホスフェートを含有するコーティング分散物を、種々の適切な支持基材材料に塗布し、二重層中間転写体を作成することができる。例示的な支持基材材料としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、これらの混合物などが挙げられる。
さらに具体的には、中間転写体支持基材の例は、既知の低温で迅速に硬化するポリイミドポリマーを含むポリイミドであり、例えば、VTEC(商標)PI 1388、080−051、851、302、203、201およびPETI−5(すべて、Richard Blaine International,Incorporated、リーディング、PA.から入手可能)、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどである。熱硬化性ポリイミドは、約180℃〜約260℃の温度で短い時間で、例えば、約10〜約120分、または約20〜約60分で硬化させることができ、一般的に、数平均分子量は、約5,000〜約500,000または約10,000〜約100,000であり、重量平均分子量は、約50,000〜約5,000,000、または約100,000〜約1,000,000である。さらに、支持基材の場合、300℃より高い温度で硬化させることが可能な熱硬化性ポリイミド、例えば、PYRE M.L.(登録商標)RC−5019、RC 5057、RC−5069、RC−5097、RC−5053およびRK−692(すべてIndustrial Summit Technology Corporation、パーリン、NJから市販される);RP−46およびRP−50(両方ともUnitech LLC、ハンプトン、VAから市販される);DURIMIDE(登録商標)100(FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.,Inc.、ノースキングストン、RIから市販される);およびKAPTON(登録商標)HN、VNおよびFN(すべてE.I.DuPont、ウィルミントン、DEから市販される)が選択可能である。
本明細書に開示する中間転写体のための支持基材として選択可能なポリアミドイミドの例は、VYLOMAX(登録商標)HR−11NN(N−メチルピロリドン中、15重量%溶液、T=300℃およびM=45,000)、HR−12N2(N−メチルピロリドン/キシレン/メチルエチルケトン=50/35/15中、30重量%溶液、T=255℃およびM=8,000)、HR−13NX(N−メチルピロリドン/キシレン=67/33中、30重量%溶液、T=280℃およびM=10,000)、HR−15ET(エタノール/トルエン=50/50中、25重量%溶液、T=260℃およびM=10,000)、HR−16NN(N−メチルピロリドン中、14重量%溶液、T=320℃およびM=100,000)(すべてToyobo Company of Japanから市販)およびTORLON(登録商標)AI−10(T=272℃)(Solvay Advanced Polymers,LLC、アルファレッタ、GAから市販)である。
本明細書に開示する中間転写体のために選択可能なポリエーテルイミド支持基材の具体例は、ULTEM(登録商標)1000(T=210℃)、1010(T=217℃)、1100(T=217℃)、1285、2100(T=217℃)、2200(T=217℃)、2210(T=217℃)、2212(T=217℃)、2300(T=217℃)、2310(T=217℃)、2312(T=217℃)、2313(T=217℃)、2400(T=217℃)、2410(T=217℃)、3451(T=217℃)、3452(T=217℃)、4000(T=217℃)、4001(T=217℃)、4002(T=217℃)、4211(T=217℃)、8015、9011(T=217℃)、9075および9076であり、すべてSabic Innovative Plasticsから市販される。
(任意要素の剥離層)
所望な場合、任意要素の剥離層が、中間転写体中に、例えば、開示するペルフルオロポリエーテルホスフェート混合物を含有する層の上の層構造で含まれていてもよい。トナーを洗浄し、光伝導体から中間転写体へのさらなる現像画像の転写効率を補助するために、剥離層が含まれていてもよい。
剥離層が選択される場合、剥離層は、任意の望ましく適切な厚みを有していてもよい。例えば、剥離層は、厚みが約1〜約100ミクロン、約10〜約75ミクロン、または約20〜約50ミクロンであってもよい。
任意要素の剥離層は、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフルオロアルコキシポリテトラフルオロエチレン(PFA TEFLON(登録商標))および他のTEFLON(登録商標)に似た材料を含む、TEFLON(登録商標)に似た材料;シリコーン材料、例えば、フルオロシリコーンおよびシリコーンゴム、例えば、Silicone Rubber 552(Sampson Coatings、リッチモンド、Va.から入手可能)、ポリジメチルシロキサン/ジブチルスズジアセテート(100グラムのポリジメチルシロキサンゴムあたり、DBTDAが0.45グラムの混合物、分子量Mは約3,500);およびフルオロエラストマー、例えば、VITON(登録商標)として入手可能なもの、例えば、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのコポリマーおよびターポリマー(VITON(登録商標)A、E、E60C、E45、E430、B910、GH、B50およびGFのような種々の名称で商業的に知られている)を含んでいてもよい。VITON(登録商標)という名称は、E.I.DuPont de Nemours,Inc.の商標である。2つの既知のフルオロエラストマーは、(1)VITON(登録商標)Aとして商業的に知られる、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのコポリマー型;(2)VITON(登録商標)Bとして商業的に知られる、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのターポリマー型;および(3)35モルパーセントのフッ化ビニリデンと、34モルパーセントのヘキサフルオロプロピレンと、29モルパーセントのテトラフルオロエチレンと、2パーセントのキュアサイトモノマーとを含む、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンおよびキュアサイトモノマーのテトラポリマー型、例えば、VITON(登録商標)GFで構成される。キュアサイトモノマーは、DuPont de Nemours,Inc.から入手可能なもの、例えば、4−ブロモペルフルオロブテン−1、1,1−ジヒドロ−4−ブロモペルフルオロブテン−1、3−ブロモペルフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロ−3−ブロモペルフルオロプロペン−1、または任意の他の適切な既知の市販キュアサイトモノマーから選択することができる。
(中間転写体の調製)
開示する中間転写体コーティング分散物は、多くの既知のプロセスによって調製することができる。開示するコーティング組成物を調製するための1方法は、機械的な攪拌を含み、ボールミルによる粉砕を含まず、ペルフルオロポリエーテルホスフェート剥離添加剤/レベリング剤/分散剤を、最初に、ポリアミド酸を乱さずに、カーボンブラックのような導電性要素および溶媒と混合することができる。その後、得られた混合物にポリアミド酸を加えてもよい。
さらに具体的には、開示する中間転写コーティング、例えば、中間転写ベルト(ITB)分散混合物を、以下のスキームにしたがって調製することができ、Solvay Solexisから入手可能な、開示する溶媒(例えばNMP)中に含まれるカーボンブラック、ペルフルオロポリエーテルホスフェートを組み合わせた剥離添加剤/レベリング剤/分散剤の混合物を攪拌し、そのスラリーを作成することができる。その後、作成したスラリーにポリアミド酸を加え、その後、攪拌してもよく、ポリアミド酸/カーボンブラック/ペルフルオロポリエーテル/NMPコーティング分散物を得て、次いで、分散物を濾過してもよい。
Figure 0006312561
次いで、上述のように調製した最終的な中間体転写ベルト(ITB)液体コーティング分散混合物を、ステンレス鋼基材、アルミニウム、ニッケル、銅およびこれらのアロイのような金属基材、およびガラス板にフローコーティングし、その後、例えば、約50℃〜約75℃で約25〜約35分加熱し、その後、約180℃〜約195℃で約25〜約35分加熱し、次いで、約300℃〜約325℃で約50分〜約65分さらに加熱することによって硬化させてもよい。平坦な形状を有し、乾燥させ、室温(約22℃〜約25℃)まで冷却したときに湾曲せず、なんら外部処理の助けを借りることなく、金属基材から簡単に剥離するポリイミド中間転写体膜が得られる。すなわち、得られた中間転写体膜は、例えば、約1〜約15秒、約1〜約10秒、約5〜約15秒、約5〜約10秒、または約1秒以内で、なんら外部処理の助けを借りることなく、金属基材(例えば、ステンレス鋼基材)からすぐに剥離するか、または自己剥離する。さらに、効率的かつ経済的に作られた中間転写体膜は、金属基材から完全に(例えば、約90〜約100%、または約95〜約99%)分離し、剥離材料および別個の剥離層を省くことができる。
自己剥離する開示された中間転写体膜コーティング分散混合物を、中間転写体として選択することができ、または得られた膜を、液体スプレーコーティング、浸漬コーティング、巻き線によるロッドコーティング、流動床コーティング、粉末コーティング、静電噴霧、音波による噴霧、ブレードコーティング、成型、ラミネート加工などによって、本明細書に示す任意要素の支持基材にコーティングすることができる。非導電性または導電性の適切な材料を用い、任意要素の支持基材を種々の形状(例えば、ベルトまたは膜)で作成することができ、中間転写体の厚みは、例えば、約30〜約1,000ミクロン、約100〜約800ミクロン、約150〜約500ミクロン、約100〜約125ミクロン、または約75〜約80ミクロンである。いくつかの実施形態では、硬化させた後の中間転写膜コーティング混合物は、厚みが、例えば、約30〜約400ミクロン、約15〜約150ミクロン、約20〜約100ミクロン、約50〜約200ミクロン、約70〜約150ミクロン、または約25〜約75ミクロンであってもよい。
ポリイミド/ペルフルオロポリエーテルホスフェートを含有するコーティング混合物中に、溶媒が含まれていてもよい。選択される溶媒の例は、例えば、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、塩化メチレンおよびこれらの混合物であり、溶媒は、例えば、コーティング混合物の要素の量を基準として、約70重量%〜約95重量%、または80重量%〜約90重量%の量になるように選択される。
(比較例1)
ポリアミド酸のコーティング分散物が調製され、加熱によって硬化させた後、ポリアミド酸は、以下の式/構造
Figure 0006312561

を有するビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリイミドに変換され、式中、nは約30である。
さらに具体的には、Orion Chemicalsから入手可能なSpecial Carbon Black 4、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(固形分が約18重量%)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸およびレベリング剤NOVEC(商標)FC−4432、3Mから入手可能なフルオロ界面活性剤の混合物を与えることによって、中間転写コーティング分散物を調製し、この混合物を攪拌し、Attritor研磨ミルによって、2ミリメートルのステンレス鋼ショットを用いて18時間ボールミル粉砕した。NMPに分散した、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸/カーボンブラック/レベリング剤のコーティング分散物を得て、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸と、カーボンブラックと、レベリング剤との重量比は、88.8/11/0.2であり、20ミクロンのナイロン布フィルターで分散物を濾過した。
上述のように調製した液体コーティング分散物を、ステンレス鋼基材にフローコーティングし、その後、75℃で30分、190℃で30分、320℃で60分硬化させた。得られたポリイミドを含有する中間転写体(厚みが50ミクロン)は、水に約2ヶ月間浸した後でなければステンレス鋼基材から剥離しなかった。
分散物のカーボンブラックの粒径は、MALVERN HPPS5001動的光散乱装置を用い、約150ナノメートルであると測定され、粒度分布は狭かった。
(比較例2)
ポリアミド酸のコーティング分散物が調製され、加熱によって硬化させた後、ポリアミド酸は、以下の式/構造
Figure 0006312561
のビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリイミドに変換され、式中、nは約30である。
さらに具体的には、Orion Chemicalsから入手可能なSpecial Carbon Black 4、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶媒、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸およびレベリング剤NOVEC(商標)FC−4432、3Mから入手可能なフルオロ界面活性剤の混合物(固形分が約18重量%)を与えることによって、中間転写コーティング分散物を調製し、この混合物を約200rpmの速度で48時間、機械的に攪拌した。NMPに含まれる、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸/カーボンブラック/レベリング剤のコーティング分散物を得て、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸と、カーボンブラックと、レベリング剤との重量比は、88.8/11/0.2であり、分散物は、分散物中に非常に大きな粒径のものが存在するため、20ミクロンのナイロン布フィルターで効果的に濾過することができなかった。
(実施例I)
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸を含むコーティング分散物が調製され、加熱によって硬化させた後、ポリアミド酸は、以下の式/構造
Figure 0006312561
のビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリイミドに変換され、式中、nは約30である。
ミルによる粉砕を用いない場合、以下のスキームにしたがい、中間転写コーティング分散物を調製し、Orion Chemicalsから入手可能なSpecial Carbon Black 4、ペルフルオロポリエーテルホスフェート剥離添加剤/レベリング剤/分散剤FLUOROLINK(登録商標)F10(重量平均分子量が約2,400〜約3,100、Solvay Solexisから入手可能、重量比が100/5)の混合物が溶媒NMP中に含まれていた(固形分約18重量%)。得られた混合物を3時間攪拌し、そのスラリーを作成した。
その後、作成したスラリーに、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸を加え、その後、18時間攪拌し、その後、上の式/構造のビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリイミド/カーボンブラック/ペルフルオロポリエーテルホスフェートホスフェート/NMPコーティング分散物を得て、分散物を20ミクロンナイロン布フィルターで濾過した。ポリイミド/カーボンブラック/ペルフルオロポリエーテルホスフェートの重量比は、88.45/11/0.55であった。
Figure 0006312561
上述のように調製した最終的な液体コーティング分散物を、ステンレス鋼基材にフローコーティングし、その後、75℃で30分、190℃で30分、次いで320℃で60分硬化させた後、室温(約25℃)で乾燥させた。重量比が88.45/11/0.55であり、厚みが50ミクロンであり、平坦な構造を有し、屈曲しない、得られた中間転写体ポリイミド/カーボンブラック/ペルフルオロポリエーテルホスフェートは、ステンレス鋼基材から約5秒間で、なんら外部処理の助けを借りることなく自己剥離した。約1〜約10秒の範囲内で自己剥離を達成することが非常に望ましい。
分散物のカーボンブラック粒径は、MALVERN HPPS5001動的光散乱装置を用い、約100ナノメートルであると測定され、粒度分布は狭かった。
比較例1および実施例Iの上の中間転写体の熱膨張係数(CTE)を、熱機械分析機(TMA)を用いて測定した。カミソリ刃と金属ダイを用いてサンプルを幅4mmの試験片に切断し、次いで、8mmの空間を用いてTMAクランプの間に取り付けた。このサンプルに、あらかじめ0.05Nの力を加えておいた。TMAソフトウエアを用い、CTE値を、−20℃〜50℃のデータを直線フィッティングして得た。
既知のASTM D882−97プロセスにしたがって、ヤング弾性率を測定した。各中間転写体のサンプル(0.5インチ×12インチ)を、市販のInstronTensile Tester測定装置に設置し、次いで、このサンプルを一定の引っ張り速度で破壊するまで伸ばした。この間に、得られた負荷対サンプル伸長度を記録した。記録した曲線結果の初期の直線部分に対する任意の正接を取り、引張応力を対応する歪みで割ることによって、ヤング弾性率の値を計算した。上の負荷を、各試験サンプルの平均断面積で割ることによって、引張応力を計算した。サンプル片が破壊したときの引張応力を破断強さとして記録した。
比較例1および実施例Iの上述のITB部材について、High Resistivity Meter(Mitsubishi Chemical Corp.から入手可能なHiresta−Up MCP−HT450)を用い、表面抵抗を測定した(さまざまな点で4〜6回の測定値を平均、72°F/部屋の湿度65%)。
以下の結果を得た。
Figure 0006312561
主に、開示したペルフルオロポリエーテルホスフェートがカーボンブラックの優れた分散剤であるため、ミルによる粉砕を行うことなく、実施例Iのコーティング分散物を調製した。対照的に、比較例1のコーティング分散物は、複雑でエネルギー集約的なプロセスであるボールミルによる粉砕によって調製した。比較例2では、ボールミルによる粉砕を行わず、PFPEホスフェートが存在せず、有用なコーティング分散物が得られず、混合物の大部分を濾過することができず、フィルター表面に留まっていた。
それに加え、実施例Iの得られた中間転写体は、改良された安定性および機械特性を示し、例えば、比較例1の中間転写体に比べ、約30%高い弾性率、約20%高い破断強さおよび約20%低いCTEを示した。

Claims (17)

  1. ポリイミド、ペルフルオロポリエーテルホスフェート、導電性要素および任意要素のポリシロキサンポリマーからなる混合物の層からなる、ゼログラフィーシステムで現像した画像を転写する中間転写体であって、
    前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートが、固体全体の0.01重量%〜5重量%の量で存在し、
    前記ポリイミドが、以下の式/構造
    Figure 0006312561
    のうち、少なくとも1つによってあらわされ、式中、nは、繰り返しセグメントの数をあらわし、20〜200であり、
    前記導電性要素が、カーボンブラック、金属酸化物およびこれらの混合物からなる群から選択される、
    中間転写体。
  2. 前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートが、固体全体の0.1重量%〜1重量%の量で存在する、請求項1に記載の中間転写体。
  3. 前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートは、以下の式/構造
    Figure 0006312561
    によってあらわされ、式中、p/qの比率は、0.5〜3であり、sは、1または2である、請求項1に記載の中間転写体。
  4. 前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートが、固体全体の0.1重量%〜1重量%の量で存在する、請求項3に記載の中間転写体。
  5. 前記ポリシロキサンポリマーが存在し、前記ポリシロキサンポリマーが、ポリエーテルとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリエステルとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリアクリレートとポリジメチルシロキサンのコポリマー、および、ポリエステルポリエーテルとポリジメチルシロキサンのコポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の中間転写体。
  6. 前記層に接する剥離層を含有し、
    前記剥離層が、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフルオロアルコキシポリテトラフルオロエチレン、フルオロシリコーン、ポリジメチルシロキサン/ジブチルスズジアセテート、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのターポリマー、および、それらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含み、
    前記ポリシロキサンポリマーが、ポリエーテルとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリエステルとポリジメチルシロキサンのコポリマー、ポリアクリレートとポリジメチルシロキサンのコポリマー、または、ポリエステルポリエーテルとポリジメチルシロキサンである、
    請求項5に記載の中間転写体。
  7. ポリイミドポリマーおよびペルフルオロポリエーテルホスフェートは、99.99/0.01〜95/5の重量比で存在し、前記ポリイミドは、以下の式/構造
    Figure 0006312561
    によってあらわされ、式中、nは、20〜200の繰り返しセグメントの数をあらわし、中間転写体は、ヤング率が4,000〜10,000MPaである、請求項1に記載の中間転写体。
  8. ヤング率が4,000〜10,000MPaである、請求項1に記載の中間転写体。
  9. 前記導電性要素がカーボンブラックであり、前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートが前記カーボンブラックのための分散剤として機能する、請求項1に記載の中間転写体。
  10. 前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートが、ポリペルフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルポリ(エチレングリコール)ホスフェート、ペルフルオロポリエーテル酸ホスフェート、又は、ペルフルオロポリエーテルポリ(エチレングリコール)ホスフェートである、請求項1に記載の中間転写体。
  11. 前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートは、以下の式/構造
    Figure 0006312561
    のうち、少なくとも1つによってあらわされるものからなる群から選択される、請求項1に記載の中間転写体。
  12. 前記中間転写体が、堆積された金属基材から自己剥離し、前記自己剥離が1〜10秒間で達成される、請求項1に記載の中間転写体。
  13. 前記ポリイミド/前記導電性要素/前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートの重量比率が、50/49.99/0.01〜94.9/5/0.1である、請求項1に記載の中間転写体。
  14. 前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートが、内部剥離添加剤、レベリング剤および分散剤として同時に機能する、請求項1に記載の中間転写体。
  15. ポリイミド、カーボンブラック、および、ペルフルオロポリエーテルホスフェートの混合物からなる単一層の膜を含む、中間転写体であって、
    前記ポリイミドが、以下の式/構造
    前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートは、以下の式/構造
    Figure 0006312561
    によってあらわされ、式中、p/qの比率は、0.5〜であり、sは、1または2であり、
    前記ポリイミドが、以下の式/構造
    Figure 0006312561
    のうち、少なくとも1つによってあらわされ、式中、nは、繰り返しセグメントの数をあらわし、20〜200である、中間転写体。
  16. pが6〜12であり、qが3〜11である、請求項15に記載の中間転写体。
  17. 支持基材と、その上にある、ポリイミド、カーボンブラックおよびペルフルオロポリエーテルホスフェートからなる層とを含む、中間転写体であって、
    前記ペルフルオロポリエーテルホスフェートは、以下の式/構造
    Figure 0006312561
    のうち、少なくとも1つによってあらわされるものからなる群から選択され、前記ポリイミドのための内部剥離添加剤およびレベリング剤として機能し、且つ、前記カーボンブラックのための分散剤として機能し、
    前記中間転写体は、場合により、ヤング率が7,500〜8,000MPaである、中間転写体。
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