JP6312540B2 - 複合断熱材及びそれを備えた保温タンク並びに複合断熱材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、真空断熱材と発泡断熱材とを一体成形した複合断熱材及びそれを備えた保温タンク並びに複合断熱材の製造方法に関する。
真空断熱材は、従来からのグラスウール断熱材などと比べて、熱伝導率を大幅に小さくできるため、省エネルギー意識の向上とともに断熱材として広く使われるようになってきた。しかし、真空断熱材は形状的な自由度が制限されることから、真空断熱材と発泡系断熱材とを組み合わせて形状的な自由度を高めた複合断熱材に関する技術が知られている。
例えば、特許文献1(段落[0014]〜[0017]、図3)に記載された自動販売機の仕切板は、2枚の板部及び周壁部を有する枠体と、一方の板部に密着し他方の板部から離れた状態で枠体の内部空間に収容された真空断熱体と、枠体の内部空間に充填された発泡ポリウレタンと、を備えている。
また、特許文献2(段落[0012]〜[0023]、図1〜図3)に記載された複合断熱材は、表面にホットメルト系接着剤を塗布した真空断熱材を配置した金型内で発泡性ポリスチレン粒子を少なくとも片面に発泡成形して得られるものであり、真空断熱材と発泡ポリスチレンとがホットメルト系接着剤によって接着されたものである。
特開平11−167670号公報 特開2008−8431号公報
しかしながら、取扱いが容易でかつ低コストで製造可能なビーズ法発泡断熱材は、真空断熱材の表面層との密着性が悪い。このため、複合断熱材における真空断熱材とビーズ法発泡断熱材とは、互いの境界面で簡単に剥離してしまうという問題点があった。また、真空断熱材と発泡ポリスチレンとを接着剤を用いて一体化させる手法では、製造工程及び材料が余分に必要になることから、コストが上昇してしまうという問題点があった。また、複合断熱材の厚み方向においてビーズ法発泡断熱材のみが存在する部分が真空断熱材の周囲に多く設けられると、複合断熱材の断熱性能が悪化してしまうという問題点があった。
本発明は、上述のような問題点の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、真空断熱材とビーズ法発泡断熱材とを低コストで一体成形でき、互いに剥離してしまうのを防止でき、かつ断熱性能を向上できる複合断熱材及びそれを備えた保温タンク並びに複合断熱材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る複合断熱材は、繊維が積層された積層体構造を有する芯材、及び前記芯材を覆って真空密閉された外被材を有する真空断熱材と、前記真空断熱材と一体成形されたビーズ法発泡断熱材と、を備え、前記真空断熱材は、前記外被材の外周端と前記芯材の外周端との間に形成された耳部を備え、前記耳部のうち少なくとも一部は、前記芯材の積層方向と同じ向きになるように折り曲げられており、折り曲げられた前記耳部の端部は、前記外被材の前記芯材を覆う部分の表面よりもさらに前記芯材の積層方向に延伸しており、延伸した前記耳部は、前記ビーズ法発泡断熱材で両面から挟持され、前記真空断熱材は、折り曲げられた前記耳部の折曲げ方向側の表面および前記表面とは反対側の他面のうちの一方が前記ビーズ法発泡断熱材に覆われ、前記表面および前記他面のうちの他方が露出していることを特徴とするものである。
また、本発明に係る保温タンクは、タンク本体と、前記タンク本体の外周面の少なくとも一部を覆う本発明に係る複合断熱材と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る複合断熱材の製造方法は、繊維が積層された積層体構造を有する芯材、及び前記芯材を覆って真空密閉された外被材を有し、前記外被材の外周端と前記芯材の外周端との間に耳部が形成された真空断熱材を準備し、準備した前記真空断熱材が有する前記耳部のうち少なくとも一部を前記芯材の積層方向と同じ向きになるように折り曲げ、前記真空断熱材を金型内に設置し、前記耳部が折り曲げられ前記真空断熱材が設置された前記金型内に発泡粒子を充填して前記金型を密閉し、密閉した前記金型内で前記発泡粒子を発泡させてビーズ法発泡断熱材を形成し、形成した前記ビーズ法発泡断熱材で前記耳部を両面から挟持して複合断熱材を製造することを特徴とするものである。
本発明によれば、真空断熱材の耳部がビーズ法発泡断熱材により両面から挟持されるため、接着剤を用いずに、又は接着剤の使用量を少なくしても、真空断熱材とビーズ法発泡断熱材とを一体成形することができる。このため、真空断熱材とビーズ法発泡断熱材とを低コストで一体成形できるとともに、真空断熱材とビーズ法発泡断熱材とが互いに剥離してしまうのを防止できる。また、真空断熱材の耳部は芯材の積層方向と同じ向きになるように折り曲げられ、当該積層方向に延伸しているため、複合断熱材の厚み方向において真空断熱材が存在せずビーズ法発泡断熱材のみが存在する部分を少なくすることができる。このため、複合断熱材の断熱性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る複合断熱材に適用される真空断熱材の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態1に係る複合断熱材の構成を示す斜視図である。 図2のIII−III断面を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態2に係る複合断熱材の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る複合断熱材の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態4に係る複合断熱材の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態4に係る複合断熱材を備えた保温タンクの構成の例を示す模式的な横断面図である。 本発明の実施の形態4の変形例に係る複合断熱材の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態5に係る複合断熱材の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態6に係る複合断熱材の構成を示す模式的な断面図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る複合断熱材及びそれを備えた保温タンクを図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る複合断熱材について説明する。図1は、本実施の形態に係る複合断熱材に適用される真空断熱材の構成を示す模式的な断面図である。本実施の形態では、長方形平板形状の真空断熱材1を例示している。図1に示すように、真空断熱材1は、芯材3と、芯材3を覆って真空密閉された外被材4と、を有している。
芯材3は、複数の繊維シート2が積層された積層体構造を有している。体積比で繊維シート2の約90%は空間であり、残りはガラス繊維で構成されている。繊維シート2の厚み方向における断熱性能を向上させるため、ガラス繊維自体は極力、繊維シート2のシート面(厚み方向と垂直な面)と平行になるように配置されている。すなわち、繊維シート2のそれぞれは、シート面と平行に配向した繊維(本例では、ガラス繊維)が厚み方向に積層された積層体構造を有している。したがって、繊維シート2が積層された芯材3も、繊維が厚み方向に積層された積層体構造を有している。以下、芯材3における繊維の積層方向を「芯材3の積層方向」という場合がある。
外被材4は、芯材3を積層方向の両側から挟み込んだ2枚の外被材シート4a、4bで構成されている。外被材シート4a、4bのそれぞれは、多層構造をなすラミネートフィルムである。外被材シート4a、4bは、それぞれ最内層にシール層4a1、4b1を有している。シール層4a1、4b1は、外被材シート4a、4b同士の接合部となる。なお、以下の説明では、便宜上、複合断熱材から露出する外被材シートを外被材シート4bとし、ビーズ法発泡断熱材6で覆われる外被材シートを外被材シート4aとしている。
真空断熱材1の外周部であって外被材4の外周端と芯材3の外周端の間には、外被材シート4a、4b同士(シール層4a1、4b1同士)が密着した耳部5が形成されている。耳部5では、当該真空断熱材1の厚み方向(芯材3の積層方向)において芯材3が存在していない。本例の真空断熱材1は長方形平板形状であるため、耳部5は真空断熱材1の外周の4辺に形成されている。
図2は、本実施の形態に係る複合断熱材9aの構成を示す斜視図である。図3は、図2のIII−III断面を示す模式的な断面図である。図2及び図3に示すように、複合断熱材9aは、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とが一体化した構成を有している。複合断熱材9aの一方の表面(図2では手前側の表面。図3では下側の表面)は、少なくとも一部で真空断熱材1(外被材シート4b側の面8)が露出するように構成されている。複合断熱材9aの他方の表面(図2では奥側の表面。図3では上側の表面)は、全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6のみで構成されている。言い換えれば、真空断熱材1の一方の面8は外部に露出しており、真空断熱材1の他方の面7は全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6により覆われている。また、例えば真空断熱材1の外周の4辺に形成された端面も、全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6により覆われている。
真空断熱材1の外周に形成された耳部5のうち、互いに対向する2辺に形成された耳部5(図2中の左側及び右側の耳部5)は、芯材3の外周に沿って芯材3の積層方向(複合断熱材9aの他方の表面側、すなわちビーズ法発泡断熱材6側)に折り曲げられている。折り曲げられた耳部5は、芯材3を覆う外被材シート4a(面7)よりもさらに芯材3の積層方向に延伸している。延伸した耳部5の端部は、ビーズ法発泡断熱材6によって両面から挟持されている。
ビーズ法発泡断熱材6としては、ビーズ法発泡ポリスチレンやビーズ法発泡ポリプロピレンなどが用いられる。
次に、本実施の形態における真空断熱材1の製造方法について説明する。
まず、抄紙法を用いた繊維シート2の形成方法について説明する。始めに、連続フィラメント製法で製造された直径4〜13μmのガラス繊維を長さ2〜15mmに切断したチョップド繊維と、火炎法で製造された直径1μm程度の細径繊維と、を液体中に分散させる。次に、その液体を用いて自動送り式抄紙機などで抄紙した後に乾燥させ、厚さ0.5mm程度の繊維シート原反を作製する。続いて、この繊維シート原反を、必要とする真空断熱材1の面積程度のサイズに裁断し、複数の繊維シート2を形成する。抄紙法を用いて形成された繊維シート2の繊維は、その多くが繊維シート2の厚み方向と概ね垂直な方向(シート面と平行な方向)に配向している。
次に、芯材3を形成する方法について説明する。所定のサイズに裁断された複数の繊維シート2を、大気圧と真空との圧力差による圧力歪を想定して所望の厚さとなるように積層し、芯材3を形成する。形成された芯材3は、繊維が厚み方向に積層された積層体構造を有する。
なお、繊維シート原反を切断せずにとぐろ状に巻き込んで積層体にしてもよい。また、繊維シート原反の作製に抄紙法を用いる場合を例に挙げたが、これに限定されることはない。例えば、遠心法を用いた乾式製造方法であってもよい。この場合、積層体構造を有する芯材3は、グラスウールを作製する過程でガラス繊維を積層することによって作製される。乾式製造方法で作製された繊維シートは、そもそも繊維の積層体になっており、必要な厚みに対して1枚又は数枚で構成される。このため、芯材3は、図1又は図3で示したような複数の繊維シート2の積層体構造にはならない場合がある。
次に、芯材3を外被材4に挿入して真空断熱材1を製造する方法について説明する。まず、2枚の外被材シートの3辺を接合して製袋した外被材4を予め作製しておき、前述の方法などにより形成した芯材3を乾燥させてから外被材4に挿入し、真空チャンバ内に配置する。次に、真空チャンバ内を減圧して、所定の圧力、例えば0.1〜3Pa程度の真空圧にする。この状態で、外被材4の残り1辺に形成された開口部をヒートシールにより密閉する。真空チャンバ内を大気圧に戻し、真空チャンバ内から取り出すことで、真空断熱材1が得られる。芯材3の厚みは真空封止したときに減少するため、芯材3の周囲部には耳部5が形成される。
なお、2枚の外被材シート4a、4bによって芯材3を挟み込むようにして真空チャンバ内に配置し、真空チャンバ内を減圧した後に、2枚の外被材シート4a、4bの周囲をヒートシールにより密閉するようにしてもよい。また、必要に応じて、外被材4で覆われた空間にガス吸着剤を挿入してもよい。
上記のようにして製造された真空断熱材1の内部空間は、真空に保持されている。
その後、製造された真空断熱材1の少なくとも一部の耳部5は、芯材3の積層方向と概ね同じ向きになるように折り曲げられる(詳細は後述)。
続いて、複合断熱材9aを作製する方法について説明する。ここでは、ビーズ法発泡断熱材6として、ビーズ法発泡ポリスチレンを用いた場合を例に挙げる。まず、原料粒子(発泡剤が含有されたポリスチレン粒子)を加熱して予備発泡させ、発泡ポリスチレン粒子を作製する。次に、真空断熱材1を金型内に設置し、さらに発泡ポリスチレン粒子を金型内に充填した上で、密閉する。そして、密閉した金型を蒸気加熱することによって、発泡ポリスチレン粒子を発泡させて発泡スチロール(発泡ポリスチレン)とし、ビーズ法発泡断熱材6を形成する。最後に、冷却した後、一体化した真空断熱材1及びビーズ法発泡断熱材6を金型から脱型することで、複合断熱材9aが作製される。一般的に、量産品では、金型は水平方向に移動する構造にすると、離型させ易い。
従来の複合断熱材として、例えば特許文献2には、真空断熱材の耳部を芯材部に沿うように折り曲げて真空断熱材表面と密着させた上で、真空断熱材の一方の面を発泡断熱材に埋め込み、他方の面を露出させた構造が記載されている。実際に、一方の面を厚み10mmの真空断熱材とし、他方の面をビーズ法発泡ポリスチレンとした複合断熱材を作製したところ、成形後に真空断熱材とビーズ法発泡ポリスチレンとの境界面で剥離が起こり、うまく一体成形ができなかった。解体してみたところ、真空断熱材と接した発泡粒子がほとんど発泡しておらず、真空断熱材とビーズ法発泡ポリスチレンとの間の接合作用がほとんどないことが分かった。
また、例えば特許文献1には、真空断熱材の耳部をそのままの形状として発泡断熱材に埋め込む構造が記載されている。一般的な真空断熱材の厚みは8〜18mm程度であるので、耳部と真空断熱材の表面が露出している平面との距離は、4〜9mm程度となる。厚み15mmの真空断熱材を作製し、特許文献1に記載されたような複合断熱材を試作してみたところ、真空断熱材の耳部と発泡断熱材とが密着せず、離型時に分離してしまった。その要因を詳細に検討したところ、耳部と真空断熱材の露出面との平均距離は7mm程度であったが、実際には2mm〜12mm程度の範囲でばらついていた。これにより、発泡粒子が十分に入り込まないこと、さらに入り込んだ発泡粒子が発泡しきれていないことが分かった。
以上のように、真空断熱材とビーズ法発泡断熱材との一体成形を試みた上記の2例とも、真空断熱材とビーズ法発泡断熱材とが剥離してしまい、うまく複合化することができなかった。
次に、本実施の形態に係る複合断熱材9aの試作結果について説明する。真空断熱材1の芯材3としては、平均繊維直径が6μmで長さが約12mmのチョップドガラス繊維と、火炎法で製造された約0.8μmのマイクロガラスファイバ繊維と、を抄紙して作製した厚さ約0.5mmの繊維シート2を30枚積層したものを用いた。芯材3の平面的な寸法は300mm×300mmとした。また、外被材シート4a、4bとしては、アルミラミネートシート[25μm−ONy(延伸ナイロン)/12μm−AL蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)/7μm−AL箔/30μm−EVOH(無延伸エチレンビニルアルコール共重合体)]を用いた。ここで、EVOHフィルムは、最内層のシール層4a1、4b1に該当する。外被材シート4a、4bの平面的な寸法は、350mm×450mmとした。
外被材シート4a、4bの3辺を予め密着させて製袋化した外被材4に、芯材3を挿入して真空密閉した。真空密閉した後の真空断熱材1の厚みは、約10mmとなった。耳部5の幅(芯材3の外周端と外被材4の外周端との距離)は、予め密着させた3辺ではそれぞれ約20mmであり、最後に真空密閉した1辺では約120mmであった。
次に、予め密着させた3辺のうち互いに平行な2辺の耳部5、つまり、いずれも幅20mmの2つの耳部5を、芯材3の積層方向と概ね同じ向きになるように同方向に折り曲げた。このとき、折り曲げた2つの耳部5の端部は、芯材3を覆う部分の外被材4の表面よりもさらに芯材3の積層方向に延伸するようにした。また、本例の外被材4(外被材シート4a、4b)は、アルミニウム(AL)箔を有していることから比較的硬い。このため、折曲げ時には圧力を加えて変形させることにより外被材4を容易に塑性変形させることができ、折り曲げた耳部5の形状を維持させることができた。仮に、外被材4が比較的柔軟な場合には、局部的にテープで留めたり、又は、後に形成するビーズ法発泡断熱材と同一材料からなる治具などで部分的に固定したりすることによって、耳部5の形状を維持するようにしてもよい。
次に、2つの耳部5を折り曲げた真空断熱材1を金型内に設置し、さらに、予備発泡させた発泡粒子を金型内に充填し、発泡粒子を発泡させた。折り曲げた2つの耳部5の端部は、金型内に形成されたビーズ法発泡断熱材6により囲繞され、両面から挟持されるようになった。これにより、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とが互いに剥離することなく一体的に成形された複合断熱材9aを作製できた。
なお、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6との境界面における密着性をより高めるために、真空断熱材1の表面には少量の接着剤を塗布しておいてもよい。
ここで、耳部5(少なくとも、折り曲げられた耳部5)の幅は、20mm程度以上、つまり真空断熱材1の厚みの約2倍以上にすることが望ましい。しかしながら、折り曲げられた耳部5の幅が広くなると、外被材4の表面からの熱移動を複合断熱材9aの厚み方向で促進することになってしまうため、複合断熱材9aの断熱性能が低下する場合がある。したがって、耳部5の幅は、真空断熱材1の厚みの2倍〜4倍程度が好ましい。
本例では、折り曲げられた耳部5のうち、少なくとも外被材シート4a、4b同士の接合部となるシール層4a1、4b1の端部は、ビーズ法発泡断熱材6で囲繞されている。このため、外被材4を移動する熱をビーズ法発泡断熱材6で閉じ込めることができるため、折り曲げられた耳部5からの放熱を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、一方の面から真空断熱材1を露出させ、他方の面の全面をビーズ法発泡断熱材6とした複合断熱材9aを、接着剤を用いずに、又は接着剤の使用量を少なくしても、一体成形することができる。したがって、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とを低コストで一体成形できるとともに、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とが互いに剥離してしまうのを防止できる。
また、本実施の形態によれば、一方の面からのみ真空断熱材1を露出させた複合断熱材9aを作製することができるため、他方の面(ビーズ法発泡断熱材6側の面)が高温側となるように複合断熱材9aを設置することによって、真空断熱材1では耐熱温度が厳しい高温部位にも、断熱性能の高い複合断熱材9aを用いることができる。
さらに、本実施の形態では、少なくとも一部の耳部5が芯材3の積層方向と同じ向きに折り曲げられているため、複合断熱材9aの厚み方向において真空断熱材1が存在せずビーズ法発泡断熱材6のみが存在する部分A1、A2(図3参照)を小さくすることができる。したがって、真空断熱材1の被覆率を高めることができるため、複合断熱材9aの断熱性能を向上でき、複合断熱材9aの保温対象となる機器の熱効率を向上できる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る複合断熱材について説明する。図4は、本実施の形態に係る複合断熱材9bの構成を示す斜視図である。図4に示すように、真空断熱材1の耳部5のうち互いに平行な2辺の耳部5(図4中の左側及び右側の耳部5)は、実施の形態1と同様に、芯材3の積層方向と同じ向きに折り曲げられている。
一方、他の2辺の耳部5(図4中の上端及び下端の耳部5)は、上記の耳部5の折曲げ方向とは反対の方向に芯材3に沿って折り返されており、外被材4のうち芯材3を覆う部分の表面に密着している。折り返された2辺の耳部5は、外被材4の芯材3を覆う部分の表面に、テープ又は接着剤によって固定されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、本実施の形態に係る複合断熱材9bの試作結果について説明する。実施の形態1と同様の真空断熱材1を作製し、互いに平行で一方が幅約20mmで他方が幅120mmとなっている2辺の耳部5(図4中の上側及び下側の耳部5)を、芯材3に沿って折り返して密着させた。次に、残りの2辺の耳部5(図4中の左側及び右側の耳部5)を上記の耳部5の折り返し方向とは反対方向となる芯材3の積層方向に折り曲げた。このとき、折り曲げた2つの耳部5の端部は、外被材4の芯材3を覆う部分の表面よりもさらに芯材3の積層方向に延伸するようにした。
次に、この真空断熱材1を金型内に設置し、さらに、予備発泡させた発泡粒子を金型内に充填し、発泡粒子を発泡させた。折り曲げた2つの耳部5の端部は、金型内で発泡成形されたビーズ法発泡断熱材6により囲繞され、両面から挟持されるようになった。これにより、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とが互いに剥離することなく一体的に成形された複合断熱材9bを作製できた。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とを容易かつ低コストで一体成形できる複合断熱材9bを実現することができる。また、本実施の形態では、真空断熱材1の2辺の耳部5の折返し方向と、残りの2辺の耳部5の折曲げ方向とが反対方向であるため、折り返した耳部5は、外被材4の芯材3を覆う部分の表面に対して構造的に密着し易くなる。このため、2辺の耳部5の折返し方向と残りの2辺の折曲げ方向とを同方向にした構成と比較すると、折り返した耳部5を固定するためのテープ又は接着剤の量を削減することができ、場合によってはテープや接着剤が不要になる。また、構造上、折り曲げる耳部5も成形し易くなる。さらに、金型内で発泡粒子を充填するときに障害となるものが少なくなるため、発泡粒子の充填が容易になり、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とをより短時間で一体成形できる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る複合断熱材について説明する。図5は、本実施の形態に係る複合断熱材9bの構成を示す模式的な断面図である。図5に示すように、本実施の形態では、芯材3の積層方向と同じ向きに折り曲げられた耳部5において、2枚の外被材シート4a、4bを熱融着させた部分の少なくとも一部(例えば、折り曲げられたときに、外被材4の芯材3を覆う部分の表面よりもさらに芯材3の積層方向に延伸する部分)の表面には、当該耳部5の幅方向(すなわち、複合断熱材9bの厚み方向)に沿って波形状に成形された波形部5aが形成されている。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
次に、本実施の形態に係る複合断熱材9bの試作結果について説明する。実施の形態2と同様の真空断熱材1を作製する際に、2枚の外被材シート4a、4bを製袋化する段階で、予め密着させる3辺のうち互いに平行な2辺の耳部5における熱融着部分に波形部5aを形成した。この波形部5aは、ヒートシール直後の冷却工程で使用する冷却板として、振幅が約0.5mmの波形状の冷却板を用いることにより形成した。その後、実施の形態2と同様の手順で複合断熱材9bを作製した。その結果、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とを、互いに剥離することなく一体的に成形できた。
本実施の形態では、外被材4を作製するときの治具を変更するだけで済むので、実施の形態2と同等の低コストで複合断熱材9bを作製することができる。また、波形部5aが形成されていることにより、真空断熱材1にビーズ法発泡断熱材6から離れる方向(すなわち、芯材3の積層方向)の力が加えられた場合にも、波形部5aの凹凸形状がビーズ法発泡断熱材6に引っ掛かり、滑り抵抗が大きくなるため、耳部5がビーズ法発泡断熱材6から脱離しにくくなる。このため、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6との間に隙間が生じたり、互いに分離したりすることを抑制できる。したがって、本実施の形態によれば、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6との密着性をより向上させた複合断熱材9bを実現できる。また、本実施の形態の複合断熱材9bは、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6との密着性に優れることから、振動が生じる冷熱機器等に適用することも可能となる。
なお、本実施の形態では、耳部5の表面が波形状に成形された波形部5aについて説明したが、耳部5の表面形状は、ビーズ法発泡断熱材6に対する滑り抵抗が平滑な平面よりも大きくなる曲面形状であれば波形状に限られない。例えば、エンボス成形によって凹凸形状とした構造であってもよい。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る複合断熱材及びそれを備えた保温タンクについて説明する。図6は、本実施の形態に係る複合断熱材9cの構成を示す模式的な断面図である。図6に示すように、複合断熱材9cは、部分円筒状(例えば、半円筒状)の形状を有している。また、真空断熱材1は、複合断熱材9cと概ね同心の部分円筒状の形状を有している。複合断熱材9cの外周面は、少なくとも一部で真空断熱材1の外周面が露出するように構成されている。複合断熱材9cの内周面は、全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6のみで構成されている。言い換えれば、真空断熱材1の外周面(外被材シート4b側の表面)は外部に露出しており、真空断熱材1の内周面(外被材シート4a側の表面)は全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6により覆われている。また、例えば真空断熱材1の周囲の端面(軸方向の端面及び周方向の端面)も、全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6により覆われている。
真空断熱材1の周囲に形成された耳部5のうち、周方向の端面に形成された耳部5(図6中の左下部及び右下部の耳部5)は、芯材3の外周に沿って芯材3の積層方向(複合断熱材9aの厚み方向)の内周側に折り曲げられている。折り曲げられた耳部5は、芯材3を覆う外被材シート4aよりもさらに芯材3の積層方向(内周側)に延伸している。延伸した耳部5の端部は、ビーズ法発泡断熱材6によって両面から挟持されている。
次に、本実施の形態に係る複合断熱材9cの試作結果について説明する。まず、実施の形態1と同様の手順で平板状の真空断熱材1を作製した。真空断熱材1の芯材3の寸法は900mm×700mm×10mmとし、外被材4の寸法は960mm×860mmとした。このとき、耳部5の幅は、予め密着させた3辺ではそれぞれ25mmとなり、最後に真空密閉した1辺では125mmとなった。
次に、作製した真空断熱材1を、曲率半径(R)が約220mmとなる部分円筒形状に成形した。この成形には、例えば、3軸ロールベンダを用いることができる。この成形の際には、幅の大きい耳部5(本例では、幅125mmの耳部5)が部分円筒状の真空断熱材1の軸方向端面に配置されるようにした。
次に、真空断熱材1の軸方向端面に形成されて円弧状となった2つの耳部5(幅25mm及び125mm)を、芯材3に沿って外周面側に折り返し、芯材3を覆う部分の外被材4(外被材シート4b)の表面に密着させた。ここで、真空断熱材1の芯材3は部分円筒状に成形されているため、内外周差によって外周側の外被材4が引っ張られる。これにより、接着剤やテープ等を特に用いなくても、外周面側に折り返した耳部5を外被材4の表面に密着させることが可能である。
次に、真空断熱材1の周方向端面に形成されている2つの耳部5(いずれも幅25mm)を、芯材3の積層方向(径方向内周側)に折り曲げた。このとき、折り曲げた2つの耳部5の端部は、芯材3を覆う部分の外被材4(外被材シート4a)の表面よりもさらに芯材3の積層方向(内周側)に延伸するようにした。
次に、この真空断熱材1を金型内に設置し、実施の形態2と同じ手順で複合断熱材9cを作製した。折り曲げた2つの耳部5の端部は、金型内に形成されたビーズ法発泡断熱材6により囲繞され、両面から挟持されるようになった。これにより、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とが互いに剥離することなく一体的に成形された複合断熱材9cを作製できた。
この結果、円筒形状の保温タンク等の断熱材として適用可能な複合断熱材9cを低コストで実現できる。図7は、本実施の形態に係る複合断熱材9cを備えた保温タンク20の構成の例を示す模式的な横断面図である。図7に示すように、保温タンク20は、円筒形状のタンク本体21と、タンク本体21の外周面の少なくとも一部(本例では全部)を覆うように取り付けられた複数の複合断熱材9cと、を備えている。図6に示したように、複合断熱材9cの内周部はビーズ法発泡断熱材6により構成されており、複合断熱材9cの外周部は主に真空断熱材1により構成されている。
ここで、CO冷媒を用いたヒートポンプ式給湯システムの貯湯タンクの場合、タンク内の温水の最高温度は90℃程度となる。一方、複合断熱材9cのビーズ法発泡断熱材6として例えばポリプロピレンを用いることにより、複合断熱材9cの耐熱温度は100℃以上となる。したがって、本実施の形態の複合断熱材9cは、ヒートポンプ式給湯システムの貯湯タンクに適用することができる。これにより、貯湯タンクからの放熱量を低減できるため、ヒートポンプ式給湯システムの高性能化及び省エネルギー化を実現できる。また、外被材4のシール層4a1、4b1として用いられるEVOHは、高い耐熱特性を示すことから、耐熱性の必要な貯湯タンクに有効である。
図8は、本実施の形態の変形例に係る複合断熱材9dの構成を示す模式的な断面図である。図8に示すように、本変形例では、真空断熱材1の耳部5が、芯材3の積層方向の外周側、つまり図6に示した構成とは逆方向に折り曲げられている。ビーズ法発泡断熱材6には、折り曲げられた耳部5を囲繞するように、複合断熱材9dの周方向の両端部近傍で真空断熱材1の外周側に突出した突出部6aが設けられている。すなわち、本変形例では、ビーズ法発泡断熱材6の一部が真空断熱材1より外周側にも設けられている。その他の構成は、図6に示した構成と同様である。
本変形例によれば、図6に示した構成と同様の効果が得られることに加えて、複合断熱材9dの厚み方向(径方向)において真空断熱材1が存在しない部分A1、A2のビーズ法発泡断熱材6の厚みを厚くできる。これにより、例えば複数の複合断熱材9dを円筒状のタンク本体21の外周面を覆うように取り付ける場合、複合断熱材9dの厚み方向において真空断熱材1が存在しない部分A1、A2での断熱性能を高めることができる。したがって、本変形例によれば、より断熱性能の高い複合断熱材9dを実現できる。また、本変形例の複合断熱材9dを用いることにより、より保温性能の高い保温タンクを実現することができる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る複合断熱材について説明する。図9は、本実施の形態に係る複合断熱材9eの構成を示す模式的な断面図である。図9に示すように、複合断熱材9eの内周面は、少なくとも一部で真空断熱材1の内周面が露出するように構成されている。複合断熱材9eの外周面は、全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6のみで構成されている。言い換えれば、真空断熱材1の内周面(外被材シート4b側の表面)は外部に露出しており、真空断熱材1の外周面(外被材シート4a側の表面)は全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6により覆われている。また、例えば真空断熱材1の周囲の端面(軸方向の端面及び周方向の端面)も、全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6により覆われている。
真空断熱材1の周方向の端面に形成された耳部5は、芯材3の積層方向の外周側、つまり図8に示した構成と同じ方向に折り曲げられている。折り曲げられた耳部5は、芯材3を覆う外被材シート4aよりもさらに芯材3の積層方向(外周側)に延伸している。延伸した耳部5の端部は、ビーズ法発泡断熱材6によって両面から挟持されている。その他の構成は、図8に示した構成と同様である。
本実施の形態では、真空断熱材1の外周面が全面に亘ってビーズ法発泡断熱材6により覆われているため、突き刺しや引っ掻きに弱い真空断熱材1の外被材4を保護することができる。したがって、複合断熱材9eを機器に設置する際及び設置した後において、当該機器の周囲での作業などによる真空断熱材1の破損を防止することができる。ただし、保温対象側となる複合断熱材9eの内周面側に真空断熱材1が露出する構成であるため、原則として、保温対象の温度が真空断熱材1の耐熱温度以下である必要がある。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係る複合断熱材について説明する。図10は、本実施の形態に係る複合断熱材9fの構成を示す模式的な断面図である。図10に示すように、複合断熱材9f(ビーズ法発泡断熱材6)の周方向端面には、嵌合段差12が形成されている。例えば、円筒状のタンク本体21の外周面を覆うように2つの複合断熱材9fを組み合わせる際には、嵌合段差12同士が嵌まり合うようになっている。その他の構成は、図6に示した構成と同様である。
本実施の形態によれば、複数の複合断熱材9fを組み合わせて保温対象の機器に設置したときに、複合断熱材9f同士の接合部分に隙間ができることを防止できるため、より断熱性能の高い複合断熱材9fを実現できる。また、複合断熱材9fの周方向端面に嵌合段差12が設けられていることによって、仮に複合断熱材9f同士の接合部分に隙間ができたとしても、この隙間は、複合断熱材9fの厚み方向において入り組んだ形状となる。これにより、ラビリンス効果によって隙間内での気体の動きが妨げられるため、断熱性能の低下を抑えることができる。したがって、大量生産によって複合断熱材9fの周方向寸法(あるいは、保温対象機器の周方向寸法)に製品毎のばらつきが生じ、複数の複合断熱材9f間の隙間が広くなったとしても、断熱性能の低下を抑えることができる。
以上説明したように、上記実施の形態に係る複合断熱材は、繊維が積層された積層体構造を有する芯材3、及び芯材3を覆って真空密閉された外被材4を有する真空断熱材1と、真空断熱材1と一体成形されたビーズ法発泡断熱材6と、を備え、一方の表面の少なくとも一部に真空断熱材1が配置され、他方の表面にビーズ法発泡断熱材6が配置されており、外被材4の外周端と芯材3の外周端との間に形成された耳部5のうち少なくとも一部は、芯材3の積層方向と同じ向きになるように折り曲げられており、折り曲げられた耳部5の端部は、外被材4の芯材3を覆う部分の表面よりもさらに芯材3の積層方向に延伸しており、延伸した耳部5は、ビーズ法発泡断熱材6で両面から挟持されているものである。
この構成によれば、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とを保温対象の形状に合わせた形状に容易かつ低コストで一体成形できるとともに、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とが互いに剥離してしまうのを防止できる。また、少なくとも一部の耳部5が芯材3の積層方向と同じ向きに折り曲げられているため、複合断熱材9aの厚み方向において真空断熱材1が存在せずビーズ法発泡断熱材6のみが存在する部分A1、A2を小さくすることができる。したがって、真空断熱材1の被覆率を高めることができるため、複合断熱材の断熱性能を向上できる。
また、上記実施の形態に係る複合断熱材は、折り曲げられなかった耳部5は、折り曲げられた耳部5の折曲げ方向とは反対方向に折り返され、外被材4の芯材3を覆う部分の表面に密着しているものである。
この構成によれば、接着剤やテープ等を用いずに、又は接着剤やテープ等の使用量を少なくしても、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6とをより安定して一体成形することができる。また、耳部5の折曲げ成形が容易になるとともに、発泡粒子の充填が容易になる。
また、上記実施の形態に係る複合断熱材は、折り曲げられた耳部5の少なくとも一部は、ビーズ法発泡断熱材6に対する滑り抵抗が大きくなる曲面形状(例えば、波形状、凹凸形状など)を有しているものである。
この構成によれば、真空断熱材1とビーズ法発泡断熱材6との接合性をより高めることができるため、一体成形の信頼性向上を図ることができる。
また、上記実施の形態に係る複合断熱材は、外被材4の接合部(例えば、シール層4a1、4b1の端部)の一部又は全部は、ビーズ法発泡断熱材6で囲繞されているものである。
この構成によれば、外被材4を移動する熱をビーズ法発泡断熱材6で閉じ込めることができるため、耳部5からの放熱を抑制することができる。
また、上記実施の形態に係る複合断熱材は、外被材4は、最内層にシール層4a1、4b1を備えたラミネートフィルムであり、シール層4a1、4b1は、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムで構成されているものである。
この構成によれば、複合断熱材の耐熱性が向上し、使用温度範囲を拡大できるため、複合断熱材の適用範囲を広げることができる。
また、上記実施の形態に係る複合断熱材は、真空断熱材1が部分円筒形状に成形されているものである。
この構成によれば、複合断熱材を円筒形状のタンクや機器に設置することができる。
また、上記実施の形態に係る保温タンクは、タンク本体21と、タンク本体21の外周面の少なくとも一部を覆う上記実施の形態に係る複合断熱材と、を有するものである。
この構成によれば、保温タンクの保温性能を向上させることができる。
その他の実施の形態.
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、シール層4a1、4b1の材質としてEVOHを例に挙げたが、複合断熱材をより温度の低い部位に適用する場合には、より安価なCPP(無延伸ポリプロピレン)やLLDPE(リニア低密度ポリエチレン)などを用いてもよい。
また、上記の各実施の形態や変形例は、互いに組み合わせて実施することが可能である。
1 真空断熱材、2 繊維シート、3 芯材、4 外被材、4a、4b 外被材シート、4a1、4b1 シール層、5 耳部、5a 波形部、6 ビーズ法発泡断熱材、6a 突出部、7、8 面、9a、9b、9c、9d、9e、9f 複合断熱材、12 嵌合段差、20 保温タンク、21 タンク本体。

Claims (9)

  1. 繊維が積層された積層体構造を有する芯材、及び前記芯材を覆って真空密閉された外被材を有する真空断熱材と、
    前記真空断熱材と一体成形されたビーズ法発泡断熱材と、を備え、
    前記真空断熱材は、前記外被材の外周端と前記芯材の外周端との間に形成された耳部を備え、
    前記耳部のうち少なくとも一部は、前記芯材の積層方向と同じ向きになるように折り曲げられており、
    折り曲げられた前記耳部の端部は、前記外被材の前記芯材を覆う部分の表面よりもさらに前記芯材の積層方向に延伸しており、
    延伸した前記耳部は、前記ビーズ法発泡断熱材で両面から挟持され
    前記真空断熱材は、折り曲げられた前記耳部の折曲げ方向側の表面および前記表面とは反対側の他面のうちの一方が前記ビーズ法発泡断熱材に覆われ、前記表面および前記他面のうちの他方が露出していることを特徴とする複合断熱材。
  2. 折り曲げられなかった前記耳部は、折り曲げられた前記耳部の折曲げ方向とは反対方向に折り返され、前記外被材の前記芯材を覆う部分の表面に密着していることを特徴とする請求項1に記載の複合断熱材。
  3. 折り曲げられた前記耳部の少なくとも一部は、前記ビーズ法発泡断熱材に対する滑り抵抗が大きくなる曲面形状を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合断熱材。
  4. 前記外被材の接合部の一部又は全部は、前記ビーズ法発泡断熱材で囲繞されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の複合断熱材。
  5. 前記外被材は、最内層にシール層を備えたラミネートフィルムであり、
    前記シール層は、エチレンビニルアルコール共重合体フィルムで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の複合断熱材。
  6. 前記真空断熱材は、部分円筒形状に成形されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の複合断熱材。
  7. タンク本体と、前記タンク本体の外周面の少なくとも一部を覆う請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の複合断熱材と、を有することを特徴とする保温タンク。
  8. 前記外被材は、アルミニウム箔を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合断熱材。
  9. 繊維が積層された積層体構造を有する芯材、及び前記芯材を覆って真空密閉された外被材を有し、前記外被材の外周端と前記芯材の外周端との間に耳部が形成された真空断熱材を準備し、
    準備した前記真空断熱材が有する前記耳部のうち少なくとも一部を前記芯材の積層方向と同じ向きになるように折り曲げ、
    前記真空断熱材を金型内に設置し、
    前記耳部が折り曲げられ前記真空断熱材が設置された前記金型内に発泡粒子を充填して前記金型を密閉し、
    密閉した前記金型内で前記発泡粒子を発泡させてビーズ法発泡断熱材を形成し、形成した前記ビーズ法発泡断熱材で前記耳部を両面から挟持して複合断熱材を製造することを特徴とする複合断熱材の製造方法。
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