JP6312514B2 - かつらベースに毛髪を結び付ける方法、毛髪の結び目構造、及びかつら - Google Patents
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Description
(1)かつら
かつらは、かつらベースと、かつらベースに結び付けられた毛髪とを含んでいる。かつらベースは、網目状のネット部材で形成されている。毛髪は、ネット部材の網目を形成する線状部に結び付けられている。毛髪は、特に限定されず、人工毛髪であってもよく、天然毛髪であってもよい。
図1A及び図1Bに示すように、毛髪の結び目構造1は、線状部2に結び付けられている。毛髪の結び目構造1は、毛片3、4と、ループ5、6と、接続部7とからなる。毛片3、4は線状部2に対して略垂直に立ち上がっている。ループ5は線状部2上に形成されたループ6上に形成されている。ループ5の一部は、ループ6の下側にあり、ループ6によってループ5は押さえられている。ループ5の一端とループ6の一端とは接続部7を介して繋がっている。毛片3はループ5、6内をこの順で通り、線状部2の下側を通って折り返され、ループ6の他端と繋がっている。毛片4は、ループ5、6内をこの順で通り、線状部2の下側を通って折り返され、ループ5の他端と繋がっている。毛髪の結び目構造1は、毛片3、4を線状部2に対して垂直方向に引っ張ることで、結び目が絞まる。
図2に示すように、植毛治具8は、植毛針9と可動部10と把持部11とを備えている。植毛針9は、棒状の基部13と、先端が半円形状をしたJ字状のかぎ針部12とからなる。かぎ針部12は開口が形成されている。かぎ針部12は、開口から毛髪を入れてかぎ針部12内に通すことで、毛髪を引っかけることができる。基部13は、一端に基部13よりも細いかぎ針部12が一体に形成されている。基部13は、一端が徐々に細くなっており、他端には把持部11が設けられている。基部13の形状は特に限定されず、断面が円形の棒状でもよく、断面が四角形の棒状であってもよい。また、基部13の太さW2は200〜1000μmであることが望ましい。これは、基部13の太さW2が、200μmよりも細いと植毛針9が変形し易くなり、1000μmよりも太いとかつらベースの網目や毛髪18によって形成されたループを植毛針9が通りにくくなり、作業性が低下するからである。基部13の一端側には、図示しない溝と貫通穴とが形成されている。溝には、可動部10の一端が挿入されている。可動部10の一端には、図示しない貫通穴が形成されている。可動部10は、可動部10の貫通穴と基部13の貫通穴とが重なるように、基部13の一端側に配置されている。可動部10の貫通穴と基部13の貫通穴とには回転軸14が通っている。よって可動部10は、回転軸14を中心として回転でき、図2Aに示すように、かぎ針部12の方向へ回転して植毛針9の先端に接触することで、かぎ針部12の開口を閉じることができる。また可動部10は、把持部11の方向へ回転して植毛針9の先端から離れることで、図2Bに示すように、かぎ針部12の開口を開放できる。かぎ針部12と可動部10とに囲まれた領域の幅W1は、100〜1000μmであることが望ましい。これは、当該領域の幅W1が、100μmより小さくなると毛髪18をかぎ針部12に引っかけにくくなり、1000μmよりも大きくなるとかつらベースの網目や毛髪18によって形成されたループを植毛針9が通りにくくなり、作業性が低下するからである。なお可動部10の長さは1000〜3000μmであることが望ましい。可動部10の長さが1000μmよりも短くなるとかぎ針部12の閉口が不安定となり、3000μmよりも長くなるとかつらベースの網目や毛髪18によって形成されたループを植毛針9が通りにくくなり、作業性が低下するからである。
本発明のかつらベースに毛髪を結び付ける方法を説明する。毛髪は、かつらベースの網目を形成する線状部2に、上記で説明した植毛治具8を用いて毛髪の結び目構造1を形成して結び付けられる。
かつらベースに毛髪を結び付ける方法は、折り曲げ部19で2つ折りにされた毛髪18でかつらベースの線状部2を挟み、折り曲げ部19を頂点とする第1ループ20を形成すると共に、2つ折りにされた毛髪18の他端を含む毛片21と対向するように第1ループ20を配置する工程と、毛片21を、第1ループ20の奥側(線状部2に面した側)から手前側に引き出して第2ループ22を形成すると共に、2本の毛片23と対向するように第2ループ22を配置する工程と、第2ループ22と対向する2本の毛片23を第2ループ22の手前側から奥側(第1ループ20に面した側)へ向けて第2ループ22に挿入する工程とを備えるので、かつらベースに対して垂直方向に毛髪を引っ張ることで結び目を絞ることができ、結び目が割れることを抑制できる。また、かつらベースに毛髪を結び付ける方法は、結び目が解け難いので、さらに結び目を作る必要がなく、毛髪を結び付ける手順を少なくできる。よって、かつらベースに毛髪を結び付ける方法は、かつらベースに毛髪を容易に結び付けることができる。
第2実施形態は、第1実施形態とかつらベースに毛髪を結び付ける方法が異なる。第1実施形態と同様の構成は、説明を省略する。
かつらベースに毛髪を結び付ける方法は、第2ループ22を形成するまでの工程が第1実施形態と同じであるので、その部分の説明を省略し、第2ループ22を形成した後の工程について説明する。
かつらベースに毛髪を結び付ける方法は、折り曲げ部19で2つ折りにされた毛髪18でかつらベースの線状部2を挟み、折り曲げ部19を頂点とする第1ループ20を形成すると共に、2つ折りにされた毛髪18の他端を含む毛片21と対向するように第1ループ20を配置する工程と、毛片21を、第1ループ20の奥側(線状部2に面した側)から手前側に引き出して第2ループ22を形成すると共に、2本の毛片23と対向するように第2ループ22を配置する工程と、第2ループ22と対向する2本の毛片23を第2ループ22の手前側から奥側(第1ループ20に面した側)へ向けて第2ループ22に挿入する工程とを備え、第1実施形態と同様の構成を有するので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
2 線状部
8 植毛治具
18 毛髪
19 折り曲げ部
20 第1ループ
21、23 毛片
22 第2ループ
Claims (3)
- 折り曲げ部で2つ折りにされた毛髪でかつらベースの線状部を挟み、前記折り曲げ部を頂点とする第1ループを形成すると共に、前記2つ折りにされた毛髪の他端を含む毛片と対向するように前記第1ループを配置する工程と、
前記毛片の少なくとも1本を、前記線状部に面した側から前記第1ループに挿入して第2ループを形成すると共に、2本の前記毛片と対向するように前記第2ループを配置する工程と、
前記第2ループに挿入する方向を回転軸として前記第2ループと対向する2本の前記毛片の少なくとも1本を1回以上回転させて、前記第2ループの前記第1ループに面した側へ向けて前記第2ループに挿入する工程と
を備えることを特徴とするかつらベースに毛髪を結び付ける方法。 - 折り曲げ部で2つ折りにされた毛髪でかつらベースの線状部を挟み、前記折り曲げ部を頂点とする第1ループを形成すると共に、前記2つ折りにされた毛髪の他端を含む毛片と対向するように前記第1ループを配置し、
前記毛片の少なくとも1本を、前記線状部に面した側から前記第1ループに挿入して第2ループを形成すると共に、2本の前記毛片と対向するように前記第2ループを配置し、
前記第2ループに挿入する方向を回転軸として前記第2ループと対向する2本の前記毛片の少なくとも1本を1回以上回転させて、前記第2ループの前記第1ループに面した側へ向けて前記第2ループに挿入して形成されることを特徴とする毛髪の結び目構造。 - 請求項2に記載の毛髪の結び目構造を含むことを特徴とするかつら。
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