JP6311962B2 - 液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法、及びパターン形成方法 - Google Patents

液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法、及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法及びパターン形成方法に関する。
ナノワイヤアレイ型トランジスタ、微細偏光子パターン型光学素子、X線ガイドパターン基板、LSI(Large Scale Integration)、液晶ディスプレー等の電子部品、光学フィルム等の技術分野においては、ナノレベルの精度で微細加工(パターン形成)された製品が広く用いられている。このような微細加工技術としては、従来よりリソグラフィ技術が知られているが、リソグラフィ技術は製造コストが高いという問題があった。
前記問題を考慮し、液晶性ブロック鎖及び該液晶性ブロック鎖と非相溶なブロック鎖を有する液晶性ブロック共重合体を利用する微細加工技術が提案されてきた。このような液晶性ブロック共重合体は、非相溶な互いのブロック鎖同士が反発して各鎖が凝集するが、お互いのブロック鎖が分子内で化学的に結合しているため、相の大きさが共重合体の大きさと同程度となるミクロ相分離膜が形成される。また、液晶性に由来する長距離秩序を有している。これらの性質を有する液晶性ブロック共重合体を利用することで、より簡便に微細加工を行うことができる。
このような微細加工技術としては、例えば、ラビング処理、偏光照射等による配向処理を施した配向基板上に、液晶性ブロック共重合体を含む溶液を塗布し、熱処理することで、液晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造が一軸水平配向したナノパターンを有する液晶性ブロック共重合体薄膜を製造する方法(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)、ポリテトラフルオロエチレンが筋状に摩擦転写された配向基板上に、液晶性ブロック共重合体を塗布し、熱処理することで、液晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造が一軸水平配向したナノパターンを有する液晶性ブロック共重合体薄膜を製造する方法(特許文献1)が知られている。
前記特許文献1及び2、非特許文献1及び2に記載の方法では、場合によっては、形成される液晶性ブロック共重合体薄膜において、配向基板に対して水平方向に配向させようとした液晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造が、配向基板に対して垂直方向に配向することがある。
本発明者らは、液晶性ブロック鎖及び該液晶性ブロック鎖と非相溶なブロック鎖を有する液晶性ブロック共重合体と、特定の疎水性材料とを含む液晶性ブロック共重合体塗膜により、一軸水平配向したナノパターンを有する良質な品質の液晶性ブロック共重合体薄膜を形成する方法を開示している(特許文献3)。
一方、近年において、インクジェット法を用いて液滴を吐出して、基板にパターンを形成するパターン形成方法が知られている。従来のリソグラフィを用いたパターン形成方法は、真空成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、レジスト剥離工程といったコストのかかる工程が必要になる。しかしながら、パターンの形成にインクジェット法を用いることにより、前記の工程を省略することができるため、安価にパターンを形成することができる。
特開2009−260330号公報 特開2010−279880号公報 特開2012−233138号公報
Adv.Mater.2006,18,2213-2215 Adv.Mater.2006,18,883-886
本発明は、液晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造が一軸水平配向したナノパターンを有する良好な品質の液晶性ブロック共重合体薄膜を安定して製造することのできる液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記液晶性ブロック共重合体薄膜を用いた、ナノシリンダー構造のパターンを自在に描画することのできるパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、インクジェット法で吐出して基板上にラインを描画する工程を有する、液晶ブロック共重合体薄膜の製造方法において、ラインの、ライン方向に垂直の断面を、特定の範囲の曲率を有する形状とすることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、 液晶性ブロック鎖(A)及び該液晶性ブロック鎖(A)と非相溶なブロック鎖(B)を有する液晶性ブロック共重合体(I)を含む溶液を、インクジェット法で吐出して基板上にラインを描画する工程と、前記ラインを描画した基板表面を前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)の両方と非相溶な疎水性材料で封止する工程と、前記基板を加熱処理する工程と、 前記疎水性材料を除去する工程とを含む液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法であって、前記ラインの、ライン方向に垂直の断面が、0.03〜0.29(μm−1)の範囲の曲率を有する形状である、液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法を提供する。
前記液晶性ブロック共重合体(I)としては、下記式(1)で表わされるブロック共重合体が挙げられる。
(式中、p及びqは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ5〜500の整数を表し、Xはハロゲン原子であり、Rは下記一般式(2)、(3)又は(4)で表わされる置換基であり、q個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい)
(式中、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。)
(式中、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。)
(式中、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。)
前記ラインの、ライン方向に垂直の断面は、0.1〜0.29(μm−1)の範囲の曲率を有する形状であることが好ましい。
前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)の両方と非相溶な疎水性材料としては、オレフィン系ワックス、フッ素系オイル、シリコーン系オイル、鉱物油、合成油、高級脂肪酸エステル、又は二硫化モリブデンが挙げられる。
前記基板としては、表面をラビング処理した配向基板を用いてもよい。
前記基板上には、樹脂膜が形成されていてもよい。この場合、樹脂膜としては、ラビング処理が施されたポリイミド膜が挙げられる。
また、本発明は、前記液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法により得られた液晶性ブロック共重合体薄膜の配向パターンに対応する配向パターンを形成する工程を有するパターン形成方法を提供する。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法によれば、液晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造が一軸水平配向したナノパターンを有する良好な品質の液晶性ブロック共重合体薄膜を安定して製造することができる。
また、本発明のパターン形成方法によれば、前記液晶性ブロック共重合体薄膜の配向パターンに対応する配向パターンを有する金型を安定して得ることができる。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法において、加熱処理により得られた薄膜前駆体の一部拡大斜視図である。 図1の薄膜の断面図である。 実施例で得られた液晶性ブロック共重合体薄膜の走査型プローブ顕微鏡像である。 実施例で得られた液晶性ブロック共重合体薄膜の走査型プローブ顕微鏡像である。 実施例で得られた液晶性ブロック共重合体薄膜の走査型プローブ顕微鏡像である。 比較例で得られた液晶性ブロック共重合体薄膜の走査型プローブ顕微鏡像である。 基板上に描画したラインの、加熱処理前のライン形状である。 基板上に描画したラインの、加熱処理後のライン形状である。
以下、本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法について説明する。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法は、
液晶性ブロック鎖(A)及び該液晶性ブロック鎖(A)と非相溶なブロック鎖(B)を有する液晶性ブロック共重合体(I)を含む溶液を、インクジェット法で吐出して基板上にラインを描画する工程と、
前記ラインを描画した基板表面を前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)の両方と非相溶な疎水性材料で封止する工程と、
前記基板を加熱処理する工程と、
前記疎水性材料を除去する工程とを含み、
前記ラインの、ライン方向に垂直の断面が、0.03〜0.29(μm−1)の範囲の曲率を有する形状である。
一般に、高分子とは、単量体が重合反応により、長く鎖状につながったものであり、単一の単量体が重合してできた高分子を単独重合体、2種類以上の単量体が重合してできた高分子を共重合体という。更に、共重合体のうち、2種類以上の異なる単量体がランダム配列している高分子をランダム共重合体、2種類の異なる単量体が交互に配列している高分子を交互共重合体という。また、単独重合体に由来するブロック鎖の2種類以上が化学的に結合して直線状の高分子を形成したものをブロック共重合体という。本発明において、ブロック共重合体を構成している2種類以上のブロック鎖のうち、少なくとも1種類が液晶性を有する場合に、液晶性ブロック共重合体という。
一般に、2種類以上の単独重合体を混合すると、均一に混合することは稀であり、異なる単独重合体同士が反発する結果、同種の単独重合体同士が凝集して相分離を起こす。ブロック共重合体においても同様の相分離を起こすが、異なる単独重合体に由来するブロック鎖が分子内で化学的に結合しているため、相の大きさは大きくなることができず、ブロック共重合体の大きさと同程度となる。このようなブロック共重合体の相分離は、ミクロ相分離と呼ばれ、数nm〜100nm程度のドメイン(相領域)が形成される。ミクロ相分離したドメインの形状は、ブロック共重合体の重合度、各ブロック鎖の化学的性質、及び各ブロック鎖の体積分率等に大きく依存する。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法においては、まず、液晶性ブロック鎖(A)及び該液晶性ブロック鎖(A)と非相溶なブロック鎖(B)を有するブロック共重合体(I)を含む溶液を,インクジェット法で吐出して基板上にラインを描画する。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法において用いられる基板としては、例えば、ポリエステル、ポリイミド、雲母板、シリコンウエハ、石英板、ガラス板等の基板が用いられる。また、これらの基板表面をカーボン蒸着処理やシリル化処理等の疎水化処理を施した基板が好ましく用いられる。この時に用いられる基板の厚みには特に制限はない。
また、液晶性材料に対して配向能を有する灰硬膜が基板上に形成された配向基板を用いることもできる。このような配向基板は、配向膜を形成する樹脂材料もしくは配向膜を形成する樹脂材料の前駆体を溶媒に溶解した樹脂溶液を、基板上に塗布し、加熱処理を行って樹脂膜を形成した後、該樹脂膜の表面をラビング処理することにより得ることができる。このような樹脂膜を形成する方法としては、特に制限されず、例えば、キャスト法、スピンコート法等が挙げられる。ラビング処理は、例えばラビング布等で行うことができる。
また、配向膜12を形成する樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が挙げられる。ラビング処理をする場合、液晶材料に対する配向規制力の点から、ポリイミドを用いることが好ましい。また、樹脂材料としてポリイミドを用いる場合、ポリイミドは溶剤への可溶性が低いため、前駆体であるポリアミック酸を基板に塗布した後、熱処理によりポリイミド化させることが一般的である。また、前記樹脂溶液の溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法において用いられる液晶性ブロック共重合体(I)は、液晶性ブロック鎖(A)及び該液晶性ブロック鎖(A)と非相溶なブロック鎖(B)を有する、2個以上のブロック鎖が化学的に結合したブロック共重合体である。すなわち、互いに非相溶である液晶性ブロック鎖(A)の1つ以上と、ブロック鎖(B)の1つ以上が結合した共重合体である。なお、本発明において、液晶性ブロック鎖(A)とブロック鎖(B)とが非相溶であるとは、示差熱量測定等において、液晶性ブロック鎖(A)の相転移温度とブロック鎖(B)の相転移温度とがそれぞれ独立に観測されることを意味する。
共重合体(I)としては、ミクロ相分離構造を好適に形成する点から、1つの液晶性ブロック鎖(A)と1つのブロック鎖(B)からなる(A−B)型のジブロック共重合体、3つのブロック鎖からなる(A−B−A)型又は(B−A−B)型のトリブロック共重合体、又は4つのブロック鎖からなる(A−B−A−B)型のテトラブロック共重合体が好ましい。上記の中でも、溶媒に対する溶解性や熱処理の点から、ジブロック共重合体がより好ましい。
液晶性ブロック鎖(A)としては、例えばポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、又は親水性側鎖を有するポリ(アクリレート)、親水性側鎖を有するポリ(メタクリレート)等が挙げられる。また、前記疎水性ポリマー成分(B)としては、メソゲン側鎖、長鎖アルキル側鎖又は疎水性を有するポリ(アクリレート)又はポリ(メタクリレート)、ポリ(スチレン)、又はビニルポリマー等が挙げられる。
メソゲン側鎖とは、例えば、下記一般式で示されるような構造単位を1つ以上有するものが挙げられる。
E−(Y1−F)n−Y2−G
(式中、E、F及びGは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルであり、を表わし、Y1及びY2は、同一であっても異なっていてもよく、単結合、−CH2CH2−、−CH2O− 、−OCH2− 、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O− 、 −OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−N=N−、−CH=CH−C(=O)O−又は−OC(=O)−CH=CH−を表わし、nは、0〜3の整数である。)
また、長鎖アルキル側鎖とは、炭素数が好ましくは6〜22個のアルキル側鎖を意味する。
疎水性側鎖としては、例えば脂肪族側鎖等が挙げられる。
共重合体(I)の液晶性ブロック鎖(A)の重合度は、ミクロ相分離構造を公的に形成する点から、5以上であることが好ましく、10以上であることが更に好ましい。また、液晶性ブロック鎖(A)の重合度は、溶解性の点から、500以下であることが好ましく、d300以下であることが更に好ましい。なお、液晶性ブロック鎖(A)の重合度は、NMR測定又はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定により測定することができる。
共重合体(I)のブロック鎖(B)の重合度は、液晶性ブロック鎖(A)との相溶性の点から、5以上であることが好ましく、10以上であることが更に好ましい。また、ブロック鎖(B)の重合度は、溶融時の粘度の点から、500以下であることが好ましく、500以下であることが更に好ましい。なお、ブロック鎖(B)の重合度は、NMR測定又はGPC測定により測定することができる。
本発明の混合鎖星形共重合体中の親水性ポリマー成分(A)の体積分率については特に制限はないが、ミクロ相分離構造を好適に形成する点から、好ましくは0.01〜0.5であり、更に好ましくは0.05〜0.3である。
共重合体(I)としては、より高い再現性でミクロ相分離構造を形成できる点から、下記式(1)で表わされるブロック共重合体が好ましく用いられる。
一般式(1)において、p及びqは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ5〜500の整数を表し、Xはハロゲン原子であり、Rは下記一般式(2)、(3)又は(4)で表わされる置換基であり、q個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)において、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。
一般式(3)において、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。
一般式(4)において、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。
一般式(1)において、p及びqは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ5〜500の整数を表わし、好ましくは20〜50の整数である。また、一般式(1)において、Xはハロゲン原子である。すなわち、Xは臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子等である。また、一般式(1)において、Rとしては、例えば下記一般式(2)、(3)又は(4)で表わされる置換基が挙げられる。q個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)〜(4)において、aは0〜20の整数であり、好ましくは6〜12の整数である。また、Rは水素又は炭素数1〜22のアルキル基であり、好ましくは炭素数4〜12のアルキル基である。
共重合体(I)の製造方法に特に制限はないが、得られるブロック共重合体の分子量及び構造を制御できるという点から、原子移動ラジカル重合法(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)を用いて製造することが好ましい。原子移動ラジカル重合は、有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物をマクロ開始剤、周期律表第8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒として重合される。ATRP法によると、一般的に非常に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどの停止反応が起こりやすいラジカル重合でありながら、重合がリビング的に進行し、分子量分布の狭い共重合体を得ることができ、また、分子量は、用いるモノマーと開示剤の仕込み時の比率によって自由に制御することが可能である。
ATRP法において用いられるマクロ開始剤としては、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物が挙げられる。有機ハロゲンか物としては、例えば、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸エステル、2−クロロ−2−メチルプロピオン酸エステル等の2−ハロゲン−2−メチルプロピオン酸誘導体が挙げられる。ハロゲン化スルホニル化合物としては、例えば、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホン酸クロリド等が挙げられる。
また、ATRP法において、原子移動ラジカル重合の触媒として用いられる遷移金属Xの錯体としては、周期律表第8族、9族、10族、または11族の遷移金属(X)を中心金属とする金属錯体触媒を用いる。このうち、好ましいものとして、一価および0価の銅、二価のルテニウム、二価の鉄または二価のニッケルの錯体を挙げることができる。これらの中でも、コストや反応制御の点から銅の錯体が好ましい。
一価の銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅などがあげられる。その中でも塩化第一銅、臭化第一銅が、重合の制御の観点から好ましい。また、二価のルテニウムとしては、クメンジクロロルテニウムダイマーやトリスジクロライドトリフェニルフォスフィンルテニウム等が挙げられる。
一価の銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために、トリオクチルアミン、トリエチルアミン、2,2’−ビピリジル、その誘導体(例えば4,4’−ジノリル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ(5−ノリル)−2,2’−ビピリジルなど)などの2,2’−ビピリジル系化合物、1,10−フェナントロリン、その誘導体(例えば4,7−ジノリル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジノリル−1,10−フェナントロリンなど)などの1,10−フェナントロリン系化合物、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミンなどのポリアミン、1,14,7,10,10−ヘキサメチレンテトラミンなどを配位子として添加しても良い。
また、ATRP法は、無溶媒(塊状重合)又は、種々の溶媒中で行うことができる。溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、エステル系溶媒などをあげることができ、これらは単独で又は二種以上を混合して用いることができる。溶媒としては、ジクロロベンゼン、アニソール等を用いることが好ましい。
また、ATRP法は、通常、室温20 〜120℃程度の温度で実施することができ、2
0 〜120℃程度の温度で実施することが好ましい。重合温度が前記温度よりも低いと、反応系の粘度が高くなり過ぎ反応速度が低くなりすぎる場合があり、前記温度を超えると、安価な重合溶媒を用いることができなくなる。
ATRP法によって混合鎖星形共重合体を製造する方法としては、単量体を逐次添加する方法、あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤(マクロ開始剤)として次のブロックを重合する方法、別々に重合した重合体を反応により結合する方法等が挙げられる。これらの方法は、目的に応じて使い分けることができるが、重合工程の簡便性の点から、あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤(マクロ開始剤)として、次のブロックを重合する方法が好ましい。本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法においては、共重合体は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法において用いられる、共重合体(I)を溶解可能な溶媒としては、例えば、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、四塩化炭素、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、二塩化エチレン、塩化メチル等が挙げられる。用いられる溶媒としては、共重合体(I)を溶解し得るものであれば、前記のものに制限されない。また、溶媒は、1種用いてもよく、又は2種以上を混合して用いてもよい。また、溶液中の共重合体(I)の濃度は、共重合体全量の濃度として、0.001〜50質量%程度とすることが好ましく、0.01〜20質量%程度とすることが更に好ましい。共重合体(I)の含有量が前記範囲であれば、連続した塗膜を得やすく、膜厚ムラの小さい塗膜を得やすい。共重合体(I)が溶解し難い場合には、撹拌、加熱等の操作を行ってもよい。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法においては、共重合体(I)を含む溶液を、インクジェット法で吐出して基板上にラインを描画する。
インクジェット法で吐出して基板上にラインを描画するには、一般的なインクジェット装置を用いて行うことができる。例えば、市販のインクジェット装置を用いることができ、例えば、静電吐出型のインクジェット装置((株)SIJテクノロジ製)を用いることができる。インクジェット法によりパターンを形成するためにラインを描画する場合には、期待表面における所定の位置に、共重合体(I)を含む溶液を吐出して描画する必要がある。インクジェット法では、一般に、1つのノズルから1回に吐出できる溶液の容積は数ピコリットル程度である。このため、パターンを形成するためには多数の液滴を吐出する必要がある。基板上にパターンを形成するために、共重合体(I)を含む溶液を基板上に吐出すると、共重合体(I)を含む溶液が基板表面に広がってしまうため、本発明の液晶性Aブロック共重合体薄膜の製造方法においては、液晶性ブロック鎖(A)及び該液晶性ブロック鎖(A)と非相溶なブロック鎖(B)の両方と非相溶な疎水性材料で封止する工程を有している。このような疎水性材料については後述する。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法においては、基板上に描画されたラインの、ライン方向に垂直の断面が、0.03〜0.29(μm−1)、好ましくは0.1〜0.29(μm−1)の範囲の曲率を有する形状である。曲率については後述する。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法においては、ラインを描画した基板表面を前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)の両方と非相溶な疎水性材料で封止する。ここでブロック鎖(A)及びブロック鎖(B)の両方と非相溶であるとは、示差走査熱量測定等の測定において、それぞれの転移温度が独立に観測されることを意味する。
前記疎水性材料としては、例えば、オレフィン系ワックス、フッ素系オイル、シリコーン系オイル、鉱物油,合成油、高級脂肪酸エステルおよび二硫化モリブデン等が挙げられる。上記のうちでも、基板上に形成されたラインを安定させる点から、オレフィン系ワックス、シリコーン系オイルが好ましい。また、疎水性材料は、表面自由エネルギーの点から、シロキサン骨格を有する材料が好ましく、シリコーン系オイルが特に好ましい。
オレフィン系ワックスとしては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜60のα−オレフィンの共重合体等が挙げられる。オレフィン系ワックスのうちでも、溶媒への溶解性が優れ、ラインを安定して形成しやすい点から、エチレン単独重合体、又はエチレンと炭素数3〜60のα−オレフィンの共重合体が好ましい。
シリコーン系オイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル等が挙げられる。シリコーン系オイルは、取り扱いの点から、20℃における動粘度が10000cst以下のものが好ましい。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法で用いられる疎水性材料は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。また、前記疎水性材料を基板に塗布する際に、共重合体(I)を溶解するために用いる溶媒、例えば、アニソール、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、四塩化炭素、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、二塩化エチレン、塩化メチル等に疎水性材料を溶解させて用いてもよい。
前記疎水性材料の塗布量は、基板の1cmあたり、0.1〜100nL程度が好ましく、1〜20nL程度が更に好ましい。又は、前記疎水性材料の塗布量は、ラインを描画するために用いた共重合体(I)の重量あたり0.01〜10mL程度(膜厚を100nmとした場合)が好ましく、0.1〜2mL程度が更に好ましい。疎水性材料の塗布量が上記範囲であれば、連続した塗膜を得やすく、膜厚ムラの小さい塗膜が得られやすい。
前記疎水性材料で基板を封止する方法としては特に制限はなく、例えば、キャスト法、スピンコート法により実施することができる。
前記疎水性材料で基板を封止した後、加熱処理を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜前駆体を形成する。この加熱処理により、基板上に描画されたライン中に含まれる共重合体(I)が溶融して流動し、ミクロ相分離構造がライン方向に沿って一軸配向する。なお、本明細書において、ミクロ相分離構造がライン方向に沿って一軸配向するとは、シリンダーがライン方向に対して0〜15°以内に配向することを意味する。
加熱処理する方法としては、例えば、基板を加熱する方法が挙げられる。加熱時間は、基板上に描画されたライン中に含まれる溶媒を蒸発させることができる温度であればよく、加熱温度は、共重合体の融点よりも10℃低い温度よりも高い温度が好ましい。また、加熱温度は共重合体の分解温度よりも低くすることが好ましい。加熱温度を上記範囲とすることにより、相分離構造を形成するのに十分な高分子の流動性を確保できるので、加熱温度は上記範囲内であることが好ましい。
加熱時間は、基板上に描画されたライン中に含まれる溶媒を完全に除去でき、かつ共重合体(I)を十分にミクロ相分離させることができる時間であればよい。加熱時間は、通常は5分間から24時間である。また、用いる溶媒がライン中に残存し難くなる点から、加熱処理は真空雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法においては、加熱処理に加え、基板に電場又は磁場の印加を施してもよい。電場又は磁場の印加を施す方法には特に制限はなく、従来公知の方法により実施することができる。なお、電場又は磁場を印加する場合、その大きさは、好ましくは30V/μm以上の電場、又は5テスラ以上の磁場である。ただし、この場合も、相分離構造を形成するのに必要な高分子の流動性を確保するため、共重合体(I)の融点より10℃低い温度より高く、分解温度よりも低くすることが好ましい。
次いで、加熱処理後に、疎水性材料を除去する。加熱処理により得られた液晶性ブロック共重合体薄膜前駆体を、共重合体(I)が溶解せず、かつ疎水性材料が溶解する洗浄溶媒で洗浄し、疎水性材料を除去し、乾燥し、液晶性ブロック共重合体薄膜を得る。使用できる洗浄楊梅としては、例えば、炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン等。)、アルコール(メタノール、エタノール等。)等が挙げられる。上記溶媒のうち、疎水性材料の溶解性の点から、ヘキサン、ヘプタン、オクタンを用いることが好ましい。上記溶媒としては、1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
乾燥は、形成されたミクロ相分離構造、及び配向パターンを維持しやすい点から、共重合体(I)の融点よりも50℃以上低い温度で行うことが好ましい。乾燥時間は、洗浄溶媒を完全に除去できる時間であればよい。乾燥時間は、5分間〜24時間が好ましい。また、乾燥処理は、洗浄溶媒を薄膜中に残存させないため、真空雰囲気中で行うことが好ましい。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法においては、基板上に描画されたラインの、ライン方向に垂直の断面が、0.03〜0.29(μm−1)、好ましくは0.1〜0.29(μm−1)の範囲の曲率を有する形状である。曲率が上記範囲より小さい場合、一軸水平配向したナノパターンを有する液晶性ブロック共重合体薄膜を得ることができなくなる。一方、曲率が上記範囲より大きいラインを形成すると、一軸水平配向したナノパターンを有する液晶性ブロック共重合体膜を得ることができると予想される。
ここで、曲率とは、曲面上のある点における、その曲面の曲がりの程度を示す値のことを意味し、曲率半径の逆数で示される。曲率が大きいほど湾曲は大きくなる。図1に示すように、本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法において得られる液晶性ブロック共重合体薄膜1は、基板10上にライン12が形成されており、ライン中に、ライン方向に一軸配向したミクロ相分離構造14が存在している。また、図1の液晶性ブロック共重合体薄膜の断面図を図2に示す。図2においては、基板10上に形成されたライン12の、ライン方向に垂直の断面を示している。本発明において、曲率とはライン12の基板10から最も離れた部分の曲率を意味する。すなわち、ライン12が描画された基板10の表面から最も離れた部分に、円形の一部である円弧形状となっており、本発明における曲率とは、この円弧部分の曲率を意味する。
本明細書において、曲率は、以下のようにして求めることができる。
測定で得られた円弧部分に対し、(x-a)^2+(y-b)^2=r^2などの円を表す方程式を最小2乗法によりフィッティングする。ここで、(x, y)は座標変数である。(a, b)は円の中心点を示し、rは半径を示し、フィッティングパラメータとして用いる。
本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法において、ラインの断面形状を、上記範囲とするには、例えば、インクジェット法にて共重合体(I)を含む溶液を吐出して基板上にラインを描画する際の、上記溶液の吐出量(又は共重合体(I)を含む溶液中の共重合体(I)の濃度)、描画速度を調節することにより実施することができる。共重合体(I)を含む溶液の吐出量(共重合体(I)の濃度)を一定にした場合、描画速度を高くすると、基板上に形成されるラインの高さが低くなり、曲率は小さくなる。一方、描画速度を低くすると、基板上に形成されるラインの高さが高くなり、曲率は大きくなる。
例えば、共重合体(I)の濃度を0.1〜0.3重量%とし、(株)SIJテクノロジ製インクジェット装置を用い、吐出量2pL/秒でラインを描画した場合、描画速度を0.01mm/秒〜0.02mm/秒とすることにより、曲率を上記範囲内とすることができる。また、共重合体(I)の濃度を0.6重量%とし、(株)SIJテクノロジ製インクジェット装置を用い、吐出量2pL/秒でラインを描画した場合、描画速度を0.01mm/秒〜0.03mm/秒とすることにより、曲率を上記範囲内とすることができる。また、共重合体(I)の濃度を1重量%とし、(株)SIJテクノロジ製インクジェット装置を用い、吐出量2pL/秒でラインを描画した場合、描画速度を0.01mm/秒〜0.15mm/秒とすることにより、曲率を上記範囲内とすることができる。また、共重合体(I)の濃度を1.5〜2.0重量%とし、(株)SIJテクノロジ製インクジェット装置を用い、吐出量 2pL/秒でラインを描画した場合、描画速度を0.01mm/秒〜0.20mm/秒とすることにより、曲率を上記範囲内とすることができる。
なお、本発明において、基板上に描画されたラインの、ライン方向に垂直の断面は、加熱処理前及び加熱処理後のいずれも上記範囲内であることが好ましい。
以上説明した液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法によれば、基板上に積層された共重合体(I)が一軸水平配向した薄膜を簡便な方法で安定して製造することができる。また、インクジェット法で吐出してラインを描画するので、簡便な方法で自在なパターンを描画し液晶性ブロック共重合体薄膜を得ることができる。例えば、三角形、円形等のライン形状にした場合においても、ライン方向に沿ったナノシリンダー構造を得ることができる。
また、本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法により得られた液晶性ブロック共重合体薄膜は、金型へのパターン形成方法に適用できる。すなわち、前記液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法により得られた液晶性ブロック共重合体を金型に転写し、エッチング処理を施すことによって、金型に液晶性ブロック共重合体薄膜の配向パターンに対応する配向パターンを形成することができる。液晶性ブロック共重合体薄膜の転写、及びエッチング処理は、公知の方法を採用することができる。
発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法で得られた薄膜、パターン形成方法で得られた薄膜、パターン形成方法で得られる金型の用途としては、例えば、ナノワイヤアレイ型トランジスタ、微細偏光子パターン型光学素子、X線ガイドパターン基板、LSI(Large Scale Integration)、液晶ディスプレー等の電子部品、光学フィルム等が挙げられる。MOSFETの微細化が進む中、スイッチオンオフ時のソース−ドレイン間の漏れ電流を如何に抑制するかが重要な課題となってきている。MOSFETの構造を従来の平面型からワイヤ型にすることにより、これを解決できることが近年明らかになってきている。本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法で得られる薄膜を用いることによって、微細に自在描画できるので、任意の場所にナノワイヤアレイMOFETを作成することが可能であると考えられる。
また、平行ナノシリンダー(NC)構造をブロックコポリマーテンプレート法により金属化することによって、ワイヤナノグリッド型偏光子を作成することができる。本発明の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法で得られる薄膜を用いることにより、ナノスケールの微細な偏光子パターンを作成することが可能になる。偏光情報をパターン化するための軟X線光学素子としての応用が考えられる。
また、選択的エッチングによってNC部分を空洞化することにより、X線をガイドするX線ファイバーとしての応用が期待される。X線を空洞化NCラインと平行に入射し、内壁との全反射を繰り返すことによって、最小3mmφの曲率でX線を曲げることができ、X線ガイド用ファイバーとして利用可能であると考えられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
製造例1
共重合体(I)の製造
以下の方法により、下記式により表される液晶性ブロック共重合体(I)を製造した。
アルゴン雰囲気下、塩化銅(I) (70 mg, 0.71 mmol) と1,1,4,7,10,10-hexamethylenetetramine (HMTETA, 139 μL, 0.71 mmol) をアニソール 1 mLに溶解させる。臭素化ポリエチレンオキシド(マクロ開始剤) (714 mg, 0.14 mmol)と MA(Az) モノマー(11-[4-(4-butylphenylazo)phenoxy]undecyl methacrylate) (4.91 g, 10 mmol)のアニソール溶液(39mL)の入ったシュレンク管に加える。封管後 90 OC にて 48時間反応させる。冷却後、触媒除去のため、活性塩基性アルミナカラムに通じ、クロロホルムで溶出させる。減圧により溶媒を除去し、生成高分子を得る。熱ヘキサンにより二回洗浄し、未反応の MA(Az) を除去した。黄色のブロックコポリマーをクロロホルム溶液からヘキサンに再沈殿させてさらなる精製を行った。
前記式において、aは9である。
得られた共重合体における液晶性ブロック鎖(A)とブロック鎖(B)とが非相溶であることは、以下のDSC測定で確認した。
(DSC測定)
示差走査熱量計(セイコーインスツル(株)製DSC(SII Extra 6000))を用いて、−50〜200℃の温度範囲で、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で共重合体(1A)の相転移温度を測定した。その結果、製造例1で得られた共重合体のDSC測定におけるピークは、高い方から120.1℃、67.7℃、36.7℃であった。 120.1℃、67.7℃のピークは、液晶性ブロック鎖(A)の構成成分である11−[4−(ブチルフェニルアゾ)フェノキシ]ウンデシルメタクリレートの単独重合体で観測される等方相−液晶相相転移温度、及び液晶相−液晶相相転移温度のピークである。36.7℃のピークは、ブロック鎖(B)の構成成分であるポリエチレンオキシドの相転移に由来するものであり、11−[4−(ブチルフェニルアゾ)フェノキシ]ウンデシルメタクリレートの単独重合体では観測されない。以上の結果から、製造例1で得られた共重合体を構成している液晶性ブロック鎖(A)とブロック鎖(B)は互いに非相溶であることが確認された。
実施例1
ポリアミック酸(サンエバー8292 日産化学工業(株)製)のN−メチルピロリドン/γ−ブチロラクトン(質量比=20/80)の混合溶媒からなる2質量%溶液を、ガラス基板上にスピンコートで塗布し、製膜した後、150℃で1時間、250℃で2時間熱処理することで、ポリアミック酸のポリイミド化を行い、ガラス基板上にポリイミド膜を形成した。次に、EHC社製ラビング装置を使用して、前記ポリイミド膜にラビング処理を施し、配向基板を得た。

製造例1で得られた液晶性ブロック共重合体を、アニソールに1.0重量%となるように溶解し、液晶性ブロック共重合体溶液を得た。この溶液を用い、(株)SIJテクノロジ性インクジェット装置により、上記で得られた配向基板上に、約3.5μmの幅になるようにラインを描画した。インクジェットによるプリント条件は以下の通りである。
SLJパラメータ
・波形:サイン波
・印加電圧振幅:500V
・印加電圧Bias:500V
・描画速度:0.1mm/秒
・ノズルサイズ:3.1μm±0.5μm
次いで、描画したラインを、シリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン、信越化学工業社製、KF-968。0.5 - 2wt%ヘキサン溶液。スピンコート、2000 rpm, 30 s。)で封止した(0.5 - 2wt%ヘキサン溶液で膜面を覆い、2000 rpm, 30 sの条件でスピンコートした)。
(測定で得られた円弧部分に対し、(x-a)^2+(y-b)^2=r^2などの円を表す方程式を最小2乗法によりフィッティングする。ここで、(x, y)は座標変数である。(a, b)は円の中心点を示し、rは半径を示し、フィッティングパラメータとして用いる。)
ラインの曲率は0.10μm−1であった。
次いで、基板を真空下において、140℃で2時間、乾燥、熱処理することにより、液晶性ブロック共重合体薄膜前駆体を得た。
得られた液晶性ブロック共重合体薄膜前駆体の基板上に描画されたラインの曲率を上記と同様にして求めた。ラインの曲率は0.11μm−1であった。
得られた液晶性ブロック共重合体薄膜前駆体をヘキサンで洗浄した後、室温、大気下で乾燥させることで、疎水性材料が除去された、液晶性ブロック共重合体薄膜を得た。得られた薄膜を、走査型プローブ顕微鏡で観察した高さ像を図3に示す。図3では、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、グレインがわずかに存在するが、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例2
アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%、ラインの幅を3.3μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後、いずれも0.10μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果を図4に示す。図4では、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例3
アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%、ラインの幅を3.4μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.14μm−1であり、加熱処理後が0.13μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果を図5に示す。図5では、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
比較例1
アニソール中の共重合体濃度を0.3重量%とした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.13μm−1であり、加熱処理後が0.11μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果を図6に示す。図6では、液晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造が、配向基板に対して30°以上傾いて配向することが観察された。
比較例2及び3
アニソール中の共重合体濃度を0.1重量%(比較例2)及び0.05重量%(比較例3)とし、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。比較例1〜3においては、前駆体のラインの形状が乱れ、曲率を求めることはできず、ミクロ相分離構造も観察できなかった。
加熱処理の前後で求めたライン形状(曲率)を図7及び8に示した。図7及び8から明らかなように、実施例1〜3の条件では、ライン断面の曲率が0.03〜0.29(μm−1)の範囲となり、液晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造が一軸水平配向したナノパターンを有する液晶性ブロック共重合体薄膜を得ることができた。
実施例4
描画速度を0.15mm/秒とし、ラインの幅を3.5μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理前が0.03μm−1であり、加熱処理後は0.04μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例5
描画速度を0.15mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%とし、ラインの幅を3.0μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後、いずれも0.10μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例6
描画速度を0.15mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%とし、ラインの幅を2.9μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理前が0.13μm−1であり、加熱処理後は0.14μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
比較例4及び5
描画速度を0.15mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.6重量%(比較例4)及び0.3重量%(比較例5)とした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。比較例4及び5においては、ラインの形状が乱れ、曲率を求めることはできず、ミクロ相分離構造も観察できなかった。
実施例7
描画速度を0.20mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%とし、ラインの幅を2.7μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理前が0.09μm−1であり、加熱処理後は0.09μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例8
描画速度を0.20mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%とし、ラインの幅を2.7μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.11μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
比較例6及び7
描画速度を0.20mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.0重量%(比較例6)及び0.3重量%(比較例7)とした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。比較例6及び7においては、前駆体のラインの形状が乱れ、曲率を求めることはできず、ミクロ相分離構造も観察できなかった。
実施例9
描画速度を0.075mm/秒とし、ラインの幅を4.1μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.06μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例10
描画速度を0.075mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%とし、ラインの幅を3.8μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理前が0.09μm−1であり、加熱処理後は0.10μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例11
描画速度を0.075mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%とし、ラインの幅を3.6μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理前が0.13μm−1であり、加熱処理後は0.12μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
比較例8
描画速度を0.20mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.3重量%とした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。比較例8においては、ラインの形状が乱れ、曲率を求めることはできず、ミクロ相分離構造も観察できなかった。
実施例12
描画速度を0.05mm/秒とし、ラインの幅を4.6μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.06μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例13
描画速度を0.05mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%とし、ラインの幅を4.4μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.08μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例14
描画速度を0.05mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%とし、ラインの幅を4.4μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.11μm−1であり、加熱処理後は0.10μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例15
描画速度を0.03mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.6重量%とし、ラインの幅を2.6μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.21μm−1であり、加熱処理後は0.17μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例16
描画速度を0.03mm/秒とし、ラインの幅を5.9μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.05μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例17
描画速度を0.03mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%とし、ラインの幅を4.4μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.13μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例18
描画速度を0.03mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%とし、ラインの幅を4.4μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.19μm−1であり、加熱処理後は0.18μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
比較例9
描画速度を0.03mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.1重量%とし、ラインの幅を2.1μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が凹であり、加熱処理後は0.02μm−1であった。比較例9において得られたミクロ相分離構造は、ライン方向に対してランダムな方向に向いていた。
実施例19
描画速度を0.02mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.3重量%とし、ラインの幅を2.6μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.15μm−1であり、加熱処理後は0.13μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例20
描画速度を0.02mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.6重量%とし、ラインの幅を2.8μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.25μm−1であり、加熱処理後は0.22μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例21
描画速度を0.02mm/秒とし、ラインの幅を7.1μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.04μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例22
描画速度を0.02mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%とし、ラインの幅を4.5μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.18μm−1であり、加熱処理後は0.19μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例23
描画速度を0.02mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%とし、ラインの幅を4.5μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.24μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例24
描画速度を0.01mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.1重量%とし、ラインの幅を2.3μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.13μm−1であり、加熱処理後は0.09μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例25
描画速度を0.01mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.3重量%とし、ラインの幅を3.0μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.20μm−1であり、加熱処理後は0.16μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例26
描画速度を0.01mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を0.6重量%とし、ラインの幅を3.2μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.29μm−1であり、加熱処理後は0.26μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例27
描画速度を0.01mm/秒とし、ラインの幅を7.4μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前後で、いずれも0.07μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例28
描画速度を0.01mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を1.5重量%とし、ラインの幅を5.3μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.22μm−1であり、加熱処理後は0.23μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。
実施例29
描画速度を0.01mm/秒とし、アニソール中の共重合体濃度を2.0重量%とし、ラインの幅を5.2μmとした以外は実施例1と同様に操作を行い、液晶性ブロック共重合体薄膜を製造した。前駆体のラインの曲率は、加熱処理の前が0.29μm−1であり、加熱処理後は0.25μm−1であった。得られた薄膜について、実施例1と同様に走査型プローブ観察で観察した。観察結果は図示しないが、共重合体のミクロ相分離構造に由来する高さ像が観察され、共重合体のミクロ相分離構造が、ライン方向に沿って一軸水平配向していることが確認された。

Claims (8)

  1. 液晶性ブロック鎖(A)及び該液晶性ブロック鎖(A)と非相溶なブロック鎖(B)を有する液晶性ブロック共重合体(I)を含む溶液を、インクジェット法で吐出して基板上にラインを描画する工程であって、
    前記液晶性ブロック共重合体溶液の液晶性ブロック共重合体(I)の濃度が0.1〜0.3重量%であり、描画速度が0.01mm/秒〜0.02mm/秒であるか、
    前記液晶性ブロック共重合体溶液の液晶性ブロック共重合体(I)の濃度が0.6重量%であり、描画速度が0.01mm/秒〜0.03mm/秒であるか、
    前記液晶性ブロック共重合体溶液の液晶性ブロック共重合体(I)の濃度が1重量%であり、描画速度が0.01mm/秒〜0.15mm/秒であるか、又は
    前記液晶性ブロック共重合体溶液の液晶性ブロック共重合体(I)の濃度が1.5〜2.0重量%であり、描画速度が0.01mm/秒〜0.20mm/秒である工程と、
    前記ラインを描画した基板表面を前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)の両方と非相溶な疎水性材料で封止する工程と、
    前記基板を加熱処理する工程と、
    前記疎水性材料を除去する工程とを含む液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法であって、
    前記ラインの、ライン方向に垂直の断面が、前記加熱処理前及び加熱処理後のいずれにおいても0.03〜0.29(μm−1)の範囲の曲率を有する形状である、液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法。

  2. 前記液晶性ブロック共重合体(I)が下記式(1)で表わされるブロック共重合体である、請求項1記載の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法。


    (式中、p及びqは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ5〜500の整数を表し、Xはハロゲン原子であり、Rは下記一般式(2)、(3)又は(4)で表わされる置換基であり、q個のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい)


    (式中、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。)


    (式中、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。)


    (式中、aは0〜20の整数であり、Rは水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である。)
  3. 前記ラインの、ライン方向に垂直の断面が、前記加熱処理前及び加熱処理後のいずれにおいても0.1〜0.29(μm−1)の範囲の曲率を有する、請求項1又は2記載の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法。
  4. 前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)の両方と非相溶な疎水性材料が、オレフィン系ワックス、フッ素系オイル、シリコーン系オイル、鉱物油、合成油、高級脂肪酸エステル、又は二硫化モリブデンである、請求項1〜3のいずれか1項記載の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法。
  5. 前記基板が、表面をラビング処理した配向基板である、請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法。
  6. 前記基板上に、樹脂膜が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法。
  7. 前記樹脂膜が、ラビング処理が施されたポリイミド膜である、請求項6記載の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の液晶性ブロック共重合体薄膜の製造方法により得られた液晶性ブロック共重合体薄膜の配向パターンに対応する配向パターンを形成する工程を有するパターン形成方法。

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