[第1実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る車両用表示装置の各実施形態に共通する制御ブロック図である。図1において、車両用表示装置1は、自車両の現在位置を検出するとともに設定された目的地へ自車両を誘導する経路誘導手段であるナビゲーション装置3と、表示制御手段としての表示コントローラ5と、ヘッドアップディスプレイ装置7とを備える。
ナビゲーション装置3は、自車両の現在位置を検出するGPS受信装置などとデジタル道路地図データ記憶装置とを内蔵する一般的なナビゲーション装置である。ナビゲーション装置3は、環状交差点へ自車両が進入したときに、自車両が環道から退出すべき分岐点が何番目であるかの情報を表示コントローラ5へ出力するインタフェースを備えている。
このナビゲーション装置3が出力する情報は、自車両が環状交差点へ進入した後、自車両が環道を進むに従って更新されるものとする。即ち、自車両が環道を進行中に、退出すべきでない分岐点を一つ通過する毎に、自車両が環道から退出すべき分岐点が何番目であるかの情報がカウントダウンされ、この情報は、次の分岐点が退出すべき分岐点である場合に、1となる。
ヘッドアップディスプレイ装置7は、表示コントローラ5が形成した画像をフロントウインドウに投影するヘッドアップディスプレイ手段である。ヘッドアップディスプレイ装置7は、自車両のフロントガラスに文字や図形の虚像を形成し、運転者がフロントガラスを透して視認する車外前方の風景、路面の状況、先行車の状況等に重畳して、虚像による情報を視認させることができる装置である。本発明においては、運転者は、前方視界に、フロントウインドウに表示された環状交差点における進路表示を重畳して見ることができる。
ここで、本発明の車両用表示装置1が特徴的な進路表示する環状交差点について説明する。環状交差点とは、日本国内における道路交通法(2013年6月14日法改正、2014年9月1日施行予定)による呼称であり、英語の呼称であるラウンドアバウト(roundabout)としても知られている。環状交差点は、円形交差点の一種であり、通常3本以上の分岐路と呼ばれる道路を円形のスペースを介して接続したものであり、円形のスペースの中央には中央島と呼ばれる円形の通行できない区域がある。言い換えれば、環状交差点は、複数の分岐点と各分岐点間を接続する複数の弧状区間からなる環道を有する交差点であるということができる。
車両は、中央島の回りの環道を一方向に(左側通行なら時計回り、右側通行なら反時計回り)通行する。そして、目的の分岐点に達すると、左側通行なら左折(右側通行なら右折)して、環道から分岐路へ退出する。環状交差点の交通規則は、環道交通流に優先権があり、かつ環道交通流は信号機や一時停止などにより中断されず、円形の平面交差部の一方通行制御方式ということができる。
表示コントローラ5は、環状交差点へ自車両が進入したときに、自車両が環道から退出すべき分岐点が何番目であるかの情報をナビゲーション装置3から取得する。そして、表示コントローラ5は、自車両が環道から退出すべき分岐点までの分岐点数に応じて、進路表示の表示形態を変化させて、ヘッドアップディスプレイ装置7へ表示させる表示制御手段である。
進路表示の表示形態の変化には、例えば、表示図形数を変化させる、表示位置を変化させる、表示図形の大きさを変化させる、表示図形の表示色を変化させる、表示図形の表示色にグラデーションを付与する等があり、またこれらの複数の組み合わせでもよい。本実施形態では、表示図形数を変化させる場合、自車両が環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が一づつ減少するのに応じて、表示図形数を一づつ減少させるカウントダウンを行うものとする。しかしながら、本発明においては、自車両が環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が一づつ減少するのに応じて、表示図形数を増加させるカウントアップを行うものも含まれる。
表示コントローラ5は、その表示制御機能を達成するために、表示図形数判定部51と、表示映像作成部53と、表示映像修飾部55と、表示出力部57とを備えている。本実施形態では、表示コントローラ5は、CPU、プログラムROM、作業用RAM及び入出力インタフェースを備えたマイクロプロセッサで構成され、その機能は、プログラムROMに格納された制御プログラムをCPUが実行することにより実現されている。尚、プログラムROMには、プログラム以外に、各種の制御パラメータや後述する図形のパターンも記憶されているものとする。また、作業用RAM内には、ヘッドアップディスプレイ装置7へ出力する画像のための出力用画像メモリ領域が確保されている。
表示図形数判定部51は、環状交差点へ自車両が進入したときに、自車両が環道から退出すべき分岐点が何番目であるかの情報をナビゲーション装置3から受け取り、自車両が環状交差点へ進入した後、自車両が環道を進むに従って更新される。即ち、自車両が環道を進行中に、退出すべきでない分岐点を一つ通過する毎に、自車両が環道から退出すべき分岐点が何番目であるかの情報が一づつ減少するようにカウントダウンされ、この情報は、次の分岐点が退出すべき分岐点である場合に1となる。
表示映像作成部53は、表示図形数判定部51がカウントダウンしながら保持している情報、即ち、自車両が環道から退出すべき分岐点が何番目であるかの情報に基づいて、表示映像を作成する。
表示映像修飾部55は、表示映像作成部53が作成した表示映像をさらに見やすく修飾する。この修飾には、例えば、例えば、表示位置を変化させる、表示図形の大きさを変化させる、表示図形の表示色を変化させる、表示図形の表示色にグラデーションを付与する等があり、またこれらの複数の組み合わせでもよい。
表示出力部57は、表示映像作成部53が作成して表示映像修飾部55が修飾した表示映像をヘッドアップディスプレイ装置7へ出力する。
図2は、車両用表示装置1が実行するプログラムの内容を説明するフローチャートである。車両用表示装置1の電源が投入されると、ステップS10から実行が開始される。まず、ステップS10において、車両用表示装置1は、環状交差点表示機能がONであるか否かを判定する。環状交差点表示機能は、例えば、自車両に備えられたナビゲーション装置の画面と共用されるタッチスクリーン機能を備えた汎用制御画面から、ON/OFF設定が可能とする。ステップS10において、環状交差点表示機能がONでなければ、何もせずに終了する。ステップS10の判定において、環状交差点表示機能がONであれば、ステップS12へ制御を進める。
ステップS12では、車両用表示装置1が運転者の目の位置を検出する。図1のブロック図には記載されていないが、運転者を撮影するカメラ、運転席ヘッドレストの設定高さを検出するセンサ、運転席ヘッドレストに接する運転者の頭の位置を検出する圧力センサ等により、運転者の目の位置を検出して、この位置情報を記憶する。運転者の目の位置は、言い換えれば、フロントガラスを見る運転者の視点の位置である。
次いで、ステップS14では、ナビゲーション装置3が現在位置情報を取得する。次いで、ステップS16では、ナビゲーション装置3が現在位置情報とデジタル道路地図データとを照合して、自車両が環状交差点へ進入したか否かを判定する。環状交差点へ進入していなければ、ステップS10へ戻る。ステップS16の判定で、環状交差点へ進入していれば、制御をステップS18へ進める。
ステップS18では、表示コントローラ5の表示図形数判定部51がナビゲーション装置3から、自車両が環道から退出すべき分岐点(以下、目標分岐点という)までの分岐点の数を取得する。このステップS18では、ナビゲーション装置3から表示コントローラ5へ直接的に、目標分岐点までの分岐点の数を出力してもよいし、現在位置周辺の道路形状及び自車両の進路誘導情報を示すデータを出力して、表示コントローラ5へ間接的に出力してもよい。後者の場合、表示コントローラ5の表示図形数判定部51が現在位置周辺の道路形状及び自車両の進路誘導情報を示すデータから、目標分岐点までの分岐点の数を取得する。
次いで、ステップS20では、表示図形数判定部51が目標分岐点までの分岐点の数に基づいて表示図形の数を決定する。次いで、ステップS22では、表示映像作成部53が、表示図形数判定部51が決定した表示図形の数による環状交差点の進路表示のための表示映像を画像出力用メモリ領域内に作成する。本実施形態のカウントダウン動作においては、環状交差点進入時に、表示図形数判定部51が目標分岐点までの分岐点数を表示図形の数として決定し、これらの表示図形による環状交差点の進路表示のための表示映像を作成する。
次いで、ステップS24では、表示映像修飾部55が、表示映像を修飾する。この表示映像の修飾は、本発明に本質的なものではないので、省略可能であるが、表示映像の修飾を行うことにより、さらに見やすい表示映像とすることができる。第1実施形態では、ステップS24における表示映像の修飾は何も行わずに、ステップS26へ制御を移すことにする。
次いで、ステップS26において、表示出力部57が、作業用RAM内の出力用画像メモリ領域からヘッドアップディスプレイ装置7へ表示映像を出力して、ステップS10へ戻る。以下、ステップS10以下の処理が繰り返される。
図3は、本実施形態における表示映像例を示す図であり、(a)は退出すべき分岐点までの分岐点数が3の車両位置を示す図、(b)は、(a)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。図3の(c)は退出すべき分岐点までの分岐点数が1の車両位置を示す図、(d)は、(c)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。
図3(a)、(c)において、三角印が自車両の位置を示し、破線の矢印は、自車両が進むべき進路である。この図3(a)の自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が3の状態では、図3(b)に示すように、3つの三角形の図形A、B、Cが表示され、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が3を示している。ここで、自車両に最も近い位置の前景に重なる三角形の図形Aが最も大きく表示され、次いで図形Bが中間の大きさに表示され、自車両に最も遠い位置の前景に重なる三角形の図形Cが最も小さく表示されるように、表示映像作成部53が表示映像を形成する。
そして自車両が環道を進み図3(c)に示すように、自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が1の状態では、図3(d)に示すように、1つの三角形の図形C1が表示されるとともに、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が1を示している。さらに、図3(d)では、退出すべき分岐点を示す楕円形の図形Xと、この先は左折すべきことを示す左向きの3つの三角形からなる図形Dが表示されている。尚、図形Xは、他の図形と異なる表示色としてもよく、さらに、図形Dの表示色は、図形A、B、C、C1と同色の薄い表示色としてもよい。
以上説明した第1実施形態によれば、曲率半径が小さく複数の分岐点が接近している環状交差点の環道を走行中においても、前景や道路状況の認識を阻害することなく、適切な経路誘導を行うことができる車両用表示装置を提供することができるという効果がある。
また第1実施形態によれば、自車両が環道から退出すべき分岐点までの分岐点の数と同数の図形を表示しているので、運転者に直感的に自車両の位置と退出すべき分岐点までの分岐点の数を認識させることができるという効果がある。
さらに第1実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、さらに退出を誘導する表示を行っているので、運転者は退出すべき分岐点を誤ることがなくなるという効果がある。
[第2実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。第2実施形態の車両用表示装置1の構成は、図1に示した第1実施形態の制御ブロック図とほぼ同様であるが、表示映像修飾部55による修飾内容が異なる。第2実施形態の表示映像修飾部55は、自車両が退出すべきでない分岐点を通過する毎に、表示する図形を一つづつ減少させる場合、残りの図形を大きく表示するように表示映像の修飾を行う点に特徴がある。また、第2実施形態では、図2の制御フローチャートのステップS24における表示映像の修飾処理が加えられる。その他のステップは、第1実施形態の図2と同様である。
図4は、第2実施形態における表示例を示す図であり、(a)は退出すべき分岐点までの分岐点数が3の車両位置を示す図、(b)は、(a)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。(c)は退出すべき分岐点までの分岐点数が1の車両位置を示す図、(d)は、(c)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。
図4(a)、(c)において、三角印が自車両の位置を示し、破線の矢印は、自車両が進むべき進路である。この図4(a)の自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が3の状態では、図4(b)に示すように、3つの三角形の図形A、B、Cが表示され、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が3を示している。ここで、自車両に最も近い位置の前景に重なる三角形の図形Aが最も大きく表示され、次いで図形Bが中間の大きさに表示され、自車両に最も遠い位置の前景に重なる三角形の図形Cが最も小さく表示されるように、表示映像作成部53が表示映像を形成する。
自車両が環道を進み、図4(c)に示すように、自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が1の状態では、図4(d)に示すように、1つの三角形の図形C1が表示されるとともに、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が1を示している。さらに、図4(d)では、退出すべき分岐点を示す楕円形の図形Xと、この先は左折すべきことを示す左向きの3つの三角形からなる図形Dが表示されている。尚、図形Xは、他の図形と異なる表示色としてもよく、さらに、図形Dの表示色は、図形A、B、C、C1と同色の薄い表示色としてもよい。
図4(d)に示すように、表示する図形の数が1となったときに、図4(b)に表示した三角形の図形Aよりも大きい三角形の図形C1を表示している。その他の車両用表示装置1の動作、及び表示映像は、第1実施形態と同様である。
以上説明した第2実施形態によれば、曲率半径が小さく複数の分岐点が接近している環状交差点の環道を走行中においても、前景や道路状況の認識を阻害することなく、適切な経路誘導を行うことができる車両用表示装置を提供することができるという効果がある。
また第2実施形態によれば、自車両が環道から退出すべき分岐点までの分岐点の数と同数の図形を表示しているので、運転者に直感的に自車両の位置と退出すべき分岐点までの分岐点の数を認識させることができるという効果がある。
また第2実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、環状交差点進入時より大きい図形により退出すべき分岐点であることを表示しているので、運転者は退出すべき分岐点を誤ることがなくなるという効果がある。
さらに第2実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、さらに退出を誘導する表示を行っているので、運転者は退出すべき分岐点をさらに誤ることがなくなるという効果がある。
[第3実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の第3実施形態を詳細に説明する。第3実施形態の車両用表示装置1の構成は、図1に示した第1実施形態の制御ブロック図とほぼ同様であるが、表示映像修飾部55による修飾内容が異なる。また図2のフローチャートにおけるステップS24の処理内容が異なる。その他のステップは、第1実施形態の図2と同様である。
図5は、第3実施形態における表示例を示す図であり、(a)は退出すべき分岐点までの分岐点数が3の車両位置を示す図、(b)は、(a)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。(c)は退出すべき分岐点までの分岐点数が1の車両位置を示す図、(d)は、(c)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。
図5(a)、(c)において、三角印が自車両の位置を示し、破線の矢印は、自車両が進むべき進路である。この図5(a)の自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が3の状態では、図5(b)に示すように、3つの三角形の図形A、B、Cが表示され、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が3を示している。ここで、自車両に最も近い位置の前景に重なる三角形の図形Aが最も大きく表示され、次いで図形Bが中間の大きさに表示され、自車両に最も遠い位置の前景に重なる三角形の図形Cが最も小さく表示されるように、表示映像作成部53が表示映像を形成する。
そして、第3実施形態の表示映像修飾部55は、図5(b)に示すように、表示する図形A、B、Cの左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。また、第3実施形態のステップS24では、このグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。
自車両が環道を進み、図5(c)に示すように、自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が1の状態では、図5(d)に示すように、1つの三角形の図形C1が表示されるとともに、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が1を示している。さらに、図5(d)では、退出すべき分岐点を示す楕円形の図形Xと、この先は左折すべきことを示す左向きの3つの三角形からなる図形Dが表示されている。尚、図形Xは、他の図形と異なる表示色としてもよく、さらに、図形Dの表示色は、図形A、B、C、C1と同色の薄い表示色としてもよい。
第3実施形態の表示映像修飾部55は、図5(d)に示すように、表示する図形C1の左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。また、第3実施形態のステップS24では、このグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。
図5(b)及び(d)における図形A、B、C、C1のグラデーションにより、環道から退出すべき方向が左側であり、退出すべき分岐点に達したら左折により退出することを運転者に示している。その他の車両用表示装置1の動作、及び表示映像は、第1実施形態と同様である。
以上説明した第3実施形態によれば、曲率半径が小さく複数の分岐点が接近している環状交差点の環道を走行中においても、前景や道路状況の認識を阻害することなく、適切な経路誘導を行うことができる車両用表示装置を提供することができるという効果がある。
また第3実施形態によれば、自車両が環道から退出すべき分岐点までの分岐点の数と同数の図形を表示しているので、運転者に直感的に自車両の位置と退出すべき分岐点までの分岐点の数を認識させることができるという効果がある。
また第3実施形態によれば、表示する図形の左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っているので、運転者は直感的に左折により環道から退出すべきことを認識することができるという効果がある。
さらに第3実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、さらに退出を誘導する表示を行っているので、運転者は退出すべき分岐点を誤ることがなくなるという効果がある。
[第4実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の第4実施形態を詳細に説明する。第4実施形態は、第2実施形態における表示映像修飾と第3実施形態における表示映像修飾とを組み合わせた実施形態である。第4実施形態の車両用表示装置1の構成は、図1に示した第1実施形態の制御ブロック図とほぼ同様であるが、表示映像修飾部55による修飾内容が異なる。また、第4実施形態では、図2の制御フローチャートのステップS24における表示映像の修飾処理が加えられる。その他のステップは、第1実施形態の図2と同様である。
図6は、第4実施形態における表示例を示す図であり、(a)は退出すべき分岐点までの分岐点数が3の車両位置を示す図、(b)は、(a)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。(c)は退出すべき分岐点までの分岐点数が1の車両位置を示す図、(d)は、(c)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。
図6(a)、(c)において、三角印が自車両の位置を示し、破線の矢印は、自車両が進むべき進路である。この図6(a)の自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が3の状態では、図6(b)に示すように、3つの三角形の図形A、B、Cが表示され、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が3を示している。ここで、自車両に最も近い位置の前景に重なる三角形の図形Aが最も大きく表示され、次いで図形Bが中間の大きさに表示され、自車両に最も遠い位置の前景に重なる三角形の図形Cが最も小さく表示されるように、表示映像作成部53が表示映像を形成する。
第4実施形態の表示映像修飾部55は、自車両が退出すべきでない分岐点を通過する毎に、表示する図形を一つづつ減少させる場合、残りの図形を大きく表示するように表示映像の修飾を行う点に特徴がある。また、第4実施形態の表示映像修飾部55は、図6(b)に示すように、表示する図形A、B、Cの左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。また、第4実施形態のステップS24では、このグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。
自車両が環道を進み、図6(c)に示すように、自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が1の状態では、図6(d)に示すように、1つの三角形の図形C1が大きく表示されるとともに、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が1を示している。さらに、図6(d)では、退出すべき分岐点を示す楕円形の図形Xと、この先は左折すべきことを示す左向きの3つの三角形からなる図形Dが表示されている。尚、図形Xは、他の図形と異なる表示色としてもよく、さらに、図形Dの表示色は、図形A、B、C、C1と同色の薄い表示色としてもよい。
第4実施形態の表示映像修飾部55は、図6(b)に表示する三つ図形A、B、Cが、車両の進行に連れて、二つの図形B、Cとなり、さらに、図6(d)の図形C1となるとき、図形C1を図形Aよりも大きくなるように表示映像の修飾を行う点に特徴がある。また第4実施形態の表示映像修飾部55は、図6(b)、(d)に示すように、表示する図形A、B、C、C1の左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。また、第4実施形態のステップS24では、このグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。
図6(b)の図形A、B、C、C1のグラデーション、及び図6(d)における図形C1のグラデーションにより、環道から退出すべき方向が左側であり、退出すべき分岐点に達したら左折により退出することを運転者に示している。その他の車両用表示装置1の動作、及び表示映像は、第1実施形態と同様である。
以上説明した第4実施形態によれば、曲率半径が小さく複数の分岐点が接近している環状交差点の環道を走行中においても、前景や道路状況の認識を阻害することなく、適切な経路誘導を行うことができる車両用表示装置を提供することができるという効果がある。
また第4実施形態によれば、自車両が環道から退出すべき分岐点までの分岐点の数と同数の図形を表示しているので、運転者に直感的に自車両の位置と退出すべき分岐点までの分岐点の数を認識させることができるという効果がある。
また第4実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、環状交差点進入時より大きい図形により退出すべき分岐点であることを表示しているので、運転者は退出すべき分岐点を誤ることがなくなるという効果がある。
また第4実施形態によれば、表示する図形の左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っているので、運転者は直感的に左折により環道から退出すべきことを認識することができるという効果がある。
さらに第4実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、さらに退出を誘導する表示を行っているので、運転者は退出すべき分岐点をさらに誤ることがなくなるという効果がある。
[第5実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の第5実施形態を詳細に説明する。第5実施形態の車両用表示装置1の構成は、図1に示した第1実施形態の制御ブロック図とほぼ同様であるが、表示映像修飾部55による修飾内容が異なる。また図2のフローチャートにおけるステップS24の処理内容が異なる。その他のステップは、第1実施形態の図2と同様である。
図7は、第5実施形態における表示例を示す図であり、(a)は退出すべき分岐点までの分岐点数が3の車両位置を示す図、(b)は、(a)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。(c)は退出すべき分岐点までの分岐点数が1の車両位置を示す図、(d)は、(c)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。
図7(a)、(c)において、三角印が自車両の位置を示し、破線の矢印は、自車両が進むべき進路である。この図7(a)の自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が3の状態では、図7(b)に示すように、3つの三角形の図形A、B、Cが表示され、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が3を示している。ここで、自車両に最も近い位置の前景に重なる三角形の図形Aが最も大きく表示され、次いで図形Bが中間の大きさに表示され、自車両に最も遠い位置の前景に重なる三角形の図形Cが最も小さく表示されるように、表示映像作成部53が表示映像を形成する。
第5実施形態の表示映像修飾部55は、自車両が環状交差点に進入したとき、環状交差点から退出するまで表示する図形の数(本実施形態の場合は3)及び外形を変えない代わりに、通過した分岐点の数に相当する数の図形を中抜きの表示とする点に特徴がある。その他の車両用表示装置1の動作、及び表示映像は、第1実施形態と同様である。
第5実施形態では、図7(c)の位置に自車両が達した場合、図7(d)に示すように、それまでに通過した分岐点の数の相当する2つの三角形の図形A1とB1とを外枠だけ着色し、中は無色透明とする表示映像の修飾を行っている。図7(d)図形C1は、図7(b)の図形Cと同じ表示である。
以上説明した第5実施形態によれば、曲率半径が小さく複数の分岐点が接近している環状交差点の環道を走行中においても、前景や道路状況の認識を阻害することなく、適切な経路誘導を行うことができる車両用表示装置を提供することができるという効果がある。
また第5実施形態によれば、環道中の通過した分岐点の数に相当する図形を中抜きにして表示しているので、運転者に直感的に自車両の位置と退出すべき分岐点までの分岐点の数を認識させることができるという効果がある。
さらに第5実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、さらに退出を誘導する表示を行っているので、運転者は退出すべき分岐点を誤ることがなくなるという効果がある。
[第6実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の第6実施形態を詳細に説明する。第6実施形態は、第5実施形態の表示映像修飾に、さらに第3実施形態のグラデーションによる表示映像修飾を加えたものである。第6実施形態の車両用表示装置1の構成は、図1に示した第1実施形態の制御ブロック図とほぼ同様であるが、表示映像修飾部55による修飾内容が異なる。また図2のフローチャートにおけるステップS24の処理内容が異なる。その他のステップは、第1実施形態の図2と同様である。
図8は、第6実施形態における表示例を示す図であり、(a)は退出すべき分岐点までの分岐点数が3の車両位置を示す図、(b)は、(a)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。(c)は退出すべき分岐点までの分岐点数が1の車両位置を示す図、(d)は、(c)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。
図8(a)、(c)において、三角印が自車両の位置を示し、破線の矢印は、自車両が進むべき進路である。この図8(a)の自車両の位置における退出すべき分岐点までの分岐点数が3の状態では、図8(b)に示すように、3つの三角形の図形A、B、Cが表示され、環道から退出すべき分岐点までの分岐点数が3を示している。ここで、自車両に最も近い位置の前景に重なる三角形の図形Aが最も大きく表示され、次いで図形Bが中間の大きさに表示され、自車両に最も遠い位置の前景に重なる三角形の図形Cが最も小さく表示されるように、表示映像作成部53が表示映像を形成する。
第6実施形態の表示映像修飾部55は、自車両が環状交差点に進入したとき、環状交差点から退出するまで表示する図形の数(本実施形態の場合3)及び外形を変えない代わりに、通過した分岐点の数に相当する数の図形を中抜きの表示とする点に特徴がある。さらに、第6実施形態の表示映像修飾部55は、図8(b)に示すように、表示する図形A、B、Cの左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。同様に、図8(b)に示すように、表示する図形C1の左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。また、第6実施形態のステップS24では、このグラデーションによる表示映像の修飾を行っている。その他の車両用表示装置1の動作、及び表示映像は、第1実施形態と同様である。
第6実施形態では、図8(c)の位置に自車両が達した場合、図8(d)に示すように、それまでに通過した分岐点の数の相当する2つの三角形の図形A1とB1とを外枠だけ着色し、中は無色透明とする表示映像の修飾を行っている。図8(d)の図形C1は、図8(b)の図形Cと同じ表示である。
以上説明した第6実施形態によれば、曲率半径が小さく複数の分岐点が接近している環状交差点の環道を走行中においても、前景や道路状況の認識を阻害することなく、適切な経路誘導を行うことができる車両用表示装置を提供することができるという効果がある。
また第6実施形態によれば、環道中の通過した分岐点の数に相当する図形を中抜きにして表示しているので、運転者に直感的に自車両の位置と退出すべき分岐点までの分岐点の数を認識させることができるという効果がある。
また第6実施形態によれば、表示する図形の左端を色濃く表示し、右側へ行くに従って薄く表示するグラデーションによる表示映像の修飾を行っているので、運転者は直感的に左折により環道から退出すべきことを認識することができるという効果がある。
さらに第6実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、さらに退出を誘導する表示を行っているので、運転者は退出すべき分岐点を誤ることがなくなるという効果がある。
[第7実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の第7実施形態を詳細に説明する。第7実施形態の車両用表示装置1の構成は、図1に示した第1実施形態の制御ブロック図とほぼ同様であるが、表示映像修飾部55による修飾内容が異なる。また図2のフローチャートにおけるステップS24の処理内容が異なる。その他のステップは、第1実施形態の図2と同様である。
図9は、第7実施形態における表示例を示す図であり、(a)は退出すべき分岐点までの分岐点数が3の車両位置を示す図、(b)は、(a)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。(c)は退出すべき分岐点までの分岐点数が1の車両位置を示す図、(d)は、(c)の位置におけるヘッドアップディスプレイの表示例を示す図である。
第7実施形態の表示映像修飾部55は、自車両が環状交差点に進入したとき、環状交差点から退出するまで表示する図形の数(本実施形態の場合は3)を変えずに、通過した分岐点の数に相当する数の図形の形状を三角形から楕円形に変化させる点に特徴がある。その他の車両用表示装置1の動作、及び表示映像は、第1実施形態と同様である。
第7実施形態では、図9(c)の位置に自車両が達した場合、図9(d)に示すように、それまでに通過した分岐点の数の相当する2つの図形を楕円形の図形A1、B1に変更した表示映像の修飾を行っている。図9(d)の図形C1は、図9(b)の図形Cと同じ表示である。
以上説明した第7実施形態によれば、曲率半径が小さく複数の分岐点が接近している環状交差点の環道を走行中においても、前景や道路状況の認識を阻害することなく、適切な経路誘導を行うことができる車両用表示装置を提供することができるという効果がある。
また第7実施形態によれば、環道中の通過した分岐点の数に相当する図形の形状を変化させて表示しているので、運転者に直感的に自車両の位置と退出すべき分岐点までの分岐点の数を認識させることができるという効果がある。
さらに第7実施形態によれば、進行方向で最も近い分岐点が環道から退出すべき分岐点である場合に、さらに退出を誘導する表示を行っているので、運転者は退出すべき分岐点を誤ることがなくなるという効果がある。