JP6311455B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
ステアリング装置に付加される機能として、上下方向に関するステアリングホイールの位置を調整するチルト機能、2次衝突における衝撃を吸収する衝撃吸収機能、スイッチ類を取り付け可能なポスト機能、及び運転者の操舵をアシストするアシスト機能などが知られている。
電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置は、アシスト機能のために電動アシスト装置を有する。電動アシスト装置は、電動モータが発生する動力を利用して運転者の操舵をアシストする。
電動アシスト装置のアシスト方式として、コラムアシスト方式、ラックアシスト方式、及びピニオンアシスト方式などが知られている。コラムアシスト方式は、電動アシスト装置の少なくとも一部がステアリングコラムに支持され、ステアリングシャフトにアシスト力を付与する方式である。ラックアシスト方式は、ステアリングギアボックスのラックにアシスト力を付与する方式である。ピニオンアシスト方式は、ステアリングギアボックスのピニオンにアシスト力を付与する方式である。コラムアシスト方式の電動パワーステアリング装置の一例が特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に開示されている。
特開2000−211533号公報 特開2002−002502号公報 特開2012−046039号公報 特開2013−075659号公報
車両に対する低燃費化などの要望により、電動パワーステアリング装置についての小型化及び軽量化が要求されている。
本発明の態様は、チルト機能、衝撃吸収機能、ポスト機能、及びアシスト機能を維持しつつ、小型化及び軽量化を実現できる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の態様は、前端部に第1フランジ部を有する筒状のステアリングコラムと、少なくとも一部が前記ステアリングコラムの内側に配置され、後端部にステアリングホイールが接続されるステアリングシャフトと、アシスト力を発生する電動モータと、前記電動モータが発生した前記アシスト力を前記ステアリングシャフトに伝達する減速機と、少なくとも前記減速機が収容され、後端部に第2フランジ部を有し、前記第2フランジ部が固定部材により前記第1フランジ部と固定されるハウジングと、を有する電動アシスト装置と、少なくとも一部が車体と接続され、チルト軸を中心に前記ハウジングを回転可能に支持する支持機構と、前記支持機構よりも後方において少なくとも一部が前記車体と接続され、調整されたチルト位置に前記ステアリングコラムを固定可能な固定機構と、を有するチルト機構と、前記チルト機構の少なくとも一部と前記車体とを接続するように配置され、衝撃の作用により変形可能な衝撃吸収部材を含む衝撃吸収機構と、を備え、前記固定機構は、前記衝撃吸収部材を介して前記車体と接続される接続板部と、少なくとも一部が前記第2フランジ部の右側に配置される第1側板部と、少なくとも一部が前記第2フランジ部の左側に配置される第2側板部と、前記第1側板部と前記第2側板部とを結ぶブリッジ部と、を有し、前記第1側板部と前記第2側板部とで前記第2フランジ部を挟むことによって前記ステアリングコラムを前記チルト位置に固定し、前記ブリッジ部は、前記第2フランジ部よりも前方において前記第2フランジ部の少なくとも一部と対向するように配置される電動パワーステアリング装置を提供する。
本発明の態様によれば、電動モータ及び減速機を有する電動アシスト装置により、アシスト機能が得られる。運転者の操舵は、電動モータが発生する動力でアシストされる。
支持機構及び固定機構を有するチルト機構により、チルト機能が得られる。ステアリングコラムは、円滑にチルト可能であり、所期のチルト位置で固定される。
衝撃収集部材を含む衝撃吸収機構により、衝撃吸収機能が得られる。2次衝突における運転者の衝撃が緩和される。
ステアリングコラムと電動アシスト装置のハウジングとは、第1フランジ部と第2フランジ部とを介して固定部材により固定される。これにより、ステアリングコラムとハウジングとは、安定して固定される。また、固定部材による固定が解除されることにより、ステアリングコラムを容易に交換することができる。そのため、様々な構造のステアリングコラムをハウジングに接続することができ、高い汎用性が得られる。これにより、ポスト機能が得られる。
チルト機構の固定機構は、第1側板部と第2側板部とで第2フランジ部を挟むクランプ機構を含み、第1側板部と第2側板部とで第2フランジ部を挟むことによって、ステアリングコラムを所期のチルト位置に固定することができる。第2フランジ部は、第1側板部と第2側板部との間に配置されるので、電動パワーステアリング装置の小型化(全長の短小化)及び軽量化が図られる。
固定機構のブリッジ部は、第2フランジ部よりも前方において第2フランジ部の少なくとも一部と対向するように配置される。これにより、2次衝突が発生した場合、衝撃吸収部材の変形により、ブリッジ部と第2フランジ部とが接触する。2次衝突により、前方に第2フランジ部が移動することにより、ブリッジ部が第2フランジ部に押される。そのため、2次衝突において、固定機構の接続板部と車体との間の衝撃吸収部材は、十分に変形される。これにより、衝撃が十分に緩和される。
このように、本発明の態様によれば、チルト機能、衝撃吸収機能、ポスト機能、及びアシスト機能を維持しつつ、電動パワーステアリング装置の小型化及び軽量化を実現することができる。
本発明の態様において、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部は、上下方向に長く、前記固定部材は、前記第1フランジ部の上部と前記第2フランジ部の上部とを固定する第1固定部材と、前記第1フランジ部の下部と前記第2フランジ部の下部とを固定する第2固定部材と、を含み、前記ブリッジ部は、前記第2フランジ部の上部と対向することが望ましい。
これにより、電動パワーステアリング装置の小型化(全長の短小化)及び軽量化を図りつつ、第1フランジ部と第2フランジ部との接続の安定化を図ることができる。第1固定部材及び第2固定部材による固定を解除することにより、ステアリングコラムを容易に交換することができる。そのため、種々の構造のステアリングコラムをハウジングに接続することができ、十分なポスト機能が得られる。また、ブリッジ部は、第2フランジ部の上部と対向し、第2フランジ部の下部と対向しない。これにより、ブリッジ部を小型化することができる。また、上下方向に長い第1フランジ部及び第2フランジ部を第1側板部と第2側板部とで左右から挟むことによって、固定機構による固定は安定する。
本発明の態様において、前記接続板部及び前記衝撃吸収部材は、前記ブリッジ部に対して右側及び左側のそれぞれに配置され、左右方向に関して前記ブリッジ部の中央部と前記第2フランジ部の少なくとも一部とが対向し、右側の前記衝撃吸収部材と左側の前記衝撃吸収部材との中央部に前記ブリッジ部の中央部が配置されることが望ましい。
これにより、2次衝突が発生した場合、ブリッジ部の中央部が第2フランジ部で押されることとなる。右側の衝撃吸収部材と左側の衝撃吸収部材との中央部にブリッジ部の中央部が配置されることにより、右側の衝撃吸収部材の変形と左側の衝撃吸収部材の変形とのバランスが向上する。また、左右の接続板部及び衝撃吸収部材を同一構造にしても、2次衝突が発生したときの衝撃吸収機能は十分に発揮される。
本発明の態様において、前記ブリッジ部と前記第2フランジ部とは間隙を介して対向することが望ましい。
これにより、ステアリングコラムをチルトさせたときのブリッジ部と第2フランジ部との干渉を抑制することができる。
本発明の態様において、前記ハウジングは、前記第1側板部と前記第2側板部との間隔を規定するディスタンス部を有し、前記ハウジングと前記第2フランジ部と前記ディスタンス部とは一体成型されていることが望ましい。
これにより、部品点数が抑制され、小型化及び軽量化が実現される。また、部品の共通化が図られ、電動パワーステアリング装置の低コスト化も実現される。
本発明の態様によれば、小型化及び軽量化を実現できる電動パワーステアリング装置が提供される。
図1は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の一部を示す斜視図である。 図3は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の一部を示す側面図である。 図4は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の一部を示す正面図である。 図5は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の一部を示す側断面図である。 図6は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の一部を示す断面図である。 図7は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の動作の一例を説明するための図である。 図8は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置100の一例を示す模式図である。電動パワーステアリング装置100は、車両VEに配置される。本実施形態において、電動パワーステアリング装置100は、コラムアシスト方式で運転者の操舵をアシストする。
以下の説明においては、電動パワーステアリング装置100が車両VEの車体CBに接続され、車両VEが前進するときの進行方向を基準として各部の位置関係について説明する。上下方向とは、車両VEの上下方向をいう。左右方向とは、車両VEの左右方向をいい、車両VEの幅方向と一致する。前後方向とは、車両VEの前後方向をいう。車両VEの前方を適宜、前方、と称し、車両VEの後方を適宜、後方、と称する。また、部材の部分のうち、最も前方に配置される部分を適宜、前端部、と称し、最も後方に配置される部分を適宜、後端部、と称する。
図1に示すように、車両VEは、電動パワーステアリング装置100と、制御装置10と、駆動回路11と、車速センサ12と、電源装置13と、イグニッションスイッチ14と、を備えている。制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)を含み、電動パワーステアリング装置100を制御する。
電動パワーステアリング装置100は、ステアリングホイール21と、ステアリングホイール21に接続されるステアリングシャフト22と、ステアリングシャフト22の周囲に配置され、ステアリングシャフト22を回転可能に支持するステアリングコラム23と、ステアリングシャフト22の操舵トルクを検出するトルクセンサ24と、少なくとも一部がステアリングコラム23に支持され、運転者の操舵をアシストする電動アシスト装置25と、ユニバーサルジョイント26を介してステアリングシャフト22と接続された中間シャフト27と、ユニバーサルジョイント28を介して少なくとも一部が中間シャフト27と接続されたステアリングギア機構29と、ステアリングギア機構29と接続されたタイロッド30とを備えている。
ステアリングホイール21は、運転者(操作者)に操作される。ステアリングホイール21は、ステアリングシャフト22の後端部と接続される。運転者の操作により、ステアリングホイール21に操舵力が付与される。操舵力が付与されることにより、ステアリングホイール21は、中心軸AXを中心に回転する。操舵力とは、ステアリングホイール21を回転させるために必要な力をいう。本実施形態においては、電動アシスト装置25により、操舵力が軽減される。
ステアリングシャフト22は、入力シャフト22Aと、出力シャフト22Bと、入力シャフト22Aと出力シャフト22Bとの間に配置されるトーションバー22Cとを含む。入力シャフト22Aの後端部にステアリングホイール21が接続される。入力シャフト22Aの前端部は、トルクセンサ24を介して出力シャフト22Bの後端部と接続される。ステアリングホイール21に付与された操舵力により、ステアリングシャフト22は、中心軸AXを中心に回転する。ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21に付与された操舵力に基づいて、操舵トルクを発生する。
ステアリングコラム23は、筒状の部材である。ステアリングシャフト22の少なくとも一部が、ステアリングコラム23の内側に配置される。ステアリングコラム23は、ステアリングシャフト22を回転可能に支持する。電動アシスト装置25の少なくとも一部は、ステアリングコラム23に支持される。
トルクセンサ24は、ステアリングシャフト22の操舵トルクを検出する。運転者によりステアリングホイール21に操舵力が付与され、その操舵力によりステアリングホイール21が回転すると、ステアリングシャフト22が中心軸AXを中心に回転する。トルクセンサ24は、ステアリングホイール21に付与された操舵力に基づいて発生するステアリングシャフト22の操舵トルクを検出する。トルクセンサ24は、制御装置10と接続される。トルクセンサ24は、操舵トルクの検出値Tを制御装置10に出力する。
電動アシスト装置25の少なくとも一部は、車両VEの車室に配置される。電動アシスト装置25は、コラムアシスト方式で運転者の操舵をアシストする。電動アシスト装置25は、アシスト力を発生する電動モータ31と、電動モータ31が発生したアシスト力をステアリングシャフト22に伝達する減速機32とを有する。
電動モータ31は、操舵力をアシストするためのアシスト力を発生する。電動モータ31は、ブラシレスモータでもよいし、ブラシ及びコンミテータを有するモータでもよい。電動モータ31は、制御装置10に接続される。
減速機32は、出力シャフト22Bと接続される。電動モータ31が発生したアシスト力は、減速機32を介して出力シャフト22Bに伝達される。電動モータ31から減速機32を介して出力シャフト22Bにアシスト力が付与されることにより、出力シャフト22Bにおいてアシストトルクが発生する。
ステアリングギア機構29は、ラックアンドピニオン機構を含み、ピニオンシャフト(インプットシャフト)29Aと、ピニオン29Bと、ラック29Cとを有する。中間シャフト27の後端部は、ユニバーサルジョイント26を介してステアリングシャフト22の出力シャフト22Bと接続される。中間シャフト27の前端部は、ユニバーサルジョイント28を介してインプットシャフト29Aと接続される。ピニオン29Bは、ピニオンシャフト29Aと接続される。ラック29Cは、ピニオン29Bと噛み合う。ステアリングギア機構29において、中間シャフト27を介してステアリングシャフト22からピニオン29Bに伝達された回転運動は、ラック29Cにより直進運動に変換される。タイロッド30は、ラック29Cと接続される。
本実施形態において、中間シャフト27は、スプライン結合されるアッパーシャフト27Aとロアシャフト27Bとを含む。出力シャフト22Bは、ユニバーサルジョイント26を介してアッパーシャフト27Aと接続される。ピニオンシャフト29Aは、ユニバーサルジョイント28を介してロアシャフト27Bと接続される。中間シャフト27は、伸縮可能である。アッパーシャフト27A及びロア―シャフト27Bの中心軸と平行な方向にアッパーシャフト27Aとロアシャフト27Bとが相対移動することにより、中間シャフト27が伸縮する。
電源装置13は、車載バッテリ装置を含む。電源装置13は、制御装置10と接続される。イグニッションスイッチ14がオンの状態になると、電源装置13から制御装置10に電力が供給される。
車速センサ12は、車両VEの走行速度(車速)を検出する。車速センサ12は、制御装置10と接続される。車速センサ12は、走行速度の検出値Vを制御装置10に出力する。
駆動回路11は、電動モータ31を駆動する。駆動回路11は、電動モータ31を駆動するための電流を、電動モータ31に供給する。制御装置10は、制御信号Xを駆動回路11に出力する。駆動回路11は、制御装置10から供給された制御信号Xに基づいて、電動モータ31を駆動するための電流を電動モータ31に供給する。
制御装置10は、車速センサ12の検出値V及びトルクセンサ24の検出値Tを取得する。制御装置10は、車速センサ12の検出値Vとトルクセンサ24の検出値Tとに基づいて、駆動回路11に出力する制御信号Xを算出する。
車両VEの走行において、運転者の操作によりステアリングホイール21が回転すると、ステアリングシャフト22は回転軸AXを中心に回転する。ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21に付与された操舵力に基づいて操舵トルクを発生する。トルクセンサ24は、ステアリングシャフト22の操舵トルクを検出する。制御装置10は、車速センサ12の検出値V及びトルクセンサ24の検出値Tを取得する。
制御装置10は、車両VEの走行速度をパラメータとした操舵トルクとアシスト力指令値との関係を記憶した制御マップデータと、取得した検出値V及び検出値Tとに基づいて、アシスト力指令値を決定する。制御装置10は、決定したアシスト力指令値と電動モータ31に流れる電流とに基づいてフィードバック制御を実施して、モータ電流指令値を含む制御信号Xを算出する。制御装置10は、算出した制御信号Xを駆動回路11に出力する。駆動回路11は、制御信号Xに基づいて、電流を電動モータ31に供給する。これにより、電動モータ31は、アシスト力指令値に基づくアシスト力を発生する。電動モータ31が発生したアシスト力は、減速機32を介して、ステアリングシャフト22の出力シャフト22Bに付与される。出力シャフト22Bは、付与されたアシスト力に基づいて、アシストトルクを発生する。
すなわち、ステアリングシャフト22の出力シャフト22Bに対して、ステアリングホイール21の操舵力に基づく操舵トルクと、電動モータ31が発生するアシスト力に基づくアシストトルクとが付与される。出力シャフト22Bは、操舵トルクとアシストトルクとに基づく出力トルクを発生する。出力シャフト22Bの出力トルクは、ユニバーサルジョイント26を介して中間シャフト27に伝達される。中間シャフト27に伝達された出力トルクは、ユニバーサルジョイント28を介してピニオンシャフト29Aに伝達される。ピニオンシャフト29Aに伝達された出力トルクは、ステアリングギア機構29を介して、タイロッド30に伝達され、操舵輪を転舵させる。
図2は、本実施形態に係る電動ステアリング装置100の一部を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る電動ステアリング装置100の一部を示す側面図である。図4は、本実施形態に係る電動ステアリング装置100の一部を前方から見た正面図である。図5は、本実施形態に係る電動ステアリング装置100の一部を示す側断面図である。図6は、本実施形態に係る電動ステアリング装置100の一部を示す断面図であって、図3のA−A線矢視図に相当する。
電動パワーステアリング装置100は、ステアリングコラム23と、少なくとも一部がステアリングコラム23の内側に配置されるステアリングシャフト22と、電動アシスト装置25と、ステアリングコラム23をチルト可能なチルト機構33と、2次衝突における衝撃を吸収する衝撃吸収機構34とを備えている。
ステアリングコラム23は、筒状の部材である。ステアリングコラム23は、例えば鉄製である。本実施形態において、ステアリングコラム23は、前端部にフランジ部23Fを有する。ステアリングシャフト22の少なくとも一部は、ステアリングコラム23の内側に配置される。ステアリングシャフト22の後端部は、ステアリングコラム23の外側に配置される。ステアリングシャフト22の後端部にステアリングホイール21が接続される。図5に示すように、ステアリングシャフト22は、入力シャフト22Aと、出力シャフト22Bと、入力シャフト22Aと出力シャフト22Bとの間に配置されるトーションバー22Cとを有する。
ステアリングコラム23は、ステアリングシャフト22を回転可能に支持する軸受50を有する。ステアリングシャフト22は、中心軸AXを中心に回転可能である。ステアリングコラム23の軸受50は、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支持可能な転がり軸受を含む。ステアリングシャフト22は、中心軸AXを中心にステアリングコラム23に回転可能に支持される。中心軸AXと平行な方向に関して、ステアリングシャフト22とステアリングコラム23との相対位置の変化は抑制される。
電動アシスト装置25は、アシスト力を発生する電動モータ31と、電動モータ31が発生したアシスト力をステアリングシャフト22に伝達する減速機32と、少なくとも減速機32を収容するハウジング35とを有する。電動モータ31は、中心軸AXに対する放射方向に関して、減速機32よりも外側に配置される。
図5などに示すように、減速機32は、電動モータ31の出力軸と接続されるウォーム32Aと、ウォーム32Aと噛み合うウォームホイール32Bとを含む。ウォームホイール32Bと出力シャフト22Bとが接続される。
トルクセンサ24は、ウォームホイール32Bよりも後方において、ステアリングシャフト22の周囲の少なくとも一部に配置される。
ハウジング35は、高熱伝導性を有する材料で形成される。ハウジング35は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、及びマグネシウム合金の少なくとも一つにより形成される。ハウジング35は、例えばダイキャスト成型により製造される。
ハウジング35は、後端部にフランジ部35Fを有する。本実施形態において、ステアリングコラム23のフランジ部23Fとハウジング35のフランジ部35Fとが接続される。フランジ部23Fとフランジ部35Fとは、ボルト部材及びナット部材を含む固定部材36により固定される。
ハウジング35は、ステアリングシャフト22を回転可能に支持する軸受51を有する。ハウジング35の軸受51は、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支持可能な転がり軸受を含む。本実施形態において、ステアリングシャフト22は、中心軸AXを中心に、ステアリングコラム23及びハウジング35のそれぞれに回転可能に支持される。中心軸AXと平行な方向に関して、ステアリングシャフト22とハウジング35との相対位置の変化は抑制される。
本実施形態において、ハウジング35は、2つの部材を含む。本実施形態において、ハウジング35は、第1ハウジング351と、第2ハウジング352とを含む。第1ハウジング351は、第2ハウジング352の後方に配置される。フランジ部35Fは、第1ハウジング351に配置される。第1ハウジング351と第2ハウジング352とは、ボルト部材及びナット部材を含む固定部材46により固定される。
本実施形態においては、中心軸AXに対する放射方向に関して、固定部材46は、固定部材36よりも外側に配置される。中心軸AXに対する放射方向に関して、固定部材36の位置と固定部材46の位置とが異なり、上下方向に配置される固定部材46と固定部材46との間に、上下方向に配置される固定部材36(36A)及び固定部材36(36B)が配置されるので、固定部材36及び固定部材46のそれぞれを用いる固定作業の作業性は向上する。
なお、第1ハウジング351がステアリングコラム23の一部とみなされてもよい。例えば、ステアリングコラム23が第1ステアリングコラムとみなされ、第1ハウジング351が第2ステアリングコラムとみなされてもよい。その場合、第2ハウジング352が電動アシスト装置25のハウジングとみなされる。
なお、ハウジング35は、単一の部材で形成されてもよい。すなわち、第1ハウジング351と第2ハウジング352とが一体成型されてもよい。その場合、固定部材46は省略される。
チルト機構33は、チルト軸BXを中心にハウジング35を回転可能に支持し、ステアリングコラム23を所期のチルト位置に固定(位置決め)可能である。チルト機構33は、少なくとも一部が車体CBと接続され、チルト軸BXを中心にハウジング35を回転可能に支持する支持機構37と、支持機構37よりも後方において少なくとも一部が車体CBと接続され、調整されたチルト位置にステアリングコラム23を固定可能な固定機構38と、を有する。
チルト位置とは、上下方向に関するステアリングコラム23(ステアリングホイール21)の位置をいう。チルト軸BXは、左右方向と平行である。中心軸AXとチルト軸BXとは直交する。
支持機構37は、ハウジング35を支持するロアブラケット39を含む。ロアブラケット39は、少なくとも一部がハウジング35の右側に配置される側板部39Aと、少なくとも一部がハウジング35の左側に配置される側板部39Bと、ハウジング35の上方に配置され、側板部39Aと側板部39Bとを結ぶ上板部39Cと、を有する。チルト軸BXは、側板部39A及び側板部39Bに配置される。側板部39Aと側板部39Bとの間において、ハウジング35がチルト軸BXを中心に回転(チルト)する。ロアブラケット39の上板部39Cが車体CBと接続される。
固定機構38は、フランジ部35Fを支持するアッパーブラケット40を含む。アッパーブラケット40は、車体CBと接続される接続板部40Cと、少なくとも一部がフランジ部35Fの右側に配置される側板部40Aと、少なくとも一部がフランジ部35Fの左側に配置される側板部40Bと、側板部40Aと側板部40Bとを結ぶブリッジ部40Dと、を有する。固定機構38は、側板部40Aと側板部40Bとで少なくともフランジ部35Fを挟むことによって、調整されたチルト位置にステアリングコラム23を固定する。ステアリングシャフト22及びステアリングホイール21は、ステアリングコラム23と一緒にチルトする。ステアリングコラム23がチルト位置に固定されることにより、ステアリングシャフト22及びステアリングホイール21もチルト位置に固定される。
ブリッジ部40Dは、フランジ部35Fよりも前方に配置される。ブリッジ部40Dは、フランジ部35Fよりも前方において、フランジ部35Fの少なくとも一部と対向するように配置される。すなわち、中心軸AXに対する放射方向に関して、ブリッジ部40Dは、フランジ部35Fの外縁部よりも内側に配置される。
衝撃吸収機構34は、2次衝突における運転者の衝撃を緩和する。自動車と他の自動車のような物体との衝突は、1次衝突と呼ばれる。1次衝突の後に発生する、運転者とステアリングホイール21との衝突は、2次衝突と呼ばれる。衝撃吸収機構34は、2次衝突における衝撃を吸収して、運転者に対する衝撃を緩和する。
衝撃吸収機構34は、チルト機構33の少なくとも一部と車体CBとを接続するように配置され、衝撃の作用により変形可能な衝撃吸収部材41を含む。本実施形態において、衝撃吸収部材41は、チルト機構33の固定機構38の少なくとも一部と車体CBとを接続するように配置される衝撃吸収部材411と、チルト機構33の支持機構37の少なくとも一部と車体CBとを接続するように配置される衝撃吸収部材412と、を含む。
本実施形態においては、支持機構37のロアブラケット39の上板部39Cが衝撃吸収部材412を介して車体CBと接続される。固定機構38のアッパーブラケット40の接続板部40Cが衝撃吸収部材411を介して車体CBと接続される。
ロアブラケット39及びアッパーブラケット40のそれぞれは、鋼のような十分な強度及び剛性を有する金属製である。衝撃吸収部材412は、上板部39Cに形成された切欠部に配置される離脱カプセルと剪断ピンによって離脱カプセルに固定されたカプセル支持部とを含む。同様に、衝撃吸収部材411は、接続板部40Cに形成された切欠部に配置される離脱カプセルと剪断ピンによって離脱カプセルに固定されたカプセル支持部とを含む。離脱カプセル及び剪断ピンは、例えば合成樹脂製又はアルミニウム合金のような軟質金属製であり、ロアブラケット39及びアッパーブラケット40よりも軟らかく、破断し易い。
2次衝突よりに前方に向かう過大な力がステアリングコラム21に作用すると、離脱カプセルに対してカプセル支持部が前方に移動して、剪断ピンが破断し、カプセルが切欠部から抜ける。これにより、ステアリングコラム23が前方に移動する。その結果、ステアリングホイール21も前方に移動し、ステアリングホイール21に衝突した運転者に対する衝撃が緩和される。
本実施形態においては、図1に示した中間シャフト27が伸縮可能である。本実施形態において、衝撃吸収機構34は、衝撃吸収部材41及び伸縮可能な中間シャフト27を含む。2次衝突により前方に向かう過大な力がステアリングコラム23に作用すると、衝撃吸収部材411及び衝撃吸収部材412のそれぞれが破断し、ステアリングシャフト22、ステアリングコラム23、及びハウジング35が一体で前方に移動する。それらステアリングシャフト22、ステアリングコラム23、及びハウジング35の移動は、中間シャフト27で吸収される。本実施形態においては、車体CBに支持されているステアリングコラム23及びハウジング35が、2次衝突において一体的に車体CBから離脱する。2次衝突における衝撃は、中間シャフト27で吸収される。
なお、本実施形態においては、衝撃吸収部材41の少なくとも一部が破断変形することによって衝撃を吸収することとした。2次衝突において、衝撃吸収部材41が塑性変形することによって、衝撃が吸収されてもよい。
本実施形態において、衝撃吸収部材411及び衝撃吸収部材412のそれぞれは、中心軸AXに対して右側及び左側のそれぞれに配置される。すなわち、本実施形態において、衝撃吸収部材41は、4箇所に設けられる。換言すれば、チルト機構33は、4つの衝撃吸収部材41を介して車体CBに支持される。
中心軸AXと平行な方向に関して、ブリッジ部40Dの寸法は、側板部40Aの寸法及び側板部40Bの寸法よりも十分に小さい。ブリッジ部40Dは、棒状の部材である。本実施形態において、ブリッジ部40Dは、ハウジング35の上方に配置される。ブリッジ部40Dは、側板部40Aの上端部と側板部40Bの上端部とを結ぶように配置される。
ブリッジ部40Dが設けられているため、アッパーブラケット40のハンドリング、及びアッパーブラケット40の取付け作業性の向上などが図られる。
本実施形態において、固定機構38の接続板部40C及び衝撃吸収部材411は、ブリッジ部40Dに対して右側及び左側のそれぞれに配置される。左右方向に関して、ブリッジ部40Dの中央部と、フランジ部35Fの少なくとも一部とが対向する。右側の衝撃吸収部材411と左側の衝撃吸収部材411との中央部に、ブリッジ部40Dの中央部が配置される。換言すれば、左右方向に関して、ブリッジ部40Dの中央部と、右側の衝撃吸収部材411と左側の衝撃吸収部材411との中央部と、中心軸AXとが同一位置に配置されるように、ブリッジ部40D及び左右の衝撃吸収部材411の位置が定められている。
本実施形態において、中心軸AXと直交する面内におけるフランジ部23Fの外形とフランジ部35Fの外形とは、実質的に等しい。本実施形態において、フランジ部23F及びフランジ部35Fは、上下方向に長い。本実施形態において、固定部材36は、フランジ部23Fの上部とフランジ部35Fの上部とを固定する第1固定部材36Aと、フランジ部23Fの下部とフランジ部35Fの下部とを固定する第2固定部材36Bと、を含む。すなわち、本実施形態において、フランジ部23Fとフランジ部35Fとは、フランジ部23Fの上部及びフランジ部35Fの上部と、フランジ部23Fの下部及びフランジ部35Fの下部とにおいて固定部材36により固定されている。
なお、本実施形態において、フランジ部35Fは、前方を向くフランジ部35Fの前面から前方に突出する筒部35Tを有する。筒部35Tに、固定部材36のボルト部材の少なくとも一部が配置される。筒部35Tの前端部が、フランジ部35Fにおける最も前方の部位である。ブリッジ部40Dは、その筒部35Tの前端部よりも前方において、筒部35Tを含むフランジ部35Fの少なくとも一部と対向するように配置される。
また、上述したように、ブリッジ部40Dは、ハウジング35の上方に配置され、ハウジング35の下部には配置されない。ブリッジ部40Dは、フランジ部35Fの上部と対向するように配置され、フランジ部35Fの下部とは対向しない。
また、本実施形態において、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとは間隙Gを介して対向する。通常時(非衝突時)において、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとは、1mm以上2mm以下の間隙Gをあけて対向する。異常時(2次衝突時)において、フランジ部35Fは、ブリッジ部40Dと接触する。
図6などに示すように、固定機構38のアッパーブラケット40は、ハウジング35の少なくとも一部を囲むように配置される。アッパーブラケット40は、ハウジング35の上方に配置されたブリッジ部40Dと、ハウジング35を挟むように配置された2つの側板部40A及び側板部40Bとを有する。
ハウジング35は、側板部40A及び側板部40Bと接触するように設けられた上部接触部47と、上部接触部47の下方に設けられたディスタンス部48とを備えている。ディスタンス部48は、側板部40A及び側板部40Bと接触するように設けられた下部接触部49を有する。ディスタンス部48は、側板部40Aと側板部40Bとの間隔を規定する。
本実施形態において、ハウジング35とフランジ部35Fとディスタンス部48とは一体成型されている。
アッパーブラケット40の側板部40Aと側板部40Bは、チルト可動範囲を規定する長孔52を有する。長孔52は、上下方向に長い。
固定機構38は、アッパーブラケット40に対するステアリングコラム23及びハウジング35の固定(クランプ)及び固定解除(アンクランプ)を実行可能である。固定機構38は、2つの側板部40Aと側板部40Bで少なくともフランジ部35Fを外側から挟み付けて、アッパーブラケット40に対してステアリングコラム23及びハウジング35を固定する。
固定機構38は、2つの側板部40Aと側板部40Bと、ディスタンス部48の孔53及び長孔52に配置されるチルトボルト(ロッド)54と、側板部40Bの外側に配置された固定カム42A及び可動カム42Bを含むカムロック機構42と、操作レバー43と、側板部40Aの外側に配置されたスラストベアリング44及びカシメナット45とを含む。固定カム42A、可動カム42B、操作レバー43、スラストベアリング44、及びカシメナット45は、チルトボルト54の周囲に配置される。
操作レバー43が操作されることにより、ハウジング35のフランジ部35Fが締め付けられるようにアッパーブラケット40の側板部40A及び側板部40Bが変形する。操作レバー43が操作されることにより、アッパーブラケット40に対するハウジング35及びステアリングコラム23の固定(クランプ)及び固定解除(アンクランプ)が行われる。アンクランプ状態において、ステアリングコラム23は、長孔52によって規定されるチルト可動範囲を移動可能である。チルトボルト54は、ストッパ部材として機能する。チルトボルト54は、長孔52の内側で長孔52にガイドされながら移動する。チルトボルト54及び長孔52によってチルト可動範囲が規制される。チルトボルト54が長孔52にガイドされながらステアリングコラム23が上下方向に移動することにより、ステアリングホイール21のチルト位置が調整される。アンクランプ状態でステアリングコラム23(ステアリングホイール21)の位置が調整された後、操作レバー43の操作によりハウジング35のフランジ部35Fがクランプ状態になることにより、ステアリングコラム23及びステアリングホイール21の位置が固定される。
図5に示すように、本実施形態において、ステアリングシャフト22は、ロックキーが配置されるロック孔55を有する。ステアリングコラム23も、ロックキーが配置されるロック孔を有する。ステアリングコラム23のロック孔と、ステアリングシャフト22のロック孔55とは一致するように配置される。ロックキーは、ステアリングコラム23のロック孔とステアリングシャフト22のロック孔55との両方に配置されるように挿入される。ロックキーがロック孔の周縁部と接触することによって、ステアリングシャフト22の回転が規制される。ロックキー及びロック孔により、ステアリングホイール21の操作を規制するロック機構が設けられる。
次に、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置100の動作について説明する。まず、通常時(非衝突時)におけるチルト位置の調整作業について説明する。
通常時において、ステアリングコラム23のチルト位置を調整する場合、操作レバー43が操作され、ハウジング35及びステアリングコラム23がアンクランプ状態となる。運転者は、アンクランプ状態で、ステアリングコラム23及びステアリングホイール21のチルト位置を調整する。チルト位置が調整された状態で、操作レバー43が操作され、ハウジング35及びステアリングコラム23がクランプ状態となることにより、調整されたチルト位置にハウジング35及びステアリングコラム23が固定される。本実施形態においては、通常時において、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとの間に間隙Gが設けられている。本実施形態においては、通常時におけるチルト位置の調整作業において、ハウジング35及びステアリングコラム23をチルトさせても、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとが接触しないように、間隙Gの寸法が定められている。これにより、チルト位置の調整作業において、アッパーブラケット40のブリッジ部40Dとフランジ部35Fとが接触することが抑制され、チルト位置の調整を円滑に行うことができる。
次に、異常時(2次衝突時)について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、2次衝突が発生したときの電動パワーステアリング装置100の動作の一例を説明するための模式図である。図8は、2次衝突が発生したときの電動パワーステアリング装置100の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
2次衝突が発生すると、その2次衝突よりに前方に向かう過大な力がステアリングコラム23を介してステアリングシャフト22に作用する。すなわち、前方に向かう衝撃荷重がステアリングシャフト22に作用する(ステップS1)。
その衝撃荷重がアッパーブラケット40に伝達される(ステップS2)。これにより、衝撃吸収部材411の破断が開始される。
衝撃吸収部材411の破断に伴って、図7の矢印Yで示すように、アッパーブラケット40の上端部が後方に移動するように回転を開始する(ステップS3)。換言すれば、衝撃吸収部材411が僅かに破断すると、アッパーブラケット40は、ステアリングホイール21側(ステアリングシャフト22の後端部側)に倒れる挙動を示す。
通常時において、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとは対向するように配置されている。また、通常時においてブリッジ部40Dとフランジ部35Fとの間に形成されている間隙Gの寸法は小さい。本実施形態において、通常時における間隙Gの寸法は、1mm以上2mm以下である。したがって、異常時において、衝撃吸収部材411の破断の開始に伴って、矢印Yで示すようにアッパーブラケット40が回転を開始したとき、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとは直ちに接触する(ステップS4)。
ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとが接触した状態で、前方に向かう衝撃荷重がステアリングシャフト22に作用することにより、ステアリングシャフト22と一緒に、ステアリングコラム23及びハウジング35が前方に移動する。これにより、ブリッジ部40Dは、フランジ部35Fによって前方に押される。
すなわち、本実施形態においては、矢印Y方向へのアッパーブラケット40の回転が最小限に抑制された状態で、フランジ部35Fがブリッジ部40Dを前方に押すこととなる。つまり、アッパーブラケット40は、通常時における姿勢が維持された状態で、前方に移動されることとなる。これにより、衝撃吸収部材411は、安定して破断する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ステアリングコラム23と電動アシスト装置25のハウジング35とは、フランジ部23Fとフランジ部35Fとを介して固定部材36により固定される。これにより、ステアリングコラム23とハウジング35とは、安定して固定される。また、固定部材36による固定が解除されることにより、ステアリングコラム23を容易に交換することができる。そのため、様々な構造のステアリングコラム23をハウジング35に接続することができ、高い汎用性が得られる。例えば、図5を参照した例では、ステアリングコラム23は、ロック機構のロック孔を有することとした。ステアリングコラム23に、ロック機構のみならず、ウインカー及びライトなどの操作を行うコンビネーションスイッチが設けられてもよい。ステアリングコラム23が容易に交換可能なので、ステアリングコラム23を交換するだけで、サイズ及び使用が異なる電装部品を電動パワーステアリング装置100に簡単に組み込むことができる。このように、ステアリングコラム23を交換するだけで、十分なポスト機能が得られ、電装部品を電動パワーステアリング装置100に様々な機能を持たせることができる。
また、本実施形態によれば、チルト機構33の固定機構38は、側板部40Aと側板部40Bとでフランジ部35Fを挟むクランプ機構を含み、側板部40Aと側板部40Bとでフランジ部35Fを挟むことによって、ステアリングコラム23を所期のチルト位置に固定することができる。フランジ部35Fは、側板部40Aと側板部40Bとの間に配置されるので、電動パワーステアリング装置100の小型化(全長の短小化)及び軽量化が図られる。
固定機構38のブリッジ部40Dは、フランジ部35Fよりも前方においてフランジ部35Fの少なくとも一部と対向するように配置される。これにより、図7を参照して説明したように、2次衝突が発生した場合、アッパーブラケット40の姿勢の変化を抑制した状態で、フランジ部35Fでアッパーブラケット40のブリッジ部40Dを押すことができる。そのため、2次衝突において、固定機構38の接続板部40Cと車体CBとの間の衝撃吸収部材411は、安定して変形可能(破断可能)であり、車体CBから安定して離脱することができる。
また、本実施形態によれば、電動パワーステアリング装置100は、上述のポスト機能のみならず、チルト機構33によるチルト機能、衝撃吸収機構34による衝撃吸収機能、及び電動アシスト装置25によるアシスト機能を併せ持つ。したがって、本実施形態によれば、チルト機能、衝撃吸収機能、ポスト機能、及びアシスト機能を維持しつつ、電動パワーステアリング装置100の小型化及び軽量化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、フランジ部23F及びフランジ部35Fは、上下方向に長く、固定部材36は、フランジ部23Fの上部とフランジ部35Fの上部とを固定する第1固定部材36Aと、フランジ部23Fの下部とフランジ部35Fの下部とを固定する第2固定部材36Bと、を含む。ブリッジ部40Dは、ハウジング35の上方のみに配置され、下方には配置されない。ブリッジ部40Dは、フランジ部35Fの上部と対向するように配置される。
これにより、電動パワーステアリング装置100の小型化(全長の短小化)及び軽量化を図りつつ、フランジ部23Fとフランジ部35Fとの接続の安定化を図ることができる。上下方向に長いフランジ部23F及びフランジ部35Fを側板部40Aと側板部40Bとで左右から挟むことによって、固定機構38による固定は安定する。第1固定部材36A及び第2固定部材36Bによる固定を解除することにより、ステアリングコラム23を容易に交換することができる。そのため、種々の構造のステアリングコラム23をハウジング35に接続することができ、高いポスト機能が得られる。また、ブリッジ部40Dは、フランジ部35Fの上部と対向し、フランジ部35Fの下部と対向しない。これにより、ブリッジ部40Dの小型化、及びアッパーブラケット40の小型化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、接続板部40C及び衝撃吸収部材411は、ブリッジ部40Dに対して右側及び左側のそれぞれに配置され、左右方向に関してブリッジ部40Dの中央部とフランジ部35Fの少なくとも一部とが対向し、右側の衝撃吸収部材411と左側の衝撃吸収部材411との中央部にブリッジ部40Dの中央部が配置される。
これにより、2次衝突が発生した場合、ブリッジ部40Dの中央部がフランジ部35Fで押されることとなる。右側の衝撃吸収部材411と左側の衝撃吸収部材411との中央部にブリッジ部40Dの中央部が配置されることにより、右側の衝撃吸収部材411の変形(破断)と左側の衝撃吸収部材411の変形(破断)とのバランスが向上する。また、左右の接続板部40C及び衝撃吸収部材411を同一構造にしても、2次衝突が発生したときの衝撃吸収機能は十分に発揮される。
また、本実施形態によれば、通常時において、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとは間隙Gを介して対向する。
これにより、通常時において、ステアリングコラム23のチルト位置を調整するチルト位置調整作業において、ブリッジ部40Dとフランジ部35Fとの干渉が抑制される。したがって、チルト位置調整作業を円滑に実施することができる。
また、本実施形態によれば、ハウジング35は、側板部40Aと側板部40Bとの間隔を規定するディスタンス部48を有し、ハウジング35(第1ハウジング351)とフランジ部35Fとディスタンス部48とは一体成型されている。
これにより、部品点数が抑制され、電動パワーステアリング装置100の小型化及び軽量化が実現される。また、部品の共通化が図られ、電動パワーステアリング装置100の低コスト化も実現される。
なお、本実施形態においては、ステアリングシャフト22及びステアリングコラム23は伸縮しない。本実施形態においては、2次衝突においても、ステアリングシャフト22及びステアリングコラム23は縮まず、2次衝突の衝撃は、中間シャフト27の伸縮により吸収される。ステアリングコラム23等が伸縮しないので、電動パワーステアリング装置100の全長を短くしても、衝撃吸収機能を発揮させることができる。
なお、ステアリングシャフト22及びステアリングコラム23が伸縮可能でもよい。ステアリングシャフト22が、ステアリングホイール21が接続されるアッパーシャフトと、アッパーシャフトとスプライン結合されるロアシャフトとを有してもよい。ステアリングコラム23が、アッパーコラムと、アッパーコラムとスプライン結合されるロアコラムとを有してもよい。クランプ機構を含む固定機構によって、アッパーシャフトとロアシャフトとをクランプ状態にし、アッパーコラムとロアコラムとをクランプ状態にすることによって、軸方向に関するアッパーシャフトとロアシャフトとの相対位置が固定され、アッパーコラムとロアコラムとの相対位置が固定される。アッパーシャフトとロアシャフトとをアンクランプ状態にし、アッパーコラムとロアコラムとをアンクランプ状態にすることによって、軸方向に関するアッパーシャフトとロアシャフトとの相対位置が変更され、アッパーコラムとロアコラムとの相対位置が変更される。軸方向に関するアッパーシャフトとロアシャフトとの相対位置が変更されることによって、ステアリングシャフト22が伸縮する。アッパーコラムとロアコラムとの相対位置が変更されることによって、ステアリンコラム23が伸縮する。これにより、前後方向に関するステアリングホイール21の位置を調整することができる。また、2次衝突において、ステアリングシャフト22及びステアリンコラム23が縮むことにより、2次衝突における衝撃が吸収される。
10 制御装置
11 駆動回路
12 車速センサ
13 電源装置
14 イグニッションスイッチ
21 ステアリングホイール
22 ステアリングシャフト
22A 入力シャフト
22B 出力シャフト
22C トーションバー
23 ステアリングコラム
23F フランジ部
24 トルクセンサ
25 電動アシスト装置
26 ユニバーサルジョイント
27 中間シャフト
27A アッパーシャフト
27B ロアシャフト
28 ユニバーサルジョイント
29 ステアリングギア機構
29A ピニオンシャフト(インプットシャフト)
29B ピニオン
29C ラック
30 タイロッド
31 電動モータ
32 減速機
33 チルト機構
34 衝撃吸収機構
35 ハウジング
35F フランジ部
35T 筒部
36 固定部材
36A 第1固定部材
36B 第2固定部材
37 支持機構
38 固定機構
39 ロアブラケット
40 アッパーブラケット
40A 側板部
40B 側板部
40C 接続板部
40D ブリッジ部
41 衝撃吸収部材
42 カムロック機構
42A 固定カム
42B 可動カム
43 操作レバー
44 スラストベアリング
45 カシメナット
46 固定部材
47 上部接触部
48 ディスタンス部
49 下部接触部
50 軸受
51 軸受
52 長孔
53 孔
54 チルトボルト(ロッド)
55 ロック孔
100 電動パワーステアリング装置
351 第1ハウジング
352 第2ハウジング
411 衝撃吸収部材
412 衝撃吸収部材
AX 中心軸
BX チルト軸
CB 車体
G 間隙
T 検出値
V 検出値
VE 車両
X 制御信号

Claims (5)

  1. 前端部に第1フランジ部を有する筒状のステアリングコラムと、
    少なくとも一部が前記ステアリングコラムの内側に配置され、後端部にステアリングホイールが接続されるステアリングシャフトと、
    アシスト力を発生する電動モータと、前記電動モータが発生した前記アシスト力を前記ステアリングシャフトに伝達する減速機と、少なくとも前記減速機が収容され、後端部に第2フランジ部を有し、前記第2フランジ部が固定部材により前記第1フランジ部と固定されるハウジングと、を有する電動アシスト装置と、
    少なくとも一部が車体と接続され、チルト軸を中心に前記ハウジングを回転可能に支持する支持機構と、前記支持機構よりも後方において少なくとも一部が前記車体と接続され、調整されたチルト位置に前記ステアリングコラムを固定可能な固定機構と、を有するチルト機構と、
    前記チルト機構の少なくとも一部と前記車体とを接続するように配置され、衝撃の作用により変形可能な衝撃吸収部材を含む衝撃吸収機構と、
    を備え、
    前記固定機構は、前記衝撃吸収部材を介して前記車体と接続される接続板部と、少なくとも一部が前記第2フランジ部の右側に配置される第1側板部と、少なくとも一部が前記第2フランジ部の左側に配置される第2側板部と、前記第1側板部と前記第2側板部とを結ぶブリッジ部と、を有し、前記第1側板部と前記第2側板部とで前記第2フランジ部を挟むことによって前記ステアリングコラムを前記チルト位置に固定し、
    前記ブリッジ部は、前記第2フランジ部よりも前方において前記第2フランジ部の少なくとも一部と対向するように配置される電動パワーステアリング装置。
  2. 前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部は、上下方向に長く、
    前記固定部材は、前記第1フランジ部の上部と前記第2フランジ部の上部とを固定する第1固定部材と、前記第1フランジ部の下部と前記第2フランジ部の下部とを固定する第2固定部材と、を含み、
    前記ブリッジ部は、前記第2フランジ部の上部と対向する請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記接続板部及び前記衝撃吸収部材は、前記ブリッジ部に対して右側及び左側のそれぞれに配置され、
    左右方向に関して前記ブリッジ部の中央部と前記第2フランジ部の少なくとも一部とが対向し、
    右側の前記衝撃吸収部材と左側の前記衝撃吸収部材との中央部に前記ブリッジ部の中央部が配置される請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記ブリッジ部と前記第2フランジ部とは間隙を介して対向する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ハウジングは、前記第1側板部と前記第2側板部との間隔を規定するディスタンス部を有し、
    前記ハウジングと前記第2フランジ部と前記ディスタンス部とは一体成型されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
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