JP6310247B2 - 結晶化ガラス - Google Patents

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Description

本発明は、結晶化ガラス、その製造方法及びその利用に関する。
光触媒は、光を吸収してエネルギーの高い状態になり、このエネルギーを用いて反応物質に化学反応を起こす材料である。光触媒としては、金属イオンや金属錯体等も用いられているが、特に二酸化チタン(TiO)をはじめとする半導体の無機化合物が光触媒として高い触媒活性を有することが知られており、特によく使用されている。半導体は、通常電気を通さないが、バンドギャップエネルギー以上のエネルギーの光が照射されると、電子が伝導帯に移動することで電子の抜けた正孔が生成され、これら電子と正孔によって強い酸化還元力を持つようになる。光触媒の持つこの酸化還元力は、汚れや汚染物質、悪臭成分等を分解・除去し、浄化する働きを有する。これらの光触媒は、太陽光等を利用して酸化還元力を得られることから、エネルギーフリーな環境浄化技術として注目を浴びている。また、無機チタン化合物を含む成形体の表面は、光の照射によって水が濡れ易くなる親水性を呈するため、雨等の水滴で洗浄される、いわゆるセルフクリーニング作用を有することが知られている。
一方、酸化チタン(TiO)等の光触媒活性を有する無機化合物は、非常に微細な粉末であり、そのままでは取り扱いが困難である。そのため、実際に使用されるときには、塗料にして基材の表面にコーティングしたり、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ等の手法で膜状に形成したりして利用する場合が殆どである。例えば、特開2008−81712号公報には、基材の表面に無機チタン化合物層を形成するために用いられる塗布剤として、合成樹脂を分散相とする水性エマルジョンに高濃度の無機チタン化合物が含まれた光触媒性塗布剤が開示されている。また、特開2007−230812号公報には、ガスフロースパッタリングにより、TiOのターゲットを用いて成膜された光触媒酸化チタン薄膜が開示されている。その他、コーティングや膜の形をとらずに、無機チタン化合物を基材中に含ませる技術としては、例えば、特開平9−315837号公報に、SiO、Al、CaO、MgO、B、ZrO、及びTiOの各成分を所定量含有する光触媒用ガラスが開示されている。
しかしながら、基材の表面に無機チタン化合物を塗布し又はコーティングする場合には、塗布膜やコーティング層の耐久性が十分ではなく、塗布膜やコーティング層が基材から剥離するおそれがあった。例えば、特開2008−81712で開示される光触媒性塗布剤を用いて塗布膜を形成する場合、塗布膜に残留している樹脂や有機バインダーが、紫外線等によって分解されたり、無機チタン化合物の触媒作用で酸化還元されたりする結果、塗布膜の耐久性が経時的に劣化し易い問題点があった。また、上記の無機チタン化合物触媒は、十分な光触媒活性を引き出すためにはナノサイズの微粒子が必要であるが、このような超微粒子は、作製するコストが高く、且つ凝集し易いという問題点があった。
また、特開2007−230812で開示された、いわゆるドライプロセス法と呼ばれる成膜法を利用した光触媒部材も、膜として形成されるものであるため、剥離によって光触媒活性が劣化してしまう憂いがあるだけでなく、高価な装置による緻密な雰囲気の制御が必要になることで、製造コストが非常に高くなってしまう問題があった。
また、特開平9−315837で開示される光触媒用ガラスは、酸化チタンが結晶構造を有しておらず、アモルファスの形でガラス中に存在するため、その光触媒活性が不充分であった。
一方、これらの課題、すなわち光触媒活性を有する結晶の生成とその固定化を一括で解決する技術として、ガラスの中から光触媒結晶を析出させる技術がある。ガラス全体に光触媒結晶を分散させた結晶化ガラスは、表面の亀裂や剥離等の経時変化が殆どなく、半永久的に結晶の特性を利用できる利点がある。
例えば、特開2008−120655号公報及び特開2009−57266号公報は、光触媒材料として、TiO−Bi−B−Al−RO(R:アルカリ土類金属)系ガラスを熱処理してチタン酸化物の結晶を得る結晶化ガラスを開示している。また、特開2010−163318号公報には、ZnOの結晶を析出させた、ZnOを30〜50モル%、Bを9〜35モル%、Alを5〜15モル%、SiOを5〜27%、LiO、NaO、KO、RbO及びCsOからなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属の酸化物を5〜12モル%、並びに、MgO、CaO、SrO及びBaOからなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ土類金属の酸化物を4〜12モル%含有し、各金属酸化物の総量に対するBとSiOとの合計量が30モル%以上である光触媒活性を有する結晶化ガラスが開示されている。
特開2008−81712号公報 特開2007−230812号公報 特開平9−315837号公報 特開2008−120655号公報 特開2009−57266号公報 特開2010−163318号公報
しかし、これらの結晶化ガラスでは、TiO結晶又はZnO結晶が析出しているが、TiO結晶又はZnO結晶の析出量が少ないため、高い光触媒活性を示すことが期待できないおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、優れた光触媒活性を有するとともに、耐久性にも優れた光触媒機能性素材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、上述の組成と全く異なった、Nb成分を含有したガラス組成で結晶化ガラスを作製することにより、優れた光触媒機能を有する素材及び製品を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の(1)〜(9)に存する。
(1)酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb成分を10〜60%、ZnO成分及びRO成分からなる群より選択される1種以上の成分を1〜60%含有する、光触媒活性を有する結晶化ガラス(RはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上とする)。
(2)酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb成分、ZnO成分及びRO成分からなる群より選択される1種以上の成分を合計で20%以上含有する、(1)に記載の結晶化ガラス(RはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上とする)。
(3)酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、P成分を0.1〜60%含有する、(1)又は(2)に記載の結晶化ガラス。
(4)酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、TiO成分を0〜50%含有し、RO成分、TiO及びNb成分からなる群より選択される1種以上の成分を合計で20%以上含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(5)酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、SiO成分、B及びAlからなる群より選択される1種以上の成分を合計で0〜20%含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(6)酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、RnO成分を0〜30%含有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の結晶化ガラス(RnはLi、Na、K、Rb、Csから選ばれる1種以上とする)。
(7)紫外領域から可視領域までのいずれかの波長の光、又はそれらが複合した波長の光によって、触媒活性が発現される、(1)〜(6)のいずれかに記載の結晶化ガラス。
(8)1mW/cmの紫外線を30分以上照射した表面と水滴との接触角が20°以下である、(1)〜(7)のいずれか記載の結晶化ガラス。
(9)日本工業規格JIS R 1703−2:2007に基づくメチレンブルーの分解活性指数が5.0nmol/l/min以上である、(1)〜(8)のいずれか記載の結晶化ガラス。
本発明の結晶化ガラスは、その内部及び表面に光触媒活性を持つ結晶が均質に存在しているため、優れた光触媒活性を有する。また、仮に表面が削られても性能の低下が少なく、極めて耐久性に優れたものである。更に、本発明の結晶化ガラスは、大きさや形状等を加工する場合の自由度が高く、光触媒機能が要求される様々な物品に利用できる。従って、本発明の結晶化ガラスは、光触媒機能性素材として有用である。
また、本発明によれば、原料の配合組成と熱処理温度の制御によってガラス中に光触媒活性を備えた結晶を生成させることができるため、特殊な設備を用いることなく、優れた光触媒活性を備え、光触媒機能性素材として有用な結晶化ガラスを工業的規模で容易に製造することができる。
実施例1と2の結晶化ガラスの親水性試験の結果を示すグラフである。 実施例9の結晶化ガラスの紫外線照射前後におけるアセトアルデヒド分解特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[結晶化ガラス]
本発明の結晶化ガラスは、光触媒活性を有する結晶を含有する。結晶化ガラスは、ガラスを熱処理することによりガラス相中に結晶相を析出させて得られる材料であり、ガラスセラミックスとも呼ばれる。結晶化ガラスは、ガラス相及び結晶相からなる材料のみならず、ガラス相が全て結晶相に変化した材料、すなわち、材料中の結晶量(結晶化度)が100質量%のものも含んでよい。一般的に、ガラスの粉体を添加するエンジニアリングセラミックスやセラミックス焼結体についても「ガラスセラミックス」と表現することがあるが、それらはポアフリーの完全焼結体を形成することが難しい。従って、本発明の結晶化ガラスは、このようなポア(例えば、気孔)の存在の有無により、それらのガラスセラミックスと区別され得る。他方で、本発明の結晶化ガラスは、ガラスの組成及び結晶化工程を制御することで、結晶の粒径、析出結晶の種類、結晶化度をコントロールできる。
本発明の結晶化ガラスに含まれる光触媒活性を有する結晶相としては、Nb結晶、TiO結晶及びこれらの固溶体からなる群より選択される1種以上の結晶、ナシコン型結晶、並びに/又は金属イオン(NbイオンやTiイオン)を含む結晶であることが好ましい。TiOを含有する場合、アナターゼ(Anatase)型又はルチル型のTiOからなる結晶が含まれていることがさらに好ましい。これらの結晶を共存させることにより、それぞれの結晶特有の光触媒活性を結晶化ガラスに付与することができる。
以下、ナシコン型結晶について、具体的に記載する。ナシコン型結晶は、一般式A(XOで表すことができる。この一般式A(XOで表される化合物は、安定的にナシコン型構造をとるため、高い光触媒活性が得られる。ここで、元素Aは、例えばLi、Na、K、Cu、Ag、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。元素Aのイオンが結晶内の3次元トンネルを形成するサイトに存在することで、これらのイオンが結晶内部で容易に移動し、光の照射により生じた電子とホールとの再結合の確率が低減され、ナシコン型結晶の光触媒活性が向上する。元素Aは、原料として例えばLiCO、LiNO、LiF、NaO、NaCO、NaNO、NaF、NaS、NaSiF、KCO、KNO、KF、KHF、KSiF、CuO,CuO、CuCl、AgO、AgCl、MgCO、MgF、CaCO、CaF、Sr(NO、SrF、BaCO、Ba(NO、BaF等を用いてガラスセラミックス中に導入することができる。
また、元素Mは、例えばZn、Al、Fe、Ti、Sn、Zr、Ge、Hf、V、Nb及びTaからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。これらは、安定なナシコン型の結晶構造を形成するために必要な成分であり、且つ、伝導帯の形成に関与して2.5〜4eVの範囲内のバンドギャップを形成する成分である。そのため、上記のいずれかの元素を含有することで、紫外光だけでなく、可視光応答性の光触媒活性を得ることが可能である。また、光触媒活性を向上させる観点から、元素MとしてTi、Zr、Nb、Fe等を含むことがより好ましい。元素Mは、原料として例えばZnO、ZnF、Al、Al(OH)、AlF、FeO、Fe、TiO、SnO、SnO、SnO、ZrO、ZrF、GeO、Hf、Nb、Ta等を用いてガラスセラミックス中に導入することができる。
また、元素Xは、例えばSi、P、S、Mo及びWから選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。これらの元素は、安定なナシコン型結晶構造を形成するために必要な成分であり、且つ、ナシコン型結晶のバンドギャップの大きさを調整する作用を有する。元素Xとしては、ナシコン型結晶の形成を容易にする観点から、Si、P、S、W等を含むことがより好ましく、Pを含むことが最も好ましい。元素Xは、SiO、KSiF、NaSiF、Al(PO、Ca(PO、Ba(PO、Na(PO)、BPO、HPO、NaS、Fe、CaS、WO、MoO等を用いてガラスセラミックス中に導入することができる。
一般式A(XOにおけるmは、M又はXの種類に応じて選択されるが、0以上3以下の範囲内の数である。mがこの範囲にあることで、ナシコン型結晶構造が保たれ、熱的及び化学的な安定性が高くなる。また、環境の変化による光触媒活性の劣化が少なくなり、加熱による光触媒活性の低下も起こり難くなる。なお、mが3を超えると、ナシコン型構造が維持できず、光触媒活性が低下するおそれがある。
ナシコン型結晶としては、例えばRnTi(PO、R0.5Ti(PO、RnZr(PO、R0.5Zr(PO、RnGe(PO、R0.5Ge(PO、RnAlZn(PO、RnTiZn(PO、Rn(PO、Al0.3Zr(PO、RnFe(PO、RnNbAl(PO、La1/3Zr(PO、Fe(MoO及びFe(SO、RnSn(SiO、RnZr(SiO、CuZr(SiO、AgZr(SiO、RZr(SiO、NbTi(PO、RnZr(Si2/31/3、RTiCr(PO、RTiFe(PO、RTiIn(PO、ZnTiFe(PO(式中、RnはLi、Na、及びKからなる群から選択される1種以上とし、RはMg、Ca、Sr、及びBaからなる群から選択される1種以上とする)等が挙げられる。
ナシコン型の結晶相の中でも、特にニオブイオンが固溶したもの又はZnイオンを含むものは高い光触媒活性を有しており、本発明の結晶化ガラスに含まれることが好ましい。また、Nb成分とP成分を含む結晶、NbとZnO成分を含む結晶、Nb成分とZnO成分とP成分を含む結晶相が析出すると、より優れた光触媒活性を得ることができるため、本発明においては、これらの結晶を一種又は一種以上含むことが好ましい。
また、これら結晶の固溶体を用いることにより、バンドギャップエネルギーを調整することができるので、光に対する応答性を向上させることが可能である。固溶体とは、2種類以上の金属固体又は非金属固体が互いの中に原子レベルで溶け込んで全体が均一の固相になっている状態のことをいい、混晶という場合もある。溶質原子の溶け込み方によって、結晶格子の隙間より小さい元素が入り込む侵入型固溶体や、母相原子と入れ代わって入る置換型固溶体等がある。
以下、本明細書では、前述した光触媒活性を有する結晶及びその固溶体結晶を総称して「光触媒結晶」と表現する。
また、「光触媒活性」とは、光照射によって酸化、還元反応を起こすことをいう。本発明では、日本工業規格JIS R 1703−2:2007に基づくメチレンブルーの分解活性指数が5.0nmol/l/min以上であれば、「光触媒活性がある」とする。光触媒活性によって有機物質の分解作用や表面の親水化作用を示すことが知られている。
次に、本発明の結晶化ガラスの成分及び物性について説明する。
本明細書中において、結晶化ガラスを構成する各成分の含有量は特に断りがない場合、全て「酸化物換算組成の全物質量に対するモル%」で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」とは、本発明の結晶化ガラスとなるガラスの構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が溶融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総物質量を100モル%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
本発明の結晶化ガラスは、Nb成分を必須成分として含有する。Nb成分は、ガラスの溶融性と安定性を高める成分である。また、自ら光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらす効果がある。従って、特にNb成分を必須成分として含有する場合、Nb成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは11%、さらに好ましくは12%を下限とする。
しかし、Nb成分の含有量が60%を超えると、ガラスの安定性が著しく悪くなる。従って、Nb成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%を上限とする。
Nb成分は、原料として例えばNb等を用いることができる。
また、本発明の結晶化ガラスは、ガラスの溶融性と安定性を向上でき、且つ、光触媒結晶を容易に析出させるために、ZnO成分及びRO成分からなる群より選択される1種以上の成分を含有する。ZnO成分及びRO成分の合計量(ZnO+RO)は、好ましくは1%、より好ましくは3%を、さらに好ましくは5%を下限とする。
本発明の結晶化ガラスでは、他方で、この合計量(ZnO+RO)を60%以下にすることで、ガラスの安定性の悪化を抑えられるので、好ましい。従って、合計量(ZnO+RO)は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは45%を上限とする。
このうち、ZnO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上する成分であるとともに、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらす。また、P成分やNb成分と組み合わせて含有させると、Zn成分を取り込んだ光触媒性能の高い結晶相を形成できる。従って、ZnO成分を含有する場合、ZnO成分の含有量は、好ましくは1%、より好ましくは3%、さらに好ましくは5%を下限とする。
しかし、ZnO成分の含有量が60%を超えると、ガラスの安定性が損なわれ、ガラス化し難くなり又は失透し易くなる等、所望とされる光触媒結晶の析出がかえって妨げられる。従って、ZnO成分を含有する場合、ZnO成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%を上限とする。
ZnO成分は、原料として例えばZnO、Zn(PO、ZnF等を用いることができる。
また、RO(式中、RはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上)成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上する成分であるとともに、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらす成分である。RO成分を含有する場合、その効果を発現させるために、RO成分の合計量は、好ましくは0.1%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1%を下限とする。
他方で、RO成分の合計量を60%以下にすることで、ガラスの安定性が向上し、光触媒活性を有する所望の結晶が析出し易くなるため、結晶化ガラスの光触媒活性を確保することができる。従って、RO成分を含有する場合、RO成分の合計量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは45%を上限とする。なお、RO成分の内、MgO成分が最も光触媒活性に寄与するので、本発明の結晶化ガラスにMgO成分が含まれることが好ましい。
MgO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらすとともに、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成する際の熱処理温度をより低く抑える効果がある。しかし、MgO成分の含有量が60%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、MgO成分を含有する場合、MgO成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%を上限とする。MgO成分は、原料として例えばMgO、Mg(PO、MgCO、MgF等を用いることができる。
本発明の結晶化ガラスでは、ZnO成分及びMgO成分の合計量を1%以上にすると、ガラスが得られやすくなると同時に光触媒活性が向上する。従って、ZnO成分及びMgO成分を含有する場合、合計量(ZnO+MgO)は、好ましくは1%、より好ましくは3%、さらに好ましくは5%を下限とする。
他方で、本発明の結晶化ガラスでは、この合計量が50%を超えると、かえってガラスが得られにくくなる。従って、ZnO成分及びMgO成分を含有する場合、合計量(ZnO+MgO)は、好ましくは50%、より好ましくは48%、さらに好ましくは45%を上限とする。
CaO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また光触媒結晶の構成成分であり、光触媒結晶をガラス中に析出させることで、結晶化ガラスに光触媒活性をもたらす成分である。それとともに、ガラス転移温度を下げてアパタイト型結晶及び光触媒結晶を生成させ易くする効果がある。しかし、CaO成分の含有量が60%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、CaO成分を含有する場合、CaO成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは40%、さらに好ましくは20%を上限とする。CaO成分は、原料として例えばCaCO、Ca(PO、CaF等を用いることができる。
SrO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらすとともに、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成する際の熱処理温度をより低く抑える効果がある。しかし、SrO成分の含有量が60%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、SrO成分を含有する場合、SrO成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは40%、さらに好ましくは20%を上限とする。SrO成分は、原料として例えばSr(NO、SrF等を用いることができる。
BaO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらすとともに、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成する際の熱処理温度をより低く抑える効果がある。しかし、BaO成分の含有量が60%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、BaO成分を含有する場合、BaO成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは40%、さらに好ましくは20%を上限とする。BaO成分は、原料として例えばBaCO、Ba(PO、Ba(NO、BaF等を用いることができる。
本発明の結晶化ガラスでは、Nb成分、ZnO成分及びRO成分の合計量を20%以上にすることで、より高い光触媒活性を示す。従って、合計量(Nb+ZnO+RO)は、好ましくは20%、より好ましくは25%、さらに好ましくは30%を下限とする。
本発明の結晶化ガラスでは、他方で、この合計量(Nb+ZnO+RO)を85%以下にすることで、ガラスが得られやすくなるので、好ましい。従って、合計量(Nb+ZnO+RO)は、好ましくは85%、好ましくは80%、より好ましくは75%を上限とする。
成分は、ガラスの網目構造を構成する成分である。本発明の結晶化ガラスをP成分が網目構造の主成分であるリン酸塩系ガラスにすることで、Nb成分をより多く取り込むことができ、光触媒活性を有する所望の結晶が析出し易くなる傾向がある。また、P成分を配合することによって、より低い熱処理温度で所望の光触媒結晶を析出させることが可能になる。また、TiOを含有する場合には、結晶化ガラスからTiO結晶を析出させる場合に光触媒活性の高いアナターゼ型TiO結晶から光触媒活性の低いルチル型TiO結晶への相転位を低減する効果も期待できる。また、P成分は、Nb成分を含有させたときに、ニオブイオンとともに光触媒性能の高い結晶を形成できる場合がある。さらに、P成分は、ナシコン型結晶の構成成分であり、特にZn成分を取り込んだ光触媒性能の高いナシコン型結晶を形成できる。従って、P成分を含有する場合、P成分の含有量は、好ましくは0.1%、より好ましくは10%さらに好ましくは20%を下限とする。
他方で、Pの含有量が60%を超えると、所望の光触媒を有する結晶相、特にZnを含むナシコン型結晶相が析出し難くなる。従って、P成分を含有する場合、P成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%を上限とする。
成分は、原料として例えばAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、NaPO、BPO、HPO等を用いることができる。
TiO成分は、ガラスを結晶化したときに、TiO結晶、リンとの化合物の結晶、及び/又はナシコン型結晶をガラスから析出させて光触媒活性をもたらす成分であり、任意に含有できる成分である。また、TiO成分を上記P成分と組み合わせて含有することで、より低い熱処理温度で結晶を析出させることが可能になり、結晶化ガラスからTiO結晶を析出する場合に、光触媒活性の高いアナターゼ型TiO結晶から光触媒活性の低いルチル型への相転位を低減することができる。また、TiO成分は、特にZn成分を取り込んで光触媒性能の高いナシコン型結晶を形成できる。従って、TiO成分を含有する場合、TiO成分の含有量は、好ましくは0.5%、より好ましくは1%、さらに好ましくは3%を下限とする。
他方で、TiO成分の含有量が50%を超えると、ガラス化が非常に難しくなる。従って、TiO成分を含有する場合、TiO成分の含有量は、好ましくは50%、より好ましくは40%、さらに好ましくは35%を上限とする。
TiO成分は、原料として例えばTiO等を用いることができる。
TiO成分及びNb成分の合計量は、10〜70%が好ましい。
特に、この合計量を10%以上にすることで、光触媒結晶がより析出しやすくなる。従って、合計量(TiO+Nb)は、好ましくは10%、より好ましくは20%、さらに好ましくは22%を下限とする。
他方で、この合計量を70%以下にすることで、ガラスの安定性の悪化を抑えられやすくなる。従って、合計量(TiO+Nb)は、好ましくは70%、より好ましくは65%、さらに好ましくは63%を上限とする。
RO成分、TiO成分及びNb成分の合計量を20%以上にすることで、光触媒結晶がより析出しやすくなる。従って、合計量(RO+TiO+Nb)は、好ましくは20%、より好ましくは21%、さらに好ましくは22%を下限とする。
他方で、この合計量を80%以下にすることで、ガラスの安定性の悪化を抑えられやすくなる。従って、合計量(RO+TiO+Nb)は、好ましくは80%、より好ましくは75%、さらに好ましくは70%を上限とする。
SiO成分は、ガラスの網目構造を構成し、ガラスの安定性と化学的耐久性を高め、且つSi4+イオンが光触媒結晶に固溶することで光触媒活性をもたらす効果がある成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、SiO成分の含有量が20%を超えると、ガラスの溶融性が悪くなる。従って、SiO成分を含有する場合、SiO成分の含有量は、好ましくは20%、より好ましくは15%、さらに好ましくは10%を上限とする。
他方で、SiO成分を含有する場合、その含有量は、その成分の効果を発現するため、好ましくは0.1%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1%を下限とする。SiO成分は、原料として例えばSiO、KSiF、NaSiF等を用いることができる。
成分は、ガラスの網目構造を構成し、ガラスの安定性を高める成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、その含有量が10%を超えると、光触媒結晶が析出し難い傾向が強くなる。従って、B成分を含有する場合、B成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは5%、さらに好ましくは3%を上限とする。B成分は、原料として例えばHBO、Na、Na・10HO、BPO等を用いることができる。
Al成分は、ガラスの安定性及び結晶化ガラスの化学的耐久性を高め、ガラスからの光触媒結晶の析出を促進し、且つAl3+イオンが光触媒結晶に固溶することで光触媒活性をもたらす効果がある成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、その含有量が20%を超えると、溶解温度が著しく上昇し、ガラス化し難くなる。従って、Al成分を含有する場合、Al成分の含有量は、好ましくは20%、より好ましくは10%、さらに好ましくは8%を上限とする。
他方で、Al成分を含有する場合、その含有量は、その成分の効果を発現するため、好ましくは0.1%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1%を下限とする。Al成分は、原料として例えばAl、Al(OH)、AlF等を用いることができる。
本発明の結晶化ガラスでは、SiO成分、B成分及びAl成分の合計量を0.3%以上にすることで、ガラスが得られやすくなる。従って、合計量(SiO+B+Al)は、好ましくは0.3%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1%を下限とする。
他方で、本発明の結晶化ガラスでは、この合計量が20%を超えると、かえってガラスが得られにくくなる。従って、合計量(SiO+B+Al)は、好ましくは20%、より好ましくは15%、さらに好ましくは10%を上限とする。
本発明の結晶化ガラスでは、P成分、SiO成分、B成分及びAl成分の合計量を10%以上にすることが好ましい。ガラスの安定性を向上できるためである。従って、合計量(P+SiO+B+Al)は、好ましくは10%、より好ましくは20%、さらに好ましくは25%を下限とする。
他方で、本発明の結晶化ガラスでは、この合計量を60%以下にすることで、光触媒結晶が析出し難い傾向を抑えられるので、好ましい。従って、合計量(P+SiO+B+Al)は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%を上限とする。
本発明の結晶化ガラスは、RnO成分(式中、RnはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選択される1種以上)は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。本発明の結晶化ガラスは、RnO成分を含有する場合、RnO成分の合計量が30%以下であることが好ましい。これにより、ガラスの安定性が向上し、光触媒結晶が析出し易くなるため、結晶化ガラスの触媒活性を確保することができる。RnO成分を含有する場合、RnO成分の合計量は、好ましくは30%、より好ましくは20%、さらに好ましくは15%を上限とする。また、RnO成分を含有する場合、その効果を発現させるための合計量は、好ましくは0.1%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1%を下限する。
また、本発明の結晶化ガラスは、RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上)及びRnO成分(式中、RnはLi、Na、K、Rb、Csからなる群より選択される1種以上)を任意で含有でき、RO成分及びRnO成分から選ばれる少なくとも1種以上の成分の合計量が60%以下であることが好ましい。これにより、ガラスの安定性が向上し、且つ、光触媒結晶を容易に析出させることができる。従って、合計量(RO+RnO)は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%を上限とする。なお、合計量(RO+RnO)が60%を超えると、ガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難となる。
他方で、ガラスの安定性が向上し、且つ、光触媒結晶を容易に析出させるための合計量(RO+RnO)として、好ましくは0.1%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは1%を下限とする。
LiO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらし、ガラス転移温度を下げて光触媒活性を有する結晶を生成させる際の熱処理温度をより低く抑える効果がある。
他方で、LiO成分の含有量が30%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、LiO成分を含有する場合、LiO成分の含有量は、好ましくは30%、より好ましくは20%、さらに好ましくは15%を上限とする。LiO成分は、原料として例えばLiCO、LiPO、LiNO、LiF等を用いることができる。
NaO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらし、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成させる際の熱処理温度をより低く抑える効果がある。しかし、NaO成分の含有量が30%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、NaO成分を含有する場合、NaO成分の含有量は、好ましくは30%、より好ましくは20%、さらに好ましくは15%を上限とする。NaO成分は、原料として例えばNaO、NaCO、NaHPO、NaNO、NaF、NaS、NaSiF等を用いることができる。
O成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらし、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成させる際の熱処理温度をより低く抑える効果がある。しかし、KO成分の含有量が30%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、KO成分を含有する場合、KO成分の含有量は、好ましくは30%、より好ましくは20%、さらに好ましくは15%を上限とする。KO成分は、原料として例えばKCO、NaHPO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いることができる。
RbO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、ガラス転移温度を下げて熱処理温度をより低く抑える成分である。しかし、RbO成分の含有量が30%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出も困難になる。従って、RbO成分を含有する場合、RbO成分の含有量は、好ましくは30%、より好ましくは10%、さらに好ましくは5%を上限とする。RbO成分は、原料として例えばRbCO、RbNO等を用いることができる。
CsO成分は、ガラスの溶融性と安定性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成させ易くするとともに、熱処理温度をより低く抑える成分である。しかし、CsO成分の含有量が30%を超えると、かえってガラスの安定性が悪くなり、所望の結晶の析出も困難になる。従って、CsO成分を含有する場合、CsO成分の含有量は、好ましくは30%、より好ましくは10%、さらに好ましくは5%を上限とする。CsO成分は、原料として例えばCsCO、CsNO等を用いることができる。
なお、本発明の結晶化ガラスは、更に以下の成分を含有することもできる。
GeO成分は、上述したSiOと相似な働きを有し、任意に含有できる成分である。本発明の光触媒結晶化ガラスにおいて、SiOと同じ程度の量を含有させることができるが、非常に高価であるため、多量に用いるのはコスト上好ましくない。従って、高価なGeO成分の使用を抑え、コストを低減するためには、その含有量を10%以下にすることが好ましい。より好ましくは5%、さらに好ましくは3%を上限とする。GeO成分は、原料として例えばGeO等を用いることができる。
Ga成分は、ガラスの安定性を高め、ガラスから光触媒結晶が析出するのを促進し、且つGa3+イオンが光触媒結晶に固溶することで光触媒活性の向上に寄与する成分であり、任意に含有できる成分である。できる成分である。しかし、その含有量が10%を超えると、溶解温度が著しく上昇し、ガラス化し難くなる。従って、Ga成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは5%、さらに好ましくは3%を上限とする。Ga成分は、原料として例えばGa、GaF等を用いることができる。
In成分は、上述したGaと相似な効果がある成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、In成分は高価なため、その含有量の上限は10%にすることが好ましく、3%にすることがより好ましく、1%にすることがさらに好ましい。In成分は、原料として例えばIn、InF等を用いて結晶化ガラスに導入することができる。
ZrO成分は、結晶化ガラスの化学的耐久性を高め、光触媒結晶の析出を促進し、且つ、自らも光触媒結晶の構成成分として光触媒活性の向上に寄与する成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、ZrO成分の含有量が15%を超えると、ガラス化し難くなる。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは15%、より好ましくは10%、さらに好ましくは8%を上限とする。ZrO成分は、原料として例えばZrO、ZrF等を用いることができる。
SnO成分は、光触媒結晶の析出を促進し、且つ光触媒結晶に固溶することで光触媒活性を向上させる効果がある成分であり、また、光触媒活性を高める作用のある後述のAgやAuやPtイオンと一緒に含有する場合は還元剤の役割を果たし、間接的に光触媒の活性の向上に寄与する成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、これらの成分の含有量が15%を超えると、ガラスの安定性が悪くなり、光触媒活性も低下し易くなる。従って、SnO成分の含有量は、好ましくは15%、より好ましくは10%、さらに好ましくは8%を上限とする。SnO成分は、原料として例えばSnO、SnO、SnO等を用いることができる。
Ta成分は、ガラスの安定性を高める成分であり、任意に含有できる成分である。また、自ら光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらす効果がある。しかし、Ta成分の含有量が10%を超えるとガラスの安定性が著しく悪くなる。従って、Ta成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは8%、さらに好ましくは5%を上限とする。Ta成分は、原料として例えばTa等を用いることができる。
WO成分は、ガラスの溶融性と安定性を高め、光触媒活性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、自ら光触媒結晶の構成成分として光触媒活性をもたらす効果がある。しかし、WO成分の含有量が20%を超えると、ガラスの安定性が著しく悪くなる。従って、WO成分の含有量は、好ましくは20%、より好ましくは15%、さらに好ましくは10%を上限とする。WO成分は、原料として例えばWO等を用いることができる。
Bi成分は、ガラスの溶融性と安定性を高める成分であり、任意に含有できる成分である。また、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成させ易くするとともに、熱処理温度をより低く抑える成分である。しかし、Bi成分の含有量が10%を超えると、ガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出が難しくなる。従って、Bi成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは8%、さらに好ましくは5%、さらに好ましくは3%、さらに好ましくは1%を上限とする。Bi成分は、原料として例えばBi等を用いることができる。
TeO成分は、ガラスの溶融性と安定性を高める成分であり、任意に含有できる成分である。また、ガラス転移温度を下げて光触媒結晶を生成させ易くするとともに、熱処理温度をより低く抑える成分である。しかし、TeO成分の含有量が10%を超えると、ガラスの安定性が悪くなり、光触媒結晶の析出が難しくなる。従って、TeO成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは8%、さらに好ましくは5%、さらに好ましくは3%、さらに好ましくは1%を上限とする。TeO成分は、原料として例えばTeO等を用いることができる。
Ln成分(式中、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuからなる群より選択される1種以上とする)は、結晶化ガラスの化学的耐久性を高める成分であり、且つ光触媒結晶に固溶し、又はその近傍に存在することで、光触媒活性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、Ln成分の含有量の合計が5%を超えると、ガラスの安定性が著しく悪くなる。従って、Ln成分の合計量は、好ましくは5%、より好ましくは3%、さらに好ましくは1%を上限とする。Ln成分は、原料として例えばLa、La(NO・XHO(Xは任意の整数)、Gd、GdF、Y、YF、CeO、CeF、Nd、Dy、Yb、Lu等を用いることができる。
成分(式中、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Niからなる群より選択される1種以上とし、x及びyは、それぞれx:y=2:Mの価数、を満たす最小の自然数とする。ここで、Vの価数は5、Crの価数は3、Mnの価数は2、Feの価数は3、Coの価数は2、Niの価数は2とする)は、光触媒結晶に固溶するか、又はその近傍に存在することで、光触媒活性の向上に寄与し、且つ一部の波長の可視光を吸収して結晶化ガラスに外観色を付与する成分であり、本発明の結晶化ガラス中の任意成分である。特に、M成分の合計量を5%以下にすることで、結晶化ガラスの安定性を高め、結晶化ガラスの外観の色を容易に調節することができる。従って、M成分の合計量は、好ましくは5%、より好ましくは3%、さらに好ましくは1%を上限とする。また、好ましくは0.01%、より好ましくは0.03%、さらに好ましくは0.05%を下限とする。
As成分やSb成分は、ガラスを清澄させ、脱泡させる成分であり、また、光触媒活性を高める作用のある後述のAgやAuやPtイオンと一緒に含有する場合に、還元剤の役割を果たすことで、間接的に光触媒活性の向上に寄与する成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、これらの成分の含有量が合計で1%を超えると、ガラスの安定性が悪くなり、光触媒活性も低下し易くなる。従って、As成分及びSb成分の含有量の合計は、好ましくは1%、より好ましくは0.5%、さらに好ましくは0.3%を上限とする。As成分やSb成分は、原料として例えばAs、As、Sb、Sb、NaSb・5HO等を用いて結晶化ガラスに導入することができる。
なお、ガラスを清澄させ脱泡させる成分は、上記のAs成分やSb成分に限定されるものではなく、例えばCeO成分やTeO成分等のような、ガラス製造の分野における公知の清澄剤や脱泡剤、或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
本発明の結晶化ガラスには、F成分、Cl成分、Br成分、S成分、N成分、及びC成分からなる群より選ばれる少なくとも1種の非金属元素成分が含まれていてもよい。これらの成分は、光触媒結晶に固溶し、又はその近傍に存在することで、光触媒活性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。また、特にF成分は、フッ素アパタイトの構成成分でもあるため、F成分を含有することでアパタイト結晶を形成し易くできる。しかし、これらの成分の含有量が、酸化物換算組成の結晶化ガラス全物質量に対する外割り物質量比で、合計10%を超えると、ガラスの安定性が著しく悪くなり、光触媒活性も低下し易くなる。従って、良好な特性を確保するため、非金属元素成分の含有量の、酸化物換算組成の結晶化ガラス全物質量に対する外割り物質量比の合計は、好ましくは10%、より好ましくは5%、さらに好ましくは3%を上限とする。これらの非金属元素成分は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、塩化物、臭化物、硫化物、窒化物、炭化物等の形で結晶化ガラス中に導入するのが好ましい。
なお、酸化物換算組成の結晶化ガラス全物質量に対する外割り物質量比とは、結晶化ガラスを構成するカチオン成分全てが電荷の釣り合うだけの酸素と結合した酸化物でできていると仮定し、それら酸化物でできたガラス全体の物質量を100%として、非金属元素成分の物質量をモル%で表したものである(以下同じ)。
非金属元素成分の原料は特に限定されないが、例えば、F成分の原料としてZrF、AlF、NaF、CaF等、Cl成分の原料としてNaCl、AgCl等、Br成分の原料としてNaBr等、S成分の原料としてNaS、Fe、CaS等、N成分の原料としてAlN、SiN等、C成分の原料としてTiC、SiC又はZrC等を用いることで、結晶化ガラス内に導入することができる。なお、これらの原料は、2種以上を組み合わせて含有してもよく、単独で含有してもよい。
本発明の結晶化ガラスは、Cu成分、Ag成分、Au成分、Pd成分、Re成分、及びPt成分から選ばれる少なくとも1種の金属イオン又は粒子が含まれていてもよい。これらの金属イオン又は粒子は、光触媒結晶の近傍に存在することで、光触媒活性を向上させる成分であり、任意に含有できる成分である。しかし、これらの金属イオン又は粒子の含有量の合計が、酸化物換算組成の結晶化ガラス全物質量に対する外割り物質量比で、3%を超えるとガラスの安定性が著しく悪くなり、光触媒活性がかえって低下し易くなる。従って、上記金属イオン又は粒子の含有量の、酸化物換算組成の結晶化ガラス全質量に対する外割り質量比の合計は、好ましくは3%、より好ましくは2%、さらに好ましくは1%を上限とする。
これらの金属イオン又は粒子は、原料として例えばCuO、CuO、AgO、AuCl、PtCl、PtCl、HPtCl、PdCl等を用いて結晶化ガラスに導入することができる。
なお、これらの成分を含有する場合に、上記金属イオン又は粒子の含有量の、酸化物換算組成の結晶化ガラス全物質量に対する外割り物質量比の合計は、好ましくは2.5×10−5%、より好ましくは5.0×10−5%、さらに好ましくは1.5×10−4%を下限とする。
本発明の結晶化ガラスには、上記成分以外の成分を結晶化ガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、含有することができる。但し、PbO等の鉛化合物、Th、Cd、Tl、Os、Se、Hgの各成分は、近年有害な化学物質として使用を控える傾向にあり、結晶化ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合、不可避な混入を除き、これらを実質的に含有しないことが好ましい。これにより、結晶化ガラスに環境を汚染する物質が実質的に含まれなくなる。そのため、特別な環境対策上の措置を講じなくとも、この結晶化ガラスを製造し、加工し、及び廃棄することができる。
本発明の結晶化ガラスは、その組成が「酸化物換算組成の全物質量に対するモル%」単位で表されているため直接的に質量%単位で表せるものではないが、本発明において要求される諸特性を満たす組成物中に存在する各成分の質量%単位の組成は、酸化物換算組成で概ね以下の値をとる。
成分 10〜50%、
Nb成分 20〜80%、
TiO成分 0〜65%、
但しTiO成分及びNb成分 合計で20〜80%、
ZnO成分 0〜40%
RO成分及びRnO成分 合計で0〜40%、
(RnはLi、Na、K、Rb、Csから選ばれる1種以上とし、RはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上とする)
但し、ZnO成分、RO成分及びRnO成分 合計で1〜50%、
SiO成分 0〜20%、
Al成分 0〜20%、
成分 0〜10%、
GeO成分 0〜10%、
Ga成分 0〜10%、
In成分 0〜5%
ZrO成分 0〜15%、
SnO成分 0〜15%、
Ta成分 0〜10%、
WO成分 0〜30%、
Bi成分 0〜30%、
TeO成分 0〜30%、
Ln成分(式中、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuからなる群より選択される1種以上とする) 0〜10%、
成分(式中、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Niからなる群より選択される1種以上とし、x及びyは、それぞれx:y=2:Mの価数、を満たす最小の自然数とする。ここで、Vの価数は5、Crの価数は3、Mnの価数は2、Feの価数は3、Coの価数は2、Niの価数は2とする) 0〜5%、
As成分及びSb成分 合計で0〜1%
さらに、
前記酸化物換算組成の結晶化ガラス全質量100%に対して、
F成分、Cl成分、Br成分、S成分、N成分、及びC成分からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の非金属元素成分 0〜10質量%、
Cu成分、Ag成分、Au成分、Pd成分、Re成分、及びPt成分からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素成分 0〜5質量%
また、本発明の結晶化ガラスは、光触媒結晶相を、ガラス全体積に対する体積比で1%以上99%以下の範囲内で含んでいることが好ましい。このような結晶相の含有率が1%以上であることにより、結晶化ガラスが良好な光触媒活性を有することができる。一方で、上記結晶相の含有率が99%以下であることにより、酸等を用いたエッチングにより、残りのガラスが取り除かれることで、表面における結晶の露出度が高くなり、且つ比表面積が増えるため、光触媒活性がより高くなる。結晶化ガラスの結晶化率は、体積比で好ましくは1%、より好ましくは5%、さらに好ましくは10%を下限とし、好ましくは99%、より好ましくは97%、さらに好ましくは95%を上限とする。
前記結晶の大きさは、球近似したときの平均径が、3nm〜50μmであることが好ましいが、熱処理条件をコントロールすることにより、析出した結晶のサイズを制御することが可能であるが、有効な光触媒活性を引き出すため、前記結晶の大きさは5nm〜30μmの範囲とすることがより好ましく、10nm〜10μmであることがさらに好ましい。結晶粒径及びその平均値は、XRDの回折ピークの半値幅より、シェラーの式より見積もることができる。回折ピークが弱かったり、重なったりする場合は、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した結晶粒子面積から、これを円と仮定してその直径を求めることで測定できる。顕微鏡を用いて平均値を算出する際には、無作為に100個以上の結晶直径を測定することが好ましい。
本発明の結晶化ガラスは、紫外領域から可視領域までの波長の光によって触媒活性が発現されることが好ましい。ここで、本発明でいう「紫外領域の波長の光」は、波長が可視光線より短く軟X線よりも長い不可視光線の電磁波のことであり、その波長はおよそ10〜400nmの範囲にある。また、本発明でいう「可視領域の波長の光」は、電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の電磁波のことであり、その波長はおよそ400nm〜700nmの範囲にある。これら紫外領域から可視領域までのいずれかの波長の光、又はそれらが複合した波長の光が結晶化ガラスの表面に照射されたときに触媒活性が発現されることにより、結晶化ガラスの表面に付着した汚れ物質や細菌等が酸化反応又は還元反応によって分解されるため、結晶化ガラスを防汚用途や抗菌用途等に用いることができる。
また、本発明の結晶化ガラスは、1mW/cmの紫外線を30分以上照射した表面と水滴との接触角が20°以下であることが好ましい。これにより、結晶化ガラスの表面が親水性を呈することで、セルフクリーニング作用を有するため、結晶化ガラスの表面を水で容易に洗浄することができ、汚れによる光触媒活性の低下を抑制することができる。光を照射した結晶化ガラス表面と水滴との接触角は、20°以下が好ましく、15°以下がより好ましく、10°以下がさらに好ましい。
本発明の結晶化ガラスは、紫外領域から可視領域までのいずれかの波長の光、又はそれらが複合した波長の光によって触媒活性が発現される。より具体的には、紫外領域から可視領域までのいずれかの波長の光を照射したときに、メチレンブルー等の有機物を分解する特性を有する。これにより、光触媒結晶化ガラスの表面に付着した汚れ物質や細菌等が酸化又は還元反応によって分解されるため、光触媒を防汚用途や抗菌用途等に用いることができる。
ここで、光触媒結晶化ガラスのメチレンブルーの分解活性指数は、日本工業規格JIS R 1703−2:2007に基づく値で5.0nmol/L/min以上が好ましく、6.0nmol/L/min以上がより好ましく、7.0nmol/L/min以上がさらに好ましく、8.0nmol/L/min以上がさらに好ましい。
[結晶化ガラスの製造方法]
次に、本発明の結晶化ガラスの製造方法について、具体的工程を例示して説明する。ただし、本発明の結晶化ガラスの製造方法は、以下に示す方法に限定されるものではない。
結晶化ガラスの製造方法は、原料を混合してその融液を得る溶融工程と、前記融液を冷却してガラスを得る冷却工程と、前記ガラスの温度を結晶化温度領域まで上昇させる再加熱工程と、前記温度を前記結晶化温度領域内で維持して結晶を生じさせる結晶化工程と、前記温度を前記結晶化温度領域外まで低下させて結晶分散ガラスを得る再冷却工程と、を有することができる。
(溶融工程)
溶融工程は、上述の組成を有する原料を混合し、その融液を得る工程である。より具体的には、結晶化ガラスの各成分が所定の含有量の範囲内になるように原料を調合し、均一に混合して作製した混合物を白金坩堝、石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して電気炉で1200〜1600℃の温度範囲で1〜24時間溶融し、攪拌均質化して融液を作製する。なお、原料の溶融の条件は上記温度範囲に限定されず、原料組成物の組成及び配合量等に応じて、適宜設定することができる。
(冷却工程)
冷却工程は、溶融工程で得られた融液を冷却してガラス化することで、ガラスを作製する工程である。具体的には、融液を流出させて適宜冷却することで、ガラス化されたガラス体を形成する。ここで、ガラス化の条件は特に限定されるものではなく、原料の組成及び量等に応じて適宜設定されてよい。また、本工程で得られるガラス体の形状は特に限定されず、板状、粒状等であってよいが、バルク体の光触媒部材を作成する場合には、板状であることが好ましい。
(再加熱工程)
再加熱工程は、冷却工程で得られたガラスの温度を結晶化温度領域まで上昇させる工程である。この工程では、昇温速度及び温度が結晶の形成や結晶サイズに大きな影響を及ぼすので、これらを精密に制御することが重要である。
(結晶化工程)
結晶化工程は、結晶化温度領域で所定の時間保持することにより光触媒結晶を生成させる工程である。この結晶化工程で結晶化温度領域に所定時間保持することにより、ナノからミクロン単位までの所望のサイズを有する光触媒結晶をガラス体の内部に均一に分散させて形成できる。結晶化温度領域は、例えばガラス転移温度を超える温度領域である。ガラス転移温度はガラス組成ごとに異なるため、ガラス転移温度に応じて結晶化温度を設定することが好ましい。また、結晶化温度領域は、ガラス転移温度より10℃以上高い温度領域とすることが好ましく、20℃以上高くすることがより好ましく、30℃以上高くすることがさらに好ましい。好ましい結晶化温度領域の下限は500℃であり、より好ましくは550℃であり、さらに好ましくは600℃である。他方、結晶化温度が高くなり過ぎると、目的以外の結晶相が析出する傾向が強くなり、光触媒活性が消失し易くなるので、結晶化温度領域の上限は1100℃が好ましく、1000℃がより好ましく、900℃がさらに好ましい。この工程では、昇温速度及び温度が結晶のサイズに大きな影響を及ぼすので、組成や熱処理温度に応じて適切に制御することが重要である。また、結晶化のための熱処理時間は、ガラスの組成や熱処理温度等に応じて結晶をある程度まで成長させ、且つ十分な量の結晶を析出させ得る条件で設定する必要がある。熱処理時間は、結晶化温度によって様々な範囲で設定できる。昇温速度を遅くすれば、熱処理温度まで加熱するだけでいい場合もあるが、目安としては高い温度の場合は短く、低い温度の場合は、長く設定することが好ましい。結晶化過程は、1段階の熱処理過程を経ても良く、2段階以上の熱処理過程を経ても良い。ここでの2段階以上の熱処理過程は、所定の温度にて熱処理を経た後更に別の温度にて熱処理をn回(nは1以上)行う過程だけでなく、例えば、所定の温度にて1段階の熱処理過程を行って降温した後更に所定の温度にて熱処理をn回(nは1以上)行う過程も含む。
(再冷却工程)
再冷却工程は、結晶化が完了した後、温度を結晶化温度領域外まで低下させて光触媒結晶を有する結晶分散ガラスを得る工程である。
(エッチング工程)
結晶が生じた後の結晶化ガラスは、そのままの状態、又は研磨等の機械的な加工を施した状態で高い光触媒活性を奏することが可能であるが、この結晶化ガラスに対してエッチングを行うことにより、結晶相の周りのガラス相が取り除かれ、表面に露出する結晶相の比表面積が大きくなるため、結晶化ガラスの光触媒活性をより高めることが可能である。ここで、エッチングの方法としては、例えば、ドライエッチング、溶液への浸漬によるウェットエッチング、及びこれらの組み合わせ等の方法が挙げられる。浸漬に使用される酸性もしくはアルカリ性の溶液は、結晶化ガラスの表面を腐食できれば特に限定されず、例えばフッ素又は塩素を含む酸(フッ化水素酸、塩酸)であってよい。なお、このエッチング工程は、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、フッ化水素酸、塩酸等を、結晶化ガラスの表面に吹き付けることで行ってよい。
上記方法では、必要に応じて成形工程を設けてガラス又は結晶化ガラスを任意の形状に加工することができる。
以上のように、本発明の結晶化ガラスは、その内部及び表面に光触媒活性を有する結晶が均質に析出しているため、優れた光触媒活性を有するとともに、耐久性にも優れている。従って、基材の表面にのみ光触媒層が設けられている従来技術の光触媒機能性部材のように、光触媒層が剥離して光触媒活性が失われる、ということがない。また、仮に表面が削られても内部に存在する亜鉛成分を含む結晶が露出して光触媒活性が維持される。また、本発明の結晶化ガラスは、溶融ガラスの形態から製造できるので、大きさや形状等を加工する場合の自由度が高く、光触媒機能が要求される様々な物品に加工できる。
[光触媒]
以上のようにして製造される結晶化ガラスは、用途に応じて、そのまま、或いは任意の形状に加工して光触媒として用いることができる。ここで「光触媒」は、例えば、板状等のバルク状態、膜状、粉粒状、繊維状、多孔質体等、その形状は問わない。例えばガラスビーズやガラス繊維(ガラスファイバー)の形態を採用すると、光触媒結晶の露出面積が増えるため、結晶化ガラス成形体の光触媒活性をより高めることができる。また、光触媒は、紫外線等の光によって有機物を分解する作用と、水に対する接触角を小さくして親水性を付与する作用と、のいずれか片方の活性を有するものであればよいが、両方の活性を有するものであることが好ましい。この光触媒は、例えば光触媒材料、光触媒部材(例えば水の浄化材、空気浄化材等)、親水性材料、親水性部材(例えば窓、ミラー、パネル、タイル等)等として利用できる。
[ガラス成形体]
また、本発明の光触媒結晶化ガラスは、結晶化する前のガラス段階で、バルク体、粉粒体、繊維等といった任意の形状を有するガラス成形体として加工し、最終的に光触媒部材を構成する際に加熱して光触媒結晶を析出させる、といった方法によって製造することもできる。この場合、光触媒結晶の析出と同時に、ガラスの一部を溶融させることによって、例えば基材への密着度を高めたり、強固な光触媒機能層を形成したりする等、結晶化ガラス状態で用いた場合と異なる別の効果を得ることができる。
[スラリー状混合物]
前述した光触媒又は成形体を粉粒体(結晶化ガラス粉粒体及び加熱されることにより光触媒結晶相を生成させ得る未結晶化ガラス粉粒体。以下、総称して光触媒粉粒体という。)にし、任意の溶媒等と混合することによってスラリー状混合物を調製できる。これにより、例えば基材上への塗布等が容易になる。具体的には、前記粉粒体に、好ましくは無機バインダー、有機バインダー及び/又は溶媒を添加することによりスラリーを調製できる。
本発明のスラリー状混合物における光触媒粉粒体の含有量は、その用途に応じて適宜設定できる。従って、スラリー状混合物における光触媒粉粒体の含有量は、特に限定されるものではないが、一例を挙げれば、十分な光触媒活性を発揮させる観点から、好ましくは2質量%、より好ましくは3質量%、さらに好ましくは5質量%を下限とし、スラリーとしての流動性と機能性を確保する観点から、好ましくは80質量%、より好ましくは70質量%、さらに好ましくは65質量%を上限とすることができる。
無機バインダーとしては、特に限定されるものではないが、紫外線や可視光線を透過する性質のものが好ましく、例えば、珪酸塩系バインダー、リン酸塩系バインダー、無機コロイド系バインダー、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の微粒子等を挙げることができる。
有機バインダーとしては、例えば、プレス成形やラバープレス、押出成形、射出成形用の成形助剤として汎用されている市販のバインダーが使用できる。具体的には、例えば、アクリル樹脂、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチルメタアクリレート、ビニル系の共重合物等が挙げられる。
溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、酢酸、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ポリビニルアルコール(PVA)等の公知の溶媒が使用できるが、環境負荷を軽減できる点でアルコール又は水が好ましい。
また、スラリーの均質化を図るために、適量の分散剤を併用してもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、セロソルブ、カルビトール、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸アミル等のエステル類等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のスラリー状混合物には、その用途に応じて、上記成分以外に例えば硬化速度、比重を調節するための添加剤成分等を配合することができる。また、前述した光触媒粉粒体の他にZnO、Nb、TiO、WO等の光触媒活性を有する結晶性物質や、N、S、F、Cl、Br、及びCから選ばれる成分を含む添加物、Cu、Ag、Au、Pd、Re及びPtから選ばれる金属元素成分を添加して粉粒混合物を作製する添加工程を有してもよい。本発明方法では、ガラス体から光触媒結晶相を生成することができるが、これらの物質をスラリー状混合物に添加することで、光触媒機能が増強された機能性素材を製造できる。
本発明のスラリー状混合物は、光触媒粉粒体及び前述したその他の添加物を様々な公知の方法によって溶媒に分散させることによって製造できる。また、所定の目開きのメッシュ等の濾過材を用いて光触媒粉粒体の凝集体を除去する工程を経ても良い。光触媒粉粒体は、その粒径が小さくなるに従い、表面エネルギーが大きくなって凝集し易くなる傾向がある。光触媒粉粒体が凝集していると、スラリー状混合物中での均一な分散ができず、所望の光触媒活性が得られないことがある。本発明のスラリー状混合物は、光触媒機能性素材として、例えば塗料、成形/固化が可能な混練物等に配合して使用することができる。
[多孔質体]
また、光触媒活性を十分に引き出すために、より比表面積を大きくして分解対象との接触機会を十分に確保するために、本発明の結晶化ガラスそのものを骨格材料とする多孔質体を形成できる。ここで骨格材料とは、光触媒多孔質体の骨格構造を形成する主材料を意味し、例えば表面を被覆しているに過ぎない材料は、骨格材料には含まれない。また、主材料とは、骨格構造の少なくとも80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100%を占める材料である。このように骨格材料自体が光触媒活性を有することによって、本発明の結晶化ガラスを用いた多孔質体では、優れた光触媒活性と優れた耐久性を両立させることが可能である。
多孔質体の製造方法は、特に限定されないが、多孔質のテンプレートを使用する方法や、起泡剤を使用する方法、顆粒状ガラスから焼結させる方法等が挙げられる。テンプレートを用いる方法は、本発明の結晶化ガラスの原料ガラス粉末のスラリーを調製する工程(スラリー調製工程)、このスラリーをテンプレートに含浸させる工程(含浸工程)、及び、スラリーを含浸させたテンプレートを焼成する工程を含む。起泡剤を用いる方法は、原料ガラス粉末のスラリーを調製する工程(スラリー調製工程)、このスラリーに起泡剤を添加して発泡させる工程(発泡工程)、発泡させたスラリーを所定形状に成形して成形体とする工程(成形工程)、この成形体を焼成する工程(焼成工程)を有する。さらに、顆粒状ガラスから焼結させる方法は、原料ガラスから顆粒状ガラスを調製する工程(顆粒状ガラス調製工程)、及び、この顆粒状ガラスを型に入れ、加熱して焼結させる工程(焼結工程)を有する。
また、多孔質体は、そのままの状態でも高い光触媒活性を得ることが可能であるが、多孔質体に対してエッチングを行うことにより、光触媒活性をより高めることができる。すなわち、光触媒多孔質体をエッチングして得られるエッチング加工物は、結晶相の周りのガラス相が取り除かれ、表面に露出する結晶相の比表面積が大きくなるため、光触媒多孔質体の光触媒活性がより向上する。ここで、エッチングの方法としては、例えば、ドライエッチング、溶液への浸漬によるウェットエッチング、及びこれらの組み合わせ等の方法が挙げられる。浸漬に使用される酸性もしくはアルカリ性の溶液は、光触媒多孔質体の表面を腐食できれば特に限定されず、例えばフッ素又は塩素を含む酸(フッ化水素酸、塩酸)であってもよい。なお、このエッチング工程は、フッ化水素ガス、塩化水素ガス、フッ化水素酸、塩酸等を、光触媒多孔質体の表面に吹き付けることで行ってもよい。
次に、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に制約されるものではない。
実施例1〜20:
表1〜3に、本発明の実施例1〜20のガラス組成、熱処理(結晶化)条件、及びこれらの結晶化ガラスの分解活性指数を示した。実施例1〜20の結晶化ガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、塩化物、メタ燐酸化合物等の通常のガラスに使用される高純度の原料を選定して用いた。これらの原料を、表1〜3に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス組成の溶融難易度に応じて電気炉で1200℃〜1600℃の温度範囲で1〜24時間溶解し、攪拌均質化して泡切れ等を行った。その後、ガラスの溶液を金型に鋳込み、徐冷してガラスを作製した。得られたガラスを研磨して、表1〜3の各実施例に記載された熱処理条件にて、ガラスの結晶化を行った。より詳細には、得られたガラスを研磨して、表1〜3の各実施例に記載された温度(℃)に加熱し、表1〜3の各実施例に記載された時間(hr)にわたりこの温度(℃)で保持することにより、ガラスの結晶化を行った。その後、この温度(℃)から冷却して目的の結晶相を有する結晶化ガラスを得た。
表1〜3に記載の以下の標記は、次のような含有量(モル%)を表す。
:Pの含有量
SiO:SiOの含有量
:Bの含有量
Al:Alの含有量
TiO:TiOの含有量
Nb:Nbの含有量
ZnO:ZnOの含有量
MgO:MgOの含有量
CaO:CaOの含有量
SrO:SrOの含有量
BaO:BaOの含有量
LiO:LiOの含有量
NaO:NaOの含有量
O:KOの含有量
WO:WOの含有量
ZrO:ZrOの含有量
SnO:SnOの含有量
Nb+Zn+RO:Nb成分とZnO成分と下記RO成分の合計含有量
RO+Ti+Nb:下記RO成分とTiO成分とNb成分の合計含有量
Ti+Nb:TiO成分とNb成分の合計含有量
Zn+RO:ZnO成分と下記RO成分の合計含有量
Zn+Mg:ZnO成分とMgO成分の合計含有量
RnO:RnO成分(式中、RnはLi、Na、K、Rb、Csからなる群より選択される1種以上)の合計含有量
RO:RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr及びBaからなる群より選択される1種以上)成分の合計含有量
RnO+RO:上記RnO成分と上記RO成分の合計含有量
Si+B+Al:SiOとB成分とAlの合計含有量
P+Si+B+Al:P成分とSiOとB成分とAlの合計含有量
Figure 0006310247
Figure 0006310247
Figure 0006310247
実施例1〜20の結晶化ガラスについて、4.6質量%のフッ酸で1分間エッチングした後に、JIS R 1703−2:2007に基づくメチレンブルーの分解試験を行った。表1〜3に示すようにメチレンブルーの分解活性指数は、いずれの結晶化ガラスにおいても5.0nmol/L/min以上であり、優れた光触媒活性を有することが確認できた。
さらに、実施例9の組成を有し、且つ前述のテンプレート法で気孔率が80%に達する多孔質体を作製し、紫外線照射による有害ガスであるアセトアルデヒドの分解の有無を確認した。図2は、1mW/cmの紫外線を照射した前後のアセトアルデヒド分解特性を示したものである。図2の縦軸はアセトアルデヒドと二酸化炭素の濃度(ppm)を表し、横軸は時間(h)を表す。紫外線照射前(0hから照射開始の間)は、アセトアルデヒドの濃度がほぼ一定に保たれ、二酸化炭素が殆ど検出されなかったが、紫外線照射後は、アセトアルデヒドの濃度が減少するにつれて二酸化炭素(CO)の濃度が増えていくことが明らかになった。このことから、紫外線照射によってアセトアルデヒドが分解され、二酸化炭素に変わることが示された。
また、図示しないが、1mW/cmの紫外線の代わりに10000ルクスの蛍光灯を照射しても同様な現象が確認された。
以上のことから、本発明の結晶化ガラスは、紫外線に応答するのみならず、可視光にも応答する特性を有することが示唆される。
また、実施例1〜20の結晶化ガラスについて、JIS R 1703−1:2007に基づき、θ/2法によりサンプル表面と水滴との接触角を測定することにより、親水性を評価した。
この接触角の求め方を詳述する。紫外線照射前及び照射後の結晶化ガラスの表面にそれぞれ水を滴下し、ガラスの表面から水滴の頂点までの高さhと、水滴の試験片に接している面の半径rと、を協和界面科学社製の接触角計(DM501)を用いて測定し、θ=2tan−1(h/r)の関係式より、水との接触角θを求めた。なお、紫外線の光源としては、東芝ブラックライト(FL−10BLB)を用い、照射照度を1mW/cmとした。
表1〜3に示すように、120分の紫外線照射を行うと水との接触角が10°以下となることが確認された。これにより、実施例1〜20の結晶化ガラスは、高い親水性を有することが明らかとなった。
なお、実施例1と2の結晶化ガラスについて、紫外線照射時間と接触角の関係を示した図を図1に記載する。図1に示すように、実施例1及び実施例2で得られた結晶化ガラスは、30分以上の紫外線照射によって水との接触角が10°以下となり、60分以上の紫外線照射によって水との接触角が5°以下となることが確認された。
なお、XRD(X線回折)及びSEM/EDSによる分析により、上述の実施例で得られた結晶化ガラスについては、ニオブイオンを含む結晶があることが推定された。
以上の実験結果が示すように、本発明の実施例1〜20の結晶化ガラスは、優れた光触媒活性を有しており、且つ光触媒結晶が均一にガラスに分散しているため、剥離による光触媒機能の損失がなく、耐久性に優れた光触媒機能性素材として利用できることが確認された。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。当業者は本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を成し得、それらも本発明の範囲内に含まれる。

Claims (9)

  1. 酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb成分を10〜50、P 成分を10〜50%、SiO 成分を0〜10%、B 成分を0〜10%、Al 成分を0〜10%、TiO 成分を0〜20%、Na O成分を0〜10、ZnO成分及びRO成分からなる群より選択される1種以上の成分を1〜60%含有する、光触媒活性を有する結晶化ガラス(RはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上とする)。
  2. 酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、Nb成分、ZnO成分及びRO成分からなる群より選択される1種以上の成分を合計で20%以上含有する、請求項1に記載の結晶化ガラス(RはMg、Ca、Sr、Baから選ばれる1種以上とする)。
  3. 酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、ZnO成分を0〜50%含有する、請求項1又は2に記載の結晶化ガラス。
  4. 酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、RO成分、TiO及びNb成分からなる群より選択される1種以上の成分を合計で20%以上含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  5. 酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、SiO成分、B及びAlからなる群より選択される1種以上の成分を合計で0〜20%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  6. 酸化物換算組成の全物質量に対して、モル%で、RnO成分を0〜30%含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の結晶化ガラス(RnはLi、Na、K、Rb、Csから選ばれる1種以上とする)。
  7. 紫外領域から可視領域までのいずれかの波長の光、又はそれらが複合した波長の光によって、触媒活性が発現される、請求項1〜6のいずれかに記載の結晶化ガラス。
  8. 1mW/cmの紫外線を30分以上照射した表面と水滴との接触角が20°以下である、請求項1〜7のいずれか記載の結晶化ガラス。
  9. 日本工業規格JIS R 1703−2:2007に基づくメチレンブルーの分解活性指数が5.0nmol/l/min以上である、請求項1〜8のいずれか記載の結晶化ガラス。
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