以下に図面を参照して、遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態では、旧第1種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)について説明する。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、ぱちんこ遊技機の一例を示す説明図である。図1に示すように、ぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を有する。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102に沿って上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。遊技領域103には、複数の釘が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配置されている。
遊技盤101のほぼ中央部分には画像表示部としてのメイン液晶104が配置されているとともに、メイン液晶104の両横にはそれぞれサブ液晶114が配置されている。メイン液晶104およびサブ液晶114は、液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)である。
サブ液晶114は、不図示の移動機構により、メイン液晶104の前面を進退自在に移動する。図1に示す例では、サブ液晶114はメイン液晶104の前面から待避した位置にある。サブ液晶114は、所定の演出時に、メイン液晶104の前面に移動し、所定の画像を表示する。また、サブ液晶114は、待避位置においても画像を表示する。
メイン液晶104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配置されている。第1始動口105および第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106には、開閉自在な普通電動役物107が設けられている。普通電動役物107は、閉状態と、開状態と、をとり得る。閉状態は、遊技球を第2始動口106へ入賞させにくくする閉鎖した状態である。開状態は、手前側に開いた状態であり遊技球を第2始動口106へ入賞させやすくする開放した状態である。これらの状態の切り替えは、普通電動役物107が備えるソレノイドによって行われる。なお、普通電動役物107は、手前側に開放する態様に限らず、例えばチューリップ形状の左右に開放する態様でもよい。
普通電動役物107は、メイン液晶104の左側および右側に配置された各ゲート108のいずれかを遊技球が通過することによって行われる普通図柄判定の判定結果に基づいて開放する。また、メイン液晶104の右側には上大入賞口109aが配置されている。上大入賞口109aの下方には、下大入賞口109bが配置されている。各大入賞口109a,109bは、大当たり遊技状態となったときに大当たりの種別に応じて開放し、遊技球の入賞により所定個数(例えば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
メイン液晶104の下方には普通入賞口110が配置されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(例えば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配置された構成にしてもよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の左下部分には、遊技者に特別図柄などの遊技情報を明示する情報表示部112が設けられている。情報表示部112には、遊技球が第1始動口105へ入賞することにより行われる大当たり判定の判定結果を表す第1特別図柄や、遊技球が第2始動口106へ入賞することにより行われる大当たり判定の判定結果を表す第2特別図柄などを表示する。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材113は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
枠部材113において、遊技領域103の上側にはスピーカが組み込まれている。また、枠部材113において遊技領域103の上側部分には、演出ライト部(枠ランプ)115が設けられている。
枠部材113の下部位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は、発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル116は、枠部材113と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル116は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材117を有する。発射指示部材117は、操作ハンドル116の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材117が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射する。
枠部材113において、遊技領域103の下側部分には、演出ボタン118や十字キー119が設けられている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者からの操作を受け付ける。演出ボタン118は、発光して遊技者からの操作を受け付ける通常ボタン演出を行うほか、通常よりも上方へ突出して、押下させる量を通常よりも長くして遊技者からの操作を受け付ける特殊ボタン演出などを行う。
また、枠部材113において、遊技領域103の下側部分には、不図示の打球供給皿が設けられ、打球供給皿により、遊技球が収容されるとともに、順次発射部へ遊技球が送り出される。
また、遊技盤101上には、所定の演出時に駆動される可動役物130が設けられている。可動役物130は、不図示の移動機構により、所定の揺動軸を中心にして図中の左右に揺動する。また、可動役物130のほかにも、通常時には待避しており、所定の演出時にはメイン液晶104の前面に進出する不図示の可動役物もある。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
次に、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、大当たり乱数を取得し、取得した大当たり乱数を用いて、大当たり判定を行う。遊技球が第1始動口105へ入賞して大当たり判定を行うと、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部112a(図2参照)の第1特別図柄を変動表示する。変動表示の開始から所定期間経過後に、第1特別図柄表示部112aには、大当たり判定の判定結果を示す図柄が停止表示される。
遊技球が第2始動口106へ入賞して大当たり判定を行うと、ぱちんこ遊技機100は、第2特別図柄表示部112b(図2参照)の第2特別図柄を変動表示する。変動表示の開始から所定期間経過後に、第2特別図柄表示部112bには、大当たり判定の判定結果を示す図柄が停止表示される。
ぱちんこ遊技機100は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を変動表示すると、それに同期させて、メイン液晶104上に3つの装飾図柄(例えば数字図柄)を変動表示する。そして、特別図柄の停止表示に同期させて、装飾図柄を停止表示する。例えば、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを示す特別図柄を停止表示する場合には、大当たりを示す組み合わせで装飾図柄を停止表示する。
大当たりを示す組み合わせとは、関連性のある組み合わせであり、例えば、「7・7・7」などのいわゆるゾロ目や、「松・竹・梅」といった観念的に関係のある組み合わせである。大当たりを示す組み合わせで装飾図柄を停止表示するときには、装飾図柄の停止表示に至るまでにリーチ演出を行って遊技者に大当たりとなることを期待させる。
リーチ演出とは、例えば、複数の装飾図柄(第1装飾図柄、第2装飾図柄および第3装飾図柄)の一部(2つ)を同一または関連性のある装飾図柄で、停止表示して、残りの一部(1つ)を、通常よりも長時間の変動表示とする演出である。大当たりの場合、ぱちんこ遊技機100は、残りの1つを停止中の2つと関連性のある装飾図柄で停止表示する。ハズレの場合、ぱちんこ遊技機100は、残りの1つを停止中の2つとは関連性のない装飾図柄で停止表示する。
大当たり判定の結果がハズレである場合には、ぱちんこ遊技機100は、通常のハズレ変動(以下「通常ハズレ変動」という。)、または、ハズレとなるリーチ演出を行う。通常ハズレ変動では、例えば、第1装飾図柄の次に停止表示する第2装飾図柄を、第1装飾図柄とは関連性のない図柄で停止表示し、つまり、リーチ演出に発展することのない図柄で停止表示する。なお、ハズレ時において停止表示した装飾図柄の出目をハズレ目という。
また、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は、所定数を上限に、大当たり判定を受ける権利を示す保留情報を記憶する。所定数とは、第1始動口105および第2始動口106のそれぞれについて、例えば4である。ぱちんこ遊技機100は、通常ハズレ変動においては、保留情報の数(以下「保留数」という)に応じた変動時間、図柄(特別図柄および装飾図柄)を変動表示する。
通常ハズレ変動における変動時間は、例えば、変動開始時における保留数が0または1の場合13秒、保留数が2の場合8秒、保留数が3以下の場合3秒、である。ぱちんこ遊技機100は、通常のハズレ変動では、ハズレ目で装飾図柄を停止表示する。ハズレを示す装飾図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は、次の保留情報による大当たり判定を行って、装飾図柄を変動表示および停止表示する。
大当たりを示す組み合わせで装飾図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態に移行させ、当選した大当たりに応じたラウンド分、大入賞口(上大入賞口109aまたは下大入賞口109b)を開放する。例えば、1ラウンドは、開放させた上大入賞口109aまたは下大入賞口109bへの10球の入球があるまでの期間または所定時間(例えば29.5秒)が経過するまでの期間である。
大当たり遊技状態では、ぱちんこ遊技機100は、当選したラウンド数分、大入賞口(上大入賞口109aまたは下大入賞口109b)を開放する。遊技球が開放中の上大入賞口109aまたは下大入賞口109bへ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は、所定個数の賞球を払い出す。
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態においては、大当たり判定を行わない。ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態において、当選したラウンド数分の上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの開放が完了すると大当たり遊技状態を終了する。大当たり遊技状態では、例えば、遊技領域103のうちの右側の領域に遊技球が打ち出される、いわゆる右打ちによって遊技が行われ、右側領域に配置された上大入賞口109aまたは下大入賞口109b内に入賞させて遊技が行われる。
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を終了すると、再び、大当たり判定を行う非大当たり遊技状態へ復帰する。大当たり遊技状態を終了させた後の非大当たり遊技状態では、例えば、補助遊技状態などの特定の遊技状態となる。
(ぱちんこ遊技機の遊技状態)
非大当たり遊技状態には、低確率非補助遊技状態(通常遊技状態)と、高確率補助遊技状態(確変遊技状態:確率変動遊技状態)と、低確率補助遊技状態(時短遊技状態:時間短縮遊技状態)と、高確率非補助遊技状態(潜確遊技状態:潜伏確変遊技状態)の4つの遊技状態がある。ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を除いて、この3つの遊技状態のうち、いずれか1つの遊技状態で遊技を制御する。
補助遊技状態は、普通電動役物107の遊技サポート機能が付加されて、通常遊技状態に比べて第2始動口106へ入賞しやすくなる遊技状態である。遊技サポート機能は、例えば、普通図柄の変動時間の短縮化、普通図柄当たりの当選確率の向上(普通電動役物107の開放頻度の増加)、普通電動役物107の開放時間の長時間化、といった機能である。
本実施の形態において、補助遊技状態では、遊技領域103のうち、右側領域に遊技球が打ち出される右打ちによって遊技が行われ、主に第2始動口106への入賞によって遊技が進行される。また、非補助遊技状態(通常遊技状態または潜確遊技状態)では、遊技領域103のうち、左側領域に遊技球が打ち出される左打ちによって遊技が行われ、主に第1始動口105への入賞によって遊技が進行される。
低確率遊技状態(通常遊技状態または時短遊技状態)では、大当たりに当選しにくい低確率遊技状態用の低確率当たり判定テーブルを用いた大当たり判定が行われる。低確率遊技状態における大当たりの当選確率は、例えば、1/150である。
高確率遊技状態(確変遊技状態または潜確遊技状態)では、大当たりに当選しやすい高確率遊技状態用の当たり判定テーブルを用いた大当たり判定が行われる。高確率遊技状態における大当たりの当選確率は、例えば、1/25である。このように、高確率遊技状態(確変遊技状態または潜確遊技状態)では、低確率遊技状態(通常遊技状態または時短遊技状態)に比べて高い確率で大当たりに当選する。
ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技の終了後に、例えば、確変遊技状態または時短遊技状態に遷移し、さらに、遷移後に所定回数の大当たり判定を行うとさらに別の遊技状態に遷移する。ここで、遊技状態の遷移について説明する。
例えば、ぱちんこ遊技機100は、大当たりの種類として、確変大当たり(7ラウンド(R)確変大当たり、2R確変大当たり)、または通常大当たり(7R通常大当たり)、をとり得る。確変大当たりに当選すると、大当たり終了後、10000変動が終了するまで高確率遊技状態となる。実際の遊技において、大当たりに当選することなく10000変動が終了することは生じ得ないため、事実上、次回の大当たりに当選するまで、高確率遊技状態が設定されることとなる。
また、確変大当たりに当選すると、大当たり終了後、例えば30変動が終了するまで補助遊技状態が付加された高確率補助遊技状態(確変遊技状態)となる。大当たり終了後に30変動が経過すると、補助遊技が付加されなくなり、高確率非補助遊技状態(潜確遊技状態)となる。
また、通常大当たりに当選すると、大当たり終了後、例えば30変動が終了するまで、時短遊技状態となる。この30変動が経過すると、通常遊技状態(低確率非補助遊技状態)となる。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図2を用いて、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図2は、ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203と、を有する。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。例えば、主制御部201は、大当たり判定や、普通図柄判定や、遊技状態の設定、などを行い、遊技の進行を制御する。主制御部201は、主制御基板によって実現される。
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、特図保留記憶プログラム、大当たり判定プログラム、特図変動パターン選択プログラム、特図変動表示プログラム、普図保留記憶プログラム、普図当たり判定プログラム、普図変動パターン選択プログラム、普図変動表示プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラム、普通電動役物開放プログラム、などが記憶されている。
特図保留記憶プログラムは、第1始動口SW221によって遊技球が検出されると、大当たり判定を受ける権利である第1保留情報をRAM213に記憶させる。また、特図保留記憶プログラムは、第2始動口SW222によって遊技球が検出されると、大当たり判定を受ける権利である第2保留情報をRAM213に記憶させる。
大当たり判定プログラムは、第1保留情報および第2保留情報に対する特別遊技の判定である大当たり判定を行わせる。なお、特別図柄が変動表示していない客待ち状態中の始動入賞では保留情報を記憶させない構成とすることも可能である。この場合、大当たり判定プログラムは、第1始動口SW221または第2始動口SW222によって遊技球が検出された際に保留情報を一旦記憶させることなく、検出時に取得した大当たり乱数を用いて、大当たり判定を行わせればよい。
本実施の形態において、特別遊技である大当たりの種別は、例えば3種類としている。具体的には、7R確変大当たり(出球あり)、2R確変大当たり(出球なし)、7R通常大当たり(出球あり)、である。各大当たりが示すラウンド回数分、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bが開放する。
特図変動パターン選択プログラムは、大当たり判定結果に応じて、特別図柄の変動開始から変動停止までの変動時間を示した変動パターンを選択させる。特図変動パターン選択プログラムは、保留数に応じて変動パターンを選択させる。例えば、大当たり判定がハズレの場合、保留数が多いときほど、変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっている。特図変動表示プログラムは、特図変動パターン選択プログラムが実行されることによって選択された変動パターンを用いて特別図柄を変動表示および停止表示させる。
普図保留記憶プログラムは、ゲートSW223によって遊技球が検出されると、普通図柄判定を受ける権利である保留情報をRAM213に記憶させる。普図当たり判定プログラムは、普通図柄判定を受ける権利である保留情報に基づいて、普図当たりの判定を行わせる。普図変動パターン選択プログラムは、普通図柄判定結果に応じて、普通図柄の変動開始から変動停止までの変動時間を示した変動パターンを選択させる。普図変動表示プログラムは、普図変動パターン選択プログラムが実行されることによって選択された変動パターンを用いて普通図柄を変動表示および停止表示させる。
大入賞口制御プログラムは、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bを開放させる。遊技状態設定プログラムは、大当たりの種類に応じて、大当たり終了後の遊技状態を、時短遊技状態または確変遊技状態に設定させる。
また、遊技状態設定プログラムは、時短遊技状態において所定変動回数が経過すると通常遊技状態を設定させる。また、遊技状態設定プログラムは、確変遊技状態において所定変動回数が経過すると通常遊技状態を設定させる。普通電動役物開放プログラムは、普通図柄当たり時に、当たりの内容に応じた開放態様で、普通電動役物107を開放させる。
また、主制御部201には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、上大入賞口109aや下大入賞口109bなどの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部112c、保留表示部112d、などが接続される。
各種SWには、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、上大入賞口109aへ入賞した遊技球を検出する上大入賞口SW224aと、下大入賞口109bへ入賞した遊技球を検出する下大入賞口SW224bと、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225と、がある。
各種SW(221〜225)は、主制御部201に接続されており、それぞれ検出結果が主制御部201へ入力される。各種SW(221〜225)としては、近接スイッチなどが用いられる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、上述したソレノイドとしては、普通電動役物107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、上大入賞口109aを開閉動作させる上大入賞口ソレノイド232aと、下大入賞口109bを開閉動作させる下大入賞口ソレノイド232bと、がある。主制御部201は、各ソレノイド(231,232a,232b)の駆動を制御する。
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203に接続され、それぞれに対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部201は、演出制御部202に対しては変動開始コマンド、変動停止コマンド、保留数コマンド、などのコマンドを出力する。また、主制御部201は、賞球制御部203に対しては賞球コマンドを出力する。賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cと、を有する。演出制御部202は、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する。演出統括部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示内容を示す演出コマンドに基づいて、画像および音声の制御を行う。また、ランプ制御部202cは、演出統括部202aからの指示内容を示す演出コマンドに基づいて、遊技盤101および枠部材113などに設けられたランプの点灯を制御する。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。
CPU241は、予めROM242に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ROM242には、CPU241が上述した処理を実行するために必要となる各種プログラムが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241が各種プログラムを実行することにより、所定のタイミングで各種の演出コマンドが画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して出力される。
演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶された、変動演出パターン選択プログラム、予告演出選択プログラム、演出実行プログラム、などの演出制御プログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。
変動演出パターン選択プログラムは、特別図柄の変動パターンに対応させて、装飾図柄を用いたリーチ演出などの変動演出パターンを選択させる。例えば、リーチ演出には、複数の演出段階によって構成される。一例としてリーチ演出には、第1段階のノーマルリーチと、ノーマルリーチ後にさらに演出が発展する第2段階の発展リーチと、第2段階のリーチ後にさらに演出が発展する最終段階の最終リーチと、とがある。
ノーマルリーチは、例えば、第1装飾図柄と第2装飾図柄とを関連性のある図柄で停止表示したテンパイ状態において、第3装飾図柄をゆっくりとした変動表示にして、その後に第1装飾図柄および第2装飾図柄とは関連性のないハズレ目となる図柄で停止表示する演出である。発展リーチは、例えば物語調のストーリ演出によるリーチである。最終リーチは、例えば敵と味方の対決などのバトル演出によるリーチである。
変動演出パターン選択プログラムは、特別図柄の変動パターンHpが発展リーチまで行う変動パターンHpである場合や、最終段階の最終リーチまで行う変動パターンHpである場合に、ノーマルリーチ、発展リーチ、最終リーチを組み合わせたリーチ演出を選択させる。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、第1段階のリーチをノーマルリーチα,β、第2段階のリーチを発展リーチAとし、第3段階のリーチを最終リーチBとして説明するが、実際には各演出段階において多数の種類のリーチがある。
予告演出選択プログラムは、特別図柄の変動パターンに基づいて、予告演出を選択させる。予告演出は、例えば、ボタン演出、会話演出、ステップアップ演出、カットイン演出、キャラクタ演出、可動役物演出などである。ボタン演出は、遊技者からの演出ボタン118の操作により関連する後続の演出を行う演出である。会話演出、ステップアップ演出およびカットイン演出は、段階的に発展する演出であり、高段階に発展したときほど、大当たりに対する期待度が高くなる演出である。
キャラクタ演出は、例えば、キャラクタの色が大当たりに対する期待度に応じて異なる。可動役物演出は、可動役物130を動作させる演出であり、例えば、複数の可動役物130を備えた構成の場合、動作した可動役物130の種類数が多いときほど、期待度が高くなる演出である。また、複数の可動役物130を備えた構成では、特定の可動役物130が動作したときには、他の可動役物130が動作したときよりも期待度が高くなる演出とすることもできる。演出実行プログラムは、演出パターン選択プログラムおよび予告演出選択プログラムが実行されたことによって選択された各種演出を実行させる。
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244の配置位置は、演出統括部202aなど演出制御部202内に限らず、主制御部201内としてもよい。
また、演出統括部202aには、演出ボタン118が接続されており、遊技者から演出ボタン118が操作(押下)された旨を示すデータが入力される。また、演出統括部202aには、十字キー119が接続されており、遊技者によって選択されたキーに対応するデータが入力される。
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。
CPU251は、画像や音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像や音声の生成および出力処理のためのプログラム、各種画像データ、各種音声データ、などが記憶されている。各種画像データは、例えば、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像、予告画像、保留画像、などである。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能し、メイン液晶104に表示する画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御を行うように機能する。
例えば、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、装飾図柄画像表示処理、キャラクタ画像表示処理、ボタン画像表示処理など各種画像処理と、各種画像に応じた音声を出力する音声処理と、を実行する。画像処理および音声処理を実行する際に、CPU251は、所定の画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
ここで、装飾図柄画像には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄を示す画像や、発展リーチAを示す「A」の第1特殊装飾図柄を示す画像や、最終リーチBを示す「B」の第2特殊装飾図柄を示す画像がある。第1特殊装飾図柄を示す画像および第2特殊装飾図柄を示す画像は、それぞれ対応するリーチが行われる前の所定のタイミングで停止表示可能になっている。
RAM253に書き込まれた背景画像や装飾図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続されたメイン液晶104やサブ液晶114に対して出力され、メイン液晶104の表示画面上において重畳表示される。例えば、装飾図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することにより、図柄画像を優先して表示する。
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、各種プログラム、ランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部202cは、演出ライト部115と、盤ランプ264と、可動役物130と、に接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材113などに設けられたランプの点灯を制御したり、可動役物130の動作を制御したりする。
本実施の形態において、演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cと、を用いて、それぞれ異なる基板によって実現されるものとしたが、これらは同じプリント基板上に組み込まれるものとしてもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であっても、それぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)と、を有する。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、賞球制御処理を行うためのプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と、に接続される。
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御を行う。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータを有する。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、上大入賞口109a、下大入賞口109b、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技者による遊技操作を検出するセンサや、遊技球を発射させるソレノイドなどを有する。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作が検出されると、検出された遊技操作に対応してソレノイドを駆動させて遊技球を所定間隔で発射することにより、遊技球を遊技盤101の遊技領域103に送り出す。
また、賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各種の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部には、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296、などがある。賞球制御部203は、例えば賞球制御基板によって、その機能を実現する。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
上記構成の主制御部201と、賞球制御部203とは、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、賞球制御基板)に設けられるが、これに限らず、例えば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(変動演出のタイムチャートの一例)
次に、図3−1を用いて、変動演出のタイムチャートの一例について説明する。図3−1は、変動演出の一例を示すタイムチャートである。図3−1のタイムチャート300は、複数の演出が段階的に行われることを示している。
ぱちんこ遊技機100は、最初に通常変動301を行う。通常変動301において、ぱちんこ遊技機100は、3つの装飾図柄を変動表示し、第1装飾図柄、第2装飾図柄の順で停止表示する。通常変動301が通常ハズレ変動である場合は、ぱちんこ遊技機100は、第1装飾図柄と第2装飾図柄とをそれぞれ関連性のない図柄で停止表示し、さらに第3装飾図柄を停止表示して、今回の変動演出を終了する。
一方、通常変動301からノーマルリーチ302に移行する場合、ぱちんこ遊技機100は、通常変動301において、第1装飾図柄と第2装飾図柄とを関連性のある図柄で停止表示したテンパイ状態にする。
ノーマルリーチ302は、第3装飾図柄が通常変動301のときよりもゆっくりと変動表示される演出である。大当たりに当選しており、ノーマルリーチ302において大当たりを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄に第1装飾図柄および第2装飾図柄と関連性のある図柄(例えばゾロ目となる図柄)を停止表示し、一連の変動演出を終了して大当たり遊技に移行する。
発展リーチA303に移行させずにノーマルリーチ302においてハズレを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄に、第1装飾図柄および第2装飾図柄とは関連性のないハズレ目となる図柄を停止表示し、一連の変動演出を終了する。
一方、ノーマルリーチ302から発展リーチA303に移行する場合、ぱちんこ遊技機100は、ノーマルリーチ302において、第3装飾図柄に、例えば、発展リーチA303を示唆する特殊装飾図柄(第1特殊装飾図柄「A」)を仮停止表示する。
仮停止表示とは、装飾図柄があたかも停止しているかのように見せる表示であり、例えば、装飾図柄をゆらゆらと揺らす変動表示である。これに対して、本停止表示とは、装飾図柄を変動表示せずに停止させる表示である。
なお、全ての装飾図柄が本停止表示される図柄確定までの、例えばリーチ時の第1装飾図柄および第2装飾図柄の停止状態に見える表示などは、全て仮停止表示であるが、本明細書においては、第1装飾図柄および第2装飾図柄については仮停止表示と本停止表示とを区別せずにいずれも停止表示と記載し、第3装飾図柄についてのみ仮停止表示と本停止表示とを区別して記載する。以下の説明において、第3装飾図柄について、単に「停止表示」という場合、本停止表示を指すものとする。
第1特殊装飾図柄「A」は、第1装飾図柄および第2装飾図柄とは関連性のない図柄であるものの、ハズレを示す図柄ではなく、以降に行われる発展リーチの内容を示唆する図柄である。
なお、ノーマルリーチ302から発展リーチA303に移行するに際しては、第3装飾図柄に第1装飾図柄および第2装飾図柄とは関連性のない数字図柄(例えば「8」)が仮停止表示されて、発展リーチA303に移行させる第1非仮停止演出を行うこともある。このような第1非仮停止演出を行うことにより、遊技者を一度落胆させた後に、遊技者を高揚させることができ、相対的に遊技者の高揚感をより高くする演出もある。
また、ノーマルリーチ302から発展リーチA303に移行するに際しては、第3装飾図柄が仮停止表示されることなく、発展リーチA303に移行する第1非仮停止演出もある。このような第1非仮停止演出を行うことにより、第1特殊装飾図柄「A」が仮停止表示されなくても発展リーチA303に移行する場合があるため、第1特殊装飾図柄「A」が仮停止表示されなかった場合にも遊技者に期待感を抱かせることができる。このように、本実施の形態では、発展リーチA303に移行する場合、ノーマルリーチ302において必ずしも第1特殊装飾図柄「A」が仮停止表示されるとは限らない。
発展リーチA303は、例えば物語調の演出である。発展リーチA303において、最終リーチB304に発展せずにハズレを確定させる場合は、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄にハズレ目となる図柄を停止表示し、一連の変動演出を終了する。大当たりに当選しており、発展リーチA303において大当たりを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄にゾロ目となる図柄を停止表示し、一連の変動演出を終了して大当たり遊技に移行する。
一方、発展リーチA303において、最終リーチB304に発展する場合、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄に、例えば、最終リーチB304を示唆する特殊装飾図柄(第2特殊装飾図柄「B」)を仮停止表示する。第3装飾図柄の第2特殊装飾図柄「B」は、第1装飾図柄および第2装飾図柄とは関連性のなき図柄であるものの、ハズレを示す図柄ではなく、以降のリーチ演出内容を示唆する図柄である。
なお、発展リーチA303から最終リーチB304に移行するに際しては、第3装飾図柄に第1装飾図柄および第2装飾図柄とは関連性のない数字図柄(例えば「8」)が仮停止表示されて、最終リーチB304に移行させる第2非仮停止演出を行うこともある。このような第2非仮停止演出を行うことにより、遊技者を一度落胆させた後に、遊技者を高揚させることができ、相対的に遊技者の高揚感をより高くする演出もある。
また、発展リーチA303から最終リーチB304に移行するに際しては、第3装飾図柄が仮停止表示されることなく、最終リーチB304に移行する第2非仮停止演出もある。このような第2非仮停止演出を行うことにより、第2特殊装飾図柄「B」が停止表示されなくても最終リーチB304に移行する場合があるため、第2特殊装飾図柄「B」が仮停止表示されなかった場合にも遊技者に期待感を抱かせることができる。このように、本実施の形態では、最終リーチB304に移行する場合、発展リーチA303において必ずしも第2特殊装飾図柄「B」が仮停止表示されるとは限らない。
最終リーチB304は、例えば味方と敵とが対戦するバトル演出である。最終リーチB304においてハズレを確定させる場合は、ぱちんこ遊技機100は、バトル演出において敗北する演出を行った後に、第3装飾図柄にハズレ目となる図柄を停止表示し、一連の変動演出を終了する。
大当たりに当選しており、最終リーチB304において大当たりを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、バトル演出において勝利する演出を行った後に、第3装飾図柄にゾロ目となる図柄を停止表示し、一連の変動演出を終了して大当たり遊技に移行する。
このように、仮停止表示可能な第3装飾図柄は、ノーマルリーチ302における第1特殊装飾図柄「A」と、発展リーチA303における第2特殊装飾図柄「B」と、で異なる。
本実施の形態では、ノーマルリーチ302の直後に発展リーチA303のみが行われる場合について説明するが、ノーマルリーチ302の直後に例えば発展リーチA303または別の発展リーチA2のいずれか一方が行われる構成とした場合、ノーマルリーチ302において、直後に行われるリーチを示唆する第1特殊装飾図柄として「A」または「A2」を仮停止表示可能にし、仮停止表示された第1特殊装飾図柄に対応する発展リーチA303に移行するようにしてもよい。
同様に、本実施の形態では、発展リーチA303の直後に最終リーチB304のみが行われる場合について説明するが、発展リーチA303の直後に例えば最終リーチB304または最終リーチCのいずれか一方が行われる構成とした場合、発展リーチA303において、直後に行われるリーチを示唆する第2特殊装飾図柄として「B」または「C」を仮停止表示可能にし、仮停止表示された第2特殊装飾図柄に対応する最終リーチに移行するようにしてもよい。
本実施の形態では、ノーマルリーチ302や発展リーチA303において第3装飾図柄に、直後に行われるリーチに対応する特殊装飾図柄が仮停止表示された場合には、必ず対応するリーチが行われる。したがって、複数段階の演出を行うにあたり、次の段階のリーチと関連付けた図柄演出を行うことができる。
これにより、遊技者は、ノーマルリーチ302や発展リーチA303において、第3装飾図柄については、第1装飾図柄および第2装飾図柄と関連性のある図柄(大当たりを示す図柄)の停止表示のほか、特殊装飾図柄の仮停止表示を期待して遊技することができる。このため、本実施の形態によれば、装飾図柄を用いた変動演出の演出効果を向上させることができる。
(変動演出の一例)
次に、図3−2〜図3−4を用いて、図3−1に示したタイムチャート300の変動演出の一例について詳細に説明する。図3−2は、変動演出の一例を示す説明図(その1)である。図3−3は、変動演出の一例を示す説明図(その2)である。図3−4は、変動演出の一例を示す説明図(その3)である。図3−2の(1)から図3−4の(12)に示す演出は、いずれも、メイン液晶104に表示される変動演出を簡易的に示している。
図3−2の(1)は、通常変動を示している。(1)において、第1装飾図柄Sz1、第2装飾図柄Sz2および第3装飾図柄Sz3は、それぞれ上方から下方へスクロール表示されている。変動表示されている第1装飾図柄Sz1、第2装飾図柄Sz2および第3装飾図柄Sz3は、例えば、第1装飾図柄Sz1、第2装飾図柄Sz2、第3装飾図柄Sz3の順で停止表示される。
(1)の通常変動からノーマルリーチに発展する場合は、ぱちんこ遊技機100は、第1装飾図柄Sz1および第2装飾図柄Sz2を関連性のある図柄(例えば「7」のテンパイ図柄)で停止表示する。(1)の変動演出において、ノーマルリーチに発展しない場合は、つまり、通常ハズレ変動である場合は、ぱちんこ遊技機100は、第1装飾図柄Sz1、第2装飾図柄Sz2および第3装飾図柄をハズレ目で停止表示し、変動演出を終了する。
(2)は、ノーマルリーチを示している。ノーマルリーチにおいて、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3を(1)に比べてゆっくりとスクロール表示する。ノーマルリーチにおいて所定時間経過すると、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを確定させる演出ではない場合には(3)に移行する。大当たりに当選しており、(3)において大当たりを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3をゾロ目となる「7」の図柄で停止表示する。
(3)は、第3装飾図柄Sz3は、第1装飾図柄Sz1および第2装飾図柄Sz2と関連性のない「8」の図柄で仮停止表示されている状態を示している。発展リーチに移行することなくノーマルリーチでハズレを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、(3)の仮停止表示している第3装飾図柄Sz3を本停止表示して、変動演出を終了する。一方、(3)において、ノーマルリーチで終了しない場合、ぱちんこ遊技機100は、(4)に以降する。
(4)は、(3)において仮停止表示された第3装飾図柄Sz3が再び変動表示される第1煽り演出320を示している。第1煽り演出320において、ぱちんこ遊技機100は、例えば、「7」に近い値の「6」〜「9」の4つの数字図柄と、以降に発展リーチAに発展することを示唆する文字図柄の第1特殊装飾図柄「A」と、のうちのいずれか一つが仮停止表示可能なことを遊技者に示す特殊な演出を行う。第1特殊装飾図柄「A」は、例えば第1煽り演出320においてのみ出現する図柄である。(4)において第1煽り演出320における特殊な演出が終了すると、ぱちんこ遊技機100は、(5)に移行する。
(5)は、第3装飾図柄Sz3に第1特殊装飾図柄「A」が仮停止表示されており、直後に発展リーチAが行われることを示している。発展リーチAに発展させずハズレを確定させる場合、ぱちんこ遊技機100は、(5)において、第3装飾図柄Sz3に、ハズレ目となる、「6」、「8」、「9」のいずれかの数字図柄を停止表示する。大当たりに当選しており、(5)において大当たりを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3にゾロ目となる「7」の図柄を停止表示する。
(5)に示すように、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3に第1特殊装飾図柄「A」を仮停止表示すると、(6)に移行する。なお、ノーマルリーチから発展リーチAに移行するに際しては、第1煽り演出320において第3装飾図柄が仮停止表示されることなく、そのまま発展リーチAに移行することもある。また、ノーマルリーチから発展リーチAに移行するに際しては、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄に、第1特殊装飾図柄「A」以外の「6」、「8」、「9」のいずれかの数字図柄を仮停止表示した後に、発展リーチAに移行することもある。
(6)は、発展リーチAの演出を示している。発展リーチAは、例えば物語調の演出である。発展リーチAにおいて所定時間経過すると、遊技機100は、大当たりを確定させる演出ではない場合には、(7)に移行する。
大当たりに当選しており、発展リーチAにおいて大当たりを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、(7)において第3装飾図柄Sz3にゾロ目となる「7」の図柄を停止表示する。
(7)は、第3装飾図柄Sz3が、第1装飾図柄Sz1および第2装飾図柄Sz2と関連性のない「8」の図柄で仮停止表示されている。最終リーチBに移行することなく発展リーチAでハズレを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、(7)の仮停止表示している第3装飾図柄Sz3を本停止表示して、変動演出を終了する。一方、(7)において、発展リーチAで終了しない場合、ぱちんこ遊技機100は、(8)に移行する。
(8)は、(7)において仮停止表示された第3装飾図柄Sz3が再び変動表示される第2煽り演出330を示している。第2煽り演出330において、ぱちんこ遊技機100は、例えば、「7」に近い値の「6」〜「9」の4つの数字図柄と、以降に最終リーチBに発展することを示唆する文字図柄の第2特殊装飾図柄「B」と、のうちのいずれか一つが仮停止表示可能なことを遊技者に示す特殊な演出を行う。第2特殊装飾図柄「B」は、例えば第2煽り演出330においてのみ出現する図柄である。(8)において第2煽り演出330における特殊な演出が終了すると、ぱちんこ遊技機100は、(9)に移行する。
(9)は、第3装飾図柄Sz3に第2特殊装飾図柄「B」が仮停止表示されており、直後に最終リーチBが行われることを示している。最終リーチBに発展させずにハズレを確定させる場合、ぱちんこ遊技機100は、(9)において、第3装飾図柄Sz3に、ハズレ目となる「6」、「8」のいずれかの図柄を停止表示する。大当たりに当選しており、(9)において大当たりを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3にゾロ目となる「7」の図柄を停止表示する。
(9)に示すように、第3装飾図柄Sz3に第2特殊装飾図柄「B」が仮停止表示されると、(10)に移行する。なお、発展リーチAから最終リーチBに移行するに際しては、ぱちんこ遊技機100は、第2煽り演出330において第3装飾図柄を仮停止表示することなく、そのまま最終リーチBに移行させてもよい。また、発展リーチAから最終リーチBに移行するに際しては、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄に、第2特殊装飾図柄「B」以外の「6」、「8」、「9」のいずれかの数字図柄を仮停止表示した後に、発展リーチAに移行させてもよい。
(10)は、最終リーチBの演出を示している。最終リーチBは、例えばバトル演出である。例えばバトルに勝利すると、(11)に示すように、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3にゾロ目となる「7」の図柄を仮停止表示する。そして、(12)に示すように、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3を本停止表示する。
最終リーチBにおいて、ハズレを確定させる場合には、ぱちんこ遊技機100は、第3装飾図柄Sz3に、ハズレ目となる、「6」、「8」、「9」のいずれかの数字図柄を停止表示する。
このように、本実施の形態では、段階的に進行する演出において、所定のタイミングで、以降の演出を示唆する特殊装飾図柄を仮停止表示することにより、仮停止表示した装飾図柄の仮停止表示と次の段階の演出とを関連付けた一連の演出を行うことができる。したがって、遊技者に装飾図柄を注視させることができ、装飾図柄を有効活用した演出を行うことができる。これにより、装飾図柄による演出のバリエーションを増やすことができる。
上述した説明では、図3−2の(4)において第1煽り演出320を行い、図3−3(8)において第2煽り演出330を行って、特殊装飾図柄の仮停止表示を可能にしたが、これに限らず、特殊装飾図柄の仮停止表示を可能にする構成としてもよい。例えば、数字図柄が停止表示可能な演出段階において、特殊装飾図柄を仮停止表示することを可能な構成としてもよい。
具体的には、図3−2の(4)の第1煽り演出320に代えて、図3−2の(3)において第1特殊装飾図柄「A」を仮停止表示可能にした煽り演出とすればよい。また、図3−3(8)の第2煽り演出330に代えて、図3−3の(7)において第2特殊装飾図柄「B」を仮停止表示可能にした煽り演出とすればよい。つまり、この場合、図3−2の(4)の第1煽り演出320や図3−3(8)の第2煽り演出330を行わないでよい。このように、煽り演出は、数字図柄が停止表示可能な演出段階において行うこともできる。
また、図3−2の(4)の第1煽り演出320や図3−3(8)の第2煽り演出330においては、通常時に停止表示可能な数字図柄「6」〜「9」に加えて、第1特殊装飾図柄「A」や第2特殊装飾図柄「B」を表示する場合について説明したが、これに限らない。例えば、当たりを示す装飾図柄(ここでは「7」)と、直後の演出内容を示す特殊装飾図柄と、ハズレを示す装飾図柄と、が表示されていればよい。具体的には、当たりを示す装飾図柄「7」の前後となる「6」または「8」のいずれかを特殊装飾図柄に差し替えて表示し、また、ハズレ図柄(例えば「9」)を表示することにより、例えば、「7」、「A」、「9」の装飾図柄を仮停止表示可能に表示してもよい。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
次に、図4を用いて、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図4は、ぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。図4に示すように、ぱちんこ遊技機100は、特別遊技判定部401と、変動時間決定部402と、図柄表示制御部403と、特別遊技実行部404と、演出実行部410と、を有する。
特別遊技判定部401は、始動条件の成立により、遊技者にとって有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う。始動条件の成立とは、例えば、遊技盤101上に設けられる始動領域を遊技球が通過することである。始動領域は、例えば、第1始動口105または第2始動口106である。特別遊技は、大当たり遊技である。特別遊技判定は、大当たり判定である。本実施の形態において、大当たり遊技の種類は、例えば、7R確変大当たり、7R通常大当たり、2R確変大当たり、がある。
変動時間決定部402は、特別遊技判定部401による判定結果に基づいて、特別図柄を変動表示する図柄変動時間を決定する。図柄変動時間は、特別図柄の変動開始から終了までを示した変動パターンに相当する。
図柄表示制御部403は、特別図柄を変動表示し、変動時間決定部402によって決定された図柄変動時間が経過すると、特別遊技判定部401による判定結果を示す判定図柄を停止表示する。例えば、図柄表示制御部403は、第1特別図柄表示部112aや第2特別図柄表示部112b上に表示される特別図柄の変動表示を制御する。
特別遊技実行部404は、特別遊技判定部401によって特別遊技を行うと判定された場合、図柄表示制御部403によって特別遊技を示す判定図柄が停止表示された後に特別遊技を実行する。具体的には、特別遊技実行部404は、大当たり判定の結果が大当たりである場合、大当たりの種類を示す図柄の停止表示後に、停止表示した図柄に応じた大当たり遊技を実行する。大当たり遊技において、特別遊技実行部404は、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bを開放する。
演出実行部410は、変動演出部411と、図柄演出部412と、を有する。変動演出部411は、変動時間決定部402によって決定された図柄変動時間に基づいて、通常の変動演出、該通常の変動演出とは異なる第1特殊変動演出および第1特殊変動演出の後に実行可能な第2特殊変動演出を実行する。通常の変動演出とは、リーチ演出前の通常変動による演出であり、例えば、通常ハズレ変動の演出である。
第1特殊変動演出は、例えば、ノーマルリーチや発展リーチの演出である。具体的には、例えば、第1特殊変動演出は、発展リーチAである。第2特殊変動演出は、ノーマルリーチや発展リーチの後に行われる、さらに発展した最終リーチの演出である。具体的には、例えば、第2特殊変動演出は、発展リーチAに後続する最終リーチBである。
図柄演出部412は、図柄表示制御部403による特別図柄の変動表示中に装飾図柄を変動表示し、図柄変動時間が経過すると、特別遊技判定部401による判定結果を示す装飾図柄を停止表示する。装飾図柄には、仮停止表示されることにより、第1特殊変動演出が行われることを示唆する第1特殊装飾図柄、および、第2特殊変動演出が行われることを示唆する第2特殊装飾図柄が含まれる。
第1特殊装飾図柄は、例えば、発展リーチAが行われることを示す「A」の文字図柄である(図3−3の(5)参照)。第2特殊装飾図柄は、例えば、最終リーチBが行われることを示す「B」の文字図柄である(図3−4の(9)参照)。第1特殊装飾図柄および第2特殊装飾図柄は、文字図柄に限らず、記号やイラストなどによる図柄でもよいし、通常変動時には用いられない数字図柄としてもよい。第1特殊装飾図柄および第2特殊装飾図柄は、ともに第3装飾図柄に対して行うものとするが、第1装飾図柄または第2装飾図柄に対して行うことも可能である。
図柄演出部412は、変動演出部411によって第1特殊変動演出が行われる場合、第1特殊変動演出が行われる前の第1のタイミングにおいて、第1特殊装飾図柄を仮停止表示可能にする。仮停止表示とは、装飾図柄があたかも停止しているかのように見せる表示であり、例えば、装飾図柄をゆらゆらと揺らす変動表示である。
第1特殊変動演出が行われる前の第1のタイミングとは、例えば、発展リーチAが行われる前のノーマルリーチ時における第3装飾図柄の停止タイミングである。なお、第1特殊装飾図柄を第1装飾図柄(または第2装飾図柄)について行う場合には、第1のタイミングは、通常変動時における第1装飾図柄(または第2装飾図柄)の停止タイミングとしてもよい。第1特殊装飾図柄は、例えば、第1のタイミングにおいてのみ停止表示され、第1のタイミング以外のタイミングでは停止表示されない。
図柄演出部412は、変動演出部411によって第2特殊変動演出が行われる場合、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおいて、第2特殊装飾図柄を仮停止表示可能にする。第2のタイミングは、例えば、発展リーチAが行われている際の第3装飾図柄の停止タイミングである。第2特殊装飾図柄は、例えば、第2のタイミングにおいてのみ停止表示され、第2のタイミング以外のタイミングでは停止表示されない。
また、図柄演出部412は、第1のタイミングにおいて、第1特殊変動演出を行うか否かを煽る第1煽り演出320を行って第1特殊装飾図柄を仮停止表示可能にする。第1煽り演出320は、第1のタイミングにおいて第1特殊装飾図柄が仮停止表示される可能性があることを示唆する演出である。例えば、第1煽り演出320は、変動表示中の装飾図柄に第1特殊装飾図柄が含まれていることを明示し、第1特殊装飾図柄が仮停止表示される可能性があることを示唆する特殊変動演出を含む。また、第1煽り演出320において仮停止表示可能に明示する図柄には、例えば直後に発展することのない第2特殊装飾図柄は含まれない。
また、図柄演出部412は、第2のタイミングにおいて、第2特殊変動演出を行うか否かを煽る第2煽り演出330を行って第2特殊装飾図柄を仮停止表示可能とする。第2煽り演出330は、第2特殊装飾図柄が仮停止表示される可能性があることを示唆する演出である。例えば、第2煽り演出330は、変動表示中の装飾図柄に第2特殊装飾図柄が含まれていることを明示し、第2特殊装飾図柄が仮停止表示される可能性があることを示唆する特殊変動演出である。第2煽り演出330において仮停止表示可能に明示する図柄には、例えば以降に発展することのない第1特殊装飾図柄は含まれない。
つまり、第1のタイミングにおける第1煽り演出320と第2のタイミングにおける第2煽り演出330とでは、停止表示可能に明示する図柄が異なる。このように、ぱちんこ遊技機100は、タイミングによって異なる第1煽り演出320および第2煽り演出330を行う。
また、図柄演出部412は、第1特殊装飾図柄を仮停止表示するか否かを抽選によって決定する。例えば、図柄演出部412は、特別遊技判定部401による特別遊技の判定結果や変動時間決定部402による変動時間の決定結果に基づいて、第1特殊装飾図柄を仮停止表示する当選確率を変更してもよい。具体的には、大当たりに対する期待度が高いときほど、第1特殊装飾図柄を仮停止表示する確率を高くしてもよい。これにより、第1煽り演出320における第1特殊装飾図柄の仮停止表示によって大当たりに対する期待度を示唆することができ、図柄演出の興趣を向上させることができる。
また、図柄演出部412は、変動演出部411によって第1特殊変動演出が行われる場合、第1煽り演出320において第1特殊装飾図柄を仮停止表示しない第1非仮停止演出を抽選により行う。第1非仮停止演出は、例えば、第1煽り演出320において第1特殊装飾図柄を仮停止表示せずに第1特殊変動演出に移行させる演出や、第1煽り演出320においてハズレ目を示す図柄を仮停止表示した後に第1特殊変動演出に移行させる演出である。
また、図柄演出部412は、第2特殊装飾図柄を仮停止表示するか否かを抽選によって決定する。第1特殊装飾図柄と同様に、図柄演出部412は、大当たりに対する期待度が高いときほど、第2特殊装飾図柄を仮停止表示する確率を高くしてもよい。これにより、第2特殊装飾図柄の仮停止表示によって大当たりに対する期待度を示唆することができ、図柄演出の興趣を向上させることができる。
また、図柄演出部412は、変動演出部411によって第2特殊変動演出が行われる場合、第2煽り演出330において第2特殊装飾図柄を仮停止表示しない第2非仮停止演出を抽選により行う。第2非仮停止演出は、例えば、第2煽り演出330において第2特殊装飾図柄を仮停止表示せずに第2特殊変動演出に移行させる演出や、第2煽り演出330においてハズレ目を示す図柄を仮停止表示した後に第2特殊変動演出に移行させる演出である。
上述した、特別遊技判定部401と、変動時間決定部402と、図柄表示制御部403と、特別遊技実行部404とは、主制御部201のCPU211によって実現される。すなわち、CPU211がROM212に記憶されている各種プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。また、演出実行部410は、演出統括部202aのCPU241によって実現される。すなわち、CPU241がROM242に記憶されている各種プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
(ぱちんこ遊技機が行う基本処理)
次に、ぱちんこ遊技機100が上述した動作を実現するために行う基本処理の内容について説明する。
(1.主制御部が行う基本処理)
まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部201が行う基本処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部201の各処理は、主制御部201のCPU211がROM212に記憶されたプログラムを実行することにより行う。
(タイマ割込処理)
まず、図5を用いて主制御部201が行うタイマ割込処理について説明する。図5は、主制御部が行うタイマ割込処理を示すフローチャートである。主制御部201は、電源の供給が開始されると、起動処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン制御処理(不図示)の実行を開始する。主制御部201は、電源が供給されている間、このメイン制御処理を継続的に実行している。主制御部201は、このメイン制御処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(例えば4ms)で割り込み実行する。
図5に示すタイマ割込処理において、主制御部201は、まず、主制御部201が行う各種判定に用いる乱数の更新を行う乱数更新処理を実行する(ステップS501)。主制御部201は、この乱数更新処理において、当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、などの更新を行う。
そして、主制御部201は、各種スイッチにより検出を行うスイッチ処理を実行する(ステップS502)。このスイッチ処理において、主制御部201は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(図6参照)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(不図示)、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bに入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理(不図示)、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理(不図示)、などを行う。
次に、主制御部201は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS503)。図柄処理において、主制御部201は、特別図柄に関する特別図柄処理(図7参照)、および普通図柄に関する普通図柄処理(不図示)、を行う。
次に、主制御部201は、各種電動役物の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS504)。電動役物制御処理において、主制御部201は、普通電動役物107の動作を制御する不図示の電動チューリップ制御処理(不図示)、および上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの動作を制御する大入賞口処理(図14参照)などを行う。
そして、主制御部201は、賞球に関する賞球処理を実行する(ステップS505)。賞球処理において、主制御部201は、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bや普通入賞口110へ入賞した遊技球に対して、所定個数の賞球の払い出しを指示する賞球コマンドをRAM213に設定する。
そして、主制御部201は、ステップS501〜S505の各処理によりRAM213に設定されたコマンドを演出制御部202などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS506)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部201はメイン処理へ戻る。
(始動口スイッチ処理)
次に、図6を用いて、スイッチ処理(図5のステップS502参照)に含まれる始動口スイッチ処理の処理内容について説明する。図6は、主制御部が行う始動口スイッチ処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部201は、まず、第1始動口SW221がONになったか否かを判定する(ステップS601)。第1始動口SW221がONになっていなければ(ステップS601:No)、主制御部201は、ステップS607へ移行する。
第1始動口SW221がONであれば(ステップS601:Yes)、主制御部201は、第1始動口105に入賞した遊技球の保留数を示す第1保留数U1が4未満であるか(U1<4)否かを判定する(ステップS602)。第1保留数U1が4未満でなければ(ステップS602:No)、すなわち、第1保留数U1が4以上であれば、主制御部201は、ステップS607へ移行する。
第1保留情報数U1が4未満であれば(ステップS602:Yes)、主制御部201は、第1保留数U1に「1」加算したものを新たな第1保留数U1とし(ステップS603)、各乱数カウンタのカウント値を含む保留情報を取得して、RAM213の保留情報記憶領域に記憶する(ステップS604)。
次に、主制御部201は、記憶した保留情報に基づき、大当たり判定や変動パターン判定を事前に行う事前判定処理を実行する(ステップS605)。そして、主制御部201は、事前判定結果を含む保留コマンドをRAM213に設定する(ステップS606)。次に、主制御部201は、第2始動口SW222がONになったか否かを判定する(ステップS607)。第2始動口SW222がONでなければ(ステップS607:No)、主制御部201は、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW222がONであれば(ステップS607:Yes)、主制御部201は、第2始動口106に入賞した遊技球の保留数を示す第2保留数U2が4未満であるか(U2<4)否かを判定する(ステップS608)。第2保留数U2が4未満でなければ(ステップS608:No)、すなわち、第2保留数U2が4以上であれば、主制御部201は、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2保留数U2が4未満であれば(ステップS608:Yes)、主制御部201は、第2保留数U2に「1」加算したものを新たな第2保留数U2とし(ステップS609)、各乱数カウンタのカウント値を含む保留情報を取得して、RAM213の保留情報記憶領域に記憶する(ステップS610)。
なお、主制御部201は、第2始動口106への入賞を契機に取得された保留情報については、第1始動口105への入賞を契機に取得された保留情報よりも優先順位が高くなるように記憶させる。次に、主制御部201は、記憶した保留情報に基づき、大当たり判定や変動パターン判定を事前に行う事前判定処理を実行するとともに(ステップS611)、事前判定結果を含む保留コマンドをRAM213に設定し(ステップS612)、始動口スイッチ処理を終了する。
(特別図柄処理)
次に、図7を用いて、図柄処理(図5のステップS503参照)に含まれる特別図柄処理の処理内容について説明する。図7は、主制御部が行う特別図柄処理を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄処理において、主制御部201は、まず、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS701)。大当たり遊技フラグは、現在の遊技状態が大当たり遊技状態であることを示すフラグである(図13−2のステップS1311参照)。
大当たり遊技フラグがONである場合(ステップS701:Yes)、特別図柄を変動表示せずに、そのまま特別図柄処理を終了する。大当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップS701:No)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS702)。特別図柄が変動表示中である場合(ステップS702:Yes)、主制御部201は、ステップS711へ移行する。
特別図柄が変動表示中ではない場合(ステップS702:No)、主制御部201は、第2始動口106への入賞による第2保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS703)。第2保留数U2が「0」の場合(ステップS703:No)、主制御部201は、第1始動口105への入賞による第1保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS704)。
第1保留数U1が「0」の場合(ステップS704:No)、主制御部201は、特別図柄処理を終了する。第1保留数U1が「1」以上である場合(ステップS704:Yes)、主制御部201は、第1保留数U1を「1」減算したものを新たな第1保留数U1として(ステップS705)、ステップS707へ移行する。
ステップS703において、第2保留数U2が「1」以上である場合(ステップS703:Yes)、主制御部201は、第2保留数U2を「1」減算したものを新たな第2保留数U2とし(ステップS706)、ステップS707へ移行する。
ステップS703〜ステップS706に示したように、第1始動口105への入賞による保留情報よりも、第2始動口106への入賞による保留情報を先に変動し、いわゆる優先消化するようにしている。これは、第1始動口105に入賞した保留情報に対する大当たり判定よりも、第2始動口106に入賞した保留情報に対する大当たり判定の方が、遊技者にとって有利な大当たり(7R確変大当たり)に当選しやすくしているためである(図10−1、図10−2参照)。
なお、保留情報の消化順については、第2始動口106への入賞による保留情報を優先する構成に限らず、各始動口105,106への入賞順に消化する構成としてもよい。具体的には、複数の保留情報が記憶されている場合、第1始動口105への入賞が第2始動口106への入賞よりも先の保留情報を先に消化する構成としてもよい。
次に、主制御部201は、大当たりであるか否かの判定や大当たりの場合における大当たり図柄判定を含む大当たり判定処理(図8参照)を実行する(ステップS707)。さらに、主制御部201は、大当たり判定処理の判定結果を参照し、特別図柄の変動パターンの判定を行う変動パターン判定処理(図11参照)を実行する(ステップS708)。大当たり判定処理および変動パターン判定処理における各判定結果は、各処理においてRAM213の判定結果記憶領域に記憶される。
次に、主制御部201は、判定された変動パターンに基づき、第1特別図柄表示部112aまたは第2特別図柄表示部112bの特別図柄の変動表示を開始する(ステップS709)。ステップS709において、主制御部201は、第2始動口106への入賞による大当たり判定の判定結果を示す特別図柄を変動表示する場合は第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示し、第1始動口105への入賞による大当たり判定の判定結果を示す特別図柄を変動表示する場合は第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示する。
次に、特別図柄の変動表示の開始にあわせて、主制御部201は、変動開始コマンドをRAM213に設定する(ステップS710)。ステップS710で設定される変動開始コマンドには、ステップS707の大当たり判定処理の判定結果やステップS708の変動パターン判定処理によって選択された変動パターンを示す情報や遊技状態を示す情報などが含まれる。また、ステップS710で設定された変動開始コマンドは、図5のステップS506に示した出力処理の実行時に、演出制御部202に対して出力される。
次に、主制御部201は、特別図柄の変動表示の開始から所定の変動時間(変動表示開始直前に選択した変動パターンによって定義された変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS711)。所定の変動時間が経過していない場合(ステップS711:No)、そのまま特別図柄処理を終了する。
所定の変動時間が経過すると(ステップS711:Yes)、主制御部201は、第1特別図柄表示部112aまたは第2特別図柄表示部112bにおいて変動表示中の特別図柄を停止させ(ステップS712)、変動停止コマンドをRAM213に設定する(ステップS713)。ステップS713で設定された変動停止コマンドは、図5のステップS506に示した出力処理の実行時に、演出制御部202に対して出力される。次に、主制御部201は、停止中処理(図13−1および図13−2参照)を実行して(ステップS714)、特別図柄処理を終了する。
(大当たり判定処理)
次に、図8を用いて、図7のステップS707に示した大当たり判定処理の処理内容について説明する。図8は、主制御部が行う大当たり判定処理を示すフローチャートである。大当たり判定処理において、主制御部201は、まず、現在の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態または潜確遊技状態)であることを示す高確率遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS801)。
高確率遊技フラグがONである場合(ステップS801:Yes)、主制御部201は、高確率用の当たり判定テーブルである、高確率当たり判定テーブルを選択する(ステップS802)。高確率遊技フラグがOFFである場合(ステップS801:No)、つまり、現在の遊技状態が低確率遊技状態(時短遊技状態または通常遊技状態)である場合、主制御部201は、低確率用の当たり判定テーブルである、低確率当たり判定テーブルを選択する(ステップS803)。
そして、主制御部201は、ステップS802またはステップS803において選択した当たり判定テーブルと、当たり判定の対象となる保留情報(優先順位の最も高く設定された保留情報)の当たり乱数とを比較して、当たり乱数が、当たり判定テーブルにおいて各当たりに対応する所定値と一致するかを判定する、当たり判定を行う(ステップS804)。
そして、主制御部201は、当たり判定の結果をRAM213の判定結果記憶領域に設定する(ステップS805)。当たり判定の結果が大当たりである場合(ステップS806:Yes)、主制御部201は、入賞した始動口に応じた図柄判定テーブルを用いて、保留情報の図柄乱数と図柄判定テーブルとを比較して、図柄乱数が、図柄判定テーブルにおいてどの種類の大当たり(7R確変大当たり、7R通常大当たり、など)に対応する所定値と一致するかを判定する、図柄判定を行う(ステップS807)。
図柄判定では、第1始動口105への入賞球に対しては第1図柄判定テーブルが用いられ、第2始動口106への入賞球に対しては第2図柄判定テーブルが用いられる。そして、主制御部201は、図柄判定の判定結果を表す大当たり図柄をRAM213の判定結果記憶領域に設定して(ステップS808)、大当たり判定処理を終了する。
一方、ステップS806において、当たり判定の判定結果が大当たりでない場合(ステップS806:No)、主制御部201は、ハズレを示す図柄をRAM213の判定結果記憶領域に設定して(ステップS809)、大当たり判定処理を終了する。
(当たり判定テーブルの一例)
ここで、図9−1および図9−2を用いて、ROM212に記憶されている当たり判定テーブルの一例について説明する。図9−1は、低確率遊技状態において用いられる当たり判定テーブルの一例を示す説明図である。図9−2は、高確率遊技状態において用いられる当たり判定テーブルの一例を示す説明図である。
低確率当たり判定テーブルAt1および高確率当たり判定テーブルAt2は、大当たりに対して、所定の判定値が対応付けられている。当たり判定において、大当たりに対する当選確率は、それぞれに対応付けられた判定値の個数によって定められる。低確率当たり判定テーブルAt1では大当たりに対して判定値「7(1個)」を割り当てている。一方、高確率当たり判定テーブルAt2では大当たりに対して判定値「0〜5(6個)」を割り当てている。
当たり判定時に、高確率遊技状態であることを示す高確率遊技フラグがOFFに設定されている場合(低確率遊技状態である場合)には、低確率当たり判定テーブルAt1が用いられる。一方、当たり判定時に高確率遊技フラグがONに設定されている場合(高確率遊技状態である場合)には、高確率当たり判定テーブルAt2が用いられる。ぱちんこ遊技機100は、始動入賞時に取得した当たり乱数が判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、また、当たり判定乱数が判定値に一致しない場合にはハズレであると判定する。
始動入賞時に取得される当たり乱数のとり得る範囲は「0〜149」までのいずれかの数値となっている。このため、低確率当たり判定テーブルAt1を用いて当たり判定を行った場合の当選確率(大当たり確率)は、1/150となる。一方、高確率当たり判定テーブルAt2を用いて当たり判定を行った場合の当選確率(大当たり確率)は、1/25(6/150)となる。
このように、高確率遊技フラグがONに設定されているときは、高確率遊技フラグがOFFに設定されているときに比べて、大当たりに当選しやすくなっている。
(図柄判定テーブルの一例)
次に、図10−1および図10−2を用いて、ROM212に記憶されている図柄判定テーブルについて説明する。図10−1は、第1始動口への入賞球に対して用いられる図柄判定テーブルの一例を示す説明図である。図10−2は、第2始動口への入賞球に対して用いられる図柄判定テーブルの一例を示す説明図である。
図10−1および図10−2に示すように、第1図柄判定テーブルZt1および第2図柄判定テーブルZt2は、各大当たりの種別に対して、所定の判定値が対応付けられている。第1図柄判定テーブルZt1は、第1始動口105へ入賞した遊技球の図柄判定に用いられる。一方、第2図柄判定テーブルZt2は、第2始動口106へ入賞した遊技球の図柄判定に用いられる。
第1図柄判定テーブルZt1および第2図柄判定テーブルZt2に示す「大当たり図柄」は、停止させる特別図柄である。第1図柄判定テーブルZt1および第2図柄判定テーブルZt2においては、説明の便宜上、「大当たりの種類」および「時短回数」を記載している。「大当たりの種類」は、大当たり図柄が示す大当たりの内容であり、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bを開放させるラウンド数と、大当たり遊技後の遊技状態とによって表したものである。「時短回数」は、補助遊技が付加される変動回数を示している。各大当たりの種類の当選確率は、それぞれに対応付けられた判定値の個数によって定められる。
例えば「7R確変」は、1ラウンドの開放期間を10球入賞するまでまたは29.5秒経過するまでとし、計7ラウンド、下大入賞口109bを開放させるとともに、大当たり遊技後には確変遊技状態が設定される大当たりである。「2R確変」は、1ラウンドの開放期間を10球入賞するまでまたは0.1秒経過するまでとし、計2ラウンド、下大入賞口109bを開放させるとともに、大当たり遊技後には確変遊技状態が設定される大当たりである。
「7R通常」は、1ラウンドの開放期間を10球入賞するまでまたは29.5秒経過するまでとし、計7ラウンド、下大入賞口109bを開放させるとともに、大当たり遊技後には時短遊技状態が設定されることを示している。
図10−1に示す第1図柄判定テーブルZt1では、「0〜99」の範囲のうち、7R確変大当たりに対して判定値「0〜34(35個)」が割り当てられており、大当たりのうち、7R確変大当たりとなる割合は、35%(=35/100)になっている。
また、第1図柄判定テーブルZt1では、2R確変大当たりに対して判定値「35〜59(25個)」が割り当てられており、大当たりのうち、2R確変大当たりとなる割合は、25%(=25/100)になっている。同様に、7R通常大当たりとなる割合は40%、となっている。
図10−2に示す第2図柄判定テーブルZt2では、7R確変大当たりとなる割合は55%、2R確変大当たりとなる割合は5%、7R通常大当たりとなる確率は40%、となっている。第2図柄判定テーブルZt2では、遊技者に有利な7R確変大当たりとなる確率が図10−1の第1図柄判定テーブルZt1よりも高くなっている一方で、遊技者に不利な2R確変大当たりとなる確率は第1図柄判定テーブルZt1よりも低くなっている。すなわち、第2始動口106への入賞による図柄判定は、第1始動口105への入賞による図柄判定よりも遊技者にとって有利な判定となっている。
補助遊技状態においては、普通電動役物107のサポート機能により、ほとんどの場合、第2図柄判定テーブルZt2を用いた図柄判定が行われる。なお、補助遊技状態において、第2始動口106への入賞による保留情報がなくなり、第1始動口105への入賞による保留情報のみが記憶されている状態となった場合には、第1図柄判定テーブルZt1を用いた図柄判定が行われる。
(変動パターン判定処理)
次に図11を用いて、図7のステップS708に示した変動パターン判定処理の処理内容について説明する。図11は、主制御部が行う変動パターン判定処理を示すフローチャートである。変動パターン判定処理において、主制御部201は、大当たり判定処理(図8参照)における当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS1101)。
大当たりではない場合(ステップS1101:No)、主制御部201は、ハズレ用変動パターン判定テーブル(図中「ハズレテーブル」と記載)を選択し(ステップS1102)、ステップS1104に移行する。ステップS1101において、大当たりである場合(ステップS1101:Yes)、主制御部201は、大当たり用変動パターン判定テーブル(図中「大当たりテーブル」と記載)を選択し(ステップS1103)、ステップS1104に移行する。
ステップS1104において、主制御部201は、選択した変動パターン判定テーブルと、今回の保留情報の変動パターン乱数とを比較して、変動パターン乱数が、変動パターン判定テーブルにおいてどの変動パターンに対応するかを判定する、変動パターン判定を行う(ステップS1104)。そして、主制御部201は、この判定結果をRAM213の判定結果記憶領域に設定し(ステップS1105)、変動パターン判定処理を終了する。
(変動パターン判定テーブルの一例)
次に、図12−1および図12−2を用いて、変動パターン判定テーブルの一例について説明する。図12−1は、ハズレ時に用いるハズレ用変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図である。図12−1に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルHt1は、複数の変動パターンHpの中から1つが選択されるように判定値が対応付けられている。
変動パターンHpは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄を変動させる期間(以下「変動時間」という)を定義している。なお、図12−1および図12−2では、説明の便宜上、各変動パターンには、それぞれ変動パターンに対応する演出内容のうちの最終段階の演出内容を括弧書きで記している。変動パターン判定において、各変動パターンHpの当選確率は、それぞれに対応付けられた判定値の個数によって定められる。
変動パターンHp11,Hp12,Hp13,Hp14は、いずれも、通常ハズレの演出が行われる変動パターンであり、「0〜149」の範囲の判定値のうち、始動入賞時に取得された判定値が「0〜119(120個)」の場合に選択される。変動パターンHp11,Hp12,Hp13は、保留情報の数に応じて選択される。
保留情報の数が「1以下(0または1)」の場合は、変動時間が13秒の変動パターンHp11が選択され、保留情報の数が「2」の場合は、変動時間が8秒の変動パターンHp12が選択され、保留情報の数が「3以上」の場合は、変動時間が3秒の変動パターンHp13が選択される。このような構成とすることにより、保留情報数が多く(「2」以上)記憶されている場合に、迅速な遊技を可能にし、多くの大当たり判定の機会を遊技者に与えることを可能にしている。変動パターンHp14は、補助遊技状態において選択可能な通常ハズレ時の1秒の変動パターンである。
変動パターンHp2,Hp3,Hp4,Hp5,Hp6は、リーチ演出が行われる変動パターンである。変動パターンHp2は、短時間のノーマルリーチα(図中「ノーマル短」と記載)が行われる変動パターンである。変動パターンHp3は、変動パターンHp2に比べて長時間のノーマルリーチβ(図中「ノーマル長」と記載)またはノーマルαの後に第1煽り演出320が行われる変動パターンである。
変動パターンHp4は、ノーマルリーチからさらに演出が発展する発展リーチAが行われる変動パターンである。変動パターンHp5は、発展リーチAの後に第2煽り演出330が行われる変動パターンである。変動パターンHp6は、発展リーチAからさらに演出が発展する最終リーチBが行われる変動パターンである。また、変動パターンHp7は、大当たり確定を示す大当たり確定リーチが行われる変動パターンである。
変動パターンHp2,Hp3,Hp4,Hp5,Hp6,Hp7は、例えば、順に変動時間が長くなっており、変動時間の長い順に大当たりに対する信頼度が高くなっている。
図12−2は、大当たり時に用いる大当たり用変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図である。図12−2に示すように、大当たり用変動パターン判定テーブルHt2は、各変動パターンHp2,Hp3,Hp4,Hp5,Hp6,Hp7に対して、所定の判定値が対応付けられている。大当たり用変動パターン判定テーブルHt2では、例えば、最終リーチBが行われる変動パターンHp6が最も高い割合で選択される。
本実施の形態においては、変動パターンHpの数は、説明の便宜上、10種類について説明しているが、実際には、ぱちんこ遊技機100は、例えば数十種類やそれ以上の数の変動パターンHpを記憶している。
(停止中処理)
次に、図13−1および図13−2を用いて、停止中処理の処理内容について説明する。図13−1は、主制御部が行う停止中処理を示すフローチャート(その1)である。図13−2は、主制御部が行う停止中処理を示すフローチャート(その2)である。
停止中処理において、主制御部201は、補助遊技状態を示す補助遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1301)。補助遊技フラグは、図16を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。補助遊技フラグがONではない場合(ステップS1301:No)、主制御部201は、ステップS1306に移行する。
補助遊技フラグがONである場合(ステップS1301:Yes)、主制御部201は、補助遊技状態の残余回数を示す補助遊技カウンタJから「1」減算した値を新たな補助遊技カウンタJとする(ステップS1302)。なお、補助遊技カウンタJは、補助遊技状態における遊技の残余回数を示しており、大当たり後に、30回に設定される数値である。補助遊技カウンタJは、後述する遊技状態設定処理(図16参照)において設定される。そして、主制御部201は、補助遊技カウンタJが「0」であるか否かを判定する(ステップS1303)。
補助遊技カウンタJが「0」である場合(ステップS1303:Yes)、つまり、大当たり終了後、補助遊技継続回数の30変動が経過した場合、主制御部201は、補助遊技フラグをOFFにする(ステップS1304)。そして、主制御部201は、不図示の右打ち表示部を消灯させるための右打ち報知終了処理を実行し(ステップS1305)、ステップS1306に移行する。
補助遊技カウンタJが「0」ではない場合(ステップS1303:No)、主制御部201は、高確率遊技状態を示す高確率遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS1306)。高確率遊技フラグがOFFである場合(ステップS1306:No)、主制御部201は、ステップS1310に移行する。高確率遊技フラグがONである場合(ステップS1306:Yes)、主制御部201は、高確率遊技状態の残余回数を示す高確率遊技カウンタXから「1」減算した値を新たな高確率遊技カウンタXとする(ステップS1307)。
高確率遊技カウンタXは、具体的には、高確率遊技状態における遊技の残余回数を示しており、大当たり終了後に、例えば10000回に設定される。高確率遊技カウンタXは、後述する遊技状態設定処理(図16)において設定される。
次に、主制御部201は、高確率遊技カウンタXが「0」であるか否かを判定し(ステップS1308)、高確率遊技カウンタXが「0」である場合(ステップS1308:Yes)、つまり、大当たり終了後、10000変動が経過した場合、高確率遊技フラグをOFFにし(ステップS1309)、ステップS1310に移行する。
高確率遊技カウンタXが「0」ではない場合(ステップS1308:No)、主制御部201は、停止した特別図柄が大当たりであるか否かを判定する(ステップS1310)。停止した特別図柄が大当たりではない場合(ステップS1310:No)、主制御部201は、そのまま停止中処理を終了する。
停止した特別図柄が大当たり図柄である場合(ステップS1310:Yes)、主制御部201は、大当たり遊技フラグをONにし(ステップS1311)、不図示の右打ち表示部を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS1312)。
そして、主制御部201は、補助遊技カウンタJおよび高確率遊技カウンタXを「0」にする(ステップS1313)。次に、主制御部201は、補助遊技フラグおよび高確率遊技フラグをOFFにし(ステップS1314)、大当たりのオープニングを開始する(ステップS1315)。そして、主制御部201は、オープニングコマンドをRAM213に設定し(ステップS1316)、停止中処理を終了する。
(大入賞口処理)
次に、図14を用いて、電動役物制御処理(図5のステップS504参照)に含まれる大入賞口処理の処理内容について説明する。図14は、主制御部が行う大入賞口処理を示すフローチャートである。図14に示す大入賞口処理において、主制御部201は、大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS1401)。大当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップS1401:No)、主制御部201は、そのまま大入賞口処理を終了する。
大当たり遊技フラグがONである場合(ステップS1401:Yes)、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bを開放させる前の所定期間であるオープニング中であるか否かを判定する(ステップS1402)。オープニング中ではない場合(ステップS1402:No)、主制御部201は、ステップS1403へ移行し、オープニングが終了したか否かを判定する(ステップS1403)。オープニングが終了した場合(ステップS1403:Yes)、主制御部201は、ステップS1406に移行する。
オープニングが終了していない場合(ステップS1403:No)、主制御部201は、オープニングからエンディングまでの上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの動作パターンの設定を行い(ステップS1404)、ステップS1406に移行する。ステップS1404では、主制御部201は、不図示の大入賞口動作パターン設定テーブルを用いて、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの動作パターンを設定する。
ステップS1402において、オープニング中である場合(ステップS1402:Yes)、主制御部201は、オープニング期間をカウントするオープニング処理を行って(ステップS1405)、ステップS1406へ移行する。
次に、主制御部201は、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの開放中であるか否かを判定する(ステップS1406)。上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの開放中である場合(ステップS1406:Yes)、主制御部201は、入賞個数や開放期間をカウントする開放中処理を行って(ステップS1407)、ステップS1408へ移行する。
上大入賞口109aまたは下大入賞口109bの開放中ではない場合(ステップS1406:No)、主制御部201は、インターバル中であるか否かを判定する(ステップS1408)。インターバル中である場合(ステップS1408:Yes)、主制御部201は、インターバル期間のカウントやラウンド数を「1」加算させるインターバル処理を行って(ステップS1409)、ステップS1410へ移行する。
インターバル中ではない場合(ステップS1408:No)、主制御部201は、エンディング中であるか否かを判定する(ステップS1410)。エンディング中である場合(ステップS1410:Yes)、主制御部201は、エンディング処理(図15参照)を行って(ステップS1411)、大入賞口処理を終了する。エンディング中ではない場合(ステップS1410:No)、主制御部201は、大入賞口処理を終了する。
(エンディング処理)
次に、図15を用いて、図14のステップS1411に示したエンディング処理について説明する。図15は、主制御部が行うエンディング処理を示すフローチャートである。図15に示すエンディング処理において、主制御部201は、上大入賞口109aまたは下大入賞口109bを開放した最終ラウンド後の所定期間であるエンディング期間が経過したか否かを判定する(ステップS1501)。エンディング期間が経過していない場合(ステップS1501:No)、そのままエンディング処理を終了する。
エンディング期間が経過した場合(ステップS1501:Yes)、主制御部201は、エンディングを終了し(ステップS1502)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを「0」にリセットする(ステップS1503)。そして、主制御部201は、今回の大当たり遊技後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理(図16参照)を行う(ステップS1504)。
次に、主制御部201は、大当たり遊技フラグをOFFに設定するとともに(ステップS1505)、不図示の右打ち表示部を消灯するための右打ち報知終了処理を実行し(ステップS1506)、エンディング処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
次に、図16を用いて、図15のステップS1504に示した遊技状態設定処理について説明する。図16は、主制御部が行う遊技状態設定処理を示すフローチャートである。図16に示す遊技状態設定処理において、主制御部201は、補助遊技状態であることを示す補助遊技フラグをONに設定するとともに(ステップS1601)、補助遊技カウンタJを「30」に設定する(ステップS1602)。
そして、主制御部201は、実行中の大当たりが確変大当たり(具体的には、7R確変大当たりまたは2R確変大当たり)であるか否かを判定する(ステップS1603)。確変大当たりである場合(ステップS1603:Yes)、すなわち、7R確変大当たりまたは2R確変大当たりのいずれかである場合、主制御部201は、高確率遊技状態を示す高確率遊技フラグをONにする(ステップS1604)。
そして、主制御部201は、高確率遊技カウンタXを「10000」に設定する(ステップS1605)。次に、主制御部201は、不図示の右打ち表示部を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行し(ステップS1606)、遊技状態設定処理を終了する。ステップS1603において、確変大当たりではない場合(ステップS1603:No)、すなわち、7R通常大当たりである場合、主制御部201は、ステップS1606に移行する。
(2.演出統括部が行う処理)
次に、演出制御部202の演出統括部202aが行う処理について説明する。以下に示す演出統括部202aが行う各処理は、例えば、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶されているプログラムを実行することによって行われるものである。
(演出タイマ割込処理)
まず、図17を用いて、演出統括部202aが行う演出タイマ割込処理の処理内容について説明する。図17は、演出統括部が行う演出タイマ割込処理を示すフローチャートである。演出統括部202aは、起動中継続的に所定のメイン演出制御処理(不図示)を行っており、このメイン演出制御処理に対して、図17に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(例えば4ms)で割り込み実行する。
演出タイマ割込処理において、演出統括部202aは、演出ボタン118や十字キー119が遊技者から操作を受け付けた際に、受け付けた旨のコマンドを設定する、操作受付処理を行う(ステップS1701)。そして、演出統括部202aは、コマンド受信処理(図18参照)を行う(ステップS1702)。
次に、演出統括部202aは、変動演出中に行う演出中処理を行うとともに(ステップS1703)、コマンド送信処理を行って(ステップS1704)、演出タイマ割込処理を終了する。演出タイマ割込処理を終了すると、演出統括部202aはメイン演出制御処理に戻る。コマンド送信処理では、コマンド受信処理または操作受付処理などによりRAM243の各記憶領域に設定された情報を示すコマンドを、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cに対して出力する処理を行う。
(コマンド受信処理)
次に、図18を用いて、コマンド受信処理の処理内容について説明する。図18は、演出統括部が行うコマンド受信処理を示すフローチャートである。
図18に示すコマンド受信処理において、演出統括部202aは、まず、主制御部201から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1801)。変動開始コマンドは、主制御部201の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図7参照)。変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1801:No)、演出統括部202aは、ステップS1803へ移行する。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1801:Yes)、演出統括部202aは、実行する演出の演出内容を決定する演出決定処理(図19参照)を行い(ステップS1802)、主制御部201から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1803)。変動停止コマンドは、主制御部201の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図7参照)。
変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS1803:No)、演出統括部202aは、ステップS1805へ移行する。変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1803:Yes)、演出統括部202aは、実行中の変動演出を終了させるための演出終了処理を行い(ステップS1804)、ステップS1805へ移行する。
ステップS1805では、主制御部201からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1805)。オープニングコマンドは、主制御部201の停止中処理において設定されるコマンドである(図13−2参照)。オープニングコマンドを受信していない場合(ステップS1805:No)、ステップS1807へ移行する。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップS1805:Yes)、演出統括部202aは、大当たり中に行う大当たり演出を選択する大当たり演出選択処理を行う(ステップS1806)。例えば、7R確変大当たりに当選している場合、大当たり演出選択処理において、演出統括部202aは、7R確変大当たり用の当たり演出を選択する。
次に、主制御部201からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1807)。エンディングコマンドは、主制御部201の開放中処理(図14参照)においてエンディング開始時に設定されるコマンドである。エンディングコマンドを受信していない場合(ステップS1807:No)、演出統括部202aは、ステップS1809に移行する。
ステップS1807において、エンディングコマンドを受信した場合(ステップS1807:Yes)、演出統括部202aは、大当たり演出終了時に行うエンディング演出を選択するための、エンディング演出選択処理を行う(ステップS1808)。次に、演出統括部202aは、主制御部201から保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1809)。保留コマンドは、主制御部201の始動口SW処理(図6参照)において設定されるコマンドである。
保留コマンドを受信していない場合(ステップS1809:No)、演出統括部202aは、コマンド受信処理を終了する。保留コマンドを受信した場合(ステップS1809:Yes)、演出統括部202aは、演出事前判定処理を行い(ステップS1810)、コマンド受信処理を終了する。
演出事前判定処理では、保留コマンドに基づいて演出内容を事前に判定し、判定した演出事前判定結果をRAM243の演出事前判定情報記憶領域に設定する。また、演出統括部202aは、演出事前判定結果を用いて、保留情報を示す保留表示を通常の形態とは異なる特殊保留表示を行ったり、複数の保留情報を用いた連続演出などを行う。
(演出決定処理)
次に、図19を用いて、図18のステップS1802に示した演出決定処理について説明する。図19は、演出統括部が行う演出決定処理を示すフローチャートである。図19に示す演出決定処理において、演出統括部202aは、コマンド受信処理において受信された変動開始コマンド(図18のステップS1801参照)を解析し(ステップS1901)、大当たり判定の判定結果、変動パターン(特別図柄の変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する。
そして、演出統括部202aは、現在の保留情報数から「1」を減算する、保留情報数減算処理を行う(ステップS1902)。次に、演出統括部202aは、不図示の演出モードテーブルを用いて、設定されている現在の演出モードを示すモードフラグを参照する(ステップS1903)。そして、演出統括部202aは、変動演出パターンテーブル(図20参照)を用いて変動演出パターンの選択を行う変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS1904)。
そして、演出統括部202aは、第1煽り演出320または第2煽り演出330後にさらに演出が発展する変動演出パターンEpであるか否かを判定する(ステップS1905)。第1煽り演出320または第2煽り演出330後にさらに演出が発展する変動演出パターンEpとは、後述する変動演出パターンEp41,Ep51,Ep61,Ep62である(図20参照)。
選択した変動演出パターンEpが第1煽り演出320または第2煽り演出330後にさらに演出が発展する変動演出パターンEpである場合(ステップS1905:Yes)、演出統括部202aは、第1煽り演出320および第2煽り演出330における図柄仮停止表示の判定を行う(ステップS1906)。
図柄仮停止表示の判定では、第1煽り演出320の図柄仮停止表示判定テーブルXt1(図22参照)または第2煽り演出330の図柄仮停止表示判定テーブルXt2(図23参照)が用いられ、第1図柄仮停止表示の種類または第2図柄仮停止表示の種類が選択される。ステップS1905において、選択した変動演出パターンEpが第1煽り演出320または第2煽り演出330後にさらに演出が発展する変動演出パターンEpではない場合(ステップS1905:No)、演出統括部202aは、ステップS1907に移行する。
そして、演出統括部202aは、不図示の予告演出選択テーブルを用いて、ステップアップ演出やカットイン演出等の予告演出の選択を行う予告演出選択処理を実行する(ステップS1907)。次に、演出統括部202aは、変動演出開始コマンドをRAM243に設定し(ステップS1908)、演出決定処理を終了する。
(変動演出パターンテーブルの一例)
次に、図20を用いて、変動演出パターンテーブルについて説明する。図20は、変動演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。図20に示すように、変動演出パターンテーブルEtは、変動パターンHpと、変動演出パターンEpとを対応付けたものである。変動演出パターンEpは、通常ハズレ演出やリーチ演出などの変動演出の演出内容を定義したものである。
変動演出パターンEp11,Ep12,Ep13は、通常遊技状態における通常ハズレ変動演出を行うための変動演出パターンである。変動演出パターンEp14は、補助遊技状態におけるハズレ変動演出を行うための変動演出パターンである。なお、補助遊技状態において第2保留情報の保留数が0の場合にも第1保留情報による変動時には変動パターンHp11が選択されるため、補助遊技状態においても変動演出パターンEp11が選択されることがある。
また、変動パターンHp7には、大当たり確定用の演出である変動演出パターンEp7が対応付けられている。変動パターンHp2〜Hp6については、それぞれ一または複数の変動演出パターンEpが対応付けられており、それぞれ大当たり判定結果に基づく所定の割合で、一の変動演出パターンEpが選択される。ここで、図21を用いて、変動パターンHp2〜Hp6に対応付けられている変動演出パターンEpの詳細について説明する。
図21は、変動パターンに対応付けられている変動演出パターンの詳細を示す説明図である。図21に示すように各変動演出パターンEpは、複数の段階2101,2102,2103,2104のうちのいずれかまで進行するシナリオとして予め記憶されているものとする。なお、変動演出パターンEpをシナリオとして記憶しておく構成に限らず、各段階2101〜2104においてとり得る演出内容を演出統括部202aが抽選によって選択し、選択した演出内容を組み合わせて変動演出パターンEpを作成する構成としてもよい。
図21に示すように、変動演出パターンEp21は、通常変動演出からノーマルリーチαに移行し、ノーマルリーチαにおいて大当たり判定結果に基づく第3装飾図柄を停止表示する演出パターンである。
変動演出パターンEp31は、通常変動演出からノーマルリーチαに移行し、ノーマルリーチαの後に第1煽り演出320を行う演出パターンである。第1煽り演出320は、発展リーチAに移行する可能性やゾロ目で揃う可能性があることを示唆する演出である。変動演出パターンEp31における第1煽り演出320では、大当たり時にはゾロ目となる図柄が停止表示され、ハズレ時にはハズレ目となる図柄が停止表示される。変動演出パターンEp31における第1煽り演出320では、第1特殊装飾図柄「A」が停止表示されることはない。
変動演出パターンEp32は、通常変動演出からノーマルリーチβに移行し、ノーマルリーチβにおいて、大当たり判定結果に基づく第3装飾図柄を停止表示する演出パターンである。変動演出パターンEp32におけるノーマルリーチβでは、大当たり時にはゾロ目となる図柄が停止表示され、ハズレ時にはハズレ目となる図柄が停止表示される。
変動演出パターンEp41は、変動演出パターンEp31と同様の演出を行った後に、発展リーチAに移行する演出パターンである。ただし、変動演出パターンEp41における第1煽り演出320では、図柄仮停止表示の判定結果(図19のステップS1906参照)に応じて、第1特殊装飾図柄の仮停止表示、または第1特殊装飾図柄を仮停止表示しない第1非仮停止演出が行われる。第1非仮停止演出は、例えば、非特殊装飾図柄(例えばゾロ目以外の数字図柄)を仮停止表示する演出、または装飾図柄を仮停止表示しない演出、である。
第1煽り演出320において装飾図柄を仮停止表示しない演出とする場合、第1煽り演出320から発展リーチAに移行するに際して、遊技者が第1煽り演出320から発展リーチAへの演出の移行を理解できるようにするために、例えば、繋ぎ演出として、メイン液晶104の表示を真っ暗にさせるいわゆるブラックアウトをしたり、可動役物130を動作させたりすればよい。
変動演出パターンEp42は、変動演出パターンEp32と同様の演出を行った後に、発展リーチAに移行する演出パターンである。ただし、変動演出パターンEp42におけるノーマルリーチβでは第3装飾図柄が停止表示されずに、ノーマルリーチβから発展リーチAに移行することとなる。
変動演出パターンEp51は、変動演出パターンEp41と同様の演出を行った後に、第2煽り演出330を行う演出パターンである。また、変動演出パターンEp52は、変動演出パターンEp42と同様の演出を行った後に、第2煽り演出330を行う演出パターンである。
第2煽り演出330は、最終リーチBに移行する可能性やゾロ目で揃う可能性があることを示唆する演出である。変動演出パターンEp51,Ep52における第2煽り演出330では、大当たり時にはゾロ目となる図柄が停止表示され、ハズレ時にはハズレ目となる図柄が停止表示される。
変動演出パターンEp61は、変動演出パターンEp51と同様の演出を行った後に、最終リーチBを行う演出パターンである。また、変動演出パターンEp62は、変動演出パターンEp52と同様の演出を行った後に、最終リーチBに移行する演出パターンである。
変動演出パターンEp61,Ep62における第2煽り演出330では、図柄仮停止表示の判定結果に応じて(図19のステップS1906参照)、第2特殊装飾図柄の仮停止表示、または第2特殊装飾図柄を仮停止表示しない第2非仮停止演出が行われる。第2非仮停止演出は、例えば、非特殊装飾図柄(例えばゾロ目以外の数字図柄)を仮停止表示する演出、または装飾図柄を仮停止表示しない演出、である。
第2煽り演出330において装飾図柄を仮停止表示しない演出とする場合、第2煽り演出330から最終リーチBに移行するに際して、遊技者が第2煽り演出330から最終リーチBへの演出の移行を理解できるようにするために、例えば、繋ぎ演出として、メイン液晶104の表示を真っ暗にさせるいわゆるブラックアウトをしたり、可動役物130を動作させたりすればよい。
変動演出パターンEp61,Ep62における最終リーチBにおいては、大当たり時にはゾロ目となる図柄が停止表示され、ハズレ時にはハズレ目となる図柄が停止表示される。
なお、上述したように、一連の変動演出パターンEpをシナリオとして記憶しておく構成に限らず、段階2101〜2104においてとり得る演出内容を演出統括部202aが抽選によって選択し、選択した演出内容を組み合わせて変動演出パターンEpを作成してもよい。具体的には、演出統括部202aが、各段階2101〜2104においてとり得る演出内容をそれぞれ複数記憶しておき、変動パターンHpに応じて、各段階2101〜2104においてとり得る演出内容を組み合わせて変動演出パターンEpを作成すればよい。
本実施の形態では、変動演出パターンEp42に示すように、発展リーチAに移行する場合であっても第1煽り演出320が行われない場合がある。一方、変動演出パターンEp61,62に示すように、最終リーチBに移行する場合には必ず第2煽り演出330が行われる。言い換えれば、第1煽り演出320が行われなくても発展リーチAに移行する場合があるものの、第2煽り演出330は行われないと最終リーチBに移行しない。
このため、第1煽り演出320と第2煽り演出330との興趣性を異ならせることができる。例えば、第1煽り演出320よりも後に行われる第2煽り演出330を期待感の高い演出とすることができ、後半ほど期待感の高い演出を行うことができる。
(第1煽り演出の図柄仮停止表示判定テーブルの一例)
次に、図22を用いて、第1煽り演出320の図柄仮停止表示判定テーブルについて説明する。図22は、第1煽り演出の図柄仮停止表示判定テーブルの一例を示す説明図である。図22に示すように、図柄仮停止表示判定テーブルXt1は、大当たり判定結果に応じた「第1図柄仮停止表示の種類」の選択される割合を示している。
「第1図柄仮停止表示の種類」は、変動演出パターンEp41,Ep51,Ep61における第1煽り演出320での演出内容である(図21参照)。なお、発展リーチAに移行しない変動演出パターンEp31の場合、第1煽り演出320においては非特殊装飾図柄である数字図柄が停止表示されるため、図柄仮停止表示判定テーブルXt1は用いられない。
例えば、「第1特殊装飾図柄を仮停止表示」は、第1煽り演出320において、発展リーチAに移行することを示唆する第1特殊装飾図柄「A」の仮停止表示である。「非特殊装飾図柄を仮停止表示」は、通常時に表示されている装飾図柄(例えば数字図柄)の仮停止表示である。「仮停止表示なし」は、仮停止表示しないことである。「第1図柄仮停止表示の種類」の各種類は、大当たりであるかハズレであるかによって、選択される割合が異なっている。
(第2煽り演出の図柄仮停止表示判定テーブルの一例)
図23は、第2煽り演出の図柄仮停止表示判定テーブルの一例を示す説明図である。図23に示すように、図柄仮停止表示判定テーブルXt2は、大当たり判定結果に応じた「第2図柄仮停止表示の種類」の選択される割合を示している。「第2図柄仮停止表示の種類」とは、変動演出パターンEp61,Ep62における第2煽り演出330での演出内容である(図21参照)。なお、最終リーチBに移行しない変動演出パターンEp51,Ep52の場合、第2煽り演出330において非特殊装飾図柄である数字図柄が停止表示されるため、図柄仮停止表示判定テーブルXt2は用いられない。
例えば、「第2特殊装飾図柄を仮停止表示」は、第2煽り演出330において、最終リーチBに移行することを示唆する第2特殊装飾図柄「B」の仮停止表示である。「非特殊装飾図柄を仮停止表示」は、通常時に表示されている装飾図柄(例えば数字図柄)の仮停止表示である。「仮停止表示なし」は、仮停止表示しないことである。「第2図柄仮停止表示の種類」の各種類は、大当たりであるかハズレであるかによって、選択される割合が異なっている。
このように、図柄仮停止表示の判定(図19のステップS1906参照)では、図柄仮停止表示判定テーブルXt1(Xt2)が用いられ、第1(第2)図柄仮停止表示の種類が選択される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、段階的に進行する演出において、所定のタイミングで以降の演出を示唆する特殊装飾図柄を仮停止表示することにより、装飾図柄を用いたメリハリのある演出を行うことができる。また、仮停止表示した装飾図柄の仮停止表示と次の段階の演出とを関連付けた一連の演出を行うことができる。したがって、遊技者に装飾図柄を注視させることができ、装飾図柄を有効活用した斬新な演出を行うことができる。これにより、装飾図柄による演出のバリエーションを増やすことができる。
また、特殊変動演出を行う際には煽り演出を行うことにより、特殊装飾図柄の仮停止表示時における演出を盛り上げることができ、特殊装飾図柄の仮停止に対する遊技者の期待感を高めさせることができる。
また、本実施の形態では、特殊変動演出が行われる場合には抽選により非仮停止演出を行うことにより、特殊装飾図柄が仮停止表示されなかった場合にも特殊変動演出を行うことが可能になる。したがって、特殊装飾図柄が仮停止表示されなかった場合でも、特殊変動演出に移行することを期待させることができ、特殊変動演出に移行する際の演出のバリエーションを増やすことができる。